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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164725
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
   A01D 41/12 20060101AFI20231102BHJP
【FI】
A01D41/12 H
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023158387
(22)【出願日】2023-09-22
(62)【分割の表示】P 2022090774の分割
【原出願日】2015-12-11
(71)【出願人】
【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安部 正純
(72)【発明者】
【氏名】梶原 康一
(72)【発明者】
【氏名】國松 翔太
(57)【要約】
【課題】還元剤タンクを備えるコンバインの改善を図ること。
【解決手段】走行機体に搭載された動力源であるエンジンと、前記エンジンの排気ガス中の窒素酸化物質を除去する排気ガス浄化装置と、前記排気ガス浄化装置に供給される還元剤を収容する還元剤タンクと、収穫した穀物を搬入する穀物タンクとを備えたコンバインにおいて、前記穀物タンクの後方には、穀粒を外部に排出する縦取出しコンベアを配置し、前記還元剤タンクは前記縦取出しコンベアと隣り合う位置に配置した。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体に搭載された動力源であるエンジンと、前記エンジンの排気ガス中の窒素酸化物質を除去する排気ガス浄化装置と、前記排気ガス浄化装置に供給される還元剤を収容する還元剤タンクと、収穫した穀物を搬入する穀物タンクとを備えたコンバインにおいて、
前記穀物タンクの後方には、穀粒を外部に排出する縦取出しコンベアを配置し、前記還元剤タンクは前記縦取出しコンベアと隣り合う位置に配置したことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記還元剤タンクは、前記縦取出しコンベアの側方に配置したことを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記還元剤タンクと前記穀物タンクは側方視で重複させたことを特徴とする請求項1または2に記載のコンバイン。
【請求項4】
前記還元剤タンクは、側方視で前記穀物タンク及び前記縦取出しコンベアに重複する位置に配置したことを特徴とする請求項3に記載のコンバイン。
【請求項5】
前記還元剤タンクの近傍には尿素水の給水用容器を搭載可能な補給台を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のコンバイン。
【請求項6】
前記補給台は、折り畳み可能としたことを特徴とする請求項4に記載のコンバイン。
【請求項7】
前記補給台は、前記還元剤タンクの後方に設けたことを特徴とする請求項5または6に記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場に植立した穀稈を刈取って穀粒を収集するコンバイン、又は飼料用穀稈を刈取って飼料として収集する飼料コンバイン等のコンバインに係り、より詳しくは、ディーゼルエンジン等の排気ガス中に含まれた粒子状物質(すす、パティキュレート)、又は排気ガス中に含まれた窒素酸化物質(NOx)等を除去する排気ガス浄化装置が備えられたコンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ディーゼルエンジンの排気経路中に、排気ガス浄化装置(排気ガス後処理装置)として、ディーゼルパティキュレートフィルタを内設したケース(以下、DPFケースという)と、選択還元型触媒を内設したケース(以下、SCRケースという)を設け、DPFケースとSCRケースに排気ガスを導入して、ディーゼルエンジンから排出された排気ガスを浄化処理する技術が知られている(例えば特許文献1~3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-74420号公報
【特許文献2】特開2012-21505号公報
【特許文献3】特開2012-177233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
選択的触媒還元(SCR)法を用いて排気ガス中の窒素酸化物質を除去する場合、還元剤(例えば尿素)の供給が必要とされる。したがって、SCR脱硝装置をコンバインに搭載する場合、SCRケースだけでなく還元剤を収容した還元剤タンクの設置スペースも必要となる。
【0005】
そこで、本願発明は、これらの現状を検討して改善を施したコンバインを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本願発明は、走行機体に搭載された動力源であるエンジンと、前記エンジンの排気ガス中の窒素酸化物質を除去する排気ガス浄化装置と、前記排気ガス浄化装置に供給される還元剤を収容する還元剤タンクと、収穫した穀物を搬入する穀物タンクとを備えたコンバインにおいて、前記穀物タンクの後方には、穀粒を外部に排出する縦取出しコンベアを配置し、前記還元剤タンクは前記縦取出しコンベアと隣り合う位置に配置した構成となっている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態を示す6条刈りコンバインの左側面図である。
図2】同平面図である。
図3】同右側面図である。
図4】エンジン周辺部品と穀物タンク及び脱穀機との位置関係を示す斜視図である。
図5】排気ガス浄化装置周辺の構成を示す正面図である。
図6】排気ガス浄化装置取付け部の背面斜視図である。
図7図6の拡大説明図である。
図8】同背面図である。
図9】エンジン及び排気ガス浄化装置の配置を示す斜視図である。
図10】排気ガス浄化装置の支持構造を示す斜視図である。
図11】排気ガス浄化装置の支持構造を示す後方斜視図である。
図12】排気ガス浄化装置及び尿素水供給装置周辺の構成を示す斜視図である。
図13】排気ガス浄化装置取付け部周辺の構成を示す斜視図である。
図14】配管の配置を示す斜視図である。
図15】穀物タンクと縦取出しコンベヤの配置を示す後方斜視図である。
図16】後方カバーが開いた状態を示す平面図である。
図17】尿素水タンクの配置を示す背面図である。
図18】尿素水タンクの配置を示す右側面図である。
図19】穀物タンクの回動を示す平面図である。
図20】穀物タンクの回動を拡大して示す平面図である。
図21】穀物タンクの凹部を部分断面で示す平面図である。
図22】尿素水供給を説明するための模式図である。
図23】補給台及び尿素水タンクを示す背面図である。
図24】補給台及び尿素水タンクを示す右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<第1の実施形態>
以下に、本発明を具体化した第1の実施形態を図1図20に基づいて説明する。図1図4を参照して、ディーゼルエンジンが搭載された実施形態のコンバインの全体構造について説明する。なお、以下の説明では、走行機体1の前進方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく前進方向に向かって右側を単に右側と称する。
