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特開2023-164678カテーテルポンプの圧縮可能な部品を圧縮するシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164678
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】カテーテルポンプの圧縮可能な部品を圧縮するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 60/216 20210101AFI20231102BHJP
   A61M 25/01 20060101ALI20231102BHJP
   A61M 60/414 20210101ALI20231102BHJP
【FI】
A61M60/216
A61M25/01
A61M60/414
【審査請求】有
【請求項の数】26
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023154038
(22)【出願日】2023-09-21
(62)【分割の表示】P 2020511425の分割
【原出願日】2018-08-22
(31)【優先権主張番号】17187609.7
(32)【優先日】2017-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】515170724
【氏名又は名称】エーツェーペー エントヴィッケルングゲゼルシャフト エムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シェッケル マリオ
(57)【要約】
【課題】迅速且つ安全に、再現性をもって、カテーテルポンプの圧縮可能な部品を圧縮し、その圧縮可能な部品をスリーブ内に挿入する。
【解決手段】カテーテル装置における半径方向に圧縮可能な部品(1.1)をスリーブ(4)内に挿入するシステムは、スリーブ(4)と、少なくとも部分的に前記スリーブ(4)内へ移動されるように構成された半径方向に圧縮可能な部品(1.1)を備える、カテーテル装置と、半径方向に圧縮可能な部品(1.1)を収容するものであって開状態および閉状態を有する可動フィン(2.2)を備える、圧縮パイプ(2)とを含む。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテル装置(1)における半径方向に圧縮可能な部品(1.1)をスリーブ(4)内に挿入するシステムであって、
スリーブ(4)と、
少なくとも部分的に前記スリーブ(4)内へ移動されるように構成された半径方向に圧縮可能な部品(1.1)を備える、カテーテル装置(1)と、
前記半径方向に圧縮可能な部品(1.1)を収容するものであって開状態および閉状態を有する可動フィン(2.2)を備える、圧縮パイプ(2)と
を含むシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、前記半径方向に圧縮可能な部品(1.1)が、半径方向に圧縮可能なロータ(1.1.1)と、半径方向に圧縮可能なハウジング(1.1.2)とを含む、システム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムであって、
開放状態における可動フィン(2.2)の開き角度は、可動フィン(2.2)が前記半径方向に圧縮可能な部品(1.1)の前記半径方向に圧縮可能なハウジング(1.1.2)の軸方向部分と接触することができるような角度であり、前記軸方向部分は、前記半径方向に圧縮可能な部品(1.1)の遠位端と近位端との間にあり、前記可動フィン(2.2)が閉状態に移動すると、前記半径方向に圧縮可能な部品(1.1)は圧縮され、前記軸方向部分に圧縮力がかかり、前記圧縮力が半径方向成分を有する、システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のシステムであって、前記スリーブ(4)がピールアウェイタイプのシースであるか、または、前記スリーブ(4)がカニューレである、システム。
【請求項5】
請求項4に記載のシステムであって、前記カニューレは前記カテーテル装置(1)自体に付随するものである、システム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のシステムであって、前記カテーテル装置(1)が、ピッグテール(1.2.2)および/または遠位ベアリング(1.2)を備え、前記遠位ベアリング(1.2)または前記ピッグテール(1.2.2)は、細長部分(1.2.1)を有する、システム。
【請求項7】
請求項6に記載のシステムであって、前記圧縮パイプ(2)が、前記細長部分(1.2.1)、もしくは、前記カテーテル装置における前記半径方向に圧縮可能な部品(1.1)の近位側または遠位側に位置する部分を収容する、チューブ(2.1)を備える、システム。
【請求項8】
請求項7に記載のシステムであって、前記圧縮パイプ(2)の前記チューブ(2.1)が、前記ピッグテール(1.2.2)を収容する凹部(2.1.1)を有する、システム。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載のシステムであって、前記圧縮パイプ(2)が、2枚から10枚の可動フィン(2.2)を備える、システム。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載のシステムであって、前記圧縮パイプ(2)が、3枚または4枚の可動フィン(2.2)を備える、システム。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載のシステムであって、互いに隣接する可動フィン(2.2)の間に延在する間隙(2.2.2)が、軸方向にまたは螺旋状に伸びる、システム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムであって、前記圧縮パイプ(2)にスリット(2.4)が設けられ、前記スリット(2.4)は、前記間隙(2.2.2)の延長線上または前記間隙(2.2.2)の間に、軸方向にまたは螺旋状に伸びる、システム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムであって、スリット(2.4)以外の半径方向に変位したスリット(2.7)の端部が、間隙(2.2.2)および/または軸方向に設計されたスリット(2.4)の端部と、軸方向に重なる、システム。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載のシステムであって、前記閉状態にある互いに隣接する可動フィン(2.2)の間に、間隙が残存する、システム。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載のシステムであって、互いに隣接する可動フィン(2.2)同士が、膜または薄皮によって連結されている、システム。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか1項に記載のシステムであってさらに、前記圧縮パイプ(2)の前記可動フィン(2.2)と、前記可動フィン(2.2)間に収容された前記半径方向に圧縮可能な部品(1.1)とを、半径方向に圧縮するレデューサ(3)を含む、システム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムであって、
前記圧縮パイプ(2)は、前記可動フィン(2.2)が圧縮可能な部品(1.1)の遠位端側を囲むように配置され、
前記レデューサ(3)は、圧縮可能な部品(1.1)の近位端側を囲むように前記圧縮パイプ(2)の近位側に配置されている、システム。
【請求項18】
請求項16又は17に記載のシステムであって、
前記レデューサ(3)は、遠位開口(3.2.1)および近位開口(3.1.1)を有するパイプとして設計されるとともに、前記スリーブ(4)および前記圧縮パイプ(2)を収容するように構成され、
前記スリーブ(4)が、前記レデューサ(3)の前記近位開口(3.1.1)内に挿入された時に前記レデューサ(3)の端部に突き当たるように構成されたストッパ(4.1)を備えるか、または、前記圧縮パイプ(2)が、前記レデューサ(3)の前記遠位開口(3.2.1)内に挿入された時に前記レデューサ(3)の端部に突き当たるように構成されたストッパ(2.3)を備えるか、あるいはその両方であり、それにより、前記圧縮パイプ(2)および前記スリーブ(4)が前記レデューサ(3)内に挿入された時点で、前記スリーブ(4)と前記圧縮パイプ(2)との間に間隙(2.5)が残存する、システム。
【請求項19】
請求項16から18のいずれか1項に記載のシステムであって、前記レデューサ(3)は、遠位開口(3.2.1)および近位開口(3.1.1)を有するパイプとして設計されるとともに、一定の内径を有する近位円筒部(3.1)と、内径が遠位方向に増大する遠位円錐部(3.2)とを含み、前記遠位円錐部(3.2)が、前記可動フィン(2.2)と、前記可動フィン(2.2)間に収容された前記半径方向に圧縮可能な部品(1.1)とを受け入れるように構成されている、システム。
【請求項20】
請求項16から19のいずれか1項に記載のシステムであって、前記レデューサ(3)が、前記レデューサ(3)に対する前記スリーブ(4)の遠位方向への移動を制限する第1のストッパ(3.1.3)を備える、システム。
【請求項21】
請求項20に記載のシステムであって、前記レデューサ(3)が、前記レデューサ(3)に対する前記圧縮パイプ(2)の近位方向への移動を制限する第2のストッパ(3.1.4)を、前記第1のストッパ(3.1.3)の反対側に備える、システム。
