(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164817
(43)【公開日】2023-11-14
(54)【発明の名称】短縮された信号接点パッドを有するパドルカード
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20231107BHJP
H01R 12/72 20110101ALI20231107BHJP
H01R 43/00 20060101ALI20231107BHJP
【FI】
H05K1/02 J
H05K1/02 N
H01R12/72
H01R43/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023130697
(22)【出願日】2023-08-10
(62)【分割の表示】P 2021123058の分割
【原出願日】2016-01-12
(31)【優先権主張番号】62/102,564
(32)【優先日】2015-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513275894
【氏名又は名称】アンフェノール・エフシーアイ・アジア・ピーティーイー.・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Amphenol FCI Asia Pte.Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ティー.・クラトン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】従来の基板の差動対のインピーダンスよりも良好に基板の差動信号対のインピーダンスがマッチングされることができるパドルカードを提供する。
【解決手段】パドルカードにおいて、電気コネクタと係合される基板120の電気信号接点パッド129は、電気コネクタに受け入れられる別の基板の信号接点パッドの別の信号接点パッド長さよりもオフセット距離だけ小さい先縁から後縁までの信号接点パッド長さを規定する。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気コネクタに受け入れられるように構成された基板であって、
終端と、前記電気コネクタ内への前記基板の挿入の方向において前記終端から離間された先端と、
少なくとも1つの面と、
前記少なくとも1つの面に搭載され、後縁と前記挿入の方向において前記後縁から離間された先縁とを規定する少なくとも1つの電気信号接点パッドとを備え、前記電気信号接点パッドは、前記電気コネクタに受け入れられるように構成された別の基板の信号接点パッドの別の信号接点パッド長さよりもオフセット距離だけ小さい、前記先縁から前記後縁までの信号接点パッド長さを有する、基板。
【請求項2】
前記オフセット距離は、およそ0.2mmである、請求項1に記載の基板。
【請求項3】
前記少なくとも1つの電気信号接点パッドの前記信号接点パッド長さは、前記別の信号接点パッド長さよりも、およそ5%からおよそ25%小さい、請求項1または2に記載の基板。
【請求項4】
前記信号接点パッド長さは、およそ1.65mmである、請求項1から3のいずれか一項に記載の基板。
【請求項5】
少なくとも1つの導電性の信号接点パッドは、対に構成された複数の導電性パッドを備え、前記基板は、前記対の間に配置される接地接点パッドをさらに備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の基板。
【請求項6】
前記少なくとも1つの電気信号接点パッドと前記先端との間に配置される電気引き込み接点パッドをさらに備え、前記引き込み接点パッドは、前記別の基板の引き込み接点パッド長さよりも大きい引き込み接点パッド長さを有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の基板。
【請求項7】
前記基板の前記引き込み接点パッド長さは、前記別の基板の前記引き込み接点パッド長さよりも前記オフセット距離だけ大きい、請求項6に記載の基板。
【請求項8】
前記少なくとも1つの引き込み接点パッドの前記後縁は、前記基板の前記先端から、前記別の基板の引き込み接点パッドの後縁が前記別の基板の先端から離間される距離よりも大きい距離だけ離間される、請求項6または7に記載の基板。
【請求項9】
前記引き込み接点パッドは、選ばれた信号接点の前記先縁から、他の実質的に同一の基板の前記接点パッドが、前記別の基板の前記信号接点の前記先縁から離間される距離と等しい距離だけ離間される、請求項6から8のいずれか一項に記載の基板。
【請求項10】
前記少なくとも1つの導電性の信号接点パッドは、対に構成された複数の導電性パッドを備え、前記基板は、
前記対の間に配置された接地接点パッドと、
各々が前記挿入の方向に沿って前記電気信号接点パッドのそれぞれの1つと揃えられる複数の引き込み接点パッドと
をさらに備える、請求項6から9のいずれか一項に記載の基板。
【請求項11】
前記少なくとも1つの電気信号接点パッドの前記先縁は、前記基板の前記先端から、他の実質的に同一の基板の信号接点の先縁が他の実質的に同一の基板の前記先端から離間される距離よりもおよそ2mm大きく離間される、請求項1から10のいずれか一項に記載の基板。
【請求項12】
前記少なくとも1つの電気信号接点パッドは、前記基板が前記電気コネクタと完全に係合されたときに、前記電気コネクタの信号接点の取り付け部と接触するように構成される接触位置を規定し、前記接触位置は、前記電気信号接点パッドの先縁からおよそ1.55mmの距離だけ離間される、請求項1から11のいずれか一項に記載の基板。
【請求項13】
前記少なくとも1つの電気信号接点パッドは、前記基板が前記電気コネクタと完全に係合されたときに、前記電気コネクタの信号接点の取り付け部と接触するように構成される接触位置を規定し、前記接触位置は、前記電気信号接点パッドの先縁から、前記別の基板の接触位置が前記別の信号接点パッドの先端から離間される対応する距離よりも小さい距離だけ離間される、請求項1から11のいずれか一項に記載の基板。
信号接点パッド。
【請求項14】
前記少なくとも1つの電気信号接点パッドの接触位置は、前記基板の前記先端から、他の実質的に同一の基板の前記接触位置が、他の実質的に同一の基板の前記先端から離間される距離と等しい距離だけ離間される、請求項10から13のいずれか一項に記載の基板。
【請求項15】
引き込み接点パッド長さおよび前記信号接点パッド長さを除いて、前記別の基板と実質的に同一に構成された、請求項1から14のいずれか一項に記載の基板。
【請求項16】
前記少なくとも1つの面は、各々が複数の導電性の信号接点パッドと、接地接点パッドと、引き込み接点パッドとを搭載する第1の面と第2の面とを備える、請求項6から15のいずれか一項に記載の基板。
【請求項17】
電気コネクタであって、コネクタ筐体と、前記コネクタ筐体に支持される複数の電気接点とを備え、前記電気接点は、前記コネクタ筐体の少なくとも1つのレセプタクル内へ延在する係合端部を有し、前記少なくとも1つのレセプタクルは、前記電気接点と前記基板とを係合させるように、請求項4から16のいずれか一項に記載の基板の少なくとも1つを受け入れるように構成される、電気コネクタ。
【請求項18】
SASコネクタ、ミニSASコネクタ、またはミニSAS HDコネクタとして構成される、請求項17に記載の電気コネクタ。
【請求項19】
請求項5から16のいずれか一項に記載の基板と、請求項17に記載の電気コネクタとを係合させる方法であって、
前記基板の前記先端を前記電気コネクタのレセプタクル内へ挿入方向に挿入するステップと、
前記電気コネクタの複数の電気接点の係合端部と、複数の電気信号接点パッドのそれぞれのものとを接触させるステップと
を備える、方法。
【請求項20】
前記係合端部と前記複数の電気信号接点パッドのそれぞれのものとを接触させる前に、前記係合端部を引き込み接点パッドに沿ってワイプするステップをさらに備える、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景技術
[0001]電気コネクタは、補完的な電気部品間で電気信号を転送するように構成される。例えば、電気コネクタは、第1の補完的な部品と第2の補完的な部品とが互いに電気通信するように、第1の補完的な電気部品に取り付けられ、第2の補完的な電気部品と係合され得る。電気コネクタは、誘電コネクタまたは電気絶縁性コネクタ筐体と、このコネクタ筐体に支持される導電体とを含むことができる。例えば、導電体は、それぞれの信号導体の間、信号導体の対の間、または他の数の信号導体の間に配置される信号導体と接地導体とを含むことができる。信号導体は、第1の補完的な電気部品と第2の補完的な電気部品との間でデータ信号、光信号、または同様のものなどを搬送することができる。いくつかのタイプの電気コネクタの導電体は、第1の補完的な電気部品と第2の補完的な電気部品との間で電力を伝達するように構成された電力コンダクタをさらに含むことができる。
