(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164407
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】腎臓結石識別システム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/22 20060101AFI20231102BHJP
A61B 18/26 20060101ALI20231102BHJP
A61B 1/307 20060101ALI20231102BHJP
A61B 1/045 20060101ALI20231102BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20231102BHJP
A61B 8/08 20060101ALI20231102BHJP
G01N 29/09 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
A61B17/22 510
A61B18/26
A61B1/307
A61B1/045 614
A61B1/00 620
A61B8/08
G01N29/09
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023075040
(22)【出願日】2023-04-28
(31)【優先権主張番号】63/363,839
(32)【優先日】2022-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500498763
【氏名又は名称】ジャイラス エーシーエムアイ インク ディー/ビー/エー オリンパス サージカル テクノロジーズ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・ブルーム
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ・エー・ベイカー
(72)【発明者】
【氏名】カート・ジー・シェルトン
【テーマコード(参考)】
2G047
4C026
4C160
4C161
4C601
【Fターム(参考)】
2G047AA12
2G047AC13
2G047BC01
2G047BC13
2G047GA21
2G047GG20
2G047GG33
4C026AA04
4C026HH02
4C026HH07
4C160EE03
4C160EE15
4C160JJ15
4C160JJ17
4C160MM53
4C161AA15
4C161BB01
4C161CC06
4C161HH05
4C601DD18
4C601EE09
4C601FF11
(57)【要約】
【課題】標的識別システムのためのシステムおよび技法を提供すること。
【解決手段】一例において、システムは、標的をアブレーションするための医療用器具と、アブレーションされた標的を解剖学的部位から排出経路に除去するための機構とを含むことができる。排出経路は、測定室を含むことができる。システムは、測定室内に乱流を発生させることができる乱流発生システムを含むこともできる。システムは、測定室内のアブレーションされた標的の少なくとも一部の特性を決定することができる標的識別システムを含むこともできる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者内の解剖学的部位において位置する標的をアブレーションするための医療用標的アブレーション器具であって、前記アブレーション器具が前記アブレーションされた標的を前記解剖学的部位から離れた場所に移送するための排出経路を内部に画定する、医療用標的アブレーション器具と、
前記排出経路に沿った測定位置において乱流を発生させるためのタービュレータと、
前記アブレーション器具内の前記排出経路に沿った前記アブレーションされた標的の少なくとも一部の組成特性を決定するための、前記排出経路に沿った前記測定位置に動作可能に結合された標的組成特性決定システムと
を備えるシステム。
【請求項2】
前記排出経路が、
前記アブレーションされた標的を保管するための、前記測定位置の下流に位置する容器をさらに備える、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記測定位置が、
前記アブレーションされた標的を測定室内に導く入口バルブと、
前記アブレーションされた標的を前記測定室の外に導く出口バルブと
を備える前記測定室を備える、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記排出経路が、
前記アブレーションされた標的を前記測定室の周囲、および直接前記容器内に導くバイパスバルブを備える、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記システムが、複数のモードにおいて動作するように構成されたコントローラ回路を含み、前記複数のモードが、サンプル測定モードとサンプルトラップモードとを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記サンプル測定モードにおいて、前記コントローラ回路が、前記入口バルブを開くように作動させ、前記出口バルブを閉じるように作動させ、前記バイパスバルブを閉じるように作動させ、前記サンプルトラップモードにおいて、前記コントローラ回路が、前記入口バルブを閉じるように作動させ、前記出口バルブを開くように作動させ、前記バイパスバルブを開くように作動させる、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記アブレーションされた標的の前記少なくとも一部の前記決定された特性に少なくとも部分的に基づいて、前記医療用標的アブレーション器具に関連するパラメータを調整するためのコントローラ回路
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記コントローラ回路が、前記コントローラ回路によって実行されると、前記コントローラ回路に、
前記排出経路に沿って測定室に流入する流体の流れを示す流入速度を受信させ、
前記測定室から出る流体の流れを示す流出速度を受信させ、
前記タービュレータを使用して標的乱流レベルを確立、調整、または維持の少なくとも1つを行うために、前記流入速度または前記流出速度を確立または調整させる
記憶された命令を含むメモリ回路に結合される、
請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記標的組成特性決定システムが、
前記測定位置における前記アブレーションされた標的を照明するための光源と、
前記照明に応答して、前記アブレーションされた標的の少なくとも一部からの応答信号を検出するための分光計と
を備え、
前記コントローラ回路が、前記検出された応答信号に少なくとも部分的に基づいて、前記アブレーションされた標的の前記少なくとも一部の前記組成特性を決定する、
請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記コントローラ回路が、前記コントローラ回路によって実行されると、前記コントローラ回路に、
前記分光計から前記応答信号を受信させ、
前記アブレーションされた標的の前記少なくとも一部の前記組成特性を決定するために前記応答信号を分析させ、
前記アブレーションされた標的の前記少なくとも一部の前記組成特性を少なくとも1つの基準と比較させ、
前記比較に基づいて出力を生成させる
命令を含むメモリ回路に結合される、
請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記コントローラ回路に接続された畳み込みニューラルネットワークを備え、前記コントローラ回路が、
前記分光計から前記畳み込みニューラルネットワークに信号を送信し、
前記標的組成特性を示す前記出力を前記畳み込みニューラルネットワークに送信し、
前記畳み込みニューラルネットワークの出力に基づく1つまたは複数の更新された命令を受信する
ように構成される、
請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記標的組成特性決定システムが、
前記排出経路に沿って前記測定位置まで伝播する音響波を生成する音響波発生器と、
前記音響波が前記測定位置を通って進行した後、前記音響波の振幅および位相の変化から、インピーダンスを示す信号を生成するインピーダンスセンサと
を備え、
前記コントローラ回路が、前記インピーダンスを示す信号に少なくとも部分的に基づいて、前記アブレーションされた標的の前記少なくとも一部の前記標的組成特性を決定するように構成される、
請求項7に記載のシステム。
【請求項13】
前記コントローラ回路が、前記コントローラ回路によって実行されると、前記コントローラ回路に、
前記インピーダンスセンサから前記インピーダンスを示す信号を受信させ、
前記アブレーションされた標的の前記少なくとも一部の前記組成特性を決定するために前記インピーダンスを示す信号を分析させ、
前記アブレーションされた標的の前記少なくとも一部の前記標的組成特性を少なくとも1つの基準特性と比較させ、
前記比較に基づいて前記標的の識別を示す出力を生成させる
命令を含むメモリ回路に結合される、
請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記コントローラ回路に接続された畳み込みニューラルネットワークを備え、前記コントローラ回路が、
前記インピーダンスを示す信号を前記畳み込みニューラルネットワークに送信し、
前記標的組成を示す前記出力を前記畳み込みニューラルネットワークに送信し、
1つまたは複数の更新された音響インピーダンスアルゴリズムを受信する
ように構成される、
請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記排出経路の少なくとも一部内の粒子の量を測定するように配置された粒子センサと、
前記粒子センサに結合され、前記測定された前記粒子の量に少なくとも部分的に基づいて前記標的のアブレーション率を計算するコントローラ回路と
を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記標的組成特性決定システムが、
前記排出経路に沿った前記アブレーションされた標的を撮像するための撮像デバイスと、
前記撮像デバイスによって取得された前記アブレーションされた標的の画像内の前記アブレーションされた標的を検出するための物体検出システムと
をさらに備え、前記コントローラ回路が、前記撮像デバイスによって取得された前記アブレーションされた標的の前記画像に少なくとも部分的に基づいて、前記アブレーションされた標的の前記標的組成特性を決定する、
請求項7に記載のシステム。
【請求項17】
前記標的組成特性決定システムが、複数のアブレーションされた標的特性を認識するようにトレーニングされる、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記コントローラ回路が、前記コントローラ回路によって実行されると、前記コントローラ回路に、
前記物体検出センサから出力を受信させ、
前記アブレーションされた標的の前記少なくとも一部の前記組成特性を決定するために前記出力を分析させ、
前記アブレーションされた標的の前記少なくとも一部の前記標的組成特性を少なくとも1つの基準と比較させ、
前記比較に基づいて前記標的の識別を示す出力を生成させる
命令を含むメモリ回路に結合される、
請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記コントローラ回路に接続された畳み込みニューラルネットワークを備え、前記コントローラ回路が、
前記物体検出システムからの前記出力を前記畳み込みニューラルネットワークに送信し、
前記標的組成特性を示す前記出力を前記畳み込みニューラルネットワークに送信し、
前記物体検出システムからの前記出力に応答し、前記標的の識別を示す前記出力に応答して、前記畳み込みニューラルネットワークの出力に基づく1つまたは複数の更新された物体検出命令を受信する
ように構成される、
