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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164855
(43)【公開日】2023-11-14
(54)【発明の名称】放射線治療システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/10 20060101AFI20231107BHJP
【FI】
A61N5/10 T
A61N5/10 M
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023134037
(22)【出願日】2023-08-21
(62)【分割の表示】P 2022196689の分割
【原出願日】2017-12-13
(31)【優先権主張番号】62/433,745
(32)【優先日】2016-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】512129837
【氏名又は名称】ビューレイ・テクノロジーズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ViewRay Technologies, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100126572
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 智史
(72)【発明者】
【氏名】カブリコフ, イワン
(72)【発明者】
【氏名】フミェレフスキ, トーマス
(72)【発明者】
【氏名】デンプシー, ジェイムズ エフ.
(57)【要約】      (修正有)
【課題】放射線治療を実施することに関連するシステムを提供する。
【解決手段】患者を撮像するための診断品質のCTスキャナ1201であって、イメージング・アイソセンターを有する診断品質のCTスキャナ1201と、前記診断品質のCTスキャナ1201に隣接して配置される放射線治療デバイス101であって、前記診断品質のCTスキャナ1201の前記イメージング・アイソセンターから離間される放射線治療アイソセンターを有し放射線治療ビーム源を担持するガントリーを有する、放射線治療デバイス101と、前記診断品質のCTスキャナ1201と前記放射線治療デバイス101との間で前記患者を平行移動させることにより、撮像のためにおよび放射線治療のために前記患者を位置決めするように構成された診察台を有する。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者を撮像するための診断品質のCTスキャナであって、イメージング・アイソセンタ
ーを有する診断品質のCTスキャナと、
前記診断品質のCTスキャナに隣接して配置される放射線治療デバイスであって、前記
診断品質のCTスキャナの前記イメージング・アイソセンターから離間される放射線治療
アイソセンターを有し放射線治療ビーム源を担持するガントリーを有する、放射線治療デ
バイスと、
前記診断品質のCTスキャナと前記放射線治療デバイスとの間で前記患者を平行移動さ
せることにより、撮像のためにおよび放射線治療のために前記患者を位置決めするように
構成された診察台と
を備えるシステムであって、
コプラナー放射線治療のみを施行するように構成されるシステム。
【請求項2】
前記放射線治療デバイスが片持ち式ではない、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ガントリーがリング・ガントリーである、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記ガントリーが平面内の多様な位置まで前記ビーム源のみを移動させるように構成さ
れる、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記診察台が回転しないように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記放射線治療ビーム源が線形加速装置であり、前記線形加速装置が前記ガントリーの
周りで離間される複数の構成要素へと分割され、前記線形加速装置の構成要素の間に少な
くとも1つのRF導波管を利用する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記診断品質のCTスキャナがRTシミュレーションのために設計される、請求項1に
記載のシステム。
【請求項8】
前記診断品質のCTスキャナがPET/CTスキャナである、請求項1に記載のシステ
ム。
【請求項9】
治療計画を再最適化するために診断品質のCT画像を利用するように構成される制御シ
ステムをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
再最適化が、前記診察台の上に前記患者がいる状態において治療の直前に実施される、
請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記ガントリーが診察台の動作に対して直角に平行移動させられるように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記ガントリーが、治療前に前記患者の中での前記放射線治療アイソセンターの位置決
めを容易にするために少なくとも8cmの範囲にわたって平行移動させられるように構成
される、請求項14に記載のシステム。
【請求項13】
前記放射線ビームをコリメートするためのコリメート・システムをさらに備え、前記コ
リメート・システムが、
複数のリーフを有する第1のマルチリーフ・コリメータと、
複数のリーフを有する第2のマルチリーフ・コリメータであって、前記放射線ビームを
、当該第2のマルチリーフ・コリメータを通過させる前に前記第1のマルチリーフ・コリ
メータを通過させ、さらには標的に当たる前に当該第2のマルチリーフ・コリメータを通
過させるように構成される第2のマルチリーフ・コリメータと
を備え、
前記第1のマルチリーフ・コリメータの前記リーフおよび前記第2のマルチリーフ・コ
リメータの前記リーフが互いに独立して移動するように構成され、
前記第1のマルチリーフ・コリメータおよび前記第2のマルチリーフ・コリメータのう
ちの少なくとも一方がダブル・フォーカシングされる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1のマルチリーフ・コリメータがフォーカス・ポイントを有し、前記第2のマル
チリーフ・コリメータがフォーカス・ポイントを有し、前記第1のマルチリーフ・コリメ
ータの前記フォーカス・ポイントが前記第2のマルチリーフ・コリメータの前記フォーカ
ス・ポイントとは異なる、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1のマルチリーフ・コリメータおよび前記第2のマルチリーフ・コリメータの前
記フォーカス・ポイントを異なるものにすることにより、前記第1のマルチリーフ・コリ
メータと前記第2のマルチリーフ・コリメータとの間のペナンブラの適合を改善する、請
求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1のマルチリーフ・コリメータの前記フォーカス・ポイントが有効線源点にあっ
てよく、前記第2のマルチリーフ・コリメータの前記フォーカス・ポイントが有効線源点
から離れるように移動させられる、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1のマルチリーフ・コリメータおよび前記第2のマルチリーフ・コリメータがさ
らに、前記第1および第2のマルチリーフ・コリメータの前記リーフの幅より狭いビーム
をコリメートするように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1のマルチリーフ・コリメータの前記リーフが互いに直接に隣接し、前記第2の
マルチリーフ・コリメータの前記リーフが互いに直接に隣接する、請求項13に記載のシ
ステム。
【請求項19】
前記放射線治療デバイスと前記診断品質のCTスキャナとの間に放射線遮蔽物をさらに
備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記放射線遮蔽物が、前記放射線治療デバイスの方を向く前記診断品質のCTスキャナ
の外側シュラウドの一部分を覆うかまたはそれに取って代わる高原子番号材料を有する、
請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記放射線治療デバイスがリニアックであり、前記システムが前記リニアックの少なく
とも1つの構成要素のためのRF遮蔽物をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
