(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164707
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】液体吐出ヘッド及び液体吐出装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/015 20060101AFI20231102BHJP
B41J 2/045 20060101ALI20231102BHJP
B41J 2/14 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
B41J2/015 101
B41J2/045
B41J2/14 301
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023156332
(22)【出願日】2023-09-21
(62)【分割の表示】P 2019161233の分割
【原出願日】2019-09-04
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】楠 竜太郎
(72)【発明者】
【氏名】ウォン メンフェイ
(57)【要約】
【課題】従来よりも低い駆動電圧で動作可能な液体吐出ヘッド及び液体吐出装置を提供すること。
【解決手段】実施形態の液体吐出ヘッドは、駆動信号をアクチュエーターに印加する。駆動信号は、第1の波形、及び前記第1の波形より後のN(N≧1)個の第2の波形を含む。第1の波形は、前記圧力を減少させる、第1の電圧から第2の電圧への第1の変化、及び前記第1の変化から前記圧力室内の液体の固有振動周期の半分の時間後の、前記圧力を増加させる、前記第2の電圧から、前記第1の電圧と前記第2の電圧の間の第3の電圧への第2の変化を含む。第2の波形は、前記圧力を減少させる、前記第3の電圧から前記第2の電圧への第3の変化、及び前記第3の変化から前記固有振動周期の半分の時間より短い時間後の、前記第2の電圧から前記第3の電圧への第4の変化を含む。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を収容する圧力室と、
印加される駆動信号に応じて前記圧力室内の液体の圧力を変化させるアクチュエーターと、
前記圧力室に連通したノズルから前記液体を複数回吐出させる前記駆動信号を前記アクチュエーターに印加する印加部と、を備え、
前記駆動信号は、第1の波形、及び前記第1の波形より後のN(N≧1)個の第2の波形を含み、
前記第1の波形は、
前記圧力を減少させる、第1の電圧から第2の電圧への第1の変化と、
前記第1の変化から前記圧力室内の液体の固有振動周期の半分の時間後の、前記圧力を増加させる、前記第2の電圧から、前記第1の電圧と前記第2の電圧の間の第3の電圧への第2の変化と、を含み、
前記第2の波形は、
前記圧力を減少させる、前記第3の電圧から前記第2の電圧への第3の変化と、
前記第3の変化から前記固有振動周期の半分の時間より短い時間後の、前記第2の電圧から前記第3の電圧への第4の変化と、を含む液体吐出ヘッド。
【請求項2】
前記駆動信号は、N個の前記第2の波形よりも後に、残留振動を低減させるキャンセルパルスを含む、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項3】
前記第1の変化と前記第2の変化との中間から、1番目の前記第2の波形の前記第3の変化と1番目の前記第2の波形の前記第4の変化との中間までの時間は、前記固有振動周期であり、
前記駆動信号が前記第2の波形を2個以上含む場合、(N-1)番目の前記第2の波形の前記第3の変化と(N-1)番目の前記第2の波形の前記第4の変化との中間から、N番目の前記第2の波形の前記第3の変化とN番目の前記第2の波形の前記第4の変化との中間までの時間は、前記固有振動周期である、請求項1又は請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項4】
前記第2の電圧は、前記第1の電圧の半分の電圧である、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項5】
液体を収容する圧力室と、
前記圧力室に液体を供給する液体供給装置と
印加される駆動信号に応じて前記圧力室内の液体の圧力を変化させるアクチュエーターと、
前記圧力室に連通したノズルから前記液体を複数回吐出させる前記駆動信号を前記アクチュエーターに印加する印加部と、を備え、
前記駆動信号は、第1の波形、及び前記第1の波形より後のN(N≧1)個の第2の波形を含み、
前記第1の波形は、
前記圧力を減少させる、第1の電圧から第2の電圧への第1の変化と、
