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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164743
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】物品取得ゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/655 20140101AFI20231102BHJP
   A63F 9/30 20060101ALI20231102BHJP
   A63F 9/00 20060101ALI20231102BHJP
   A63F 13/792 20140101ALI20231102BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20231102BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20231102BHJP
   A63F 13/80 20140101ALI20231102BHJP
   A63F 13/285 20140101ALI20231102BHJP
   A63F 13/70 20140101ALI20231102BHJP
【FI】
A63F13/655
A63F9/30 502C
A63F9/00 513
A63F13/792
A63F13/53
A63F13/69
A63F13/80 Z
A63F13/285
A63F13/70
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023160162
(22)【出願日】2023-09-25
(62)【分割の表示】P 2019038643の分割
【原出願日】2019-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100080953
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 克郎
(72)【発明者】
【氏名】廣田 進
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 宗興
(57)【要約】
【課題】場所を選ばないといったオンラインゲームならではの利点をいかしつつ、事前登録などの手続きを行う必要のない物品取得ゲームシステムを提供する。
【解決手段】筐体内に置かれた物品をプレイヤの操作する物品取得手段によって取得する機構を備えたメイン筐体と、メイン筐体とは離れた場所の店舗等に設置されるプレイヤが物品取得手段の操作を行うサテライト筐体と、メイン筐体とサテライト筐体を連携させて物品取得ゲームを実行する情報処理装置と、を備え、サテライト筐体は、物品取得ゲームを行うための料金の支払いをプレイヤから受け付ける料金受付部と、メイン筐体から送信されるメイン筐体内部の映像を表示する表示装置と、プレイヤの操作を受け付け、操作内容をメイン筐体に送信する操作受付部と、プレイヤの操作によって、物品が取得された場合に、物品を受け取るための引き換え情報を提示する物品引き換え情報提示部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に置かれた物品をプレイヤの操作する物品取得手段によって取得する機構を備えたメイン筐体と、
前記メイン筐体とは離れた場所の店舗等に設置されるプレイヤが前記物品取得手段の操作を行うサテライト筐体と、
前記メイン筐体と前記サテライト筐体を連携させて物品取得ゲームを実行する情報処理装置と、を備え、
前記サテライト筐体は、
前記物品取得ゲームを行うための料金の支払いを前記プレイヤから受け付ける料金受付部と、
前記メイン筐体から送信される前記メイン筐体内部の映像を表示する表示装置と、
前記プレイヤの操作を受け付け、操作内容を前記メイン筐体に送信する操作受付部と、
前記プレイヤの操作によって、前記物品が取得された場合に、前記物品を受け取るための引き換え情報を提示する物品引き換え情報提示部と、を備えた物品取得ゲームシステム。
【請求項2】
前記表示装置は、
前記プレイヤがゲームを行う際の目線の高さに応じた位置に設置され、
前記操作受付部は、前記プレイヤから見て前記表示装置よりも手前で且つ下方に設置されている請求項1に記載の物品取得ゲームシステム。
【請求項3】
前記操作受付部は、
前記プレイヤによる物理的操作に応じて操作内容を受け付けるレバーまたはボタンを含む請求項1または2に記載の物品取得ゲームシステム。
【請求項4】
前記物品取得手段が、前記物品を掴持しているか否かを検出する物品掴持検知手段を備え、
前記サテライト筐体は、前記物品取得手段が、前記物品を掴持していることを検知した旨の信号を受信したら、前記操作受付部を振動させる請求項1から3のいずれか1項に記載の物品取得ゲームシステム。
【請求項5】
前記景品を掴持することによって前記物品取得手段にかかる負荷量を算出する負荷量算出部を備え、
