(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164593
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】間仕切装置
(51)【国際特許分類】
E04B 2/74 20060101AFI20231102BHJP
【FI】
E04B2/74 541L
E04B2/74 561J
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023150948
(22)【出願日】2023-09-19
(62)【分割の表示】P 2019195943の分割
【原出願日】2019-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100099966
【弁理士】
【氏名又は名称】西 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100134751
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 隆一
(72)【発明者】
【氏名】今 健一
(72)【発明者】
【氏名】山中 彬弘
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 有花子
(72)【発明者】
【氏名】江連 晴洋
(72)【発明者】
【氏名】成瀬 駿汰
(57)【要約】
【課題】間仕切装置において、内側空間の照明効率を向上する。
【解決手段】間仕切装置1は、少なくとも内側空間Sの後方及び左右両側方を囲うパネル体2を備えている。パネル体2の上端部には、内側空間Sを照らす照明灯具25が取り付けられている。照明灯具25を構成するシェード26の一部をパネル体2の上端部より高い位置に突出させている。シェード26の突出部には、光漏れ用の開口31が形成されている。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも内側空間の後方及び左右両側方を囲うパネル体を備えた間仕切装置であって、
前記パネル体の上端部には、前記内側空間を照らす照明灯具が取り付けられており、前記照明灯具を構成するシェードの一部を前記パネル体の上端部より高い位置に突出させており、前記シェードの突出部には、光漏れ用の開口が形成されている、
間仕切装置。
【請求項2】
前記シェードの前記開口は、前記シェードの少なくとも背面側に配置されていて、前記パネル体の上端縁に沿って長く延びるように形成されている、
請求項1に記載した間仕切装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、間仕切装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
オフィス等の空間において、空間利用の自由度を高めるために、パネル体を立設した間
仕切装置を設けることは広く行われている。間仕切装置を設けることによって、周囲から
の視線や音をある程度遮ることができる。この種の間仕切装置において、相対向するパネ
ル体の上方に、これらパネル体の上方を覆うルーフ体を設けたものは、すでに知られてい
る(例えば特許文献1及び2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6292823号公報
【特許文献2】特開2003-313977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種の間仕切装置では、ユーザーの希望に応じて、様々なレイアウトに簡
単に変更できるようにすることが望まれている。つまり、前記従来の構成においては、ル
ーフ体を簡単に取り付けたり取り外したりできる方がユーザーの使い勝手がよい。
【0005】
しかし、前記従来の構成では、ルーフ体がパネル体の上部にチャンネル材を介して連結
されていたり、複数箇所でねじ止めされていたりするため、ルーフ体の取り付け・取り外
し作業に手間がかかり、ユーザー(作業者)の負担が大きいという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記のような現状を検討して改善を施した間仕切装置を提供することを技術
的課題としている。
【0007】
本発明は、少なくとも内側空間の後方及び左右両側方を囲うパネル体を備えた間仕切装
置であって、前記内側空間の上方を覆うルーフ体を前記パネル体の上部で支持するにあた
り、前記ルーフ体と前記パネル体の上部とが少なくとも二つの連結具を介して連結されて
おり、前記連結具の基端側は前記ルーフ体に固定されており、前記連結具の先端側に設け
た係止フック部が前記パネル体の凹溝に上方から嵌め込み係合されているというものであ
る。
【0008】
本発明の間仕切装置において、前記係止フック部は、前記パネル体における前記凹溝の
少なくとも一方の上端縁部に上方から嵌め込み係合されるようにしてもよい。
【0009】
本発明の間仕切装置において、前記ルーフ体は、二枚の扁平ルーフ板を張り合わせた構
成になっており、前記連結具の基端側を前記両扁平ルーフ板の間に挟み込んだ状態で、前
記両扁平ルーフ板と前記連結具の基端側との三者が締結具で共締めされるようにしてもよ
い。
【0010】
本発明の間仕切装置において、前記ルーフ体の周縁部と前記パネル体の上端部との間に
は隙間が形成されるようにしてもよい。
【0011】
また、本発明には、上記の間仕切装置に適用される照明灯具の発明も含んでいる。少な
