(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164612
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】配線回路基板およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/00 20060101AFI20231102BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
H05K3/00 J
H05K3/00 N
H05K1/02 G
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023151684
(22)【出願日】2023-09-19
(62)【分割の表示】P 2018152020の分割
【原出願日】2018-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003812
【氏名又は名称】弁理士法人いくみ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笹岡 良介
(72)【発明者】
【氏名】柴田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】大薮 恭也
(57)【要約】
【課題】取扱性および実装性に優れる配線回路基板およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】配線回路基板3の製造方法は、支持シート2と、支持シート2に支持される複数の配線回路基板3と、支持シート2および複数の配線回路基板3を連結し、平坦状の一方面21、および、一方面21と厚み方向に間隔を隔てて対向する他方面22を有するジョイント4であって、他方面22が一方面21に向かって凹む第1薄肉部5を有するジョイント4とを備える配線回路基板集合体シート1を準備する第1工程、および、厚み方向他方側に向かって突出するバリ部28を形成しながら、第1薄肉部5を切断する第2工程を備える。支持シート2は、直結部9を有する。直結部9は、脆弱部26を有する。第2工程では、脆弱部26を、第1薄肉部5と同時に切断する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持シートと、前記支持シートに支持される複数の配線回路基板と、前記支持シートおよび前記複数の配線回路基板を連結し、平坦状の一方面、および、前記一方面と厚み方向に間隔を隔てて対向する他方面を有するジョイントであって、前記他方面が前記一方面に向かって凹む薄肉部を有する前記ジョイントとを備える配線回路基板集合体シートを準備する第1工程、および、
前記厚み方向の他方面側に向かって突出するバリ部を形成しながら、前記薄肉部を切断する第2工程
を備え、
前記第1工程で準備される前記配線回路基板集合体シートにおいて、
前記配線回路基板は、前記支持シートに形成される第1開口部内に配置されており、前記配線回路基板は、前記ジョイントを介して前記支持シートに連結されており、前記ジョイントは、前記第1開口部を横断し、
前記支持シートは、前記ジョイントが直結する直結部を備え、
前記直結部は、脆弱部を有し、
前記第2工程では、前記脆弱部を、前記薄肉部と同時に切断することを特徴とする、配線回路基板の製造方法。
【請求項2】
前記第2工程では、切断刃を前記一方面に接触させることを特徴とする、請求項1に記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項3】
前記支持シートは、前記ジョイントが直結する直結部を備え、
前記直結部は、脆弱部を有し、
前記第2工程では、前記脆弱部を、前記薄肉部と同時に切断することを特徴とする、請求項2に記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項4】
前記脆弱部が、第2薄肉部および/または貫通孔を備えることを特徴とする、請求項3に記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項5】
前記第2工程では、レーザ光を前記他方面に照射することを特徴とする、請求項1に記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項6】
前記配線回路基板は、厚み方向に見たときに、外周端縁から内側に向かって凹む凹み部を有し、
前記薄肉部は、厚み方向に見たときに、前記外周端縁に沿う仮想外周線よりも内側に位置するように、前記凹み部内に配置されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項7】
外周部を有し、
前記外周部は、外側に突出する切断残部を有し、
前記切断残部は、
基端部と、
一方面において、前記基端部の厚み方向一端部から連続し、かつ、前記基端部より厚みが薄い遊端部とを有し、
前記遊端部の外端縁は、厚み方向他方面に向かって垂れて突出するバリ部であって、外側に突出する前記遊端部としてのバリ部を有し、
