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特開2023-164491治療的鼻神経調節のためのデバイスならびに関連する方法及びシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164491
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】治療的鼻神経調節のためのデバイスならびに関連する方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20231102BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023141234
(22)【出願日】2023-08-31
(62)【分割の表示】P 2021035965の分割
【原出願日】2016-05-12
(31)【優先権主張番号】62/160,289
(32)【優先日】2015-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517393570
【氏名又は名称】ナショナル ユニバーシティ オブ アイルランド ゴールウェイ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】タウンリー デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】シールズ ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】キーオ アイヴァン
(72)【発明者】
【氏名】チー チャン ミッシェル
(72)【発明者】
【氏名】ファレル コナー
(57)【要約】
【課題】治療的鼻神経調節のためのデバイスならびに関連するシステム及び方法が、本明細書に開示される。
【解決手段】本技術の実施形態に従って構成される鼻領域における治療的神経調節のためのシステムは、例えば、シャフトと、シャフトの遠位部分における治療用要素とを含み得る。シャフトは、遠位部分を、患者の蝶口蓋孔の下方の標的部位に腔内に配置し得る。治療用要素は、鼻炎または他の兆候の治療のために、ヒト患者の口蓋骨のミクロ孔において節後副交感神経を治療的に調節するように構成されたエネルギー送達要素を含み得る。他の実施形態では、治療用要素は、慢性副鼻腔炎の治療のために、前頭洞、篩骨洞、蝶形骨洞、及び上顎洞を神経支配する神経を治療的に調節するように構成され得る。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
症状を治療するために、ヒト患者の鼻領域における治療的神経調節を提供するための装置であって、
協働して変形可能フレームを規定する複数の個別の柔軟な支柱を含むエンドエフェクタを備え、
前記フレームは、前記ヒト患者の蝶口蓋孔の下方の鼻腔内の標的部位への前記エンドエフェクタの送達を促進するための低プロファイル送達状態と、拡張状態と、の間で変形可能であり、
前記複数の支柱の各々は、1または複数の電極を有しており、
前記拡張状態で、前記複数の支柱の少なくとも幾つかは、対応する電極を前記標的部位における標的組織と直接的に接触させるように構成されており、
前記標的組織は、鼻粘膜を神経支配する節後副交感神経を含み、
前記電極は、前記エンドエフェクタに連結され当該電極からのエネルギー出力を制御するように構成された制御装置からの活性化信号の受信に応答して個別的に活性化可能であり、
前記標的組織と直接的に接触していない電極が活性化されていない状態を維持しながら、前記標的組織と直接的に接触している電極は、前記制御装置から受信される活性化信号に応答して、神経調節エネルギーを前記標的組織に向けて特定の標的深さに送達するように構成されている
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記拡張状態にある時、前記エンドエフェクタは、前記複数の電極の1または複数を、後続のエネルギー送達のために前記標的部位における分離したそれぞれの位置に対して、位置決めする
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記1または複数の電極は、前記制御装置からの活性化信号の受信に応答して高周波(RF)エネルギを送達するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記症状は、アレルギー性鼻炎、非アレルギー性鼻炎、慢性鼻炎、急性鼻炎、慢性副鼻腔炎、急性副鼻腔炎、慢性鼻副鼻腔炎、急性鼻副鼻腔炎、及び、医学的耐性鼻炎、からなる群から選択される
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記変形可能フレームの前記複数の支柱の1または複数は、前記拡張状態にある時、前記鼻腔の1または複数の周囲部分に接触するように構成されており、それによって前記エンドエフェクタを前記鼻腔内の位置に固定し、更に1または複数の対応する電極を後続のエネルギー送達のために前記標的部位におけるそれぞれの位置に対して位置決めする
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記変形可能フレームは、前記拡張状態にある時、周方向の幾何形状を有しており、
前記複数の支柱は、互いから半径方向に離間されて、バスケットを形成している
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記エンドエフェクタは、前記拡張状態にある時、周方向のエネルギー送達を提供するように構成されている
ことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記複数の支柱は、変形可能ワイヤを有している
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記変形可能ワイヤは、形状記憶材料を有している
ことを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記エンドエフェクタに連結されたシャフトと、
前記シャフトに連結されたハンドルと、
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記シャフトは、近位部分と遠位部分とを有しており、
前記近位部分は、前記ハンドルに結合されており、
前記エンドエフェクタは、前記シャフトの前記遠位部分に設けられている
ことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記エンドエフェクタを、低プロファイル送達状態と拡張状態との間で変形させるための機構を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、その全体が本明細書に参照によって援用される、2015年5月12日に出願された米国仮特許出願第62/160,289号に対する優先権を主張する。
【0002】
[技術分野]
本技術は、概して、患者の鼻領域内の、または患者の鼻領域に関連付けられる神経を治療的調節するためのデバイス、システム、及び方法に関する。具体的には、本技術の種々の実施形態は、鼻炎及び他の兆候を治療するための治療的神経調節システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
鼻副鼻腔炎は、鼻の粘膜の炎症として特徴付けられ、アレルギー性鼻炎、非アレルギー性鼻炎、慢性鼻炎、慢性副鼻腔炎、及び医学的耐性鼻炎を含む一群の状態を指す。鼻副鼻腔炎の症状としては、鼻詰まり、閉塞、鬱血、鼻汁(例えば、鼻漏及び/または後鼻漏)、顔面痛、顔面圧迫感、及び/または嗅覚の低減もしくは損失が挙げられる。アレルギー性鼻炎は、くしゃみ、水様性鼻漏、鼻の痒み、及び目の痒みまたは涙目等のさらなる症状を含み得る。重度の鼻炎は、合併する喘息の再燃、睡眠障害、及び日常活動の低下につながり得る。システムの間隔及び種類に応じて、鼻副鼻腔炎は、急性鼻副鼻腔炎、再発性鼻副鼻腔炎、鼻ポリープ(すなわち、鼻孔または洞の内側の軟らかい非癌性の増殖)を有する慢性鼻副鼻腔炎、及び鼻ポリープを伴わない慢性鼻副鼻腔炎の4つの亜型に含まれ得る。急性鼻副鼻腔炎とは、12週間未満続く症状を指し、一方、慢性鼻副鼻腔炎(鼻ポリープを伴うまたは伴わない)とは、12週間より長く続く症状を指す。再発性鼻副鼻腔炎とは、各エピソードの間に症状の消散を伴う、12カ月の期間以内の4つの急性鼻副鼻腔炎のエピソードを指す。
【0004】
鼻副鼻腔炎の多数の環境的及び生物学的原因が存在する。例えば、非アレルギー性鼻副鼻腔炎は、環境的刺激物(例えば、排蒸気、洗浄液、ラテックス、香料、埃等)、薬物(例えば、NSAID、経口避妊薬、ACE阻害剤を含む血圧薬、抗鬱剤等)、食品(例えば、アルコール飲料、香辛料の入った食品等)、ホルモンの変化(例えば、妊娠及び月経)、及び/または鼻中隔湾曲によって引き起こされ得る。アレルギー性鼻炎の誘因としては、季節性アレルゲン(例えば、毎年同様の時期に起こる環境性アレルゲンへの曝露)、一年中発生する通年性アレルゲン(例えば、イエダニ、動物の鱗屑、黴等)、及び/または職業性アレルゲン(例えば、特定の化学物質、穀物、ラテックス等)への曝露が挙げられ得る。
【0005】
鼻副鼻腔炎の治療は、鼻炎の誘因の全般的な回避、生理食塩水溶液による鼻洗浄、及び/または薬物療法を含み得る。鼻副鼻腔炎に処方される医薬品としては、例えば、経口H1抗ヒスタミン薬、局所用経鼻H1抗ヒスタミン薬、局所用鼻腔内コルチコステロイド、全身用グルココルチコイド、注射用コルチコステロイド、抗ロイコトリエン薬、経鼻もしくは経口充血緩和剤、局所用抗コリン薬、クロモグリカート、及び/または抗免疫グロブリンE療法が挙げられる。しかしながら、これらの医薬品は、限定された有効性(例えば、プラセボより17%高いかそれ未満)、ならびに鎮静、刺激、味覚障害、咽頭通、鼻の乾燥、鼻出血(すなわち、鼻血)、及び/または頭痛等の望ましくない副作用を有する。舌下免疫療法(「SLIT」)を含む免疫療法もまた、患者を、アレルゲン抽出物の反復的投与によって特定のアレルゲンに対して脱感作させることによって、アレルギー性鼻炎を治療するために使用されている。しかしながら、免疫療法は、延長された投与期間(例えば、SLITでは3~5年間)を必要とし、注射の部位における痛み及び腫れ、皮膚の掻痒(すなわち、蕁麻疹)、血管性浮腫、喘息、ならびにアナフィラキシーを含む多数の副作用をもたらし得る。
【0006】
外科的介入もまた、薬物療法耐性を持つ重度の鼻炎症状を有する患者を治療する試みにおいて用いられてきた。1960年代~1980年代には、翼状管内の副交感神経線維を切断して、鼻粘膜における副交感神経の緊張を減少させるために、外科手術が実施された。ビディアン神経切断術におけるより最近の試みは、くしゃみ及び鼻閉塞の症状の改善を含む他の付随的な利益を伴って、鼻漏の治療に50~88%有効であることが見出された。これらの症状の改善はまた、間質浮腫、好酸球性細胞浸潤、マスト細胞レベル、及び除
神経粘膜におけるヒスタミン濃度の低減による組織学的な粘膜の変化と相関していた。しかしながら、ビディアン神経切断術の臨床的及び組織学的有効性にも関わらず、ヴィディアン神経の切除は、主にその解剖学的及び自律神経的な選択性の欠失に関連付けられる死亡率のため、幅広い支持を得ることができなかった。例えば、神経切断術の部位は、涙腺への節前分泌促進性線維を含み、したがって、神経切断術はしばしば、涙の反射、すなわち流涙の損失をもたらしており、これは、重度の症例では視覚の損失を引き起こし得る。かかる不可逆的合併症のため、この技法は、早々に断念された。さらに、眼窩後方叢を通る節後翼口蓋線維の通路のため、標的末端器官(すなわち、鼻粘膜)に対するビディアン神経切断術の位置は、副髄膜動脈と共に進む自律神経叢及び耳神経節突起を介して再神経支配をもたらし得る。
【0007】
ビディアン神経切断術に関連付けられる合併症は、概して自律神経除神経の非特異的な部位に起因する。その結果、外科医は近年、涙腺及び交感神経線維への二次的な傷害を回避しながら、神経切断術の部位をビディアン神経切断術と同じ生理学的効果を有し得る節後副交感神経枝に移行している。例えば、日本の外科医は、ヴィディアン神経のさらに下流にある節後神経経路である後鼻神経(「PNN」)の切除と共に、経鼻的下鼻甲介粘膜下切除を実施している。(Kobayashi T,Hyodo M, Nakamura K,Komobuchi H,Honda N,Resection of peripheral branch of the posterior nasal nerve compared to conventional posterior neurectomy in severe allergic rhinitis.Auris Nasus Larynx.2012年2月15日;39:593-596を参照。)PNN神経切断術は、PNNが鼻領域に入ると考えられる蝶口蓋孔において実施される。これらの神経切断術は、所望の後鼻神経を特定するための優れた外科用マーカーがないため、非常に複雑で面倒であり、また所望の神経の場所が決定された場合であっても、神経は、周囲の脈管系(例えば、蝶口蓋動脈)から分離されなければならないため、神経の切除は、極めて困難である。
【0008】
本技術の多数の態様は、以下の図面を参照してより良く理解され得る。図面内の構成要素は、必ずしも縮尺通りではない。その代わり、本技術の原理を明確に例証することに重点が置かれている。参照を容易にするために、本開示全体を通して、同一の参照番号は、同一または少なくとも概して類似もしくは相似の構成要素または特徴を特定するために使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】鼻の側壁の生体構造を例証する切り欠き側面図である。
【0010】
図1B図1Aの鼻の側壁の神経の拡大側面図である。
【0011】
図1C】左口蓋骨内のミクロ孔の幾何学を例証する左口蓋骨の正面図である。
【0012】
図2】本技術の実施形態に従って鼻領域内の神経を治療的に調節するための治療的神経調節システムの部分概略図である。
【0013】
図3A】本技術の実施形態に従って治療的神経調節デバイスの遠位部分を鼻領域内の標的部位に送達するための種々のアプローチを例証する部分切り欠き側面図である。
図3B】本技術の実施形態に従って治療的神経調節デバイスの遠位部分を鼻領域内の標的部位に送達するための種々のアプローチを例証する部分切り欠き側面図である。
図3C】本技術の実施形態に従って治療的神経調節デバイスの遠位部分を鼻領域内の標的部位に送達するための種々のアプローチを例証する部分切り欠き側面図である。
図3D】本技術の実施形態に従って治療的神経調節デバイスの遠位部分を鼻領域内の標的部位に送達するための種々のアプローチを例証する部分切り欠き側面図である。
図3E】本技術の実施形態に従って治療的神経調節デバイスの遠位部分を鼻領域内の標的部位に送達するための種々のアプローチを例証する部分切り欠き側面図である。
【0014】
図4】本技術の実施形態に従って構成された治療的神経調節デバイスの遠位部分の等角図である。
【0015】
図5A】本技術の実施形態に従う治療的神経調節のための治療的神経調節デバイスの電極構成の等角図である。
図5B】本技術の実施形態に従う治療的神経調節のための治療的神経調節デバイスの電極構成の等角図である。
図5C】本技術の実施形態に従う治療的神経調節のための治療的神経調節デバイスの電極構成の等角図である。
図5D】本技術の実施形態に従う治療的神経調節のための治療的神経調節デバイスの電極構成の等角図である。
図5E】本技術の実施形態に従う治療的神経調節のための治療的神経調節デバイスの電極構成の等角図である。
図5F】本技術の実施形態に従う治療的神経調節のための治療的神経調節デバイスの電極構成の等角図である。
図5G】本技術の実施形態に従う治療的神経調節のための治療的神経調節デバイスの電極構成の等角図である。
【0016】
図6A】本技術の実施形態に従って構成された神経検出のための治療的神経調節デバイスの遠位部分における電極構成を例証する部分概略図である。
図6B】本技術の実施形態に従って構成された神経検出のための治療的神経調節デバイスの遠位部分における電極構成を例証する部分概略図である。
【0017】
図7】温度に関する鼻組織の電気伝導率の閾値レベルを例証するグラフである。
【0018】
図8】本技術の実施形態に従って構成された治療的神経調節デバイスの遠位部分の等角図である。
図9】本技術の実施形態に従って構成された治療的神経調節デバイスの遠位部分の等角図である。
【0019】
図10A】本技術の別の実施形態に従って構成された治療的神経調節デバイスの遠位部分の等角図である。
図10B】治療部位における図10Aの治療的神経調節デバイスを例証する等角図である。
【0020】
図11A】本技術のまた別の実施形態に従って構成された治療的神経調節デバイスの遠位部分を例証する等角図である。
図11B】本技術のまた別の実施形態に従って構成された治療的神経調節デバイスの遠位部分を例証する等角図である。
図11C】本技術のまた別の実施形態に従って構成された治療的神経調節デバイスの遠位部分を例証する等角図である。
図11D】本技術のまた別の実施形態に従って構成された治療的神経調節デバイスの遠位部分を例証する等角図である。
【0021】
図12】本技術のさらなる実施形態に従って構成された治療的神経調節デバイスの遠位部分の側面図である。
【0022】
図13】本技術のまたさらなる実施形態に従って構成された治療的神経調節デバイスの遠位部分の側面図である。
【0023】
図14】本技術の追加的実施形態に従って構成された治療的神経調節デバイスの遠位部分の等角側面図である。
【0024】
図15】本技術の追加的実施形態に従って構成された治療的神経調節デバイスの遠位部分の等角側面図である。
【0025】
図16】本技術の追加的実施形態に従って構成された治療的神経調節デバイスの遠位部分の側面断面図である。
【0026】
図17】本技術の追加的実施形態に従って構成された治療的神経調節デバイスの遠位部分の側面断面図である。
【0027】
図18】本技術の追加的実施形態に従って構成された治療的神経調節デバイスの遠位部分の側面断面図である。
【0028】
図19】本技術の追加的実施形態に従って構成された治療的神経調節デバイスの遠位部分の側面図である。
【0029】
図20】本技術の実施形態に従って構成された治療的神経調節デバイスのための、鼻洞の小孔の近位の標的部位を例証する部分切り欠き側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本技術は、概して、治療的鼻神経調節のためのデバイスならびに関連するシステム及び方法に関する。開示されるデバイスは、正確で局在的な非侵襲的なエネルギー適用を提供して、鼻領域内の副交感神経の運動感覚機能を乱すように構成される。本技術のいくつかの実施形態の特定の詳細が、図1A~20を参照して本明細書に説明される。実施形態の多くは、鼻炎の治療のために鼻領域内の神経を治療的に調節するためのデバイス、システム、及び方法に関して説明されているが、本明細書に説明されるものに加えて、他の用途及び他の実施形態が、本技術の範囲内である。例えば、本技術の少なくともいくつかの実施形態は、慢性副鼻腔炎及び鼻出血の治療等の他の兆候の治療に有用であり得る。本明細書に説明されるものに加えて、他の実施形態が本技術の範囲内であることに留意されるべきである。さらに、本技術の実施形態は、本明細書に図示または説明されるもの以外の異なる構成、構成要素、及び/または手順を有し得る。さらに、当業者は、本技術の実施形態は、本明細書に図示または説明されるものに加えて構成、構成要素、及び/または手順を有し得ること、またこれら及び他の実施形態は、本技術から逸脱することなく、本明細書に図示または説明される構成、構成要素、及び/または手順のうちのいくつかを伴わなくてもよいことを理解するであろう。
【0031】
この説明内の「遠位」及び「近位」という用語に関して、別段に指定のない限り、これらの用語は、操作者及び/または鼻腔内の場所に対する治療的神経調節デバイス及び/または関連する送達デバイスの部分の位置に言及し得る。例えば、本明細書に説明される種々の人口弁デバイスを送達する及び位置付けるのに好適な送達カテーテルに関して、「近位」は、デバイスの操作者または患者の鼻孔の入口点の接近点により近い位置を指すことができ、「遠位」は、デバイスの操作者からより離れた、または患者の鼻孔の入口の接近点からより遠い位置を指すことができる。それに加えて、後、前、下、及び上は、標準的
な医学用語に従って使用される。
【0032】
本明細書で使用されるとき、神経の「治療的調節」及び「治療的神経調節」という用語は、神経の部分的または完全な切除を含む、神経活動の部分的または完全な無能化または他の効果的な混乱を指す。例えば、療的神経調節は、神経線維に沿って神経の伝達を部分的または完全に阻害、低減、及び/または遮断することを含み得る。
【0033】
鼻腔の生体構造
