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特開2023-164988高損失ループバック(HLLB)データを用いた光伝送システムにおける要素のパラメータ報告のための技術及びそれを実施するラインモニタリングシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164988
(43)【公開日】2023-11-14
(54)【発明の名称】高損失ループバック(HLLB)データを用いた光伝送システムにおける要素のパラメータ報告のための技術及びそれを実施するラインモニタリングシステム
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/077 20130101AFI20231107BHJP
   H04J 14/02 20060101ALI20231107BHJP
【FI】
H04B10/077 110
H04J14/02
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023145861
(22)【出願日】2023-09-08
(62)【分割の表示】P 2019003083の分割
【原出願日】2019-01-11
(31)【優先権主張番号】15/870,311
(32)【優先日】2018-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】502101180
【氏名又は名称】サブコム,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー リチャードソン
(72)【発明者】
【氏名】ゲオルク ハインリッヒ モース
(72)【発明者】
【氏名】ユンル シェイ
(72)【発明者】
【氏名】リチャード クラム
(72)【発明者】
【氏名】ララ デニス ガレット
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン エム.リス
(57)【要約】      (修正有)
【解決手段】WDM伝送システム100は、高損失ループバック(HLLB)データに基づく各リピータ及び関連の海底要素に特有の動作パラメータの捕捉及び更新を可能とする自動化ラインモニタリングシステム(LMS)ベースライン化に備える。そして、捕捉された動作パラメータは、コマンドレスポンス(CR)態様で特定の海底要素を対象とするクエリを充足するのに利用される。ここで一般に、動作パラメータは、HLLBデータから直接的又は間接的に導出され得る任意のパラメータを含む。動作パラメータの非限定的な例は、スパンゲイン損失、入力パワー、出力パワー、ゲイン及びゲインチルトを含む。
【効果】コマンドレスポンス機能は、基板搭載CR回路とともに海底要素を配備することに関する追加コスト、複雑さ及び寿命の問題なしに実現される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光伝送経路と、
前記光伝送経路に結合された複数のリピータであって、前記複数のリピータの各々が高
損失ループバック(HLLB)経路を備える、複数のリピータと、
前記伝送経路の第1の端部に結合された第1のラインモニタリング機器(LME)であ
って、第1のLMEテスト信号を前記光伝送経路上で送信し、前記第1のLMEテスト信
号に応じて前記光伝送経路から第1のLMEループバックデータを受信するように構成さ
れ、前記第1のLMEループバックデータが前記伝送経路上で前記HLLB経路の各々の
位置に関連するピークを備える、第1のLMEと、
前記第1のLMEに結合されたコントローラであって、
前記第1のLMEループバックデータに基づいて、各々の動作パラメータが前記複数の
リピータのうちの1つのリピータに対応する複数の動作パラメータを生成し、
前記複数のリピータのうちの1以上のリピータを選択し、
前記選択されたリピータの各々に関連する前記複数の動作パラメータのうちの1以上の
動作パラメータの表示を含む報告メッセージを遠隔のコンピュータに送信する
コントローラと
を備える光通信システム。
【請求項2】
前記複数の動作パラメータの各々は、出力パワー値、ゲイン値及び/又は増幅器累積ゲ
インチルト値の少なくとも1つを備える、請求項1に記載の光通信システム。
【請求項3】
前記複数の動作パラメータの各々はメモリにおけるルックアップテーブルに記憶され、
前記ルックアップテーブルは前記複数のリピータの各々を対応する動作パラメータに関連
付ける、請求項1に記載の光通信システム。
【請求項4】
前記報告メッセージは、前記コントローラがユーザからコマンドレスポンス(CR)メ
ッセージを受信したことに応じて送信される、請求項1に記載の光伝送システム。
【請求項5】
前記CRメッセージが少なくとも1つのリピータ識別子を含み、前記複数のリピータの
うちの前記選択された1以上のリピータの各々は前記少なくとも1つのリピータ識別子に
対応する、請求項4に記載の光通信システム。
【請求項6】
前記コントローラがさらに、
前記第1のLMEループバックデータを現在のベースラインループバックデータとして
メモリに記憶し、
第2のLMEテスト信号が前記第1のLMEによって前記伝送経路上で送信されたこと
に応じて第2のLMEループバックデータを受信し、
前記受信した第2のLMEループバックデータを前記現在のベースラインループバック
データと比較して、第1の動作パラメータの変化及び前記複数のリピータのうちの関連す
るリピータを識別し、
前記識別された変化に基づいて、前記複数の動作パラメータのうちの、前記関連するリ
ピータに対応する動作パラメータを更新する、請求項1に記載の光通信システム。
【請求項7】
前記更新された動作パラメータが、増幅器モデルの出力に基づいて更新される、請求項
6に記載の光通信システム。
【請求項8】
前記コントローラがさらに、前記更新された動作パラメータが所定の閾値を超えること
に基づいて警告メッセージをユーザに送信する、請求項6に記載の光通信システム。
【請求項9】
自動シグネチャ解析(ASA)プロセッサをさらに備え、前記第1の動作パラメータの
前記識別された変化が、前記ASAプロセッサによって少なくとも前記第1のLMEルー
プバックデータの解析に少なくともある程度基づいて識別される、請求項6に記載の光通
信システム。
【請求項10】
前記第1のLMEテスト信号が複数のチャネル波長を備え、該複数のチャネル波長が、
前記光伝送経路に関連する帯域幅の最小チャネル波長に対応する低い値及び前記光伝送経
路に関連する前記帯域幅の最大チャネル波長に対応する高い値を含む、請求項1に記載の
光通信システム。
【請求項11】
前記複数のリピータの各々が、第1及び第2の方向に光信号を伝搬させる少なくとも第
1及び第2の増幅器を含み、前記第1及び第2の増幅器が、前記第1の方向の出力パワー
が前記第2の方向の出力パワーとは異なるような非対称励起構成を実現する、請求項1に
記載の光通信システム。
【請求項12】
前記伝送経路の第2の端部に結合された第2のLMEであって、第2のLMEテスト信
号を前記伝送経路上で伝送し、前記第2のLMEテスト信号に応じて前記伝送経路から第
2のLMEループバックデータを受信するように構成され、前記第2のLMEループバッ
クデータが前記伝送経路上で前記HLLB経路の各々の位置に関連するピークを備える、
第2のLMEをさらに備え、
前記複数の動作パラメータが、前記第1のLMEループバックデータ及び前記第2のL
MEループバックデータに基づいて生成される、請求項1に記載の光通信システム。
【請求項13】
光通信システムにおける光伝送経路をモニタリングする方法であって、前記光伝送経路
は前記伝送経路に結合された複数のリピータを含み、前記リピータの各々が高損失ループ
バック(HLLB)経路を備え、前記方法が、
第1のラインモニタリング機器(LME)テスト信号を前記伝送経路上に送信するステ
ップと、
前記第1のLMEテスト信号に応じて前記伝送経路から第1のLMEループバックデー
タを受信するステップであって、前記第1のLMEループバックデータが前記伝送経路上
で前記HLLB経路の各々の位置に関連するピークを備える、ステップと、
前記第1のLMEループバックデータに基づいてメモリにLMEベースラインデータを
記憶するステップと、
前記記憶されたLMEベースラインデータに基づいて前記複数のリピータのうちの1つ
のリピータに関連する少なくとも1つの動作パラメータを含む報告メッセージをユーザに
送信するステップと
を備える方法。
【請求項14】
第2のLMEテスト信号を前記伝送経路上に送信するステップと、
前記第2のLMEテスト信号に応じて前記伝送経路から第2のLMEループバックデー
タを受信するステップであって、前記第2のLMEループバックデータが前記伝送経路上
で前記HLLB経路の各々の位置に関連するピークを備える、ステップと
をさらに備え、
前記メモリに記憶された前記LMEベースラインデータが、前記受信された第1及び第
2のLMEループバックデータに基づく、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記動作パラメータは、出力パワー値、ゲイン値及び/又は増幅器累積ゲインチルト値
の少なくとも1つを備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記報告メッセージが、リクエストメッセージを前記ユーザから受信したことに応じて
送信され、前記リクエストメッセージが前記複数のリピータのうちの少なくとも1つのリ
ピータの識別子を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
複数の動作パラメータをメモリに記憶するステップであって、前記複数の動作パラメー
タが前記受信された第1のLMEループバックデータに基づく、ステップと、
第2のLMEテスト信号が前記第1のLMEによって伝送経路上で送信されたことに応
じて前記第2のLMEループバックデータを受信するステップと、
前記受信された第2のLMEループバックデータを前記記憶されたループバックデータ
と比較して、少なくとも第1の動作パラメータの変化及び前記複数のリピータのうちの関
連するリピータを識別するステップと、
前記識別された変化が第1の所定の閾値を超えたことに応じて、前記識別された変化に
