(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164831
(43)【公開日】2023-11-14
(54)【発明の名称】増加量のエアロゾル前駆体組成物の随時送達のための喫煙品、カートリッジおよび関連方法
(51)【国際特許分類】
A24F 40/30 20200101AFI20231107BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20231107BHJP
A24F 40/10 20200101ALN20231107BHJP
【FI】
A24F40/30
A24F40/42
A24F40/10
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023132469
(22)【出願日】2023-08-16
(62)【分割の表示】P 2019531655の分割
【原出願日】2017-12-14
(31)【優先権主張番号】15/378,772
(32)【優先日】2016-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516097871
【氏名又は名称】アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アルフレッド・チャールズ・ブレス
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ・ジェイコブ・ノバック・ザ・サード
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・ベンソン・シアーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】ジャレッド・オーラー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】増加量のエアロゾル前駆体組成物の随時送達のための喫煙品、カートリッジおよび方法を提供する。
【解決手段】カートリッジ300は、ハウジング302と、ハウジング内に配置され、それぞれがエアロゾル前駆体組成物をその中に有する2つ以上のチャンバを画定するリザーバ316とを含む。リザーバは、エアロゾル前駆体組成物のうちのいずれかからエアロゾルを形成するように構成されたエアロゾル形成構成308と流体連通し、2つ以上のチャンバのそれぞれのエアロゾル前駆体組成物は、実質的に等しい通常量でエアロゾル形成構成に導かれる。カートリッジは、チャンバのうちのいずれか1つを選択的かつ動作可能に係合させ、それに係合しているチャンバからエアロゾル形成構成に増加量のエアロゾル前駆体組成物を導くように構成されたアクチュエータ328をさらに含み、増加量は、エアロゾル前駆体組成物の通常量よりも多い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙品であって、
制御本体と、
制御本体に係合したカートリッジと、を含み、カートリッジが、
近位端と、制御本体に係合可能な反対側の遠位端とを有するハウジングと、
ハウジング内に配置され、ハウジングの近位端に向かって配置された第1の端部からハウジングの遠位端に向かって配置された第2の端部まで長手方向に延びるリザーバであって、リザーバは、各々がその中に配置されたエアロゾル前駆体組成物を有する2つ以上のチャンバを画定し、エアロゾル前駆体組成物のうちのいずれかからエアロゾルを形成するように構成されたエアロゾル形成構成と流体連通し、2つ以上のチャンバのそれぞれのエアロゾル前駆体組成物は、実質的に等しい通常量でエアロゾル形成構成に導かれる、リザーバと、
ハウジングに係合し、リザーバによって画定された2つ以上のチャンバのうちのいずれか1つに選択的かつ動作可能に係合するように構成されたアクチュエータであって、アクチュエータが、その作動時に、それに係合しているチャンバからエアロゾル形成構成に増加量のエアロゾル前駆体組成物を導くように構成され、増加量が、エアロゾル前駆体組成物の通常量よりも多い、アクチュエータと、
を含む、喫煙品。
【請求項2】
カートリッジが、アクチュエータと動作可能に係合したチャンバから導かれた増加量のエアロゾル前駆体組成物がリザーバの2つ以上のチャンバのうちの他のチャンバに逆流するのを選択的に防止するように構成された逆流防止装置をさらに含む、請求項1に記載の喫煙品。
【請求項3】
逆流防止機構が、2つ以上の整列したディスクを含み、ディスクの一方が、それらを通る共通軸を中心にして他方に対して独立して回転可能であり、ディスクが、共通軸に沿って互いに対して直列に配置される、請求項2に記載の喫煙品。
【請求項4】
2つ以上のディスクの第1のディスクおよび第2のディスクが、それぞれ複数の供給ポートを画定し、各供給ポートが2つ以上のチャンバに対応し、第1のディスクの供給ポートが第2のディスクの供給ポートと一致するようにディスクのうちの1つを回転させることにより、リザーバから供給ポートを通して、2つ以上のチャンバの実質的に等しい通常量のそれぞれのエアロゾル前駆体組成物を供給し、エアロゾル形成構成に導くことが可能になる、請求項3に記載の喫煙品。
【請求項5】
第1および第2のディスクの供給ポートが、共通軸から始まる半径に沿って等距離に配置され、供給ポートが、それぞれの第1および第2のディスクの周りに実質的に等しく角度を付けて離間される、請求項4に記載の喫煙品。
【請求項6】
増強ポートが、チャンバのうちの1つと関連する第2のディスクの供給ポートの一方と一致するように第1のディスクが回転すると、第1のディスクが第2のディスクの他方の供給ポートを塞ぎ、チャンバの一方からチャンバの他方への増加量のエアロゾル前駆体組成物の逆流を防止するように、第1のディスクが、半径に沿って供給ポートに対して等距離に配置されかつ各供給ポートから角度を付けて離間された増強ポートを画定する、請求項5に記載の喫煙品。
【請求項7】
第1および第2のディスクが、それぞれ3つの供給ポートを画定し、3つの供給ポートが互いから約120度の角度を付けて離間され、第1のディスクが、増強ポートが供給ポートのうちの2つのそれぞれから約60度に配置されるように、供給ポートのうちの2つの間に増強ポートを画定する、請求項6に記載の喫煙品。
【請求項8】
アクチュエータが、2つ以上のチャンバのうちの1つと流体連通している可撓性バルブを含み、バルブと流体連通しているチャンバが、その容積を減少させることによってバルブの作動に応答して、チャンバ内の増加量のエアロゾル前駆体組成物をエアロゾル形成構成に供給するように構成される、請求項1に記載の喫煙品。
【請求項9】
アクチュエータがポンプ装置と連通し、ポンプ装置が2つ以上のチャンバのうちの1つと流体連通し、ポンプ装置と流体連通しているチャンバが、アクチュエータによるポンプ装置の作動に応答して、チャンバまたはその中のエアロゾル前駆体組成物を加圧し、チャンバ内の増加量のエアロゾル前駆体組成物をエアロゾル形成構成に供給するように構成される、請求項1に記載の喫煙品。
【請求項10】
アクチュエータがピストン部材と連通し、ピストン部材が2つ以上のチャンバのうちの1つと流体連通し、ピストン部材と流体連通しているチャンバが、アクチュエータによるピストン部材の作動に応答して、チャンバの容積を減少させ、チャンバ内の増加量のエアロゾル前駆体組成物をエアロゾル形成構成に供給するように構成される、請求項1に記載の喫煙品。
【請求項11】
制御本体が制御構成要素、流量センサおよび電池を含み、エアロゾル形成構成が、電池と電気的に連絡しかつそれに応答して熱を生成するように構成された抵抗加熱要素を含み、エアロゾル前駆体組成物が、加熱要素によって生成された熱と相互作用するとエアロゾルを生成するエアロゾル形成構成に導かれる、請求項1に記載の喫煙品。
【請求項12】
加熱要素によって生成された熱と相互作用するようにエアロゾル前駆体組成物を導くように構成された輸送要素と、1つ以上のチャンバと輸送要素との間に動作可能に係合した収着要素とを含み、収着要素が、エアロゾル前駆体組成物を収着して受容し、輸送要素にエアロゾル前駆体組成物を供給するように構成される、請求項11に記載の喫煙品。
【請求項13】
カートリッジが、マウスピース要素を形成する近位端を有する流管を画定し、流管が、2つ以上のチャンバの間で、エアロゾル形成構成と流体連通している遠位端まで延びて、マウスピース要素に加えられた吸引に応答して、そこからエアロゾルをマウスピース要素を通して導く、請求項1に記載の喫煙品。
【請求項14】
2つ以上のチャンバのそれぞれが、異なる香味、異なる割合の有効成分または異なる組成のエアロゾル前駆体組成物を含む、請求項1に記載の喫煙品。
【請求項15】
喫煙品用のカートリッジであって、カートリッジが、
近位端と、喫煙品の制御本体に係合可能な反対側の遠位端とを有するハウジングと、
ハウジング内に配置され、ハウジングの近位端に向かって配置された第1の端部からハウジングの遠位端に向かって配置された第2の端部まで長手方向に延びるリザーバであって、リザーバは、各々がその中に配置されたエアロゾル前駆体組成物を有する2つ以上のチャンバを画定し、エアロゾル前駆体組成物のうちのいずれかからエアロゾルを形成するように構成されたエアロゾル形成構成と流体連通し、2つ以上のチャンバのそれぞれのエアロゾル前駆体組成物は、実質的に等しい通常量でエアロゾル形成構成に導かれる、リザーバと、
ハウジングに係合し、リザーバによって画定された2つ以上のチャンバのうちのいずれか1つに選択的かつ動作可能に係合するように構成されたアクチュエータであって、アクチュエータが、その作動時に、それに係合しているチャンバからエアロゾル形成構成に増加量のエアロゾル前駆体組成物を導くように構成され、増加量が、エアロゾル前駆体組成物の通常量よりも多い、アクチュエータと、
を含む、カートリッジ。
【請求項16】
アクチュエータと動作可能に係合したチャンバから導かれた増加量のエアロゾル前駆体組成物が、リザーバの2つ以上のチャンバのうちの他のチャンバに逆流するのを選択的に防止するように構成された逆流防止装置を含む、請求項15に記載のカートリッジ。
【請求項17】
逆流防止機構が、2つ以上の整列したディスクを含み、ディスクの一方が、それらを通る共通軸を中心にして他方に対して独立して回転可能であり、ディスクが、共通軸に沿って互いに対して直列に配置される、請求項16に記載のカートリッジ。
【請求項18】
2つ以上のディスクの第1のディスクおよび第2のディスクが、それぞれ複数の供給ポートを画定し、各供給ポートが2つ以上のチャンバに対応し、第1のディスクの供給ポートが第2のディスクの供給ポートと一致するようにディスクのうちの1つを回転させることにより、リザーバから供給ポートを通して、2つ以上のチャンバの実質的に等しい通常量のそれぞれのエアロゾル前駆体組成物を供給し、エアロゾル形成構成に導くことが可能になる、請求項17に記載のカートリッジ。
【請求項19】
第1および第2のディスクの供給ポートが、共通軸から始まる半径に沿って等距離に配置され、供給ポートが、それぞれの第1および第2のディスクの周りに実質的に等しく角度を付けて離間される、請求項18に記載のカートリッジ。
【請求項20】
増強ポートが、チャンバのうちの1つと関連する第2のディスクの供給ポートの一方と一致するように第1のディスクが回転すると、第1のディスクが、第2のディスクの他方の供給ポートを塞ぎ、チャンバの一方からチャンバの他方への増加量のエアロゾル前駆体組成物の逆流を防止するように、第1のディスクが、半径に沿って供給ポートに対して等距離に配置されかつ各供給ポートから角度を付けて離間された、増強ポートを画定する、請求項19に記載のカートリッジ。
【請求項21】
第1および第2のディスクがそれぞれ3つの供給ポートを画定し、3つの供給ポートが互いから約120度の角度を付けて離間され、第1のディスクが、増強ポートが供給ポートのうちの2つのそれぞれから約60度に配置されるように、供給ポートのうちの2つの間に増強ポートを画定する、請求項20に記載のカートリッジ。
【請求項22】