放射線治療デバイス、CTスキャナ、MRI、CT診察台、PET/CT診察台、およ
びMRI診察台からなる群から選択される少なくとも1つのシステムを設置するように構
成される少なくとも1つの多用途のベースプレートをさらに備える、請求項1に記載のシ
ステム。
【請求項23】
前記少なくとも1つの多用途のベースプレートが、前記放射線治療デバイスを取り外す
ことなく、前記システムをCTガイダンスとMRIガイダンスとの間で変換するのを可能
にする、請求項22に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照による本明細書に組み込まれる「Radiation Therapy
Systems And Methods」と題される、2016年12月13日に出
願された米国仮特許出願第62/433,745号の利益を主張するものである。
本開示は、放射線ビームをコリメートおよびシェイピングすることを含めた、放射線治
療を実施するためのシステム、方法、およびコンピュータ・ソフトウェアに関する。
【背景技術】
【0002】
コリメータは、例えば、正確な医療放射線治療を実施することを目的として放射線ビー
ムをシェイピングするのに使用され得る。放射線治療システム、方法、およびソフトウェ
アは撮像をさらに組み込み、例えば、放射線治療の施行(delivery)前にCT撮
像が実施され得るか、または放射線治療の施行中にMRI撮像が実施され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第8,836,332号
【特許文献2】米国特許第9,446,263号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
放射線治療を実施することに関連するシステム、方法、およびソフトウェアが開示され
る。いくつかの実装形態は、患者を撮像するための診断品質のCTスキャナを有すること
ができ、この診断品質のCTスキャナがイメージング・アイソセンターを有する。この実
装形態は、診断品質のCTスキャナに隣接して配置される放射線治療デバイスをさらに有
することができる。放射線治療デバイスが、診断品質のCTスキャナのイメージング・ア
イソセンターから離間される放射線治療アイソセンターを有し放射線治療ビーム源を担持
するガントリーを有することができる。さらに、診察台が、診断品質のCTスキャナと放
射線治療デバイスとの間で患者を平行移動させることにより、撮像のためにおよび放射線
治療のために患者を位置決めするように構成され得る。いくつかの実装形態は、コプラナ
ー放射線治療(co-planar radiation therapy)のみを施行
するように構成されるシステムを有することができる。
いくつかの変形形態では、放射線治療デバイスが片持ち式ではなくてよい。ガントリ
ーがリング・ガントリーであってよく、平面内の多様な位置までビーム源のみを移動させ
るように構成され得る。さらに、診察台が回転しないように構成され得る。
【0005】
いくつかの変形形態では、放射線治療ビーム源が線形加速装置であってよく、線形加速
装置がガントリーの周りで離間される複数の構成要素へと分割され得、線形加速装置の構
成要素の間に少なくとも1つのRF導波管を利用する。
【0006】
いくつかの変形形態では、診断品質のCTスキャナがRTシミュレーションのために設
計され得るかまたはPET/CTスキャナであってよい。
【0007】
いくつかの実装形態では、システムが、治療計画を再最適化するために診断品質のCT
画像を利用するように構成される制御システムを有することができる。再最適化は、診察
台の上に患者がいる状態において治療の直前に実施され得る。
【0008】
特定の実装形態では、ガントリーが診察台の動作に対して直角に平行移動させられるよ
うに構成され得る。さらに、ガントリーが、治療前に患者の中での放射線治療アイソセン
ターの位置決めを容易にするために少なくとも8cmの範囲にわたって平行移動させられ
るように構成され得る。
【0009】
他の実装形態では、システムが、放射線ビームをコリメートするためのコリメート・シ
ステムをさらに有することができる。コリメート・システムが、複数のリーフを有する第
1のマルチリーフ・コリメータと、複数のリーフを有する第2のマルチリーフ・コリメー
タとを有することができ、放射線ビームを、第2のマルチリーフ・コリメータを通過させ
る前に第1のマルチリーフ・コリメータを通過させるように、さらには標的に当たる前に
第2のマルチリーフ・コリメータを通過させるように、構成され得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1のマルチリーフ・コリメータのリーフおよび第2のマル
チリーフ・コリメータのリーフが、互いに独立して移動するように構成され得る。第1の
マルチリーフ・コリメータおよび第2のマルチリーフ・コリメータのうちの少なくとも一
方がダブル・フォーカシング(double focus)され得る。
【0011】
特定の実装形態では、第1のマルチリーフ・コリメータがフォーカス・ポイントを有す
ることができ、第2のマルチリーフ・コリメータがフォーカス・ポイントを有することが
でき、第1のマルチリーフ・コリメータのフォーカス・ポイントが第2のマルチリーフ・
コリメータのフォーカス・ポイントとは異なっていてよい。第1のマルチリーフ・コリメ
ータおよび第2のマルチリーフ・コリメータのフォーカス・ポイントを異なるものにする
ことにより、第1のマルチリーフ・コリメータおよび第2のマルチリーフ・コリメータと
の間のペナンブラの適合を改善することができる。また、第1のマルチリーフ・コリメー
タのフォーカス・ポイントが有効線源点(effective source poin
t)にあってよく、第2のマルチリーフ・コリメータのフォーカス・ポイントが有効線源
点から離れるように移動させられ得る。
【0012】
第1のマルチリーフ・コリメータおよび第2のマルチリーフ・コリメータがさらに、第
1および第2のマルチリーフ・コリメータのリーフの幅より狭いビームをコリメートする
ように構成され得る。第1のマルチリーフ・コリメータのリーフがさらに互いに直接に隣
接するように構成され得、第2のマルチリーフ・コリメータのリーフがさらに互いに直接
に隣接してよい。
【0013】
別の実装形態では、システムが、放射線治療デバイスと診断品質のCTスキャナとの間
に放射線遮蔽物をさらに有することができる。放射線遮蔽物が、放射線治療デバイスの方
を向く診断品質のCTスキャナの外側シュラウドの一部分を覆うかまたはそれに取って代
わる高原子番号材料を有することができる。
【0014】
いくつかの実装形態では、放射線治療デバイスがリニアックであり、システムがリニア
ックの少なくとも1つの構成要素のためのRF遮蔽物(RF shielding)をさ
らに有することができる。
【0015】
別の実装形態では、システムが、放射線治療デバイス、CTスキャナ、MRI、CT診
察台、PET/CT診察台、およびMRI診察台からなる群から選択される少なくとも1
つのシステムを設置するように構成される少なくとも1つの多用途のベースプレートを有
することができる。少なくとも1つの多用途のベースプレートが、放射線治療デバイスを
取り外すことなく、システムをCTガイダンスとMRIガイダンスとの間で変換するのを
可能にすることができる。
【0016】
本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成する添付図面が本明細書で開示される主
題の特定の態様を示しており、本記述と共に、開示される実装形態に関連する原理の一部
を説明するのを補助する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本開示の特定の態様による、例示のガントリー、および放射線源を備えるコリメート・デバイスを利用する、例示の放射線治療デバイスを示す概略図である。
【0018】
図2】本開示の特定の態様による、例示のマルチリーフ・コリメータと、その中にアパーチャを作ることができる手法とを示す概略図である。
【0019】
図3】本開示の特定の態様による例示の二重に重ねられるコリメート・デバイスを示す概略図である。
【0020】
図4A】本開示の特定の態様による、二重に重ねられるコリメート・デバイスが放射線ビームをコリメートすることができる手法を示す概略図である。
図4B】本開示の特定の態様による、二重に重ねられるコリメート・デバイスが放射線ビームをコリメートすることができる手法を示す概略図である。
【0021】
図5】本開示の特定の態様による例示の二重に重ねられるコリメート・デバイスを示す概略等角図である。
【0022】
図6】本開示の特定の態様による例示の二重に重ねられるコリメート・デバイスを示す概略図である。
【0023】
図7】本開示の特定の態様による、段差状リーフのデザインを利用する例示の二重に重ねられるコリメート・デバイスを示す概略図である。
【0024】
図8】本開示の特定の態様による、追加の駆動のハードウェアを備える二重に重ねられるコリメート・デバイスを示す概略図である。