前記バリ部は、前記切断残部の突出方向に投影したときに、前記基端部に重複することを特徴とする、配線回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線回路基板、その製造方法および配線回路基板集合体シート、詳しくは、配線回路基板、その製造方法、および、それに用いられる配線回路基板集合体シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数枚の回路基板を細幅片を介して連結する素材基板を準備し、次いで、細幅片を切断して、回路基板を素材基板から切り離して、回路基板を得る方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
これら素材基板は、厚み方向に対向する2つの平坦面である一方面および他方面を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかるに、細幅片を切断するときには、細幅片の切断残部において、バリ片が発生し易い。具体的には、切断刃を細幅片の一方面に押し当てて切断したり、レーザ光を細幅片の他方面に照射すると、他方面から厚み方向他方側に向かって突出するバリ片を発生し易い。
【0006】
この場合には、切断残部を含む回路基板の厚み方向一方面が平坦でなくなり、そのため、回路基板の取扱性が低下し、さらには、回路基板の一方面を別の基板の平坦面と接触させるように、回路基板を別の基板に実装するときに、回路基板の実装性が低下するという不具合がある。
【0007】
本発明は、取扱性および実装性に優れる配線回路基板、その製造方法および配線回路基板集合体シートを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明(1)は、支持シートと、前記支持シートに支持される複数の配線回路基板と、前記前記支持シートおよび前記複数の配線回路基板を連結し、平坦状の一方面、および、前記一方面と厚み方向に間隔を隔てて対向する他方面を有するジョイントであって、前記他方面が前記一方面に向かって凹む薄肉部を有する前記ジョイントとを備える配線回路基板集合体シートを準備する第1工程、および、前記厚み方向他方側に向かって突出するバリ部を形成しながら、前記薄肉部を切断する第2工程を備える、配線回路基板の製造方法を含む。
【0009】
この配線回路基板の製造方法の第2工程では、一方面に向かって凹む薄肉部を切断するので、バリ部が厚み方向他方側に向かって突出するように形成されても、バリ部を、薄肉部の周囲の他方面よりも、厚み方向一方側に位置させることができる。そのため、配線回路基板の取扱性の低下を抑制し、ひいては、配線回路基板の実装性の低下を抑制することができる。
【0010】
本発明(2)は、前記第2工程では、切断刃を前記一方面に接触させる、(1)に記載の配線回路基板の製造方法を含む。
【0011】
この配線回路基板の製造方法の第2工程では、切断刃を用いるので、薄肉部を簡単に切断することができる。
【0012】
本発明(3)は、前記支持シートは、前記ジョイントが直結する直結部を備え、前記直結部は、脆弱部を有し、前記第2工程では、前記脆弱部を、前記薄肉部と同時に切断する、(2)に記載の配線回路基板の製造方法を含む。
【0013】
しかるに、ジョイントが、脆弱部を有しない直結部を備え、第2工程で、かかる直結部を、薄肉部と同時に切断する場合において、薄肉部に接触する切断刃は、比較的小さい剪断力で、薄肉部を切断できる一方、直結部に接触する切断刃は、それよりも大きい剪断力でないと、厚い直結部を切断できない。さらに、厚い直結部にかかる剪断力が、薄肉部にかかる剪断力と比べて大きくなり易く、そのため、直結部にかかる剪断力と薄肉部にかかる剪断力との差が過大となり、その結果、切断時における切断刃の姿勢が不安定になり、切断精度が低下し易い。
【0014】
しかし、この配線回路基板の製造方法では、直結部が脆弱部を有するので、かかる脆弱部に接触する切断刃も、比較的小さい剪断力で、脆弱部を切断することができる。そのため、薄肉部および直結部のいずれをも、切断刃を用いて、同時に、比較的小さい剪断力で切断することができる。
【0015】
しかも、脆弱部にかかる剪断力を、薄肉部にかかる剪断力と同じ程度にすることができる。そのため、切断時における切断刃の姿勢を安定させ、切断精度の低下を抑制することができる。
【0016】
また、薄肉部に接触する切断刃の圧力が小さくなることから、バリ部の厚み方向他方側への突出量をできるだけ小さくすることができる。その結果、配線回路基板の取扱性の低下をより一層抑制し、ひいては、配線回路基板の実装性の低下をより一層抑制することができる。
【0017】
さらに、切断刃にかかる負荷を低減できるので、切断刃の交換回数を低減でき、その結果、製造コストを低減することができる。
【0018】
本発明(4)は、前記脆弱部が、第2薄肉部および/または貫通孔を備える、(3)に記載の配線回路基板の製造方法を含む。
【0019】
この配線回路基板の製造方法では、脆弱部が、第2薄肉部および/または貫通孔を備えるので、小さい剪断力でも、脆弱部を確実に切断することができる。
【0020】
本発明(5)は、前記第2工程では、レーザ光を前記他方面に照射する、(1)に記載の配線回路基板の製造方法を含む。
【0021】
この配線回路基板の製造方法の第2工程では、レーザ光を用いるので、薄肉部を精度よく切断することができる。
【0022】