アクチュエータが、2つ以上のチャンバのうちの1つと流体連通している可撓性バルブを含み、バルブと流体連通しているチャンバが、その容積を減少させることによってバルブの作動に応答して、チャンバ内の増加量のエアロゾル前駆体組成物をエアロゾル形成構成に供給するように構成される、請求項15に記載のカートリッジ。
【請求項23】
アクチュエータがポンプ装置と連通し、ポンプ装置が2つ以上のチャンバのうちの1つと流体連通し、ポンプ装置と流体連通しているチャンバが、アクチュエータによるポンプ装置の作動に応答して、チャンバまたはその中のエアロゾル前駆体組成物を加圧し、チャンバ内の増加量のエアロゾル前駆体組成物をエアロゾル形成構成に供給するように構成される、請求項15に記載のカートリッジ。
【請求項24】
アクチュエータがピストン部材と連通し、ピストン部材が2つ以上のチャンバのうちの1つと流体連通し、ピストン部材と流体連通しているチャンバが、アクチュエータによるピストン部材の作動に応答して、チャンバの容積を減少させ、チャンバ内の増加量のエアロゾル前駆体組成物をエアロゾル形成構成に供給するように構成される、請求項15に記載のカートリッジ。
【請求項25】
エアロゾル形成構成が、電池と電気的に連絡しかつそれに応答して熱を生成するように構成された抵抗加熱要素を含み、エアロゾル前駆体組成物が、加熱要素によって生成された熱と相互作用するとエアロゾルを生成するエアロゾル形成構成に導かれる、請求項15に記載のカートリッジ。
【請求項26】
エアロゾル形成構成が、加熱要素によって生成された熱と相互作用するようにエアロゾル前駆体組成物を導くように構成された輸送要素と、1つ以上のチャンバと輸送要素との間に動作可能に係合した収着要素とを含み、収着要素が、エアロゾル前駆体組成物を収着して受容し、輸送要素にエアロゾル前駆体組成物を供給するように構成される、請求項25に記載のカートリッジ。
【請求項27】
ハウジングが、マウスピース要素を形成する近位端を有する流管を画定し、流管が、2つ以上のチャンバの間で、エアロゾル形成構成と流体連通している遠位端まで延びて、マウスピース要素に加えられた吸引に応答して、そこからエアロゾルをマウスピース要素を通して導く、請求項15に記載のカートリッジ。
【請求項28】
2つ以上のチャンバのそれぞれが、異なる香味、異なる割合の有効成分または異なる組成のエアロゾル前駆体組成物を含む、請求項15に記載のカートリッジ。
【請求項29】
喫煙品の製造方法であって、製造方法が、
エアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを形成するように構成されたエアロゾル形成構成と流体連通するようにリザーバを係合させることであって、リザーバは、カートリッジのハウジング内に配置され、ハウジングの近位端に向かって配置された第1の端部からハウジングの遠位端に向かって配置された第2の端部までそれぞれ長手方向に延びる2つ以上のチャンバを画定し、2つ以上のチャンバのそれぞれは、その中に配置されたエアロゾル前駆体組成物を有し、2つ以上のチャンバのそれぞれのエアロゾル前駆体組成物を実質的に等しい通常量でエアロゾル形成構成に導くように構成される、リザーバを係合させることと、
リザーバによって画定された2つ以上のチャンバのうちのいずれか1つにアクチュエータが選択的かつ動作可能に係合するように、アクチュエータをハウジングに係合させることであって、アクチュエータが、それに係合しているチャンバからエアロゾル形成構成に増加量のエアロゾル前駆体組成物を導くように作動可能に構成され、増加量が、エアロゾル前駆体組成物の通常量よりも多い、アクチュエータをハウジングに係合させることと、
を含む、製造方法。
【請求項30】
カートリッジのハウジングの近位端または遠位端を制御本体に係合させることを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
リザーバとエアロゾル形成構成との間でハウジング内に逆流防止装置を係合させることを含み、逆流防止装置が、アクチュエータと動作可能に係合したチャンバから導かれた増加量のエアロゾル前駆体組成物がリザーバの2つ以上のチャンバのうちの他のチャンバに逆流するのを選択的に防止するように構成される、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
逆流防止装置を係合させることが、リザーバとエアロゾル形成構成との間で、それらを通る共通軸に沿って整列しかつ互いに対して直列に配置された2つ以上のディスクを係合させることを含み、ディスクの一方が他方に対して独立して回転可能である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
2つ以上のディスクを係合させることが、第1および第2のディスクの一方が第1および第2のディスクの他方に対して回転可能であるように、それらの共通軸に沿って互いに対して第1および第2のディスクを直列に整列させることを含み、第1および第2のディスクのそれぞれが複数の供給ポートを画定し、各供給ポートが2つ以上のチャンバのうちの1つに対応し、第1のディスクの供給ポートが第2のディスクの供給ポートと一致するようにディスクのうちの1つを回転させることにより、リザーバから供給ポートを通して、2つ以上のチャンバの実質的に等しい通常量のそれぞれのエアロゾル前駆体組成物を供給し、エアロゾル形成構成に導くことが可能になる、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
供給ポートが共通軸から始まる半径に沿って等距離に配置され、供給ポートがそれぞれの第1および第2のディスクの周りに実質的に等しく角度を付けて離間されるように、第1および第2のディスクのそれぞれに供給ポートを形成することを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
第1のディスクに増強ポートを形成することを含み、増強ポートが、チャンバのうちの1つと関連する第2のディスクの供給ポートの一方と一致するように第1のディスクが回転すると、第1のディスクが第2のディスクの他方の供給ポートを塞ぎ、チャンバの一方からチャンバの他方への増加量のエアロゾル前駆体組成物の逆流を防止するように、増強ポートが、半径に沿って供給ポートに対して等距離に配置され、各供給ポートから角度を付けて離間される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
3つの供給ポートが互いから約120度の角度を付けて離間されるように3つの供給ポートを第1および第2のディスクのそれぞれに形成することと、増強ポートが供給ポートのうちの2つのそれぞれから約60度に配置されるように、供給ポートのうちの2つの間で第1のディスクに増強ポートを形成することとを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
アクチュエータを係合させることが、可撓性バルブをハウジングに係合させ、2つ以上のチャンバのうちの1つと流体連通させることを含み、それにより、バルブの作動が2つ以上のチャンバのうちの1つの容積を減少させて、チャンバからエアロゾル形成構成に増加量のエアロゾル前駆体組成物を供給する、請求項29に記載の方法。
【請求項38】
アクチュエータを係合させることが、2つ以上のチャンバのうちの1つと流体連通しているポンプ装置と連通するようにアクチュエータを係合させることを含み、それにより、アクチュエータによるポンプ装置の作動が、2つ以上のチャンバのうちの1つまたはその中のエアロゾル前駆体組成物を加圧して、チャンバからエアロゾル形成構成に増加量のエアロゾル前駆体組成物を供給する、請求項29に記載の方法。
【請求項39】
アクチュエータを係合させることが、2つ以上のチャンバのうちの1つと流体連通しているピストン部材と連通するようにアクチュエータを係合させることを含み、それにより、アクチュエータによるピストン部材の作動が、2つ以上のチャンバのうちの1つの容積を減少させて、チャンバからエアロゾル形成構成に増加量のエアロゾル前駆体組成物を供給する、請求項29に記載の方法。
【請求項40】
カートリッジのハウジングを制御本体に係合させることが、制御構成要素、流量センサおよび電池を含む制御本体を係合させることを含み、エアロゾル形成構成が抵抗加熱要素を含み、それにより、抵抗加熱要素が電池と電気的に連絡して、それに応答して熱を生成し、エアロゾル形成構成が、それに導かれたエアロゾル前駆体組成物と加熱要素によって生成された熱とが相互作用するとエアロゾルを生成する、請求項30に記載の方法。
【請求項41】
ハウジング内に配置された輸送要素と1つ以上のチャンバとの間に収着要素を動作可能に係合させることを含み、輸送要素が、加熱要素によって生成された熱と相互作用するようにエアロゾル前駆体組成物を導くように構成され、収着要素が、エアロゾル前駆体組成物を収着して受容し、輸送要素にエアロゾル前駆体組成物を供給するように構成される、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
マウスピース要素を形成する近位端を有する流管を、その遠位端がエアロゾル形成構成と流体連通するように、ハウジングの2つ以上のチャンバ間に係合させることを含み、流管が、マウスピース要素に加えられた吸引に応答して、エアロゾル形成構成からマウスピース要素を通してエアロゾルを導くように構成される、請求項29に記載の方法。
【請求項43】
2つ以上のチャンバのそれぞれに、異なる香味、異なる割合の有効成分または異なる組成のエアロゾル前駆体組成物を導入することを含む、請求項29に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、喫煙品に関し、さらに詳細には、増加量のエアロゾル前駆体組成物の随時送達のための喫煙品、カートリッジおよび関連方法に関し、増加量のエアロゾル前駆体組成物の随時送達は、ユーザ作動型アクチュエータによって実現される。
【背景技術】
【0002】
タバコを著しく燃焼することなく紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙感覚を提供しようと試みる多数の喫煙製品が開発されてきた。これらの製品の多くは、製品の個々の吸引ごとにエアロゾル形成構成に通常量のエアロゾル前駆体組成物を送達するために、香味発生剤、蒸気発生剤、様々なニコチン含有量などを含むエアロゾル前駆体組成物を有する。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Robinsonらの米国特許第7,726,320号明細書、Griffith,Jr.らの米国特許出願公開第2013/0255702号明細書、Sebastianらの米国特許出願公開第2014/0000638号明細書、Collettらの米国特許第8,881,737号明細書およびSearsらの米国特許出願公開第2014/0096781号明細書に記載の背景技術に記載されている喫煙品、エアロゾル送達装置および/または発熱源を含む様々な代替喫煙製品を参照されたい。
【0003】
しかし、そのような喫煙製品は、そのような製品の消費者が、エアロゾル形成構成に送達される増加量の単数または複数のエアロゾル前駆体組成物(すなわち、香味充填)を選択的に制御することを必ずしも可能にしない。さらに詳細には、そのような喫煙製品では、消費者がエアロゾル形成構成への増加量のエアロゾル前駆体組成物の送達を選択的に制御することができることは必ずしも明らかではなく、増加量は、例えば個々の吸引に基づいてエアロゾル形成構成に送達されるエアロゾル前駆体組成物の通常量よりも多い。消費者が増加量のエアロゾル前駆体組成物を選択的に制御できるような喫煙品は、それにより形成されるエアロゾルがエアロゾル形成構成に送達される増加量のエアロゾル前駆体組成物と直接関連した増加した特性を有するため、さらに望ましいものであり得る。そのような増加した特性には、例えば、有効成分(すなわち、ニコチン)含有量の増加、香味の増加、蒸気/エアロゾル生成の増加などが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7,726,320号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2013/0255702号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2014/0000638号明細書