【0025】
図9】本開示の特定の態様による、追加のガイドのハードウェアを備える例示の二重に重ねられるコリメート・デバイスを示す概略図である。
【0026】
図10】本開示の特定の態様による例示のリーフ組立体を示す概略図である。
【0027】
図11】ガントリーの周りで線形加速装置が複数の構成要素へと分割されている状態の、本開示の特定の態様による例示の放射線治療デバイスを示す概略図である。
【0028】
図12】本開示の特定の態様による、放射線治療のシミュレーションのために設計された例示の「市販品」の診断品質のCTスキャナを示す概略図である。
【0029】
図13】本開示の特定の態様による、CTスキャナに隣接して配置される例示の放射線治療デバイスを示す概略図である。
【0030】
図14】本開示の特定の態様による組み合わせのCT/RTシステムの例示の構成を示す概略図である。
【0031】
図15】本開示の特定の態様による、側方に移動するように構成される例示の放射線治療デバイスを示す概略図である。
【0032】
図16】本開示の特定の態様による、例示の分割式(split)MRIデザインと組み合わされるRTシステム、および多用途のベースプレートを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
例示の放射線治療デバイス101が図1に描かれており、放射線ビーム106を放射す
ることができる放射線源104を担持するガントリー112を有する。
【0034】
コリメート・デバイス102が放射線ビーム106の経路内に配置され得、標的108
に向かう放射線ビーム106の移動時に放射線ビーム106を選択的に減衰させるように
構成され得る。放射線源104は、電子ビームまたは光子ビームなどを生成するための、
例えば、放射性同位体、重イオン加速器、または線形加速装置であってよい。本開示のテ
クノロジは放射線ビームを利用する任意の分野で使用され得るが、本明細書で説明される
実施形態は標的108として医療患者Pを描写する。
【0035】
図2が、マルチリーフ・コリメータ(つまり、MCL:Multi-Leaf Col
limator)として知られる特定の種類のコリメート・デバイスを描いている。示さ
れる例示のMLC200が、第2の組の移動可能リーフ204の反対側にある一組の移動
可能リーフ202を有する。このようなデバイスでは、各リーフ206がアパーチャ21
2を形成するのを可能にするために独立して調整可能であり、アパーチャ212がビーム
を治療のための所望の形状へとコリメートする。
【0036】
MLC200内の各リーフが幅208および高さ110(高さは図1に示される)を有
するものとして説明され得る。高さ110はリーフの「厚さ」としても説明され得、ML
C200によるビーム106の減衰の量を決定するのに重要なものである。また、減衰の
量は、MLCのリーフを作っている材料の影響を受け、したがって、タングステン、タン
グステン合金、タンタル、タンタル合金、鉛、および鉛合金などの、高減衰材料(hig
h-attenuating material)が使用される。
【0037】
本開示で企図される例示のコリメート・システムが図3に描かれており、複数の「重ね
られる」MLCを備える。例えば、描かれる実施形態は、第1のMLC302および第2
のMLC304を有する。MLCが積み重ねられ、その結果、それらの減衰値が放射線ビ
ーム106に対して付加されていく。第1のMLC302が第2のMLC304と比較し
て放射線源104のより近くに配置され、その結果、放射線ビーム106が第2のMLC
304を通過する前に第1のMLC302を通過する。本明細書で描かれる実施形態は2
つの積み重ねられるMLCを示しているが、本開示の一般的な教示に従って追加のMLC
が加えられてもよい(例えば、3つのスタック)ことも企図される。
【0038】
コリメート・デバイスを放射線源104の近くに配置することが一般的ではあるが、本
開示は、コリメート・デバイスを標的または患者により近づけるように移動させる実施形
態も企図する。例えば、本開示の好適な実装形態は、標的/患者によって占有されること
になる所望のボアまたはボリュームを制限することなく、可能な限り標的に近づけるよう
にコリメート・デバイスを移動させる。好適な一実装形態では、標的108の最も近くに
あるコリメート・デバイスの縁部(つまり、放射線源104から最も離れたところにある
第2のMLC304の縁部)がアイソセンターから60cm未満にあり、好適にはアイソ
センターから約50cmにある。このようなデザインが組み立て中のコリメート・デバイ
スの位置決めを容易にし、ビームのペナンブラを低減する、ことが企図される。
【0039】
図4Aおよび図4Bが、例示の二重に重ねられるMCLシステムを用いてビームがコリ
メートされ得る手法の概略図を示す。両方の図に示されるように、第1のMLC302お
よび第2のMLC304のリーフがリーフの幅の半分だけオフセットされるか、またはリ
ーフの幅の約半分だけオフセットされる。第1のMLC302および第2のMLC304
内のリーフが互いに独立して移動させられ得る。図4Aでは、第1のMLC302内の1
つのリーフおよび第2のMLC304内の1つのリーフが最小のアパーチャを作るように
後退させられ得、そのアパーチャを通ってビーム106が通過することができる(この寸
法はリーフの幅に対応する)。その結果、MLCのリーフは、第1および第2のマルチリ
ーフ・コリメータの各々のリーフの幅より細いビームをコリメートするのを可能にするよ
うな形で、オフセットされる。
【0040】
特定の一実装形態では、このようなビームの幅が、第1のMLC302および第2のM
LC304の両方のリーフの幅が約8.3mmの場合に、4.15mmであってよい。図
4Bが、MLCのうちの1つのMLCの2つのリーフが後退させられてもう一方のMLC
の重なり合うリーフが後退させられるときに、放射線ビーム106を通過させることがで
きる第2の最小のアパーチャが作られ得、例えばビームが8.3mmの幅を有する、こと
を示している。
【0041】
一実装形態では、MLCが積み重ねられ、各MLC内のリーフがほぼ等しい幅を有し、
第1のMLC302内のリーフが第2のMLC304内のリーフから、それらの幅の約半
分だけオフセットされている(図4に示されるように)。このような実装形態のMLCの
リーフは一般的なMLCの幅の約2倍となるように設計され得、それでもほぼ同様の解像
度を達成する。例えば、アイソセンターで5mmの解像度を達成する場合、一般的な単一
のMLCは約2.5mmの幅のリーフを必要とするが、オフセットされる二重に重ねられ
るデザインではリーフが約5mmの幅であってよく、同様の解像度を達成することができ
る。このようなデザインは機械加工を容易にすることから所望される可能性があり、また
、リーフに接続されるかまたはインターフェース接続される設備のためにより多くの材料
を提供することから所望される可能性がある。
【0042】
図5は、二重に重ねられるMLC302および304を示す図3の例示のコリメート・
システムの等角図である。例示のコリメート・システムは、付加的なビーム減衰作用を有
するように構成される複数のMLCを有することから、各々の個別のMLC内のリーフが
、標準的な単一のMLCのコリメート・システム内のリーフと比較して、低減される高さ
または厚さを有することができる。例えば、2つのMLCが利用される場合、各MLC内
のリーフが、同じ材料で作られる一般的な単一のMLC内のリーフの高さの約半分であっ
てよい。このようにして個別のリーフの重量を低減することができ、それによりリーフを
制御することがより容易になり、より迅速に移動させることが可能となり、それにより全
体の治療時間を短縮することができる。また、コリメータがフォーカシングまたはダブル
・フォーカシングされるように設計される場合(これは好適であり、後でさらに説明され
る)、ビームに対して露出されるMLCの縁部がより高い減衰性を有することになり、各
々のMLCのリーフの高さがさらに低減され得る。
【0043】
図4に示されるビーム・コリメート機能を考慮し、また本明細書で説明されるビームの
減衰の重要性を考慮すると、本開示の好適な実装形態は、等しいかまたはほぼ等しい、第
1のMLC302および第2のMLC304のためのリーフ高さを利用する。第1のML
C302および第2のMLC304の両方が放射線ビーム106をシェイピングする役割
を有することから、第1のMLC302および第2のMLC304の両方の各々が、例え
ば医療放射線治療の場合、放射線ビーム106を十分に減衰させるのに十分なリーフ高さ
を有するように好適には設計される。特定の一実装形態では、第1のMLC302および
第2のMLC304の両方のリーフが、17.5gm/cc以上の密度のタングステン合
金(例えばCu:Ni:Wが5:5:90)で作られ、各々が約5.5cmの厚さである
。好適な例示のコリメート・システムが第1のMLC302の各組で34個のリーフを有
