(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164412
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】センサ保護ケース、センサシステム及び車両
(51)【国際特許分類】
G01D 11/24 20060101AFI20231102BHJP
H05K 5/03 20060101ALI20231102BHJP
H05K 5/00 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
G01D11/24 B
H05K5/03 A
H05K5/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075205
(22)【出願日】2023-04-28
(31)【優先権主張番号】202210473322.2
(32)【優先日】2022-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521254764
【氏名又は名称】北京図森智途科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】王亜甲
(72)【発明者】
【氏名】王玉勇
(72)【発明者】
【氏名】計平元
【テーマコード(参考)】
4E360
【Fターム(参考)】
4E360BA03
4E360BA08
4E360BB02
4E360BB12
4E360BC13
4E360EA03
4E360GA22
4E360GA29
(57)【要約】 (修正有)
【課題】センサの防水防雨機能を提供し、且つ、構造が簡単で、性能が安定し、開閉しやすく、センサのクリーニング効率を向上させるセンサ保護ケース、センサシステム及び車両を提供する。
【解決手段】センサシステム300において、センサ保護ケースは、立板210と、該立板に接続され、第1のセンサ240を貫通させることに適する第1の開口を有する第1の底板220と、立板に磁気吸引方式で接続され、第1の底板の上方に位置し、第1の底板との間に第1の空隙を形成する第1の蓋板231を含む保護部材230と、を含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
背板と、
前記背板に接続される第1の底板であって、第1のセンサを貫通させることに適する第1の開口を有する第1の底板と、
前記背板に磁気吸引方式で接続される保護部材であって、前記第1の底板の上方に位置し、前記第1の底板との間に第1の空隙を形成する第1の蓋板を含む保護部材と、を含むセンサ保護ケース。
【請求項2】
前記保護部材は折り畳み式構造であり、前記保護部材の頂部はさらにヒンジによって前記背板に接続される請求項1に記載のセンサ保護ケース。
【請求項3】
前記保護部材は、
第1の側が前記第1の蓋板に接続され、第2の側が前記背板に磁気吸引方式で接続される仕切り板をさらに含み、
前記仕切り板の頂部と前記背板はヒンジによって接続され、
前記保護部材及び前記背板のうち少なくとも1つは磁性物体を有する請求項1に記載のセンサ保護ケース。
【請求項4】
前記第1の蓋板はキャップとひさしを含み、前記キャップの内部空間は前記第1のセンサの頂部に適合することで、前記保護部材が前記背板に吸引される時に前記キャップは前記第1のセンサの頂部を覆うようになる請求項3に記載のセンサ保護ケース。
【請求項5】
前記保護部材は引き出し式構造であり、それにより、前記保護部材は外力の作用で前記第1の底板に沿ってスライドするようになる請求項1に記載のセンサ保護ケース。
【請求項6】
前記第1のセンサのベースを置くことに適する第1のボトムケースと、
第2のセンサのベースを置くことに適する第2のボトムケースと、をさらに含み、
前記第1のボトムケースは前記第1のセンサの指示ランプを表示するための第1の光孔を有し、
前記第2のボトムケースは前記第2のセンサの指示ランプを表示するための第2の光孔を有する請求項1に記載のセンサ保護ケース。
【請求項7】
前記背板に接続され、且つ前記第1の開口の位置に対応し、第2のセンサを貫通させることに適する第2の開口を有する第2の底板をさらに含む請求項3に記載のセンサ保護ケース。
【請求項8】
前記保護部材は、
前記仕切り板に接続され、前記第1の蓋板の上方及び前記第2の底板の下方に位置し、前記第2の底板との間に第2の空隙を形成する第2の蓋板をさらに含む請求項7に記載のセンサ保護ケース。
【請求項9】
前記保護部材は、
前記第1の蓋板及び前記第2の蓋板を貫通する貫通溝であって、前記第1の開口の位置に対応し、前記保護部材が前記背板に吸引される時に前記第1のセンサの頂部及び前記第2のセンサの頂部を覆うようになる貫通溝をさらに含む請求項8に記載のセンサ保護ケース。
【請求項10】
前記第1の蓋板と第2の蓋板との間は接続ビームを有し、前記接続ビームは外力作用で前記保護部材を移動させるように構成され、
前記第1の底板、前記第2の底板、前記第1の蓋板又は前記第2の蓋板に少なくとも1つの遮光壁が設けられ、前記遮光壁は前記第1のセンサ又は第2のセンサの一部の光線を遮断することに適し、
前記遮光壁は前記第1の開口箇所又は前記第2の開口箇所に設けられる請求項8に記載のセンサ保護ケース。
【請求項11】
前記第1の底板に少なくとも1つの第1のガイドレールが設けられ、前記仕切り板に各第1のガイドレールに適合する少なくとも1つの第1の溝が設けられることで、前記保護部材は前記第1の溝を介して前記第1のガイドレールに沿ってスライドできるようになり、
前記第2の底板に少なくとも1つの第2のガイドレールが設けられ、前記仕切り板に各第2のガイドレールに適合する少なくとも1つの第2の溝が設けられることで、前記保護部材は前記第2の溝を介して前記第2のガイドレールに沿ってスライドできるようになる請求項7に記載のセンサ保護ケース。
【請求項12】
前記背板は前記第1の底板と第1の角度を成して接続され、前記仕切り板は前記第1の蓋板と第2の角度を成して接続され、前記背板は前記第2の底板と第3の角度を成して接続され、前記仕切り板は第2の蓋板と第4の角度を成して接続され、前記第1から第4の角度、前記ひさしの幅、前記第1の空隙の高さ、及び前記第2の空隙の高さが調整可能である請求項8に記載のセンサ保護ケース。
【請求項13】
センサと、
前記センサを保護するための請求項1~12のいずれか一項に記載のセンサ保護ケースと、を含むセンサシステム。
【請求項14】
前記センサは第1のセンサ及び第2のセンサを含み、前記第2のセンサは逆さまに配置されることで、前記第2のセンサの受光領域と前記第1のセンサの受光領域とは上下に対向して設けられるようになる請求項13に記載のセンサシステム。