前記第1の変化から前記圧力室内の液体の固有振動周期の半分の時間後の、前記圧力を増加させる、前記第2の電圧から、前記第1の電圧と前記第2の電圧の間の第3の電圧への第2の変化と、を含み、
前記第2の波形は、
前記圧力を減少させる、前記第3の電圧から前記第2の電圧への第3の変化と、
前記第3の変化から前記固有振動周期の半分の時間より短い時間後の、前記第2の電圧から前記第3の電圧への第4の変化と、を含む液体吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、液体吐出ヘッド及び液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ノズルから液体を吐出させるインクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)、及びインクジェットヘッドを搭載したインクジェット記録装置(液体吐出装置)が知られている。このようなインクジェットヘッドとしては、駆動電圧をアクチュエーターに印加することで、アクチュエーターの動作により液体を吐出させるものがある。このようなインクジェットヘッドでは、駆動電圧が高いと、アクチュエーターの寿命が低下するなどの影響がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、従来よりも低い駆動電圧で動作可能な液体吐出ヘッド及び液体吐出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の液体吐出ヘッドは、圧力室、アクチュエーター及び印加部を含む。圧力室は、液体を収容する。アクチュエーターは、印加される駆動信号に応じて前記圧力室内の液体の圧力を変化させる。印加部は、前記圧力室に連通したノズルから前記液体を複数回吐出させる前記駆動信号を前記アクチュエーターに印加する。駆動信号は、第1の波形、及び前記第1の波形より後のN(N≧1)個の第2の波形を含む。第1の波形は、第1の変化及び第2の変化を含む。第1の変化は、前記圧力を減少させる、第1の電圧から第2の電圧への変化である。第2の変化は、前記第1の変化から前記圧力室内の液体の固有振動周期の半分の時間後の、前記圧力を増加させる、前記第2の電圧から、前記第1の電圧と前記第2の電圧の間の第3の電圧への変化である。第2の波形は、第3の変化及び第4の変化を含む。第3の変化は、前記圧力を減少させる、前記第3の電圧から前記第2の電圧への変化である。第4の変化は、前記第3の変化から前記固有振動周期の半分の時間より短い時間後の、前記第2の電圧から前記第3の電圧への変化である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施形態に係るインクジェットヘッドの外観を示す斜視図。
【
図3】
図2中のアクチュエーター及びその周辺の詳細を示す平面図。
【
図5】実施形態に係るインクジェット記録装置を示す概略図。
【
図6】実施形態に係る駆動信号の波形を示すグラフ。
【
図7】実施形態に係る圧力振動の波形を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態に係るインクジェットヘッド及び当該インクジェットヘッドを搭載したインクジェット記録装置について図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、各部の縮尺を適宜変更している場合がある。また、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、説明のため、構成を省略して示している場合がある。また、各図面及び本明細書中において、同一の符号は同様の要素を示す。
【0008】
図1は、実施形態に係るインクジェットヘッド1の外観を示す斜視図である。
インクジェットヘッド1は、流路基板2、インク供給部3、フレキシブル配線板4、及び駆動回路5を備える。なお、インクジェットヘッド1は、液体吐出ヘッドの一例である。
【0009】
流路基板2には、インクを吐出するノズル17(後述する
図3に示す)が設けられたアクチュエーター6がアレイ状に配置されている。各ノズル17は、印刷方向に対して互いに重なり合わず、印刷方向に直交する方向に対して等間隔に配置されている。各々のアクチュエーター6は、フレキシブル配線板4を介して駆動回路5と電気的に接続している。駆動回路5は、印字制御を行う制御回路と電気的に接続する。流路基板2とフレキシブル配線板4とは、異方性導電フィルム(ACF(anisotropic conductive film))により電気的に接続した状態で接合されている。フレキシブル配線板4と駆動回路5とは、例えばCOF(Chip on Flex)により電気的に接続した状態で接合されている。
【0010】