図1Aは、鼻の側壁の生体構造を例証する切り欠き側面図であり、図1Bは、図1Aの鼻の側壁の神経の拡大側面図である。蝶口蓋孔(「SPF」、図1A)は、口蓋骨及び蝶形骨によって画定される開口または導管であり、それを通って蝶口蓋血管及び後上鼻神経が鼻腔内に進む。より具体的には、口蓋骨の垂直板の眼窩及び蝶形骨突起は、蝶口蓋切痕を画定し、これは、蝶形骨体の表面との関節によってSPFに変換される。
【0034】
SPFの場所は、側方鼻腔の後領域内で極めて変動的であり、これは、SPFの場所を視覚的に決定することを困難にする。典型的には、SPFは中鼻道(「MM」、図1A)内に配置されるが、しかしながら、解剖学的変異はまた、上鼻道(「SM」、図1A)内または上鼻道及び中鼻道の遷移部に配置されたSPFをもたらす。特定の個体では、例えば、SPFの下縁は、下鼻甲介(「IT」、図1A)の水平薄板の約13mm上にある口蓋骨の水平板(すなわち、鼻底(nasal sill))の約19mm上にあると測定されており、鼻底からSPFまでの平均距離は、約64.4mmであり、その結果、鼻底からSPAまでのアプローチの角度は約11.4°となる。しかしながら、SPFの正確な場所を測定するための研究は、その場所の高い変動により、実践的用途が限定されている。
【0035】
SPFの解剖学的変異は、鼻腔内へ横断する自律神経及び血管経路の変化に対応すると予測される。概して、後鼻神経(外側後上鼻神経とも称される)は、翼口蓋神経節(「PPG」、蝶口蓋神経節とも称される、図1A)から分岐し、SPFを通って鼻腔の鼻の側壁に入り、蝶口蓋動脈は、翼口蓋窩から鼻の側壁上のSPFを通ると考えられる。蝶口蓋動脈は、後外側鼻枝及び後中隔枝の2つの主要部分に分岐する。後外側鼻動脈の主要な分枝は、下鼻甲介IT内へ下方に(例えば、下鼻甲介ITの後端から約1.0mm~1.5mm)進み、別の分枝は、中鼻甲介MTに入り、前方及び後方に分岐する。
【0036】
SPFの先では、ヒト患者の30%超が、鼻腔内への動脈及び神経も運ぶ1つ以上の副孔を有することが研究によって示されている。副フォラメナ(foramena)は、典型的にはSPFより小さく、SPFの下方に位置付けられる。例えば、対応する副孔を通って延在する後鼻動脈及び後鼻神経の1、2、3つ以上の分枝が存在し得る。副孔ならびに副孔を通って進む関連する分岐動脈及び神経に関連付けられる場所、サイズ、及び量の変動は、蝶口蓋領域の脈管系及び神経の位置に関する多大の不確実さを生じさせる。さらに、SPFから延在する神経の生体構造は、神経及び動脈経路を運ぶ深い下及び/または上溝を含むことが多く、これは、動脈及び神経分枝の場所を決定することを困難にする。例えば、溝は、5mm超の長さ、2mm超の幅、及び1mm超の深さに延在し、それによって、動脈及び神経の両方を運ぶのに十分な通路を作成し得る。蝶口蓋領域内の溝及び副孔によって引き起こされる変動は、外科医にとって、動脈及び(動脈の後方に位置する)神経の場所を決定し、それらへ接近することを極めて困難にする。
【0037】
近年の翼口蓋窩(PPF)の微小解剖学的切開は、SPFの周囲の領域の非常に変動的な生体構造をさらに証明しており、翼口蓋神経節(「PPG」、図1)から突出する多数の遠心性枝が、個々の節後自律神経(例えば、後鼻神経)というよりもむしろ多数の小神経束群を介して眼窩及び鼻粘膜を神経支配することを示している。研究は、ヒトの少なくとも87%が口蓋骨内にミクロ孔及びミクロ枝を有することを示している。例えば、図1Cは、左口蓋骨内のミクロ孔及びミクロ枝の幾何学を例証する左口蓋骨の正面図である。図1Cでは、塗りつぶされた領域は、口蓋骨を直接通って横断する神経を表し、白丸は、個別のミクロ孔に関連付けられていた神経を表す。実際、図1Cは、口蓋骨の中央部分が少なくとも25の副後外側神経を含み得ることを例証している。
【0038】
鼻腔粘膜の呼吸部分は、基底膜を有する線毛多列円柱上皮の一種からなる。鼻分泌物(例えば、粘液)は、胚細胞、粘膜下腺、及び血漿からの浸出液によって分泌される。鼻の混合腺及び血管は、ビディアン神経及び他の神経に由来する副交感神経支配によって高度に調整される。アセチルコリン及び血管作動性腸管ペプチドを通じた副交感神経(コリン作動性)刺激は、概して、粘液の産生をもたらす。したがって、粘膜の副交感神経支配は、粘膜下腺の活性化/過剰活性化、静脈充血(例えば、鬱血)、及び鼻の内側の血管への増加された血流に主に関与する。したがって、粘膜を神経支配する副交感神経経路の切断または調節は、鼻副鼻腔炎及び他の兆候に関連付けられる症状を引き起こす粘膜下腺の過剰活性化及び血管の充血を低減または排除することが予測される。
【0039】
上述の通り、鼻粘膜を神経支配する節後副交感神経線維(すなわち、後上鼻神経)は、専ら、蝶口蓋神経血管束としてSPFを通って進むと考えられた。後鼻神経は、上鼻甲介ST及び中鼻甲介MT(すなわち、鼻甲介(nasal chonchea))の粘膜を通り鼻中隔へ延在する多数のより小さい内側枝及び側枝を介して鼻腔を神経支配する、上顎神経の分枝である。鼻口蓋神経は概して、内側後上鼻神経の最大のものである。それは、鋤骨上の溝内を鼻腔の底部へと前下方に通過する。ここから、それは、硬口蓋の切歯窩を通過し、より大きい口蓋神経と連絡して、硬口蓋の粘膜を供給する。後上鼻神経は、接合することなく翼口蓋神経節PPGを通り、上顎神経上をその神経節枝を介して通過する。
【0040】
後鼻神経は専らSPFを横断して鼻粘膜を神経支配するという理解に基づき、外科手術は、後鼻神経を、それがSPFから出るときに選択的に切断するように実施されてきた。しかしながら、上述の通り、副鼻腔の副交感神経経路は、実際には、翼口蓋神経節(PPG)から突出し、SPFを通って延在する単一の分枝ではなく複数の小神経束(すなわち、副後外側神経)を介して鼻粘膜を神経支配する個々の枝を含む。これらの枝は、口蓋骨全体の複数の亀裂、副孔、及びミクロ孔を通じて伝達され、SPF及び他の副神経の両方を伴う吻合輪を実証し得る。したがって、SPFを横断する副交感神経のみが切断される場合、ほぼ全ての患者(例えば、90%以上の患者)が、後外側粘膜に対して無傷の副分泌促進性線維を保持し、これは、神経切断術が信じるように意図されていた症状の持続をもたらすことになる。
【0041】
したがって、本技術の実施形態は、口蓋骨全体の亀裂、副孔、及びミクロ孔を通って延在する枝の部位に対応する正確で集中した治療部位(例えば、図1Bに示される標的領域T)において、神経を治療的に調節するように構成される。特定の実施形態では、標的化される神経は、鼻粘膜を神経支配するように進む節後副交感神経である。この選択的な神経治療はまた、臨床医が、眼窩枝(rami orbitonasalis)の慎重な回避を通じて前部の除神経の程度を漸増することを可能にするため、術後の鼻の痂皮形成及び乾燥の率を減少させることが予測される。さらに、本技術の実施形態はまた、深錐体神経及び内部上顎細動脈周囲叢(internal maxillary periarteriolar plexi)からの交感神経の寄与の一部を保存することによって、少なくともいくつかの交感神経の緊張を維持し、鼻閉塞に関する改善された結果を導くことも予測される。それに加えて、本技術の実施形態は、全ての吻合輪の完全な切除を提供し、それによって長期的な再神経支配の速度を低減するために、多数の副交感神経の鼻領域への進入場所(例えば、副孔、亀裂、及びミクロ孔)を標的化するように構成される。
【0042】
治療的鼻神経調節及び神経マッピングのためのシステムの選択された実施形態
図2は、本技術の実施形態に従って鼻領域内の神経を治療的に調節するための治療的神経調節システム200(「システム200」)の部分概略図である。システム200は、治療的神経調節カテーテルまたはデバイス202、コンソール204、及びそれらの間に延在するケーブル206を含む。治療的神経調節デバイス202は、近位部分208a、遠位部分208bを有するシャフト208と、シャフト208の近位部分208aにおけるハンドル210と、シャフト208の遠位部分208bにおける治療用アセンブリまたは要素212とを含む。シャフト208は、鼻粘膜を神経支配する節後副交感神経の近位の鼻領域内の治療または標的部位に、遠位部分208bを腔内に配置するように構成される。標的部位は、標的神経が配置される領域、体積、または面積であってもよく、患者の生体構造に応じて異なるサイズ及び形状であってもよい。例えば、標的部位は、SPFの下方の3cmの面積であってもよい。他の実施形態では、標的部位は、所望の神経線維を標的化するために、より大きくても、より小さくても、及び/または鼻腔内の他の場所に配置されてもよい。治療用アセンブリ212は、節後副交感神経を治療的に調節するように構成された少なくとも1つのエネルギー送達要素214を含み得る。特定の実施形態では、例えば、治療用アセンブリ212は、口蓋骨のSPF、副孔、及びミクロ孔を横断する副交感神経(例えば、後鼻神経)等の、翼口蓋神経節から分岐し、鼻領域及び鼻粘膜を神経支配する節後副交感神経を治療的に調節し得る。
【0043】
図2に示される通り、治療用アセンブリ212は、標的部位に治療的神経調節を提供するように構成された少なくとも1つのエネルギー送達要素214を含む。特定の実施形態では、例えば、エネルギー送達要素214は、電磁気神経調節エネルギー(例えば、RFエネルギー)を標的部位に適用するように構成された1つ以上の電極を含み得る。他の実施形態では、エネルギー送達要素214は、例えば、凍結治療的冷却、超音波エネルギー(例えば、高強度焦点式超音波(「HIFU」)エネルギー)、マイクロ波エネルギー(例えば、マイクロ波アンテナを介して)、直接加熱、高及び/もしくは低出力レーザーエネルギー、機械的振動、ならびに/または光パワー等の種々の他のモダリティーを使用して、治療的神経調節を提供するように構成され得る。さらなる実施形態では、治療用アセンブリ212は、標的部位に化学物質または薬物を送達して、標的神経を化学的に切除または閉塞するように構成され得る。例えば、治療用アセンブリ212は、シャフト208の接近部分及び/または別個の導入器を通って延在する針アプリケータを含み得、該針アプリケータは、標的神経を治療的に調節するために、例えば、ボトックス、アルコール、グアネチジン、エタノール、フェノール、神経毒、または神経を変質させる、損傷する、または乱す別の好適な薬剤等の化学物質を標的部位に注入するように構成され得る。
【0044】
特定の実施形態では、治療用アセンブリ212は、例えば、1つ以上の温度センサ(例えば、熱電対、サーミスタ等)、インピーダンスセンサ、及び/または他のセンサ等の1つ以上のセンサ(図示せず)を含み得る。センサ(複数可)及び/またはエネルギー送達要素214は、信号をセンサ(複数可)に、及び/もしくはセンサ(複数可)から送信する、ならびに/またはエネルギー送達要素214にエネルギーを伝えるために、シャフト208を通って延在する1つ以上のワイヤ(図示せず、例えば、銅線)に接続され得る。
【0045】
治療的神経調節デバイス202は、有線接続(例えば、ケーブル206を介して)及び/または無線接続を介してコンソール204に動作的に連結され得る。コンソール204は、治療的神経調節デバイス202の動作を制御、監視、供給、及び/または別の方法で支持するように構成され得る。コンソール204は、治療用アセンブリ212を介した標的部位における組織または神経への送達のために、選択された形態及び/または規模のエネルギーを生成するようにさらに構成され得、したがって、コンソール204は、治療的神経調節デバイス202の治療モダリティに応じて異なる構成を有してもよい。例えば、
治療的神経調節デバイス202が、電極ベース、熱要素ベース、及び/またはトンランスデューサベース治療用に構成されるとき、コンソール204は、RFエネルギー(例えば、単極性、双極性、または多極性RFエネルギー)、パルス状電気エネルギー、マイクロ波エネルギー、光エネルギー、超音波エネルギー(例えば、腔内に送達される超音波及び/またはHIFU)、直接熱エネルギー、放射線(例えば、赤外線、可視線、及び/またはガンマ線、及び/または別の好適な種類のエネルギーを生成するように構成されたエネルギー生成器216を含み得る。治療的神経調節デバイス202が凍結治療的治療用に構成される場合、コンソール204は、冷却剤貯留容器(図示せず)を含み得、治療的神経調節デバイス202に冷却剤を供給するように構成され得る。同様に、治療的神経調節デバイス202が化学物質ベース治療(例えば、薬物注入)用に構成される場合、コンソール204は、化学物質貯留容器(図示せず)を含み得、治療的神経調節デバイス202に1つ以上の化学物質を供給するように構成され得る。
【0046】
図2にさらに示される通り、システム200は、治療的神経調節デバイス202に通信可能に連結された制御装置218をさらに含み得る。例証される実施形態では、制御装置218は、コンソール204内に収容される。他の実施形態では、制御装置218は、治療的神経調節デバイス202のハンドル210、ケーブル206、独立した構成要素、及び/またはシステム200の別の部分によって担持され得る。制御装置218は、治療的神経調節デバイス202の1つ以上の構成要素(例えば、エネルギー送達要素214)の動作を、直接及び/またはコンソール204を介して、開始、終了、及び/または調整するように構成され得る。制御装置218は、自動制御アルゴリズムを実行する、及び/または操作者(例えば、臨床医)からの制御命令を受信するように構成され得る。例えば、制御装置218及び/またはコンソール204の他の構成要素(例えば、メモリ)は、命令を保有するコンピュータ可読媒体を含み得、該命令は、制御装置218によって実行されるときに、治療用アセンブリ202に、特定の機能を実施させる(例えば、特定の様式でエネルギーを適用する、インピーダンスを検出する、温度を検出する、神経の場所または解剖学的構造を検出する等)。メモリは、揮発性及び不揮発性記憶装置用の種々のハードウェアデバイスのうちの1つ以上を含み、読み取り専用メモリ及び書き込み可能メモリの両方を含み得る。例えば、メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、CPUレジスタ、読み取り専用メモリ(ROM)、及びフラッシュメモリ、ハードドライブ、フロッピーディスク、CD、DVD、磁気記憶デバイス、テープドライブ、デバイスバッファ等の書き込み可能な不揮発性メモリを含み得る。メモリは、基礎的なハードウェアから分離される信号を伝搬しておらず、したがって、メモリは非一時的である。
【0047】
さらに、コンソール204は、評価/フィードバックアルゴリズム220を介して、治療処置の前、間、及び/または後に操作者にフィードバックを提供するように構成され得る。例えば、評価/フィードバックアルゴリズム220は、治療部位における組織の温度、治療部位における神経の場所、及び/または治療部位における神経に対する治療的神経調節の効果に関連付けられる情報を提供するように構成され得る。特定の実施形態では、評価/フィードバックアルゴリズム220は、治療の有効性を確認する、及び/またはシステム200の所望の性能を強化するための特徴を含み得る。例えば、評価/フィードバックアルゴリズム220は、制御装置218と併せて、療法中の治療部位の温度を監視して、温度が所定の最大値(例えば、RFエネルギーの適用時)または所定の最小値(例えば、凍結療法の適用時)に到達したときに、エネルギー送達を自動的に止めるように構成され得る。他の実施形態では、評価/フィードバックアルゴリズム220は、制御装置218と併せて、所定の最大時間、標的化された組織の所定の最大インピーダンス上昇(すなわち、ベースラインインピーダンス測定と比較して)、標的化された組織の所定の最大インピーダンス)、及び/または自律神経機能に関連付けられるバイオマーカーの他の閾値の後に、治療を自動的に終了させるように構成され得る。システム200の動作に関連付けられるこの及び他の情報は、コンソール204上のディスプレイ222(例えば、モ
ニタまたはタッチスクリーン)及び/またはコンソール204に通信可能に連結された別個のディスプレイ(図示せず)を介して、操作者に通信され得る。
【0048】
種々の実施形態では、治療用アセンブリ212及び/またはシステム200の他の部分は、標的部位における不均一組織の種々のパラメータを検出して、標的部位における生体構造(例えば、組織の種類、組織の場所、脈管系、骨構造、孔、洞等)を決定し、神経及び/または他の構造の場所を決定し、神経マッピングを可能にするように構成され得る。例えば、治療用アセンブリ212は、インピーダンス、誘電特性、温度、及び/または標的領域内の神経線維の存在を示唆する他の特性を検出するように構成され得る。図2に示される通り、コンソール204は、治療用アセンブリ212によって取得される標的部位における組織の検出された電気的及び/または熱的測定を受信する神経監視アセンブリ221(概略的に示される)を含み、この情報を処理して、標的部位における神経の存在、神経の場所、及び/または神経活動を特定し得る。この情報は次に、(例えば、ディスプレイ222上の)高解像度空間格子及び/または他の種類のディスプレイを介して操作者に通信され得る。神経監視アセンブリ221は、ケーブル206を通り、シャフト208の長さを通って延在する信号ワイヤ(例えば、銅線)を介して、エネルギー送達要素214及び/または治療用アセンブリ212の他の特徴に動作可能に連結され得る。他の実施形態では、治療用アセンブリ212は、他の好適な通信手段を使用して神経監視アセンブリ221に通信可能に連結され得る。
【0049】
神経監視アセンブリ221は、治療的神経調節の前に神経の場所及び活性を決定して、所望の神経の位置に対応する正確な治療領域を決定する、治療中に治療的神経調節の効果を決定する、ならびに/または治療後に治療的神経調節が標的神経を所望の程度に治療したかを評価することができる。この情報は、標的部位が神経調節に好適であるか等、標的部位に近位の神経に関する種々の決定を行うために使用され得る。それに加えて、神経監視アセンブリ221はまた、治療的神経調節の前及び後の検出された神経の場所及び/または活性を比較し、神経活動の変化を所定の閾値と比較して、治療的神経調節の適用が治療部位にわたって有効であったかを評定し得る。例えば、神経監視アセンブリ221は、治療的神経調節の前及び後に治療用アセンブリ212によって取得されるニューロンの電気的活性の記録に基づいて、神経電気記録図(ENG)信号を決定し得る。神経調節後に取得される統計的に有意な(例えば、測定可能なまたは顕著な)ENG信号(複数可)の減少は、神経が十分に切除されたことの指標の役割を果たし得る。
【0050】
システム200は、シャフト208の少なくとも一部分とシャフトの遠位部分208bにおけるポート226とに沿って延在し、ポート226と連通するチャネル224をさらに含み得る。特定の実施形態では、チャネル224は、ポート226を介してシャフト208の遠位部分208bに流体を送達するための流体経路である。例えば、チャネル224は、生理食塩水溶液または他の流体を送達して、治療用アセンブリ212の送達中に腔内の鼻経路を濯ぐ、標的部位への治療的神経調節の適用前に標的部位を洗い流す、及び/またはエネルギー送達中に流体を標的部位に送達して、エネルギー送達要素214に隣接した組織の加熱もしくは冷却を低減することができる。他の実施形態では、チャネル224は、治療部位への薬物の送達を可能にする。例えば、針(図示せず)は、神経ブロック、局所麻酔薬、及び/または他の薬理学的薬剤を標的部位における組織に注入するか、さもなくば送達するために、ポート226を取って突出し得る。
【0051】
治療的神経調節デバイス202は、鼻腔内の自律神経活動を治療的に調節するために、例えば、鼻腔内への副交感神経線維の周辺入口等において、鼻領域内の奥深くの標的部位への接近を提供する。特定の実施形態では、例えば、治療的神経調節デバイス202は、治療用アセンブリ212を、接近用の孔(access foramen)及び/またはミクロ孔の部位においてSPFの下方に位置付け得る(例えば、図1B及び1Cに示され
る通り)。鼻の入口の外側からシャフト208の近位部分208aを操作することによって、臨床医は、シャフト208を、入り組んだ腔内路を通し、鼻腔を通して前進させて、ハンドル210を介してシャフト208の遠位部分208bを遠隔操作して、治療用アセンブリ212を標的部位に位置付けてもよい。特定の実施形態では、シャフト208は、臨床医が入り組んだ鼻の生体構造を通って進むことを可能にする小さい曲げ半径(例えば、5mmの曲げ半径、4mmの曲げ半径、3mmの曲げ半径、またはそれ未満)有する操縦可能なデバイス(例えば、操縦可能なカテーテル)であり得る。操縦可能なシャフトは、少なくとも2つの異なる方向に関節運動するようにさらに構成され得る。例えば、操縦可能なシャフト208は、臨床医が、シャフト208の遠位部分208bを鼻領域の生体構造に対応するように「S」字型に形成することを可能にする、二重の引きワイヤリングを含み得る。他の実施形態では、関節運動シャフト208は、実質的に剛性の材料(例えば、金属材料)から作製され、偏向に耐えるが、依然小さい曲げ半径(例えば、5mmの曲げ半径、4mmの曲げ半径、3mm曲げ半径、またはそれ未満)を可能にするシャフト208の遠位部分208bにおける剛性リンクを含み得る。さらなる実施形態では、操縦可能なシャフト208は、金属及び/または他の好適な材料から作製されるレーザー切断された管であってもよい。レーザー切断された管は、臨床医が、入り組んだ鼻の生体構造を標的部位まで進むようにシャフト208の遠位部分208bを偏向させることを可能するために、臨床医によって動作される1つ以上の引きワイヤを含み得る。