くとも内側空間の後方及び左右両側方を囲うパネル体を備えた間仕切装置であって、前記
パネル体の上端部には、前記内側空間を照らす照明灯具が取り付けられており、前記照明
灯具を構成するシェードの一部を前記パネル体の上端部より高い位置に突出させており、
前記シェードの突出部には、光漏れ用の開口が形成されている。
【0012】
本発明の間仕切装置において、前記シェードの前記開口は、前記シェードの少なくとも
背面側に配置されていて、前記パネル体の上端縁に沿って長く延びるように形成されるよ
うにしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の間仕切装置によると、間仕切装置に対してルーフ体を連結具ごと簡単に取り付
け・取り外しできるから、ユーザーの希望に応じてルーフ体を取り付けたり取り外したり
するのを極めて簡単に行え、ユーザー(作業者)の負担を大幅に軽減できる。ユーザーに
とって使い勝手が極めてよい。また、連結具もルーフ体側に固定されるので、ルーフ体を
取り外す場合は、連結具も合わせて一遍に取り外しでき、作業性も極めてよい。
【0014】
また、本発明の間仕切装置に適用される照明灯具によると、間仕切装置において、ルー
フ体があってもなくても(ルーフ体がある場合は特に)内側空間の照明効率を向上できる
。そればかりか、照明灯具が点灯していれば、その光が開口から漏れることになり、間仕
切装置内にユーザーがいる場合に周囲にその存在を確実に把握させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態の間仕切装置を正面斜め左側から見た斜視図である。
【
図2】間仕切装置を背面斜め右側から見た斜視図である。
【
図3】間仕切装置上部を背面斜め右側から見た拡大斜視図である。
【
図5】ルーフ体の詳細構造を示す分離斜視図である。
【
図6】パネル体上部に連結具を装着した状態を示す縦断面図である。
【
図7】間仕切装置を連設した状態を示す平面図である。
【
図8】
図7においてパネル体上部に連結具を隣り合わせで装着した状態を示す縦断面図である。
【
図9】間仕切装置に対する照明灯具の取付け態様を示す説明図であり、ルーフ体を省略して間仕切装置上部を背面斜め右側から見た拡大斜視図である。
【
図13】支持アームの別例を示す分離斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明を具体化した実施形態を図面に基づき説明する。以下の説明では方向を特
定するために「前後」「左右」の文言を使用するが、これは、本発明に係る間仕切装置と
してのパネルブースを用いるユーザーの向きを基準としている。つまり、パネルブースの
開口方向を前方向とし、これを基準に後ろ及び左右を決定している。ただし、これらの用
語は説明の便宜上用いたものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また
、水平方向という場合は、左右方向と前後方向との総称として用いている。
【0017】
図1~
図3に示すように、間仕切装置としてのパネルブース1は、水平方向に連設可能
な複数枚のパネル体2と、隣り合うパネル体2を連結する連結支柱(図示省略)とを備え
ている。これらパネル体2群は内側空間Sの後方及び左右両側方を囲っており、前方は開
放されている。
【0018】
パネルブース1(パネル体2群)の上方には、パネルブース1の屋根を構成する平板状
のルーフ体3が、内側空間Sの上方を覆うように配置されている。ルーフ体3は、少なく
とも二つの連結具としてのL形の支持アーム4を介して、パネル体2群の上部に連結支持
されている。実施形態では、中央のパネル体2の上部に二つ、左右両側のパネル体2の上
部に一つずつの合計四本の支持アーム4が取り付けられる。四本の支持アーム4によって
ルーフ体3が支持されている。パネルブース1の内側空間Sの奥側には、天板5が配置さ
れている。実施形態では、中央及び左右両側のパネル体2の表面側に、天板5が連結支持
されている。
【0019】
なお、パネルブース1は、少なくとも内側空間Sの後方及び左右両側方をパネル体2で
囲う形態であればよい。例えばパネルブース1の前側に開閉可能な扉体を設けて、内側空
間Sを閉じた空間にできるようにしてもよい。また、実施形態のパネルブース1は、複数
枚のパネル体2を平面視C字状に連結しているが、これに限らず、複数枚のパネル体2を
十字状、T字状、Y字状、及びこれらの組み合わせ形状等に連結することも可能である(
例えば
図7参照)。連結具(支持アーム4)の数も、二つ以上であれば特に限定されるも
のではない。
【0020】
図4、
図6及び
図8に示すように、各パネル体2は、ハニカム構造体等からなる芯材6
の表裏両面に厚紙等の表面材7を貼着したサンドイッチ状の基本構造になっている。各パ
ネル体2の表裏両面(各表面材7の外面)は、クロス等の張地8で覆われている。各パネ
ル体2の上端部には、その全長にわたって延びる上向き開口樋状の上フレーム9が固定さ
れている。上フレーム9の表裏両面は、表面材7及び張地8で覆われている。張地8の上
端側は、上フレーム9の内面側にまで巻き込まれている。上フレーム9の内部側が、各パ
ネル体2の上端部に形成した凹溝10に相当するものである。
【0021】
上フレーム9における凹溝10内の内底面には、上向きに突出する一対の縦リブ11が
一体的に設けられている。両縦リブ11上には、弾性変形可能な合成樹脂製で断面C字状