本発明(6)は、前記配線回路基板は、厚み方向に見たときに、外周端縁から内側に向かって凹む凹み部を有し、前記薄肉部は、厚み方向に見たときに、前記外周端縁に沿う仮想外周線よりも内側に位置するように、前記凹み部内に配置されている、(1)~(5)のいずれか一項に記載の配線回路基板の製造方法を含む。
【0023】
しかるに、第2工程において、薄肉部が仮想外周線よりも外側に位置すれば、配線回路基板を取り扱うときや実装するときに、薄肉部が邪魔になり易い。
【0024】
しかし、この配線回路基板の製造方法では、薄肉部は、厚み方向に見たときに、第2工程において、外周端縁に沿う仮想外周線よりも内側に位置するように、凹み部内に配置されるので、バリ部を仮想外周線よりも内側に位置させることができる。そのため、バリ部が形成される薄肉部が邪魔にならず、配線回路基板の取扱性の低下および実装の低下をより一層抑制することができる。
【0025】
本発明(7)は、支持シートと、前記支持シートに支持される複数の配線回路基板と、前記前記支持シートおよび前記複数の配線回路基板を連結し、平坦状の一方面、および、前記一方面と厚み方向に間隔を隔てて対向する他方面を有するジョイントとを備え、前記ジョイントは、前記他方面が前記一方面に向かって凹む薄肉部を有する、配線回路基板集合体シートを含む。
【0026】
この配線回路基板集合体シートでは、ジョイントが、他方面が一方面に向かって凹む薄肉部を有するので、一方面に向かって凹む薄肉部を切断すれば、薄肉部に形成されるバリ部を、薄肉部の周囲の他方面よりも、厚み方向一方側に位置させることができる。そのため、配線回路基板の取扱性の低下を抑制し、ひいては、配線回路基板の実装性の低下を抑制することができる。
【0027】
本発明(8)は、外周部を有し、前記外周部は、外側に突出する切断残部を有し、前記切断残部は、基端部と、前記基端部の厚み方向一端部から連続し、かつ、前記基端部より厚みが薄い遊端部とを有し、前記遊端部の外端縁は、厚み方向他方側に向かって突出するバリ部を有し、前記バリ部は、前記切断残部の突出方向に投影したときに、前記基端部に重複する、配線回路基板を含む。
【0028】
この配線回路基板では、バリ部が、切断残部の突出方向に投影したときに、基端部に重複しているので、バリ部は、薄肉部の周囲の他方面よりも、厚み方向一方側に位置する。
そのため、配線回路基板は、取扱性の低下を抑制でき、ひいては、実装性の低下を抑制することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の配線回路基板、その製造方法および配線回路基板集合体シートによれば、配線回路基板の取扱性および実装性の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、本発明の配線回路基板集合体シートの一実施形態の平面図を示す。
【
図2】
図2は、
図1に示す配線回路基板集合体シートのジョイントの拡大底面図を示す。
【
図4】
図4は、
図1の配線回路基板集合体シートから切り離された配線回路基板の底面図を示す。
【
図5】
図5は、
図4の配線回路基板のC-C線に沿う断面図を示す。
【
図7】
図7Aおよび
図7Bは、
図2に示す脆弱部の変形例の底面図であり、
図7Aが、脆弱部が第2薄肉部のみからなる変形例、
図7Bが、脆弱部が第2開口部のみからなる変形例示す。
【
図8】
図8は、
図2に示す脆弱部の変形例(脆弱部が、2つの第2開口部と、1つの第2薄肉部とを備える態様)の底面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の配線回路基板、その製造方法および配線回路基板集合体シートの一実施形態を、
図1~
図5を参照して説明する。
【0032】
なお、
図1中、太破線で示す領域は、
図2が描画する領域を示す。
図2中、太い1点鎖線は、切断刃27(後述)が通過する線を描画する。
図2において、後述する第1薄肉部5(後述)および第2薄肉部11(後述)は、それらの相対位置を明確に示すために、ハッチングで描画する。
【0033】
図1に示すように、配線回路基板集合体シート1は、長手方向(後で説明する配線回路基板3が延びる方向)(厚み方向に直交する方向のうちの一方向)に沿って延びる略矩形シート形状を有する。
図3A~
図3Bに示すように、配線回路基板集合体シート1は、厚み方向において互いに対向する一方面21および他方面22を有する。
図1~
図2に示すように、配線回路基板集合体シート1は、支持シート2と、配線回路基板3と、ジョイント4とを備える。
【0034】
支持シート2は、配線回路基板集合体シート1の平面視における外形形状と同様の外形形状を有する。支持シート2は、平面視略格子形状を有する。
図3A~
図3Bに示すように、支持シート2は、上記した一方面21および他方面22を備える。
【0035】
図1~
図2に示すように、また、支持シート2には、次に説明する配線回路基板3の周囲に形成される第1開口部7が、配線回路基板3に対応して、複数形成されている。また、支持シート2は、ジョイント4が直結する直結部9を含む。直結部9は、支持シート2において、配線回路基板3に対応して、複数形成されている。
【0036】