インク供給部3は、流路基板2と、例えばエポキシ系接着剤などにより接合している。インク供給部3は、チューブ等に接続するインク供給口を有し、インク供給口に供給されたインクを流路基板2に供給する。なお、インク供給口に供給するインクの圧力は、大気圧に対して、おおむね1000Pa程度低い値が望ましい。インク供給口から注入され、圧力室18とノズル17の内部に充填されたインクは、インクの吐出を待機している間、圧力室18内のインクの圧力が大気圧より1000Pa程度低い圧力に維持された状態である。以上より、インク供給部3は、圧力室18にインクを供給する液体供給装置の一例である。
【0011】
駆動回路5は、アクチュエーター6に電気信号を印加する。当該電気信号を駆動信号ともいう。駆動回路5がアクチュエーター6に駆動信号を印加すると、アクチュエーター6は、流路基板2内部の圧力室18(後述する
図3に示す)の容積を変化させるように駆動する。これにより、圧力室18に充填されたインクは、圧力振動を生じる。圧力振動により、アクチュエーター6に設けられたノズル17から、流路基板2表面の法線方向にインクが吐出する。なお、インクジェットヘッド1は、1画素に着弾するインク滴の量を変更することで階調表現を実現する。また、インクジェットヘッド1は、インクの吐出回数を変えることで、1画素に着弾するインク滴の量を変更する。以上より、駆動回路5は、駆動信号をアクチュエーター6に印加する印加部の一例である。
【0012】
図2は、流路基板2の詳細を示す平面図である。ただし、
図2は、同じパターンの繰り返しになる部分を省略して示している。
流路基板2には、多数のアクチュエーター6、多数の個別電極7、共通電極8a、共通電極8b、及び多数の実装パッド9が形成されている。なお、共通電極8a又は共通電極8bを単に共通電極8ということもある。
【0013】
個別電極7は、各々のアクチュエーター6と実装パッド9とを電気的に接続する。個別電極7どうしは、互いに電気的に独立している。
共通電極8bは、端部の実装パッド9に電気的に接続している。共通電極8aは、共通電極8bから分岐し、複数のアクチュエーター6に電気的に接続している。共通電極8a及び共通電極8bは、複数のアクチュエーター6どうしで電気的に共有されている。
【0014】
実装パッド9は、フレキシブル配線板4に形成された多数の配線パターンを介して駆動回路5に電気的に接続している。実装パッド9とフレキシブル配線板4との接続には、異方性導電フィルムを用いることができる。他に、実装パッド9は、ワイヤボンディングなどの方法により、駆動回路5と接続していても良い。
【0015】
図3は、アクチュエーター6及びその周辺の詳細を示す平面図である。また、
図4は、
図3のA-A線断面図である。
アクチュエーター6は、共通電極8、振動板10、下部電極11、圧電体12、上部電極13、絶縁層14、保護層16及びノズル17を含んで構成されている。また、下部電極11は、個別電極7と電気的に接続している。
【0016】
流路基板2は、一例として厚み500μmの単結晶シリコンウエハで形成されている。流路基板2の内部には、インクが充填される圧力室18が形成されている。圧力室18の直径は、一例として200μmである。圧力室18は、流路基板2の下面からドライエッチングで穴をあけることにより形成される。
【0017】
振動板10は、圧力室18の上面を覆うように、流路基板2と一体に形成されている。振動板10は、圧力室18の形成前に、流路基板2を高温で加熱することにより二酸化シリコンで形成した。振動板10にはノズル17と同心円状に、ノズル17より大きい貫通穴が形成されている。振動板10の厚みは、一例として4μmである。
【0018】
振動板10の上には、下部電極11、圧電体12及び上部電極13がノズル17を中心にドーナッツ状に形成されている。内径は、一例として30μmである。外形は、一例として140μmである。下部電極11及び上部電極13は、一例として、白金などをスパッタ法などによって成膜したものである。また、圧電体12はPZT(Pb(Zr,Ti)O3)(チタン酸ジルコン酸鉛)などをスパッタ法又はゾルゲル法などによって成膜したものである。上部電極13の厚み及び下部電極11の厚みは、一例として0.1~0.2μmである。PZTの厚みは、一例として2μmである。
【0019】
アクチュエーター6に正の電圧が印可され、圧電体12の厚み方向に電界が生じると、圧電体12にはd31モードの変形が生じる。すなわち、圧電体12は、アクチュエーター6に正の電圧が印可されると厚み方向と直交する方向に収縮する。この収縮により、振動板10と保護層16に圧縮応力が生じる。このとき、振動板10のヤング率が保護層16のヤング率より大きいので、振動板10に生じる圧縮力の方が、保護層16に生じる圧縮力に勝る。このため、アクチュエーター6は、正の電圧が印可されると、圧力室18の方向に湾曲する。これにより、圧力室18の容積は、アクチュエーター6に電圧が印可されない状態より小さくなる。つまり、アクチュエーター6に印加される駆動信号の電圧の値が大きいほど、圧力室18の容積は小さくなる。