【請求項15】
フレームと、
フレームに取り付けられる請求項13に記載のセンサシステムと、を含む車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は車両機器の技術分野に関し、特にセンサ保護ケース、センサシステム及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
セミトレーラはキングピンを介してトラクタとトレーラとを接続する大型輸送交通手段であり、単車トラックに比べ、セミトレーラは陸上輸送の総合的な経済効果をより向上させることができる。自動運転技術の発展に伴い、例えばカメラ、レーザレーダー、ミリ波レーダーなど、ますます多くのセンサが自動運転車両に取り付けられる。これらのセンサは車体の外に露出し、その受光領域が常に埃、泥、氷霜などに覆われ、センサの撮像効果に影響を与える。したがって、センサの汚染を効果的に低減できる解決策が必要となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示の実施例は、以上言及された課題を解決するか、又は少なくとも解決するために、センサ保護ケース、センサシステム及び車両を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施例の一態様によれば、
背板と、
背板に接続される第1の底板であって、第1のセンサを貫通させることに適する第1の開口を有する第1の底板と、
前記背板に磁気吸引方式で接続される保護部材であって、前記第1の底板の上方に位置し、前記第1の底板との間に第1の空隙を形成する第1の蓋板を含む保護部材と、を含むセンサ保護ケースが提供される。
【0005】
本開示の実施例の別の態様によれば、センサと、センサを保護するための以上に記載のセンサ保護ケースと、を含むセンサシステムが提供される。
【0006】
本開示の実施例の別の態様によれば、フレームと、フレームに取り付けられる以上に記載のセンサシステムと、を含む車両が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示の実施例の技術的解決手段は、第1の蓋板及び第1の底板の遮蔽面によって雨水などがセンサにかかることを防止するとともに、センサの撮像効果を保証する。磁気吸引方式によって保護部材と背板との間の接続を確立し、作業者は工具を使用せず保護部材を開けることができ、さらにセンサに対して検査又はクリーニング操作を行い、センサの動作効率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下、本開示の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、本開示の実施例において使用する必要がある図面を簡単に紹介し、明らかに、以下説明される図面は本開示のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力をせず、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0009】
【
図1】本開示の一実施例の車両100の構造を示す図である。
【
図2】本開示の実施例のセンサ保護ケース200の構造を示す図である。
【
図3】
図2におけるセンサ保護ケースの局所構造を示す図である。
【
図4】本開示の一実施例のセンサシステム300の構造を示す図である。
【
図5】本開示の別の実施例のセンサ保護ケース200の構造を示す図である。
【
図6】
図5におけるセンサ保護ケースの局所構造を示す図である。
【
図7】本開示の別の実施例のセンサシステム300の構造を示す図である。
【
図8】本開示の一実施例のセンサホルダ800の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面及び実施例に合わせて本発明の実施形態についてさらに詳しく説明する。以下の実施例の詳細な説明及び図面は、本発明の原理を例示的に示すためのものであるが、本発明の範囲を限定するものではなく、すなわち、本発明は説明される実施例に限定されない。
【0011】
なお、本発明の説明において、別段の説明がない限り、用語の「第1」、「第2」などは、説明のみに目的があり、相対的重要性を指示又は暗示するものとして理解することはできず、「複数」は2つ以上を意味し、用語の「内」、「外」、「頂部」、「底部」などが指示する方位又は位置関係は図面に基づいて示される方位又は位置関係であり、本発明の説明の便宜及び説明の簡略化のためのものに過ぎず、いわれる装置又は素子が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作されるものではなければならないことを指示又は暗示するものではなく、したがって、本発明を制限するものとして理解することはできない。
【0012】
本開示の実施例にて提供されるセンサは車両に取り付けられ、以下、
図1に合わせて本開示に係る車両100について説明する。ここで、
図1は本明細書に開示される様々な技術が実装され得る車両100を示す図である。車両100は乗用車、トラック、オートバイ、バス、ボート、飛行機、ヘリコプター、芝刈り機、パワーシャベル、スノーモービル、航空機、レクリエーション用車両、遊園地車両、農場用装置、建設用装置、路面電車、ゴルフカート、列車、トロリーバス、又は他の車両であり得る。車両100は完全又は部分的に自動運転モードで走行することができる。自動運転モードでは、車両100はそれ自身を制御することができ、例えば、車両100は、車両の現在の状態及び車両を取り巻く環境の現在の状態を決定し、当該環境における少なくとも1つの他の車両の予測行動を決定し、当該少なくとも1つの他の車両が予測行動を実行する可能性に対応する信頼レベルを決定し、また、決定した情報に基づいて、車両100自身を制御することができる。自動運転モードにある場合、車両100はインタラクション無しで走行できる。
【0013】
車両100は、例えば、駆動システム142、センサシステム144、制御システム146、ユーザインタフェースシステム148、コンピューティングシステム150及び通信システム152など、様々な車両システムを含み得る。車両100はより多くのシステム又はより少ないシステムを含み得、各システムは複数のユニットを含み得る。さらに、車両100のそれぞれのシステム及びユニットの間は相互接続できる。例えば、コンピューティングシステム150は、駆動システム142、センサシステム144、制御システム146、ユーザインタフェースシステム148及び通信システム152のうちの1つ又は複数とデータ通信を行うことができる。
