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特開2023-16503試験用キャリア、及び、電子部品試験装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023016503
(43)【公開日】2023-02-02
(54)【発明の名称】試験用キャリア、及び、電子部品試験装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/26 20200101AFI20230126BHJP
【FI】
G01R31/26 J
G01R31/26 Z
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021120855
(22)【出願日】2021-07-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】390005175
【氏名又は名称】株式会社アドバンテスト
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清川 敏之
(72)【発明者】
【氏名】山田 祐也
【テーマコード(参考)】
2G003
【Fターム(参考)】
2G003AA08
2G003AD03
2G003AG01
2G003AG11
2G003AH07
(57)【要約】
【課題】DUTの温度調整の効率化を図ることができる試験用キャリアを提供する。
【解決手段】DUT90を収容した状態で搬送される試験用キャリア1は、試験用キャリア1の外部から供給される空気が流通する流路63を備える。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
DUTを収容した状態で搬送される試験用キャリアであって、
前記試験用キャリアの外部から供給される流体が流通する第1の流路を備える試験用キャリア。
【請求項2】
請求項1に記載の試験用キャリアであって、
前記第1の流路は、
前記試験用キャリアに形成された流通孔と、
前記流通孔の一端と連通する第1の接続口と、
前記流通孔の他端と連通する第2の接続口と、を含み、
前記流体は、前記第1の接続口から前記流通孔に供給され、前記第2の接続口から排出される試験用キャリア。
【請求項3】
請求項2に記載の試験用キャリアであって、
前記試験用キャリアは、
前記DUTを保持するキャリア本体と、
前記DUTを覆うと共に前記キャリア本体に着脱可能に固定される蓋部材と、を備え、
前記流通孔は、前記蓋部材の内部に形成されており、
前記第1及び前記第2の接続口は、前記蓋部材に設けられている試験用キャリア。
【請求項4】
請求項3に記載の試験用キャリアであって、
前記流体は、前記試験用キャリアをテストヘッドのソケットに押圧する押圧手段から前記第1の流路に供給される試験用キャリア。
【請求項5】
請求項4に記載の試験用キャリアであって、
前記第1及び前記第2の接続口は、前記試験用キャリアにおいて前記押圧手段と対向する位置に配置されている試験用キャリア。
【請求項6】
請求項3~5のいずれか一項に記載の試験用キャリアであって、
前記キャリア本体は、
前記DUTの端子に対応するように設けられた複数の接触子と、
前記接触子に電気的に接続された複数の外部端子と、
前記接触子と前記外部端子を保持する本体部と、を備えた試験用キャリア。
【請求項7】
請求項6に記載の試験用キャリアであって、
前記蓋部材は、前記DUTに接触する接触面を有しており、
前記DUTは、前記接触面と前記接触子との間に挟持される試験用キャリア。
【請求項8】
請求項2に記載の試験用キャリアであって、
前記試験用キャリアは、
前記DUTを保持するキャリア本体と、
前記DUTを覆うと共に前記キャリア本体に着脱可能に固定される蓋部材と、を備え、
前記流通孔は、前記キャリア本体の内部に形成されており、
前記第1及び前記第2の接続口は、前記キャリア本体に設けられている試験用キャリア。
【請求項9】
DUTを試験する電子部品試験装置であって、
ソケットを有するテストヘッドと、
請求項1~7のいずれか一項に記載の試験用キャリアを前記ソケットに押圧する押圧手段と、を備え、
前記流体は、前記押圧手段から前記第1の流路に供給される電子部品試験装置。
【請求項10】
請求項9に記載の電子部品試験装置であって、
前記押圧手段は、
前記押圧手段が前記試験用キャリアに接触することで前記第1の流路と連通する第3の接続口と、
前記第3の接続口と接続する第2の流路と、を備え、
前記押圧手段が前記試験用キャリアを前記ソケットに押圧している状態で、前記第2の流路を経由して前記第1の流路に前記流体が供給される電子部品試験装置。
【請求項11】
請求項10に記載の電子部品試験の装置であって、
前記押圧手段は、
前記テストヘッドに着脱可能に接続されて前記テストヘッドから前記流体を受け入れる第4の接続口を備え、
前記第4の接続口は、前記第2の流路に接続されており、
前記押圧手段が前記試験用キャリアを前記ソケットに押圧している状態で、前記テストヘッドから前記第2の流路を経由して前記第1の流路に前記流体が供給される電子部品試験装置。
【請求項12】
請求項11に記載の電子部品試験装置であって、
前記押圧手段は、前記テストヘッドが有するソケットガイドに形成された第1の接続孔に嵌合可能な第1の接続ピンを備えており、
前記第2の流路の一部は、前記第1の接続ピンの内部に設けられ、
前記第3の接続口は、前記第1の接続ピンに形成されている電子部品試験装置。
【請求項13】
請求項9~12のいずれか一項に記載の電子部品試験装置であって、
前記押圧手段は、
前記押圧手段が前記試験用キャリアに接触することで前記第1の流路と連通する第5の接続口と、
前記第5の接続口と連通する第3の流路と、を備え、
前記押圧手段が前記試験用キャリアを前記ソケットに押圧している状態で、前記第1の流路に供給された前記流体は、前記第3の流路に流通する電子部品試験装置。
【請求項14】
請求項13に記載の電子部品試験装置であって、
前記押圧手段は、前記第1の流路に供給された前記流体を、前記第3の流路から前記押圧手段の外部に排出する電子部品試験装置。
【請求項15】
請求項13に記載の電子部被試験装置であって、
前記押圧手段は、前記テストヘッドに着脱可能に接続されて前記テストヘッドへ前記流体を排出する第6の接続口をさらに備え、
前記第3の流路は、前記第5の接続口と前記第6の接続口を接続しており、
前記第1の流路に供給された前記流体は、前記第3の流路を経由して前記テストヘッドへ排出される電子部品試験装置。
【請求項16】
請求項15に記載の電子部品試験装置であって、
前記押圧手段は、前記テストヘッドが有するソケットガイドに形成された第2の接続孔に嵌合可能な第2の接続ピンを備えており、
前記第3の流路の一部は、前記第2の接続ピンの内部に設けられ、
前記第6の接続口は、前記第2の接続ピンに形成されている電子部品試験装置。
【請求項17】
DUTを試験する電子部品試験装置であって、