【特許文献4】米国特許第8,881,737号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2014/0096781号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、生成される蒸気/エアロゾルの選択的に高められた特性を消費者に提供するために、増加量のエアロゾル前駆体組成物の随時送達のための喫煙品、カートリッジおよび関連方法を提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記および他の必要性は、一態様では、制御本体と、制御本体に係合したカートリッジとを含む喫煙品を提供する本開示の態様によって満たされる。カートリッジは、近位端と、制御本体に係合可能な反対側の遠位端とを有するハウジングを含む。リザーバは、ハウジング内に配置され、ハウジングの近位端に向かって配置された第1の端部からハウジングの遠位端に向かって配置された第2の端部まで長手方向に延びる。リザーバは、各々がその中に配置されたエアロゾル前駆体組成物を有する2つ以上のチャンバを画定し、エアロゾル前駆体組成物のうちのいずれかからエアロゾルを形成するように構成されたエアロゾル形成構成と流体連通する。2つ以上のチャンバのそれぞれのエアロゾル前駆体組成物は、実質的に等しい通常量でエアロゾル形成構成に導かれる。アクチュエータは、ハウジングに係合し、リザーバによって画定された2つ以上のチャンバのうちのいずれか1つに選択的かつ動作可能に係合するように構成される。アクチュエータは、その作動時に、それに係合しているチャンバからエアロゾル形成構成に増加量のエアロゾル前駆体組成物を導くように構成され、増加量は、エアロゾル前駆体組成物の通常量よりも多い。
【0007】
本開示の別の態様は、喫煙品用のカートリッジを提供し、カートリッジは、近位端と、喫煙品の制御本体に係合可能な反対側の遠位端とを有するハウジングを含む。リザーバは、ハウジング内に配置され、ハウジングの近位端に向かって配置された第1の端部からハウジングの遠位端に向かって配置された第2の端部まで長手方向に延びる。リザーバは、各々がその中に配置されたエアロゾル前駆体組成物を有する2つ以上のチャンバを画定し、エアロゾル前駆体組成物のうちのいずれかからエアロゾルを形成するように構成されたエアロゾル形成構成と流体連通する。2つ以上のチャンバのそれぞれのエアロゾル前駆体組成物は、実質的に等しい通常量でエアロゾル形成構成に導かれる。アクチュエータは、ハウジングに係合し、リザーバによって画定された2つ以上のチャンバのうちのいずれか1つに選択的かつ動作可能に係合するように構成される。アクチュエータは、その作動時に、それに係合しているチャンバからエアロゾル形成構成に増加量のエアロゾル前駆体組成物を導くように構成され、増加量は、エアロゾル前駆体組成物の通常量よりも多い。
【0008】
本開示のなお別の態様は、喫煙品の製造方法を提供し、そのような方法は、
エアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを形成するように構成されたエアロゾル形成構成と流体連通するようにリザーバを係合させることを含む。リザーバは、カートリッジのハウジング内に配置され、ハウジングの近位端に向かって配置された第1の端部からハウジングの遠位端に向かって配置された第2の端部までそれぞれ長手方向に延びる2つ以上のチャンバを画定する。2つ以上のチャンバのそれぞれは、その中に配置されたエアロゾル前駆体組成物を有し、2つ以上のチャンバのそれぞれのエアロゾル前駆体組成物を実質的に等しい通常量でエアロゾル形成構成に導くように構成される。リザーバによって画定された2つ以上のチャンバのうちのいずれか1つにアクチュエータが選択的かつ動作可能に係合するように、アクチュエータがハウジングに係合する。アクチュエータは、それに係合しているチャンバからエアロゾル形成構成に増加量のエアロゾル前駆体組成物を導くように選択的に作動可能に構成され、増加量は、エアロゾル前駆体組成物の通常量よりも多い。
【0009】
したがって、本開示は、限定することなく、以下の実施形態を含む。
【0010】
実施形態1:喫煙品であって、制御本体と、制御本体に係合したカートリッジとを含み、カートリッジが、
近位端と、制御本体に係合可能な反対側の遠位端とを有するハウジングと、ハウジング内に配置され、ハウジングの近位端に向かって配置された第1の端部からハウジングの遠位端に向かって配置された第2の端部まで長手方向に延びるリザーバであって、リザーバは、各々がその中に配置されたエアロゾル前駆体組成物を有する2つ以上のチャンバを画定し、エアロゾル前駆体組成物のうちのいずれかからエアロゾルを形成するように構成されたエアロゾル形成構成と流体連通し、2つ以上のチャンバのそれぞれのエアロゾル前駆体組成物は、実質的に等しい通常量でエアロゾル形成構成に導かれる、リザーバと、
ハウジングに係合し、リザーバによって画定された2つ以上のチャンバのうちのいずれか1つに選択的かつ動作可能に係合するように構成されたアクチュエータであって、アクチュエータが、その作動時に、それに係合しているチャンバからエアロゾル形成構成に増加量のエアロゾル前駆体組成物を導くように構成され、増加量が、エアロゾル前駆体組成物の通常量よりも多い、アクチュエータと、
を含む、喫煙品。
【0011】
実施形態2:任意の前述の実施形態の喫煙品であって、カートリッジが、アクチュエータと動作可能に係合したチャンバから導かれた増加量のエアロゾル前駆体組成物がリザーバの2つ以上のチャンバのうちの他のチャンバに逆流するのを選択的に防止するように構成された逆流防止装置をさらに含む、喫煙品。
【0012】
実施形態3:任意の前述の実施形態の喫煙品であって、逆流防止機構が、2つ以上の整列したディスクを含み、ディスクの一方が、それらを通る共通軸を中心にして他方に対して独立して回転可能であり、ディスクが、共通軸に沿って互いに対して直列に配置される、喫煙品。
【0013】
実施形態4:任意の前述の実施形態の喫煙品であって、2つ以上のディスクの第1のディスクおよび第2のディスクが、それぞれ複数の供給ポートを画定し、各供給ポートが2つ以上のチャンバに対応し、第1のディスクの供給ポートが第2のディスクの供給ポートと一致するようにディスクのうちの1つを回転させることにより、リザーバから供給ポートを通して、2つ以上のチャンバの実質的に等しい通常量のそれぞれのエアロゾル前駆体組成物を供給され得、エアロゾル形成構成に導くことが可能になる喫煙品。
【0014】
実施形態5:任意の前述の実施形態の喫煙品であって、第1および第2のディスクの供給ポートが、共通軸から始まる半径に沿って等距離に配置され、供給ポートが、それぞれの第1および第2のディスクの周りに実質的に等しく角度を付けて離間される、喫煙品。
【0015】
実施形態6:任意の前述の実施形態の喫煙品であって、増強ポートが、チャンバのうちの1つと関連する第2のディスクの供給ポートの一方と一致するように第1のディスクが回転すると、第1のディスクが第2のディスクの他方の供給ポートを塞ぎ、チャンバの一方からチャンバの他方への増加量のエアロゾル前駆体組成物の逆流を防止するように、第1のディスクが、半径に沿って供給ポートに対して等距離に配置されかつ各供給ポートから角度を付けて離間された増強ポートを画定する、喫煙品。
【0016】
実施形態7:任意の前述の実施形態の喫煙品であって、第1および第2のディスクがそれぞれ3つの供給ポートを画定し、3つの供給ポートが互いから約120度の角度を付けて離間され、第1のディスクが、増強ポートが供給ポートのうちの2つのそれぞれから約60度に配置されるように、供給ポートのうちの2つの間に増強ポートを画定する、喫煙品。
【0017】
実施形態8:任意の前述の実施形態の喫煙品であって、アクチュエータが、2つ以上のチャンバのうちの1つと流体連通している可撓性バルブを含み、バルブと流体連通しているチャンバが、その容積を減少させることによってバルブの作動に応答して、チャンバ内の増加量のエアロゾル前駆体組成物をエアロゾル形成構成に供給するように構成される、喫煙品。
【0018】
実施形態9:任意の前述の実施形態の喫煙品であって、アクチュエータがポンプ装置と連通し、ポンプ装置が2つ以上のチャンバのうちの1つと流体連通し、ポンプ装置と流体連通しているチャンバが、アクチュエータによるポンプ装置の作動に応答して、チャンバまたはその中のエアロゾル前駆体組成物を加圧し、チャンバ内の増加量のエアロゾル前駆体組成物をエアロゾル形成構成に供給するように構成される、喫煙品。
【0019】
実施形態10:任意の前述の実施形態の喫煙品であって、アクチュエータがピストン部材と連通し、ピストン部材が2つ以上のチャンバのうちの1つと流体連通し、ピストン部材と流体連通しているチャンバが、アクチュエータによるピストン部材の作動に応答して、チャンバの容積を減少させ、チャンバ内の増加量のエアロゾル前駆体組成物をエアロゾル形成構成に供給するように構成される、喫煙品。
【0020】
実施形態11:任意の前述の実施形態の喫煙品であって、制御本体が制御構成要素、流量センサおよび電池を含み、エアロゾル形成構成が、電池と電気的に連絡しかつそれに応答して熱を生成するように構成された抵抗加熱要素を含み、エアロゾル前駆体組成物が、加熱要素によって生成された熱と相互作用するとエアロゾルを生成するエアロゾル形成構成に導かれる、喫煙品。
【0021】
実施形態12:任意の前述の実施形態の喫煙品であって、加熱要素によって生成された熱と相互作用するようにエアロゾル前駆体組成物を導くように構成された輸送要素と、1つ以上のチャンバと輸送要素との間に動作可能に係合した収着要素とを含み、収着要素が、エアロゾル前駆体組成物を収着して受容し、輸送要素にエアロゾル前駆体組成物を供給するように構成される、喫煙品。
【0022】
実施形態13:任意の前述の実施形態の喫煙品であって、カートリッジが、マウスピース要素を形成する近位端を有する流管を画定し、流管が、2つ以上のチャンバの間で、エアロゾル形成構成と流体連通している遠位端まで延びて、マウスピース要素に加えられた吸引に応答して、そこからエアロゾルをマウスピース要素を通して導く、喫煙品。
【0023】
実施形態14:任意の前述の実施形態の喫煙品であって、2つ以上のチャンバのそれぞれが、異なる香味、異なる割合の有効成分または異なる組成のエアロゾル前駆体組成物を含む、喫煙品。
【0024】
実施形態15:喫煙品用のカートリッジであって、
近位端と、喫煙品の制御本体に係合可能な反対側の遠位端とを有するハウジングと、
ハウジング内に配置され、ハウジングの近位端に向かって配置された第1の端部からハウジングの遠位端に向かって配置された第2の端部まで長手方向に延びるリザーバであって、リザーバは、各々がその中に配置されたエアロゾル前駆体組成物を有する2つ以上のチャンバを画定し、エアロゾル前駆体組成物のうちのいずれかからエアロゾルを形成するように構成されたエアロゾル形成構成と流体連通し、2つ以上のチャンバのそれぞれのエアロゾル前駆体組成物は、実質的に等しい通常量でエアロゾル形成構成に導かれる、リザーバと、
ハウジングに係合し、リザーバによって画定された2つ以上のチャンバのうちのいずれか1つに選択的かつ動作可能に係合するように構成されたアクチュエータであって、アクチュエータが、その作動時に、それに係合しているチャンバからエアロゾル形成構成に増加量のエアロゾル前駆体組成物を導くように構成され、増加量が、エアロゾル前駆体組成物の通常量よりも多い、アクチュエータと、
を含む、カートリッジ。
【0025】