【0014】
駆動システム142は車両100に運動エネルギーを提供する複数の操作可能な部材(又はユニット)を含み得、駆動システム143はエンジン又は電動機、車輪、変速機、電子システム、及び動力を含み得る。
【0015】
センサシステム144は、車両100の環境及び条件の情報を検知するための複数のセンサを含み得る。例えば、センサシステム144は、慣性測定ユニット(IMU)、GNSS(全地球航法衛星システム)トランシーバ(例えば、全地球測位システム(GPS)トランシーバ)、レーダー(RADAR)、レーザ距離計/LIDAR(又は他の距離測定装置)、音響センサ、超音波センサ及びカメラ又は画像キャプチャ装置を含み得る。センサシステム144は車両100を監視するための複数のセンサ(例えば、酸素モニタ、燃料計センサ、エンジン油圧センサ、及び温度、湿度、圧力センサなど)を含み得る。
【0016】
IMUは、慣性加速に基づいて車両100の位置変化及び方向変化を検知するために、センサの組み合わせ(例えば、加速器とジャイロ)を含み得る。GPSトランシーバは車両100の地理的位置を推定するための任意のセンサであり得る。いくつかの実施例において、GPSトランシーバを北斗衛星ナビゲーションシステムトランシーバ又はガリレオ衛星ナビゲーションシステムトランシーバに置き換えることができる。レーダーユニットは、無線信号を使用して、車両100を取り巻く環境におけるオブジェクトを検知することができる。いくつかの実施例において、レーダーユニットは、車両100に接近する物体の速度及び進行方向を検知するために用いることもできる。レーザ距離計又はLIDARユニット(又は他の距離測定装置)は、レーザを使用して車両100を取り巻く環境における物体を検知する任意のセンサであり得る。一実施例において、レーザ距離計/LIDARユニットは、レーザ光源、レーザスキャナー、及び感知器を含み得る。レーザ距離計/LIDARユニットは、連続的(例えばヘテロダイン検出を用いる)又は不連続な検出モードで動作するために用いられる。カメラは、車両100を取り巻く環境の複数の画像をキャプチャするための装置を含み得る。
【0017】
制御システム146は車両100及びその部材(又はユニット)への操作を制御するために用いられる。それに応じて、制御システム146は、例えば、ステアリングユニット、動力制御ユニット、制動ユニット及びナビゲーションユニットなど、様々なユニットを含み得る。
【0018】
ユーザインタフェースシステム148は、車両100と、外部センサ、他の車両、他のコンピュータシステム及び/又は車両100のユーザとの間のインタラクションを可能にするために用いることができる。例えば、ユーザインタフェースシステム148は、標準的な視覚的表示装置(例えば、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、タッチスクリーンディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ、又は他の同様のディスプレイ)と、スピーカ又は他の音声出力装置と、マイクロフォン又は他の音声入力装置とを含み得る。例えば、ユーザインタフェースシステム148は、ナビゲーションインタフェースと、車両100の内部環境(例えば、温度、ファンなど)を制御するインタフェースとをさらに含み得る。
【0019】
通信システム152は、1つ又は複数の機器や周囲の他の車両と通信する手段を車両100に提供することができる。コンピューティングシステム150は車両100の機能の一部又は全部を制御することができる。コンピューティングシステム150における自動運転制御ユニットは、車両100を取り巻く環境における潜在的な障害物を認識し、評価し、回避し、又は越えるために用いることができる。コンピューティングシステム150は少なくとも1つのプロセッサ(少なくとも1つのマイクロプロセッサを含み得る)を含み得、プロセッサは不揮発性コンピュータ可読媒体(例えば、データ記憶装置又はメモリ)に記憶された処理命令(すなわち、機械実行可能な命令)を実行する。コンピューティングシステム150は、分散して車両100の部材又はシステムを制御する複数のコンピューティング装置であり得る。
【0020】
いくつかの実施例において、メモリは、プロセッサにより実行されて車両100の様々な機能を実現する処理命令(例えば、プログラムロジック)を含み得る。一実施例において、コンピューティングシステム150は他の各システムとデータ通信を行うことができ、コンピューティングシステム150におけるインタフェースはコンピューティングシステム150と他の各システムとのデータ通信を促進するために用いられる。
【0021】
メモリは、データ送信のための命令、データ受信のための命令、インタラクションのための命令、又は駆動システム142、センサシステム144、制御システム146若しくはユーザインタフェースシステム148を制御するための命令を含む他の命令を含み得る。また、メモリは、例えば画像処理パラメータ、道路地図、及び経路情報のような複数種の情報又はデータを記憶することができる。
【0022】
自動運転制御ユニットは、プロセッサ及びメモリとは別個に示されているが、いくつかの実施形態において、自動運転制御ユニットの何らか又は全部の機能は、1つ又は複数のメモリ(又はデータ記憶装置)中に存在しているプログラムコード命令により実現され、1つ又は複数のプロセッサにより実行されることができ、また、何らかの場合に、自動運転制御ユニットは同じプロセッサ及び/又はメモリ(又はデータ記憶装置)を用いて実現できることを理解されたい。
【0023】
いくつかの実施例において、車両100はトラックであり、さらには自動運転トラックである。トラックはトラクタ110(ヘッドとも呼ばれる)と、トレーラ120(付随車とも呼ばれる)と、を含む。トラクタ110の後部はトレーラ120の頭部に連結される。システム142~152はいずれもトラクタ110に位置可能であり、そのうち、センサシステム144における一部のセンサ及び通信システム152の一部はトレーラ120に分布することもできる。自動運転トラックは、走行時に、一般にトラクタ110が制御されて、トレーラ120を動かせて移動する。トレーラ120にはコンテナ130が積み降ろし可能である。
【0024】
いくつかの実施例において、センサシステム144におけるセンサは、一般に、ベースと、受光領域と、頂蓋と、を含み得、ベースと頂蓋との間に位置する構造部分は全て受光領域であると考えられる。例えば、レーザレーダーは、下方に位置する駆動部材と、頂部に位置する頂蓋と、中央にある光送受信部材とを含む。カメラは底部に位置するベースと、頂部に位置する頂蓋と、中央に位置するカメラレンズのある一回りの構造とを含む。これらのセンサが完全に車両100の車体外に露出した場合、例えばトラクタ110の尾部のフレームに取り付けられた場合、日光、風雨や水はねにあたった後に表面に多くの汚れが発生し、埃、泥、氷霜などが撮像面を覆い、センサの正常な使用に影響を与える。
