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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164944
(43)【公開日】2023-11-14
(54)【発明の名称】ゲームテーブル読取システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 1/06 20060101AFI20231107BHJP
【FI】
A63F1/06 Z
A63F1/06 A
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023143897
(22)【出願日】2023-09-05
(62)【分割の表示】P 2020569358の分割
【原出願日】2019-09-19
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2019/030491
(32)【優先日】2019-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019028885
(32)【優先日】2019-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019045249
(32)【優先日】2019-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019106546
(32)【優先日】2019-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000103301
【氏名又は名称】エンゼルグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 真司
(74)【代理人】
【識別番号】100113549
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 守
(72)【発明者】
【氏名】重田 泰
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ゲームテーブル上に複数の読取エリアが近接してる場合にも適切な読分けが可能なゲームテーブル読取システム。
【解決手段】ゲームテーブル読取システムは、複数のベットエリアを含む複数の読取エリアがあるゲームテーブルと、複数の読取エリアの各々に対応して設置され、対応する読取エリアの遊技用代用貨幣に内蔵したRFIDタグを読み取る複数の読取アンテナと、当該読取アンテナに対応する読取エリア以外の読取エリアの遊技用代用貨幣のRFIDタグを読み取らないよう、当該読取アンテナを制限する読取制限アンテナと、読取アンテナからRFIDタグに記憶した情報を取得する読取制御装置と、読取制限アンテナを制御する読取制限制御装置と、RFIDタグの情報と関連情報を関連付けて記憶したデータベースと、読取アンテナで読み取ったRFIDタグ情報とRFIDタグを読み取った読取エリアの関係に基づき、データベースを更新する管理制御装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一又は複数のエリアがレイアウトされたゲームテーブルと、
前記エリアを構成する複数の小エリアの各々に対応して設置され、前記複数の小エリアの各々に置かれた遊技用代用貨幣に内蔵されたRFIDタグを読み取るための複数の読取アンテナと、
前記複数の小エリアのうちの少なくとも1つの小エリアに対応して設置され、当該小エリア以外の小エリアに対応して設置された前記読取アンテナが、当該小エリアの遊技用代用貨幣のRFIDタグを読み取らないように、当該読取アンテナによる読取りを制限する読取制限アンテナと、
前記読取アンテナで前記RFIDタグが読み取られたときに、当該読取アンテナが対応する前記小エリアに応じて、前記RFIDタグが読み取られた前記遊技用代用貨幣が置かれた位置を特定する管理制御装置と、
を備えた、ゲームテーブル読取システム。
【請求項2】
前記複数の小エリアの各々に対応して設置された複数の前記読取制限アンテナを備えた、請求項1に記載のゲームテーブル読取システム。
【請求項3】
前記管理制御装置は、各前記読取アンテナと、当該各読取アンテナが対応して設置された前記小エリア以外の少なくとも1つの前記小エリアに対応して設置された各前記読取制限アンテナと、からなる各群のアンテナを順に使用することにより、前記複数の小エリアの各前記小エリアの遊技用代用貨幣のRFIDタグを順に読み取る、
請求項2に記載のゲームテーブル読取システム。
【請求項4】
前記エリアは、実質的に同じ形状の複数の前記小エリアを有する、請求項1~3のいずれかに記載のゲームテーブル読取システム。
【請求項5】
前記エリアは、シッティングポジションごとに設けられたベットエリアであり、前記複数の小エリアは、ベット対象エリアである、請求項1~4のいずれかに記載のゲームテーブル読取システム。
【請求項6】
前記RFIDタグの情報と関連情報とを関連付けて記憶したデータベースと、
前記読取アンテナで読み取られた前記RFIDタグの情報と当該RFIDタグを読み取った小エリアとの関係に基づいて、前記データベースを更新する管理制御装置と、
をさらに備えた、請求項1~5のいずれかに記載のゲームテーブル読取システム。
【請求項7】
前記RFIDタグの前記情報は、遊技用代用貨幣のチップ識別情報を含み、
前記関連情報は、遊技用代用貨幣の所持しているユーザのユーザ識別情報を含み、
前記管理制御装置は、ゲームに勝ったユーザに払い出される前記遊技用代用貨幣のチップ識別情報と、当該ゲームに勝ったユーザのユーザ識別情報とが関連付けられるように、前記データベースを更新する、
請求項6に記載のゲームテーブル読取システム。
【請求項8】
前記管理制御装置は、払い出される前記遊技用代用貨幣のチップ識別情報が前記小エリアで読み取られたときに、当該払い出される遊技用代用貨幣のチップ識別情報と、当該小エリアにベットされた前記遊技用代用貨幣に関連付けられたユーザ識別情報とが関連付けられるように、前記データベースを更新する、請求項7に記載のゲームテーブル読取システム。
【請求項9】
前記RFIDタグの前記情報は、遊技用代用貨幣の真贋判定のための情報を含み、
前記ゲームテーブル読取システムは、前記データベースを参照して、前記読取アンテナで読み取られた前記真贋判定のための情報を照合し、照合が不成功である場合に警告を出力する、請求項6に記載のゲームテーブル読取システム。
【請求項10】
前記読取アンテナにより生成される電磁場が、当該読取アンテナに対応する前記小エリアの外で弱まるように、前記電磁場を整形するためのシールド部材をさらに備えた、請求項1に記載のゲームテーブル読取システム。
【請求項11】
前記シールド部材は、アルミ、銀、銅、金、ニッケルの少なくともいずれかを含むプレート、テープ、フィルム、塗布膜、又はシートである、請求項10に記載のゲームテーブル読取システム。
【請求項12】
前記シールド部材は、前記読取アンテナと略同一の平面に設けられる、請求項10又は11に記載のゲームテーブル読取システム。
【請求項13】
前記シールド部材は、前記読取制限アンテナと略同一の平面に設けられる、請求項10又は11に記載のゲームテーブル読取システム。
【請求項14】
前記シールド部材は、前記読取アンテナにより生成される電磁場が、当該読取アンテナに対応する前記小エリアの外で平坦化するように整形する、請求項10に記載のゲームテーブル読取システム。
【請求項15】
1つの前記小エリアに隣接する複数の他の小エリアに対応する複数の読取アンテナによってそれぞれ生成される電磁場を整形するために、当該1つの前記小エリアに対応する複数の前記読取制限アンテナを有する、請求項10に記載のゲームテーブル読取システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブルゲームに用いられるゲームテーブルにおいてRFIDタグを読み取るためのゲームテーブル読取システムに関する。
【背景技術】
【0002】
カジノでは、ユーザは、遊技用代用貨幣(ゲーミングチップ)を用いて賭けを行う。遊技用代用貨幣は、貨幣に代わるものであるため、カジノにおいて管理できることが望まれる。昨今では、どのユーザ(プレイヤ)が、どの遊技用代用貨幣を所持しているのか、いくらの遊技用代用貨幣を所持しているのか、どの遊技用代用貨幣をベットしたのか、いくらの遊技用代用貨幣をベットしたのか、あるいは、遊技用代用貨幣が、どのユーザに所持されているのか、どこにあるのか等をカジノ側にシステムによって把握する技術が開発されている。
【0003】
これらの管理のために、遊技用代用貨幣には、当該遊技用代用貨幣の識別情報(チップID)、当該遊技用代用貨幣の価値(額)等を記憶したRFIDタグが内蔵される。
【0004】
遊技用代用貨幣は、ゲームテーブル上のベット対象に対応したエリアに置かれることでベットされ、また、ベットされた遊技用代用貨幣(以下、「ベットチップ」ともいう。)に対してディーラから払い出される遊技用代用貨幣(以下、「ペイアウトチップ」ともいう。)は当該ベットチップの近くに置かれる。
【0005】
ゲームテーブルには、各エリアに対応して、遊技用代用貨幣に埋め込まれたRIFDタグを読み取るためのアンテナが埋め込まれる。各アンテナには読取装置が接続される。読取装置は、各アンテナを制御することで、RFIDタグの情報を読み取る。読取制御装置は、どのアンテナでどの識別情報が読み取られたかによって、どの遊技用代用貨幣がゲームテーブル上のどのエリアに置かれているかを把握する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ゲームテーブル上の複数のエリアが互いに近接していると、それらのエリアにそれぞれアンテナを設置したとしても、各アンテナは、他のエリアに置かれた遊技用代用貨幣のRFIDタグを誤って読んでしまうことがある。
【0007】
そこで、本発明は、ゲームテーブル上に複数の読取エリアが互いに近接して設けられている場合にも適切な読分けを行うのに有利なゲームテーブル読取システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様のゲームテーブル読取システムは、RFIDタグを内蔵した遊技用代用貨幣を位置させるための複数のベットエリアを少なくとも含む複数の読取エリアを有するゲームテーブルと、前記複数の読取エリアの各々に対応して設置され、対応する読取エリアに置かれた遊技用代用貨幣に内蔵されたRFIDタグを読み取るための複数の読取アンテナと、前記読取アンテナが、当該読取アンテナに対応する読取エリア以外の読取エリアの遊技用代用貨幣のRFIDタグを読みとらないように、当該読取アンテナによる読取りを制限する読取制限アンテナと、前記読取アンテナに接続されて前記読取アンテナを制御することで前記読取アンテナから前記RFIDタグに記憶された情報を取得する読取制御装置と、前記読取制限アンテナを制御する読取制限制御装置と、前記RFIDタグの情報と関連情報とを関連付けて記憶したデータベースと、前記読取アンテナで読み取られた前記RFIDタグの情報と当該RFIDタグを読み取った読取エリアとの関係に基づいて、前記データベースを更新する管理制御装置とを備えた構成を有している。
【0009】
この構成により、ゲームテーブル上に複数の読取エリアが互いに近接して設けられている場合にも、読取エリアごとに遊技用代用貨幣のRFIDタグの情報を読み分けて、データベースによって遊技用代用貨幣を管理できる。
【0010】
上記のゲームテーブル読取システムにおいて、前記RFIDタグの前記情報は、遊技用代用貨幣のチップ識別情報を含んでいてよく、前記関連情報は、遊技用代用貨幣の所持しているユーザのユーザ識別情報を含んでいてよく、前記管理制御装置は、ゲームに勝ったユーザに払い出される前記遊技用代用貨幣のチップ識別情報と、当該ゲームに勝ったユーザのユーザ識別情報とが関連付けられるように、前記データベースを更新してよい。
【0011】
この構成により、ゲームによって遊技用代用貨幣の所持者が変わったとしても、各ユーザが所持している遊技用代用貨幣を特定できる。
【0012】
上記のゲームテーブル読取システムにおいて、前記複数の読取エリアは、前記払い出される遊技用代用貨幣を読み取るためのペイエリアを含んでいてよく、前記管理制御装置は、前記ペイエリアで読み取られた遊技用代用貨幣のチップ識別情報と前記ユーザ識別情報とが関連付けられるように、前記データベースを更新してよい。
【0013】
この構成により、払い出される遊技用代用貨幣を確実に特定できる。
【0014】
上記のゲームテーブル読取システムにおいて、前記複数の読取エリアは、プレイポジションごとの複数種類のベット対象に対応した複数のベットエリアを含んでいてよく、前記ゲームテーブル読取システムは、前記プレイポジションに位置するユーザのユーザ識別情報を特定するユーザ特定手段をさらに備えていてよく、前記管理制御装置は、払い出される前記遊技用代用貨幣のチップ識別情報が前記ベットエリアで読み取られたときに、当該払い出される遊技用代用貨幣のチップ識別情報と、当該ベットエリアにベットされた前記遊技用代用貨幣に関連付けられたユーザ識別情報とが関連付けられるように、前記データベースを更新してよい。
【0015】
この構成により、ベットされた遊技用代用貨幣と、当該ベットされた遊技用代用貨幣に対して払い出される遊技用代用貨幣の所持者が同じになるようにデータベースを更新できる。
【0016】
上記のゲームテーブル読取システムにおいて、前記複数の読取エリアは、前記払い出される遊技用代用貨幣を読み取るための、前記プレイポジションごとに設けられた複数のペイエリアを含んでいてよく、前記管理制御装置は、前記ペイエリアで読み取られた遊技用代用貨幣のチップ識別情報と、当該ペイエリアに対応するプレイポジションにおいて特定されたユーザ識別情報とを関連付けるように、前記データベースを更新してよい。
【0017】
この構成により、払い出される遊技用代用貨幣を確実に特定できる。
【0018】
上記のゲームテーブル読取システムにおいて、前記管理制御装置は、前記ユーザ特定手段が、1つの前記プレイポジションに同時に位置する2人のユーザのうちの1人のユーザ識別情報を特定し、他の1人のユーザ識別情報を特定せず、かつ、1つの前記ベットエリアに複数のユーザが前記遊技用代用貨幣をベットしている場合に、当該プレイポジションに先に払い出される遊技用代用貨幣のチップ識別情報と、特定された前記ユーザ識別情報とを関連付けるように、前記データベースを更新してよい。
【0019】
この構成により、同一のプレイポジションに複数の払出しをする場合には、ユーザ識別情報が特定されているユーザに先に払出しを行うというオペレーションルールの下で払出しを行うことで、ユーザ識別情報を特定できるユーザとユーザ識別情報が特定できないユーザとが同一のベットエリアにいるときにも、好適にデータベースを更新できる。
【0020】
上記のゲームテーブル読取システムにおいて、前記複数のベットエリアは、プレイポジションごとに近接して設けられたプレイヤエリア、バンカエリア、サイドベットエリアを含んでいてよい。
【0021】
この構成により、プレイヤポジションごと、かつ、ベット対象ごと、即ち、プレイヤ、バンカ、及びタイ、ペア等のサイドベットごとに、ベットされた遊技用代用貨幣を認識できる。
【0022】
上記のゲームテーブル読取システムにおいて、前記RFIDタグの前記情報は、遊技用代用貨幣のチップ識別情報を含んでいてよく、前記関連情報は、前記読取アンテナの場所を特定可能な所在情報を含んでいてよく、前記管理制御装置は、前記RFIDタグを読み取った前記読取アンテナを特定することにより、当該RFIDタグの前記チップ識別情報と当該読取アンテナの場所を特定可能な前記所在情報とを関連付けるように、前記データベースを更新してよい。
【0023】
上記のゲームテーブル読取システムにおいて、前記所在情報は、テーブルを識別する情報、チップトレイを識別する情報、ゲートを識別する情報、及び/又はケージを識別する情報を含んでいてよい。
【0024】
上記のゲームテーブル読取システムにおいて、遊技用代用貨幣の価値の情報が、前記RFIDタグの前記情報として前記RFIDタグに記憶され、又は前記RFIDタグの前記情報に関連付けて前記関連情報として前記データベースに記憶されてよく、前記関連情報は、遊技用代用貨幣の所持しているユーザのユーザ識別情報を含んでいてよく、前記複数の読取エリアは、プレイポジションごとの複数種類のベット対象に対応した複数のベットエリアを含んでいてよく、前記管理システムは、前記プレイポジションに位置するユーザのユーザ識別情報を特定するユーザ特定手段をさらに備えてよく、前記データベースは、各ユーザについて、当該ユーザのユーザ識別情報と当該ユーザが所持している遊技用代用貨幣の価値とを関連付けて記憶してよく、前記管理制御装置は、ゲームに勝ったユーザに払い出される前記遊技用代用貨幣の価値が、当該ゲームに勝ったユーザが所持している遊技用代用貨幣の価値に加算され、かつ、ゲームに負けたユーザが回収される前記遊技用代用貨幣の価値が、当該ゲームに負けたユーザが所持している遊技用代用貨幣の価値から減算されるように、前記データベースを更新してよい。
【0025】
この構成により、ユーザごとに、所持している遊技用代用貨幣の価値、即ち所持金額をデータベースで管理することができる。
【0026】
上記のゲームテーブル読取システムにおいて、遊技用代用貨幣の価値の情報が、前記RFIDタグの前記情報として前記RFIDタグに記憶され、又は前記RFIDタグの前記情報に関連付けて前記関連情報として前記データベースに記憶されてよく、前記関連情報は、遊技用代用貨幣をベットしたユーザのユーザ識別情報を含んでいてよく、前記複数の読取エリアは、プレイポジションごとのベットエリアを含んでいてよく、前記管理システムは、前記プレイポジションに位置するユーザのユーザ識別情報を特定するユーザ特定手段をさらに備えていてよく、前記データベースは、各ユーザについて、当該ユーザのユーザ識別情報と当該ユーザがベットした遊技用代用貨幣の価値とを関連付けて記憶してよく、前記管理制御装置は、前記読取アンテナで読み取られた遊技用代用貨幣の価値を、当該読取アンテナに対応する前記プレイポジションについて特定されたユーザのユーザ識別情報に関連付けられるベットした遊技用代用貨幣の価値に加算するように、前記データベースを更新してよい。
【0027】
この構成により、ユーザごとに、ベットした遊技用代用貨幣の価値、即ちベット金額をデータベースで管理することができる。なお、ベット金額は、それに対応したインセンティブポイントとして管理されてもよい。
【0028】
上記のゲームテーブル読取システムにおいて、前記RFIDタグの前記情報は、遊技用代用貨幣の真贋判定のための情報を含んでいてよく、前記ゲームテーブル読取システムは、前記データベースを参照して、前記読取アンテナで読み取られた前記真贋判定のための情報を照合し、照合が不成功である場合に警告を出力してよい。
【0029】
この構成により、ゲームテーブル上で不正な遊技用代用貨幣が用いられた場合に、警告を出力することができる。
【0030】
本発明の他の態様のゲームテーブル読取システムは、RFIDタグを内蔵した遊技用代用貨幣を位置させるための複数のベットエリアを少なくとも含む複数の読取エリアを有するゲームテーブルと、前記複数の読取エリアの各々に対応して設置され、対応する読取エリアに置かれた遊技用代用貨幣に内蔵されたRFIDタグを読み取るために電磁波を出力する複数の読取アンテナと、前記読取アンテナが対応する読取エリア以外の読取エリアの遊技用代用貨幣のRFIDタグを読みとらないように、当該読取アンテナによる読取りを制限するために電磁波を出力する読取制限アンテナと、前記読取アンテナにより生成される電磁場が、当該読取アンテナに対応する前記読取エリアの外で弱まるように、前記電磁場を整形するためのシールド部材とを備えた構成を有している。
【0031】
この構成により、複数の読取エリアが互いに隣接して密集していても、それらの読取エリアを読み分けることができる。
【0032】
上記のゲームテーブル読取システムにおいて、前記シールド部材は、アルミ、銀、銅、金、ニッケルの少なくともいずれかを含むプレート、テープ、フィルム、塗布膜、又はシートであってよい。
【0033】
上記のゲームテーブル読取システムにおいて、前記シールド部材は、前記読取アンテナと略同一の平面に設けられてよい。
【0034】
上記のゲームテーブル読取システムにおいて、前記シールド部材は、前記読取制限アンテナと略同一の平面に設けられてよい。
【0035】
上記のゲームテーブル読取システムにおいて、前記シールド部材は、前記読取アンテナにより生成される電磁場が、当該読取アンテナに対応する前記読取エリアの外で平坦化するように整形してよい。
【0036】
上記のゲームテーブル読取システムにおいて、1つの前記読取エリアに隣接する複数の他の読取エリアに対応する複数の読取アンテナによってそれぞれ生成される電磁場を整形するために、当該1つの前記読取エリアに対応する複数の前記読取制限アンテナを有してよい。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、ゲームテーブル上に複数の読取エリアが互いに近接して設けられている場合にも、読取エリアごとに遊技用代用貨幣のRFIDタグの情報を読み分けて、データベースによって遊技用代用貨幣を管理できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1図1は、本発明の実施の形態に係るテーブルゲームの管理システムの全体の概要を示す図である。
図2図2は、本発明の実施の形態に係るデータベースの概要を示す図である。
図3図3は、本発明の第2の実施の形態に係る遊技用代用貨幣が有するRFIDタグの説明図である。
図4図4は、本発明の第2の実施の形態に係る遊技用代用貨幣のデータの記録方法を示す概念図である。
図5図5は、本発明の第2の実施の形態に係る遊技用代用貨幣の管理システムの全体の概要を示す図である。
図6図6は、本発明の第2の実施の形態に係る遊技用代用貨幣の読取装置及び書込装置を示す図である。
図7A図7Aは、本発明の第2の実施の形態に係る遊技用代用貨幣のデータの構造を示す説明図である。
図7B図7Bは、本発明の別の第2の実施の形態に係る遊技用代用貨幣のデータの構造を示す説明図である。
図8図8は、本発明の別の第2の実施の形態に係るデータベースを示す図である。
図9図9は、本発明の第3の実施の形態の複数の遊技テーブルを有する遊技場におけるテーブルゲームの管理システムの全体の概要を示す図である。
図10図10は、本発明の第3の実施の形態のカメラおよびRFIDによるチップの読取結果を示す図である。
図11図11は、本発明の第3の実施の形態の遊技テーブルを示す図である。
図12図12は、本発明の第3の実施の形態の遊技テーブルに賭けられた遊技用代用貨幣の状態を示す図である。
図13図13は、本発明の第3の実施の形態の遊技テーブルに賭けられた遊技用代用貨幣の状態を示す図である。
図14A図14Aは、本発明の第3の実施の形態のチップトレイの詳細を示す図である。
図14B図14Bは、本発明の第3の実施の形態のチップトレイの他の例を示す図である。
図15図15は、本発明の第3の実施の形態の遊技テーブルの図である。
図16図16は、本発明の第3の実施の形態のカメラおよびRFIDによるチップの読取結果を示す図である。
図17図17は、本発明の別の第3の実施の形態の遊技テーブルの図である。
図18図18は、本発明の別の第3の実施の形態の遊技テーブルの図である。
図19図19は、本発明の別の第3の実施の形態の遊技テーブルの図である。
図20図20は、本発明の第3の実施の形態の遊技用代用貨幣の斜視図である。
図21図21は、本発明の第3の実施の形態の遊技用代用貨幣の断面図である。
図22図22は、本発明の第3の実施の形態の遊技用代用貨幣の断面図である。
図23図23は、本発明の第4の実施の形態の第1の例の管理システムの構成を示す図である。
図24図24は、本発明の第4の実施の形態の第1の例の変動情報の更新の例を説明する図である。
図25図25は、本発明の第4の実施の形態の第1の例の変動情報の更新の例を説明する図である。
図26図26は、本発明の第4の実施の形態の第1の例の変動情報の更新の例を説明する図である。
図27図27は、本発明の第4の実施の形態の第2の例の管理システムの構成を示す図である。
図28図28は、本発明の第4の実施の形態の第3の例の管理システムの構成を示す図である。
図29図29は、本発明の第4の実施の形態の第3の例のデータベースの更新の例を説明する図である。
図30図30は、本発明の第4の実施の形態の第3の例のデータベースの更新の例を説明する図である。
図31図31は、本発明の第4の実施の形態の第3の例のデータベースの更新の例を説明する図である。
図32図32は、本発明の第4の実施の形態の第4の例の管理システムの構成を示す図である。
図33図33は、本発明の第4の実施の形態の第5の例の管理システムの構成を示す図である。
図34図34は、本発明の第4の実施の形態の第6の例の管理システムの構成を示す図である。
図35図35は、本発明の第4の実施の形態の第6の例の変動情報の更新の例を説明する図である。
図36図36は、本発明の第4の実施の形態の第6の例の変動情報の更新の例を説明する図である。
図37図37は、本発明の第4の実施の形態の第6の例の変動情報の更新の例を説明する図である。
図38図38は、本発明の第4の実施の形態の第6の例の変動情報の更新の例を説明する図である。
図39図39は、本発明の第4の実施の形態の第7の例の管理システムの構成を示す図である。
図40図40は、本発明の第4の実施の形態の第7の例のデータベースの更新の例を説明する図である。
図41図41は、本発明の第4の実施の形態の第7の例のデータベースの更新の例を説明する図である。
図42図42は、本発明の第4の実施の形態の第7の例のデータベースの更新の例を説明する図である。
図43図43は、本発明の第4の実施の形態の第7の例のデータベースの更新の例を説明する図である。
図44図44は、本発明の第4の実施の形態の第7の例のデータベースの更新の例を説明する図である。
図45図45は、本発明の第4の実施の形態の第8の例の管理システムの構成を示す図である。
図46図46は、本発明の第4の実施の形態の第9の例の管理システムの構成を示す図である。
図47図47は、本発明の第4の実施の形態の第9の例の変動情報の更新の例を説明する図である。
図48図48は、本発明の第4の実施の形態の第9の例の変動情報の更新の例を説明する図である。
図49図49は、本発明の第4の実施の形態の第9の例の変動情報の更新の例を説明する図である。
図50図50は、本発明の第4の実施の形態の第11の例のベットエリアの例を示す図である。
図51A図51Aは、本発明の第4の実施の形態の第11の例のベットエリアの他の例を示す図である。
図51B図51Bは、本発明の第4の実施の形態の第11の例のベットエリアの他の例を示す図である。
図52図52は、本発明の第5の実施の形態の管理システムの構成を示す図である。
図53図53は、本発明の第6の実施の形態のゲームテーブル読取システムの全体の概要を示す図である。
図54図54は、本発明の第6の実施の形態のゲームテーブル読取システムの構成を示すブロック図である。
図55図55は、本発明の第6の実施の形態の読取エリアであるベットエリアの断面である。
図56図56は、本発明の第6の実施の形態の遊技用代用貨幣及びデータベースのデータ構造を示す図である。
図57図57は、本発明の第6の実施の形態の読取アンテナ及び読取制限アンテナの他の例を示す図である。