【0052】
種々の実施形態では、シャフト208の遠位部分208bは、オーバー・ザ・ワイヤ(OTW)または迅速交換(RX)技法を使用して、ガイドワイヤ(図示せず)を介して標的部位における適切な位置に誘導される。例えば、治療用アセンブリ212の遠位端部は、ガイドワイヤに係合するチャネルを含み得る。治療用アセンブリ212の腔内送達は、ガイドワイヤを鼻腔と連通するorifice(例えば、鼻孔または口)に挿入することと、治療用アセンブリ212が標的部位(例えば、SPFの下方)に到達するまでシャフト208及び/または治療用アセンブリ212をガイドワイヤに沿って移動させることとを含み得る。
【0053】
さらなる実施形態では、治療的神経調節デバイス202は、ガイドワイヤの使用を伴うまたは伴わない、ガイドカテーテルまたは導入器鞘(図示せず)を介した送達のために構成され得る。まず、導入器鞘が、鼻領域内の標的部位に腔内に挿入され得、次に、シャフト208の遠位部分208bが、導入器鞘を通して挿入され得る。標的部位において、治療用アセンブリ212は、導入器鞘の遠位端部開口または導入器鞘の側部ポートを通して展開され得る。特定の実施形態では、導入器鞘は、真っ直ぐな部分と、腔内で展開されて、標的部位に接近し得る固定の湾曲(例えば、5mmの湾曲、4mmの湾曲、3mmの湾曲等)を有する予め成形された部分とを含み得る。この実施形態では、導入器鞘は、それを通して治療用アセンブリ212が展開され得る予め成形された湾曲部分の近位に、またはそれに沿って、側部ポートを有してもよい。他の実施形態では、導入器鞘は、絶縁性または誘電性材料で被覆された金属材料等の剛性材料から作製されてもよい。この実施形態では、導入器鞘は、実質的に真っ直ぐであり、例えば、中鼻道MM(図1A)を通る等、実質的に真っ直ぐな経路を介して標的部位に治療用アセンブリ212を送達するために使用されてもよい。
【0054】
臨床医がシャフト208の遠位部分208b及び治療用アセンブリ212を位置付ける及び操作するのを助けるために、画像誘導が使用されてもよい。例えば、図3A~3Eに関して下記にさらに詳細に説明される通り、内視鏡(図示せず)が、標的部位、標的部位における治療用アセンブリ212の位置付け、及び/または治療的神経調節中の治療用アセンブリ212を視覚化するために位置付けられ得る。特定の実施形態では、シャフト208の遠位部分208bは、内視鏡を通って延在する作業チャネルを介して送達され、したがって、内視鏡は、標的部位及び治療用アセンブリ212の直接的な直列の視覚化を提
供し得る。他の実施形態では、内視鏡は、治療用アセンブリ212及び/またはシャフト208の遠位部分208bと共に組み込まれて、アセンブリ212及び/または周囲の鼻の生体構造の直列の視覚化を提供する。またさらなる実施形態では、画像誘導は、脈管系及び/もしくは他の解剖学的構造を視覚化するための赤外線(IR)スペクトル内の画像フィルタリング、コンピュータ断層撮影(CT)、蛍光透視法、超音波、光コヒーレンス断層撮影(OCT)、ならびに/またはそれらの組み合わせ等の種々の他の誘導モダリティと共に提供され得る。さらに、いくつかの実施形態では、画像誘導構成要素は、治療的神経調節デバイス202と一体化されて、治療用アセンブリ212の位置付け中の画像誘導を提供してもよい。
【0055】
標的部位に位置付けられた後、治療的調節は、エネルギー送達要素214及び/または治療用アセンブリ212の他の特徴を介して正確で局在的な組織領域に適用されて、副交感神経運動感覚機能を乱すような1つ以上の所望の治療的神経調節効果を誘発し得る。治療用アセンブリ212は、鼻領域内への入口の近位の、または鼻領域内への入口における標的または治療部位における鼻粘膜を神経支配する節後副交感神経線維を、選択的に標的化し得る。例えば、治療用アセンブリ212は、SPF(図1A)の少なくとも近位に治療的神経調節を適用して、SPFを介して鼻領域に入る神経を治療的に調節するように位置付けられ得る。治療用アセンブリ212はまた、後上外側鼻神経のより小さい内側枝及び側枝がそれを通って鼻領域に入る(例えば、口蓋骨内の)副孔及びミクロ孔にわたって治療的神経調節エネルギーを適用するように、SPFの下方に位置付けられ得る。標的部位における目的のあるエネルギー適用は、鼻領域に入る後鼻神経線維の全部または少なくとも一部分に沿って、治療的神経調節を達成し得る。治療的神経調節効果は概して、少なくとも部分的に、出力、時間、及びエネルギー送達要素と隣接した組織との間の接触の関数である。例えば、特定の実施形態では、自律神経線維の治療的神経調節は、RFエネルギーを、約2~20W(例えば、5W、7W、10W等)の出力で約1~20秒間(例えば、5~10秒間、8~10秒間、10~12秒間等)の期間適用することによって生み出される。治療的神経調節効果は、熱的切除及び/または非切除熱変質もしくは損傷を介した(例えば、長時間の加熱及び/または抵抗加熱を介した)、部分的または完全な除神経を含んでもよい。所望の熱的加熱効果は、標的神経線維の温度を、非切除熱変質を達成するための所望の閾値より上か、または切除熱変質を達成するためのより高い温度より上に上昇させることを含んでもよい。例えば、標的温度は、非切除熱変質に関しては、体温(例えば、およそ37℃)より上であるが約90℃未満(例えば、70~75℃)であってもよく、または標的温度は、切除熱変質に関しては、約100℃以上(例えば、110℃、120℃等)であってもよい。所望の非熱的神経調節効果は、神経内に送信される電気信号を変化させることを含んでもよい。
【0056】
体温低下効果もまた、神経調節を提供し得る。下記にさらに詳細に説明される通り、例えば、治療的に有効な直接的な細胞傷害(例えば、ネクローシス)、血管傷害(例えば、供給血管を損傷することによって栄養を断ち、細胞を餓死させる)、及びその後のアポトーシスを伴う亜致死低体温を提供するために、標的部位における組織を冷却するために凍結治療用アプリケータが使用されてもよい。凍結治療的冷却への曝露は、急性細胞死(例えば、曝露の直後)及び/または遅発性細胞死(例えば、組織の解凍及びその後の過剰灌流中)を引き起こし得る。本技術の実施形態は、標的化された節後副交感神経が存在する深さまで組織が有効に冷却されるように、組織に、またはその付近に位置付けられた構造を冷却することを含み得る。例えば、冷却構造は、治療的に有効な極低温の後鼻神経調節を引き起こす程度にまで冷却される。
【0057】
特定の実施形態では、システム200は、治療的神経調節が副交感神経線維を含む正確な領域に適用され得るように、神経、副孔、及び/またはミクロ孔の場所を療法の前に決定し得る。例えば、システム200は、SPFの約3mm下方の長さ及び/または幅を有
する標的部位を特定してもよく、治療用アセンブリ212は、治療的神経調節の1つ以上の適用を介して特定された標的部位に治療的神経調節を適用し得る。他の実施形態では、標的部位は、検出された神経線維及びフォラメナ(foramena)の場所に基づいて、より小さいまたはより大きくてもよい(例えば、3cm長さの標的領域)。この神経の解剖学的マッピングは、システム200が、鼻腔内への多数の神経の入口点において粘膜を神経支配する節後副交感神経線維正確に検出し、治療的に調節することを可能にする。さらに、SPF、副孔、及びミクロ孔の場所を示す明白な解剖学的マーカーが存在しないため、神経マッピングは、操作者が、さもなくば複雑な粘膜の切開なしには特定できない神経を特定し、治療的に調節することを可能にする。それに加えて、解剖学的マッピングはまた、操作者が、治療的神経性調節中に操作者が回避したいと望み得る特定の構造(例えば、特定の動脈)を特定することを可能にし得る。
【0058】
副交感神経の少なくとも一部分の十分な調節は、鼻粘膜への自律神経信号の伝導を減速させるか、または潜在的に遮断して、鼻副交感神経活動の長期のまたは恒久的な低減を生み出すと予測される。これは、粘膜下腺及び静脈充血の活性化または過剰活性化を低減または排除し、それによって、鼻副鼻腔炎の症状を低減または排除すると予測される。さらに、システム200は、SPFにおいて鼻腔内に入る後鼻神経分岐の単一の大きい分枝というよりもむしろ、後鼻神経の多数の分枝に治療的神経調節を適用するため、システム200は、鼻粘膜に影響を及ぼし、鼻副鼻腔炎をもたらす副交感神経経路のより完全な混乱を提供する。したがって、システム200は、鼻副鼻腔炎の治療に関する強化された治療効果、及び治療される粘膜の低減された再神経支配を有すると予測される。
【0059】
他の実施形態では、システム200は、異なる兆候を治療するために、神経及び/または他の構造を治療的に調節するように構成され得る。下記にさらに詳細に述べられる通り、例えば、システム200は、副鼻洞を神経支配する神経の場所を決定する、及び/またはそれらを治療的に調節して、慢性副鼻腔炎を治療するために使用され得る。さらなる実施形態では、本明細書に開示されるシステム200及びデバイスは、鼻の生体構造内の脈管系を治療的に調節して、鼻出血(すなわち、鼻からの過剰な出血)等の他の兆候を治療するように構成され得る。例えば、本明細書に説明されるシステム200及び治療的神経調節デバイスは、動脈(例えば、蝶口蓋動脈及びその分枝)に、それらが(例えば、SPF、副孔等を介して)鼻腔に入るときに治療的に有効なエネルギーを適用して、動脈を部分的または完全に凝固させるまたは結紮するために使用され得る。他の実施形態では、システム200は、静脈及び/または他の血管を部分的または完全に凝固させるまたは結紮するように構成され得る。治療用アセンブリ212が脈管系を結紮するまたは凝固させるかかる実施形態に関して、システム200は、治療的神経調節に必要とされるであろうものよりも著しく高い出力(例えば、約100W)及び/または長い時間(例えば、1分間以上)、エネルギーを送達するように修正されるであろう。種々の実施形態では、システム100は、治療の前、間、及び/後に、標的化された脈管系及び周囲の生体構造の場所を決定する、またはそれを検出するために、本明細書に開示される解剖学的マッピング技法を適用し得る。
【0060】
図3A~3Eは、本技術の実施形態に従って図2の治療的神経調節デバイス202の遠位部分を鼻領域内の標的部位に送達するための種々のアプローチを例証する、部分切り欠き側面図である。図3Aに示される通り、種々の実施形態では、シャフト208の遠位部分208bは、鼻孔NP内へ入り、下鼻甲介ITと鼻底NSとの間の下鼻道IMを通り、下鼻甲介ITの後部分へ回って延在し、ここで、治療用アセンブリ212は治療部位において展開される。図3Aに示される通り、治療部位は、鼻腔内への節後副交感神経の接近点(複数可)(例えば、後鼻神経及び/または鼻粘膜を神経支配する他の副交感神経線維の分枝)の近位に配置され得る。他の実施形態では、標的部位は、標的神経の場所に応じて、鼻腔内の他の場所であってもよい。内視鏡330及び/または他の視覚化デバイスは
、鼻孔NPを通り、下鼻甲介ITと中鼻甲介MTとの間の中鼻道MMを通って延在することによって、標的部位の近位に送達される。中鼻道MM内の視覚化の場所から、内視鏡330は、治療部位、鼻の生体構造の周囲領域、及び治療用アセンブリ212を視覚化するために使用され得る。
【0061】
図3Aにさらに示される通り、治療的神経調節デバイス202のシャフト208は、治療用アセンブリ212及び標的部位の近位に位置付けられた位置付け部材332を含み得る。例証される実施形態では、位置付け部材332は、対向する構造(例えば、鼻甲介の間)に接して開口(例えば、鼻道のうちの1つ)内で拡張されて、シャフト208の遠位部分208bを、標的部位に対して所望の部分に一貫して保持して、治療用アセンブリ212の展開のための安定性を提供するバルーンである。他の実施形態では、位置付け部材332は、鼻腔内でシャフト208を所望の位置に維持するように展開され得る他の拡張可能な構造(例えば、メッシュバスケット)または固定特徴を含んでもよい。さらなる実施形態では、位置付け部材332は、治療用アセンブリ212の遠位に位置付けられ、治療用アセンブリ212及び治療部位の遠位の領域内で拡張され得る。またさらなる実施形態では、位置付け部材332は、シャフト208及び/または他のデバイス(例えば、生理食塩水または局所麻酔薬の送達用の流体線、内視鏡、センサ等)がそれを通過し得る導入器鞘(図示せず)上に位置付けられる。位置付け部材332は、標的部位の近位(例えば、図3Aに示される位置に類似)または治療部位の遠位に位置付けられ得る。遠位に位置付けられる場合、導入器鞘は、治療用アセンブリ212及び他の特徴がそれを通って標的部位において展開され得る側部出口ポートを含み得る。位置付け部材332が導入器鞘上に位置付けられる場合、位置付け部材332は、シャフト208の遠位部分208b及び治療用アセンブリ212の送達及び展開のための安定性を提供し得る。位置付け部材332は、治療用アセンブリ212が異なる腔内通路を通って送達されるときに、シャフト208、関連する導入器鞘、及び/またはシステム200(図2)の他の送達特徴上に組み込まれ得る。
【0062】
図3Bは、シャフト208の遠位部分208bが、鼻孔NP内に入り、下鼻甲介ITと中鼻甲介との間の中鼻道MMを通り、治療用アセンブリ212が治療部位において展開される後方向に延在する、異なる実施形態を例証する。この実施形態では、内視鏡330及び/または他の視覚化デバイスは、治療用アセンブリ212と同一の腔内経路を通ってシャフト208と並行に送達される。中鼻道MMを通る経路は、特定の関心の領域及び患者の解剖学的変異に応じて、標的部位への概して真っ直ぐな接近を提供し得る。したがって、中鼻道MMを通るアプローチは、シャフト208及び内視鏡330のより少ない操縦及び/または関節運動を必要とし得る。さらに、シャフト208の遠位部分208b及び内視鏡330は同一の送達路に沿って進むため、内視鏡は、治療用アセンブリ212の直列または並列の視覚化を提供し得る。
【0063】
図3Bに示される実施形態と同様に、図3Cは、内視鏡330がシャフト208の遠位部分208b、治療用アセンブリ212、及び/または鼻の生体構造の直列または並列の視覚化を提供し得るように、シャフト208の遠位部分208b及び内視鏡330が隣り合って進む別の腔内経路を例証する。しかしながら、図3Cに示される実施形態では、腔内経路は、下鼻道IMを通って後方の治療部位に延在する。
【0064】
図3Dに示される通り、他の実施形態では、シャフト208の遠位部分208bは、中鼻道MMを介して治療部位に延在し、内視鏡330は、下鼻道IMを通って標的部位の近位の位置に延在する。この実施形態では、内視鏡330は、内視鏡330を上方に方向付けて、標的部位において鼻の生体構造及び治療用アセンブリ332を視覚化する、関節運動をするか、操縦可能であるか、または湾曲した遠位端部を有してもよい。例えば、内視鏡330の遠位端部部分は、治療部位を視覚化するために、少なくとも30°曲がるよう
に構成され得る。
【0065】
図3Eに示される通り、さらなる実施形態では、シャフト208の遠位部分208bは、口を介して治療部位に送達され得る。この実施形態では、治療的神経調節は、鼻腔の後方(例えば、SPFの後方)の治療部位に適用され得る。内視鏡330(図示せず)は、鼻孔NP内に入り、中鼻道MMまたは下鼻道IMを通り、治療部位の近位の位置に延在し得る。代替的に、内視鏡330(図示せず)は、シャフト208と同一の経路に沿って進んでもよい。
【0066】
図4は、本技術の実施形態に従って構成された治療的神経調節デバイス402の遠位部分の等角図である。治療的神経調節デバイス402は、図2~3Eに関して上記に説明されるシステム200と併せて使用され得る。図4に示される通り、治療的神経調節デバイス402は、近位部分(図示せず)及び遠位部分408bを有するシャフト408と、シャフト408の遠位部分408bにおける治療用アセンブリ412とを含み得る。治療用アセンブリ412は、鼻領域内の治療部位への治療用アセンブリ412の腔内送達を促進するための低プロファイル送達状態と、拡張状態(図4に示される)との間で変形可能である。治療用アセンブリ412は、治療用アセンブリ412が拡張状態にあるときに互いに離間されて、フレームまたはバスケット442を形成する複数の支柱440を含む。支柱440は、複数の電極444等の1つ以上のエネルギー送達要素を担持し得る。拡張状態では、支柱440は、電極444のうちの少なくとも2つを、鼻領域内の標的部位(例えば、SPFの下方の口蓋骨の近位)において組織に接して位置付け得る。電極444は、標的部位に、標的部位の近位の鼻粘膜を神経支配する節後副交感神経を治療的に調節するための双極性または多極性無線周波数(RF)エネルギーを適用し得る。種々の実施形態では、電極444は、標的組織の温度増加を調整するために、所望の負荷サイクル(例えば、1秒間作動/0.5秒間停止)を用いてパルス状のRFエネルギーを適用するように構成され得る。
【0067】
図4に例証される実施形態では、バスケット442は、互いに半径方向に離間されて、少なくとも略球体の構造を形成する8つの分岐446を含み、分岐446の各々は、互いに隣接して位置付けられた2つの支柱440を含む。しかしながら、他の実施形態では、バスケット442は、8つよりも少ない分岐446(例えば、2、3、4、5、6、または7つの分岐)または8つを超える分岐446を含み得る。さらなる実施形態では、バスケット442の各分岐446は、単一の支柱440、2つ超の支柱440を含んでもよく、及び/または分岐毎の支柱440の数は、変動してもよい。またさらなる実施形態では、分岐446及び支柱440は、電極444を標的部位において組織と接触して定置するための他の好適な形状を有するバスケットまたはフレームを形成し得る。例えば、拡張状態において、支柱440は、卵形形状、半球形状、円筒構造、ピラミッド構造、及び/または他の好適な形状を形成し得る。
【0068】
図4に示される通り、治療用アセンブリ412は、シャフト408の遠位部分408bから遠位に延在する内部または内側支持部材448をさらに含み得る。支持部材448の遠位端部部分450は、支柱440の遠位端部部分を支持して、所望のバスケット形状を形成し得る。例えば、図4に示される通り、支柱440は、シャフト408の遠位ポション(potion)408bから遠位に延在し得、支柱440の遠位端部部分は、支持部材448の遠位端部部分450に取着し得る。特定の実施形態では、支持部材448は、電極444及び/または治療用要素412の他の電気的特徴に連結された電気コネクタ(例えば、ワイヤ)がそれを通って走り得る内部チャネル(図示せず)を含み得る。種々の実施形態では、内部支持部材448はまた、遠位端部部分450において、及び/または支持部材448の長さに沿って、電極(図示せず)を担持し得る。
【0069】
バスケット442は、シャフト408の近位部分にある、バスケット442に動作可能に連結されたハンドル(例えば、図2のハンドル210)及び/または他の特徴を操作することによって、低プロファイル送達状態から拡張状態(図4)に変形し得る。例えば、バスケット442を拡張状態から送達状態に移動させるために、操作者は、支持部材448を遠位に押して、支柱440を支持部材448に向かって内向きに持ってくることができる。導入器またはガイド鞘(図示せず)は、標的部位からの、または標的部位への治療用アセンブリ412の腔内送達または除去を促進するように、低プロファイルの治療用アセンブリ412の上に位置付けられ得る。他の実施形態では、治療用アセンブリ412は、他の好適な手段を使用して、送達状態と拡張状態との間で変形される。
【0070】
個々の支柱440は、拡張状態にあるときに支柱440が所望のバスケット442形状に自己拡張することを可能にする形状記憶材料(例えば、ニチノール)等の、弾性材料から作製され得る。他の実施形態では、支柱440は、他の好適な材料から作製されてもよく、及び/または治療用アセンブリ412は、バルーンを介してか、もしくは支持部材448の近位移動によって機械的に拡張されてもよい。バスケット442及び関連する支柱440は、電極444を支持し、電極444を標的部位における組織に接して位置付けるまたは押し付けるのに十分な剛性を有し得る。それに加えて、拡張されたバスケット442は、標的部位の近位の周囲の解剖学的構造(例えば、鼻甲介、口蓋骨等)に押し付けられ得、個々の支柱440は、隣接した解剖学的構造の形状に少なくとも部分的に適合して、エネルギー送達中に治療用要素412を治療部位において固定し得る。それに加えて、支柱440の拡張及び適合性は、電極444を標的部位において周囲の組織と接触して定置することを促進し得る。
【0071】
少なくとも1つの電極444は、個々の支柱440上に配設される。例証される実施形態では、2つの電極444は、各支柱440の長さに沿って位置付けられる。他の実施形態では、個々の支柱440上の電極444の数は、1つのみ、2つ超、ゼロであってもよく、及び/または異なる支柱440上の電極444の数は、変動してもよい。電極444は、白金、イリジウム、金、銀、ステンレス鋼、白金-イリジウム、コバルトクロム、酸化イリジウム、ポリエチレンジオキシチオフェン(「PEDOT」)、チタン、窒化チタン、炭素、カーボンナノチューブ、白金グレイ、Fort Wayne、IndianaのFort Wayne Metals製の銀芯を有するDrawn Filled Tubing(「DFT」)、及び/または標的組織のRFエネルギーの送達に好適な他の材料から作製され得る。
