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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165001
(43)【公開日】2023-11-14
(54)【発明の名称】エレベータかご装置及びエレベータ
(51)【国際特許分類】
   B66B 11/02 20060101AFI20231107BHJP
   B66B 1/06 20060101ALI20231107BHJP
【FI】
B66B11/02 F
B66B1/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023147354
(22)【出願日】2023-09-12
(62)【分割の表示】P 2021176151の分割
【原出願日】2021-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武田 佳祐
(57)【要約】
【課題】 かご扉がかご室の出入口を開くとき及び閉じるときに拘わらず、かご室の内部へ外気を供給することができるエレベータかご装置を提供する。
【解決手段】 エレベータかご装置は、人が出入りするための出入口と、内部の空気を流出するための流出口と、内部へ空気を流入するための流入口と、を有するかご室と、前記出入口を開閉するかご扉と、空気を熱処理する空調部と、前記流出口から前記空調部へ空気を流出する流出部と、前記空調部から前記流入口へ空気を流入する流入部と、を備えるエレベータかご装置であって、前記かご扉が前記出入口を開くとき及び前記かご扉が前記出入口を閉じて前記エレベータかご装置が上下方向へ移動するときの両方において、前記かご室の内部へ外気を供給する外気供給部と、を備える。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人が出入りするための出入口と、内部の空気を流出するための流出口と、内部へ空気を流入するための流入口と、を有するかご室と、
前記出入口を開閉するかご扉と、
空気を熱処理する空調部と、
前記流出口から前記空調部へ空気を流出する流出部と、
前記空調部から前記流入口へ空気を流入する流入部と、を備えるエレベータかご装置であって、
前記かご扉が前記出入口を開くとき及び前記かご扉が前記出入口を閉じて前記エレベータかご装置が上下方向へ移動するときの両方において、前記かご室の内部へ外気を供給する外気供給部と、を備える、エレベータかご装置。
【請求項2】
前記外気供給部は、前記かご室の内部へ外気を供給する状態と供給を停止する状態とを切り替える切替部を備え、
前記エレベータかご装置は、前記かご扉が前記出入口を開くとき及び前記かご扉が前記出入口を閉じて前記エレベータかご装置が上下方向へ移動するときの両方において、前記切替部を制御する制御装置を備える、請求項1に記載のエレベータかご装置。
【請求項3】
空気中の二酸化炭素濃度を検出する二酸化炭素検出部を備え、
前記制御装置は、前記かご扉が前記出入口を開くとき及び前記かご扉が前記出入口を閉じて前記エレベータかご装置が上下方向へ移動するときの両方において、前記二酸化炭素検出部で検出した二酸化炭素濃度が設定濃度以上である場合に前記外気供給部が前記かご室の内部へ外気を供給する状態とし、且つ、前記二酸化炭素検出部で検出した二酸化炭素濃度が前記設定濃度未満である場合に前記外気供給部が前記かご室の内部への外気の供給を停止する状態となるように、前記切替部を制御する、請求項2に記載のエレベータのかご装置。
【請求項4】
前記かご室の内部の重量を検出する重量検出部を備え、
前記制御装置は、前記かご扉が前記出入口を開くとき及び前記かご扉が前記出入口を閉じて前記エレベータかご装置が上下方向へ移動するときの両方において、前記重量検出部で検出した重量が設定値以上である場合に前記外気供給部が前記かご室の内部へ外気を供給する状態とし、且つ、前記重量検出部で検出した重量が前記設定値未満である場合に前記外気供給部が前記かご室の内部への外気の供給を停止する状態となるように、前記切替部を制御する、請求項2に記載のエレベータかご装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記かご扉が前記出入口を開くとき及び前記かご扉が前記出入口を閉じて前記エレベータかご装置が上下方向へ移動するときの両方において、前記外気供給部が前記かご室の内部へ外気を供給する状態と前記外気供給部が前記かご室の内部への外気の供給を停止する状態とが、それぞれの設定時間だけ繰り返されるように、前記切替部を制御する、請求項2に記載のエレベータかご装置。