【0002】
[0002]いくつかの電気コネクタは、少なくとも1つの基板を含み、この基板は、導電体を含むプリント回路板として構成され得る。そのようなプリント回路板は、パドルカードとも称される。例えば、導電体は、基板の外表面に配置される電気トレースとして構成されても、基板の内部層に配置される電気トレースとして構成されてもよく、または外表面に配置される一部と基板の内部層に配置される一部とを有してもよい。いくつかの電気コネクタは、1つの基板を含むことができ、他の電気コネクタは、第1の基板と第2の基板とを含むことができる。ただし、本開示は、電気コネクタの基板の数に限定されないことが認識されるべきである。電気コネクタは、少なくとも1つのケーブルと少なくとも1つの基板とを電気通信させるように、少なくとも1つのケーブルに取り付けられるように構成され得る。したがって、第1の補完的な電気部品は、少なくとも1つのケーブルとして構成されることが可能であり、このケーブルは、電気的データ、光信号、または電力を転送するように構成され得る。電気コネクタは、少なくとも1つの基板のそれぞれの係合端部を受け入れるように構成された少なくとも1つのレセプタクルを含むレセプタクルコネクタに係合するようにさらに構成され、それによって、基板の導電体との電気接続を確立する。したがって、第2の補完的な電気部品は、送受信機などの電気コネクタとして構成され得る。
【0003】
[0003]そのような電気コネクタの例は、ミニSASおよびミニSAS HDコネクタなどのシリアル・アタッチド・スモール・コンピュータ・システム(「SAS」)コネクタおよびその変形例を含む。したがって、本明細書におけるSASコネクタへの言及は、別段の指示がない限り、ミニSASおよびミニSAS HDを含むが、これらに限定されない、すべてのそのようなSASコネクタおよびそれらの変形例と、少なくとも1つのパドルカードを受け入れるように構成された他のすべての電気コネクタとを指すことを意図されている。
【0004】
[0004]ここで、
図1A~
図1Cを参照すると、SASコネクタの従来の基板20は、第1の面22と、横断方向Tに関して第1の面22と対向する第2の面24とを含む。基板20は、プリント回路板として、特に、SASコネクタ用のパドルカードとして、構成される。SASコネクタは、各々が例示されるように従来通りに構成され、本明細書においては基板20に関連して説明される1対のパドルカードと共に使用するために構成され得ることが認識される。基板20を含むSASコネクタは、2014年5月25日付けのSFF-8643 Rev3.4、2014年8月4日付けのSFF-8644 Rev3.3、および2014年7月24日付けのSFF-8662 Rev.2.7において述べられているように構成されることが可能であり、これらの各々の開示内容は、あたかもその全体が本明細書において述べられているかのように、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0005】
[0005]従来の基板20は、第1の面22に搭載される第1の複数の電気接点を含んでおり、SASコネクタと係合するように構成された導体パッド26として構成される。第1の複数の電気接点パッド26は、横断方向Tに対して実質的に垂直な横方向Aに沿って、互いに離間され得る。同様に、従来の基板は、第2の面24に搭載される第2の複数の電気接点を含んでおり、SASコネクタと係合するように構成された導体パッド28として構成される。第2の複数の電気接点パッド28の電気接点は、横方向Aに沿って、互いに離間され得る。特に、基板20は、SASコネクタの電気接点が第1の複数の電気接点パッド26および第2の複数の電気接点パッド28のそれぞれと係合するように、SASコネクタに受け入れられる。
【0006】
[0006]第1の複数の電気接点パッド26および第2の複数の電気接点パッド28の各々は、それぞれの信号接点パッド29と接地接点パッド30とを含む。信号接点パッド29および接地接点パッド30は、横断方向Tと横方向Aとの両方に対して垂直な縦方向Lに沿って伸張する。信号接点パッド29のうち横方向Aに関して隣接する信号接点パッドは、対32へと構成される。対32は、差動信号対を規定する。信号接点パッド29は代替的にシングルエンドであってもよいことが認識される。基板20は、横方向Aに関して信号接点パッド29のそれぞれの間に配置された接地接点パッド30を含む。例えば、例示されるように、接地接点パッド30は、横方向Aに関して対32の隣接するものの間の位置において、第1の面22および第2の面24の各々に搭載される。横方向Aは、本明細書において行方向とも称される。第1の面22に搭載される信号接点パッド29の各々は、横断方向Tに沿って、第2の面24に搭載される信号接点パッド29のそれぞれと揃えられる。同様に、第2の面24に搭載される信号接点パッド29の各々は、横断方向Tに沿って、第1の面22に搭載される信号接点パッド29のそれぞれと揃えられる。さらに、第1の面22に搭載される接地接点パッド30の各々は、横断方向Tに沿って、第2の面24に搭載される接地接点パッド30のそれぞれと揃えられる。同様に、第2の面24に搭載される接地接点パッド30の各々は、横断方向Tに沿って、第1の面22に搭載される接地接点パッド30のそれぞれと揃えられる。
【0007】
[0007]基板20は、第1の面22と第2の面24の一方または両方に搭載される引き込み接点パッド34をさらに含む。引き込み接点パッド34の各々は、縦方向Lに沿って、信号接点パッド29のそれぞれと揃えられる。さらに、引き込み接点パッド34の各々は、引き込み接点パッド34と信号接点パッド29との間の間隔を規定するように、縦方向Lに沿って信号接点パッド29のそれぞれから離間される。特に、引き込み接点パッド34の各々は、縦方向Lに沿った前方方向における信号接点パッド29のそれぞれから離間される。この点において、基板20は、前方端部36aと、縦方向Lに沿って前方端部36aから離間された後方端部36bとを規定する。前方端部36aは、前方方向において後方端部36bから離間される。同様に、後方端部36bは、順方向と反対の後方方向において前方端部36aから離間される。前方方向および後方方向は各々、縦方向Lに沿った向きとされる。動作中に、基板20の前方端部36aは、SASコネクタに関して前方方向への移動によって、SASコネクタのレセプタクル内に受け入れられる。
【0008】
[0008]したがって、基板20の前方端部36aは、基板20の先端と称されてもよく、基板20の後方端部は、終端と称されてもよい。同様に、第1の複数の接点パッド26の各々は、後縁と、前方方向において後縁から離間された先端とを含む。例えば、信号接点パッド29の各々は、後縁29aと、前方方向において後縁29aから離間された先縁29bとを含む。同様に、引き込み接点パッド34の各々は、後縁34aと、前方方向において後縁34aから離間された先縁34bとを含む。接地接点パッド30の各々は、後縁30aと、前方方向において後縁30aから離間された先縁30bとを含む。引き込み接点パッド34の各々の後縁34aは、縦方向Lに沿って、信号接点パッド29の揃えられた1つの先縁29bから離間される。引き込み接点パッド34は、導電性であり、信号接点パッド29に関して同じ材料または異なる材料から作製され得る。
【0009】
[0009]従来のミニSAS HDコネクタでは、基板20の信号接点パッド29の各々は、縦方向Lに沿って後縁29aから先縁29bまでの信号接点パッド長さL1を規定する。信号接点パッド長さL1は、およそ1.85mmである。「およそ」という用語は、ここでは、製作公差または丸めに起因する潜在的なばらつきを示すために、寸法情報に関して使用される。さらに、信号接点パッド29の各々の先縁29bは、基板20の前方端部36aから、縦方向Lに沿って距離D1だけ離間される。さらにまた、信号接点パッド29の各々の先縁29bは、基板20の後部36bから、縦方向Lに沿って距離D2だけ離間される。引き込み接点パッド34の各々は、縦方向Lに沿って後縁34aから先縁34bまで測定された引き込み接点パッド長さL2を規定する。引き込み接点パッド34の各々の後縁34aは、信号接点パッド29のそれぞれ揃えられた1つの先縁29bから、縦方向Lに沿って距離D3だけ離間される。つまり、引き込み接点パッド34を信号接点パッド29の揃えられたものから分離する間隔が、縦方向Lに沿った距離D3を規定する。