【0020】
上部電極13の上面には、絶縁層14が形成されている。絶縁層14には、コンタクトホール15a及びコンタクトホール15bが形成されている。コンタクトホール15aは、ドーナッツ状の開口で、上部電極13と共通電極8が電気的に接続している。コンタクトホール15bは、円形の開口で、下部電極11と個別電極7が電気的に接続している。絶縁層14は、一例としてTEOS(tetraethoxysilane)-CVD(chemical vapor deposition)法により二酸化シリコンを成膜して形成したものである。絶縁層14の厚みは一例として0.5μmとした。絶縁層14は、圧電体12の外周部において、共通電極8と下部電極11が電気的に接触するのを防止している。
【0021】
絶縁層14の上面には、個別電極7、共通電極8及び実装パッド9が形成されている。個別電極7は下部電極11に、共通電極8は上部電極13に、各々コンタクトホール15b、15aを介して接続されている。なお、この他に個別電極7は、上部電極13と接続していても良い。また、共通電極8は、下部電極11と接続していても良い。個別電極7、共通電極8及び実装パッド9は、一例としてスパッタ法により金を成膜して形成したものである。個別電極7、共通電極8及び実装パッド9の厚みは、一例として0.1μmないし0.5μmである。
【0022】
保護層16は、個別電極7、共通電極8、及び絶縁層14の上に形成される。保護層16は、一例として、感光性ポリイミド材料をスピンコート法により成膜したものである。保護層16の厚みは、一例として4μmである。保護層16には、圧力室18と連通するノズル17が開口している。
【0023】
ノズル17は、一例として、保護層16となる感光性ポリイミド材料を露光現像することにより形成される。ノズル17の直径は、一例として20μmである。ノズル17の長さは、振動板10の厚みと保護層16の厚みの合計によって定まる。ノズル17の長さは、一例として8μmである。
【0024】
次に、インクジェットヘッド1を備えるインクジェット記録装置100について説明する。
図5は、インクジェット記録装置100の一例を説明するための概略図である。インクジェット記録装置100は、インクジェットプリンターということもできる。なお、インクジェット記録装置100は、複写機のような装置であってもよい。インクジェット記録装置100は、液体吐出装置の一例である。
【0025】
インクジェット記録装置100は、例えば、記録媒体である記録紙Pを搬送しながら画像形成等の各種処理を行う。インクジェット記録装置100は、筐体101、給紙カセット102、排紙トレイ103、保持ローラー(ドラム)104、搬送装置105、保持装置106、画像形成装置107、除電剥離装置108、反転装置109、及びクリーニング装置110を備える。
【0026】
筐体101は、インクジェット記録装置100を構成する各部を収容する。
給紙カセット102は、筐体101内にあり、多数の記録紙Pを収容可能である。
排紙トレイ103は、筐体101の上部にある。排紙トレイ103は、インクジェット記録装置100によって画像が形成される記録紙Pの排出先である。
【0027】
保持ローラー104は、円筒状の導体のフレームと、当該フレームの表面に形成された薄い絶縁層とを有する。当該フレームは、接地(グランド接続)している。保持ローラー104は、表面上に記録紙Pを保持した状態で回転することにより、記録紙Pを搬送する。
【0028】
搬送装置105は、記録紙Pの搬送経路に沿って配置された複数のガイド及び複数の搬送ローラーを有する。当該搬送ローラーは、モータに駆動されて回転する。搬送装置105は、インクジェットヘッド1から吐出されるインクの付着先である記録紙Pを給紙カセット102から排紙トレイ103まで搬送する。
【0029】
保持装置106は、搬送装置105によって給紙カセット102から搬出された記録紙Pを、保持ローラー104の表面(外周面)に吸着して保持する。保持装置106は、記録紙Pを保持ローラー104に対して押圧した後、帯電による静電気力で記録紙Pを保持ローラー104に吸着させる。
【0030】
画像形成装置107は、保持装置106によって保持ローラー104の表面に保持された記録紙Pに、画像を形成する。画像形成装置107は、保持ローラー104の表面に面する複数のインクジェットヘッド1を有する。複数のインクジェットヘッド1は、例えば、シアン、マゼンダ、イエロー及びブラックの4色のインクを、それぞれ記録紙Pに吐出することで、記録紙P表面に画像を形成する。
【0031】
除電剥離装置108は、画像が形成された記録紙Pを除電することで、保持ローラー104から剥離する。除電剥離装置108は、電荷を供給して記録紙Pを除電し、記録紙Pと保持ローラー104との間に爪を挿入する。これにより、記録紙Pは、保持ローラー104から剥離する。搬送装置105は、保持ローラー104から剥離した記録紙Pを、排紙トレイ103又は反転装置109に搬送する。