の笠木ベース13が載せられている。笠木ベース13は、上フレーム9の長手方向に沿っ
て長い形態になっている。
図4に示すように、笠木ベース13における厚み方向両側の上
コーナー部14は、それぞれ外向きに張り出している。これに対して、上フレーム9の上
端開口は、笠木ベース13よりも厚み方向の寸法が小さいから、笠木ベース13は、上フ
レーム9の凹溝10内に強制嵌合で嵌め込まれて、両縦リブ11上に載置される。
【0022】
上フレーム9における厚み方向両側の上端縁側には、内向きに折り返したフランジ部1
2が形成されている。強制嵌合後の笠木ベース13の各上コーナー部14は、弾性復元力
によって、上フレーム9の対応するフランジ部12に自らを押し付ける。このため、上フ
レーム9の凹溝10内に嵌め込まれた笠木ベース13は、凹溝10から外れにくくなって
いる。なお、上フレーム9の両縦リブ11と笠木ベース13とで囲まれた空間には、通信
ケーブルや電源ケーブル等の各種ケーブルを引き回しでき、ケーブル露出に起因する外観
悪化やケーブルの損傷防止に効果的である。
【0023】
笠木ベース13の上面側には、上フレーム9の上端開口を塞ぐ笠木カバー16の係止爪
17が強制嵌合される上向き開口の係合溝15が形成されている。笠木ベース13と同様
に上フレーム9の長手方向に沿って長い形態の笠木カバー16に形成した下向き突状の係
止爪17を、笠木ベース13の係合溝15に強制嵌合することによって、上フレーム9の
上端開口が閉止される。笠木カバー16も、笠木ベース13と同様に、弾性変形可能な合
成樹脂製である。なお、笠木カバー16にも張地8が貼着されていて、笠木カバー16を
含むパネル体2全体の質感の統一及び美感の向上が図られている。
【0024】
図5に示すように、ルーフ体3は、二枚の扁平ルーフ板18を張り合わせた構成になっ
ている。ルーフ体3の後ろ側二箇所と左右両側一箇所ずつとには、連結具としてのL形の
支持アーム4が設けられている。各支持アーム4の基端側である水平部19は、両扁平ル
ーフ板18の間に挟み込まれている。両扁平ルーフ板18と各支持アーム4の水平部19
との三者は、上方からの複数のビス20(実施形態では二個)で共締めされている。すな
わち、各支持アーム4の基端側である水平部19は、締結具としての複数のビス20によ
ってルーフ体3に固定されている。なお、図示は省略するが、各扁平ルーフ板18の外面
側にも張地8が貼着されている。
【0025】
図5及び
図6に示すように、各支持アーム4の先端側である鉛直部21の外面側には、
下向き鉤状の係止フック部22が設けられている。各パネル体2における上フレーム9の
内側空間S寄りの上端縁部(フランジ部12を含む)に、各支持アーム4における鉛直部
21の係止フック部22を上方から嵌め込み係合することによって、平板状のルーフ体3
が支持アーム4群を介してパネル体2群の上部に支持される。すなわち、各支持アーム4
の先端側である鉛直部21は、その係止フック部22によって各パネル体2の上端部に形
成した凹溝10(上フレーム9)に装着されている。
【0026】
係止フック部22は、強度を確保可能な程度に薄い板厚に構成されている。このため、
係止フック部22のフック先端側が上フレーム9の凹溝10内に入り込むものの、笠木カ
バー16によって上フレーム9の上端開口を塞ぐにおいて、笠木カバー16は、係止フッ
ク部22のフック先端側の厚み分だけ若干変形する程度であり、笠木ベース13に対する
笠木カバー16の着脱に支障はない。なお、実施形態の各パネル体2では、上フレーム9
の凹溝10内において支持アーム4の係止フック部22が嵌まり込む箇所で笠木ベース1
3を途切れさせ、係止フック部22が笠木ベース13と干渉するのを回避するように構成
されている。
【0027】
図6に詳細に示すように、係止フック部22のフック先端側は、上向きに折り曲げた折
曲げ片23になっている。各パネル体2における上フレーム9の内側空間S寄りの上端縁
部に、各支持アーム4の係止フック部22を上方から嵌め込み係合した状態では、笠木ベ
ース13の係合溝15に強制嵌合された笠木カバー16の係止爪17に、係止フック部2
2の折曲げ片23が当接するように構成されている。このため、笠木カバー16で上フレ
ーム9の上端開口を塞いだ状態で、係止フック部22は、上フレーム9の内側空間S寄り
の上端縁部から外れにくくなっている。
【0028】
係止フック部22のフック先端側は、上フレーム9(凹溝10)内での厚み方向の突出
寸法が上フレーム9上端開口の厚み方向寸法の半分よりも小さい設定になっている。これ
は、例えば
図7に示すように、パネルブース1を水平方向に連設し、隣り合うパネルブー
ス1間でパネル体2を共用している場合において、共用しているパネル体2における上フ
レーム9の両上端縁部に、支持アーム4の係止フック部22を上方から向かい合わせで嵌
め込み係合したとしても、互いに干渉しないようにするためである(
図8参照)。
【0029】
上記のように構成すると、パネルブース1に対して、ルーフ体3を支持アーム4ごと簡
単に取り付け・取り外しできるから、ユーザーの希望に応じてルーフ体3を取り付けたり
取り外したりするのを極めて簡単に行え、ユーザー(作業者)の負担を大幅に軽減できる
。ユーザーにとって使い勝手が極めてよいのである。また、支持アーム4もルーフ体3側
に固定されているので、ルーフ体3を取り外す場合は、支持アーム4も合わせて一遍に取
り外しでき、作業性も極めてよい。
【0030】
具体的には、ルーフ体3を取り付ける場合、上フレーム9から笠木カバー16を取り外