【0009】
図1図4に示す如く、走行部としての左右一対の走行クローラ2にて支持された走行機体1を備える。走行機体1の前部には、穀稈を刈取りながら取込む6条刈り用の刈取装置3が、単動式の昇降用油圧シリンダ4によって刈取回動支点軸4a回りに昇降調節可能に装着される。走行機体1には、フィードチェン6を有する脱穀装置5と、該脱穀装置5から取出された穀粒を貯留する穀物タンク(グレンタンク)7とが横並び状に搭載される。なお、脱穀装置5が走行機体1の左側に、穀物タンク7が走行機体1の右側に配置される。
【0010】
また、走行機体1の後部に縦取出しコンベヤ8aを介して旋回可能な穀物排出コンベヤ8が設けられ、穀物タンク7の内部の穀粒が、穀物排出コンベヤ8の籾投げ口9からトラックの荷台又はコンテナ等に排出されるように構成している。刈取装置3の右側方で、穀物タンク7の前側方には、運転キャビン10が設けられている。運転キャビン10の前面下部にキャビン回動支点軸10aを設け、キャビン回動支点軸10aを介して走行機体1に運転キャビン10の前面下部を回動可能に軸支し、機外前側方に向けて運転キャビン10を移動可能に設置し、キャビン回動支点軸10a回りに運転キャビン10を前方側に回動させるように構成している。
【0011】
運転キャビン10内には、操縦ハンドル11と、運転座席12と、主変速レバー15と、副変速レバー16と、脱穀クラッチを入り切り操作する脱穀クラッチレバー17と、刈取クラッチを入り切り操作する刈取クラッチレバー18とを配置している。運転座席12の下方の走行機体1には、動力源としてのディーゼルエンジン14が配置されている。なお、運転キャビン10には、オペレータが搭乗するステップと、操縦ハンドル11を設けたハンドルコラムと、前記各レバー15,16,17,18を設けたレバーコラム等が配置されている。
【0012】
図1に示す如く、走行機体1の下面側に左右のトラックフレーム21を配置している。トラックフレーム21には、走行クローラ2にエンジン14の動力を伝える駆動スプロケット22と、走行クローラ2のテンションを維持するテンションローラ23と、走行クローラ2の接地側を接地状態に保持する複数のトラックローラ24と、走行クローラ2の非接地側を保持する中間ローラ25とを設けている。駆動スプロケット22によって走行クローラ2の前側を支持し、テンションローラ23によって走行クローラ2の後側を支持し、トラックローラ24によって走行クローラ2の接地側を支持し、中間ローラ25によって走行クローラ2の非接地側を支持する。
【0013】
図1及び図2に示す如く、エンジン14に供給する燃料を収容する燃料タンク31を、走行機体1の左側後部に配置し、脱穀装置5左側の機外側方から燃料タンク31内にディーゼル燃料を補充可能に構成している。すなわち、燃料タンク31は、走行機体1上であって、脱穀装置5後部の排藁カッタ65下方となる位置に設置されており、給油口32を脱穀装置5左側に延設させて、機外側方より給油可能としている。
【0014】
図1及び図2に示す如く、刈取装置3の刈取回動支点軸4aに連結した刈取フレーム51には、圃場に植立した未刈り穀稈の株元を切断するバリカン式の刈刃装置52が設けられている。刈取フレーム51の前方には、圃場に植立した未刈り穀稈を引き起こす6条分の穀稈引起装置53が配置されている。穀稈引起装置53とフィードチェン6の前端部(送り始端側)との間には、刈刃装置52によって刈り取られた刈取り穀稈を搬送する穀稈搬送装置54が配置される。なお、穀稈引起装置53の下部前方には、未刈り穀稈を分草する6条分の分草体55が突設されている。圃場内を移動しながら、刈取装置3によって圃場に植立した未刈り穀稈を連続的に刈り取るように構成している。
【0015】
次に、図1及び図2を参照して、脱穀装置5の構造を説明する。図1及び図2に示す如く、脱穀装置5には、穀稈脱穀用の扱胴56と、扱胴56の下方に落下する脱粒物を選別する揺動選別盤57及び唐箕ファン58と、扱胴56の後部から取り出される脱穀排出物を再処理する処理胴59と、揺動選別盤57の後部の排塵を排出する排塵ファン60を備えている。なお、刈取装置3から穀稈搬送装置54によって搬送された穀稈は、フィードチェン6に受け継がれて、脱穀装置5に搬入されて扱胴56にて脱穀される。
【0016】
図1に示す如く、揺動選別盤57の下方側には、揺動選別盤57にて選別された穀粒(一番物)を取出す一番コンベヤ61と、枝梗付き穀粒等の二番物を取り出す二番コンベヤ62とが設けられている。揺動選別盤57は、扱胴56の下方に張設された受網67から漏下した脱穀物が、フィードパン68及びチャフシーブ69によって揺動選別(比重選別)されるように構成している。揺動選別盤57から落下した穀粒は、その穀粒中の粉塵が唐箕ファン58からの選別風によって除去され、一番コンベヤ61に落下する。一番コンベヤ61から取り出された穀粒は、揚穀コンベヤ63を介して穀物タンク7に搬入され、穀物タンク7に収集される。
【0017】
また、図1に示す如く、揺動選別盤57は、揺動選別によってチャフシーブ69から枝梗付き穀粒等の二番物を二番コンベヤ62に落下させるように構成している。チャフシーブ69の下方に落下する二番物を風選する選別ファン71を備える。チャフシーブ69から落下した二番物は、その穀粒中の粉塵及び藁屑が選別ファン71からの選別風によって除去され、二番コンベヤ62に落下する。二番コンベヤ62の終端部は、還元コンベヤ66を介して、フィードパン68の上面側に連通接続され、二番物を揺動選別盤67の上面側に戻して再選別するように構成している。
【0018】
一方、図1及び図2に示す如く、フィードチェン6の後端側(送り終端側)には、排藁チェン64と排藁カッタ65が配置されている。フィードチェン6の後端側から排藁チェン64に受け継がれた排藁(穀粒が脱粒された稈)は、長い状態で走行機体1の後方に排出されるか、又は脱穀装置5の後部に設けられた排藁カッタ65にて適宜長さに短く切断されたのち、走行機体1の後方下方に排出されるように構成している。
【0019】
次に、図4図13を参照して、排気ガス浄化装置74としての第1ケース75(ディーゼルパティキュレートフィルタ、DPF)及び第2ケース229(選択触媒還元、SCR)と、ディーゼルエンジン14とについて説明する。第1ケース75はディーゼルエンジン14の排気ガス中の粒子状物質を除去する。第2ケース229(排気ガス浄化ケース)はディーゼルエンジン1の排気ガス中の窒素酸化物質を除去するSCRシステムを構成する。
【0020】
図4図9に示す如く、排気ガス浄化装置74は、ディーゼルエンジン14の排気ガスを導入する連続再生式の第1ケース75を備えている。排気ガス浄化ケースとしての第1ケース75は、前後方向に長く延びた長尺円筒形状に形成し、入口側ケース76と、出口側ケース77を有する。入口側ケース76と出口側ケース77の内部に、二酸化窒素(NO2)を生成する白金等のディーゼル酸化触媒79と、捕集した粒子状物質(PM)を比較的低温で連続的に酸化除去するハニカム構造のスートフィルタ80とを、排気ガスの移動方向(前側から後側)に直列に並べている。
【0021】