【請求項22】
請求項1から21のいずれか1項に記載のシステムであって、前記閉状態にある前記可動フィン(2.2)の内径と、前記スリーブ(4)の内径とは、最大でも1mmだけ異なる、システム。
【請求項23】
請求項1から21のいずれか1項に記載のシステムであって、前記閉状態にある前記可動フィン(2.2)の内径と、前記スリーブ(4)の内径とは、最大でも0.5mmだけ異なる、システム。
【請求項24】
請求項16から21のいずれか1項に記載のシステムであって、
前記圧縮パイプ(2)は、前記可動フィン(2.2)が前記圧縮可能な部品(1.1)の方に向いた状態で、前記カテーテル装置(1)を囲むように設けられ、
前記レデューサ(3)は、前記レデューサ(3)の前記遠位円錐部(3.2)が前記圧縮可能な部品(1.1)の方に向いた状態で、前記圧縮可能な部品(1.1)の対向側に設けられ、
前記システムはさらに、穴(3.4.1)を有する円板デバイス(3.4)を含み、前記円板デバイス(3.4)は、前記レデューサ(3)の近位円筒部(3.1)と前記圧縮可能な部品(1.1)との間の部分において、前記カテーテル装置(1)を囲むように設けられる、システム。
【請求項25】
請求項16から21のいずれか1項に記載された、前記カテーテル装置(1)における前記半径方向に圧縮可能な部品(1.1)を前記スリーブ(4)内に挿入するシステムを、使用する方法であって、
前記圧縮可能な部品(1.1)の近位側に、前記カテーテル装置(1)を囲むように前記レデューサ(3)を設けるステップと、
前記レデューサ(3)の近位側に、前記カテーテル装置(1)を囲むように前記スリーブ(4)を設けるステップと、
前記カテーテル装置(1)を囲むように前記圧縮パイプ(2)を設けて、前記可動フィン(2.2)間に前記圧縮可能な部品(1.1)が位置するようにするステップと、
を含み、さらに、
前記レデューサ(3)を前記圧縮パイプ(2)に向けて移動することで、前記圧縮パイプ(2)が前記レデューサ(3)の前記遠位開口内へスライドするステップと、
前記圧縮パイプ(2)と前記レデューサ(3)との相対移動を継続することで、前記可動フィン(2.2)がスライドして前記レデューサ(3)の前記遠位円錐部(3.2)を通過し、それにより、前記開状態から前記閉状態への前記可動フィン(2.2)の圧縮が実施され、その結果、前記半径方向に圧縮可能な部品(1.1)が圧縮されるステップと、
前記相対移動を継続することで、圧縮状態の前記可動フィン(2.2)および圧縮状態の前記半径方向に圧縮可能な部品(1.1)が、前記近位円筒部(3.1)に沿ってスライドするステップと、
前記圧縮パイプ(2)の近位側に当接するように、あるいは、前記レデューサ(3)に付随し前記圧縮パイプ(2)の近位側に位置する第1ストッパ(3.1.3)に当接するように、前記スリーブ(4)を配置し、前記スリーブ(4)を掴み留めつつカテーテルチューブ(1.3)を近位方向に引っ張ることで、前記カテーテル装置(1)における少なくとも前記半径方向に圧縮可能な部品(1.1)を含む一部分が、スライドして前記圧縮パイプ(2)から出て前記スリーブ(4)内に至るステップと
を実施することを含む、方法。
【請求項26】
請求項24に記載された、前記カテーテル装置(1)における前記半径方向に圧縮可能な部品(1.1)を前記スリーブ(4)内に挿入するシステムを、使用する方法であって、
前記圧縮可能な部品(1.1)の近位側に、前記カテーテル装置(1)を囲むように前記レデューサ(3)を設けるステップと、
前記レデューサ(3)の近位側に、前記カテーテル装置(1)を囲むように前記スリーブ(4)を設けるステップと、
前記可動フィン(2.2)を近位方向に向けて、前記カテーテル装置(1)を囲むように前記圧縮パイプ(2)を設けるステップと、
を含み、さらに、
前記レデューサ(3)および前記円板デバイス(3.4)を前記圧縮パイプ(2)に向けて移動することで、前記円板デバイス(3.4)が前記圧縮可能な部品(1.1)を前記可動フィン(2.2)間に押し入れるようにし、さらに、前記円板デバイス(3.4)が撓むか壊れるまで、前記可動フィン(2.2)を前記レデューサ(3)の前記遠位開口内へスライドさせるステップと、
前記圧縮パイプ(2)と前記レデューサ(3)との相対移動を継続することで、前記可動フィン(2.2)がスライドして前記レデューサ(3)の前記遠位円錐部(3.2)を通過し、それにより、前記開状態から前記閉状態への前記可動フィン(2.2)の圧縮が実施され、その結果、前記半径方向に圧縮可能な部品(1.1)が圧縮されるステップと、
前記相対移動を継続することで、圧縮状態の前記可動フィン(2.2)および圧縮状態の前記半径方向に圧縮可能な部品(1.1)が、前記近位円筒部(3.1)に沿ってスライドするステップと、
前記圧縮パイプ(2)の近位側に当接するように、あるいは、前記レデューサ(3)に付随し前記圧縮パイプ(2)の近位側に位置する第1ストッパ(3.1.3)に当接するように、前記スリーブ(4)を配置し、前記スリーブ(4)を掴み留めつつカテーテルチューブ(1.3)を近位方向に引っ張ることで、前記カテーテル装置(1)における少なくとも前記半径方向に圧縮可能な部品(1.1)を含む一部分が、スライドして前記圧縮パイプ(2)から出て前記スリーブ(4)内に至るステップと
を実施することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半径方向に圧縮可能な部品を備えるカテーテルポンプと、その圧縮可能な部品を圧縮する装置とを含むシステムに関し、さらに、当該システムの使用方法に関する。
【0002】
したがって本願は、一方では、低侵襲医療の分野において、たとえば心臓補助用の血液ポンプのために提供され、他方では、攪拌器または駆動素子における利用のために提供される。
【背景技術】
【0003】
本発明は、医療分野における小型化の可能性の提供をもって、特別な効果を示すことができる。流体ポンプを、特に自然の体内管腔内に挿入する技術が、従来技術において詳細に知られている。したがって、脈管系に挿入器シースを挿入するためのセルディンガー法に、特に言及する。
【0004】
圧縮可能または拡張可能なカテーテルポンプであって、たとえばロータおよびロータハウジングである半径方向に圧縮可能な部品がスリーブまたはシース内に移動されることが可能なカテーテルポンプが、たとえば特許文献1または特許文献2に開示されている。カテーテルを囲むようにスリーブが設けられ、圧縮可能な部品をそのスリーブ内に引き入れることで、圧縮可能な部品がスリーブに進入するにつれて圧縮が実施される。スリーブはたとえば、特許文献1に記載されるような、カテーテルポンプの管腔内への挿入を容易にするピールアウェイタイプのシースであることが可能であり、あるいは、たとえばカテーテル自体に付随するカニューレなどの他のいずれのタイプのスリーブであることも可能である。
【0005】
このような拡張可能なポンプが、現在の最新技術であって、人体への低侵襲性の挿入を可能にするものであるが、このようなポンプの取り扱いに関しては、いくつかの欠点がある。
【0006】
ポンプが適切に機能することを確実にするために、圧縮可能な部品は、既に圧縮された状態で輸送および提供されるべきでない。柔軟部分は、長すぎる時間にわたって圧縮状態に維持されると変形し始める可能性があるので、圧縮可能な部品が圧縮される期間は最小限にすべきである。
【0007】
従来技術によれば、カテーテル装置は拡張状態で提供される。たとえば、カテーテル装置のカテーテルチューブの近位端に引っ張り力を印加することで、圧縮可能な部品の近位側に設けられたスリーブ内に、圧縮可能な部品が引き入れられる。したがって圧縮は、スリーブの端部において実施され、圧縮可能な部品の近位端にて生じ始める。圧縮可能な部品がスリーブ内に押し入れられるにつれて、初期にはその大部分が軸方向成分である力が、ロータおよびハウジングに作用して、圧縮可能な部品の大きな変形を引き起こす。この工程は、圧縮可能な部品に応力およびひずみを発生させ、圧縮可能な部品内に捩れを引き起こす可能性がある。
【0008】
さらに、圧縮可能な部品は、圧縮時にしばしば伸長する。すなわち、ロータがハウジング内に配置されるポンプ構成において、ハウジングおよびロータの両方が、半径方向に圧縮されつつ軸方向に拡張する場合がある。ロータおよびハウジングがスリーブ内に引き入れられることで一端から圧縮された場合、軸に沿った伸長は、スリーブの方向には阻害される。特に、軸に沿ってスリーブの方向へのロータの伸長は、既に圧縮されたハウジングに妨げられる。このことは、折り畳み時のロータ内に更なるひずみ又は捩れを引き起こす可能性がある。
【0009】
特許文献3には、血液への損傷を最小限に抑えるために、一方の端部に、より少ない数のストラットを設けたロータハウジングが開示されている。しかしこの構造では、ストラット間の間隙がより大きくなるので、ハウジングおよびロータの圧縮時に、ロータがストラット間に引っかかる又は挟まるリスクが増大してしまう。
【0010】
したがって、圧縮力、特に初期の圧縮力が、ロータのより中央寄りに、且つ、半径方向成分をより多く含んで作用するように、圧縮力をロータハウジングに印加することが有利である。ハウジングの遠位端とハウジングの近位端との間の、圧縮可能なハウジングの中央部分、すなわち、ハウジング内でロータが位置する軸方向部分、またはハウジング内でロータが位置する軸方向部分に近接する位置に、力を作用させることによって、ロータの不均一な折り畳みおよびストラット間での挟み込みを回避できる。このように力を印加した場合、ロータは、一端からのみでなく、近位および遠位の両方向に、軸に沿って伸長および/または変位することができる。その結果、ロータは、自身のハブ周りにスムーズに折り畳まれることが可能になる。
【0011】