【0072】
特定の実施形態では、各電極444は、他の電極444と独立して動作され得る。例えば、各電極は、個々に活性化され得、各電極の極性及び振幅は、操作者または制御アルゴリズム(例えば、図2の制御装置218によって実行される)によって選択され得る。かかる独立して制御される電極444の種々の実施形態は、図5A~5Gを参照して下記にさらに詳細に説明される。電極444の選択的な独立した制御は、治療用アセンブリ412が、RFエネルギーを高度にカスタマイズされた領域に送達することを可能にする。例えば、電極444の選択された部分は、他の電極444は不活性のまま、特定の領域内の神経線維を標的化するように活性化され得る。特定の実施形態では、例えば、電極444は、標的部位において組織に隣接したバスケット442の部分にわたって活性化されてもよく、標的組織の近位にない電極444は、非標的組織へのエネルギーの適用を回避するために不活性のままであり得る。かかる構成は、鼻腔の他の部分内の構造にエネルギーを適用することなく、1つの鼻孔内の鼻の側壁上の神経の選択的な治療的調節を促進する。
【0073】
電極444は、電極444からシャフト408を通ってRF生成器に延在するワイヤ(図示せず)を介して、RF生成器(例えば、図2の生成器216)に電気的に連結され得る。電極444の各々が独立して制御されるとき、各電極444は、シャフト408を通
って延在する対応するワイヤに連結する。他の実施形態では、複数の電極444は、一緒に制御され得、したがって、複数の電極444は、シャフト408を通って延在する同一のワイヤに電気的に連結され得る。RF生成器、及び/またはそれに動作可能に連結された構成要素(例えば、制御モジュール)は、電極444の活性化を制御するためのカスタムアルゴリズムを含み得る。例えば、RF生成器は、約200~300WのRF出力を電極444に送達し、治療部位及び/または標的神経の特定された場所に対する治療用要素412の位置に基づいて選択された所定のパターンで電極444を活性化しながら、そのようにし得る。他の実施形態では、RF生成器は、より低いレベル(例えば、15W未満、15~50W、50~150W等)及び/またはより高き出力レベルで出力を送達する。
【0074】
図4に示される通り、治療用アセンブリ412は、支柱440及び/または治療用アセンブリ412の他の部分上に配設され、温度センサ452に隣接した温度を検出するように構成された1つ以上の温度センサ452をさらに含み得る。温度センサ452は、シャフト408を通って延在するワイヤ(図示せず)を介して、コンソール(例えば、図2のコンソール204)に電気的に連結され得る。種々の実施形態では、温度センサ452は、標的部位における組織と電極444との間の境界面の温度を検出するために、電極444の近位に位置付けられ得る。他の実施形態では、温度センサ452は、組織内のある深さの温度を検出するために、標的部位における組織を貫通し得る(例えば、貫通熱電対)。温度測定は、操作者またはシステムに、組織に対する治療的神経調節の効果に関するフィードバックを提供し得る。例えば、特定の実施形態では、操作者は、治療部位(例えば、鼻粘膜)における組織への損傷を防止または低減したいと望む場合があり、したがって温度センサ452は、組織の温度が不可逆的な組織損傷に関する所定の閾値に到達するかを決定するために使用され得る。閾値が到達されると、治療的神経調節エネルギーの適用は、組織が無傷のままであり得るように終了され得る。特定の実施形態では、エネルギー送達は、温度センサ452に動作可能に連結されたコンソール(例えば、図2のコンソール204)上に保存された評価/フィードバックアルゴリズム(例えば、図2の評価/フィードバックアルゴリズム220)に基づいて、自動的に終了し得る。
【0075】
図5A~5Gは、本技術の実施形態に従う治療的神経調節のための治療的神経調節デバイス(それぞれ、個々に第1~第4の治療的神経調節デバイス502a~502dと特定され、集合的に治療的神経調節デバイス502と称される)の電極構成の例の等角図である。図5A~5Gの治療的神経調節デバイス502は、図4の治療的神経調節デバイス402の特徴に概して類似の特徴を含み得る。例えば、治療的神経調節デバイス502は、拡張状態にあるときにバスケット442を形成する複数の支柱440と、支柱440のうちの1つ以上の上に配設された複数の電極444とを含む。例証される実施形態では、図5A~5Eに示される第1~第3の治療的神経調節デバイス502a~cは、バスケット442の各分岐446に対応する単一の支柱440を含み、図5F及び5Gに示される第4の治療的神経調節デバイス502dは、バスケット442の各分岐446内に2つの隣接した支柱440を含む。しかしながら、他の実施形態では、治療的神経調節デバイス502の分岐446は、異なる量の支柱440を有し、図5A~5Gを参照して下記に説明されるものと同一の様式でRFエネルギーを適用してもよい。図5A~5Gに示される通り、電極444は、制御装置(例えば、図2の制御装置218)または生成器(例えば、図2の生成器216)からの命令を介して独立して制御及び活性化されて、治療用アセンブリ412の選択された領域またはセグメントにわたってRFエネルギーを適用し得る。
【0076】
図5Aに示される実施形態では、治療用アセンブリ412の2つの電極444が、第1の治療的神経調節デバイス502a内で活性化される。より具体的には、第1の支柱440a上の第1の電極444aは、正極性で活性化され、第1の支柱440aから半径方向に離間された第2の支柱440b上の第2の電極444bは、負極性で活性化される。電
極444の残りは、不活性のままである。したがって、矢印によって示される通り、電流は、治療用アセンブリ412の円周または周辺セグメントにわたって、第1の電極444aから第2の電極444bへと標的組織を通して流れ得る。この構成は、周辺セグメントの近位に位置付けられた神経を治療的に調節するために使用され得る。他の実施形態では、異なるまたは追加的な電極444が、選択された極性を有するように活性化されて、所定の様式で治療用アセンブリ412の選択された領域にわたって治療的神経調節を適用し得る。
【0077】
図5Bに示される実施形態では、第1の治療的神経調節デバイス502aは、3つの選択的に活性な電極444を有するように構成される。第1の支柱440a上の第1の電極444aは、正極性で活性化され、対応する第2及び第3の支柱440b及び440c上の第2及び第3の電極444b及び444cは、負極性で活性化される。電極444の残りは、不活性のままである。矢印によって示される通り、電流は、治療用アセンブリ412のセグメントにわたって、第1の電極444aから第2及び第3の電極444b及び444cへと組織を通して流れ、したがって、周辺セグメントの近位に位置付けられた神経を治療的に調節し得る。例証される実施形態では、第2及び第3の活性化された電極444b及び444cは、第1の活性電極444aを担持する第1の支柱440aから半径方向に離間されているが、それに隣接した支柱440b、440c上に位置付けられる。しかしながら、他の実施形態では、治療用アセンブリ412のより大きい及び/またはより広いセグメントにわたってエネルギーを適用するために、第1の支柱440aからさらに遠くに置かれた、支柱440上に位置付けられた電極444。
【0078】
図5Cに示される実施形態では、治療用アセンブリ412の第1の半球領域501a内の電極444の全てが活性化され、第2の半球領域501bの電極444は活性化されない。第1の支柱440a上の第1の電極は、正極性で選択的に活性化され、第1の半球領域501a内の複数の電極444(それぞれ、個々に第2~第5の電極444b~444eと特定される)は、RFエネルギーが第1の半球領域501aにわたって適用されるように、負極性で選択的に活性化される。この電極活性化構成は、1つの鼻孔内の鼻の側壁上の神経を治療的に調節するために、バスケット442の片側にわたってRFエネルギーを適用するために使用され得る。治療用アセンブリ412が他の鼻孔内に位置付けられる場合、電極444の異なるセットが、鼻の側壁に対するバスケット442の配向に基づいて治療用アセンブリ412の半球領域にわたって活性化され得る。さらに、バスケット442は略対称な形状(例えば、円形、長円形等)を有するため、また電極444は選択的に活性化され得るため、鼻の側壁上の標的部位に対するバスケット442の配向は、問題ではない。代わりに、操作者は、治療用アセンブリ412を標的部位において配向に関係なく展開し、電極444を所望の配列で選択的に活性化して、標的部位にわたってRFエネルギーを適用し得る。
【0079】
図5Dに示される実施形態では、第2の治療的神経調節デバイス502bは、治療用アセンブリ412の少なくとも一部分にわたって複数の電極444の極性を選択的に制御して、RFエネルギーをセスキ極性(sesquipolar)方式(すなわち、連続的または一時的な電極の双極性対形成)で適用するように構成される。例証される実施形態では、第1の電極444aは、正極性でバイアスされ、第2~第7の電極444b~444gは、負極性を有するように制御される。第2~第7の電極444b~444gは、電極444が、順に多重送信するように寸法的に予め配設されるように、第1の電極444aから実質的に等しい距離に離れて置かれる。動作中、第1~第7の電極444a~444gは、同時に活性化される。しかしながら、負の電極444の全てが正の第1の電極444aと同時に対形成または多重送信するというよりもむしろ、第1の電極444aは、最小抵抗の通路に基づいて連続的な様式で個々の負の電極444と対になるであろう。この最小抵抗の通路は、電極444と接触している治療部位の天然の生体構造によって決定
される。例えば、標的部位における生体構造に基づき、第1の電極444aは、第2の電極444bと最初に対になってもよい。この最初の対形成選好が消失した後、第2の対形成(例えば、第3の電極444cとの)が、最小抵抗の通路に基づいて発生するであろう。第1の電極444aは、閾値が到達され、電極444が、電極対の全ての間に均質な電流が存在する平衡の状態になるまで、残りの活性化された負の電極と同様の様式で連続的に対になり続けるであろう。各連続的な対形成によって、治療用アセンブリ412は、切除区画(すなわち、治療的神経調節エネルギーが適用される領域)のサイズを増加させる。図5D内の番号1~6によって示される通り、この電極444の連続的な対形成は、電極444間のインピーダンス変化に基づいて、円形方向(例えば、反時計回りまたは時計回りの方向)に発生してもよい。他の実施形態では、電極444の連続的な対形成は、周囲の解剖学的状況及び/または電極444の位置付けに基づいて、異なるパターンで発生してもよい。例えば、例証される実施形態では、活性化された電極444は、個々の電極対間に等しい半径方向距離を有して、治療用要素412の四分円内に位置付けられる。他の実施形態では、活性化された電極444は、より大きいまたはより小さい治療領域にわたってエネルギーを適用するために、治療用要素412のより大きいまたはより小さい領域にわたって位置付けられ得る。
【0080】
RFエネルギーのセスキ極性適用は、治療用アセンブリ412が、治療部位の近位の神経を治療的に調節するために、標的部位にわたってRFエネルギーを知的に適用することを可能にする。例えば、互いに等距離の半径方向関係にあるとき、電極対間の自然に発生するインピーダンスの変化は、治療用アセンブリ412に、各対形成を有するエネルギー適用の区画を半径方向に増加させる。他の実施形態では、電極444は、エネルギー適用の区画が、電極444間の自然に発生するインピーダンスの変化に基づいて横方向及び/または長手方向様式で増加するような様式で、連続的に互いに対になるように構成され得る。さらに、1つの電極対形成においてインピーダンスが閾値を超過すると、次の電極対形成はより低いインピーダンスで発生するため、電極444の連続的なインピーダンスに基づく対形成によって、療用アセンブリ412のセスキ極性配列は、標的部位における組織に適用されるエネルギーを本質的に制限し得る。他の実施形態では、制御装置(例えば、図2の制御装置218)は、半径方向、横方向、長手方向、及び/または渦巻き様式の電極の連続的な対形成を提供する命令(例えば、ソフトウェア)を含み得る。
【0081】
さらなる実施形態では、支柱440自体の一部分が、電極444を画定し得る。この実施形態では、支柱440は、導電性材料から作製され、絶縁性材料(例えば、パラリエン(Paralyene)Cを含むポリキシレンポリマー)で被覆される。支柱440の一部分は、電極444を画定するために、被覆されないままであり得る。支柱440の被覆されていない部分(すなわち、電極444)の場所は、所望の神経調節パターンを提供するように選択され得る。例えば、被覆されていない部分は、セスキ極性RF適用を可能にするために、中央の電極444から等しく離れて置かれ得る。この実施形態では、伝導性の支柱440は、電気コネクタの役割を果たし、したがって治療用アセンブリ412は、電極444が支柱440上に位置付けられた別個の要素である場合程に多くのワイヤを必要としない。
【0082】
図5Eに示される実施形態では、第3の治療的神経調節デバイス502cは、電極444の半径方向の多重送信を提供するように、支持部材448の遠位端部部分450における戻り電極503と、支柱440上の個々の電極444の選択的な極性制御とを含む。戻り電極503は、負極性を有し、他の電極444は、正極性を有する。例証される実施形態では、電極444の全てが活性化されるが、他の実施形態では、電極444は、所望のエネルギー適用区画に基づいて選択的に活性化され得る。矢印によって示される通り、この構成は、バスケット442の遠位半球領域にわたってRFエネルギーを適用する。他の実施形態では、戻り電極503は、治療用アセンブリ412上の他の場所に位置付けられ
得、電極444、503は、バスケット442の異なる領域にわたってRFエネルギーを適用するために使用され得る。さらなる実施形態では、戻り電極503は、セスキ極性様式でRFエネルギーを適用するために、支柱上の電極444のうちの2つ以上と共に活性化され得る。
【0083】
図5Fに示される実施形態では、第4の治療的神経調節デバイス502dは、2つの隣接した支柱440を有する分岐446を含み、隣接した支柱上の電極444は、長手方向に互いに離間され、個別の区画にわたって半径方向にエネルギーを適用するように選択的に活性化される。例えば、第1の分岐446aの第1の支柱440a上の第1の電極444aは、第1の極性を有するように選択的に活性化されてもよく、第1の分岐446aの隣接した第2の支柱440b上の第2の電極444bは、第1の極性とは反対の第2の極性を有するように選択的に活性化されてもよい。図5F内に矢印によって示される通り、第1及び第2の電極444a及び444bは次に、治療用アセンブリ412の特定の領域内に半径方向に双極性RFエネルギーを適用し得る。
【0084】
図5Fにさらに示される通り、個々の支柱440は、その上に配設された複数の電極444を含み得、同一の分岐446内の隣接した支柱440は、分岐446の個別の領域に沿った電極対の各々の双極性連結を可能にするように、対応する量の電極444を有し得る。特定の実施形態では、1つの支柱440の電極は、全て同一の極性を有し得(例えば、第1のワイヤ連結される、図示せず)、同一の分岐446内の隣接した支柱440の電極444は、全て反対の極性を有し得る(例えば、第2のワイヤに連結される、図示せず)。他の実施形態では、個々の支柱440上の電極444は、所望の極性を有するように独立して制御され得る。
【0085】
種々の実施形態では、図5Fに示される電極対形成構成は、双極性電極対によって画定される治療用アセンブリ412の選択される領域にわたってインピーダンスを検出するために使用され得る。インピーダンス測定は次に、選択される領域内の神経線維の存在を特定するために使用され得る。電極対に関連付けられる1つ以上の特定の領域内に神経が検出される場合、同一の電極対は、その領域にRFエネルギーを適用し、その領域内の神経を治療的に調節するために使用され得る。
【0086】
図5Gに示される実施形態では、第4の治療的神経調節デバイス502dは、治療用アセンブリ412の少なくとも一部分にわたって複数の電極444の極性を選択的に制御して、円形または渦巻きパターンで、多極性様式でRFエネルギーを適用するように構成される。図5Gに示される通り、ある分岐446の電極444は、負極性を有するように活性化され得、別の分岐446の電極444は、正極性を有するように活性化され得る。電極444の配列及び電極444間の可変的な距離は、エネルギー適用区画が異なる形状またはパターンを有するように、異なり得る。他の実施形態では、正及び負の電極444は、可変的な距離で互いに離間される。周囲の解剖学的構造からもたらされるインピーダンスの変化は、電極を連続的な様式で互いに対にさせ、それによって、エネルギーが半径方向に及び略渦巻き様式で適用される区画または領域を、継続的に増加させる。
【0087】
エネルギーは概して、正及び負の電極対が互いに遠くに離間されればされる程、隣接した標的組織内により深く伝わる。したがって、治療的神経調節エネルギーの影響の深さは、連結された電極対がバスケット442上で互いにより離れて置かれるのに伴い、増加すると予測される。図5Gに例証される実施形態では、例えば、バスケット442の遠位及び近位領域における電極対は、バスケット442の中央領域に位置付けられた電極対よりも、標的組織内で浅い深さにエネルギーを適用する。したがって、より近くに一緒に位置付けられた電極対は、互いにより離れて置かれた電極対よりも、より浅い深さにおいて神経を治療的に調節し得る。例証される実施形態に示される通り、電極444のうちのいく
つか及び/またはバスケット442の分岐446全体は、所望の深さのエネルギー適用及び/または神経調節パターンを達成するために、不活性のままであり得る。
神経検出及びマッピングの選択される実施形態
【0088】
本技術の種々の実施形態は、鼻領域内の標的部位における不均一な組織の生体電気の、誘電性の、及びまたは他の特性を測定して、神経線維の存在、場所、及び/または活性を決定し、任意に、検出された神経の場所をマッピングする特徴を含み得る。下記に述べられる特徴は、標的部位における神経の正確な描写を提供するために、本明細書に開示されるシステム及び/またはデバイスのいずれにも組み込まれ得る。
【0089】
神経検出は、(a)標的部位における神経の存在もしくは場所を決定する、及び/または神経活動のベースラインレベルを記録するために、治療的神経調節エネルギーの適用の前に、(b)治療部位における神経線維に対するエネルギー適用の効果を決定するために、治療的神経調節中に、ならびに/あるいは(c)標的化された神経における治療の有効性を確認するために、治療的神経調節の後に、生じ得る。鼻腔を神経支配する副交感神経線維の数及び場所の解剖学的変異、ならびにそれを通ってそれらが鼻腔内に入る多数の接近点(例えば、SPF、副孔、及びミクロ孔)のため、かかる神経検出及びマッピングは、SPFを横断する後鼻神経の1つまたは2つの主要分岐のみでなく副交感神経を適切に治療するための、神経構造の正確な表現を提供し得る。
【0090】
特定の実施形態では、本明細書に開示されるシステムは、例えば、インピーダンス、抵抗、電圧、電流密度、及び/または他のパラメータ(例えば、温度)等の生体電気測定を使用して、標的部位における生体構造、具体的には神経構造を決定し得る。次に、神経構造の場所は、治療部位(複数可)が、標的化された副交感性鼻神経の治療的に有効な神経調節のための種々の解剖学的構造に関わるべきかを決定するために使用され得る。例えば、情報は、鼻甲介または鼻道の場所に関して治療部位(複数可)を決定するために使用され得る。
【0091】
生体電気特性は、電極(例えば、図4~5Gの治療的神経調節デバイス402~502dの電極444)を介して検出され得る。デバイス(例えば、図4~5Gに関して説明される治療用アセンブリ412)上の電極対形成は、標的化された領域の特定の深さにおける特定の区画または領域において生体電気データを取得するように選択され得る。例えば、図6A及び6Bは、本技術の実施形態に従って構成された神経検出のための電極644の構成を例証する部分概略図である。図6Aに示される通り、電極644が互いにより離れれば離れるほど、電流は組織内へより深く流れる。したがって、電極644は、所望の測定が行われるべき深さに基づいて選択的に活性化され得る。図6Bに示される通り、平面(例えば、組織の表面)に沿った電極644間の間隔は、測定が行われる領域に影響を及ぼし得る。したがって、電極644は、所望の深さにおいて、所望の領域にわたって情報(例えば、インピーダンス)を取得するように、選択的に活性化され得る。他の実施形態では、生体電気特性は、光コヒーレント断層撮影(OCT)、超音波、及び/または他の好適な検出モダリティを使用して検出され得る。
【0092】
