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▶ 住友重機械搬送システム株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164598
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】自動倉庫システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20231102BHJP
   B65G 1/137 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
B65G1/04 503
B65G1/137
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023151097
(22)【出願日】2023-09-19
(62)【分割の表示】P 2020042802の分割
【原出願日】2018-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】503002732
【氏名又は名称】住友重機械搬送システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100116274
【弁理士】
【氏名又は名称】富所 輝観夫
(72)【発明者】
【氏名】西前 健司
(57)【要約】
【課題】スループットを向上することが可能な自動倉庫システムを提供する。
【解決手段】自動倉庫システムであって、荷を保管するための保管棚部と、荷を搭載して第1方向に移動する台車と、台車を搭載して走行路を第1方向と交差する第2方向に移動する移動機構と、台車及び移動機構の移動を制御する制御部と、を有する。保管棚部は、複数の荷を第1方向に並べて保管可能な第1、第2保管列を含む。制御部は、第1保管列に保管された第1種類の荷を出庫する前に、第1保管列の第1種類の荷よりも第1方向において走行路に近い位置に第1種類の荷と異なる荷がある場合、当該異なる荷を第2保管列に移動する予備移動を行うように、台車及び移動機構の移動を制御する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動倉庫システムであって、
荷を保管するための保管棚部と、
荷を搭載して第1方向に移動する台車と、
前記台車を搭載して走行路を前記第1方向と交差する第2方向に移動する移動機構と、
前記台車及び前記移動機構の移動を制御する制御部と、を有し、
前記保管棚部は、複数の荷を前記第1方向に並べて保管可能な第1、第2保管列を含み、
前記制御部は、前記第1保管列に保管された第1種類の荷を出庫する前に、前記第1保管列の前記第1種類の荷よりも前記第1方向において前記走行路に近い位置に前記第1種類の荷と異なる荷がある場合、当該異なる荷を前記第2保管列に移動する予備移動を行うように、前記台車及び前記移動機構の移動を制御することを特徴とする自動倉庫システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記異なる荷を前記第2保管列に移動した後、前記第1種類の荷を前記第1保管列から移動し、その後前記異なる荷を前記第2保管列から前記第1保管列に移動するように、前記台車及び前記移動機構の移動を制御することを特徴とする請求項1に記載の自動倉庫システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1種類の荷を前記第1保管列から移動した後、
(i)前記第1保管列にある前記異なる荷の数が前記第2保管列にある前記異なる荷の数よりも多い場合、前記第2保管列にある前記異なる荷を前記第1保管列に移動し、
(ii)前記第1保管列にある前記異なる荷の数が前記第2保管列にある前記異なる荷の数よりも少ない場合、前記第1保管列にある前記異なる荷を前記第2保管列に移動するように、前記台車及び前記移動機構の移動を制御することを特徴とする請求項2に記載の自動倉庫システム。
【請求項4】
前記第2保管列は、前記予備移動の前に、前記複数の荷が保管されていないことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の自動倉庫システム。
【請求項5】
自動倉庫システムであって、
荷を保管するための保管棚部と、
荷を搭載して第1方向に移動する台車と、
前記台車を搭載して走行路を前記第1方向と交差する第2方向に移動する移動機構と、
前記台車及び前記移動機構の移動を制御する制御部と、を有し、
前記保管棚部は、複数の荷を前記第1方向に並べて保管可能な第1保管列と、複数の荷を前記第1方向に並べて保管可能であって、少なくとも第1種類の荷と異なる荷が保管された複数の保管列と、を含み、
前記制御部は、前記第1保管列に保管された前記第1種類の荷を出庫する前に、前記第1保管列の前記第1種類の荷よりも前記第1方向において前記走行路に近い位置に前記第1種類の荷と異なる荷がある場合、当該異なる荷を前記複数の保管列のうちの少なくとも1つの第2保管列に移動する予備移動を行うように、前記台車及び前記移動機構の移動を制御することを特徴とする自動倉庫システム。
【請求項6】
前記制御部は、複数の保管列の中から、前記第1種類の荷が保管されていない保管列を前記少なくとも1つの第2保管列とし、当該少なくとも1つの第2の保管列に前記予備移動を行うことを特徴とする請求項5に記載の自動倉庫システム。
【請求項7】
複数の保管列の中から、出庫が予定されている前記第1種類の荷が保管されておらず、且つ、出庫が予定されていない前記第1種類の荷が保管されている保管列を前記少なくとも1つの第2保管列とし、当該少なくとも1つの第2の保管列に前記予備移動を行うことを特徴とする請求項5に記載の自動倉庫システム。