請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
システムを用いて標的を識別するための方法であって、前記システムが、アブレーションされた標的の少なくとも一部の標的組成特性を決定するための標的識別システムを含み、前記方法が、
前記アブレーションされた標的の前記少なくとも一部を、解剖学的部位から排出経路に沿って除去するステップであって、前記排出経路が測定位置を含む、ステップと、
タービュレータを使用して前記測定位置において乱流を発生させるステップと、
標的組成特性決定システムを使用して、前記測定位置において乱流が存在するときの前記測定位置における前記アブレーションされた標的の前記少なくとも一部の特性を決定するステップと、
コントローラ回路を使用して、前記アブレーションされた標的の前記少なくとも一部の前記決定された標的組成特性に少なくとも部分的に基づいてアブレーションパラメータを調整するステップと
を含む、
方法。
【請求項21】
前記コントローラ回路を用いて、分光計から1つまたは複数の信号を受信するステップと、
前記アブレーションされた標的の前記少なくとも一部の前記標的組成特性を決定するために前記1つまたは複数の信号を分析するステップと、
前記アブレーションされた標的の前記少なくとも一部の前記標的組成特性を少なくとも1つの基準と比較するステップと、
前記比較に基づいて前記標的識別を示す出力を生成するステップと
をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記測定位置に伝播する音響波を生成するステップと、
前記測定位置を通過する前記音響波の振幅および位相の変化を感知するためのセンサを使用して、インピーダンス信号を生成するステップと、
前記コントローラ回路を使用して、前記インピーダンス信号に少なくとも部分的に基づいて、前記アブレーションされた標的の前記少なくとも一部の前記標的組成特性を決定するステップと
を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記コントローラ回路を用いて、前記インピーダンス信号を受信するステップと、
前記アブレーションされた標的の前記少なくとも一部の前記標的組成特性を決定するために前記インピーダンス信号を分析するステップと、
前記アブレーションされた標的の前記少なくとも一部の前記標的組成特性を少なくとも1つの基準と比較するステップと、
前記比較に基づいて前記標的の識別を示す出力を生成するステップと
をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2022年4月29日に出願した「KIDNEY STONE IDENTIFICATION SYSTEM」と題するDavid Bloemの米国特許出願第63/363,839号の優先権の利益を主張するものである。
【0002】
本開示は、識別システムに関し、より具体的には、解剖学的標的のための識別システムに関する。
【背景技術】
【0003】
医療専門家にとって、医療処置中に遭遇する異なるタイプの標的間を正確に区別することは、困難である可能性がある。例えば、医療専門家にとって、異なる腎臓結石タイプ間を正確に区別することは、困難である可能性がある。また、腎臓結石識別のプロセスは、難しく、時間がかかる可能性がある。医療専門家は、超音波、CTスキャン、X線、ならびに血液検査および尿検査などの様々な診断検査を通じて腎臓結石を識別することができる。
【0004】
腎臓結石を正確に識別する能力は、患者のケアにとって重要である可能性がある。例えば、腎臓結石を正確に識別することは、臨床医が最も適切な治療オプションを選択するのに役立つことができる。それに加えて、腎臓結石の正確な識別は、臨床医が腎臓結石の根本的原因をよりよく理解し、腎臓結石が再発するのを防止するための措置を講じるのに役立つことができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
様々な例が、添付図面の図中に示されている。そのような例は、例証的なものであり、本主題の網羅的または排他的な実施形態を意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】解剖学的部位内の標的をアブレーションおよび分析するための例示的なシステムの概略図である。
【
図2】解剖学的部位内の標的のアブレーションされた部分を分析するために使用することができるシステムの一例の一部を示す図である。
【
図3】タービュレータの一例を含む、システムの測定室の一例を示す図である。
【
図4】患者から除去された標的の断片を示す図である。
【
図5A】3つの異なる動作モードにおいて動作する測定室の一例を示す図である。
【
図5B】3つの異なる動作モードにおいて動作する測定室の一例を示す図である。
【
図5C】3つの異なる動作モードにおいて動作する測定室の一例を示す図である。
【
図9】解剖学的部位からアブレーションされた標的の組成を決定するように構成されたコンピュータベースの臨床決定支援システムの一例の概略図である。
【
図10】解剖学的部位からのアブレーションされた標的を分析するためのシステムに関する例示的なセンサ構成を示す図である。
【
図11】標的を識別するためのシステムを使用する方法の一例の概略図である。
【
図12】1つまたは複数の例が実装され得るマシンの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
この文書は、とりわけ、標的をアブレーションするための医療器具と、アブレーションされた標的を解剖学的部位から排出経路に除去するための機構とを含むことができるシステムについて説明する。排出経路は、測定室を含むことができる。システムは、測定室内に乱流を発生させることができる乱流発生システムを含むこともできる。システムは、測定室内のアブレーションされた標的の少なくとも一部の特性を決定することができる標的識別システムを含むこともできる。
【0008】
患者の解剖学的領域内の標的をアブレーションするために、様々なパルス、波、またはエネルギーの発生源を使用することができる。例えば、大きい腎臓結石(例えば、2cmを超える直径を有するもの)を除去する経皮的腎砕石術(PCNL(Percutaneous Nephrolithotomy))処置のために、ShockPulse SE超音波発生器を使用することができる。腎臓結石の一般的なタイプは、シュウ酸カルシウム-水和物、シスチン、および尿酸を含むことができる。これらの異なるタイプの腎臓結石の各々は、それぞれの色、形状、サイズ、および粗さを比較することによって識別することができる。
【0009】
中空の超音波プローブは、超音波発生器内に含めるか、または超音波発生器に結合することができ、大きい結石をより小さい破片に砕くジャックハンマとして機能することができる。これらの破片を吸引し、収集デバイスに導くために、1つまたは複数の灌注源または吸引源を使用することができる。結石のこれらの小さい破片または断片は、超音波発生器のトランスデューサから離れた場所などにおける、吸引チューブに取り付けることができるキャッチベースン内に収集することができる。キャッチビンからの破片は、標的となる結石の化学的性質および組成を決定するための研究室分析のために輸送することができる。
【0010】
本発明は、そのような処置による少なくとも2つの問題を識別した。第1に、超音波発生器と、結石の小さい破片および断片を収集デバイスに導くために使用されるチューブとの間のチューブ内に結石の断片が詰まる可能性がある。第2に、捕捉された結石の断片を分析試験による識別のために研究室に送ることは、費用と時間がかかる可能性がある処置後の動作である。したがって、本発明者らは、取外し可能な収集デバイス、または複数の取外し可能な収集デバイスを含むことができ、収集デバイス内に収集された断片化された腎臓結石のインラインおよびオフライン分析を含むことができる腎臓結石識別システムを開発した。結石の断片化された部分の分析の速度および精度を改善するために、畳み込みニューラルネットワーク、機械学習、またはアルゴリズム技法を腎臓結石識別システムによって実装することができる。腎臓結石識別システムについて、
図1~
図12を参照して本明細書で論じる。
【0011】
図1は、解剖学的部位106内の標的104をアブレーションおよび分析するためのシステム100の一例の概略図である。システム100は、医療用アブレーション器具102と、タービュレータ120と、取外し可能なトラップフィルタ122と、吸引源130と、標的組成特性決定システム140と、コントローラ146とを含むことができる。
【0012】
医療用アブレーション器具102は、患者108内の解剖学的部位106において配置された標的104の一部をアブレーションするように構成することができる。例えば、医療用アブレーション器具102は、超音波破砕器プローブもしくはX線透視破砕器プローブ、または患者108から標的104もしくは標的104の少なくとも一部をアブレーションするために使用することができる任意の他のプローブ、デバイス、もしくは医療器具などを含むことができる。標的104は、患者108内の腎臓結石、成長物、嚢胞、または任意の他の異常もしくは奇形を含むことができる。医療用アブレーション器具102は、その内部に排出経路114を画定することができる。
【0013】
図1に示すように、標的104のアブレーション中に解剖学的部位106に液体を提供するために、アブレーション処置中に灌注源110を使用することができる。灌注源110は、水、生理食塩水、他の生体適合性流体などを患者108内の解剖学的部位106に提供することができる。灌注源110からの流体は、標的104のアブレーションされた部分を排出経路114に運ぶことができる。したがって、灌注源110からの液体と標的104の断片のアブレーションされた部分との混合物が、排出経路114を通って流れることができる。
【0014】
排出経路114は、測定位置116を含むことができる。測定位置116は、標的104のアブレーションされた部分を収集することができる。灌注源110からの液体は、測定位置116を通過し続けることができ、測定位置116において標的104の断片を残す可能性がある。標的104の断片は、インライン分析のために収集することができ、オフライン分析のため、または任意の処置中の所見を確認するための処置後の分析のために排出経路114から除去されるように捕捉することができる。測定位置116は、測定位置116内に捕捉された断片の体積を迅速に測定するのに役立つことができる体積インジケータを含むことができる。例において、灌注源110からの液体と標的104の断片との混合物は、測定位置116において捕捉することができる。混合物は、インライン分析のために収集することができ、オフライン分析のため、または任意の処置中の所見を確認するための処置後の分析のために排出経路114から除去されるように捕捉することができる。測定位置116は、測定位置116内に捕捉された混合物の体積を迅速に測定するのに役立つことができる体積インジケータを含むことができる。
【0015】
タービュレータ120は、排出経路114の測定位置116を介してシステム100に接続することができる。タービュレータ120は、測定位置116内の混合物の乱流を発生させるように、または測定位置116内に捕捉された標的104の断片を撹拌するように構成することができる。タービュレータ120は、静的タービュレータ、例えば、ボールタービュレータ、スプリングタービュレータ、ねじれテープタービュレータ、マトリックスタービュレータ、または排出経路114の測定位置116内の灌注源110からの液体と標的104のアブレーションされた部分との混合物において乱流もしくは乱流に近い外乱を発生させることができる任意のタービュレータを含むことができる。静的タービュレータは、移動する必要はない。例えば、灌注源110からの液体と標的104のアブレーションされた部分との混合物は、測定位置116内の混合物が乱流を含むことができるように、混合物が測定位置116に流入するときにタービュレータ120を通してポンプで送ることができる。タービュレータ120は、測定位置116内の混合物の乱流を発生させることができる、または測定位置116内に捕捉された標的104の断片を撹拌することができる動的(例えば、移動)タービュレータとすることができる。タービュレータ120は、流体内にキャビテーションを発生させ、それによって混合物内に乱流および撹拌を作成する超音波発生器または他の音響発生器を含む能動タービュレータとすることもできる。