ソケットを有するテストヘッドと、
請求項1、2、又は、8に記載の試験用キャリアを前記ソケットに押圧する押圧手段と、を備え、
前記流体は、前記テストヘッドから前記第1の流路に供給される電子部品試験装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路素子等の被試験電子部品(以下、単に「DUT」(Device Under Test)と称する。)の試験を行う際に、DUTを収容した状態で搬送される試験用キャリア、及び、電子部品試験装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子部品試験装置として、被試験ICを加熱及び冷却する機構を備え、被試験ICの温度負荷試験を行うものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-162268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の電子部品試験装置では、被試験ICに温風または冷風を直接吹き付けることで、当該被試験ICの温度調整を行う。上記の試験装置を用いて試験用キャリアに収容された状態のDUTの試験を行う場合、DUTに冷風を直接吹き付けることができず、試験用キャリアが熱抵抗となるため、DUTの冷却が不十分となることでDUTが破損してしまう場合がある、という問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、DUTの温度調整の効率化を図ることができる試験用キャリア及び電子部品試験装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]本発明に係る試験用キャリアは、DUTを収容した状態で搬送される試験用キャリアであって、前記試験用キャリアの外部から供給される流体が流通する第1の流路を備える試験用キャリアである。
【0007】
[2]上記発明において、前記試験用キャリア第1の流路は、前記試験用キャリアに形成された流通孔と、前記流通孔の一端と連通する第1の接続口と、前記流通孔の他端と連通する第2の接続口と、を含み、前記流体は、前記第1の接続口から前記流通孔に供給され、前記第2の接続口から排出されてもよい。
【0008】
[3]上記発明において、前記試験用キャリアは、前記DUTを保持するキャリア本体と、前記DUTを覆うと共に前記キャリア本体に着脱可能に固定される蓋部材と、を備え、前記流通孔は、前記蓋部材の内部に形成されており、前記第1の接続口及び前記第2の接続口は、前記蓋部材に設けられていてもよい。
【0009】
[4]上記発明において、前記流体は、前記試験用キャリアをテストヘッドのソケットに押圧する押圧手段から前記第1の流路に供給されてもよい。
【0010】
[5]上記発明において、前記第1及び前記第2の接続口は、前記試験用キャリアにおいて前記押圧手段と対向する位置に配置されていてもよい。
【0011】
[6]上記発明において、前記キャリア本体は、前記DUTの端子に対応するように設けられた複数の接触子と、前記接触子に電気的に接続された複数の外部端子と、前記接触子と前記外部端子が保持する本体部と、を備えていてもよい。
【0012】
[7]上記発明において、前記蓋部材は、前記DUTに接触する接触面を有しており、前記DUTは、前記接触面と前記接触子との間に挟持されてもよい。
【0013】
[8]上記発明において、前記試験用キャリアは、前記DUTを保持するキャリア本体と、前記DUTを覆うと共に前記キャリア本体に着脱可能に固定される蓋部材と、を備え、前記流通孔は、前記キャリア本体の内部に形成されており、前記第1及び前記第2の接続口は、前記キャリア本体に設けられていてもよい。
【0014】
[9]上記発明において、前記流体は、前記DUTを試験する電子部品試験装置のテストヘッドから前記第1の流路に供給されてもよい。
【0015】
[10]上記発明において、前記第1の接続口及び前記第2の接続口は、前記試験用キャリアにおいて前記テストヘッドと対向する位置に配置されていてもよい。
【0016】
[11]上記発明において、前記第1の接続口及び前記第2の接続口は、前記試験用キャリアにおいて前記テストヘッドのソケットと対向する位置に配置されていてもよい。
【0017】
[12]上記発明において、前記キャリア本体は、前記DUTの端子に対応するように設けられた複数の接触子と、前記接触子に電気的に接続された複数の外部端子と、前記接触子と前記外部端子が保持する本体部と、を備えていてもよい。
【0018】
[13]上記発明において、前記蓋部材は、前記DUTに接触する接触面を有しており、前記DUTは、前記接触面と前記接触子との間に挟持されてもよい。
【0019】
[14]上記発明において、前記試験用キャリアは、複数の前記第1の接続口を備えていてもよい。
【0020】
[15]上記発明において、前記試験用キャリアは、複数の前記第2の接続口を備えていてもよい。
【0021】
[16]上記発明において、前記試験用キャリアは、複数の前記流通孔を備えていてもよい。
【0022】
[17]本発明に係る電子部品試験装置は、DUTを試験する電子部品試験装置であって、ソケットを有するテストヘッドと、上記発明における試験用キャリアを前記ソケットに押圧する押圧手段と、を備え、前記流体は、前記押圧手段から前記第1の流路に供給される電子部品試験装置である。
【0023】
[18]上記発明において、前記押圧手段は、前記押圧手段が前記試験用キャリアに接触することで前記第1の流路と連通する第3の接続口と、前記第3の接続口と第2の流路と、を備え、前記押圧手段が前記試験用キャリアを前記ソケットに押圧している状態で、前記第2の流路を経由して前記第1の流路に前記流体が供給されてもよい。
【0024】
[19]上記発明において、前記押圧手段は、前記テストヘッドに着脱可能に接続されて前記テストヘッドから前記流体を受け入れる第4の接続口を備え、前記第4の接続口は、前記第2の流路に接続されており、前記押圧手段が前記試験用キャリアを前記ソケットに押圧している状態で、前記テストヘッドから前記第2の流路を経由して前記第1の流路に前記流体が供給されてもよい。
【0025】
[20]上記発明において、前記押圧手段は、前記テストヘッドが有するソケットガイドに形成された第1の接続孔に嵌合可能な第1の接続ピンを備えており、前記第2の流路の一部は、前記第1の接続ピンの内部に設けられ、前記第3の接続口は、前記第1の接続ピンに形成されていてもよい。
【0026】
[21]上記発明において、前記押圧手段は、前記押圧手段が前記試験用キャリアに接触することで前記第1の流路と連通する第5の接続口と、前記第5の接続口と連通する第3の流路と、を備え、前記押圧手段が前記試験用キャリアを前記ソケットに押圧している状態で、前記第1の流路に供給された前記流体は、前記第3の流路に流通してもよい。
【0027】
[22]上記発明において、前記押圧手段は、前記第1の流路に供給された前記流体を、前記第3の流路から前記押圧手段の外部に排出してもよい。