実施形態16:任意の前述の実施形態のカートリッジであって、アクチュエータと動作可能に係合したチャンバから導かれた増加量のエアロゾル前駆体組成物がリザーバの2つ以上のチャンバのうちの他のチャンバに逆流するのを選択的に防止するように構成された逆流防止装置を含む、カートリッジ。
【0026】
実施形態17:任意の前述の実施形態のカートリッジであって、逆流防止機構が、2つ以上の整列したディスクを含み、ディスクの一方が、それらを通る共通軸を中心にして他方に対して独立して回転可能であり、ディスクが、共通軸に沿って互いに対して直列に配置される、カートリッジ。
【0027】
実施形態18:任意の前述の実施形態のカートリッジであって、2つ以上のディスクの第1のディスクおよび第2のディスクが、それぞれ複数の供給ポートを画定し、各供給ポートが2つ以上のチャンバに対応し、第1のディスクの供給ポートが第2のディスクの供給ポートと一致するようにディスクのうちの1つを回転させることにより、リザーバから供給ポートを通して、2つ以上のチャンバの実質的に等しい通常量のそれぞれのエアロゾル前駆体組成物を供給し、エアロゾル形成構成に導くことが可能になる、カートリッジ。
【0028】
実施形態19:任意の前述の実施形態のカートリッジであって、第1および第2のディスクの供給ポートが、共通軸から始まる半径に沿って等距離に配置され、供給ポートが、それぞれの第1および第2のディスクの周りに実質的に等しく角度を付けて離間される、カートリッジ。
【0029】
実施形態20:任意の前述の実施形態のカートリッジであって、増強ポートが、チャンバのうちの1つと関連する第2のディスクの供給ポートの一方と一致するように第1のディスクが回転すると、第1のディスクが第2のディスクの他方の供給ポートを塞ぎ、チャンバの一方からチャンバの他方への増加量のエアロゾル前駆体組成物の逆流を防止するように、第1のディスクが、半径に沿って供給ポートに対して等距離に配置されかつ各供給ポートから角度を付けて離間された増強ポートを画定する、カートリッジ。
【0030】
実施形態21:任意の前述の実施形態のカートリッジであって、第1および第2のディスクがそれぞれ3つの供給ポートを画定し、3つの供給ポートが互いから約120度の角度を付けて離間され、第1のディスクが、増強ポートが供給ポートのうちの2つのそれぞれから約60度に配置されるように、供給ポートのうちの2つの間に増強ポートを画定する、カートリッジ。
【0031】
実施形態22:任意の前述の実施形態のカートリッジであって、アクチュエータが、2つ以上のチャンバのうちの1つと流体連通している可撓性バルブを含み、バルブと流体連通しているチャンバが、その容積を減少させることによってバルブの作動に応答して、チャンバ内の増加量のエアロゾル前駆体組成物をエアロゾル形成構成に供給するように構成される、カートリッジ。
【0032】
実施形態23:任意の前述の実施形態のカートリッジであって、アクチュエータがポンプ装置と連通し、ポンプ装置が2つ以上のチャンバのうちの1つと流体連通し、ポンプ装置と流体連通しているチャンバが、アクチュエータによるポンプ装置の作動に応答して、チャンバまたはその中のエアロゾル前駆体組成物を加圧し、チャンバ内の増加量のエアロゾル前駆体組成物をエアロゾル形成構成に供給するように構成される、カートリッジ。
【0033】
実施形態24:任意の前述の実施形態のカートリッジであって、アクチュエータがピストン部材と連通し、ピストン部材が2つ以上のチャンバのうちの1つと流体連通し、ピストン部材と流体連通しているチャンバが、アクチュエータによるピストン部材の作動に応答して、チャンバの容積を減少させ、チャンバ内の増加量のエアロゾル前駆体組成物をエアロゾル形成構成に供給するように構成される、カートリッジ。
【0034】
実施形態25:任意の前述の実施形態のカートリッジであって、エアロゾル形成構成が、電池と電気的に連絡しかつそれに応答して熱を生成するように構成された抵抗加熱要素を含み、エアロゾル前駆体組成物が、加熱要素によって生成された熱と相互作用するとエアロゾルを生成するエアロゾル形成構成に導かれる、カートリッジ。
【0035】
実施形態26:任意の前述の実施形態のカートリッジであって、エアロゾル形成構成が、加熱要素によって生成された熱と相互作用するようにエアロゾル前駆体組成物を導くように構成された輸送要素と、1つ以上のチャンバと輸送要素との間に動作可能に係合した収着要素とを含み、収着要素が、エアロゾル前駆体組成物を収着して受容し、輸送要素にエアロゾル前駆体組成物を供給するように構成される、カートリッジ。
【0036】
実施形態27:任意の前述の実施形態のカートリッジであって、ハウジングが、マウスピース要素を形成する近位端を有する流管を画定し、流管が、2つ以上のチャンバの間で、エアロゾル形成構成と流体連通している遠位端まで延びて、マウスピース要素に加えられた吸引に応答して、そこからエアロゾルをマウスピース要素を通して導く、カートリッジ。
【0037】
実施形態28:任意の前述の実施形態のカートリッジであって、2つ以上のチャンバのそれぞれが、異なる香味、異なる割合の有効成分または異なる組成のエアロゾル前駆体組成物を含む、カートリッジ。
【0038】
実施形態29:喫煙品の製造方法であって、エアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを形成するように構成されたエアロゾル形成構成と流体連通するようにリザーバを係合させることであって、ここでリザーバは、カートリッジのハウジング内に配置され、ハウジングの近位端に向かって配置された第1の端部からハウジングの遠位端に向かって配置された第2の端部までそれぞれ長手方向に延びる2つ以上のチャンバを画定し、2つ以上のチャンバのそれぞれは、その中に配置されたエアロゾル前駆体組成物を有し、2つ以上のチャンバのそれぞれのエアロゾル前駆体組成物を実質的に等しい通常量でエアロゾル形成構成に導くように構成される、リザーバを係合させることと、
リザーバによって画定された2つ以上のチャンバのうちのいずれか1つにアクチュエータが選択的かつ動作可能に係合するように、アクチュエータをハウジングに係合させることであって、アクチュエータが、それに係合しているチャンバからエアロゾル形成構成に増加量のエアロゾル前駆体組成物を導くように作動可能に構成され、増加量が、エアロゾル前駆体組成物の通常量よりも多い、アクチュエータをハウジングに係合させることと、
を含む、製造方法。
【0039】
実施形態30:任意の前述の実施形態の方法であって、カートリッジのハウジングの近位端または遠位端を制御本体に係合させることを含む、方法。
【0040】
実施形態31:任意の前述の実施形態の方法であって、リザーバとエアロゾル形成構成との間でハウジング内に逆流防止装置を係合させることを含み、逆流防止装置が、アクチュエータと動作可能に係合したチャンバから導かれた増加量のエアロゾル前駆体組成物がリザーバの2つ以上のチャンバのうちの他のチャンバに逆流するのを選択的に防止するように構成される、方法。
【0041】
実施形態32:任意の前述の実施形態の方法であって、逆流防止装置を係合させることが、リザーバとエアロゾル形成構成との間で、それらを通る共通軸に沿って整列しかつ互いに対して直列に配置された2つ以上のディスクを係合させることを含み、ディスクの一方が他方に対して独立して回転可能である、方法。
【0042】
実施形態33:任意の前述の実施形態の方法であって、2つ以上のディスクを係合させることが、第1および第2のディスクの一方が第1および第2のディスクの他方に対して回転可能であるように、それらの共通軸に沿って互いに対して第1および第2のディスクを直列に整列させることを含み、第1および第2のディスクのそれぞれが複数の供給ポートを画定し、各供給ポートが2つ以上のチャンバのうちの1つに対応し、第1のディスクの供給ポートが第2のディスクの供給ポートと一致するようにディスクのうちの1つを回転させることにより、リザーバから供給ポートを通して、2つ以上のチャンバの実質的に等しい通常量のそれぞれのエアロゾル前駆体組成物を供給し、エアロゾル形成構成に導くことが可能になる、方法。
【0043】
実施形態34:任意の前述の実施形態の方法であって、供給ポートが共通軸から始まる半径に沿って等距離に配置され、供給ポートがそれぞれの第1および第2のディスクの周りに実質的に等しく角度を付けて離間されるように、第1および第2のディスクのそれぞれに供給ポートを形成することを含む、方法。
【0044】
実施形態35:任意の前述の実施形態の方法であって、第1のディスクに増強ポートを形成することを含み、増強ポートが、チャンバのうちの1つと関連する第2のディスクの供給ポートの一方と一致するように第1のディスクが回転すると、第1のディスクが第2のディスクの他方の供給ポートを塞ぎ、チャンバの一方からチャンバの他方への増加量のエアロゾル前駆体組成物の逆流を防止するように、増強ポートが、半径に沿って供給ポートに対して等距離に配置され、各供給ポートから角度を付けて離間される、方法。
【0045】
実施形態36:任意の前述の実施形態の方法であって、3つの供給ポートが互いから約120度の角度を付けて離間されるように3つの供給ポートを第1および第2のディスクのそれぞれに形成することと、増強ポートが供給ポートのうちの2つのそれぞれから約60度に配置されるように、供給ポートのうちの2つの間で第1のディスクに増強ポートを形成することと、を含む、方法。
【0046】
実施形態37:任意の前述の実施形態の方法であって、アクチュエータを係合させることが、可撓性バルブをハウジングに係合させ、2つ以上のチャンバのうちの1つと流体連通させることを含み、それにより、バルブの作動が2つ以上のチャンバのうちの1つの容積を減少させて、チャンバからエアロゾル形成構成に増加量のエアロゾル前駆体組成物を供給する、方法。
【0047】
実施形態38:任意の前述の実施形態の方法であって、アクチュエータを係合させることが、2つ以上のチャンバのうちの1つと流体連通しているポンプ装置と連通するようにアクチュエータを係合させることを含み、それにより、アクチュエータによるポンプ装置の作動が、2つ以上のチャンバのうちの1つまたはその中のエアロゾル前駆体組成物を加圧して、チャンバからエアロゾル形成構成に増加量のエアロゾル前駆体組成物を供給する、方法。
【0048】
実施形態39:任意の前述の実施形態の方法であって、アクチュエータを係合させることが、2つ以上のチャンバのうちの1つと流体連通するピストン部材と連通するようにアクチュエータを係合させることを含み、それにより、アクチュエータによるピストン部材の作動が、2つ以上のチャンバのうちの1つの容積を減少させて、チャンバからエアロゾル形成構成に増加量のエアロゾル前駆体組成物を供給する、方法。
【0049】
実施形態40:任意の前述の実施形態の方法であって、カートリッジのハウジングを制御本体に係合させることが、制御構成要素、流量センサおよび電池を含む制御本体を係合させることを含み、エアロゾル形成構成が抵抗加熱要素を含み、それにより、抵抗加熱要素が電池と電気的に連絡して、それに応答して熱を生成し、エアロゾル形成構成が、それに導かれたエアロゾル前駆体組成物と加熱要素によって生成された熱とが相互作用するとエアロゾルを生成する、方法。
【0050】
実施形態41:任意の前述の実施形態の方法であって、ハウジング内に配置された輸送要素と1つ以上のチャンバとの間に収着要素を動作可能に係合させることを含み、輸送要素が、加熱要素によって生成された熱と相互作用するようにエアロゾル前駆体組成物を導くように構成され、収着要素が、エアロゾル前駆体組成物を収着して受容し、輸送要素にエアロゾル前駆体組成物を供給するように構成される、方法。
【0051】
実施形態42:任意の前述の実施形態の方法であって、マウスピース要素を形成する近位端を有する流管を、その遠位端がエアロゾル形成構成と流体連通するように、ハウジングの2つ以上のチャンバ間に係合させることを含み、流管が、マウスピース要素に加えられた吸引に応答して、エアロゾル形成構成からマウスピース要素を通してエアロゾルを導くように構成される、方法。
【0052】
実施形態43:任意の前述の実施形態の方法であって、2つ以上のチャンバのそれぞれに、異なる香味、異なる割合の有効成分または異なる組成のエアロゾル前駆体組成物を導入することを含む、方法。