することができ、第2のMLC304の各組で35個のリーフを有することができるが、
別の解像度および各組内での別の数のリーフも企図される。
【0044】
好適には、本開示のテクノロジと共に使用されるMLCは図面に示されるようにダブル
・フォーカシングされる(線形に動作するリーフを有し、丸みのあるリーフ端部を有する
ような非フォーカシング(non-focused)・コリメータとは異なる)。リーフ
のすべてのビーム画定表面が放射源の方に後方に突出するとMCLがダブル・フォーカシ
ングされる。例えば、図1を参照すると、放射線ビーム106が放射線源104から扇形
に広がる。例示のコリメート・システムは円弧に沿って後退する湾曲リーフを利用するこ
とから(例えば、図1、3に示されるように)、リーフが後退するときにリーフの縁部が
常に放射線源104の方向に後方に突出する線を表す。このようなデザインを用いる場合
、リーフの厚さ全体がコリメート・デバイスを通過するときのビーム106を減衰させ、
それにより、どの程度の距離でリーフが後退させられたかに関係なく小さいペナンブラを
有する鋭利なビーム・エッジを提供する。
【0045】
ビーム106をコリメートする4つのすべてのリーフ表面が放射線源の方に後方に突出
すると、コリメート・システムが「ダブル」フォーカシングされる。図5がMLCにより
ビーム106を他の寸法にフォーカシングすることができる手法を示しており、これが放
射線源104から距離と共にリーフの幅が増大することによる。図5では、例えば、ML
C302の頂部のリーフの幅が最も薄い。MLC302のリーフの底部で幅がより大きく
なりさらに第2のMLC304内のリーフの頂部がさらに大きく、MLC304内のリー
フの底部が最大である。このデザインは図6にも示される。
【0046】
一実装形態では、リーフ・デザインのフォーカシングが意図的にわずかにデフォーカス
される。例えば、リーフ表面が実際の放射線源の1センチメートルから2センチメートル
上方のまたは下方のポイントに突出するように設計され得る。このようにわずかにデフォ
ーカシングすることにより、リーフ間のスペース(すなわち、リーフ間の隙間)を通る放
射線漏洩を有意に低減することができ、一方で、ビームのペナンブラに対する影響をわず
かなものにすることができる。
【0047】
別の実装形態では、第1のMLC302および第2のMLC340が異なるフォーカス
・ポイントを有する。したがって、MLCを移動させる円弧があるポイントで交差するこ
とになるが、これはそれらのMLCが互いから十分なクリアランスを有するように設計さ
れ得るような範囲内である。フォーカス・ポイントを異なるものにすることは、第1のマ
ルチリーフ・コリメータおよび第2のマルチリーフ・コリメータが線源から異なる距離に
ある場合でも第1のマルチリーフ・コリメータと第2のマルチリーフ・コリメータとの間
のペナンブラの適合を改善するように選択され得る。例えば、第1のMLCの焦点が有効
線源点に配置され得、第2のMLCの焦点が有効線源点から離れるように移動させられ得
る。このような例示のデザインは下側のMLCのペナンブラを増大させ、それにより上側
のMLCのペナンブラをより良好に適合し、それにより第1のMLCおよび第2のMLC
によってシェイピングされるビーム・エッジの線量をより良好に適合する。
【0048】
従来の非フォーカシングMLCを用いる場合、ビーム・アパーチャの外側への放射線漏
洩を防止するのにコリメータ・ジョーが必要である。従来のMLCの丸みのあるリーフ端
部は完全に閉じられていても放射線を遮断することが不得手であり、閉じられるリーフ端
部はしばしば従来のコリメータ・ジョーによって遮断されるような位置まで移動させられ
る。ダブル・フォーカシングされるリーフを利用することにより、透過を遮断するのに適
度な厚さを有する(オフセットされるリーフ接点ロケーションを有する)隣接する積み重
ねられるMLCで十分となるような程度にまで、リーフ端部での漏洩およびペナンブラが
制限され、その結果、従来のコリメータ・ジョーが必要なくなる。したがって、本開示は
、コリメータ・ジョーを有さないコリメート・システムを企図する。
【0049】
本開示の好適な実装形態はダブル・フォーカシングされるMLCを利用するが、シング
ル・フォーカシングされるMLCまたは非フォーカシングMLCも利用され得、または複
数の積み重ねられるMLCに跨って組み合わされるフォーカシング・タイプが使用されて
もよい、ことが企図される。
【0050】
フォーカシングされる実装形態で第1のMLC302および第2のMLC304のリー
フの幅を比較すると、放射線源104からの距離が増すにつれてリーフの幅が継続的に増
大することを上述した。そうは言っても、本開示の好適な実装形態は、第2のMLC30
4とほぼ等しい幅を有するリーフ・デザインを第1のMLC302内において有する。こ
のように記述される場合の「ほぼ等しい幅」とは、第1のMLC302内のリーフの底部
の幅が第2のMLC304内のリーフの頂部の幅とほぼ等しい(つまり、わずかのみに小
さい)ことを意味する。言い換えると、第1および第2のMLC内のフォーカシングされ
るリーフはほぼ等しい幅を有するとみなされ得、これが、放射線源104から離れてリー
フが延在するときにリーフに沿って追加されるわずかな付加的な幅を含み、これはフォー
カシングされるデザインを提供するのに必要なものである(例えば、図5および6に示さ
れる)。
【0051】
好適な実装形態は、第1のMLC302および第2のMLC304内のリーフの幅がほ
ぼ等しいようなリーフ・デザインを利用するが、本開示は、重ねられるMLCの間でリー
フの幅が異なってよいようなデザインを企図する。
【0052】
本開示の好適な実装形態では、第1のMLC302のリーフが互いに直接に隣接するか
または接触し、第2のMLC304のリーフが互いに直接に隣接するかまたは接触する。
この実装形態では、両方の第1のMLC302および第2のMLC304の中の隣接する
リーフの間の隙間が、リーフの間での放射線漏洩を最小化しながらも相対運動を可能にす
るような形で、最小化される。この種類の実装形態は例えば図4、5、および6に示され
る。
【0053】
MLCのリーフが独立して移動することが可能であることから、MLCのリーフの間に
小さい隙間が必ず存在し、その小さい隙間を一部の放射線が通過することができる。本開
示のコリメート・システムが、リーフの間の隙間を位置合わせしないように第1のMLC
302のリーフおよび第2のMLC304のリーフを好適には配置することを企図し、そ
の結果、放射線ビーム106が第1のMLC302内のリーフの隙間を通って透過するこ
とができず、さらには第2のMLC304内のリーフの隙間を直接に通って透過すること
ができない。代わりに、第1のMLC302のリーフが好適には第2のMLC304のリ
ーフからオフセットされ、その結果、両方のMLCのリーフ間の隙間を通って移動するた
めのビームのための直線経路が存在しない。例えば、図4、5、および6を参照されたい
【0054】
例示の実施形態では、第1のMLC302および第2のMLC304のリーフがそれら
の幅の約50%でオフセットされ、それにより第1のMLC302および第2のMLC3
04のリーフ間の隙間の間の分離距離を最大にする。本開示によりリーフの幅の50%未
満のオフセットが企図されるが、好適にはオフセットが利用され、好適にはリーフの幅の
10%を超える。
【0055】
1つのみのMLCを備える一般的なコリメート・システムでは、リーフを互いに接合ま
たは当接させるロケーションにおけるリーフの複雑なマシニングを介してリーフ間の漏洩
を防止しなければならない。例えば、凸部および溝つまり段差状のデザインが、それ以外
の場合での線形のリーフ間の隙間を妨害する。このような線形のリーフ間の隙間は有意な
ビームの漏洩を可能にする可能性がある。本開示のコリメート・システムはこのような追
加のマシニングを排除する能力を企図する。その理由は、直線的な縁部を有するリーフが
利用される場合でも、コリメート・システムを通る漏洩経路が、第1のMLC302と第
2のMLC304と間でのリーフの上述の重なり合いまたはオフセットにより妨害される
ことになる。好適な実装形態は、リーフ間の漏洩を遮断するための追加のマシニングまた
は特徴を有さない、単純な直線的な縁部を有するリーフを有する。また、このようなデザ
インによりリーフの縁部をより一様にすることができ、ビームのペナンブラを低減するこ
とができる。
【0056】
ここで説明されるコリメート・システムの代替的実施形態では、複数のMLCを有する
にもかかわらず、またリーフがオフセットされるにもかかわらず、リーフの接合面が、漏
洩経路をさらに小さくするように、およびMLCの高さを低減するのを可能にするように
、機械加工され得る。凸部・溝のデザインなどの任意の構成の非線形の表面は有利となり
得ることが分かっている。図7に描かれる例示の実施形態では、段差がリーフの接合面の
中に機械加工される。図7が、第1のMLC302に対応する第1の部分的なリーフ・バ