【0028】
[23]上記発明において、前記押圧手段は、前記テストヘッドに着脱可能に接続されて前記テストヘッドへ前記流体を排出する第6の接続口をさらに備え、前記第3の流路は、前記第5の接続口と前記第6の接続口を接続しており、前記第1の流路に供給された前記流体は、前記第3の流路を経由して前記テストヘッドへ排出されてもよい。
【0029】
[24]上記発明において、前記押圧手段は、前記テストヘッドが有するソケットガイドに形成された第2の接続孔に嵌合可能な第2の接続ピンを備えており、前記第3の流路の一部は、前記第2の接続ピンの内部に設けられ、前記第6の接続口は、前記第2の接続ピンに形成されていてもよい。
【0030】
[25]本発明に係る電子部品試験装置は、DUTを試験する電子部品試験装置であって、ソケットを有するテストヘッドと、上記発明における試験用キャリアを前記ソケットに押圧する押圧手段と、を備え、前記流体は、前記テストヘッドから前記第1の流路に供給される電子部品試験装置である。
【0031】
[26]上記発明において、前記流体は、前記テストヘッドから前記第1の接続口を介して前記流通孔に供給され、前記第2の接続口から前記テストヘッドへ排出されてもよい。
【発明の効果】
【0032】
本発明に係る試験用キャリアは、外部から供給される流体が流通する第1の流路を備えている。これにより、試験用キャリアに収容されたDUTの近傍を流体が流通するため、熱抵抗の低減を図ることができ、DUTの温度調整の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、本発明の実施形態における電子部品試験装置の全体構成を示す概略断面図である。
図2図2は、本発明の実施形態における試験用キャリアを上方から見た斜視図である。
図3図3は、本発明の実施形態における試験用キャリアを下方から見た斜視図である。
図4図4は、本発明の実施形態における試験用キャリアの分解斜視図である。
図5図5は、本発明の実施形態における試験用キャリアを示す断面図であり、図2のV-V線に沿った図である。
図6図6は、本発明の実施形態における試験用キャリアを示す断面図であり、図2のVI-VI線に沿った図である。
図7図7は、本発明の実施形態における試験用キャリアを示す分解断面図である。
図8図8は、本発明の実施形態における試験用キャリアのポゴピンを示す断面図であり、図7のVIII部の拡大図である。
図9図9は、本発明の実施形態における試験用キャリアのキャリア本体の変形例を示す分解断面図である。
図10図10は、本発明の実施形態における電子部品試験装置による試験の様子を示す断面図(その1)であり、図1のX部を示す拡大図断面図である。
図11図11は、本発明の実施形態における電子部品試験装置による試験の様子を示す断面図(その2)である。
図12図12は、本発明の実施形態における電子部品試験装置の第1変形例を示す図である。
図13図13は、本発明の実施形態における電子部品試験装置の第2変形例及び試験用キャリアの変形例を示す図である。
図14図14は、本発明の実施形態における電子部品試験装置の第3変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0035】
図1は本実施形態における電子部品試験装置の全体構成を示す概略断面図である。
【0036】
本実施形態における電子部品試験装置100は、DUT90の電気的特性を試験する装置である。この電子部品試験装置100は、DUTをソケット320に押圧するハンドラ200を備えている。このハンドラ200は、DUTをソケット320に対して機械的に位置決めする位置決め機構を備えており、所謂ファインピッチのDUTのための画像処理を用いた高精度な位置決め機構は備えていない。一方で、本実施形態におけるDUT90は、半導体ウェハがダイシングされて形成されたダイであり、ファインピッチのパッド91を有している。このため、電子部品試験装置100によってDUT90の試験を行う際には、試験用キャリア1が用いられる。
【0037】
本実施形態では、半導体ウェハがダイシングされたDUT90が形成されると、先ず、キャリア組立装置(不図示)を用いてDUT90を試験用キャリア1に収容する。そして、試験用キャリア1にDUT90を収容したままの状態で、この試験用キャリア1がデバイス搬送用のテストトレイ(不図示)に搭載される。テストトレイに搭載された状態の試験用キャリア1を電子部品試験装置100のテストヘッド300のソケット320に押圧し、試験用キャリア1を介してDUT90とソケット320とを電気的に接続して、DUT90の試験を実行する。そして、この試験が終了したら、テストトレイから試験用キャリア1を取り出した後、当該試験用キャリア1を分解してDUT90を取り出す。なお、DUT90が取り出された試験用キャリア1は、別のDUT90の試験に再利用される。
【0038】
テストトレイとしては、パッケージングされた既存のデバイスに用いられるものを流用することができる。こうしたテストトレイは、枠状のフレームと、当該フレームに保持された複数のインサート600(後述)と、を備えている。このテストトレイのインサート600に試験用キャリア1を保持する。インサート600の外形は、既存のデバイスの外形に合わせて作られており、このインサート600を用いることで試験用キャリア1を既存のテストトレイに搭載して搬送することが可能となっている。テストトレイ及びインサート600としては、例えば、国際公開第2003/075024号、及び、国際公開第2009/069189号等に記載された公知のものを使用することができる。
【0039】
次に、本実施形態における試験用キャリア1の構成について、図2図7を参照しながら、以下に説明する。
【0040】
図2及び図3は本実施形態における試験用キャリアを示す斜視図、図4は本実施形態における試験用キャリアの分解斜視図、図5及び図6は本実施形態における試験用キャリアを示す断面図、図7は本実施形態における試験用キャリアを示す分解断面図、図8は本実施形態における試験用キャリアのポゴピンを示す断面図である。
【0041】
本実施形態における試験用キャリア1は、図2図7に示すように、DUT90を保持するキャリア本体10と、そのDUT90を覆うと共にキャリア本体10に着脱可能に固定される蓋部材60と、を備えている。この試験用キャリア1では、キャリア本体10と蓋部材60との間にDUT90を挟むことで、DUT90が試験用キャリア1の内部に収容される。なお、この試験用キャリア1は、特開2019-197012号公報に記載されているキャリアの構成と、基本的に同一の構成を有している。本実施形態における試験用キャリア1が、本発明における「試験用キャリア」の一例に相当する。
【0042】
キャリア本体10は、本体部15と、本体部15に取り付けられた筒状体40と、を備えている。本実施形態におけるキャリア本体10が本発明における「キャリア本体」の一例に相当する。
【0043】