した状態で、各パネル体2における上フレーム9の内側空間S寄りの上端縁部に、各支持
アーム4の係止フック部22を上方から嵌め込み係合して、各支持アーム4を介してルー
フ体3をパネル体2群で支持させ、その後、上フレーム9に笠木カバー16を取り付けれ
ばよい。ルーフ体3を取り外す場合は、上フレーム9から笠木カバー16を取り外し、そ
れからルーフ体3を引き上げ、各支持アーム4の係止フック部22を上フレーム9から離
脱させ、最後に、上フレーム9に笠木カバー16を取り付ければよいのである。
【0031】
図7には、三つのパネルブース1を連設した状態を示している。隣り合うパネルブース
の間のパネル体2は共用している。
図7に示すように、パネルブース1のコーナー形状は
、中央に示す角形にもできるし、左右両側に示すような丸みをつけた形状にもできる。ル
ーフ体3の平面視外形は、パネルブース1の平面視輪郭に応じて設定すればよい。
【0032】
また、
図1~
図3及び
図7に示すように、平面視においてルーフ体3の周縁部を各パネ
ル体2の上端部よりも内側に位置させ、ルーフ体3の平面視面積をパネルブース1の平面
視輪郭よりも小さく設定することによって、ルーフ体3の周縁部と各パネル体2の上端部
との間に、水平方向の隙間24を形成するようにしてもよい。また、
図1~
図3に示すよ
うに、各支持アーム4の鉛直部21の長さを長くして、ルーフ体を描くパネル体の上端部
より高い位置に突出させることによって、ルーフ体3の周縁部と各パネル体2の上端部と
の間に、上下方向の隙間24を形成するようにしてもよい。実施形態では、水平方向及び
上下方向の両方のやり方で、隙間24が形成されている。
【0033】
このように構成すると、パネルブース1にルーフ体3を取り付けて、他人から干渉され
にくいように適度な閉鎖性(クローズ性)を持たせると共に、周囲からの騒音をも軽減で
きるものでありながら、パネルブース1内に周囲からの環境光を取り入れることができる
し、パネルブース1内にユーザーがいる場合に周囲にその存在・気配を察知させ易くなる
というメリットもある。パネルブース1内に熱がこもるのを軽減することも可能になる。
【0034】
さて、
図1~
図3、
図7及び
図9~
図12に示すように、パネルブース1における中央
奥側のパネル体2の上端部には、パネルブース1の内側空間Sを照らす照明灯具25が取
り付けられている。照明灯具25は、下向きに開口した金属製のシェード26と、シェー
ド26の下面側に取り付けた直管状のLED又は蛍光灯等からなるライト体27とを備え
ている。実施形態のライト体27は、磁石を利用して、シェード26の下面側に着脱可能
に取り付けられている。なお、ライト体27には、人感センサー(図示省略)が設けられ
ていて、パネルブース1内にユーザーがいるのを感知して点灯し、いなくなって所定時間
が経過すると消灯するように設定されている。このように人感センサーを使用することに
よって、ユーザーがいるときには光が開口溝穴31から漏れ、在席していることを示す在
席表示システムとして利用できる。
【0035】
図10及び
図11から分かるように、シェード26の後面板29の内側には、下向き折
曲げ片30が取り付けられている。シェード26の後面板29と下向き折曲げ片30とが
中央奥側のパネル体2の上端部を上方から挟んで被さることによって、シェード26(照
明灯具25)が中央奥側のパネル体2の上端部に取り付けられる。このため、直線状のパ
ネル体2上端部であれば、照明灯具25は簡単に着脱できる。
【0036】
シェード26(照明灯具25)をパネル体2の上端部に取り付けた状態で、シェード2
6の一部(上部側)は、パネル体2の上端部より高い位置に突出する。水平方向から見る
と、シェード26の突出部(上部側)は、ルーフ体3とパネル体2群との間の隙間24の
箇所に位置している(
図1~
図3参照)。シェード26の突出部(上部側)には、ライト
体27からの光漏れ用の開口溝穴31が横方向(パネル体2の上端縁に沿った方向)に長
く形成されている。実施形態では、シェード26の前面板28と後面板29との両方に、
開口溝穴31が形成されている。シェード26の開口溝穴31は、シェードの少なくとも
後面板29(背面側)に形成されていれば足りる。
【0037】
このように構成すると、パネルブース1において、ルーフ体3があってもなくても(ル
ーフ体3がある場合は特に)内側空間Sの照明効率を向上できる。そればかりか、照明灯
具25におけるライト体27が点灯していれば、その光が各開口溝穴31から漏れること
になり、パネルブース1内にユーザーがいる場合に周囲にその存在を確実に把握させるこ
とが可能になる。
【0038】
なお、本発明における各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本発明
の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば支持フレーム4の鉛直部21と係
止フック部22との位置関係を入れ替えて、鉛直部21を上フレーム9の凹溝10内に入
れ込むように構成してもよい。この場合、鉛直部21は厚みがあるため、笠木カバー16
の該当箇所に、鉛直部21が嵌まる切り欠きを形成しておくのが望ましい。
【0039】
また、支持アーム4の係止フック部22は、パネル体2における凹溝10の少なくとも
一方の上端縁部に上方から嵌め込み係合するに限らず、凹溝10の両方の上端縁部に係止
フック部22を嵌め込み係合する構成を採用してもよいし、凹溝10にずれ不能に嵌め込