基づいて、前記複数の動作パラメータのうちの前記関連するリピータに対応する動作パラ
メータを更新するステップと
をさらに備える請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は通信システムに関し、より詳細には、海底ファイバ光ネットワーク中のリピータ
及び他の要素の動作パラメータを測定し、報告する高損失ループバック(HLLB)デー
タを利用するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
海中の光ファイバ通信システムは、湿潤状態のプラントの障害及びおそらくは侵略的な
脅威を早期に検出及び解決することにより、それらの性能を保証してサービスの潜在的な
損失を最小限に抑えるように日常的なモニタリングを必要とする。現在、確立されている
モニタリング技術は、高損失ループバック(HLLB)技術によって各海底リピータ及び
終端からループバックされた信号ピークを検出するラインモニタリングシステム(LMS
)の使用を含む。
【0003】
光経路に沿って性能に変化があった場合、これらのループバック信号の振幅は、障害位
置の周囲のリピータにおいて変化する。その変化は障害の状態を識別するのに利用され得
る明確なパターンを示す。このような障害の状態は、例えば、ファイバスパン損失の変化
、光増幅器励起レーザ出力パワーの変化及びファイバの破損を含む。対応する障害シグネ
チャに基づいて障害の状態を認識するいくつかのアプローチは、自動シグネチャ解析(A
SA)の使用を含む。既存のASAに基づく障害解析は、伝送システムの比較的大きな変
化を検出することはできるが、特定の要素の経時的に低下した性能を示し得る小さな変化
を報告する正確さに欠けることがしばしばある。
【0004】
いくつかの海底伝送システムは、出力パワー及び入力パワーのような動作パラメータが
各リピータから直接問い合わせられることを可能とするコマンドレスポンス(CR)構成
を有するリピータを利用する。しかしながら、コマンドレスポンスは各リピータの中に、
大幅にユニットコストを増加させ、運用寿命を短縮し得る特殊なハードウェアを必要とし
、これは修理を実行不可能とする海底環境において特に問題がある。
【0005】
以下の図面との関連で読まれるべき以下の詳細な説明が参照されるべきであり、ここで
、同一の数字は同じ部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本開示によるシステムの例示の一実施形態の簡略化したブロック図である。
図2図2は、本開示によるシステムの例示の他の実施形態の簡略化したブロック図である。
図3A図3Aは、本開示によるラインモニタリング機器(LME)システムの簡略化したブロック図である。
図3B図3Bは、本開示の実施形態による、周期的なラインモニタリングを実行する図3AのLMEについての一例のワークフローを示す。
図4A図4Aは、本開示の実施形態による検出された障害状態がない光伝送システムの複数のリピータについての差分ゲインデータ値を示すグラフである。
図4B図4Bは、本開示の実施形態による光伝送システムのリピータ間の障害に対応する差分ゲインデータ値を示す他のグラフである。
図5図5は、本開示の実施形態による-1から1までの位置係数にマッピングされた測定された差分ループゲインの微分(dDLG)及び終端T1に対する関連する重みづけ係数を示すグラフである。
図6A図6Aは、本開示によるLMEによって検出され得る障害状態についての障害シグネチャの例を示す。
図6B図6Bは、本開示によるLMEによって検出され得る障害状態についての障害シグネチャの例を示す。
図6C図6Cは、本開示によるLMEによって検出され得る障害状態についての障害シグネチャの例を示す。
図6D図6Dは、本開示によるLMEによって検出され得る障害状態についての障害シグネチャの例を示す。
図6E図6Eは、本開示によるLMEによって検出され得る障害状態についての障害シグネチャの例を示す。
図7図7は、本開示の実施形態による一例の自動シグネチャ解析処理のブロック図である。
図8図8は、本開示の実施形態による伝送システムに沿って検出された複数の障害シグネチャを示す。
図9A図9Aは、本開示の実施形態による独立した障害シグネチャに分解された図8の複数の障害シグネチャを示す。
図9B図9Bは、本開示の実施形態による独立した障害シグネチャに分解された図8の複数の障害シグネチャを示す。
図10図10は、本開示の実施形態による光伝送システムの全長が増加した後のループゲインシフトを示すグラフである。
図11図11は、本開示の実施形態による図1の光伝送システムで使用するのに適したリピータの増幅器対の例を示す。
図12図12は、本開示の実施形態による報告できるパラメータテーブル(RPT)の一例を示す。
図13図13は、本開示による方法による動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
概略として、本開示によるシステム及び方法は、高損失ループバック(HLLB)デー
タに基づく各リピータ及び関連する海底の要素に特有な動作パラメータの捕捉及び更新を
可能とする自動化されたラインモニタリングシステム(LMS)ベースライン化を提供す
る。そして、捕捉された動作パラメータは、コマンドレスポンス(CR)態様における特
有の海底の要素を対象とする問合せを充足するのに使用され得る。したがって、コマンド
レスポンス機能は、基板に搭載されたCR回路を有する海底の要素を配備することに関す
る追加コスト、複雑さ及び寿命の問題なしに達成され得る。概略として、ここで示すよう
に、動作パラメータは、HLLBデータから直接的又は間接的に導出され得る任意のパラ
メータを含む。ある例では、動作パラメータの非限定的な例には、スパンゲイン損失、入
力パワー、出力パワー、ゲイン及びゲインチルトが含まれる。
【0008】
図1は、本開示によるWDM伝送システム100の例示の一実施形態の簡略化したブロ
ック図である。概略として、システム100は、双方向伝送経路102の両端から送信さ
れるLMS信号を使用する各リピータ/増幅器に関連するループゲイン値を計算するよう
に構成され得る。当業者は、説明の便宜上、非常に単純化されたポイント・ツー・ポイン
トシステム方式としてシステム100が図示されていることを認識するはずである。本開
示によるシステム及び方法は広範なネットワーク構成要素及び構成に組みこまれ得るとい
うことが理解されるはずである。ここに示す例示の実施形態は限定としてではなく説明と
してのみ提供される。
【0009】
図示するように、システム100は2本の一方向の光経路110、120によって結合
された第1の終端T1及び第2の終端T2を含み、これはともに双方向光伝送経路102
を形成する。第1の終端T1は伝送経路102の第1の終端と結合され、第2の終端T2
は伝送経路102の第2の終端と結合される。ここで使用される用語「結合される」は、
それによって1つのシステム要素によって搬送される信号が「結合される」要素に与えら
れる任意の接続、結合、リンク等のことをいう。これらの「結合される」デバイスは必ず
しも相互に直接接続されていなくてもよく、このような信号を操作又は修正し得る中間構
成要素又はデバイスによって分離され得る。
【0010】
光経路110は、終端T1における送信器112から終端T2における受信器114へ
の一方向の複数のチャネル(又は波長)で光データを搬送することができる。光経路12
0は、終端T2における送信器124から終端T1における受信器122への経路110
に関連する方向と逆方向に複数のチャネル(又は波長)で光データを搬送することができ
る。終端T1については、光経路110は外向きの経路であり、光経路120は内向きの
経路である。終端T2については、光経路120は外向きの経路であり、光経路110は
内向きの経路である。光経路110は光ファイバ116-1~116-n及び光増幅器1
18-1~118-nの交互の連結を含んでいてもよく、光経路120は光ファイバ12
6-1~126-n及び光増幅器128-1~128-nの交互の連結を含んでいてもよ
い。
【0011】
光経路対(例えば、光経路110、120)は、関連するリピータR1・・・Rnのハ
ウジング131-1~131-nの中に配置され光ファイバ116-1~116-n及び
126-1~126-nの対によって接続される増幅器対118-1~118n及び12
8-1~128-nのセットを含み得る。光ファイバ116-1~116-n及び126
-1~126-nの対は、追加の経路対を支持するファイバとともに光ファイバケーブル
に含まれ得る。各リピータR1・・・Rnは、各支持された経路対について増幅器118
-1・・・118-n及び128-1・・・128-nの対を含み得る。光増幅器118
-1・・・118-n及び128-1・・・128-nは簡略化した形式で示され、1以
上のエビウムドープファイバ増幅器(EDFA)若しくは他のレアアースドープファイバ
増幅器、ラマン増幅器又は半導体光増幅器を含み得る。HLLB経路132-1~132
-nは、さらに詳細を後述するように、例えば、光経路110、120の間、リピータR
1・・・Rnのハウジング131-1~131-nの1以上に結合されてもよく、例えば
、1以上の受動的な光結合コンポーネントを含んでいてもよい。
【0012】
ラインモニタリング機器(LME)140、142は、経路対110、120のHLL
Bモニタリングを提供するように終端T1、T2の両方に配置され得る。LME140は
、1以上のLMEテスト信号を、例えば、異なる波長及び/又は異なる周波数において、
1つの光経路110(例えば外向きの光経路)へ出射することができる。HLLB経路1
32-1~132-nの各々は、光経路110において伝搬するLMEテスト信号のサン
プルを前方伝搬方向の他の光経路120の(例えば内向きの光経路)に結合し得る。そし
て、LME140は、サンプルを受信及び測定してシステムにおける障害の表示としての
ループゲインの変化を検出することができる。LMEテスト信号に応じてHLLB経路1
32-1~132-nを介して受信されたLMEテスト信号の受信サンプルをここではH
LLBループバックデータ又は単にループバックデータという。
【0013】
LME142は、1以上のLMEテスト信号を、例えば、異なる波長及び/又は異なる
周波数において、1つの光経路120(例えば外向きの光経路)へ出射することができる