ンク702と、第2のMLC304に対応する第2の部分的なリーフ・バンク706とを
示す。描かれる実施形態では、リーフが、幅709、ならびに高さ704および708を
有する。例示の実施形態では、部分的なリーフ・バンク702のリーフ高さ704および
部分的なリーフ・バンク706のリーフ高さ708が等しく、約5.5cmである。しか
し、各々のリーフ・バンクの高さが等しいことは必須ではない。
【0057】
図7に描かれる例示のリーフ接合面のマシニングが、第1のMLC302および第2の
MLC304の両方のリーフに含まれる段差機能である。考察を単純なものとするために
、高さ704および高さ708を等しいものとし、両方を変数「H」に等しいものとする
図7の実施例では、経路710などの透過経路が存在することになり、ここでは、入射
放射線ビーム106がリーフ・バンク702の全高704およびリーフ・バンク706の
全高708を通って移動しなければならず、2×Hの厚さを通しての最大のビーム減衰が
示される。しかし、経路712および714などのリーフ間の隙間に直面することになる
透過経路も存在することになり、これが、H+1/2H=3/2Hの合計のリーフ厚さの
みを通過することにより低減される減衰を示すことになる。しかし、3/2Hの減衰厚さ
(attenuation thickness)は1Hのみである厚さよりは大きく、
1Hのみの厚さは、「段差」機能を有さない二重に重ねられるコリメート・システムで直
面するところである。したがって、段差機能がMLC302およびMLC304内のリー
フの合計の高さを33%低減するのを可能にし、それでも、段差機能を有さないMLCに
よって観測されるのに等しい減衰を達成することができる。したがって、このような機能
は、リーフの必要となる材料の量および重量を低減するのに使用され得、それによりML
Cの速度および性能を改善することができる。例えば、各々のMLC302、304のリ
ーフ高さが約3.7cmであってよい。
【0058】
オフセットされて二重に重ねられるデザインでは、リーフのオフセットにより、ビーム
106がアパーチャ212の縁部のロケーションで一般的な材料の量の約半分の量のみに
よって減衰されることになる。つまり、段差機能が利用される場合、より少ない材料によ
り放射線ビーム106が減衰されることになる(例えば、図7の経路716を参照された
い)。
【0059】
本明細書で考察される例示のMLC組立体が、リーフを支持および駆動するための機械
的支持体と、リーフの位置を操作するためのサーボモータと、所望のビーム形状および減
衰を達成するための制御システムとをさらに有することができる。図8が例示のコリメー
ト・システムの別の図であり、ここでは、駆動連結部802、およびリーフ駆動モータ組
立体804を有する。制御システム、エンコーダ、電力ケーブルなどの、多数の他の関連
のシステムは描かれないが、さらに含まれてもよい。
【0060】
図9が、頂部リーフ支持ガイド902と、中間リーフ支持ガイド904と、底部リーフ
支持ガイド906とを有する、例示のコリメート・システムのリーフを支持および駆動す
るための追加の構造体を描いている。一実施形態では、リーフがそれらの頂部表面および
底部表面にタブを有し、タブがリーフ支持ガイド内の溝の中に載置され得る(例えば、図
6を参照されたい)。加えて、ガイド圧力調整プレート908がさらに含まれ得、それに
より緩くはないがリーフの円滑な移動を保証する。特定の一実装形態は、リーフの移動を
さらに案内するためのおよび過度の振動を回避するための棒910をさらに有することが
できる。
【0061】
次に図10を参照すると、リーフ組立体1002のデザインのための一実装形態は、減
衰材料1006から分離されるフレーム1004を利用する。このようなデザインでは、
リーフ支持ガイドに係合される、リーフ組立体1002のフレーム1004部分が、減衰
材料1006の材料とは異なる材料で作られ得る。減衰材料1006は放射線減衰のため
に通常はタングステン合金または他の高密度材料であるが、フレーム1004が、例えば
ステンレス鋼などの、別の材料から作られ得る。減衰材料1006がフレーム1004の
中に挿入されるように設計され得、これらの2つの材料が、接着、焼結、または溶接など
の、多数の手法を利用して一体に固定され得る。好適には、フレーム1004がリーフ組
立体1002の減衰用縁部1008までは延在せず、それによりリーフ組立体1002の
全体の減衰特性の変化を回避する。
【0062】
図1に関連させて上述したように、例示の放射線治療デバイス101が、放射線ビーム
106を放射することができる放射線源104を担持するガントリー112を利用するこ
とができる。図11が放射線治療デバイス101の実装形態を描いており、ここでは、放
射線源104が線形加速装置であり、線形加速装置がガントリー112の周りで離間され
る複数の構成要素1102へと分割される。このような構成が、リニアック構成要素11
02の間でRF導波管1104を利用することができ、それにより放射線治療デバイス1
01の最大直径を全体として縮小させることができる。代替的実装形態では、ガントリー
112の周りに複数の放射線源が含まれてもよい。
【0063】
例示のガントリー112は大きいボアを有する一方で可能な限りコンパクトであり、例
えば、ボアが80cmを超えるように設計されてよい。一実装形態では、ボアが110c
mである。
【0064】
本明細書で企図されるガントリーの一実装形態はリング・ガントリーであり、リング・
ガントリーが少なくとも1つの放射線治療ビーム源を担持することができ、コプラナー・
ビームを送達するのを可能にするような手法で、治療中にビーム源を再方向付けするのに
使用され得る。本明細書でリング・ガントリーという用語が使用される場合、ガントリー
が必ずしも純粋なリング形状であるわけではないことが企図される。円形状から逸脱する
ガントリー、またはさらにはそれらの構造内に切欠部を組み込むガントリーも企図される
【0065】
本明細書で考察される放射線治療デバイスが、上述の有益なコリメート・デバイスの実
施形態および態様のうちの任意の実施形態および態様を利用することができる。このよう
なデバイスは、透過のほぼない、小さいペナンブラのビームを有することになり、ハイ・
クオリティーの治療計画を施行することができる。その結果、本開示はコプラナー放射線
治療のみを施行するように構成される放射線治療システムの実施形態を企図する。例えば
、本明細書で開示される放射線治療デバイスはノンコプラナー治療を可能にするような手
法で放射線源を位置決めするように、またはビームのオン中(例えば、トモセラピーの螺
旋施療(helical delivery))に患者の診察台を平行移動させるように
、構成され得るが、別法として、特定の実装形態は、ビーム源を単一平面内の多様な位置
まで移動させるように、およびコプラナー放射線治療のみを施行するように、構成される
ことになる。このような実装形態では、図1および11に描かれるリング・ガントリーが
利用され得る。加えて、本開示の放射線治療デバイスが片持ち式であってよく、放射線治
療デバイスに関連する診察台が回転可能であってよい(ノンコプラナー治療を可能にする
ために)ことが企図されるが、特定の実装形態では、患者の診察台が回転しないように構
成され、放射線治療デバイスが片持ち式ではなく、それでもこのシステムがハイ・クオリ
ティーな治療計画を施行することができる。本明細書で使用される片持ち式という用語は
、主要な回転構造体から離れるように外側へとデバイスから放射線ビームが放射されるロ
ケーションを延伸させるためのアームまたは他の構造を含むことを意味する。このような
片持ち式のデバイスは、通常、所与の平面内のみで移動するビーム源から患者へのノンコ
プラナー治療を可能にするために回転する診察台と共に使用される。本開示に関連する場
合の「片持ち式」であるデバイスの場合、放射線ビームを放射するロケーションが、例え
ば、診察台を回転させるのを可能にするためにおよびノンコプラナー・ビームを送達する
のを可能にするために、十分に延伸されなければならない。ビーム放射ロケーションをわ
ずかな距離しか延伸させられないような放射線治療デバイスはノンコプラナー治療を可能
にするのに十分ではなく、「片持ち式」であるとはみなされない。
【0066】
本明細書で開示される放射線治療デバイスの実施形態はアーク治療(VMATとも称さ
れる)を実施するのに使用され得、ここでは、放射線治療ビーム源は、ビーム源の移動中
(例えば、ガントリーの回転中)に放射線ビームを放射する。しかし、上で考察したコリ
メート・デバイスの概念を利用する特定の有益な実施形態は、アーク治療を施行するよう
には構成されないが放射線治療デバイスが短時間でハイ・クオリティーの治療計画を施行
することができるようにするように、設計され得る。
【0067】
本開示は、開示される放射線治療システムと共に診断品質のCTスキャナを使用するこ
とを企図する。診断品質のCTスキャナは、通常、シングル・スライス検出器またはマル
チ・スライス検出器の能力を有し、軸方向のまたは螺旋方向のデータ取得および画像再構