【0016】
取外し可能なトラップフィルタ122は、標的104のアブレーションされた部分を保管するように構成することができる。したがって、取外し可能なトラップフィルタ122は、アブレーションされた標的104の断片を捕捉し、灌注源110からの液体がそこを通過することができるように構成することができる。取外し可能なトラップフィルタ122は、取外し可能なトラップフィルタ122内に捕捉された標的の断片の体積を迅速に測定するのに役立つことができる1つまたは複数の体積インジケータを含むことができる。
【0017】
取外し可能なトラップフィルタ122は、排出経路114内に配置することができる。取外し可能なトラップフィルタ122は、測定位置116の下流に配置することができる。取外し可能なトラップフィルタ122は、医療用アブレーション器具102と測定位置116との間に配置することができる。第1の取外し可能なトラップフィルタ122は、医療用アブレーション器具102と測定位置116との間に配置することができ、第2の取外し可能なトラップフィルタ122は、測定位置116の下流に配置することができる。エンドユーザが取外し可能なトラップフィルタ122を取り外すと、取外し可能なトラップフィルタ122は、アブレーションされた標的104のオフライン試験または分析を可能にすることができ、これは、インライン分析の所見を確認するのに役立つことができ、またはアブレーションされた標的104に関するさらなる情報を提供することができる。取外し可能なトラップフィルタ122の一例について、
図6を参照して論じる。
【0018】
吸引源130は、灌注源110からの液体と標的104のアプリケーションされた部分との混合物を排出経路114を通して引き出すように、排出経路114に流体的に接続することができる。吸引源130は、病院の壁の掃除機、医療処置の室内の移動式ポンプ、または排出経路114を通して混合物を引き出すことができる吸引源を提供することができる任意の他のポンプもしくは掃除機を含むことができる。排出経路114は、吸引源130を介して排出経路114を通して引き出された後に、灌注源110からの液体の一部を回収、貯蔵、または流用するように、測定位置116と吸引源130との間に流体的に接続することができる灌注リザーバ118を含むこともできる。
【0019】
標的組成特性決定システム140は、排出経路114の測定位置116に動作可能に結合することができる。標的組成特性決定システム140は、システム100内の排出経路114に沿ったアブレーションされた標的104の少なくとも一部の組成特性を決定するように構成することができる。標的組成特性決定システム140は、結石組成分析器を含むことができる超音波発生器を含むことができる。標的組成特性決定システム140は、取外し可能なトラップフィルタ122、またはその中で標的104の断片を分析するための排出経路114の任意の他の部分に結合することができる。標的組成特性決定システム140は、その中に捕捉された標的104の断片を分析するために取外し可能なトラップフィルタ122のうちの1つまたは複数を受け取ることができる、測定位置116に結合されていないオフラインデバイスを含むこともできる。
【0020】
コントローラ146は、システム100の1つまたは複数のパラメータを制御するように構成することができる。例えば、システム100は、灌注源110からの液体の量、タービュレータ120からの撹拌、吸引源130からの吸引、システム100の任意の他のパラメータなどを制御することができる。コントローラ146は、メモリ148に結合することができる。メモリ148は、システム100の他の構成要素を制御または動作させるようにコントローラ146に指示することができる命令、アルゴリズム、プログラムなどを維持することができる。メモリ148について、本明細書でより詳細に論じる。コントローラ146は、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)または別のクラウドネットワーク(例えば、ネットワーク150)に接続することができる。CNNまたはネットワーク150は、より正確な結果をより速く提供するために、コントローラ146の計算の一部をオフロードすることができる。さらに、CNNおよびネットワーク150は、ネットワーク150またはクラウドシステムに接続された他のデバイスまたはシステムの結果に基づいて、1つまたは複数の更新を送信することができる。ネットワーク150およびクラウドシステムについて、本明細書でより詳細に論じる。
【0021】
図2は、標的104(
図1)のアブレーションされた部分を分析するのを助けるために使用することができるシステム100の一部を示す。上記で論じたように、システム100は、測定位置116と、測定位置116の下流に配置された取外し可能なトラップフィルタ122とを含むことができる。システム100は、患者108(
図1)と吸引源130との間に延在することができる吸引ライン260および吸引ライン262を含むこともできる。吸引ライン260は、標的アブレーション処置中に患者に挿入される内視鏡の一部とすることができる。吸引源130は、アブレーション処置中に除去された標的104などのデブリを患者から引き出すことができる。アブレーション処置中、患者内の腎臓結石を、超音波もしくは他の音響波エネルギーまたはレーザにさらし、それによって、患者内の腎臓結石または他の標的から標的104を除去することができる。
【0022】
測定位置116は、測定室250を含むことができる。測定室250は、入口バルブ270と出口バルブ272とを含むことができる。システム100は、バイパスバルブ276を含むこともできる。入口バルブ270および出口バルブ272は、それぞれ、灌注源110からの液体と標的104の断片との混合物の測定室250内への流れと、灌注源110からの液体と標的104の断片との混合物の測定室250外への流れとを制御するように動作可能とすることができる。入口バルブ270、出口バルブ272、およびバイパスバルブ276について、
図5A~
図5Cを参照してより詳細に論じる。
【0023】
標的104の断片が測定位置116内、より具体的には測定室250内に配置されると、標的104の断片は、標的104の断片がアブレーションされた腎臓結石または他の解剖学的構造のタイプを決定するために、分光法処置を受けることができる。より具体的には、測定位置116または測定室250内の標的104は、光源280からの光に曝露することができ、様々な分光測定技法を使用して、分光計282は、標的組成特性決定システム140(
図1)が標的104の組成を特定することを可能にする信号を生成することができる。この情報を用いて、患者108内の標的104の最も効果的なアブレーションを提供するアブレーション技法を決定することができる。
【0024】
標的104の断片が除去される腎臓結石または他の解剖学的構造は、不均一である可能性がある。したがって、患者108内の標的104および腎臓結石、または他の解剖学的構造の組成のより正確な測定値を得るために、複数の測定を行うことができる。測定室250は、より正確な測定を可能にするために、測定室250内の標的104を撹拌するように構成することができる。例えば、タービュレータ120は、システム100によるより正確な測定を可能にするために、測定室250内の標的104を撹拌するように構成することができる。
【0025】
分光計282および標的組成特性決定システム140、またはシステムの別のコントローラ(例えば、コントローラ146)からの信号は、測定位置116または測定室250内の標的104の断片の質量を推定するために使用することもできる。したがって、システム(例えば、システム100)は、ある時間期間にわたり排出経路114に沿って標的104の粒子または断片の数をカウントするために使用することができる別のセンサ、例えば、粒子サイズセンサ、画像センサ、光学センサ、静電気センサ、容量センサ、メカニカルセンサ、または標的104の断片のサイズを決定することができる任意の他のセンサを含むことができる。ここで、システム100は、標的104のアブレーション速度を決定するために、ある時間期間にわたる排出経路114内の検出された粒子の量を使用することができる。次いで、コントローラ、CNN、またはシステム100の任意の他の構成要素は、標的104のアブレーションを改善するために、システム100または医療専門家に直接フィードバックを提供することができる。例えば、コントローラ、CNN、またはシステム100の他の構成要素は、標的104のアブレーション結果を改善するために、アブレーションのために使用されるエネルギー源の出力、アブレーション中に使用される圧力、またはアブレーション中に使用される液体の量もしくは速度に対する調整を示すことができる。さらに、コントローラ、CNN、またはシステム100の他の構成要素は、標的104の初期体積と、処置中に見出されたアブレーション速度とに基づいて、処置を完了するのに必要な時間を推定することができる。
【0026】
図3は、タービュレータ120の一例を含むシステム100の測定室250の一例を示す。
図3において、出口バルブ272は、閉じた構成において示されている。タービュレータ120は、測定室250に接続することができる。タービュレータ120は、ピストン302が方向Aおよび方向Bに沿って移動するシリンダ304を備える撹拌デバイスのピストン302と接触する可撓性部材300を含むこともできる。ピストン302は、ソレノイド306の一部とすることができる。ソレノイド306は、方向Aおよび方向Bに沿ったピストン302の移動を引き起こすことができる。ピストン302が方向Aに沿って移動すると、ピストンは、可撓性部材300と接触することができ、それによって、300Aに示すように、可撓性部材300を測定室250内で屈曲させる。ソレノイド306は、可撓性部材300を300Aに示す構成に屈曲させるおよび屈曲させない速度において、ピストンを方向AおよびBに沿って移動させることができる。可撓性部材300が300Aに示す構成に屈曲するおよび屈曲しないことができるので、標的104を測定室250内で撹拌することができる。
【0027】
図4は、患者108(
図1)から除去された標的104の断片の例示的な例を示す。標的104の断片は、側面400~406を含むことができる。標的104の断片の撹拌中、標的104の断片は、光源280からの光に曝露されることが可能である。標的10の断片が光源280からの光に曝露されると、分光計282は、標的104のより正確な測定を可能にするために、標的104および側面400~406から放射される照明応答エネルギーの測定を行うことができる。標的104の断片が撹拌されると、標的104の断片は、異なる方向において動き回ることができ、それによって側面400~406の各々を光源280から放射された光に曝露させる。したがって、分光計282は、標的104の断片が撹拌されるとき、標的104の断片および側面400~406の任意の組合せから放射されるエネルギーの測定を行うことができる。分光計282によって得られた測定値は、標的104の断片の組成を示すことができる。生成された撹拌および乱流は、標的104の断片の周囲の測定を行うのに役立つことができ、これは、標的104の断片の1つまたは複数の特性を決定するために平均読み取り値を取得するのに役立つことができる。
【0028】
ピストン302とソレノイド306とを介して標的104の断片を撹拌することに加えて、吸引源130は、吸引ライン260(
図2)とバイパスライン264(
図2)とを通して、灌注源110(
図1)からの液体と標的104の断片とを引き出すことができる。灌注源110からの液体および標的104の断片が入口バルブ270を通過すると、入口バルブ270が開位置にある状態で、吸引ライン260と測定室250との間に圧力差を引き起こすことができる。吸引ライン260と測定室250との間の圧力差は、測定室250内の標的104の断片の移動を発生させることができ、測定室250内の標的104の断片をさらに撹拌することができる。