。HLLB経路132-1~132-nは、光経路120において伝搬するLMEテスト
信号のサンプルを前方伝搬方向の他の光経路光経路110(例えば内向きの光経路)に結
合し得る。そして、LME142は、サンプル(ループバックデータ)を受信及び測定し
てシステムにおける障害の表示としてのループゲインの変化を検出することができる。L
MEテスト信号を送信し、ループバックデータを受信及び測定するためのLME140、
142について種々の送信器及び受信器の構成が知られている。
【0014】
本開示によるシステムに有用な種々のHLLB経路構成が知られている。また、リピー
タR1・・・Rnの各々は関連するHLLB経路132-1~132-nを有するものと
して示されているが、HLLB経路は他の場所に配置されてもよく、及び/又は全てのリ
ピータR1・・・Rnに配置されなくてよい。いくつかの実施形態において、HLLB経
路132-1~132-nは動作において対称であってもよく、すなわち、HLLB経路
132-1による経路110から経路120に伝達される各波長の光パワーの割合を表示
する関数は、HLLB経路132-1によって経路120から経路110に伝達される各
波長の光パワーの割合を表示する関数と同じである。代替的に、1以上のHLLB経路は
対称でなくてもよく、異なるHLLB経路が異なる伝達関数を有していてもよい。
【0015】
例えば、増幅器118-1~118-n及び128-1~128-nの対の各々は、モ
ニタリングされる経路における光学性能の変化を検出する処理を促進する励起方式を含む
。この例では、各増幅器対は非対称の励起構成で構成され得るものであり、それによって
所与の増幅器対における増幅器の各々は他方と異なる出力パワーを有する。したがって、
非対称励起方式は、特定の測定された変化に方向を割り当て、変化に関連し得る特定の要
素を識別するのに利用され得る。例えば、単一のリピータが各方向に信号を増幅するよう
に2つの増幅器、例えばA1及びA2を有していてもよい。2つの増幅器A1及びA2は
、2つの同様の構成のレーザ、例えばL1及びL2によって励起されてもよい。この例で
は、A1は50%のL1及び50%のL2によって励起されてもよい。A2はまた、その
それぞれのレーザによって同様の態様で励起されてもよい。反対に、他の割合はこの開示
の範囲内ではあるが、非対称励起は例えば40%のL1及び60%のL2によって励起さ
れるA1を含み得る。同様に、A2は60%のL1及び40%のL2によって励起されて
もよい。
【0016】
図3Aは、本開示の例示の実施形態によるラインモニタリングシステム(LMS)30
0を示す。LMS300は、図1及び図2のLME140及び/又はLME142におけ
る使用に適し得る。LME300は、明確さを目的として非常に簡略化した方法で示され
、限定的ではない。LMS300は、ハードウェア(例えば、回路)、ソフトウェア又は
それらの組合せにおいて実施され得る。実施形態において、LMS300は、少なくとも
ある程度、LMS処理、例えば図13の処理1300を実行するコントローラ(不図示)
によって実行され得る複数の命令として実施され得る。ここで一般にいうコントローラは
、プロセッサ(例えば、x86処理)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPG
A)、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は他の任意の適切な処理デバイス/回路と
して実装され得る。
【0017】
図示するように、LMS300は、高性能化自動シグネチャ解析(eASA)プロセッ
サ301、報告可能パラメータテーブル(RPT)更新器302、RPTストレージ30
3、ベースラインマネージャコンポーネント304、及び高損失ループバック(HLLB
)ストレージ305を含む。RPTストレージ303及びHLLBストレージ305は、
揮発性又は不揮発性メモリ領域に実装され得る。なお、LMS300の構成要素は同一の
システムに物理的に配置されなくてもよく、WDM伝送システム100の全体に分散され
てもよい。例えば、RPTストレージ303及びHLLBストレージ305は、それぞれ
終端局T1及びT2に配置されてもよい。したがって、本開示によるLMSは、所望の構
成に応じたデータ及び/又は処理構成要素を共有するように相互に通信することができる
【0018】
LMS300は、ネットワーク上で伝搬されたLMEテスト信号に応じて、伝送経路か
らの1以上のLMS高損失ループバック(HLLB)データセットの形式でのループバッ
クデータ308(すなわちLMEループバックデータ308)を受信し得る。ループバッ
クデータ308をHLLBデータセット又は単にHLLBデータともいう。そして、ルー
プバックデータ308は、HLLBストレージ305を提供するメモリに記憶され得る。
より詳細を後述するように、eASA301は、複数の測定時間からの差分HLLBデー
タセット上で動作して、複数のシステム終端点(終端局又は単に局ともいう)及び単一の
ループバックデータセットにおいて動作するASAアプローチに対して向上した正確さで
結果を提供することができる。eASA301はまた、そのシグネチャが不完全である場
合であっても、終端局/ランディング付近の変化を検出することができる。
【0019】
RPT更新器302(又はRPT更新モデル)は、eASA301からの出力を受信し
てもよく、光伝送システム、例えば、図1のWDM伝送システム100の1以上の関連す
るリピータ/要素に対応する動作パラメータにeASA301の出力をマッピングするこ
とができる。さらに後述するように、RPT更新器302は、ベースラインRPT値とe
ASA301によって出力された値とを比較して差分(デルタ)を決定することができ、
それは同様に動作パラメータへの変化を計算するのに用いられ得る。したがって、RPT
更新器302は、RPTストレージ303にアクセスして、動作パラメータ及びeASA
301の出力に基づく更新された任意のRPTベースライン値を記憶することができる。
RPTストレージ303において更新及び記憶され得る1つの例のRPTテーブル(すな
わちRPTルックアップテーブル)を図12に示す。RPTストレージのRPTデータを
現在のベースラインRPTともいう。
【0020】
ベースラインマネージャ304は、eASA301へHLLBベースラインデータ(L
MEベースラインデータともいう)を供給するように構成されてもよい。HLLBベース
ラインデータは、HLLBストレージ305に記憶される現在のHLLBベースラインを
含み得る。動作中に、ベースラインマネージャ304は修正なしに現在のHLLBベース
ラインデータを維持することができ、第1の所定の閾値を超える検出された障害/状態に
基づいてベースラインデータを局所的に修正することができ、又はHLLBベースライン
データセット全体を置き換えることができる。
【0021】
ベースラインマネージャ304はまた、RPTストレージ303に記録されたベースラ
インデータを供給/更新するように構成されてもよい。動作中に、ベースラインマネージ
ャ304は、修正なしに現在のRPTベースラインデータを維持することができ、第1の
所定の閾値を超える検出された障害/状態に基づいてベースラインデータを局所的に修正
することができ、又はRPTベースラインデータセット全体を置き換えることができる。
【0022】
実施形態において、LMS300は、モニタリング及びデータ報告処理の周期的な実行
を可能とする。各モニタリングサイクルの間、LMS300は、(例えば、図2に関して
上述したようなWDM伝送システム100に沿って伝搬するLME試験信号に基づいて)
新たなHLLBループバックデータセット308を局から受信することができ、そして、
eASA301を使用して受信したデータセットの自動シグネチャ解析を実行し得る。そ
して、RPT更新器302は、ベースラインマネージャ304からのeASA301の出
力及び現在のHLLBベースラインを利用してRPTストレージ303に記憶されたRP
Tテーブル値を更新し得る。ユーザはまた、入力パワー、出力パワー、ゲイン、スパン損
失及びチルトのような結果をモニタリングするために、コマンドレスポンス的な態様でL
MS300に問い合わせることができる。同様に、LMS300は、RPTストレージ3
03に記憶されたRPTデータを利用して問合せを充足することができる。
【0023】
LMS300のための一例のワークフロー350を図3Bに示す。図示するように、時
間(T)0において、eASA301は、HLLBストレージ305から1以上のHLL
Bデータセット及び現在のHLLBベースラインデータを入力として受信する。また、T
=0において、RPT更新器302は、RPTストレージからRPTテーブルに対応する
RPTベースラインデータを受信する。HLLBデータセットをループバックデータセッ
トともいい、HLLBベースラインデータをLMSベースラインデータともいう。続いて
、eASA301は受信したHLLBデータセットを解析し、例えば、第1の所定の閾値
(例えば、1%、5%、10%、又は他の適切な閾値)に基づいて、それを現在のHLL
Bベースラインデータ(HLLBcurrent)と比較して1以上の変化を検出する。
第1の所定の閾値を超えるいずれの変化も、メモリにおける現在のHLLBベースライン
データ(HLLBcurrent)に記憶/更新され、新たなHLLBベースラインデー
タ(HLLBnew)を生成し得る。古いHLLBベースラインデータ(HLLBcur
rent)と受信したHLLBデータセットとの間の変化も、RPTテーブルの動作パラ
メータを変化させるために第1のRPTデルタ値(RPTΔ)を生成するのに使用され得
る。新たなHLLBベースラインデータ(HLLBnew)と古いHLLBベースライン
データ(HLLBcurrent)との間の変化は、RPTベースラインデータの変化(
RPTBaselineΔ)を生成するのに使用され得る。変化が適用される前に、以前
のRPTベースラインデータの複製がメモリに記憶されてもよい(RPTBaselin
old)。そして、新たなRPTベースラインデータは、先のRPTベースラインデー
タ(RPTBaselineold)の値を変化したRPTベースラインデータ(RPT
BaselineΔ)からの対応の値と合計することによって生成され得る。そして、更