【0025】
このため、本開示は磁気吸引方式でセンサを保護し、遮蔽面を提供する方式によりセンサが汚染される確率を低減させる、新規なセンサ保護ケースを提供する。また、保護部材を引き開けるとセンサを検査又は洗浄することができ、検査又は洗浄が完了した後に保護部材を閉じればよく、プロセス全体が簡単で、効率的で、便利である。
【0026】
図2は本開示の一実施例によるセンサ保護ケース200の構造図を示し、
図3は
図2におけるセンサ保護ケースの局所構造を示す図であり、
図4は本開示の一実施例のセンサシステム300(センサ保護システム300、又はセンサ取り付けシステム300とも呼ばれる)を示す図であり、当該センサシステム300はセンサ保護ケース及びセンサ保護ケース内に位置する第1のセンサ240を含む。
図4はセンサ保護ケースが開けられている状態を示す図である。
【0027】
図2~
図4を参照すると、センサ保護ケース200は立板210(背板210とも呼ばれる)、第1の底板220、及び保護部材230を含む。そのうち、第1の底板220は立板210と第1の角度を成して接続され、第1の底板220は第1の開口221を有し、第1の開口221は第1のセンサ240を貫通させることに適し、具体的には第1のセンサ240の受光領域241を貫通させるために用いることができる。本開示の「AはBと接続される」は、「AがB上に取り付けられる」又は「AがB上に位置する」などと記述されてもよいことを理解されたい。
【0028】
保護部材230は第1の蓋板231を含み、第1の蓋板231は第1の底板220の上方に位置し、第1の底板220との間に第1の空隙232を形成し、当該第1の空隙232は第1のセンサ240の視野角要件を満たし、第1のセンサ240の送信光及び受信光を通過させることができる。
【0029】
第1の蓋板231の寸法面積は必要に応じて設定することができ、良好な防水防雨効果を提供する上で、面積が大き過ぎてセンサの撮像性能に影響を与えることがない。第1の空隙232の高さも必要に応じて設定することができ、第1のセンサ240の撮像要件及び視野角要件を満たす上で、空隙が高過ぎる場合に雨水や汚れがかかることを防止する。例えば、第1のセンサ240がレーザレーダーであれば、その撮像視野角は20度を満たす必要があり、第1のセンサ240の原点はAであり、第1の蓋板231上の点Aから最も遠い円接点はBであり、第1の底板220上の点Aから最も遠い円接点はCであることが分かると、線分ABとACとの間の角度は20度以上である。そのため、第1の蓋板231は必要に応じてセンサの受光領域の一部を遮る可能性もある。
【0030】
同様の原理に基づいて、第1の底板220及び第1の蓋板231の取り付け角度も必要に応じて設定することができ、それらは水平に設置されてもよく、立板に対して一定の角度を成して設置されてもよく、取り付け角度が大き過ぎる場合に雨水がかかることを防止する上で、取り付け角度が小さ過ぎる場合に撮像効果に影響を与えることを防止する。
【0031】
立板210(背板210とも呼ばれる)と保護部材230は磁気吸引方式で接続される。任意選択的に、立板210及び保護部材230のうち少なくとも一方に磁性物体(例えば磁石)が設けられることができ、例えば立板210は保護部材230に近い面(
図2では右面)に磁石が嵌め込まれ、当該磁石によって保護部材230を吸引し、又は
図3に示すように、保護部材230は立板210に近い面(
図3では左面)に磁石250が嵌め込まれ、当該磁性物体250(例えば磁石250)によって立板210に吸引され、又は、立板210及び保護部材230のいずれにも吸引する磁性物体(例えば磁石)が設けられ、本開示は、立板210と保護部材230との磁気吸引効果を実現できれば、磁性物体(例えば磁石)の取り付け位置について限定しない。また、立板210及び保護部材230を磁化することにより、両者間の磁気吸引効果を実現することもでき、本開示はこれについて限定しない。
【0032】
いくつかの実施例において、第1の蓋板231は立板210に直接磁気吸引されることができる。例えば、第1の蓋板231の立板210に近い側に少なくとも1つの磁石が固定され、又は立板210の第1の蓋板231に向かう面に少なくとも1つの磁性物体(例えば磁石)が固定され、それにより第1の蓋板231と立板210との間の磁気吸引接続が確立される。
【0033】
別の実施例において、第1の蓋板231は立板210に間接的に磁気吸引されることができる。この場合、保護部材230は仕切り板233をさらに含み、仕切り板233の第1の側(
図2では左面)は第1の蓋板231と第2の角度を成して接続され、仕切り板233の第2の側(
図2では右面)は立板210に磁気吸引方式で接続される。磁性物体(例えば磁石)は立板210内に埋め込まれてもよく、仕切り板233内に埋め込まれてもよく、又は立板210と仕切り板233内に同時に埋め込まれてもよい。仕切り板233と第1の蓋板231とは、それぞれ独立した部材としてもよいし、一体成形してもよい。
【0034】
一実現態様において、保護部材230は折り畳み式構造であり、例えば、保護部材230はヒンジ234(蝶番とも呼ばれる)により立板210に接続することができる。このように、当該保護部材230を開けると第1のセンサ240の受光領域241を露出させることができる。任意選択的に、仕切り板233の頂部はヒンジ234により立板210に接続され、それにより、保護部材の折り畳み式接続が実現される。
【0035】
いくつかの実施例において、第1の蓋板231はキャップ235とひさしを含み、キャップ235の内部空間は第1のセンサ240の頂蓋242に適合することで、保護部材230が立板210に吸引される時にキャップ235は第1のセンサ240の頂蓋242を覆うようになる。すなわち、キャップ235の断面積は第1のセンサ240の頂蓋242又は受光領域の断面積以上である。任意選択的に、キャップ235は折り畳み式構造となるように設置することもでき、すなわち、キャップ235を開けることにより、第1のセンサ240の頂蓋242を露出させることができる。当然のことながら、何らかのシーンのニーズでは、キャップ235は第1のセンサ240の一部の受光領域を覆うこともでき、この場合、一部の光線が遮断される可能性がある。任意選択的に、キャップ235の断面は第1の開口221の形状と同じ又は類似である。
【0036】