【請求項8】
前記制御部は、複数の保管列の中から、当該予備移動に要する時間が最短となるような保管列を前記少なくとも1つの第2保管列とし、当該少なくとも1つの第2保管列に前記予備移動を行うことを特徴とする請求項5または6に記載の自動倉庫システム。
【請求項9】
前記制御部は、荷の出庫動作を行っていないときに、前記予備移動を行うことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の自動倉庫システム。
【請求項10】
前記保管棚部とは異なる位置に前記第1種類の荷を一時的に保管するための一時保管部を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の自動倉庫システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動倉庫システムに関する。
【背景技術】
【0002】
少ないスペースで多数の荷を効率的に入庫・出庫可能な自動倉庫システムが知られている。本出願人は、特許文献1によって複数の物品を収納可能な複数の収納棚を備えた自動倉庫システムを開示している。この自動倉庫システムは、保管棚部の間で列方向に移動可能な搬送台車と行方向に移動可能なスタッカークレーンとを用いて物品を搬入・搬出するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-160040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動倉庫では、一つの列に種類の異なる複数の荷を保管することがある。このような倉庫において、出庫対象の荷が列の奥側に保管されて、列の手前側に別の荷が保管されている場合には、出庫対象の荷を出庫する前に、別の荷を出庫させなければならず、入出庫のスループットが低下するという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、このような課題に鑑みてなされたもので、スループットを向上することが可能な自動倉庫システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の自動倉庫システムは、自動倉庫システムであって、荷を保管するための保管棚部と、荷を搭載して第1方向に移動する台車と、台車を搭載して走行路を第1方向と交差する第2方向に移動する移動機構と、台車及び移動機構の移動を制御する制御部と、を有する。保管棚部は、複数の荷を第1方向に並べて保管可能な第1、第2保管列を含む。制御部は、第1保管列に保管された第1種類の荷を出庫する前に、第1保管列の第1種類の荷よりも第1方向において走行路に近い位置に第1種類の荷と異なる荷がある場合、当該異なる荷を第2保管列に移動する予備移動を行うように、台車及び移動機構の移動を制御する。
【0007】
本発明の別の態様もまた、自動倉庫システムである。この自動倉庫システムは、自動倉庫システムであって、荷を保管するための保管棚部と、荷を搭載して第1方向に移動する台車と、台車を搭載して走行路を第1方向と交差する第2方向に移動する移動機構と、台車及び移動機構の移動を制御する制御部と、を有する。保管棚部は、複数の荷を第1方向に並べて保管可能な第1保管列と、複数の荷を第1方向に並べて保管可能であって、少なくとも第1種類の荷と異なる荷が保管された複数の保管列と、を含む。制御部は、第1保管列に保管された第1種類の荷を出庫する前に、第1保管列の第1種類の荷よりも第1方向において走行路に近い位置に第1種類の荷と異なる荷がある場合、当該異なる荷を複数の保管列のうちの少なくとも1つの第2保管列に移動する予備移動を行うように、台車及び移動機構の移動を制御する。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、スループットを向上することが可能な自動倉庫システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態に係る自動倉庫システムの一例を概略的に示す平面図である。
図2図1の自動倉庫システムの保管棚部の配置を示す平面図である。
図3図1の自動倉庫システムを概略的に示す側面図である。
図4図1の自動倉庫システムの保管棚部の配置を示す側面図である。
図5図1の自動倉庫システムの第1台車の一例を概略的に示す平面図である。
図6図5の第1台車の正面図である。
図7図1の自動倉庫システムの第2台車の一例を概略的に示す平面図である。
図8図7の第2台車の正面図である。
図9図1の自動倉庫システムの第1モード動作を説明するフローチャートである。
図10図9の第1モード動作における荷の移動を示す第1の図である。
図11図9の第1モード動作における荷の移動を示す第2の図である。
図12図9の第1モード動作における荷の移動を示す第3の図である。
図13図9の第1モード動作における荷の移動を示す第4の図である。
図14図1の自動倉庫システムの第2モード動作を説明するフローチャートである。
図15図14の第2モード動作における荷の移動を示す第1の図である。
図16図14の第2モード動作における荷の移動を示す第2の図である。
図17図14の第2モード動作における荷の移動を示す第3の図である。
図18図14の第2モード動作における荷の移動を示す第4の図である。
図19図14の第2モード動作における荷の移動を示す第5の図である。
図20図14の第2モード動作における荷の移動を示す第6の図である。
図21図14の第2モード動作における荷の移動を示す第7の図である。
図22図14の第2モード動作における荷の移動を示す第8の図である。
図23図1の自動倉庫システムの第3モード動作を説明するフローチャートである。
図24図23の第3モード動作における荷の移動を示す第1の図である。
図25図23の第3モード動作における荷の移動を示す第2の図である。