また、図4図9に示す如く、入口側ケース76に排気ガス入口管としての浄化入口管81を溶接固定すると共に、出口側ケース77に排気ガス出口管としての浄化出口管82の一端側をボルト締結する。浄化出口管82の他端側に後述する尿素混合管239(排気管)の一端側をフランジ締結固定させ、浄化出口管82に尿素混合管239を接続している。ディーゼルエンジン14の排気ガスが浄化入口管81から第1ケース75内に導入され、第1ケース75内の排気ガスが、浄化出口管82から尿素混合管239に排出されるように構成している。なお、入口側ケース76と出口側ケース77は、複数組の厚板状中間フランジ体84と複数本のボルトにて着脱可能に締結されている。
【0022】
上記の構成により、ディーゼル酸化触媒79の酸化作用によって生成された二酸化窒素(NO2)が、スートフィルタ80内に一側端面(取入れ側端面)から供給される。ディーゼルエンジン14の排気ガス中に含まれた粒子状物質(PM)は、スートフィルタ80に捕集されて、二酸化窒素(NO2)によって連続的に酸化除去される。ディーゼルエンジン14の排気ガス中の粒状物質(PM)の除去に加え、ディーゼルエンジン14の排気ガス中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)の含有量が低減される。
【0023】
次いで、図4図9に示す如く、前記ディーゼルエンジン1の各気筒から排出された排気ガスを浄化するための排気ガス浄化装置74として、ディーゼルエンジン1の排気ガス中の窒素酸化物質質を除去する選択触媒還元(SCR)システムとしての第2ケース229を備える。図4及び図7に示す如く、第1ケース75と同様に、第2ケース229は、前後方向に長く延びた長尺円筒形状に形成し、第2ケース229には、尿素選択触媒還元用のSCR触媒232、酸化触媒233が内設され、窒素酸化物質質(NOx)を低減するように構成している。第2ケース229の上下端部(排気ガス移動方向一端側と同他端側)には、排気ガスを取入れるSCR入口管236と、排気ガスを排出するSCR出口管237を設けている。
【0024】
図7及び図8に示す如く、第2ケース229後端部に出口管ブラケット150を介してSCR出口管237を設け、出口管ブラケット150にパイプ支持体151を介して尿素混合管239後端部の尿素噴射部240を締結固定させると共に、第1ケース75後端部の浄化出口管82にボルト締結用フランジ152を介して尿素混合管239後端部の尿素噴射部240を着脱可能に連結させている。一方、尿素混合管239の前端側にSCR入口管236を連結させるものであり、尿素混合管239を介して、浄化出口管82にSCR入口管236を接続させ、第1ケース75の排気ガスを第2ケース229内に導入するように構成している。なお、後述する尿素水タンク174(還元剤タンク)の尿素水(還元剤)が尿素混合管239内に供給され、第1ケース75から第2ケース229に至る排気ガス中に、尿素水が加水分解してアンモニアとして混合されるように構成している。なお、尿素水に替えて他の還元剤、例えば無水のアンモニアやアンモニア水を用いることも可能である。第1ケース75と第2ケース229にてディーゼルエンジン14の排気ガスが浄化されて、テールパイプ83から機外に放出される。
【0025】
図6図8に示す如く、脱穀装置5の上面側にテールパイプ83を支持させている。脱穀装置5上面の右側部にパイプブラケット246をボルト締結し、脱穀装置5上面(脱穀機筐右側上部の角隅の脱穀上面フレーム)にパイプブラケット246を立設させると共に、パイプブラケット246の上端側に後パイプ支持体248の下端側をボルト締結し、後パイプ支持体248の上端側にテールパイプ83の後端側を固着し、テールパイプ83後端側の排気ガス出口を機体後方に向けて開口させている。また、図8図10及び図11に示す如く、後述するケース支持前後フレーム250の後端に溶接固着された下側ブラケット245の上面にパイプブラケット247を設け、パイプブラケット247に前パイプ支持体249の下端側をボルト締結し、前パイプ支持体249の上端側にテールパイプ83の前端側を固着し、SCR出口管237にテールパイプ83の前端側を接続させ、第2ケース229の排気ガスをテールパイプ83から排出させるように構成している。
【0026】
上記の構成により、排気ガス浄化装置74において、まず、DPF75内の酸化触媒79及びスートフィルタ80にて、ディーゼルエンジン14の排気ガス中の一酸化炭素(CO)や、炭化水素(HC)が低減される。次いで、尿素混合管239の内部で、ディーゼルエンジン14からの排気ガスに尿素噴射部240からの尿素水が混合され、第2ケース229内のSCR触媒232、酸化触媒233にて、尿素水がアンモニアとして混合された排気ガス中の窒素酸化物質質(NOx)が低減される。そして、第2ケース229にて浄化された排気ガスがテールパイプ83から脱穀装置5後部の上面側に向けて排出される。なお、小径側のSCR出口管237と大径側のテールパイプ83の接続部に隙間が形成されるもので、前記隙間からテールパイプ83内に外気を吸込ませ、SCR出口管237からの排気ガスに前記外気を混合して、排気温度が低下した排気ガスを、テールパイプ83から排出させるように構成している。
【0027】
図3図5に示す如く、穀物タンク7は、前面左側を切り欠いた形状による浄化装置設置用凹部7aと、上面左側に前後方向の溝形状による穀物排出コンベヤ設置用凹部7bと、左側面中央に上下方向に沿って段差を設けた形状による揚穀コンベヤ設置用凹部7cと、後側面の走行機体1外側の角部を切り欠いた形状による尿素水タンク設置用凹部254を備えている。穀物タンク7前面の浄化装置設置用凹部7aには、エンジン14後方に空間が設けられ、排気ガス浄化装置74が配置される。穀物タンク7上面の穀物排出コンベヤ設置用凹部7bには、コンベヤ支持体90に先端を収容した穀物排出コンベヤ8が穀物排出コンベヤ設置用凹部7bに沿って収容される。また、穀物タンク7左側面の揚穀コンベヤ設置用凹部7cには、揚穀コンベヤ63が配置されており、揚穀コンベヤ63上部の籾排出口が揚穀コンベヤ設置用凹部7c上部に設けられた受け口に連結される。また、穀物タンク7後側面の走行機体1外側角部の尿素水タンク設置用凹部254には、後述する尿素水タンク174が配置される。
【0028】
図1図5図15及び図16に示す如く、穀物タンク7の底部に横送りコンベヤ8bを前後向きに配置するとともに、横送りコンベヤ8bの後端に縦取出しコンベヤ8aの下端(基端)側を連結している。また、穀物タンク7底部に機外側底板7dと機内側底板7eを設け、横送りコンベヤ8bに向けて機外側底板7dと機内側底板7eを傾斜させ、穀物タンク7内部の穀粒を横送りコンベヤ8b方向に流下させる。横送りコンベヤ8bは、穀物タンク7の底部前後に沿って延設されており、穀物タンク7の底板に沿って流下する穀粒を後方の縦取出しコンベヤ8aに搬送する。
【0029】
縦取出しコンベヤ8aは、穀物タンク7後端面より突出させた横送りコンベヤ8b後端に設けられる下端側受継ケース8cと下端が連結して、穀物タンク7後端面に沿って、穀物タンク7上方に向けて延設されている。穀物排出コンベヤ8は、縦取出しコンベヤ8aの上端に連結した上端側受継ケース8dと後端が連結して、前方に向かって延設されている。従って、穀物タンク7の横送りコンベヤ8bより搬送される穀粒が、下端側受継ケース8cを介して縦取出しコンベヤ8aに搬入される。そして、縦取出しコンベヤ8aにおいて、穀粒が上方に搬送されると、上端側受継ケース8dを介して、穀物排出コンベヤ8に搬入される。更に、穀物排出コンベヤ8において、穀粒が前方に搬送されて、籾投げ口9から排出される。