図58図58は、本発明の第6の実施の形態の読取制限アンテナの他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態のテーブルゲーム管理システムの全体の概要を図1を用いて説明する。図1は同システム全体の概要を示す図である。バカラゲーム用の遊技テーブル1004にはプレイヤポジション1131~1135毎に、プレイヤ1441、バンカ1442、タイ1443、プレイヤペア1444、バンカペア1445のベットエリアがある。また各プレイヤポジション毎にチップ配置エリア1025が設けられており、当該チップ配置エリア内に置かれた遊技用代用貨幣1001のRFIDを読み取るチップ読取装置1002が備えられている。
【0040】
さらに各チップ配置エリア1025内には、ディーラが、勝プレイヤに対して、遊技用代用貨幣1001を遊技テーブル1004のチップトレイ1009から払い出す際に、チップトレイ1009から取り出した遊技用代用貨幣1001を置くためのペイエリア1026を備えている。
【0041】
さらにチップ読取装置1002で読み取った遊技用代用貨幣1001のRFIDの読取結果を把握する制御装置1003をさらに備える。
【0042】
始めにゲームに参加するプレイヤは遊技用代用貨幣1001をチップ配置エリア内のベットエリアに賭ける。賭けられた遊技用代用貨幣1001のRFIDをチップ読取装置1002が読み取ることにより、制御装置1003は当該RFIDのID情報とデータベース上で関連付けられている当該遊技用代用貨幣1001の所持者に関する情報を把握する。
【0043】
ゲームの結果に基づき、カジノ側が勝利した場合には、ディーラは負けプレイヤが賭けた遊技用代用貨幣1001を回収し、チップトレイ1009に入れる。チップトレイ1009内の遊技用代用貨幣1001のRFIDはチップ読取装置1002により把握され、制御装置1003により、カジノ側が回収した当該遊技用代用貨幣1001の所持者がカジノであることがデータベース上に記録される。
【0044】
ゲームの結果に基づき、勝利したプレイヤに対しては、ディーラはゲームのルールに従い、賭けチップの額に応じた額の遊技用代用貨幣1001をチップトレイから勝ちプレイヤに払い出す。
【0045】
払い出す際には、上述したペイエリア1026に支払いチップを置いてもよいし、ペイエリア以外のチップ配置エリア内においても良い。
【0046】
ここで、支払いチップの所持者情報の記録方法について、図2を用いて説明する。図2は勝ちプレイヤに対するチップ支払い時について、遊技用代用貨幣1001の所持者に関する情報の記録方法を示している。
【0047】
同じプレイヤポジション内に複数のプレイヤが賭けチップを置き、2つ以上のスタックがある場合、チップ読取装置1002はチップ配置エリア1025内に置かれた遊技用代用貨幣1001を一括して読み取るため、ゲーム中は、どの遊技用代用貨幣1001がどのプレイヤに所属しているかについて把握せずに、賭けられた遊技用代用貨幣のID1010を取得する。ゲームの勝敗結果が確定後、勝ちプレイヤに対して支払いを行う際には、ディーラはプレイヤ毎(スタック毎)にチップトレイ1009から払い出しを行う。チップトレイ1009から取り出された遊技用代用貨幣1001はチップ配置エリア内1025に置かれる。チップ読取装置1002はチップ配置エリア内1025に置かれた支払いチップのID1011を読み取る。
【0048】
払い出された遊技用代用貨幣1001は、はじめに賭けられた遊技用代用貨幣1001と共に勝ちプレイヤが受け取る。この時、当該賭けチップと支払いチップがチップ配置エリア1025外に移動するため、チップ読取装置1002による読取結果から当該賭けチップと支払いチップのIDがなくなる。これにより、制御装置1003は払い出された支払いチップが、どのプレイヤの元に払い出されたかを、当該賭けチップの所持者に関する情報と関連付けることにより把握する。
【0049】
制御装置1003は把握された支払いチップの所持者に関する情報をデータベース上で当該遊技用代用貨幣のIDと関連付けて記憶する。
【0050】
以上により、遊技用代用貨幣1001の所持者のトレーサビリティが可能になり、遊技用代用貨幣1001の不正の受け渡し等があった場合には、データベースに記憶されている所持者情報と現実の所持者が異なることが発見可能になる。
【0051】
なお、現実の所持者の確定には、顔認証技術やメンバズカード等のIDを利用することに把握することできる。
【0052】
また、上記説明ではデータベース上で各遊技用代用貨幣のIDを管理しているが、遊技用代用貨幣1001そのものに所持者情報を記憶している構成であっても良い。
【0053】
また、上述したペイエリア1026は、各プレイヤポジション毎にある場合の他、各プレイヤポジションとは独立してエリアが構成されており、チップ読取装置1002による読み取りも独立して行われる仕様であってもよい。
【0054】
さらにまた、チップ読取装置1002の読取性能によって、ペイエリア1026を使う場合と、使わない場合を選択できる構成であってもよい。
【0055】
さらにまた、本テーブルゲーム管理システムは、チップトレイ1009内のチップをRFIDで読み取るRFIDリーダー、ベットチップを読取るカメラ、ゲームの勝敗結果を判定するシュー等の勝敗結果判定装置等とも結びついており、情報を相互に利用することが可能な構成であって良い。
【0056】
(第2の実施の形態)
はじめに、本発明の実施の形態の遊技用代用貨幣の管理システムで使用される遊技用代用貨幣を説明する。図3は同システムで使用される遊技用代用貨幣1を示している。同図において、遊技用代用貨幣1には、様々な情報を記憶可能なRFIDタグ2が埋め込まれている。RFIDタグ2は、データの書換えができない領域21と、データの書換えが可能な領域22を備えている。
【0057】
データの書換えができない領域21には、固定情報3として、遊技用代用貨幣1が使用される間に変更しない情報、または変更がない情報、あるいは変更されてはいけない情報を記憶している。具体的には、固定情報3として、遊技用代用貨幣1の生産情報、商品情報、カジノ情報、金額情報、シリアルナンバー等を記憶している。生産情報には、当該遊技用代用貨幣を製造した日時や、製造機械等、商品情報には、例えばカジノのVIPエリア用のチップであることを示す情報や、チップの種類を示す情報(例えばローリングチップやキャッシュチップであることを示す情報)等が含まれる。
【0058】
データの書換えができない領域21は、RFIDタグの仕様上、機能的に書き込みができない領域であってもよいし、書き込みができる領域に必要な情報を書き込んだ後に、データの書き込みができないようにロックした領域であってよい。
【0059】
データの書換えが可能な領域22には、変動情報4として、遊技用代用貨幣1が使用される間に、変化していく情報を記憶している。例えば、変動情報4として、図3に示すように、日時、時間に関する情報221や、場所、イベントに関する情報222や、所持者に関する情報223等を含む、所在に関する情報220を記憶している。
【0060】
固定情報3、変動情報4は、他人による情報の不正な読取りや書込みを防ぐために暗号化されていてよい。また、固定情報3、変動情報4は、メタデータとして記憶されていてよい。
【0061】
図4は遊技用代用貨幣1の変動情報4のデータの記録方法の一例を示している。図4に示すように、日時、時間情報221、場所、イベント情報222、所持者情報223からなる所在に関する情報220をひとかたまりのブロックとして、当該ブロックの情報がチェーン状につながって、当該遊技用代用貨幣1の所在に関する情報220の履歴が把握できるように構成されている。
【0062】
図4では遊技用代用貨幣1に記憶された変動情報4の一例を示しており、以下のような遊技用代用貨幣1の動きが把握できる。2019年1月28日16時2分にA氏がケージ5で現金と遊技用代用貨幣1を交換する。同日16時15分にA氏がテーブルNo.325で遊技用代用貨幣1を使用して賭けを行う。同日16時43分にB氏がテーブルNo.325で賭けに勝った償還金として遊技用代用貨幣1を受け取る。同日17時1分にB氏が遊技用代用貨幣1を持ってカジノから退場する。
【0063】
変動情報4は、最新の情報だけを記憶する構成でもよいし、書き込まれた全ての所在に関する情報を記憶していてもよい。また、図4に示すように、複数の所在に関する情報の内、いくつかを選んで記憶していてもよい。いくつかを選んで記憶する場合、全ての所在に関する情報220の少なくとも最新の所在に関する情報220を含んだ、複数の所在に関する情報を記憶してよい。上記の構成により、ある遊技用代用貨幣1の変動情報4から、当該遊技用代用貨幣1の使用または移動の履歴が分かる。すなわち、遊技用代用貨幣1のトレーサビリティ情報が、当該遊技用代用貨幣1そのものに書き込まれており、把握可能な構成になっている。
【0064】
次に本実施の形態の遊技用代用貨幣1の管理システムについて説明する。図5は同システムの全体の概要を示している。
【0065】
遊技用代用貨幣1はまず工場6において、書込装置14によって、製造完了または工場出荷の情報を含む変動情報4が所在に関する情報220としてRFIDタグ2のデータの書換えが可能な領域22に書き込まれる。
【0066】
工場6から出荷された遊技用代用貨幣1はカジノのバックヤード7で受け入れ処理が実施される。バックヤード7では遊技用代用貨幣1のデータの書換えが可能な領域22に記憶されている変動情報4を読取装置13が読み取り、読取結果に基づいて、管理制御装置15は、書き込まれているべき情報として、工場6で書き込まれたことを示す所在に関する情報220が、最新の変動情報4として書き込まれているか否かが判定される。仮に工場6での書込記録がなければ、不正の疑いのある遊技用代用貨幣として、エラーシグナルを生成する。これにより、カジノ側での当該遊技用代用貨幣の受け取りを拒否したり、工場側に調査を依頼することが可能となる。書込記録に問題がなければ、書込装置14によって、バックヤードを示す所在に関する情報220がRFIDタグ2のデータの書換えが可能な領域22に書き込まれる。書込みの際には、工場を示す所在情報に追加してバックヤードを示す所在情報を記載しても良いし、工場を示す所在情報を削除して、バックヤードを示す所在情報を記載しても良い。また、上述のバックヤード7での遊技用代用貨幣の読取りや書込みは、遊技用代用貨幣の通常のバリデーションやアクティベーション作業と併せて行うこともできる。
【0067】
バックヤード7で受入検査が完了した遊技用代用貨幣1は、カジノの倉庫8またはケージ9に運ばれる。倉庫8またはケージ9では、遊技用代用貨幣1のデータの書換えが可能な領域22に記憶されている変動情報4を読取装置13が読み取り、読取結果に基づいて、管理制御装置15は、書き込まれているべき情報として、バックヤード7で書き込まれたことを示す所在に関する情報220が、最新の変動情報4として書き込まれているか否かが判定される。また、変動情報4の履歴に工場6を示す情報が書き込まれているかを併せて検査しても良い。管理制御装置15、前述したバックヤード7での検査と同様に、所在情報の履歴に異常がないか否かを判定する。読取結果に問題がなければ、書込装置14はデータの書換えが可能な領域22に倉庫8またはケージ9を示す所在に関する情報22を書き込む。
【0068】
プレイヤはケージ9で遊技用代用貨幣1を購入する。プレイヤが遊技用代用貨幣1を購入する際には、ケージ9にある書込装置14により、当該遊技用代用貨幣が購入された時間、及び当該遊技用代用貨幣の所持者がカジノから客に変わったことを示す情報が変動情報4として書き込まれる。プレイヤは、顔認証技術やカジノのメンバズカードやマイナンバーカード等のIDカードにより、特定して記録される構成であっても良い。
【0069】
プレイヤは換金した遊技用代用貨幣1を使用して、遊技テーブルでベットエリア11に遊技用代用貨幣1を置くことで賭けを行う。読取装置13は、ベットされた遊技用代用貨幣1のRFIDタグ2から日時、時間情報221や、場所、イベント情報222や、所持者情報223からなる、所在に関する情報220を読み取り、管理制御装置15は異常がないかを判定する。例えば、最後に書き込まれている、遊技テーブルでの使用の情報やケージでの換金の情報の日時から一定期間以上経っている場合や、遊技用代用貨幣1に記憶されている所持者情報223と、顔認証やIDカードによって特定された所持者情報223が異なる場合に、異常と判定することができる。
【0070】
読取結果に問題がない場合には、ベットされた遊技用代用貨幣1に対して、書込装置14は、データの書換えが可能な領域22に、所在に関する情報220を書き加える。所在に関する情報220は、日時、時間情報221や、場所、イベント情報222や、所持者情報223を含んでいる。テーブルでは、例えば遊技用代用貨幣1が置かれたプレイヤポジション番号およびプレイヤの情報を含む変動情報4が書込装置14によって書き込まれる。プレイヤの情報はIDカードや顔認証によって特定してよい。通常、遊技用代用貨幣1は複数枚積み重ねられてベットエリア11に置かれるため、積み重ねられた状態で一括して、書込みが行われる。
【0071】
プレイヤは、カジノフロアから遊技用代用貨幣1を持ち出す時には、ゲート10で退場の処理を行う。退場時には読取装置13により所在に関する情報220が読み取られ、管理制御装置15により、変動情報4の異常がないかが判定される。また、ゲート10で、書込装置14は、退場を示す場所、イベント情報222と、所持者情報223を含む変動情報4を書き込む。
【0072】
プレイヤは、カジノフロアへの入場時に、以前に持ち出した遊技用代用貨幣1を持ち込む場合には、読取装置13により所在に関する情報が読み取られ、管理制御装置15により、変動情報4に異常がないかが判定される。例えば、カジノから一旦持ち出された遊技用代用貨幣1について、カジノからの退場時の所持者と、入場時の所持者が異なっている場合には、カジノ外での遊技用代用貨幣の受け渡し行為があったことが把握できる。
【0073】
上述した管理制御装置15は、読取装置13の読取結果に基づいた判定が異常であった場合に、ケージ9またはゲート10にアラームを出力してよい。当該遊技用代用貨幣1の所持者がケージ9で換金を行うときや、ゲート10から退場するときに、管理制御装置15が出力したアラームに基づいて換金を拒否したり、退場時に個別のチェックを行うことができる。また、管理制御装置15は判定結果が異常であった場合に各遊技テーブルのディーラにゲームを中断する警告を出したり、ピットに警告を出し、ピットマネージャーがゲームを中断するもしくは続行するなどの判断や、遊技用代用貨幣1を交換する等の対処を判断してもよい。あるいは、管理制御装置15はカジノの全体管理制御装置18と接続されており、全体管理制御装置18に警告を出す構成でもよい。
【0074】
管理制御装置15は同様に、ケージで換金が行われる際に、読取装置13による変動情報4の読取りを行い、異常を判定してよい。具体的には、最後に書き込まれている、遊技テーブルでの使用の情報やケージでの換金の情報の日時から一定期間以上経っている場合や、遊技用代用貨幣1に記憶されている所持者情報223と異なる人物が換金しようとしている場合などに異常を判定してよい。異常を判定した場合、管理制御装置15は警告を出力し、異常を判定された遊技用代用貨幣1の換金を拒否してもよい。
【0075】
また、上記の説明では、読取装置13での読み取り、及び管理制御装置での判定後、書込装置14による書き込みを行う形態で説明したが、読み取りと書き込みを同時に行う構成であってもよい。
【0076】
以下では、本発明の応用の実施例の詳細を示す。
【0077】
工場6では、生産完了時や、出荷時に、RFIDタグ2の読取り及び/又は書込みを行う。書込装置14は、生産情報や商品情報を固定情報3として書き込み、必要に応じて書換えができないようにロックすると共に、変動情報4を書き込む。
【0078】
バックヤード6では、工場から出荷された遊技用代用貨幣1を受け取り、使用可能な遊技用代用貨幣1としてアクティベートする際に、RFIDタグ2の読取り及び/又は書込みを行う。
【0079】
倉庫8では、倉庫8からケージ9に遊技用代用貨幣1を移動する、またはケージ9から倉庫8に遊技用代用貨幣1を移動する際に、RFIDタグ2の読取り及び/又は書込みを行う。あるいは、倉庫8に保管されている遊技用代用貨幣1に対して、一定時間ごとや所定のタイミングでRFIDタグ2の読取り及び/又は書込みを行ってよい。
【0080】
ケージ9では、倉庫8からの移動または倉庫8への移動、および顧客の現金と遊技用代用貨幣1の換金の際に、RFIDタグ2の読取り及び/又は書込みを行う。ケージ9において換金が行われる場合には、換金を示す場所、イベント情報222、換金を行ったプレイヤ情報を所持者情報223として変動情報4を書き込む。所持者情報223は、プレイヤのカジノIDカードや、顔認証システム、クレジットカード等から取得できる。
【0081】
ゲート10では、プレイヤが入退場する際に、RFIDタグ2の読取り及び/又は書込みを行う。プレイヤが退場する際にカジノから持出す全ての遊技用代用貨幣1に対して、持出しを示す場所、イベント情報222、持ち出すプレイヤを示す所持者情報223を変動情報4として書き込んで登録を行い、入場の際にも同様に持込みを示す場所、イベント情報222、持ち込むプレイヤを示す所持者情報223を変動情報4として書き込んでカジノに持ち込む遊技用代用貨幣1に対して登録を行う。
【0082】
ベットエリア11ではプレイヤが賭けに参加するためにベットエリア11に置いた遊技用代用貨幣1に対してRFIDタグ2の読取り及び/又は書込みを行う。また、プレイヤへの償還金としてディーラがベットエリア11に置いた遊技用代用貨幣1に対して、RFIDタグ2の読取り及び/又は書込みを行う。
【0083】
チップトレイ12では、チップトレイに回収された遊技用代用貨幣1、保管されている遊技用代用貨幣1に対してRFIDタグ2の読取り及び/又は書込みを行う。
【0084】
遊技テーブルはさらに支払いエリアを備え、プレイヤへの償還金としてディーラがベットエリア11に置いた遊技用代用貨幣1に対して、RFIDタグ2の読取り及び/又は書込みを行ってよい。
【0085】
管理制御装置15は、各場所での読取装置13の読取結果から得た所在に関する情報220に異常がないか否かを判定する機能を備える。異常か否かの判定としては、前回の書き込みから所定期間以上使用されていない、もしくは、書き込まれているべき前記所在に関する情報が書き込まれていない、のいずれかの事象があるか否かを判定することができる。
【0086】
前回の書き込みから所定期間以上使用されていない事象は、
1)最新の所在に関する情報がケージ9を示す情報であり、次の情報の書込みが所定時間以上たっている、
2)最新の所在に関する情報がゲート10での入場を示す情報であり、次の情報の書込みが所定時間以上たっている、
3)最新の所在に関する情報がゲート10での退場を示す情報であり、次の情報の書込みが所定の時間以上たっている、
のいずれかの状況である。
【0087】
書き込まれているべき前記所在に関する情報が書き込まれていない事象は、
4)遊技場への入場時において、遊技用代用貨幣1のデータの書換えが可能な領域22の最新の所在に関する情報として、ゲート10での退場を示す情報が書き込まれていない、
5)ケージ9での使用時において、バックヤード7を示す情報が書き込まれていない、
6)遊技場からの退場時において、ケージ9またはバックヤード7を示す情報が書き込まれていない、
のいずれかの状況である。
【0088】
管理制御装置15は、読取装置13から得た所持者に関する情報223に基づき、異常か否かを判定する事象として、
1)データの書換えが可能な領域22に記憶している最終の所持者とは異なる人物が遊技用代用貨幣1を遊技場内で換金、または両替する、あるいは遊技場から退場する、
2)データの書換えが可能な領域22に記憶している退場時の所持者とは異なる人物が、当該遊技用代用貨幣を遊技場に持ち込む、
のいずれかの状況を判定可能である。
【0089】
管理制御装置15は、読取装置13から得たベットエリア11の場所を示す情報、またはチップトレイ12の場所、あるいは支払いエリアを示す情報を示す情報に基づき、異常か否かを判定する事象として、
1)データの書換えが可能な領域22に記憶している最終の所持者とは異なる人物が当該遊技用代用貨幣1を遊技テーブルで使用する、
2)遊技テーブルでの使用記録のない遊技用代用貨幣1を当該遊技用代用貨幣1のケージ9での購入時とは異なる人物が、ケージ9で換金する、
3)ケージ9またはバックヤード7を示す情報のない遊技用代用貨幣1が遊技場内で使用される、
4)最新の所在に関する情報がベットエリア11または支払いエリアを示す情報であり、所定期間以上経過後に、ケージ9で換金または遊技テーブルで使用される、
上記の1)から4)のいずれかの状況を判定する。
【0090】
図8は、本発明の別の実施の形態に係るデータベースを示している。管理システムはさらに、遊技用代用貨幣1の外に、同様の固定情報3、変動情報4を記録するデータベース17を備えている。管理制御装置15は読取装置13の読取結果に基づいて、データベース17に情報を記録すると共に、遊技用代用貨幣1に記憶されている固定情報3と変動情報4と、データベースの情報との照合を行い、異常を判定することができる。
【0091】
本発明の実施の形態におけるRFIDタグ2において、データの書換えができない領域21の、機能的に書込みができない領域はTIDであってよい。データの書換えができない領域21の必要な情報を書き込んだ後に、データの書き込みができないようにロックした領域はEPCまたはユーザ領域であってよい。データの書換えが可能な領域22はEPCまたはユーザ領域であってよい。
【0092】
読取装置13と書込装置14は、場所によってその形態を変えてよい。例えば、工場6では図6に示す台上のものであり、ゲート10では箱状であり、ベットエリア11やチップトレイ12ではベットエリア11やチップトレイ12そのものが読取装置13と書込装置14の機能を備えていてよい。また、遊技用代用貨幣1は、そのまま積み重ねられていてもよいし、チップケースなどに収容された状態で読取り及び書込みが行われてよい。また、読取装置13と書込装置14が一体となっていてもよい。
【0093】
以上の実施の形態では、遊技用代用貨幣にRFIDタグが1つあり、当該単一のRFIDタグが、データに書き込みができない領域と、データの書換えが可能な領域を有する場合について説明した。それに対して、遊技用代用貨幣にRFIDタグを2つ入れ、一方のRFIDタグは固定情報を記憶した上でデータの書き込みができないようにロックし、もう一方のRFIDタグは変動情報を記録するために、データの書換えが可能なようにしておく、という形態も考えられる。
【0094】
ただし、この場合には、複数の遊技用代用貨幣を一括読取した場合に、図7Aに示すように、固定情報3の情報群と変動情報4の情報群とが別々に読み取られるため、特定の遊技用代用貨幣の固定情報と変動情報の組合せを決定することができず、変動情報に異常がある遊技用代用貨幣を特定することができない、という問題が生じる。
【0095】
これに対して、RFIDタグが一つの場合には、図7Bに示すように、複数の遊技用代用貨幣を一括して読み取った場合にも読取装置が読み取った固定情報と変動情報の相互の対応関係が把握できるため、単一のRFIDタグにより実施する方がより良いと考えられる。
【0096】
また一般にRFIDタグは、その直径が大きいほど読取精度が上がるため、遊技用代用貨幣にRFIDタグを入れる場合には、RFIDタグは、少なくとも遊技用代用貨幣の半径以上の直径を持つサイズであることが望ましいところ、遊技用代用貨幣にRFIDタグを2つ入れることにより、個々のRFIDタグの直径が小さくなるは好ましくない。またRFIDタグを2つ入れると、読み取るRFIDタグの数が増えるため、複数の遊技用代用貨幣を読み取る際には、読取速度の低下にもつながる。
【0097】
以上の点で、単一のRFIDタグにより実施することがより効果的であると考えられる。
【0098】
(第3の実施の形態)
本発明の実施の形態の複数の遊技テーブルを有する遊技場におけるテーブルゲームの管理システムの全体の概要を以下に説明する。図9は同システムの全体の概要を示す図であって、複数の遊技テーブル2004を有する遊技場におけるテーブルゲームの管理システムは、遊技テーブル2004で行われるゲームを、遊技用代用貨幣1を含めて複数のカメラ2002を介して画像として記録するゲーム記録装置2011、および記録された画像を画像分析する画像分析装置2012、遊技用代用貨幣1に付されたRFIDを読み取るチップ読取装置25、さらに遊技テーブル2004において各ゲームのゲーム結果を判定し表示するゲーム結果判定装置18を備える。
【0099】
ゲーム結果判定装置18は例えばカード配布装置2003であり、すでに当業者で使われているいわゆる電子シューである。あらかじめゲームのルールがプログラムされており、配布されるカードCの情報を読み取って、ゲームの勝敗を判定することができる構造となっている。たとえばバカラゲームでは、バンカの勝、プレイヤの勝、タイ(引き分け)が、基本的に2-3枚のカードのランクにより決定され、判定結果(勝敗結果)は結果表示ランプ2013にて表示される。
【0100】
同図において、遊技テーブル2004は、バカラ用のテーブルであって、5つのシッティングナンバー13(「シッティングナンバー1」131、「シッティングナンバー2」132、「シッティングナンバー3」133、「シッティングナンバー5」134、「シッティングナンバー6」135)が設けられており、5名のゲーム参加人がゲームに参加できる。シッティングナンバー13ごとにベットエリア44が設けられている。シッティングナンバー13のベットエリア44には、プレイヤ(PLAYER)441、バンカ(BANKER)442、タイ(TIE)443、プレイヤペア(P)444、及びバンカペア(B)445の各エリアが含まれる。各ゲーム参加人は、ベットする対象に対応する位置にベットする額の遊技用代用貨幣1を置くことで、賭けを行う。図9においては、例えば、遊技用代用貨幣シッティングナンバー5のタイ443に2枚の遊技用代用貨幣1が置かれて賭けられており、プレイヤ441に2枚の遊技用代用貨幣1が置かれて賭けられている。遊技テーブル2004には、さらに、ドローしたプレイヤカードを置くプレイヤカードエリア45、及びドローしたバンカカードを置くバンカカードエリア46が設けられている。
【0101】
制御装置2014は、カメラ2002、画像分析装置2012を介して各プレイヤ2006が遊技用代用貨幣1を賭けエリア2008のいずれの位置(プレイヤか、バンカか、タイか、ペア)に賭けたか、かけた遊技用代用貨幣1の種類(遊技用代用貨幣1は色毎に異なる額の値が割り付けられている)および枚数を把握することが可能である。すなわち、制御装置2014は、例えばシッティングナンバー5のタイ443に2枚の遊技用代用貨幣1とプレイヤ441に2枚の遊技用代用貨幣1が賭けられていることを把握可能である。
【0102】
チップ読取装置25は、図9に示すように、シッティングナンバー毎にベットエリア全体を一つの読取エリアとして読取エリア内にある遊技用代用貨幣1のRFIDをまとめて読取可能なように配置されている。遊技用代用貨幣1に付されたRFIDには、固有のID情報、遊技用代用貨幣1の金額、種類、製造情報、所持者情報などが書き込まれている。もしくはデータベースにおいてID情報と遊技用代用貨幣1の金額、種類、製造情報、所持者情報などが結び付けられて記憶されていてもよい。チップ読取装置25は、遊技用代用貨幣1に付されたRFIDを読み取ることで、シッティングナンバー毎に、遊技用代用貨幣1を把握することができ、合計の金額または枚数を把握することができる。すなわち、例えばシッティングナンバー5に4枚の遊技用代用貨幣が賭けられており、それぞれの種類、金額、IDが把握可能である。