【請求項6】
前記外気供給部は、前記かご扉が前記出入口を開くとき及び前記かご扉が前記出入口を閉じて前記エレベータかご装置が上下方向へ移動するときの両方において、前記かご室の内部へ外気を供給する状態を維持する、請求項1に記載のエレベータかご装置。
【請求項7】
請求項1~6の何れか1項に記載のエレベータかご装置を備える、エレベータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、エレベータかご装置及びエレベータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、エレベータかご装置は、人が乗るかご室と、かご室の出入口を開閉するかご扉と、かご室の内部へ外気を供給する外気供給部とを備えている(例えば、特許文献1~3)。ところで、特許文献1~3に係るエレベータかご装置においては、かご扉がかご室の出入口を開くとき、又は、かご扉がかご室の出入口を閉じるとき、の何れか一方で、外気がかご室の内部へ供給されている。
【0003】
例えば、特許文献1に係るエレベータかご装置においては、かご扉がかご室の出入口を開くときに、外気がかご室の内部へ供給される一方で、かご扉がかご室の出入口を閉じるときに、かご室の内部への外気の供給が停止されている。また、例えば、特許文献2及び3に係るエレベータかご装置においては、異常なとき、即ち、かご扉がかご室の出入口を閉じたままであるときに、外気がかご室の内部へ供給される一方で、通常のとき、即ち、かご扉がかご室の出入口を開くときに、かご室の内部への外気の供給が停止されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5-278971号公報
【特許文献2】特開2008-143661号公報
【特許文献3】特開平4-41384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、課題は、かご扉がかご室の出入口を開くとき及び閉じるときに拘わらず、かご室の内部へ外気を供給することができるエレベータかご装置及びエレベータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
エレベータかご装置は、
人が出入りするための出入口と、内部の空気を流出するための流出口と、内部へ空気を流入するための流入口と、を有するかご室と、
前記出入口を開閉するかご扉と、
空気を熱処理する空調部と、
前記流出口から前記空調部へ空気を流出する流出部と、
前記空調部から前記流入口へ空気を流入する流入部と、を備えるエレベータかご装置であって、
前記かご扉が前記出入口を開くとき及び前記かご扉が前記出入口を閉じて前記エレベータかご装置が上下方向へ移動するときの両方において、前記かご室の内部へ外気を供給する外気供給部と、を備える。
【0007】
また、エレベータは、前記のエレベータかご装置を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態に係るエレベータの概要図である。
図2図2は、同実施形態に係るかごの内部を示す図である。
図3図3は、同実施形態に係る空調装置の平面図である。
図4図4は、同空調装置の側面図である。
図5図5は、同実施形態に係るエレベータの制御ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、エレベータ及びエレベータかご装置における一実施形態について、図1図5を参照しながら説明する。なお、各図において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0010】
図1に示すように、エレベータ1は、例えば、本実施形態のように、人が乗るためのかご2と、かご2に接続されるかごロープ3と、かごロープ3に接続される釣合錘4と、かごロープ3を駆動してかご2を走行させるかご駆動部5と、かご2を案内するかごレール6と、釣合錘4を案内する錘レール7と、かご2の内部の空調を行う空調装置8と、エレベータ1の各部を制御する制御装置9とを備えていてもよい。なお、少なくともかご2と空調装置8とを備える装置は、エレベータかご装置1aという
【0011】
また、本実施形態のように、エレベータ1は、例えば、昇降路X1と乗場X3とを連通する乗場口を開閉する乗場扉10を備えており、かご2は、例えば、図1及び図2に示すように、人が乗るかご室2aと、かご室2aの出入口2bを開閉するかご扉2cを備えている、という構成でもよい。そして、例えば、かご扉2cが出入口2bを開閉することにより、かご2が停止している乗場X3の乗場扉10も、かご扉2cと連動して、乗場口を開閉する、という構成でもよい。