【0030】
縦取出しコンベヤ8aの下端(基端)側は、下端側受継ケース8cを介して穀物タンク7に連結されている。また、下端側受継ケース8cの底部が、走行機体1上に設けた突起部40に嵌合されており、下端側受継ケース8cが固定される穀物タンク7が、走行機体1に対して回動可能に軸支されている。縦取出しコンベヤ8aは、下端側受継ケース8cと連結した下側筒ケース41と、上端側受継ケース8cと連結した上側筒ケース42とを備えており、下側筒ケース41に対して上側筒ケース42が回動可能に連結している。
【0031】
上側筒ケース42は、下端外周面に旋回用ギヤ43を備えており、この旋回用ギヤ43が旋回用モータ(アクチュエータ)44の回転軸に設けたギヤ(図示省略)と噛合し、旋回用モータ44からの回転に基づき回動可能となる構成を有する。上側筒ケース42は、その上方部分が穀物タンク7の後側面に両端部が連結したU字状の支持体45により把持されるとともに、その下方部分が、走行機体1より立設した支持フレーム46上端に連結したU字状の支持体47により把持される。すなわち、上側筒ケース42は、穀物タンク7及び支持フレーム46に固定された支持体45,47により回動可能に枢支されている。これにより、旋回用モータ44により上側筒ケース42が回動することで、穀物排出コンベヤ8が穀物タンク7に対して(縦取出しコンベヤ8aを回転軸として)旋回することとなる。
【0032】
下側筒ケース41は、下端(基端)側が下端側受継ケース8cを介して穀物タンク7に固定される一方、上端側が上側筒ケース42と嵌合されており、上側筒ケース42が下側筒ケース41に対して回動可能とされている。旋回用モータ44は、支持体47の側面に設けられたモータ固定ブラケット48上に載置固定されており、モータ固定ブラケット48の底面から突出させた旋回用モータ44のモータ軸先端に設けたギヤに、上側筒ケース42の旋回用ギヤ43が噛合している。モータ固定ブラケット48の底面には、下側筒ケース41の上方部分を把持するU字状の支持体49が固定されている。すなわち、下側筒ケース41は、下端側が穀物タンク7に固定される一方、支持フレーム46に固定された支持体49により上端側が枢支される。
【0033】
図5図7及び図8に示す如く、走行機体1の収納位置に穀物タンク7を固定支持するロックピン161とロックアーム162を備え、脱穀装置5の右側上面にロックピン161を固着し、穀物タンク7前面の左側部にロックアーム162を取付ける。ロックピン固定フレーム160を脱穀装置5上面の右側部に設け、ロックピン固定フレーム160先端部にロックピン161を固定している。また、穀物タンク7前面にロック解除レバー164を取付け、ロックアーム162に連係ロッド163を介してロック解除レバーを連結させ、ロック解除レバー操作にてロックピン161からロックアーム162を離脱可能に構成する。ロック解除レバーのロックアーム162離脱操作にて、穀物タンク7を縦取出しコンベヤ8a軸心線回りに回動可能に構成している。
【0034】
穀物タンク7前端面の下縁には、走行機体1上を摺動する車輪167が軸支されており、車輪167が走行機体1上を左右方向に移動することで、穀物タンク7の前方を支持させながら、穀物タンク7を開閉できる。また、走行機体1の右側方(機外側方)には、穀物タンク7の車輪167を受けるレール168が設けられている。レール168は、機外(右側)に向かって下側に屈曲させた形状を有しており、機外側方(右側)まで開いた穀物タンク7が閉じられる際に、走行機体1上に穀物タンク7を搭載できるよう、車輪167を走行機体1上面に案内する。また、穀物タンク7前端面の下縁には、位置決め部材169が設けられている。位置決め部材169は、車輪167より機外側(右側)に設けられた板部材で構成され、その機外側(右側)端部をレール168の屈曲に合わせた形状で下側に屈曲させる。従って、穀物タンク7を閉じた際に、位置決め部材169の屈曲部分がレール168の屈曲部分に当接することで、穀物タンク7の設置位置が固定される。
【0035】
縦取出しコンベヤ8aは、穀物タンク7後端面に沿って立設するように穀物タンク7に固定されており、突起部40及び支持体45,47,49により回転可能に支持されている。また、穀物タンク7前端面は、走行機体1上を摺動する車輪167により支持されている。従って、縦取出しコンベヤ8a軸心線回りに穀物タンク7を機外側に向けて回動可能とし、脱穀装置5右側面と後述するエンジンルーム97後面を開放可能に構成している。また、穀物タンク7後方に、縦取出しコンベヤ8aの周囲を覆う後方カバー30が開閉可能に設けられている。また、穀物タンク7の機外側底板7d外側面に底部カバー体165が着脱可能に設けられている。
【0036】
次いで、図9図11に示す如く、走行機体1上にエンジンルームフレーム91を立設し、走行機体1上面側に載置したディーゼルエンジン14の後面側をエンジンルームフレーム91にて囲む。エンジンルームフレーム91は、左に配置された角パイプ状の左支柱体92と、右に配置された逆U字形状の右支柱体93と、左右の支柱体92,93aに両端側を一体的に固定させた角パイプ状の横フレーム94を有する。横フレーム94は、一端が左支柱体92上端と連結されている一方、他端を右支柱体93上部に固定した角パイプ状の縦フレーム93aと連結されて固定されている。なお、図1に示す如く、左支柱体92の上端側にコンベヤ支持体90を設け、コンベヤ支持体90を介して穀物排出コンベヤ8を収納位置に支持させる。
【0037】
また、運転キャビン10の底面後部に設けるゴム製の圧接脚体(図示省略)を、横フレーム94の左右の受け台96上面に上方側から運転キャビン10底部の圧接脚体を当接し、横フレーム94の各受け台96に運転キャビン10の後部を上下方向に接離可能に支持している。運転キャビン10底面側とエンジンルームフレーム91にて形成されるエンジンルーム97の内部にディーゼルエンジン14を設置している。
【0038】
さらに、ディーゼルエンジン14に外気を供給するエアクリーナ123と、エアクリーナ123に外気を取込むプリクリーナ124を備える。エンジンルーム97の上面のうち、排気ガス浄化装置74右側方にエアクリーナ123を配置すると共に、穀物タンク7前方右側であってエンジンルーム97上方にプリクリーナ124を配置し、プリクリーナ124に給気管125を介してエアクリーナ123を接続させている。プリクリーナ124からエアクリーナ123を介してディーゼルエンジン14の過給機118のコンプレッサケース118aに燃焼用空気を取込むように構成している。エアクリーナ123は、エンジンルームフレーム91の横フレーム94の後面右側で固定されることで、排気ガス浄化装置74の前方右側に位置している。
【0039】
図4及び図9に示す如く、ディーゼルエンジン14の排気ガス出口(排気マニホールド115)に、ディーゼルエンジン14に空気を強制的に送り込む過給機118を配置している。過給機118は、ディーゼルエンジン14の上方前側に設置されており、その右側にブロアホイルを内蔵したコンプレッサケース118aを設ける一方、左側にタービンホイルを内蔵したタービンケース118bを設けている。そして、コンプレッサ118a右端に設けた吸気取入れ側が、給気管120を介してエアクリーナ123の吸気排出側と連通する。一方、タービンケース118b左端に設置される排気出口管99が、折曲可能な蛇腹状排気導入管98を介して、後処理装置である排気ガス浄化装置74の排気ガス入口(DPF入口管81)に接続させた排気連結管119と連結する。