【0029】
図2に注意を戻すと、上述のように、システム100は、取外し可能なトラップフィルタ122を含むこともできる。取外し可能なトラップフィルタ122は、バイパスライン264(
図2)を通って移動する標的104の断片を捕捉することができる。それに加えて、標的104の断片の測定が測定室250内で行われた後、出口バルブ272を開くことができる。出口バルブ272が開かれると、標的104の断片は、測定室250から出て、取外し可能なトラップフィルタ122に入ることができる。
【0030】
図5A~
図5Cは、3つの異なる動作モードにおいて腎臓結石断片を分析するためのシステムの測定室の一例を示す。入口バルブ270、出口バルブ272、およびバイパスバルブ276は、開放構成と閉鎖構成との間で動作することができる。したがって、入口バルブ270、出口バルブ272、およびバイパスバルブ276は、例えば、コントローラ(例えば、コントローラ146またはシステム100(
図1)の別のコントローラ)によって、システム100を第1の動作モード502と第2の動作モード504と第3の動作モード506との間で動作させるように作動させることができる。
【0031】
第1の動作モード502において、入口バルブ270は、開位置にあることができ、出口バルブ272は、閉位置にあることができ、バイパスバルブ276は、閉位置にあることができる。第1の動作モード502において、入口バルブ270、出口バルブ272、およびバイパスバルブ276は、灌注源110からの液体と標的104からの断片との混合物を測定室250に導くことができる。第1の動作モード502は、標的104の断片を測定室250内に捕捉するために使用することができ、これは、標的組成特性決定システム140がアブレーション処置中に標的104の断片を分析することを可能にすることができる。
【0032】
第2の動作モード504において、入口バルブ270は、閉位置にあることができ、出口バルブ272は、閉位置にあることができ、バイパスバルブ276は、開位置にあることができる。第2の動作モード504において、灌注源110からの液体および標的104の断片は、バイパスライン264を通って流れ、測定室250をバイパスすることができる。第2の動作モード504は、取外し可能なトラップフィルタ122を迅速に満たすため、または排出経路114内に見出されたデブリをシステム100から取り除くために使用することができる。
【0033】
第3の動作モード506において、入口バルブ270は、開位置にあることができ、出口バルブ272は、閉位置にあることができ、バイパスバルブ276は、開位置にあることができる。第3の動作モード506において、灌注源110からの液体と標的104の断片との混合物は、両方とも測定室250とバイパスライン264とを通って流れることができる。第3の動作モード506において、システム100は、同時に、取外し可能なトラップフィルタ122内の標的104の断片を収集しながら、測定室250内の標的104の断片を分析することができる。したがって、標的104の他の断片が取外し可能なトラップフィルタ122内に収集される間、システム100は、測定室250内にある標的104の断片を分析することができる。したがって、第3の動作モード506において、システム100は、標的104の断片のインライン読み取りを含むことができ、同時に、また、システム100が第1の動作モード502にあるときよりも、オフライン分析をインライン分析により近い時間で完了することができるように、システム100が第1の動作モード502にあるときよりも迅速に取外し可能なトラップフィルタ122を満たす。
【0034】
灌注源110からの液体と標的104の断片との混合物を排出経路114全体にわたる任意の追加の測定位置または取外し可能なフィルタを通して導くために、追加のバルブを含めることができる。例えば、標的104の断片の初期測定または読み取りを行うために、最初の混合物を取外し可能なトラップフィルタまたは測定部位に導くために、患者に最も近い排出経路114内にバルブを配置することができる。システム100のバルブは、システムを操作する医療専門家からの入力に基づいて開閉することができる。別の例において、バルブは、排出経路114を通る混合物の流れを変更するために、システムのコントローラ、畳み込みニューラルネットワーク、またはネットワークのうちの1つまたは複数に基づいて動作させることができ、これは、システム100または医療専門家が、医療処置中に見出された読み取り値のうちのいずれかを検証またはチェックするのに役立つことができる。
【0035】
図6は、測定室650の代替例を示す。測定室650は、システムの動作中に測定室650を取り外すことができるように、排出経路114から取外し可能に取り付けることができる。例えば、排出経路114は、液体および断片を排出経路114を通して導くために、測定室650が取り外されたときに拡張することができる1つまたは複数のバルブ652を含むことができる。排出経路114上のバルブは、排出経路114内に開口部を作成して液体および断片を測定室650に導くために、測定室650が排出経路114内に設置されるときに、測定室650によって係合することができる。
【0036】
1つまたは複数のバルブ652は、測定室650が排出経路114内に設置されるときに、測定室650を排出経路114内に保持することができる。例において、測定室650は、測定室650を排出経路114に対して接続または切断するために、排出経路114の構成要素(例えば、1つまたは複数のバルブ652)と螺合することができる。
【0037】
したがって、
図6に示す測定室650は、システムが標的をアブレーションしている処置中に、標的の断片がインラインで分析されることを可能にする。例えば、基準光源出力280および分光計282が、患者から除去された標的の断片の1つまたは複数の特性を検出することができる。それに加えて、測定室650は、システム100(
図1)が標的をアブレーションするために使用され続けながら、オフライン分析のために取り外すことができる。例えば、測定室650が取り外され、システムが依然として動作している場合、標的の断片は、取外し可能なトラップフィルタ(例えば、取外し可能なトラップフィルタ122(
図1))内に収集することができる。
【0038】
図7は、標的組成分析器700の一例の概略図である。上記で論じたように、標的組成分析器700は、標的の断片を特性決定するために使用することができる。標的組成分析器700は、サンプルカートリッジ702(例えば、取外し可能なトラップフィルタ122)をオフラインで分析するために使用することができる。したがって、サンプルカートリッジ702は、排出経路114(
図1)から取り外して、標的組成分析器700に入れることができる。
【0039】
光源280は、サンプルカートリッジ702を横切って光を伝達させることができ、分光計282は、サンプルカートリッジ702を横切って伝達された光を受け取ることができる。分光計282は、標的104の断片によって生成されたスペクトル応答706を示す信号を生成することができる。
【0040】
スペクトル応答706を示す信号は、特徴抽出器708に送信することができる。特徴抽出器708は、スペクトル応答706から特徴を抽出することができる。例えば、特徴抽出器708は、スペクトル応答706からのデータの最大値もしくは最小値、範囲、平均、中央値、または任意の他の特性を決定することができる。特徴抽出器708は、データを、標的組成分析器700またはシステム100(
図1)の他の構成要素によって使用される形式またはフォーマットに正規化することもできる。特徴抽出器708は、見出された特徴を特徴出力710として送信することができる。
【0041】
標的組成分析器700は、機械学習分類器712を含むことができる。機械学習分類器712は、システム(例えば、システム100(
図1))の1つまたは複数の特性を制御することができるコントローラ(例えば、コントローラ146(
図1))とすることができる。コントローラは、標的104(
図1)の断片を分析し、断片の識別を提供することもできる。機械学習分類器712は、スペクトル応答706と特徴出力710とを受信することができる。機械学習分類器712は、スペクトル応答706および特徴出力710を、機械学習分類器712を教示またはトレーニングするために使用することができる参照データと比較することによって、標的の断片を分類するために使用することができる。機械学習分類器712の動作および機能について、以下で
図9を参照してより詳細に論じる。
【0042】
機械学習分類器712は、メモリ(例えば、メモリ148(
図1))上に記憶された命令が機械学習分類器712に様々なタスクを完了させることができる処理回路714を含むことができる。例えば、機械学習分類器712の処理回路714(または本明細書で論じる任意の他のコントローラの任意の他の処理回路)は、結石識別出力716を生成することができる。コントローラは、分光計から応答信号を受信することができる。例えば、機械学習分類器712は、特徴抽出器708から特徴出力710を受信することができる。コントローラは、アブレーションされた標的の少なくとも一部の組成特性を決定するために、応答信号を分析することができる。例えば、機械学習分類器712は、特徴出力710を少なくとも1つの基準と比較することができる。コントローラは、比較に基づいて出力を生成することができる。例えば、機械学習分類器712の処理回路714は、特徴抽出器708からの特徴出力710と少なくとも1つの基準との比較に基づいて、結石識別出力716を生成することができる。
【0043】
結石識別出力716は、標的の断片の1つまたは複数の識別子または分類を含むことができる。例えば、結石識別出力716は、シュウ酸カルシウム-水和物、シスチン、尿酸、またはそれらの任意の組合せを含むことができる。結石識別出力716は、見出された結果の精度推定に関連することができる信頼度スコアを含むこともできる。結石識別出力716は、標的組成分析器700において表示することができ、発生器(例えば、
図1からの医療用アブレーション器具102)に送り返すことができ、または結石識別出力716を患者の健康記録に記憶することができる電子健康記録システムに送信することができる。
【0044】
結石識別出力716は、機械学習分類器712によってディスプレイ718に送信することができる。上記で論じたように、ディスプレイ718は、発生器、または電子健康システムの一部において存在することができる。別の例において、ディスプレイ718は、医療処置が実行されている室内からディスプレイ718を見ることができるように、室内またはその近くに設置することができるスタンドアロンディスプレイとすることができる。
【0045】
別の例において、処理回路714(または本明細書で説明する任意の他の処理回路)は、機械学習分類器712(または本明細書で説明する任意の他のコントローラ)に、アブレーションされた標的の少なくとも一部の結石識別出力716に少なくとも部分的に基づいて、医療用標的アブレーション器具102に関連するパラメータを調整させることができる。例えば、結石識別出力716に応答して、標的組成分析器700は、超音波プローブ(例えば、医療用アブレーション器具102(
図1))の選択に影響を及ぼすため、電力レベル、電力効率、もしくはプローブの利得を制御するため、または標的のアブレーションのための技法を医療提供者に提案するために、システム(例えば、
図1からのシステム100)に信号を送信することができる。標的組成分析器700は、結石識別出力716が、結石ではない(NAS)結果の発生を最小化しながら、すべての結石タイプにわたって感度および特異性を最大化することができるように構成することができる。
【0046】
機械学習分類器712の処理回路714、または別のコントローラ(例えば、コントローラ146(
図1))の処理回路は、コントローラに、アブレーションされた標的の少なくとも一部の結石識別出力716に少なくとも部分的に基づいて、医療用標的アブレーション器具102に関連するパラメータを調整させることができる。例えば、コントローラは、排出経路114に沿って測定室(例えば、測定位置116(
図1)に入る流体の流れ(例えば、