む構成を採用してもよい。
【0040】
ルーフ体3の周縁部と各パネル体2の上端部との間には隙間を設けないようにして、パ
ネルブース1上にルーフ体3を設けることも可能である。この場合は、実施形態で示した
照明灯具25とは別の照明灯具を、例えばルーフ体3の下面や天板5上等に配置するのが
好ましい。
【0041】
パネルブース1において隣り合うパネル体2の間に縦長の目地が存在する場合は、当該
目地の箇所に連結支柱が露出する。そこで、例えば連結具に形成した下向き鉤状の係止爪
を、目地の箇所の連結支柱に形成した係合穴に引っ掛かり係合させることによって、ルー
フ体3をパネルブース1に支持させることが可能になる。この場合も、ルーフ体3をワン
タッチ的に着脱する構成にできることはいうまでもない。
【0042】
更に、実施形態では、四個の支持アーム4がそれぞれ個別に二枚の扁平ルーフ板18の
間に挟み込まれているが、このような態様に限らず、
図13に示すように、各水平部を連
接部32で一体的に連接して、四箇所の鉛直部21を有する一つの支持アーム4を構成し
てもよい。
【符号の説明】
【0043】
S 内側空間
1 パネルブース(間仕切装置)
2 パネル体
3 ルーフ体
4 支持アーム
9 上フレーム
10 凹溝
13 笠木ベース
16 笠木カバー
18 扁平ルーフ板
19 水平部
20 ビス(締結具)
21 鉛直部
22 係止フック部
24 隙間
25 照明灯具
26 シェード
27 ライト体
28 前面板
29 後面板
30 下向き折曲げ片
31 開口溝穴
【手続補正書】
【提出日】2023-09-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、間仕切装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
オフィス等の空間において、空間利用の自由度を高めるために、パネル体を立設した間仕切装置を設けることは広く行われている。間仕切装置を設けることによって、周囲からの視線や音をある程度遮ることができる。この種の間仕切装置において、相対向するパネル体の上方に、これらパネル体の上方を覆うルーフ体を設けたものは、すでに知られている(例えば特許文献1及び2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6292823号公報
【特許文献2】特開2003-313977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
【0005】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、内側空間の照明効率を向上できる間仕切装置を提供することを技術的課題としている。
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
本発明は、少なくとも内側空間の後方及び左右両側方を囲うパネル体を備えた間仕切装置であって、前記パネル体の上端部には、前記内側空間を照らす照明灯具が取り付けられており、前記照明灯具を構成するシェードの一部を前記パネル体の上端部より高い位置に突出させており、前記シェードの突出部には、光漏れ用の開口が形成されている。
【0012】
本発明の間仕切装置において、前記シェードの前記開口は、前記シェードの少なくとも背面側に配置されていて、前記パネル体の上端縁に沿って長く延びるように形成されるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
【0014】
本発明の照明灯具によると、間仕切装置において、ルーフ体があってもなくても(ルーフ体がある場合は特に)内側空間の照明効率を向上できる。そればかりか、照明灯具が点灯していれば、その光が開口から漏れることになり、間仕切装置内にユーザーがいる場合に周囲にその存在を確実に把握させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態の間仕切装置を正面斜め左側から見た斜視図である。
【
図2】間仕切装置を背面斜め右側から見た斜視図である。
【
図3】間仕切装置上部を背面斜め右側から見た拡大斜視図である。
【
図5】ルーフ体の詳細構造を示す分離斜視図である。
【
図6】パネル体上部に連結具を装着した状態を示す縦断面図である。
【
図7】間仕切装置を連設した状態を示す平面図である。
【
図8】
図7においてパネル体上部に連結具を隣り合わせで装着した状態を示す縦断面図である。
【
図9】間仕切装置に対する照明灯具の取付け態様を示す説明図であり、ルーフ体を省略して間仕切装置上部を背面斜め右側から見た拡大斜視図である。
【
図13】支持アームの別例を示す分離斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明を具体化した実施形態を図面に基づき説明する。以下の説明では方向を特定するために「前後」「左右」の文言を使用するが、これは、本発明に係る間仕切装置としてのパネルブースを用いるユーザーの向きを基準としている。つまり、パネルブースの開口方向を前方向とし、これを基準に後ろ及び左右を決定している。ただし、これらの用語は説明の便宜上用いたものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、水平方向という場合は、左右方向と前後方向との総称として用いている。
【0017】
図1~