【0053】
本開示のこれらおよび他の特徴、態様および利点は、以下に簡単に描かれている添付の図面とともに、以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。本開示は、そのような特徴または要素が本明細書の特定の実施形態の説明または特許請求の範囲において明示的に組み合わされているか、そうでなければ列挙されているかどうかにかかわらず、本開示に記載されているか、請求項のうちいずれか1つ以上に列挙されている2つ、3つ、4つまたはそれ以上の特徴または要素の任意の組合せを含む。本開示は、本開示の前後関係が明らかに他のことを指示しない限り、その態様および実施形態のいずれかにおいて、本開示の任意の分離可能な特徴または要素が、組合せ可能であるように意図された通りに見えるように全体的に読み取られることを意図している。
【0054】
本開示は、上述の一般的な用語で記載しており、添付の図面をこれから参照するが、これらの図面は必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【
図1】本開示の例示的な実施形態による、増加量のエアロゾル前駆体組成物の随時送達のためのカートリッジおよび制御本体を有する喫煙品の側面断面図を示す。
【
図2】本開示の例示的な実施形態による、喫煙品用のカートリッジの斜視図を示し、カートリッジは、リザーバによって画定された3つのチャンバを含む。
【
図3A】本開示の例示的な実施形態による、喫煙品用のカートリッジの側面断面図を示し、カートリッジは可撓性バルブを含む。
【
図3B】本開示の例示的な実施形態による、喫煙品用のカートリッジの側面断面図を示し、カートリッジはポンプ装置を含む。
【
図3B】本開示の例示的な実施形態による、喫煙品用のカートリッジの側面断面図を示し、カートリッジはピストン機構を含む。
【
図4】本開示の例示的な実施形態による喫煙品のカートリッジ内で独立して回転可能な2つの整列したディスクの斜視図を示す。
【
図5A】
図4の2つ以上の整列したディスクのうちの第1の整列したディスクの上面図を示す。
【
図5B】
図4の2つ以上の整列したディスクのうちの第2の整列したディスクの上面図を示す。
【
図6】本開示の例示的な実施形態による喫煙品の製造方法の方法流れ図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0056】
本開示は、以下、その例示的な実施形態を参照して、さらに詳細に記載される。これらの例示的な実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように記載される。実際、本開示は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が、適用される法的要件を満たすように提供される。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」、「the」は、前後関係で他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。
【0057】
本開示は、電気エネルギーを使用して(好ましくは、材料を著しく燃焼させることなく)材料を加熱して吸入可能な物質(例えばエアロゾル)を形成するエアロゾル送達装置の説明を提供する。そのような装置は、「手持ち式」装置と見なすのに十分に小型であることが最も好ましい。特定の好ましい実施形態では、エアロゾル送達装置は喫煙品として特徴付けることができる。本明細書で使用される用語「喫煙品」は、その物品または装置のいかなる構成要素も実質的に燃焼することなく、紙巻タバコ、葉巻またはパイプを喫煙するという感覚の一部または全部(例えば、吸入および呼気の作法、味または香味の種類、感覚刺激効果、物理的感触、使用作法、目に見えるエアロゾル(例えば蒸気)によってもたらされるような視覚的刺激など)を提供する物品または装置を意味することを意図する。本明細書で使用される用語「喫煙品」は、動作中に、物品または装置が、タバコの燃焼または熱分解の副産物から生じるエアロゾルの意味での煙を生成することを必ずしも意味せず、むしろ、物品または装置が、物品または装置の特定の構成要素の揮発または気化に起因する(例えば、煙状であると見なされるか記述され得る目に見えるエアロゾルと見なされ得るエアロゾル内の蒸気を含む)蒸気を生成することを意味する。いくつかの好ましい実施形態では、喫煙品として特徴付けられる物品または装置は、タバコおよび/またはタバコ由来成分を組み込む。
【0058】
本開示の製品または装置はまた、蒸気生成物品、エアロゾル送達物品または薬剤送達物品として特徴付けることができる。したがって、そのような物品または装置は、吸入可能な形態または状態で、1つ以上の物質(例えば、香味および/または薬学的有効成分)を提供するように構成することができる。例えば、吸入可能な物質は、実質的に蒸気の形態(すなわち、その臨界点よりも低い温度で気相にある物質)であり得る。あるいは、吸入可能な物質は、エアロゾルの形態(すなわち、気体中の微細固体粒子または液滴の浮遊物)であり得る。分かりやすくするために、本明細書で使用される用語「エアロゾル」は、目に見えるかどうか、また煙状であると見なされ得る形態であるかどうかに関わりなく、人間の吸入に適した形態または種類の蒸気、気体およびエアロゾルを含むことを意味する。
【0059】
本開示の喫煙品は、使用時に、従来の種類の喫煙品(例えば、タバコを点火し、吸入することによって使用される紙巻タバコ、葉巻またはパイプ)を使用する際に個人によって使用される多くの物理的作用を受ける。例えば、本開示の喫煙品の消費者は、従来の種類の喫煙品のようにその物品を保持し、その物品によって生成されたエアロゾルを吸入するためにその物品の一端を吸い、選択された時間間隔で吸煙する等を行うことができる。
【0060】
図1は、全体が100で示される喫煙品の例示的な実施形態を示す。喫煙品100は、全体が200で示される制御本体と、全体が300で示され、制御本体200に係合するカートリッジとを含む。例えば、制御本体200は、ねじ係合、圧入係合、締まり嵌め、磁気係合などによって、カートリッジ300と機能的な関係で恒久的にまたは取り外し可能に整列される。
【0061】
特定の実施形態では、制御本体200およびカートリッジ300の一方または両方は、使い捨て可能であるか、再使用可能であると称される。例えば、制御本体200は、交換可能な電源(例えば電池)を有するか、充電式であり、したがって、典型的な電気コンセントへの接続、自動車の充電器(すなわち、シガーソケット)への接続、およびUSBケーブルなどを介したコンピュータへの接続を含む任意の種類の再充電技術と組み合わせることができる。別の例では、カートリッジ300は交換可能かつ使い捨て可能であるか、再使用のために詰め替え可能である。例示の実施形態では、制御本体200は、制御本体200を実質的にその中に取り囲むハウジング202を含む。
【0062】
一態様では、制御本体200は、可変に整列され、互いに連通している制御構成要素204、流量センサ206および電源208を含む。いくつかの態様では、電源208は、抵抗加熱、制御構成要素(例えば、制御構成要素204)への電力供給、インジケータへの電力供給など、喫煙品100の様々な機能を支援するのに十分な電流の流れを供給するための電池または他の電源を含む。好ましくは、電源208は、物品100が容易に取り扱われるように物品100内に都合よく収まる大きさである。さらに、好ましい電源208は、望ましい喫煙経験を損なわないように十分に軽量である。いくつかの態様では、インジケータは様々な数で提供され、様々な形態をとり、および/または(すなわち、そのようなインジケータが存在する場合に音を放つために)制御本体200の開口部と関連付けられる。制御本体200の追加の構成要素には、限定するものではないが、例えば、吸気口212、カートリッジ300が制御本体200に取り付けられた際に抵抗加熱要素(後述)などのそのエアロゾル形成構成(例えば308)との電気的接続を可能にするレセプタクル210、および/または制御本体200の遠位端にある複数のインジケータが挙げられる。
【0063】
カートリッジ300は、喫煙品100の吸引中に、カートリッジ300から消費者への空気および同伴蒸気またはエアロゾル(すなわち、吸入可能(すなわち、エアロゾル形態)なエアロゾル前駆体組成物の成分)の通過を可能にする開口部306を有するマウスピース304を有するハウジング302を含む。特定の実施形態では、喫煙品100は、実質的に棒状または実質的に管状形状または実質的に円筒形状である。
【0064】
カートリッジ300は、全体が308で示されるエアロゾル形成構成をさらに含む。いくつかの態様では、エアロゾル形成構成308は、アトマイザー(すなわち、電池208と電気的に連絡し、それに応答して熱を生成するように構成されたワイヤコイルを有する抵抗加熱要素310)、およびエアロゾル前駆体組成物輸送要素312である。一態様では、エアロゾル前駆体組成物輸送要素は、加熱要素310によって生成された熱と相互作用するようにエアロゾル前駆体組成物を導いて、熱との相互作用時にエアロゾルを生成するように構成されているウィックを含む。
【0065】
電流が印加されると熱を生成するように構成された様々な実施形態の材料を使用して、ワイヤコイルを形成してもよい。ワイヤコイルを形成する材料の例には、カンタル(FeCrAl)、ニクロム、二珪化モリブデン(MoSi2)、珪化モリブデン(MoSi)、アルミニウムをドープした二珪化モリブデン(Mo(Si,Al)2)およびセラミック(例えば、正温度係数セラミック)が挙げられる。エアロゾル前駆体組成物輸送要素312はまた、液体を輸送するように構成された様々な材料から形成される。例えば、いくつかの態様では、エアロゾル前駆体組成物輸送要素312は綿および/またはガラス繊維を含む。加熱要素310の両端にある導電性ヒータ端子(例えば、正極端子および負極端子)は、加熱要素310を通る電流の流れを導くように構成される。ヒータ端子はまた、適切な配線または回路(図示せず)に取り付けて、カートリッジ300が制御本体200に接続された際に、加熱要素310と電池208との間に電気的接続を形成するように構成される。具体的には、いくつかの態様では、ハウジング302の遠位取り付け端にプラグ314が配置される。カートリッジ300が制御本体200に接続されると、電流が電池208からレセプタクル210およびプラグ314を通って加熱要素310に制御可能に流れるように、プラグ314がレセプタクル210に係合して、それらの間に電気的接続を形成する。いくつかの例では、カートリッジ300の遠位端がそこから突き出るプラグ314によって実質的に閉じられるように、カートリッジ300のハウジング302はハウジング302の遠位端を越えて連続している。
【0066】
全体が316で示されるリザーバは、ハウジング302内に配置され、ハウジング302の近位端に向かって配置された第1の端部からハウジング302の遠位端に向かって配置された第2の端部まで長手方向に延びる。リザーバ316は、その中に配置されたエアロゾル前駆体組成物320A~Cをそれぞれ有する2つ以上のチャンバ318A~Cを画定するように構成される。いくつかの態様では、例えば、2つ以上のチャンバ318A~Cは、ハウジング302内の仕切りを介して画定され、仕切りは1つのチャンバを別のチャンバから分離する。さらに具体的には、リザーバの第1の端部からリザーバの第2の端部まで長手方向に延びる仕切り322A~Cは、リザーバ316内で各チャンバ318A~Cを互いに十分に分離する。このように、リザーバ316は、カートリッジ300内に個々に収容されることが望まれるエアロゾル前駆体組成物のある量に基づいて、2つのチャンバ、3つのチャンバ、4つのチャンバなどに分割される。
【0067】
図2に示すように、3つの仕切り322A~Cがリザーバ内に3つの個々のチャンバ318A~Cを画定し、各チャンバ318A~Cはその中に個々のエアロゾル前駆体320A~Cを受容する。したがって、