【0012】
各図において、第1方向D1は、乗場扉10及びかご扉2cが移動する第1横方向D1であり、第2方向D2は、第1横方向D1と直交する第2横方向D2であって、人が出入口2bを通過してかご2に出入りするために進む出入方向であり、第3方向D3は、第1横方向D1及び第2横方向D2とそれぞれ直交する上下方向D3である
【0013】
本実施形態に係るエレベータ1は、かご駆動部5が巻上装置5であるロープ式の駆動方式である、という構成であるが、斯かる構成に限られない。例えば、エレベータ1は、かご駆動部5が油圧装置である油圧式の駆動方式である、という構成でもよく、また、かご駆動部5がリニアモータであるリニアモータ式の駆動方式である、という構成でもよい。
【0014】
また、本実施形態に係るエレベータ1においては、巻上装置5は、昇降路X1の上部に設けられる機械室X2の内部に配置されている、という構成であるが、斯かる構成に限られない。例えば、巻上装置5は、昇降路X1内に配置されている、という構成でもよい。なお、巻上装置5は、例えば、かごロープ3に巻き掛けられる綱車と、綱車を駆動する駆動源(例えば、モータ)とを備えていてもよい。
【0015】
また、本実施形態においては、かごロープ3の一端がかご2に固定され、かごロープ3の他端が釣合錘4に固定されている、という構成であるが、斯かる構成に限られない。例えば、かごロープ3の両端がそれぞれ昇降路X1の上部又は下部に固定され、かごロープ3がかご2のシーブ及び釣合錘4のシーブにそれぞれ巻き掛けられることによって、かごロープ3がかご2及び釣合錘4にそれぞれ接続されている、という構成でもよい。
【0016】
図2に示すように、かご室2aは、例えば、本実施形態のように、かご室2aの内部の空気を外部へ流出する流出口2dと、かご室2aの外部から内部へ空気を流入する流入口2eとを備えていてもよい。特に限定されないが、かご室2aは、例えば、本実施形態のように、天井2fと、床2gと、側壁2hとを備え、流出口2d及び流入口2eは、それぞれ天井2fに配置されている、という構成でもよい。
【0017】
また、かご室2aは、例えば、本実施形態のように、流出口2d及び流入口2eを下方から覆うカバー2iを備えていてもよい。これにより、かご室2aの内部の人が流出口2d及び流入口2eを視認することを抑制することができる。なお、図2は、第2横方向D2の側壁2h(かご扉2cと第2横方向D2で対面する側壁2h)を透過させた図である。
【0018】
図3及び図4に示すように、空調装置8は、例えば、本実施形態のように、空気を熱処理する空調部11と、かご室2aの流出口2dから空調部11へ空気を流出する流出部12と、空調部11からかご室2aの流入口2eへ空気を流入する流入部13と、かご室2aの内部へ外気を供給する外気供給部14とを備えていてもよい。特に限定されないが、空調装置8は、例えば、本実施形態のように、かご2の上部に配置されていてもよい。
【0019】
空調部11は、例えば、本実施形態のように、流出口2dから流入口2eまで空気が流通するように、空気を流通させる流通源11aを備えていてもよい。特に限定されないが、流通源11aは、例えば、ファン(送風機)としてもよい。なお、流通源11aは、例えば、本実施形態のように、空調部11の内部に配置されていてもよく、また、例えば、空調部11の外部(例えば、流出部12の内部、流入部13の内部)に配置されていてもよい。
【0020】
空調部11は、例えば、空気を加熱処理のみ可能(即ち、暖房専用)であってもよく、また、例えば、空気を冷却処理のみ可能(即ち、冷房専用)であってもよく、また、例えば、空気を加熱処理可能で且つ冷却処理可能(即ち、暖房及び冷房兼用)であってもよい。即ち、空調部11は、例えば、空気を加熱及び冷却の少なくとも一方の熱処理を行えればよい。
【0021】
流出部12は、例えば、本実施形態のように、かご室2aの流出口2dを覆うように、かご2に固定される箱状の流出端部12aと、流出端部12aと空調部11とを接続する流出管12bとを備えていてもよい。また、流入部13は、例えば、本実施形態のように、かご室2aの流入口2eを覆うように、かご2に固定される箱状の流入端部13aと、流入端部13aと空調部11とを接続する流入管13bとを備えていてもよい。
【0022】
外気供給部14は、例えば、本実施形態のように、流出部12に外気を供給していてもよい。特に限定されないが、外気供給部14は、例えば、本実施形態のように、流出部12に接続される外気管14aと、動作することによって、流出部12に外気を供給する状態と当該供給を停止する状態とを切り替える切替部14bとを備えていてもよい。