【0040】
図3図4及び図9に示す如く、第1ケース75及び第2ケース229を備える排気ガス浄化装置74と、エアクリーナ123及びプリクリーナ124とは、エンジンルームフレーム91背面でエンジン14に対して左右に振り分けて配置されている。すなわち、エンジン14前面の過給機118に対して、右側のコンプレッサケース118a側に吸気系となるエアクリーナ123及びプリクリーナ124を配置する一方、左側のタービンケース118b側に排気系となる排気ガス浄化装置74を配置している。このように、過給機118を備えるエンジン14の吸気経路及び排気経路を左右に振り分けて配置するため、吸気経路及び排気経路を短経路で構成できるとともに、高温の排気ガスが通過する排気経路に対して吸気経路を離間させて配置できる。
【0041】
次に、図4図13を参照して、排気ガス浄化装置74の取付け構造及び支持構造について説明する。第1ケース75と第2ケース229を平行に配置させる挟持体として、一対の前ケース固定体100及び後ケース固定体101と、4本の締結バンド85を備える。前ケース固定体100及び後ケース固定体101の左側載置部に前後の締結バンド85にて第1ケース75を固着させると共に、前ケース固定体100及び後ケース固定体101の右側載置部に前後の締結バンド85にて第2ケース229を固着させる。第1ケース75と第2ケース229の各上面側に各2本の締結バンド85が半巻き状にそれぞれ装着され、各ケース固定体100,101に各締結バンド85の下端側がボルト締結されている。これにより、前後方向に長尺な円筒状の第1ケース75と第2ケース229がそれぞれ水平に配置されている。
【0042】
前ケース固定体100及び後ケース固定体101の左右端部に端面L形状の板金製の一対の右支持フレーム体102及び左支持フレーム体103を取付け位置(支持姿勢)調節可能にボルト締結させ、ケース固定体100,101と支持フレーム体102,103を四角枠状に連結させ、それらに締結バンド85を介して第1ケース75と第2ケース229を固着させ、排気浄化ユニットとしての排気ガス浄化装置74を構成している。なお、ケース固定体100,101と支持フレーム体102,103を連結するボルトの外径寸法に比べ、支持フレーム体102,103のボルト貫通孔の内径寸法を大きく形成して、支持フレーム体102,103のボルト貫通孔にボルトを遊嵌挿入させるものであり、ケース固定体100,101と支持フレーム体102,103を固着するとき、ケース固定体100,101に対する支持フレーム体102,103の連結姿勢を所定姿勢に支持しながら、ケース固定体100,101にボルトを螺着させ、ケース固定体100,101に支持フレーム体102,103をボルト締結させるように構成している。
【0043】
右支持フレーム体102をケース支持前後フレーム250とケース支持ブラケット253に固定することで、走行機体1上で排気ガス浄化装置74を支持している。ケース支持前後フレーム250はブラケット250a,250bを介して右支持フレーム体102を支持している。ケース支持ブラケット253は左支持フレーム体103を支持している。
【0044】
図4及び図8図12に示す如く、ケース支持前後フレーム250は、長手方向が略前後方向になるように脱穀装置5の右側方に配置され、穀物タンク7の前面左側(脱穀装置5側)に設けた浄化装置設置用凹部7a下方に配置されている。ケース支持前後フレーム250前端部は後端部よりも左側方に配置されており、ケース支持前後フレーム250の長手方向は前後方向に対して傾斜している。
【0045】
また、ケース支持前後フレーム250はその長手方向が略水平になるように配置されている。ケース支持前後フレーム250前端部は横フレーム94の長手方向(左右方向)のおおよそ中央位置の中途部に接続されている。フレーム94と250は、フレーム94の上面から後面に跨って設けられたケース支持ブラケット94aと、フレーム251の前端面に設けられた前端ブラケット250dがボルト締結されることによって連結されている。
【0046】
また、ケース支持前後フレーム250の後端側は走行機体1に立設されたケース支持支柱フレーム251に支持されている。フレーム250と251は、フレーム251の上端面に設けられた上端ブラケット251aと、フレーム250の後端側中途部の下面にフレーム250後端面とは離間して設けられた下面ブラケット250cがボルト締結されることによって連結されている。また、下面ブラケット250cよりも前方でケース支持前後フレーム250の中途部に、右側方に突設された下側ブラケット250aが溶接固着されている。
【0047】
下側ブラケット250aはフレーム250の長手方向の中央位置よりも後方(中央位置と下面ブラケット250cの間)に配置されている。下側ブラケット250aの上面に上側ブラケット250bが溶接固着されている。上側ブラケット250bの上面に右支持フレーム体102の下面がボルトによって着脱可能に固定されている。上側ブラケット250b上面の高さ位置は、横フレーム94上面及びケース支持前後フレーム250上面の高さ位置よりも高くなっている。
【0048】
図4図5及び図8に示す如く、脱穀装置5の上面側に左支持フレーム体103を支持させている。脱穀装置5上面の右側部にケース支持ブラケット253がボルト締結され、ケース支持ブラケット253の上面に左支持フレーム体103の下面がボルト締結されている。ケース支持ブラケット253は、脱穀装置5の脱穀右上フレーム227に取り付けられたケース支持補強部材228に脱穀装置5機筐を挟んでボルト締結されている。ケース支持補強部材228は、ケース支持ブラケット253取付位置の脱穀装置5機筐との当接面に対して垂直に設けられた複数枚のリブを備えている。また、ケース支持ブラケット253は、ブラケット253と左支持フレーム体103の当接面と、上側ブラケット250bと右支持フレーム体102の接触面がおおよそ同じ高さ位置になるように、脱穀装置5上面に取り付けられている。このようにして、図4図5に示す如く、第1ケース75及び第2ケース229は穀物タンク7の凹部7aにおける上方位置に支持されている。
【0049】
図4図7及び図9に示す如く、ケース支持前後フレーム250は、エアクリーナ123と浄化入口管81の間となる位置で、ケース支持支柱フレーム251側から横フレーム94に向かって延設されている。これにより、横フレーム94下方に配置された蛇腹状排気導入管98と第1ケース75の浄化入口管81との連結のための空間を確保できるだけでなく、エアクリーナ123との緩衝をも防止できる。更には、エアクリーナ123を含む吸気経路と、第1ケース75と連結させる排気経路の間となる位置にケース支持前後フレーム250を配置することとなるため、エアクリーナ123に対する排気経路からの排熱の影響を低減できる。
【0050】
