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特開2023-164902燃料電池システム、設備管理方法、管理装置及び設備管理システム
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  • 特開-燃料電池システム、設備管理方法、管理装置及び設備管理システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164902
(43)【公開日】2023-11-14
(54)【発明の名称】燃料電池システム、設備管理方法、管理装置及び設備管理システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04303 20160101AFI20231107BHJP
   H01M 8/04228 20160101ALI20231107BHJP
   H01M 8/04664 20160101ALI20231107BHJP
   H01M 8/04694 20160101ALI20231107BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20231107BHJP
   H01M 8/12 20160101ALN20231107BHJP
【FI】
H01M8/04303
H01M8/04228
H01M8/04664
H01M8/04694
H01M8/10 101
H01M8/12 101
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023140505
(22)【出願日】2023-08-30
(62)【分割の表示】P 2021112061の分割
【原出願日】2018-07-26
(31)【優先権主張番号】P 2017146468
(32)【優先日】2017-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】合川 真史
(72)【発明者】
【氏名】馬場 雅博
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、燃料電池システム、設備管理方法、管理装置及び設備管理システムに関する。
【解決手段】燃料電池システム310は、前記燃料電池システム310の停止回数に関する情報を管理する制御部157と、前記停止回数に関する情報を出力する出力部とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池システムであって、
前記燃料電池システムの停止回数に関する情報を管理する制御部と、
前記停止回数に関する情報を、狭域ネットワーク及び広域ネットワークの少なくともいずれか1つを介して前記燃料電池システムと接続される管理装置に出力する出力部とを備え、
前記制御部は、前記燃料電池システムの手動停止回数を、前記手動停止回数以外の停止回数とは別に管理し、
前記出力部は、前記停止回数に関する情報として前記手動停止回数を前記管理装置に出力する、燃料電池システム。
【請求項2】
燃料電池システムであって、
前記燃料電池システムの停止回数に関する情報を管理する制御部と、
前記停止回数に関する情報を、狭域ネットワーク及び広域ネットワークの少なくともいずれか1つを介して前記燃料電池システムと接続される管理装置に出力する出力部とを備え、
前記制御部は、前記燃料電池システムの異常停止回数を、前記異常停止回数以外の停止回数とは別に管理し、
前記出力部は、前記停止回数に関する情報として前記異常停止回数を前記管理装置に出力する、燃料電池システム。
【請求項3】
前記出力部は、前記停止回数に関する情報を前記管理装置に定期的に出力する、請求項1又は2に記載の設備管理方法。
【請求項4】
燃料電池システムの停止回数に関する情報を管理するステップAと、
前記停止回数に関する情報を、狭域ネットワーク及び広域ネットワークの少なくともいずれか1つを介して前記燃料電池システムと接続される管理装置に出力するステップBとを備え、
前記ステップAは、前記燃料電池システムの手動停止回数を、前記手動停止回数以外の停止回数とは別に管理するステップを含み、
前記ステップBは、前記停止回数に関する情報として前記手動停止回数を前記管理装置に出力するステップを含む、設備管理方法。
【請求項5】
燃料電池システムの停止回数に関する情報を管理するステップAと、
前記停止回数に関する情報を、狭域ネットワーク及び広域ネットワークの少なくともいずれか1つを介して前記燃料電池システムと接続される管理装置に出力するステップBとを備え、