成を行うことができる、「スリップ・リング・テクノロジ」に基づいて継続的に回転する
CTシステムである。診断品質のCTスキャナは、複数のビーム源と、数十から数百の画
像スライスを取得するように構成される検出器アレイとを有することができる。診断品質
のCTスキャナは、しばしば、病院または診療所の診断のX線科で採用され、通常、患者
の周りを回転するファン・ビーム・ジオメトリのキロボルト・エネルギーX線を利用する
。診断品質のCTスキャナは、しばしば、放射線治療患者の治療計画で使用されるための
ハイ・クオリティーのCT撮像を実現するのに採用される。ハイ・クオリティーのCT画
像は、線量計算を改善することを目的として組織密度に対してのハウンスフィールド値の
較正を可能にする。
【0068】
診断品質のCTスキャナは、円錐ビームX線CTを生成するために格納式X線管および
平面パネル・イメージャを採用することができる円錐ビームCTシステムとは異なる。円
錐ビームCT(CBCTとしても知られている)によって生成されるCT撮像データは標
準的なCTユニットより画像品質が低く、軟組織のコントラストが低品質であり、臓器運
動による副作用があり、撮像される組織の電子密度を正確に反映しないハウンスフィール
ド値の悪影響を受ける。診断品質のCTスキャナはまた、超高圧CT画像を生成するため
の、平面パネル・イメージャを備える、撮像源として超高圧放射線治療ビームを使用する
ことができる超高圧システムとは異なる。超高圧CT画像も、軟組織のコントラストが低
品質であるような低品質のノイズの多い画像である。
【0069】
本明細書で利用される診断品質のCTスキャナの特定の実装形態は大きいボア(例えば
、70~90cm)を有する。一実装形態では、診断品質のCTスキャナが、放射線治療
のシミュレーションのために設計された「市販品」のユニットであってよく、放射線治療
に適合する診察台と、治療用の移動不可の設備とを有する。このようなスキャナ1201
の一実施例が図12に描かれている。別法として、診断品質のCTスキャナは、陽電子放
射断層撮影(PET:Positron Emission Tomography)ス
キャナに隣接するCTスキャナを備えるPET/CTスキャナであってもよい。
【0070】
診断品質のCTスキャナが、後で考察される有益な使用のための本明細書で考察される
放射線治療デバイスのうちの任意の放射線治療デバイスに隣接して配置され得る。一実装
形態(図13に描かれる)では、CTスキャナ1201が、本明細書において上で考察し
たように、リング・ガントリーを利用して放射線治療デバイス101に隣接して配置され
得る。「隣接する」とは単純に近接することを意味し、デバイスが、接触するか、わずか
に分離されるか、または一体化されることを企図する。しかし、CTおよび放射線治療デ
バイスは、好適な実装形態では分離されるガントリーを有することを意図される。
【0071】
組み合わせのCT/TRシステムでは、診断品質のCTスキャナがイメージング・アイ
ソセンターを有し、放射線治療デバイスが、イメージング・アイソセンターから分離され
る放射線治療アイソセンターを有する。分離されるとはアイソセンターが有意な距離で離
間されることを意味するものとして理解され、例えばその結果、撮像と治療の間で診察台
が患者を移動させなければならない。一実装形態では、アイソセンターが互いから約80
cm離される。好適には実装形態では、CTスキャナおよび放射線治療デバイスが、互い
を基準として、またさらには治療室を基準として、定位置で固定され、これは、CTスキ
ャナおよび放射線治療デバイスを移動させることができないような形でCTスキャナおよ
び放射線デバイスが設置されることを意味する(例えば、レールまたはターンテーブル上
にあるようなものである)。
【0072】
図13のCTシステムおよびRTシステムが、最初に診察台をCTに入れてその後でR
Tデバイスに入れるように、配置されるが、この構成が逆にされてもよいことも企図され
る。
【0073】
組み合わせのCT/RTシステムの典型的な実施形態では、CTシステムおよびTRシ
ステムが概略的に互いに一列に並べられ、その結果、診察台が1つのシステムから他のシ
ステムまで移動させるために患者を一方向に平行移動させることができる。例えば、RT
システムがボアを有するガントリー(例えば、リング・ガントリー)を有し、CTシステ
ムおよびRTシステムのボアが概して位置合わせされる。RTシステムの全高がCTシス
テムの高さより大きいような事例では、プラットフォーム上にあるCTシステムを上昇さ
せることにより、または治療室の床にあるピットを使用することを介してRTシステムを
降下させることにより、これが達成される(端面から見るRTシステム101の図15
図を参照されたい。これは、システムのボアおよび床にあるピット1504を示している
。ピットは図14でも見ることができる)。
【0074】
組み合わせのCT/RTシステムが、診断品質のCTスキャナと放射線治療デバイスと
の間で患者を平行移動させることにより撮像および放射線治療の両方のために患者を位置
決めするように構成される診察台を利用することができる。
【0075】
診察台が組み合わせのCT/RTシステムのために特別に設計され得る。一実装形態で
は、診察台が、上下に移動するように、およびシステムのボアを介して平行移動するよう
に設計されることになるが、上で考察したように回転しないように構成されてよい。別法
として、市販のCTシミュレータ診察台が使用され得、CT/RTシステムの可能な限り
近くに配置され得、その結果、診察台が両方のアイソセンターを通るように延伸すること
ができる。別の実装形態では、市販のPET/CTスキャナ診察台が使用され得る。その
理由は、マルチプル・アイソセンター・システムで使用されるように設計されているから
である。本明細書で使用される「市販の」という用語は、使用される準備の整った構成と
して購入され得るかまたはわずかな修正のみを加えて使用され得るようなシステムを意味
する。
【0076】
企図される放射線治療施行システム(radiotherapy delivery
system)に関連して上で考察した原理が本開示の組み合わせのCT/RTシステム
にも適用される。例えば、組み合わせのシステムは、コプラナー放射線治療のみを施行す
るように構成され得る。例示の実施形態では、放射線ビーム源が平面内のみを移動するこ
とができ(例えば、リング・ガントリー上で)、RTデバイスが片持ち式ではなくてよく
、RT/CT診察台が回転するように構成されなくてよい。
【0077】
組み合わせのCT/RTシステムが、放射線治療の直前に治療診察台上にいる患者の診
断品質のCT画像を取得する能力を有し、これが複数の利点を提供することができる。1
つには、患者が治療前撮像のためにおよび治療自体のために正確に同じ手法で配置される
ことになり、それにより、撮像と治療との間で異なる手法で患者の身体を配置または支持
する場合に起こり得るような治療エラーを低減する。
【0078】
組み合わせのCT/RTシステムの他の利点が、その制御システムおよび関連のソフト
ウェアを使用することを介して実現される。例えば、システムが、治療計画を再最適化す
るように、およびその診断品質のCT撮像に基づいてオンテーブル適応療法(on-ta
ble adaptive therapy)を実施するように、構成され得る。
【0079】
この機能の一実装形態では、治療診察台が患者をCT撮像のための位置へ移動させるこ
とができる。受信される画像が診断品質であることから、システムが、元の治療計画を最
新のCTにモーフィングするために変形可能画像位置合わせ(deformable i
mage registration)を効果的に適用することができる。この場合、シ
ステムが、元の計画において最新のCTスキャンへとセグメント化された組織または標的
のオートコンタリング(autocontoring)を可能にすることができる。最新
のスキャンのCT値が電子密度へと変換され得、それにより、患者を治療する前の正確な
線量送達予測(dose delivery prediction)を計算することが
できる。次いで、最新の計画のための線量分布のクオリティーが評価され得、計画が準最
適である場合(例えば、腫瘍/または組織に対しての過度に低い線量、あるいは重篤な構
造に対しての過度に高い線量)、治療計画がスポット上の線量分布を改善するために再最
適化され得る。次いで、診察台が患者を治療のためにRTアイソセンターの方へ移動させ
ることができる。このようにして、システムが患者または患者設定に関連する条件に適合
することができ、このような条件は、改善される計画を施行するために、元の治療計画が
作られるときから変化する可能性がある。このような適応処理/再最適化は線量分布およ
び患者予後を大幅に改善することができる。一実装形態では、システムが、治療計画を再
最適化するために診断品質のCT画像を利用するように構成され得、および診察台の上に
患者がいる間において治療の直接にこれを行うように構成され得る。