生体電気特性の測定は、神経線維の場所のみでなく、全体的な生体構造(例えば、鼻甲介、鼻道、骨等)の特定に関連付けられる情報を提供し得、これは、システムの送達及び全体的な生体構造に対する標的神経の特定を促進するために使用され得る。例えば、全体的な標的特定は、鼻領域内の軟及び硬組織上の入射電磁場を評価することによって決定され得、これは、それらの特徴の局所幾何学及び誘電特性に依存する。例えば、鼻腔の生体構造の層状構造(例えば、鼻粘膜、粘膜下層、骨膜、及び骨板)のため、軟及び硬組織の相対的な伝導度には大きな差異があり、これは、鼻甲介上の「より深い」粘膜組織を鼻甲介の外部の「浅い」組織と区別するために使用され得る。
【0093】
特定の実施形態では、神経マッピングのための測定は、一定の電流を電極に適用し、隣接する電極の対間の電圧差を測定して、スペクトルプロファイルを作成するか、または標的部位において組織をマッピングすることによって取得され得る。インピーダンスデータは、標的組織に高、中、及び/または低周波数を適用しながら取得され得る。高周波数では、電流は、細胞膜を直接通過し、結果として得られる測定は、細胞の外側及び内側の両方の組織及び液体を示す。低周波数では、細胞膜は、電流を妨げ、組織の異なる定義的特性を提供する。したがって、生体インピーダンスは、組織及び/または鼻腔の他の構造の標的化された形状または電気的特性を測定するために使用され得る。それに加えて、複雑な神経マッピングは、2つの異なる周波数での測定データ(例えば、インピーダンス)を必要とする周波数差再構成を使用して実施され得る。
【0094】
生体電気特性を介して神経の場所及び活性を検出するとき、検出される神経束の空間的配向、方向、及び活性は、神経をさらに特定及び特性化するために使用され得る。例えば、測定される生体電気特性は、終了する軸索(すなわち、検出領域に入るが、そこから出ない)、分岐する軸索(すなわち、検出領域に入り、検出領域から出るときに数が増加する)、移動する軸索(すなわち、幾何学または数値の変化を伴うことなく検出領域に入り、そこから出る)、及び/または神経の他の特性を区別し得る。それに加えて、電極アレイに対する軸索の配向は、神経線維が、平行(X方向)に、垂直(Y方向)に、貫通する深さ(Z方向)に、及び/またはこれらのパラメータに対する任意の相対的位置もしくは角度に延在するかを示すために特定され得る。この情報は次に、特定の神経線維を選択的に治療するために使用され得る。例えば、選択される電極構成が、特定の領域を治療するために適用され得、及び/または治療用アセンブリは、異なる配向もしくは場所から神経を治療するために移動もしくは操作され得る。
【0095】
特定の実施形態では、温度測定は、鼻組織に対する治療的神経調節の効果を決定するために取得され得る。例えば、図7は、温度に対する鼻組織の電気伝導率の閾値レベルを例証するグラフである。第1の曲線701は、温度に応答した組織の電気伝導率(σ)を描いており、約70℃の温度が、組織のインピーダンスの不可逆的変化の第1の閾値に対応することを示す。第2の曲線703は、治療的神経調節中に起こり得るように、組織が70℃の温度に曝露された後に、組織の電気伝導率が恒久的に著しく増加する(すなわち、インピーダンスが減少する)ことを示す。組織温度が約70℃であると検出されたときに治療的神経調節が停止される場合、組織が構造的に変化または損傷される(例えば、蒸発、乾燥等によって)段階に到達することなく、組織の伝導率の恒久的に測定可能な変化があると予測される。しかしながら、組織が約90℃の第2の熱閾値を上回る温度に曝露される場合、組織は、高度の組織乾燥を受け、したがって電気伝導率の著しい減少(すなわち、より高レベルの電気インピーダンス)を受ける。第3の曲線705は、90℃を上回る温度への曝露後の、このより低い組織の電気伝導率を例証する。したがって、種々の実施形態では、本明細書に開示されるシステムは、温度が約70℃(例えば、70~80℃)に到達したときに神経調節を停止して、粘膜への構造的変化または損傷を回避ながらも、治療的に有効な神経調節であるために期待されるものを提供するように構成され得る。
【0096】
神経検出及びマッピングは、神経構造の処置前評定、神経調節中の組織の一時的変化に対する処置中評定及びフィードバック、ならびに/または有効性の確認としての神経活動の処置後評定を提供し得る。種々の実施形態では、処置前、処置中、及び処置後に行われる生体電気測定は、所見を評定及び確認するために、処置の各段階中に複数回行われ得る。処置前評定は、天然/宿主組織の生体電気特性を評価して、その後の行為に関する、また関心の解剖学的標的(例えば、神経、ミクロ孔等)を特定するための元の生物学的痕跡に対する参照ガイドとしてのベースラインを決定するために使用され得る。この情報は、既知の空間的構成内に多電極アレイを置き、電気解剖学的特性(例えば、異なる組織の種
類のインピーダンスの変動)を検出した後、マッピングすることによって決定され得る。結果として得られる解剖学的マッピングは、異なる組織の種類及び構造を特定するための、インピーダンスの変動による複数の平面における複数(高密度)の活性化順序の構成を含み得る。処置の間、インピーダンス測定は、電極が標的部位における組織との良好な接触を維持しているかを確認するために使用され得る。処置の間及び後、データは、処置中または処置後に記録されたスペクトルが、予測される組織の種類と一致した形状を有するかを決定するために使用され得る。処置後、情報は、標的化された神経が治療的に治療されたかを決定するために使用され得る。
【0097】
他の実施形態では、神経線維の活動電位は、標的領域内の神経の場所及び/または活性を動的にマッピングするために、電極及びまたは他の接点を介して検出され得る。例えば、記録された活動電位は、高速のニューロン脱分極を数的に測定する、マッピングする、及び/またはその画像を作製して、神経活動の正確な絵を生成するために使用され得る。概して、ニューロン膜の脱分極は、約110μVの電圧における降下を引き起こし得、約2msを有し、1000Ωcm~25Ωcmのインピーダンス/抵抗を有する。さらなる実施形態では、活動電位活性に関連付けられる(すなわち、イオン勾配を正常に戻すための)代謝回復プロセスも、標的部位における神経を動的にマッピングするために検出及び使用され得る。これらの特徴に関連付けられる生体電気特性の検出は、変化が遥かに大きく(例えば、およそ1000倍大きい)、したがって測定がより容易であるという利点を有する。
【0098】
種々の実施形態では、活動電位の記録を強化するために、非治療的刺激(例えば、RFエネルギー)が、電極アレイのうちの2つ以上の電極を介して検出領域における組織に適用され得る。刺激性エネルギーの適用は、神経線維を一時的に活性化し得、結果として得られる活動電位は、記録され得る。例えば、治療用アセンブリの2つ以上の電極は、エネルギーの刺激性パルスを送達し得、他の2つ以上の電極は、結果として得られる活動電位を検出するように構成され得る。刺激性エネルギーパルスは、活動電位信号を強化し、記録をより容易にすると予測される。
治療的神経調節デバイスの選択される実施形態
【0099】
図8及び9は、本技術の実施形態に従って構成された治療的神経調節デバイス802(「デバイス802」)の遠位部分の等角図である。デバイス802は、図4~5Gを参照して上記に説明される治療的神経調節デバイス402及び502a~dの特徴に概して類似の種々の特徴を含み得る。例えば、デバイス802は、シャフト408の遠位部分408bにおける治療用アセンブリ812を含む。治療用アセンブリ812は、分岐446を形成し、拡張可能なフレームまたはバスケット442を画定する複数の支柱440と、支柱440のうちの1つ以上の上に配設された1つ以上の電極444とを含む。図8及び9に示される通り、デバイス902は、支持部材448によって担持され、バスケット442内で拡張可能である拡張可能な部材856(例えば、バルーン)をさらに含み得る。拡張可能な部材856は、拡張可能な部材856の外側表面上に配設された複数の電極858を含み得る。電極858は、他の電極444を介した治療的神経調節の前、間、及び/または後の標的部位における神経構造のマッピングを可能にするために、生体電気特徴(例えば、インピーダンス)の検出のために使用され得る。他の実施形態では、電極858は、治療的神経調節のためのエネルギーを適用するように構成され得る。
【0100】
図8及び9に示される通り、電極858は、実質的に対称な様式及び均一な分布で拡張可能な部材856上に位置付けられ得る。これは、それによってインピーダンス及び/または他の特性が組織にわたって検出され得、したがって、治療部位における組織及び神経のより詳細なマッピングを提供する場合がある拡張性アレイを提供する。他の実施形態では、電極858は、拡張可能な部材856の中央部分に向かって、及び/または拡張可能
な部材856の異なる部分の周りで群化され得る。特定の実施形態では、電極858は、特定の極性で選択的に活性化され得、したがって電極アレイは、多様な静的構成で構成され、順序を動的に変化させる(例えば、電流のセスキ極性適用)ことができ、これは、マッピング機能に有利であり得る。
【0101】
動作中、拡張可能な部材856は、膨張されるか、さもなくば拡張されて(図9)、電極858の少なくとも一部分を標的部位において組織と接触して定置し得る。電極858は、治療部位における神経を検出する、その場所を決定する、及び/またはそれをマッピングするための組織の種々の生体電気特性(例えば、インピーダンス、活動電位等)を測定し得る。特定の実施形態では、支柱440上の電極444及び/または拡張可能な部材856上の電極858の部分は、RFエネルギーの刺激性パルスを適用し得、電極858は、結果として得られる神経応答を検出し得る。マッピング後、拡張可能な部材856は、収縮されるか、または折り畳まれることができ(図8)、支柱440上の電極444は、治療的に有効な神経調節エネルギーを標的部位に適用し得る。例えば、電極444の切除パターンは、拡張可能な部材856上の感知電極858から検出された情報を介して特定される神経の場所に基づき得る。他の実施形態では、拡張可能な部材856は、神経調節中は拡張されたままであってもよく、電極858は、神経調節処置中に神経活動を検出し得るか、または電極858は、それ自体が治療部位に神経調節エネルギーを適用するように構成され得る。神経調節エネルギーの適用後、拡張可能な部材856上の電極858は、再び標的部位において組織と接触して定置され、生体電気特性(例えば、インピーダンス)を記録するために使用され得る。神経調節の前、間、及び/または後に取得される、検出される特性(例えば、インピーダンス)は、神経調節が治療的に有効であったかを決定するために互いに比較され得る。そうではない場合、電極444は、同一の治療部位に再び治療的神経調節エネルギーを適用し得るか、または、異なるパターンもしくは順序で治療的神経調節エネルギーを適用するために、活性電極444の構成が変化され得るか、及び/または、治療用アセンブリ812が、異なる治療部位に移動され得る。
【0102】
図10Aは、本技術の別の実施形態に従って構成された治療的神経調節デバイス1002(「デバイス1002」)の遠位部分の等角図であり、図10Bは、治療部位における図10Aの治療的神経調節デバイス1002を例証する等角図である。デバイス1002は、図4~5G、8、及び9を参照して上記に説明される治療的神経調節デバイス402、502a~d、及び802の特徴に概して類似の種々の特徴を含み得る。例えば、デバイス1002は、シャフト1008と、シャフト1008の遠位部分1008bにおける治療用アセンブリ1012とを含む。治療用アセンブリ1012は、分岐1046を形成し、拡張可能なフレームまたはバスケット1042を画定する複数の支柱1040と、支柱1040のうちの1つ以上の上に配設された1つ以上の電極1044とを含む。図10Aに示される通り、デバイス1002は、シャフト1008の遠位部分に沿って配設された二次的なまたは戻り電極1060をさらに含み得る。例証される実施形態では、戻り電極1060は、リング様形状を有するリング電極であるが、他の実施形態では、戻り電極1060は、他の形状または構成を有してもよい。
【0103】
戻り電極1060は、負極性でバイアスされてもよく、支柱1040上の電極1044の少なくとも一部分は及び/または治療用アセンブリ1012の他の部分は、正極性でバイアスされてもよい。図10A内に矢印によって示される通り、双極性RFエネルギーは、治療用アセンブリ1012からシャフト1008のこの遠位部分1008b上の戻り電極1060に及ぶ領域にわたって、流れ得る。種々の実施形態では、RFエネルギーは、セスキ極性様式で適用され得る(すなわち、不均衡な双極性エネルギー)。
【0104】
図10Bに示される通り、治療用アセンブリ1012は、SPFの下方、かつ下鼻甲介ITならびに口蓋骨を横断するミクロ孔MF及び神経Nの少なくとも一部分の上方に位置
付けられ得る。戻り電極1060は、下鼻甲介ITならびに口蓋骨を横断するミクロ孔MF及び神経Nの少なくとも一部分の下方に位置付けられ得る。RFエネルギーは次に、治療用アセンブリ1012から戻り電極1060に及ぶ広い領域にわたって適用され得る。図10Bに示される通り、例えば、デバイス1002は、高密度のミクロ孔が存在する下鼻甲介の上部及び底部にわたってエネルギーを適用し得る。
【0105】
図11A~11Dは、本技術のさらなる実施形態に従って構成された治療的神経調節デバイス1102(個々に第1のデバイス1102a及び第2のデバイス1102bと称される)の遠位部分を例証する等角図である。第1のデバイス1102aは、図4~5G及び8~10Bを参照して上記に説明される治療的神経調節デバイス402、502a~d、802、及び1002の特徴に概して類似の種々の特徴を含み得る。例えば、第1のデバイス1102aは、シャフト1108と、シャフト1108の遠位部分1108bにおける治療用アセンブリ1112とを含む。治療用アセンブリ1112は、可撓性膜1162を含み、該可撓性膜1162は、可撓性膜1162にわたってアレイ内に配列された複数の電極1144及び/または他のエネルギー送達要素を担持する。
【0106】
図11A~11Cに示される通り、可撓性膜1162は、低プロファイル送達状態(図11A)から拡張状態(図11B)へと自己拡張または機械的拡張手段を介して変形し、鼻腔からデバイスを除去するために、低プロファイル送達または回収状態(図11C)に戻るように構成され得る。図11Bに示される拡張状態では、可撓性膜は、可撓性膜1162(及びその上に配設された電極1144)と非平面的な生体構との間の接触面積を強化するように、鼻の空間(例えば、鼻甲介、洞、及び/または他の鼻傍)の凹凸のある生体構造に適合し得る。可撓性膜1162は、電極1144を支持するような可撓性で動的な材料から作製され得る。例えば、特定の実施形態では、可撓性膜1162は、ポリマーフィラメントならびに/または可撓性膜1162に支持及び構造を付加する他の材料を含み得る。種々の実施形態では、可撓性膜1162は、所定の形状を保持するために予め設定された幾何学を有し得る。例えば、可撓性膜1162及び/または可撓性膜1162上の電極アレイは、球面曲率を保持し得る(例えば、図11Aに示される通り)。
【0107】
種々の実施形態では、シャフト1108は、可撓性膜1162の展開及び再捕捉を可能にするように、可撓性膜1162に対して移動可能であり得る。例えば、可撓性膜1162は、送達状態(図11A)にあるときに、丸められるか、さもなくば円形形状に折り畳まれてもよい。拡張状態(図11B)に移動するために、シャフト1108の構成要素は、可撓性膜1162に対して軸方向に回転及び/または移動されて、可撓性膜1162が少なくとも部分的に開き、周囲の生体構造の構造に適合して、電極1144を標的部位において組織と接触して定置するように、可撓性膜1162をほどくか、さもなくば拡張し得る。撤回された状態(図11C)にデバイスを再捕捉するために、シャフト1108は、可撓性膜1162を近くへ巻くか、さもなくば折り畳むように、軸方向または回転様式で再び移動され得る。
【0108】
図11A~11Cに示される通り、電極1144は、例えば、ナノリボン、ナノワイヤ、直接インキング、多方向印刷/沈着、及び/または他の好適な電気コネクタ等の複数のコネクタ1164を通じて、相互接続されてもよい。種々の実施形態では、電極1144間の相互接続1164は、「U」、「S」、または楕円形形状を有する周期的な波状の導管または線を含み得る。これらの波状コネクタ1164は、可撓性膜1162内に多次元ばねを形成する、及び/または標的部位における組織に対する可撓性膜1162の並置を促進して、エネルギー伝導率/移動を改善する所定の形状を可撓性膜1162に付与してもよい。
【0109】
電極1144は、可撓性膜1162上に表面取り付けされるか、または可撓性膜116
2の多層の複合構造内に埋め込まれてもよい。種々の実施形態では、電極1144は、比較的小さいサイズであってもよく、50~2,000ミクロンの範囲の直径を有する。電極1144は、単極性、双極性、または多極性様式でエネルギーを送達するように構成されてもよい。例えば、多極性電極は、電極1144間の線形及び角度付き(斜め方向)のエネルギー接続性を促進するために、双極性配列及び4極性配列で使用され得る。
【0110】
電極1144は、シャフト1108内に収容された接続パッド、及び/またはハンドルもしくはコンソール等のシャフト1108の近位部分に接続された特徴に接続され得る。電極1144は、伝導性コネクタケーブル(例えば、金属製ケーブル、ポリマーケーブル、及び/またはそれらの組み合わせ)を通じて接続パッドに接続され得る。
【0111】
特定の実施形態では、可撓性膜1162はまた、RFエネルギーの送達を制御し、予め定義された治療パラメータを維持するためのフィードバックシステム(図示せず)を収容してもよい。例えば、可撓性膜1162の電子回路は、RFエネルギーのエネルギー消散及び貫通深さを制御するための温度フィードバックを提供する熱センサを含んでもよい。可撓性膜1162の電子回路の特徴はまた、治療的エネルギー適用の効果を決定するために、治療部位における抵抗及び温度を測定してもよい。この情報は、エネルギー適用を調整し、宿主組織への二次的損傷を回避するために使用されてもよい。例えば、電極1144を介したエネルギー送達は、検出される温度及び/または抵抗が所定の閾値最大値(例えば、組織損傷に関連付けられる閾値温度)に到達した場合に、自動的に終了されてもよい。電極1144を介したエネルギー送達は、検出される温度及び/または抵抗が、副交感性鼻神経の治療的に有効な調節に関連付けられるパラメータを示す所定の閾値範囲を下回る場合に、自動的または手動的に調整されてもよい。他の実施形態では、フィードバックシステムは、可撓性膜1162上の電極1144及び任意の追加的なセンサに通信可能に連結された構成要素に組み込まれ得る。例えば、フィードバックシステムは、図2のコンソール204上に保存され、制御装置218(図2)によって実行され得る。
【0112】
図11Dに示される実施形態では、第2のデバイス1102bは、図11A~11Cを参照して上記に説明される第1のデバイス1102aの特徴に概して類似の種々の特徴を含み得る。例えば、図11Dのデバイス1102bは、可撓性膜1162を含み、該可撓性膜1162は、可撓性膜1162上に配設されるか、またはその中に埋め込まれた複数の電極1144及び関連する電気コネクタ1164を担持する。デバイス1102bは、可撓性膜1162を担持する拡張可能なフレーム1166をさらに含む。フレーム1166は、U字形状を有してもよく、形状記憶材料(例えば、ニチノール)から作製され得る。他の実施形態では、フレームは、異なる形状を有してもよく、及び/または可撓性膜1162を支持するのに好適な異なる材料から作製されてもよい。
【0113】
動作中、フレーム1166は、鼻腔の生体構造に対する可撓性膜1162の展開を促進し、可撓性膜1162及び関連する電極1144のアレイのための支持を提供する。U字型フレーム1166は、標的部位において非平面的な生体構造に接触する可撓性膜1162の能力を強化し得る。種々の実施形態では、例えば、フレーム1166は、標的の表面組織に対する膜1162の正方向の並置を確立し、電極1144から標的組織へのエネルギー伝導率/移動を改善するための片持ちばねとして機能してもよい。
【0114】
図12は、本技術のさらなる実施形態に従って構成された治療的神経調節デバイス1202(「デバイス1202」)の遠位部分の側面図である。デバイス1202は、図4~5G及び8~11を参照して上記に説明される治療的神経調節デバイス402、502a~d、802、1002、及び1102の特徴に概して類似の種々の特徴を含む含む。例えば、デバイス1202は、シャフト1208と、シャフト1208の遠位部分1208bにおける、電極1244等の複数のエネルギー送達要素を含む治療用アセンブリ121
2とを含む。例証される実施形態では、治療用アセンブリ1212は、シャフト1208の遠位部分1208bにおいて渦巻き/螺旋形セクション1268に沿って配列された4つの電極1244を含む。他の実施形態では、しかしながら、治療用アセンブリ1212は、1、2、3、もしくは4つを超える電極1244を含んでもよく、及び/または異なるエネルギー送達要素を含んでもよい。治療用アセンブリ1212はまた、治療的神経調節エネルギーの適用の前、間、及び/または後に治療部位における種々の特性を検出し、治療用アセンブリ1212の動作を制御するために使用され得るフィードバックを提供するための温度センサ1252(例えば、熱電対)及び/または他の種類のセンサを含み得る。かかるセンサは、本明細書に開示される治療用アセンブリの他の実施形態のいずれかに組み込まれ得る。