前記ステップAは、前記燃料電池システムの異常停止回数を、前記異常停止回数以外の停止回数とは別に管理するステップを含み、
前記ステップBは、前記停止回数に関する情報として前記異常停止回数を前記管理装置に出力するステップを含む、設備管理方法。
【請求項6】
燃料電池システムと、
前記燃料電池システムに狭域ネットワーク及び広域ネットワークの少なくともいずれか1つを介して接続される管理装置とを備え、
前記燃料電池システムは、
前記燃料電池システムの停止回数に関する情報を管理する制御部と、
前記停止回数に関する情報を示すメッセージを前記管理装置に送信する出力部とを備え、
前記制御部は、前記燃料電池システムの手動停止回数を、前記手動停止回数以外の停止回数とは別に管理し、
前記出力部は、前記停止回数に関する情報を示すメッセージとして前記手動停止回数を示すメッセージを前記管理装置に送信する、設備管理システム。
【請求項7】
燃料電池システムと、
前記燃料電池システムに狭域ネットワーク及び広域ネットワークの少なくともいずれか1つを介して接続される管理装置とを備え、
前記燃料電池システムは、
前記燃料電池システムの停止回数に関する情報を管理する制御部と、
前記停止回数に関する情報を示すメッセージを前記管理装置に送信する出力部とを備え、
前記制御部は、前記燃料電池システムの異常停止回数を、前記異常停止回数以外の停止回数とは別に管理し、
前記出力部は、前記停止回数に関する情報を示すメッセージとして前記異常停止回数を示すメッセージを前記管理装置に送信する、設備管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池システム、設備管理方法、管理装置及び設備管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の設備に関する様々な情報を管理する設備管理システムが知られている。様々な情報としては、設備に関する基本情報やメンテナンス情報が挙げられる。基本情報は、例えば、設置年月日、既定耐用年数及び定格消費電力等を含む。メンテナンス情報は、過去のメンテナンスの履歴を含む(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-182399号公報
【発明の概要】
【0004】
第1の特徴に係る燃料電池システムは、前記燃料電池システムの停止回数に関する情報を管理する制御部と、前記停止回数に関する情報を出力する出力部とを備える。
【0005】
第2の特徴に係る設備管理方法は、燃料電池システムの停止回数に関する情報を管理するステップと、前記停止回数に関する情報を出力するステップとを備える。
【0006】
第3の特徴に係る管理装置は、燃料電池システムに狭域ネットワーク及び広域ネットワークの少なくともいずれか1つを介して接続される。前記管理装置は、前記停止回数に関する情報を示すメッセージを前記燃料電池システムから受信する受信部を備える。
【0007】
第4の特徴に係る設備管理システムは、燃料電池システムと、前記燃料電池システムに狭域ネットワーク及び広域ネットワークの少なくともいずれか1つを介して接続される管理装置とを備える。前記設備管理システムは、前記燃料電池システムの停止回数に関する情報を管理する制御部と、前記停止回数に関する情報を示すメッセージを前記管理装置に送信する出力部とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る設備管理システム100を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る燃料電池システム310を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る設備管理装置200を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る設備管理方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下において、実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。
【0010】
従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる場合があることは勿論である。
【0011】
[開示の概要]
ところで、設備管理システムによって管理される設備が燃料電池システムであるケースが考えられる。燃料電池システムはユーザによって操作され得るシステムである。一方で、燃料電池システムの停止回数が上限を超えると、燃料電池システムを適切に制御することができなくなる可能性がある。