【0032】
反転装置109は、保持ローラー104から剥離した記録紙Pの表裏面を反転させ、当該記録紙Pを再び保持ローラー104の表面上に供給する。反転装置109は、例えば記録紙Pを前後方向逆にスイッチバックさせる所定の反転経路に沿って記録紙Pを搬送することにより、記録紙Pを反転させる。
【0033】
クリーニング装置110は、保持ローラー104を掃除する。クリーニング装置110は、保持ローラー104の回転方向において除電剥離装置108よりも下流にある。クリーニング装置110は、回転する保持ローラー104の表面にクリーニング部材110aを当接させ、回転する保持ローラー104の表面を掃除する。
【0034】
以下、実施形態に係るインクジェットヘッド1の動作について説明する。
図6は、駆動回路5がアクチュエーター6に対して印加する駆動信号の波形を示すグラフである。
図6には、駆動波形W1及び駆動波形W2を示す。駆動波形W1は、実施形態に係る駆動信号の波形の一例である。駆動波形W2は、従来の駆動信号の波形の一例である。また、
図6に示すグラフは、縦軸が電圧で横軸が時間である。なお、当該横軸の1目盛りの長さは1AL(acoustic length)である。ここで、1ALとは、圧力室18内のインクの固有振動周期(主音響共振周波数における周期)の半分の時間である。
【0035】
駆動波形W1は、1個の波形W11、(n-1)個の波形W12、及び1個の波形W13を含む。ここで、nは、インクの吐出回数を示す。また、nは、1以上の整数である。なお、
図6に示す駆動波形W1は、nが3の場合の駆動波形W1である。
【0036】
波形W11は、変化C1及び変化C2を含むパルス波形である。波形W11のパルス幅は、1ALであることが好ましい。波形W11のパルス幅は、変化C1の開始から変化C2の開始までの時間である。波形W11のパルス幅が1ALであることにより、インクの吐出力が高くなる。なお、波形W11は、第1の波形の一例である。
【0037】
変化C1は、電圧V1から電圧V2への変化である。なお、駆動波形W1は、変化C1より前の待機状態では、電圧V1を維持している。また、電圧V2は、電圧V1よりも低い電圧である。電圧V2は、好適には0Vであるが、わずかに負の値、すなわち電圧V1と逆極性であっても良い。ただし、負の値が大きいと、圧電体12の分極方向が待機状態に対して反転してしまい、所望の動作が得られないので、電圧V2は、0Vか、あるいは電圧V1と同極性の電圧が好ましい。なお、電圧V1は、第1の電圧の一例である。また、電圧V2は、第2の電圧の一例である。
変化C1により、圧力室18の容積が拡張する。これにより、圧力室18内のインクの圧力が減少する。以上より、変化C1は、第1の変化の一例である。
【0038】
変化C2は、電圧V2から電圧V3への変化である。なお、電圧V3は、電圧V1と電圧V2の間の電圧である。すなわち、電圧V3は、電圧V1より小さく電圧V2より大きい電圧である。また、電圧V3は、電圧V1の半分の電圧であることが好ましい。好ましい理由については後述する。なお、電圧V3は、第3の電圧の一例である。
変化C2により、圧力室18の容積が収縮する。これにより、圧力室18内のインクの圧力が増加し、インクがノズル17から吐出する。以上より、変化C2は、第2の変化の一例である。
【0039】
波形W12は、波形W11より後にあるパルス波形である。波形W12は、変化C3及び変化C4を含む。波形W12のパルス幅は、1ALより短い。波形W12のパルス幅は、変化C3の開始から変化C4の開始までの時間である。なお、従来例である駆動波形W2における波形W22のパルス幅は、1ALである。すなわち、波形W12のパルス幅は、従来の波形におけるパルス幅よりも短い。また、波形W12のパルス幅が1ALより短いことで、吐出力を保ったまま従来よりも電圧V3を大きくすることができる。また、電圧V3を大きくすることができれば、吐出力を保ったまま電圧V1を小さくすることができる。すなわち、波形W12のパルス幅を1ALより短くすることで、電圧V1を従来よりも小さくすることができる。なお、電圧V3が低すぎると電圧V1を高くする必要があり、電圧V3が高すぎると残留振動が大きくなるため、電圧V3は、電圧V1の半分程度であることが好ましい。なお、波形W12は、第2の波形の一例である。
変化C3は、電圧V3から電圧V2への変化である。変化C3により、圧力室18の容積が拡張する。これにより、圧力室18内のインクの圧力が減少する。したがって、変化C3は、第3の変化の一例である。
【0040】
変化C4は、電圧V2から電圧V3への変化である。変化C4により、圧力室18の容積が収縮する。これにより、圧力室18内のインクの圧力が増加し、インクがノズル17から吐出する。したがって、変化C4は、第4の変化の一例である。