原理上、カテーテル装置の圧縮可能な部品の圧縮は、たとえば特許文献4に記載されたようなステントクリンパを用いて実施できる。しかし、ステントクリンパは、デリケート且つ複雑なツールであって、使用後の洗浄および滅菌が難しいので、カテーテル検査室または病院環境におけるステントクリンパの使用には問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2399639号
【特許文献2】欧州特許出願公開第2606920号
【特許文献3】欧州特許出願公開第3153190号
【特許文献4】欧州特許出願公開第0873731号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって本願の目的は、迅速且つ安全に、再現性をもって、カテーテルポンプの圧縮可能な部品を圧縮し、その圧縮可能な部品をスリーブ内に挿入する簡単な方法であって、カテーテル検査室でも実行可能な方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述の課題および要件は、請求項1に記載のシステムによって少なくとも部分的に取り組まれている。有利になり得るさらなる実施形態は、従属項に記載されるか、または明細書および図面中に開示される。
【0015】
本願に係るシステムは、圧縮可能な部品を備えるカテーテル装置を含む。圧縮可能な部品は通常は、圧縮可能なロータと、ロータのためのハウジングとを含む。圧縮可能な部品は、遠位端であると規定されるカテーテルポンプの端部の近くに配置され、カテーテルの近位端部分が患者の体外に維持される間に、患者内に挿入されるように構成されている。その状態で、カテーテル装置の近位端に接続されたモータは、駆動シャフトを通じて、カテーテル装置の遠位端に位置するロータを駆動できる。ロータはたとえば、心臓の左室内に配置され、たとえば左室から出て大動脈内に至る、カテーテル装置の近位方向への血流が生じるように駆動される。ロータの近位側であって、大動脈弁を通過する必要がある部分に、下流チュービングを設けることができる。ロータの圧縮可能なハウジングは、ロータが動作時に心臓組織を巻き込むことを防止する。カテーテル装置はさらに、遠位ベアリングを含むことができる。遠位ベアリングは、駆動シャフトを回転可能に取り付けるための細長部分を備えることができる。遠位ベアリングは、柔軟ベアリングとして設計されることが好ましい。カテーテル装置はさらに、細長い柔軟部分を備える非外傷性先端を含むことができる。非外傷性先端は、ピッグテールとして設計されることが好ましい。実施形態によっては、非外傷性先端またはピッグテール状の先端を含む柔軟ポリマー部分が、遠位ベアリングを備えることができる。
【0016】
上記システムはさらに、圧縮可能な部品が挿入されるスリーブを含む。スリーブは、ピールアウェイタイプのシースであることが可能であり、その場合、挿入器シースに連結され、圧縮可能な部品が挿入器シースに移動された後に、取り外されて廃棄される。またはスリーブは、カテーテルポンプの意図された用途に応じて、たとえばカテーテル自体に付随するカニューレや、追加で設けられたスリーブなどの、他のいずれのタイプのスリーブであることも可能である。
【0017】
さらに上記システムは、圧縮パイプを含む。圧縮パイプは、半径方向に圧縮可能な部品を収容するように設計された可動フィンを備える。可動フィンは、開状態および閉状態を有する。開状態では、フィンは、非圧縮状態にある半径方向に圧縮可能な部品の少なくとも一部分を囲むように配置され得る。開状態にある圧縮可能なフィンの開き角度は、ハウジングの遠位端と近位端との間に位置するハウジングの軸方向部分に接触させることが可能な角度である。その軸方向部分は好ましくは、ロータが拡張状態で延在する軸方向部分である。フィンがその状態から閉状態に移動される際に、半径方向に圧縮可能な部品は圧縮され、半径方向成分を含む圧縮力が、上記軸方向部分に印加される。
【0018】
一実施形態では、圧縮パイプは、2枚から10枚の可動フィンを備える。圧縮パイプは特に、3枚の可動フィンまたは4枚の可動フィンを備えることが可能である。
【0019】
一実施形態では、圧縮可能な部品または下流チュービングの挟み込みを防止するために、隣接するフィン同士が、柔軟性を有する膜または薄皮によって連結される。
【0020】
開状態では、隣接するフィン間に間隙が形成される。フィンが開状態から閉状態に移動するにつれて、間隙のサイズは減少する。一実施形態では、閉状態において、半径方向に圧縮可能な部品、下流チュービング、またはカテーテル装置の他のパーツがフィン間に挟まれる又は捕捉されてしまうことがないように、隣接するフィン間に間隙が残存する。
【0021】
隣接するフィン間に形成される間隙は、圧縮パイプの長手部分に沿って軸方向に延在することができる。ただし当該間隙は、圧縮パイプに沿って螺旋状に伸びるように、半径方向成分を含んで延在することも可能である。螺旋状に延在する間隙は、圧縮パイプの円周を囲むように伸びることができ、たとえば40~100度、特に90度の放射状範囲に延在することが可能である。間隙に加え、スリットを設けることができる。スリットは、間隙の延長線上部分として設けることができ、あるいは、軸方向または螺旋状に延在する複数の間隙の間に設けることもできる。スリットが設けられた場合、圧縮パイプは、より大きく開き、よりスムーズな圧縮動作を示すことが可能である。追加のスリットおよび/または螺旋状に延在する間隙があることにより、カテーテル装置のパーツの挟み込みを回避できる。
【0022】
一実施形態では、配置位置の半径方向が変位されたスリットの端部が、間隙および/または軸方向に並ぶスリットの端部と、軸方向に重なる。
【0023】
好ましくは、閉状態のフィンは円筒状空間を包囲する。一実施形態では、その円筒状空間の直径は、圧縮可能な部品が挿入されるスリーブの内径に比べて、最大でも1mmだけ、好ましくは最大でも0.5mmだけ、小さいか大きく、それにより圧縮可能な部品が、閉状態のフィン間からスリーブ内へ容易にスライドできるようになっている。実施形態によっては、圧縮可能な部品がフィン間からスリーブ内へスライドするにつれて、圧縮可能な部品がさらなる圧縮を経ることが望ましい。
【0024】
圧縮パイプはさらに、カテーテル装置を囲んで配置されるように設計されたチューブまたはチューブ状部分を備えることができる。そのチューブの一端に、フィンが取り付けられている。フィンが圧縮可能な部品を囲むように配置された時に可能な構成は、以下の2つである。チューブは、フィンおよび圧縮可能な部品の近位側に、カテーテルチューブの一部分を囲むように配置され得る。あるいは、チューブは、可動フィンおよび圧縮可能な部品の遠位側であって、遠位ベアリング、もしくは非外傷性先端またはピッグテール状の先端の、一部分または全体を囲むように配置され得る。
【0025】
チューブは、ピッグテールのための凹部を含むことが可能であり、その凹部は、非外傷性先端を囲むようにチューブを配置したい場合に有利になり得る。それにより、チューブが先端の細長部分の周囲に位置している間に、ピッグテールは、引き延ばされて張られた状態に維持されるのではなく、丸まった状態にすることができ、その際に、チューブの取り扱いを煩雑にするような、遠位端におけるチューブの切り詰め作業を必要としない。このことは、圧縮パイプを配置した状態でカテーテル装置を配送する場合に、特に有用である。ピッグテールが凹部内で丸まるようにすることで、カテーテル装置の遠位端からチューブが外れ落ちることが回避される。
【0026】
上記システムはさらに、可動フィンを開状態から閉状態に、スムーズに且つ放射方向に等方的に圧縮するための、レデューサを含むことができる。
【0027】
レデューサは、円錐部、すなわち、レデューサの内壁が円錐表面の一部分を表している部分と、レデューサの内壁の直径が一定である円筒部とを備えるチューブとして設計される。円錐部では、円筒部からの距離が遠くなるにつれてレデューサの内半径が増大する。円筒部の内壁に対する、円錐部の内壁の開き角度は、たとえば6°~10°であることが可能である。
【0028】
レデューサは、圧縮可能な部品の近位側であって、圧縮可能な部品が挿入されるスリーブの遠位側の位置に、カテーテル装置を囲むように設けることができる。よって、円錐部は、円筒部の遠位側に位置する。これにより、レデューサがカテーテル装置および圧縮パイプに対して遠位方向に移動されるにつれて、圧縮パイプと、圧縮パイプのフィン間に設けられたカテーテル装置の圧縮可能な部品は、レデューサの遠位開口内へスライドして、レデューサの円錐部内に至る。この相対移動は、たとえば、圧縮部分とレデューサとを近づけるように手で押すことで、あるいは、レデューサを掴み留めるとともにカテーテルチューブの近位端を近位方向に引っ張ることで、実施可能である。使用される構成に応じて、圧縮パイプは、最初にフィンから、あるいは最初にパイプから、レデューサの遠位開口内へスライドする。相対移動が継続してフィンがレデューサの円錐部に進入するにつれて、レデューサに対する圧縮パイプの相対移動の方向にレデューサの円錐部の半径が減少しているので、フィンは圧縮され始める。したがって、フィン間に設けられた圧縮可能な部品も圧縮される。圧縮可能なフィンによって媒介される圧縮力は、好ましくは、圧縮可能な部品においてロータが延在する軸方向部分に作用される。この時、圧縮力は半径方向成分を含み、このことは、捩れを生じさせずにロータを圧縮するうえで有利である。続いて、圧縮パイプと、圧縮パイプ内に設けられた圧縮可能な部品とは、レデューサ内へさらにスライドし、レデューサの円筒部内に至る。円筒部に到達した時点で、圧縮は完了する。この時点で、フィンは完全圧縮状態にあり、半径方向に圧縮可能な部品は、意図された半径まで圧縮されている。隣接する可動フィン間の間隙は、圧縮可能な部品または下流チュービングの挟み込みを回避するために、圧縮状態でも残存することが好ましい。隣接する可動フィン間に、好ましくは伸縮性の薄膜または薄皮である膜を設けることで、挟み込みの回避をさらに支援できる。レデューサに対する圧縮パイプおよびカテーテル装置の相対移動が継続するにつれて、圧縮パイプおよび圧縮可能な部品は、レデューサの近位開口に向かってスライドする。近位開口の付近に、互いに反対側に位置する2つのストッパを設けることができる。その場合、圧縮可能な部品が挿入されるスリーブは、近位開口の近位側に位置する第1のストッパに当接するように設けられる。そのストッパは、レデューサに対するスリーブの遠位方向への移動を制限する。圧縮パイプは、近位開口の遠位側であってレデューサ内部に位置する、第1のストッパの反対側の第2のストッパに突き当たる。それにより、レデューサに対する圧縮パイプの近位方向への移動が制限される。この状態で、たとえばカテーテルチューブの近位端に引っ張り力を作用させることで、カテーテル装置を圧縮パイプから引き出すことができる。その結果、カテーテル装置の圧縮可能な部品は、スライドして圧縮パイプから出て、レデューサの近位開口を通過し、スリーブ内に至る。遠位ベアリングおよび/または非外傷性先端も、圧縮パイプおよびレデューサの近位開口をスライドして通過する。それにより、レデューサおよび圧縮パイプは、カテーテル装置の遠位端から外れ落ち、廃棄されることができる。