【0012】
以下に示す開示においては、上述した課題を解決するために、燃料電池システムの状態を適切に把握することを可能とする燃料電池システム、設備管理方法、管理装置及び設備管理システムについて説明する。
【0013】
[実施形態]
(設備管理システム)
以下において、実施形態に係る設備管理システムについて説明する。図1に示すように、設備管理システム100は、設備管理装置200と、施設300と、所定端末400とを有する。図1では、施設300として、施設300A~施設300Cが例示されている。設備管理装置200及び施設300は、ネットワーク120に接続されている。ネットワーク120は、設備管理装置200と施設300(詳細には、施設300に設けられるルータ)との間の回線(広域ネットワーク)を提供する。ネットワーク120は、設備管理装置200と所定端末400との間の回線を提供してもよい。ネットワーク120は、例えば、インターネットであってもよく、移動通信網であってもよい。ネットワーク120は、VPNなどの専用回線を提供してもよい。ネットワーク120は、施設300の外部に設けられる装置と通信を行う回線を提供する意味で宅外ネットワークと考えてもよい。
【0014】
設備管理装置200は、施設300に設けられる設備を管理する。設備管理装置200の詳細については後述する(図3を参照)。
【0015】
施設300は、燃料電池システム310及びEMS320を有する。燃料電池システム310は、燃料ガスを用いて発電を行う設備を含む。燃料電池システム310の詳細については後述する(図2を参照)。EMS320は、施設300に設けられる設備を制御する設備(Energy Management System)である。ここで、燃料電池システム310とEMS320との間の回線は狭域ネットワークによって提供される。狭域ネットワークは、例えば、施設300に設けられるルータによって構成されるネットワークである。狭域ネットワークは、Bluetooth(登録商標)及びWi-SANなどの近距離通信網であってもよい。狭域ネットワークは、施設300に設けられる装置と通信を行う回線を提供する意味で宅内ネットワークと考えてもよい。但し、施設300に設けられる装置は、施設300の屋内に設けられていなくてもよく、施設300の敷地に設けられていてもよい。
【0016】
施設300は、電力を消費する負荷設備を有していてもよい。負荷設備は、例えば、空調設備、照明設備、AV(Audio Visual)設備などである。施設300は、燃料電池システム310以外の分散電源を有していてもよい。分散電源は、例えば、太陽光、風力又は地熱などの自然エネルギーを利用して発電を行う設備を含んでもよく、蓄電池設備を含んでもよい。
【0017】
所定端末400は、施設300に設けられる設備を管理する管理者が所持する端末であってもよい。所定端末400は、施設300に設けられる設備のメンテナンスを行う作業者が所持する端末であってもよい。所定端末400は、発電事業者、送配電事業者或いは小売事業者などの事業者に属する端末であってもよい。所定端末400は、スマートフォンであってもよく、タブレット端末であってもよく、パーソナルコンピュータであってもよい。所定端末400は、燃料電池システム310と狭域ネットワーク及び広域ネットワークの少なくともいずれか1つを介して接続される管理装置の一例であると考えてもよい。
【0018】
ここで、設備管理システム100は、電力管理サーバを有していてもよい。電力管理サーバは、例えば、電力系統110から施設300に対する潮流量の制御を要求する潮流制御メッセージ、施設300から電力系統110に対する逆潮流量の制御を要求する逆潮流制御メッセージ、施設300に設けられる燃料電池システム310(分散電源)の制御を要求する電源制御メッセージなどを施設300に送信する。
【0019】
実施形態において、設備管理装置200は、燃料電池システム310と広域ネットワークを介して接続される管理装置の一例である。EMS320は、燃料電池システム310と狭域ネットワークを介して接続される管理装置の一例である。
【0020】
(燃料電池システム)
以下において、実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。図2は、実施形態に係る燃料電池システム310を示す図である。燃料電池システム310は、少なくとも燃料電池設備150を含む。燃料電池システム310は、貯湯設備160を含んでもよい。ここでは、燃料電池システム310は、燃料電池設備150及び貯湯設備160の双方を含むコジェネレーションシステムであるものとして説明を続ける。
【0021】