【0115】
治療用アセンブリ1212の送達中、シャフト1208の渦巻き/螺旋形セクション1168は、セクション1268が、導入器鞘内に及び/またはシャフト1208に関連付けられる機械的構成要素を介して実質的に狭められるかまたは平坦にされる、低プロファイル送達状態に位置付けられ得る。標的部位において、操作者は、渦巻き/螺旋形セクション1268を拡張状態(図12に示される)に変形させて、電極1244のうちの1つ以上を標的組織と接触して定置し得る。電極1244のうちの1つ以上は次に、RFエネルギー(例えば、単極性及び/または双極性RFエネルギー)を鼻領域内の標的部位における組織に適用して、治療部位の近位の神経を治療的に調節するために、選択的に活性化され得る。他の実施形態では、シャフト1208の遠位セクションは、標的部位において組織と接触した電極1244の定置を促進する他の好適な形状、サイズ、及び/または構成を有し得る。例えば、さらなる実施形態では、シャフト1208の遠位部分1208bは、半円形の、湾曲した、曲がった、もしくは直線の形状を有し得、及び/または治療用アセンブリ1212は、電極1244のうちの1つ以上を担持するように構成された複数の支持部材を含み得る。
【0116】
図13は、本技術のまたさらなる実施形態に従って構成された治療的神経調節デバイス1302(「デバイス1302」)の遠位部分の側面図である。デバイス1302は、図4~5G及び8~12を参照して上記に説明される治療的神経調節デバイス402、502a~d、802、1002、1102、及び1202の特徴に概して類似の種々の特徴を含む含む。例えば、デバイス1302は、シャフト1308と、シャフト1308の遠位部分1308bにおける、電極1344のアレイ等の複数のエネルギー送達要素を含む治療用アセンブリ1312とを含む。図13に例証される実施形態では、治療用アセンブリ1312は、電極1344を担持するバルーン1370を含む。支持部材1372は、バルーン1370を支持するようにバルーン1370の長さを通って延在し、任意に、標的部位への治療用アセンブリ1312の送達を促進するようにガイドワイヤ(図示せず)がそれを通って延在し得るチャネルを含み得る。他の実施形態では、支持部材1372は、省略されてもよい。
【0117】
電極1344は、バルーン1370の表面上に印刷された、噴霧された、及び/または別の方法で配設された伝導性インクから作製され得る。かかる伝導性インク電極は、複雑な電極構成の使用を促進する。それに加えて、熱電対(図示せず)もまた、伝導性インク及び/または他の好適な方法を使用して、バルーン1370の表面上に組み込まれ得る。他の実施形態では、電極1344は、箔から作製され、バルーン1370の表面に接着され得る。さらなる実施形態では、電極1344は、バルーン1370の表面上に配設されてもよい、及び/またはバルーン1370の材料内に埋め込まれてもよい、他の好適な材料から作製され得る。
【0118】
バルーン1370は、種々の異なる材料から作製され、種々の異なる形状を有し得る。例えば、図13に示される通り、バルーン1370は、拡張状態にあるときに卵形形状を
有し得、これは、鼻腔内の標的部位における解剖学的変異への適合を改善すると予測される。他の実施形態では、バルーン1370は、円形形状、球体形状、不規則な形状、及び/または鼻の生体構造内で拡張のための他の好適な形状を有し得る。バルーン1370は、バルーン1370が鼻領域内で拡張されるときに、解剖学的相違に適合することを可能にする柔軟性材料(例えば、ウレタン材料)から作製され得る。他の実施形態では、バルーンは、バルーン1370が拡張されるときに定義された形状を有することを可能にし、バルーン表面への電極1344の取着を促進する非柔軟性材料(例えば、ポリエチレン、テレフタレート、ナイロン等)から作製されてもよい。さらなる実施形態では、バルーン1370は、浸漬被覆され、シャフト1308の遠位端部に球形の先端を形成してもよい。
【0119】
バルーン1370は、支持部材1372内の開口もしくはポート1374及び/またはバルーン1370の内側と流体連通しているシャフト1308内の開口を介して、流体によって膨張されてもよい。例えば、支持部材1372及び/またはシャフト1308は、流体がバルーン1370に送達され得るように、シャフト1308の長さに沿って延在し、シャフト1308の近位部分における流体供給に接続されたチャネルを含み得る。バルーン1370は、標的部位における鼻の生体構造に接して膨張して、電極1344を標的部位において組織と接触して定置し得る。
【0120】
標的部位において、電極1344は、RFエネルギーを組織に送達して、治療部位における神経を治療的に調節する。特定の実施形態では、電極1344のアレイは、バルーン1370の半径方向領域にわたって横方向の双極性RFエネルギーを適用するように、バルーン1370上に配列される、及び/または選択的に活性化され得る(すなわち、バルーン1370の円周部分の周りを延在する)。他の実施形態では、電極1344のアレイは、バルーン1370の長手方向領域にわたって長手方向の双極性RFエネルギーを適用するように、バルーン1370上に配列される、及び/または選択的に活性化され得る(すなわち、バルーン1370の近位部分と遠位部分との間に延在する)。
【0121】
種々の実施形態では、治療用アセンブリ1312は、鼻の生体構造内でのバルーン1370の位置付け及び治療部位における電極1344の適切な定置を促進する特徴を含んでもよい。例えば、図13に示される通り、内視鏡1371は、標的部位における定置中にバルーン1370及び標的部位の直接的な直列の視覚化を提供するように、バルーン1370の表面上に位置付けられてもよい。治療用アセンブリ1312はまた、治療用アセンブリ1312の空間的配向及び/または深さ位置付けを示すための、支持部材1372及び/またはバルーン1370の表面に沿った段階的マーキング1373も含み得る。
【0122】
特定の実施形態では、バルーン1370は、バルーン壁を通る流体の低速灌流を可能にし、エネルギーが標的組織に適用される間に電極1344を冷却するように構成され得る。例えば、かかる「浸出」バルーン1370は、バルーン壁を通る流体(例えば、生理食塩水溶液)の低速灌流を可能にするために、バルーン1370の少なくとも一部分に沿って、レーザー穴明け機穴及び/または他の小さい開口もしくは孔を含み得る。バルーンが生理食塩水溶液を灌流させるとき、生理食塩水溶液は、電極1344と標的組織との間の電気伝導率を改善すると予測され、標的部位における神経に対するRFエネルギーの効果を強化し得る。他の実施形態では、冷却された流体は、電極1444の活性化中にバルーン1470を通して循環されて、エネルギー送達中に電極1444及び周囲の組織を冷却し得る。
【0123】
図14は、本技術の追加的実施形態に従って構成された治療的神経調節デバイス1402(「デバイス1402」)の遠位部分の側面図である。デバイス1402は、図13を参照して上記に説明される治療的神経調節デバイス1302の特徴に概して類似の種々の
特徴を含む含む。例えば、デバイス1402は、シャフト1408と、シャフト1408の遠位部分1408bにおける治療用アセンブリ1412とを含む。治療用アセンブリ1412は、バルーン1470と、バルーン1470を支持する支持部材1472と、バルーン1470上に配設された電極1444のアレイ等の複数のエネルギー送達要素とを含む。図14に例証される実施形態では、電極1444は、バルーン1470の表面に接着されたフレックス回路1476の一部である。フレックス回路1476は、高度にカスタマイズ可能な神経調節パターンを作成し得る複雑な電極アレイの作成を促進する。特定の実施形態では、例えば、フレックス回路1476は、バルーン1470の表面に沿った伝導性の戻り電極と、バルーン1470の近位または遠位部分(例えば、バルーン1470の円錐形端部部分)上の複数の電極とを含み得る。それに加えて、フレックス回路1476は、エネルギー適用の前、間、及び/または後に治療部位における温度を検出するために、熱電対及び/またはサーミスタを、バルーン1470の表面上の回路に組み込み得る。
【0124】
図15は、本技術の追加的実施形態に従って構成された治療的神経調節デバイス1502(「デバイス1502」)の遠位部分の等角側面図である。デバイス1502は、図13及び14を参照して上記に説明される治療的神経調節デバイス1302及び1402の特徴に概して類似の種々の特徴を含む含む。例えば、デバイス1502は、シャフト1508と、シャフト1508の遠位部分1508bにおける治療用アセンブリ1512とを含む。治療用アセンブリ1512は、内側支持部材1580の周りに位置付けられた複数のバルーン1578と、バルーン1578のうちの1つ以上の上に配設された電極1544等の複数のエネルギー送達要素とを含む。特定の実施形態では、バルーン1578は、独立して膨張可能である。これは、バルーン1578の非対称で可変的な膨張を可能にし、それによって、治療用アセンブリ1512の、標的部位における鼻領域の凹凸のある幾何学に適合する能力を強化し、標的部位における組織に対する電極1544の並置を促進する。
【0125】
例証される実施形態では、4つの独立して膨張されるバルーン1578が、内側支持部材1580の外周の周りに位置付けられる。しかしながら、他の実施形態では、デバイス1502は、内側支持部材1580の周りに配列された4つ未満のバルーン1578または4つ超のバルーン1578を含み得る。さらなる実施形態では、バルーン1578は、異なるサイズ及び/または形状を有し得、内側支持部材1580の種々の部分に沿って位置付けられ得る。またさらなる実施形態では、バルーン1578は、端部部分において内側支持部材1580に取着され、膨張される(例えば、図4の治療的神経調節デバイス402の支柱440に類似の様式で)ときに内側支持部材1580から外向きに延在する支柱として構成される。
【0126】
エネルギー送達中、電極1544は、異なるバルーン1578上の電極1544にわたって、及び/または同一のバルーン1578上の電極1544間に双極性RFエネルギーを適用するように構成され得る。他の実施形態では、電極1544は、セスキ極性様式でエネルギーを適用する。例えば、内側支持部材1580は、戻り電極(図示せず)を含み得、バルーン1578のうちの2つ以上の上の電極1544が、セスキ極性RFエネルギー送達のために活性化されてもよい。
【0127】
図16は、本技術の追加的実施形態に従って構成された治療的神経調節デバイス1602(「デバイス1602」)の遠位部分の側面断面図である。デバイス1602は、上記に説明される治療的神経調節デバイスの特徴に概して類似の種々の特徴を含む。例えば、デバイス1602は、シャフト1608と、シャフト1608の遠位部分1608bにおける治療用アセンブリ1612とを含む。図16に例証される実施形態では、治療用アセンブリ1612は、凍結治療的冷却を適用して、標的部位における神経を治療的に調節す
るように構成される。図16に示される通り、凍結治療用アセンブリ1612は、供給ルーメン1684内の対応する開口部1686を介して1つ以上の供給管またはルーメン1684と流体連通する拡張チャンバ1682(例えば、バルーン、膨張可能な本体等)を含み得る。供給ルーメン1682は、シャフト1608の少なくとも一部分に沿って延在し、少なくとも部分的に液体状態の冷却材をシャフト1608の遠位部分1608bに輸送するように構成され得る。排出管またはルーメン1689(例えば、シャフト1608の一部分によって画定される)は、排出ルーメン1689が冷却剤をシャフト1608の近位部分に戻し得るように、出口1688を介して拡張チャンバ1682の内側と流体連通して定置され得る。例えば、一実施形態では、排出ルーメン1689を介して拡張チャンバ1682から冷却剤を排出するために、シャフト1608の近位部分における真空(図示せず)が使用されてもよい。他の実施形態では、冷却剤は、当業者に既知の他の好適な機構を使用してシャフト1608の近位部分に輸送されてもよい。
【0128】
凍結療法中、供給ルーメン1684の開口部1686は、冷却剤の流れを制限し、供給ルーメン1684と拡張チャンバ1682との間に高い圧力差を提供し、それによって、拡張チャンバ1682内での冷却剤の気相への拡張を促進し得る。液体冷却剤が開口部1682を通過する際の圧力降下は、冷却剤を気体に拡張させ、温度を、鼻腔内の治療部位の近位の神経線維を調節し得る治療的に有効な温度に低減する。例証される実施形態では、拡張チャンバ1682は、標的部位において組織と接触し、鼻粘膜を神経支配する節後副交感神経線維の凍結治療的神経調節を引き起こすのに十分な速度でそれを冷却する伝熱部分1691を含む。例えば、治療用アセンブリ1602は、-40℃、-60℃、-80℃以下の温度で動作し得る。他の実施形態では、治療用アセンブリ1602は、より高い凍結治療的温度(例えば、5℃及び-15℃、-20℃等)で動作され得る。
【0129】
デバイス1602における極低温冷却に使用される冷却剤は、例えば、亜酸化窒素(N2O)、二酸化炭素(CO2)、ハイドロフルオロカーボン(例えば、Wilmington、DEのE.I.du Pont de Nemours and Companyによって製造され、入手可能であるFREON)、及び/または概ね周囲温度において少なくとも実質的に液相であるのに十分に高い圧力で保管され得る他の好適な流体等の、少なくとも実質的に液相で保管される圧縮または凝縮された気体であり得る。例えば、ジフルオロメタン(CH2F2、HFC-32またはR-32としても知られる)及びペンタフルオロエタン(CHF2CF3、HFC-125またはR-125としても知られる)の非共沸性であるが共沸性に近い混合物であるR-410Aは、約1.45MPa(210psi)の圧力で含有されるとき、概ね周囲温度において少なくとも実質的に液相であり得る。適切な条件下で、これらの冷却剤は、治療的神経調節をもたらすために、それらのそれぞれの標準沸点(例えば、亜酸化窒素に関してはおよそ-88℃)において、またはその付近で凍結治療的温度に到達し得る。
【0130】
他の実施形態では、治療用アセンブリ1612は、図16の拡張チャンバ1682というよりもむしろ、凍結治療用アプリケータを含み得る。かかる凍結治療用アプリケータは、神経の非常に標的化された治療のために使用され得る。
【0131】
図16にさらに示される通り、デバイス1602はまた、拡張チャンバ1682を通って延在し、拡張チャンバ1682の遠位部分を担持するように構成された支持部材1690も含み得る。支持部材1690はまた、ガイドワイヤGWを介した治療部位への治療用アセンブリ1612の送達を促進するために、その長さに沿って延在するチャネルと支持部材1690の遠位端部部分における開口1692とも含み得る。
【0132】
図17は、本技術の追加的実施形態に従って構成された治療的神経調節デバイス1702(「デバイス1702」)の遠位部分の側面断面図である。デバイス1702は、上記
に説明される治療的神経調節デバイスの特徴に概して類似の種々の特徴を含む。例えば、デバイス1702は、シャフト1708と、シャフト1708の遠位部分1708bにおける治療用アセンブリ1712とを含む。図17に例証される実施形態では、治療用アセンブリ1712は、標的部位における神経を熱的に治療的に調節するために、直接伝導加熱を適用するように構成される。図17に示される通り、治療用アセンブリ1712は、供給ルーメン1794の遠位部分における出口を介して供給管またはルーメン1794(例えば、シャフト1708の一部分によって画定される)と流体連通するバルーン1770を含み得る。供給ルーメン1794は、シャフト1708の少なくとも一部分に沿って延在し、加熱された流体(例えば、加熱された生理食塩水)をシャフト1708の遠位部分1708bにおけるバルーン1770に輸送するように断熱され得る。排出または戻り管またはルーメン1796(例えば、シャフト1708の一部分によって画定される)は、戻りルーメン1796が(例えば、シャフト1708の近位部分における真空を使用して)流体をシャフト1708の近位部分に排出し得るように、出口を介してバルーン1770の内側と流体連通して定置され得る。
【0133】
熱的な治療的神経性調節中、供給ルーメン1794は、加熱された流体をバルーン1770に供給し得、排出ルーメン1796は、流体をバルーン1770から排出するために使用され得、その結果、加熱された流体は(例えば、矢印によって示される通り)バルーン1770を通って循環する。加熱された流体は、鼻腔内の治療部位における標的組織に対して時間依存性の熱損傷(例えば、アレニウスの式を使用して決定される)を引き起こし、加熱された標的組織の内部またはその近位の神経線維を調節する、治療的に有効な温度に加熱され得る。例証される実施形態では、例えば、バルーン1770の壁及び/またはその一部分は、標的部位において組織と接触し、標的組織に対して熱損傷を引き起こし、鼻粘膜を神経支配する節後副交感神経線維の治療的神経調節を提供するのに十分な速度及び時間で組織を加熱し得る。
【0134】
図17に示される通り、デバイス1702はまた、バルーン1770を通って延在し、バルーン1770の遠位部分を担持するように構成された支持部材1790も含み得る。支持部材1790はまた、その長さに沿って延在するチャネルと、ガイドワイヤGWを介した治療部位への治療用アセンブリ1712の送達を促進するために使用され得る、支持部材1790の遠位端部部分における開口1792とも含み得る。
【0135】
図18は、本技術の追加的実施形態に従って構成された治療的神経調節デバイス1802(「デバイス1802」)の遠位部分の側面断面図である。デバイス1802は、上記に説明される治療的神経調節デバイスの特徴に概して類似の種々の特徴を含む。例えば、デバイス1802は、シャフト1808と、シャフト1808の遠位部分1808bにおける治療用アセンブリ1812とを含む。治療用アセンブリ1812は、膨張可能なバルーン1870と、バルーン1870を通って延在する支持部材1890とを含み得る。支持部材1890はまた、治療部位への治療用アセンブリ1812のガイドワイヤ送達を可能にする開口1892を有するチャネルを含んでもよい。
【0136】
図17の治療用アセンブリ1712と同様に、治療用アセンブリ1812は、標的部位における組織に治療的に有効な加熱を適用して、時間依存性の熱的組織損傷(例えば、アレニウスの式を使用して決定される)を引き起こし、加熱された標的組織の内部またはその近くの神経線維を調節し得る。しかしながら、図18に例証される実施形態では、加熱は、バルーン1880内に位置付けられ、支持部材1890及び/または治療用アセンブリ1812の別の特徴によって担持される加熱要素1898を介して供給される。加熱要素1898は、抵抗加熱(生成器を介する)及び/または他の好適な加熱機構を使用して加熱されるプレートまたは他の構造であってもよい。動作中、加熱要素1898からの熱は加熱要素1898からバルーン1870内の流体に、次にバルーン1870の壁を通し
て、治療部位における隣接した組織に移動し得る。加熱要素1898によって加熱された流体は、鼻腔内の治療部位における標的組織に対して熱損傷を引き起こし、加熱された標的組織の内部またはその近位の神経線維を調節する、治療的に有効な温度に加熱され得る。特定の実施形態では、バルーン1870は、加熱効果をバルーン1870の標的化された領域に集中させるために、その表面上に伝導性特徴(例えば、金属製パネル)を含み得る。
【0137】
他の実施形態では、バルーン1870は、鼻腔内の治療部位における標的組織に対する熱損傷を引き起こし、加熱された標的組織の内部またはその近くの神経線維を調節する治療的に有効な温度に到達するように、容量結合を介して加熱され得る。例えば、バルーン1870は、等張液を用いて膨張され得、バルーン1870は、高周波数でイオン的に撹拌されて、容量エネルギーがバルーン1870の膜にわたって標的組織へと放出することを可能にし得る。
【0138】
図19は、本技術の追加的実施形態に従って構成された治療的神経調節デバイス1902(「デバイス1902」)の遠位部分の側面図である。デバイス1902は、上記に説明される治療的神経調節デバイスの特徴に概して類似した種々の特徴を含む。例えば、デバイス1902は、シャフト1908と、シャフト1908の遠位部分1908bにおける治療用アセンブリ1912とを含む。図19に例証される実施形態では、治療用アセンブリ1912は、標的部位における神経を治療的に調節するために、プラズマまたはレーザー切除を適用するように構成される。図19に示される通り、治療用アセンブリ1912は、シャフト1908の遠位端部部分上に切除要素1999(例えば、電極)を含み得る。切除要素1999は、高エネルギーレーザーパルスを適用して、パルスの初めの少量の部分内の分子をイオン化し得る。このプロセスは、標的部位における組織及び神経を乾燥させるか、さもなくば破壊するために使用され得るプラズマの小泡または場(例えば、100~200μm)を導く。切除要素1999は、100℃未満の温度で動作し得、周囲の組織に対する熱的効果を制限し得る。