新されたRPTパラメータは、第1のRPTデルタ値(RPTΔ)からの対応する値と、
以前のRPTベースラインデータRPTBaselineoldの値とを合計することに
よって計算されてもよい。
【0024】
そして、eASA301は、RPTベースラインデータを更新してからRPTストレー
ジ303にそれを記憶し戻して、1以上の動作パラメータを置き換え、あるいは調整する
。いくつかのそのような一例の動作パラメータは、入力パワー、出力パワー、ゲイン、ス
パン損失、スペクトルチルト並びに/又は各増幅器及び1以上の受信したHLLBデータ
セット内に表される隣接するスパンのスパン長を含む。
【0025】
図3Bに続き、所定の期間(例えば、10分、1時間、1日、1週間)の後、LMS3
00は、その後のLMSサイクル中の1以上の追加のHLLBデータセットを受信するこ
とができる。eASA301は、HLLBデータセットの解析を実行することができ、所
定の閾値を超える1以上の測定された動作パラメータに基づいて障害状態が検出され得る
。検出された障害のイベントにおいて、ベースラインマネージャ304は、RPTストレ
ージ303における1以上の動作パラメータ及びHLLBストレージ305おけるHLL
Bベースラインデータセットを更新し得る。例えば、低下した出力パワーの増幅器はeA
SAによって検出されてもよいし、増幅器に対応するRPTテーブルの動作パラメータ値
は更新されてもよい(図12参照)。同様に、HLLBベースラインデータは、増幅器の
現在の動作状態を反映するように更新され得る。したがって、これらの再ベースライン化
もループバックデータについて発生したものでも、RPTストレージ303は障害又は潜
在的な障害の表示となり得る動作パラメータを含み得る。
【0026】
図1及び2に関して上述したように、WDM伝送システム100は、海底リピータ本体
における双方向増幅器対及び終端増幅器において高損失ループバック光経路を含む。以下
の記載及び式について、iを終端、jをループバック経路として、図1のHLLB経路1
32-1~132-nの各々は、HLLBi,jという表記を用いて参照され得る。これ
らの光経路は、指定されたテストチャネル波長の少量の光を伝送の一方向の光ファイバか
ら伝送の逆方向の光ファイバにルーティングする。これらの反射往復信号は、終端局にお
いてLMS300によって検出され、ループバックデータ308としてLMS300に変
換あるいは供給される。
【0027】
このループバックデータ308は、光経路の伝送帯域内の少なくとも1つの光周波数/
波長について、場合によっては2以上の波長で、測定され得る。ある具体的な例示の実施
形態では、所与の帯域幅に対する高いチャネル波長及び低いチャネル波長(例えば、それ
ぞれ最小及び最大波長)がテスト信号チャネル波長として選択され得る。ループバックデ
ータ308の生成は、各終端サイト、例えば、T1及びT2からの測定を含み得る。した
がって、ループバックデータ308は、複数のHLLBデータセットを含み得る。ある場
合では、ループバックデータ308は、分岐ファイバ対ごとに、単一のデータセット及び
、例えば、伝搬の各方向を表すトランクファイバ対からの2つのデータセットの少なくと
も1以上を含み得る。さらに、ループバックデータ308は、伝送システムの特定の部分
がモニタリングされる場合にWDM伝送システムの対象部分からの1以上のデータセット
を含み得る。なお、C+L個のファイバ対について、HLLBデータセットは、C-バン
ド及びL-バンドの双方において測定され得る。
【0028】
実施形態では、ループバックデータ308内で表される伝送ラインに沿う累積ノイズが
、低減あるいは最小化され得る。この目的のため、差分ループゲインは、
DLG=HLLBT1,j-HLLBT1,j-1=HLLBT2,j-1-HLL
T2,j ・・・式(1)
によって与えられ得る。
【0029】
差分ループゲインは、図1及び2に関して上述したように、2つのリピータの間の増幅
器の光ゲインを示す。そして、差分ループゲインデータは、図3A及び3Bに関して上述
したように、障害を検出するように、HLLBストレージ305に記憶されたベースライ
ン差分ループゲインデータと比較され得る。比較は、式(1)から得られる差分ループゲ
インデータからベースラインの差分ループゲインデータを減算して差分ループゲインの微
分を求めることを単に含み得る。したがって、差分ループゲインの微分は、
dDLG=(DLGData-(DLGBaseline ・・・式(2)
によって与えられ得る。
【0030】
WDM伝送システム100に障害がないシナリオでは、差分ループゲイン値の微分は約
ゼロで変動する。例えば、図4Aに示すように、差分ループゲインデータ値404は、実
質的にゼロである。なお、図4Aのデータ点は、複数サイトの合成データセットを適応さ
せるように重み付けを付加した後に示され、より詳細を以下に説明する。非限定的な例を
提供する目的のため、他の閾値は所望レベルの感度に応じて利用され得るが、0.25以
下の絶対振幅値を有する差分ループゲインデータ値は実質的にゼロとみなされ得る。
【0031】
一方、図4Bに示すように、障害状態によって、差分ループゲインデータは固有のシグ
ネチャを有し得る。図4Bにおいて、R3とR5の間に配置された増幅器内の励起は、低
減され得るものであり、ピーク405となる。LMS300は、eASA301が関連の
誤差状態を検出及び分類することを可能とするように、複数の所定のシグネチャを含み得
る。代替的に、又は所定のシグネチャに加えて、LMS300は、訓練された技術者/プ
ラント管理者によって与えられるシグネチャによって時間にわたってトレーニングされ得
る。
【0032】
帯域ゲインデルタ(BDG)は、高周波及び低周波のdDLGの差として定義され得る

BGD=(dDLGLF-(dDLGHF ・・・式(3)
【0033】
差分ループゲインは長距離伝送におけるノイズの影響を最小化あるいは低減されるが、
データのエラーレートは測定距離に対して増加する。数百、数千又は数万キロメートルの
伝送経路長の伝送システムに対して、誤差累積が大きくなり得る。実施形態では、誤差の
導入は、複数の終端からのHLLBデータを合成することによって打ち消され得る。例え
ば、T1のLME140からの測定値は、T2のLME142からの測定値と合成され得
る。したがって、第1及び第2の終端局からのHLLBデータは、
dDLG=r(dDLGT1+(1-r)(dDLGT2 ・・・式(
4)
によって与えられ得る。ここで、(dDLGT1はT1からの差分ループゲインの微
分であり、(dDLGT2はT2からの差分ループゲインの微分であり、rはT1
からのdDLGの重み付けファクタである。
【0034】
そして、各HLLBループバック位置は、以下の式を用いて-1と1の間を範囲とする
位置係数(図5参照)にマッピングされ得る。
【数1】
・・・式(5)
【0035】
実施形態では、重み付けファクタは、システムの構成に応じてデータをスケーリングす
るように適用され得る。重み付けファクタは、
【数2】
・・・式(6)
によって計算され得る。ここで、aは伝送システムについてのスケーリングファクタであ
り、eは2.71828に等しい数学的定数である。なお、重み付けファクタは、システ
ム構成に基づいて変わり得るものであり、与えられた式(6)は限定的なものではない。
例えば、光伝送システムの特定の構成に基づいて数値の離散的配列が利用され得る。
【0036】
また、中間スパン定数sが定義されるので、rが[s、1-s]外となりかつ(dD
LGT1と(dDLGT2の間の差が過大である場合には、
max{|(dDLGT1|,|(dDLGT2|}>>min{|(dDL
T1|,|(dDLGT2|} ・・・式(7)
となる。
【0037】
そして、図5に示すように、rは、1(r>1-sの場合)又は0(r<sの場
合)のいずれかとなり得る。
【0038】
実施形態では、障害シグネチャ解析は、励起低下、スパン損失などのようなHLLBデ
ータから1以上の障害タイプを識別及び位置特定するように、LMS、例えば、LMS3
00によって実行され得る。そのような障害シグネチャ解析は、特定の物理障害位置を囲
む複数スパンの障害シグネチャに対して実行され得る。
【0039】
上述したように、所定の障害シグネチャは、例えば、eASA301によって実行され
る処理中に比較の目的でLMSのメモリに記憶され得る。障害シグネチャは、例えば、シ
ミュレーションに基づいていてもよいし、動作中にWDM伝送システム100に発生する
測定イベントに基づいて生成(トレーニング)されてもよい。各測定周波数についてベー
スラインHLLBデータセットに基づいて計算可能な差分ループゲインデータの微分は、
例えば、ASA解析処理中の使用について各LMSのメモリ、例えば、HLLBストレー
ジ305にも記憶され得る。
【0040】
eASA301が検出し得る一例の障害イベント/状態タイプは、光励起レーザの出力
パワーの低下を含み、これは光増幅器の動作を可能とする。その低下は、出力パワーのわ
ずかな減少から、1以上の励起レーザの全体的な障害までを範囲とし得る。他の例の障害
イベントタイプは、ファイバスパン減衰の低下を含む。ファイバスパン減衰は、減衰のわ
ずかな増加から、問題となるスパン/セグメントを介した光学性能に悪影響を与えうる大
幅な減衰の増大までを範囲とし得る。
【0041】
eASA301によって実行され得る一例のASA処理フロー700を図7に示す。処
理フロー700中に、例えば、励起低下、スパン損失などに対する既知の障害形状に基づ
くそれぞれの形状で、同じ長さの複数の次元デジタルフィルタは、予備的結果を与えるよ
うに式(4)及びBGDデータから得られるdDLGデータに適用されてもよい。
y1=filter(F1,dDLGHF) ・・・式(8)
y4=filter(F4,dDLGHF) ・・・式(9)
y5=filter(F5,dDLGHF) ・・・式(10)
y3=filter(F3,dDLGHF) ・・・式(11)
y2=filter(F2,BGD) ・・・式(12)
ここで、yはフィルタF(Fx、Dy)によって処理される信号であり、Fxは曲線の形
状であり、Dyは入力データである。上記のように、形状x=3、4及び5は、レーザL
1の励起低下、レーザL2の励起低下及びスパン損失に対応し得る。一方、例えば、dD
LGはフィルタF3及びF4と同じインスタンスで適時に相互作用し得るので、追加のフ