【0029】
レデューサを想定する実施形態では、スリーブおよび/または圧縮パイプはそれぞれ、レデューサに、好ましくはレデューサの端部の外側に、当接するように構成された追加のストッパを備えることができる。そのストッパは、レデューサ内部でスリーブの端部および/または圧縮パイプの端部に間隙が設けられるように配置されることが可能である。それにより、スリーブとレデューサとの間、または圧縮パイプとレデューサとの間、またはスリーブと圧縮パイプとの間に、カテーテル装置が挟まれることがない。
【0030】
上述した構成の代わりに、レデューサおよび圧縮パイプを180°回転させて、レデューサを圧縮可能な部品の遠位側に設け、圧縮パイプを圧縮可能な部品の近位側に設けることが可能である。その場合、スリーブを、圧縮パイプの近位側、またはレデューサの遠位側に設けることができる。後者の選択肢は、右心室に挿入されるポンプにおいて有利である可能性があり、そのポンプは、ロータの遠位側に位置する下流チュービングを備えることができる。
【0031】
カテーテル装置の圧縮可能な部品がフィン間に配置された圧縮パイプは、たとえばレデューサ内へ手動でスライドされることによって、レデューサの円錐部に挿入される。圧縮可能なフィンがレデューサの円筒部に到達した時点で、圧縮は終了する。可動フィンが円筒部内に留まり、圧縮パイプがレデューサ内をスライドして通過することがないように、レデューサと圧縮パイプとの相対移動を制限するためのストッパが設けられることが好ましい。続くステップでは、スリーブが、レデューサに付随する第2のストッパに当接するように配置されるか、あるいは、スリーブのためのストッパとして機能し得る圧縮パイプに直接に当接するように配置される。スリーブを掴み留めるとともにカテーテルチューブを引っ張ることによって、圧縮可能な部品は、スライドして圧縮パイプから出て、スリーブ内に至ることができる。
【0032】
圧縮パイプとレデューサとの間の摩擦が最小限になるように、圧縮パイプおよびレデューサは両方とも、たとえばPTFE、PE、またはPOMから成る。
【0033】
カテーテル装置に圧縮パイプおよびレデューサを予め取り付けた状態で、カテーテル装置を配送することができる。圧縮パイプおよびレデューサは、使用後に廃棄される使い捨てパーツであることが可能である。圧縮パイプの予めの取り付けを可能にするように、追加のストッパを、たとえばレデューサの円錐部に設けることができる。その予めの取り付けとは、半径方向に圧縮可能な部品を伴った圧縮可能なフィンを、非圧縮状態でレデューサの円錐部内に予め配置し、ストッパによってスライドして出ることができないようにすることである。それにより圧縮可能な部品は、レデューサと圧縮パイプとの間で保護される。
【0034】
一実施形態では、カテーテル装置、レデューサ、および圧縮パイプに加えて、穴を有するプレートまたは膜などの円板デバイスが設けられる。円板デバイスは、レデューサと圧縮パイプとの間に、カテーテルチューブを囲むように設けられ、カテーテルチューブに沿ってスライドできるようになっている。円板デバイスは、円板デバイスの穴と外縁とを接続するスリットを有することができ、それにより、円板デバイスはカテーテルに係止されることが可能である。別の実施形態では、円板デバイスの紛失を防止するために、スリットは穴のみに接続し、円板デバイスの外縁には接続しない。カテーテルが損傷されないように、且つ、円板デバイスがカテーテルチューブ上で良好な摺動性を有するように、円板デバイスの縁部、特にスリットおよび穴の縁部は、滑らかであるか、または柔軟材料から成るか、またはその両方である。円板デバイスの半径または半径方向範囲は、レデューサの円筒部の半径より大きい。好ましくは、円板デバイスの半径または半径方向範囲は、非圧縮状態の可動フィンの前方部によって外接される円形平面の半径より大きい。円板デバイスは、カテーテル装置に沿ってスライドする際に弾力的に撓むことが可能であって良好な摺動性を有するように、たとえばPTFE、PE,またはシリコーンなどの柔軟材料から成る。レデューサがカテーテル装置および圧縮パイプに対して移動するにつれて、レデューサは、レデューサの遠位端に当接するように設けられた円板を、カテーテル装置に沿って押す。一実施形態では、円板は、円錐部の遠位開口を閉じる。円板が圧縮可能な部品に突き当たると、カテーテル装置、円板デバイス、およびレデューサは、圧縮パイプに対して移動される。
【0035】
圧縮パイプが、最初にフィンからレデューサに進入するように構成されている場合、レデューサが圧縮パイプに向かって移動するにつれて、レデューサにおける遠位開口に近い部分が円板に突き当たる。その移動が継続するにつれて、円板デバイスは圧縮可能な部品に突き当たり、圧縮可能な部品をフィン間に押し入れる。それにより円板デバイスは、半径方向に圧縮可能な部品がその後の圧縮において有利な位置に配置されることを支援する。レデューサと圧縮パイプとの相対移動が継続すると、円板デバイスは、レデューサの円錐部を通過するにつれて、またはその内部へ押し入れられるにつれて、撓むか壊れ、それにより、圧縮パイプはレデューサの円錐部内をスライドし通過できるようになる。
【0036】
本願に係るシステムの態様および実施形態を、図1図13に例示する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】心臓の左室内に配置されたカテーテル装置を示す図である。
図2】カテーテル装置の遠位端領域を示す図である。
図3a】圧縮パイプおよびレデューサを伴うカテーテル装置の遠位端領域を示す図である。
図3b】圧縮パイプおよびレデューサを伴うカテーテル装置の遠位端領域を示す図である。
図4】カテーテル装置の圧縮可能な部品が、圧縮パイプおよびレデューサを用いずにスリーブ内に引き入れられる様子を示す図である。
図5a図5aおよび図5bは、圧縮パイプを2つの異なる視点から表す図である。
図5b図5aおよび図5bは、圧縮パイプを2つの異なる視点から表す図である。
図6a図6aおよび図6bは、レデューサを2つの異なる視点から表す図である。
図6b図6aおよび図6bは、レデューサを2つの異なる視点から表す図である。
図7】レデューサの断面図である。
図8】カテーテル装置を伴わない圧縮パイプおよびレデューサを示す図である。
図9a】圧縮パイプ、レデューサ、および円板デバイスを伴うカテーテル装置の遠位端領域を示す図である。
図9b】圧縮パイプ、レデューサ、および円板デバイスを伴うカテーテル装置の遠位端領域を示す図である。
図9c図9aおよび図9bの円板デバイスを示す図である。
図10図2に示す機器構成において、圧縮パイプを別の形態で設けた状態を示す図である。
図11a図11aおよび図11bは、拡張状態および圧縮状態のロータおよびハウジングを示す図である。
図11b図11aおよび図11bは、拡張状態および圧縮状態のロータおよびハウジングを示す図である。
図12】圧縮パイプと、レデューサと、圧縮状態の圧縮可能な部品を備えるカテーテル装置とを示す図である。
図13】近位端付近により少ない数のストラットを備えるロータハウジングを示す図である。
図14a】レデューサ内に挿入されており、追加のストッパを有する、スリーブおよび圧縮パイプを示す図である。
図14b】レデューサ内に挿入されており、追加のストッパを有する、スリーブおよび圧縮パイプを示す図である。
図15】追加のスリットを有する圧縮パイプの実施形態を示す図である。