前記サテライト筐体は、前記負荷量の情報を受信し、受信した負荷量に応じて前記操作受付部の振動の強弱および速度の少なくとも一方を変化させる請求項1から4のいずれか1項に記載の物品取得ゲームシステム。
【請求項6】
前記情報処理装置は、
前記メイン筐体と前記サテライト筐体との間の通信が一定時間以上切断されたことを検知する通信障害検知部を備え、
前記サテライト筐体は、
前記通信が一定時間以上切断されたことが検知された場合に、追加の料金を支払わずに再度ゲームを行うためのリプレイ情報を提示するリプレイ情報提示部を備えた請求項1から5のいずれか1項に記載の物品取得ゲームシステム。
【請求項7】
前記サテライト筐体は、
前記リプレイ情報の入力を受け付けるリプレイ情報受付部と備え、
前記情報処理装置は、
入力された前記リプレイ情報が正当な情報である場合には、物品取得ゲームを実行する、請求項6に記載の物品取得ゲームシステム。
【請求項8】
前記情報処理装置は、
前記物品が取得された場合に、前記引き換え情報に紐づけて、当該物品を受け取るためのプレイヤ情報の入力を受け付ける、物品受取情報受付部を備えた請求項1から7のいずれか1項に記載の物品取得ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品取得ゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
クレーンゲームは、ゲームセンターや商業施設などにおけるアーケードゲームとしてだけではなく、オンラインでクレーンを遠隔操作するオンラインゲームとしても人気がある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-126288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1や、「セガキャッチャーonline」(https://segacatcher.com/)などに記載・実施されている従来のオンラインゲームでは、プレイヤは、自身の所持する携帯端末やパーソナルコンピュータをネットワークに接続することにより、遠隔に設置されたクレーンゲーム機を遠隔操作して、オンラインでゲームを行う。このようなオンラインゲームを行う際の料金は、クレジットカード決済やプリペイド型の電子マネー決済などの方法によって徴収している。すなわち、オンラインでゲームを行うためには、ゲームの運営会社にクレジットカード情報を登録したり、事前に電子マネーを購入するなどの手続きが必要であった。また、オンラインでゲームを行うためには、あらかじめ運営会社にメールアドレス等の個人情報を登録して会員登録する必要があった。オンラインのクレーンゲームには、場所を選ばずに楽しむことができるといった利点がある一方、料金徴収の手続きが手間であったり、このような事前の会員登録といったアーケードゲームにはない不便さがあった。
【0005】
そこで、本発明は、オンラインゲームならではの利点をいかしつつ、事前登録などの手続きを行う必要のない物品取得ゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る物品取得ゲームシステムは、筐体内に置かれた物品をプレイヤの操作する物品取得手段によって取得する機構を備えたメイン筐体と、前記メイン筐体とは離れた場所の店舗等に設置されるプレイヤが前記物品取得手段の操作を行うサテライト筐体と、前記メイン筐体と前記サテライト筐体を連携させて物品取得ゲームを実行する情報処理装置と、を備え、前記サテライト筐体は、前記物品取得ゲームを行うための料金の支払いを前記プレイヤから受け付ける料金受付部と、前記メイン筐体から送信される前記メイン筐体内部の映像を表示する表示装置と、前記プレイヤの操作を受け付け、操作内容を前記メイン筐体に送信する操作受付部と、前記プレイヤの操作によって、前記物品が取得された場合に、前記物品を受け取るための引き換え情報を提示する物品引き換え情報提示部と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、場所を選ばないといったオンラインゲームならではの利点をいかしつつ、事前登録などの手続きを行う必要のない物品取得ゲームシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態による、メイン筐体10を含むクレーンゲームシステム1の概観を示す図。
図2】本発明の実施の形態による、クレーンゲームシステム1によるクレーンゲームの流れのフローチャート。
図3】本発明の実施の形態による、サテライト筐体20の表示装置22に表示される映像を例示する図。
図4】本発明の実施の形態による、景品交換券を例示する図。
図5】本発明の実施の形態による、通信障害時の処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。
実施の形態