支持シート2の材料としては、例えば、金属系材料、例えば、ポリイミドなどの樹脂などが挙げられる。好ましくは、金属系材料が挙げられる。金属系材料としては、例えば、周期表で、第1族~第16族に分類されている金属元素や、これらの金属元素を2種類以上含む合金などが挙げられる。なお、金属系材料としては、遷移金属、典型金属のいずれであってもよい。より具体的には、金属系材料としては、例えば、カルシウムなどの第2族金属元素、チタン、ジルコニウムなどの第4族金属元素、バナジウムなどの第5族金属元素、クロム、モリブデン、タングステンなどの第6族金属元素、マンガンなどの第7族金属元素、鉄などの第8族金属元素、コバルトなどの第9族金属元素、ニッケル、白金などの第10族金属元素、銅、銀、金などの第11族金属元素、亜鉛などの第12族金属元素、アルミニウム、ガリウムなどの第13族金属元素、ゲルマニウム、錫などの第14族金属元素が挙げられる。金属系材料として、好ましくは、合金、より好ましくは、銅合金が挙げられる。
【0037】
また、支持シート2は、異なる種類の材料からなる複数層であってもよい。
【0038】
支持シート2の厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、10mm以下、好ましくは、1mm以下である。
【0039】
配線回路基板3は、支持シート2において、長手方向および幅方向(長手方向および厚み方向に直交する方向)において互いに間隔を隔てて複数整列配置されている。各配線回路基板3は、第1開口部7内に配置され、ジョイント4を介して支持シート2の直結部9に連結されている。
【0040】
配線回路基板3は、長手方向に沿う平面視略矩形板形状を有する。詳しくは、配線回路基板3は、平面視略矩形の外周端縁15を有する。つまり、1つの配線回路基板3の外周端縁15は、長手方向に間隔を隔てて対向する2つの第1端縁と、幅方向に間隔を隔てて対向し、2つの第1端縁の幅方向両端縁を連結する2つの第2端縁とを備える。
【0041】
また、
図3A~
図3Bに示すように、配線回路基板3は、上記した一方面21および他方面22を有する。
【0042】
また、
図1~
図2に示すように、この配線回路基板3は、外周端縁15から内側に向かって凹む凹み部12を有する。凹み部12は、後述する複数のジョイント4に対応して複数設けられている。具体的には、複数の凹み部12は、外周端縁15における2つの第1端縁のそれぞれから長手方向内側に向かって略矩形状に切りかかれた部分(つまり、1つの第1端縁につき1つ)と、外周端縁15における2つの第2端縁のそれぞれから幅方向内側に向かって略矩形状に切りかかれた部分(つまり、1つの第2端縁につき1つ)とを有する。
【0043】
図2に示すように、凹み部12は、対応する外周端縁15に連続する2つの第1辺23と、2つの第1辺23のそれぞれにおける凹み方向先端縁を連結する第2辺24とによって仕切られる。
【0044】
2つの第1辺23は、対応する外周端縁15に沿う方向において、間隔を隔てて対向配置されている。例えば、2つの第1辺23のそれぞれは、対応する外周端縁15に対して直角を成す。
【0045】
第2辺24は、外周端縁15に沿う仮想外周線6に対して内側(凹み方向)に間隔を隔てて位置している。例えば、第2辺24は、対応する外周端縁15に沿う仮想外周線6に平行している。
【0046】
なお、配線回路基板3は、金属支持層(図示せず)、ベース絶縁層(図示せず)、導体層25およびカバー絶縁層を厚み方向に順に備える。配線回路基板3では、金属支持層が厚み方向他方面22(
図3A参照)を形成し、カバー絶縁層が、厚み方向一方面21(
図3A参照)を形成している。なお、金属支持層および導体層25の材料は、例えば、支持シート2で例示した金属系材料と同様である。ベース絶縁層およびカバー絶縁層の材料は、例えば、支持シート2で例示した樹脂と同様である。
【0047】
配線回路基板3の寸法は、用途および目的に応じて適宜設定される。配線回路基板3の厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、10mm以下、好ましくは、1mm以下である。
【0048】
図2に示すように、2つの第1辺23の対向長さL1は、第2辺24の長さであって、例えば、100mm以下、好ましくは、10mm以下であり、また、例えば、0.01mm以上、好ましくは、0.05mm以上である。2つの第1辺23の対向長さL1の、対応する外周端縁15の長さL0(
図1参照)に対する比(L1/L0)は、例えば、100以下、好ましくは、1以下であり、また、例えば、2×10
-5以上、好ましくは、2×10
-4以上である。
【0049】
第1辺23の長さL2は、仮想外周線6と第2辺24との間の距離であり、また、凹み部12の凹み量(深さ)でもある。第1辺23の長さL2は、例えば、0.001mm以上、好ましくは、0.01mm以上であり、また、例えば、10mm以下、好ましくは、1mm以下である。また、第1辺23の長さL2の、2つの第1辺23の対向長さL1に対する比(L2/L1)は、例えば、2×10-6以上、好ましくは、2×10-3以上であり、また、例えば、1以下、好ましくは、0.2以下である。
【0050】
図1~