燃料電池設備150は、燃料ガスを用いて発電を行う設備である。貯湯設備160は、燃料ガスを用いて湯を生成或いは水温を維持する設備である。具体的には、貯湯設備160は、貯湯槽を有しており、燃料の燃焼によって生じる熱又は燃料電池設備150の発電によって生じる排熱によって、貯湯槽から供給される水を温めて、温められた湯を貯湯槽に還流する。
【0022】
図2に示すように、燃料電池設備150は、燃料電池151と、PCS152と、ブロワ153と、脱硫器154と、着火ヒータ155と、ラジエータ156と、制御基板157とを有する。
【0023】
燃料電池151は、燃料ガスを用いて発電を行う設備である。具体的には、燃料電池151は、改質器151Aと、セルスタック151Bとを有する。
【0024】
改質器151Aは、後述する脱硫器154によって付臭剤が除去された燃料から改質ガスを生成する。改質ガスは、水素及び一酸化炭素によって構成されるガスである。
【0025】
セルスタック151Bは、後述するブロワ153から供給される空気(酸素)と改質ガスとの化学反応によって発電する。具体的には、セルスタック151Bは、複数のセルがスタックされた構造を有する。各セルは、燃料極と空気極との間に電解質が挟み込まれた構造を有する。燃料極には、改質ガス(水素)が供給され、空気極には、空気(酸素)が供給される。電解質において改質ガス(水素)及び空気(酸素)の化学反応が生じて、電力(DC電力)及び熱が生成される。
【0026】
PCS152は、燃料電池151から出力されたDC電力をAC電力に変換する設備(Power Conditioning System)である。
【0027】
ブロワ153は、燃料電池151(セルスタック151B)に空気を供給する。ブロワ153は、例えば、ファンによって構成される。ブロワ153は、セルスタック151Bの温度が許容温度の上限を超えないようにセルスタック151Bを冷却する。
【0028】
脱硫器154は、外部から供給される燃料ガスに含まれる付臭剤を除去する。燃料ガスは、都市ガスであってもよく、プロパンガスであってもよい。
【0029】
着火ヒータ155は、セルスタック151Bで化学反応しなかった燃料ガス(以下、未反応ガス)に着火し、セルスタック151Bの温度を高温に維持するヒータである。すなわち、着火ヒータ155は、セルスタック151Bを構成する各セルの開口から漏れる未反応ガスに着火する。着火ヒータ155は、未反応ガスが燃焼していないケース(例えば、燃料電池設備150の起動時)において、未反応ガスに着火すればよいことに留意すべきである。そして、未反応ガスの燃焼が開始した後においては、セルスタック151Bから僅かずつ溢れ出る未反応ガスが燃焼し続けることによって、セルスタック151Bの温度が高温に維持される。
【0030】
ラジエータ156は、貯湯設備160から燃料電池設備150に流れる水(以下、還流水)の温度が許容温度の上限を超えないように還流水を冷却する。ラジエータ156は、セルスタック151Bの温度が許容温度の上限を超えないようにセルスタック151Bを冷却してもよい。
【0031】
制御基板157は、燃料電池151、PCS152、ブロワ153、脱硫器154、着火ヒータ155及び制御基板157を制御する回路を搭載する基板である。
【0032】
改質器151A、ブロワ153、脱硫器154、着火ヒータ155及び制御基板157は、セルスタック151Bの動作を補助する補機の一例である。また、PCS152の一部を補機として扱ってもよい。
【0033】
燃料電池システム310の運転状態は、発電状態(発電中とも称する)、停止状態(停止中とも称する)、起動状態(起動中とも称する)、停止動作状態(停止動作中とも称する)、アイドル状態(アイドル中とも称する)などを含む。
【0034】
発電状態は、燃料電池151による発電が行われている状態である。起動状態は、停止状態から発電状態に至る状態である。停止状態は、燃料電池151の動作が停止している状態である。停止動作状態は、発電状態から停止状態に至る状態である。アイドル状態は、燃料電池システム310から電力が出力されていないが、セルスタック151Bの温度が所定温度に維持される状態である。所定温度は、発電状態におけるセルスタック151Bの発電温度(例えば、650℃~1000℃)と同程度であってもよく、発電温度よりも低い温度(例えば、450℃~600℃)であってもよい。アイドル状態において、補機の電力は、燃料電池151から出力される電力によって賄われてもよく、他の分散電源(例えば、自然エネルギーを利用して発電を行う設備又は蓄電池設備)から供給される電力によって賄われてもよく、電力系統110から供給される電力によって賄われてもよい。
【0035】