【0041】
変化C1の開始と変化C2の開始の中間から、1番目の波形W12における変化C3の開始と変化C4の開始の中間までの時間t1は、吐出力の観点から2ALであることが好ましい。なお、ここで中間とは、真ん中を意味する。また、変化C2の終了から変化C3の開始までの駆動波形W1の電圧は、V3である。
また、(m-1)番目の波形W12における変化C3の開始と変化C4の開始の中間から、m番目の波形W12における変化C3の開始と変化C4の開始の中間までの時間t2は、2ALであることが好ましい。なお、mは、2以上n以下の任意の整数である。また、(m-1)番目の波形W12における変化C4の終了からm番目の波形W12における変化C3の開始までの駆動波形W1の電圧は、V3である。
【0042】
波形W13は、残留振動をキャンセルするためのパルス波形である。すなわち、波形W13は、残留振動を低減させるキャンセルパルスの一例である。波形W13は、最後の吐出波形の後にある。なお、最後の吐出波形とは、nが2以上である場合、(n-1)番目の波形W12である。そして、nが1である場合には、最後の吐出波形は、波形W11である。なお、波形W13のパルス幅は、残留振動をキャンセルできるような幅である。また、駆動波形W1は、最後の吐出波形と波形W13の間に変化C5を含む。なお、最後の吐出波形における変化C2又は変化C4の終了から、変化C5の開始までの駆動波形W1の電圧は、V3である。
変化C5は、電圧V3から電圧V1への変化である。変化C5により、圧力室18の容積が収縮する。これにより、圧力室18内のインクの圧力が増加する。
【0043】
波形W13は、変化C6及び変化C7を含む。なお、変化C5の終了から変化C6の開始までの駆動波形W1の電圧は、V1である。
変化C6は、電圧V1から電圧V3への変化である。変化C6により、圧力室18の容積が拡張する。これにより、圧力室18内のインクの圧力が減少する。
変化C7は、電圧V3から電圧V1への変化である。変化C5により、圧力室18の容積が収縮する。これにより、圧力室18内のインクの圧力が増加する。
【0044】
なお、最後の吐出波形に含まれる1番目の変化の開始と2番目の変化の開始の中間から、波形W13における変化C6の開始と変化C7の開始の中間までの時間t3は、効果的に残留振動をキャンセルするために、3ALであることが好ましい。なお、最後の吐出波形に含まれる1番目の変化とは、nが1である場合には、変化C1である。また、最後の吐出波形に含まれる2番目の変化とは、nが1である場合には、変化C2である。そして、最後の吐出波形に含まれる1番目の変化とは、nが2以上である場合には、変化C3である。また、最後の吐出波形に含まれる2番目の変化とは、nが2以上である場合には、変化C4である。
【0045】
図7は、駆動信号により発生する、圧力室18内のインクの圧力振動の波形を示すグラフである。
図7には圧力波形PW1及び圧力波形PW2を示す。圧力波形PW1は、駆動波形W1を印加した場合の圧力室18内のインクの圧力振動の波形の一例である。圧力波形PW2は、駆動波形W2を印加した場合の圧力室18内のインクの圧力振動の波形の一例である。また、
図7に示すグラフは、縦軸が圧力で横軸が時間である。なお、横軸の1目盛りの長さは1ALである。
【0046】
図7に示すように、圧力波形PW1と圧力波形PW2では、振幅が同程度となっている。したがって、アクチュエーター6に駆動波形W1を印加した場合と駆動波形W2を印加した場合とでは同程度の吐出力でインクを吐出できることが分かる。
【0047】
また、
図7に示すように圧力波形PW1は、波形W13によって残留振動が十分にキャンセルされていることが分かる。
【0048】
上記の実施形態は以下のような変形も可能である。
実施形態のインクジェット記録装置100は、記録紙Pに、インクによる二次元の画像を形成するインクジェットプリンターである。しかしながら、実施形態のインクジェット記録装置は、これに限られるものではない。実施形態のインクジェット記録装置は、例えば、3Dプリンター、産業用の製造機械、又は医療用機械などであっても良い。実施形態のインクジェット記録装置が3Dプリンター、産業用の製造機械、又は医療用機械などである場合には、実施形態のインクジェット記録装置は、例えば、素材となる物質又は素材を固めるためのバインダーなどをインクジェットヘッドから吐出させることで、立体物を形成する。
【0049】
実施形態のインクジェット記録装置100は、インクジェットヘッド1を4つ備え、それぞれのインクジェットヘッド1が使用するインクの色はシアン、マゼンタ、イエロー又はブラックである。しかしながら、インクジェット記録装置が備えるインクジェットヘッド1の数は4つに限定せず、また、複数でなくても良い。また、それぞれのインクジェットヘッド1が使用するインクの色及び特性などは限定しない。