【0023】
これにより、流出口2dから流出した空気(流出空気)A1と外気供給部14による外気A2とを混合した空気(処理前空気)A3が、空調部11に供給され、そして、処理前空気A3を空調部11で熱処理した空気(処理後空気)A4が、流入口2eへ流入する空気(流入空気)A5となる。
【0024】
したがって、外気は、空調部11で熱処理された後に、かご室2aの内部に供給されることになる。その結果、例えば、かご室2aの内部の空気(流出空気A1)の温度と、外気供給部14による外気A2の温度との間に、差が存在していた場合でも、外気がかご室2aの内部に供給されることによって、かご室2aの内部の温度が変化することを抑制することができる。
【0025】
特に限定されないが、切替部14bは、例えば、本実施形態のように、外気管14aを開閉する開閉手段(例えば、ダンパ、バルブ)としてもよい。なお、外気管14aは、例えば、本実施形態のように、流出管12bに接続されていてもよく、また、例えば、流出端部12aに接続されていてもよい。
【0026】
ところで、例えば、本実施形態のように、かご室2aに対する空気の循環流路は、上流側から順に、流出部12、空調部11及び流入部13で構成されていてもよい。そして、当該循環流路への外気の供給箇所は、外気供給部14の接続部14cといい、本実施形態においては、流出部12の流出管12bに接続される外気管14aの端部である。
【0027】
それに対して、流通源11aは、例えば、本実施形態のように、外気供給部14の接続部14cよりも、かご室2aの流入口2e寄りに配置されていてもよい。これにより、流通源11aは、外気供給部14の接続部14cよりも、循環経路の下流側に配置されている。
【0028】
したがって、かご室2aの内部に外気を供給させるために、外気を流通させる流通源11aは、流出口2dから流入口2eまで空気を流通させる流通源11aと、共通させることができる。その結果、例えば、外気を流通させるための流通源を別に設ける必要がない。
【0029】
また、エレベータ1は、例えば、本実施形態のように、空気中の二酸化炭素濃度を検出する二酸化炭素検出部15を備えていてもよい。そして、二酸化炭素検出部15は、例えば、本実施形態のように、流出部12の内部に配置されていてもよい。
【0030】
これにより、二酸化炭素検出部15が、かご室2aの流出口2dよりも外方に配置されているため、かご室2aの内部から二酸化炭素検出部15を視認されることを抑制することができる。したがって、例えば、かご室2aの内部の意匠性が低下することを抑制することができる。
【0031】
しかも、二酸化炭素検出部15が、流出部12の内部に配置されているため、かご室2aの内部から流出して停滞することなく流通する空気が、二酸化炭素検出部15で検出される。これにより、かご室2aの内部の空気の二酸化炭素濃度を正確に測定することができる。
【0032】
さらに、二酸化炭素検出部15は、例えば、本実施形態のように、流出端部12aの内部に配置されていてもよい。これにより、二酸化炭素検出部15は、外気供給部14の接続部14cよりも、循環経路の上流側に配置されている。したがって、外気が混合する前の空気の二酸化炭素濃度を検出することができるため、かご室2aの内部の空気の二酸化炭素濃度をさらに正確に測定することができる。
【0033】
なお、二酸化炭素検出部15で検出した空気中の二酸化炭素濃度は、例えば、二酸化炭素検出部15自身で測定される、という構成でもよい。即ち、二酸化炭素検出部15は、空気中の二酸化炭素濃度を測定する二酸化炭素濃度測定装置である、という構成でもよい。
【0034】
また、例えば、二酸化炭素検出部15で検出した空気中の二酸化炭素濃度は、二酸化炭素検出部15と離れて(例えば、流出部12の外部に)配置される二酸化炭素濃度測定装置の測定部によって、測定される、という構成でもよい。即ち、二酸化炭素検出部15は、二酸化炭素濃度測定装置のセンサや空気の吸い込み口である、という構成でもよい。
【0035】
図5に示すように、エレベータ1は、例えば、本実施形態のように、かご室2aの内部の重量を検出する重量検出部16と、空気の温度を検出する温度検出部17と、各種情報が入力される入力部18と、各種情報が出力される出力部19とを備えていてもよい。
【0036】
重量検出部16は、例えば、本実施形態のように、かご室2aの床2gの下方に配置されるロードセル(図2参照)であってもよい。なお、重量検出部16は、特に限定されず、例えば、かごロープ3の端部に配置されるばね式吊り測りであってもよい。
【0037】