【0010】
[0010]信号接点パッド29は、後縁29aと先縁29bとの間の接触位置38をさらに規定する。特に、基板20は、第2の補完的な電気部品のレセプタクル内に受け入れられるので、第2の補完的な電気部品の信号接点は、接触位置38において信号接点パッド29と物理的および電気的に接触させられる前に、引き込み接点パッド34に沿ってワイプする(wipe)ことができる。電気コネクタが、第2の補完的な電気部品と完全に係合されると、基板20は、第2の補完的な電気部品のレセプタクル内に完全に据え付けられる。基板20が、第2の補完的な電気部品のレセプタクル内に完全に据え付けられると、補完的な電気部品の信号接点は、接触位置38において信号接点パッド29と物理的に接触する。接触位置38は、縦方向Lに沿って基板20の前方端部36aから距離D4だけ離間される。接触位置38は、縦方向Lに沿って基板20の後方端部36bから距離D5だけ離間される。さらに、従来のミニSAS HDコネクタでは、接触位置38は、縦方向Lに沿って信号接点パッド29の先縁29bからおよそ1.75mmの距離D6だけ離間される。したがって、接触位置38は、縦方向に沿って信号接点の後縁29aからおよそ0.1mmの距離だけ離間される。本明細書において説明されるような、長さL1~L2および距離D1~D6は、基板20の第1の面22と第2の面24との両方に当てはまる。
【発明の概要】
【0011】
[0011]本開示の1つの態様では、基板は、電気コネクタに受け入れられるように構成される。基板は、終端と、電気コネクタ内への基板の挿入の方向において終端から離間された先端とを含むことができる。基板は、少なくとも1つの面と、この少なくとも1つの面に搭載される少なくとも1つの電気信号接点パッドとを含むことができる。少なくとも1つの電気信号接点パッドは、先縁と、挿入の方向においてこの先縁から離間された後縁とを規定することができる。電気信号接点パッドは、電気コネクタに受け入れられるように構成される別の基板の信号接点パッドの別の信号接点パッド長さよりもオフセット距離だけ小さい、先縁から後縁までの信号接点パッド長さを規定することができる。
【0012】
[0012]前述の概要、および本出願の例示的な実施形態の下記の詳細な説明は、例示の目的のために例示的な実施形態が図面に示されている添付の図面と共に読まれた際に、より良く理解されるであろう。しかしながら、本出願は、図示されるまさにその構成および手段に限定されないことが、理解されるべきである。図面の説明は、下記の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】[0013]電気コネクタの従来のパドルカードの第1の面の上面図。
【
図1B】[0014]
図1Aに例示されるパドルカードの底面図。
【
図1C】[0015]
図1Aに例示されるパドルカードの側面図。
【
図2A】[0016]SASコネクタ、およびこのSASコネクタに受け入れられた、1つの実施形態に従って構築された1対の同一のパドルカードの斜視図。
【
図2B】[0017]
図2Aに例示されるSASコネクタおよびパドルカードの展開斜視図。
【
図2C】[0018]
図2Aに例示されるSASコネクタの別の斜視図。
【
図2D】[0019]
図2Aに例示される電気コネクタの複数の信号接点の側面図。
【
図2E】[0020]
図2Aに例示される電気コネクタの接地板の側面図。
【
図3A】[0021]
図2Aに例示されるパドルカードの1つの第1の面の上面図。
【
図3B】[0022]
図3Aに例示されるパドルカードの底面図。
【
図3C】[0023]
図3Aに例示されるパドルカードの側面図。
【
図4】[0024]パドルカードがSASコネクタ内に完全に据え付けられたときに、
図2Aに例示されるSASコネクタの電気接点が
図3Aに例示されるパドルカードと係合した状態を示す上面図。
【
図5A】[0025]
図3Aに例示されるパドルカードのいくつかの信号接点対のインピーダンスを時間の関数として示すグラフ。
【
図5B】[0026]
図3Aに例示されるパドルカードのいくつかの信号接点対の反射減衰を動作周波数の関数として示すチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0027]ここで、
図2A~
図2Eを参照すると、SASコネクタなどの電気コネクタ40は、電気絶縁性コネクタ筐体42と、このコネクタ筐体42に支持される複数の電気接点44とを含む。電気接点44は、下記に述べられるように信号接点として構成され得る。電気コネクタ40は、第1の基板120aおよび第2の基板120bと係合するように構成される。第1の基板120aおよび第2の基板120bは、SASコネクタ用のパドルカードとして構成され得る。下記により詳細に説明されるように、第1の基板120aおよび第2の基板120bは、
図1A~
図1Cに関して上述された基板20とは異なる、信号接点パッド129と引き込み接点パッド134とを含むことができる。
【0015】
[0028]電気コネクタ40が、第3の基板に取り付けられると、電気接点44は、第3の基板の補完的な電気トレースに電気的に接続され、それによって、電気コネクタ40を第3の基板と電気通信させる。第3の基板は、プリント回路板として構成され得る。電気コネクタ40が、第1の基板120aおよび第2の基板120bに係合されると、電気接点44は、第1の基板120aおよび第2の基板120bの各々の補完的な電気トレースと電気通信させられる。したがって、電気コネクタ40が、第3の基板に取り付けられ、第1の基板120aおよび第2の基板120bと係合されると、第1の基板120aおよび第2の基板120bの各々は、第3の基板と電気通信させられる。
【0016】
[0029]コネクタ筐体42は、上端部46と、横断方向に沿って上端部46と対向する底端部48とを規定する。コネクタ筐体42は、前方端部50と、縦方向Lに沿って前方端部50と対向する後方端部52とをさらに規定する。例えば、前方端部50は、基板120aおよび120bの前方方向と反対の、電気コネクタ40の前方方向において、後方端部52から離間される。コネクタ筐体42は、横方向Aに沿って互いから離間された、対向する側面59をさらに含む。例示された実施形態によれば、横断方向Tは、垂直な向きとされ、縦方向Lおよび横方向Aは、水平な向きとされる。ただし、コネクタ筐体42の向きは使用中に変わり得ることが認識されるべきである。電気コネクタ40は、第3の基板の伸長の方向と平行に、横方向Aに沿って延在することができる行方向51と、行方向51に対して実質的に垂直であり、横断方向Tに沿って、したがって、第3の基板の伸長の方向に対して実質的に垂直に延在することができる列方向55とを規定する。
【0017】
[0030]コネクタ筐体42は、前方端部50に近接して配置された係合インターフェース54と、底端部48に近接して配置された取り付けインターフェース56とを規定する。取り付けインターフェース56は、電気コネクタ40が第3の基板に取り付けられるときに、第3の基板と動作可能に嵌合するように構成される。係合インターフェース54は、電気コネクタ40が第1の基板120aおよび第2の基板120bと係合されたときに、第1の基板120aおよび第2の基板120bと動作可能に嵌合するように構成される。コネクタ筐体42は、少なくとも1つのレセプタクル、例えば、第1のレセプタクルまたは上部レセプタクル45aと、横断方向Tに沿って第1のレセプタクルまたは上部レセプタクル45aから離間された第2のレセプタクルまたは下部レセプタクル45bとを規定する。レセプタクル45a~bは、係合インターフェース54に配置され、第1の基板120aおよび第2の基板120bなどの、対応する電気部品をそれぞれ受け入れるように構成される。レセプタクル45aおよび45bの各々は、コネクタ筐体42の前方端部50内へ延在する。第1のレセプタクル45aは、第1の行または上部の行47に沿って延在し、第2のレセプタクル45bは、横断方向Tに沿って第1の行または上部の行47の下に離間された第2の行または下部の行49に沿って延在する。したがって、上部の行47および下部の行49は、列方向55に沿って互いから離間されている。第1の行または上部の行47および第2の行または下部の行49の各々は、行方向51に沿って伸長し、したがって、互いに実質的に平行に延在する。レセプタクル45a~bの各々は、前方端部36内へ横に延在し、第1の基板120aおよび第2の基板120bのそれぞれの先縁が、第1の行47および第2の行49それぞれのレセプタクル45aおよび45b内にそれぞれ挿入されるように構成されるような大きさにされる。したがって、第1の基板120aおよび第2の基板120bは、電気コネクタ40に係合されたときに、垂直に積み重ねられたものとして説明され得る。