図2に示す態様では、リザーバ316は、画定されたチャンバ318A~C内に最大3つのエアロゾル前駆体組成物を収容するように構成される。第1のチャンバ318Aは、第1のエアロゾル前駆体組成物320Aを含み、第1の仕切り322Aと第2の仕切り322Bとの間で第1の仕切り322Aおよび第2の仕切り322Bによって画定される。第2のチャンバ318Bは、第2のエアロゾル前駆体組成物320Bを含み、第2の仕切り322Bと第3の仕切り322Cとの間で第2の仕切り322Bおよび第3の仕切り322Cによって画定される。第3のチャンバ318Cは、第3のエアロゾル前駆体組成物320Cを含み、第1の仕切り322Aと第3の仕切り322Cとの間で第1の仕切り322Aおよび第3の仕切り322Cによって画定される。
【0068】
いくつかの態様では、蒸気前駆体組成物とも呼ばれるエアロゾル前駆体組成物320A~Cは、1つ以上の異なる成分をそれぞれ含む。例えば、一態様では、エアロゾル前駆体組成物320A~Cは、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコールまたはそれらの混合物)、水、ニコチン、天然および人工の香味、メントールまたはそれらの混合物をそれぞれ含む。代表的な種類の追加のエアロゾル前駆体組成物は、Sensabaugh,Jr.らの米国特許第4,793,365号明細書、Jakobらの米国特許第5,101,839号明細書、BiggsらのPCT国際公開第98/57556号パンフレットおよびR.J.Reynolds Tobacco Company MonographによるChemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco(1988)に記載されており、これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0069】
いくつかの態様では、各相対チャンバ318A~C内に配置されたエアロゾル前駆体組成物320A~Cは、それぞれ異なるエアロゾル前駆体組成物である。例えば、そのような場合、第1のエアロゾル前駆体組成物320Aはチョコレート風味を含み、第2のエアロゾル前駆体組成物320Bはバニラ風味を含み、第3のエアロゾル前駆体組成物320Cはイチゴ風味を含む。別の例では、第1のエアロゾル前駆体組成物320Aは3.6%有効成分(すなわち、ニコチン)エアロゾル前駆体組成物を含み、第2のエアロゾル前駆体組成物320Bは1.1%有効成分エアロゾル前駆体組成物を含み、第3のエアロゾル前駆体組成物320Cは0.4%有効成分エアロゾル前駆体組成物を含む。さらに追加の例では、第1のエアロゾル前駆体組成物320Aは植物性グリセリン(VG)ベースのニコチン組成物を含み、第2のエアロゾル前駆体組成物320Bはプロピレングリコール(PG)ベースのニコチン組成物を含み、第3のエアロゾル前駆体組成物320Cはニコチンを含まないペパーミント風味を含む。
【0070】
図1に示すように、各チャンバ318A~Cは、エアロゾル前駆体組成物320A~Cのいずれかからエアロゾルを形成するように構成されているエアロゾル形成構成308と流体連通している。いくつかの態様では、エアロゾル形成構成308とチャンバ318A~Cとの間の流体連通は、エアロゾル前駆体組成物輸送要素312を含み、エアロゾル前駆体組成物輸送要素312は、加熱要素310によって生成された熱と相互作用するようにエアロゾル前駆体組成物320A~Cを導くように構成される。そのような一例を
図1に示す。そこに見られるように、カートリッジ300は、カートリッジ300のハウジング302の内部の一部の周り(すなわち、ハウジング302の遠位端に向かって配置されたリザーバの第2の端部の周り)に配置された円形ディスクの形状に形成された不織繊維層を含む収着要素324を含む。収着要素324は、1つ以上のチャンバ318A~Cとエアロゾル前駆体組成物輸送要素312(この実施形態ではウィック)との間に動作可能に係合して、それによって、輸送要素312にエアロゾル前駆体組成物320A~Cを供給する(すなわち、エアロゾル前駆体組成物320A~Cによって濡れた収着要素324がウィックと接触し、ウィックは、エアロゾル前駆体組成物320A~Cを受容し、それに沿って加熱要素310に向かってエアロゾル前駆体組成物320A~Cを導く)。すなわち、例えば、エアロゾル前駆体組成物320A~Cは、収着要素324によって受容されると、エアロゾル前駆体組成物輸送要素312によって、毛細管作用を介して、カートリッジ300のエアロゾル化ゾーン326に輸送される。図示されるように、エアロゾル前駆体組成物輸送要素312は加熱要素310と直接接触しているため、エアロゾル化ゾーン326は、ウィックと加熱要素310との間の接触位置にまたはその周囲に画定される。
【0071】
いくつかの態様では、2つ以上のチャンバ318A~Cのそれぞれのエアロゾル前駆体組成物320A~Cは、実質的に等しい通常量でエアロゾル形成構成308に導かれる。さらに具体的には、一態様では、実質的に等しい割合、量、流速などの各エアロゾル前駆体組成物320A~Cがエアロゾル形成構成308に導かれ、その結果、エアロゾル形成構成内で生成されるエアロゾルは、各エアロゾル前駆体組成物320A~Cの等しい部分を含む。例えば、生成されたエアロゾルは、約33%の第1のエアロゾル前駆体組成物320A、約33%の第2のエアロゾル前駆体組成物320Bおよび約33%の第3のエアロゾル前駆体組成物320Cを含む。しかし、当業者であれば、他の態様では、それぞれのエアロゾル前駆体組成物320A~Cの通常量は、実質的に等しくなく、異なるように構成されることを理解するであろう。例えば、生成されたエアロゾルは、約30%の第1のエアロゾル前駆体組成物320A、約35%の第2のエアロゾル前駆体組成物320Bおよび約35%の第3のエアロゾル前駆体組成物320Cを含む。したがって、それぞれのエアロゾル前駆体組成物320A~Cの供給される通常量は、必要に応じてまたは所望に応じて変えることができる。
【0072】
しかし、1つ以上の特定のエアロゾル前駆体組成物320A~Cの量を増やしてエアロゾル形成構成308内で生成されるエアロゾルが増加した割合の1つ以上のエアロゾル前駆体組成物を含むこと(すなわち、エアロゾル前駆体組成物のうちの1つの追加充填)を、消費者が望む場合、対応するチャンバ318A~Cからエアロゾル形成構成308に増加量の所望のエアロゾル前駆体組成物320A~Cのうちの1つを導くために、全体が328で示されるアクチュエータが使用される。さらに具体的には、一態様では、アクチュエータ328は、ハウジング302に係合し、2つ以上のチャンバ318A~Cのうちのいずれか1つに選択的かつ動作可能に係合するように構成される。図示されるように、
図1の1つの一般的な例示的な実施形態では、アクチュエータ328は、リザーバ316の第1の端部に配置され、2つ以上のチャンバ318A~Cのそれぞれに係合可能かつ独立して動作可能な単一のアクチュエータを含む。しかし、本明細書に開示されるように、本開示の他の態様はまた、各個々のチャンバ318A~Cに係合し動作可能な専用のアクチュエータを企図する。
【0073】
ここで
図3A~
図3Cを参照すると、アクチュエータ328の例示的な実施形態が示されている。しかし、これらは限定的な例ではなく、当業者には、2つ以上のチャンバ318A~Cのうちの1つと流体連通しており、それに係合しているアクチュエータを有するこれらのチャンバ318A~Cのうちのいずれか1つの容積を減少させるか圧力を増加させるように構成されている任意の種類のアクチュエータが企図されることは明らかであろう。
【0074】
図3Aには、喫煙品(例えば喫煙品100)用のカートリッジ300Aの一態様が示されている。
図1に示すように、カートリッジ300Aは、それぞれエアロゾル前駆体組成物320A~Bのうちのいずれか1つをその中に各々受容している第1のチャンバ318Aおよび第2のチャンバ318Bを含む。この態様に関してこの図には示されていないが、カートリッジ300Aは、追加のエアロゾル前駆体組成物を収容する追加のチャンバを含む。
図3Aは、一実施形態を示しており、第1のチャンバ318Aおよび第2のチャンバ318Bのそれぞれは、それに係合している個々のアクチュエータ328Aを有する。この場合、各アクチュエータ328Aは、独立して作動可能である。しかし、他の実施形態では、単一のアクチュエータ328Aが第1および第2のチャンバ318A、318Bの両方に係合する。それとは関係なく、
図3Aに示す実施形態では、各アクチュエータ328Aは、容積を減少させ、それによってカートリッジ300Aの内部、具体的にはチャンバ318A~Bのうちのそれぞれ1つに空気を押し出すか、カートリッジ300Aの内部、具体的にはチャンバ318A~Bのうちのそれぞれ1つの圧力を高めるために、消費者が変形させることができる弾性材料を含む可撓性バルブ330を含む。
【0075】
図3Aに示すように、一態様では、各チャンバ318A~Bは、それと動作可能に係合している単一のバルブアクチュエータ330を含む。したがって、バルブ330と流体連通しているチャンバ318A~Bは、その容積を減少させることによってバルブ330の作動(すなわち、押し下げ)に応答して、対応するチャンバ318A~Bからエアロゾル形成構成308に増加量のエアロゾル前駆体組成物320A~Bを供給するように構成される。特に、カートリッジ300A内に2つ以上のチャンバがある場合、消費者は、各々がそれぞれのチャンバ318A~Bと流体連通している複数の可撓性バルブ330を一度に押し下げて、複数のエアロゾル前駆体組成物の量を増加させてもよい。可撓性バルブ330をその元の形状に戻すために、オリフィス332が、バルブ内またはバルブとそれぞれのチャンバとの間の他の場所に画定されて、それにより、チャンバの内部またはバルブアクチュエータ330に周囲空気を戻すことを可能にして、作動(すなわち、押し下げ)の後、バルブアクチュエータ330がその初期形状に戻ることを可能にする。この態様では、バルブアクチュエータ330の作動によって供給される1つ以上のエアロゾル前駆体組成物320A~Bの増加量は、選択されたエアロゾル前駆体組成物320A~Bの増加量に対して特性を示すエアロゾルの生成をもたらす。
【0076】
図3Aに示すように、一実施形態では、1つ以上の量の第1のエアロゾル前駆体組成物320Aが、第2のエアロゾル前駆体組成物320Bよりも相対的に多い量でエアロゾル形成構成308に選択的に導かれている。したがって、生成されたエアロゾルは、比較的多量の第1のエアロゾル前駆体組成物320Aに関する特性を含む。例えば、第1のエアロゾル前駆体組成物320Aがイチゴ風味を含み、第2のエアロゾル前駆体組成物320Bがチョコレート風味を含む場合、エアロゾル形成構成308に送達される第1のエアロゾル前駆体組成物320Aの量を増加させることによって、それによって生成されるエアロゾルは、等しいチョコレート風味およびイチゴ風味とは対照的に、いっそう顕著なイチゴ風味を有する。
【0077】
図3Bには、喫煙品(例えば喫煙品100)用のカートリッジ300Bの別の態様が示されている。
図1に示すように、カートリッジ300Bは、それぞれエアロゾル前駆体組成物320A~Bをその中に各々受容している第1のチャンバ318Aおよび第2のチャンバ318Bを含む。この図には示されていないが、カートリッジ300Bは、追加のエアロゾル前駆体組成物を収容する追加のチャンバを含んでもよい。第1のチャンバ318Aおよび第2のチャンバ318Bのそれぞれは、アクチュエータ328Bに係合する。この実施形態では、アクチュエータ328Bは、ポンプ装置328Bのポンプ構造(図示せず)と電気的、熱的、圧力的等に接続されているボタンアクチュエータ334を有する微小電気機械(MEM)ポンプ装置などのポンプ装置を含む。