図26図23の第3モード動作における荷の移動を示す第3の図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに各図面を参照しながら説明する。実施の形態および変形例では、同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
また、第1、第2などの序数を含む用語は多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、この用語によって構成要素が限定されるものではない。
【0012】
[実施の形態]
図1図4を参照して実施の形態に係る自動倉庫システム100の構成について説明する。図1は、実施の形態に係る自動倉庫システム100の一例を概略的に示す平面図である。図2は、自動倉庫システム100の保管棚部22および一時保管部28の配置を示す平面図である。図3は、自動倉庫システム100を概略的に示す側面図である。図4は、自動倉庫システム100の保管棚部22および一時保管部28の配置を示す側面図である。これらの図では、柱や梁などの記載を省略している。
【0013】
説明の便宜上、図示のように、水平なある方向をX軸方向、X軸方向に直交する水平な方向をY軸方向、両者に直交する方向すなわち鉛直方向をZ軸方向とするXYZ直交座標系を定める。X軸、Y軸、Z軸のそれぞれの正の方向は、各図における矢印の方向に規定され、負の方向は、矢印と逆向きの方向に規定される。また、X軸方向を「行方向」ということもある。また、Y軸方向を「列方向」ということもある。また、Z軸方向を「上下方向」ということもある。このような方向の表記は自動倉庫システム100の構成を制限するものではなく、自動倉庫システム100は、用途に応じて任意の構成で使用されうる。なお、以降の説明ではXYZ直交座標系を用いて説明するが、必ずしもX軸方向、Y軸方向、Z軸方向は互いに直交していなくとも、略90度で交差していればよい。
【0014】
先に、自動倉庫システム100の全体構成を説明する。自動倉庫システム100は、多数の荷12を保管可能な保管棚部22を含むシステムである。自動倉庫システム100は、保管棚部22と、一時保管部28と、第1台車14と、第2台車16と、第1レール40と、第2レール44と、給電部34と、制御部18と、モード設定部30と、を含む。実施の形態では、第1方向としてY軸方向を、第2方向としてX軸方向を例示している。保管棚部22において、第1レール40はY軸方向に延在し、第2レール44および給電部34はX軸方向に延在する。本実施形態では、台車として第1台車14を例示し、移動機構として第2台車16を例示している。
【0015】
制御部18は、MPU(Micro Processing Unit)などを含んで構成され、ユーザからの操作結果に基づき荷12の移動を制御する。制御部18は、荷12の移動を制御するために第1台車14および第2台車16の動作を制御することができる。モード設定部30は、自動倉庫システム100の動作モードを設定する設定手段である。本実施形態のモード設定部30は、複数のモードを設定することができる。モード設定部30は、設定結果を制御部18に提供する。
【0016】
なお、本実施形態では、荷12をパレット(不図示)に載せた状態で扱うが、これに限られず、パレットを用いずに荷12を単独で扱うようにしてもよい。なお、荷12をパレットに載せた状態で搬送することを、単に荷12を搬送するという。
【0017】
(保管棚部)
保管棚部22は、床部Lgに設置され、多数の荷12を保管可能ないわば高密度保管型の保管スペースである。保管棚部22の構成は、複数の荷12を収容・保管可能であれば、特に限定されない。自動倉庫システム100は、上下方向に層状に重ねられたN(N≧2)段の保管棚部22を有する。本実施形態は3段の保管棚部22を有する。層状に重ねられたN段の保管棚部22を保管棚群20という。なお、床部Lgに最も近い1段目の保管棚部22を単に「1段目」と、2段目の保管棚部22を単に「2段目」と、3段目の保管棚部22を単に「3段目」ということがある。
【0018】
各段の保管棚部22は、X軸方向に並べられた複数(例えば8つ)の保管列24を含み、各保管列24はY軸方向に接続された複数の保管部26を含む。保管部26は、荷12を保管する単位である。各保管列24の第2レール44側の端部には、第1台車14が出入りする出入口部が設けられる。
【0019】
(一時保管部)
一時保管部28は、保管棚部22とは異なる位置に配置され、1または複数の荷12を一時的に保管するための保管スペースである。本実施形態は、上下方向に層状に重ねられたN(例えば3)段の一時保管部28を有する。各段の一時保管部28は、X軸方向に並べられた複数(例えば6つ)の保管部26を含む。一時保管部28の各保管部26には、Y軸方向に延びる第1レール40が設けられる。一時保管部28の各保管部26の第2レール44側の端部には、第1台車14が出入りする出入口部が設けられる。一時保管部28の各保管部26の第2レール44側とは反対側の端部には、荷12を出し入れするための入出庫口が設けられる。
【0020】
本実施形態の一時保管部28は、入庫の際、フォークリフト(不図示)などによって倉庫外部から搬入された荷12を一時的に保管することができる。一時保管部28に保管された荷12は、保管棚部22の所定の保管部26に順次移送される。また、一時保管部28は、出庫の際、保管棚部22から移送された荷12を一時的に保管することができる。一時保管部28に保管された荷12は、フォークリフトなどによって倉庫外部に順次搬出される。一時保管部28を備えることにより、保管棚部22の内部移送動作と、フォークリフトの搬入・搬出動作とを別々に行うことができるので、それぞれの動作効率を向上することができる。
【0021】