図16図16a~eは、フィン間の間隙に係る様々な構成を呈する、圧縮パイプの複数の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、血液ポンプとして使用されるカテーテル装置1を示す。カテーテル装置1は、カテーテル装置1の遠位端領域の部分が患者の心臓5.1の左室5.3内に配置されるように、患者内に挿入される。患者の体外に位置することができる駆動領域には、駆動シャフト1.5を駆動するためのモータ6が設けられる。駆動シャフト1.5の一部分は、カテーテルチューブ1.3によって覆われている。駆動シャフト1.5およびカテーテルチューブ1.3は、駆動領域から遠位端領域まで延在し、遠位端領域にて、半径方向に圧縮可能なロータ1.1.1が駆動シャフト1.5によって駆動される。圧縮可能なロータ1.1.1は、圧縮可能なハウジング1.1.2内に位置する。ロータ1.1.1およびハウジング1.1.2の圧縮性は、患者の体内にロータを挿入するのに有用である。動作時には、ロータ1.1.1およびハウジング1.1.2は拡張状態にある。ハウジング1.1.2は、心臓組織がロータ1.1.2に吸い込まれたり、ロータ1.1.1または駆動シャフト1.5に絡まったりすることを防止するので、たとえば腱索などの心臓組織への損傷を防止する。駆動シャフト1.5の遠位端は、遠位ベアリング1.2内に位置する。カテーテル装置1はさらに、たとえばピッグテール状の先端1.2.2として設計された非外傷性先端を備えることができる。非外傷性先端1.2.2は、Pebax(登録商標)、PU、または他の柔軟性を有する医療グレードのポリマーで構成されることが可能であり、細長部分1.2.1を備えることができる。図3aに示す実施形態では、駆動シャフトの遠位端は、細長部分1.2.1内に位置する。ただし、遠位ベアリング1.2と非外傷性先端とは、別々に設けることも可能である。ロータ1.1.1および駆動シャフト1.5は、遠位端から離れて近位端に向かう血流、すなわち、左室5.3を出て大動脈5.2および患者の身体の他の領域へ至る血流が生じるように回転することができる。ロータ1.1.1およびロータハウジング1.1.2の近位側に、下流チュービング1.4が設けられる。下流チュービング1.4は、大動脈弁5.4の近位側に位置する下流開口1.4.1を有し、それにより血液は、下流チュービング1.4内で大動脈弁を通過し、その後に大動脈5.2内に流れ込むことができる。下流チュービング1.4は、患者の心臓5.1がポンプ動作の継続中に大動脈弁5.4によって圧縮されることが可能であるように、柔軟材料から成る。
【0039】
図2は、半径方向に圧縮可能な部品1.1を備えるカテーテル装置の遠位端領域を示す。半径方向に圧縮可能な部品1.1は、半径方向に圧縮可能なロータ1.1.1と、半径方向に圧縮可能なハウジング1.1.2とを含む。ロータ1.1.1は、たとえばヒトの心臓の左室内に挿入されることができ、駆動シャフト1.5によって駆動されることで、近位方向への流体フローを生じさせるように構成されており、その流体フローとは、遠位ベアリングから離れて、ロータの近位側に設けられた下流チュービング1.4内を通り、下流チュービング1.4の下流開口1.4.1から出て、たとえばヒトの大動脈内に注ぎ込むものである。圧縮可能な部品1.1の遠位側には、遠位ベアリング1.2が設けられる。ベアリングは、駆動シャフト1.5および柔軟ピッグテール1.2.2を回転可能に取り付ける細長部分1.2.1を備える。
【0040】
図3aは、図1に示すカテーテル装置の遠位端領域に、カテーテル装置の、特に半径方向に圧縮可能な部品1.1の、スリーブ4内への挿入を支援する圧縮パイプ2およびレデューサ3を追加したものを示す。スリーブ4は、圧縮可能な部品1.1の近位側に、カテーテル装置1を囲むように設けられる。圧縮パイプ2は、圧縮可能な部品1.1の一部分を囲むように設けられ、ここで、可動フィン2.2が圧縮可能な部品1.1の遠位側部分を囲むように位置し、その遠位側に圧縮パイプ2のチューブ2.1が延在する。パイプ2は、遠位ベアリング1.2の細長部分1.2.1を囲み、ここで、圧縮パイプ2の凹部2.1.1によって、遠位ベアリング1.2のピッグテール1.2.2が丸まった状態に維持されることが許容される。レデューサ3は、圧縮パイプの近位側に設けられる。レデューサ3の近位部分は円筒部3.1であり、レデューサ3の遠位部分は、半径が遠位方向に増大する円錐部3.2である。円錐部3.2の開口角度は、たとえば6°~10°であることが可能である。レデューサはそこから、カテーテル装置1および圧縮パイプ2に対して、遠位方向に移動されることができる。レデューサ3の遠位開口3.2.1は、開状態の可動フィン2.2が遠位開口3.2.1内へスライドするのに十分な大きさを有する。摩擦力および/または凹部2.1.1内に位置するピッグテール1.2.2によって、圧縮パイプ2がカテーテル装置1の遠位端からスライドして外れ落ちることがないようになっている。相対移動が継続し、可動フィン2.2がスライドしてレデューサ3の円錐部3.2を通過するにつれて、可動フィンは、レデューサ3の円錐部3.2の円錐状内壁3.2.2に接触し、それにより連続的に圧縮される。可動フィン2.2が圧縮されるにつれて、フィン2.2間に設けられた圧縮可能な部品1.1も圧縮され、圧縮力は、好ましくはロータが位置する軸方向部分に作用される。圧縮パイプ2の近位端が円筒部3.1に進入するにつれて、圧縮は完了する。圧縮パイプ2は、レデューサ3の近位開口3.1.1の付近であって第1のストッパ3.1.3の反対側に設けられた第2のストッパ3.1.4に可動フィンの前方部2.2.1が突き当たるまで、さらにスライドする。圧縮パイプ2はその時点で、カテーテル装置1の近位方向へのさらなる移動はできない。スリーブ4はその時点で、第1のストッパ3.1.3に当接するように配置されるか、あるいは、可動フィン2.2の前方部2.2.1に当接するように配置される。スリーブ4を掴み留めるとともにカテーテルチューブの近位端を引っ張ることにより、圧縮可能な部品1.1は圧縮パイプ2から引き出され、レデューサ3の近位開口3.1.1を通過し、スリーブ4内に至る。
【0041】
図3bは、図3aと同じ機器構成を示すが、非圧縮状態の圧縮パイプ2をレデューサ3に対する定位置に保つための追加の一式のストッパ3.3を含む。カテーテル装置1は、この構成で、すなわち、圧縮可能なロータ1.1.1およびハウジング1.1.2が非圧縮状態である一方、圧縮可能な部品が保護されるように圧縮パイプ2およびレデューサ3が図3bに示す状態にある構成で、梱包されて施術者に配送されることが可能である。
【0042】
図4は、従来技術によってスリーブ4内に引き入れられつつあるカテーテル装置1の遠位端領域を示す。それによると、ハウジング1.2およびロータ1.1は、スリーブ4内に押し込まれる際に圧縮される。圧縮力がスリーブの縁部によって直接に媒介され、その結果、少なくとも図4に表す領域1.1.aおよび1.1.bにおいて、圧縮可能な部品に大きな変形が生じる。さらに、圧縮可能な部品1.1に作用する力は遠位方向に作用するため、ロータ1.1.1は、圧縮されるにつれて遠位端に向かって押され、軸に沿って近位方向には拡張できない。このことは、ロータの不正確な折り畳み、または圧縮後のロータにおける捩れを引き起こす可能性がある。
【0043】
図5aおよび図5bは、2つの異なる視点から圧縮パイプ2を示す。圧縮パイプ2は、開位置にある3枚の可動フィン2.2を備える。開位置では、隣接するフィン間に間隙2.2.2が見られる。可動フィン2.2は、圧縮時に、特に図3に示すようなレデューサ3による圧縮時に、間隙2.2.2が完全に閉じないように設計されることが好ましい。フィンが閉状態の時に残存する間隙2.2.2があることによって、カテーテル装置の圧縮可能な部品1.1または下流チュービング1.4などの他のパーツがフィン間に挟まれる又は捕捉されてしまうことがない。図5aでは、圧縮パイプ2が遠位ベアリング1.2またはピッグテール1.2.2を囲むように設けられた時に、ピッグテール1.2.2を丸まった位置に維持できるようにする、凹部2.1.1が見えている。これにより、様々な長さの遠位ベアリングを有する様々なサイズのカテーテル装置に適応できる。また、ピッグテールが圧縮パイプの遠位端から突出するようにはせず、ピッグテール1.2.2を凹部に配置することにより、ピッグテール1.2.2が少なくとも部分的に、横方向への折れ曲がりから保護される。図5bでは、レデューサ3の第2のストッパ3.1.4に突き当たるように設計された、可動フィン2.2の前方部2.2.1が見えている。
【0044】
図6aおよび図6bは、2つの異なる視点からレデューサ3を示す。レデューサ3は、円筒部3.1と円錐部3.2とを備える。レデューサは通常、円筒部が円錐部の近位側に位置する配置で、カテーテル装置1を囲むように設けられる。円錐部3.2の内半径は、円筒部3.1から離れて遠位開口3.2.1に向かうにつれて増大する。
【0045】
図7に、レデューサ3の断面を示す。レデューサ3の円錐部3.2の遠位開口3.2.1が、左側に示されている。円錐部3.2の内半径は、遠位開口3.2.1から離れるにつれて減少し、それにより内壁3.2.2が円錐表面の一部分を表している。円錐部3.2の右側には、円筒部が示されている。円筒部の内壁3.1.2は、円筒表面を表している。円筒部3.1の内壁3.1.2に対する、円錐部3.2の内壁3.2.2の開き角度3.2.3は、たとえば6°~10°であることが可能である。円筒部3.1は、近位開口3.1.1を含む。近位開口の付近に、近位側の第1のストッパ3.1.3と、その反対側に位置する遠位側の第2のストッパ3.1.4とが設けられる。レデューサ3は、非圧縮状態またはほぼ非圧縮状態の可動フィン2.2を遠位開口3.2.1内へ挿入できるように設計されている。圧縮パイプ2がレデューサ3に沿って近位方向にスライドすると、可動フィン2.2は、スライドしてレデューサ3の円錐部3.2を通過するにつれて、半径方向に等方的に圧縮される。可動フィン2.2が円筒部3.1に到達すると、圧縮は完了する。フィン2.2はその状態から、第2のストッパ3.1.4に突き当たるまで、さらにスライドすることができる。圧縮状態の可動フィン2.2に包囲された円筒状空間の直径は、近位開口3.1.1の内径に対して、好ましくは1mm未満だけ、特に好ましくは0.5mm未満だけ異なり、その構成により、圧縮可能な部品1.1は、スライドして上記円筒状空間から出て近位開口3.1.1を通りスリーブ4内へ至ることができる。この時、スリーブ4は、第1のストッパ3.1.3に当接するように、レデューサ3の近位側に設けられることが可能である。
【0046】