図4及び図5に示す如く、穀物タンク7のエンジンルーム97と対向する面に設けられた穀物タンク7の凹部7aに、第1ケース75と第2ケース229を有する排気ガス浄化装置74が配置されている。これにより、穀物タンク7とエンジンルーム97の間でエンジン14に近い位置に排気ガス浄化装置74を配置できるものでありながら、高温になる排気ガス浄化装置74に作業者が接触するのを防止できる。また、エンジンルーム97からの排熱を排気ガス浄化装置74に誘導させることができるため、排気ガスの浄化に必要な高温環境下に排気ガス浄化装置74を配置でき、排気ガス浄化装置74において高い浄化効果を維持できる。
【0051】
また、排気ガス浄化装置74の第1ケース75及び第2ケース229は、長手方向を前後方向として左右に並設されている。そして、第1ケース75が第2ケース229に対して脱穀装置5側に配置されている。これにより、エンジン14の排気口に近い位置に第1ケース75を配置でき、エンジン14から第1ケース75までの排気経路を短経路で構成して、第1ケース75での再生処理を高性能に維持できる。さらに、第2ケース229及び尿素混合管239は穀物タンク7で覆われているので、第2ケース229及び尿素混合管239をエンジンルーム97後方の穀物タンク7で囲まれた高温環境下に配置でき、尿素水の凍結を防止すると同時に、第2ケース229の浄化能力を高度に維持できる。
【0052】
また、脱穀装置5から穀物タンク7の凹部7aに亘って第1ケース75と第2ケース229は水平に支持され、かつ並列に配置されている。第1ケース75及び第2ケース229を水平に支持することで、排気ガス浄化装置74をエンジン14よりも高い位置でコンパクトに配置でき、エンジン14からの高温の排気ガスを排気ガス浄化装置74に誘導しやすい構造を実現できる。また、排気ガス浄化装置74をエンジン14よりも高い位置に配置することで、エンジン14停止時の温度低下による結露などで発生した水が排気ガス浄化装置74内に溜まることを防止できる。
【0053】
さらに、第1ケース75の浄化出口管82と第2ケース229のSCR入口管236の間に接続された尿素混合管239は、第1ケース75及び第2ケース229の長手方向と平行に配置されている。これにより、第1ケース75、第2ケース229及び尿素混合管239は一体的ユニット構造に構成され、穀物タンク7前面の凹部7a内側で排気ガス浄化装置74をコンパクトに設置できる。したがって、排気ガス浄化装置74の設置スペースを容易に確保できるものでありながら、穀物タンク7の凹部7aを狭小に構成して、穀物タンク7の穀物収納容量を確保できる。
【0054】
また、図13に示す如く、遮熱部材となる浄化装置カバー体261を脱穀装置5上面の右側部に設けている。浄化装置カバー体261は、前側面がロックピン固定フレーム160にボルト締結され、後側面が脱穀装置5筐体右側上面に立設された棒状部材に固定されることによって、排気ガス浄化装置74の左側方に配置されている。浄化装置カバー体261により排気ガス浄化装置74の左側方(脱穀装置5側)が覆われている。これにより、排気ガス浄化装置74を高温環境下に配置することができ、かつ、排気ガス浄化装置74からの放熱による周辺部品への影響を低減させることができる。
【0055】
次いで、図14図22に示す如く、尿素水(選択触媒還元用尿素水溶液)を収容する尿素水タンク174と、尿素混合管239の尿素水噴射部240に尿素水を供給する尿素水供給装置175を備えている。尿素水供給装置175が尿素水タンク174内の尿素水を尿素混合管239の尿素水噴射部240に供給することで、尿素水噴射部240の尿素水噴射弁178(ドージングモジュール)から尿素水を尿素混合管239内に噴霧させる。
【0056】
図14図18に示す如く、尿素水タンク174は縦長形状を有し、穀物タンク7に設けられた凹部254に配置されている。図17は、底部カバー体165と、底部カバー体165の上方側で穀物タンク7の右側面を構成する右側カバー体166が取り外された状態を示し、穀物タンク7内の穀粒収容部260内が見えている。凹部254は穀物タンク7後側面の走行機体1外側の角部に設けられている。凹部254は尿素水タンク174が搭載される底部254aを有している。また、凹部254の底部254aにタンク搭載台255が配置されている。タンク搭載台255の上に尿素水タンク174が搭載されている。穀物タンク7は尿素水タンク174が配置される凹部254を備えているので、コンバインの外形寸法を大きくすることなく、尿素水タンク174の配置スペースが確保されている。また、凹部254は尿素水タンク174が搭載される底部254aを有しているので、尿素水タンク174を搭載するための部材が別途必要にならない。したがって、尿素水タンク174搭載用の部材を別途設ける場合に比べてコスト低減を図ることができる。さらに、凹部254は穀物タンク7の後側面に設けられているので、尿素水タンク174がエンジン14からの熱の影響を受けない。
【0057】
図17及び図18に示す如く、尿素水タンク174は、上下方向に並んで取り付けられる2本のバンド256によって凹部254内に着脱可能に固定される。バンド256の材料は例えば伸縮性を有する材料であり、ここではゴムである。各バンド256の両端に環金具257がそれぞれ設けられている。また、穀物タンク7の後面における凹部254よりも左側方の位置の2箇所と、凹部254の走行機体1前方側の内側面254bの2箇所に計4個のフック金具258が溶接固着されている。バンド256はフック金具258に環金具257が取り付けられることによって穀物タンク7に取り付けられる。また、穀物タンク7に尿素水タンク174の転落を防止する転落防止ステー259が設けられている。転落防止ステー259の一端は穀物タンク7の後面における凹部25よりも左側方の位置で穀物タンク7の後面に固定され、他端は凹部254の内側面254bに固定されている。
【0058】
図17図18及び図22に示す如く、尿素水タンク174の上面開口部に尿素水タンクセンサ部271が着脱可能に取り付けられている。尿素水タンクセンサ部271は、開口部5の蓋として機能するセンサ部本体272と、センサ部本体272に貫装された尿素水供給管179(還元剤配管)、尿素水戻し管180(還元剤配管)、冷却水送り管273、冷却水戻し管274、温度センサ183、液面センサ184、尿素水品質センサ186(例えば濃度センサ)及びセンサ制御部187等を備えている。尿素水供給管179は尿素水供給装置175へ尿素水を供給する。尿素水戻し管180は尿素水供給装置175から尿素水タンク174へ尿素水を戻す。センサ制御部187は各センサ183,184,186の動作を制御する。冷却水送り管273と冷却水戻し管274は、尿素水タンク174内で接続されている。エンジン14で加熱されたエンジン冷却水を冷却水送り管273から冷却水戻し管274に送って尿素水タンク174内を通過させることにより、尿素水の凍結防止が図られる。
【0059】
図22に示す如く、尿素水供給装置175は、尿素水タンク174内の尿素水を圧送する尿素水ポンプ171と、尿素水ポンプ171を駆動する尿素水供給用電動モータ172を備える。尿素水タンク174と尿素水供給装置175の間に、尿素水供給管179と尿素水戻し管180が接続されている。また、ディーゼルエンジン14の燃料噴射制御などを実行するエンジンコントローラ181と、尿素水供給装置175や尿素水噴射弁178の動作を制御する尿素噴射コントローラ182を備えている。
【0060】