図2に示すように、ジョイント4は、1つの配線回路基板3に設けられる4つの凹み部12に対応して4つ設けられている。ジョイント4は、平面視において、第1開口部7を横断して、配線回路基板3および支持シート2を連結している。具体的には、ジョイント4は、凹み部12の第2辺24から、第1開口部7を架橋するように、支持シート2に備えられる直結部9(後述)に直結している。支持シート2は、第1開口部7を横断するジョイント4(後述)によって、配線回路基板3を懸架している。より詳しくは、ジョイント4は、第2辺24における外周端縁15に沿う方向中央部から、ジョイント4の外側(凹み部12の凹み方向の逆側)に向かって延び、その後、直結部9に至る形状を有する。ジョイント4は、配線回路基板3から外側に向かう方向に沿って長い平面視略矩形板形状を有する。
図3A~
図3Bに示すように、ジョイント4は、上記した一方面21および他方面22を有する。
【0051】
ジョイント4の一方面21は、平坦状を有する。ジョイント4の他方面22は、次に説明する第1薄肉部5より外側領域(第1薄肉部5以外の領域)では、平坦状を有する。
【0052】
ジョイント4の材料および層構成は、支持シート2のそれらと同様である。なお、支持シート2が金属系材料からなり、また、配線回路基板3が金属支持層を備える場合には、ジョイント4は、好ましくは、金属系材料からなり、具体的には、金属系材料からなる金属系板をなし、この金属系板が、支持シート2および配線回路基板3の金属支持層を連結する。
【0053】
そして、
図2~
図3Aに示すように、ジョイント4は、薄肉部の一例としての第1薄肉部5を有する。第1薄肉部5は、ジョイント4における凹み部12の凹み方向先端部(内端部)(配線回路基板3側端部)に配置されている。具体的には、第1薄肉部5は、厚み方向に見たときに、外周端縁15に沿う仮想外周線6よりも内側に位置するように、凹み部12内に配置されている。
【0054】
第1薄肉部5は、ジョイント4において、他方面22が一方面21に向かって凹む凹部(第1凹部)である。第1薄肉部5の他方面22は、天井面19と、2つの側面20とを含む。
【0055】
天井面19は、ジョイント4において第1薄肉部5の周囲の他方面22に対して、厚み方向一方側に配置されている。これにより、天井面19は、配線回路基板3の内外方向(凹み部12の凹み方向)に投影したときに、第1薄肉部5の周囲のジョイント4、および、配線回路基板3と重複する。天井面19は、外周端縁15に沿う底面視略矩形状を有する。
【0056】
2つの側面20は、天井面19の内外方向両端縁から厚み方向他方側に向かって延びる内側面である。2つの側面20の厚み方向他端縁は、第1薄肉部5の周囲の他方面22に連結する。2つの側面20は、平行するように対向配置されており、天井面19と略直角を成す。
【0057】
一方、第1薄肉部5の一方面21は、ジョイント4において第1薄肉部5の周囲の一方面21と連続して1つの平面を形成している。つまり、それらは、面一である。
【0058】
ジョイント4の寸法は、用途および目的に応じて適宜設定される。具体的には、
図2に示すように、ジョイント4の幅(ジョイント4が延びる方向および厚み方向に直交する方向長さ)L3は、2つの第1辺23の対向長さL1に対して、小さく、L3のL1に対する比(L3/L1)が、例えば、0.5以下、好ましくは、0.3以下であり、また、例えば、0.05以上、好ましくは、0.1以上である。具体的には、ジョイント4の幅L3は、例えば、100mm以下、好ましくは、10mm以下であり、また、例えば、10μm以上、好ましくは、50μm以上である。
【0059】
第1薄肉部5の幅(内外方向長さ)L4は、例えば、0.1μm以上、好ましくは、1μm以上であり、また、例えば、10mm以下、好ましくは、1mm以下である。第1薄肉部5と仮想外周線6との間の距離(具体的には、2つの側面20のうち外側に配置される側面20と仮想外周線6との間の距離)L5は、例えば、0.01μm以上、好ましくは、1μm以上であり、また、例えば、10mm以下、好ましくは、1mm以下である。
第1薄肉部5と、第2辺24との間の距離(具体的には、2つの側面20のうち内側に配置される側面20と第2辺24との間の距離)L6は、例えば、0.01μm以上、好ましくは、1μm以上であり、また、例えば、10mm以下、好ましくは、1mm以下である。
【0060】
L4/[L4+L5+L6]は、例えば、1×10-3以上、好ましくは、0.1以上であり、また、例えば、1以下、好ましくは、0.8以下である。
【0061】
また、L5/L2は、例えば、1×10-3以上、好ましくは、0.1以上であり、また、例えば、1以下、好ましくは、0.8以下である。
【0062】
さらに、L6/L2は、例えば、1×10-3以上、好ましくは、0.1以上であり、また、例えば、1以下、好ましくは、0.8以下である。
【0063】
図3Aに示すように、第1薄肉部5の厚みT1は、例えば、10mm以下、好ましくは、1mm以下であり、また、例えば、1μm以上、好ましくは、10μm以上である。また、第1薄肉部5の厚みT1の、第1薄肉部5の周囲の部分の厚みT0に対する比(T1/T0)は、例えば、0.7以下、好ましくは、0.4以下であり、また、例えば、0.01以上、好ましくは、0.1以上である。
【0064】
また、第1薄肉部5の天井面19の、第1薄肉部5の周囲の他方面22からの深さDは、第1薄肉部5の周囲の部分の厚みT0から第1薄肉部5の厚みT1を差し引いた値(T0-T1)である。この深さDは、例えば、10mm以下、好ましくは、1mm以下であり、また、例えば、1μm以上、好ましくは、10μm以上である。深さDの、第1薄肉部5の周囲の部分の厚みT0に対する比(D/T0)は、例えば、0.7以下、好ましくは、0.4以下であり、また、例えば、0.01以上、好ましくは、0.1以上である。