【0103】
制御装置2014は図10に示すように、画像分析装置2012による画像分析結果に基づく、各シッティングナンバーの各ベットエリアに賭けられた遊技用代用貨幣1の種類と枚数から、シッティングナンバー毎の遊技用代用貨幣1の合計金額または合計枚数を把握し、チップ読取装置25の読み取った遊技用代用貨幣1のRFIDの情報に基づくシッティングナンバー毎の遊技用代用貨幣1の合計金額または合計枚数と比較を行い、一致するか否かを判定する。さらに、上記の判定が不一致のシッティングナンバーを出力することができ、問題があったシッティングナンバーを特定することができる。
【0104】
画像分析装置2012による画像分析結果に基づくシッティングナンバー毎の遊技用代用貨幣1の合計金額または合計枚数よりチップ読取装置25の読取結果に基づくシッティングナンバー毎の遊技用代用貨幣1の合計金額または合計枚数が少ない場合には、遊技用代用貨幣1に付されたRFIDが壊れているか、読取不能なRFIDであるか、もしくは遊技用代用貨幣1にRFIDが付されていない可能性が考えられる。図10ではシッティングナンバー1に賭けられた遊技用代用貨幣1に対する、画像分析装置2012による画像分析結果に基づく合計読取数は4であるのに対して、チップ読取装置25のRFIDの読取りに基づく合計読取数は3である。したがって、シッティングナンバー1に賭けられた遊技用代用貨幣1の4枚の内1枚がRFIDが読取不可能であったことが考えられる。
【0105】
画像分析装置2012による画像分析結果に基づくシッティングナンバー毎の遊技用代用貨幣1の合計金額または合計枚数よりチップ読取装置25の読取結果に基づくシッティングナンバー毎の遊技用代用貨幣1の合計金額または合計枚数が多い場合には、遊技用代用貨幣1がカメラの死角に入っているなどの要因によって、画像分析装置2012が遊技用代用貨幣1を読み取れなかった可能性が考えられる。図10ではシッティングナンバー3に賭けられた遊技用代用貨幣1に対する、画像分析装置2012による画像分析結果に基づく合計読取数は1であるのに対して、チップ読取装置25のRFIDの読取りに基づく合計読取数は2である。したがって、シッティングナンバー3に賭けられた遊技用代用貨幣1は2枚あったが、画像分析装置2012では1枚しか認識できなかった可能性が考えられる。
【0106】
遊技用代用貨幣1に付されたRFIDのID情報は、カジノのデータベースに登録されており、工場での生産、出荷の情報や、カジノでの受取り、バリデーション、アクティベーションの情報が記録されている。制御装置2014はチップ読取装置25が読み取ったRFIDの情報をデータベースの情報と照合し、カジノで使われるべきものとして登録されているものかの真贋を判定することができる。
【0107】
この構成によって、カメラによって各ベットエリアに賭けられた遊技用代用貨幣1の種類と枚数を把握し、かつチップ読取装置25が読み取った遊技用代用貨幣1のRFID情報をもとにシッティングナンバー毎に遊技用代用貨幣1の真贋及び不良な遊技用代用貨幣1を判定することができる。
【0108】
また、システムは顔認証システムまたはプレイヤIDカードによるゲーム参加人特定手段をさらに備え、制御装置2014は、ゲーム参加人特定手段によって特定されたゲーム参加人情報と、シッティングナンバーとを結び付けることができる。制御装置2014は、シッティングナンバー毎に記憶した賭け金額、償還または回収金額、勝敗情報を、ゲーム参加人毎に記憶することができる。また、ゲーム参加人が複数テーブルで複数ゲーム行った情報をまとめて記憶することができる。
【0109】
制御装置2014は、遊技テーブル2004のディーラ2005のチップトレイ17における遊技用代用貨幣1の総額がチップトレイ判定装置12を用いて判定可能で、ゲームが終了して清算した後に、各プレイヤ2006の賭けた負け遊技用代用貨幣1の回収および勝ったプレイヤ2006Wへの勝ちチップへの支払9Wの額に応じて、チップトレイ17内の遊技用代用貨幣1の総額が増減したか否かを、ゲームの勝敗結果に従って比較計算可能である。チップトレイ判定装置は、チップトレイ17における遊技用代用貨幣1の総額を、カメラ2002を用いてチップトレイ17に収容されている遊技用代用貨幣1を撮影し、画像分析装置2012の分析に基づいて把握してもよいし、チップトレイ17にRFID読取装置を設けることで、チップトレイ17に収容されている遊技用代用貨幣1の総額を検出するようにしてもよい。
【0110】
この例では、ゲームの勝敗結果、どの種類の遊技用代用貨幣1が賭けエリア2008のいずれの位置(プレイヤか、バンカか、タイか、ペア)に何枚賭けられたかの情報、及び負けチップの回収及び勝ち遊技用代用貨幣1に対する償還が終わった後のチップトレイ17における遊技用代用貨幣1の増減額に基づいて不正やミスを検知するので、ゲーム終了後の遊技用代用貨幣1の動き、すなわち、賭けられていた遊技用代用貨幣1がプレイヤ側に移動したか、ディーラ側に移動したかを把握しなくても、不正やミスを検知できる。
【0111】
ここで、ゲームの勝敗結果は、例えばバカラの場合には、カード配布装置2003において、そのゲームで繰り出されたカードCのランクを読み取ることで、バカラのルールに従って判定することができる。また、ゲームの勝敗結果は、遊技テーブル2004上をカメラ2002で撮影して、その画像を画像分析装置2012で分析し、制御装置2014で分析結果をゲームのルールと照らし合わせることでも判定できる。この場合には、カメラ2002と画像分析装置2012と制御装置2014とでゲーム結果判定装置が構成される。各シッティングナンバー7のプレイヤ、どの種類の遊技用代用貨幣1が賭けエリア2008のいずれの位置(プレイヤ、バンカ、タイ、プレイヤペア、バンカペア)に何枚賭けたかの情報は、賭けエリア2008に置かれた遊技用代用貨幣1をカメラ2002で撮影し、画像分析装置2012でプレー位置7毎にその画像を分析することで得られる。
【0112】
また、負け遊技用代用貨幣1の回収及び勝ち遊技用代用貨幣1に対する償還が行われる前後のチップトレイ17における遊技用代用貨幣1の増減額は、負け遊技用代用貨幣1の回収及び勝ち遊技用代用貨幣1に対する償還をする前のチップトレイ17内の遊技用代用貨幣1の総額と負け遊技用代用貨幣1の回収及び勝ち遊技用代用貨幣1に対する償還をした後のチップトレイ17内の遊技用代用貨幣1の総額とを比較することで算出できる。
【0113】
例えば、ゲームの開始前にチップトレイ17の遊技用代用貨幣1の総額がBbであり、ゲームが終了して負けチップの回収及び勝ちチップに対する償還が終わった後のチップトレイ17の遊技用代用貨幣1の総額がBaであるとする。また、このゲームにおいて、プレイヤエリアに賭けられた遊技用代用貨幣1の全プレー位置7の総額がbpであり、バンカエリアに賭けられた遊技用代用貨幣1の全プレー位置7の総額がbbであり、タイエリアに賭けられた遊技用代用貨幣1の全プレー位置7の総額がbtであるとする。例えばこのゲームの勝敗結果がバンカの勝ちである場合には、Ba-Bb=bp-bb+btが成立すべきである。あるいは、ゲーム終了後のチップトレイ17の遊技用代用貨幣1の総額Baは(Bb+bp-bb+bt)であるべきである。そのようになっていない場合には、チップの回収又は償還において、不正又はミスがあったと判定することができる。
【0114】
図14Aは、本実施の形態のチップトレイの詳細を示す図あり、図14Bはチップトレイの他の例を示す図である。チップトレイ17には、負けたプレイヤ2006Lの賭けた遊技用代用貨幣1Lを回収して一時保管する回収チップトレイ171と償還する遊技用代用貨幣1Wを保管する償還チップトレイ172とが設けられている。画像分析装置2012および制御装置2014は、負けたプレイヤ2006Lが賭けた遊技用代用貨幣1Lの位置、種類および枚数を把握し、当該ゲームにおける遊技用代用貨幣1Lの増額分(当該回収チップトレイ171における遊技用代用貨幣1のあるべき額)を計算する。さらに、画像分析装置2012及び制御装置2014は、回収した後のチップトレイ171における遊技用代用貨幣1の現実の総額を把握し、あるべき総額と現実の総額とを比較して違いがあるか否かを判定する。
【0115】
制御装置2014はさらに、償還すべき遊技用代用貨幣1に対する償還を行い、償還が終わったときに、遊技テーブルにおける各ゲーム参加人が賭けるチップの位置、種類および枚数とゲーム結果とから計算される当該ゲームにおけるチップの償還すべき額に基づくチップトレイのあるべき総額と、前記チップトレイにおける現実の総額を比較し、あるべき総額と現実の総額との間に違いがあるか判定することができる。
【0116】
また、勝ったプレイヤ2006Wに対する遊技用代用貨幣1Wの償還は償還チップトレイ172にある遊技用代用貨幣1を使用することで、画像分析装置2012及び制御装置2014が回収した後の回収チップトレイ171における遊技用代用貨幣1の現実の総額を把握するのに十分な時間を確保することができる。
【0117】
以上のように、本実施の形態では、制御装置2014は、ゲーム毎に遊技テーブル2004上の賭けチップ額とゲームの勝敗結果からチップの収支を計算し、ゲーム後におけるチップトレイ17内のチップの残高の増額を検証する。制御装置2014は、この検証において違いが検出されたら、アラームを発出するか、あるいはカメラ2002で撮影されたビデオの記録にその旨の記録を追加する。カジノ運営者は、ビデオを確認することで違いの原因を追究することができる。
【0118】
本実施の形態のテーブルゲームの管理システムは、各ゲームの清算前のチップトレイ17における遊技用代用貨幣1の総額から、当該ゲームですべてのプレイヤ2006の賭けた遊技用代用貨幣1の位置、種類および枚数と勝敗結果判定装置で得た当該ゲームの勝敗結果とから計算される当該ゲームにおけるチップの増減額を加減算し、当該ゲームの終了時の清算後のチップトレイ17における遊技用代用貨幣1のあるべき総額と、画像分析装置2012を介し得た当該ゲームの終了時のチップトレイ17における遊技用代用貨幣1の現実の総額を比較し、あるべき総額と現実の総額との間に違いがあるか否かを判定する。
【0119】
制御装置2014は、画像分析装置2012を介して各プレイヤが賭けるチップの位置、種類および枚数を把握し、各プレイヤの賭けた負けチップのすべての回収が終わったときに、チップトレイにおけるチップの現実の総額を把握し、各ゲームの清算前のチップトレイにおけるチップの総額から、負けたプレイヤの賭けたチップの位置、種類および枚数から当該ゲームにおけるチップトレイ17の増額を加算した当該チップトレイ17における遊技用代用貨幣1のあるべき総額と、当該チップトレイ17における遊技用代用貨幣1の現実の総額とを比較し、あるべき総額と現実の総額との間に違いがあるか否かを判定する。
【0120】
制御装置2014は、各ゲームの清算前のチップトレイ17における遊技用代用貨幣1の総額から、負けたプレイヤの賭けた遊技用代用貨幣1の位置、種類および枚数から当該ゲームにおけるチップトレイ17の増額を加算した当該チップトレイ17における遊技用代用貨幣1のあるべき総額と、当該チップトレイ17における遊技用代用貨幣1の現実の総額とを比較し、あるべき総額と現実の総額との間に違いがないと判定し、かつ当該ゲームの終了時の精算後のチップトレイ17におけるあるべき総額と、画像分析装置2012を介し得た当該ゲームの終了時のチップトレイ17における遊技用代用貨幣1の現実の総額を比較し、あるべき総額と現実の総額との間に違いがあると判定した場合には、支払いの間違いと判定し、支払いの間違いを知らせる支払い誤りシグナルを発生させる。
【0121】
チップトレイ17には、負けたプレイヤの賭けた遊技用代用貨幣1を回収して一時保管する回収チップトレイ171が設けられ、画像分析装置2012は、負けたプレイヤの賭けた遊技用代用貨幣1Lの位置、種類および枚数から計算される当該ゲームにおける遊技用代用貨幣1の増額を加算した回収チップトレイ171における遊技用代用貨幣1のあるべき総額と、回収チップトレイ171における遊技用代用貨幣1の現実の総額とを比較し、あるべき総額と現実の総額との間に違いがあるか否を判定する。
【0122】
制御装置2014が遊技テーブル2004のディーラ2005のチップトレイ17における把握されている遊技用代用貨幣1の現実の総額が、すべてのプレイヤの賭けたチップ額と当該ゲームの勝敗結果とから計算されるチップの増減額に対応していない違いを判定したときは、ゲーム記録装置2011において上記の違いが生じたゲームの記録が分析可能となるように、ゲーム記録装置2011は、取得した映像にインデックスもしくは時刻を付与するか、もしくは遊技用代用貨幣1の回収シーンあるいは支払シーンを特定して再生できる。
【0123】
このように、制御装置2014は、画像分析装置2012を介してゲームの終了時の清算後にチップトレイ17におけるチップの総額を得るが、この場合の清算後の判断というのは、以下の1)~4)のいずれかが起こったときとする。
1)勝ち遊技用代用貨幣1に対する償還が終了したとき、
2)当該ゲームで使用されたカードCが回収され、当該テーブルの廃棄エリア41もしくは廃棄スロット42に廃棄されるとき、
3)勝敗結果判定装置に付随する所定のボタンを押したとき、
4)勝敗を示すマーカー43を元に戻したとき。
【0124】
また、制御装置2014は、遊技テーブル2004の各プレー位置7において賭けたチップの位置(プレイヤか、バンカか、ペアーに賭けた位置)と額(種類と枚数)を把握し、各ゲームの勝敗結果により得られる各プレイヤ2006の勝敗履歴と得たチップの額(勝った額)を、過去の多数(ビッグデータ)のゲームの統計データと比較して特異な状況(カジノにより設定される)として抽出可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造である。典型的にはある額(100万ドル)以上の勝ち額の発生や、ある遊技テーブル2004のプレー位置7において、負けた時の賭けチップの額が少なく、勝った時の賭けチップの額が多い状態が数ゲーム続き、それが過去のゲームの統計データ(ビッグデータ等)と比較して特異な状況としてこれを抽出可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造の制御装置2014を備えるものである。
【0125】
さらに、本テーブルゲームの管理システムの制御装置2014は(画像分析装置2012と一体となって)特異な状況として抽出されるか、もしくは所定額以上の勝ちを収めたプレー位置7における個別のプレイヤ2006の特定が可能な構造である。このようなプレイヤ2006の特定は、画像分析装置2012において、顔の画像を特徴点抽出等により得、アイデンティティ番号(ID等)を付して特定しておく。そして制御装置2014は、特定されたプレイヤ2006が、離席して別の遊技テーブルに着いたとき、当該別の遊技テーブルに当該特定プレイヤの存在を知らせる警告機能を有する。具体的には、各遊技テーブル2004を管理するピットマネージャや各テーブル責任者(ディーラでもよい)に知らせて、更なる特異現象の防止を図る。
【0126】
制御装置2014は、チップトレイ判定装置が判定した回収された遊技用代用貨幣1のRFIDのIDの情報と、チップ読取装置25が読み取った遊技用代用貨幣1のRFIDのIDの情報とをもとにシッティングナンバー毎の回収された前記遊技用代用貨幣1を特定可能である。
【0127】
図11では、図12および図13の詳細表のように遊技用代用貨幣1が賭けられている。画像分析装置2012による分析では、遊技用代用貨幣1が賭けられている場所(プレイヤ、バンカ等)と、枚数(および金額)が把握できる。一方、チップ読取装置25による読取りでは、シッティングナンバー毎の遊技用代用貨幣1に付されたRFIDのIDが把握可能である。さらにチップトレイ判定装置は、チップトレイ9内の遊技用代用貨幣1のIDを判定可能であるので、回収の前後で増加したIDを把握することで、回収された遊技用代用貨幣1を把握可能である。図11~13で、ゲーム結果がバンカの勝である場合には、画像分析装置2012の分析結果からバンカペアに賭けられていた2枚が回収されるべきことが分かり、チップトレイ判定装置が判定した回収チップのIDのうち、チップ読取装置25がシッティングナンバー5に賭けられていたと読み取っていたID6と18の2枚が回収されていることが分かる。
【0128】
制御装置2014はさらにゲーム結果判定装置から得たゲーム結果及び画像分析装置による画像分析結果に基づく遊技用代用貨幣1の位置と金額と枚数の測定結果を用いて判定したシッティングナンバー毎の回収されるべき遊技用代用貨幣1の合計金額または合計枚数を把握している。従って、制御装置2014はRFIDに基づいて判定したシッティングナンバー毎の回収された遊技用代用貨幣1の合計金額または合計枚数と、画像分析結果に基づく回収されるべき遊技用代用貨幣1の合計金額または合計枚数を比較し、一致するか否かを判定可能である。
【0129】
例えば、シッティングナンバー1のチップ読取装置25による読取結果が「A、B、C、D、E」、画像分析装置2012による分析結果が「タイに2枚、バンカに2枚」、ゲーム結果が「バンカの勝」、チップトレイ判定装置18による読取結果が「A、B」の場合に、タイに賭けられていたA、Bのチップが正しく回収されたことが分かる。
【0130】
制御装置2014はさらに、チップトレイ判定装置が判定した回収された遊技用代用貨幣1のRFIDのIDの情報が、チップ読取装置25が読み取った、賭けられていた遊技用代用貨幣1のRFIDのIDの情報と一致するか否かを判定可能である。この判定により、チップトレイに回収された遊技用代用貨幣1が遊技テーブルに賭けられていた遊技用代用貨幣1であるかどうか、他の場所から不正に回収された遊技用代用貨幣1でないかが判定できる。
【0131】
制御装置2014は、さらに、チップ読取装置25が読み取ったRFID情報をもとに、キャッシュチップ、ローリングチップ、プロモーションチップなどのチップの種類を判定可能であり、判定したチップの種類毎に賭けられた金額、回収または償還された金額を記憶可能である。
【0132】
ローリングチップは、特定の会員が購入可能な、現金に交換できない特殊なチップであり、ローリングチップは会員毎に購入した金額が管理されている。賭けに使用して消費しなければならず、また、ローリングチップを使用した賭けに対する償還はキャッシュチップによって償還される。チップ読取装置25が読み取ったRFID情報をもとに賭けられたまたは回収されたローリングチップの金額を記憶することで、特定の会員が持っているべきローリングチップの金額が把握可能である。
【0133】
チップ読取装置25は、さらに、確認エリアの機能を備え、償還のために置かれた遊技用代用貨幣1を読み取ることが可能である。図15に示すように、シッティングナンバー2のバンカに対する償還を行う場合に、チップ読取装置25の中に償還のための遊技用代用貨幣1が置かれ、読取りが行われる。図15ではシッティングナンバー2のバンカに賭けられた勝ち遊技用代用貨幣1の横に置かれている。制御装置2014は、ゲーム結果判定装置から得たゲーム結果及び画像分析装置による画像分析結果に基づく遊技用代用貨幣1の位置と金額と枚数の測定結果を用いて判定した償還金額と、チップ読取装置25の読取結果に基づくシッティングナンバー毎に置かれた遊技用代用貨幣1の金額とを比較し、償還金額の一致または不一致を判定し、出力可能である。図16ではシッティングナンバー1の支払うべき遊技用代用貨幣1の合計枚数は4であるのに対し、チップ読取装置25の読取結果は3であるため、不一致である。償還金額が不一致の場合には不一致の信号を出力し、ディーラは出力された信号に基づいて償還のための遊技用代用貨幣1を置きなおすことができる。遊技用代用貨幣1が置きなおされた場合には再度判定を行い、判定結果を出力することができる。償還のための遊技用代用貨幣1を置くエリアは、チップ読取装置25内のどこでもよい。また、図15に示すように、ベットエリアとは別に、ベットエリアのディーラ側に支払い確認エリア26を配置していてもよい。図7ではシッティングナンバー6の支払い確認エリア26に償還のための遊技用代用貨幣1を置き、チップ読取装置25が読取りを行い、制御装置2014が判定を行い、バンカに置かれている勝ち遊技用代用貨幣1の横に償還チップが置かれる。
【0134】
また、確認エリアについても画像分析装置2012による画像分析を行い、制御装置2014はチップ読取装置25の読取結果との照合を行い、合計枚数が一致するか否かを判定してよい。
【0135】
制御装置2014は行った判定に基づいて、信号を出力可能である。信号はチップトレイ9の表示部もしくはカード配布装置2003の表示部に表示を行うように出してもよいし、ピットマネージャーもしくはカジノのバックヤードに信号を出力してもよい。
【0136】
チップ読取装置25は図17に示すように、シッティングナンバー毎にベットエリア全体を一つの読取エリアとしてもよいし、図18に示すように、シッティングナンバー毎にプレイヤ用ベットエリアとバンカ用ベットエリアを一つの読取エリア、タイ用ベットエリア、プレイヤペア用ベットエリア、バンカペア用ベットエリアを一つの読取エリアとしてもよい。また、図19、22のようにタイ用ベットエリア、プレイヤペア用ベットエリア、バンカペア用ベットエリアのサイドベット用ベットエリアそれぞれを一つの読取エリアとしてもよい。
【0137】
以下では、本発明の実施の形態に使用する遊技用代用貨幣1について説明する。図20は本システムに使用する遊技用代用貨幣1の外観図であり、図21は正面断面図である。複数の色の異なるプラスチックの層が積層され、少なくとも中間に着色層101を備え、この中間の着色層101の両側に白色層102もしくは薄色層(図示しないが着色層101より色の薄い層であればよい)を積層した多層構造となっている。このように着色層101を備え、この中間の着色層101の両側に白色層102もしくは薄色層(図示しないが着色層101より色の薄い層であればよい)を積層した多層構造とすることで図20に示すように側面に積層方向の縞模様を形成し、着色層101の色を変える(赤色、緑色、黄色や青色等)ことにより遊技用代用貨幣1の種類(10ポイント、20ポイント、100ポイント、1000ポイントなど)を特定できるようにしている。
【0138】
着色層101は、図21に示すように、着色された複数の層(図21では3層)により形成されてもよい。着色された複数の層(図21では3層)は互いに熱圧着されているので、図21のように3層構造が目視可能な状態ではなく、図21は説明上3層を表している。さらには着色層101の3層の内真ん中の層には一部くり抜きBが設けられ、その中にはRFIDが内蔵されている。
【0139】
また、遊技用代用貨幣1はプラスチックを積層した構造に限らず、外観において着色層101と同様の見た目を有するものであってもよい。
【0140】
以下に、画像分析装置2012が遊技用代用貨幣1を分析する方法を詳細に示す。画像分析装置2012は、記録装置11に記録された画像を画像分析して、遊技用代用貨幣1に少なくとも部分的に付与されている特定色121と画像中に存在する、特定色121とは異なる基準色Rの少なくとも2色を認識する。なお特定色121は、遊技用代用貨幣1の所定の位置又は所定の形状で少なくとも部分的に付されている。たとえば着色層101として付されていたり、遊技用代用貨幣1の側面に周方向に付されていたり、遊技用代用貨幣1の表面に所定のマークとして付されていてもよい。また、基準色Rは、たとえば遊技テーブル2004の特定エリアの色であっても良いし、遊技用代用貨幣1中の特定色121とは異なる場所に付与された色であってもよい。
【0141】
画像分析装置2012は、たとえば深層学習(ディープラーニング)技術などにより特定色の特定を行う人工知能装置12aを含んでおり、遊技テーブル2004に配置された遊技用代用貨幣1の枚数および種類を判定する。認識装置12は、遊技テーブル2004における遊技用代用貨幣1の位置をさらに判定してもよい。
【0142】
画像分析装置2012は、異なる照度で照射された遊技用代用貨幣1及び基準色Rの複数の画像を取得し、取得した画像と、各画像の遊技用代用貨幣1の特定色121及び基準色Rの正解の色とを、教師データとして人が教示することで学習し、学習モデル13a(認識プログラム)を作成する。なお同じ条件の照度で照射された遊技用代用貨幣1及び基準色Rの画像は、特定色121と基準色Rが同じ照度で照らされていることにより、特定色121と基準色Rの相対的な関係を取得することができる。例えばこの相対関係が特定色121の認識に利用されてもよい。
【0143】
またチップ認識装置12は人工知能を用いることなく、カメラ2002によって撮影されて画像として記録され、さらに画像分析された結果を用い、形状、明度、彩度、色合いなどの画像上の特徴を計測する方法によって遊技用代用貨幣1の中心線Cを抽出してもよい。
【0144】
人工知能装置12aはさらに、抽出した前記中心線Cの周囲の所定の範囲の周辺画像(例えば中心線を中心に、中心線に直交する8ピクセル分の範囲など)を画像分析することにより、周辺画像中の特定色121と特定色121とは異なる基準色Rとの少なくとも2色を認識する構成を備える。なお、抽出した中心線Cの周囲の所定の範囲の周辺画像を画像分析する際には、画像をそのまま分析しても良いし、特定色121の認識が容易となるように、色の強調やノイズの除去等の画像処理を行った上で分析しても良い。
【0145】
まとめると、認識装置12の人工知能装置12aは、遊技用代用貨幣1の画像から中心線Cを抽出し、前記中心線Cを中心とした所定の範囲の周辺画像を画像分析することにより、前記周辺画像中の特定色121と特定色121とは異なる基準色Rとの少なくとも2色を認識する構成を備え、異なる照度で照射された遊技用代用貨幣1及び基準色Rの複数の周辺画像を教師データとして教示された人工知能装置である。
【0146】
本発明の別の実施の形態では、制御装置2014は、さらに
1)各ゲームにおいて、カードの引き出しが開始されてからもしくはディーラのゲーム開始操作からカード配布装置によりゲームの勝敗結果が表示される前の間に、チップの動きがないかどうか、
2)各ゲームの終了後、ディーラがゲーム参加人のうちの敗者が賭けていたチップを回収している間に、ディーラ以外の者によるチップの動きがないかどうか、
3)各ゲームの終了後、ディーラがゲーム参加人のうちの敗者が賭けていたチップを回収している間に、チップが追加されたかどうか、
4)各ゲームの終了後、ディーラがゲーム参加人のうちの勝者が賭けていたチップの位置に、支払いを行ったかどうか、
5)各ゲームの終了後、ゲーム参加人のうちの勝者が、賭けていたチップおよび支払われたチップを取ったかどうか、の少なくとも1つを判定する機能と、を備える。
【0147】
さらに、制御装置2014は、画像分析装置2012の分析結果を用いて、ディーラおよびゲーム参加人の手の動き、チップの動き、または前記手の動きとチップの動きを検知することによって、前記1)から5)の少なくとも1つを判定するように構成されていてもよい。
【0148】
制御装置2014は、本願発明の特徴的な機能として、バカラゲームのルールに従い、以下の1)から5)に示す機能を有しルールに反する不正が行われていないか否かを判定する。すなわち、