本実施形態では、オンラインでクレーンの遠隔操作を行うクレーンゲーム機の例について説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施の形態によるクレーンゲームシステム(物品取得ゲームシステム)1の概観を示す図である。図1に示すように、クレーンゲームシステム1は、ゲーム運営会社の倉庫等に設置されたメイン筐体10と、ゲームセンターなどのアミューズメント施設や、ショッピングモールなどの商業施設等に設置されたサテライト筐体20、ゲーム運営会社の管理センター等に設置されたサーバ(情報処理装置)30を備えている。サーバ30は、メイン筐体10およびサテライト筐体20と通信ネットワークを介して接続されている。通信ネットワークは、例えば、インターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。また、図1にはサテライト筐体20が1台のみ図示されているが、サテライト筐体20は複数設置されていてもよい。また、メイン筐体10も複数設置されていてもよい。この場合、プレイヤは、複数のメイン筐体10の中から、希望の景品を備えているメイン筐体10を選択してゲームを行うようにしてもよい。
【0011】
メイン筐体10は、筐体11、景品載置台12、景品排出口13、アーム移動手段14、アーム(物品取得手段)15、制御装置16を備えている。
【0012】
景品載置台12には1つ以上の景品(物品)が載置されている。景品載置台12に載せられた景品がアーム15によって掴まれ、景品排出口13を通って排出されると、景品排出口13に設けられたセンサ等によって景品の獲得が検出される。
【0013】
アーム移動手段14は、筐体11の上部に設けられたレール等に沿って、前後左右(水平方向)に移動することができる。また、アーム移動手段14は、昇降装置によって、上下(垂直方向)に移動することができる。アーム移動手段14のアーム15が取り付けられた面の中央付近、アーム15に囲まれる領域にはカメラ(図示せず)が設けられており、筐体11内部の状況を撮影することができる。
【0014】
アーム15は、アーム移動手段14の景品に向かう移動が完了すると、開閉動作を行い、景品を掴んだり、離したりする。
【0015】
制御装置16は、CPU、ROMやRAM等のメモリ、入出力インタフェースや通信インタフェース等を備えている。また、ハードディスクドライブ等の記憶装置を備えていてもよい。制御装置16は、CPUがROM等に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。制御装置16は、例えば、プレイヤがサテライト筐体20を介して行った操作に基づいてアーム移動手段14を移動したり、アーム移動手段14に取り付けられたカメラによって撮影された筐体11内部の映像をサテライト筐体20に送信したりする。
【0016】
サテライト筐体20は、筐体21、表示装置22、操作盤(操作受付部)23、発券プリンタ(物品引き換え情報提示部、リプレイ情報提示部)24、制御装置25を備えている。
【0017】
表示装置22は、メイン筐体10のカメラによって撮影された映像等を表示するための装置であり、例えば液晶ディスプレイにより構成される。
【0018】
操作盤23には、アーム移動手段14を前後左右に移動させる操作を行うためのレバーLや、アーム移動手段14を下降させる操作を行うためのボタンB、コイン(現金)を投入するためのコイン投入口(料金受付部)Cなどが設けられている。なお、コイン投入口Cの代わりに、プリペイドカード、電子マネーなどでの支払いを受け付けるカード読み取り機等が設けられていてもよい。なお、操作手段は、レバーやボタンのように、プレイヤによる揺動や押下などの物理的操作に応じて操作内容を受け付けるものの他、タッチパネル等であってもよい。
【0019】
発券プリンタ24は、景品の獲得が検出された際に、獲得した景品との交換券を発券するためのプリンタである。なお、プリンタで交換券を発券する代わりに、表示装置22に景品交換のためのコード等を表示してもよい。
【0020】
制御装置25は、CPU、ROMやRAM等のメモリ、入出力インタフェースや通信インタフェース等を備えている。また、ハードディスクドライブ等の記憶装置を備えていてもよい。制御装置25は、CPUがROM等に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。制御装置25は、例えば、プレイヤが操作盤23のレバーやボタンを介して行った操作の情報をメイン筐体10に送信したり、メイン筐体10から受信したカメラの撮影映像を表示装置22に表示したりする。
【0021】
サーバ(通信障害検知部、物品受取情報受付部)30は、汎用的なコンピュータであり、1台のコンピュータで構成されていてもよいし、通信ネットワークN上に分散する複数のコンピュータから構成されていてもよい。サーバ30は、ハードウェアとして、CPU、ROMやRAM等のメモリ、入力インタフェース、出力インタフェース、通信インタフェース及びこれらを結ぶバス等を備えている。サーバ30は、CPUがROM等に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。なお、サーバ30の代わりに、メイン筐体10が情報処理装置を備え、サーバ30の機能を実現するようにしてもよい。