また、インクジェットヘッド1は、透明光沢インク、赤外線又は紫外線等を照射したときに発色するインク、又はその他の特殊インクなども吐出可能である。さらに、インクジェットヘッド1は、インク以外の液体を吐出することができるものであっても良い。なお、インクジェットヘッド1が吐出する液体は、懸濁液などの分散液であっても良い。インクジェットヘッド1が吐出するインク以外の液体としては例えば、プリント配線基板の配線パターンを形成するための導電性粒子を含む液体、人工的に組織又は臓器などを形成するための細胞などを含む液体、接着剤などのバインダー、ワックス、又は液体状の樹脂などが挙げられる。
【0050】
インクジェットヘッド1は、上記実施形態の他、例えば静電気で振動板を変形させてインクを吐出する構造、あるいはヒーターなどの熱エネルギーを利用してノズルからインクを吐出する構造などであってもよい。これらの場合、当該振動板又はヒーターなどは、圧力室内のインクの圧力を変化させるアクチュエーターである。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0052】
1……インクジェットヘッド、2……流路基板、3……インク供給部、4……フレキシブル配線板、5……駆動回路、6……アクチュエーター、7……個別電極、8a,8b……共通電極、9……実装パッド、10……振動板、11……下部電極、12……圧電体、13……上部電極、14……絶縁層、15a,15b……コンタクトホール、16……保護層、17……ノズル、18……圧力室、100……インクジェット記録装置、C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7……変化、PW1,PW2……圧力波形、W1,W2……駆動波形、W11,W12,W13……波形
【手続補正書】
【提出日】2023-09-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を収容する圧力室と、
印加される駆動信号に応じて前記圧力室内の液体の圧力を変化させるアクチュエーターと、
前記圧力室に連通したノズルから前記液体を複数回吐出させる前記駆動信号を前記アクチュエーターに印加する印加部と、を備え、
前記駆動信号は、第1の波形、及び前記第1の波形より後のN(N≧1)個の第2の波形を含み、
前記第1の波形は、
第1の電圧から第2の電圧への第1の変化と、
前記第1の変化の開始から前記圧力室内の液体の固有振動周期の半分の時間後、前記第2の電圧から、前記第1の電圧と前記第2の電圧の間の第3の電圧への第2の変化と、を含み、
前記第2の波形は、
前記第3の電圧から前記第2の電圧への第3の変化と、
前記第3の変化の開始から前記固有振動周期の半分の時間より短い時間後の、前記第2の電圧から前記第3の電圧への第4の変化と、を含む液体吐出ヘッド。
【請求項2】
前記駆動信号は、N個の前記第2の波形よりも後に、残留振動を低減させるキャンセルパルスを含み、
前記キャンセルパルスは、
前記第1の電圧から前記第3の電圧への第5の変化と、
前記第3の電圧から前記第1の電圧への第6の変化と、を含み、
N番目の前記第2の波形における前記第3の変化の開始と前記第4の変化の開始との中間から、前記キャンセルパルスにおける前記第5の変化の開始と前記第6の変化の開始との中間までの時間は、前記固有振動周期の半分の時間の3倍の時間である、
請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項3】
前記第1の変化と前記第2の変化との中間から、1番目の前記第2の波形の前記第3の変化と1番目の前記第2の波形の前記第4の変化との中間までの時間は、前記固有振動周期であり、
前記駆動信号が前記第2の波形を2個以上含む場合、(N-1)番目の前記第2の波形の前記第3の変化と(N-1)番目の前記第2の波形の前記第4の変化との中間から、N番目の前記第2の波形の前記第3の変化とN番目の前記第2の波形の前記第4の変化との中間までの時間は、前記固有振動周期である、請求項1又は請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項4】
前記第3の電圧は、前記第1の電圧の半分の電圧である、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項5】
液体を収容する圧力室と、
前記圧力室に液体を供給する液体供給装置と
印加される駆動信号に応じて前記圧力室内の液体の圧力を変化させるアクチュエーターと、
前記圧力室に連通したノズルから前記液体を複数回吐出させる前記駆動信号を前記アクチュエーターに印加する印加部と、を備え、
前記駆動信号は、第1の波形、及び前記第1の波形より後のN(N≧1)個の第2の波形を含み、