図3に示すように、間仕切装置としてのパネルブース1は、水平方向に連設可能な複数枚のパネル体2と、隣り合うパネル体2を連結する連結支柱(図示省略)とを備えている。これらパネル体2群は内側空間Sの後方及び左右両側方を囲っており、前方は開放されている。
【0018】
パネルブース1(パネル体2群)の上方には、パネルブース1の屋根を構成する平板状のルーフ体3が、内側空間Sの上方を覆うように配置されている。ルーフ体3は、少なくとも二つの連結具としてのL形の支持アーム4を介して、パネル体2群の上部に連結支持されている。実施形態では、中央のパネル体2の上部に二つ、左右両側のパネル体2の上部に一つずつの合計四本の支持アーム4が取り付けられる。四本の支持アーム4によってルーフ体3が支持されている。パネルブース1の内側空間Sの奥側には、天板5が配置されている。実施形態では、中央及び左右両側のパネル体2の表面側に、天板5が連結支持されている。
【0019】
なお、パネルブース1は、少なくとも内側空間Sの後方及び左右両側方をパネル体2で囲う形態であればよい。例えばパネルブース1の前側に開閉可能な扉体を設けて、内側空間Sを閉じた空間にできるようにしてもよい。また、実施形態のパネルブース1は、複数枚のパネル体2を平面視C字状に連結しているが、これに限らず、複数枚のパネル体2を十字状、T字状、Y字状、及びこれらの組み合わせ形状等に連結することも可能である(例えば
図7参照)。連結具(支持アーム4)の数も、二つ以上であれば特に限定されるものではない。
【0020】
図4、
図6及び
図8に示すように、各パネル体2は、ハニカム構造体等からなる芯材6の表裏両面に厚紙等の表面材7を貼着したサンドイッチ状の基本構造になっている。各パネル体2の表裏両面(各表面材7の外面)は、クロス等の張地8で覆われている。各パネル体2の上端部には、その全長にわたって延びる上向き開口樋状の上フレーム9が固定されている。上フレーム9の表裏両面は、表面材7及び張地8で覆われている。張地8の上端側は、上フレーム9の内面側にまで巻き込まれている。上フレーム9の内部側が、各パネル体2の上端部に形成した凹溝10に相当するものである。
【0021】
上フレーム9における凹溝10内の内底面には、上向きに突出する一対の縦リブ11が一体的に設けられている。両縦リブ11上には、弾性変形可能な合成樹脂製で断面C字状の笠木ベース13が載せられている。笠木ベース13は、上フレーム9の長手方向に沿って長い形態になっている。
図4に示すように、笠木ベース13における厚み方向両側の上コーナー部14は、それぞれ外向きに張り出している。これに対して、上フレーム9の上端開口は、笠木ベース13よりも厚み方向の寸法が小さいから、笠木ベース13は、上フレーム9の凹溝10内に強制嵌合で嵌め込まれて、両縦リブ11上に載置される。
【0022】
上フレーム9における厚み方向両側の上端縁側には、内向きに折り返したフランジ部12が形成されている。強制嵌合後の笠木ベース13の各上コーナー部14は、弾性復元力によって、上フレーム9の対応するフランジ部12に自らを押し付ける。このため、上フレーム9の凹溝10内に嵌め込まれた笠木ベース13は、凹溝10から外れにくくなっている。なお、上フレーム9の両縦リブ11と笠木ベース13とで囲まれた空間には、通信ケーブルや電源ケーブル等の各種ケーブルを引き回しでき、ケーブル露出に起因する外観悪化やケーブルの損傷防止に効果的である。
【0023】
笠木ベース13の上面側には、上フレーム9の上端開口を塞ぐ笠木カバー16の係止爪17が強制嵌合される上向き開口の係合溝15が形成されている。笠木ベース13と同様に上フレーム9の長手方向に沿って長い形態の笠木カバー16に形成した下向き突状の係止爪17を、笠木ベース13の係合溝15に強制嵌合することによって、上フレーム9の上端開口が閉止される。笠木カバー16も、笠木ベース13と同様に、弾性変形可能な合成樹脂製である。なお、笠木カバー16にも張地8が貼着されていて、笠木カバー16を含むパネル体2全体の質感の統一及び美感の向上が図られている。
【0024】
図5に示すように、ルーフ体3は、二枚の扁平ルーフ板18を張り合わせた構成になっている。ルーフ体3の後ろ側二箇所と左右両側一箇所ずつとには、連結具としてのL形の支持アーム4が設けられている。各支持アーム4の基端側である水平部19は、両扁平ルーフ板18の間に挟み込まれている。両扁平ルーフ板18と各支持アーム4の水平部19との三者は、上方からの複数のビス20(実施形態では二個)で共締めされている。すなわち、各支持アーム4の基端側である水平部19は、締結具としての複数のビス20によってルーフ体3に固定されている。なお、図示は省略するが、各扁平ルーフ板18の外面側にも張地8が貼着されている。
【0025】
図5及び
図6に示すように、各支持アーム4の先端側である鉛直部21の外面側には、下向き鉤状の係止フック部22が設けられている。各パネル体2における上フレーム9の内側空間S寄りの上端縁部(フランジ部12を含む)に、各支持アーム4における鉛直部21の係止フック部22を上方から嵌め込み係合することによって、平板状のルーフ体3が支持アーム4群を介してパネル体2群の上部に支持される。すなわち、各支持アーム4の先端側である鉛直部21は、その係止フック部22によって各パネル体2の上端部に形成した凹溝10(上フレーム9)に装着されている。
【0026】