【0080】
したがって、制御システムおよびソフトウェアの機能が、限定しないが、CT画像取得
、変形可能画像位置合わせ、自動の組織セグメント化/コンタリング(contouri
ng)、線量計算、治療計画の最適化、および放射線治療の施行、を含むことができる。
【0081】
図14が、組み合わせのCT/RTシステムのための例示の構成の追加の図を含む。R
F遮蔽物が、本明細書で開示されるCT/RTシステムの特定の実施形態に含まれ得る。
実施例として、放射線治療ビーム源が線形加速装置である場合、多様なリニアック構成要
素からのRF放射線が室内のまたは患者の中のデバイス(ペースメーカー、ICDなど)
に干渉する可能性がある。干渉を低減するための1つの手法は、リニアック構成要素11
02のためのコンテナ内でRF遮蔽物を利用することである。このようなコンテナの実施
例は図14で見ることができ、また、参照により本明細書に組み込まれる、本譲受人の米
国特許第8,836,332号および米国特許第9,446,263号で詳細に考察され
ている。
【0082】
組み合わせのCT/RTの実施形態は、放射線治療ビーム源からの超高圧放射線の散乱
を原因とする、スキャナ構成要素に対するダメージを防止するためにCTスキャナの構成
要素のための放射線遮蔽物をさらに有することができる。一実装形態は、診断品質のCT
スキャナと放射線治療デバイスとの間にシールドを利用することができる。別の実施形態
はフィット・アンド・カバー(fit and cover)を形成することができるか
、あるいは放射線治療ユニットの方を向くCTスキャナの外側シュラウドを、放射線を吸
収するかまたはX線CTスキャナの保護されない構成要素から離すように放射線を散乱さ
せるための高原子番号材料と交換することができる。例えば、遮蔽材料は数センチメート
ルの鉛、または1桁台のセンチメートルのタングステンであってよい。
【0083】
特定の実施形態では、選択される治療診察台が限定される自由度を有することができる
。例えば、診察台が、上下に、またはボアの中へおよび外へ、のみ、平行移動することが
できる(一般的な市販のCTシステムと同様)。このように側方に移動することができな
いことで、標的が患者の長手方向軸または正中矢状面から離れて側方に配置される場合に
放射線治療のために患者を位置決めすることにおいて問題が生じる可能性がある。複数の
デザインがこのような制約を克服することができることが企図される。例えば、市販のC
T診察台が側方移動することができるプラットフォーム上に設置され得る。別法として、
診察台が追加の自由度を有するように変更または再設計され得る。図15に描かれる実施
形態では、放射線治療デバイス101(ここでは、任意選択のピット1504の内部に描
かれている)が、診察台を基準としておよびそのボアの中に配置される患者を基準として
側方に移動することができるようにそれ自体で位置を変えるように構成され得る。一実施
形態では、ガントリーが、治療前で患者の中での放射線治療アイソセンターの位置決めを
容易にすることを目的として、少なくとも8cmの範囲にわたって、診察台の動作に対し
て直角に平行移動させられるように構成され得る。
【0084】
本明細書で説明される放射線治療デバイスがさらに、本開示の本譲受人に譲渡された複
数の追加の特許および出願(例えば、米国特許第9,446,263号)に記載されてい
るようなMRIと共に使用されるように構成され得る。図16が、放射線治療デバイス1
01を囲んでおりさらには支持壁1606に接続される磁石半体1602および1604
を備える分割式MRIデザインを利用する、このような構成の実施例を示す。
【0085】
このシステムがMRIガイダンスまたはX線CTガイダンスのいずれかを設置されるよ
うに設計され得、さらには多用途のベースプレートまたは複数の多用途のベースプレート
を介して多様な種類のガイダンスの間で変換を行うのを容易にするように設計され得る(
例えば、図16を参照)。ベースプレートが、システムを堅固に設置して位置合わせする
のに十分な程度で、システムの下の領域の少なくとも一部分を覆う。一実施例として、ベ
ースプレートが、例えば、1)RTデバイス、2)CTスキャナまたはMRI、および3
)CT診察台、PET/CT診察台、またはMRI診察台、を受け入れるための複数のド
リル・パターンを備えるように設計され得る。このようにして、システムが、放射線治療
デバイス自体を取り外したりまたは阻害したりすることなく、CTガイダンスからMRI
ガイダンスへと変換され得る。
【0086】
例えばマルチリーフ・コリメータのための制御システムである、本明細書で説明される
主題の1つまたは複数の態様または特徴が、デジタル電子回路部品、集積回路、特定用途
向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)
、コンピュータ・ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはこれら
の組み合わせで、実現され得る。これらの種々の態様または特徴は、少なくとも1つのプ
ログラマブル・プロセッサを有するプログラマブル・システム上で実行可能および/また
は翻訳可能である1つまたは複数のコンピュータ・プログラム内に実装形態を有すること
ができ、プログラマブル・システムが特殊用途向けであってもまたは汎用向けであっても
よく、保管システム、少なくとも1つの入力デバイス、および少なくとも1つの出力デバ
イスからデータおよび命令を受信するためにならびにそれらにデータおよび命令を送信す
るために、保管システム、少なくとも1つの入力デバイス、および少なくとも1つの出力
デバイスに結合される。プログラマブル・システムまたは計算システムがクライアントお
よびサーバを有することができる。クライアントおよびサーバは一般に互いに遠隔され、
通常、通信ネットワークを通して相互作用する。クライアントおよびサーバとの間の関係
は、互いに対してのクライアント・サーバ関係を有するような、それぞれのコンピュータ
上で動くコンピュータ・プログラムによって生じる。
【0087】
プログラム、ソフトウェア、ソフトウェア・アプリケーション、アプリケーション、コ
ンポーネント、またはコードと称されてもよい、これらのコンピュータ・プログラムが、
プログラマブル・プロセッサのための機械命令を有し、ハイレベル・プロシージャ言語、
オブジェクト指向プログラミング言語、関数型プログラミング言語、論理型プログラミン
グ言語、および/または、アセンブリ言語/機械言語、で実装され得る。本明細書で使用
される場合の「機械可読媒体」(または、「コンピュータ可読媒体」)という用語は、任
意の、コンピュータ・プログラム製品、装置、および/またはデバイスを意味し、これら
は例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、およびプログラマブル論理デバイス(P
LD)などであり、これらはプログラマブル・プロセッサに機械命令および/またはデー
タを提供するのに使用され、プログラマブル・プロセッサが、機械可読信号として機械命
令を受信する機械可読媒体を有する。「機械可読信号」(または、「コンピュータ可読信
号」)という用語は、プログラマブル・プロセッサに機械命令および/またはデータを提
供するのに使用される任意の信号を意味する。機械可読媒体がこのような機械命令を非一
時的に保存することができ、これは例えば、非一時的固体記憶装置または磁気ハード・ド
ライブ、あるいは任意の等価の記憶媒体などである。別法としてまたは加えて、機械可読
媒体はこのような機械命令を一時的に保存してもよく、これは例えば、1つまたは複数の
物理的プロセッサ・コアに関連付けられるプロセッサ・キャッシュまたは他のランダム・
アクセス・メモリなどである。
【0088】
使用者との相互作用を実現するために、本明細書で説明される主題の1つまたは複数の
態様または特徴が、例えば、使用者に対して情報を表示するための、陰極線管(CRT)
、液晶ディスプレイ(LCD)、または発光ダイオード(LED)モニタなどの、表示デ
バイス、ならびにコンピュータに対して使用者が入力を行うことができるようにするため
の、キーボード、および、例えばマウスまたはトラックボールなどの、ポインティング・
デバイス、を有する、コンピュータ上に実装され得る。使用者との相互作用を実現するた
めに他の種類のデバイスが使用されてもよい。例えば、使用者に提供されるフィードバッ
クは、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバックな
どの、任意の形態の感覚フィードバックであってよく、使用者からの入力が任意の形態で
受信され得、これには、限定しないが、音響入力、音声入力、または触覚入力が含まれる
。他の考えられる入力デバイスには、限定しないが、シングルポイントまたはマルチポイ
ントの抵抗膜方式のまたは容量性のトラックパッドなどの、タッチスクリーンまたは他の
接触式デバイス、音声認識のハードウェアおよびソフトウェア、光学スキャナ、光学ポイ