図1の110からの流体)を示す流入速度を受信することができる。コントローラは、測定室から出る流体の流れを示す流出速度を受信することもできる。次いで、コントローラは、タービュレータ120を使用して、目標乱流レベルの確立、調整、または維持の少なくとも1つを行うために、流入速度または流出速度を確立または調整することができる。
【0047】
図7に示すように、機械学習分類器712の処理回路714に畳み込みニューラルネットワーク720を接続することができる。コントローラ回路714は、分光計からの信号を畳み込みニューラルネットワーク720に送信するように機械学習分類器712を構成することができる。例えば、処理回路714は、スペクトル応答706、特徴抽出器708からの特徴出力710、または結石識別出力716を畳み込みニューラルネットワーク720に送信することができる。
【0048】
畳み込みニューラルネットワーク720は、機械学習分類器712から畳み込みニューラルネットワーク720に送信された情報を使用して試験動作を分析または実行することができ、機械学習分類器712に送り返すことができる機械学習分類器712の分析の結果を改善するために命令(例えば、アルゴリズム)を更新することができる。したがって、機械学習分類器712は、畳み込みニューラルネットワーク720の出力に基づいて、1つまたは複数の更新された命令を受信することができる。
【0049】
図8は、標的組成分析器800の一例の概略図である。標的組成分析器800は、標的の断片を特性決定するために使用することができる。標的組成分析器800は、排出経路114内、例えば、測定位置116内、測定室250内、または測定室650内の標的104(
図1)の断片を測定するために使用することができる。例えば、標的組成分析器800は、標的の断片のインライン識別を利用するシステムにおいて使用することができる。
【0050】
図8に示すように、標的組成分析器800とシステム(例えば、システム100(
図1))の1つまたは複数の構成要素との間に、トランスデューサケーブル802を接続することができる。トランスデューサケーブル802は、分析器800とシステム100の任意の構成要素との間で通信することができる、超音波出力駆動ライン804と、白色源出力光ファイバケーブル806と、分光計入力ケーブル808とを含むことができる。
【0051】
超音波出力駆動ライン804は、医療用アブレーション器具(例えば、
図1からのシステム100の医療用アブレーション器具102)に電源を提供することができる。超音波出力駆動ライン804は、標的の解剖学的構造のアブレーションのために医療用アブレーション器具102によって使用することができる、超音波、レーザ、または任意の他の電力を
提供することができる。
【0052】
白色光源出力光ファイバケーブル806は、システム100に白色光を提供することができる、白色光源出力光ファイバケーブル806によって提供される白色光は、標的の断片と反射、屈折、または相互作用し、分光計によって捕捉することができる光を提供することができる。
【0053】
分光計入力ケーブル808は、例えば、測定位置(例えば、測定位置116(
図1)または測定室250(
図2))内の標的の断片と係合した後の白色光源出力光ファイバケーブル806からの光を捕捉する。分光計入力ケーブル808は、捕捉された光を白色光源出力光ファイバケーブル806から分光計282に伝送する。
【0054】
上記で論じたように、スペクトル応答706は、機械学習分類器712による分析のためにスペクトル応答706を準備するために、特徴抽出器708に送信することができる。機械学習分類器712によって生成された結石識別出力716に応答して、分析器800は、トランスデューサケーブル802を介してシステム100に送信される1つまたは複数のパラメータを調整することができる。具体的には、分析器800は、超音波出力駆動ライン804の1つまたは複数のパラメータを調整することができ、これは、医療用アブレーション器具102のアブレーションパラメータを調整することができる。医療用アブレーション器具102のアブレーションパラメータを調整することは、アブレーションプロセスを促進し、標的の解剖学的構造のより予測可能な断片を取得するためにアブレーションを改善するのに役立つことができる。
【0055】
標的組成分析器800は、
図7を参照して標的組成分析器700に関して論じたように、タスクまたは動作のうちのいずれかを同様に実行することができる。
【0056】
図9は、解剖学的部位からアブレーションされた標的の組成を決定するように構成されたコンピュータベースの臨床決定支援システム(CDSS)900の一例の概略図である。CDSS900は、入力インターフェース902と、人工知能(AI)モデル904と、プロセッサ908とを含むことができる。入力インターフェース902は、分光計282(
図2)によって行われた、患者に特有の標的104の測定値906を入力特徴として受信することができる。入力インターフェース902は、入力特徴をAIモデル904に提供することができ、AIモデル904では、プロセッサ908と連携して、標的104に関連する腎臓結石のタイプを記述する出力が生成される。例えば、分光計282によって行われた標的104の測定値906が、標的104に関連する腎臓結石のタイプを記述する出力を生成するためにAIモデルに適用される推論動作。腎臓結石のタイプは、シュウ酸カルシウム-水和物、シスチン、尿酸などとすることができる。CDSS900は、標的104に関連する腎臓結石のタイプをユーザ、例えば、臨床医に伝達することができるユーザインターフェース(UI)910を出力することができる。
【0057】
入力インターフェース902は、CDSS900と、分光計282などのユーザ特徴の少なくとも一部を生成する1つまたは複数の医療用デバイスとの間の直接データリンクとすることができる。例えば、入力インターフェース902は、治療および/または診断の医療処置中、分光計282によって行われた標的104の測定値906をCDSS900に直接送信することができる。それに加えて、または代替的に、入力インターフェース902は、ユーザとCDSS900との間の対話を容易にする古典的なユーザインターフェースとすることができる。例えば、入力インターフェース902は、ユーザが分光計282によって行われた標的104の測定値906を手動で入力することができるユーザインターフェースを容易にすることができる。それに加えて、または代替的に、入力インターフェース902は、1つまたは複数の入力特徴が抽出され得る電子患者記録へのアクセスをCDSS900に提供することができる。これらの場合のいずれにおいても、入力インターフェース902は、CDSS900が分光計282によって行われた標的104の測定値906にアクセスするために使用される時間またはその前に、特定の患者に関連する1つまたは複数の入力特徴を収集するように構成される。分光計282によって行われた標的104の測定値906は、
図9を参照して示すように、測定値906に関連する第1から第nの測定値が存在することができる第1の入力特徴から第nの入力特徴として入力インターフェース902に提供することができる。
【0058】
上記の入力特徴のうちの1つまたは複数に基づいて、プロセッサ908は、標的104に関連する腎臓結石のタイプを記述する出力を生成するために、AIモデルを使用して推論動作を実行する。例えば、入力インターフェース902は、第1の入力特徴から第nの入力特徴を、これらの入力特徴をAIモデルを通して出力層に伝播するAIモデルの入力層に配送することができる。AIモデルは、データ分析において見出されたパターンに基づいて推論を行うことによって、明示的にプログラムされずにタスクを実行する能力をコンピュータシステムに提供することができる。AIモデルは、既存のデータから学習して、新しいデータに関する予測を行い得るアルゴリズム(例えば、機械学習アルゴリズム)の研究および構築を探求することができる。そのようなアルゴリズムは、出力または評価として表現されるデータ駆動型の予測または決定を行うために、例示的なトレーニングデータからAIモデルを構築することができる。
【0059】
機械学習(ML)のモードは、教師ありMLと教師なしMLとを含むことができる。教師ありMLは、入力と出力との間の関係を学習するために、事前知識(例えば、入力と出力または結果とを相関させる例)を使用する。教師ありMLの目標は、なんらかのトレーニングデータが与えられたときに、MLモデルが対応する出力を生成するために入力が与えられたときに同じ関係を実装することができるように、トレーニング入力と出力との間の関係を最もよく近似する関数を学習することである。教師なしMLは、分類もラベル付けもされていない情報を使用するMLアルゴリズムのトレーニングであり、アルゴリズムがガイダンスなしでその情報に対して作用することを可能にすることである。教師なしMLは、データ内の構造を自動的に識別することができるので、探索的分析に有用である。
【0060】
教師ありMLに適したいくつかのタスクは、分類問題および回帰問題である。カテゴリ化問題とも呼ばれる分類問題は、項目をいくつかのカテゴリ値のうちのいずれか1つに分類すること(例えば、ある物体がリンゴであるかオレンジであるかの判断)を目的としている。回帰アルゴリズムは、(例えば、いくらかの入力の値にスコアを提供することによって)いくつかの項目を定量化することを目的としている。いくつかの例示的な教師ありMLアルゴリズムは、ロジスティック回帰(LR(Logistic Regression))、ナイーブベイズ、ランダムフォレスト(RF(Random Forest))、ニューラルネットワーク(NN)、ディープニューラルネットワーク(DNN)、行列因子分解、およびサポートベクターマシン(SVM(Support Vector Machine))である。
【0061】
教師なしMLに適したいくつかのタスクは、クラスタリング、表現学習、および密度推定を含む。いくつかの例示的な教師なしMLアルゴリズムは、K平均法クラスタリング、主成分分析、およびオートエンコーダである。
【0062】
別のタイプのMLは、データを交換することなく、ローカルデータを保持する複数の分散型デバイスにわたってアルゴリズムをトレーニングすることができる連合学習(協調学習とも呼ばれる)である。この手法は、すべてのローカルデータセットが1つのサーバにアップロードされる集中型機械学習技法、ならびにローカルデータサンプルが同一に分散されていると想定することができるより古典的な分散型手法とは対照的である。連合学習は、複数のアクターがデータを共有せずに共有可能で堅牢な機械学習モデルを構築することを可能にすることができ、したがって、データプライバシー、データセキュリティ、データアクセス権、および異種データへのアクセスなどの重要な問題に対処することを可能にする。
【0063】
AIモデルは、プロセッサ908による推論動作の実行前に、継続的または定期的にトレーニングされ得る。次いで、推論動作中、AIモデルに提供される患者固有の入力特徴は、入力層から1つまたは複数の隠れ層を介して、最終的に、標的104に関連する腎臓結石のタイプに対応する出力層に伝播され得る。例えば、出力層が、標的104に関連する腎臓結石のタイプに対応する出力を生成する場合、臨床医などのユーザは、腎臓結石をアブレーションするためにどのタイプのアブレーション技法を使用することができるかを決定することができる。具体的には、CDSS900から受信した標的104に関連する腎臓結石のタイプに関する出力に基づいて、ユーザは、効率的なアブレーション技法を選択することができる。さらに、標的104に関連する腎臓結石のタイプに対応する出力は、腎臓結石のアブレーションがリアルタイムで起こることができるように、分光計282が測定位置116を介して測定を行っている間、リアルタイムで提供することができる。
【0064】
推論動作中および/または推論動作後、標的104に関連する腎臓結石のタイプに関する出力は、UI910を介してユーザに伝達することができ、または所望のアクションを実行するためにプロセッサ908と通信して自動的に表示を引き起こすことができる。例えば、CDSS900は、標的104に関連する腎臓結石のタイプに関する可聴出力、または標的104に関連する腎臓結石のタイプに関する視覚出力を提供することができる。いずれにしても、出力は、ユーザが最も適切なアブレーション技法を使用することを可能にするために、ユーザに腎臓結石のタイプを知らせる迅速な方法を提供する。