第1レール40は、第1台車14が走行するための走行路である。第1レール40は、各保管列24および一時保管部28において、Y軸方向に延在する。第2レール44は、第2台車16が走行するための走行路である。第2レール44は、各保管列24を横断するようにX軸方向に延在する。本実施形態の第2レール44は、保管列24の出入口部と一時保管部28の出入口部との間に設けられている。第1レール40および第2レール44を総称するときは単にレールという。第1レール40は第1支持部材42に支持され、第2レール44は第2支持部材46に支持される。
【0022】
第1台車14は、第1レール40上をY軸方向に走行する。第2台車16は、第2レール44上をX軸方向に走行する。第1台車14および第2台車16を総称するときは単に「台車」ということがある。また、第1台車14と、第2台車16と、第1レール40と、第2レール44と、を総括するときは「内部搬送機構」ということがある。
【0023】
(第1台車)
次に、図5図6も参照して第1台車14について説明する。図5は、第1台車14の一例を概略的に示す平面図である。図6は、第1台車14の正面図である。第1台車14は、荷12を搬送するために、保管列24の中で第1レール40をY軸方向に走行する。第1台車14は、保管部26に対して荷12を出し入れする。第1台車14は、第2台車16に乗降するために、第2台車16上をY軸方向に走行する。第1台車14は、一時保管部28に荷12を出し入れするために、一時保管部28の第1レール40上をY軸方向に走行する。第1台車14は、一時保管部28に対して荷12を出し入れする。
【0024】
第1台車14は、車体14bと、載置台部14cと、リフト機構14dと、複数(例えば4個)の車輪14fと、を主に含む。車体14bは、上下方向に偏平な略直方体形状の輪郭を有する。車体14bの内部には、複数の車輪14fを駆動するモータ(不図示)と、このモータを制御する制御回路(不図示)と、バッテリ14gと、を搭載している。第1台車14は、バッテリ14gの電力によってモータを駆動するように構成されている。バッテリは繰り返し充電可能なリチウムイオンバッテリなどの二次電池である。本実施形態のバッテリ14gは、第2台車16上に載置されている状態で、第2台車16によって充電される。
【0025】
載置台部14cは、荷12を持上げて保持する部分である。リフト機構14dは、載置台部14cを昇降させる機構である。図6において、上昇状態の載置台部14cを破線で示し、下降状態の載置台部14cを実線で示す。リフト機構14dは、載置台部14cを上昇させ、荷12を保管部26の載置面から持上げることができる。リフト機構14dは、載置台部14cを降下させて荷12を保管部26の載置面に降ろすことができる。複数の車輪14fは第1レール40上および第2台車16上を転動することができる。
【0026】
(第2台車)
次に、図7図8も参照して第2台車16について説明する。図7は、第2台車16の一例を概略的に示す平面図である。図8は、第2台車16の正面図であり、第1台車14を搭載した状態を示している。第2台車16は、第2レール44をX軸方向に走行する。第2台車16は、空荷の状態または荷12を搭載した状態の第1台車14を搬送する。
【0027】
第2台車16は、台車搭載部16cと、機構収納部16dと、複数(例えば、4個)の車輪16fと、集電ユニット38と、を主に含む。台車搭載部16cは、第1台車14を搭載するためのものである。機構収納部16dは、台車搭載部16cのX軸方向の両側に設けられる。台車搭載部16cと、機構収納部16dと、を総称するときは車体16bという。
【0028】
(台車搭載部)
台車搭載部16cは、車体16bの上面から下向に窪んでおり、車体16bは側面視で凹形状を呈する。台車搭載部16cはY軸方向幅およびX軸方向幅に対してZ軸方向に薄い略板状をしている。台車搭載部16cは、第1台車14がY軸方向に走行する走行路の一部である。台車搭載部16cの大きさは、第1台車14が台車搭載部16cの周囲と干渉することなくY軸方向に走行できるように、第1台車14の大きさに十分な量のマージンを加えた大きさとされる。
【0029】
(機構収納部)
機構収納部16dは、台車搭載部16cに比べZ軸方向に厚く、台車搭載部16cの両側で上向きに突出する略直方体形状を有する。機構収納部16dは、台車搭載部16cの上側の空間をX軸方向に挟む一対の側壁部16jを有する。一対の側壁部16jは、第1台車14の車体の側壁と隙間を介してX軸方向に対向する。機構収納部16dの内部には、車輪16fを駆動するモータ(不図示)と、このモータを制御する制御回路(不図示)と、が搭載されている。
【0030】
車輪16fは、第2レール44上を走行する。集電ユニット38は、第2レール44の近傍をX軸方向に沿って延在する給電部34(図1も参照)に接触して電力の供給を受ける。第2台車16は、その集電ユニット38を介して給電部34から電力を受け取る。第2台車16は、受け取った電力によってモータを駆動するように構成されている。第2台車16は、受け取った電力によって、第1台車14のバッテリ14gを充電することができる。
以上が、自動倉庫システム100の全体構成の説明である。
【0031】
次に、このように構成された自動倉庫システムの出庫動作の一例を説明する。以下の説明において、第1保管列として保管列24Cが例示され、第2保管列として保管列24Eが例示され、第1種類の荷として荷12Aが例示され、異なる荷として荷12Bが例示される。保管列24C、保管列24E、荷12Aおよび荷12Bについては後述する。
【0032】
(第1モード動作)