図2に示す例では、制御基板157は、燃料電池設備150に設けられる。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。燃料電池システム310は、ユーザ操作を受け付けるリモートコントローラを含み、制御基板157は、リモートコントローラに設けられてもよい。或いは、制御基板157が有する機能は、燃料電池設備150に設けられる基板及びリモートコントローラの双方によって実現されてもよい。さらに、制御基板157は、PCS152の一部であると考えてもよい。
【0036】
実施形態において、制御基板157は、燃料電池システム310の停止回数に関する情報を管理する制御部を構成する。制御部は、CPU及びメモリによって構成される。制御基板157は、停止回数に関する情報を出力する出力部を構成する。出力部は、通信モジュールによって構成されてもよい。出力部は、画像処理IC及び音処理ICの少なくともいずれか1つによって構成されてもよい。
【0037】
ここで、燃料電池システム310の停止は、正常停止及び異常停止を含む。正常停止とは、燃料電池151による発電を停止するが、ブロワ153又はラジエータ156を停止せずに、ブロワ153又はラジエータ156を用いてセルスタック151Bの温度を下げながら、燃料電池システム310の動作を停止する動作である。一方で、異常停止は、燃料電池151による発電だけではなく、燃料電池システム310の全体の動作を停止する動作である。正常停止の動作は、例えば、相対的に軽微な異常に応じて実行される動作、若しくは、燃料電池システム310の定期メンテナンスで実行される動作である。一方、異常停止の動作は、例えば、相対的に重大な異常に応じて実行される動作、若しくは、正常停止を行えない状態で実行される動作である。
【0038】
さらに、燃料電池システム310の停止は、手動停止及び自動停止を含む。手動停止とは、ユーザ操作に起因する停止である。自動停止は、燃料電池システム310が有する停止機能に起因する停止である。自動停止は、ユーザ操作を要せずに、燃料電池システム310による自動的な停止である。手動停止は、上述した正常停止及び異常停止を含む。同様に、自動停止は、上述した正常停止及び異常停止を含む。さらに、燃料電池システム310の停止は、設備管理装置200から遠隔操作によって燃料電池システム310を停止する動作を含んでもよい。このような動作は、手動停止としてカウントされてもよく、自動停止としてカウントされてもよい。
【0039】
異常停止は、例えば、燃料電池システム310内のガスの濃度が所定範囲外となる事象に応じて実行される停止であってもよく、燃料電池システム310内のCOの濃度が上限閾値を超える事象に応じて実行される停止であってもよく、燃料電池システム310に設けられる部品(セルスタック、燃料触媒など)の温度が上限閾値を超える事象(高温異常)に応じて実行される停止であってもよい。ガスの濃度、COの濃度及び部品の温度は燃料電池システム310に設けられるセンサによって検出されてもよい。異常停止は、センサの検出結果によって燃料電池システム310が自動的に停止する自動停止でもよく、センサの検出結果のユーザに通知することによって燃料電池システム310がユーザ操作で停止する手動停止でもよい。さらに、異常停止は、例えば、燃料電池システム310に設けられる部品(例えば、センサ、ブロワ153、ラジエータ156など)の異常に応じて実行される停止であってもよい。異常停止は、部品の異常の検出結果によって燃料電池システム310が自動的に停止する自動停止でもよく、部品の異常の検出結果をユーザに通知することによって燃料電池システム310がユーザ操作で停止する手動停止でもよい。また、異常停止は、シャットダウン停止と称してもよい。
【0040】
正常停止は、異常停止以外の停止である。正常停止は、例えば、燃料電池システム310に設けられる部品(セルスタックなど)の温度が下限閾値を下回る事象(低温異常)に応じて実行される停止であってもよい。部品の温度は燃料電池システム310に設けられるセンサによって検出されてもよい。正常停止は、センサの検出結果によって燃料電池システム310が自動的に停止する自動停止でもよく、センサの検出結果のユーザに通知することによって燃料電池システム310がユーザ操作で停止する手動停止でもよい。さらに、正常停止は、通信異常に応じて実行される停止であってもよい。通信異常は、PCS152、制御基板157及びリモートコントローラなどのように、燃料電池システム310に設けられる部品の間の通信異常であってもよく、燃料電池システム310とEMS320との間の通信異常であってもよい。通信異常は、通信できない状態が所定時間以上に