ンタ、デジタル画像キャプチャ・デバイス、ならびに関連の解釈ソフトウェアなど、が含
まれる。
【0089】
上記の説明および特許請求の範囲では、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数
の」などのフレーズが、要素または特徴の合同的なリストの前に現れる可能性がある。「
および/または」という用語も2つ以上の要素または特徴のリストにおいて現れる可能性
がある。特に明記しない限りにおいて、またそれを使用する文脈により明確に否定されな
い限りにおいて、これらのフレーズは、個別の列記される要素または特徴のうちのいずれ
かを意味するか、あるいは他の記載される要素または特徴のうちの任意の要素または特徴
と組み合わせで、記載される要素または特徴のうちのいずれかを意味することを意図され
る。例えば、「AおよびBのうちの少なくとも一方」、「AおよびBのうちの1つまたは
複数」、ならびに「Aおよび/またはB」というフレーズは、各々が、「Aのみ、Bのみ
、あるいはまとめてAおよびB」を意味することを意図される。3つ以上のアイテムを含
むリストにも同様の解釈が意図される。例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも
1つ」、「A、B、およびCのうちの1つまたは複数」、ならびに「A、B、および/ま
たはC」というフレーズは、各々が、「Aのみ、Bのみ、Cのみ、まとめてAおよびB、
まとめてAおよびC、まとめてBおよびC、あるいは、まとめてA、B、およびC」を意
味することを意図される。上記および特許請求の範囲での「に基づく」と用語の使用は「
少なくとも部分的に基づく」ということを意味することを意図され、したがって、記載さ
れない特徴または要素も許容される。
【0090】
本明細書で説明される主題の態様は、所望の構成に応じて、システム、装置、方法、コ
ンピュータ・プログラム、および/または物品として具体化され得る。添付図に描かれる
および/または本明細書で説明される任意の方法または論理の流れは、所望の結果を達成
することにおいて、示される特定の順序、または順番を必ずしも必要とするわけではない
。上記の説明に記載される実装形態は、本明細書で説明される主題に一致するすべての実
装形態を表すわけではない。むしろ、上記の説明に記載される実装形態は、単に、説明さ
れる主題に関連する態様に一致する一部の例である。上記でいくつかの変形形態を詳細に
説明してきたが、他の修正形態または追加も可能である。具体的には、本明細書で記載さ
れるものに加えて、別の特徴および/または変形形態が提供され得る。上述の実装形態は
、開示される特徴の種々の組み合わせおよび下位の組み合わせ、ならびに/あるいは上述
の別の特徴の組み合わせおよび下位の組み合わせを対象とするものであってよい。さらに
、上述の利点は、公表される特許請求の範囲の用途を、これらの利点のうちの任意の利点
またはすべての利点を達成するプロセスおよび構造のみに限定することを意図されない。
【0091】
また、セクションの見出しは、本開示から公表され得る任意の請求項に記載される本発
明を限定したりまたは特徴付けたりするものではない。具体的には、例として、見出しが
「技術分野」を意味する場合であっても、これらの請求項は、いわゆる技術分野を説明す
るためのこの見出しに基づいて選択される言葉によって限定されない。さらに、「背景技
術」でのテクノロジの説明は、テクノロジが本開示の任意の発明に対しての従来技術であ
ることを認めるものとして解釈されない。また、本発明の特徴付けとして解釈される「概
要」も、公表される特許請求の範囲には記載されない。また、概略的な本開示のいかなる
言及または単数形の「本発明」という単語も、以下に記載される特許請求の範囲の範囲を
限定することを暗に意味することを一切意図されない。本開示から公表される複数の請求
項の制約に従って複数の発明が記載される可能があり、したがって、これらの請求項は本
発明と、請求項によって保護される本発明の均等物とを定義する。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2023-09-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
命令を格納する非一時的機械可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品であって、前記命令は、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサで実行されると、前記少なくとも1つのプログラマブルプロセッサに
放射線治療の施行のために治療計画を受信する処理と、
診断品質のCTスキャナから診断品質のCT画像を受信する処理と、
変形可能画像位置合わせ(deformable image registration)を前記治療計画に適用することによって、前記診断品質のCT画像に前記治療計画をモーフィングする処理と、
前記治療計画のための線量分布のクオリティーを評価する処理と、
前記線量分布のクオリティーが準最適であると判断される場合、前記治療計画の再最適化を行う処理と
を含む複数の処理を実行させる、コンピュータプログラム製品
【請求項2】
前記複数の処理はさらに、
診断品質のCT撮像のための位置に患者を配置するべく患者の診察台を制御する処理と、
前記診断品質のCT画像を受信した後に放射線治療アイソセンターに前記患者を配置するべく前記患者の診察台を制御する処理と
を含む、請求項1に記載のコンピュータプログラム製品
【請求項3】
前記複数の処理はさらに、
前記治療計画において前記診断品質のCT画像へとセグメント化された組織および/または標的のオートコンタリング(autocontouring)を行う処理
を含む、請求項1に記載のコンピュータプログラム製品
【請求項4】
前記複数の処理はさらに、
前記診断品質のCT画像における診断品質のCT値を電子密度へと変換することで、線量送達予測を決定する処理
を含む、請求項1に記載のコンピュータプログラム製品
【請求項5】
前記複数の処理はさらに、
診断品質のCT撮像のための位置に前記患者を配置するべく患者の診察台を制御する処理と、
放射線治療を施行する前に前記再最適化を実行する処理と
を含む、請求項1に記載のコンピュータプログラム製品
【請求項6】
患者を撮像するための診断品質のCTスキャナであって、イメージング・アイソセンターを有する診断品質のCTスキャナと、
前記診断品質のCTスキャナに隣接して配置される放射線治療デバイスであって、前記診断品質のCTスキャナの前記イメージング・アイソセンターから離間される放射線治療アイソセンターを有し放射線治療ビーム源を担持するガントリーを有する、放射線治療デバイスと、
前記診断品質のCTスキャナと前記放射線治療デバイスとの間で前記患者を平行移動させることにより、撮像のためにおよび放射線治療のために前記患者を位置決めするように構成された患者の診察台と、
命令を格納する非一時的機械可読媒体と
を備えるシステムであって、
前記命令は、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサで実行されると、前記少なくとも1つのプログラマブルプロセッサに
放射線治療の施行のために治療計画を受信する処理と、
診断品質のCTスキャナから診断品質のCT画像を受信する処理と、
変形可能画像位置合わせ(deformable image registration)を前記治療計画に適用することによって、前記診断品質のCT画像に前記治療計画をモーフィングする処理と、
前記治療計画のための線量分布のクオリティーを評価する処理と、
前記線量分布のクオリティーが準最適であると判断される場合、前記治療計画の再最適化を行う処理と
を含む複数の処理を実行させる、
システム。
【請求項7】
前記複数の処理はさらに、
診断品質のCT撮像のための位置に前記患者を配置するべく前記患者の診察台を制御する処理と、
前記診断品質のCT画像を受信した後に前記放射線治療アイソセンターに前記患者を配置するべく前記患者の診察台を制御する処理と
を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記複数の処理はさらに、
前記治療計画において前記診断品質のCT画像へとセグメント化された組織および/または標的のオートコンタリング(autocontouring)を行う処理
を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記複数の処理はさらに、
前記診断品質のCT画像における診断品質のCT値を電子密度へと変換することで、線量送達予測を決定する処理
を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記複数の処理はさらに、
診断品質のCT撮像のための位置に前記患者を配置するべく前記患者の診察台を制御する処理と、
放射線治療を施行する前に前記再最適化を実行する処理と
を含む、請求項6に記載のシステム。
【外国語明細書】