1)各ゲームにおいて、カード配布装置2003から得られるカードの引き出しが開始される信号から、もしくはディーラ2005が開始ボタン4sを押すことによるゲーム開始操作から、カード配布装置2003によりゲームの勝敗結果が表示される前の間に、遊技用代用貨幣1の動きがないかどうかを、カメラ2002を使って画像分析装置2012が得る情報により監視する。
2)各ゲームの終了後、ディーラ2005がゲーム参加人2006のうちの敗者が賭けていた遊技用代用貨幣1を回収している間に、敗者6が遊技用代用貨幣1を不正に取っていないかどうかを、カメラ2002を使って画像分析装置2012が得る情報により監視する。
3)各ゲームの終了後、ディーラ2005がゲーム参加人のうちの敗者が賭けていた遊技用代用貨幣1を回収している間に、ディーラ2005以外の者(勝者もしくは敗者)が勝ち遊技用代用貨幣1Wを追加したり、賭けていない勝側に新たに遊技用代用貨幣1を置きなおしていないかどうかを、カメラ2002を使って画像分析装置2012が得る情報により監視する。
4)各ゲームの終了後、ディーラ2005がゲーム参加人2006のうちの勝者が賭けていた遊技用代用貨幣1の位置に、正しく支払いの遊技用代用貨幣1Wを置いたかどうかを、カメラ2002を使って画像分析装置2012が得る情報により監視する。
5)各ゲームの終了後(ディーラ2005がカード配布装置2003を操作して勝敗結果を表示ランプ13に表示させる)、ゲーム参加人2006のうちの勝者6Wが、賭けていた遊技用代用貨幣1および支払われた遊技用代用貨幣1Wを取ったかどうかを、カメラ2002を使って画像分析装置2012が得る情報により監視する。
【0149】
なお、上記の実施の形態では、画像分析装置2012や制御装置2014が人工知能活用型もしくはディープラーニング構造を有する装置であったが、画像分析装置2012や制御装置2014は、具体的には、スケールが不変の特徴変換(SIFT;Scale-Invariant Feature Transform)アルゴリズム、畳み込みニューラルネットワーク(CNN;Convolutional Neutral Network)、深層学習(deep learning)、機械学習(machine learning)、又は同様のものを用いて画像の分析や上記の各種の制御を行ってよい。これらの技術は、撮像画像に対して画像認識を行って画像内に含まれる対象を認識する技術であって、特に、近年は、ニューラルネットワークを多層化したディープラーニング技術を利用して高い精度で対象を認識することが行われている。このディープラーニング技術は、一般的にはニューラルネットワークの入力層と出力層との間の中間層において複数段階に亘って層を重ねることにより高い精度で対象を認識する。このディープラーニング技術において、特に、畳み込みニューラルネットワークが、従来の画像特徴量に基づいて対象を認識するよりも高い性能を有することで注目されている。
【0150】
畳み込みニューラルネットワークでは、ラベルが付与された認識対象画像を学習し、認識対象画像に含まれる主な対象を認識する。学習画像内に主な対象が複数存在する場合には、領域矩形で指定して、当該指定された領域に対応した画像にラベルを付与して学習を行う。さらに、畳み込みニューラルネットワークにおいて、画像内の主な対象および当該対象の位置を判定することも可能である。
【0151】
畳み込みニューラルネットワークについてさらに説明すると、対象の認識プロセスは、認識対象画像に対してエッジ抽出処理等を実施することにより局所的な特徴に基づいて候補領域を抽出すると共に、候補領域を畳み込みニューラルネットワークに入力して特徴ベクトルを抽出した上で分類を行い、分類された最も確信度が高い候補領域を認識結果として得る。確信度とは、ある画像領域とラベルとともに学習された画像の主体の類似度が、他のクラスの類似度より相対的にどの程度高いかを示す量である。
【0152】
以上、本発明の各種の実施の形態を説明したが、上述の実施の形態は、本発明の範囲内で当業者により変形可能なことはもちろんであり、適用されるゲームでの必要に応じて、本実施の形態の装置が適当に変形されてよい。
【0153】
(付記)
上記の従来の問題を解決するために、本発明の遊技用代用貨幣の管理システムは、
データの書換えができない領域と、データの書換えが可能な領域と、を有する単一のRFIDタグが遊技用代用貨幣に付与され、
前記RFIDタグの前記データの書換えができない領域は、固定情報として、当該遊技用代用貨幣の生産情報、商品情報、カジノ情報、金額情報、シリアルナンバーの内、少なくとも一つを記憶しており、
前記データの書換えが可能な領域は、変動情報として、当該遊技用代用貨幣の所在に関する情報を記憶しており、
前記データの書換えができない領域に記憶している前記固定情報から、同一の当該RFIDタグにおける前記データの書換えが可能な領域に記憶している前記変動情報を抽出可能な構成であり、
前記システムは、
前記データの書換えが可能な領域に、当該遊技用代用貨幣の前記所在に関する情報を書き加える書込装置と、
複数の前記遊技用代用貨幣の前記データの書換えができない領域に記憶された前記固定情報を一括して読み取り、読み取った前記固定情報に基づき、当該各固定情報と対になる前記データの書換えが可能な領域に記憶された前記所在に関する情報を読み取り可能な読取装置と、
前記読取装置から得た前記所在に関する情報を審査する管理制御装置と、を更に備え、
前記データの書換えが可能な領域は、前記書込装置により書き込まれた全ての所在に関する情報の少なくとも最新の所在に関する情報を含んだ、複数の所在に関する情報を記憶しており、
前記管理制御装置は、前記読取装置から得た前記所在に関する情報の履歴に異常がないか否かを判定する機能を備え、異常があればエラーシグナルを生成し、異常と判定した遊技用代用貨幣の前記固定情報を特定可能な構成である。
【0154】
またさらに、前記データの書換えが可能な領域は、前記所在に関する情報とともに、前記書込装置が当該遊技用代用貨幣への書き込みを行った時間の情報を記憶する構成であり、
前記管理制御装置は、前記読取装置から得た前記所在に関する情報から、前記異常か否かの判定として、前回の書き込みから所定期間以上使用されていない、もしくは、書き込まれているべき前記所在に関する情報が書き込まれていない、のいずれかの事象があるか否かを判定する構成である。
【0155】
さらに前記管理制御装置は、前記所在に関する情報は、ケージを示す情報、または入場あるいは退場を示す情報、あるいはバックヤードを示す情報の少なくとも一つを含み、
前記の、前回の書き込みから所定期間以上使用されていない事象は、
1)最新の所在に関する情報がケージを示す情報であり、次の情報の書き込みが所定時間以上たっている、
2)最新の所在に関する情報が入場を示す情報であり、次の情報の書き込みが所定時間以上たっている、
3)最新の所在に関する情報が退場を示す情報であり、次の情報の書き込みが所定の時間以上たっている、
のいずれかの状況であり、
前記の、書き込まれているべき前記所在に関する情報が書き込まれていない事象は、
4)遊技場への入場時において、当該遊技用代用貨幣の前記データの書換えが可能な領域の最新の所在に関する情報として、退場を示す情報が書き込まれていない、
5)ケージでの使用時において、バックヤードを示す情報が書き込まれていない、
6)遊技場からの退場時において、ケージまたはバックヤードを示す情報が書き込まれていない、
のいずれかの状況であってよい。
【0156】
さらに、前記所在に関する情報は、当該遊技用代用貨幣を所有する所持者に関する情報を含んでよい。
【0157】
さらに前記管理制装置は、前記読取装置から得た前記所持者に関する情報に基づき、前記異常か否かを判定する事象として、
1)前記データの書換えが可能な領域に記憶している最終の所持者とは異なる人物が当該遊技用代用貨幣を遊技場内で換金、または両替する、あるいは遊技場から退場する、
2)前記データの書換えが可能な領域に記憶している退場時の所持者とは異なる人物が、当該遊技用代用貨幣を遊技場に持ち込む、
上記の1)または2)のいずれかの状況を判定する機能を備えた、ものであってよい。
【0158】
またさらに前記遊技用代用貨幣を所有する所持者に関する情報は、顔認証またはIDカードの読み取りにより特定される、ものであってよい。
【0159】
また前記所在に関する情報はさらに、前記特定の遊技テーブルのチップトレイの場所を示す情報、またはベットエリアの場所を示す情報、あるいは支払いエリアを示す情報を備えていてよい。
【0160】
さらに前記管理制装置は、前記読取装置から得た前記遊技テーブルのチップトレイの場所を示す情報、またはベットエリアの場所、あるいは支払いエリアを示す情報を示す情報に基づき、前記異常か否かを判定する事象として、
1)前記データの書換えが可能な領域に記憶している最終の所持者とは異なる人物が当該遊技用代用貨幣を遊技テーブルで使用する、
2)遊技テーブルでの使用記録のない遊技用代用貨幣を当該遊技用代用貨幣のケージでの購入時とは異なる人物が、ケージで換金する、
3)ケージまたはバックヤードを示す情報のない遊技用代用貨幣が遊技場内で使用される、
4)最新の所在に関する情報がベットエリアまたは支払いエリアを示す情報であり、所定期間以上経過後に、ケージで換金または遊技テーブルで使用される、
上記の1)から4)のいずれかの状況を判定する機能を備えた、ものであってよい。
【0161】
さらに、前記RFIDタグが有する情報は暗号化されていてよい。
【0162】
さらに、前記データの書換えができない領域は、機能的にデータの書き込みができない構成、またはデータの書き込みができないようにロックした構成であってよい。
【0163】
またさらに、前記読取装置は、前記データの書換えができない領域に記憶された前記固定情報と、前記データの書換えが可能な領域に記憶された所在に関する情報とを一括して読み取る構成であり、
前記管理制御装置は、前記読取装置により読み取られた複数の前記遊技用代用貨幣の複数の前記固定情報から、同一の当該RFIDタグにおける前記データの書換えが可能な領域に記憶している前記所在に関する情報を抽出して把握可能な構成であってよい。
【0164】
上記の従来の問題を解決するために、本発明の遊技用代用貨幣は、データの書換えができない領域と、データの書換えが可能な領域と、を有する単一のRFIDタグを備え、
前記データの書換えができない領域は、固定情報として、当該遊技用代用貨幣の生産情報、商品情報、カジノ情報、金額情報、シリアルナンバーの内、少なくとも一つを記憶しており、
前記データの書換えが可能な領域は、変動情報として、書込装置により書き込まれた当該遊技用代用貨幣の所在に関する情報を記憶する構成であり、
前記データの書換えができない領域に記憶している前記固定情報から、同一の当該RFIDタグにおける前記データの書換えができない領域に記憶している前記変動情報を抽出可能な構成である。
【0165】
またさらに、前記遊技用代用貨幣は、読取装置により複数の前記遊技用代用貨幣の前記データの書換えができない領域に記憶された前記固定情報を一括して読み取り、読み取った前記固定情報に基づき、前記データの書換えが可能な領域に記憶された前記所在に関する情報を読み取り可能な構成であってよい。
【0166】
上記の従来の問題を解決するために、本発明のテーブルゲームの管理システムは、個別に識別可能なRFIDが付された遊技用代用貨幣と、
前記遊技用代用貨幣を用いてゲームを行うための遊技テーブルと、
前記遊技テーブルで行われるゲームにおいて各ゲーム参加人が賭ける遊技用代用貨幣をカメラを介して画像として記録するゲーム記録装置と、
前記記録された遊技用代用貨幣の画像を画像分析する画像分析装置と、
各ゲーム参加人が賭ける前記遊技用代用貨幣に付されたRFIDを読み取るチップ読取装置と、
前記画像分析装置の画像分析結果とチップ読取装置の読取結果を把握する制御装置と、を有し、
前記遊技テーブルは、シッティングナンバー毎に少なくともプレイヤ用ベットエリア、バンカ用ベットエリアを含む複数のベットエリアを備え、
前記チップ読取装置は、前記シッティングナンバー毎にベットエリア全体を一つの読取エリアとして前記遊技用代用貨幣を読み取るか、もしくは、全体を前記ベットエリアの数より少ない複数の読取エリアに分け、前記読取エリア毎に前記遊技用代用貨幣を読み取り、
前記制御装置は、前記画像分析装置による画像分析結果に基づき少なくとも前記プレイヤ用ベットエリア、バンカ用ベットエリアを含む各ベットエリアについてそれぞれ独立して、賭けられた前記遊技用代用貨幣の種類と枚数を把握し、前記画像分析装置による画像分析結果に基づく前記シッティングナンバー毎または前記読取エリア毎の遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数が前記チップ読取装置の読取結果に基づく前記シッティングナンバー毎または前記読取エリア毎の遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数と一致するか否かを判定し、判定結果を出力可能な構成である。
【0167】
また、前記制御装置は、前記判定結果が不一致のシッティングナンバーを出力可能な構成であってよい。
【0168】
また、前記制御装置は、さらに前記画像分析装置による画像分析結果に基づく前記シッティングナンバー毎の遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数より前記チップ読取装置の読取結果に基づく前記シッティングナンバー毎の遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数が少ない場合に、前記遊技用代用貨幣に付されたRFIDが壊れているか、遊技用代用貨幣にRFIDが付されていない可能性があることを示すシグナルを生成可能な構成であってよい。
【0169】
また、前記制御装置は、さらに前記画像分析装置による画像分析結果に基づく前記シッティングナンバー毎の遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数より前記チップ読取装置の読取結果に基づく前記シッティングナンバー毎の遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数が多い場合に、前記画像分析装置による前記遊技用代用貨幣の読取ミスである可能性を示すシグナルを生成可能な構成であってよい。
【0170】
また、前記遊技用代用貨幣に付されたRFIDのIDを記憶しているデータベースをさらに備え、
前記制御装置は、前記チップ読取装置の読取結果に基づくRFIDのIDと、前記データベースに記憶しているIDとを照合し、当該遊技用代用貨幣の真贋を判定し、判定結果を出力可能な構成であってよい。
【0171】
またさらに、前記遊技テーブルにおいてディーラが使用する遊技用代用貨幣を保持するチップトレイと、
前記チップトレイに収容された前記遊技用代用貨幣の種類と枚数を把握可能なチップトレイ判定装置と、
遊技テーブルにおいて各ゲームのゲーム結果を判定するゲーム結果判定装置と、を備え、
前記制御装置は、前記ゲーム結果判定装置から得たゲーム結果及び前記画像分析装置による画像分析結果に基づいた遊技用代用貨幣の位置と金額と枚数の測定結果を用いて前記遊技テーブルにおけるカジノ側の収支計算を各ゲームの回収及び償還毎に行う計算機能を備え、
各ゲーム参加人の賭けた負けチップの回収が終わったときに、前記遊技テーブルにおける各ゲーム参加人が賭けるチップの位置、種類および枚数と前記ゲーム結果とから計算される当該ゲームにおけるチップの回収すべき額と、前記チップトレイにおける現実の回収額とを比較し、回収すべき額と現実の回収額との間に違いがあるか否かを判定することで、遊技用代用貨幣の回収に不正やミスがあったか否かを判定する回収判定機能と、
償還すべきチップに対する償還を行い、償還が終わったときに、前記遊技テーブルにおける各ゲーム参加人が賭けるチップの位置、種類および枚数と前記ゲーム結果とから計算される当該ゲームにおけるチップの償還すべき額に基づく前記チップトレイのあるべき総額と、前記チップトレイにおける現実の総額を比較し、あるべき総額と現実の総額との間に違いがあると判定した場合には、償還に不正やミスがあったと判定する償還判定機能と、を備えていてよい。
【0172】
また、前記制御装置は、前記チップトレイ判定装置が判定した回収された前記遊技用代用貨幣のRFIDのIDの情報と、前記チップ読取装置が読み取った前記遊技用代用貨幣のRFIDのIDの情報とをもとにシッティングナンバー毎の回収された前記遊技用代用貨幣を特定し、
特定した前記遊技用代用貨幣のIDまたは金額または枚数と、前記ゲーム結果判定装置から得たゲーム結果及び前記画像分析装置による画像分析結果に基づく遊技用代用貨幣の位置と金額と枚数の測定結果を用いて判定したシッティングナンバー毎の回収されるべき前記遊技用代用貨幣のIDまたは金額または枚数と、を比較し、一致するか否かをシッティングナンバー毎に判定可能な構成であってよい。
【0173】
また、前記制御装置は、各ゲームにおいて、前記チップ読取装置が読み取った前記遊技用代用貨幣のRFIDのIDの情報に基づき、前記遊技用代用貨幣の使用用途別または使用目的別に区分された種別を判定し、シッティングナンバー毎に、前記遊技用代用貨幣の前記種別毎に賭けられた金額または、回収または償還された金額を記憶可能な構成であってよい。
【0174】
また、前記制御装置は、複数のゲームにおいて、シッティングナンバー毎に、前記遊技用代用貨幣の種別毎に賭けられた累計金額または、回収または償還された累計金額を記憶可能な構成であってよい。
【0175】
また、前記遊技用代用貨幣の種別は少なくともキャッシュチップまたはローリングチップまたはプロモーションチップであってよい。
【0176】
また前記制御装置は、前記ローリングチップのID情報を基に所持者を特定し、所持者毎に、前記ローリングチップが賭けられた累計金額または、回収または償還された累計金額を記憶可能な構成であってよい。
【0177】
また、前記チップ読取装置は、シッティングナンバー毎に前記チップ読取装置に置かれた償還のための前記遊技用代用貨幣を読み取り、
前記制御装置は、前記ゲーム結果判定装置から得たゲーム結果及び前記画像分析装置による画像分析結果に基づく遊技用代用貨幣の位置と金額と枚数の測定結果を用いて判定した償還金額と、前記チップ読取装置の読取結果に基づく前記シッティングナンバー毎に置かれた前記遊技用代用貨幣の金額とを比較し、償還金額の一致または不一致を判定し、出力可能な構成であってよい。
【0178】
また、前記制御装置は、前記償還金額の判定結果が不一致の場合には不一致の表示を行い、さらに、前記チップ読取装置が読み取った前記シッティングナンバー毎の前記チップ読取装置に置かれた前記遊技用代用貨幣の金額に変化があった場合に再度判定を行い、一致または不一致の再出力が可能な構成であってよい。
【0179】
また、前記制御装置は、前記シッティングナンバー毎に置かれた償還のための前記遊技用代用貨幣の金額と、償還前後における前記チップトレイの増減額とを比較し、違いがあるか否かを判定可能な構成であってよい。
【0180】
また、前記チップ読取装置は償還のための前記遊技用代用貨幣が置かれるための前記ベットエリアのディーラ側に配置された支払い確認エリアを備えていてよい。
【0181】
また、顔認証システムまたはプレイヤIDカードによるゲーム参加人特定手段をさらに備え、
前記制御装置は、前記シッティングナンバーと前記ゲーム参加人特定手段が特定した前記ゲーム参加人の情報とを結びつけることが可能な構成であってよい。
【0182】
また、前記制御装置の出力に基づく表示を行う表示装置をさらに備えていてよい。
【0183】
また、前記遊技テーブルはサイドベット用ベットエリアをさらに備え、
前記サイドベット用ベットエリアは、各シッティングナンバー毎のベットエリアが隣接して設けられており、
前記チップ読取装置は、少なくとも一つの前記サイドベット用ベットエリアをまとめて読取可能であり、
前記制御装置は、前記画像分析装置による画像分析結果に基づき前記少なくとも一つの前記サイドベット用ベットエリアに賭けられた前記遊技用代用貨幣の種類と枚数とを把握し、前記画像分析装置による画像分析結果に基づく前記少なくとも一つのサイドベット用ベットエリアの遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数が前記チップ読取装置の読取結果に基づく当該サイドベット用ベットエリアの遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数と一致するか否かを判定し、判定結果の信号を出力可能な構成であってよい。
【0184】
また、本発明の別の実施の形態は、テーブルゲームの管理システムであって、
個別に識別可能なRFIDが付された遊技用代用貨幣と、
前記遊技用代用貨幣を用いてゲームを行うための遊技テーブルと、
前記遊技テーブルで行われるゲームにおいて各ゲーム参加人が賭ける遊技用代用貨幣をカメラを介して画像として記録するゲーム記録装置と、
前記記録された遊技用代用貨幣の画像を画像分析する画像分析装置と、
各ゲーム参加人が賭ける前記遊技用代用貨幣に付されたRFIDを読み取るチップ読取装置と、
前記画像分析装置の画像分析結果と前記チップ読取装置の読取結果とを把握する制御装置と、を有し、
前記遊技テーブルは、プレイヤ用ベットエリア、バンカ用ベットエリア、サイドベット用ベットエリアからなるベットエリアを備え、
前記サイドベット用ベットエリアは、各シッティングナンバー毎のベットエリアが隣接して設けられており、
前記チップ読取装置は、少なくとも一つの前記サイドベット用ベットエリアをまとめて読取可能であり、
前記制御装置は、前記画像分析装置による画像分析結果に基づき前記少なくとも一つの前記サイドベット用ベットエリアについて独立して、賭けられた前記遊技用代用貨幣の種類と枚数とを把握し、前記画像分析装置による画像分析結果に基づく前記少なくとも一つのサイドベット用ベットエリアの遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数が、前記チップ読取装置の読取結果に基づく当該サイドベットの遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数と一致するか否かを判定し、判定結果の信号を出力可能な構成である。
【0185】
また、前記制御装置は、前記判定結果が不一致の前記サイドベットを出力可能な構成であってよい。
【0186】
また、前記制御装置は、さらに前記画像分析装置による画像分析結果に基づく前記サイドベット毎の遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数より前記チップ読取装置の読取結果に基づく前記サイドベット毎の遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数が少ない場合に、前記遊技用代用貨幣に付されたRFIDが壊れているか、遊技用代用貨幣にRFIDが付されていない可能性があることを示すシグナルを生成可能な構成であってよい。
【0187】
また、前記制御装置は、さらに前記画像分析装置による画像分析結果に基づく前記サイドベット毎の遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数より前記チップ読取装置の読取結果に基づく前記サイドベット毎の遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数が多い場合に、前記画像分析装置による前記遊技用代用貨幣の読取ミスである可能性を示すシグナルを生成可能な構成であってよい。
【0188】
また、前記遊技用代用貨幣に付されたRFIDのIDを記憶しているデータベースをさらに備え、
前記制御装置は、前記チップ読取装置の読取結果に基づくRFIDのIDと、前記データベースに記憶しているIDとを照合し、当該遊技用代用貨幣の真贋を判定可能な構成であってよい。
【0189】
また、前記制御装置は、前記チップトレイ判定装置が判定した回収された前記遊技用代用貨幣のRFIDのIDの情報と、前記チップ読取装置が読取った前記遊技用代用貨幣のRFIDのIDの情報とをもとにサイドベット毎の回収された前記遊技用代用貨幣を特定し、前記ゲーム結果判定装置から得たゲーム結果及び前記画像分析装置による画像分析結果に基づく遊技用代用貨幣の位置と金額と枚数の測定結果を用いて判定したサイドベット毎の回収されるべきIDまたは金額または枚数と、前記サイドベット毎の回収された前記遊技用代用貨幣のIDまたは金額または枚数とを比較し、回収金額の一致または不一致をサイドベット毎に判定可能な構成であってよい。
【0190】
(第4の実施の形態)
以下、本発明の第4の実施の形態を説明する。
【0191】
(第1の例)
図23は、本発明の第4の実施の形態の第1の例の管理システムの構成を示す図である。管理システム110では、データベースを用いずに遊技用代用貨幣の所持者をトレースする。このために、遊技用代用貨幣には、所持者の情報が記憶される。管理システム110は、概略楕円形の遊技テーブル4004を備えている。遊技テーブル4004の一方側(図23の下側)にプレイヤ82が位置し、反対側にはディーラ(図示省略)が位置する。遊技テーブル4004の上面には、複数のプレイポジションごとにベットエリア41a~41e(以下、総称するときは「ベットエリア41」と表記する。)が区画されている。ベットエリア41は、プレイヤ82がその遊技用代用貨幣83を置くことでベットするためのエリアである。遊技テーブル4004のディーラポジション側には、ディーラの遊技用代用貨幣82を置くためのチップトレイ12が設けられている。
【0192】
遊技用代用貨幣83は、上記の実施の形態の遊技用代用貨幣と同様の構成を有している。すなわち、遊技用代用貨幣83には、固定情報3を記憶するための書換不可領域21と変動情報4を記憶するための書換可能領域22とを備えたRFIDタグ2が埋め込まれている。RFIDタグ2には、固有情報3として、遊技用代用貨幣83を唯一に特定するチップID(識別情報)が記憶されている。また、RFIDタグ2には、変動情報4として、当該遊技用代用貨幣83の所持者を唯一に特定するユーザIDが記憶されている。
【0193】
なお、カジノないしディーラには共通のユーザIDが付与されており、遊技用代用貨幣83をカジノが所有している場合(チップトレイ12に収容されている場合を含む)には、変動情報4には、カジノないしディーラを示すユーザIDが記憶される。
【0194】
遊技テーブル4004の各ベットエリア41a~41eには、RFIDアンテナ511a~511e(以下、総称するときは「RFIDアンテナ511」と表記する。)が設けられている。具体的には、RFIDアンテナ511は、それぞれ遊技テーブル4004のラシャの下であって、対応するベットエリア41が区画された位置に埋め込まれている。また、チップトレイ12にもRFIDアンテナ513が設けられている。
【0195】
RFIDアンテナ511は、対応するベットエリア41に置かれた遊技用代用貨幣83に埋め込まれたRFIDタグ2に対して、データの読取り及び書込みを行う。RFIDアンテナ513は、チップトレイ12に置かれた遊技用代用貨幣83に埋め込まれたRFIDタグ2に対して、読取り及び書込みを行う。
【0196】
RFIDアンテナ511a~511e及びRFIDアンテナ513は、RF制御装置54に接続されている。なお、図23では、アンテナ511eとRF制御装置54とを結ぶ線のみを示し、アンテナ511a~511dとRF制御装置54とを結ぶ線は、図の見やすさのため図示を省略しているが、アンテナ511a~511dもアンテナ511eと同様にRF制御装置54と接続されている。以下の図面でも同様である。RF制御装置54は、各アンテナに対して、読取り及び書込みの制御を行う。RF制御装置54は、各アンテナをそれぞれ区別して、読取り及び書込みの制御をする。このために、各アンテナには、当該アンテナで読取り及び書込みを行うエリアを唯一に特定するエリアIDが付与されている。また、RF制御装置54は、読取りを行う場合には、周期的に読み取りを行う。