【0065】
続いて、直結部9を説明する。
【0066】
図1~
図2に示すように、直結部9は、支持シート2においてジョイント4と直結する領域である。具体的には、直結部9は、支持シート2において、配線回路基板3の凹み部12のそれぞれの外側に対向配置される部分である。
【0067】
直結部9は、脆弱部26を有する。脆弱部26は、第2薄肉部11と第2開口部10とを有する。
【0068】
第2薄肉部11は、直結部9において、外周端縁15が延びる方向両端部に配置されている。
図3A~
図3Bに示すように、第2薄肉部11は、第1薄肉部5と同様の構成を有する。つまり、第2薄肉部11は、具体的には、天井面19および2つの側面20を有する。2つの第2薄肉部11のそれぞれの天井面19は、直結部9において第2薄肉部11の周囲の他方面22に対して厚み方向一方側に配置されており、第2薄肉部11は、直結部9において、他方面22(天井面19)が一方面21に向かって凹部(第2凹部)である。
【0069】
図2~
図3Aに示すように、第2開口部10は、直結部9における外側(凹み部12の凹み方向の逆側)端部に配置されている。第2開口部10は、第1開口部7の外側に間隔を隔てて対向配置されている。第2開口部10は、第1開口部7に並行して延びる平面視略矩形状を有する。第2開口部10は、直結部9の厚み方向を貫通する貫通孔の一例である。
【0070】
脆弱部26は、上記した第2開口部10および第2薄肉部11を有するので、第2開口部10および第2薄肉部11の周囲に比べて脆弱である。
【0071】
第2薄肉部11の幅、厚みおよび深さは、第1薄肉部5のそれらと同様である。第2開口部10の幅および長さは、用途および目的に応じ適宜調整される。
【0072】
なお、
図2中、太い1点鎖線は、切断刃27(後述)が通過する線であって、かかる線は、第1薄肉部5および脆弱部26を通過する略矩形線である。
【0073】
次に、配線回路基板集合体シート1から配線回路基板3を製造する方法を説明する。
【0074】
この方法では、まず、配線回路基板集合体シート1を準備する第1工程と、第1薄肉部5を切断する第2工程とを備える。
【0075】
第1工程では、例えば、まず、金属系材料からなる金属系シート(図示せず)を準備し、続いて、金属系シートの厚み方向一方側に、ベース絶縁層(図示せず)、導体層25およびカバー絶縁層を順次形成することにより、配線回路基板3を製造する。続いて、金属系シートを開口して、第1開口部7および第2開口部10を形成する。これにより、支持シート2およびジョイント4を形成する。また、第1薄肉部5をジョイント4に形成するとともに、第2薄肉部11を支持シート2に形成する。第1薄肉部5および第2薄肉部11を形成するには、例えば、ハーフエッチング、レーザ加工などが用いられ、好ましくは、量産性の観点から、ハーフエッチングが用いられる。
【0076】
これによって、配線回路基板集合体シート1を製造する。
【0077】
次いで、
図3Aに示すように、第2工程では、切断刃27を第1薄肉部5の一方面21に接触させて、第1薄肉部5を切断する。同時に、切断刃27を、第2薄肉部11の一方面21に接触させて、脆弱部26を切断する。つまり、第1薄肉部5および脆弱部26を同時に切断する。
【0078】
切断刃27としては、例えば、トムソン刃、例えば、回転可能な円盤形状のダイシングブレードなどが挙げられる。第1薄肉部5および脆弱部26を同時に切断する観点から、好ましくは、トムソン刃が挙げられる。例えば、トムソン刃は、
図2の太い1点破線で示すように、平面視において無端形状を有する。具体的には、トムソン刃は、平面視において、第1薄肉部5と、第1開口部7と、脆弱部26(第2薄肉部11および第2開口部10)とを通過できる略矩形枠形状を有する。
【0079】
図3Aに示すように、第2工程では、切断刃27を、配線回路基板集合体シート1の厚み方向一方側に配置し、続いて、図示しないが、切断刃27を厚み方向他方側に移動させて、切断刃27を、第1薄肉部5および第2薄肉部11の一方面21に接触させる。続いて、切断刃27を厚み方向他方側にさらに移動させて、第1薄肉部5および第2薄肉部11の他方面22に到達させることにより、第1薄肉部5および第2薄肉部11を剪断する(押し切る)。その後、切断刃27は、第1薄肉部5および第2薄肉部11の他方面22の厚み方向他方側に移動する。
【0080】
図5に示すように、この第2工程では、第1薄肉部5および第2薄肉部11(
図5において図示せず)を切断刃27を切断するときに、厚み方向他方側に向かって突出するバリ部28が形成される。なお、バリ部28は、第1薄肉部5における配線回路基板3およびジョイント4と、第2薄肉部11における直結部9とに残存する。
【0081】
バリ部28は、とりわけ、配線回路基板3において、取扱性および実装性の低下を招来することから、本来不要であるが、後述する製造方法の第2工程で不可避的に形成される。この一実施形態では、後述するが、バリ部28は、第1薄肉部5に形成されるので、上記した不具合が解消される。
【0082】
これによって、ジョイント4を、直結部9とともに、直結部9の周囲の支持シート2から切り離す。これにより、配線回路基板3を、支持シート2から切り離す。具体的には、