【0018】
[0031]例示された実施形態によれば、電気コネクタ40は、各々がそれぞれの電気絶縁性リードフレーム筐体60と、このリードフレーム筐体60に支持される複数の電気接点44のそれぞれの選択されたものとを含む、複数のリードフレーム組立体58を含む。リードフレーム筐体60に支持された電気接点44は、例示された実施形態に従って信号接点として構成され得る。したがって、リードフレーム組立体58は、信号リードフレーム組立体と称され得る。複数のリードフレーム組立体58は、リードフレーム筐体がそれぞれの電気接点44上にオーバーモールドされるインサート成形リードフレーム組立体(IMLAs:insert molded leadframe assemblies)として提供され得る。リードフレーム組立体58は、コネクタ筐体42に支持され、隣接するリードフレーム組立体58が行方向51に沿って離間されるように構成される。
【0019】
[0032]リードフレーム組立体58は、複数のリードフレーム組立体58の少なくとも1つの第1の選択リードフレーム組立体58a、例えば、リードフレーム組立体58の複数の第1の選択リードフレーム組立体58aと、複数のリードフレーム組立体58の少なくとも1つの第2の選択リードフレーム組立体58b、例えば、複数のリードフレーム組立体58の複数の第2の選択リードフレーム組立体58bとを含むことができる。第1の組立体58は、行方向51に沿って互いに隣接して配置される、第1の選択リードフレーム組立体58aの1つと、第2の選択リードフレーム組立体58bの1つとを各々含む、リードフレーム対57に構成され得る。行方向51に沿った隣接するリードフレーム組立体58の揃えられた接点44は、差動信号対を規定する。別の言い方をすれば、それぞれのリードフレーム対57の隣接する電気接点44は、差動信号対を規定する。したがって、そのブロードサイドが互いに向き合う隣接するリードフレーム組立体58の対57の電気接点44が、差動信号対を規定するので、電気接点44は、ブロードサイド結合される(broadside-coupled)と言われ得る。さらに、行方向51に沿った隣接する電気接点44が、差動信号対を規定するので、電気コネクタ40は、行ベースの電気コネクタと称され得る。
【0020】
[0033]各リードフレーム組立体58のそれぞれの電気接点44の各々は、対応するリードフレーム筐体60から横方向へ前方に延在する係合部62を規定する。各リードフレーム組立体58のそれぞれの電気接点44の各々は、対応するリードフレーム筐体60から下方へ延在する取り付け部64をさらに規定する。下記に説明されるように、係合部62は、それぞれの接触位置138において第1の基板120aおよび第2の基板120bの補完的な1つと電気的に係合するように構成される。取り付け部64は、第3の基板内へまたは第3の基板を貫通して延在する補完的な開口内へ圧入され得る取り付け底部として構成され得る。代替的に、取り付け部64は、電気接点44と第3の基板の対応する電気トレースとを電気通信させるために、それぞれの第3の基板に表面実装されるように構成されても、または必要に応じて第3の基板にその他の方法で取り付けられるように構成されてもよい。したがって、電気コネクタ40は、電気コネクタ40が係合される少なくとも1つの基板と第3の基板とを電気通信させるために、少なくとも1つの基板、例えば、第1の基板120aおよび第2の基板120bなどと係合され得る。
【0021】
[0034]リードフレーム組立体58は、行方向51に対して垂直な列方向55に沿って離間される、所望されるだけ多くの電気接点44を含むことができる。列方向55は、横断方向Tに沿った向きとされる。例示された実施形態によれば、各リードフレーム組立体58は、少なくとも1対の電気接点44を規定する。例えば、各リードフレーム組立体58は、電気接点44の第1の対または上部の対44aと、電気接点44の第2の対または下部の対44bとを規定することができる。各対44aおよび44bは、第1の電気接点44’および第2の電気接点44”によって規定され得る。リードフレーム組立体58が、コネクタ筐体42に支持されると、上部の対44aの第1の電気接点44’および第2の電気接点44″の係合部62は、上部の行47に沿って伸長する第1のレセプタクル45a内へ延在し、下部の対44bの第1の電気接点44’および第2の電気接点44”の係合部62は、下部の行49に沿って伸長する第2のレセプタクル45b内へ延在する。
【0022】
[0035]上部の対44aの第1の電気接点44’および第2の電気接点44″の各々の係合部62は、第1のレセプタクル45aにおいて横断方向Tに沿って離間されており、第1の基板120aが上部レセプタクル45a内に挿入されると、第1の基板120aの対向する上面および下面と電気通信させられる。第1の電気接点44’および第2の電気接点44″の各々の係合部62は、下部レセプタクル45bにおいて横断方向Tに沿って離間されており、第2の基板120bが下部レセプタクル45b内に挿入されると、第2の基板120bの対向する面と電気通信させられる。この点に関して、対応するリードフレーム組立体58の電気接点44の第1の電気接点および第2の電気接点の係合部62は、第3の基板と電気通信するパドルカードを受け入れるように構成された、少なくとも1つの基板受け入れ間隔を規定する。例えば、上部の対44aの第1の電気接点44’および第2の電気接点44”の係合部62は、上部の対44aの第1の電気接点44’および第2の電気接点44”の係合部62が第1の基板120aの対向する面と嵌合するように、第1の基板120aを受け入れるように構成された第1の基板受け入れ間隔53aを規定する。下部の対44bの第1の電気接点44’および第2の電気接点44”の各々の係合部62は、下部の対44bの第1の電気接点44’および第2の電気接点44”の係合部62が第2の基板120bの対向する面と嵌合するように、第2の基板120bを受け入れるように構成された第2の基板受け入れ間隔53bを規定する。
【0023】
[0036]隣接するリードフレーム組立体58のそれぞれの電気接点44、例えば、行方向51に沿って揃えられた電気接点44は、差動信号対を規定することができる。例示された実施形態によれば、リードフレーム組立体58の第1のリードフレーム組立体の上部の対44aおよび下部の対44bの各々のそれぞれの第1の電気接点44’および第2の電気接点44”の各々と、リードフレーム組立体58の第1のリードフレーム組立体に隣接する、リードフレーム組立体58の第2のリードフレーム組立体の上部の対44aおよび下部の対44bの各々のそれぞれの第1の電気接点44’および第2の電気接点44”の各々とは、それぞれの差動信号対を規定する。例えば、リードフレーム組立体58の第1のリードフレーム組立体の上部の対44aの第1の電気接点44’、およびリードフレーム組立体58の第1のリードフレーム組立体に隣接する、リードフレーム組立体58の第2のリードフレーム組立体の上部の対44aの第1の電気接点44’は、第1の差動信号対を規定することができる。さらに、リードフレーム組立体58の第1のリードフレーム組立体の上部の対44aの第2の電気接点44”、およびリードフレーム組立体58の第2のリードフレーム組立体の上部の対44aの第2の電気接点44”は、第2の差動信号対を規定することができる。さらにまた、リードフレーム組立体58の第1のリードフレームの下部の対44bの第1の電気接点44’、およびリードフレーム組立体58の第2のリードフレーム組立体の下部の対44bの第1の電気接点44’は、第3の差動信号対を規定することができる。さらにまた、リードフレーム組立体58の第1のリードフレーム組立体の下部の対44bの第2の電気接点44”、およびリードフレーム組立体58の第2のリードフレーム組立体の下部の対44bの第2の電気接点44”は、第4の差動信号対を規定することができる。
【0024】
[0037]電気接点44の上部の対44aおよび下部の対44aの係合部62は、それぞれ第1の基板120aおよび第2の基板120bを受け入れるように構成されるので、電気接点44は、レセプタクル接点と称されてもよく、電気コネクタ40は、レセプタクルコネクタと称されてもよい。さらに、電気接点44の係合部62は、取り付け部64に対して実質的に垂直な向きとされるので、電気コネクタ40は、直角コネクタとして説明され得る。代替的に、電気コネクタ40は、その係合部62が取り付け部64に対して実質的に平行な向きとされる垂直コネクタとして構成されてもよい。例えば、取り付け部64は、リードフレーム筐体60の後方端部から後方へ延在することができる。
【0025】