【0197】
このエリアIDを参照することで、読み取られた遊技用代用貨幣83が、チップトレイ12にあるのか、ベットエリア41にあるのかを特定でき、ベットエリア41については、いずれのプレイポジションのベットエリア41a~41eであるのかも特定できる。
【0198】
RF制御装置54は、読取りを行う場合には、各アンテナから当該アンテナで読み取ったデータを受けるとともに、当該データがいずれのエリアで読み取られたデータであるか、すなわちエリアIDを特定する。また、RF制御装置54は、書込みを行う場合には、書込みを行うアンテナ、即ちエリアIDを特定して、書き込むデータを送信する。これにより、RF制御装置54は、各アンテナに対して、個別に読取り及び書込みの制御を行うことができる。
【0199】
RF制御装置54は、各アンテナにて読み取ったデータに基づいて、遊技用代用貨幣83のユーザID(図23の「User ID」)及びそのユーザIDを読み取ったエリアのエリアID(図23の「Area ID」)を出力する。管理システム110は、さらに、RF制御装置54に接続された管理制御装置56を備えている。管理制御装置56は、RF制御装置54からユーザID及びエリアIDを受け取り、RF制御装置54に対して、RFIDタグ2に書き込むユーザIDを指定する。
【0200】
なお、以下に説明するように、遊技用代用貨幣83のRFIDタグ2に記憶されるユーザIDは、遊技用代用貨幣83が移動することで変更されるが、RFIDタグ2には変動情報4として、最新のユーザIDのほかに、過去のユーザIDも記憶される。よって、この変動情報4を参照することで、各遊技用代用貨幣83について、所持者の変遷を調べることができる。また、以下の説明において、「ユーザIDを書き換える」等の表現は、少なくとも最新のユーザIDを変更することを意味し、必ずしも同時に過去のユーザIDの情報を消去することを意味するものではない。
【0201】
管理制御装置56は、RF制御装置54から受けた遊技用代用貨幣83のデータ(ユーザID及びエリアID)に基づいて、当該遊技用代用貨幣83の変動情報4を更新する。以下、変動情報4の更新の方法について説明する。
【0202】
図24~26は、変動情報の更新の例を説明する図である。図24に示すように、プレイヤは、ベットエリア41bに遊技用代用貨幣831をベットしている。管理制御装置56には、プレイヤがベットエリアにベットした遊技用代用貨幣(以下、「ベットチップ831」ともいう。)のRFIDタグ2を読み取って得られた、ベットチップ831のユーザID及びそのベットエリア41bのエリアIDが入力される。
【0203】
ベットした段階では、図24に示すように、ベットエリア41bからは同一のユーザID(図24の例では、「P1」)が読み取られ、チップトレイ12からも同一のID(図24の例では、所持者がカジノないしディーラであることを示す「D」)が読み取られる。このプレイヤがゲームに勝った場合には、図25に示すように、ディーラによってチップトレイ12から遊技用代用貨幣(以下、「ペイアウトチップ832」ともいう。)が払い出されて(償還されて)、ベットエリア41bのベットチップ831の隣に置かれる。
【0204】
そうすると、ベットエリア41bからは、ユーザIDとして、「P1」のほかに「D」が読み取られることになる。管理制御装置56は、同一のベットエリア41から読み取った遊技用代用貨幣83のユーザIDが2種類であり、かつ、そのうちの1種類が「D」であり、他の1種類がプレイヤに割り当てられたユーザIDである場合には、当該ベットエリア41のすべての遊技用代用貨幣83のユーザIDを、当該プレイヤに割り当てられたユーザID(図25の場合は「P1」)に書き換えるようRF制御装置54を制御する。なお、この場合は、ユーザIDとして「P1」が記憶されていたベットチップ831には、更に最新のユーザIDとして、同じ「P1」が書き足されることになる。
【0205】
一方、プレイヤがゲームに負けた場合には、図26に示すように、ディーラよってベットチップ831がチップトレイ12に回収される。そうすると、チップトレイ12からは、ユーザIDとして、「D」のほかに「P1」が読み取られることになる。管理制御装置56は、チップトレイ12から読み取った遊技用代用貨幣83のユーザIDに「D」以外の、プレイヤに割り当てられたユーザID(図26の例では「P1」)がある場合には、チップトレイ12のすべての遊技用代用貨幣83のユーザIDを「D」に書き換える。
【0206】
なお、チップトレイ12に回収した遊技用代用貨幣83を一時的に保管する回収フロートを設けて、当該回収フロートと他の部分とでアンテナを分けて、回収フロートに回収された遊技用代用貨幣83のみに対して上記の処理を行うようにしてもよい。
【0207】
管理制御装置56の上記の処理によって、遊技用代用貨幣83に記憶されるユーザIDが実際の所持者の変更に応じて更新される。すなわち、本実施の形態では、遊技用代用貨幣83のRFIDタグ2にユーザIDを記憶するとともに、ペイアウトチップ832について、ベットチップ831の所持者と同じ所持者になるようにユーザIDを更新するので、後述するデータベースやプレイヤ特定システムを用いずに、また、管理制御装置56がゲームの進行状況(ベット段階、ゲーム段階、清算段階)を把握しなくても、遊技テーブル4004で行われるゲームによる所持者の変遷をトレースすることができる。
【0208】
なお、プレイヤが遊技用代用貨幣83を新たに購入する場合には、後述するプレイヤ特定システムを用いてプレイヤを特定し、カジノないしディーラのユーザIDを、特定したプレイヤのユーザIDに書き換えた上で遊技用代用貨幣83をプレイヤに渡すようにする。また、プレイヤが遊技用代用貨幣83を換金する場合にも、プレイヤから渡された遊技用代用貨幣83のユーザIDをカジノないしディーラのユーザIDに書き換えるようにする。
【0209】
(第2の例)
図27は、第4の実施の形態の第2の例の管理システムの構成を示す図である。管理システム120は、第1の例の管理システム110の構成に加えて、プレイヤ特定システムが導入されている。プレイヤ特定システムは、カメラ52と画像認識装置55とからなる画像認識システム、及びカード81とカードリーダ53とからなるカード認証システムを含むが、いずれか一方であってもよい。
【0210】
カメラ52はプレイポジションに位置するプレイヤ82の顔を撮影し、撮影によって生成された画像を画像認識装置55に出力する。画像認識装置55は、あらかじめ登録されている複数のプレイヤ82(以下、登録されているプレイヤを「メンバ」ともいう。)の顔画像を学習したニューラルネットワークによる顔認識エンジンを備えている。画像認識装置55は、カメラ52からの画像をニューラルネットワークに入力することで、入力された顔画像が登録されているいずれのメンバの顔画像であるであるかを特定する。なお、画像認識装置55は、カメラ52からの画像が、登録されているいずれのメンバの顔でもないと判断した場合には、当該顔画像が非メンバの顔画像であるという結果を出力する。
【0211】
また、画像認識装置55は、顔が認証された画像内の位置に基づいて、当該メンバのプレイポジションを特定する。画像認識装置55は、カメラ52からの画像に対応するメンバのユーザID(図27の「User ID」)とともに、特定したプレイポジションのエリアID(図27の「Area ID」を出力する。なお、画像認識装置55が、いずれのメンバであるかを特定できない場合は、ユーザIDとして「Unknown」を出力する。
【0212】
カードリーダ53は、プレイヤ82からディーラに手渡されたメンバズカード81をスキャンして、メンバズカード81に記憶された情報を読み取る。メンバズカード81は、磁気ストライプが形成された磁気カードであり、その磁気ストライプには少なくともプレイヤ82(メンバ)のユーザIDが記憶されている。ディーラは、プレイヤ82からメンバズカード81を預かると、カードリーダ53を用いてメンバズカード81をスキャンするとともに、当該プレイヤ82のプレイポジションをカードリーダ53に入力する。カードリーダ53は、メンバズカード81から読み取ったユーザID(図27の「User ID」)と、ディーラによって入力されたプレイポジションのエリアID(図27の「Area ID」)とを出力する。
【0213】
管理制御装置56には、RF制御装置54から遊技用代用貨幣83に記憶されアンテナ511を用いて読み取ったユーザID及びエリアIDが入力され、画像認識装置55からプレイヤの顔画像に基づいて特定されたユーザID及びエリアIDが入力され、カードリーダ53からメンバズカード81を読み取って得たユーザID及びディーラによって指定されたエリアIDが入力される。
【0214】
管理制御装置56は、同一のエリアIDについて、アンテナ511から読み取ったユーザID、即ちベットエリア41にベットされた遊技用代用貨幣83に当該遊技用代用貨幣83の所持者として記憶されたユーザIDが、メンバズカード81から読み取ったユーザID又は画像認識装置55で特定されたユーザID、即ち、プレイヤ特定システムにて特定されたプレイヤと一致しない場合には、ベットエリア41にベットされた遊技用代用貨幣83の変動領域4に所持者として記憶されているユーザIDをプレイヤ特定システムにて特定されたプレイヤのユーザIDに書き換えるよう、RF制御装置54を制御する。
【0215】
RF制御装置54は、アンテナ511を用いて、ベットエリア41に置かれた遊技用代用貨幣83のRFIDタグ2の書換可能領域22に、プレイヤ特定システムにて特定されたプレイヤのユーザIDを書き込む。このとき、RF制御装置54は、書込可能領域22に、ユーザIDの不一致により所持者情報としてのユーザIDを書き換えた旨の記録もする。これにより、カジノないしディーラがこの遊技用代用貨幣83を取得したときに、所持者の変遷の履歴を参照することで、所持者の不一致があったことを知ることができ、そのような不一致に関与したプレイヤを特定することも可能である。
【0216】
なお、プレイヤ特定システムにおいては、顔認証システムによるプレイヤの特定及びメンバズカード81の読み取りによるプレイヤの特定のいずれか一方のみを行ってもよい。すなわち、登録されているメンバは、プレイ位置に着いたときに必ずしもメンバズカード81によるプレイヤの特定を行わなくてもよく、その場合には顔認証システムのみによってプレイヤが特定される。また、プレイヤの顔がうまく撮影できず顔認証ができない場合であっても、メンバズカード81によってプレイヤが特定されることもある。
【0217】
さらに、顔認証及びメンバズカード81のいずれによってもプレイヤが特定されることもある。この場合に、顔認証により特定されたプレイヤのユーザIDとメンバズカード81により特定されたプレイヤのユーザIDとが異なることがある。それらのいずれか一方のユーザIDが遊技用代用貨幣83から読み取ったユーザIDと一致している場合には、管理制御装置56は、RF制御装置54を制御して、当該遊技用代用貨幣83の書込可能領域22に、遊技用代用貨幣83から読み取ったユーザIDと一致しない方のユーザIDとともに、プレイヤ特定システムによるプレイヤの特定に不一致があった旨を記録する。
【0218】
本例によっても、第1の例と同様に、遊技用代用貨幣83に記憶されるユーザIDが実際の所持者に応じて更新される。さらに、本例では、プレイヤ特定システムによって特定されたプレイヤのユーザIDと遊技用代用貨幣83に記憶されたユーザIDとが一致しない場合に、その不一致を是正するとともに、そのような不一致があったことが遊技用代用貨幣83に記録する。よって、遊技用代用貨幣83のこの記録を参照することで、プレイヤ間での遊技用代用貨幣83の授受があったことを知ることができ、それに関与したプレイヤを特定することができる。
【0219】
なお、遊技用代用貨幣83を換金する際に、上記と同様のプレイヤ特定システムを用いることで、顔認証やメンバズカード81によって特定されたプレイヤ(換金しようとするユーザ)のユーザIDと、換金にかかる遊技用代用貨幣83に記憶されたユーザIDとが異なる場合に、その旨のアラームを出力し、オペレータが換金を認めないこととしてよい。
【0220】
(第3の例)
図28は、第4の実施の形態の第3の例の管理システムの構成を示す図である。管理システム130は、第1の例の管理システム110の構成に加えて、データベース57を備えている。データベース57には、遊技用代用貨幣83を唯一に特定するチップID(図28の「Chip ID」)と当該遊技用代用貨幣83を所持するプレイヤのユーザIDとが関連付けられて記憶される。なお、上述のように、遊技用代用貨幣83が購入され、ゲームで使用され、換金されることで所持者は変更されるが、データベース57には、過去の所持者の履歴が記録される。よって、データベース57を参照することで、各遊技用代用貨幣83について、所持者の変遷を知ることができる。
【0221】
本例では、遊技用代用貨幣83は、書込不可領域21を有していればよく、書込可能領域22を有していなくてよい。すなわち、遊技用代用貨幣83には、少なくともチップIDが記憶されていればよい。また、RF制御装置54は、書込みの機能を備えていなくてよく、読取りの機能のみを有するRFリーダであってよい。
【0222】
管理制御装置56は、RF制御装置54から受けた遊技用代用貨幣83のデータ(チップID及びエリアID)に基づいて、データベース57を更新する。以下、データベース57の更新の方法について説明する。
【0223】
図29図31は、データベース57の更新の例を説明する図である。図29に示すように、プレイヤは、ベットエリア41bに遊技用代用貨幣831をベットしている。管理制御装置56には、プレイヤがベットエリア41bにベットしたベットチップ831のRFIDタグ2を読み取って得られた、ベットチップ831のチップID及びそのベットエリア41bのエリアIDが入力される。
【0224】
ベットした段階では、図29に示すように、ベットエリア41bからはチップIDとして「C00001」~「C00005」が読み取られ、チップトレイ12からチップIDとして「C20001」~「C20100」が読み取られる。そして、RF制御装置54は、アンテナ511、513によって読み取られたチップIDと当該アンテナ511、513に対応するエリアIDとの組を管理制御装置56に出力する。図29の例では、RF制御装置54では、チップID「C00001」~「C00005」とエリアID「Area 2」との組み合わせ、及びチップID「C20001」~「C20100」とエリアID「Area T」(チップトレイ12を表すエリアID)との組み合わせが得られ、これを管理制御装置56に出力する。
【0225】
このプレイヤがゲームに勝った場合には、図30に示すように、ディーラによってチップトレイ12からペイアウトチップ832が払い出されて(償還されて)、ベットエリア41bのベットチップ831の隣に置かれる。そうすると、RF制御装置54では、、チップID「C00001」~「C00005」及び「C20001」~「C20005」とエリアID「Area 2」との組み合わせ、及びチップID「C20006」~「C20100」とエリアID「Area T」との組み合わせが得られ、これらが管理制御装置56に出力される。
【0226】
管理制御装置56は、読み取られたすべてのチップIDについてデータベース57を参照して、当該チップIDに関連付けられたユーザIDを得る。そして、管理制御装置56は、RF制御装置54から得たチップIDとエリアIDとの組み合わせを参照して、同じエリアIDが関連付けられた複数のチップIDについて、ユーザIDが異なっている場合には、それらのユーザIDを同じユーザIDにするようにデータベース57を更新する。
【0227】
具体的には、管理制御装置56は、同じベットエリア41のエリアIDで読み取られた複数の遊技用代用貨幣83のユーザIDとして、プレイヤのユーザIDとカジノないしディーラのユーザIDとがある場合には、カジノないしディーラのユーザIDを、プレイヤのユーザIDに書き換えることで、同じエリアIDと組になっているチップIDのユーザIDを統一する。
【0228】
一方、プレイヤがゲームに負けた場合には、図31に示すように、ディーラよってベットチップ831がチップトレイ12に回収される。そうすると、チップトレイ12からは、チップIDとして、「C20001」~「C20100」のほかに「C00001」~「C00005」が読み取られることになる。RF制御装置54は、このチップID「C20001」~「C20100」及び「C00001」~「C00005」とチップトレイ12のエリアID「Area T」との組を得て、これを管理制御装置56に出力する。
【0229】
管理制御装置56は、読み取られたすべてのチップIDについてデータベース57を参照して、当該チップIDに関連付けられたユーザIDを得る。そして、管理制御装置56は、RF制御装置54から得たチップIDとエリアIDとの組み合わせを参照して、同じエリアIDと組になっている複数のチップIDについて、ユーザIDが異なっている場合には、それらのユーザIDを同じユーザIDにするようにデータベース57を更新する。
【0230】
具体的には、管理制御装置56は、チップトレイ12のエリアIDで読み取られた複数の遊技用代用貨幣83のユーザIDとして、プレイヤのユーザIDとカジノないしディーラのユーザIDとがある場合には、プレイヤのユーザIDを、カジノないしディーラのユーザIDに書き換えることで、チップトレイ12のエリアIDに関連付けられたすべてのチップIDのユーザIDをカジノないしディーラのユーザIDにする。
【0231】
管理制御装置56の上記の処理によって、データベース57に記憶されるユーザIDが実際の所持者に応じて更新される。すなわち、本実施の形態では、同じエリアにある異なるユーザIDに関連付けられた遊技用代用貨幣83について、エリアに応じて、そのうちのいずれかのユーザIDに統一するように、データベース57を書き換える。よって、上述のプレイヤ特定システムを用いずに、また、管理制御装置56がゲームの進行状況(ベット段階、ゲーム段階、清算段階)を把握しなくても、遊技テーブル4004で行われるゲームによる所持者の変遷をトレースすることができる。
【0232】
また、上記の例では、管理制御装置56は、ペイアウトチップ831について、それがベットエリア41で読み取られ、かつ、データベース57においてユーザIDが「D」とされていることに基づいて、それがペイアウトチップ831であると判断して、そのユーザIDをプレイヤのユーザIDに書き換えたが、これに代えて、払出前後における、チップトレイ12から読み取られるチップIDの差分に基づいて、ペイアウトチップ832のチップIDを特定してもよい。
【0233】
例えば、図29及び図30の例では、払出前には、図29に示すように、チップトレイ12からは、チップID「C20001」~「C20100」が読み取られているのに対して、払出後は、図30に示すように、チップトレイ12からチップID「C20006」~「C20100」が読み取られている。よって、管理制御装置56は、この差分から、チップID「C20001」~「C20005」が払い出されたことを判定できる。
【0234】
(第4の例)
図32は、第4の実施の形態の第4の例の管理システムの構成を示す図である。管理システム140は、第1の例の管理システム110の構成に加えて、プレイヤ特定システムと、データベース57と、カード配布装置(電子シュー)4003とを備えている。また、遊技テーブル4004には、各プレイポジションのベットエリア41よりディーラ側に、ペイエリア42a~42e(以下、総称するときは「ペイエリア42」と表記する。)が設けられている。また、ペイエリア42a~42eには、それぞれのエリアに対応してアンテナ512a~512e(以下、総称するときは「アンテナ512」と表記する。)が設けられている。
【0235】
ディーラは、ゲームに勝ったプレイヤ82に対して遊技用代用貨幣83の払出し(償還)を行う場合に、チップトレイ12から取り出した遊技用代用貨幣83を勝ったプレイヤ82のペイエリア42に位置させてからそのプレイヤ82のベットエリア41に置く。
【0236】
本例のカメラ52は、プレイヤ82のほかにベットエリア41にベットされたベットチップ831も撮影する。また、画像認識装置55は、プレイヤの顔だけでなく、ベットエリア41のベットチップ831についても画像認識処理を行い、各ベットエリア41のベットチップ831がベットエリア41内のいずれのベット対象(プレイヤ、バンカ、タイ、プレイヤペア、バンカペア等)に賭けられているかを認識し、その認識結果をベット内容(図32の「Betting」)として出力する。
【0237】
なお、プレイヤ82の顔を撮影するカメラとベットチップ831を撮影するカメラとが別々のカメラであってよい。また、プレイヤの顔の画像に基づいてプレイヤを特定する画像認識装置とベットチップ831の画像に基づいてベット内容を認識する画像認識装置とが別々の装置であってもよい。
【0238】
本例では、カード配布装置4003が、ゲームの進行状況(即ち、ベット中、ゲーム中、清算中のいずれか)を判定してRF制御装置54に出力する。カード配布装置4003は、最初のカードが引き出されたときに、ゲームが開始したと判断し、バカラのゲームルールに従って、引き出されたカードの読み取り結果に基づいて、ゲームが終了したと判断する。また、カード配布装置4003は、ゲームスタートのボタンが押下されたときに、清算が終了してベットが開始したと判断する。
【0239】
また、カード配布装置4003は、引き出されたカードの少なくともランクを読み取ることで、バカラゲームのルールに従って、プレイヤの勝ち、バンカの勝ち、タイ、プレイヤペア、バンカペア等のゲーム結果を判定する。
【0240】
管理制御装置56は、画像認識装置55から得たベット内容と、カード配布装置4003から得たゲーム結果とに基づいて、いずれのプレイポジションが払出しを受けるかを判定する。管理制御装置56は、さらに、画像認識装置55やカードリーダ53からプレイポジションごとのプレイヤのユーザIDを取得するので、この情報にも基づいて、いずれのプレイヤが払出しを受けるかを判定する。
【0241】
RF制御装置54は、カード配布装置4003から受けたゲーム進行状況が清算中であるときに、ペイエリア42のアンテナ512を作動させて、遊技用代用貨幣83のRFIDタグに対する読取り及び書込みを行う。
【0242】
管理制御装置56は、データベース57を参照して、ペイエリア42にて読み取られたペイアウトチップ832のチップIDに関連付けられたユーザIDがカジノないしディーラのユーザIDである場合は、そのユーザIDを、そのとき対応するベットエリア41に置かれているベットチップ831のチップIDに関連付けられているユーザIDで書き換える。
【0243】
なお、ディーラが負けたプレイヤのベットチップ831を回収する際にもペイエリア42のアンテナ512が当該ベットチップ831のチップIDを読み取る可能性があるが、この場合には、ペイエリア42で読み取られたチップIDとその直前に対応するベットエリア41で読み取られたチップIDとが一致することになるので、これにより回収の際にペイエリア42でチップIDが読み取られたことを判断して、この場合にはペイエリア42で読み取られた遊技用代用貨幣83のユーザIDの書き換えは行わないようにする。
【0244】
なお、本例では、プレイヤ特定システムと、データベース57と、カード配布装置(電子シュー)4003とを備えるものとして管理システム140を説明したが、第1の例と同様に、プレイヤ特定システム、データベース57、及びカード配布装置(電子シュー)4003を備えない管理システムにおいて、本例と同様にペイエリア42及びそれに対応するアンテナ512を設けて、ユーザIDの更新を行うようにしてもよい。
【0245】
本例の管理システム140では、ペイエリア42を設けて、ベットエリア41とは区別して、遊技用代用貨幣83のRFIDタグの読取り及び書込みを行うことで、チップトレイ12から払い出されるペイアウトチップ832の読取り及び書込みを高速に行うことができる。すなわち、上記の第1~第3の例のように、ペイアウトチップ832について、ベットチップ831と同じアンテナ512を利用して読取り及び書込みを行うと、ペイアウトチップ832の読取り及び書込みのためにベットチップ831の読取りや書込みもする必要があり、時間がかかるところ、イアウトエリア42では、ペイアウトチップ832のみについて読取り及び書込みを行えばよいので、比較的短時間で読取り及び書込みを行うことができ、ゲームのオペレーションにも大きな支障とはならない。
【0246】
(第5の例)
図33は、第4の実施の形態の第5の例の管理システムの構成を示す図である。管理システム150は、図32に示した第4の例の管理システム140と同じ構成を有している。すなわち、管理システム150は、第1の例の管理システム110の構成に加えて、プレイヤ特定システムと、データベース57と、カード配布装置(電子シュー)4003とを備えている。
【0247】
本例のカメラ52は、プレイヤ82のほかにベットエリア41にベットされたベットチップ831も撮影する。また、画像認識装置55は、プレイヤの顔だけでなく、ベットエリア41のベットチップ831についても画像認識処理を行い、各ベットエリア41のベットチップ831がベットエリア41内のいずれのベット対象(プレイヤ、バンカ、タイ、プレイヤペア、バンカペア等)にかけられているかを認識し、その認識結果をベット内容(図32の「Betting」)として出力する。
【0248】
なお、プレイヤ82の顔を撮影するカメラとベットチップ831を撮影するカメラとが別々のカメラであってよい。また、プレイヤの顔の画像に基づいてプレイヤを特定する画像認識装置とベットチップ831の画像に基づいてベット内容を認識する画像認識装置とが別々の装置であってもよい。
【0249】
カード配布装置4003は、順に引き出されるカードの少なくともランクを読み取ることで、バカラゲームのルールに従って、プレイヤの勝ち、バンカの勝ち、タイ、プレイヤペア、バンカペアを含むゲーム結果を判定する。
【0250】
管理制御装置56は、画像認識装置55から得たベット内容と、カード配布装置4003から得たゲーム結果とに基づいて、いずれのプレイポジションが払出し(償還)を受けるかを判定する。管理制御装置56は、さらに、画像認識装置55やカードリーダ53からプレイポジションごとのプレイヤのユーザIDを取得することから、この情報にも基づいて、いずれのプレイヤが払出し(償還)を受けるかを判定する。
【0251】
管理制御装置56には、RF制御装置54から、ベットエリア41ごとに、当該ベットエリア41のエリアIDと当該ベットエリア41で読み取られたベットチップ831のチップIDとの組が入力される。上述のように管理制御装置56は、いずれのプレイポジションが払出しを受けるかを判定しているので、データベース57を参照して、払出しを受けるプレイポジションで読み取られたチップIDに関連付けられているユーザIDを取得して、その取得したユーザIDで、払い出されるペイアウトチップ832のチップIDに関連付けられるユーザIDを更新する。
【0252】
なお、管理制御装置56は、払出し前後においてチップトレイ12から読み取られなくなったチップIDをペイアウトチップ832のチップIDとして認識する。また、払出しを受けるプレイヤが複数ある場合には、ディーラは、端から所定の方向に順に払出しを行う(例えば、ディーラの右手側の端から左手側の端に向けて順に払出を行う)。これにより、払出しを受けるプレイヤが複数ある場合にも、チップトレイ12から取り出されたペイアウトチップ832がどのプレイポジションないしプレイヤに払い出すために取り出されたのかを判定することができる。