次に、図9図13を参照して第1モード動作の一例を説明する。図9は、第1モード動作S110のフローチャートである。図10図13は、第1モード動作S110の各ステップにおける荷12の移動を示す図である。これらの図では、平面視の保管棚部22の各保管部26を模式的にマス目によって示している。図中のA列~F列は、列方向に配列された保管部26に対応するマス目の列を示す。複数の保管列24を区別するため、A列~F列に対応する保管部26の列を保管列24A~24Fという。つまり、保管列24A~24Fは、それぞれ列方向に配列された複数(この例では5個)の荷12を保管することができる。第1台車14は、保管列24A~24Fを列方向に移動する。荷12は、第1台車14によって、保管列24A~24Fにおいて列方向に搬送される。
【0033】
保管棚部22には、荷12の配替えを容易にするために、一時的に荷12を保管するための中間的な保管部(以下、「中間保管部」という)が設けられている。この例では、保管列24Eは、荷12を保管することなく中間保管部として使用される。なお、中間保管部が必要でないときは、保管列24Eにも荷12が保管される。
【0034】
これらの図において、第1行~第5行は、行方向に配列された保管部26に対応するマス目の行を示す。また、第7行は、一時保管部28における行方向に配列された保管部26に対応するマス目の行を示す。また、第6行は第2台車16の走行する第2レール44を示す。荷12は、第2台車16によって、第1台車14と共に第6行の第2レール44において行方向に搬送される。これらの図では、荷12や台車の位置を「A1」のようにマス目の行名と列名とによって表記する。
【0035】
これらの図において、保管棚部22には、出庫対象の荷12(以下、「荷12A」という。)と、荷12Aとは異なる荷12(以下、「荷12B」という。)と、×印で示すその他の荷とが保管されている。つまり、×印が付されている保管部26には既に荷が保管されており、他の荷12はここを通過することができない。上述したように、保管列24Eには荷が保管されていない。
【0036】
ここで、荷12Aとは異なる荷12Bとは、荷12Aと別の種類のものをいう。この説明において、別の種類のものには、中身が相違するものの他に、中身は同じで製造ロットや入庫ロットなど、出庫ロットの区別のために予め設定された属性が相違するものも含む。
【0037】
荷12Aと荷12Bとは保管列24Cに保管されており、荷12Aは、荷12Bより列方向において第2レール44から遠い側(以下、「奥側」という)に置かれ、荷12Bは、荷12Aより列方向において第2レール44に近い側(以下、「手前側」という)に置かれている。つまり、保管列24Cの荷12Aよりも列方向において第2レール44に近い位置に荷12Aと異なる荷12Bが置かれている。
【0038】
第1モード動作S110は、第1モード動作に設定されている状態で、荷12Aの出庫の指示を受けた場合に実行される。制御部18は、受けた指示に基づき台車を動作させるためのシーケンスを生成し、生成されたシーケンスに基づき台車を動作させ荷12の移動を制御する。
【0039】
第1モードの制御規則を説明する。第1モードでは、荷12Aの手前側に荷12Bが置かれている場合、先に荷12Bを中間保管部である保管列24Eに予備的な移動(以下、「予備移動」という)を行い、その後に荷12Aを出庫して予備移動した荷12Bを保管列24Cに戻す。また、荷12Aの手前側に荷12Bが置かれていない場合には、予備移動せずに荷12Aを出庫する。
【0040】
なお、制御部18は、予備移動を荷12の出庫動作を行っていないときに行うようにしてもよい。例えば、予備移動は出庫動作が行われていない夜間などの時間帯に行うようにしてもよい。出庫動作が行われていない時間帯に予備移動を行うことによりトータルのスループットを向上することができる。
【0041】
第1モード動作S110が開始されると、制御部18は、出荷対象の荷12Aの手前側に別の荷12Bがあるか否かを判定する(ステップS111)。
【0042】
荷12Aの手前側に別の荷12Bがない場合(ステップS111のN)、制御部18は、台車を制御して、出荷対象の荷12Aを一時保管部28に移動させる(ステップS112)。ステップS112を完了することで、第1モード動作S110は終了する。一時保管部28に移送された出荷対象の荷12Aは、フォークリフトなどによって倉庫外部に搬出され、出庫動作が完了する。
【0043】
荷12Aの手前側に別の荷12Bがある場合(ステップS111のY)、制御部18は、台車を制御して、別の荷12Bを中間保管部である保管列24Eに移動させる(ステップS113)。このステップでは、図10に示すように、C5の荷12BはE1に移送され、C4の荷12BはE2に移送され、C3の荷12BはE3に移送される。
【0044】
ステップS113完了後、制御部18は、台車を制御して、出荷対象の荷12Aを一時保管部28に移動させる(ステップS114)。このステップでは、図11に示すように、C2の荷12Aは一時保管部28のC7に移送される。C7に移送された荷12Aは、フォークリフトなどによって倉庫外部に搬出され、出庫動作が完了する。
【0045】
ステップS114完了後、制御部18は、台車を制御して、別の荷12Bを保管列24Cに移動させる(ステップS115)。このステップでは、図12図13に示すように、E3の荷12BはC2に移送され、E2の荷12BはC3に移送され、E1の荷12BはC4に移送される。ステップS115を完了することで、第1モード動作S110は終了する。これらの処理はあくまでも一例であり、他のステップを追加したり、一部のステップを変更または削除したり、ステップの順序を入れ替えてもよい。以上が、第1モード動作の説明である。
【0046】
(第2モード動作)
次に、図14図22を参照して第2モード動作の一例を説明する。第1モードと重複する説明を省き、主に第1モードとの相違点を説明する。図14は、第2モード動作S120のフローチャートである。図15図22は、第2モード動作S120の各ステップにおける荷12の移動を示す図である。第2モード動作S120は、第2モード動作に設定されている状態で、荷12Aの出庫の指示を受けた場合に実行される。