係止フック部22は、強度を確保可能な程度に薄い板厚に構成されている。このため、係止フック部22のフック先端側が上フレーム9の凹溝10内に入り込むものの、笠木カバー16によって上フレーム9の上端開口を塞ぐにおいて、笠木カバー16は、係止フック部22のフック先端側の厚み分だけ若干変形する程度であり、笠木ベース13に対する笠木カバー16の着脱に支障はない。なお、実施形態の各パネル体2では、上フレーム9の凹溝10内において支持アーム4の係止フック部22が嵌まり込む箇所で笠木ベース13を途切れさせ、係止フック部22が笠木ベース13と干渉するのを回避するように構成されている。
【0027】
図6に詳細に示すように、係止フック部22のフック先端側は、上向きに折り曲げた折曲げ片23になっている。各パネル体2における上フレーム9の内側空間S寄りの上端縁部に、各支持アーム4の係止フック部22を上方から嵌め込み係合した状態では、笠木ベース13の係合溝15に強制嵌合された笠木カバー16の係止爪17に、係止フック部22の折曲げ片23が当接するように構成されている。このため、笠木カバー16で上フレーム9の上端開口を塞いだ状態で、係止フック部22は、上フレーム9の内側空間S寄りの上端縁部から外れにくくなっている。
【0028】
係止フック部22のフック先端側は、上フレーム9(凹溝10)内での厚み方向の突出寸法が上フレーム9上端開口の厚み方向寸法の半分よりも小さい設定になっている。これは、例えば
図7に示すように、パネルブース1を水平方向に連設し、隣り合うパネルブース1間でパネル体2を共用している場合において、共用しているパネル体2における上フレーム9の両上端縁部に、支持アーム4の係止フック部22を上方から向かい合わせで嵌め込み係合したとしても、互いに干渉しないようにするためである(
図8参照)。
【0029】
上記のように構成すると、パネルブース1に対して、ルーフ体3を支持アーム4ごと簡単に取り付け・取り外しできるから、ユーザーの希望に応じてルーフ体3を取り付けたり取り外したりするのを極めて簡単に行え、ユーザー(作業者)の負担を大幅に軽減できる。ユーザーにとって使い勝手が極めてよいのである。また、支持アーム4もルーフ体3側に固定されているので、ルーフ体3を取り外す場合は、支持アーム4も合わせて一遍に取り外しでき、作業性も極めてよい。
【0030】
具体的には、ルーフ体3を取り付ける場合、上フレーム9から笠木カバー16を取り外した状態で、各パネル体2における上フレーム9の内側空間S寄りの上端縁部に、各支持アーム4の係止フック部22を上方から嵌め込み係合して、各支持アーム4を介してルーフ体3をパネル体2群で支持させ、その後、上フレーム9に笠木カバー16を取り付ければよい。ルーフ体3を取り外す場合は、上フレーム9から笠木カバー16を取り外し、それからルーフ体3を引き上げ、各支持アーム4の係止フック部22を上フレーム9から離脱させ、最後に、上フレーム9に笠木カバー16を取り付ければよいのである。
【0031】
図7には、三つのパネルブース1を連設した状態を示している。隣り合うパネルブースの間のパネル体2は共用している。
図7に示すように、パネルブース1のコーナー形状は、中央に示す角形にもできるし、左右両側に示すような丸みをつけた形状にもできる。ルーフ体3の平面視外形は、パネルブース1の平面視輪郭に応じて設定すればよい。
【0032】
また、
図1~
図3及び
図7に示すように、平面視においてルーフ体3の周縁部を各パネル体2の上端部よりも内側に位置させ、ルーフ体3の平面視面積をパネルブース1の平面視輪郭よりも小さく設定することによって、ルーフ体3の周縁部と各パネル体2の上端部との間に、水平方向の隙間24を形成するようにしてもよい。また、
図1~
図3に示すように、各支持アーム4の鉛直部21の長さを長くして、ルーフ体を描くパネル体の上端部より高い位置に突出させることによって、ルーフ体3の周縁部と各パネル体2の上端部との間に、上下方向の隙間24を形成するようにしてもよい。実施形態では、水平方向及び上下方向の両方のやり方で、隙間24が形成されている。
【0033】
このように構成すると、パネルブース1にルーフ体3を取り付けて、他人から干渉されにくいように適度な閉鎖性(クローズ性)を持たせると共に、周囲からの騒音をも軽減できるものでありながら、パネルブース1内に周囲からの環境光を取り入れることができるし、パネルブース1内にユーザーがいる場合に周囲にその存在・気配を察知させ易くなるというメリットもある。パネルブース1内に熱がこもるのを軽減することも可能になる。
【0034】
さて、
図1~
図3、
図7及び
図9~
図12に示すように、パネルブース1における中央奥側のパネル体2の上端部には、パネルブース1の内側空間Sを照らす照明灯具25が取り付けられている。照明灯具25は、下向きに開口した金属製のシェード26と、シェード26の下面側に取り付けた直管状のLED又は蛍光灯等からなるライト体27とを備えている。実施形態のライト体27は、磁石を利用して、シェード26の下面側に着脱可能に取り付けられている。なお、ライト体27には、人感センサー(図示省略)が設けられていて、パネルブース1内にユーザーがいるのを感知して点灯し、いなくなって所定時間が経過すると消灯するように設定されている。このように人感センサーを使用することによって、ユーザーがいるときには光が開口溝穴31から漏れ、在席していることを示す在席表示システムとして利用できる。
【0035】
図10及び
図11から分かるように、シェード26の後面板29の内側には、下向き折曲げ片30が取り付けられている。シェード26の後面板29と下向き折曲げ片30とが中央奥側のパネル体2の上端部を上方から挟んで被さることによって、シェード26(照明灯具25)が中央奥側のパネル体2の上端部に取り付けられる。このため、直線状のパネル体2上端部であれば、照明灯具25は簡単に着脱できる。