【0065】
図10は、解剖学的部位からの標的を分析するためのシステムに関する例示的なセンサ構成を示す。測定位置116または取外し可能なトラップフィルタ122は、センサ1000を含むことができる。センサ1000は、取外し可能なトラップフィルタ122内の標的104がレベル1002に到達したときを検出するために使用することができる。別の例において、センサ1000は、例えば、光源280および分光計282と同様に、標的104の断片を分析するために使用することができる。
【0066】
図10に示すように、センサ1000は、標的104の断片がいつレベル1002にあるか、またはそれを超えているかを決定するために使用することができる。センサ1000のそのような例は、標的104の断片がレベル1002に到達したときを決定することができるキャパシタ、光学式、視覚式、音響式、または任意の他のタイプのセンサとすることができる。センサ1000が、標的104の断片がレベル1002にあるか、またはそれを超えていることを検出すると、センサ1000は、信号を送信することができる。センサ1000からの信号に応答して、標的104の断片がレベル1002以上にあることを示す警報、信号、または他のインジケータが存在することができる。信号は、システム100のユーザに、取外し可能なトラップフィルタ122が空にされるべきであることを示すことができる。センサ1000の第1のものおよびセンサ1000の第2のものは、送信機がレベル1002に沿って受信機に信号を送信することができるように、受信機とすることができる。標的104の断片がレベル1002を超えると、標的104の断片は、センサ1000間で送信される信号に干渉することができ、それによって信号の開始を引き起こす。
【0067】
センサ1000は、標的104の1つまたは複数の断片の標的組成特性を決定するために、標的104の断片を分析するために使用することができる。センサ1000が標的104の断片を分析するために使用される場合、センサ1000は、排出経路114に沿ったどこにでも配置することができる。例えば、センサ1000は、測定位置116内、取外し可能なトラップフィルタ122内、または標的104の断片が通過する任意の他の位置内に設置することができる。センサ1000は、標的104の断片を分析するために使用することができるキャパシタ、光学式、視覚式、音響式、または任意の他のタイプのセンサとすることができる。例えば、センサ1000は、排出経路114内、測定位置116内、または取外し可能なトラップフィルタ122内の標的104の断片に伝播する音響波を生成するための音響波発生器を含むことができる。センサ1000は、音響波が標的104の断片と係合した後の音響波の振幅および位相の変化から、インピーダンスを示す信号を生成するためのインピーダンスセンサを含むこともできる。ここで、システムのコントローラのうちの1つまたは複数(例えば、システム100のコントローラ146)は、インピーダンスを示す信号に少なくとも部分的に基づいて、アブレーションされた標的の少なくとも一部の少なくとも1つの標的組成特性を決定するように構成することができる。コントローラは、分光計282からスペクトル応答706(
図7)を受信するコントローラと同様に分析を完了することができる。
【0068】
さらに別の例において、センサ1000は、標的104の断片の画像を捕捉するように構成された1つまたは複数の画像センサを含むことができる。システム100のコントローラのうちの1つまたは複数は、標的104の断片の少なくとも1つの特徴付けを決定するために、センサ1000によって捕捉された画像を基準画像と比較することができる。
【0069】
図11は、方法1100を説明するフローチャートである。方法1100は、標的のアブレーションプロセスを改善するために、標的(例えば、
図1の標的104)、または標的の断片を識別、特徴付け、または分析するためのものとすることができる。方法1100は、動作1110~1140を含むことができる。
【0070】
動作1110において、方法1100は、アブレーションされた標的の少なくとも一部を、排出経路(例えば、排出経路114(
図1))に沿って解剖学的部位から除去することを含むことができる。解剖学的部位から標的の少なくとも一部を除去するために、医療用アブレーション器具(例えば、医療用アブレーション器具112(
図1))を使用することができる。排出経路は、標的のアブレーションされた部分を患者から除去するように構成することができる。したがって、排出経路は、吸引源(例えば、病院における壁の掃除機)に接続することができる。本明細書で論じるように、排出経路は、測定位置(例えば、測定位置116(
図1))を含むことができる。
【0071】
動作1120において、方法1100は、測定位置において乱流を発生させることを含むことができる。乱流は、タービュレータ(例えば、タービュレータ120)を使用して発生させることができる。本明細書で論じるように、タービュレータは、排出経路を通って移動するときに、液体と標的の断片との混合物を撹拌する静的タービュレータとすることができ、またはタービュレータは、測定位置内の液体と標的の断片とを撹拌するように動作する機械式、油圧式、空気圧式などのタービュレータとすることができる。
【0072】
動作1130において、方法1100は、乱流が測定位置において存在することができるときに、標的組成特性決定システムを使用して、測地位置におけるアブレーションされた標的の少なくとも一部の特性を決定することを含むことができる。
【0073】
例えば、方法1100の動作1130は、コントローラ回路を用いて、分光計から1つまたは複数の信号を受信することと、アブレーションされた標的の少なくとも一部の標的組成特性を決定するために1つまたは複数の信号を分析することと、アブレーションされた標的の少なくとも一部の標的組成特性を少なくとも1つの基準と比較することとを含むことができる。方法1100は、比較に基づいて標的識別を示す出力を生成することを含むこともできる。
【0074】
例えば、方法1100の動作1130は、コントローラ回路を用いて、インピーダンスセンサから1つまたは複数の信号を受信することを含み、この信号は、音響波が測定位置を通って伝播するときの音響波に対する標的の断片の影響を示すことができる。センサは、測定位置を通過する音響波の振幅および位相の変化を感知するためのセンサを使用して、インピーダンス信号を生成することができる。方法1100の動作1130は、コントローラ回路を使用して、インピーダンス信号に少なくとも部分的に基づいて、アブレーションされた標的の少なくとも一部の標的組成特性を決定することを含むこともできる。
【0075】
動作1140において、方法1100は、コントローラ回路を使用して、アブレーションされた標的の少なくとも一部の決定された標的組成特性に少なくとも部分的に基づいてアブレーションパラメータを調整することを含むことができる。アブレーションパラメータは、アブレーション器具に提供される電力、アブレーション器具のモード、または提案されるアブレーション器具のタイプなどとすることができる。本明細書で論じるように、コントローラは、標的の識別された断片を示す信号を送信することもでき、これは、システムの構成要素のいずれかの挙動を変更することができる。
【0076】
図12は、本明細書で論じる技法(例えば、方法論)のうちの任意の1つまたは複数が実行され得る例示的なマシン1200のブロック図を示す。本明細書で説明する例は、マシン1200内のロジックまたはいくつかの構成要素もしくは機構を含み得、またはそれらによって動作し得る。回路(例えば、処理回路)は、ハードウェア(例えば、単純な回路、ゲート、ロジックなど)を含むマシン1200の有形エンティティにおいて実装される回路の集合である。回路の部材構成は、時間の経過とともに柔軟であり得る。回路は、動作時に単独または組み合わせて指定された動作を実行し得る部材を含む。回路のハードウェアは、特定の動作を実行するように不変に設計され得る(例えば、ハードワイヤード)。回路のハードウェアは、特定の動作の命令を符号化するように物理的に変更された(例えば、磁気的、電気的、不変質量粒子の移動可能な配置など)機械可読媒体を含む可変的に接続された物理構成要素(例えば、実行ユニット、トランジスタ、単純な回路など)を含み得る。物理構成要素を接続する際、ハードウェア構成の基礎となる電気的特性は、例えば、絶縁体から導体に、またはその逆に変更される。命令は、組み込みハードウェア(例えば、実行ユニットまたはローディング機構)が、動作時に特定の動作の一部を実行するために、可変接続を介してハードウェア内の回路の部材を作成することを可能にする。したがって、機械可読媒体要素は、回路の一部であるか、またはデバイスが動作しているときに回路の他の構成要素に通信可能に結合される。一例において、物理構成要素のいずれかが、2つ以上の回路の2つ以上の部材において使用され得る。例えば、動作中、実行ユニットが、ある時点において第1の回路の第1の回路において使用され得、異なる時点において第1の回路内の第2の回路によって、または第2の回路内の第3の回路によって再利用され得る。マシン1200に関するこれらの構成要素の追加の例は、以下の通りである。
【0077】
マシン1200は、スタンドアロンデバイスとして動作し得、または他のマシンに接続(例えば、ネットワーク化)され得る。ネットワーク化された展開において、マシン1200は、サーバ-クライアントネットワーク環境において、サーバマシン、クライアントマシン、またはその両方の能力において動作し得る。マシン1200は、ピアツーピア(P2P)(または他の分散型)ネットワーク環境においてピアマシンとして機能し得る。マシン1200は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、ウェブアプライアンス、ネットワークルータ、スイッチもしくはブリッジ、またはそのマシンによって実行されるべきアクションを指定する命令(順次またはその他)を実行することができる任意のマシンであり得る。さらに、「マシン」という用語は、クラウドコンピューティング、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)、他のコンピュータクラスタ構成などの、本明細書で論じる方法論のうちの任意の1つまたは複数を実行するために命令のセット(または複数のセット)を個別にまたは共同で実行するマシンの任意の集合を含む。
【0078】
マシン(例えば、コンピュータシステム)1200は、ハードウェアプロセッサ1202(例えば、中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、ハードウェアプロセッサコア、またはそれらの任意の組合せ)と、メインメモリ1204と、スタティックメモリ(例えば、ファームウェア、マイクロコード、基本入出力(BIOS)、統合型拡張可能ファームウェアインターフェース(UEFI)などのためのメモリまたはストレージ)1206と、大容量ストレージ1208(例えば、ハードドライブ、テープドライブ、フラッシュストレージ、または他のブロックデバイス)とを含み得、これらのうちのいくつかまたはすべては、相互リンク(例えば、バス)1230を介して互いに通信し得る。マシン1200は、ディスプレイユニット1210と、英数字入力デバイス1212(例えば、キーボード)と、ユーザインターフェース(UI)ナビゲーションデバイス1214(例えば、マウス)とをさらに含み得る。ディスプレイユニット1210、入力デバイス1212、およびUIナビゲーションデバイス1214は、タッチスクリーンディスプレイであり得る。マシン1200は、記憶デバイス(例えば、ドライブユニット)1208と、信号生成デバイス1218(例えば、スピーカ)と、ネットワークインターフェースデバイス1220と、全地球測位システム(GPS)センサ、コンパス、加速度計、または他のセンサなどの1つまたは複数のセンサ1216とを追加で含み得る。マシン1200は、1つまたは複数の周辺デバイス(例えば、プリンタ、カードリーダなど)と通信またはこれを制御するために、シリアル(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB))接続、パラレル接続、または他の有線もしくはワイヤレス(例えば、赤外線(IR)、近距離無線通信(NFC)など)接続などの出力コントローラ1228を含み得る。