ィルタが必要となり得る。この場合、その低下がレーザL1のものであるのか又はレーザ
L2のものであるのかについて結論付けることができないことがある。したがって、F2
及びF3がともにレーザL1の励起低下を予測し、F2及びF4がともにレーザL2の励
起低下を予測し、F2及びF5がともにスパン損失を予測することができるようにフィル
タF2が導入される。
【0042】
続いて、処理されたdDLGデータ(y3、y4、y5)及びBGDデータ(y2)の
予備的結果の双方が実質的に同じ位置(N)における実質的に同じ障害を示す場合には、
障害はjにおいて記録される。位置j付近のy2の大きさの合計は、
【数3】
・・・式(13)
であるものとする。
【0043】
この開示は、
δ=f(ξ) ・・・(14)
を用いて、この大きさξが障害(δ)の値にマッピングされ得ることを特定している。y
=f(x)の関数は、障害の大きさを変化させることによって適応され得る。
【0044】
図6A~6Eを参照すると、例示の障害状態シグネチャが、本開示の実施形態に従って
示される。スパン損失は、2方向のうちの一方に全体的に配置されることから2方向間に
等分されることまでを範囲とする伝搬の2方向間の損失を分割することによって本開示よ
るLMSによって計算され得る。例えば、図6C及び6Dに、同じ位置における2つのス
パン損失を示し、それぞれ、図6Cは内向き方向の損失を示し、図6Dは外向き方向であ
る。
【0045】
図6C及び6Dにおいて、サブビーク601-1~601-4は、異なる傾向を示す。
特に、図6Dの位置4及び5におけるdDLGは、スパンの後のリピータはゲインの損失
を回復しようとするので上昇する。一方、位置3及び4におけるdDLGは、図6Cに示
すように内向き方向に上昇する。スパン損失が内向きスパン及び外向きスパンの合成であ
る場合には、位置3及び位置5におけるdDLGは双方とも上昇する。したがって、以下
の式を用いて内向きスパン損失の比によって2方向に割り当てられ得る。
【数4】
・・・式(15)
ここで、=y1(j-1)-y1(j+1)であり、この場合、j=4であり、Pmはy
1(N)に関する関数である。
【0046】
一方、図6Eに示すような沿岸のスパン損失については、初期dDLGデータが欠落し
ていることもあるので、第1のリピータR1の前のdDLGを推定/予測するのに沿岸の
スパン損失予測関数y=p(x)が使用され得る。
dDLG(0)=p(dDLG(1),dDLG(2)) ・・・式(16)
【0047】
したがって、式(16)は、沿岸のスパン損失を計算して方向を割り当てるのに使用さ
れ得る。
【0048】
場合によっては、WDM伝送システム100に沿う異なる物理位置に対応する複数の障
害シグネチャが起こり得る。eASA301は、各個々の障害シグネチャを検出し、伝送
経路に沿って存在する複数の関連の湿潤状態のプラントの変化イベントを定量化し得る。
実施形態では、異なる障害イベントに対応する障害シグネチャは、数学的に分解され得る
。例えば、図8に示すように、ピーク801及び802は、図9A及び9Bにそれぞれ示
すような別個かつ独立のシグネチャに分離及び分解され得る。そして、分離/分解された
シグネチャは、上述したように、eASA301によって個別に解析され得る。
【0049】
あるシナリオでは、特定の障害が、必ずしも自動シグネチャ解析をHLLBデータに対
して実行することなくLMSによって検出され得る。例えば、単一の増幅器対に対応する
HLLBデータが、伝送経路に沿うファイバ破断を検出するのに利用され得る。リピータ
j-1とリピータjの間でファイバが破断した状況を検討する。結果として、リピータj
(又はj-1)より後段の以降/ダウンストリームのリピータに対するHLLBデータは
受信され得ない。例えば、図2において、ファイバ破断は、R3とR4の間で起こった可
能性がある。したがって、T1におけるLMS140は、R4、R5、R6及びT2から
の戻り信号を受信し得ない。
【0050】
同様に、T2は、R3、R2、R1及びT1からの戻り信号を検出し得ない。この場合
、全ての欠落したピークの大きさは、データプロット上に表示されるために、所定値、例
えば、-55dBとして示され得る。2つの終端を有するシステムについて、両端からの
HLLBデータセットにおける欠落ピークの総数は、単一のファイバ破断があるのか又は
異なる物理位置において複数の破断があるのかに応じて、ループバック経路の総数以上と
なるべきである。1つの終端(例えば、分岐)を有するシステムについて、欠落ピークの
総数は、連続的に2より大きく見えることになる。したがって、ファイバ破断障害状態及
び障害状態の位置は、その位置及び欠落HLLBデータ点の総数に基づいて検出され得る
【0051】
単一の増幅器対に対応するHLLBデータはまた、HLLB経路内の光フィルタの故障
を検出するのにも利用され得る。リピータjにおける増幅器対のループバック経路内でフ
ァイバ破断があった場合を検討する。この場合、その増幅器対のみからの全ての測定周波
数でのHLLBループバック信号は、受信されずに-55dB(又は他の所定のdB値)
としてマークされることになる。上述したように、伝送経路におけるファイバ破断とは異
なり、光経路に沿う他の全てのダウンストリームの増幅器対からのループバック信号は、
それでもLMSによって受信されることになる。例えば、図2において、リピータR3に
おいてループバック経路の破断があると、HLLBは-55dBとしてマークされるこ
とになる。後続の処理中に、eASA301は、HLLBについてのデータ点を無視/
破棄し得る。いずれの場合でも、光フィルタ障害状態及び障害状態の位置は、単一のリピ
ータにおける欠落HLLBデータ点の位置に基づいて検出され得る。
【0052】
単一の増幅器対に対応するHLLBデータは、所与のHLLB経路内で光フィルタの障
害を検出するのにも利用され得る(図6A及び6B参照)。WDM伝送システム100に
沿う伝搬の各方向において、各HLLB経路は、伝搬の逆方向において反射される光周波
数を選択する波長選択光フィルタを含み得る。一般に、光帯域毎に2つの測定周波数(例
えば、C-帯域対C+L)があり、ただし、より多くが可能であり、具体的な数はアプリ
ケーションに特有のものとなる。ある特定の例示の実施形態では、光帯域毎に少なくとも
2つの光周波数が、測定周波数として選択される。選択される測定周波数は、スペクトル
帯域、例えば、スペクトルの高い波長及び低い波長のそれぞれのエッジに対応していても
よく、ただし、他の実施形態も本開示の範囲内にある。より詳細を後述するように、2以
上の光周波数を本態様で使用することによって、有利なことに、本開示によるLMSがス
ペクトルチルトを測定することができる。
【0053】
続いて、例えば、リピータR3からT1へのループバック経路において(図2)1本の
光ファイバが破断した場合には、その測定周波数(HLLBT1,3)におけるT1への
戻り信号はデータセットから欠落することになるので、R3及びR4にそれぞれ対応する
DLG及びDLGが影響を受けることになる。したがって、HLLB経路内の光ファ
イバの障害は、欠落データ点を特定することによって検出/推定され得る。なお、R3と
T2の間のループバック経路は動作可能なままであるので、DLGは未だにT2からの
測定データを介して導出され得る。この場合、DLGは、
DLG=HLLBT1,3-HLLBT1,2=HLLBT2,2-HLLBT2,
・・・式(17)
によって与えられ得る。
【0054】
そして、したがって、欠落したHLLBT1,3データ点は、
HLLBT1,3=HLLBT1,2+HLLBT2,2-HLLBT2,3 ・・・
式(18)
によって予測/推定可能である。
【0055】
したがって、所与のHLLB経路内の光フィルタの故障及び障害状態の位置は、1つの
リピータのみにおける欠落HLLBデータ点(及びデータ点が所与のリピータにおける1
つの測定周波数に対して存在すること)に基づいて検出され得る。
【0056】
各物理位置において最新の再ベースライン化からの伝送経路における変化イベントの各
々の位置及び大きさをeASA301が識別した後に、識別された変化イベントはRPT
ストレージ303に記憶されたRPTデータにおける更新を計算するのに使用され得る。
RPTデータは、各増幅器及びモニタリングされるファイバ対における隣接ファイバスパ
ン/セグメント毎の動作パラメータ値を含み得る。そして、eASA301からの計算さ
れた変化は、各動作パラメータ毎の新たな絶対値を生成するRPTテーブル内のRPT基
準データを調整するのに使用され得る(図12参照)。したがって、各モニタリングされ
る増幅器/スパンに関連する動作パラメータは、光伝送経路を介して要素と直接通信する
ことなく個々に報告され得る。これは、有利なことに、比較的簡素な湿潤状態のプラント
デバイスを可能とし、追加のトラフィックがそれに導入されることを回避し得る。
【0057】
図12に示すように、さらに図11を参照して、本開示によるLMSによって報告可能
な動作パラメータは、例えば、入力パワー、出力パワー及びゲイン並びに/又は累積ゲイ
ンチルトを含み得る。報告可能なパラメータを提供するために、LMSは、HLLBデー
タを用いて励起パワー及びスパン損失の変化、大きさ並びに方向を検出することができ、
そして、それらの変化を用いて増幅器モデルに基づく動作パラメータ値の変化を計算する
ことができる。増幅器モデルは、一般的な意味において、システムにおける報告可能な動
作パラメータと障害との間の関係を定量化する値を導出するのに使用され得る。例えば、
図11においてリピータNの外向き方向(例えば、上半分)を検討する。入力パワーの変
化は、外向き方向においてリピータNとリピータN-1の間のスパン損失の変化をリピー
タN-1出力パワーの変化から減算したものに少なくともある程度に基づいて計算可能で
ある。出力パワーの変化は、光ゲインの変化が加算された入力パワーの変化に少なくとも
ある程度基づいて計算可能である。したがって、ゲインの変化は、励起レーザの特定され
た変化に基づく増幅器モデルを介して計算され得る。
【0058】
実施形態では、RPT更新器302は、eASA301によって出力された最新のAS
A結果及びループバックデータ308に基づいてRPT更新処理を実行する。この実施形
態では、RPT更新処理は、増幅器対毎に提供された増幅器モデルを利用する。RPT更