温度検出部17は、例えば、かご室2aの空気温度を測定するために、かご室2aの内部に配置されていてもよい。また、温度検出部17は、例えば、処理前空気A3(図3参照)の温度を測定するために、流出部12の内部(具体的には、外気供給部14の接続部14cと空調部11との間)に、配置されていてもよい。また、温度検出部17は、処理後空気A4(図3及び図4参照)の温度を測定するために、流入部13の内部に配置されていてもよい。
【0038】
入力部18は、例えば、本実施形態のように、かご室2aの内部に配置されるかご入力部18a(図2も参照)と、乗場X3に配置される乗場入力部18b(図1も参照)と、かご室2aの内部(又は外部)に配置される空調入力部18cとを備えていてもよい。特に限定されないが、入力部18,18a~18cは、例えば、スイッチ(押しボタンスイッチ、セレクトスイッチ等)、タッチパネル等としてもよい。
【0039】
出力部19は、例えば、本実施形態のように、かご室2aの内部に配置されるかご出力部19a(図2も参照)と、乗場X3に配置される乗場出力部19b(図1も参照)とを備えていてもよい。特に限定されないが、出力部19,19a~19bは、例えば、表示部(例えば、表示板、表示灯)、音声部(例えば、ブザー、スピーカ)等としてもよい。
【0040】
制御装置9は、例えば、本実施形態のように、各情報(データ)を取得する取得部9aと、各情報を記憶する記憶部9bと、各情報を演算する演算部9cと、各部5,8,19を制御する制御部9dとを備えていてもよい。
【0041】
なお、制御装置9は、CPU及びMPU等のプロセッサ(例えば、演算部9c、制御部9d)、ROM及びRAM等のメモリ(例えば、取得部9a、記憶部9b)、各種インターフェイス(例えば、取得部9a)等を備えるコンピュータである。そして、メモリに格納されたプログラムをプロセッサが実行し、ソフトウェア及びハードウェアが協働することによって、制御装置9の各部9a~9dが実現されている。
【0042】
制御装置9は、例えば、一つの装置で構成されていてもよく、また、例えば、互いに通信可能な複数の装置で構成されていてもよい。具体的には、制御装置9の各部9a~9dは、例えば、一つの装置に備えられていてもよく、また、例えば、互いに通信可能な複数の装置に分散して備えられていてもよい。特に限定されないが、例えば、空調装置8を制御する制御装置9は、かご2の上部に配置され、かご駆動部5を制御する制御装置9は、機械室X2の内部に配置されている、という構成でもよい。
【0043】
本実施形態に係るエレベータ1の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係る空調装置8の空調方法について説明する。なお、エレベータ1の構成は、上記の構成に限定されず、また、空調装置8の空調方法は、以下の方法に限定されない。
【0044】
まず、例えば、温度検出部17が温度を検出し、検出した温度が設定温度となるように、制御装置9は、空調部11を制御してもよい。これにより、例えば、かご室2a、流出部12、空調部11、及び流入部13を空気が循環し、空調部11が空気を熱処理するため、かご室2aの内部の温度を設定温度にすることができる。
【0045】
このとき、二酸化炭素検出部15が空気中の二酸化炭素濃度を検出し、検出した濃度が設定濃度を超えないように、制御装置9は、外気供給部14の切替部14bを制御してもよい。例えば、検出した濃度が設定濃度以上である場合に、外気供給部14がかご室2aの内部へ外気を供給する状態とし、検出した濃度が設定濃度未満である場合に、外気供給部14がかご室2aの内部への外気の供給を停止する状態としてもよい。
【0046】
なお、当該制御は、かご2が乗場X3に位置してかご扉2cがかご室2aの出入口2bを開くときも、かご扉2cがかご室2aの出入口2bを閉じてかご2が上下方向D3へ移動するときも、同じように行われる。これにより、かご扉2cがかご室2aの出入口2bを開くとき及び閉じるときに拘らず、空気中の二酸化炭素濃度に応じて、かご室2aの内部へ外気を供給することができる。
【0047】
したがって、例えば、二酸化炭素検出部15で検出した空気中の二酸化炭素濃度が設定濃度を超えないように、かご室2aの内部を効率的に換気することができる。なお、特に限定されないが、例えば、設定温度、設定濃度、空調部11の熱処理方式(加熱又は冷却)等の情報は、空調入力部18cに入力されることによって、設定されてもよい。
【0048】