本体部15は、保持板20とインタポーザ30を備えている。本体部15は、ポゴピン21(後述)及び外部端子32(後述)をキャリア本体10に保持している。本実施形態における本体部15が、本発明における「本体部」の一例に相当する。
【0044】
保持板20は、複数のポゴピン21を保持している。このポゴピン21は、DUT90のパッド91に対向するようにピッチP図4参照)で配列されている。それぞれのポゴピン21は、図8に示すように、プランジャ22と、固定部23と、コイルスプリング24と、を備えている。本実施形態におけるポゴピン21が、本発明における「接触子」の一例に相当する。
【0045】
ポゴピン21は、保持板20の保持孔20aにそれぞれ挿入されている。そして、プランジャ22のフランジ22aが保持孔20aの段差20bに係止することで、プランジャ22の上限位置が制限されている。この上限位置において、プランジャ22の先端が保持孔20aの上側の開口20cから突出している。固定部23は、保持孔20aの反対側の開口20dに位置する後端部23aと、当該後端部23aから先端(上方)に向かって延在する軸部23bと、を備えている。この軸部23bがコイルスプリング24に挿入されており、プランジャ22のフランジ22aと固定部23の後端部23aとの間にコイルスプリング24が介在している。DUT90が試験用キャリア1に収容されると、プランジャ22がDUT90のパッド91に接触して、コイルスプリング24の弾性力によってプランジャ22がパッド91を押圧し、DUT90はポゴピン21に保持される。
【0046】
また、この保持板20には、当該保持板20を貫通する4つの開口25が形成されている(図5参照)。それぞれの開口25は、DUT90の下面に矩形状に配列された複数のバンプ92の中で角部に位置しているバンプ92に対向するように配置されている。
【0047】
インタポーザ30は、保持板20の下面に重ねられており、螺子締め等によって保持板20に固定されている。図4図6に示すように、このインタポーザ30は、内部端子31と、外部端子32と、配線パターン33と、を有している。
【0048】
内部端子31は、インタポーザ30の上面に設けられている。この内部端子31は、保持板20に保持されたポゴピン21に対向するようにピッチPで配列されており、当該ポゴピン21の固定部23がこの内部端子31に接触している。
【0049】
外部端子32は、インタポーザ30の下面に設けられており、試験用キャリア1の外部に露出している。この外部端子32は、DUT90の試験の際に電子部品試験装置100のソケット320の接触子321(図10図12参照)が電気的に接続される端子であり、内部端子31のピッチPよりも広いピッチP図3参照)で配列されている(P>P)。内部端子31と外部端子32は配線パターン33によって接続されている。本実施形態における外部端子32が本発明における「外部端子」の一例に相当する。
【0050】
また、図3に示すように、このインタポーザ30には、当該インタポーザ30を貫通する4つの開口34が形成されている。それぞれの開口34は、上述の保持板20の開口25と実質的に一致するように配置されている。従って、この開口25,34によって、キャリア本体10を直線状に貫通する第1の貫通孔11が形成されている。この第1の貫通孔11を介して、DUT90の一部を外部から見ることが可能となっている。この第1の貫通孔11は、試験用キャリア1の組立の際に、DUT90を当該試験用キャリア1に対して高精度に位置決めするために使用される。
【0051】
図9は本実施形態における試験用キャリアの本体の変形例を示す分解断面図である。
【0052】
本実施形態では、DUT90のパッド91に接触する接触子として、ポゴピン21を用いているが、接触子としてポゴピン21以外のものを用いてもよい。例えば、図9に示すように、カンチレバー型のプローブ針21Bを接触子として用いてもよい。このプローブ針21Bは、インタポーザ30上に実装されており、当該インタポーザ30の内部端子31に電気的に接続されている。或いは、特に図示しないが、試験用キャリア1の接触子として、異方導電性ゴムシートを用いたものや、絶縁膜にバンプを形成したメンブレンタイプのものを用いてもよい。
【0053】
なお、接触子としてポゴピン21を用いる場合には、上述のように、当該ポゴピン21を保持するための保持板20を本体部15が備えている。これに対し、図9に示すように、接触子としてプローブ針21Bを用いた場合には、本体部15がインタポーザ30のみを備えていればよい。この変形例では、インタポーザ30が本発明における「本体部」の一例に相当し、プローブ針21Bが本発明における「接触子」の一例に相当する。
【0054】
図2図6に戻り、筒状体40は、保持板20の上面に設けられており、螺子締め等によって保持板20に固定されている。この筒状体40は、DUT90の外形よりも大きな内孔41を持つ角筒形状を有しており、DUT90の周囲を囲むことが可能となっている。この筒状体40の側面には、蓋部材60のラッチ70(後述)に対応するように凹部42が形成されている。この凹部42にラッチ70が係止することで、キャリア本体10に蓋部材60が着脱可能に固定される。
【0055】
蓋部材60は、板状の本体部61と、本体部61から下方に向かって凸状に突出する凸部62と、本体部61の両端から下方に向かって突出する一対のラッチ70と、を備えている。本実施形態における蓋部材60が、本発明における「蓋部材」の一例に相当する。
【0056】
凸部62は、保持板20に保持されたDUT90の上面に接触する接触面621を有しており、当該DUT90を押圧する。なお、凸部62によるDUT90の押付量は、キャリア本体10の筒状体40が蓋部材60の本体部61に当接することで制限されており、この状態において、DUT90のパッド91に対するポゴピン21の押圧力が最適な値となるように設定されている。試験用キャリア1に収容されたDUT90は、ポゴピン21と凸部62に挟持される。本実施形態における凸部62の接触面621が、本発明における「接触面」の一例に相当する。
【0057】
本体部61の略中央には、本体部61及び凸部62を貫通する第2の貫通孔67が形成されている。この第2の貫通孔67は、キャリア組立装置(不図示)によるDUT90の吸着保持に使用される。
【0058】
本実施形態では、蓋部材60に流路63が形成されている。この流路63は、供給口64と、排気口65と、流通孔66と、を備えている。本実施形態における流路63が本発明における「第1の流路」の一例に相当する。本実施形態における流路63が、本発明における「第1の流路」の一例に相当する。
【0059】
供給口64は、蓋部材60の上面に設けられており、蓋部材60の上方に向かって開口している。この供給口64は、DUT90の試験の際に試験用キャリア1とハンドラ200のプッシャ210が接触することで、プッシャ210のキャリア接続口230(後述)と連通する。この供給口64から、プッシャ210を介して空気が試験用キャリア1の内部に入り、流通孔66に流通する。本実施形態では、蓋部材60に二つの供給口64が設けられている。本実施形態における供給口64が、本発明における「第1の接続口」の一例に相当する。