前記第1の波形は、
第1の電圧から第2の電圧への第1の変化と、
前記第1の変化の開始から前記圧力室内の液体の固有振動周期の半分の時間後、前記第2の電圧から、前記第1の電圧と前記第2の電圧の間の第3の電圧への第2の変化と、を含み、
前記第2の波形は、
前記第3の電圧から前記第2の電圧への第3の変化と、
前記第3の変化の開始から前記固有振動周期の半分の時間より短い時間後の、前記第2の電圧から前記第3の電圧への第4の変化と、を含む液体吐出装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
実施形態の液体吐出ヘッドは、圧力室、アクチュエーター及び印加部を含む。圧力室は、液体を収容する。アクチュエーターは、印加される駆動信号に応じて前記圧力室内の液体の圧力を変化させる。印加部は、前記圧力室に連通したノズルから前記液体を複数回吐出させる前記駆動信号を前記アクチュエーターに印加する。駆動信号は、第1の波形、及び前記第1の波形より後のN(N≧1)個の第2の波形を含む。第1の波形は、第1の変化及び第2の変化を含む。第1の変化は、第1の電圧から第2の電圧への変化である。第2の変化は、前記第1の変化の開始から前記圧力室内の液体の固有振動周期の半分の時間後、前記第2の電圧から、前記第1の電圧と前記第2の電圧の間の第3の電圧への変化である。第2の波形は、第3の変化及び第4の変化を含む。第3の変化は、前記第3の電圧から前記第2の電圧への変化である。第4の変化は、前記第3の変化の開始から前記固有振動周期の半分の時間より短い時間後の、前記第2の電圧から前記第3の電圧への変化である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
なお、以下に本願の出願当初の特許請求の範囲の記載を付記する。
[C1]
液体を収容する圧力室と、
印加される駆動信号に応じて前記圧力室内の液体の圧力を変化させるアクチュエーターと、
前記圧力室に連通したノズルから前記液体を複数回吐出させる前記駆動信号を前記アクチュエーターに印加する印加部と、を備え、
前記駆動信号は、第1の波形、及び前記第1の波形より後のN(N≧1)個の第2の波形を含み、
前記第1の波形は、
前記圧力を減少させる、第1の電圧から第2の電圧への第1の変化と、
前記第1の変化から前記圧力室内の液体の固有振動周期の半分の時間後の、前記圧力を増加させる、前記第2の電圧から、前記第1の電圧と前記第2の電圧の間の第3の電圧への第2の変化と、を含み、
前記第2の波形は、
前記圧力を減少させる、前記第3の電圧から前記第2の電圧への第3の変化と、
前記第3の変化から前記固有振動周期の半分の時間より短い時間後の、前記第2の電圧から前記第3の電圧への第4の変化と、を含む液体吐出ヘッド。
[C2]
前記駆動信号は、N個の前記第2の波形よりも後に、残留振動を低減させるキャンセルパルスを含む、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
[C3]
前記第1の変化と前記第2の変化との中間から、1番目の前記第2の波形の前記第3の変化と1番目の前記第2の波形の前記第4の変化との中間までの時間は、前記固有振動周期であり、
前記駆動信号が前記第2の波形を2個以上含む場合、(N-1)番目の前記第2の波形の前記第3の変化と(N-1)番目の前記第2の波形の前記第4の変化との中間から、N番目の前記第2の波形の前記第3の変化とN番目の前記第2の波形の前記第4の変化との中間までの時間は、前記固有振動周期である、請求項1又は請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
[C4]
前記第2の電圧は、前記第1の電圧の半分の電圧である、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
[C5]
液体を収容する圧力室と、
前記圧力室に液体を供給する液体供給装置と
印加される駆動信号に応じて前記圧力室内の液体の圧力を変化させるアクチュエーターと、
前記圧力室に連通したノズルから前記液体を複数回吐出させる前記駆動信号を前記アクチュエーターに印加する印加部と、を備え、
前記駆動信号は、第1の波形、及び前記第1の波形より後のN(N≧1)個の第2の波形を含み、
前記第1の波形は、
前記圧力を減少させる、第1の電圧から第2の電圧への第1の変化と、
前記第1の変化から前記圧力室内の液体の固有振動周期の半分の時間後の、前記圧力を増加させる、前記第2の電圧から、前記第1の電圧と前記第2の電圧の間の第3の電圧への第2の変化と、を含み、
前記第2の波形は、
前記圧力を減少させる、前記第3の電圧から前記第2の電圧への第3の変化と、
前記第3の変化から前記固有振動周期の半分の時間より短い時間後の、前記第2の電圧から前記第3の電圧への第4の変化と、を含む液体吐出装置。