図8は、カテーテル装置1を伴わずに、圧縮パイプ2およびレデューサ3を示す。可動フィン2.2が、レデューサの遠位開口3.2.1を通じてレデューサ3の円錐部3.2に挿入されており、つまりフィン2.2は、円錐形内壁3.2.2によって若干圧縮されている。圧縮パイプは、チューブ2.1が可動フィン2.2の遠位側に位置する向きで配置されている。凹部2.1.1が、チューブ2.1の遠位端の付近に見える。この機器構成の近位側には、近位開口3.1.1と、第1のストッパ3.1.3と、第2のストッパ3.1.4とを有する、レデューサの円筒部3.1が見える。
【0047】
図9aおよび図9bは、カテーテル装置1、圧縮パイプ2、およびレデューサ3と、穴を有する追加の円板デバイス3.4または膜とを示す。
【0048】
図9aでは、円板デバイス3.4が、レデューサ3と圧縮可能な部品1.1との間に、駆動シャフト1.5およびカテーテルチューブ1.3を囲むように設けられている。レデューサ3が圧縮パイプ2および圧縮可能な部品に向かって移動されるにつれて、レデューサの遠位開口3.2.1の付近のレデューサ3の前方部が円板デバイス3.4に接触し、それにより円板デバイス3.4は、圧縮パイプ2および圧縮可能な部品1.1に向かって押される。そのようにして円板デバイス3.4が圧縮可能な部品1.1に近づくにつれて、円板デバイス3.4は、圧縮可能な部品1.1を圧縮パイプの可動フィン2.2間に押し入れ、それにより、その後の圧縮時における圧縮力が望ましい位置に作用されるように、圧縮可能な部品を配置する。可動フィン2.2およびレデューサ3の遠位開口3.2.1は、非圧縮状態にある半径方向に圧縮可能な部品1.1が上記望ましい位置にある時に可動フィン2.2がレデューサの遠位開口3.2.1内へスムーズに進入するように、設計されている。圧縮パイプ2に対するレデューサ3および円板デバイス3.4の相対移動が継続するにつれて、円板デバイス3.4は撓むか壊れ、その結果、半径方向に圧縮可能な部品1.1を収容した圧縮パイプ2はレデューサの円錐部に進入する。
【0049】
図9bは、図9aと同様の機器構成を示すが、円板デバイス3.4がレデューサ3に取り付けられている。円板デバイス3.4は、レデューサの遠位開口3.2.1内に設けられている。取り扱いは、図9aに関して説明した取り扱いと同様である。レデューサ3および円板デバイス3.4が圧縮パイプ2および半径方向に圧縮可能な部品1.1に近づくにつれて、半径方向に圧縮可能な部品はまず、可動フィン2.2間に押し入れられ、望ましい位置に配置される。その時点で可動フィン2.2は、レデューサ3の円錐部内へスライドし始めるが、未だに圧縮されていないか、わずかに圧縮されているだけである。圧縮パイプ2に対するレデューサ3の相対移動が継続するにつれて、円板が撓むか壊れ、可動フィン2.2ひいては半径方向に圧縮可能な部品1.1が、スライドしてレデューサ3の円錐部を通過するにつれて圧縮される。
【0050】
図9cは、図9aおよび図9bの円板デバイス3.4を示す。円板デバイス3.4は、薄板として構成されることが好ましく、たとえばPTFE、PE、またはシリコーンで構成されることが可能である。円板デバイス3.4は、中央または中央付近に穴3.4.1を有する。円板デバイス3.4は、穴3.4.1から円板デバイス3.4の外縁まで伸びるスリットを有することができ、それにより円板デバイスをカテーテルチューブ1.3の周囲に係止または装着することが可能になっている。円板デバイス3.4を装着した時にカテーテル装置1またはカテーテルチューブ1.3が損傷されないように、円板デバイス3.4は、穴3.4.1の縁およびスリット3.4.2沿いに鋭いエッジを有しない。円板デバイス、特に穴3.4.1の縁部は、カテーテルチューブ上で良好な摺動性を示すように設計されている。円板デバイス3.4は、たとえば円形であることが可能である。円板デバイスの半径または半径方向範囲は、レデューサの円筒部の半径より大きい。好ましくは、円板デバイスの半径または半径方向範囲は、非圧縮状態の可動フィンの前方部によって外接される円形平面の半径より大きい。円板デバイス3.4は、レデューサ3の円錐部内に押し入れられるにつれて、撓むか、外れ落ちるか、撓み且つ外れ落ちるように、柔軟性を有する。
【0051】
図10は、図3と同様に、圧縮パイプ2およびレデューサ3を伴うカテーテル装置の遠位端領域を示す。ただし図10では、圧縮パイプが別の構成で設けられている。圧縮パイプ2は、図3の構成に対して逆向きになっている。ここでは、圧縮パイプの可動フィン2.2が、圧縮可能な部品1.1を近位側から囲むように設けられ、したがってチューブ2.1は、圧縮可能な部品1.1の近位側に位置するカテーテル装置1の一部分を囲み、遠位ベアリング1.2は露出している。レデューサ3は、円錐部3.2が円筒部3.1の遠位側になる配置で、圧縮パイプ2を囲むように設けられている。カテーテル装置1および圧縮パイプ2はこの状態から、レデューサ3に対して近位方向に移動され、その結果、まずチューブ2.1がレデューサに進入する。圧縮可能な部品を伴う可動フィン2.2がレデューサの円錐部3.2に進入すると、圧縮可能な部品1.1の圧縮が開始する。この構成では、カテーテルチューブ1.3の近位端に引っ張り力が印加された時に、圧縮可能な部品1.1が圧縮パイプ2内に引き入れられる。したがって、図3の構成とは異なり、カテーテル装置1と圧縮パイプ2との相対位置を保つために摩擦力は必要でない。レデューサ3は、近位開口にストッパを含まずに設計されることが可能である。その場合、スリーブ4を、圧縮パイプ2の近位端に直接に設けることができる。図2図6、および図7に示すようなストッパを伴う構成も、同様に可能である。その場合は、可動フィン2.2の全体が、レデューサ3の円筒部3.1に入って完全に圧縮されることが可能であるように、レデューサの円筒部3.1は、圧縮パイプ2全体、すなわちチューブ2.1および可動フィン2.2の両方を収容するのに十分な長さを有する必要がある。
【0052】
図11aおよび図11bは、ロータ1.1.1、ハウジング1.1.2、およびスリーブ4を、非圧縮状態(a)および圧縮状態(b)の2つの状態で表す。ロータ1.1.1およびハウジング1.1.2がスリーブ4内に移動されると、ロータ1.1.1およびハウジング1.1.2は、それぞれの拡張状態1.1.1,1.1.2から圧縮状態1.1.1’,1.1.2’に、半径方向に圧縮される。拡張状態のロータ1.1.1は、軸方向長さ1.1.3を有する。ロータ1.1.1が圧縮状態1.1.1’まで圧縮されるにつれて、軸方向長さは、長さ1.1.3’まで増大する。同様に、拡張状態のハウジング1.1.2は、軸方向長さ1.1.4を有する。ハウジング1.1.2が圧縮状態1.1.2’まで圧縮されるにつれて、軸方向長さは、長さ1.1.4’まで増大する。長さが一定に維持される場合に比べて、ロータの伸長によって、より良好な圧縮が達成できる。圧縮パイプ2およびレデューサ3が使用される場合などで、圧縮力がより多くの半径方向成分を含む場合は、ロータ1.1.1は軸方向に拡張できる。一方、ロータが、図4に示すように単にスリーブ4内に引き入れられる場合は、ロータ1.1.1の軸方向の伸長は妨げられ、その結果、ロータの折り畳み不良および/またはロータにおける捩れが生じてしまう。
【0053】
図12は、レデューサ3と、圧縮パイプ2の一部分と、スリーブ4の一部分と、圧縮状態のロータ1.1.1’およびハウジング1.1.2’を含む圧縮可能な部品1.1とを示す。ロータ1.1.1’およびハウジング1.1.2’は、圧縮パイプの可動フィン2.2間に設けられ、可動フィン2.2は、レデューサの円筒部3.1に全体が挿入されることで完全圧縮位置にある。可動フィン2.2の前方部2.2.1が、レデューサの第1のストッパ3.1.4に突き当たっているため、圧縮パイプ2は、スライドしてレデューサ3の全体を通過することはできない。図12に示す実施形態では、可動フィン2.2の前方部2.2.1が、駆動シャフト1.5およびカテーテルチューブ1.3を囲むように設けられたスリーブ4のためのストッパとして作用する。スリーブ4を掴み留めるとともにカテーテルチューブ1.3を近位方向に引っ張ることにより、圧縮可能な部品が、スライドして圧縮パイプ2およびレデューサ3から出て、スリーブ4内に至る。
【0054】
図13は、ハウジング1.1.2の近位端付近にストラット1.1.5をより低い密度で備えるとともに、ハウジング1.1.2の遠位端付近にストラット1.1.5’をより高い密度で備えることを特徴とする、圧縮可能なハウジング1.1.2を示す。好適な動作モードでは、近位方向への血流がもたらされる。近位端領域のストラットが低密度であることにより、血液細胞のストラットとの衝突が最小限に抑えられ、ひいては血液の損傷が最小限に抑えられる。しかしこのような構成において、ロータ1.1.1を内部に有する圧縮可能なハウジング1.1.2が、ハウジング1.1.2の近位側に設けられたスリーブ4内に引き入れられる際に、スリーブ4の端部のみによって圧縮力が媒介される場合、ロータ1.1.1がストラット間に挟まれる又は捕らわれるリスクが増大する。したがって、図13に示すようなハウジングの設計が望まれる場合に、本願に記載のレデューサ3および圧縮パイプ2を用いた機器構成は特に有用である。
【0055】
図14aは、レデューサ3に挿入されたスリーブ4および圧縮パイプ2を示す。レデューサは、スリーブが挿入される端部である円筒状端部にて内径が小さくなるように、円筒部内にステップ部を呈している。したがって、円筒部において円錐部に面する端部、すなわち、円筒部において圧縮パイプが挿入される部分では、内径が若干より大きい。図14に示す実施形態では、圧縮パイプ2は、レデューサ3の円錐部側の端部に当接する追加のストッパ2.3を備える。ストッパ2.3は、圧縮パイプとレデューサ3内部に設けられたステップ部との間であって、圧縮パイプの可動フィン2.2の端部付近の位置に、間隙2.5が残存するように構成されている。それにより、カテーテル装置が圧縮パイプ2を通るように引っ張られた際に、カテーテル装置1のパーツが、可動フィン2.2の前側2.2.1とステップ部との間に挟まれることがない。スリーブ4もまた追加のストッパ4.1を備え、そのストッパが、レデューサ3の円筒部の端部に当接することで、レデューサ3内に挿入されるスリーブ4の端部が、可動フィン2.2の前側2.2.1から隔てられた状態が維持される。それにより、スリーブ4がレデューサ3内に挿入された時にも、間隙2.5が残存する。