【0060】
排気口65は、蓋部材60の上面に設けられており、蓋部材60の上方に向かって開口している。排気口65は、DUT90の試験の際に試験用キャリア1とハンドラ200のプッシャ210が接触することで、プッシャ210のキャリア接続口240(後述)と連通する。この排気口65から空気が試験用キャリア1の外部に排出される。本実施形態では、蓋部材60に二つの排気口65が設けられている。本実施形態における排気口65が、本発明における「第2の接続口」の一例に相当する。
【0061】
流通孔66は、蓋部材60の本体部61の内部に形成された孔であり、一端が供給口64と連通し、他端が排気口65と連通している。すなわち、流通孔66は、蓋部材60の内部に埋設された流路である。ハンドラ200のプッシャ210から供給された空気は、この流通孔66を通過することで試験用キャリア1に収容されたDUT90と熱交換を行い、DUT90を冷却する。本実施形態では、一つの流通孔66が一つの供給口64と一つの排気口65を接続しており、蓋部材60には二つの流通孔66が形成されている。本実施形態における流通孔66が、本発明における「流通孔」の一例に相当する。
【0062】
本実施形態では、蓋部材60に一つの供給口64と一つの排気口65が設けられているが、供給口64及び排気口65の数は特にこれに限定されず、複数の供給口64と複数の排気口65が蓋部材60に設けられていてもよい。また、供給口64の数と排気口65の数は異なっていてもよい。
【0063】
本実施形態では、流通孔66は蓋部材60の本体部61の内部に形成されているが、流通孔66の配置は特にこれに限定されない。例えば、流通孔66が本体部61の内部及び凸部62の内部に渡って形成されていてもよい。流通孔66がDUT90に接触する凸部62の内部に形成されている場合は、空気がDUT90のより近傍を流通するため、より効率良くDUT90を冷却することができる。
【0064】
また、本実施形態では、流通孔66が一つの供給口64と一つの排気口65を接続するように形成されているが、流通孔66の構成は特にこれに限定されない。例えば、一つの流通孔66に対して、複数の供給口64と複数の排気口65が接続されていてもよい。或いは、一つの供給口64に接続する流通孔66が途中で分岐して複数の排気口65に接続されていてもよい。あるいは、複数の供給口64に接続された流通孔66が合流して一つの排気口65に接続されていてもよい。
【0065】
また、流通孔66は、供給口64と排気口65とを接続するように、蓋部材60を貫通していれば、その内部の大きさは特に限定されない。例えば、流通孔66が、供給口64及び排気口65の内径と同程度の内径を有する線状の貫通孔であってもよい。或いは、流通孔66が、供給口64及び排気口65の内径に対して数倍の大きな幅を有する空間であってもよい。
【0066】
また、本実施形態では、流通孔66は、直線状に延在しているが、流通孔66の形状は特にこれに限定されない。例えば、流通孔66がサーペンタイン(蛇行)形状を有していてもよい。また、熱交換効率を高めるために、流通孔66内にフィン等の突起を立設してもよい。
【0067】
ラッチ70は、本体部61の両端でシャフト71によって回転可能に支持されており、下方に向かってそれぞれ延在している。それぞれのラッチ70は、特に図示しないバネによって、内側に向かって付勢されている。それぞれのラッチ70の先端には、内側に向かって突出する爪部72が設けられている。この爪部72がキャリア本体10の凹部42に係止することで、蓋部材60がキャリア本体10に固定される。
【0068】
以上に説明した試験用キャリア1は、画像処理装置を備えた組立装置を用いて特開2019-197012号公報に記載の方法により組み立てられる。
【0069】
次に、本実施形態における電子部品試験装置100の構成について、図1図10及び図11を参照しながら、以下に説明する。
【0070】
図10は本実施形態における電子部品試験装置による試験の様子を示す断面図(その1)であり、図1のX部を示す拡大図断面図である。また、図11は本実施形態における電子部品試験装置による試験の様子を示す断面図(その2)である。
【0071】
図1に示すように、本実施形態における電子部品試験装置100は、ハンドラ200と、テストヘッド300と、テスタ400と、供給装置500と、を備えている。上述のように、この電子部品試験装置100は、試験用キャリア1にDUT90を収容したままの状態で、当該DUT90の試験を実行する。
【0072】
ハンドラ200は、Z軸駆動装置201と、プッシャ210と、を備えている。Z軸駆動装置201は、上下駆動用のアクチュエータ(不図示)を備えており、上下方向に動くことが可能となっている。特に図示しないが、ハンドラ200は、テストトレイに搭載された複数の試験用キャリア1の個数に対応した複数のプッシャ210を備えており、当該複数のプッシャ210が単一のZ軸駆動装置201に取り付けられている。ハンドラ200は、Z軸駆動装置201が下降することにより、当該Z軸駆動装置201に取り付けられたプッシャ210が試験用キャリア1に接触し、試験用キャリア1をテストヘッド300のソケット320(後述)に押圧する。本実施形態におけるプッシャ210が、本発明における「押圧手段」の一例に相当する。
【0073】
プッシャ210は、図10に示すように、マッチプレート202に形成された貫通孔203に挿入されており、マッチプレート202にフローティング状態(上下への相対移動が許容されている状態)保持されている。プッシャ210は、本体部215と、第1の接続ピン220、キャリア接続口230,240、及び、通気路250,260を備えている。
【0074】
第1の接続ピン220は、プッシャ210の本体部215から下方に向かって伸びている。第1の接続ピン220の下端の形状は、下方に向かうにしたがって細くなっている。第1の接続ピン220は、DUT90の試験の際、プッシャ210の下降に伴って、テストヘッド300に載置されたインサート600の貫通孔601を貫通して、ソケットガイド330(後述)の第1の接続孔331(後述)と着脱可能に嵌合する。これにより、インサート600に保持されている試験用キャリア1がソケット320に対して位置が決めされる。本実施形態における第1の接続ピン220が、本発明における「第1の接続ピン」の一例に相当する。
【0075】
また、第1の接続ピン220の内部には、通気路250の一部が形成されており、当該第1の接続ピン220の先端には開口221が形成されている。通気路250は、プッシャの下降に伴って第1の接続ピン220の下端がソケットガイド330の第1の接続孔331と接続されることで、ソケットガイド330内部の通気路332(後述)と連通する。これにより、テストヘッド300のソケットガイド330から供給された空気が通気路250に流通することが可能となる。本実施形態における第1の接続ピン220の開口221が、本発明における「第4の接続口」の一例に相当する。
【0076】