新処理はまた、例えば、配備中又は多段化中に実地技術者によって提供され得る全てのパ
ラメータ及び全てのモニタリングされる増幅器対に対するRPT値の初期入力セットを利
用する。
【0059】
実施形態では、増幅器モデルは、励起レーザパワーの検出された減少に応じて、増幅器
出力パワーの変化を計算し、ファイバスパン挿入損失の検出された増加及び増幅器入力パ
ワーの対応する減少に応じて、増幅器出力パワーの変化を計算するのに使用され得る。増
幅器入力パワーと、出力パワー及びゲインと、隣接ファイバスパンのスパン損失との間の
関係は、
out,i=Pin,i+G ・・・式(19)
in,i+1=Pout,i-Si,i+1 ・・・式(20)
によって与えられ得る。ここで、Pout,iはリピータRiの出力パワーであり、P
n,iはリピータRiの入力パワーであり、GはリピータRiのゲインであり、Si,
i+1はリピータRiとリピータRi+1の間のスパン損失である。
【0060】
増幅器レーザ励起の減少は、影響を受ける増幅器に対する出力パワー及びゲインGの減
少、以降の/後続のダウンストリーム増幅器に対する入力パワーの減少及びゲインの増加
をもたらす。両増幅器の累積ゲインチルトは影響を受けるが、逆の大きさで影響を受ける
ので、ダウンストリームの増幅器のチルトに対する累積的な影響はほとんどない。
【0061】
ファイバスパン挿入損失(S)の増加は、隣接する増幅器及びおそらくは次に隣接する
増幅器の入力パワーの減少並びに両増幅器におけるGの増加をもたらす。両増幅器及び全
てのダウンストリームの増幅器の累積ゲインチルトが、影響を受ける。
【0062】
往復ゲイン形状の変化は、以下のように、ファイバ対スペクトル帯域のいずれかの末端
におけるHLLBピークの相対ピーク高の変化から推定可能である。
ΔTilt=dDLGi,HF-dDLGi,LF ・・・(21)
ここで、dDLGi,HFはリピータRiにおける差分ループゲインの高周波微分であり
、dDLGi,LFはリピータRiにおける差分ループゲインの低周波微分である。
【0063】
一方、伝搬の2方向間のゲイン形状のこの変化の分布を測定するのは、より難しいもの
となり得る。往復チルトの検出された変化は、上記ASA処理700からの検出スパン損
失及び励起パワーの変化イベントの方向性に基づく伝搬方向に割り当てられ得る。例えば
、スパン損失の増加が伝搬の一方向のみで発生した場合には、検出ゲインチルトのいずれ
かの変化がその伝搬の方向に割り当てられる。複数の障害(N)が同時に出現した場合、
dDLGはN個の部分に分解されることになり(例えば、図8、9A及び9B参照)、各
々は1つの信号障害に対応する。そして、チルトは、個々に計算されて加算されて集合的
なチルトを形成し得る。
【0064】
図3Aに戻り、例えば、図3Bにワークフローとして概略的に示すLMS処理全体は、
新たなHLLBデータセットがASAによって解析されることを確実にするようにベース
ラインマネージャ処理を実行し得る。ベースラインマネージャ処理はまた、HLLBデー
タのASA解析及び以前に特定されたRPT値に基づく現在のRPT値のRPT更新の双
方に対するベースラインデータセット間の同期を維持することもできる。
【0065】
ある場合では、構成可能な閾値は、処理全体をトリガしてRPT及びHLLBベースラ
インデータセットの位置特定された更新又はグローバルな更新のいずれかを実行すること
になるASA又はRPTの大きさの更新結果を特定するように提供され得る。一般に、L
MS比較に対するベースラインデータセットの更新によって、重複する障害シグネチャの
存在によってASA解析が損なわれることなく既存の障害付近に新たな障害が検出される
ことが可能となる。したがって、ベースラインデータセットは、障害/変化をもたらした
イベントに隣接する特定のリピータスパン上で更新されることができ、同様に、ネットワ
ークの他の経路がそれらの以前の/より早期の値に対してモニタリングされることを可能
とするためにシステム全体を再ベースライン化することを回避する。例えば、ある場合で
は、6個のデータ点が障害形状方向に対して使用可能であり、イベント付近のそれらの6
個の点は各々、現在の障害の影響が最小化あるいは軽減されるように更新され得る。ただ
し、他の量のデータ点が利用されてもよく、与えられた例は限定的なものではない。
【0066】
ある場合では、RPT及びHLLBベースラインデータセットは、比較的重要でない/
小さな変化イベントに基づいては更新されなくてもよい。より大きな障害に対して検出精
度をより高くすることができるので、ベースラインを連続的に更新してから障害の大きさ
の小さな変化を連続的にモニタリングするのではなく、障害が成長し続けるにつれて合計
の障害の大きさをモニタリングし続けることは有利である。例えば、障害が1dBだけ増
加する場合に常に再ベースライン化するのではなく、1dBから3dBに徐々に成長する
スパン損失の変化をモニタリングすることが有益である。また、各サイクルの結果が前の
サイクルの結果に加えられる場合のサイクル毎の不正確さの累積があるのではなく、各L
MSサイクルのRPT更新結果が基準RPT値及び現在のASAの結果に基づいている場
合の検出の不正確さの蓄積はほとんどない。
【0067】
図2のシステムにおける第1の障害が局所化ベースライン更新に対する閾値を超えるも
のの第2の障害がそれを超えていないというシナリオを検討する。第1の障害は、図9
示すように、次の稼働が第2の障害しか示さなくなるように、障害によってもたらされる
HLLBの変化(ΔHLLBi,j)をベースラインに注入することによってHLLBベ
ースラインデータに組み込まれることになる。この例では、閾値を超えない障害に対応す
るDLGはゼロ/ヌルに設定され、閾値を超える障害を有するDLGが維持され得る。し
たがって、HLLBベースラインデータの変化は、
【数5】
・・・式(22)
で与えられ得る。
【0068】
新たに生成されたHLLBベースライン(HLLBi,jnewは、古いHLLBベ
ースライン(HLLBi,joldから
(HLLBi,jnew=(HLLBi,jold+ΔHLLBi,j ・・・式
(23)
によって計算され得る。
【0069】
修理後に、ファイバは、図10に示すように、元のシステムに挿入されてピークをシフ
トさせ得る。そして、本開示によるLMSは、受信ループバックデータ308を自動的に
用いて距離変化を更新し得る。距離データが2つの端部とは異なる場合、平均値が使用さ
れ得る。
【0070】
図13は、本開示によるLMSによって実行され得る障害検出処理の一例示実施形態1
300を示すフローチャートである。図13に示す動作の例示的詳細は上述した。図示す
るように、方法1300は、1以上の終端局からの伝送経路上のラインモニタリング機器
(LME)テスト信号を送信すること1302を含む。そして、方法1300は、LME
テスト信号に応じて、伝送経路からHLLBデータセット(HLLBi,j)の形式でル
ープバックデータを受信し得る(1304)。
【0071】
そして、方法1300は、式(1)を用いて受信HLLBデータセットHLLBi,j
に基づく差分ループゲインデータDLGj・・j-1を生成し得る(1305)。そして
、方法1300は、例えば、式(2)を用いて対応のループゲイン値ベースラインデータ
セットにおける値を有する各DLGデータセットにおいてループゲイン値を減算するこ
とによって差分ループゲインデータセット(dDLG)の微分を生成し得る(1306
)。動作1306における追加の事前処理は、式(4)を用いて各dDLGにエラー低
減を適用すること、並びに式(5)~(7)に基づくループゲイン値の重み付け及びマッ
ピングをさらに含み得る。
【0072】
そして、方法1300は、ASA解析に基づいて1以上の障害のタイプ及び障害の大き
さを識別し得る(1308)。ASA解析についての1つの例示の処理700は図7に関
して上述したので、簡略化のために繰り返さない。そして、方法1300は、dDLG
データ内で表されるリピータ及び関連の要素の各々について、識別された変化、例えば、
入力パワーの変化、出力パワーの変化、ゲイン、チルトなどに基づいて報告可能パラメー
タテーブル(RPT)を更新し得る(1310)。そして、方法1300は、RPTテー
ブルにおける更新されたデータを現在のベースラインRPTと比較すること(1312)
を含み得る。1以上の動作パラメータが所定の閾値を超えたことに応じて、報告メッセー
ジをユーザ又は他のモニタリング処理に送信する。報告メッセージは、例えば、リピータ
の識別子、動作パラメータの識別子及び/又は動作パラメータ値の1以上を備え得る。
【0073】
本開示の態様によると、光通信システムが開示される。光通信システムは、光伝送経路
と、光伝送経路に結合された複数のリピータであって、複数のリピータの各々が高損失ル
ープバック(HLLB)経路を備える、複数のリピータと、伝送経路の第1の端部に結合
された第1のラインモニタリング機器(LME)であって、第1のLMEテスト信号を光
伝送経路上で送信し、LMEテスト信号に応じて光伝送経路から第1のLMEループバッ
クデータを受信するように構成され、第1のLMEループバックデータが伝送経路上でH
LLB経路の各々の位置に関連するピークを備える、第1のLMEと、第1のLMEに結
合されたコントローラであって、第1のLMEループバックデータに基づいて、各々が複
数のリピータの1つのリピータに対応する複数の動作パラメータを生成し、複数のリピー
タのうちの1以上のリピータを選択し、選択されたリピータの各々に関連する複数の動作
パラメータのうちの1以上の動作パラメータの表示を含む報告メッセージを遠隔のコンピ
ュータに送信するコントローラとを備える。
【0074】
本開示の他の態様によると、光通信システムにおける光伝送経路をモニタリングする方
法が開示される。光伝送経路は伝送経路に結合された複数のリピータを含み、リピータの
各々が高損失ループバック(HLLB)経路を備え、方法は、第1のラインモニタリング
機器(LME)テスト信号を伝送経路上に送信するステップと、第1のLMEテスト信号
に応じて光伝送経路から第1のLMEループバックデータを受信するステップであって、
第1のLMEループバックデータが伝送経路上でHLLB経路の各々の位置に関連するピ
ークを備える、ステップと、第1のLMEループバックデータに基づいてメモリにLME
ベースラインデータを記憶するステップと、記憶されたLMEベースラインデータに基づ