[0038]電気コネクタ40は、金属製であり得る複数の接地板66をさらに含むことができる。代替的に、接地板66は、誘電吸収性であってもよい。例えば、接地板66は、誘電吸収性の損失性材料から作製されてもよい。したがって、接地板66は、金属材料または非金属材料から作製され得る。接地板66の各々は、横断方向Tおよび横方向Aによって規定される鉛直面に向けられ、行方向51に関して、少なくとも1つから最大ですべての隣接する電気接点44の、少なくとも一部から最大で全部と重複するように、十分な距離だけ垂直におよび横方向に延在することができる。したがって、行方向51に沿って延在する線は、行方向51に沿って接地板66に隣接する、リードフレーム組立体58の電気接点44の少なくとも1つを通過し、接地板66をさらに通過する。リードフレーム組立体58および接地板66は、コネクタ筐体42に支持され、隣接するリードフレーム間、例えば、リードフレーム組立体58の隣接する第1のリードフレーム組立体と第2のリードフレーム組立体との間に接地板66が配置されるように構成され得る。したがって、対応するリードフレーム対57の電気接点44のブロードサイド結合された差動信号対を通過する、行方向51に沿って延在する線は、差動信号対を通過した後に、接地板66を通過することができる。さらに、接地板66は、隣接するリードフレーム対57によって規定される、少なくとも1対の差動信号対間に配置される金属性の電磁シールドを規定することができる。
【0026】
[0039]さらに、少なくとも1つの接地板66から最大ですべての接地板66は、行方向51に沿った電気接点44のそれぞれの係合部62と揃えられ得る、複数の係合部67を規定することができる。例示された実施形態によれば、係合部67は、長手方向Lに沿ってそれぞれの接地板66から前方へ突出するフィンガーとして構成され得る。係合部67は、例示されるように、電気接点44の揃えられた係合部62と実質的に同一の形状とされても、または、必要に応じて、異なった形状とされてもよい。例示された実施形態によれば、各接地板66は、少なくとも1対の係合部67、例えば、電気的に共通の(electrically commoned)、またはそれぞれの接地板66を介して電気的に接続された、係合部67の第1の対または上部の対67aおよび係合部の第2の対または下部の対67を規定する。したがって、電気パスは、プレート本体66を通じて係合部67の各々間に確立される。例えば、係合部67の各対67aおよび67bは、第1の係合部67’と第2の係合部67”とを含むことができる。接地板66が、コネクタ筐体42に支持されると、上部のペア67aの第1の係合部67’および第2の係合部67”の各々は、第1の行47に沿って伸長する上部レセプタクル45a内へ延在することができ、下部の対67bの第1の係合部67’および第2の係合部67”の各々は、第2の行49に沿って伸長する下部レセプタクル45b内へ延在することができる。したがって、上部の対67aの係合部67は、行方向51に沿って上部の対44aの電気接点44の係合部62と揃えられ、各リードフレーム組立体58の上部の対44aの電気接点44の係合部62と実質的に同一の形状とされる。同じように、下部の対67bの係合部67は、行方向51に沿って下部の対44bの電気接点44の係合部62と揃えられ、係合部62と実質的に同一の形状とされ得る。
【0027】
[0040]電気コネクタ40の動作中に、上部レセプタクル45aは、第1の基板120aの第1の面122が、1)上部の対67aの第1の係合部67’と、2)電気接点44の上部の対44aの第1の電気接点44’の係合部62との両方と電気通信させられるように、第1の基板120aを受け入れるように構成される。同様に、第1の基板120aの第2の面124は、1)上部の対67aの第2の係合部67”と、2)電気接点44の上部の対44aの第2の電気接点44”の係合部62との両方と電気通信させられる。同じように、電気コネクタ40の動作中に、下部レセプタクル45bは、第2の基板120bの第1の面が、1)下部の対67bの第1の係合部67’と、2)電気接点44の下部の対44bの第1の電気接点44’の係合部62との両方と電気通信させられるように、第2の基板120bを受け入れるように構成される。同様に、第2の基板120bの第2の面は、1)下部の対67bの第2の係合部67”と、2)電気接点44の下部の対44bの第2の電気接点44”の係合部62との両方と電気通信させられる。
【0028】
[0041]少なくとも1つの接地板66から最大ですべての接地板66は、複数の取り付け部68をさらに規定することができ、複数の取り付け部68は、それぞれの接地板66から下方へ突出する取り付け底部として構成されることが可能であり、第3の基板の開口内へ圧入されるように構成される。代替的に、取り付け部68は、第3の基板に表面実装されてもよい。取り付け部68は、共に電気的に共通し、接地板66を介して係合部67とさらに電気的に共通する。したがって、接地板66の各々は、それぞれの取り付け部68と係合部67との間の電気パスを確立する。したがって、接地板66は、第3の基板と、第1の基板120aおよび第2の基板120bなどの少なくとも1つのパドルカードとの間に接続される接地接点を規定する。接地板66の各々は、必要に応じて、接地リードフレーム組立体を規定するために、接地リードフレーム筐体にオーバーモールドされ得る。さらに、接地板66の各々は、接地板66の各々と接触し、電気接点44から電気的に絶縁される導電性の共通接地部材(ground commoning member)70を受け入れるように構成されたスロット94を規定する、対向する面79aおよび79bを含むことができる。共通接地部材70は、米国特許8,480,413号において、より詳細に説明されている。
【0029】
[0042]ここで、基板120aおよび120bが、
図3A~
図4に例示される基板120を参照しつつ、説明されるであろう。本開示によれば、基板120は、上述された従来の基板20と実質的に同一であるが、長手方向Lに沿った信号接点パッドの長さが低減されている。また、基板120は、必要に応じて、引き込み接点パッドの長さを増加させることができる。「実質的に」という用語は、ここでは、製作公差に起因する潜在的なばらつきを示すために、基板120aおよび120bが従来の基板20と実質的に同一であることを説明するために使用される。後縁は、基板の性能に実質的に影響を及ぼさないと考えられ、したがって、従来の基板20および基板120a~bの実質的に同一の性質から逸脱せずに、従来の基板20と基板120a~bとの間で異なって位置付けられ得ることが、さらに認識される。第1の基板120aおよび第2の基板120bは、
図2A~
図4に例示される基板120に関して、本明細書において説明されるように構成され得る。
【0030】
[0043]ここで、
図3A~
図3Cを参照すると、電気コネクタ40の基板120は、第1の面122と、横断方向Tに関して第1の面122と対向する第2の面124とを含む。基板120は、プリント回路板として、特に、SASコネクタ用のパドルカードとして、構成される。電気コネクタ40のいくつかのものは、第1のパドルカードおよび第2のパドルカードと係合するように、第1の基板および第2の基板を受け入れるように構成され得ることが認識される。代替的に、電気コネクタ40のいくつかのものは、単一のパドルカードと係合するように、単一の基板を受け入れるように構成されてもよい。
【0031】
[0044]基板120は、第1の面122に搭載され、電気コネクタ40と係合するように構成された第1の複数の電気接点パッド126として構成される、第1の複数の電気接点を含む。第1の複数の電気接点パッド126は、横方向Aに沿って互いに離間され得る。同様に、基板120は、第2の面124に搭載され、電気コネクタ40と係合するように構成された第2の複数の接点パッド128として構成される、第2の複数の電気接点を含む。第2の複数の電気接点パッド128の電気接点は、横方向Aに沿って互いに離間され得る。特に、基板120は、電気コネクタ40の係合部62および67が第1の複数の電気接点パッド126および第2の複数の電気接点パッド128のそれぞれのものと係合するように、電気コネクタ40に受け入れられる。特に、第1の複数の接点パッド126のあるものは、上述されたように、第1の電気接点44’のそれぞれのものの係合部62および第1の係合部67’と係合するように構成される。第2の複数の接点パッド128のあるものは、上述されたように、第2の電気接点44”のそれぞれのものの係合部62および第2の係合部67”と係合するように構成される。
【0032】