【0079】
プロセッサ1202、メインメモリ1204、スタティックメモリ1206、または大容量ストレージ1208のレジスタは、本明細書で説明する技法または機能のうちの任意の1つまたは複数を具体化するか、またはそれらによって利用されるデータ構造または命令1224(例えば、ソフトウェア)の1つまたは複数のセットが記憶された機械可読媒体1222であるか、またはそれを含み得る。命令1224はまた、マシン1200によるそれらの実行中、プロセッサ1202、メインメモリ1204、スタティックメモリ1206、または大容量ストレージ1208のレジスタのいずれかの中に、完全にまたは少なくとも部分的に常駐し得る。一例において、ハードウェアプロセッサ1202、メインメモリ1204、スタティックメモリ1206、または大容量ストレージ1208のうちの1つまたは任意の組合せが、機械可読媒体1222を構成し得る。機械可読媒体1222は、単一の媒体として示されているが、「機械可読媒体」という用語は、1つまたは任意の命令1224を記憶するように構成された単一の媒体または複数の媒体(例えば、集中型もしくは分散型データベース、ならびに/または関連するキャッシュおよびサーバ)を含み得る。
【0080】
「機械可読媒体」という用語は、マシン1200による実行のための命令を記憶、符号化、もしくは搬送することができるか、本開示の技法のうちの任意の1つもしくは複数をマシン1200に実行させるか、またはそのような命令によって使用されるもしくはそのような命令に関連するデータ構造を記憶、符号化、もしくは搬送することができる任意の媒体を含み得る。非限定的な機械可読媒体の例は、固体メモリ、光学媒体、磁気媒体、および信号(例えば、無線周波数信号、他の光子ベースの信号、音信号など)を含み得る。一例において、非一時的な機械可読媒体は、不変の(例えば、静止)質量を有する複数の粒子を有する機械可読媒体を備え、したがって、物質の組成物である。したがって、非一時的な機械可読媒体は、一時的な伝播信号を含まない機械可読媒体である。非一時的な機械可読媒体の具体的な例は、半導体メモリデバイス(例えば、電気的プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EEPROM))およびフラッシュメモリデバイスなどの不揮発性メモリ、内部ハードディスクおよびリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスクならびにCD-ROMおよびDVD-ROMディスクを含み得る。
【0081】
機械可読媒体1222上に記憶または他の方法で提供される情報は、命令1224自体、または命令1224が導出され得るフォーマットなど、命令1224を表し得る。命令1224が導出され得るこのフォーマットは、ソースコード、(例えば、圧縮または暗号化された形態における)符号化された命令、(例えば、複数のパッケージに分割された)パッケージ化された命令などを含み得る。機械可読媒体1222内の命令1224を表す情報は、処理回路によって、本明細書で論じる動作のいずれかを実装する命令に処理され得る。例えば、情報から命令1224を導出すること(例えば、処理回路によって処理すること)は、(例えば、ソースコード、オブジェクトコードなどから)コンパイルすること、解釈すること、ロードすること、編成すること(例えば、動的または静的にリンクすること)、符号化すること、復号すること、暗号化すること、暗号化解除すること、パッケージ化すること、非パッケージ化すること、またはその他の方法で情報を命令1224に操作することを含み得る。
【0082】
命令1224の導出は、機械可読媒体1222によって提供されるなんらかの中間フォーマットまたは前処理されたフォーマットから命令1224を作成するための(例えば、処理回路による)情報のアセンブリ、コンパイル、または解釈を含み得る。情報は、複数の部分において提供される場合、命令1224を作成するために、組み合わされ、アンパックされ、変更され得る。例えば、情報は、1つまたは複数のリモートサーバ上の複数の圧縮されたソースコードパッケージ(またはオブジェクトコード、もしくはバイナリ実行可能コードなど)内に存在し得る。ソースコードパッケージは、ネットワーク上で転送されるときに暗号化され、必要に応じて復号、圧縮解除、アセンブル(例えば、リンク)され、ローカルマシンにおいて(例えば、ライブラリ、スタンドアロン実行可能ファイルなどに)コンパイルまたは解釈され、ローカルマシンによって実行され得る。
【0083】
命令1224は、さらに、いくつかの転送プロトコル(例えば、フレームリレー、インターネットプロトコル(IP)、伝送制御プロトコル(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)など)のうちの任意の1つを利用して、ネットワークインターフェースデバイス1220を介して伝送媒体を使用して通信ネットワーク1226上で送信または受信され得る。例示的な通信ネットワークは、とりわけ、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、パケットデータネットワーク(例えば、インターネット)、LoRa/LoRaWAN、または衛星通信ネットワーク、モバイルネットワーク(例えば、3G、4G LTE/LTE-A、または5G規格に準拠するものなどのセルラーネットワーク)、基本電話(POTS(Plain Old Telephone))ネットワーク、およびワイヤレスデータネットワーク(例えば、Wi-Fi(登録商標)として知られる米国電子電気学会(IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers))702.11規格ファミリー、IEEE 702.15.4規格ファミリー、ピアツーピア(P2P)ネットワーク)を含み得る。ネットワークインターフェースデバイス1220は、通信ネットワーク1226に接続するための1つもしくは複数の物理ジャック(例えば、イーサネットジャック、同軸ジャック、または電話ジャック)、または1つもしくは複数のアンテナを含み得る。ネットワークインターフェースデバイス1220は、単一入力複数出力(SIMO)技法、複数入力複数出力(MIMO)技法、または複数入力単一出力(MISO)技法のうちの少なくとも1つを使用してワイヤレスに通信するための複数のアンテナを含み得る。「伝送媒体」という用語は、マシン1200による実行のための命令を記憶、符号化、または搬送することができる任意の媒体を含むものとし、デジタル通信信号もしくはアナログ通信信号、またはそのようなソフトウェアの通信を容易にする他の媒体を含む。伝送媒体は、機械可読媒体である。
【0084】
以下の例は、とりわけ、課題を解決し、本明細書で論じる利点を提供するための本主題の特定の態様について詳述する。
【0085】
例1は、患者内の解剖学的部位において位置する標的をアブレーションするための医療用標的アブレーション器具であって、アブレーション器具がアブレーションされた標的を解剖学的部位から離れた場所に移送するための排出経路を内部に画定する、医療用標的アブレーション器具と、排出経路に沿った測定位置において乱流を発生させるためのタービュレータと、アブレーション器具内の排出経路に沿ったアブレーションされた標的の少なくとも一部の組成特性を決定するための、排出経路に沿った測定位置に動作可能に結合された標的組成特性決定システムとを含むことができるシステムである。
【0086】
例2において、例1の主題は、排出経路が、アブレーションされた標的を保管するための、測定位置の下流に位置する容器をさらに備えることを含むことができる。
【0087】
例3において、例2の主題は、測定位置が、アブレーションされた標的を測定室内に導く入口バルブと、アブレーションされた標的を測定室の外に導く出口バルブとを備える測定室を備えることを含むことができる。
【0088】
例4において、例3の主題は、排出経路が、アブレーションされた標的を測定室の周囲、および直接容器内に導くバイパスバルブを備えることを含むことができる。
【0089】
例5において、例4の主題は、システムが、複数のモードにおいて動作するように構成されたコントローラ回路を含み、複数のモードが、サンプル測定モードとサンプルトラップモードとを含むことを含むことができる。
【0090】
例6において、例5の主題は、サンプル測定モードにおいて、コントローラ回路が、入口バルブを開くように作動させ、出口バルブを閉じるように作動させ、バイパスバルブを閉じるように作動させ、サンプルトラップモードにおいて、コントローラ回路が、入口バルブを閉じるように作動させ、出口バルブを開くように作動させ、バイパスバルブを開くように作動させることを含むことができる。
【0091】
例7において、例1~6の主題は、アブレーションされた標的の少なくとも一部の決定された特性に少なくとも部分的に基づいて、医療用標的アブレーション器具に関連するパラメータを調整するためのコントローラ回路を含むことができる。
【0092】
例8において、例7の主題は、コントローラ回路が、コントローラ回路によって実行されると、コントローラ回路に、排出経路に沿って測定室に流入する流体の流れを示す流入速度を受信させ、測定室から出る流体の流れを示す流出速度を受信させ、タービュレータを使用して標的乱流レベルを確立、調整、または維持の少なくとも1つを行うために、流入速度または流出速度を確立または調整させる記憶された命令を含むメモリ回路に結合されることを含むことができる。
【0093】
例9において、例7~8の主題は、標的組成特性決定システムが、測定位置におけるアブレーションされた標的を照明するための光源と、照明に応答して、アブレーションされた標的の少なくとも一部からの応答信号を検出するための分光計とを備え、コントローラ回路が、検出された応答信号に少なくとも部分的に基づいて、アブレーションされた標的の少なくとも一部の組成特性を決定することを含むことができる。
【0094】
例10において、例9の主題は、コントローラ回路が、コントローラ回路によって実行されると、コントローラ回路に、分光計から応答信号を受信させ、アブレーションされた標的の少なくとも一部の組成特性を決定するために応答信号を分析させ、アブレーションされた標的の少なくとも一部の組成特性を少なくとも1つの基準と比較させ、比較に基づいて出力を生成させる命令を含むメモリ回路に結合されることを含むことができる。
【0095】
例11において、例10の主題は、コントローラ回路に接続された畳み込みニューラルネットワークを含むことができ、コントローラ回路が、分光計から畳み込みニューラルネットワークに信号を送信し、標的組成特性を示す出力を畳み込みニューラルネットワークに送信し、畳み込みニューラルネットワークの出力に基づく1つまたは複数の更新された命令を受信するように構成される。
【0096】
例12において、例7~11の主題は、標的組成特性決定システムが、排出経路に沿って測定位置まで伝播する音響波を生成する音響波発生器と、音響波が測定位置を通って進行した後、音響波の振幅および位相の変化から、インピーダンスを示す信号を生成するインピーダンスセンサとを備え、コントローラ回路が、インピーダンスを示す信号に少なくとも部分的に基づいて、アブレーションされた標的の少なくとも一部の標的組成特性を決定するように構成されることを含むことができる。
【0097】
例13において、例12の主題は、コントローラ回路が、コントローラ回路によって実行されると、コントローラ回路に、インピーダンスセンサからインピーダンスを示す信号を受信させ、アブレーションされた標的の少なくとも一部の組成特性を決定するためにインピーダンスを示す信号を分析させ、アブレーションされた標的の少なくとも一部の標的組成特性を少なくとも1つの基準特性と比較させ、比較に基づいて標的の識別を示す出力を生成させる命令を含むメモリ回路に結合されることを含むことができる。
【0098】