【0056】
レデューサの円筒部においてスリーブ4が挿入される部分の内径は、スリーブ4の外形より0.2mm~1mm、特に0.4mm~0.7mm大きい。それにより、スリーブ4内にカテーテル装置が引き入れられる際に、スリーブ4の変形が許容される。このことは、ロータ1.1.1が円形ではなく楕円形に圧縮される場合があるので、特に有利である。
【0057】
圧縮パイプ2は、カテーテル装置1のピッグテール1.2.2を収容する凹部を有していない。
【0058】
図14aのレデューサ3の内部に設けられたステップ部は、丸みのある形状を有することもでき、あるいは、スロープとして設計されることもできる。図14bは、鋭いエッジを有しない移行ゾーン2.6を備えたそのような構成を示す。ポンプヘッドを引っ張ってこの移行ゾーン2.6を通過させることで、ポンプ径のさらなる縮小を実施することが可能である。
【0059】
図15は、圧縮パイプ2のいくつかの箇所を穿孔する追加のスリット2.4が設けられた圧縮パイプ2の実施形態を示す。圧縮パイプ2は、互いに間隙2.2.2で隔てられた4枚の可動フィン2.2を備える。スリット2.4は、間隙2.2.2の延長線上部分、すなわち、配置位置の半径方向が間隙に整列した部分としても設けられるし、また、間隙2.2.2に対してシフトした部分、すなわち、2つの間隙2.2.2の間に位置するように配置位置の半径方向が変位した部分としても設けられる。それにより圧縮パイプの柔軟性が向上し、その結果、さらに良好な圧縮動作が達成できるとともに、カテーテル装置1のパーツの挟み込みの回避を支援できる。
【0060】
図15に示す圧縮パイプ2は、図14で示し説明した追加のストッパ2.3も表している。
【0061】
図16a~eは、間隙2.2.2およびスリット2.4の配置に関して互いに相違する、圧縮パイプの複数の異なる実施形態を示す。各実施形態において、追加のストッパ2.3が設けられている。圧縮パイプ2は、圧縮状態で示す。
【0062】
各実施形態において、圧縮パイプ2は4枚の可動フィン2.2を備える。フィン2.2の幅として、カテーテル装置1の圧縮可能なハウジングのストラットと関わる上で十分な大きさが選択される。すなわち、高密度のストラットには、幅がより狭いフィンを設けることが可能である。ストラットの密度がハウジングの全ての部分において低い場合は、幅広のフィンが設けられ、低密度のストラットには、4枚のフィンの代わりに3枚のフィンを備えた実施形態が選択されることがある。
【0063】
図16aは、フィン2.2を隔てる間隙2.2.2が圧縮パイプに沿って軸方向に延在する実施形態を示す。
【0064】
図16bは、間隙2.2.2が長手方向に伸び始めた後、放射状成分を含んで、すなわち螺旋状に、延在する。間隙は、圧縮パイプの円周を約45°の範囲で囲むように伸びる。間隙2.2.2が放射状成分を含むことで、カテーテル装置の挟み込みのリスクを低減することができる。
【0065】
図16cも、放射状成分を含む間隙2.2.2を示す。間隙は、圧縮パイプの円周を約90°の範囲で囲むように伸びる。
【0066】
図16dは、軸方向に延在する間隙2.2.2と、追加のスリット2.4とを備えた実施形態を示す。この実施形態は、図15に示したものに類似する。スリット2.4として、その配置位置の半径方向が間隙2.2.2に整列するとともに当該間隙から隔てられた位置に配置されるスリットと、隣り合う間隙の間であって圧縮パイプの端部から隔てられた位置に配置されるスリットとの、両方が設けられる。
【0067】
図16eは、放射状成分を含む間隙2.2.2と、追加のスリット2.4との両方を備えた実施形態を示す。スリット2.4は、間隙2.2.2と同じ螺旋状の道筋をたどる。いくつかのスリットは、複数の間隙のうちの1つの螺旋状の道筋に整列し、他のスリットは、複数の間隙2.2.2が形成する螺旋間に配置される。配置位置の半径方向が変位されたスリット2.7の端部が、間隙2.2.2および/または軸方向に整列するスリット2.4の端部と、軸方向に重なる(このことは、図15および図16にも示されている)。
【符号の説明】
【0068】
1 カテーテル装置
1.1 半径方向に圧縮可能な部品
1.1.a 大きく変形する領域
1.1.b 大きく変形する領域
1.1.1 半径方向に圧縮可能なロータ
1.1.1’ 半径方向に圧縮可能なロータ(圧縮状態)
1.1.2 半径方向に圧縮可能なハウジング
1.1.2’ 半径方向に圧縮可能なハウジング(圧縮状態)
1.1.3 半径方向に圧縮可能なロータの長さ
1.1.3’ 半径方向に圧縮可能なロータの長さ(圧縮状態)
1.1.4 半径方向に圧縮可能なハウジングの長さ
1.1.4’ 半径方向に圧縮可能なハウジングの長さ(圧縮状態)
1.1.5 圧縮可能なハウジングのストラット(低密度)
1.1.5’ 圧縮可能なハウジングのストラット(高密度)
1.2 遠位ベアリング
1.2.1 遠位ベアリングの細長部分
1.2.2 ピッグテール
1.3 カテーテルチューブ
1.4 下流チュービング
1.4.1 下流開口
1.5 駆動シャフト

2 圧縮パイプ
2.1 チューブ
2.1.1 凹部
2.2 可動フィン
2.2.1 可動フィンの前方部
2.2.2 隣接するフィン間の間隙
2.3 ストッパ
2.4 スリット
2.5 間隙
2.6 移行ゾーン
2.7 スリット

3 レデューサ
3.1 近位円筒部
3.1.1 近位開口
3.1.2 円筒状内壁
3.1.3 第1のストッパ
3.1.4 第2のストッパ
3.2 遠位円錐部
3.2.1 遠位開口
3.2.2 円錐状内壁
3.2.3 円錐状内壁の開き角度
3.3 第3のストッパ
3.4 円板デバイス
3.4.1 穴
3.4.2 スリット

4 スリーブ
4.1 ストッパ

5.1 心臓
5.2 大動脈
5.3 左心室
5.4 大動脈弁

6. モータ
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5a
図5b
図6a
図6b
図7
図8
図9a
図9b
図9c
図10
図11a
図11b
図12
図13
図14a
図14b
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2023-10-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテル装置(1)における半径方向に圧縮可能な部品(1.1)をスリーブ(4)内に挿入するシステムであって、
スリーブ(4)と、
少なくとも部分的に前記スリーブ(4)内へ移動されるように構成された半径方向に圧縮可能な部品(1.1)を備える、カテーテル装置(1)と、
前記カテーテル装置(1)の細長部分(1.2.1)を囲んで配置されるチューブ(2.1)と、前記チューブ(2.1)の一端に取付けられ、前記半径方向に圧縮可能な部品(1.1)を収容するものであって開状態および閉状態を有する可動フィン(2.2)と、を備える、圧縮パイプ(2)と
を含むシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、前記半径方向に圧縮可能な部品(1.1)が、半径方向に圧縮可能なロータ(1.1.1)と、半径方向に圧縮可能なハウジング(1.1.2)とを含む、システム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムであって、
開放状態における可動フィン(2.2)の開き角度は、可動フィン(2.2)が前記半径方向に圧縮可能な部品(1.1)の前記半径方向に圧縮可能なハウジング(1.1.2)の軸方向部分と接触することができるような角度であり、前記軸方向部分は、前記半径方向に圧縮可能な部品(1.1)の遠位端と近位端との間にあり、前記可動フィン(2.2)が閉状態に移動すると、前記半径方向に圧縮可能な部品(1.1)は圧縮され、前記軸方向部分に圧縮力がかかり、前記圧縮力が半径方向成分を有する、システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のシステムであって、前記スリーブ(4)がピールアウェイタイプのシースであるか、または、前記スリーブ(4)がカニューレである、システム。
【請求項5】
請求項4に記載のシステムであって、前記カニューレは前記カテーテル装置(1)自体に付随するものである、システム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のシステムであって、前記カテーテル装置(1)が、ピッグテール(1.2.2)および/または遠位ベアリング(1.2)を備え、前記遠位ベアリング(1.2)または前記ピッグテール(1.2.2)は、細長部分(1.2.1)を有する、システム。
【請求項7】
請求項6に記載のシステムであって、前記圧縮パイプ(2)が、前記細長部分(1.2.1)、もしくは、前記カテーテル装置における前記半径方向に圧縮可能な部品(1.1)の近位側または遠位側に位置する部分を収容する、チューブ(2.1)を備える、システム。
【請求項8】