図3Bに示すように、各チャンバ318A~Bは、個々のボタンアクチュエータ334と流体連通しており、各ボタンアクチュエータ334は、エアロゾル形成構成308に送達される複数のエアロゾル前駆体組成物の量を増加させるために、独立して作動するように、または同時にもしくは実質的に同時に作動するように構成される。いくつかの非限定的な例では、ポンプ装置328Bは、圧電マイクロポンプ、静電マイクロポンプ、熱空気圧(thermopneumatic)マイクロポンプ、電磁マイクロポンプ、バイメタルマイクロポンプ、イオン伝導性ポリマーフィルム(ICPF)マイクロポンプ、相変化マイクロポンプ、形状記憶合金(SMA)ポンプなどを含む。したがって、ポンプ装置328Bと流体連通しているチャンバ318A~Bは、ポンプ装置328Bに関連するボタンアクチュエータ334の作動(すなわち、押し下げ)に応答して、チャンバ318A~Bまたはその中のエアロゾル前駆体組成物320A~Bを加圧し、チャンバ318A~Bからエアロゾル形成構成308に増加量のエアロゾル前駆体組成物320A~Bを供給するように構成される。
【0078】
図3Bに示すように、1つ以上の量の第1のエアロゾル前駆体組成物320Aおよび第2のエアロゾル前駆体組成物320Bの両方が、エアロゾル形成構成308に選択的に導かれている。したがって、生成されたエアロゾル前駆体組成物は、第1のエアロゾル前駆体組成物320Aおよび第2のエアロゾル前駆体組成物320Bの両方に関する特性を含む。例えば、第1のエアロゾル前駆体組成物320Aが1.1%の有効成分(すなわち、ニコチン)を含む組成物を含み、第2のエアロゾル前駆体組成物320Bが2.4%のその有効成分を含む組成物を含む場合、エアロゾル形成構成308に送達される通常等量の第1および第2のエアロゾル前駆体組成物320A~Bは、それに送達される各組成物の有効成分含有量の平均に基づいて1.75%の有効成分組成物を含むエアロゾルを生成する。第1のエアロゾル前駆体組成物320Aおよび第2のエアロゾル前駆体組成物320Bの量を実質的に等量で増加させることによって、生成されるエアロゾルは、それに送達される各組成物の有効成分含有量の平均に基づいて1.75%の有効成分組成を保持する。特に、供給される第1のエアロゾル前駆体組成物320Aの量を増加させることによって、生成されるエアロゾルは1.53%の有効成分を含むのに対して、供給される第2のエアロゾル前駆体組成物の量を増加させることによって、生成されるエアロゾルは1.96%の有効成分を含む。場合によっては、これは、有効成分の消費量を全体的に調整したい消費者にとって有利であり、通常の1.75%ニコチンベースの組成物から始めて所望の割合を有する組成に選択的に増減することによって徐々に行ってもよい。
【0079】
図3Cには、喫煙品(例えば喫煙品100)用のカートリッジ300Cが示されている。
図1に示すように、カートリッジ300Cは、それぞれエアロゾル前駆体組成物320A~Bをその中に各々受容している第1のチャンバ318Aおよび第2のチャンバ318Bを含む。この図には示されていないが、カートリッジ300Cは、追加のエアロゾル前駆体組成物を収容する追加のチャンバを含んでもよい。第1のチャンバ318Aおよび第2のチャンバ318Bのそれぞれは、アクチュエータ328Cに係合する。この実施形態では、アクチュエータ328Cは、2つ以上のチャンバ318A~Bのうちの1つと流体連通しているピストンまたはプランジャ部材336を含む。
図3Cに示すように、各チャンバ318A~Bは個々のピストン部材336と流体連通している。ピストン部材336は、リザーバ316の第2の端部に向かってピストン336を下方に移動させるために消費者がピストンの上面を押圧または押下することによって作動する。各ピストン部材336は、エアロゾル形成構成308に供給される複数のエアロゾル前駆体組成物の量を増加させるために、独立して作動するように、または同時にもしくは実質的に同時に一緒に作動するように構成される。したがって、ピストン部材336と流体連通しているチャンバ318A~Bは、アクチュエータによるピストン部材の上面の作動(すなわち、押し下げ)に応答して、チャンバ318A~Bの容積を減少させ、エアロゾル形成構成308にチャンバ内の増加量のエアロゾル前駆体組成物320A~Bを供給するように構成される。
【0080】
図3Cのように、1つ以上の量の第2のエアロゾル前駆体組成物320Bがエアロゾル形成構成308に選択的に導かれている。したがって、生成されたエアロゾルは、第2のエアロゾル前駆体組成物320Bに関する主要な特性を含む。例えば、第1のエアロゾル前駆体組成物320Aは、PGベースの組成物を含み、第2のエアロゾル前駆体組成物320Bは、VGベースの組成物を含む。この例では、エアロゾル形成構成308に送達される第2のエアロゾル前駆体組成物320Bの量を第1のエアロゾル前駆体組成物よりも増加させることによって、それによって生成されるエアロゾルは、主にVGベースのエアロゾル(例えば30PG:70VGエアロゾル)になる。生成されたエアロゾルのPG含有量を増加させるために、消費者が第1のチャンバ318Aに係合したピストン部材336の上面を押圧し、増加量のPGベースの組成物がエアロゾル形成構成308に導かれ、それにより、生成されたエアロゾルは、主にPGベースのエアロゾル(60PG:40VGエアロゾル)になる。
【0081】
いくつかの態様では、カートリッジ300は、逆流防止装置338を含む。
図1は、逆流防止装置338の例示的な実施形態を提供し、ここで、逆流防止装置338は、アクチュエータ328と動作可能に係合したチャンバから導かれた増加量のエアロゾル前駆体組成物320A~Cが2つ以上のチャンバ318A~Cのうちの他のチャンバに逆流するのを選択的に防止するように構成される。
図4を参照すると、逆流防止装置338の一実施形態は、2つ以上の整列したディスク338A~Bを含む。2つ以上の整列したディスク338A~Bの一方は、それらを通る共通軸を中心にして他方に対して独立して回転可能であり、ディスク338A~Bはまた、共通軸に沿って互いに対して直列に配置される。共通軸は、物品100の長手方向軸に対して中心に配置された軸であり、時には長手方向軸と一致する。いくつかの態様では、流管340は、エアロゾル形成構成308と流体連通している遠位端とマウスピース要素304を形成する近位端とを有し、マウスピース要素304に加えられる吸引に応答してエアロゾル形成構成308からエアロゾルを導くように構成される。この目的のために、流管340は、共通軸を規定するか、共通軸と整列されるか実質的に整列され、2つ以上の整列したディスク338-Bは、流管340の周りで互いに対して独立して回転可能である(すなわち、流管340は回転軸を規定する)。
【0082】
2つ以上の整列したディスク338A~Bは、カートリッジ300のハウジング302の内部に配置され、リザーバ316の第2の端部とエアロゾル形成構成308とに対して(すなわちその間に)配置される。いくつかの実施形態では、例えば、第1の整列したディスク338Aは、リザーバ316の第2の端部と第2の整列したディスク338Bとの間に配置され、第2の整列したディスク338Bは、第1の整列したディスク338Aと収着要素324との間に配置される。いくつかの態様では、2つ以上の整列したディスク338A~Bは、収着要素324の材料と同様の材料から形成されるか、エアロゾル前駆体組成物320A~Cのリザーバ316への逆流を防止することが適切かつ十分に可能な任意の他の材料から形成される。
【0083】
図5A~
図5Bは、第1および第2のディスク338A~Bの上面図を示す。
図5Aには、第1の整列したディスク338Aが示されている。第1の整列したディスク338Aの平面は、平面に対して中心に配置された開口部342Aを画定する。第1の整列したディスク338Aは、ディスク338Aが流管340の周りを独立して回転することを可能にする寸法を含む(すなわち、流管340は、開口部342Aを通る)。さらに、第1のディスク338Aの平面は、共通軸から始まる半径に沿って等距離に配置された複数の供給ポート344Aを画定する。いくつかの態様では、供給ポート344Aは、それぞれの第1のディスク338Aの周りに実質的に等しく角度を付けて離間される。第1のディスク338Aの平面はまた、増強ポート346を画定する。増強ポート346は、半径に沿って複数の供給ポート344Aに対して等距離に配置され、各供給ポート344Aから角度を付けて離間される。さらに具体的には、例えば、
図5Aに示すように、3つの供給ポート344Aが互いから約120度の角度を付けて離間され、増強ポート346は、供給ポート344Aのうちの2つのそれぞれから約60度に配置される。
【0084】
図5Bには、第2の整列したディスク338Bが示されている。第2の整列したディスク338Bの平面は、第1の整列したディスク338Bの平面に対して中心に配置された開口部342Bを画定する。第2の整列したディスク338Bは、ディスク338Bが流管340の周りを独立して回転することを可能にする寸法を含む(すなわち、流管340は開口部342Bを通る)。さらに、第2のディスク338Bの平面は、共通軸から始まる半径に沿って等距離に配置された複数の供給ポート344Bを画定し、供給ポート344Bは、それぞれの第2のディスク338Bの周りに実質的に等しく角度を付けて離間される。さらに具体的には、例えば、
図5Bに示すように、3つの供給ポート344Bは、互いから約120度の角度を付けて離間される。
【0085】
したがって、第1の整列したディスク338A上に配置された供給ポート344Aおよび第2の整列したディスク上に配置された供給ポート344Bは、チャンバ318A~Cと整列するように構成される。さらに具体的には、第1の実施形態では、ディスク338A~Bのうちの1つは、第1のディスク338Aの供給ポート344Aが第2のディスク338Bの供給ポート344Bと一致するように回転可能であり、これにより、2つ以上のチャンバ318A~Cの実質的に等しい通常量のそれぞれのエアロゾル前駆体組成物320A~Cが、リザーバ316から供給ポート344A~Bを通して供給され、エアロゾル形成構成308に導かれることが可能になる。
【0086】
第2の実施形態では、ディスク338A~Bのうちの1つは、増強ポート346がチャンバ318A~Cのうちの1つに関連する第2のディスク338Bの供給ポート344Bのうちの1つと一致するように回転可能である。このように、ディスク338A~Bは、第2のディスク338Bの他の供給ポート344Bを塞ぎ、対応するチャンバからのエアロゾル前駆体組成物の流出を防止するか、供給ポートと整列した増強ポートを有するチャンバ318A~Cの一方からチャンバ318A~Cの他方に増加量のエアロゾル前駆体組成物320A~Cが逆流するのを防止するように構成される。いくつかの態様では、供給ポート344A~Bおよび増強ポート346のそれぞれは、直径が約1/16インチである。供給ポート344A~Bの数は、リザーバ316によって画定されるチャンバの数に応じて可変である。例えば、本明細書で説明される実施形態では、カートリッジ300は、それぞれのディスク338A~Bによってそれぞれ画定された3つの供給ポート344A~Bがあるように、3つのチャンバ318A~Cを含む(
図5A~
図5B参照)。別の例では、4つのチャンバがある場合、それぞれのディスク338A~Bによってそれぞれ画定された4つの供給ポート344A~Bがある。
【0087】
したがって、喫煙品100が使用されている場合、かつある量の特定のエアロゾル前駆体組成物320A~Cがエアロゾル形成構成308に送達された後、消費者は物品100を吸引し、これが次に(例えば、吸煙センサを介するなどして)加熱要素310を作動させ、エアロゾル前駆体組成物320A~C用の成分がエアロゾル化ゾーン326内で気化/エアロゾル化される。物品100のマウスピース要素306を吸引すると、周囲空気が吸気口212に入り、レセプタクル210の中央開口部とプラグ314の中央開口部とを通過する。カートリッジ300では、吸引された空気が流管340を通過し、エアロゾル化ゾーン326内で形成された蒸気と混合してエアロゾルを形成する。次いで、エアロゾルは、エアロゾル化ゾーン326から引き離され、流管340を通過し、消費者による摂取のために物品100のマウスピース要素304の開口部306から出る。
【0088】