キャリア接続口230は、プッシャ210の本体部215の下部に、試験用キャリア1の供給口64と対応するように形成されている。キャリア接続口230は、プッシャ210が下降して試験用キャリア1に接触することで、当該試験用キャリア1の供給口64と連通する。本実施形態におけるキャリア接続口230が、本発明における「第3の接続口」の一例に相当する。
【0077】
キャリア接続口240も、プッシャ210の本体部215の下部に、試験用キャリア1の排気口65と対応するように形成されている。キャリア接続口240は、プッシャ210が下降して試験用キャリア1に接触することで、排気口65と連通する。本実施形態におけるキャリア接続口240が、本発明における「第5の接続口」の一例に相当する。
【0078】
通気路250は、上述した通り、その一部が第1の接続ピン220の内部に形成されており、他の部分がプッシャ210の本体部215の内部に形成されている。通気路250の一端は、DUT90の試験の際に第1の接続ピン220がソケットガイド330と接続することで、ソケットガイド330の通気路332と連通する。通気路250の他端はキャリア接続口230と連通している。ソケットガイド330から供給された空気はこの通気路250を経由して試験用キャリア1に供給される。本実施形態における通気路250が、本発明における「第2の流路」の一例に相当する。
【0079】
通気路260は、プッシャ210の本体部215の内部に設けられており、一端がキャリア接続口240に連通し、他端はプッシャ210の外部に連通している。キャリア接続口240は、プッシャ210が下降して試験用キャリア1に接触することで、当該試験用キャリア1の排気口65と連通する。一方、試験用キャリア1から排出された空気は、この通気路260を経由してプッシャ210の外部に排出される。本実施形態における通気路260が、本発明における「第3の流路」の一例に相当する。
【0080】
テストヘッド300は、本体部310と、ソケット320と、ソケットガイド330と、を備えている。
【0081】
本体部310は、図1に示すように、ケーブル401を介してテスタ400に接続されており、DUT90の試験の際にDUT90に試験信号を送出する。特に図示しないが、この本体部310には、ソケット320と電気的に接続されたピンエレクトロニクスカードが収納されている。
【0082】
ソケット320は、図10及び図11に示すように、本体部310の上に設けられている。このソケット320は、試験用キャリア1の外部端子32に対応するように配置された接触子321を有している。この接触子321としては、特に限定されないが、ポゴピン又は異方導電性ゴムシート等を例示することができる。テストトレイのインサート600に保持された試験用キャリア1がプッシャ210によりソケット320に押圧され、試験用キャリア1の外部端子32がソケット320の接触子321と接触することで、試験用キャリア1を介してDUT90とソケット320が電気的に接続される。このソケット320を介して本体部310からDUT90へ試験信号が送出される。
【0083】
ソケットガイド330は、ソケット320の周囲に設けられており、第1の接続孔331と、通気路332と、を備えている。このソケットガイド330は、ソケット320に対する試験用キャリア1の位置を決めると共に、ソケット320に対するプッシャ210の位置を決めるための部材である。
【0084】
第1の接続孔331は、ソケットガイド330の上面において、第1の接続ピン220と対応する位置に設けられている。この第1の接続孔331は、第1の接続ピン220と嵌合可能な形状を有しており、上方に向かって開口している。本実施形態における第1の接続孔331が、本発明における「第1の接続孔」の一例に相当する。
【0085】
通気路332は、ソケットガイド330の内部に設けられている。通気路332の一端は、第1の接続孔331と連通している。また、通気路332の他端は、供給路501と連通している。図10及び図11に示すように、第1の接続ピン220が第1の接続孔331と嵌合することで、通気路250と通気路332が連通する。
【0086】
供給装置500は、特に図示しないが、空気を供給するポンプと、流量を調節するバルブと、空気の温度を調節する温度調節器と、を備えている。図1図10及び図11に示すように、供給装置500は、供給路501を介してソケットガイド330の通気路332に連通しており、試験の条件に応じて適当な温度に調節された空気をソケットガイド330へ供給する。本実施形態では、供給装置500がハンドラ200の内部に配置されているが、特にこれに限定されず、テストヘッド300の内部等に配置されていてもよい。
【0087】
以下に、本実施形態における試験用キャリア1及び電子部品試験装置100を用いたDUT90の試験の工程について、図10及び図11を参照しながら、以下に説明する。
【0088】
先ず、DUT90を収容した試験用キャリア1を、テストトレイ(不図示)のインサート600に収容する。具体的には、ハンドラ200が備えるピックアンドプレース装置により、カスタマトレイ(不図示)からテストトレイに試験用キャリア1を移載することで、当該テストトレイのインサート600に試験用キャリア1が収容される。なお、カスタマトレイは、前工程からハンドラ200に搬送されるトレイであり、試験用キャリア1は、特開2019―197012号公報に記載の方法で組み立てられた後に、このカスタマトレイに収容されている。
【0089】
次いで、ハンドラ200の搬送装置によりテストトレイがテストヘッド300に対向する位置まで搬送される。次いで、図10に示すように、Z軸駆動装置201が駆動して、プッシャ210が下降して、テストトレイのインサート600に保持された試験用キャリア1をプッシャ210が押圧する。
【0090】
このプッシャ210の下降に伴い、第1の接続ピン220がインサート600の貫通孔601を貫通し、ソケットガイド330の第1の接続孔331に嵌合する。これにより、インサート600に保持されている試験用キャリア1がソケット320に対して位置が決めされる。また、プッシャ210の第1の接続ピン220内に形成された通気路250と、ソケットガイド330内に形成された通気路332とが接続される。
【0091】
また、このプッシャ210の下降に伴い、プッシャ210が試験用キャリア1をソケット320に押圧し、試験用キャリア1の外部端子32がソケット320の接触子321と接触する。また、プッシャ210のキャリア接続口230が供給口64と接続すると共に、キャリア接続口240が試験用キャリア1の排気口65と接続する。
【0092】
次いで、供給装置500のバルブが開かれ、供給装置500から空気の供給が開始される。この空気は、供給路501、ソケットガイド330の通気路332、プッシャ210の通気路250を経由して試験用キャリア1の供給口64から流通孔66へ供給される。
【0093】
この状態で、テスタ400から出力された試験信号がソケット320の接触子321を介してDUT90に送出され、DUT90の試験が行われる。