【0022】
次に、図2のフローチャートを用いて、クレーンゲームシステム1によるクレーンゲームの流れについて説明する。
【0023】
プレイヤは、サテライト筐体20のコイン投入口Cから現金を投入することにより、ゲームを開始することができる。ゲームが開始すると、メイン筐体10からサテライト筐体20にカメラによって撮影された映像が送信され(ステップS101)、サテライト筐体20の表示装置22に映像が表示される(ステップS102)。なお、メイン筐体10は複数設置されていてもよい。この場合、表示装置22には各々のメイン筐体10からの映像が表示されていいてもよい。プレイヤが複数のメイン筐体10の中から、希望の景品を備えているメイン筐体10等を選択する操作を行うと、選択したメイン筐体10からの映像が表示され、ゲームを開始する。
【0024】
図3は、表示装置22に表示される映像を例示する図である。図3に示すように、筐体11の内部を上から見下ろした映像が表示される。また、カメラは魚眼レンズ、広角レンズ等を備えているため、筐体11の内部の略全体を含む映像を撮影することができる。
【0025】
プレイヤは、表示装置22の映像を見ながら、レバーLを操作してアーム移動手段14を移動させる(ステップS103)。プレイヤは、アーム15が筐体11内の景品Pを掴むことが出来る位置に来るように、アーム移動手段14を移動させる。レバーLの操作信号はメイン筐体10に送信され、制御装置16は、受信した操作信号に基づいてアーム移動手段14を移動させる。
【0026】
アーム15の位置が決まり、プレイヤがボタンBを操作すると、ボタンBの操作信号がメイン筐体10に送信され、制御装置16は、受信した操作信号に基づいてアーム移動手段14を下降させる(ステップS104)。アーム移動手段14の下降が終了すると、制御装置16はアーム15を閉じる(ステップS105)。この時、アーム15の位置がよければ、アーム15で景品Pを掴むことが出来る。
【0027】
アーム15が閉じる動作が終了すると、制御装置16の制御によってアーム移動手段14が上昇し、上昇が終了すると、アーム移動手段14が景品排出口13の上まで移動する(ステップS106)。アーム移動手段14が景品排出口13の上まで移動すると、制御装置16の制御によってアーム15が開く(ステップS107)。この時、アーム15によって景品Pを掴んでいると、景品排出口13から景品Pが排出され、景品Pの獲得が検出される。
【0028】
景品Pの獲得が検出されると(ステップS108:YES)、サテライト筐体20に景品の獲得が通知され(ステップS109)、サテライト筐体20の発券プリンタ24から景品交換券が出力される(ステップS110)。
【0029】
図4は、発券プリンタ24から出力される景品交換券を例示する図である。図に示すように、交換券には、二次元コード(引き換え情報)41、アクセスコード42、問い合わせ先(電話番号)43、発行日時44、発行筐体コード45等が印刷されている。二次元コード41とアクセスコード42は景品の受け取りに必要なコードであり、景品を特定するコードが含まれる。問い合わせ先43は、電話での配送依頼を行う際の連絡先である。発行筐体コード45は、当該景品交換券を発券したサテライト端末20(景品を獲得したプレイヤが操作したサテライト端末20)を特定するコードである。
【0030】
プレイヤが所有するスマートフォン等の端末で二次元コード41を読み取ると(ステップS111)、端末の画面に、景品の配送先の登録画面が表示される(ステップS112)。プレイヤは、画面の指示にしたがって配送先の住所等を登録する(ステップS113)。その後、ゲーム運営会社から、登録された配送先に景品が配送される(ステップS114)。
【0031】
なお、プレイヤが電話での配送依頼を行う場合には、問い合わせ先43に電話して、アクセスコード42を伝えた上で、配送先を指定することができる。また、景品の受け取りは配送以外の方法であってもよく、また、所定の店舗で、交換券を提示して景品を受け取るようにしてもよい。
【0032】
(通信障害時の対応)
次に、通信障害によって、ゲームの途中でメイン筐体10とサテライト筐体20の接続が切れた際の処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。
【0033】
サーバ30は、メイン筐体10とサテライト筐体20との間での通信回線を介したやり取りが一定時間以上検知されない場合には(ステップS201:YES)、通信障害と判定してゲームを終了する(ステップS202)。
【0034】
さらに、サテライト筐体20は、発券プリンタ24からリプレイチケットを発券する。リプレイチケットには、リプレイコード(リプレイ情報)等が印刷されている。発行されたリプレイコードは、サーバ30において、当該コードが未使用か使用済かの情報と併せて登録され、管理される。