第1の蓋板231には、キャップ235以外の領域がひさしであり、ひさしは第1のセンサの光線遮蔽面を提供することができ、ひさしの幅は必要に応じて設定することができる。任意選択的に、ひさしの幅は第1の空隙の高さの4倍以上であり、例えばひさしの幅は第1の空隙の高さの9倍であり、当然のことながら、これに限定されない。
【0037】
さらに、本開示は、センサのベースを保護するために、専用のボトムケースをさらに設計する。
図2に示すように、第1のボトムケース260は第1のセンサ240のベース243を包み、保護するために用いられる。第1のボトムケース260は第1の底板220の下方に位置し、それと第1の底板220とは、それぞれ独立した部材としてもよいし、一体成形してもよい。第1のボトムケース260は第1のセンサ240の指示ランプを表示するための第1の光孔261を有する。当然のことながら、第1の光孔261を介して指示ランプを見えれば、第1の光孔261は鏡面構造として取り付けられてもよい。
【0038】
シングルラインレーザレーダーに対しては、そのベースは一般的に駆動部材であり、受光領域は一般的に光学送受信部材であり、第1のボトムケース260はシングルラインレーザレーダーの駆動部材を包み、保護することができる。
【0039】
また、車両の旋回中に、レーダーは光線を送信した後に余分な反射光線を受信することがあるので、撮像に干渉を与えることになると考慮される。したがって、本開示は、車両旋回時の側方光線によるセンサ検出性能への影響を低減するために、遮光壁222を設けることもできる。具体的には、第1の底板220の上面に少なくとも1つの遮光壁222を設けることができ、遮光壁は第1の開口221箇所に設けることができる。例えば、第1の底板220の第1の開口221の両側にそれぞれ1つの遮光壁222が設けられる。遮光壁222の高さは第1の空隙232の高さ以下である。遮光壁222の高さが第1の空隙232の高さに等しければ、仕切り板233が立板210に吸引される時に第1の蓋板231がちょうど遮光壁222の上に配置される。
【0040】
別の実現形態において、保護部材230は引き出し式構造である。例えば、立板210における保護部材230の吸引位置を限定するために、立板210の先端にストッパ板(図示せず)が設けられる。ストッパ板は立板210に垂直に設けられ、立板210とL字形の構造を成すことができる。このように、センサを洗浄又は検査する必要がある場合、保護部材230を取り外せばよく、洗浄又は検査が完了した後、当該ストッパ板の位置に基づいて、保護部材230を立板210に吸着させる。また、保護部材230がストッパ板と立板210に同時に磁気吸引されるように、ストッパ板に磁性装置を設けることもできる。
【0041】
任意選択的に、保護部材230と立板210は押圧ヒンジ(図示せず)により接続することもでき、保護部材230は動作状態で立板210に被せられ、押圧ヒンジのバックルによってロックされる。保護部材230を開ける必要がある場合、当該保護部材230を押圧すると、押圧ヒンジのバックルをはずすことができ、それにより保護部材230を引いて保護部材230と立板210を分離し、センサの受光領域を露出させることができる。
【0042】
さらに別の実現形態において、保護部材230の引き出し式構造は
図5及び
図7に示すように実現することもでき、この場合、保護部材230は外力の作用で第1の底板220の上面に沿ってスライドすることができる。例えば、第1の底板220の上面に少なくとも1つの第1のガイドレール223が設けられ、また、仕切り板233の下面に各第1のガイドレール223に適合する第1の溝224が設けられることで、保護部材230は第1の溝224を介して第1のガイドレール223に沿ってスライドするようになり、保護部材230とセンサとの間の衝突が防止される。任意選択的に、第1のガイドレール223は立板210に垂直に設けられることで、保護部材230は立板210を離間又は接近する方向に沿ってスライドするようになる。また、第1のガイドレール223は、保護部材230の位置合わせ及び引き出しを容易にするために、立板210から離れる端に所定の勾配を有する。
【0043】
センサ保護ケース200は1つのセンサのみを保護してもよいし、複数のセンサを同時に保護してもよいことを理解されたい。特に、自動運転車両の冗長設計では、2つのセンサを横に並べて配置したり、上下に位置合わせして配置したりすることが可能であるため、本開示のセンサ保護ケース200はマルチセンサの保護手段を提供することもできる。マルチセンサ配置の場合、レーダー間に受信した反射光線が互いに干渉するため、複数のセンサをそれぞれ分離保護する必要がある。
【0044】
図5は本開示の一実施例によるマルチセンサの保護ケース200を示す図であり、
図6は
図5におけるセンサ保護ケースの局所構造を示す図である。
図7は本開示の別の実施例によるセンサ保護システム300の構造図を示し、当該センサ保護システム300はセンサ保護ケース200と、センサ保護ケース内に位置する第1のセンサ240及び第2のセンサ270と、を含む。そのうち、センサ保護ケースは引き出し式の保護形態を用い、
図5は保護部材230が立板210に磁気吸引された図を示し、
図7は保護部材230が引き出された図を示す。
【0045】
図5~
図7を参照すると、第1のセンサ240と第2のセンサ270とは上下に位置合わせして配置され、そのうち第1のセンサ240は正常のあり方で配置され、第2のセンサ270は逆さまに配置され、したがって、第1のセンサ240の受光領域241と第2のセンサ270の受光領域271とは上下に対向して設けられる。第1のセンサ240の頂蓋242と第2のセンサ270の頂蓋272との間は一定の空隙を形成する。
【0046】
第1のセンサの保護構造と同様に、保護ケース200には、第2のセンサ270に対しても対応する第2の底板280が設けられ、第2の底板280は立板210と第3の角度を成して接続され、且つ第2の開口(図示せず)を有する。第2の開口は第2のセンサ270を貫通させることに適し、具体的には第2のセンサ270の受光領域271を貫通させることに用いられ、第2の開口は第1の開口221の位置に対応し、例えば第1の開口221の直上に位置し、第2のセンサ270を第1のセンサ240の真上に位置させることができる。
【0047】
任意選択的に、保護ケース200は第2のセンサ270のベース273を配置することに適する第2のボトムケース290をさらに含む。第2のボトムケース290は第1の底板280の上方に位置し、それと第2の底板280とは、それぞれ独立した部材としてもよいし、一体成形してもよい。第2のボトムケース290は第2のセンサ270の指示ランプを表示するための第2の光孔291を有する。第2の光孔291を介して指示ランプを見えれば、第2の光孔291は鏡面構造として取り付けられてもよい。