【0253】
また、管理制御装置56は、負けたプレイヤのプレイポジションを判定できるので、当該プレイポジションのベットエリア41から読み取られたチップIDに関連付けられたユーザIDをカジノ又はディーラを表す「D」とするように、データベース57を更新する。
【0254】
以上のように、本例では、管理制御装置56は、ベット内容とゲーム結果とを把握することで、どのプレイヤないしプレイポジションのベットチップ831に対して払出しが行われ、どのプレイヤないしプレイポジションのベットチップ831が回収されるかを判定できるとともに、それらのベットチップ831及びペイアウトチップ832のチップIDも特定できるので、データベース57において、どのチップIDについて関連付けるユーザIDを変更し、かつ、どのユーザIDに変更すべきかを判断することができる。これにより、遊技用代用貨幣83の所持者のトレースを行うことができる。
【0255】
(第6の例)
図34は、第4の実施の形態の第6の例の管理システムの構成を示す図である。管理システム160は、第2の例と同様の構成を備えている。バカラでは、上述のように遊技テーブル4004に複数のプレイポジションが設けられており、遊技テーブル4004の各プレイポジションに対応する位置には、プレイポジションごとにベットエリア41が設けられている。原則として、1つのプレイポジションでは1人のプレイヤがプレイをする。
【0256】
しかしながら、すべてのプレイポジションが埋まっている場合には、プレイポジションでプレイをしているプレイヤ(シッティングプレイヤ)の後ろから、当該シッティングプレイヤに割り当てられたベットエリア41にベットするプレイヤ(バックベットプレイヤ)も現れ、カジノないし遊技テーブル4004によってはこのようなベットは許される。バックベットによって、同一のベットエリアにユーザIDの異なる複数の遊技用代用貨幣83がベットされることになる。本例の管理システム160は、このような場合にも遊技用代用貨幣83の所持者のトレースを可能とする。
【0257】
本例の管理システム160では、第2の例と同様に、遊技用代用貨幣83のユーザIDは、遊技用代用貨幣83のRFIDタグ2の書換可能領域22に記憶され、データベースを用いない。ただし、プレイヤを特定するプレイヤ特定システムは有している。
【0258】
図35の例では、同一のベットエリア41bに、ユーザID「P1」のベットチップ831aと、ユーザID「P2」のベットチップ831bとがベットされている。このとき、ベットエリア41bからは、遊技用代用貨幣83のユーザIDとして、「P1」と「P2」が読み取られる。
【0259】
図36~38は、両プレイヤがいずれもゲームに勝った場合の払出しの例を説明する図である。まず、図35に示すように、ユーザID「P1」のプレイヤ82aに対して払い出しが行われる。このとき、管理システム160は、ユーザID「P1」のプレイヤ82aに対して払い出しが行われたのか、ユーザID「P2」のプレイヤ82bに対して払い出しが行われたのかの区別をすることができず、また、1つのベットエリア41内にある複数の遊技用代用貨幣83について書込み情報を異ならせることができないため、管理制御装置56は、RF制御装置54を制御して、当該ベットエリア41bにあるすべての遊技用代用貨幣83について、ユーザIDを「P1 or P2」という選択的な情報に書き換える。
【0260】
払出を受けたプレイヤ82aが自らのベットチップ831a及びペイアウトチップ832aをベットエリア41bから取ると、図37に示すように、ベットエリア41bには、ユーザIDが「P1 or P2」であるベットチップ831bが残る。ディーラは、プレイヤ82aが遊技用代用貨幣83を取ったことを確認して、図38に示すように、ベットチップ831bに対して、ユーザIDが「D」であるペイアウトチップ832bを払い出す。このとき、管理制御装置56は、RF制御装置54を制御して、当該ベットエリア41のすべての遊技用代用貨幣83について、ユーザIDを「P1 or P2」に書き換える。
【0261】
これにより、同一のベットエリア41にベットしたプレイヤ82a及び82bは、いずれもユーザIDとして「P1 or P2」が記録された遊技用代用貨幣83を所有することになる。
【0262】
仮に、これらのプレイヤ82a及び82bが再びそれらの遊技用代用貨幣83を用いて同一のベットエリア41にベットした場合には、いずれのベットチップ831a及び831bにもユーザIDとして「P1 or P2」が記録されていることになる。あるいは、一部のベットチップにはユーザIDが「P1」又は「P2」である遊技用代用貨幣83が含まれることもある。これらの場合にも、ゲームの結果に従って払出しをする際には、管理制御装置56は、RF制御装置54を制御して、払出しの際にベットエリア41に置かれたすべての遊技用代用貨幣83のユーザIDとして「P1 or P2」と選択的に書き込む。
【0263】
なお、ユーザIDが「P1 or P2」であるベットチップ831がチップトレイ12に回収された場合には、ユーザIDとして、カジノないしディーラを表す「D」が書き込まれることになる。
【0264】
その後、プレイヤ82a、82bが単独で、ベットエリア41に、複数のユーザのユーザIDが選択的に記録されている遊技用代用貨幣83をベットした場合であって、プレイヤ特定システムで特定されたプレイヤのユーザIDがその選択肢のユーザIDのいずれかと一致する場合には、管理制御装置56は、RF制御装置54を制御して、その遊技用代用貨幣83の選択的なユーザIDを当該一致するユーザIDに書き換える。
【0265】
例えば、プレイヤ82aがユーザIDとして「P1 or P2」が記録された遊技用代用貨幣83を単独でベットエリア41にベットした場合には、RF制御装置54によって、当該ベットエリア41のベットチップ831からユーザID「P1 or P2」が読み出され、プレイヤ特定システムによって、当該ベットエリア41にベットしたプレイヤのユーザIDが「P1」であると認識されることになる。この場合には、ユーザID「P1」が一致しているので、管理制御装置56は、RF制御装置54を制御して、当該ベットエリア41のベットチップ831のユーザIDを「P1」に書き換える。
【0266】
一方で、ユーザIDが選択的に記録されている遊技用代用貨幣83を所有しているプレイヤがベットしたときに、同一のベットエリア41に選択肢にはないユーザIDを有するプレイヤがベットし、ゲームの結果に従って払出しを受けるときには、遊技用代用貨幣83のユーザIDには、当該プレイヤのユーザIDも選択肢に含むように選択的に書き込まれる。
【0267】
例えば、プレイヤ82aがユーザIDとして「P1 or P2」が記録された遊技用代用貨幣83をベットエリア41にベットし、同じベットエリア41に他のプレイヤがユーザIDとして「P3」が記録された遊技用代用貨幣83をベットした場合において、ゲームの結果に従って払出しをする場合には、管理制御装置56は、RF制御装置54を制御して、当該ベットエリア41のペイアウトチップを含むすべての遊技用代用貨幣83のユーザIDを「P1 or P2 or P3」に書き換える。
【0268】
以上のとおり、本例では、ユーザIDとして選択的な記録を許すことで、同一のベットエリアに複数のプレイヤがベットした場合にも、所持者のトレースをすることができる。さらに、プレイヤ特定システムを用いることで、選択的に記録されていたユーザIDを確定的に書き換えることも可能となる。
【0269】
なお、複数のプレイヤが同一のベットエリア41にベットしており、一部のプレイヤが勝ち、一部のプレイヤが負けた場合には、負けたプレイヤのベットチップの回収が先に行われるので、回収されたベットチップについては、チップトレイ12で読み取られたときに、ユーザIDとして「D」を記録し、ペイアウトチップ832の払出しを受けるベットチップ及びそれに対して払い出されれるペイアウトチップについて上記の処理を行えばよい。
【0270】
(第7の例)
図39は、第4の実施の形態の第7の例の管理システムの構成を示す図である。管理システム170は、第3の例の管理システム130と同様の構成を有している。管理システム170においても、同一のベットエリア41に複数のプレイヤがベットした場合にも遊技用代用貨幣83の所持者のトレースが可能である。
【0271】
図40図44は、データベース57の更新の例を説明する図である。プレイヤ82aがベットエリア41bにベットチップ831aをベットし、プレイヤ82bが同じベットエリア41bにベットチップ831bをベットすると、図40に示すように、RF制御装置54において、このベットエリア41bから、ユーザIDとして、ベットチップ831aのチップID「C00001」~「C00005」と、ベットチップ831bのチップID「C10001」~「C10005」とが読み出され、管理制御装置56に当該ベットエリア41のエリアID「Area 2」との組み合わせとして出力される。また、チップトレイ12からは、チップID「C20001」~「C20100」が読み出され、管理制御装置56では、チップトレイ12のエリアID「Arrea T」との組み合わせが得られる。
【0272】
図40に示すように、この時点では、データベース57においては、チップID「C00001」~「C00005」にはユーザID「P1」が関連付けられており、チップID「C10001」~「C10005」にはユーザID「P2」が関連付けられており、チップID「C20001」~「C20100」にはユーザID「D」が関連付けられている。
【0273】
ゲームの結果、このプレイヤ82a及び82bのいずれもが勝ったとすると、図41に示すように、ディーラによって、まず、ベットチップ831a及びベットチップ831bのいずれかに対して払出しが行われる。このとき、ベットエリア41bからは、ベットチップ831aのチップID「C00001」~「C00005」及びベットチップ831bのチップID「C10001」~「C10005」に加えて、ペイアウトチップ832aのチップID「C20001」~「C20005」が読み取られ、管理制御装置56には、当該ベットエリア41のエリアID「Area 2」との組み合わせとして出力される。
【0274】
この段階では、管理制御装置56は、まだペイアウトチップ832aがチップID「C00001」~「C00005」のベットチップ831aに対して払い出されたのか、チップID「C10001」~「C10005」のベットチップ831bに対して払い出されたのか判断できないため、データベース57の更新は行わない。
【0275】
次に、プレイヤ82aが、ベットチップ831aとそれに対して払い出されたペイアウトチップ832aをベットエリア41bから取ると、図41に示すように、ベットエリア41bからは、残ったベットチップ831bのチップID「C10001」~「C10005」のみが読み取られる。管理制御装置56は、この変化に基づいて、ベットエリア41bで読み取られたチップID「C20001」~「C20005」のペイアウトチップ832aが、チップID「C00001」~「C00005」のベットチップ831aに対して払い出されたと判断して、データベース57におけるチップID「C20001」~「C20005」に関連付けられたユーザIDを「D」から「P1」、すなわちチップID「C20001」~「C20005」のペイアウトチップ832aと一緒にベットエリア41bから取り除かれたベットチップ831aに関連付けられたユーザIDに書き換える。
【0276】
ディーラは、ベットチップ831aとそれに対して払い出されたペイアウトチップ832aがベットエリア41bから取り除かれるのを確認して、図43に示すように、同じベットエリア41bにベットチップ831bに対するペイアウトチップ832bを払い出す。そうすると、ベットエリア41bからは、ベットチップ831bのチップID「C10001」~「C10005」と、ペイアウトチップ832bのチップID「C20006」~「C20010」が読み取られ、管理制御装置56にベットエリア41のエリアID「Area 2」と組み合わせて記録される。
【0277】
その後、プレイヤ82bがこのベットチップ831b及びペイアウトチップ832bを取ると、図44に示すように、ベットエリア41bからはチップIDは読み取られず、管理制御装置56には、チップトレイ12から読み取られたチップIDのみが入力される。管理制御装置56は、この変化に基づいて、チップID「C20006」~「C20010」のペイアウトチップ832bが、チップID「C10001」~「C10005」のプレイヤと同じプレイヤに渡ったと判断して、データベース57において、チップID「C20006」~「C20010」に関連付けられるユーザIDをチップID「C10001」~「C10005」に関連付けられたユーザIDと同じくするように、データベース57を更新する。
【0278】
以上のように、本例の管理システム170によれば、ベットチップ831とペイアウトチップ832とが一緒にベットエリアから取り除かれたことを検知して、ペイアウトチップ832のユーザIDが当該ベットチップ831のユーザIDと同じになるように、データベース57を更新する。よって、同一のベットエリア41に複数のプレイヤの遊技用代用貨幣83がベットされている場合にも、それらのプレイヤに順に払出を行うことで、ペイアウトチップ832がいずれのプレイヤに払い出されたのかを把握して、データベース57を更新することができ、遊技用代用貨幣の所持者をトレースすることが可能となる。
【0279】
(第8の例)
図45は、第4の実施の形態の第8の例の管理システムの構成を示す図である。管理システム180は、第4の例の管理システム140と同様の構成を有している。ただし、管理システム180では、遊技テーブル4004にベットエリアとして、プレイヤペアエリア44、タイエリア45、バンカペアエリア46が設けられている。また、遊技テーブル4004には、プレイヤペアエリア44、タイエリア45、バンカペアエリア46に対応して、アンテナ514、515、516が設けられている。
【0280】
これらのエリア44~46の各々は、当該エリア内でプレイポジションごとに区画されており、プレイヤはこれらのエリア44~46にベットする際には、これらのエリア内の自分のプレイポジションに対応する位置(区画)にベットチップを置く。
【0281】
すなわち、プレイヤペアエリア44、タイエリア45、バンカペアエリア46はそれぞれ、複数のプレイヤが共用する共用ベットエリアである。図45の例では、プレイヤ82a~82cがゲームに参加しており、そのうちのプレイヤ82b及び82cがそれぞれベットチップ831b及び831cをタイエリア45にベットしている。
【0282】
この例の場合には、共用ベットエリア44~46について、第6の例又は第7の例と同様にして、遊技用代用貨幣83の所持者のトレースを行うことができる。なお、管理システム180がデータベース57を有しない場合にも、第6の例と同様にして遊技用代用貨幣83の所持者のトレースを行うことができ、管理システム180がプレイヤ特定システムを有しない場合にも、共用ベットエリアについて第7の例と同様にして、遊技用代用貨幣83の所持者のトレースを行うことができる。
【0283】
(第9の例)
図46は、第4の実施の形態の第9の例の管理システムの構成を示す図である。管理システム190は、プレイヤ特定システムを備えている。この例では、データベース57を用いずに、遊技用代用貨幣83のトレースを行う。また、遊技テーブル4004には、ペイエリア42a~42e及びそれらに対応するアンテナ512a~512eが設けられている。また、遊技用代用貨幣83のRFIDタグ2の固定情報3には、当該遊技用代用貨幣83の額(価値)を示す情報が記憶されており、変動情報4には所持者のユーザIDが記憶されている。
【0284】
なお、本例において、データベース57を用いてもよく、その場合には、遊技用代用貨幣83にはチップIDが記憶されており、データベース57にチップIDと関連付けて当該遊技用代用貨幣83の額(価値)及び所持者のユーザIDが記憶される。
【0285】
図47に示すように、ベットエリア41bにプレイヤ82aのベットチップ831a(額「100」が5枚)と、プレイヤ82bのベットチップ831b(額「1000」が2枚)とが置かれていると、このベットエリア41bからは、額が「100」であってユーザIDが「P1」である遊技用代用貨幣83が5枚読み取られ、額が「1000」であってユーザIDが「P2」である遊技用代用貨幣83が2枚読み取られ、これらがベットエリア41のエリアIDである「Area 2」とともに、管理制御装置56に出力される。
【0286】
管理制御装置56は、各ベットエリア41について、プレイヤごとにベットチップの額の合計値を算出することで、プレイヤごとのベット額を検知する。図47の場合には、管理制御装置56は、ユーザID「P1」のベット額が「500」であり、ユーザID「P2」のベット額が「2000」であると検知する。
【0287】
ゲームの結果、プレイヤ82a及び82bのいずれもが勝った場合には、ディーラはベットチップ831a及び831bのそれぞれについて順に払出し(償還)を行う。図48に示すように、まず、ベットチップ831aについて、ペイアウトチップ832aを払い出す場合には、ディーラは、当該ペイアウトチップ832aをペイエリア42bに置く。
【0288】
このとき、RF制御装置54は、ペイエリア42bにおいて、遊技用代用貨幣83を読み取り、額「100」の遊技用代用貨幣83が5枚あることを読み取って、これを管理制御装置56に出力する。管理制御装置56は、ペイエリア42bにおいて読み取ったペイアウトチップ832aの額の合計を算出することで、払出額を検知する。
【0289】
管理制御装置56は、ペイアウトチップ832aの払出額と、ベットエリア41bのプレイヤごとのベット額とを比較して、ベット額が払出額と一致するプレイヤを特定する。図48の場合には、ペイエリア42bからは額「100」のペイアウトチップ832aが5枚読み取られ、払出額が「500」であると検知される。管理制御装置56は、この払出額「500」が、ユーザID「P1」のベットチップ831aのベット額「500」と一致すると判断して、ペイアウトチップ832aのユーザIDを「P1」に書き換える。
【0290】
その後、プレイヤ82aがペイアウトチップ832aとベットチップ831aとを取ると、図49に示すように、ベットエリア41bにはプレイヤ82bのベットチップ831bが残る。ディーラが、このベットチップ831bに対して払い出すペイアウトチップ832bをペイエリア42bに置くと、管理制御装置56は、このペイアウトチップ832bの額の合計を算出することで、ペイアウトチップ832bの払出額を検知する。
【0291】
管理制御装置56は、ペイアウトチップ832bの払出額と、ベットエリア41bのプレイヤごとのベット額とを比較して、ベット額が払出額と一致するプレイヤを特定する。図49の場合には、ペイエリア42bからは額「1000」のペイアウトチップ832bが2枚読み取られ、払出額が「2000」であると検知される。管理制御装置56は、この払出額「2000」が、ユーザID「P2」のベットチップ831bのベット額「2000」と一致すると判断して、ペイアウトチップ832bのユーザIDを「P2」に書き換える。
【0292】
以上のように、本例の管理制御システム190では、複数のプレイヤが同一のベットエリア41にベットしている場合にも、それらのベット額が異なる場合に、ベット額とペイアウトチップの払出額とに基づいて、当該ペイアウトチップがいずれのプレイヤに払い出されているのかを判断する。
【0293】
(第10の例)
上記の第1~第9の例において、プレイヤ82がメンバとして登録されていない非メンバである場合には、そのような非メンバにはユーザIDが付与されていないので、プレイヤ特定システムによってプレイヤ82を特定することができない。また、上述のように、非メンバが所有する遊技用代用貨幣83については、RFIDタグ2又はデータベース57に有効なユーザIDを記憶することができないため、ユーザIDとして「Unknown」が記録される。
【0294】
管理システムは、非メンバのプレイヤに対してペイアウトチップ832を払い出す際には、当該ペイアウトチップ832のユーザIDを「Unkown」とし、非メンバのプレイヤからベットチップ831を回収した場合には、当該ベットチップ831のユーザIDを「D」とする。
【0295】
ディーラは、メンバであるプレイヤと非メンバであるプレイヤとが、同一のベットエリア41にベットする場合において、両プレイヤがいずれもゲームに勝った場合には、常に非メンバから払出しを行い、あるいは、常にメンバから払出しを行うというルールの下に払出しを行ってよい。
【0296】
例えば、常に非メンバから先に払出しを行うというルールが運用されている場合には、管理システムは、最初に払い出されたペイアウトチップ832については、そのユーザIDを「Unkown」と書き換え、後に払い出されたペイアウトチップ832について、上記の例を用いて、メンバであるプレイヤのユーザIDに書き換える。
【0297】
また、例えば、常にメンバから先に払出しを行うというルールが運用されている場合には、管理システムは、最初に払い出されたペイアウトチップ832については、そのユーザIDを、ベットチップ831から特定されているユーザIDに書き換え、後に払い出されたペイアウトチップ832については、ユーザIDを「Unknown」と書き換える。
【0298】
なお、ディーラは、カード認証システムを用いてプレイヤを特定する場合には、自らメンバズカード81のスキャンをするので、どのプレイヤがメンバであるかを把握できるが、顔認識システムによってプレイヤを特定する場合にはどのプレイヤがメンバであるかを把握できない。そこで、顔認識システムによる認識結果として、ユーザIDが認識されたプレイポジション又はベットエリアを示す視覚情報をモニタ等でディーラに示すようにしてよい。
【0299】
(第11の例)
図50は、第4の実施の形態の第11の例におけるベットエリアの例を示す図である。この例では、各プレイポジションのベットエリア41が、メンバ用のベットエリア411と非メンバ用のベットエリア412とに分けられており、アンテナもメンバ用のアンテナ5111と非メンバ用のアンテナ5112に分かれている。
【0300】
管理制御装置56は、RF制御装置54を制御することで、メンバ用のベットエリア411にベットされたベットチップ831については、上記の第1~第9の例のようにして、遊技用代用貨幣83のユーザIDを書き換え、非メンバ用のベットエリア412にベットされたベッティングチップ831については、それに対して払い出されるペイアウトチップ832のユーザIDをすべて「Unknown」に書き換える。
【0301】
本例によれば、プレイヤに付与されたユーザIDがそれ自身又はデータベース57に記憶されている遊技用代用貨幣83と、プレイヤに付与されたユーザIDがそれ自体又はデータベース57に記憶されていない(ユーザIDが「Unknow」である)遊技用代用貨幣83とが混在して読み取られることがなく、プレイヤに付与されたユーザIDがそれ自身又はデータベース57に記憶されている遊技用代用貨幣83のトレースを効果的に行うことができる。
【0302】
なお、本例において、アンテナ5111と5112に代えて、メンバ用のベットエリア411と非メンバ用のベットエリア412とにまたがって1つのアンテナを設けてもよい。この場合において、メンバ用のベットエリア411と非メンバ用のベットエリア412にそれぞれ遊技用代用貨幣83がベットされているときは、ディーラは、いずれのベットチップ831がメンバのものであり、いずれのベットチップ831が非メンバのものであるかを認識できる。
【0303】
そして、いずれのベットチップ831に対しても払出しをする場合には、ディーラは、先にメンバのベットチップ831に対して払い出しを行うというオペレーションルールの下で払出氏を行ってよい。こうすることで、管理システムは、先に払い出されたペイアウトチップ832は、メンバに対して払い出されたものであることを確定できる。なお、ディーラが、先に非メンバのベットチップ831に対して払出しを行うというオペレーションルールに従って払出しを行ってもよい。この場合には、管理システムは、先に払い出されたペイアウトチップ832が非メンバに対して払い出されたものであることを確定できる。
【0304】
図51A及び図51Bは、第4の実施の形態の第11の例におけるベットエリアの他の例を示す図である。この例では、各プレイポジションのベットエリア41は、図51Aに示すようなメンバ用のベットエリア41、または図51Bに示すような非メンバ用のベットエリア41に、選択的に設定される。
【0305】
各ベットエリア41の近傍には、それぞれ当該ベットエリア41がメンバ用として設定されているか、非メンバ用として設定されているかを可変に表示する表示部413が設けられている。この表示部413は遊技テーブル4004のラシャの下に設置され、表示情報はラシャから透けてプレイヤに視認できるようになっている。
【0306】
なお、各ベットエリア41がメンバ用又は非メンバ用のいずれに設定されているかを視覚的に示す手段は、遊技テーブル4004のラシャの下に埋め込まれた表示部413に限られない。例えば、プレイヤに見えるように遊技テーブル4004に設置されたモニタによって、各ベットエリア41がメンバ用又は非メンバ用のいずれに設定されているかを表示してよい。
【0307】
管理制御装置56は、RF制御装置54を制御することで、ベットエリア41がメンバ用に設定されている場合は、そこにベットされたベットチップ831について、上記の第1~第9の例のようにして、遊技用代用貨幣83のユーザIDを書き換え、ベットエリア41が非メンバ用に設定されている場合は、そこにベットされたベッティングチップ831については、それに対して払い出されるペイアウトチップ832のユーザIDをすべて「Unknown」に書き換える。
【0308】
本例によっても、プレイヤに付与されたユーザIDがそれ自身又はデータベース57に記憶されている遊技用代用貨幣83と、プレイヤに付与されたユーザIDがそれ自身又はデータベース57に記憶されていない(ユーザIDが「Unknow」である)遊技用代用貨幣83とが混在して読み取られることがなく、プレイヤに付与されたユーザIDがそれ自身又はデータベース57に記憶されている遊技用代用貨幣83のトレースを効果的に行うことができる。
【0309】
(第12の例)
上記の第1~第9の例において、遊技テーブル4003においてディーラとプレイヤとの間で遊技用代用貨幣83どうしの両替が行われる場合にも、遊技用代用貨幣83の所持者をトレースすることが可能である。この場合に、管理システムは、ゲームの進行状況(即ち、ベット中、ゲーム中、清算中のいずれか)を判定する進行状況判定手段を備える。かかる進行状況判定手段としては、カード配布装置4003を用いることができるが、他の任意の手段を用いてもよい。
【0310】
本例の管理システムでは、管理制御装置56は、ベット中に、RF制御装置54を制御して、各アンテナに、所定の時間間隔で周期的に読取りを行わせる。管理制御装置56は、ベット中に、いずれかのベットエリア41又はいずれかのペイエリア42(以下、「遊技テーブル4004の読取エリア」という。)において、ユーザIDが「D」である遊技用代用貨幣83が読み取られた場合、及びチップトレイ12において、ユーザIDがメンバに付与されたユーザIDである遊技用代用貨幣83が読み取られた場合に、遊技用代用貨幣83の両替が行われていると判断する。