【0047】
第2モードの制御規則を説明する。第2モードでは、荷12Aの手前側に荷12Bが置かれている場合、先に荷12Bを保管列24Eに予備移動を行い、その後に荷12Aを出庫する。また、荷12Aの手前側に荷12Bが置かれていない場合には、予備移動せずに荷12Aを出庫する。ここまでの動作は第1モードと同じである。
【0048】
第2モードでは、予備移動した荷12Bを保管列24に戻す動作が第1モードと異なる。第2モードでは、制御部18は、荷12Bと同種の荷(以下、荷12Bという)を元の保管列と中間保管部のいずれかに集約するように荷の移動を制御する。具体的には、元の保管列24Cにある荷12Bの数と、中間保管部である保管列24Eにある荷12Bの数とを比較して荷12Bの数が少ない方の保管列の荷12Bを、数が多い方の保管列に移動する。この場合、数が少ない方の荷を移動するので、多い方を移動するよりも移動時間を短くすることができる。なお、荷12Bと同種の荷でも、その手前側に別種の荷12があることにより直ぐには移動できないものは、ここでいう荷12Bには含まれない。
【0049】
本実施形態の制御部18は、次の(i)と(ii)のように荷12Bを移動するように台車を制御する。
(i)保管列24Cにある荷12Bの数が保管列24Eにある荷12Bの数よりも多い場合、保管列24Eの荷12Bを保管列24Cに移動する。
(ii)保管列24Cにある荷12Bの数が保管列24Eにある荷12Bの数よりも少ない場合、保管列24Cの荷12Bを保管列24Eに移動する。
【0050】
第2モード動作S120が開始されると、制御部18は、出荷対象の荷12Aの手前側に別の荷12Bがあるか否かを判定する(ステップS121)。
【0051】
荷12Aの手前側に別の荷12Bがない場合(ステップS121のN)、制御部18は、台車を制御して、出荷対象の荷12Aを一時保管部28に移動させる(ステップS122)。ステップS122を完了することで、第2モード動作S120は終了する。一時保管部28に移送された出荷対象の荷12Aは、フォークリフトなどによって倉庫外部に搬出され、出庫動作が完了する。
【0052】
荷12Aの手前側に別の荷12Bがある場合(ステップS121のY)、制御部18は、台車を制御して、別の荷12Bを中間保管部である保管列24Eに移動させる(ステップS123)。このステップでは、図15に示すように、C5の荷12BはE1に移送され、C4の荷12BはE2に移送され、C3の荷12BはE3に移送される。
【0053】
ステップS123完了後、制御部18は、台車を制御して、出荷対象の荷12Aを一時保管部28に移動させる(ステップS124)。このステップでは、図16に示すように、C2の荷12Aは一時保管部28のC7に移送される。C7に移送された荷12Aは、フォークリフトなどによって倉庫外部に搬出され、出庫動作が完了する。
【0054】
ステップS124完了後、制御部18は、元の保管列24Cの荷12Bの数が、保管列24Eの荷12Bの数より多いか否かを判定する(ステップS125)。図16の例では保管列24Cの荷12Bの数は1であり、保管列24Eの荷12Bの数は3である。
【0055】
元の保管列24Cの荷12Bの数が、保管列24Eの荷12Bの数より多くない(=少ない)場合(ステップS125のN)、制御部18は、図17図18に示すように、台車を制御して、元の保管列24Cの荷12Bを保管列24Eに移動する(ステップS126)。このステップでは、C1の荷12BがE4に移送される。この動作により、図18に示すように、4つの荷12Bが保管列24Eに集約され、保管列24Cは空になる。この結果、保管列24Cを新たな中間保管部として使用することができる。このように、第2モードでは、中間保管部の配置を動的に変更することができる。
【0056】
元の保管列24Cの荷12Bの数が、保管列24Eの荷12Bの数より多い場合(ステップS125のY)、制御部18は、台車を制御して、保管列24Eの荷12Bを元の保管列24Cに移動する(ステップS127)。ステップS126またはステップS127を完了することで、第2モード動作S120は終了する。これらの処理はあくまでも一例であり、他のステップを追加したり、一部のステップを変更または削除したり、ステップの順序を入れ替えてもよい。
【0057】
次に、図19図22を参照して、第2モードにおいて、元の保管列24Cの荷12Bの数が、保管列24Eの荷12Bの数より多いケースについて説明する。ここでは、重複する動作の説明を省き、相違する動作を説明する。
【0058】
ステップS123では、図19図20に示すように、C5の荷12BはE1に移送される。図20の例では、保管列24Cの荷12Bの数は3で、保管列24Eの荷12Bの数は1であるので、ステップS125の判定条件が満たされ、制御部18は処理をステップS127に進める。ステップS127では、図21図22に示すように、制御部18は、台車を制御して、E1の荷12BをC4に移送する。
【0059】
この動作により、図22に示すように、4つの荷12Bが保管列24Cに集約され、保管列24Eは空になる。この結果、引き続き保管列24Eを中間保管部として使用することができる。以上が、第2モード動作の説明である。
【0060】
(第3モード動作)
次に、図23図26を参照して第3モード動作の一例を説明する。第1モードと重複する説明を省き、主に第1モードとの相違点を説明する。図23は、第3モード動作S130のフローチャートである。図24図26は、第3モード動作S130の各ステップにおける荷12の移動を示す図である。第3モード動作S130は、第3モード動作に設定されている状態で、荷12Aの出庫の指示を受けた場合に実行される。
【0061】