例14において、例13の主題は、コントローラ回路に接続された畳み込みニューラルネットワークを含むことができ、コントローラ回路が、インピーダンスを示す信号を畳み込みニューラルネットワークに送信し、標的組成を示す出力を畳み込みニューラルネットワークに送信し、1つまたは複数の更新された音響インピーダンスアルゴリズムを受信するように構成される。
【0099】
例15において、例1~14の主題は、排出経路の少なくとも一部内の粒子の量を測定するように配置された粒子センサと、粒子センサに結合され、測定された粒子の量に少なくとも部分的に基づいて標的のアブレーション率を計算するコントローラ回路とを含むことができる。
【0100】
例16において、例7~15の主題は、標的組成特性決定システムが、排出経路に沿ったアブレーションされた標的を撮像するための撮像デバイスと、撮像デバイスによって取得されたアブレーションされた標的の画像内のアブレーションされた標的を検出するための物体検出システムとをさらに備え、コントローラ回路が、撮像デバイスによって取得されたアブレーションされた標的の画像に少なくとも部分的に基づいて、アブレーションされた標的の標的組成特性を決定することを含むことができる。
【0101】
例17において、例16の主題は、標的組成特性決定システムが、複数のアブレーションされた標的特性を認識するようにトレーニングされることを含むことができる。
【0102】
例18において、例16~17の主題は、コントローラ回路が、コントローラ回路によって実行されると、コントローラ回路に、物体検出センサから出力を受信させ、アブレーションされた標的の少なくとも一部の標的組成特性を決定するために出力を分析させ、アブレーションされた標的の少なくとも一部の標的組成特性を少なくとも1つの基準と比較させ、比較に基づいて標的の識別を示す出力を生成させる命令を含むメモリ回路に結合されることを含むことができる。
【0103】
例19において、例18の主題は、コントローラ回路に接続された畳み込みニューラルネットワークを含むことができ、コントローラ回路が、物体検出システムからの出力を畳み込みニューラルネットワークに送信し、標的組成特性を示す出力を畳み込みニューラルネットワークに送信し、物体検出システムからの出力に応答し、標的の識別を示す出力に応答して、畳み込みニューラルネットワークの出力に基づく1つまたは複数の更新された物体検出命令を受信するように構成される。
【0104】
例20は、システムを用いて標的を識別するための方法であり、システムが、アブレーションされた標的の少なくとも一部の標的組成特性を決定するための標的識別システムを含み、方法が、アブレーションされた標的の少なくとも一部を、解剖学的部位から排出経路に沿って除去するステップであって、排出経路が測定位置を含む、ステップと、タービュレータを使用して測定位置において乱流を発生させるステップと、標的組成特性決定システムを使用して、測定位置において乱流が存在するときの測定位置におけるアブレーションされた標的の少なくとも一部の特性を決定するステップと、コントローラ回路を使用して、アブレーションされた標的の少なくとも一部の決定された標的組成特性に少なくとも部分的に基づいてアブレーションパラメータを調整するステップとを含む。
【0105】
例21において、例20の主題は、コントローラ回路を用いて、分光計から1つまたは複数の信号を受信するステップと、アブレーションされた標的の少なくとも一部の標的組成特性を決定するために1つまたは複数の信号を分析するステップと、アブレーションされた標的の少なくとも一部の標的組成特性を少なくとも1つの基準と比較するステップと、比較に基づいて標的識別を示す出力を生成するステップとを含むことができる。
【0106】
例22において、例20~21の主題は、測定位置に伝播する音響波を生成するステップと、測定位置を通過する音響波の振幅および位相の変化を感知するためのセンサを使用して、インピーダンス信号を生成するステップと、コントローラ回路を使用して、インピーダンス信号に少なくとも部分的に基づいて、アブレーションされた標的の少なくとも一部の標的組成特性を決定するステップとを含むことができる。
【0107】
例23において、例22の主題は、コントローラ回路を用いて、インピーダンス信号を受信するステップと、アブレーションされた標的の少なくとも一部の標的組成特性を決定するためにインピーダンス信号を分析するステップと、アブレーションされた標的の少なくとも一部の標的組成特性を少なくとも1つの基準と比較するステップと、比較に基づいて標的の識別を示す出力を生成するステップとを含むことができる。
【0108】
例24は、処理回路によって実行されると、処理回路に例1~23のいずれかを実装する動作を実行させる命令を含む少なくとも1つの機械可読媒体である。
【0109】
例25は、例1~23のいずれかを実装する手段を備える装置である。
【0110】
例26は、例1~23のいずれかを実装するシステムである。
【0111】
例27は、例1~23のいずれを実装する方法である。
【0112】
例28は、例1~23のいずれかの要素のシステム、方法、または装置である。
【0113】
上記で詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する添付図面への参照を含む。図面は、実施され得る特定の実施形態を例示として示す。これらの実施形態は、本明細書では「例」とも呼ばれる。そのような例は、図示または説明した要素に加えて要素を含む場合がある。しかしながら、本発明者らは、図示または説明した要素のみが提供される例も企図している。さらに、本発明者らは、特定の例(またはその1つまたは複数の態様)に関して、または本明細書で図示もしくは説明した他の例(またはその1つまたは複数の態様)に関して、図示または説明したそれらの要素(またはその1つまたは複数の態様)の任意の組合せまたは順列を使用する例も企図している。
【0114】
本文書で参照されるすべての刊行物、特許、および特許文献は、参照により個別に組み込まれるかのように、その全体において参照により本明細書に組み込まれる。本文書と参照により組み込まれたそれらの文書との間で使用法が一致しない場合、組み込まれた参照における使用法は、本文書の使用法を捕捉するものとみなされるべきであり、矛盾する不一致については、本文書における使用法が優先される。
【0115】
本文書において、「a」または「an」という用語は、特許文書において一般的であるように、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」の任意の他の実例または使用法とは無関係に、1つまたは2つ以上を含むために使用される。本文書において、「または」という用語は、特に指示のない限り、「AまたはB」が「AだがBではない」、「BだがAではない」、および「AおよびB」を含むように、非排他的なまたはを指すために使用される。添付の特許請求の範囲において、「含む」および「その中で(in which)」という用語は、「備える」および「ここで(wherein)」というそれぞれの用語の平易な英語の等価物として使用される。また、以下の特許請求の範囲において、「含む」および「備える」という用語は、制限のないものであり、すなわち、請求項においてそのような用語の後にリストされている要素に加えて要素を含むシステム、デバイス、物品、またはプロセスは、依然としてその請求項の範囲内にあるとみなされる。さらに、以下の特許請求の範囲において、「第1の」、「第2の」、および「第3の」などの用語は、単にラベルとして使用され、それらの対象に対して数値的な要件を課すことを意図していない。
【0116】
本明細書で使用する「約」という用語は、ほぼ、~の辺りで、ざっと、またはおおよそを意味する。「約」という用語が数値範囲と併せて使用される場合、記載された数値の上下に境界を拡張することによってその範囲を変更する。一般に、「約」という用語は、本明細書では、記載された値の上下の数値を10%の変動によって変更するために使用される。一態様において、「約」という用語は、それが使用されている数の数値のプラスまたはマイナス10%を意味する。したがって、約50%は、45%~55%の範囲内を意味する。本明細書において端点によって列挙される数値範囲は、その範囲内に包摂されるすべての数および分数を含む(例えば、1から5は、1、1.5、2、2.75、3、3.90、4、4.24、および5を含む)。同様に、本明細書において端点によって列挙される数値範囲は、その範囲内に包摂される部分範囲を含む(例えば、1から5は、1~1.5、1.5~2、2~2.75、2.75~3、3~3.90、3.90~4、4~4.24、4.24~5、2~5、3~5、1~4、および2~4を含む)。そのすべての数および分数は、「約」という用語によって修飾されると推定されることも理解されるべきである。
【0117】
上記の説明は、例示的なものであり、制限的なものではないことを意図している。例えば、上記で説明した例(またはその1つもしくは複数の態様)は、互いに組み合わせて使用され得る。他の例は、上記の説明を検討した当業者などによって使用され得る。要約書は、読者が技術開示の性質を迅速に確認することを可能にするためのものであり、特許請求の範囲または意味を解釈または制限するために使用されないことを理解した上で提出される。また、上記の発明の概要において、本開示を合理化するために、様々な特徴が一緒にグループ化されている場合がある。これは、特許請求されていない開示された特徴が任意のクレームに必須であることを意図していると解釈されるべきではない。むしろ、発明の主題は、特定の開示された実施形態のすべての特徴よりも少ない特徴にある場合がある。したがって、以下の特許請求の範囲は、各請求項が別個の実施形態として独立した状態で、これによって発明の概要に組み込まれる。例の範囲は、添付の特許請求の範囲を、そのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲とともに参照して決定されるべきである。
【符号の説明】
【0118】
100 システム
102 医療用アブレーション器具、医療用標的アブレーション器具
104 標的
106 解剖学的部位
108 患者
110 灌注源
114 排出経路
116 測定位置
118 灌注リザーバ
120 タービュレータ
122 取外し可能なトラップフィルタ
130 吸引源
140 標的組成特性決定システム
146 コントローラ
148 メモリ
150 ネットワーク
250 測定室
260 吸引ライン
262 吸引ライン
264 バイパスライン
270 入口バルブ
272 出口バルブ
276 バイパスバルブ
280 光源、基準光源出力
282 分光計
300 可撓性部材
302 ピストン
304 シリンダ
306 ソレノイド
400~406 側面
502 第1の動作モード
504 第2の動作モード
506 第3の動作モード
650 測定室
652 バルブ
700 標的組成分析器
702 サンプルカートリッジ
706 スペクトル応答
708 特徴抽出器
710 特徴出力
712 機械学習分類器
714 処理回路、コントローラ回路
716 結石識別出力
718 ディスプレイ
720 畳み込みニューラルネットワーク
800 標的組成分析器、分析器
802 トランスデューサケーブル
804 超音波出力駆動ライン
806 白色源出力光ファイバケーブル、白色光源出力光ファイバケーブル
808 分光計入力ケーブル
900 コンピュータベースの臨床決定支援システム(CDSS)、CDSS
902 入力インターフェース
904 人工知能(AI)モデル、AIモデル
906 測定値
908 プロセッサ
910 ユーザインターフェース(UI)、UI
1000 センサ
1002 レベル
1200 マシン
1202 ハードウェアプロセッサ、プロセッサ
1204 メインメモリ
1206 スタティックメモリ
1208 大容量ストレージ、記憶デバイス
1210 ディスプレイユニット
1212 英数字入力デバイス、入力デバイス
1214 ユーザインターフェース(UI)ナビゲーションデバイス、UIナビゲーションデバイス
1216 センサ
1218 信号生成デバイス
1220 ネットワークインターフェースデバイス
1222 機械可読媒体
1224 命令
1226 通信ネットワーク
1228 出力コントローラ
1230 相互リンク
【外国語明細書】