【0311】
これは、バカラのオペレーション上、ベット中は、両替以外にはチップトレイ12から遊技テーブル4003の上に遊技用代用貨幣83が移動することはありえず、また、遊技テーブル4003の上のプレイヤの遊技用代用貨幣83がチップトレイ12に移動することもないからである。なお、ゲームの進行状況は「ゲーム中」である場合には、このような遊技用代用貨幣83の移動は不正行為となるため、管理制御装置56は、ゲーム中に上記のような遊技用代用貨幣83の移動を検知したときは、アラームを出力してよい。
【0312】
管理制御装置56は、ベット中に、ユーザIDが、メンバに付与されたユーザID又は「Unknown」である遊技用代用貨幣83が、チップトレイ12で読み取られた場合には、当該遊技用代用貨幣83をチップ間の両替のためにプレイヤから遊技テーブル4004に出された遊技用代用貨幣83(両替前チップ)であると判断する。
【0313】
具体的には、管理制御装置56は、遊技用代用貨幣83自体にユーザIDが記憶されている場合には、ベット中に、チップトレイ12からメンバに付与されたユーザID又は「Unknown」が読み取られたときに両替であると判断し、データベース57にユーザIDを記憶している場合には、ベット中に、チップトレイ12から読み取られる遊技用代用貨幣83の数が減少したときに、両替が行われていると判断する。あるいは、データベース57にユーザIDを記憶している場合に、ベット中に、チップトレイから読み取られる遊技用代用貨幣83の数が増加したときに。両替が行われていると判断してもよい。
【0314】
また、管理制御装置56は、ベット中に、ユーザIDが、カジノ又はディーラによって所持されていること示す「D」である遊技用代用貨幣83が、遊技テーブル4004の読取エリアで読み取られた場合には、当該遊技用代用貨幣83を、両替前チップに対応してプレイヤに与えられる遊技用代用貨幣83(両替後チップ)であると判断する。
【0315】
具体的には、管理制御装置56は、遊技用代用貨幣83事態にユーザIDが記憶されている場合には、ベット中に、遊技テーブル4004の読取エリアからユーザID「D」が読み取られたときに両替であると判断し、データベース57にユーザIDを記憶している場合には、管理制御装置56は、ベット中に周期的に遊技テーブル4004の読取エリアの読取りを行って、読取りごとにデータベース57を参照することで、ユーザIDが「D」である遊技用代用貨幣83が遊技テーブル4004の読取エリアから読み取られたことを判断する。
【0316】
管理制御装置56は、両替前チップのユーザIDを、カジノ又はディーラを表す「D」に書き換え、両替後チップのユーザIDを両替前チップのユーザIDに書き換える。具体的には、ユーザIDが遊技用代用貨幣83のRFIDタグ2に記憶されている場合には、管理制御装置56は、RF制御装置54を制御して、該当する両替前チップ及び両替後チップに記憶されたユーザIDを書き換え、ユーザIDがチップIDと関連付けられてデータベース57に記憶されている場合には、管理制御装置56は、データベース57における該当するチップIDに関連付けられたユーザIDを書き換える。
【0317】
また、管理制御装置56は、両替前チップと両替後チップを特定した後に、それらのユーザIDを交換するように、RF制御装置54を制御し(ユーザIDが遊技用代用貨幣83に記憶されている場合)、あるいはデータベース57を更新してよい(ユーザIDがデータベース57に記憶されている場合)。
【0318】
なお、上記の実施の形態では、メンバズカード81が磁気カードであり、カードリーダ53は、メンバズカード81の磁気ストライプから情報を読み出す磁気カードリーダであったが、これに代えて、メンバズカード81にRFIDタグを埋め込んで、当該RFIDタグにユーザIDを記録してもよい。この場合には、カードリーダ53としては、アンテナとRF制御装置54とからなるRFIDリーダが用いられる。また、そのようなアンテナが、各プレイポジションに設けられてもよい。この場合には、プレイヤは自らのメンバズカード81をディーラに手渡すことなく、各プレイポジションで読み取らせる。各アンテナからはプレイポジションを特定する情報とともに、メンバズカード81から読み取ったユーザIDがRF制御装置54に送信される。さらに、ベットエリア41に設けられたアンテナ511とRF制御装置54とを、メンバズカード81を読み取るためのRFIDリーダとしてもよい。この場合には、プレイヤは自らのプレイポジションにおいてベットエリア41にメンバズカード81を置くことで、アンテナ511にユーザIDを読み取らせることができる。
【0319】
以上説明した第4の実施の形態の第1~第11の例によって、以下の技術が開示される。(A1)遊技用代用貨幣を管理する管理システムであって、
前記遊技用代用貨幣が使用されたときに、前記遊技用代用貨幣の所持者を記憶した記憶手段を参照して、当該遊技用代用貨幣の所持者を特定する所持者特定手段と、
前記遊技用代用貨幣が使用されたときに、当該遊技用代用貨幣を使用したプレイヤを特定するプレイヤ特定手段と、
前記制御手段は、使用された前記遊技用代用貨幣について、前記所持者特定手段にて特定された所持者と、前記プレイヤ特定手段で特定されたプレイヤとが一致しない場合に、前記プレイヤ特定手段で特定されたプレイヤを前記所持者として前記記憶手段に記憶する、管理システム。
【0320】
(A2)前記制御手段は、使用された前記遊技用代用貨幣について、前記所持者特定手段にて特定された所持者と、前記プレイヤ特定手段で特定されたプレイヤとが一致しない場合に、前記記憶手段に不一致があったことを記憶する、(A1)の管理システム。
【0321】
(A3)前記プレイヤ特定手段は、顔認証又はIDカードの読取りによって前記遊技用代用貨幣を使用したプレイヤを特定する、(A1)の管理システム。
【0322】
(A4)前記記憶手段は、データベース、または、前記遊技用代用貨幣に内蔵されるRFIDタグである(A1)の管理システム。
【0323】
(A5)遊技用代用貨幣を管理する管理システムであって、
前記遊技用代用貨幣の所持者を記憶した記憶手段と、
前記遊技用代用貨幣の償還を受けるプレイヤを特定するプレイヤ特定手段と、
償還される前記遊技用代用貨幣について、前記記憶手段に前記プレイヤを前記所持者として記憶させる制御手段と、
を備えた、管理システム。
【0324】
(A6)前記特定手段は、さらに、前記プレイヤに割り当てられたベットエリアを特定し、
前記制御装置は、前記償還される前記遊技用代用貨幣について、いずれの前記ベットエリアに償還されるかを特定することで、当該遊技用代用貨幣がいずれのプレイヤに償還されるかを判定する、(A5)の管理システム。
【0325】
(A7)前記制御装置は、前記ベットエリアに、前記特定手段で特定されたプレイヤが前記所持者として記憶されている前記遊技用代用貨幣と、前記特定手段で特定されたプレイヤが所持者として記憶されていない前記遊技用代用貨幣とが賭けられている場合において、
前記特定手段で特定されたプレイヤが前記所持者として記憶されている前記遊技用代用貨幣に対して償還される前記遊技用代用貨幣について、前記特定手段で特定されたプレイヤを当該遊技用代用貨幣の所持者として記憶させる、(A5)の管理システム。
【0326】
(A8)償還される前記遊技用代用貨幣の額を検知する検知装置をさらに備え、
前記制御装置は、前記ベットエリアに、前記特定手段で特定されたプレイヤが前記所持者として記憶されている前記遊技用代用貨幣と、前記特定手段で特定されたプレイヤが所持者として記憶されていない前記遊技用代用貨幣とが賭けられている場合において、
前記特定手段で特定されたプレイヤが所持者として記憶されていない前記遊技用代用貨幣への償還に相当する額が前記検知装置にて検知された後に前記ベットエリアに償還される前記遊技用代用貨幣について、前記特定手段で特定されたプレイヤを当該遊技用代用貨幣の所持者として記憶させる、(A5)の管理システム。
【0327】
(A9)償還される前記遊技用代用貨幣の額を検知する検知装置をさらに備え、
前記制御装置は、前記ベットエリアに、前記特定手段で特定されたプレイヤが前記所持者として記憶されている前記遊技用代用貨幣と、前記特定手段で特定されたプレイヤが所持者として記憶されていない前記遊技用代用貨幣とが賭けられている場合において、
前記ベットエリアについて最初に前記検知装置にて検知された前記遊技用代用貨幣について、前記特定手段で特定されたプレイヤを当該遊技用代用貨幣の所持者として記憶させる、(A5)の管理システム。
【0328】
(A10)前記ベットエリアは、前記特定手段で特定されたプレイヤが前記所持者として記憶されている前記遊技用代用貨幣をベットするためのエリアと、前記特定手段で特定されたプレイヤが所持者として記憶されていない前記遊技用代用貨幣をベットするエリアとを備える、(A6)~(A9)のいずれかの管理システム。
【0329】
(A11)前記特定手段で特定されたプレイヤが前記所持者として記憶されている前記遊技用代用貨幣がベットされた前記ベットエリアと、前記特定手段で特定されたプレイヤが前記所持者として記憶されていない前記遊技用代用貨幣がベットされた前記ベットエリアとを区別するための視覚情報を出力する出力手段をさらに備えた、(A6)~(A10)のいずれかの管理システム。
【0330】
(A12)遊技用代用貨幣を管理する管理システムであって、
前記遊技用代用貨幣の所持者を記憶した記憶手段と、
ペイアウトされた前記遊技用代用貨幣のスタックを受ける可能性のある複数の候補プレイヤを特定するプレイヤ特定手段と、
ペイアウトされる前記スタックを構成する前記遊技用代用貨幣の各々について、前記記憶手段に前記複数の候補プレイヤを前記所持者として記憶させる制御手段と、
を備えた、管理システム。
【0331】
(A13)前記プレイヤ特定手段は、同じベットエリアにベットした結果前記ペイアウトを受ける複数のプレイヤを前記複数の候補プレイヤとして特定する、(A12)の管理システム。
【0332】
(A14)前記プレイヤ特定手段は、前記遊技用代用貨幣をベットするベッティングプレイヤを特定し、
前記管理システムは、ベットされた前記遊技用代用貨幣について、前記記憶手段に前記所持者として記憶された前記複数の候補プレイヤを特定する所持者特定手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記プレイヤ特定手段で特定された前記ベッティングプレイヤが、前記所持者特定手段で特定された前記複数の候補プレイヤのいずれかと一致する場合に、当該一致する候補プレイヤを前記所持者として確定して前記記憶手段に記憶させる、(A12)の管理システム。
【0333】
(B1)遊技テーブルでのゲームで用いられる、識別情報を記憶したチップを管理する管理システムであって、
前記遊技テーブル上のベットエリアに置かれた賭けチップに記憶された前記識別情報を読み取る第1識別装置と、
前記賭けチップに対して払い出される払出しチップに記憶された前記識別情報を取得する第2識別装置と、
前記識別情報と、当該識別情報を記憶した前記チップの所持者とを関連付けて記憶する記憶装置と、
前記第1識別装置が前記賭けチップから読み取った前記識別情報に関連付けられた所持者を、前記第2識別装置が取得した前記払出しチップの前記識別情報に関連付けられた所持者として前記記憶装置に記憶する制御装置と、を備えた、管理システム。
【0334】
(B2)前記第2識別装置は前記第1識別装置であり、前記ベットエリアに置かれた前記払出しチップに記憶された前記識別情報を読み取ることで、前記払出しチップに記憶された前記識別情報を取得する、(B1)の管理システム。
【0335】
(B3)前記第2識別装置は、ディーラのチップトレイ内の複数の前記チップに記憶された前記識別情報を読み取る装置であり、前記払出しチップの払出し前に読み取った複数の前記識別情報と前記払出しチップの払出し後に読み取った複数の前記識別情報との差分から、前記払出しチップに記憶された前記識別情報を取得する、(B1)の管理システム。
【0336】
(B4)前記第2識別装置は、前記遊技テーブル上の前記ベットエリアとは異なる払出しエリアに置かれた前記払出しチップに記憶された前記識別情報を読み取ることで、前記払出しチップに記憶された前記識別情報を取得する、(B1)の管理システム。
【0337】
(B5)前記第1識別装置は、周期的に前記識別情報を読み取り、
前記制御装置は、前記第1識別装置が前記賭けチップから読み取った前記識別情報を前記第1識別装置が読み取らなくなったときに、当該読み取らなくなった前記識別情報に関連付けられた所持者を、前記第2識別装置が取得した前記払出しチップの前記識別情報に関連付けられた所持者として前記記憶装置に記憶する、(B1)の管理システム。
【0338】
(B6)前記第2識別装置は、前記払出しチップに記憶された前記識別情報を周期的に読み取ることで前記識別情報を取得し、
前記制御装置は、前記第2識別装置が前記払い出しチップから読み取った前記識別情報を前記第2識別装置が読み取らなくなったときに、前記第1識別装置が前記賭けチップから読み取った前記識別情報に関連付けられた所持者を、前記読み取らなくなった前記識別情報に関連付けられた所持者として前記記憶装置に記憶する、(B1)の管理システム。
【0339】
(B7)遊技テーブルでのゲームで用いられる、識別情報を記憶したチップを管理する管理システムであって、
前記チップ間の両替のためにプレイヤから前記遊技テーブルに出された両替前チップに記憶された前記識別情報を取得する第1識別装置と、
前記両替前チップに対応して前記プレイヤに与えられる両替後チップに記憶された前記識別情報を取得する第2識別装置と、
前記識別情報と、当該識別情報を記憶した前記チップの所持者とを関連付けて記憶する記憶装置と、
前記第1識別装置が取得した前記両替前チップの前記識別情報に関連付けられた所持者を、前記第2識別装置が取得した前記両替後チップの前記識別情報に関連付けられた所持者として前記記憶装置に記憶する制御装置と、
を備えた、管理システム。
【0340】
(B8)前記制御装置は、さらに、前記第2識別装置が取得した前記両替前チップの前記識別情報に関連付けられた所持者を、前記第1識別装置が取得した前記両替後チップの前記識別情報に関連付けられた所持者として前記記憶装置に記憶する、(B7)の管理システム。
【0341】
(B9)前記第1識別装置は、ディーラのチップトレイ内の複数の前記チップの前記識別情報を読み取る読取装置であって、増加した前記識別情報を、前記両替前チップに記憶された前記識別情報として取得する、(B7)の管理システム。
【0342】
(B10)前記第2識別装置は、ディーラのチップトレイ内の複数の前記チップの前記識別情報を読み取る読取装置であって、減少した前記識別情報を、前記両替後チップに記憶された前記識別情報として取得する、(B7)の管理システム。
【0343】
(B11)遊技テーブルでのゲームで用いられる、識別情報を記憶したチップの両替を管理する管理システムであって、
両替のために前記遊技テーブル上に読取エリアに置かれた前記チップに記憶された前記識別情報を読み取る読取装置と、
前記識別情報と、当該識別情報を記憶した前記チップの所持者とを関連付けて記憶する記憶装置と、
前記読取装置によって読み取られた第1のチップに記憶された前記識別情報に関連付けられた所持者と、前記読取装置によって読み取られた前記第1のチップとは異なる第2のチップに記憶された前記識別情報に関連付けられた所持者とが異なる場合に、前記第1のチップに記憶された前記識別情報に関連付けられた所持者を前記第2のチップに記憶された前記識別情報に関連付けられた所持者として、前記記憶装置に記憶する制御装置と、
を備えた、管理システム。
【0344】
(第6の実施の形態)
以下では、ゲームテーブルにおいてRIFDタグを読み取るゲームテーブル読取システムを説明する。以下の実施の形態では、ゲームテーブルがバカラゲームをプレイするためのバカラテーブルである場合を例に挙げて説明するが、本発明は、バカラテーブルに限らず、任意のゲームテーブルに適用可能である。
【0345】
図53は、本発明の第1の実施の形態に係るゲームテーブルを示す図である。ゲームテーブル(以下、単に「テーブル」という。)6004は、概楕円ないし半円の形状を有する。テーブル6004の一方側は、ディーラが位置するディーラポジション(後述するチップトレイ51に臨む位置)とされ、他方側にプレイヤがゲームをプレイする際に位置する複数のプレイポジションが設けられる。図53の例では、テーブル6004の下側に5つのプレイポジションが設けられている。
【0346】
ディーラポジションには、テーブル6004に埋め込む形式で、ディーラが所持する遊技用代用貨幣83を収容するためのチップトレイ51が設けられる。チップトレイ51は、2段式になっており、上段を取り外して下段の遊技用代用貨幣83を補充し、又は取り出すことができる。
【0347】
遊技用代用貨幣83には、RFIDタグ831が埋め込まれている(図56参照)。RFIDタグ831には、少なくとも当該遊技用代用貨幣を唯一に特定するためのチップ識別情報(以下、「チップID」ともいう。)が記憶されている。RFIDタグ831には、さらに、当該遊技用代用貨幣の価値を表す情報が記憶されていてよい。
【0348】
各プレイポジションには、当該プレイポジションでプレイするプレイヤが遊技用代用貨幣83をベット対象に置くことでベットを行うためのベットエリア41a~41e(以下、総称するときは「ベットエリア41」と表記する。)が設けられている。ベットエリア41はテーブル6004の上面に描かれている。隣り合うベットエリア41の間は、1本又は2本の線で区切られている。隣り合うベットエリア41の距離は比較的近く、最も近いところでその距離は0~15cmであり、例えば、遊技用代用貨幣83の直径よりも小さい。
【0349】
図示は省略されているが、各プレイポジションのベットエリア41a~41eは、プレイヤのハンドにペアが成立することにベットするためのプレイヤペアエリア、バンカのハンドにペアが成立することにベットするためのバンカペアエリア、プレイヤのハンドとバンカのハンドとが同点となることにベットするためのタイエリア、プレイヤのハンドが勝つことにベットするためのプレイヤエリア、及びバンカのハンドが勝つことにベットするためのバンカエリアが、それぞれ重ならないように、互いに近接して設けられている。以下では、これらのプレイヤペアエリアペアエリア、バンカペアエリア、タイエリア、プレイヤエリア、及びバンカエリアをそれぞれ「ベット対象エリア」という。隣接するベット対象エリアの間は、1本又は2本の線で区切られている。あるいは、隣接するベット対象エリアの間に線を設けず、隣接するベット対象エリアを互いに異なる色で塗り分け、又はベット対象エリアを背景と異なる色で塗ることで、各ベット対象エリアを区画してもよい。隣り合うベット対象エリアの間の距離は比較的近く、最も近いところでその距離は0~10cmであり、例えば、遊技用代用貨幣83の直径よりも小さい。
【0350】
各プレイポジションには、ディーラからプレイヤに遊技用代用貨幣83を払い出す際に、ペイアウトチップの読取りを行うためのペイエリア42a~42e(以下、総称するときは「ペイエリア42」という。)が設けられている。ペイエリア42はテーブル6004の上面に描かれている。隣接するペイエリア42の間は、1本又は2本の線で区切られている。あるいは、隣接するペイエリア42の間に線を設けず、隣接するペイエリア42を互いに異なる色で塗り分け、又はペイエリア42を背景と異なる色で塗ることで、各ペイエリア42を区画してもよい。また、隣接するペイエリア42とベットエリア41との間は、1本又は2本の線で区切られている。あるいは、隣接するペイエリア42とベットエリア41との間に線を設けず、隣接するペイエリア42とベットエリア41とを互いに異なる色で塗り分け、又はペイエリア42及びベットエリア41をそれらの間の背景と異なる色で塗ることで、各ペイエリア42及びベットエリア41を区画してもよい。隣り合うペイエリア42の間の距離は比較的近く、最も近いところでその距離は0~10cmであり、例えば、遊技用代用貨幣83の直径よりも小さい。また、各プレイポジションにおけるペイエリア42とベットエリア41との間の距離も比較的近く、最も近いところでその距離は0~15cmであり、例えば、遊技用代用貨幣83の直径よりも小さい。
【0351】
ベットエリア41a~41eには、それぞれベットエリア41a~41eに置かれた遊技用代用貨幣83に内蔵されたRFIDタグ831を読み取るための読取アンテナ511a~511e(以下、総称するときは「読取アンテナ511」という。)が設けられ、ペイエリア42a~42eには、それぞれペイエリア42a~42eに置かれた遊技用代用貨幣83に内蔵されたRFIDタグ831を読み取るための読取アンテナ521a~521e(以下、総称するときは「読取アンテナ521」という。)が設けられ、チップトレイ51には、チップトレイ51に収容された遊技用代用貨幣83に内蔵されたRFIDタグ831を読み取るための読取アンテナ531が設けられる。なお、上述のように、チップトレイ51は2段式となっているが、読取アンテナ531は、例えば上段のトレイの裏側に設けられていてよい。
【0352】
また、ベットエリア41a~41eには、それぞれベットエリア41a~41eに置かれた遊技用代用貨幣83に内蔵されたRFIDタグ831が他のエリアの読取アンテナによって読み取られることを制限ないし妨害するための読取制限アンテナ512a~512e(以下、総称するときは「読取制限アンテナ512」という。)が設けられ、ペイエリア42a~42eには、それぞれペイエリア42a~42eに置かれた遊技用代用貨幣83に内蔵されたRFIDタグ831が他のエリアの読取アンテナによって読み取られることを制限ないし妨害するための読取制限アンテナ522a~522e(以下、総称するときは「読取制限アンテナ522」という。)が設けられ、チップトレイ51には、チップトレイ51に収容された遊技用代用貨幣83に内蔵されたRFIDタグ831が他のエリアの読取アンテナによって読み取られることを制限ないし妨害するための読取制限アンテナ532が設けられる。
【0353】
なお、本実施の形態では、ベットエリア41の読取アンテナ511及び読取制限アンテナ512は、ベットエリア41の外縁に沿う形状であり、ペイエリア42の読取アンテナ521及び読取制限アンテナ522は、ペイエリア42の外縁に沿う形状であり、チップトレイ51の読取アンテナ531及び読取制限アンテナ532は、チップトレイ51の外縁に沿う形状であるが、アンテナの形状はこれらに限られない。また、図53の例では、読取制限アンテナが読取アンテナの内側に設けられているが、読取アンテナと読取制限アンテナとの位置関係はこれに限られず、読取制限アンテナが読取アンテナの外側に設けられていてもよいし、平面視で読取制限アンテナと読取アンテナとが交差していてもよい。また、1つの読取アンテナに対して、複数の読取制限アンテナが設けられてもよく、逆に複数の読取アンテナに対して、1つの読取制限アンテナが設けられてもよい。
【0354】
テーブル6004には、カード配布装置58が置かれている。カード配布装置58は、複数デッキのカードを収容している。ディーラ91は、カード配布装置58から1枚ずつカードを引き出すことができる。カード配布装置58は、引き出されたカードのスート及びランクを読み取る機能を有している。カード配布装置58は、引き出されたカードの少なくともランクに基づいて、バカラゲームのルールに従って、ゲーム結果を判定する。カード配布装置58は、判定したゲーム結果をランプ等によって表示するとともに、ゲーム結果を示すデータを外部に出力する。このように、カード配布装置58は、ゲーム結果判定装置としても機能する。
【0355】
テーブル6004には、更に、カメラ52及びカードリーダ53が備えられる。カメラ52は、プレイポジションでプレイするプレイヤ82の顔、及びテーブル6004上の遊技用代用貨幣83を撮影する。なお、プレイヤの顔を撮影するためのカメラとテーブル6004上の遊技用代用貨幣83を撮影するためのカメラとが別々に設けられてもよい。
【0356】
カードリーダ53は、登録したプレイヤ(メンバ)が所持しているメンバズカード81をスキャンすることでメンバズカード81に記憶された情報を読み取る。メンバズカード81には、RFIDタグが内蔵されており、RFIDタグには少なくとも該当するプレイヤに付与されたユーザIDが記憶されている。カードリーダ53には、ディーラ91がプレイポジションを指定する操作部(不図示)を有している。ディーラ91は、カードリーダ53でメンバズカード81をスキャンする際に、プレイポジションを指定する。これにより、カードリーダ53からは、プレイポジションとユーザIDとの組み合わせが出力される。また、カードリーダ53は、キャンセル操作部(不図示)を備えている。ディーラ91は、プレイヤ82がテーブルから離れた際に、プレイポジションを指定するとともに、キャンセル操作部を操作する。これにより、カードリーダ53からは、プレイポジションとキャンセル指示とが出力される。
【0357】
上記のようなテーブル6004において、プレイヤ81がバカラをプレイする場合には、プレイヤ82は、まず、テーブル6004のいずれかのプレイポジションに座り、ディーラ91に自らのメンバズカード81を渡す。ディーラ91は、カードリーダ53を用いてメンバズカード81をスキャンする。プレイヤ81は、自らのプレイポジションに設けられたベットエリア41のプレイヤエリア、バンカエリア、タイエリア、プレイヤペアエリア、バンカペアエリアのいずれかのベット対象エリアに遊技用代用貨幣83を置くことでベットする。
【0358】
ディーラ91は、すべてのプレイヤ82のベットが完了すると、ベットを締め切って、カード配布装置58からカードを1枚ずつ引き出す。バカラでは、プレイヤのハンド、バンカのハンド、プレイヤのハンド、バンカのハンドの順にまず4枚のカードを引く。この時点で、プレイヤペアが成立しない場合には、プレイヤペアにベットされたベットチップは、ディーラ91によってチップトレイ51に回収される。また、この時点でバンカペアが成立しない場合には、バンカペアにベットされたベットチップは、ディーラ91によってチップトレイ51に回収される。
【0359】
ディーラ91は、バカラのルールに従って、必要に応じて5枚目以降のカードを引く。最終的にゲーム結果が確定した場合には、ディーラ91は、ゲーム結果に応じて、負けたプレイヤのベットチップ83をチップトレイ51に回収し、その後に、勝ったプレイヤのベットチップ83に対してチップトレイ51から遊技用代用貨幣83を払い出す。このペイアウトの際に、ディーラ91は、まず遊技用代用貨幣83を払い出すべきベットチップ83がベットされたプレイポジションのペイエリア42にいったん置いて、その後に、ベットチップ83の隣に払い出す遊技用代用貨幣83を置く。勝ったプレイヤは、このようにしてベットチップ83の隣に置かれた遊技用代用貨幣(ペイアウトチップ)をベットチップとともに受け取る。ディーラ91は、次のゲームを開始する際(即ち、次のゲームのベットを開始する際)に、カード配布装置58に設けられたゲーム開始ボタンを押す。
【0360】
図54は、本発明の第6の実施の形態のゲームテーブル読取システムの構成を示すブロック図である。ゲームテーブル読取システム100は、カード配布装置58と、プレイヤ特定システム55と、読取制御装置561と、読取制限制御装置562と、管理制御装置56と、データベース57と、読取アンテナ511、521、531と、読取制限アンテナ512、522、532を備えている。
【0361】