【0035】
プレイヤは、障害回復後(同日であっても、別の日であってもよい)、サテライト筐体20の表示装置22に表示されているタッチパネル(リプレイ情報受付部)を操作して、リプレイコード入力画面を表示させ、リプレイチケットに記載されたリプレイコード(例えば、番号)を入力する(ステップS203)。入力されたリプレイコードは、サーバ30において、正当なコードか否か判定される(ステップS204)。正当なコードとは、例えば正規に発行されたコードであって、まだ使用されていないコードである。サーバ30は、入力されたリプレイコードが、登録されているかどうかを判定し、さらにそのコードが未使用であれば正当なコードと判定される。
【0036】
リプレイコードが正当な場合には(ステップS204:YES)、料金の支払いを行わなくても(料金を追加しなくても)ゲームが開始される(ステップS205)。一方、リプレイコードが不正な場合には(ステップS204:NO)、表示装置22に「コードが不正です。」などのメッセージが表示される(ステップS206)。この場合、プレイヤは、正当なコードを再入力するか、通常の料金を支払うことによってゲームを行うことができる。
【0037】
なお、リプレイチケットを使用してゲームを行うサテライト筐体20は、当該チケットを発行したサテライト筐体20以外の端末であってもよい。また、リプレイコードは、二次元コードやバーコードであってもよい。この場合には、サテライト筐体20のコード読み取り装置(図示せず)にコードを読み取らせる。
【0038】
(景品獲得時の演出)
プレイヤは、アーム15で上手く景品を掴めたかどうかを、サテライト20の表示装置22の映像で視覚的に確認することができるが、映像以外の手段で景品を獲得できたことを楽しく伝える方法の一例について以下で説明する。
【0039】
プレイヤは、操作盤23上のレバーLを操作することによりアーム15を移動させ、ボタンBを操作することにより、アーム15を下降させて景品を掴ませる。この時、プレイヤの操作に応じてレバーLやボタンBを振動させることにより、アーム15が景品を掴んでいる手応えなどを疑似的にプレイヤに伝えるようにする。
【0040】
具体的には、例えば以下のようなタイミングでレバーLやボタンBを振動させるようにしてもよい。なお、振動するのは、レバーLやボタンBなどの個々の操作手段であってもよいし、操作盤23全体であってもよい。
・レバーLを動かしたタイミング(アーム15の移動を開始したタイミング)で一瞬(例えば0.5秒)振動させる。
・レバーLを動かし、離したタイミング(アーム15の移動終了のタイミング)で一瞬(例えば0.5秒)振動させる。
・ボタンBを操作したタイミング(アーム15の下降が開始したタイミング)で一瞬(例えば0.5秒)振動させる。
・アーム15の下降が停止したら、アーム15が閉じる動作に合わせて徐々に振動が速くなるようにする(アーム15が閉じている間は振動し続ける。)。
・アーム15が景品を掴んだら(アーム15に一定の負荷がかかっている間)、一気に振動を強くする(または早くする)。
・アーム15が景品を掴んだ状態で上昇する間、振動を継続する。ただし、アーム15にかかる負荷が変化すると、それに応じて振動の強さが変化する。
・アーム15にかかる負荷がゼロになると振動が停止する(負荷がゼロになるのは景品を離した時)。
【0041】
なお、アーム15が閉じていることは、メイン筐体10に設けられたボリュームスイッチ(物品掴持検知手段)によって検出されるアーム15の角度によって検知することができる。検知されたアーム15の角度の情報はサーバ30を経由してサテライト筐体20に送信され、サテライト筐体20は、受信した情報に基づいてレバーL等を振動させる。
【0042】
また、アーム15が景品を掴んでいることは、アーム15にかかる負荷によって判断される。アーム15にかかる負荷の大きさは、メイン筐体10に設けられたボリュームスイッチによって検出される角度と、アーム15を駆動するモーター(物品掴持検知手段)の駆動量に基づいて算出される。算出された負荷量はサーバ30を経由してサテライト筐体20に送信され、サテライト筐体20は、受信した情報に基づいてレバーL等の振動の強度や速度を変化させる。負荷量の算出は、サーバ(負荷量算出部)30で行ってもよいし、メイン筐体(負荷量算出部)10で行ってもよい。
【0043】
以下、アーム15にかかる負荷の算出方法について説明する。アーム15は、モーターにより駆動されるが、モーターの駆動量は、モーターとアーム15の間に介在するスプリングによってアーム15に伝わる。アーム15の角度(開き具合)は、ボリュームスイッチによって実際の角度が検出されるとともに、モーターの駆動量に基づくアーム15の角度を算出する。両者の角度の差に基づいてスプリングの伸びが算出され、アーム15にかかる負荷が算出される。
【0044】