図2の太い1点鎖線で示すように、平面視略T字形状を成すジョイント4および直結部9が除去される。
【0083】
次に、支持シート2から切り離された配線回路基板3を、
図4および
図5を参照して、説明する。
【0084】
この配線回路基板3は、上記した外周端縁15および4つの凹み部12を含む外周部14を有する。外周部14は、ジョイント4(
図2参照)と連結されておらず、つまり、ジョイント4からすでに切り離されており、一方、凹み部12から外側に突出する切断残部16をさらに有する。
【0085】
切断残部16は、基端部17と、遊端部18とを一体的に有する。
【0086】
基端部17は、ジョイント4における第1薄肉部5の周囲の厚みT0と同一の厚みT2を有する。
【0087】
遊端部18は、基端部17の厚み方向一端部から連続する。遊端部18の一方面21は、基端部17の一方面21と連続する。一方、遊端部18の他方面22は、天井面19と、側面20とを有する。遊端部18の天井面19は、基端部17の他方面22と不連続である。これにより、遊端部18は、基端部17より薄い。遊端部18は、外側に向かうに従って、厚み方向他方側に垂れ下がる形状を有する。遊端部18の外端縁29は、厚み方向他方側に向かって突出する突出端(先端)であるバリ部28を有する。バリ部28は、切断残部16の突出方向に投影したときに、基端部17に重複している。また、バリ部28は、基端部17の他方面22に沿う仮想面30(1点破線)に対して厚み方向一方側に位置する。
【0088】
遊端部18は、
図3Aに示す第1薄肉部5の厚みT1に近似する厚みT3を有する。遊端部18の厚みT3は、基端部17の厚みT2に比べて薄い。遊端部18の厚みT3の、基端部17の厚みT2に対する比(T3/T2)は、例えば、0.7以下、好ましくは、0.4以下であり、また、例えば、0.01以上、好ましくは、0.1以上である。
【0089】
その後、この配線回路基板3は、図示しない別の基板に実装される。なお、図示しないが、別の基板は、平坦面を有しており、これに配線回路基板3の他方面22が接触する。
【0090】
そして、この配線回路基板3の製造方法の第2工程では、
図3Aに示すように、一方面21に向かって凹む第1薄肉部5を切断するので、バリ部28が厚み方向他方側に向かって突出しても、
図5に示すように、このバリ部28は、第1薄肉部5に形成されるので、バリ部28を、第1薄肉部5の周囲の他方面22よりも、厚み方向一方側に位置させることができる。そのため、配線回路基板3の取扱性の低下を抑制し、ひいては、配線回路基板3の実装性の低下を抑制することができる。
【0091】
また、この配線回路基板3の製造方法の第2工程では、
図3Aに示すように、切断刃27を用いるので、第1薄肉部5を簡単に切断することができる。
【0092】
しかるに、図示しないが、ジョイント4が、脆弱部26を有しない直結部9を備え、第2工程で、かかる直結部9を、第1薄肉部5と同時に切断する場合において、第1薄肉部5に接触する切断刃27は、比較的小さい剪断力で、第1薄肉部5を切断できる一方、直結部9に接触する切断刃27は、それよりも大きい剪断力でないと、厚い直結部9を切断できない。さらに、厚い直結部9にかかる剪断力が、第1薄肉部5にかかる剪断力と比べて大きくなり易く、そのため、直結部9にかかる剪断力と第1薄肉部5にかかる剪断力との差が過大となる。その結果、切断時における切断刃27の水平姿勢が不安定になり、切断精度が低下し易い。
【0093】
しかし、この配線回路基板3の製造方法では、
図2に示すように、直結部9が脆弱部26を有するので、
図3A~
図3Bに示すように、かかる脆弱部26に接触する切断刃27も、比較的小さい剪断力で、脆弱部26を切断することができる。そのため、第1薄肉部5および直結部9のいずれをも、切断刃27を用いて、同時に、比較的小さい剪断力で切断することができる。
【0094】
しかも、脆弱部26にかかる剪断力を、第1薄肉部5にかかる剪断力と同じ程度にすることができる。そのため、切断時における切断刃27の姿勢を安定させ、切断精度の低下を抑制することができる。
【0095】
また、第1薄肉部5に接触する切断刃27の圧力が小さくなることから、バリ部28の厚み方向他方側への突出量をできるだけ小さくすることができる。その結果、配線回路基板3の取扱性の低下をより一層抑制し、ひいては、配線回路基板3の実装性の低下をより一層抑制することができる。
【0096】
さらに、切断刃27にかかる負荷を低減できるので、切断刃27の交換回数を低減でき、その結果、製造コストを低減することができる。
【0097】
また、この配線回路基板3の製造方法では、脆弱部26が、第2薄肉部11および第2開口部10を備えるので、小さい剪断力でも、脆弱部26を確実に切断することができる。
【0098】
しかるに、図示しないが、第2工程において、第1薄肉部5が仮想外周線6よりも外側に位置すれば、支持シート2から切り離した配線回路基板3を取り扱うときや実装するときに、第1薄肉部5が邪魔になり易い。
【0099】
しかし、この配線回路基板3の製造方法では、