プレイヤ特定システム55は、カメラ52と、カードリーダ53と、顔認識装置502とを備えている。顔認識装置502は、カメラ52で撮影されたプレイヤの顔の画像に基づいて、プレイヤを認証する。顔認識装置502は、機械学習の技術を用いて顔認証を行ってよい。顔認識装置502は、プレイヤの顔の位置に基づいて、認証したプレイヤの位置、即ち、認証したプレイヤのプレイポジションも特定する。また、本実施の形態では、カメラ52及び顔認識装置502を含む顔認証システムによってプレイヤを特定するとともに、カードリーダ53を用いてメンバズカード81を読み取ることでもプレイヤを特定することが可能であるが、これらのいずれかの手段によってプレイヤを特定するようにしてもよい。
【0362】
カード配布装置58は、ボタン操作や読み取った引出しカードのランクに基づいて、ゲームの進捗状況(即ち、ディーリング中、ゲーム終了から次のゲームまでの間、ベット中等)を管理制御装置56に出力するとともに、ゲーム結果(プレイヤハンドの勝ち、バンカハンドの勝ち、タイ、プレイヤハンドがペア、バンカハンドがペア等)を管理制御装置56に出力する。
【0363】
読取制御装置561は、読取アンテナ511、521、531を制御することで、読取アンテナに対応する読取エリアのRFIDタグ831を読み取る。読取制限制御装置562は、読取制限アンテナ521、522、523を制御することで、読取制限アンテナに対応する読取エリアのRFIDタグが、他の読取エリアに対応する読取アンテナによって読み取られないようにする。
【0364】
管理制御装置56は、カード配布装置58からのゲームの進捗に従って、必要に応じてデータベース57に記憶された情報を参照して、読取制御装置561及び読取制限制御装置562を制御して、複数の読取エリアのRFIDタグを順に読み取らせる。管理制御装置56は、読取アンテナでRFIDタグから読み取られた情報をプレイヤ特定システム555で特定されたプレイヤと関連付けてデータベース57に記憶することで、データベース57を更新する。各読取アンテナ511、521、531には、当該読取アンテナを唯一に識別するためのアンテナ識別情報(アンテナID)が付与されている。
【0365】
読取制御装置561は、読取アンテナ511、521、531が読み取った情報と、当該読取アンテナのアンテナIDとをセットにして管理制御装置56に送信する。なお、読取制御装置561は、読取アンテナごとに設けられていてもよく、その場合には、各読取制御装置561に、当該読取制御装置561を唯一に識別するためのリーダ識別情報(リーダID)をアンテナIDの代わりに管理制御装置56に送信してもよい。
【0366】
図54に示すように、読取アンテナ511、521、531は、対応する読取エリアにおいて一部が開放されたループ形状とされており、その開放端の一端及び他端はいずれも読取制御装置561に接続されている。読取制御装置561は、読取アンテナに電流を流すことで読取エリアに電磁場を形成して、RFIDタグを読み取る。
【0367】
読取アンテナ511、521、531の一端及び他端は、それぞれ読取制御装置561においてスイッチ(不図示)を介して接続されている。読取制御装置561は、このスイッチの開閉を制御する。具体的には、読取制御装置561は、読取りを行わない読取エリアの読取アンテナ511、521、531については、このスイッチを開放することで、読取アンテナ511、521、531のループを開放して、隣接する他の読取エリアの読取アンテナ511、521、531が生成する電磁場によって、読取りを行わない読取アンテナ511、521、531に誘導電流が流れないようにする。
【0368】
読取制限アンテナ512、522、532は、対応する読取エリアを囲うループ形状を有し、ループを閉じ、又は開放するスイッチ521s、522s、532sを有している。読取制限制御装置562は、スイッチ521s、522s、532sを開閉する。読取制限アンテナ512、522、532は、スイッチ521s、522s、532sが閉じられて閉ループとされたとき(短絡したとき)に、読取りを制限する機能を発揮し、スイッチ521s、522s、532sが開いてループが開放されたときには、読取りを制限しない。
【0369】
図55は、読取エリアであるベットエリア41b及びベットエリア41cの断面である。テーブル6004の表面6004aの下には、読取アンテナ511、521を配設するための基板401と、読取制限アンテナ512、522を配設するための基板402とが重ねれ設けられている。本実施の形態では、基板402の下に基板401が設けられているが、設置順は適宜変更可能である。また、読取アンテナ511、521と読取制限アンテナ521、522との垂直方向の距離は、電磁波の強さ、読取アンテナ511、521及び読取制限アンテナ521、522の形状等に基づいて適切に設定される。さらに、読取りアンテナ511、521と読取制限アンテナ512、522とが同一の基板に設けられていてもよい。
【0370】
読取エリア41bについて読取りを行っている場合には、読取エリア41bに隣接する読取エリア41cでは、読取制限アンテナ512cのスイッチ512sが閉じて閉ループが形成される。読取制限アンテナ512cでは、隣接する読取エリア41bの読取アンテナ511bが形成する電磁場による誘導起電力によって制限用(妨害用)の電磁場が形成され、この制限用の電磁場によって読取アンテナ511bの電磁場が整形され、読取アンテナ511bによる隣接する読取エリア41cに置かれた遊技用代用貨幣83cの読取りを制限(妨害)する。通電している読取アンテナ41bに対応する読取エリア41bに置かれた遊技用代用貨幣83bは、読取アンテナ41bによって読み取られる。
【0371】
図55には、読取アンテナ511bによって生成されるベットエリア41bの読取用の電磁場の強度分布5111b及びベットエリア41bの読取時に読取制限アンテナ511cによって生成される電磁場の強度分布5111cが示されている。また、図55には、読取アンテナ511bにより生成される電磁場が、隣のベットエリア41cの読取制限アンテナ512cが生成する電磁場によって弱められたときの強度分布5112b、及び読取アンテナ511cにより生成される電磁場が、隣のベットエリア41cの読取制限アンテナ512bが生成する電磁場によって弱められたときの強度分布5112cが示されている。
【0372】
図55に示すように、読取アンテナ511bによってベットエリア41bの遊技用代用貨幣83bのRFIDタグ831を読み取るための強度分布5111bを有する電磁場を生成した際にも、隣のベットエリア41cの読取制限アンテナ512cのスイッチを閉じることで、読取制限アンテナ512に誘導電流が流れ、それによって読取妨害用の電磁場が生成され、その結果、読取アンテナ511bが生成する強度分布5111bの電磁場は、強度分布5112bの電磁場のように、隣のベットエリア41c内で十分に小さく平坦化するように整形される。これにより、読取アンテナ511bによってベットエリア41cの遊技用代用貨幣83cのRFIDタグ831が読み取られてしまうことを防止できる。
【0373】
また、基板402には、隣接する読取エリアからの電磁波を遮断するためのシールド部材ないし遮断手段としてのアルミテープ513b、513cが貼り付けられる。なお、シールド部材は、テープ以外の形態であってもよく、例えば、プレート、フィルム、シート、塗布膜、箔等であってもよい。また、シールド部材の素材は、アルミ以外であってもよく、例えば、銀、金、銅、ニッケル等であってもよく、また、アルミ、銀、金、銅、ニッケルを含有するものであってもよい。さらに、シールド部材は、メッシュ形状であってもよい。読取制限アンテナ512b、512cに加えて、このシールド部材によっても隣接する読取エリアの読取アンテナによる読取りを制限することができる。
【0374】
なお、図55の例では、シールド部材が読取制限アンテナ513、512cを配設するための基板402に設けられていたが、シールド部材は、読取アンテナ511、521を配設するための401に設けられていてもよい。あるいは、シールド部材は、基板402において読取制限アンテナ512b、512cとは逆の面に設けられてもよく、基板401において読取アンテナ511b、511cとは逆の面に設けられてもよい。または、シールド部材は、基板401及び基板402とは別の平面に設けられていてもよい。
【0375】
本実施の形態のゲームテーブル読取システム100は、データベース57を用いて遊技用代用貨幣83を管理する。データベース57は、遊技用代用貨幣83に内蔵されたRFIDタグの情報と所定の関連情報とを関連付けて記憶する。管理制御装置56は、読取アンテナ511、521、531で読み取られたRFIDタグの情報と当該RFIDタグを読み取った読取エリアであるベットエリア41、ベットエリア42、チップトレイ51との関係に基づいて、データベース57を更新する。このように、管理制御装置56は、ゲームテーブル6004の各読取エリアで読み取った遊技用代用貨幣83のRFIDタグの情報によって、遊技用代用貨幣83を管理するためのデータベース57を更新する。
【0376】
以下、データベース57による遊技用代用貨幣83の管理について説明する。図56は、遊技用代用貨幣83及びデータベース57のデータ構造を示す図である。上述したように、遊技代用貨幣83には、RFIDタグ831が内蔵されている。RIFDタグ831には、チップID573が記憶されている。データベース57は、遊技用代用貨幣83の管理をするためのチップ管理テーブル571とユーザを管理するためのユーザ管理テーブル572とを含む2種類のテーブルを有している。
【0377】
チップ管理テーブル571では、遊技用代用貨幣83ごとに、当該遊技用代用貨幣83のチップID573に対して、関連情報として、当該遊技用代用貨幣83の価格情報574、当該遊技用代用貨幣を所持しているユーザを唯一に識別するためのユーザ識別情報(ユーザID)575、及び当該遊技用代用貨幣83の所在場所を示す所在情報576が関連付けられている。なお、チップID573に対して価格情報574は変動することはないが、チップID573に関連付けられるユーザID575及び所在情報576は、遊技用代用貨幣83がカジノにおいて使用されることで、変動する。したがって、データベース57では、チップID573に対して、最新のユーザID及び所在情報に加えて一定の過去のユーザID及び所在情報が記憶されてもよいし、最新のユーザID及び所在情報のみを記憶するようにしてもよい。
【0378】
ユーザ管理テーブル572では、ユーザごとに、当該ユーザのユーザID575に対して、関連情報として、当該ユーザが所有している遊技用代用貨幣の価値情報574、当該ユーザがゲームにおいてベットした履歴を示すベット情報577、及び当該ユーザの所在場所を示す所在情報576が関連付けられている。ユーザID575に関連付けられる価値情報574、ベット情報577、及び所在情報576は、遊技用代用貨幣83がカジノで使用されることで、変動する。したがって、データベース57では、ユーザID575に対して、最新の価値情報、ベット情報、及び所在情報に加えて一定の過去の価値情報、ベット情報、及び所在情報が記憶されてもよいし、最新の価値情報、ベット情報、及び所在情報のみを記憶するようにしてもよい。
【0379】
ゲームテーブル読取システム100は、読取アンテナが読み取ったRFIDタグ831の情報に基づいて、データベース57のチップ管理テーブル571及びユーザ管理テーブル572を更新することで、遊技用代用貨幣83の管理を行う。データベース57を用いた遊技用代用貨幣83の管理の具体的な方法は、上記の実施の形態で説明したいずれの方法も採用可能である。以下では、上記の説明との重複する説明も含めて、本実施の形態における遊技用代用貨幣83の管理を説明する。
【0380】
なお、以下の説明では、管理制御装置56がデータベース57を更新するが、管理制御装置56は、各読取アンテナで読み取ったRFIDタグ831の情報と、それを読み取ったときのゲームの状況に応じてデータベースを更新する。管理制御装置56は、本実施の形態では、カード配布装置58からゲームの状況(ゲーム中、ベット中、清算中、休止中等)の情報を得ることで、ゲームの状況を把握する。
【0381】
まず、管理制御装置56は、ゲームに勝ったユーザに払い出される遊技用代用貨幣83のチップIDに、当該ゲームに勝ったユーザのユーザIDが関連付けられるように、データベース57のチップ管理テーブル571を更新する。また、管理制御装置56は、ゲームに負けたユーザがベットした遊技用代用貨幣83のチップIDに、ディーラに割り当てられたユーザIDが関連付けられるように、データベース57のチップ管理テーブル571を更新する。これにより、遊技用代用貨幣83がゲームで用いられることによって遊技用代用貨幣83の所持者が変わったとしても、データベース57を参照することで各ユーザが所持している遊技用代用貨幣を特定できる。
【0382】
また、管理制御装置56は、ペイエリア42で読み取られた遊技用代用貨幣83のチップIDに、当該ペイエリア42に対応するプレイポジションでプレイしているユーザのユーザIDを関連付けるようにデータベース57を更新する。各プレイポジションでプレイしているユーザのユーザIDは、上記の実施の形態に従って、プレイヤ特定システム55によって特定可能である。
【0383】
管理制御装置56は、具体的には、データベース57のチップ管理テーブル571において、ペイエリア42で読み取った遊技用代用貨幣83のチップIDのレコードに対して、当該ペイエリア42のプレイポジションにいるユーザのユーザIDを記録する。このようにデータベース57を更新することで、払出しによるディーラからユーザへの所持者の変更をデータベース57に反映させることができる。
【0384】
また、管理制御装置56は、データベース57のユーザ管理テーブル57において、ゲームに勝ったユーザに払い出される遊技用代用貨幣83の価値が、当該ゲームに勝ったユーザのユーザID575に関連付けられている価値情報574に加算され、かつ、ゲームに負けたユーザが回収される遊技用代用貨幣83の価値が、当該ゲームに負けたユーザのユーザID575に関連付けられている価値情報574から減算されるように、ユーザ管理テーブル572を更新する。このようにデータベース57を更新することにより、ユーザごとに、所持している遊技用代用貨幣83の価値、即ち所持金額をデータベース57で管理することができる。
【0385】
また、管理制御装置56は、払い出される遊技用代用貨幣83のチップIDがペイエリア42で読み取られたときに、当該払い出される遊技用代用貨幣83のチップIDに、当該ペイエリア42に対応するベットエリア41にベットされた遊技用代用貨幣83に関連付けられたユーザIDが関連付けられるように、データベース57を更新する。
【0386】
あるいは、管理制御装置56は、払い出される遊技用代用貨幣83のチップIDがベットエリア41で読み取られたときに、当該払い出される遊技用代用貨幣83のチップIDに、当該ベットエリア41にベットされた遊技用代用貨幣83に関連付けられたユーザIDが関連付けられるように、データベース57を更新する。これにより、ベットされた遊技用代用貨幣83と、当該ベットされた遊技用代用貨幣83に対して払い出される遊技用代用貨幣83の所持者が同じになるようにデータベース57を更新できる。
【0387】
また、管理制御装置56は、プレイポジションがすべて利用されており、バックベットをするプレイヤがいる場合、即ち、1つのプレイポジションに複数のプレイヤがベットしている場合には、次のようにして遊技用代用貨幣83を管理する。すなわち、管理制御装置56は、プレイヤ特定システム55が、同一のプレイポジションに同時に位置する2人のユーザの両方についてユーザIDを特定できている場合には、上記と同様にして各ユーザについて遊技用代用貨幣83を管理するが、プレイヤ特定システム55が同一のプレイポジションで同時にプレイしている2人のユーザのうちの1人のユーザIDを特定し、他の1人のユーザ識別情報を特定できない場合には、ディーラは、ユーザIDが特定されているプレイヤに対して先に払い出しを行うというオペレーションルールに従って払出を行う。管理制御装置56は、そのプレイポジションに先に払い出される遊技用代用貨幣83のチップIDと、プレイヤ特定システム55で特定されたユーザIDとを関連付けるように、データベース57を更新する。管理制御装置56は、後に払い出される遊技用代用貨幣83のチップIDには、ユーザIDとして「unknown」を関連付ける。
【0388】
遊技用代用貨幣83に内蔵されたRFIDタグ831を読み取るための読取アンテナ及び読取制御装置561は、カジノ施設内の各場所に設けられてよい。この場合、読取制御装置561は、カジノ施設内の各場所に設けられてよく、管理制御装置56は、それらの複数の読取制御装置561と通信可能であってよい。上述のように、読取制御装置561からは、読取アンテナが読み取ったRFIDタグ831の情報とともに、当該読取アンテナのアンテナID又は当該読取制御装置561のリーダIDが管理制御装置56に送信される。管理制御装置56は、各アンテナID又は各リーダIDと対応する読取アンテナの所在場所の情報(所在情報、例えば、ケージ、テーブル、チップトレイ、ゲート等を識別するためのケージ番号、テーブル番号、チップトレイ番号、ゲート番号等)とが関連付けられたテーブルを有している。
【0389】
管理制御装置56は、読取制御装置561から、読み取ったチップIDとともにアンテナID(又はリーダID)が送られてくると、それにしたがって、データベース57のチップ管理テーブル571において、そのチップIDに関連付けられている所在情報474を更新する。また、管理制御装置56は、ユーザ管理テーブル572において、当該チップIDと関連付けられている所在情報576も同様に更新する。
【0390】
これにより、データベース57を参照することにより、各遊技用代用貨幣83がどこにあるのか、また、各ユーザがどこにいるのかを知ることができる。また、チップ管理テーブル571、ユーザ管理テーブル572において、所在情報として過去の情報も記憶しておくことで、遊技用代用貨幣83及びユーザの移動の履歴を知ることができる。
【0391】
また、管理制御装置56は、プレイヤ特定システム55から各プレイポジションについてそこでプレイしているユーザのユーザIDの情報を取得し、かつ、ベット中にベットエリア41に遊技用代用貨幣83が置かれてベットされると、各プレイポジションの読取アンテナ511からRIFDタグの情報であるチップIDを取得する。管理制御装置56は、このユーザIDとチップIDとを用いて、データベース57のユーザ管理テーブル572を更新する。具体的には、管理制御装置56は、チップ管理テーブル571を参照して、取得したチップID573の価値情報574を取得し、ユーザ管理テーブル572における取得したユーザIDのベット情報に、その価値情報574の価値を加える。
【0392】
このように、管理制御装置56は、ベットエリア41の読取アンテナ511で読み取られた遊技用代用貨幣83の価値を、当該読取アンテナ511に対応するプレイポジションについて特定されたユーザのユーザID575に関連付けられるベット情報577に加えるように、データベース57を更新する。このようにデータベース57を更新することにより、ユーザごとに、ベットした遊技用代用貨幣83の価値、即ちベット金額をデータベース57で管理することができる。なお、ベット金額は、それに対応したインセンティブポイントとして管理されてもよい。
【0393】
遊技用代用貨幣83のRFIDタグ831に記憶された情報、即ちチップID573は、遊技用代用貨幣83の真贋判定のためにも用いられる。管理制御装置56は、読取アンテナがRFIDタグ831の情報を読み取ったときに、当該情報をデータベース57で照合して、当該情報がデータベース57にない場合、即ち照合が不成功である場合には、その遊技用代用貨幣83を不良ないし不正であると判断する。管理制御装置56は、遊技用代用貨幣83について不良ないし不正であると判定した場合には、警告を出力する。これにより、ゲームテーブル6004で不正な遊技用代用貨幣83が用いられた場合に、警告を出力することができる。出力された警告は、視角ないし聴覚によって知覚可能な形式でリアルタイムに(即ち不良や不正が判断されたタイミングで)出力されてよく、あるいは、不正や不良が発生した際の状況の情報(テーブル番号、日時等)とともに、記録装置に記録されてもよい。
【0394】
図57は、読取アンテナ及び読取制限アンテナの他の例を示す図である。この例では、プレイヤポジションごと、かつ、ベット対象ごと、即ち、プレイヤ、バンカ、及びタイ、ペア等のサイドベットごとに、読取アンテナが設けられる。図57に示すように、各ベットエリア41は、プレイポジションごとに近接して設けられたプレイヤエリア411、バンカエリア412、サイドベットエリアとしてのタイエリア413、プレイヤペアエリア414、バンカペアエリア415を含む複数のベット対象エリアを有する。
【0395】
それぞれが読取エリアとなるベット対象エリアには、読取アンテナと読取制限アンテナが設けられ、これによって、各ベット対象エリアを読み分けることができる。すなわち、プレイヤエリア411には、読取アンテナ5111と読取制限アンテナ5112が設けられ、バンカエリア412には、読取アンテナ5121と読取制限アンテナ5122が設けられ、タイエリア413には、読取アンテナ5131と読取制限アンテナ5132が設けられ、プレイヤペアエリア414には、読取アンテナ5141と読取制限アンテナ5142が設けられ、バンカペアエリア415には、読取アンテナ5151と読取制限アンテナ5152が設けられる。
【0396】
このように、各プレイポジションにおける各ベット対象エリアをそれぞれ別の読取エリアとして、それぞれについて読取アンテナを設けることで、各プレイポジションにおいてプレイヤがどのベット対象に遊技用代用貨幣83をベットしたのかを判定できる。このように、本例では、複数の読取エリアが図57に示すように密集していても、ゲームテーブル読取システム100は、それらの読取エリアごとにRFDIタグ831を読み分けることができる。管理制御装置56は、カード配布装置58におけるゲーム結果の情報と各プレイポジションから得られるベット対象の情報から、どのプレイポジションのプレイヤがゲームに勝ったのか、即ち、どのプレイポジションに払出しを行うべきかを判断することができる。管理制御装置56は、この判断結果と、実際の払出しとが一致しない場合には、そのことを検知して警告を出力することも可能である。
【0397】
図58は、読取制限アンテナの他の例を示す図である。図58では、ベットエリア41b、41c、41d及びそれらの対応するペイエリア42b、42c、42dのみを示している。この例では、1つの読取エリアであるベットエリアに複数の読取制限アンテナが設けられている。これらの複数の読取制限アンテナは、隣接する複数の他の読取エリアの読取アンテナによってそれぞれ生成される電磁場をそれぞれ整形する。
【0398】
具体的には、例えば、読取エリアであるベットエリア41cには、ベットエリア41cの全体を読む読取アンテナ511cの他に、3つの読取制限アンテナ512c1、512c2、512c3が設けられている。読取制限アンテナ512c1は、右側に隣り合うベットエリア41dの読取アンテナ511dによってベットエリア41cに置かれた遊技用代用貨幣83のRFIDタグ831が読まれないようにする。読取制限アンテナ512c2は、左側に隣り合うベットエリア41bの読取アンテナ511bによってベットエリア41cに置かれた遊技用代用貨幣83のRFIDタグ831が読まれないようにする。読取制限アンテナ512c3は、上側に隣り合うペイエリア42cの読取アンテナ521cによってベットエリア41cに置かれた遊技用代用貨幣83のRFIDタグ831が読まれないようにする。
【0399】
読取制御装置561が読取アンテナ511dを制御してベットエリア41dの読取りを行う場合に、読取制限制御装置562は、ベットエリア41cの読取制限アンテナ512c1のスイッチを閉じて読取制限アンテナ512c1に、読取アンテナ511dがベットエリア41cのRFIDタグ831を読むことを妨害するための電磁波を生成させる。読取制御装置561が読取アンテナ511bを制御してベットエリア41bの読取りを行う場合に、読取制限制御装置562は、ベットエリア41cの読取制限アンテナ512c2のスイッチを閉じて読取制限アンテナ512c2に、読取アンテナ511bがベットエリア41cのRFIDタグ831を読むことを妨害するための電磁波を生成させる。また、読取制御装置561が読取アンテナ521cを制御してペイエリア42cの読取りを行う場合に、読取制限制御装置562は、ベットエリア41cの読取制限アンテナ512c3のスイッチを閉じて読取制限アンテナ512c3に、読取アンテナ521cがベットエリア41cのRFIDタグ831を読むことを妨害するための電磁波を生成させる。
【0400】
このように、読取制限制御装置562は、読取制御装置561が順に読取アンテナを駆動して読取を行うのに同期して、対応する読取制限アンテナのスイッチを閉じて、妨害電磁波を生成させる。
【0401】
以上のように、本実施の形態のゲームテーブル読取システム100によれば、ゲームテーブル6004上に複数の読取エリアが互いに比較的近い間隔で設定されている場合には、それらのRFIDタグ831がどの読取エリアにあるかを読み分けることができる。具体的には、複数のベットエリアが互いに近い距離で設けられている場合にも、それぞれのベットエリア41に読取アンテナを設けることで、読取アンテナが隣のベットエリア41やペイエリア42のRFIDタグ831を読み取ってしまうことを防止できる。また、複数のベットエリア41の各々に対応してペイエリア42が設けられてそこに読取アンテナが設けられる場合にも、隣のペイエリア42やベットエリア41のRFIDタグ831を読み取ってしまうことを防止できる。
【0402】
なお、上記の第6の実施の形態では、読取制限アンテナ512、522、532は、隣接する読取エリアの読取アンテナ511、521、531が生成する電磁場による誘導電流で対応する読取エリアの読取りを妨害するための電磁場を生成したが、これに代えて、読取制限制御装置562から電流を流すことで妨害用の電磁場を生成するようにしてもよい。また、この場合にも、読取制限アンテナ512、522、532には、そのループを遮断するスイッチを設けて、同じ読取エリアに設置された読取アンテナ511、521、531が読取りを行う場合に、そのスイッチを開けてループを開放するように制御してもよい。
【符号の説明】
【0403】
41 ベットエリア
42 ペイエリア
51 チップトレイ
52 カメラ
53 カードリーダ
56 管理制御装置
57 データベース
58 カード配布装置
81 メンバズカード
82 プレイヤ
83 遊技用代用貨幣
91 ディーラ
100 ゲームテーブル読取システム
511、521、531 読取アンテナ
512、522、532 読取制限アンテナ
561 読取制御装置
562 読取制限制御装置
831 RFIDタグ
6004 ゲームテーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15
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図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
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図48
図49
図50
図51A
図51B
図52
図53
図54
図55
図56
図57
図58