この例では、図24に示すように、保管列24AのA2に出庫対象の荷12Aが置かれ、この荷の手前側に3つの別の荷12Bが置かれている。また、保管列24CのC3には、荷12Aの後に出庫されることが決定された荷12Cが保管されている。なお、図24の3つの別の荷12Bは、互いに同じ種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。
【0062】
第1、第2モードの説明では、ひとつの保管列24全体が中間保管部として使用される例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、保管列24の一部が中間保管部として使用されてもよいし、複数の保管列24それぞれの一部が中間保管部として使用されてもよい。第3モードでは、制御部18は、各保管列24の最も手前側の保管部26が空いていれば、その保管部26を中間保管部として使用する。この場合、手前側の空いた保管部26を中間保管部として使用しない場合と比べて、中間保管部の保管可能な荷12の数を増やすことができる。
【0063】
また、第1モードの説明では、出庫対象の荷12Aを出庫した後、中間保管部に置いた荷12Bを移動させる例を示したが、本発明はこれに限られない。第3モードでは、制御部18は、中間保管部に置かれた荷をそのままそこに保管するように制御する。荷12Bを戻す動作が不要になるので、出庫のスループットを向上することができる。
【0064】
第3モードの制御規則を説明する。第3モードでは、荷12Aの手前側に荷12Bが置かれている場合、先に荷12Bを中間保管部に予備移動を行い、その後に荷12Aを出庫する。第3モードでは、特定の保管列24を中間保管部とするのではなく、下記の条件にしたがって中間保管部を選択する。
(i)出庫が決定された荷12が保管されている保管列24は、中間保管部として使用しない。これは、その荷12を出庫するとき移動時間を増加させないためである。
(ii)各保管列において、荷12は奥側に詰めて保管される。
(iii)空いている保管部26のうち、荷12Bの行方向及び列方向の移動時間が短いものを優先的に中間保管部として選択する。
【0065】
第3モード動作S130が開始されると、制御部18は、出荷対象の荷12Aの手前側に別の荷12Bがあるか否かを判定する(ステップS131)。
【0066】
別の荷12Bがある場合(ステップS131のY)、制御部18は、上述の選択条件に従って1つの保管部26を中間保管部として選択する(ステップS132)。このステップでは、荷12Cが保管された保管列24Cは除外され、奥詰め条件を満たす空いている保管部26のうち、荷12Bの行方向及び列方向の移動時間が最も短い保管部26が選択される。
【0067】
ステップS132完了後、制御部18は、台車を制御して、別の荷12Bを1つ、ステップS132で選択された保管部26に移動する(ステップS133)。ステップS133完了後、制御部18は、処理をステップS131の先頭に戻す。これにより、荷12Aの手前側に荷12BがなくなるまでステップS131~S133のループが繰り返される。
【0068】
図24図25の例では、ステップS131~S133のループは3回繰り返され、A5の荷12BはB5に移送され、A4の荷12BはE3に移送され、A3の荷12BはF5に移送される。
【0069】
別の荷12Bがない場合(ステップS131のN)、制御部18は、台車を制御して、出荷対象の荷12Aを一時保管部28に移動させる(ステップS134)。このステップでは、図25に示すように、A2の荷12Aは一時保管部28のA7に移送される。A7に移送された荷12Aは、フォークリフトなどによって倉庫外部に搬出され、出庫動作が完了する。
【0070】
出庫動作が完了した後、中間保管部に移送された荷12Bを元の保管列24Aに戻すようにしてもよいが、第3モードではその荷12Bはそのままそこに保管される。上述の動作により、図26に示すように、保管列24AのA2~A5は空になるので、A2~A5を新たな中間保管部として使用することができる。この場合、荷12Bを戻す場合より移送時間を短くすることができる。
【0071】
ステップS134を完了することで、第3モード動作S130は終了する。これらの処理はあくまでも一例であり、他のステップを追加したり、一部のステップを変更または削除したり、ステップの順序を入れ替えてもよい。以上が、第3モード動作の説明である。
【0072】
以上、本発明の各実施形態をもとに説明した。これらの実施形態は例示であり、いろいろな変形および変更が本発明の特許請求の範囲内で可能なこと、またそうした変形例および変更も本発明の特許請求の範囲にあることは当業者に理解されるところである。従って、本明細書での記述および図面は限定的ではなく例証的に扱われるべきものである。
【0073】
(変形例)
以下、変形例について説明する。変形例の図面および説明では、実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。実施形態と重複する説明を適宜省略し、実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
【0074】
実施の形態の説明では、保管棚部22を平面的に走行する第2台車16を備える例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、第2台車16に代えて昇降機能を備え、行方向に走行可能なスタッカークレーンを備えてもよい。
【0075】
実施の形態の説明では、台車がレール上を走行する例を示したが、本発明はこれに限られない。台車はレールを有しない走行路を走行するものであってもよい。
【0076】
実施の形態の説明では、自動倉庫システム100が3段の保管棚部22を備える例を示したが、本発明はこれに限られない。自動倉庫システムは2段以下または4段以上の保管棚部を備えてもよい。