図12及び図14に示す如く、尿素水供給装置175は、排気ガス浄化装置74(第2ケース229)を支持するケース支持支柱フレーム251左側面及び前側面に溶接固着されたポンプ支持体(供給装置用支持体)185にボルト締結されて固定されている。尿素水供給装置175はポンプ支持体185の上端側の左側面に取り付けられている。尿素水供給装置175及びポンプ支持体185は、排気ガス浄化装置74の高さ位置と尿素水タンク174の高さ位置の間の高さ位置に配置されている。また、図4図8に示す如く、尿素噴射コントローラ182はケース支持支柱フレーム251の左側面に取り付けられたコントローラ支持体189の後側面に取り付けられている。コントローラ支持体189はケース支持支柱フレーム251の左側面に溶接されたコントローラブラケット251bにボルト締結されている。
【0061】
図14及び図22に示す如く、尿素水供給装置175と尿素水噴射弁178を接続する尿素水噴射管177が設けられている。尿素噴射コントローラ182は、尿素水供給装置175及び尿素水噴射弁178の動作を制御して、尿素混合管239の内部に尿素水噴射弁178から尿素水を噴霧注入する。尿素混合管239内に供給された尿素水が第1ケース75から第2ケース229に至る排気ガス中にアンモニアとして混合されるように構成している。また、尿素水噴射弁178とエンジン14の間に冷却水送り管275と冷却水戻し管276が接続されている。冷却水送り管275と冷却水戻し管276の尿素水噴射弁178側の端部は尿素水噴射弁178に設けられた管接続部にそれぞれ接続されている。また、冷却水送り管275と冷却水戻し管276は尿素水噴射弁178内で接続されている。エンジン14で加熱されたエンジン冷却水が冷却水送り管275から尿素水噴射弁178内を介して冷却水戻し管276に送られることにより、尿素水噴射弁178内での尿素水の凍結が防止される。
【0062】
図14に示す如く、尿素水噴射管177は、その一端が尿素水噴射弁178の後部に設けられた管接続部に接続され、その接続位置から左側方へ導かれた後、下方へ導かれ、さらに浄化出口管82、尿素噴射部249及び第2ケース229の下方を通って尿素水供給装置175に導かれている。また、冷却水送り管275と冷却水戻し管276は、尿素水噴射弁178との接続部分から尿素水噴射管177におおよそ沿って第2ケース229の下方へ導かれ、さらにケース支持前後フレーム250の長手方向略中央部の下側面近傍を通ってフレーム250に沿って前方へ導かれ、フレーム250の前方側中途部で下方へ導かれてエンジン14に導かれている。以上の配管構成により、排気ガス浄化装置74やテールパイプ83からの熱の影響を低減しつつコンパクトな配管構成を実現できる。
【0063】
なお、尿素水タンクセンサ部271の温度センサ183、液面センサ184及び尿素品質センサ186は尿素噴射コントローラ182に電気的に接続されている。また、尿素噴射コントローラ182には温度センサ183と上流側NOxセンサ188と下流側NOxセンサ189も電気的に接続されている。温度センサ183は尿素水噴射部249内の排気ガス温度を検出する。上流側NOxセンサ188は第1ケース75内のディーゼル酸化触媒79とスートフィルタ80を通過した排気ガス中のNOxを検出する。下流側NOxセンサ189は第2ケース229内のSCR触媒232と酸化触媒233を通過した排気ガス中のNOxを検出する。尿素噴射コントローラ182は温度センサ183、NOxセンサ188,189の検出信号に応じて尿素水の噴射を制御する。
【0064】
また、エンジンコントローラ181と尿素噴射コントローラ182は電気的に接続されている。これにより、ディーゼルエンジン14の作動状況などに応じて、尿素混合管239内に尿素水が適正時期に供給されるように構成している。また、冷却水送り管273及び冷却水戻し管274へのエンジン冷却水の供給は、冷却水送り管273に設けられたバルブ277の開閉を尿素水噴射コントローラ182の制御により開閉することによって行われる。これにより、尿素水タンク174内の尿素水温度状況などに応じて、適正時期に尿素水タンク174内の尿素水が加熱されるように構成している。
【0065】
図14に示す如く、尿素水供給管179及び尿素水戻し管180は、尿素水供給装置175から一旦上方へ導かれた後、後方側へ折り曲げられてポンプ支持体185の後面後方を通ってケース支持支柱フレーム251後側面へ導かれ、さらにケース支持支柱フレーム251後側面に沿って走行機体1側へ導かれ、穀物タンク7の下方を通って尿素水タンク174側へ導かれている。また、冷却水送り管273,275及び冷却水戻し管274,276は、エンジン14からケース支持前後フレーム250下側面の前方側中途部へ導かれ、さらにフレーム250に沿って後方へ導かれてケース支持支柱フレーム251の後側面へ導かれている。さらに、冷却水送り管273及び冷却水戻し管274は、尿素水供給管179及び尿素水戻し管180に沿って、ケース支持支柱フレーム251後側面に沿って走行機体1側へ導かれ、穀物タンク7の下方を通って尿素水タンク174側へ導かれている。また、冷却水送り管275及び冷却水戻し管276は、ケース支持支柱フレーム251の後面側から尿素水噴射弁178へ導かれている。以上の配管構成により、コンパクトな配管構成を実現できる。また、尿素水供給装置175や配管の組み付け性が向上する。なお、配管179,180,273~276は、走行機体1、穀物タンク7後面、ケース支持前後フレーム250、ケース支持支柱フレーム251等に取り付けられた配管用クランプ(図示は省略)によって位置決めされている。
【0066】
また、尿素水供給装置175が尿素水タンク174よりも高い位置でかつ尿素水噴射弁178よりも低い位置に配置されていることは、尿素水の噴射停止後において、尿素水供給装置175と尿素水噴射弁178の高低差により、尿素水噴射弁178内や尿素水噴射管177内などに残留する尿素水を尿素水供給装置175側に流れさせる効果を有する。
【0067】
次いで、図15図20に示す如く、穀物タンク7は、穀物タンク7の走行機体1後方側に設けられた縦取出しコンベヤ8a(支持部材)を回動支点として走行機体1外側に回動可能に設けられている。穀物タンク7において、凹部254は穀物タンク7の側面のうち縦取出しコンベヤ8a(回動支点)に近い側面(後面)に設けられている。これにより、尿素水タンク174を回動支点の近傍に配置することができる。そして、尿素水供給管179、尿素水戻し管180、冷却水送り管273及び冷却水戻し管274に関して、穀物タンク7の回動時における撓みを小さくできる。また、穀物タンク7を走行機体1外側に回動させることで脱穀装置5右側面とエンジンルーム97後面を開放できるので、作業者は排気ガス浄化装置74や尿素水供給装置175のメンテナンスなどの各種作業を簡単に行える。
【0068】
図15図20に示す如く、凹部254は縦取出しコンベヤ8a(回動支点)よりも走行機体1外側の位置に設けられている。また、尿素水タンク174に接続された尿素水供給管179、尿素水戻し管180、冷却水送り管273及び冷却水戻し管274のうち穀物タンク7の後側面に対向する部分は、走行機体1左右方向において、尿素水タンク174から縦取出しコンベヤ8aよりも走行機体1中央側へ導かれている。これにより、管179、180、274及び275が穀物タンク7の回動を妨げるのを防止できる。さらに、管179、180、274及び275は、縦取出しコンベヤ8aよりも走行機体1中央側の位置から穀物タンク7の下方を通って排気ガス浄化装置74側へ導かれている。この構成も、管179、180、274及び275が穀物タンク7の回動を妨げるのを防止する。