【0048】
いくつかの実施例において、保護部材230は第2の蓋板236をさらに含み、第2の蓋板236は仕切り板233と第4の角度を成して接続され、第2の蓋板236の上方及び第2の底板280の下方に位置し、第2の底板280との間に第2の空隙237を形成する。任意選択的に、保護部材230の各サブ構造はそれぞれ別個の部材として組み立てられてもよく、一体成形してもよく、本開示はこれについて限定しない。また、第2の蓋板236と第2の底板280の取り付け角度、及び第2の空隙237の高さはいずれも必要に応じて設定することができ、良好な防水防雨効果の実現を保証する上で、第2のセンサ270の視野角要件を満たす。
【0049】
いくつかの実施例において、保護部材230は第1の蓋板231及び第2の蓋板236を貫通する貫通溝238をさらに含み、貫通溝238は第1の開口221の位置に対応することで、保護部材230が立板210に吸引される時に貫通溝238は第1のセンサ240及び第2のセンサ270の頂蓋を覆うようになる。当然のことながら、センサの視野角要件及び防水高さ要件に応じて、貫通溝238は第1のセンサ240及び第2のセンサ270の一部の受光領域を覆う可能性もある。
【0050】
また、保護部材230を引き出しやすいために、第1の蓋板231と第2の蓋板236との間に少なくとも1つの接続ビーム239(ハンドル239とも呼ばれる)を設けることができ、それにより、接続ビーム239を付勢することにより保護部材230を引き出したり押し戻したりすることが容易になり、すなわち接続ビーム239は外力の作用で保護部材を移動させるように構成される。
【0051】
いくつかの実施例において、第1の底板220の上面、第2の底板280の下面、第1の蓋板231の下面及び第2の蓋板236の上面のうち少なくとも1つに、少なくとも1つの遮光壁222が設けられ、遮光壁222は第1のセンサ240又は第2のセンサ270の一部の光線を遮断することに適し、他のセンサの光線干渉を低減する上で、車両の旋回時に側方信号の干渉も低減する。また、遮光壁222は第1の開口221箇所、第2の開口箇所、貫通溝238の出口、貫通溝238の入口のうち少なくとも1箇所に設けることができる。当然のことながら、遮光壁222は立板210上に設けることもでき、例えば、センサの一部の光線を遮断するように、立板210のセンサに向かう側に設けられ、立板210に垂直となるとともに、センサの両側に設けられる。
【0052】
いくつかの実施例において、第2の底板280の下に少なくとも1つの第2のガイドレール281が設けられ、仕切り板233に各第2のガイドレール281に適合する第2の溝282が設けられることで、保護部材230は第2の溝282を介して第2のガイドレール281に沿ってスライドできるようになる。さらに、第1の底板220上の第1のガイドレール223及び第2の底板280下の第2のガイドレール281を同時に設置すれば、保護部材230はこれらのガイドレールに限定された経路に基づいてスライドでき、位置決め精度が向上する。
【0053】
なお、第1の底板220と立板210との間の第1の角度、仕切り板233と第1の蓋板231との間の第2の角度、第1の蓋板231の寸法、ひさしの寸法、及び第1の蓋板231と第1の底板220との間の第1の空隙232の高さはいずれも第1のセンサの撮像要件に応じて設定される。第2の底板280と立板210との間の第3の角度、仕切り板233と第2の蓋板236との間の第4の角度、及び第2の蓋板236と第2の底板280との間の第2の空隙237の高さはいずれも第2のセンサの撮像要件に応じて設定される。例えば、第1から第4の角度はいずれも直角である。また、ボトムケースの寸法及び高さ、第1の開口221、第2の開口及び貫通溝238の寸法及び形状、並びにキャップ235の高さは異なるセンサのベースの高さ及び頂蓋の高さ、並びに遮蔽する必要がある受光領域に応じて設定することができ、本開示はこれについて限定しない。
【0054】
さらに、本開示の全ての角度パラメータ、寸法パラメータ、高さパラメータ、幅パラメータはいずれも調整可能である。例えば、回転軸を介して第1の底板220と立板210との間の回転可能な接続を設定し、第1の底板220を回転させることにより第1の底板220と立板210との間の第1の角度、及び第1の空隙232の高さを調整することができ、ひさしの外縁をプリーツ形構造として設け、ひさしの当該縁を引っ張ることにより、ひさしの幅を調整することができる。同様に、仕切り板233と第1の蓋板231との間の第2の角度は第1の蓋板231を回転させることにより調整でき、第2の底板280と立板210との間の第3の角度は第2の底板280を動かすことにより調整でき、仕切り板233と第2の蓋板236との間の第4の角度は第2の蓋板236を回転させることにより調整できる。また、本開示の異なる構造間の接続形態は、磁気吸引接続及びヒンジ接続などの形態以外に、例えば螺着接続を用いることができ、当然のことながら、これに限定されない。
【0055】
以上をまとめると、本開示はセンサの送信領域に対して効果的な保護を行い、埃、雨、霧氷の被覆を防止し、点群の撮像効果を向上させる。本開示は特定の角度の干渉放射線を効果的に遮蔽することもでき、また、保護部材は磁気吸引の接続形態を用いて、扱い及びクリーニングが容易となり、日常頻繁にクリーニングして動作効率に影響を与えるという問題を解決することができる。
【0056】
以上に提供されるセンサ保護ケースは、例えばカメラ、ミリ波レーダー、シングルラインレーザレーダー、マルチラインレーザレーダーなど、複数種類のセンサを保護するために用いることができる。センサ保護ケース及び内部のセンサは1つのセンサシステムとして、車両の任意の位置に取り付けることができ、例えばフレームクロスメンバー、フレームサイドメンバなど、車両のフレームに取り付けられる。ここで、センサ保護ケース200はそのボトムケース(例えば第1のボトムケース260又は第2のボトムケース290)を介してフレームに直接固定されてもよいし、スタンド201を介してフレームに固定されてもよい。
【0057】
自動運転トラック技術の急速な発展に伴い、自動運転トラックのトレーラバン角度検出は徐々に本分野において早急に解決すべき技術的問題となり、トラクタの尾部にレーザレーダーを取り付けることにより、トラックのトレーラバン角度を効果的に検出できることを理解されたい。このため、本開示はトラクタの尾部に位置し、センサ保護ケース200及び/又はセンサシステム300を固定するためのセンサホルダ800をさらに提供する。
【0058】