また、特に限定されないが、例えば、出力部19(特に、かご出力部19a)は、二酸化炭素検出部15で検出した空気中の二酸化炭素濃度を出力(例えば、表示)してもよい。また、特に限定されないが、例えば、かご室2aの内部に外気が供給されているときに、出力部19(特に、かご出力部19a、乗場出力部19b)は、かご室2aの内部に外気が供給されていることを出力(例えば、表示)してもよい。
【0049】
以上より、本実施形態のように、エレベータ1は、前記のエレベータかご装置1aを備える。
【0050】
そして、本実施形態のように、エレベータかご装置1aは、人が出入りするための出入口2bと内部の空気を流出するための流出口2dと内部へ空気を流入するための流入口2eとを有するかご室2aと、前記出入口2bを開閉するかご扉2cと、空気を熱処理する空調部11と、前記流出口2dから前記空調部11へ空気を流出する流出部12と、前記空調部11から前記流入口2eへ空気を流入する流入部13と、前記かご扉2cが前記出入口2bを開くとき及び閉じるときに、前記かご室2aの内部へ外気を供給する外気供給部14と、を備える。
【0051】
斯かる構成によれば、かご扉2cがかご室2aの出入口2bを開くとき及び閉じるときに、外気供給部14は、かご室2aの内部へ外気を供給する。これにより、かご扉2cがかご室2aの出入口2bを開くとき及び閉じるときに拘らず、かご室2aの内部へ外気を供給することができる。
【0052】
また、本実施形態のように、エレベータかご装置1aにおいては、前記外気供給部14は、前記流出部12に外気を供給する、という構成が好ましい。
【0053】
斯かる構成によれば、外気は、流出部12に供給され、空調部11は、外気を含む流出部12からの空気を熱処理する。これにより、空調部11で熱処理された外気が、かご室2aの内部に供給される。
【0054】
また、本実施形態のように、エレベータかご装置1aは、空気中の二酸化炭素濃度を検出する二酸化炭素検出部15と、前記外気供給部14が前記かご室2aの内部へ外気を供給する状態と供給を停止する状態とを切り替える切替部14bと、前記切替部14bを制御する制御装置9と、を備え、前記制御装置9は、前記二酸化炭素検出部15の検出に基づいて、前記切替部14bを制御する、という構成が好ましい。
【0055】
斯かる構成によれば、切替部14bは、かご室2aの内部へ外気を供給する状態と供給を停止する状態とを切り替える。そして、二酸化炭素検出部15が、空気中の二酸化炭素濃度を検出し、制御装置9は、二酸化炭素検出部15の検出に基づいて、切替部14bを制御する。これにより、空気中の二酸化炭素濃度に応じて、かご室2aの内部に外気を供給することができる。
【0056】
また、本実施形態のように、エレベータかご装置1aにおいては、前記二酸化炭素検出部15は、前記流出部12の内部に配置される、という構成が好ましい。
【0057】
斯かる構成によれば、二酸化炭素検出部15が、流出部12の内部に配置されているため、二酸化炭素検出部15は、かご室2aの流出口2dよりも外方に配置されている。これにより、かご室2aの内部から二酸化炭素検出部15を視認されることを抑制することができる。
【0058】
しかも、二酸化炭素検出部15が、流出部12の内部に配置されているため、かご室2aの内部から流出する空気が、二酸化炭素検出部15で検出される。これにより、かご室2aの内部の空気の二酸化炭素濃度を正確に測定することができる。
【0059】
なお、エレベータ1及びエレベータかご装置1aは、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、エレベータ1及びエレベータかご装置1aは、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0060】
(1)上記実施形態に係るエレベータかご装置1aにおいては、外気を流通させる流通源11aは、流出口2dから流入口2eまで空気を流通させる流通源11aと、共通である、という構成である。しかしながら、エレベータかご装置1aは、斯かる構成に限られない。例えば、外気を流通させる流通源は、外気管14aの内部に配置され、流出口2dから流入口2eまで空気を流通させるための流通源11aと別に設けられる、という構成でもよい。
【0061】
(2)また、上記実施形態に係るエレベータかご装置1aにおいては、外気供給部14は、流出部12に外気を供給することによって、かご室2aの内部に外気を供給する、という構成である。しかしながら、エレベータかご装置1aは、斯かる構成に限られない。
【0062】