【0036】
シェード26(照明灯具25)をパネル体2の上端部に取り付けた状態で、シェード26の一部(上部側)は、パネル体2の上端部より高い位置に突出する。水平方向から見ると、シェード26の突出部(上部側)は、ルーフ体3とパネル体2群との間の隙間24の箇所に位置している(
図1~
図3参照)。シェード26の突出部(上部側)には、ライト体27からの光漏れ用の開口溝穴31が横方向(パネル体2の上端縁に沿った方向)に長く形成されている。実施形態では、シェード26の前面板28と後面板29との両方に、開口溝穴31が形成されている。シェード26の開口溝穴31は、シェードの少なくとも後面板29(背面側)に形成されていれば足りる。
【0037】
このように構成すると、パネルブース1において、ルーフ体3があってもなくても(ルーフ体3がある場合は特に)内側空間Sの照明効率を向上できる。そればかりか、照明灯具25におけるライト体27が点灯していれば、その光が各開口溝穴31から漏れることになり、パネルブース1内にユーザーがいる場合に周囲にその存在を確実に把握させることが可能になる。
【0038】
なお、本発明における各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば支持フレーム4の鉛直部21と係止フック部22との位置関係を入れ替えて、鉛直部21を上フレーム9の凹溝10内に入れ込むように構成してもよい。この場合、鉛直部21は厚みがあるため、笠木カバー16の該当箇所に、鉛直部21が嵌まる切り欠きを形成しておくのが望ましい。
【0039】
また、支持アーム4の係止フック部22は、パネル体2における凹溝10の少なくとも一方の上端縁部に上方から嵌め込み係合するに限らず、凹溝10の両方の上端縁部に係止フック部22を嵌め込み係合する構成を採用してもよいし、凹溝10にずれ不能に嵌め込む構成を採用してもよい。
【0040】
ルーフ体3の周縁部と各パネル体2の上端部との間には隙間を設けないようにして、パネルブース1上にルーフ体3を設けることも可能である。この場合は、実施形態で示した照明灯具25とは別の照明灯具を、例えばルーフ体3の下面や天板5上等に配置するのが好ましい。
【0041】
パネルブース1において隣り合うパネル体2の間に縦長の目地が存在する場合は、当該目地の箇所に連結支柱が露出する。そこで、例えば連結具に形成した下向き鉤状の係止爪を、目地の箇所の連結支柱に形成した係合穴に引っ掛かり係合させることによって、ルーフ体3をパネルブース1に支持させることが可能になる。この場合も、ルーフ体3をワンタッチ的に着脱する構成にできることはいうまでもない。
【0042】
更に、実施形態では、四個の支持アーム4がそれぞれ個別に二枚の扁平ルーフ板18の間に挟み込まれているが、このような態様に限らず、
図13に示すように、各水平部を連接部32で一体的に連接して、四箇所の鉛直部21を有する一つの支持アーム4を構成してもよい。
[付記]
ところで、この種の間仕切装置では、ユーザーの希望に応じて、様々なレイアウトに簡単に変更できるようにすることが望まれている。つまり、前記従来の構成においては、ルーフ体を簡単に取り付けたり取り外したりできる方がユーザーの使い勝手がよい。
しかし、前記従来の構成では、ルーフ体がパネル体の上部にチャンネル材を介して連結されていたり、複数箇所でねじ止めされていたりするため、ルーフ体の取り付け・取り外し作業に手間がかかり、ユーザー(作業者)の負担が大きいという問題があった。
[付記1]
少なくとも内側空間の後方及び左右両側方を囲うパネル体を備えた間仕切装置であって、
前記内側空間の上方を覆うルーフ体を前記パネル体の上部で支持するにあたり、前記ルーフ体と前記パネル体の上部とが少なくとも二つの連結具を介して連結されており、
前記連結具の基端側は前記ルーフ体に固定されており、前記連結具の先端側に設けた係止フック部が前記パネル体の凹溝に上方から嵌め込み係合されている、
間仕切装置。
[付記2]
前記係止フック部は、前記パネル体における前記凹溝の少なくとも一方の上端縁部に上方から嵌め込み係合されている、
付記1に記載した間仕切装置。
[付記3]
前記ルーフ体は、二枚の扁平ルーフ板を張り合わせた構成になっており、前記連結具の基端側を前記両扁平ルーフ板の間に挟み込んだ状態で、前記両扁平ルーフ板と前記連結具の基端側との三者が締結具で共締めされている、
付記1又は2に記載した間仕切装置。
[付記4]
前記ルーフ体の周縁部と前記パネル体の上端部との間には隙間が形成されている、
付記1~3のうちいずれかに記載した間仕切装置。
付記1の間仕切装置によると、間仕切装置に対してルーフ体を連結具ごと簡単に取り付け・取り外しできるから、ユーザーの希望に応じてルーフ体を取り付けたり取り外したりするのを極めて簡単に行え、ユーザー(作業者)の負担を大幅に軽減できる。ユーザーにとって使い勝手が極めてよい。また、連結具もルーフ体側に固定されるので、ルーフ体を取り外す場合は、連結具も合わせて一遍に取り外しでき、作業性も極めてよい。
【符号の説明】
【0043】
S 内側空間
1 パネルブース(間仕切装置)
2 パネル体
3 ルーフ体
4 支持アーム
9 上フレーム
10 凹溝
13 笠木ベース
16 笠木カバー
18 扁平ルーフ板
19 水平部
20 ビス(締結具)
21 鉛直部
22 係止フック部
24 隙間
25 照明灯具
26 シェード
27 ライト体
28 前面板
29 後面板
30 下向き折曲げ片
31 開口溝穴