[0045]第1の複数の電気接点パッド126および第2の複数の電気接点パッド128の各々は、それぞれ第1の面122および第2の面124の各々に搭載され得る、それぞれの信号接点パッド129および接地接点パッド130を含む。第1の面122における接地接点パッド130は、共に共通化され(commoned)得る。さらに、第2の面124における接地接点パッド130は、共に共通化され得る。信号接点パッド129は、係合部62と係合するように構成され、接地接点パッド130は、係合部67と係合するように構成される。信号接点パッド129および接地接点パッド130は、長手方向Lに沿って伸長する。信号接点パッド129の、横方向Aに関して隣接するものは、対132に構成され得る。対132は、差動信号対を規定することができる。信号接点パッド129は、代替的に、シングルエンドとされてもよいことが認識される。
【0033】
[0046]基板120は、横方向Aに関して信号接点パッド129のそれぞれのものの間に配置された接地接点パッド130を含む。例えば、例示されるように、接地接点パッド130は、横方向Aに関して対132の隣接するものの間の位置において第1の面122および第2の面124の各々に搭載される。横方向Aは、本明細書において、行方向とも称される。第1の面122に搭載される信号接点パッド129の各々は、横断方向Tに沿って第2の面124に搭載された接点パッド128の信号接点パッド129のそれぞれのものと揃えられ得る。例えば、第1の面22および第2の面24は、互いの実質的に同一の鏡像であってもよい。同様に、第2の面124に搭載された信号接点パッド129の各々は、横断方向Tに沿って第1の面122に搭載された信号接点パッド129のそれぞれのものと揃えられ得る。さらに、第1の面122に搭載された接地接点パッド130の各々は、横断方向Tに沿って第2の面124に搭載された接地接点パッド130のそれぞれのものと揃えられ得る。同様に、第2の面124に搭載された接地接点パッド130の各々は、横断方向Tに沿って1の面122に搭載された接地接点パッド130のそれぞれのものと揃えられ得る。
【0034】
[0047]基板120は、第1の面122および第2の面124の一方または両方に搭載される引き込み接点パッド134をさらに含む。引き込み接点パッド134の各々は、長手方向Lに沿って信号接点パッド129のそれぞれの揃えられた1つと揃えられる。さらに、引き込み接点パッド134の各々は、引き込み接点パッド134と信号接点パッド129との間の間隔を規定するために、長手方向Lに沿って信号接点パッド129のそれぞれの揃えられた1つから離間される。係合部62(
図2Dを参照)は、基板120が電気コネクタ40のレセプタクル内に挿入されるにつれて、信号接点パッド129に沿って乗る前に、引き込み接点パッド134に沿って乗るように構成される。
【0035】
[0048]引き込み接点パッド134の各々は、長手方向Lに沿った前方方向において、信号接点パッド129のそれぞれの1つから離間される。したがって、引き込み接点パッド134は、基板120の信号接点パッド129と前方端部136aとの間に配置される。この点に関して、基板120は、前方端部136aと、長手方向Lに沿って前方端部136aから離間された後方端部136bとを規定する。前方端部136aは、前方方向において後方端部136bから離間される。基板120の前方方向は、電気コネクタ40の前方方向と反対である。同様に、後方端部136bは、前方方向と反対の後方方向において前方端部136aから離間される。基板120の後方方向は、電気コネクタ40の後方方向と反対である。基板120の前方方向および後方方向は各々、長手方向Lに沿った向きとされる。動作中に、基板120の前方端部136aは、電気コネクタ40に対する前方方向への基板120の移動により、電気コネクタ40のレセプタクル内に受け入れられる。
【0036】
[0049]したがって、基板120の前方端部136aは、基板120の先端と称されてもよく、基板120の後方端部は、終端と称されてもよい。同様に、第1および第2の複数の接点パッド126および128の各々は、後縁と、前方方向において後縁から離間された先縁とを含む。例えば、信号接点パッド129の各々は、後縁129aと、前方方向において後縁129aから離間された先縁129bとを含む。同様に、引き込み接点パッド134の各々は、後縁134aと、前方方向において後縁134aから離間された先縁134bとを含む。接地接点パッド130の各々は、後縁130aと、前方方向において後縁130aから離間された先縁130bとを含む。引き込み接点パッド134の先縁134bは、横方向Aに沿って接地接点パッド130の先縁130bと揃えられ得る。引き込み接点パッド134の各々の後縁134aは、長手方向Lに沿って信号接点パッド129の揃えられた1つの先縁129bから離間される。引き込み接点パッド134は、導電性であり、信号接点パッド129に関して同じ材料または異なる材料から作製され得る。
【0037】
[0050]先縁129bは、横方向Aおよび横断方向Tによって規定されるそれぞれの平面に沿って、互いに揃えられ得る。さらに、後縁129aは、横方向Aおよび横断方向Tによって規定される平面に沿って、互いに揃えられ得る。さらに、先縁134bは、横方向Aおよび横断方向Tによって規定される平面に沿って、互いに揃えられ得る。さらに、後縁134aは、横方向Aおよび横断方向Tによって規定される平面に沿って、互いに揃えられ得る。さらにまた、先縁130bは、横方向Aおよび横断方向Tによって規定される平面に沿って、互いに揃えられ得る。さらにまた、後縁130aは、横方向Aおよび横断方向Tによって規定される平面に沿って、互いに揃えられ得る。先端および先縁は、電気コネクタ40内への基板120の挿入の方向、または係合方向に関して識別されることが認識される。挿入の方向または係合方向は、長手方向Lに沿った向きとされることが認識される。
【0038】
[0051]信号接点パッド129の各々は、長手方向Lに沿って後縁129aから先縁129bまでの信号接点パッド長さL3を規定する。信号接点パッド長さL3は、上述された従来の基板20の信号接点長さL1よりも、オフセット距離だけ短い。したがって、信号接点長さL3は、1.85mm未満である。一例において、オフセット距離は、およそ0.2mmとし得る。したがって、信号接点長さL3は、およそ1.65mmとし得る。オフセット距離は、従来の基板20の信号接点パッド29の信号接点長さL1の5~25%の範囲内に、例えば、信号接点長さL1のおよそ10~15%未満など、例えば、信号接点長さL1のおよそ11%未満などにし得ることが認識されるべきである。「およそ」という用語は、ここでは、製作公差に起因する、または丸めに起因するばらつきを示すために、百分率に関して使用される。
【0039】
[0052]信号接点長さL1と比較した信号接点長さL3の低減は、信号接点パッド129の先縁129bを、従来の基板20の先縁29bに関して、基板120の前方端部136aからさらに遠くに位置付けることによって達成され得る。したがって、信号接点パッド129の各々の先縁129bは、長手方向Lに沿って、上述された距離D1より大きい距離D7だけ、基板120の前方端部136aから離間される。特に、先縁129bは、先縁29bが前方端部36aから離間されるよりも、必要に応じて任意の距離だけ、前方端部136aから遠くに離間される。例えば、この距離は、オフセット距離と等しくてもよい。一例において、距離D7は、距離D1よりもおよそ0.2mm大きくし得る。代替的に、この距離は、オフセット距離未満としてもよい。さらに代替的に、この距離は、オフセット距離よりも大きくしてもよい。したがって、距離D7は、必要に応じて、距離D1よりも任意の適切な量だけ大きくし得ることが認識されるべきである。
【0040】
[0053]同様に、先縁129bは、先縁29bに関して後方へオフセットされるので、先縁129bは、長手方向Lに沿って、基板120の後方端部36bから、上述された距離D2未満の距離D8だけ離間される。特に、先縁129bは、先縁29bが後方端部36bから離間されるよりも、必要に応じて任意の距離だけ小さく、後方端部136bから離間される。例えば、この距離は、オフセット距離と等しくし得る。一例において、距離D8は、距離D2よりもおよそ0.2mmだけ小さくし得る。代替的に、この距離は、オフセット距離未満としてもよい。さらに代替的に、この距離は、オフセット距離より大きしてもよい。したがって、距離D8は、必要に応じて、距離D2よりも任意の適切な量だけ小さくし得ることが認識されるべきである。
【0041】
[0054]さらに、後縁129aは、従来の基板20の後方端部36bから後縁29aが離間される距離と等しい距離だけ、長手方向Lに沿って基板120の後方端部136bから離間され得ることが認識されるべきである。代替的に、後縁129aは、従来の基板20の後方端部36bから後縁29aが離間される距離よりも大きい距離だけ、長手方向Lに沿って基板120の後方端部136bから離間されてもよい。また代替的に、後縁129aは、従来の基板20の後方端部36bから後縁29aが離間される距離よりも小さい距離だけ、長手方向Lに沿って基板120の後方端部136bから離間されてもよい。