いて複数のリピータのうちの1つのリピータに関連する少なくとも1つの動作パラメータ
を含む報告メッセージをユーザに送信するステップとを備える。
【0075】
例示の実施形態の上記説明は、例示及び説明の目的で提示されたものである。それは網
羅的であること又は本開示を開示された厳密な形態に限定することは意図されていない。
本開示に照らして多数の変形例及びバリエーションが可能である。本開示の範囲は、この
詳細な説明によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって限定される
ものである。
【0076】
ここに記載する方法の実施形態は、コントローラ、プロセッサ及び/又は他のプログラ
ム可能なデバイスを用いて実施され得る。その目的のため、ここに記載する方法は、1以
上のプロセッサによって実行されるとその方法を実行する命令をそこに記憶させた有形の
非一時的なコンピュータ可読媒体において実施され得る。したがって、例えば、LMS3
00は、ここに記載される動作を実行する命令を(例えば、ファームウェア又はソフトウ
ェアにおいて)記憶する記憶媒体を含み得る。記憶媒体は、任意のタイプの有形媒体、例
えば、フロッピーディスク、光ディスク、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD
-ROM)、書き込み可能コンパクトディスク(CD-RW)及び磁気光ディスクを含む
任意のタイプのディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ダイナミック及びスタティッ
クRAMなどのランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラム可能読み出し専
用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EEP
ROM)、フラッシュメモリなどの半導体デバイス、磁気若しくは光学式カード、又は電
子的命令を記憶するのに適した任意のタイプの媒体を含み得る。
【0077】
当業者であれば、ここでのいずれのブロック図も本開示の原理を具現化する例示的回路
の概念図を表すことが分かるはずである。同様に、いずれのブロック図、フローチャート
、フロー図、状態遷移図、疑似コードなども、そのようなコンピュータ又はプロセッサが
明示されているか否かを問わず、コンピュータ可読媒体において実質的に表されてコンピ
ュータ又はプロセッサによって実行され得る種々の処理を表すことが分かるはずである。
ソフトウェアモジュール又は単にソフトウェアであることが示唆されるモジュールは、フ
ローチャート要素又は処理ステップ及び/若しくはテキスト記述の実行を示す他の要素の
任意の組合せとしてここに表され得る。そのようなモジュールは、明示又は暗示されるハ
ードウェアによって実行され得る。
【0078】
「プロセッサ」と付されたいずれの機能ブロックを含む、図示する種々の要素の機能は
、専用ハードウェア、その他適切なソフトウェアとの関連でソフトウェアを実行すること
ができるハードウェアの使用を介して提供され得る。機能は、単一の専用プロセッサ、単
一の共有プロセッサ、又はその一部が共有され得る複数の個々のプロセッサによって提供
され得る。さらに、用語「プロセッサ」の明示的使用は、ソフトウェアを実行することが
できるハードウェアを排他的にいうものとして解釈されるべきではなく、限定することな
く、デジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、ネットワークプロセッサ、特定用
途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ソ
フトウェアを記憶する読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM
)及び不揮発性ストレージを暗示的に含み得る。他のハードウェア、通常の及び/又はカ
スタムのものも含まれ得る。
【0079】
特に断りがない限り、文言「実質的に」の使用は、厳密な関係、状態、配置、向き及び
/又は他の特性、並びにそのような派生語が開示の方法及びシステムに実質的な影響を与
えない程度に当業者に理解されるような派生語を含むものと解釈され得る。本開示の全体
を通じて、名詞を修飾する冠詞「a」及び/若しくは「an」並びに/又は「the」の
使用は、便宜上使用されるものであり、特に断りがない限り、修飾される名詞の1つ又は
2以上を含むものと理解され得る。用語「備える」、「含む」及び「有する」は包含的な
ものであり、列挙された要素以外の追加の要素があり得ることを意味する。
【0080】
方法及びシステムをその具体的な実施形態に対して説明したが、それらはそのように限
定されない。明らかに、多数の変形例及びバリエーションが、上記の教示に照らして明ら
かとなる。ここに開示及び説明した部分の詳細、材料及び配置における多数の追加の変更
が、当業者によってなされ得る。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-09-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶された命令を実行するように動作可能な少なくとも1つのコントローラであって、前記命令は、実行されたとき、前記少なくとも1つのコントローラに:
1または複数のLMEテスト信号を光伝送経路上で伝送させ、
前記伝送された1または複数のLMEテスト信号に応答してLMEループバックデータを受信させ、ここで、前記LMEループバックデータは、前記光伝送経路において各高損失ループバック(HLLB)経路の位置に対応するピークを備える、
前記LMEループバックデータに基づいて複数の動作パラメータを生成させ、ここで、各々の動作パラメータは、前記光伝送経路に結合されたリピータに対応し、メモリにおけるテーブルに格納され、前記テーブルは各リピータを前記対応する動作パラメータに関連付ける、
前記LMEループバックデータを、現在のベースラインルックアップデータとして前記メモリに記憶させ、
前記光伝送経路上で伝送された1または複数の追加のLMEテスト信号に応答して、追加のLMEループバックデータを受信させ、
前記追加のLMEループバックデータを、前記複数の動作パラメータにおける任意の変化を識別するように、前記現在のベースラインルックアップデータと比較させる、
少なくとも1つのコントローラ、および、
記憶された命令を実行するように動作可能なプロセッサであって、前記命令は、実行されたとき、前記プロセッサに、
前記LMEループバックデータ上で解析を実行させ、
前記LMEループバックデータ上で前記実行された解析に基づいて、前記複数の動作パラメータにおける任意の変化の前記識別を実行させる、
プロセッサを備える、
ラインモニタリング機器(LME)。
【請求項2】
前記少なくとも1つのコントローラはさらに、報告メッセージをリモートコンピュータに送信させ、前記報告メッセージは、選択されたパラメータのそれぞれに関連付けられた前記複数の動作パラメータのうち1または複数の動作パラメータの表示を含む、請求項1に記載のLME。
【請求項3】
前記報告メッセージは、前記少なくとも1つのコントローラがユーザからコマンドレスポンス(CR)メッセージを受信したことに応じて送信される、請求項2に記載のLME。
【請求項4】
前記CRメッセージが少なくとも1つのリピータ識別子を含む、請求項3に記載のLME。
【請求項5】
前記複数の動作パラメータは、(i)出力パワー値、(ii)ゲイン値、および(iii)増幅器累積ゲインチルト値、のうちの1または複数を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のLME。
【請求項6】
前記少なくとも1つのコントローラがさらに、
前記識別された変化に基づいて、前記複数の動作パラメータのうちの、1または複数の動作パラメータを更新する、
ようにされた、請求項1から5のいずれか一項に記載のLME。
【請求項7】
前記更新された1または複数の動作パラメータが、増幅器モデルの出力に基づいて更新される、請求項6に記載のLME。
【請求項8】
前記少なくとも1つのコントローラがさらに、前記更新された動作パラメータが所定の閾値を超えることに基づいて警告メッセージをユーザに送信するようにされた、請求項6または7に記載のLME。
【請求項9】
前記プロセッサが、自動シグネチャ解析(ASA)プロセッサをさらに備える、請求項6から8のいずれか一項に記載のLME。
【請求項10】
前記1または複数のLMEテスト信号が複数のチャネル波長を備え、該複数のチャネル波長が、(i)前記光伝送経路に関連する帯域幅の最小チャネル波長に対応する低い値及び(ii)前記光伝送経路に関連する前記帯域幅の最大チャネル波長に対応する高い値を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のLME。
【請求項11】
少なくとも1つのコントローラを介して、1または複数のラインモニタリング機器(LME)テスト信号を光伝送経路上で伝送する段階と、
前記少なくとも1つのコントローラを介して、前記伝送された1または複数のLMEテスト信号に応答して、LMEループバックデータを受信する段階と、ここで、前記LMEループバックデータは、前記光伝送経路において各高損失ループバック(HLLB)経路の位置に対応するピークを備える、
前記少なくとも1つのコントローラを介して、前記LMEループバックデータに基づいて複数の動作パラメータを生成する段階と、ここで、各々の動作パラメータは、前記光伝送経路に結合されたリピータに対応し、メモリにおけるテーブルに格納され、前記テーブルは各リピータを前記対応する動作パラメータに関連付ける、
前記少なくとも1つのコントローラを介して、前記LMEループバックデータを、現在のベースラインルックアップデータとして前記メモリに記憶する段階と、
前記少なくとも1つのコントローラを介して、前記光伝送経路上で伝送された1または複数の追加のLMEテスト信号に応答して、追加のLMEループバックデータを受信する段階と、
前記少なくとも1つのコントローラを介して、前記追加のLMEループバックデータを、前記複数の動作パラメータにおける任意の変化を識別するように、前記現在のベースラインルックアップデータと比較する段階と、