図8は本開示の一実施例によるセンサホルダ800の構造図を示し、
図8に示すように、センサホルダ800は第1の横方向ビーム810と、第2の横方向ビーム820と、少なくとも2つの縦方向ビームとを含む。少なくとも2つの縦方向ビームは、例えば、第1の縦方向ビーム830と第2の縦方向ビーム840とを含み、当然のことながら、当業者は必要に応じて他の縦方向ビームを設置してもよく、本開示はこれについて限定しない。
【0059】
第1の横方向ビーム810の第1の側はトラクタの尾部のフレームクロスメンバー(区別の便宜上、第1のフレームクロスメンバーと呼ばれる)に取り付けられ、第1の側は用紙を離間する面として理解され、すなわち、第1の横方向ビーム810の裏面は第1のフレームクロスメンバーに取り付けられる。
【0060】
第1の縦方向ビーム830及び第2の縦方向ビーム840は第1の横方向ビーム810に垂直に固定される。いくつかの実施例において、2つの縦方向ビームは第1の横方向ビーム810の第2の側に垂直に固定され、第2の側は用紙に向かう面である前平面として理解され、すなわち、2つの縦方向ビームは第1の横方向ビーム810の前平面に固定される。いくつかの実施例において、2つの縦方向ビームは第1の横方向ビーム810の下に垂直に固定され、すなわち、第1の横方向ビーム810の下平面に固定される。
【0061】
第2の横方向ビーム820は第1の横方向ビーム810の下方にあり、且つ少なくとも2つの縦方向ビームに接続される。ここで、第2の横方向ビーム820の長さは第1の縦方向ビーム830と第2の縦方向ビーム840との間の長さにちょうど等しくてよく、この場合、第2の横方向ビーム820は2つの縦方向ビームの内壁にちょうど当接する。第2の横方向ビームの長さは2つの縦方向ビームの間の長さより大きくてもよく、この場合、第2の横方向ビーム620は両側の縦方向ビームを一定の距離超え、第2の横方向ビーム820は2つの立柱の前平面又は後平面に取り付けられる。
【0062】
第1の横方向ビーム810及び第2の横方向ビーム820はそれぞれ本開示の実施例のセンサシステムを取り付けるために用いることができる。当然のことながら、当業者は必要に応じて2つの横方向ビームに他のセンサアイテムを取り付けることができ、例えばカメラ、ミリ波レーダー、IMUなどのセンサを取り付け、又は他の種類のレーザレーダーを取り付ける。
【0063】
いくつかの実施例において、各横方向ビームと各縦方向ビームとはT字形構造又は十字形構造となり、構造がより安定的である。横方向ビームと縦方向ビームを垂直となるように保証できれば、2つの横方向ビームと2つの縦方向ビームとの間は井字形構造、口字形構造、開字形構造などとなることができ、本開示は当該ホルダの形状について具体的に制限しない。
【0064】
いくつかの実施例において、各縦方向ビームに第1のスライド溝(図示せず)が設けられ、当該第1のスライド溝にスケールが設けられることで、第2の横方向ビーム820が当該第1のスライド溝に沿って上下にスライドすることにより当該第2の横方向ビーム820におけるセンサの高さを調整することが容易になる。さらに、第1の横方向ビーム810も当該第1のスライド溝に沿って上下にスライドでき、それにより、当該第2の横方向ビーム820におけるセンサの高さを調整する。また、本開示は必要に応じて第3の横方向ビーム、第4の横方向ビームなどを設けることもでき、横方向ビームを追加する必要がある場合、第1の横方向ビーム810及び第2の横方向ビーム820の高さを調整する。このように、追加した横方向ビームに新たなセンサ(例えば新たなレーザレーダー)を取り付けることができる。
【0065】
別の実施例において、第1の横方向ビーム810及び第2の横方向ビーム820に第2のスライド溝(図示せず)を設けることもでき、各縦方向ビームが当該第2のスライド溝に沿って左右にスライドし、さらに2つのセンサの位置を調整するように、当該第2のスライド溝もスケールを有することができる。さらに、2つの縦方向ビーム間の間隔距離を調整することにより、例えば、2つの縦方向ビームの間隔距離を広げると、空間を増大させることができ、それにより、対応する横方向ビームに新たなセンサを取り付けることができる。例えば、何らかのトレーラバン角度検出には、同一次元に2つのセンサを取り付けることが必要な場合、2つの縦方向ビーム間の間隔距離を大きく調整して、対応する横方向ビームに2つのセンサを取り付けることができる。
【0066】
つまり、本開示は横方向ビームと縦方向ビームをT字形構造に設置し、且つ横方向ビーム及び縦方向ビームのうち少なくとも一方にスライド溝を開設することにより、2つのレーザレーダーを上下左右に調整可能にさせ、又は2つの縦方向ビーム又は2つの横方向ビームの間の間隔距離を大きくして、レーザレーダー及びシングルラインレーダーの数を増加させることができる。このように、毎回のタスクのニーズに応じて、異なるタスクの場合にレフ板を合わせ、レーザレーダーにレフ板上の点群を収集できるようにさせる。
【0067】
当業者であれば理解できるように、スライド溝は横方向ビームと縦方向ビームとの接触面上に設けられ、例えば、2つの縦方向ビームの後平面が横方向ビームの前平面に固定されると、第1のスライド溝は対応する縦方向ビームの後平面に設けられ、第2のスライド溝は対応する横方向ビームの前平面に設けられ、それにより、両者間の上下左右へのスライドが実現される。逆に、2つの縦方向ビームの前平面が横方向ビームの後平面に固定されると、第1のスライド溝は対応する縦方向ビームの前平面に設けられ、第2のスライド溝は対応する横方向ビームの後平面に設けられる。2つの縦方向ビームの上平面が第1の横方向ビーム810の下平面に固定されると、当該第1の横方向ビーム810の第2のスライド溝は第2の平面の下平面に設けられる。第2の横方向ビーム820の左右の両端がそれぞれ2つの縦方向ビームの内側に当接すると、第1のスライド溝は2つの縦方向ビームの内側に設けられる。
【0068】
いくつかの実施例において、2つの横方向ビーム上にセンサの取り付け孔を直接設けて、本開示の複数のセンサ(例えば、2つのレーザレーダー)を対応する横方向ビームに直接取り付けることができる。別の実施例において、横方向ビーム上に取り付け板を設けて、センサを当該取り付け板上に取り付けることができる。したがって、2つのセンサをそれぞれ2つの取り付け板上に固定するように、本開示のセンサホルダ800は、第1の横方向ビーム810に取り付けられる第1の取り付け板850と、第2の横方向ビーム820に取り付けられる第2の取り付け板860とをさらに含み得る。具体的には、第1の取り付け板850は第1のレーザレーダーを固定するために用いられ、第2の取り付け板は第2のレーザレーダーを固定するために用いられる。第1のレーザレーダーは、例えばシングルラインレーザレーダーが挙げられ、トレーラバン角度を検出するために用いられ、第2のレーザレーダーは、例えばマルチラインレーザレーダーが挙げられ、主に死角情報を補充するために用いられる。第1のレーザレーダー及び第2のレーザレーダーから送信されたレーザはトレーラの前部に取り付けられたレフ板によって反射される。