【0094】
流通孔66へ供給された空気は、DUT90に通電されることによりDUT90が発した熱(自己発熱)を吸収することで、当該DUT90を冷却する。試験用キャリア1の流通孔66を通過した空気は、排気口65及びキャリア接続口240から通気路260に入り、プッシャ210の外部(例えば、チャンバの内部)に排出される。
【0095】
DUT90の試験が終了したら、プッシャ210がZ軸駆動装置201により上方に移動することで、試験用キャリア1が収容されたインサート600を保持したテストトレイ(不図示)が上昇する。次いで、ハンドラ200の搬送装置によりテストトレイがテストヘッド300に対向する位置から搬出され、ピックアンドプレース装置によりテストトレイからカスタマトレイに試験用キャリア1が移載される。そして、この試験用キャリア1を収容したカスタマトレイがハンドラ200から搬出された後、当該試験用キャリア1を分解してDUT90を取り出して、DUT90の試験の工程が終了する。
【0096】
以上のように、本実施形態では、DUT90の試験の際に、試験用キャリア1の外部から供給された空気が試験用キャリア1に形成された流路63を流通するため、空気がDUT90の近傍を流通する。これにより、空気がプッシャ内部のみを流通する場合に比べ、試験用キャリア1の熱抵抗を低減することができる。従って、DUT90を効率よく冷却することができ、DUT90の発熱による急激な温度上昇の抑制を図ることができる。延いては、DUT90の発熱によるDUT90の破損及び歩留まり低下の抑制を図ることができる。
【0097】
また、本実施形態では、試験用キャリア1の内部に形成された流路63を空気が流通し、DUT90に直接空気が吹き付けられることがない。このため、DUT90に直接空気が当たることによりDUTに汚れが付着したり、空気との摩擦によってDUT90が帯電したりすることを抑制することができる。
【0098】
また、本実施形態では、DUT90が試験用キャリア1に収容され、DUT90が試験用キャリア1の内部空間に密閉された状態でDUT90の試験が行われる。このため、ハンドリングする環境が高い清浄度(Class5~6/クラス100~1000)を必要とするベアダイに近いデバイス或いはベアダイ自体を、清浄度が低い環境(Class7/クラス10000)にあるハンドラを使用して試験することができる。
【0099】
なお、以上に説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0100】
図12図14は、本実施形態における電子部品試験装置の変形例を示す図である。
【0101】
上述の実施形態では、試験用キャリア1を出た空気がプッシャ210からプッシャ210の外部に排出されていたが、空気を排出する位置は特にこれに限定されない。例えば、図12に示すように、プッシャ210が、第1の接続ピン220に加え第2の接続ピン270を備え、当該第2の接続ピン270の先端に開口271が形成されており、ソケットガイド330を経由してテストヘッド300の外部に空気が排出されるようになっていてもよい。第2の接続ピン270は、インサート600に形成された貫通孔602を貫通し、テストヘッド300に形成された第2の接続孔333と嵌合可能となっている。キャリア接続口240に連通している通気路260の一部は、第2の接続ピン270の内部に形成されている。図12の形態では、プッシャ210の下降に伴って第1の接続ピン220が第1の接続孔331と嵌合すると共に、第2の接続ピン270が第2の接続孔333と嵌合する。DUT90の試験の際には、供給装置500から供給された空気が通気路250、流通孔66、及び、通気路260を経由し、通気路334からテストヘッド300の外部に排出される。本変形例における第2の接続ピン270が本発明における「第2の接続ピン」の一例に相当し、本実施形態における第2の接続ピン270の開口271が本発明における「第6の接続口」に相当し、本実施形態における第2の接続孔333が本発明における「第2の接続孔」の一例に相当する。
【0102】
また、上述の実施形態では、試験用キャリア1の蓋部材60に流路63が形成されていたが、特にこれに限定されない。例えば、図13に示すように、流路63’が、蓋部材60に代わり、キャリア本体10の内部に形成されていてもよい。図13に示す形態では、流路63’がインタポーザ30に形成されている。供給口64’及び排気口65’は、インタポーザ30の下面に形成されており、流通孔66’はインタポーザ30の内部に形成されている。ソケット320の内部には、ソケットガイド330の通気路332及びインタポーザ30の流通孔66’に連通する通気路322が形成されている。また、ソケット320の内部には、ソケットガイド330の通気路334及びインタポーザ30の流通孔66’に連通する通気路323が形成されている。供給装置500から供給される空気は、通気路332、通気路322、流路63’、通気路323、及び、通気路334を経由してテストヘッド300の外部に排出される。
【0103】
なお、流路63’は、キャリア本体10の本体部15に形成されているのであれば、特に限定されない。例えば、流路63’を、保持板20のみに形成してもよい。或いは、流路63’を、保持板20とインタポーザ30の両方に形成してもよい。
【0104】
本変形例では、プッシャ210の内部に通気路が形成されておらず、プッシャ210が通気路を有する接続ピンを備えていない。このため、プッシャ210の構造を簡素化することができる。
【0105】
なお、試験用キャリア1が、蓋部材60に形成された流路63と、キャリア本体10に形成された流路63’の両方を備えていてもよい。
【0106】
また、上述の実施形態では、テストヘッド300からプッシャ210を経由して試験用キャリア1に空気が供給されているが、特にこれに限定されない。例えば、図14に示すように、プッシャ210が接続ピン220を備えておらず、通気路250がプッシャ210の本体部215の内部のみに形成されていてもよい。特に図示しないが、通気路250は、プッシャ210の外部に配置された供給装置に接続されている。図14に示す形態では、供給装置から供給された空気が、テストヘッド300を介さずに、プッシャ210から試験用キャリア1に供給される。
【0107】
また、例えば、上述の実施形態では、DUT90の具体例として、ダイを例示したが、特にこれに限定されない。例えば、DUT90は、パッケージングされたデバイスであってもよい。また、上述の実施形態におけるDUT90は、メモリ系のデバイスであるが、特にこれに限定されない。例えば、DUT90が、SoC(System on a chip)やロジック系のデバイスであってもよい。
【0108】
また、上述の実施形態における電子部品試験装置100は、テストトレイにDUT90を保持した状態で当該DUT90をソケット320に押圧するタイプのハンドラ200を備えていたが、ハンドラ200の構成は特にこれに芸点されない。例えば、ハンドラ200が、DUTを吸着保持するアームにより当該DUTをソケットに押圧するタイプのハンドラであってもよい。