請求項7に記載のシステムであって、前記圧縮パイプ(2)の前記チューブ(2.1)が、前記ピッグテール(1.2.2)を収容する凹部(2.1.1)を有する、システム。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載のシステムであって、前記圧縮パイプ(2)が、2枚から10枚の前記可動フィン(2.2)を備える、システム。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載のシステムであって、前記圧縮パイプ(2)が、3枚または4枚の前記可動フィン(2.2)を備える、システム。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載のシステムであって、互いに隣接する前記可動フィン(2.2)の間に延在する間隙(2.2.2)が、軸方向にまたは螺旋状に伸びる、システム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムであって、前記圧縮パイプ(2)にスリット(2.4)が設けられ、前記スリット(2.4)は、前記間隙(2.2.2)の延長線上または前記間隙(2.2.2)の間に、軸方向にまたは螺旋状に伸びる、システム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムであって、配置位置の半径方向変位された他のスリット(2.7)の端部が、間隙(2.2.2)および/または軸方向に設計された前記スリット(2.4)の端部と、軸方向に重なる、システム。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載のシステムであって、前記閉状態にある互いに隣接する前記可動フィン(2.2)の間に、間隙が残存する、システム。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載のシステムであって、互いに隣接する前記可動フィン(2.2)同士が、膜または薄皮によって連結されている、システム。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか1項に記載のシステムであってさらに、前記圧縮パイプ(2)の前記可動フィン(2.2)と、前記可動フィン(2.2)間に収容された前記半径方向に圧縮可能な部品(1.1)とを、半径方向に圧縮するレデューサ(3)を含む、システム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムであって、
前記圧縮パイプ(2)は、前記可動フィン(2.2)が圧縮可能な部品(1.1)の遠位端側を囲むように配置され、
前記レデューサ(3)は、圧縮可能な部品(1.1)の近位端側を囲むように前記圧縮パイプ(2)の近位側に配置されている、システム。
【請求項18】
請求項16又は17に記載のシステムであって、
前記レデューサ(3)は、遠位開口(3.2.1)および近位開口(3.1.1)を有するパイプとして設計されるとともに、前記スリーブ(4)および前記圧縮パイプ(2)を収容するように構成され、
前記スリーブ(4)が、前記レデューサ(3)の前記近位開口(3.1.1)内に挿入された時に前記レデューサ(3)の端部に突き当たるように構成されたストッパ(4.1)を備えるか、または、前記圧縮パイプ(2)が、前記レデューサ(3)の前記遠位開口(3.2.1)内に挿入された時に前記レデューサ(3)の端部に突き当たるように構成されたストッパ(2.3)を備えるか、あるいはその両方であり、それにより、前記圧縮パイプ(2)および前記スリーブ(4)が前記レデューサ(3)内に挿入された時点で、前記スリーブ(4)と前記圧縮パイプ(2)との間に間隙(2.5)が残存する、システム。
【請求項19】
請求項16から18のいずれか1項に記載のシステムであって、前記レデューサ(3)は、遠位開口(3.2.1)および近位開口(3.1.1)を有するパイプとして設計されるとともに、一定の内径を有する近位円筒部(3.1)と、内径が遠位方向に増大する遠位円錐部(3.2)とを含み、前記遠位円錐部(3.2)が、前記可動フィン(2.2)と、前記可動フィン(2.2)間に収容された前記半径方向に圧縮可能な部品(1.1)とを受け入れるように構成されている、システム。
【請求項20】
請求項16から19のいずれか1項に記載のシステムであって、前記レデューサ(3)が、前記レデューサ(3)に対する前記スリーブ(4)の遠位方向への移動を制限する第1のストッパ(3.1.3)を備える、システム。
【請求項21】
請求項20に記載のシステムであって、前記レデューサ(3)が、前記レデューサ(3)に対する前記圧縮パイプ(2)の近位方向への移動を制限する第2のストッパ(3.1.4)を、前記第1のストッパ(3.1.3)の反対側に備える、システム。
【請求項22】
請求項1から21のいずれか1項に記載のシステムであって、前記閉状態にある前記可動フィン(2.2)の内径と、前記スリーブ(4)の内径とは、最大でも1mmだけ異なる、システム。
【請求項23】
請求項1から21のいずれか1項に記載のシステムであって、前記閉状態にある前記可動フィン(2.2)の内径と、前記スリーブ(4)の内径とは、最大でも0.5mmだけ異なる、システム。
【請求項24】
請求項16から21のいずれか1項に記載のシステムであって、
前記圧縮パイプ(2)は、前記可動フィン(2.2)が前記圧縮可能な部品(1.1)の方に向いた状態で、前記カテーテル装置(1)を囲むように設けられ、
前記レデューサ(3)は、前記レデューサ(3)の前記遠位円錐部(3.2)が前記圧縮可能な部品(1.1)の方に向いた状態で、前記圧縮可能な部品(1.1)の対向側に設けられ、
前記システムはさらに、穴(3.4.1)を有する円板デバイス(3.4)を含み、前記円板デバイス(3.4)は、前記レデューサ(3)の近位円筒部(3.1)と前記圧縮可能な部品(1.1)との間の部分において、前記カテーテル装置(1)を囲むように設けられる、システム。
【請求項25】
請求項16から21のいずれか1項に記載された、前記カテーテル装置(1)における前記半径方向に圧縮可能な部品(1.1)を前記スリーブ(4)内に挿入するシステムを、使用する方法であって、
前記圧縮可能な部品(1.1)の近位側に、前記カテーテル装置(1)を囲むように前記レデューサ(3)を設けるステップと、
前記レデューサ(3)の近位側に、前記カテーテル装置(1)を囲むように前記スリーブ(4)を設けるステップと、
前記カテーテル装置(1)を囲むように前記圧縮パイプ(2)を設けて、前記可動フィン(2.2)間に前記圧縮可能な部品(1.1)が位置するようにするステップと、
を含み、さらに、
前記レデューサ(3)を前記圧縮パイプ(2)に向けて移動することで、前記圧縮パイプ(2)が前記レデューサ(3)の前記遠位開口内へスライドするステップと、
前記圧縮パイプ(2)と前記レデューサ(3)との相対移動を継続することで、前記可動フィン(2.2)がスライドして前記レデューサ(3)の前記遠位円錐部(3.2)を通過し、それにより、前記開状態から前記閉状態への前記可動フィン(2.2)の圧縮が実施され、その結果、前記半径方向に圧縮可能な部品(1.1)が圧縮されるステップと、
前記相対移動を継続することで、圧縮状態の前記可動フィン(2.2)および圧縮状態の前記半径方向に圧縮可能な部品(1.1)が、前記近位円筒部(3.1)に沿ってスライドするステップと、
前記圧縮パイプ(2)の近位側に当接するように、あるいは、前記レデューサ(3)に付随し前記圧縮パイプ(2)の近位側に位置する第1ストッパ(3.1.3)に当接するように、前記スリーブ(4)を配置し、前記スリーブ(4)を掴み留めつつカテーテルチューブ(1.3)を近位方向に引っ張ることで、前記カテーテル装置(1)における少なくとも前記半径方向に圧縮可能な部品(1.1)を含む一部分が、スライドして前記圧縮パイプ(2)から出て前記スリーブ(4)内に至るステップと
を実施することを含む、方法。
【請求項26】
請求項24に記載された、前記カテーテル装置(1)における前記半径方向に圧縮可能な部品(1.1)を前記スリーブ(4)内に挿入するシステムを、使用する方法であって、
前記圧縮可能な部品(1.1)の近位側に、前記カテーテル装置(1)を囲むように前記レデューサ(3)を設けるステップと、
前記レデューサ(3)の近位側に、前記カテーテル装置(1)を囲むように前記スリーブ(4)を設けるステップと、
前記可動フィン(2.2)を近位方向に向けて、前記カテーテル装置(1)を囲むように前記圧縮パイプ(2)を設けるステップと、
を含み、さらに、
前記レデューサ(3)および前記円板デバイス(3.4)を前記圧縮パイプ(2)に向けて移動することで、前記円板デバイス(3.4)が前記圧縮可能な部品(1.1)を前記可動フィン(2.2)間に押し入れるようにし、さらに、前記円板デバイス(3.4)が撓むか壊れるまで、前記可動フィン(2.2)を前記レデューサ(3)の前記遠位開口内へスライドさせるステップと、
前記圧縮パイプ(2)と前記レデューサ(3)との相対移動を継続することで、前記可動フィン(2.2)がスライドして前記レデューサ(3)の前記遠位円錐部(3.2)を通過し、それにより、前記開状態から前記閉状態への前記可動フィン(2.2)の圧縮が実施され、その結果、前記半径方向に圧縮可能な部品(1.1)が圧縮されるステップと、
前記相対移動を継続することで、圧縮状態の前記可動フィン(2.2)および圧縮状態の前記半径方向に圧縮可能な部品(1.1)が、前記近位円筒部(3.1)に沿ってスライドするステップと、
前記圧縮パイプ(2)の近位側に当接するように、あるいは、前記レデューサ(3)に付随し前記圧縮パイプ(2)の近位側に位置する第1ストッパ(3.1.3)に当接するように、前記スリーブ(4)を配置し、前記スリーブ(4)を掴み留めつつカテーテルチューブ(1.3)を近位方向に引っ張ることで、前記カテーテル装置(1)における少なくとも前記半径方向に圧縮可能な部品(1.1)を含む一部分が、スライドして前記圧縮パイプ(2)から出て前記スリーブ(4)内に至るステップと
を実施することを含む、方法。