【0069】
第1の取り付け板850は第1の横方向ビーム810の第2の側且つ少なくとも2つの縦方向ビームの間に位置する。第1の取り付け板850に前文に示したセンサシステムを固定するための複数の取り付け孔がある。いくつかの実施例において、第1の取り付け板850は平面構造であり、当該平面構造の上平面は第1の横方向ビーム810の下平面に貼り合わせて固定される。別の実施例において、第1の取り付け板850はL字形構造であり、当該L字形構造の鉛直面は第1の横方向ビームの前平面に貼り合わせて固定される。
【0070】
第2の取り付け板860は第2の横方向ビーム820の第2の側且つ少なくとも2つの縦方向ビームの間に位置する。第2の取り付け板は第2のレーザレーダーを固定するために用いられる。第2の取り付け板860が第1の取り付け板850の鉛直下方にあり、このように、第2のレーザレーダー880は第1のレーザレーダー870の鉛直下方に位置し、中心点の距離を算出しやすくする。いくつかの実施例において、第2の取り付け板860は平面構造であり、当該平面構造の上平面は第2の横方向ビーム820の下平面に貼り合わせて固定される。
【0071】
別の実施例において、第2の取り付け板860はL字形構造であり、当該L字形構造の鉛直面は第2の横方向ビーム820の第2の側(すなわち前平面)に貼り合わせて固定され、当該L字形構造の水平面は半弧状であり、且つ水平面に取り付け孔861及び弧状の取り付け溝862が設けられる。当該取り付け孔861及び取り付け溝862はマルチラインレーザレーダーの形状に適合し、特に、弧状の取り付け溝862は第2のレーザレーダーの外輪郭に適合し、マルチラインレーザレーダーを取り付けるために用いられる。
【0072】
当業者は必要に応じて2つの垂直構造部材の取り付け方法を選択することができ、例えば縦方向ビームと第1の横方向ビーム810との間、縦方向ビームと第2の横方向ビーム820との間はいずれもアルミニウム直角角材890を用いて固定され、当然のことながら、それに限定されないことを理解されたい。また、センサホルダ800は金属材質であり、例えば成熟したアルミニウム合金型材及びアルミニウム板を用いることができ、製造及び更新が容易になる。
【0073】
いくつかの実施例では、センサホルダ800は、トレーラの前部に取り付けられたレフ板(図示せず)をさらに含み、当該レフ板は第1のレーザレーダー及び/又は第2のレーザレーダーから射出されたレーザ光を反射するために用いられ、それにより、レーザレーダーはレフ板から反射されたレーザを再び受信することができるようになる。2つのレーダーの走査範囲及びレフ板に反射されたレーザにより、トレーラバン角度検出及び後退時の車両位置と車両後の環境の検出を行うことができる。例えば、シングルラインレーザレーダーはトレーラバン角度を検出するために用いられ、マルチラインレーザレーダーは死角情報を提供するために用いられる。
【0074】
いくつかの実施例では、レフ板は、トレーラの前部の第2のフレームクロスメンバーに直接取り付けられてもよく、レフ板ホルダを介してトレーラの前部の第2のフレームクロスメンバーに取り付けられてもよい。当該レフ板ホルダ(図示せず)は同様に横方向ビームと縦方向ビームとの構造として設置することができ、且つ当該レフ板ホルダの横方向ビーム及び/又は縦方向ビームに第3のスライド溝を設置することができ、それにより、レフ板が当該スライド溝に沿って上下左右にスライドして、異なるレーザレーダーの走査範囲に適合することが容易になる。例えば、レフ板ホルダは第2のフレームクロスメンバー上に取り付けられた2つの縦方向ビームを含み得、当該2つの縦方向ビームはスライド溝を有することで、レフ板は上下にスライドできるようになる。或いは、レフ板ホルダは2つの横方向ビームであっても、1つの横方向ビームと1つの縦方向ビームの構造(T字形又は十字形)であっても、2つの横方向ビームと1つの縦方向ビーム(工字形又は土字形)であっても、又は2つの横方向ビームと2つの縦方向ビームであってもよく、本開示はレフ板ホルダの具体的な構造について制限しない。
【0075】
いくつかの実施例では、センサホルダ800は制振部材(図示せず)をさらに含み、当該制振部材は例えば弾性部材であり、第1の横方向ビーム810の第1の側に取り付けられ、第1の横方向ビーム810と第1のフレームクロスメンバーとの間で制振機能を提供するために用いられる。
【0076】
いくつかの実施例において、センサホルダ800は回転部材(図示せず)をさらに含み、当該回転部材は第1の横方向ビーム810の第1の側に取り付けることができ、第1の横方向ビーム810の第1のフレームクロスメンバー上における角度を調整し、さらにトレーラバン角度及び死角情報の検出角度を調整するために用いられる。
【0077】
いくつかの実施例において、センサホルダ800は軽減部材(図示せず)をさらに含み、当該軽減部材は、例えば、ホルダ内に取り付けられた複数の軽減孔であり、ホルダの重量を減らし、車体の負担を軽減するために用いられる。
【0078】
以上から分かるように、本開示のセンサホルダ800は複数種のセンサを一体構造に集積化することができ、全体の協調上の性能が安定する。解決手段は構造が簡単且つ強固であり、操作しやすく、調整しやすく、交換しやすく、ユーザ体験を向上させる。構造は成熟した硬質アルミニウム合金形材とアルミニウム板を用い、取り付け点は元の車のフレームクロスメンバーの貫通孔を用いることで、製作コストを低減し、製作周期を速め、且つ元の車構造を変更しない。また、本開示は、異なる検出のニーズを満たすように、異なるタスクのニーズに応じて、センサホルダの横方向ビーム、縦方向ビームの位置を調整し、又はレフ板ホルダの横方向ビーム、縦方向ビームの位置を調整することができる。
【0079】
当業者であれば、以上は、本発明の具体的な実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲を限定するものではないことを理解すべきであろう。明らかに、当業者は、本開示の要旨及び範囲から逸脱せず、本開示に対して様々な変更及び変形を行うことができる。このように、本開示のこれらの変更及び変形が本開示の特許請求の範囲及びその同等の技術の範囲に属すると、本開示はこれらの変更及び変形を含むことも意図している。