図2に示すように、第2工程において、第1薄肉部5は、厚み方向に見たときに、外周端縁15に沿う仮想外周線6よりも内側に位置するように、凹み部12内に配置されるので、切断刃27を仮想外周線6よりも内側に位置させることができる。そのため、バリ部28が形成される第1薄肉部5が邪魔にならず、配線回路基板3の取扱性の低下および実装の低下をより一層抑制することができる。
【0100】
また、この配線回路基板集合体シート1では、
図3Aに示すように、ジョイント4が、他方面22が一方面21に向かって凹む第1薄肉部5を有するので、
図5に示すように、一方面21に向かって凹む第1薄肉部5を切断すれば、第1薄肉部5に形成されるバリ部28を、第1薄肉部5の周囲の他方面22よりも、厚み方向一方側に位置させることができる。そのため、配線回路基板3の取扱性の低下を抑制し、ひいては、配線回路基板3の実装性の低下を抑制することができる。
【0101】
また、この配線回路基板3では、バリ部28が、切断残部16の突出方向に投影したときに、基端部17に重複しているので、バリ部28は、第1薄肉部5の周囲の他方面22よりも、厚み方向一方側に位置する。そのため、配線回路基板3は、取扱性の低下を抑制でき、ひいては、実装性の低下を抑制することができる。
【0102】
変形例
以下の各変形例において、上記した一実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、各変形例は、特記する以外、一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、一実施形態および変形例を適宜組み合わせることができる。
【0103】
図3Aに示すように、第1薄肉部5の他方面22は、天井面19および側面20を有するが、例えば、
図6に示すように、湾曲面13を有することもできる。湾曲面13は、幅方向(内外方向)中間部(中央部)に向かう従って天井面19に近接する形状を有する。
図6に示す変形例では、第1薄肉部5の厚みT1は、一方面21と湾曲面13との厚み方向における最短距離である。
【0104】
一実施形態では、
図2に示すように、第1薄肉部5は、外周端縁15に沿う仮想外周線6よりも内側に位置しているが、例えば、図示しないが、仮想外周線6より外側に位置してもよい。
【0105】
一実施形態では、配線回路基板3は、凹み部12を有しているが、例えば、図示しないが、凹み部12を有しなくてもよい。切断残部16は、外周端縁15から外側に突出して形成される。
【0106】
図2に示すように、一実施形態では、脆弱部26は、第2薄肉部11および第2開口部10の両方を有するが、
図7A~
図7Bに示すように、いずれか一方のみを有することもできる。
【0107】
図7Aに示す変形例では、脆弱部26は、第2開口部10(
図2参照)を備えず、第2薄肉部11のみを備える。第2薄肉部11は、第1開口部7に向かって開く平面視略コ字形状を有する。
【0108】
図7Bに示す変形例では、脆弱部26は、第2薄肉部11(
図2参照)を備えず、第2開口部10のみを備える。第2開口部10は、複数形成されており、具体的には、ミシン目状の切り目を形成する。切り目は、第1開口部7に向かって開く平面視略コ字形状を有する。
【0109】
一実施形態では、
図2に示すように、脆弱部26は、1つの第2開口部10と、2つの第2薄肉部11とを備えるが、それらの数は、これに限定されない。例えば、
図8に示すように、脆弱部26は、2つの第2開口部10と、1つの第2薄肉部11とを備えることもできる。
図8に示す第2開口部10および第2薄肉部11の平面視における配置および形状は、それぞれ、
図2に示す第2薄肉部11および第2開口部10のそれらと同様である。
【0110】
一実施形態では、
図2~
図3Bに示すように、直結部9は、脆弱部26を備えるが、図示しないが、例えば、脆弱部26を備えなくてもよい。この場合には、図示しないが、切断刃27は、第1薄肉部5さえ切断すればよい。
【0111】
一実施形態では、
図3A~
図3Bに示すように、第2工程において、切断刃27を用いたが、例えば、図示しないが、レーザ光を用いることもできる。
【0112】
この変形例では、図示しないレーザ光を他方面22に照射する。具体的には、光源(図示せず)を配線回路基板集合体シート1の厚み方向他方側に配置し、第2工程において、光源からレーザ光を第1薄肉部5の天井面19(他方面22)に向けて照射する。これによって、第1薄肉部5では、厚み方向他方側に向かって突出するバリ部28が形成される。
【0113】
レーザ光としては、バリ部28を形成しながらも、第1薄肉部5および第2薄肉部11を切断できるものが挙げられ、例えば、気体レーザ、固体レーザ、液体レーザなどが挙げられ、好ましくは、気体レーザが挙げられる。気体レーザとしては、例えば、炭酸ガスレーザ、ヘリウムネオンレーザ、アルゴンイオンレーザ、炭酸ガスレーザ、窒素レーザなどが挙げられ、好ましくは、炭酸ガスレーザが挙げられる。
【0114】
この変形例であれば、第2工程では、レーザ光を用いるので、第1薄肉部5を精度よく切断することができる。
【符号の説明】
【0115】
1 配線回路基板集合体シート
2 支持シート
3 配線回路基板
4 ジョイント
5 第1薄肉部
6 仮想外周線
9 直結部
10 第2開口部
11 第2薄肉部
12 凹み部
14 外周部
15 外周端縁
16 切断残部
17 基端部
18 遊端部
21 一方面
22 他方面
26 脆弱部
27 切断刃
28 バリ部
29 外端縁