例えば、外気供給部14は、空調部11に外気を供給することによって、かご室2aの内部に外気を供給する、という構成でもよい。また、例えば、外気供給部14は、流出部12に外気を供給することによって、かご室2aの内部に外気を供給する、という構成でもよい。また、例えば、外気供給部14は、空調部11、流出部12及び流入部13を経由することなく、かご室2aの内部に外気を直接に供給する、という構成でもよい。
【0063】
(3)また、上記実施形態に係るエレベータかご装置1aにおいては、二酸化炭素検出部15は、流出部12の内部に配置される、という構成である。しかしながら、エレベータかご装置1aは、斯かる構成に限られない。例えば、二酸化炭素検出部15は、かご室2aの内部に配置される、という構成でもよい。
【0064】
(4)また、上記実施形態に係るエレベータかご装置1aにおいては、制御装置9は、二酸化炭素検出部15の検出に基づいて、切替部14bを制御する、という構成である。しかしながら、エレベータかご装置1aは、斯かる構成に限られない。
【0065】
(4-1)例えば、制御装置9は、重量検出部16の検出に基づいて、切替部14bを制御する、という構成でもよい。斯かる構成によれば、重量検出部16が、かご室2aの内部の重量を検出し、制御装置9は、重量検出部16の検出に基づいて、切替部14bを制御する。これにより、かご室2aの内部の重量に応じて、かご室2aの内部に外気を供給することができる。
【0066】
特に限定されないが、例えば、かご室2aの内部の重量が設定値以上である場合に、外気供給部14がかご室2aの内部へ外気を供給する状態とし、かご室2aの内部の重量が設定値未満である状態が設定時間だけ継続した場合に、外気供給部14がかご室2aの内部への外気の供給を停止する状態としてもよい。これにより、例えば、かご室2aの内部に人が存在してから、かご室2aの内部に人が存在しなくなった状態が設定時間を経過するまで、かご室2aの内部へ外気を供給することができる。
【0067】
また、特に限定されないが、例えば、かご室2aの内部の重量が設定値以上である場合に、外気供給部14がかご室2aの内部へ外気を供給する状態とし、かご室2aの内部の重量が設定値未満である場合に、外気供給部14がかご室2aの内部への外気の供給を停止する状態としてもよい。
【0068】
また、特に限定されないが、制御装置9は、二酸化炭素検出部15及び重量検出部16のそれぞれの検出に基づいて、切替部14bを制御する、という構成でもよい。例えば、かご室2aの内部の重量が設定値以上である場合に、外気供給部14がかご室2aの内部へ外気を供給する状態とし、二酸化炭素検出部15で検出した空気中の二酸化炭素濃度が設定濃度未満である場合に、外気供給部14がかご室2aの内部への外気の供給を停止する状態としてもよい。
【0069】
(4-2)また、例えば、制御装置9は、時間に基づいて、切替部14bを制御する、という構成でもよい。特に限定されないが、例えば、外気供給部14がかご室2aの内部へ外気を供給する状態と、外気供給部14がかご室2aの内部への外気の供給を停止する状態とが、それぞれの設定時間だけ、繰り返される、という構成でもよい。
【0070】
(4-3)また、例えば、外気供給部14は、切替部14bを備えておらず、常に、かご室2aの内部へ外気を供給する状態を維持する、という構成でもよい。特に限定されないが、例えば、外気管14aは、常に、開放されている、という構成でもよい。
【0071】
(5)また、例えば、エレベータかご装置1aにおいては、制御装置9は、二酸化炭素検出部15の検出に基づいて、外気供給部14によって供給される外気の量を制御する、という構成でもよい。特に限定されないが、例えば、二酸化炭素濃度が高いほど、供給される外気の量を多くすることによって、かご室2aの内部へ外気を効率的に供給することができる。
【符号の説明】
【0072】
1…エレベータ、1a…エレベータかご装置、2…かご、2a…かご室、2b…出入口、2c…かご扉、2d…流出口、2e…流入口、2f…天井、2g…床、2h…側壁、2i…カバー、3…かごロープ、4…釣合錘、5…かご駆動部(巻上装置)、6…かごレール、7…錘レール、8…空調装置、9…制御装置、9a…取得部、9b…記憶部、9c…演算部、9d…制御部、10…乗場扉、11…空調部、11a…流通源、12…流出部、12a…流出端部、12b…流出管、13…流入部、13a…流入端部、13b…流入管、14…外気供給部、14a…外気管、14b…切替部、14c…接続部、15…二酸化炭素検出部、16…重量検出部、17…温度検出部、18…入力部、18a…かご入力部、18b…乗場入力部、18c…空調入力部、19…出力部、19a…かご出力部、19b…乗場出力部、D1…第1横方向、D2…第2横方向、D3…上下方向、X1…昇降路、X2…機械室、X3…乗場
図1
図2
図3
図4
図5