【0042】
[0055]引き込み接点パッド134は、長手方向Lに沿って後縁134aから先縁134bまで測定されるような、引き込み接点パッド長さL4を規定することができる。基板120の信号接点長さL3は、従来の基板20の信号接点長さL1に関して低減されるので、基板120の接点パッド長さL4は、従来の基板20の接点パッド長さL2に関して、必要に応じて任意の適切な距離だけ増加され得る。例えば、この距離は、オフセット距離と等しくし得る。したがって、この距離は、およそ0.2mmとし得る。代替的に、この距離は、オフセット距離より大きくてもよい。さらに代替的に、この距離は、オフセット距離未満であってもよい。
【0043】
[0056]増加された引き込み接点パッド長さL4は、従来の基板20の後縁34aに関して、長手方向Lに沿って基板120の前方端部136aからさらに遠くに後縁134aを位置付けることによって達成され得る。後縁134aは、長手方向Lに沿って、必要に応じて任意の距離だけ、後縁134aに関して前方端部136aからさらに遠くに位置付けられ得る。例えば、この距離は、オフセット距離と等しくし得る。代替的に、この距離は、オフセット距離より大きくてもよい。さらに代替的に、この距離は、オフセット距離未満であってもよい。先縁134bは、長手方向Lに沿って従来の基板20の前方端部36aから先縁34bが離間されるのとおよそ同じ距離だけ、基板120の前方端部136aから離間され得る。代替的に、先縁134bは、長手方向Lに沿って従来の基板20の前方端部36aから先縁34bが離間される距離と異なる距離だけ、基板120の前方端部136aから離間されてもよい。
【0044】
[0057]上述されたように、引き込み接点パッド134の後縁134aおよび信号接点パッド129の先縁129bは、それぞれ後縁34aおよび先縁29bに関して後方方向へずらされている。したがって、接点パッド134は、長手方向Lに沿って、信号接点の先縁129bから、上述されたのと同じ距離だけ離間される。例えば、引き込み接点パッド134の各々の後縁134aは、長手方向Lに沿って、信号接点パッド129の揃えられた1つの先縁129bから、距離D9だけ離間され得る。つまり、引き込み接点パッド134を信号接点パッド129の揃えられたものから分離する間隔は、長手方向Lに沿った距離D9を規定する。距離D9は、従来の基板20の距離D3とおよそ等しくし得る。
【0045】
[0058]信号接点パッド129の各々は、後縁129aと先縁129bとの間の接触位置138をさらに規定する。特に、基板120が、電気コネクタ40のレセプタクル内に受け入れられるにつれて、電気コネクタの信号接点44の係合部62は、接触位置138において信号接点パッド129と物理的および電気的に接触させられる前に、引き込み接点パッド134に沿ってワイプすることができる。基板120が、電気コネクタ40と完全に係合されると、係合部62は、信号接点パッド129とそれぞれの接触位置138において物理的に接触する。接触位置138は、横方向Aおよび横断方向Tによって規定されるそれぞれの平面に沿って互いに揃えられ得る。
【0046】
[0059]接触位置138は、長手方向Lに沿って基板120の前方端部136aから距離D10だけ離間される。距離D10は、長手方向Lに沿って従来の基板20の前方端部36aから接触位置38が離間される距離D4とおよそ等しくし得る。さらに、接触位置138は、長手方向Lに沿って基板120の後方端部136bから距離D11だけ離間される。距離D11は、長手方向Lに沿って従来の基板20の後方端部36bから接触位置38が離間される距離D5とおよそ等しくし得る。さらに、接触位置138の各々は、長手方向Lに沿って信号接点パッド129の先縁129bから距離D12だけ離間され得る。距離D12は、従来の基板20の先縁29bから接触位置38が離間される距離D6未満とし得る。例えば、距離D12は、距離D6よりもオフセット距離だけ小さくし得る。したがって、1つの例において、接触位置138は、長手方向Lに沿っておよそ1.55mmの距離だけ先縁129から離間され得る。代替的に、距離D12は、距離D6よりもオフセット距離より大きい分だけ小さくてもよい。代替的に、距離D12は、距離D6よりもオフセット距離より小さい分だけ小さくてもよい。距離D12は、D6の5~25%未満の範囲内に、例えば、D6のおよそ10~15%未満など、例えば、D6のおよそ11.5%未満などにし得ることが認識されるべきである。低減された距離D12は、信号接点パッド129のスタブ長を低減する。理論によって拘束されることなく、低減されたスタブ長は、ここで説明されるように、動作中の電気コネクタ40の性能を改善すると考えられる。
【0047】
[0060]減少させた信号接点長さを有する電気コネクタの性能は、減少させた信号接点長さおよび増加させた導体パッド長さを除いて、他の点では同一に構築される従来の電気コネクタと比較して、改善されることが分かった。例えば、
図5Aに例示されるように、基板120の差動信号対のインピーダンスは、基板20の差動対のインピーダンスよりも良好にマッチングされることが例示される。例えば、基板120の差動信号対のインピーダンスは、30ピコ秒の立ち上がり時間で0ナノ秒から1.5ナノ秒までに5オーム超または100オーム未満の範囲内である。
図5Bを参照すると、本工業界においては、電気コネクタがその使用可能な帯域幅を越えて動作しているとき(すなわち、反射減衰が-10dBと交差する場所)を識別するために、反射減衰閾値、例えば、およそ-10dBなどが、反射減衰における基準点として使用されることが認識される。
図5Bは、基板120の差動信号対が、反射減衰閾値41に到達せずに、基板20の差動信号対よりもおよそ6GHz大きく動作することができることを識別する。その結果、その少なくとも1つの基板が基板120に関して上述されたように構築される電気コネクタは、その少なくとも1つの基板が基板20に関して上述されたように構築される従来の電気コネクタよりも、およそ12ギガビット/秒大きく動作することができる。例えば、その少なくとも1つの基板が基板120に関して上述されたように構築される電気コネクタは、24ギガビット/秒で動作することができる。その少なくとも1つの基板が基板120に関して上述されたように構築される電気コネクタは、およそ8GHzにおいて反射減衰サックアウトを経験し得るが、電気コネクタは、約8GHzの周波数において動作するであろうことが認識される。
【0048】
[0061]上述された構造および寸法を有する基板120を設計し、構築するための方法は、本開示の範囲内で想定されることが認識されるべきである。上述された構造および寸法を有する、少なくとも1つの基板120を含むコネクタを設計し、構築するための方法は、本開示の範囲内で想定されることがさらに認識されるべきである。
【0049】
[0062]さらに、基板120aおよび120bの一方または両方を電気コネクタ40と係合させる方法が提供されることが認識されるべきである。例えば、本方法は、基板120aおよび120bの少なくとも一方または両方の前方端部136aを電気コネクタ40のレセプタクル内に挿入方向へ挿入するステップを含むことができる。例えば、挿入するステップは、第1の基板120aを上部レセプタクル45a内に挿入し、第2の基板120bを下部レセプタクル45b内に挿入するステップを含むことができる。本方法は、電気コネクタ40の複数の電気接点44の係合端部62と複数の電気信号接点パッド129のそれぞれのものとを接触させるステップをさらに含むことができる。例えば、接触させるステップは、電気コネクタ40の複数の電気接点44の係合端部62と複数の電気信号接点パッド129のそれぞれのものとそれぞれの接触位置138において接触させることを含むことができる。コネクタ筐体と第1の基板120aおよび第2の基板120bの少なくとも1つとの間の干渉は、第1の基板120aおよび第2の基板120bの少なくとも1つが、電気コネクタ40と完全に係合されたときに、第1の基板120aおよび第2の基板120bの少なくとも1つが、コネクタ筐体42の対応する少なくとも1つのレセプタクル内へ挿入方向に沿ってさらに挿入されることを防止することができる。本方法は、係合端部162を複数の電気信号接点パッド129のそれぞれのものと接触させる前に、引き込み接点パッド134に沿って係合端部162をワイプするステップをさらに含むことができる。
【0050】