亘って継続する異常であってもよい。正常停止は、通信異常の検出結果によって燃料電池システム310が自動的に停止する自動停止でもよく、通信異常の検出結果をユーザに通知することによって燃料電池システム310がユーザ操作で停止する手動停止でもよい。正常停止は、電力系統110の異常に応じて実行される停止であってもよい。電力系統110の異常は、停電であってもよく、系統電圧及び系統周波数の異常であってもよい。正常停止は、電力系統110の異常の検出結果によって燃料電池システム310が自動的に停止する自動停止でもよく、電力系統110の異常の検出結果をユーザに通知することによって燃料電池システム310がユーザ操作で停止する手動停止でもよい。
【0041】
燃料電池システム310は、停止回数の上限が定められている燃料電池設備150を含む。停止回数の上限は、停止の種別毎に異なる上限であってもよい。例えば、正常停止回数の上限及び異常停止回数の上限は別々に定められていてもよい。手動停止による正常停止回数の上限及び自動停止による正常停止回数の上限は別々に定められてもよい。手動停止による異常停止回数の上限及び自動停止による異常停止回数の上限は別々に定められてもよい。正常停止回数の上限は、異常停止回数の上限よりも多くてもよい。正常停止回数は、手動停止による正常停止回数であってもよく、自動停止による正常停止回数であってもよく、手動停止による正常停止回数及び自動停止による正常停止回数の合計回数であってもよい。同様に、異常停止回数は、手動停止による異常停止回数であってもよく、自動停止による異常停止回数であってもよく、手動停止による異常停止回数及び自動停止による異常停止回数の合計回数であってもよい。
【0042】
上述したように、制御基板157は、燃料電池システム310が施設300に設置された時からの燃料電池システム310の停止回数に関する情報を管理する。停止回数に関する情報は、停止回数そのものであってもよい。停止回数の上限が定められている場合には、停止回数に関する情報は、停止回数の上限から停止回数を除いた残り停止回数であってもよい。また、停止回数に関する情報は、停止回数と停止回数の上限を共に含む情報であってもよいし、停止回数の上限から停止回数を除いた残り停止回数と停止回数の上限を共に含む情報であってもよい。停止回数に関する情報は、停止の種別毎に別々に管理されてもよい。
【0043】
例えば、正常停止回数及び異常停止回数を区別しないケースでは、制御基板157は、正常停止回数及び異常停止回数の合計回数に関する情報を管理する。一方で、正常停止回数及び異常停止回数を区別するケースでは、制御基板157は、正常停止回数に関する情報及び異常停止回数に関する情報を別々に管理する。制御基板157は、正常停止回数に関する情報の内訳を示す情報として、手動停止回数に関する情報及び自動停止回数に関する情報を管理してもよい。同様に、制御基板157は、異常停止回数に関する情報の内訳を示す情報として、手動停止回数に関する情報及び自動停止回数に関する情報を管理してもよい。
【0044】
制御基板157は、燃料電池システム310と狭域ネットワークを介して接続される管理装置(例えば、EMS320)に、停止回数に関する情報を示すメッセージ(以下、停止回数メッセージ)を送信してもよい。制御基板157は、燃料電池システム310と広域ネットワークを介して接続される管理装置(例えば、設備管理装置200)に停止回数メッセージを送信してもよい。このようなケースにおいて、制御基板157は、EMS320を介して設備管理装置200に停止回数メッセージを送信してもよく、EMS320を介さずに設備管理装置200に停止回数メッセージを送信してもよい。さらに、制御基板157は、狭域ネットワークを介して所定端末400に停止回数メッセージを送信してもよく、広域ネットワークを介して所定端末400に停止回数メッセージを送信してもよい。このようなケースにおいて、制御基板157は、狭域ネットワーク及び広域ネットワークの双方を介して所定端末400に停止回数メッセージを送信してもよく、狭域ネットワークを介さずに広域ネットワーク(例えば、移動通信網)を介して所定端末400に停止回数メッセージを送信してもよい。
【0045】
制御基板157は、燃料電池システム310に設けられるリモートコントローラに停止回数に関する情報を出力してもよい。制御基板157は、リモートコントローラのディスプレイに停止回数に関する情報を表示するための制御を行ってもよく、リモートコントローラのスピーカから停止回数に関する情報を出力するための制御を行ってもよい。
【0046】