アーム15にかかる負荷がゼロの場合、両者から算出される角度の差はゼロとなる。一方、アーム15に負荷がかかっている場合には、アーム15の実際の角度は、アーム15を閉じようとするモーターの駆動量に基づいて算出される角度よりも広くなる(開いている)。すなわち、モーターの駆動量に基づいて算出される角度の方が、ボリュームスイッチから得られる角度(実際の角度)よりも狭くなる。両者の角度の差に基づいてスプリングの伸びが算出され、算出されたスプリングの伸びの量に基づいて、アーム15にかかる負荷の大きさが算出される。
【0045】
以上のように、本実施形態によれば、ゲームを実行するメイン筐体10と、プレイヤが操作するサテライト筐体20をオンラインで接続し、プレイヤは、サテライト筐体20で料金を支払い、表示装置22でメイン筐体10内部の映像を確認しながら、遠隔でアーム15を操作してクレーンゲームを行うようにした。また、景品を獲得できた場合には、景品引き換え用のコードを印刷した景品交換券を発券し、配送により景品を受け取ることができるようにした。これにより、遊ぶ場所を選ばないというオンラインゲームの利点と、事前の会員登録や、クレジットカードなどが無くてもゲームを行うことが出来るアーケードゲームの利点を併せ持つゲームの形態を提供することができる。
【0046】
また、通信障害によってメイン筐体10とサテライト筐体20の接続がゲームの途中で切断された場合には、リプレイチケットを発行し、障害回復後に、プレイヤがサテライト筐体20にリプレイチケットに印刷されたリプレイコードを入力すると、追加の料金無しでゲームを行うことが出来るようにした。これにより、通信障害が発生しても、プレイヤに迷惑がかからないようにすることができる。
【0047】
また、本発明はクレーンゲーム以外にも適用可能であり、例えば、魚釣りゲームやメダルゲームなど、物品取得手段を操作して物品を取得するあらゆるゲームに適用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1…クレーンゲームシステム、10…メイン筐体、11…筐体、12…景品載置台、13…景品排出口、14…アーム移動手段、15…アーム、16…制御装置、20…サテライト筐体、21…筐体、22…表示装置、23…操作盤、24…発券プリンタ、25…制御装置、30…サーバ、41…二次元コード、42…アクセスコード、43…問い合わせ先、44…発行日時、45…発行筐体コード
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-09-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に置かれた物品をプレイヤの操作する物品取得手段によって取得する機構を備えたメイン筐体と、
前記メイン筐体とは離れた場所の店舗等に設置されるプレイヤが前記物品取得手段の操作を行うサテライト筐体と、
前記メイン筐体と前記サテライト筐体を連携させて物品取得ゲームを実行する情報処理装置と、を備え、
前記情報処理装置は、
前記メイン筐体と前記サテライト筐体との間の通信がゲームの途中で切断されたことを検知する通信障害検知部を備え、
前記サテライト筐体は、
前記物品取得ゲームを行うための料金の支払いを前記プレイヤから受け付ける料金受付部と、
前記メイン筐体から送信される前記メイン筐体内部の映像を表示する表示装置と、
前記プレイヤの操作を受け付け、操作内容を前記メイン筐体に送信する操作受付部と、
前記プレイヤの操作によって、前記物品が取得された場合には、前記物品を受け取るための引き換え用情報を発行し、前記通信がゲームの途中で切断されたことが検知された場合には、通信の回復後に料金を追加せずに再度ゲームを行うためのリプレイ用情報を発行する情報提示部と、
前記リプレイ用情報の入力を受け付けるリプレイ情報受付部とを備え、
前記情報処理装置は、
入力された前記リプレイ情報が正規に発行されたリプレイ情報であって、未だ使用されていないリプレイ情報である場合には、前記プレイヤが料金を追加しなくても物品取得ゲームを実行する、物品取得ゲームシステム。
【請求項2】
前記表示装置は、
前記プレイヤがゲームを行う際の目線の高さに応じた位置に設置され、
前記操作受付部は、前記プレイヤから見て前記表示装置よりも手前で且つ下方に設置されている請求項1に記載の物品取得ゲームシステム。
【請求項3】
前記操作受付部は、
前記プレイヤによる物理的操作に応じて操作内容を受け付けるレバーまたはボタンを含む請求項1または2に記載の物品取得ゲームシステム。
【請求項4】
前記情報処理装置は、
前記物品が取得された場合に、前記引き換え情報に紐づけて、当該物品を受け取るためのプレイヤ情報の入力を受け付ける、物品受取情報受付部を備えた請求項1から3のいずれか1項に記載の物品取得ゲームシステム。
【請求項5】
前記表示装置には、前記メイン筐体の内部の略全体を上から見下ろした映像が表示される、請求項1から4のいずれか1項に記載の物品取得ゲームシステム。
【請求項6】
前記物品取得手段に囲まれた領域には、前記メイン筐体の内部を撮影可能なカメラが設けられている、請求項1から5のいずれか1項に記載の物品取得ゲームシステム。