【0069】
図2図3図15及び図19図21に示す如く、穀物タンク7の走行機体1外側かつ後部側の角部分に後方カバー30が設けられている。後方カバー30は穀物タンク7の該角部分に取り付けられた2つの蝶番192を介して走行機体1外側へ回動可能に穀物タンク7に支持されている。後方カバー30が閉じられた状態で、後方カバー30は尿素水タンク174を覆っている。これにより、尿素水タンク174が直射日光に晒されるのを低減できる。
【0070】
また、尿素水タンク174の給水口174aは後方カバー30が閉じられた状態でコンバイン機体側方からは見えない。つまり、尿素水タンク174への給水作業を行う際には後方カバー30を開く動作が必要である。他方、燃料タンク31の給油口32は、上述のように、脱穀装置5左側に延設されて機外に露出している。そして、尿素水タンク174への給水作業時に後方カバー30を開く動作を伴うことは、燃料と尿素水の入れ間違いを防止する。また、走行機体1の左右に燃料タンク31の給油口32と尿素水タンク174の給水口174aは走行機体1の左右に分けて配置されているので、燃料と尿素水の入れ間違いを防止できる。
【0071】
<第2の実施形態>
図23及び図24は、尿素水タンク174の近傍に尿素水の給水用容器263を搭載可能な補給台を設けた変形例の説明図である。尿素水タンク174の給水口174aは、例えば作業者の腰の位置よりも高い位置に設けられ、高さ位置が高いために給水作業をし辛いという問題があった。そこで、図23及び図24に示す如く、尿素水タンク174の後方側に配置された縦取出しコンベヤ8aに取り付けられた補給台280を設けるようにしてもよい。
【0072】
補給台280は、縦取出しコンベヤ8aの周囲を囲って縦取出しコンベヤ8aに取り付けられた一対の補給台バンド281,281及び補給台支持部材283によって縦取出しコンベヤ8aに取り付けられている。バンド281は、略U字型形状が該形状の湾曲部で2分割された形状を有する。バンド281の一端側(上記略U字型形状の湾曲部)は取付位置調整用ボルト284によって連結されている。バンド281の他端部(上記略U字型形状の先端部)は補給台支持部材283に例えばボルト締結されている。補給台支持部材283は補給台280の回動支点となる棒部材285を備えている。補給台280は棒部材285を回動支点として略水平方向と略鉛直方向の間で略水平方向から上方側へ回動可能に設けられている。
【0073】
図24に示す如く、尿素水タンク174への給水時には補給台280を略水平方向に配置して補給台280上に給水用容器263を配置できるようにし、補給台280を使用しないときには補給台280の先端部を縦取出しコンベヤ8a側に配置して補給台280を折り畳む。このように補給台280を折り畳み可能に配置することにより、補給台280を使用しないときにはコンパクトに収納できる。また、補給台280は縦取出しコンベヤ8aとともに回動するように縦取出しコンベヤ8aに取り付けられているので、どんな時でも使用可能である。また、バンド281の補給台支持部材283とは反対側の端部はボルト284によって連結されており、ボルト284の締結により、補給台280の使い方に応じて補給台280の高さ位置や取付角度が調整可能になっている。
【0074】
第1及び第2の実施形態におけるコンバインは、走行機体1に搭載された動力源であるエンジン14と、エンジン14の排気ガス中の窒素酸化物質を除去する排気ガス浄化装置74と、排気ガス浄化装置74に供給される還元剤を収容する還元剤タンク174と、収穫した穀物を搬入する穀物タンク7とを備える。そして、穀物タンク7は、側面中途部に還元剤タンク174が搭載される還元剤タンク用凹部254を備えている。
【0075】
上記コンバインは、穀物タンク7が走行機体1外側に回動可能に構成されており、穀物タンク7の回動支点近傍に還元剤タンク用凹部254が設けられている。走行機体1の進行方向を前後方向とし、穀物タンク7の回動支点が穀物タンク7後方に設けられて、穀物タンク7前方を機外側方に開くように穀物タンク7が回動可能となっている。還元剤タンク用凹部254は穀物タンク7の側面のうち支持部材に近い側面に設けられている。
【0076】
エンジン14が穀物タンク7の前方側に配置されるとともに、穀物タンク7の機内側面前方を切り欠いた浄化装置設置用凹部7a下側に、走行機体1より立設させた浄化装置支持用フレーム251が設けられ、当該浄化装置支持用フレーム251上に排気ガス浄化装置74が設置される。還元剤タンク用凹部254は、穀物タンク7の後面側方を切り欠いて形成されて、回動支点よりも走行機体外側の位置に還元剤タンク174が設置される。還元剤タンク174と排気ガス浄化装置74とを連結する還元剤配管179,180が、穀物タンク7に沿って配置される。
【0077】
還元剤配管179,180は、還元剤タンク174から回動支点よりも走行機体中央側へ導かれ、穀物タンク7の下方を通って走行機体1前方に導かれ、浄化装置支持用フレーム251に沿って排気ガス浄化装置74に導かれている。排気ガス浄化装置74に還元剤を供給させる還元剤水供給装置175が、還元剤配管177,179,180途中に設置されている。還元剤水供給装置175は、浄化装置支持用フレーム251に設けられた供給装置用支持体185に固定される。
【0078】
上記コンバインは、穀物タンク7が、還元剤タンク174が配置される還元剤タンク用凹部254を備えているので、コンバインの外形寸法を大きくすることなく還元剤タンク174の配置スペースを確保できる。また、穀物タンク7は走行機体1外側に回動可能に設けられている構成であって、上記還元剤タンク用凹部254は穀物タンク7の側面のうち穀物タンク7の回動支点に近い側面に設けられているようにすれば、還元剤タンク174に接続される還元剤配管179,180に関して、穀物タンク7の回動時における撓みを小さくできる。
【0079】
上記還元剤タンク用凹部254が回動支点よりも走行機体外側の位置に設けられており、還元剤タンク174に接続された還元剤配管179,180が還元剤タンク174から穀物タンク7の回動支点よりも走行機体1中央側へ導かれているようにすれば、還元剤配管179,180が穀物タンク7の回動を妨げるのを防止できる。さらに、還元剤配管179,180が穀物タンク7の下方を通って排気ガス浄化装置74側へ導かれているようにすれば、還元剤配管179,180が穀物タンク7の回動を妨げるのを防止できる。
【0080】
また、走行機体1の進行方向を前後方向として、エンジン14が穀物タンク7の前方側に配置されており、上記還元剤タンク用凹部254が穀物タンク7の後側面に設けられているようにすれば、還元剤タンク174がエンジン14からの熱の影響を受けないようにすることができる。
【0081】
なお、本願発明における各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
【符号の説明】
【0082】
1 走行機体
7 穀物タンク
8a 縦取出しコンベヤ
14 エンジン
74 排気ガス浄化装置
174 尿素水タンク(還元剤タンク)
263 給水用容器
280 補給台
図1
図2
図3
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図23
図24