ここで、制御基板157は、燃料電池システム310の停止に応じて停止回数に関する情報を出力してもよい。制御基板157は、定期的に停止回数に関する情報を出力してもよい。また、制御基板157は、燃料電池システム310が停止する度に停止回数メッセージを出力してもよい。制御基板157は、他の装置からの要求に応じて停止回数に関する情報を出力してもよい。他の装置は、設備管理装置200であってもよく、EMS320であってもよく、所定端末400であってもよい。ここで、燃料電池システム310と他の装置との間の通信方式がECHONET Lite(登録商標)である場合には、上述した要求としてGETコマンドを用いることができる。燃料電池システム310と他の装置との間の通信方式がOpen ADRである場合には、上述した要求としてoadrCreateReportを用いることができる。例えば、設備管理装置200からoadrCreateReportがEMS320に送信され、EMS320から燃料電池システム310にGETコマンドが送信されてもよい。制御基板157は、停止回数に関する情報が所定条件を満たした場合に、停止回数に関する情報を出力してもよい。所定条件は、例えば、停止回数が所定回数に達することであってもよく、残り停止回数が所定回数を下回ることであってもよい。
【0047】
(設備管理装置)
以下において、実施形態に係る設備管理装置について説明する。図3に示すように、設備管理装置200は、管理部210と、通信部220と、制御部230とを有する。
【0048】
管理部210は、不揮発性メモリ又は/及びHDDなどの記憶媒体によって構成されており、複数の施設300に関する情報を管理する。
【0049】
管理部210は、複数の施設300のそれぞれに設けられる設備の基本情報を記憶してもよい。管理部210は、例えば、施設名、施設ID、設備名、設備ID、導入年、経年及び耐用年数を対応付けて記憶する。施設名は、設備が設置される施設300の名称である。施設IDは、施設300を識別する識別子である。設備名は、設備の名称である。設備IDは、設備を識別する識別子である。導入年は、設備が導入された年である。経年は、設備が導入されてから経過した年である。耐用年数は、設備のメーカ等によって定められており、設備を導入してから設備を適切に使用可能な期間を示す情報である。
【0050】
管理部210は、複数の施設300のそれぞれについて、複数の施設300のそれぞれに設けられる設備のメンテナンス情報を記憶してもよい。管理部210は、例えば、施設名、設備名、メンテナンス日、メンテナンス概要及びメンテナンス詳細を対応付けて記憶する。管理部210は、これらの情報とともに、施設ID及び設備IDを対応付けて記憶してもよい。施設名及び設備名は、上述した通りである。メンテナンス日は、メンテナンスが行われた日付である。メンテナンス概要は、メンテナンスの概要を示す情報であり、メンテナンス詳細は、メンテナンスの詳細を示す情報である。実施形態に係るメンテナンス情報は、少なくとも、将来において設備のメンテナンスを行うメンテナンス期間(予定)を含んでいればよい。メンテナンス情報は、過去において設備のメンテナンスを行ったメンテナンス期間を含んでいてもよい。
【0051】
ここで、メンテナンスは、例えば、設備の劣化状態を調査する点検、点検時に軽微な手入れを行う保守、設備の不具合を処置する修繕、既存の設備を新しい設備に交換する取替等を含む。
【0052】
通信部220は、通信モジュールによって構成されており、ネットワーク120を介して施設300及び所定端末400と通信を行う。通信部220は、上述した停止回数メッセージを燃料電池システム310から受信する。通信部220は、EMS320を介して停止回数メッセージを受信してもよく、EMS320を介さずに停止回数メッセージを受信してもよい。
【0053】
制御部230は、メモリ及びCPUなどによって構成されており、設備管理装置200に設けられる各構成を制御する。制御部230は、燃料電池システム310の状態に基づいて、燃料電池システム310のメンテナンスを手配する制御を行ってもよい。
【0054】
(設備管理方法)
以下において、実施形態に係る設備管理方法について説明する。
【0055】
図4に示すように、ステップS11において、燃料電池システム310は、上述した正常停止(手動停止及び自動停止を含む)又は異常停止(手動停止及び自動停止を含む)によって停止する。
【0056】
ステップS12において、燃料電池システム310は、燃料電池システム310の停止回数に関する情報を管理する。
【0057】
ステップS13において、燃料電池システム310は、停止回数メッセージをEMS320に送信する。
【0058】
ステップS14において、EMS320は、停止回数メッセージを設備管理装置200に送信する。ステップS14は省略されてもよい。
【0059】