【0077】
第1台車14を各段の各列に設けることは必須ではなく、第1台車14は各列に設けられなくてもよい。
【0078】
複数の段の保管棚部22の間で荷12を昇降するための昇降機構が設けられてもよい。
【0079】
保管列24の保管部26の数を一様に構成することは必須ではない。保管列24を構成する保管部26の数は、保管棚部22を収容する建物の壁の凹凸に応じて、数が多い行と少ない行とが設けられてもよい。
【0080】
上下方向に積層される保管列24の段数を一様に構成することは必須ではない。保管列24の段数は、保管棚部22を収容する建物の天井の高さに応じて、段数が多い領域と少ない領域とが設けられてもよい。
【0081】
荷12がパレットを含むことは必須ではない。本自動倉庫システムは、パレットを含まない荷を取り扱うようにしてもよい。
【0082】
フォークリフトに代えて、クレーンを備えた移載装置など、別の種類の移載装置によって、荷12を搬入・搬出するようにしてもよい。
【0083】
一時保管部28を備えることは必須ではない。例えば、一時保管部28を備えず、予備移動後、出荷対象の荷を出庫口に出庫するようにしても良い。
【0084】
第2台車16を備えることは必須ではない。第1台車14を搭載して第2方向に移動可能な移動機構であればよく、例えば第2台車16の代わりにスタッカークレーンが備えられてもよい。
【0085】
これらの各変形例は、実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0086】
上述した実施形態と変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施形態は、組み合わされる実施形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
【符号の説明】
【0087】
12・・荷、 14・・第1台車、 16・・第2台車、 18・・制御部、 20・・保管棚群、 22・・保管棚部、 24・・保管列、 26・・保管部、 28・・一時保管部、 30・・モード設定部、 40・・第1レール、 44・・第2レール、 100・・自動倉庫システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図14
図15
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図17
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図19
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図25
図26
【手続補正書】
【提出日】2023-10-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動倉庫システムであって、
荷を保管するための保管棚部と、
荷を保持可能な載置台部と、
前記載置台部を第1方向および前記第1方向と交差する第2方向に移動させる移動機構と、
前記移動機構を制御する制御部と、を有し、
前記保管棚部は、第1種類の荷を含む複数の荷を前記第1方向に並べて保管する第1保管列と、複数の荷を前記第1方向に並べて保管可能であって、少なくとも前記第1種類の荷とは異なる荷が保管された複数の保管列と、前記第1保管列の出入口および前記複数の保管列の出入口とを連通する走行路とを含み、
前記制御部は、前記第1保管列に保管された前記第1種類の荷を出庫する前に、前記第1保管列の前記第1種類の荷よりも前記第1方向において前記走行路に近い位置に前記第1種類の荷と異なる荷がある場合、当該異なる荷を前記複数の保管列のうちの少なくとも1つの第2保管列に移動する予備移動を行うように、前記載置台部の移動を制御することを特徴とする自動倉庫システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記異なる荷を前記第2保管列に移動した後、前記第1種類の荷を前記第1保管列から移動し、その後前記異なる荷を前記第2保管列から前記第1保管列に移動するように、記移動機構の移動を制御する、請求項1に記載の自動倉庫システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1種類の荷を前記第1保管列から移動した後、
(i)前記第1保管列にある前記異なる荷の数が前記第2保管列にある前記異なる荷の数よりも多い場合、前記第2保管列にある前記異なる荷を前記第1保管列に移動し、
(ii)前記第1保管列にある前記異なる荷の数が前記第2保管列にある前記異なる荷の数よりも少ない場合、前記第1保管列にある前記異なる荷を前記第2保管列に移動するように、記移動機構の移動を制御することを特徴とする、請求項2に記載の自動倉庫システム。
【請求項4】
前記保管棚部は、上下方向に層状に重ねられたN(N≧2)段の保管棚部であり、
前記移動機構は、前記N段の保管棚部それぞれに設けられる搬送機構であり、
前記N段の保管棚部それぞれは、荷を保管可能な保管部を前記第1方向に3つ以上並べてなる第1保管列および第2保管列を含む、請求項1に記載の自動倉庫システム。
【請求項5】
前記制御部は、荷の出庫動作を行っていないときに、前記N段の保管棚部それぞれにおいて前記予備移動を行う、請求項4に記載の自動倉庫システム。
【請求項6】
前記保管棚部とは異なる位置に前記第1種類の荷を一時的に保管するための一時保管部を有することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の自動倉庫システム。
【請求項7】
前記制御部は、所定の時間帯で予備移動を実行するように、前記載置台部の移動を制御する、請求項1から6のいずれか1項に記載の自動倉庫システム。