本明細書に開示された種類の喫煙品は、喫煙品を形成するのに有用な構成要素の様々な組合せを包含し得ることが理解される。例えば、Sebastianらの米国特許出願公開第2014/0000638号明細書、Griffith,Jr.らの米国特許出願公開第2013/0255702号明細書およびCollettらの米国特許第8,881,737号明細書に開示されている喫煙品が参照され、これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。上記に加えて、代表的な加熱要素およびその中で使用するための材料が、Countsらの米国特許第5,060,671号明細書、Deeviらの米国特許第5,093,894号明細書、Deeviらの米国特許第5,224,498号明細書、Sprinkel Jr.らの米国特許第5,228,460号明細書、Deeviらの米国特許第5,322,075号明細書、Deeviらの米国特許第5,353,813号明細書、Deeviらの米国特許第5,468,936号明細書、Dasの米国特許第5,498,850号明細書、Dasの米国特許第5,659,656号明細書、Deeviらの米国特許第5,498,855号明細書、Hajaligolの米国特許第5,530,225号明細書、Hajaligolの米国特許第5,665,262号明細書、Dasらの米国特許第5,573,692号明細書およびFleischhauerらの米国特許第5,591,368号明細書に記載されており、これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。さらに、電子喫煙品とともに使用するための使い捨てカートリッジが、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるChangらの米国特許第8,910,639号明細書に開示されている。
【0089】
本開示による喫煙品の様々な構成要素は、当該技術分野に記載され市販されている構成要素から選択することができる。本開示に従って使用することができる電池の例は、米国特許出願公開第2010/0028766号明細書に記載されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0090】
吸煙作動能力を提供する例示的な機構には、イリノイ州フリーポートのHoneywell,Inc.のMicroSwitch部門によって製造されたモデル163PC01D36シリコンセンサが挙げられる。本開示による加熱回路に使用可能なデマンド操作型(demand-operated)電気スイッチの追加の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるGerthらの米国特許第4,735,217号明細書に記載されている。本喫煙品に使用可能なマイクロコントローラを含む電流調整回路および他の制御構成要素の追加の説明は、いずれもBrooksらの米国特許第4,922,901号明細書、米国特許第4,947,874号明細書および米国特許第4,947,875号明細書、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書ならびにNguyenらの米国特許第7,040,314号明細書に提供されており、これらのいずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0091】
本開示の喫煙品には、さらに追加の構成要素が使用可能である。例えば、Sprinkel,Jr.の米国特許第5,261,424号明細書は、吸煙に関連するユーザの唇の動作およびそれに応答したトリガー加熱の使用を検出する装置のマウスエンドに関連する圧電センサを開示しており、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書は、マウスピースを通る圧力の降下に応答して加熱負荷アレイへのエネルギー流を制御するための吸煙センサを開示しており、Harrisらの米国特許第5,967,148号明細書は、挿入された構成要素の赤外線透過性の不均一性を検出する識別器と、構成要素がレセプタクルに挿入された際に検出ルーチンを実行するコントローラと、を含む喫煙装置内のレセプタクルを開示しており、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書は、複数の差動位相を有する規定済みの実行可能なパワーサイクルを記載しており、Watkinsらの米国特許第5,934,289号明細書は、フォトニックオプトロニック(photonic-optronic)構成要素を開示しており、Countsらの米国特許第5,954,979号明細書は、喫煙装置を通る吸込み抵抗を変化させるための手段を開示しており、Blakeらの米国特許第6,803,545号明細書は、喫煙装置に使用するための特定の電池構成を開示しており、Griffenらの米国特許第7,293,565号明細書は、喫煙装置とともに使用するための様々な充電システムを開示しており、Fernandoらの米国特許第8,402,976号明細書は、充電を容易にし、装置のコンピュータ制御を可能にするための喫煙装置用のコンピュータインタフェース手段を開示しており、Fernandoらの米国特許第8,689,804号明細書は、喫煙装置用の識別システムを開示しており、Flickの国際公開第2010/003480号パンフレットは、エアロゾル生成システムを用いた吸煙を示す流体流感知システムを開示しており、前述の開示は、いずれも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。電子エアロゾル送達物品に関連する構成要素の追加の例および本発明の物品に使用可能な材料または構成要素を開示する追加の例には、Gerthらの米国特許第4,735,217号明細書、Morganらの米国特許第5,249,586号明細書、Higginsらの米国特許第5,666,977号明細書、Adamsらの米国特許第6,053,176号明細書、Whiteの米国特許第6,164,287号明細書、Vogesの米国特許第6,196,218号明細書、Felterらの米国特許第6,810,883号明細書、Nicholsの米国特許第6,854,461号明細書、Honの米国特許第7,832,410号明細書、Kobayashiの米国特許第7,513,253号明細書、Hamanoの米国特許第7,896,006号明細書、Shayanの米国特許第6,772,756号明細書、Honの米国特許第8,156,944号明細書、Honの米国特許出願公開第2006/0196518号明細書、米国特許出願公開第2009/0188490号明細書および米国特許第8,375,957号明細書、Thorensらの米国特許第8,794,231号明細書、Monseesらの米国特許第8,915,254号明細書および米国特許第8,925,555号明細書、Oglesbyらの米国特許出願公開第2010/0024834号明細書および米国特許第8,851,083号明細書、Wangの米国特許出願公開第2010/0307518号明細書ならびにHonの国際公開第2010/091593号パンフレットが挙げられる。前述の文書によって開示されている様々な材料は、様々な組合せおよび様々な実施形態で本装置に組み込まれ得、前述の開示は、いずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0092】
図6は、全体が400で示される、喫煙品(例えば喫煙品100)の例示的な製造方法の方法流れ図を示す。第1の工程402では、リザーバ(例えばリザーバ316)が、エアロゾル形成構成(例えば構成308)と流体連通するように係合し、エアロゾル前駆体組成物(例えば組成物320A~C)からエアロゾルを形成するように構成される。リザーバは、カートリッジ(例えばカートリッジ300)のハウジング(例えばハウジング302)内に配置され、ハウジングの近位端に向かって配置された第1の端部からハウジングの遠位端に向かって配置された第2の端部までそれぞれ長手方向に延びる2つ以上のチャンバ(例えばチャンバ318A~C)を画定する。2つ以上のチャンバのそれぞれは、その中に配置されたエアロゾル前駆体組成物を有し、2つ以上のチャンバのそれぞれのエアロゾル前駆体組成物を実質的に等しい通常量でエアロゾル形成構成に導くように構成される。
【0093】
工程404では、リザーバによって画定された2つ以上のチャンバのうちのいずれか1つにアクチュエータが選択的かつ動作可能に係合するように、アクチュエータ(例えばアクチュエータ328)がハウジングに係合する。アクチュエータは、それに係合しているチャンバからエアロゾル形成構成に増加量のエアロゾル前駆体組成物を導くように作動可能に構成され、増加量は、エアロゾル前駆体組成物の通常量よりも多い。
【0094】
上記の説明および関連する図面に示された教示の利益を有し、本開示が関連する当業者には、本開示の多くの変更および他の実施形態が思い浮かぶであろう。したがって、本開示は、本明細書に開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、変更および他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。本明細書では特定の用語を使用しているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定のために使用されない。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙品であって、
制御本体と、
制御本体に係合したカートリッジと、を含み、カートリッジが、
近位端と、制御本体に係合可能な反対側の遠位端とを有するハウジングと、
ハウジング内に配置され、ハウジングの近位端に向かって配置された第1の端部からハウジングの遠位端に向かって配置された第2の端部まで長手方向に延びるリザーバであって、リザーバは、各々がその中に配置されたエアロゾル前駆体組成物を有する2つ以上のチャンバを画定し、エアロゾル前駆体組成物のうちのいずれかからエアロゾルを形成するように構成されたエアロゾル形成構成と流体連通し、2つ以上のチャンバのそれぞれのエアロゾル前駆体組成物は、実質的に等しい通常量でエアロゾル形成構成に導かれる、リザーバと、
ハウジングに係合し、リザーバによって画定された2つ以上のチャンバのうちのいずれか1つに選択的かつ動作可能に係合するように構成されたアクチュエータであって、アクチュエータが、その作動時に、それに係合しているチャンバからエアロゾル形成構成に増加量のエアロゾル前駆体組成物を導くように構成され、増加量が、エアロゾル前駆体組成物の通常量よりも多い、アクチュエータと、
を含む、喫煙品。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0055】
【
図1】本開示の例示的な実施形態による、増加量のエアロゾル前駆体組成物の随時送達のためのカートリッジおよび制御本体を有する喫煙品の側面断面図を示す。
【
図2】本開示の例示的な実施形態による、喫煙品用のカートリッジの斜視図を示し、カートリッジは、リザーバによって画定された3つのチャンバを含む。
【
図3A】本開示の例示的な実施形態による、喫煙品用のカートリッジの側面断面図を示し、カートリッジは可撓性バルブを含む。
【
図3B】本開示の例示的な実施形態による、喫煙品用のカートリッジの側面断面図を示し、カートリッジはポンプ装置を含む。
【
図3C】本開示の例示的な実施形態による、喫煙品用のカートリッジの側面断面図を示し、カートリッジはピストン機構を含む。
【
図4】本開示の例示的な実施形態による喫煙品のカートリッジ内で独立して回転可能な2つの整列したディスクの斜視図を示す。
【
図5A】
図4の2つ以上の整列したディスクのうちの第1の整列したディスクの上面図を示す。
【
図5B】
図4の2つ以上の整列したディスクのうちの第2の整列したディスクの上面図を示す。
【
図6】本開示の例示的な実施形態による喫煙品の製造方法の方法流れ図を示す。
【外国語明細書】