図4に示すシーケンスでは、停止回数メッセージがEMS320に送信されるが、実施形態はこれに限定されるものではない。燃料電池システム310は、EMS320を介さずに停止回数メッセージを設備管理装置200に送信してもよく、停止回数メッセージを所定端末400に送信してもよい。燃料電池システム310は、リモートコントローラに停止回数に関する情報を出力してもよい。
【0060】
(作用及び効果)
実施形態では、燃料電池システム310は、停止回数に関する情報を管理するとともに、停止回数に関する情報を出力するように構成される。従って、停止回数に関する観点で燃料電池システム310の状態を適切に把握することができる。
【0061】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0062】
実施形態では、管理部210が設備管理装置200に設けられるが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、管理部210は、ネットワーク120を介して設備管理装置200と接続されるサーバに設けられてもよい。
【0063】
実施形態では、停止回数に関する情報の管理主体が制御基板157であるケースを例示した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。管理主体は、EMS320であってもよく、設備管理装置200であってもよい。管理主体がEMS320又は設備管理装置200である場合に、停止回数に関する情報の出力主体も、EMS320又は設備管理装置200であると考えてもよい。EMS320又は設備管理装置200は、燃料電池システムの一部を構成すると考えてもよい。
【0064】
実施形態では、燃料電池システム310は、EMS320を介して設備管理装置200と通信を行う。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。EMS320が設けられておらず、燃料電池システム310が設備管理装置200と直接的に通信を行ってもよい。
【0065】
実施形態では特に触れていないが、施設300に設けられるEMS320は、必ずしも施設300内に設けられていなくてもよい。例えば、EMS320の機能の一部は、インターネット上に設けられるクラウドサーバによって提供されてもよい。すなわち、ローカル制御装置360がクラウドサーバを含むと考えてもよい。EMS320は上述した電力管理サーバであると考えてもよい。
【0066】
実施形態では、停止回数に関する情報が停止回数そのもの又は残り停止回数であるケースについて例示した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。停止回数に関する情報は、起動回数であってもよく、残り起動回数であってもよい。起動は、停止と表裏一体の関係を有するため、起動回数は停止回数と略同義である。このようなケースにおいて、実施形態における「停止」は「起動」と読み替えればよい。
【0067】
また、燃料電池システム310が施設300に設置された後であっても、メンテナンスにより既存の燃料電池設備150が新しい燃料電池設備150に交換された場合には、停止回数に関する情報はリセットされてもよい。すなわち、停止回数に関する情報は、新しい燃料電池設備150に交換された時からの燃料電池システム310の停止回数に関する情報であってもよい。この場合、停止回数に関する情報の管理主体は、既存の燃料電池設備150の停止回数に関する情報を記憶したまま、新しい燃料電池設備150の停止回数に関する情報を管理してもよいし、既存の燃料電池設備150の停止回数に関する情報を、新しい燃料電池設備150の停止回数に関する情報に更新してもよい。
【0068】
燃料電池設備150は、固体酸化物型燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)である。但し、燃料電池設備150は、固体高分子型燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)であってもよく、リン酸型燃料電池(PAFC:Phosphoric Acid Fuel Cell)であってもよく、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC:Molten Carbonate Fuel Cell)であってもよい。
【0069】
なお、日本国特許出願第2017-146468号(2017年7月28日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。
図1
図2
図3
図4