プロセッサを介して、前記LMEループバックデータ上で解析を実行する段階と、
前記プロセッサを介して、前記LMEループバックデータ上で前記実行された解析に基づいて、前記複数の動作パラメータにおける任意の変化の前記識別を実行する段階と、
を備える、方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つのコントローラを介して、報告メッセージをリモートコンピュータに送信する段階を含み、前記報告メッセージは、選択されたパラメータのそれぞれに関連付けられた前記複数の動作パラメータのうち1または複数の動作パラメータの表示を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記報告メッセージは、前記少なくとも1つのコントローラがユーザからコマンドレスポンス(CR)メッセージを受信したことに応じて送信される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記CRメッセージが少なくとも1つのリピータ識別子を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つのコントローラを介して、前記識別された変化に基づいて、前記複数の動作パラメータのうちの、1または複数の動作パラメータを更新する段階
をさらに含む、請求項11から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記更新された1または複数の動作パラメータが、増幅器モデルの出力に基づいて更新される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つのコントローラがさらに、前記更新された動作パラメータが所定の閾値を超えることに基づいて警告メッセージをユーザに送信するようにされた、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
前記プロセッサが、自動シグネチャ解析(ASA)プロセッサをさらに備える、請求項15から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記複数の動作パラメータは、(i)出力パワー値、(ii)ゲイン値、および(iii)増幅器累積ゲインチルト値、のうちの1または複数を含む、請求項11から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記1または複数のLMEテスト信号が複数のチャネル波長を備え、該複数のチャネル波長が、(i)前記光伝送経路に関連する帯域幅の最小チャネル波長に対応する低い値及び(ii)前記光伝送経路に関連する前記帯域幅の最大チャネル波長に対応する高い値を含む、請求項11から19のいずれか一項に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0080】
方法及びシステムをその具体的な実施形態に対して説明したが、それらはそのように限定されない。明らかに、多数の変形例及びバリエーションが、上記の教示に照らして明らかとなる。ここに開示及び説明した部分の詳細、材料及び配置における多数の追加の変更が、当業者によってなされ得る。
[項目1]
光伝送経路と、
前記光伝送経路に結合された複数のリピータであって、前記複数のリピータの各々が高損失ループバック(HLLB)経路を備える、複数のリピータと、
前記伝送経路の第1の端部に結合された第1のラインモニタリング機器(LME)であって、第1のLMEテスト信号を前記光伝送経路上で送信し、前記第1のLMEテスト信号に応じて前記光伝送経路から第1のLMEループバックデータを受信するように構成され、前記第1のLMEループバックデータが前記伝送経路上で前記HLLB経路の各々の位置に関連するピークを備える、第1のLMEと、
前記第1のLMEに結合されたコントローラであって、
前記第1のLMEループバックデータに基づいて、各々の動作パラメータが前記複数のリピータのうちの1つのリピータに対応する複数の動作パラメータを生成し、
前記複数のリピータのうちの1以上のリピータを選択し、
前記選択されたリピータの各々に関連する前記複数の動作パラメータのうちの1以上の動作パラメータの表示を含む報告メッセージを遠隔のコンピュータに送信する
コントローラと
を備える光通信システム。
[項目2]
前記複数の動作パラメータの各々は、出力パワー値、ゲイン値及び/又は増幅器累積ゲインチルト値の少なくとも1つを備える、項目1に記載の光通信システム。
[項目3]
前記複数の動作パラメータの各々はメモリにおけるルックアップテーブルに記憶され、前記ルックアップテーブルは前記複数のリピータの各々を対応する動作パラメータに関連付ける、項目1に記載の光通信システム。
[項目4]
前記報告メッセージは、前記コントローラがユーザからコマンドレスポンス(CR)メッセージを受信したことに応じて送信される、項目1に記載の光伝送システム。
[項目5]
前記CRメッセージが少なくとも1つのリピータ識別子を含み、前記複数のリピータのうちの前記選択された1以上のリピータの各々は前記少なくとも1つのリピータ識別子に対応する、項目4に記載の光通信システム。
[項目6]
前記コントローラがさらに、
前記第1のLMEループバックデータを現在のベースラインループバックデータとしてメモリに記憶し、
第2のLMEテスト信号が前記第1のLMEによって前記伝送経路上で送信されたことに応じて第2のLMEループバックデータを受信し、
前記受信した第2のLMEループバックデータを前記現在のベースラインループバックデータと比較して、第1の動作パラメータの変化及び前記複数のリピータのうちの関連するリピータを識別し、
前記識別された変化に基づいて、前記複数の動作パラメータのうちの、前記関連するリピータに対応する動作パラメータを更新する、項目1に記載の光通信システム。
[項目7]
前記更新された動作パラメータが、増幅器モデルの出力に基づいて更新される、項目6に記載の光通信システム。
[項目8]
前記コントローラがさらに、前記更新された動作パラメータが所定の閾値を超えることに基づいて警告メッセージをユーザに送信する、項目6に記載の光通信システム。
[項目9]
自動シグネチャ解析(ASA)プロセッサをさらに備え、前記第1の動作パラメータの前記識別された変化が、前記ASAプロセッサによって少なくとも前記第1のLMEループバックデータの解析に少なくともある程度基づいて識別される、項目6に記載の光通信システム。
[項目10]
前記第1のLMEテスト信号が複数のチャネル波長を備え、該複数のチャネル波長が、前記光伝送経路に関連する帯域幅の最小チャネル波長に対応する低い値及び前記光伝送経路に関連する前記帯域幅の最大チャネル波長に対応する高い値を含む、項目1に記載の光通信システム。
[項目11]
前記複数のリピータの各々が、第1及び第2の方向に光信号を伝搬させる少なくとも第1及び第2の増幅器を含み、前記第1及び第2の増幅器が、前記第1の方向の出力パワーが前記第2の方向の出力パワーとは異なるような非対称励起構成を実現する、項目1に記載の光通信システム。
[項目12]
前記伝送経路の第2の端部に結合された第2のLMEであって、第2のLMEテスト信号を前記伝送経路上で伝送し、前記第2のLMEテスト信号に応じて前記伝送経路から第2のLMEループバックデータを受信するように構成され、前記第2のLMEループバックデータが前記伝送経路上で前記HLLB経路の各々の位置に関連するピークを備える、第2のLMEをさらに備え、
前記複数の動作パラメータが、前記第1のLMEループバックデータ及び前記第2のLMEループバックデータに基づいて生成される、項目1に記載の光通信システム。
[項目13]
光通信システムにおける光伝送経路をモニタリングする方法であって、前記光伝送経路は前記伝送経路に結合された複数のリピータを含み、前記リピータの各々が高損失ループバック(HLLB)経路を備え、前記方法が、
第1のラインモニタリング機器(LME)テスト信号を前記伝送経路上に送信するステップと、
前記第1のLMEテスト信号に応じて前記伝送経路から第1のLMEループバックデータを受信するステップであって、前記第1のLMEループバックデータが前記伝送経路上で前記HLLB経路の各々の位置に関連するピークを備える、ステップと、
前記第1のLMEループバックデータに基づいてメモリにLMEベースラインデータを記憶するステップと、
前記記憶されたLMEベースラインデータに基づいて前記複数のリピータのうちの1つのリピータに関連する少なくとも1つの動作パラメータを含む報告メッセージをユーザに送信するステップと
を備える方法。
[項目14]
第2のLMEテスト信号を前記伝送経路上に送信するステップと、
前記第2のLMEテスト信号に応じて前記伝送経路から第2のLMEループバックデータを受信するステップであって、前記第2のLMEループバックデータが前記伝送経路上で前記HLLB経路の各々の位置に関連するピークを備える、ステップと
をさらに備え、
前記メモリに記憶された前記LMEベースラインデータが、前記受信された第1及び第2のLMEループバックデータに基づく、項目13に記載の方法。
[項目15]
前記動作パラメータは、出力パワー値、ゲイン値及び/又は増幅器累積ゲインチルト値の少なくとも1つを備える、項目14に記載の方法。
[項目16]
前記報告メッセージが、リクエストメッセージを前記ユーザから受信したことに応じて送信され、前記リクエストメッセージが前記複数のリピータのうちの少なくとも1つのリピータの識別子を含む、項目14に記載の方法。
[項目17]
複数の動作パラメータをメモリに記憶するステップであって、前記複数の動作パラメータが前記受信された第1のLMEループバックデータに基づく、ステップと、
第2のLMEテスト信号が前記第1のLMEによって伝送経路上で送信されたことに応じて前記第2のLMEループバックデータを受信するステップと、
前記受信された第2のLMEループバックデータを前記記憶されたループバックデータと比較して、少なくとも第1の動作パラメータの変化及び前記複数のリピータのうちの関連するリピータを識別するステップと、
前記識別された変化が第1の所定の閾値を超えたことに応じて、前記識別された変化に基づいて、前記複数の動作パラメータのうちの前記関連するリピータに対応する動作パラメータを更新するステップと
をさらに備える項目14に記載の方法。
【外国語明細書】