【0139】
他の実施形態では、切除要素1999は、標的部位における神経のレーザー切除を実施し得る。例えば、神経トレーサー(例えば、インドシアニングリーン(ICG))が、標的部位における神経を染色するために標的部位に注入され得る。切除要素1999は、神経トレーサーのスペクトルを吸収するように調整され、それによって標的部位において染色された神経を切除するレーザーであり得る。
【0140】
慢性副鼻腔炎の治療のための治療的神経調節の選択された実施形態
図20は、本技術の実施形態に従って構成された治療的神経調節デバイスのための、鼻洞の小孔の近位の標的部位を例証する部分切り欠き側面図である。上記に説明される治療的調節デバイス及びシステムのいずれも、慢性副鼻腔炎及び/または類似の兆候を治療するために、副鼻洞を神経支配する神経を治療的に調節するために使用され得る。図20を参照すると、副鼻洞は、前頭洞FS、蝶形骨洞SS、上顎洞(「MS」、図示せず)、ならびに後篩骨細胞(「PEC」)、中篩骨細胞(「MEC」)、及び前篩骨細胞(「AEC」)を含む篩骨洞または篩骨細胞(図示せず)を含む。各洞は、1つ以上の個別の小孔において鼻腔に対して開いている。図20は、前頭洞、蝶形骨洞、上顎洞の小孔、ならびに後、中、及び前篩骨細胞の小孔の一般的な場所を例証する。
【0141】
副交感神経は、洞の粘膜を神経支配し、洞内の粘液の産生を刺激する。洞を神経支配する副交感神経の過剰活性は、粘液の過剰産生及び軟組織の鬱血を引き起こし得る。洞の近位の軟組織の炎症は、引き起こし得、洞と鼻腔との間の導管を塞ぎ、洞への小孔を遮断し得る。それに加えて、過活動粘膜及び/または小孔の詰まりは、洞からの排出の不足に起因して生じる洞内の粘膜分泌物の滞留を引き起こし得る。これは、感染を導き、最終的に
は慢性副鼻腔炎の状態を導き得る。
【0142】
洞の自律神経機能を制御する副交感神経の治療的調節は、過活動粘膜分泌及び軟組織の鬱血を低減及び排除し、それによって慢性副鼻腔炎または関連する兆候を治療することが期待される。上記に説明される治療的神経調節デバイスのいずれも、罹患した蝶形骨洞、上顎洞、前頭洞、及び/または篩骨洞の小孔において、またはその近位に治療的に有効な神経調節エネルギーを適用して、洞の自律神経機能を調節するために使用され得る。例えば、治療的神経調節デバイスは、洞の小孔における、またはその周りの治療部位に、RFエネルギー、マイクロ波エネルギー、超音波エネルギー、凍結治療的冷却、治療的加熱、プラズマ切除、及び/またはレーザー切除を適用するために使用され得る。上記に説明されるデバイスと同様に、治療的神経調節デバイスは、所望の洞の小孔(複数可)に接近するために、鼻孔を介し、上鼻道、中鼻道、及び/または下鼻道を通って腔内に送達され得る。種々の実施形態では、図6A~9に関して上記に説明されるものに類似の神経マッピング技法が、治療の前、間、及び/または後に、小孔を神経支配する副交感神経の場所決定または検出のために使用され得る。洞の小孔の近位の標的部位における治療的神経調節の適用は、洞組織への副交感神経信号を乱し、小孔の開放及び流体を排出する能力を導き得る。
追加的な実施例
1.ヒト患者の鼻領域における治療的神経調節のためのシステムであって、
近位部分及び遠位部分を有するシャフトであって、該遠位部分を、該ヒト患者の蝶口蓋孔の下方の標的部位に、腔内に配置するように構成される、シャフトと、
該シャフトの該遠位部分における治療用アセンブリであって、該ヒト患者の口蓋骨のミクロ孔において鼻粘膜を神経支配する節後副交感神経を治療的に調節するように構成されたエネルギー送達要素を備える、治療用アセンブリと、を備える、システム。
2.該エネルギー送達要素が、該節後副交感神経を治療的に調節するために、超音波エネルギー、マイクロ波エネルギー、レーザーエネルギー、または無線周波数(RF)エネルギーのうちの少なくとも1つを送達するように構成される、実施例1のシステム。
3.該治療用アセンブリが、該節後副交感神経を化学的に調節するために、薬物を分注するように構成される、実施例1または2のシステム。
4.該シャフトが、該シャフトの該遠位部分に出口を有する薬物送達チャネルを備え、該薬物送達チャネルが、局所麻酔薬または神経ブロックのうちの少なくとも1つを該標的部位に送達するように構成される、実施例1~3のいずれか1つのシステム。
5.該シャフトが、該シャフトの該遠位部分に出口を有する流体チャネルを備え、該流体チャネルが、該標的部位に生理食塩水を送達して、該治療エリアを生理食塩水で濯ぐように構成される、実施例1~4のいずれか1つのシステム。
6.剛性金属部分を有する導入器をさらに備え、該剛性金属部分が、該標的部位に該治療用アセンブリを送達するために、鼻道を通って該標的部位に延在するようにサイズ決定及び成形される、実施例1~5のいずれか1つのシステム。
7.該シャフトが、操縦可能なカテーテルシャフトであり、該シャフトの該遠位部分が、3mm以下の曲げ半径を有する、実施例1~6のいずれか1つのシステム。
8.該シャフトの該遠位部分が、3mm以下の曲げ半径を有するようにサイズ決定及び成形された剛性リンクを有する関節運動領域を備える、実施例1~6のいずれか1つのシステム。
9.該シャフトに沿って固定部材をさらに備え、該固定部材が、該鼻領域の腔内で拡張して、該シャフトの該遠位部分を、該標的部位に該治療用アセンブリを展開するのに適切な位置に保持するように構成されたバルーンを含む、実施例1~8のいずれか1つのシステム。
10.該治療用アセンブリの該エネルギー送達要素が、節後副交感神経を治療的に調節するためのRFエネルギーを適用するように構成された複数の電極を備える、実施例1~9のいずれか1つのシステム。
11.該治療用アセンブリが、治療的調節前、治療的調節中、または治療的神経調節後のうちの少なくとも1つの神経活動を検出するように構成された複数の感知電極を備える、実施例1~10のいずれか1つのシステム。
12.該治療用アセンブリが、
低プロファイル送達状態と拡張状態との間で変形可能なバスケットであって、該バスケットが該拡張状態にあるときに互いに半径方向に離間される複数の支柱を含む、バスケットと、
該支柱上に配設された複数の電極であって、該複数の支柱が、該バスケットが該拡張状態にあるときに、該電極のうちの少なくとも2つを該標的部位に位置付けるように構成された、複数の電極と、を備え、
該電極が、該標的部位に、該標的部位の近位の副交感神経を治療的に調節するための無線周波数(RF)エネルギーを適用するように構成される、実施例1~11のいずれか1つのシステム。
13.該治療用アセンブリが、
低プロファイル送達状態と拡張状態との間で変形可能な可撓性膜と、
該可撓性膜上に配設された複数の電極と、を備え、
該電極が、該標的部位に、該標的部位の近位の副交感神経を治療的に調節するための無線周波数(RF)エネルギーを適用するように構成される、実施例1~11のいずれか1つのシステム。
14.該治療用アセンブリが、該可撓性膜を支持するフレームをさらに備える、実施例13のシステム。
15.該シャフトの該遠位部分が、低プロファイル送達状態と拡張状態との間で変形可能であり、
該シャフトの該遠位部分が、該シャフトの該遠位部分が該拡張状態にあるときに、渦巻き/螺旋形状を有し、
該エネルギー送達要素が、該シャフトの該遠位部分上に配設され、該標的部位に、該標的部位の近位の副交感神経を治療的に調節するための無線周波数(RF)エネルギーを送達するように構成された複数の電極を備え、
該シャフトの該遠位部分が、該シャフトの該遠位部分が該拡張状態にあるときに、該電極のうちの少なくとも1つを該標的部位において組織と接触して定置するように構成される、実施例1~11のいずれか1つのシステム。
16.該治療用アセンブリが、
低プロファイル送達状態と拡張状態との間で変形可能なバルーンと、
該バルーン上に配設された複数の電極であって、該標的部位に、該標的部位の近位の副交感神経を治療的に調節するための無線周波数(RF)エネルギーを送達するように構成された、複数の電極と、を備える、実施例1~11のいずれか1つのシステム。
17.該バルーンが、該バルーンが該拡張状態にあるときに、該バルーンを通る流体の灌流を可能にするように構成された複数の穴を備える、実施例16のシステム。
18.該バルーンを通って延在する支持体と、
該バルーンの空間的位置付けを特定するための、該支持体または該バルーンのうちの少なくとも1つの上の複数の段階的マーキングと、をさらに備える、実施例16のシステム。
19.該治療用アセンブリが、
低プロファイル送達状態と拡張状態との間で変形可能なバルーンであって、近位錐体部分を備える、バルーンと、
該バルーン上の戻り電極と、
該近位錐体部分上のフレックス回路であって、該戻り電極及び該フレックス回路が、該標的部位に、該標的部位の近位の副交感神経を治療的に調節するための無線周波数(RF)エネルギーを送達するように構成される、フレックス回路と、を備える、実施例1~11のいずれか1つのシステム。
20.該治療用アセンブリが、
該シャフトの該遠位部分から遠位に延在する複数のバルーンであって、独立して拡張可能である、バルーンと、
該バルーンの各々の上の少なくとも1つの電極であって、該標的部位に、該標的部位の近位の副交感神経を治療的に調節するための無線周波数(RF)エネルギーを送達するように構成された、電極と、を備える、実施例1~11のいずれか1つのシステム。
21.該バルーンの間の領域を通って延在し、該バルーンを担持するように構成された内部支持部材であって、戻り電極を含む、内部支持部材をさらに備える、実施例20のシステム。
22.該治療用アセンブリが、該標的部位において組織に極低温冷却を適用して、自律神経活動を治療的に調節するように構成された凍結治療用バルーンを備える、実施例1~9のいずれか1つのシステム。
23.該治療用アセンブリが、拡張されるときに標的状態において組織と接触するようにサイズ決定及び成形されたバルーンを備え、該バルーンが、少なくとも60℃に加熱された流体を循環させて、自律神経活動を熱的に調節するように構成される、実施例1~9のいずれか1つのシステム。
24.該治療用アセンブリが、
流体と共に拡張されるように構成されたバルーンであって、拡張されるときに該標的状態において組織と接触するようにサイズ決定及び成形された、バルーンと、
該バルーン内の加熱部材であって、該バルーン内で該流体を加熱して、自律神経活動を熱的に調節するように構成された加熱部材と、を備える、実施例1~9のいずれか1つのシステム。
25.該治療用アセンブリが、プラズマ切除プローブを備える、実施例1~9のいずれか1つのシステム。
26.ヒト患者の鼻領域における治療的神経調節のためのシステムであって、
近位部分及び遠位部分を有するシャフトであって、該遠位部分を標的部位に腔内に配置するように構成され、該標的部位が、ヒト患者の蝶口蓋孔の近位または該蝶口蓋孔の下方のうちの少なくとも1つである、シャフトと、
該シャフトの該遠位部分にあり、低プロファイル送達状態と拡張状態との間で変形可能である治療用アセンブリであって、複数の支柱及び該支柱上に配設された複数の電極を備え、該複数の支柱が、該治療用アセンブリが該拡張状態にあるときに、該電極のうちの少なくとも2つを該ヒト患者の蝶口蓋孔の下方の該標的部位に位置付けるバスケットを形成する、治療用アセンブリと、を備え、
該電極が、該標的部位に、該標的部位の近位の副交感神経を治療的に調節するための無線周波数(RF)エネルギーを適用するように構成される、システム。
27.該複数の支柱が、該拡張状態において互いに半径方向に離間されて、該バスケットを画定するような少なくとも3つの支柱を備え、
該3つの支柱の各々が、該電極うちの少なくとも1つを含む、実施例26のシステム。
28.該バスケットが、該拡張状態において互いに半径方向に離間されて、該バスケットを形成するような少なくとも3つの分岐を備え、
各分岐が、互いに隣接して位置付けられた少なくとも2つの支柱を備え、
各支柱が、該電極のうちの少なくとも1つを含む、実施例26または27のシステム。
29.該電極のうちの1つに少なくとも近位に位置付けられた熱電対をさらに備え、該熱電対が、該治療用アセンブリが該拡張状態にあるときに、該電極と該電極に隣接した組織との間の境界面にて温度を検出するように構成される、実施例26~28のいずれか1つのシステム。
30.該電極の各々が、独立して活性化され、独立して選択的な極性に割り当てられて、該バスケットの選択された領域にわたって治療的神経調節を適用するように構成される、実施例26~29のいずれか1つのシステム。
31.該バスケットが、球体または卵形形状を有し、該電極が、選択的に活性化されて、
該バスケットのセグメント、四分円、または半球のうちの少なくとも1つにわたってRFエネルギーを適用するように構成される、実施例26~30のいずれか1つのシステム。
32.該複数の電極が、対応する第1~第3の支柱上に配設された第1~第3の電極を備え、
該システムが、該複数の電極に動作可能に連結された制御装置をさらに備え、該制御装置が、命令を保有するコンピュータ可読媒体を有し、該命令は、該制御装置によって実行されるときに、該複数の電極の第1~第3の電極を、
該第1の電極が、正極性を有し、
該第2及び第3の電極が、負極性を有し、
該電極が、該バスケットの選択された周辺領域にわたってRFエネルギーをセスキ極性様式で適用するように活性化する、実施例26~31のいずれか1つのシステム。
33.該バスケットが、該複数の支柱の間の領域を通って延在し、該複数の支柱の遠位端部部分を支持する遠位端部部分を有する内部支持部材を備え、
該複数の支柱が、少なくとも第1の支柱及び第2の支柱を備え、
該複数の電極は、該第1の支柱上に配設された第1の電極、該第2の支柱上に配設された第2の電極、及び該内部支持部材の該遠位端部部分上に配設された第3の電極を備え、
該システムが、該複数の電極に動作可能に連結された制御装置をさらに備え、該制御装置が、命令を保有するコンピュータ可読媒体を有し、該命令は、該制御装置によって実行されるときに、該複数の電極の第1~第3の電極を、
該第1及び第2の電極が正極性を有し、
該第3の電極が負極性を有し、
該電極が、該バスケットの遠位領域にわたってRFエネルギーを適用するように活性化する、実施例26~31のいずれか1つのシステム。
34.該バスケットが、該治療用アセンブリが該拡張状態にあるときに互いに半径方向に離間される少なくとも2つの分岐を備え、
各分岐が、互いに隣接して位置付けられた少なくとも第1の支柱及び第2の支柱を備え、該第1の支柱が、その上に配設された第1の電極を有し、該第2の支柱が、その上に配設された第2の電極を有し、該第1及び第2の電極が、反対の極性を有し、該第1の電極と第2の電極との間にRFエネルギーを適用するように構成される、実施例26~31のいずれか1つのシステム。
35.該バスケットが、該治療用アセンブリが該拡張状態にあるときに互いに半径方向に離間される少なくとも2つの分岐を備え、
各分岐が、互いに隣接して位置付けられた少なくとも第1の支柱及び第2の支柱を備え、該第1の支柱が、その上に配設された第1の電極を有し、該第2の支柱が、その上に配設された第2の電極を有し、
該第1の分岐の該第1及び第2の電極が、正極性を有するように構成され、
該第2の分岐の該第1及び第2の電極が、負極性を有するように構成され、及び適用し、
該治療用アセンブリが、該バスケットの周辺部分にわたって該第1の分岐と第2の分岐との間にRFエネルギーを送達するように構成される、実施例26~31のいずれか1つのシステム。
36.該治療用アセンブリの近位に位置付けられた該シャフトの該遠位部分上に配設された戻り電極をさらに備え、
該支柱上の該電極が、正極性を有するように構成され、該戻り電極が、負極性を有するように構成される、実施例26~31のいずれか1つのシステム。
37.該電極の少なくとも一部分が、該標的部位においてインピーダンスを検出して、該標的部位における神経の場所を決定するように構成される、実施例26~36のいずれか1つのシステム。
38.該支柱上の該複数の電極が、第1の複数の電極であり、
該治療用アセンブリが、
該支柱内に配設された拡張可能なバルーンと、
該拡張可能なバルーン上の第2の複数の電極とを備え、
該拡張状態にあるときに、該拡張可能なバルーンが、該第2の複数の電極の少なくとも一部分を該標的部位において組織と接触して定置して、該標的部位における神経活動を検出する、実施例26~37のいずれか1つのシステム。
39.該治療用アセンブリに動作可能に接続されたRF生成器をさらに備え、該RF生成器が、命令を保有するコンピュータ可読媒体を有する制御装置を含み、該命令は、該制御装置によって実行されるときに、該治療用アセンブリに、該標的部位に少なくとも近位のインピーダンスまたは温度のうちの少なくとも1つを検出させる、実施例26~38のいずれか1つのシステム。
40.該治療用アセンブリに動作可能に接続されたRF生成器をさらに備え、該RF生成器が、命令を保有するコンピュータ可読媒体を有する制御装置を含み、該命令は、該制御装置によって実行されるときに、該治療用アセンブリに、該標的部位に所定のパターンでRFエネルギーを適用させる、実施例26~39のいずれか1つのシステム。
41.ヒト患者の鼻領域における神経マッピング及び治療的神経調節のためのシステムであって、
近位部分及び遠位部分を有するシャフトであって、該遠位部分を、該ヒト患者の蝶口蓋孔の近位の標的部位に、腔内に配置するように構成される、シャフトと、
該シャフトの該遠位部分における複数の電極であって、該標的部位において該副交感神経の場所を検出するように構成された、電極と、
該シャフトの該遠位部分における治療用アセンブリであって、該標的部位において鼻粘膜を神経支配する節後副交感神経を治療的に調節するように構成されたエネルギー送達要素を備える、治療用アセンブリと、を備える、システム。
42.該電極が、該エネルギー送達要素を画定し、該標的部位に無線周波数(RF)エネルギーを適用するように構成される、実施例41のシステム。
43.該電極が、該標的部位における不均一組織の誘電特性を検出して、副交感神経の場所を特定するように構成される、実施例41または42のシステム。
44.該電極が、該標的部位における不均一組織のインピーダンス特性を検出して、副交感神経の場所を特定するように構成される、実施例41~43のいずれか1つのシステム。
45.ヒト患者の鼻領域における神経を治療的に調節する方法であって、
治療用デバイスのシャフトの遠位部分における治療用アセンブリを、該鼻領域内の標的部位に腔内で前進させることであって、該標的部位が、該蝶口蓋孔の近位の副孔またはミクロ孔のうちの少なくとも1つにわたって広がる副交感神経の近位である、前進させることと、
該治療用アセンブリを用いて、該標的部位に、鼻腔、鼻咽頭、または副鼻腔のうちの少なくとも1つの中の自律神経活動を治療的に調節するためのエネルギーを適用することと、を含む、方法。
46.該治療用アセンブリを該標的部位に腔内で前進させることが、該治療用アセンブリを、該蝶口蓋孔の下方の該ヒト患者の口蓋骨に位置付けることを含む、実施例45の方法。
47.該治療用アセンブリを該標的部位に腔内で前進させることが、該治療用アセンブリを、該ヒト患者の鼻の入口を通り、下鼻道を通って該標的部位に腔内で前進させることを含む、実施例45または46の方法。
48.該治療用アセンブリを該標的部位に腔内で前進させることが、該治療用アセンブリを、該ヒト患者の鼻の入口を通り、中鼻道を通って該標的部位に腔内で前進させることを含む、実施例45または46の方法。
49.内視鏡を、該ヒト患者の鼻の入口を通り、中鼻道を通って腔内で前進させて、該標的部位において該治療用アセンブリを視覚化することをさらに含む、実施例45~48のいずれか1つの方法。
50.内視鏡を、該ヒト患者の鼻の入口を通り、下鼻道を通って腔内で前進させて、該標的部位において該治療用アセンブリを視覚化することをさらに含む、実施例45~48のいずれか1つの方法。
51.該治療用アセンブリを該標的部位に腔内で前進させることが、該治療用アセンブリを、該ヒト患者の鼻の入口を通り、下鼻道を通って該標的部位に腔内で前進させることを含み、
該方法が、内視鏡を、該ヒト患者の該鼻の該入口を通り、該下鼻道を通って腔内で前進させて、該標的部位において該治療用アセンブリを視覚化することをさらに含む、実施例45または46の方法。
52.該治療用アセンブリを該標的部位に腔内で前進させることが、該治療用アセンブリを、該ヒト患者の鼻の入口を通り、中鼻道を通って該標的部位に腔内で前進させることを含み、
該方法が、内視鏡を、該ヒト患者の該鼻の該入口を通り、該中鼻道を通って腔内で前進させて、該標的部位において該治療用アセンブリを視覚化することをさらに含む、実施例45または46の方法。
53.内視鏡を、該ヒト患者の鼻の入口を通り、下鼻道または中鼻道のうちの1つを通って、該標的部位に少なくとも近位の領域に腔内で前進させることをさらに含み、
該治療用アセンブリを該標的部位に腔内で前進させることが、
該シャフトの該遠位部分を、該内視鏡のチャネルを通って該標的部位を超えて前進させることと、
該治療用アセンブリを、該内視鏡の遠位部分における開口から外へ前進させることと、を含む、実施例45または46の方法。
54.該治療用アセンブリを該標的部位に腔内で前進させることが、該シャフトの該遠位部分を、該ヒト患者の口及び中咽頭を通り、該標的部位へ前進させることを含む、実施例45または46の方法。