[0063]前述の説明は、説明の目的のために提供されており、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。様々な実施形態が、好ましい実施形態または好ましい方法に関して説明されてきたが、本明細書において使用された文言は、限定の文言よりもむしろ、説明および例示の文言であることが理解される。さらに、実施形態は、特定の構造、方法および実施形態に関して本明細書において説明されてきたが、本発明は、本明細書において開示された詳細に限定されることを意図されない。例えば、1つの実施形態に関連して説明された構造および方法は、別段の指示がない限り、本明細書において説明された他のすべての実施形態に対して等しく適用可能であることが認識されるべきである。この明細書の教示の利益を有する当業者は、本明細書において説明されたような本発明に対して多くの変形をもたらしてもよく、例えば、添付の特許請求の範囲に述べられるような、本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに、変更が行なわれてもよい。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気コネクタに受け入れられるように構成された基板であって、
終端と、前記電気コネクタ内への前記基板の挿入の方向において前記終端から離間された先端と、
少なくとも1つの面と、
前記少なくとも1つの面に搭載され、後縁と前記挿入の方向において前記後縁から離間された先縁とを規定する少なくとも1つの電気信号接点パッドとを備え、前記電気信号接点パッドは、前記電気コネクタに受け入れられるように構成された別の基板の信号接点パッドの別の信号接点パッド長さよりもオフセット距離だけ小さい、前記先縁から前記後縁までの信号接点パッド長さを有する、基板。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0050】
[0063]前述の説明は、説明の目的のために提供されており、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。様々な実施形態が、好ましい実施形態または好ましい方法に関して説明されてきたが、本明細書において使用された文言は、限定の文言よりもむしろ、説明および例示の文言であることが理解される。さらに、実施形態は、特定の構造、方法および実施形態に関して本明細書において説明されてきたが、本発明は、本明細書において開示された詳細に限定されることを意図されない。例えば、1つの実施形態に関連して説明された構造および方法は、別段の指示がない限り、本明細書において説明された他のすべての実施形態に対して等しく適用可能であることが認識されるべきである。この明細書の教示の利益を有する当業者は、本明細書において説明されたような本発明に対して多くの変形をもたらしてもよく、例えば、添付の特許請求の範囲に述べられるような、本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに、変更が行なわれてもよい。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 電気コネクタに受け入れられるように構成された基板であって、
終端と、前記電気コネクタ内への前記基板の挿入の方向において前記終端から離間された先端と、
少なくとも1つの面と、
前記少なくとも1つの面に搭載され、後縁と前記挿入の方向において前記後縁から離間された先縁とを規定する少なくとも1つの電気信号接点パッドとを備え、前記電気信号接点パッドは、前記電気コネクタに受け入れられるように構成された別の基板の信号接点パッドの別の信号接点パッド長さよりもオフセット距離だけ小さい、前記先縁から前記後縁までの信号接点パッド長さを有する、基板。
[2] 前記オフセット距離は、およそ0.2mmである、[1]に記載の基板。
[3] 前記少なくとも1つの電気信号接点パッドの前記信号接点パッド長さは、前記別の信号接点パッド長さよりも、およそ5%からおよそ25%小さい、[1]または[2]に記載の基板。
[4] 前記信号接点パッド長さは、およそ1.65mmである、[1]から[3]のいずれか一項に記載の基板。
[5] 少なくとも1つの導電性の信号接点パッドは、対に構成された複数の導電性パッドを備え、前記基板は、前記対の間に配置される接地接点パッドをさらに備える、[1]から[4]のいずれか一項に記載の基板。
[6] 前記少なくとも1つの電気信号接点パッドと前記先端との間に配置される電気引き込み接点パッドをさらに備え、前記引き込み接点パッドは、前記別の基板の引き込み接点パッド長さよりも大きい引き込み接点パッド長さを有する、[1]から[4]のいずれか一項に記載の基板。
[7] 前記基板の前記引き込み接点パッド長さは、前記別の基板の前記引き込み接点パッド長さよりも前記オフセット距離だけ大きい、[6]に記載の基板。
[8] 前記少なくとも1つの引き込み接点パッドの前記後縁は、前記基板の前記先端から、前記別の基板の引き込み接点パッドの後縁が前記別の基板の先端から離間される距離よりも大きい距離だけ離間される、[6]または[7]に記載の基板。
[9] 前記引き込み接点パッドは、選ばれた信号接点の前記先縁から、他の実質的に同一の基板の前記接点パッドが、前記別の基板の前記信号接点の前記先縁から離間される距離と等しい距離だけ離間される、[6]から[8]のいずれか一項に記載の基板。
[10] 前記少なくとも1つの導電性の信号接点パッドは、対に構成された複数の導電性パッドを備え、前記基板は、
前記対の間に配置された接地接点パッドと、
各々が前記挿入の方向に沿って前記電気信号接点パッドのそれぞれの1つと揃えられる複数の引き込み接点パッドと
をさらに備える、[6]から[9]のいずれか一項に記載の基板。
[11] 前記少なくとも1つの電気信号接点パッドの前記先縁は、前記基板の前記先端から、他の実質的に同一の基板の信号接点の先縁が他の実質的に同一の基板の前記先端から離間される距離よりもおよそ2mm大きく離間される、[1]から[10]のいずれか一項に記載の基板。
[12] 前記少なくとも1つの電気信号接点パッドは、前記基板が前記電気コネクタと完全に係合されたときに、前記電気コネクタの信号接点の取り付け部と接触するように構成される接触位置を規定し、前記接触位置は、前記電気信号接点パッドの先縁からおよそ1.55mmの距離だけ離間される、[1]から[11]のいずれか一項に記載の基板。
[13] 前記少なくとも1つの電気信号接点パッドは、前記基板が前記電気コネクタと完全に係合されたときに、前記電気コネクタの信号接点の取り付け部と接触するように構成される接触位置を規定し、前記接触位置は、前記電気信号接点パッドの先縁から、前記別の基板の接触位置が前記別の信号接点パッドの先端から離間される対応する距離よりも小さい距離だけ離間される、[1]から[11]のいずれか一項に記載の基板。
信号接点パッド。
[14] 前記少なくとも1つの電気信号接点パッドの接触位置は、前記基板の前記先端から、他の実質的に同一の基板の前記接触位置が、他の実質的に同一の基板の前記先端から離間される距離と等しい距離だけ離間される、[10]から[13]のいずれか一項に記載の基板。
[15] 引き込み接点パッド長さおよび前記信号接点パッド長さを除いて、前記別の基板と実質的に同一に構成された、[1]から[14]のいずれか一項に記載の基板。 [16] 前記少なくとも1つの面は、各々が複数の導電性の信号接点パッドと、接地接点パッドと、引き込み接点パッドとを搭載する第1の面と第2の面とを備える、[6]から[15]のいずれか一項に記載の基板。
[17] 電気コネクタであって、コネクタ筐体と、前記コネクタ筐体に支持される複数の電気接点とを備え、前記電気接点は、前記コネクタ筐体の少なくとも1つのレセプタクル内へ延在する係合端部を有し、前記少なくとも1つのレセプタクルは、前記電気接点と前記基板とを係合させるように、[4]から[16]のいずれか一項に記載の基板の少なくとも1つを受け入れるように構成される、電気コネクタ。
[18] SASコネクタ、ミニSASコネクタ、またはミニSAS HDコネクタとして構成される、[17]に記載の電気コネクタ。
[19] [5]から[16]のいずれか一項に記載の基板と、[17]に記載の電気コネクタとを係合させる方法であって、
前記基板の前記先端を前記電気コネクタのレセプタクル内へ挿入方向に挿入するステップと、
前記電気コネクタの複数の電気接点の係合端部と、複数の電気信号接点パッドのそれぞれのものとを接触させるステップと
を備える、方法。
[20] 前記係合端部と前記複数の電気信号接点パッドのそれぞれのものとを接触させる前に、前記係合端部を引き込み接点パッドに沿ってワイプするステップをさらに備える、[19]に記載の方法。
【外国語明細書】