55.赤外線(IR)分光法を介して該標的部位を撮像して、該標的部位に少なくとも近位の脈管系を視覚化することをさらに含む、実施例45~54のいずれか1つの方法。
56.該シャフトの該遠位部分に沿って位置付けられた固定部材を、該鼻領域の腔内で拡張することをさらに含み、該固定部材が、該シャフトの該遠位部分を、該標的部位に該治療用アセンブリを展開するのに適切な位置に保持する、実施例45~55のいずれか1つの方法。
57.該標的部位が、第1の標的部位であり、エネルギーを該標的部位に適用することが、エネルギーを該第1の標的部位に適用することを含み、該方法が、
該治療用アセンブリを該鼻領域内の第2の標的部位に再位置付けすることと、
該治療用アセンブリを用いて、該第2の標的部位に、該第2の標的部位の近位の副交感神経を治療的に調節するためのエネルギーを適用することと、をさらに含む、実施例45~56のいずれか1つの方法。
58.エネルギーを適用することが、該セレアピューティック(thereapeutic)要素の複数の電極を介して、パルス状の無線周波数(RF)エネルギーを該標的部位に適用することを含む、実施例45~57のいずれか1つの方法。
59.該標的部位においてインピーダンスを検出して、該蝶口蓋孔の近位の副孔またはミクロ孔のうちの少なくとも1つにわたって広がる副交感神経の位置を特定することをさらに含む、実施例45~58のいずれか1つの方法。
60.該標的部位にエネルギーを適用することが、インピーダンス測定を介して特定された該副交感神経の該位置に対応する該治療用アセンブリの個別の領域に、エネルギーを適用することを含む、実施例59の方法。
61.該治療用アセンブリが、複数の電極を備え、該標的部位にエネルギーを適用することが、個々の該電極を独立して活性化することと、個々の該電極の極性を選択して、該治療用アセンブリの選択的領域にわたって治療的神経調節を適用することとを含む、実施例45~60のいずれか1つの方法。
62.該標的部位にエネルギーを適用することが、該治療用アセンブリの第1の半球部分内にエネルギーを適用することをさらに含み、該治療用アセンブリが、該治療用アセンブリの第2の半球部分にはエネルギーを適用しない、実施例61の方法。
63.該治療用アセンブリが、複数の支柱であって、該支柱上に配設された複数電極を伴う、複数の支柱を有する拡張可能なバスケットを備え、該標的部位にエネルギーを適用することが、
該複数の電極の第1の電極を、正極性を有するように活性化することと、
該複数の電極の少なくとも第2の電極及び第3の電極を、負極性を有するように活性化することであって、第1、第2、及び第3の電極が、同時に活性化され、該第2及び第3の電極が、最小抵抗の通路に基づいて該第1の電極と連続的に対になって、該バスケットの領域にわたって治療的神経調節を連続的に適用する、活性化することと、を含む、実施例45~62のいずれか1つの方法。
64.該治療用アセンブリが、複数の支柱であって、該支柱上に配設された複数電極を伴う、複数の支柱を有する拡張可能なバスケットを備え、該標的部位にエネルギーを適用することが、
該複数の電極の第1の電極を、正極性を有するように活性化することと、
該複数の電極の少なくとも第2~第6の電極を、負極性を有するように活性化することであって、第1~第6の電極が、同時に活性化され、該第2~第6の電極が、最小抵抗の通路に基づいて該第1の電極と連続的に対になって、該バスケットの半球領域にわたって治療的神経調節を連続的に適用する、活性化することと、を含む、実施例45~62のいずれか1つの方法。
65.該治療用アセンブリが、複数の支柱であって、該支柱上に配設された複数電極を伴う、複数の支柱と、内部支持部材であって、該内部支持部材の遠位端部部分に戻り電極を備える、内部支持部材とを有する拡張可能なバスケットを備え、該標的部位にエネルギーを適用することが、
該支柱上の該電極を、正極性を有するように活性化することと、
該戻り電極を、負極性を有するように活性化することであって、該電極が、該バスケットの遠位領域にわたってRFエネルギーを適用する、活性化することと、を含む、実施例45~62のいずれか1つの方法。
66.該治療用アセンブリが、該治療用アセンブリが拡張状態にあるときに互いに半径方向に離間される複数の分岐を有する拡張可能なバスケットを備え、各分岐が、少なくとも2つの隣接した支柱であって、各支柱上に位置付けられた電極を伴う、支柱を備え、該標的部位にエネルギーを適用することが、
該分岐のうちの少なくとも1つの隣接した支柱上の該電極を、該電極が反対の極性を有するように活性化することと、
該隣接した支柱上の該電極間にRFエネルギーを適用することと、を含む、実施例45~62のいずれか1つの方法。
67.該治療用アセンブリが、複数の電極を備え、該標的部位にエネルギーを適用することが、
該治療用アセンブリの該電極を、正極性を有するように活性化することと、
該治療用アセンブリの近位の該シャフトの該遠位部分上に配設された戻り電極を活性化することであって、該戻り電極が、負極性を有する、活性化することと、を含み、
該電極及び該戻り電極を活性化することが、該ヒト患者の鼻甲介にわたってRFエネルギーを適用する、実施例45~62のいずれか1つの方法。
68.該標的部位に、自律神経活動を治療的に調節するためのエネルギーを適用する前に、複数の感知電極を介して該標的部位における神経活動を検出することと、
該検出された神経活動に基づいて、該標的部位における神経の場所をマッピングすることと、をさらに含み、
該標的部位にエネルギーを適用することが、検出された神経の該場所に基づいて領域にエネルギーを選択的に適用することを含む、実施例45~67のいずれか1つの方法。
69.神経活動を検出する前に、該標的部位に非治療的神経性刺激を適用することをさらに含む、実施例68の方法。
70.該標的部位にエネルギーを適用した後に、該複数の感知電極を介して神経活動を検出して、該エネルギーの適用が該標的部位において神経を治療的に調節したかを判定することをさらに含む、実施例68の方法。
71.該治療用アセンブリが、複数の電極を担持する可撓性膜を備え、
エネルギーを適用する前に、該方法が、該可撓性膜を該標的部位において拡張して、該電極の少なくとも一部分を該標的部位において組織と接触して定置することを含み、
該標的部位にエネルギーを適用することが、該電極を介して該標的部位にRFエネルギーを適用することを含む、実施例45~62のいずれか1つの方法。
72.該シャフトの該遠位部分上に配設された複数の電極が該標的部位において組織と接触して定置されるように、該シャフトの該遠位部分を低プロファイル送達状態から拡張状態に変形させることであって、該シャフトの該遠位部分が、該拡張状態において渦巻き/螺旋形状を有する、変形させることをさらに含み、
該標的部位においてエネルギーを適用することが、該電極を介して該標的部位にRFエネルギーを適用することを含む、実施例45~62のいずれか1つの方法。
73.該治療用アセンブリが、複数の電極を担持するバルーンを備え、
エネルギーを適用する前に、該方法が、該バルーンを該標的部位において拡張して、該電極の少なくとも一部分を該標的部位において組織と接触して定置することをさらに含み、
該標的部位にエネルギーを適用することが、該電極を介して該標的部位にRFエネルギーを適用することを含む、実施例45~62のいずれか1つの方法。
74.該標的部位にエネルギーを適用することが、
該電極を選択的に活性化して、該バルーンの円周セグメントにわたって半径方向に電流を適用することをさらに含む、実施例73の方法。
75.該標的部位にエネルギーを適用することが、
該電極を選択的に活性化して、該バルーンの長手方向領域にわたって長手方向に電流を適用することをさらに含む、実施例73の方法。
76.該バルーンを拡張することが、該バルーンを流体で充填することを含み、該バルーンが、エネルギー適用中に該バルーンを通る該流体の灌流を可能にする複数の穴を備える、実施例73の方法。
77.該バルーンを拡張することが、該バルーンを通して流体を循環させることを含み、該流体が、エネルギー適用中に該電極を冷却する、実施例73の方法。
78.該治療用アセンブリが、該シャフトの該遠位部分から遠位に延在する複数のバルーンと、
エネルギーを適用する前に、該方法が、該バルーンを該標的部位において独立して拡張して、該電極の少なくとも一部分を該標的部位において組織と接触して定置することをさらに含み、
該標的部位にエネルギーを適用することが、該電極を介して該標的部位にRFエネルギーを適用することを含む、実施例45~62のいずれか1つの方法。
79.該標的部位にエネルギーを適用することが、
該複数のバルーンを通って延在する内部支持部材上の戻り電極を活性化することと、
該バルーン上の該電極の少なくとも一部分を活性化することと、をさらに含む、実施例78の方法。
80.エネルギー適用中に該標的部位において組織の温度を測定することと、
閾値最大温度に到達したときに、エネルギー適用を終了させることと、をさらに含む、実施例45~79のいずれか1つの方法。
81.所定の最大期間の後にエネルギー適用を終了させることをさらに含む、実施例45~80のいずれか1つの方法。
82.エネルギー適用中に該標的部位における組織のインピーダンスを検出することと、
閾値インピーダンス値に到達したときに、エネルギー適用を終了させることと、をさらに含む、実施例45~81のいずれか1つの方法。
83.エネルギー適用前に該標的部位における組織のインピーダンスを検出して、ベースラインインピーダンスを定義することと、
エネルギー適用中に該標的部位における組織のインピーダンスを検出することと、
該ベースラインインピーダンスからのインピーダンスの閾値変化に到達したときに、エネルギー適用を終了させることと、をさらに含む、実施例45~82のいずれか1つの方法。
84.該標的部位にエネルギーを適用することが、該標的部位における組織に治療的極低温冷却を適用して、該鼻腔、該鼻咽頭、及び/または該副鼻腔内の自律神経活動を治療的に調節することを含む、実施例45~57のいずれか1つの方法。
85.該標的部位にエネルギーを適用することが、
バルーン内で加熱された流体を循環させ、その結果、該バルーンの外側表面が該標的部位において組織と接触し、該組織を加熱して、該標的部位において自律神経活動を熱的に調節することを含む、実施例45~57のいずれか1つの方法。
86.該標的部位にエネルギーを適用することが、
バルーンを拡張して、その結果、該バルーンの外側表面が該標的部位において組織と接触することと、
該バルーン内の加熱部材を加熱することであって、該加熱部材からの熱が、該流体へ、及び該バルーンに隣接した該組織へと移動して、自律神経活動を熱的に調節する、加熱することと、を含む、実施例45~57のいずれか1つの方法。
87.該標的部位にエネルギーを適用することが、プラズマ場を生成して、該標的部位における神経を治療的に調節することを含む、実施例45~57のいずれか1つの方法。
88.該標的部位にエネルギーを適用することが、粘膜下腺に信号を送るコリン作動性経路を治療的に調節する、実施例45~87のいずれか1つの方法。
89.該治療用アセンブリを該標的部位に腔内で前進させることが、該治療用アセンブリを、上鼻道、中鼻道、下鼻道、または翼口蓋窩のうちの少なくとも1つの中の副孔及び/またはミクロ孔を介して、該鼻領域内への入口の副交感神経点へ腔内で前進させることを含む、実施例45~88のいずれか1つの方法。
90.鼻領域における神経を治療的に調節する方法であって、
治療用デバイスのシャフトの遠位部分における治療用アセンブリを、鼻領域内の標的部位に腔内で前進させることであって、該標的部位が、該蝶口蓋孔の近位の副交感神経の近位である、前進させることと、
該標的部位における該副交感神経の場所を検出することと、
該副交感神経の該検出された場所に基づいて、該治療用アセンブリを用いて該標的部位にエネルギーを適用することであって、エネルギーを適用することが、鼻腔、鼻咽頭、または副鼻腔のうちの少なくとも1つの中の自律神経活動を治療的に調節する、適用することと、を含む、方法。
91.該標的部位における該副交感神経の場所を検出することが、高解像度空間格子上で、該鼻腔、該鼻咽頭、及び/または該副鼻腔のうちの少なくとも1つの中の不均一組織の誘電特性を測定することを含む、実施例90の方法。
92.該標的部位における該副交感神経の場所を検出することが、高解像度空間格子上で、該鼻腔、該鼻咽頭、及び/または該副鼻腔の中の不均一組織のダイポール特性を測定することを含む、実施例90または92の方法。
93.該標的部位における該副交感神経の場所を検出することが、高解像度空間格子上で、該鼻腔、該鼻咽頭、または該副鼻腔のうちの少なくとも1つの中の不均一組織のインピーダンスを検出することを含む、実施例90~92のいずれか1つの方法。
94.ヒト患者の鼻領域における治療的神経調節のためのデバイスであって、
遠位部分を有する送達カテーテルであって、該鼻領域内の標的部位に該遠位部分を配置するように構成された、送達カテーテルと、
該送達カテーテルの該遠位部分における可撓性支持体と、
該可撓性支持体によって担持される複数の電極と、を備え、
該可撓性支持体が、該標的部位における局所的生体構造の凹凸に適合して、該電極の少なくとも一部分の電気的活性化のための局部的コンプライアンス及び連動を提供するように構成され、
該電極が、該電極と直接的または間接的に接触する粘膜及び粘膜下構造の副交感神経を治療的に調節する、デバイス。
95.エネルギー送達後に該可撓性支持体を再捕捉して、鼻腔から該可撓性支持体を引き抜くことを可能にするように構成された制御可能な再捕捉機構をさらに備える、実施例94のデバイス。
96.該標的部位が、蝶口蓋孔である、実施例94または94のデバイス。
97.該電極が、正確で局在的なエネルギー送達のために、エネルギーの方向及び関連する消散を制御するように選択的に活性化されるように構成される、実施例94~46のいずれか1つのデバイス
98.ヒト患者の鼻領域における神経を治療的に調節する方法であって、
治療用デバイスのシャフトの遠位部分における治療用アセンブリを、該鼻領域内の標的部位に腔内で前進させることであって、該標的部位が、該ヒト患者の前頭洞、篩骨洞、蝶形骨洞、または上顎洞のうちの少なくとも1つの小孔に少なくとも近位である、前進させることと、
該治療用アセンブリを用いて、該標的部位に、該標的部位における副交感神経を治療的に調節するためのエネルギーを適用して、慢性副鼻腔炎を治療することと、を含む、方法。
99.該治療用アセンブリを該標的部位に腔内で前進させることが、該治療用アセンブリを、該前頭洞の該小孔の近位に位置付けることを含み、
該標的部位にエネルギーを適用することが、眼窩上神経、滑車上神経、該眼窩上神経の分枝、該滑車上神経の分枝、または該前頭洞の粘膜を神経支配する他の副交感神経線維のうちの少なくとも1つにエネルギーを適用することを含む、請求項98の方法。
100.該治療用アセンブリを該標的部位に腔内で前進させることが、該治療用アセンブリを、該篩骨洞の該小孔の近位に位置付けることを含み、
該標的部位にエネルギーを適用することが、鼻毛様体神経の前篩骨分枝、該鼻毛様体神経の後篩骨分枝、上顎神経、該鼻毛様体神経の分枝、該上顎神経の分枝、または該篩骨洞の粘膜を神経支配する他の副交感神経線維のうちの少なくとも1つにエネルギーを適用することを含む、請求項98の方法。
101.該治療用アセンブリを該標的部位に腔内で前進させることが、該治療用アセンブリを、該上顎洞の該小孔の近位に位置付けることを含み、
該標的部位にエネルギーを適用することが、上顎神経の眼窩下分枝、該上顎神経の歯槽枝、または該上顎洞の粘膜を神経支配する他の副交感神経線維のうちの少なくとも1つにエネルギーを適用することを含む、請求項98の方法。
102.該治療用アセンブリを該標的部位に腔内で前進させることが、該治療用アセンブリを、該蝶形骨洞の該小孔の近位に位置付けることを含み、
該標的部位にエネルギーを適用することが、視神経の後篩骨分枝、上顎神経、該視神経の分枝、該上顎神経の分枝、または該蝶形骨洞の粘膜を神経支配する他の副交感神経線維のうちの少なくとも1つにエネルギーを適用することを含む、請求項98の方法。
103.慢性副鼻腔炎の治療のための、ヒト患者の鼻領域における治療的神経調節のためのシステムであって、
近位部分及び遠位部分を有するシャフトであって、該遠位部分を、標的部位に腔内に配置するように構成され、該標的部位が、該ヒト患者の前頭洞、篩骨洞、蝶形骨洞、または上顎洞のうちの少なくとも1つの小孔に少なくとも近位である、シャフトと、
該シャフトの該遠位部分における治療用アセンブリであって、該前頭洞、該篩骨洞、該蝶形骨洞、または該上顎洞のうちの少なくとも1つの粘膜を神経支配する副交感神経を治
療的に調節するように構成されたエネルギー送達要素を備える、治療用アセンブリと、を備える、システム。
【0143】
結論
本開示は、徹底的であること、または本技術を本明細書に開示される精密な形態に限定することを意図されない。特定の実施形態が例証の目的のために本明細書に開示されているが、関連技術の当業者が認識するであろう通り、種々の同等な修正が、本技術から逸脱することなく可能である。場合により、周知の構造及び機能は、本技術の実施形態の説明を不必要に曖昧にするのを避けるために、詳細に図示及び/または説明されていない。方法のステップは具体的な順序で本明細書に提示され得るが、代替的実施形態では、ステップは別の好適な順序を有してもよい。同様に、具体的な実施形態の文脈において開示される本技術の特定の態様は、他の実施形態では組み合わせられ得るか、または排除され得る。さらに、特定の実施形態に関連付けられる利点は、それらの実施形態の文脈において開示されている場合もあるが、他の実施形態もまた、かかる利点を示すことができ、必ずしも全ての実施形態が、かかる利点または本明細書に開示される他の利点を本技術の範囲に含まれるように示す必要はない。したがって、本開示及び関連する技術は、本明細書に明白に図示及び/または説明されていない他の実施形態を包含し得る。
【0144】
本開示全体を通して、単数形の用語「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明確にそうではないと示さない限り、複数の指示対象を含む。同様に、「または」という語は、2つ以上の項目のリストに関して他の項目を排して単一の項目のみを意味するように明白に限定されていない限り、かかるリストにおける「または」の使用は、(a)リスト内の任意の単一の項目、(b)リスト内の全ての項目、または(c)リスト内の項目の任意の組み合わせを含むものとして解釈されるべきである。それに加えて、「含む(comprising)」等の用語は、少なくともその記載される特徴(複数可)を、より多くの数の同一の特徴(複数可)及び/または1つ以上の追加の種類の特徴が除外されないように含むことを意味するように、本開示全体を通して使用される。「上側」、「下側」、「前側」、「後ろ側」、「垂直」、及び「水平」等の方向に関する用語は、種々の要素間の関係性を表し、明確にするために本明細書において使用され得る。かかる用語は、絶対的な配向を示すものではないことが理解されるべきである。本明細書における「一実施形態(one embodiment)」、「実施形態(an embodiment)」、または類似の語句への言及は、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、動作、または特性が、本技術の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを意味する。したがって、本明細書内のかかる句または語句の出現は、必ずしも全て同一の実施形態について言及しているわけではない。さらに、種々の特定の特徴、構造、動作、または特性は、1つ以上の実施形態において任意の好適な様式で組み合わせられてもよい。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図11D
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
【手続補正書】
【提出日】2023-09-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
症状を治療するために、ヒト患者の鼻領域における治療的神経調節を提供するための装置であって、
協働して変形可能フレームを規定する複数の個別の柔軟な支柱を含むエンドエフェクタを備え、
前記フレームは、前記ヒト患者の蝶口蓋孔の下方の鼻腔内の標的部位への前記エンドエフェクタの送達を促進するための低プロファイル送達状態と、拡張状態と、の間で変形可能であり、
前記複数の支柱の各々は、1または複数の電極を有しており、
前記拡張状態で、前記複数の支柱の少なくとも幾つかは、対応する電極を前記標的部位における標的組織と直接的に接触させるように構成されており、
前記標的組織は、鼻粘膜を神経支配する節後副交感神経を含み、
前記電極は、前記エンドエフェクタに連結され当該電極からのエネルギー出力を制御するように構成された制御装置からの活性化信号の受信に応答して個別的に活性化可能であり、
前記標的組織と直接的に接触していない電極が活性化されていない状態を維持しながら、前記標的組織と直接的に接触している電極は、前記制御装置から受信される活性化信号に応答して、神経調節エネルギーを前記標的組織に向けて特定の標的深さに送達するように構成されている
ことを特徴とする装置。