【0109】
また、上述の実施形態では、試験用キャリア1が供給口64及び排気口65を備えていると共に、プッシャ210もキャリア接続口230,240を備えているが、特にこれに限定されず、プッシャ210が接続管を備え、当該接続管が嵌合可能な供給孔を試験用キャリア1が備えていてもよい。或いは、試験用キャリア1が接続管を備え、当該接続管が嵌合可能な接続孔をプッシャ210が備えていてもよい。
【符号の説明】
【0110】
1…試験用キャリア
10…キャリア本体
15…本体部
20…保持板
21…ポゴピン
21B…プローブ針
30…インタポーザ
31…内部端子
32…外部端子
33…配線パターン
40…筒状体
60…蓋部材
61…本体部
62…凸部
621…接触面
63…第1の流路
64…供給口
65…排気口
66…流通孔
70…ラッチ
90…DUT
91…パッド
92…バンプ
100…電子部品試験装置
200…ハンドラ
210…プッシャ
215…本体部
220…第1の接続ピン
221…開口
230,240…キャリア接続口
250,260…通気路
270…第2の接続ピン
271…開口
300…テストヘッド
310…本体部
320…ソケット
321…接触子
322,323…通気路
330…ソケットガイド
331…第1の接続孔
332…通気路
333…第2の接続孔
334…通気路
400…テスタ
500…供給装置
501…供給路
600…インサート
601,602…貫通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2022-05-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
DUTを収容した状態で搬送される試験用キャリアであって、
前記試験用キャリアの外部から供給される流体が流通する第1の流路を備え
前記流体は、前記試験用キャリアをテストヘッドのソケットに押圧する押圧手段から前記第1の流路に供給される試験用キャリア。
【請求項2】
請求項1に記載の試験用キャリアであって、
前記第1の流路は、
前記試験用キャリアに形成された流通孔と、
前記流通孔の一端と連通する第1の接続口と、
前記流通孔の他端と連通する第2の接続口と、を含み、
前記流体は、前記第1の接続口から前記流通孔に供給され、前記第2の接続口から排出される試験用キャリア。
【請求項3】
請求項2に記載の試験用キャリアであって、
前記試験用キャリアは、
前記DUTを保持するキャリア本体と、
前記DUTを覆うと共に前記キャリア本体に着脱可能に固定される蓋部材と、を備え、
前記流通孔は、前記蓋部材の内部に形成されており、
前記第1及び前記第2の接続口は、前記蓋部材に設けられている試験用キャリア。
【請求項4】
請求項に記載の試験用キャリアであって、
前記第1及び前記第2の接続口は、前記試験用キャリアにおいて前記押圧手段と対向する位置に配置されている試験用キャリア。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の試験用キャリアであって、
前記キャリア本体は、
前記DUTの端子に対応するように設けられた複数の接触子と、
前記接触子に電気的に接続された複数の外部端子と、
前記接触子と前記外部端子を保持する本体部と、を備えた試験用キャリア。
【請求項6】
請求項に記載の試験用キャリアであって、
前記蓋部材は、前記DUTに接触する接触面を有しており、
前記DUTは、前記接触面と前記接触子との間に挟持される試験用キャリア。
【請求項7】
DUTを試験する電子部品試験装置であって、
ソケットを有するテストヘッドと、
前記DUTを収容した状態で搬送される試験用キャリアを前記ソケットに押圧する押圧手段と、を備え、
前記試験用キャリアは、前記試験用キャリアの外部から供給される流体が流通する第1の流路を有し、
前記流体は、前記押圧手段から前記第1の流路に供給される電子部品試験装置。
【請求項8】
請求項に記載の電子部品試験装置であって、
前記押圧手段は、
前記押圧手段が前記試験用キャリアに接触することで前記第1の流路と連通する第3の接続口と、
前記第3の接続口と接続する第2の流路と、を備え、
前記押圧手段が前記試験用キャリアを前記ソケットに押圧している状態で、前記第2の流路を経由して前記第1の流路に前記流体が供給される電子部品試験装置。
【請求項9】
請求項に記載の電子部品試験の装置であって、
前記押圧手段は、
前記テストヘッドに着脱可能に接続されて前記テストヘッドから前記流体を受け入れる第4の接続口を備え、
前記第4の接続口は、前記第2の流路に接続されており、
前記押圧手段が前記試験用キャリアを前記ソケットに押圧している状態で、前記テストヘッドから前記第2の流路を経由して前記第1の流路に前記流体が供給される電子部品試験装置。
【請求項10】
請求項に記載の電子部品試験装置であって、
前記押圧手段は、前記テストヘッドが有するソケットガイドに形成された第1の接続孔に嵌合可能な第1の接続ピンを備えており、
前記第2の流路の一部は、前記第1の接続ピンの内部に設けられ、
前記第3の接続口は、前記第1の接続ピンに形成されている電子部品試験装置。
【請求項11】
請求項7~10のいずれか一項に記載の電子部品試験装置であって、
前記押圧手段は、
前記押圧手段が前記試験用キャリアに接触することで前記第1の流路と連通する第5の接続口と、
前記第5の接続口と連通する第3の流路と、を備え、
前記押圧手段が前記試験用キャリアを前記ソケットに押圧している状態で、前記第1の流路に供給された前記流体は、前記第3の流路に流通する電子部品試験装置。
【請求項12】
請求項11に記載の電子部品試験装置であって、
前記押圧手段は、前記第1の流路に供給された前記流体を、前記第3の流路から前記押圧手段の外部に排出する電子部品試験装置。
【請求項13】
請求項12に記載の電子部試験装置であって、
前記押圧手段は、前記テストヘッドに着脱可能に接続されて前記テストヘッドへ前記流体を排出する第6の接続口をさらに備え、
前記第3の流路は、前記第5の接続口と前記第6の接続口を接続しており、
前記第1の流路に供給された前記流体は、前記第3の流路を経由して前記テストヘッドへ排出される電子部品試験装置。
【請求項14】
請求項13に記載の電子部品試験装置であって、
前記押圧手段は、前記テストヘッドが有するソケットガイドに形成された第2の接続孔に嵌合可能な第2の接続ピンを備えており、
前記第3の流路の一部は、前記第2の接続ピンの内部に設けられ、
前記第6の接続口は、前記第2の接続ピンに形成されている電子部品試験装置。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
DUTを収容した状態で搬送される試験用キャリアであって、
前記試験用キャリアの外部から供給される流体が流通する第1の流路と、
前記DUTを保持するキャリア本体と、
前記DUTを覆うと共に前記キャリア本体に着脱可能に固定される蓋部材と、を備え、
前記第1の流路は、
前記試験用キャリアに形成された流通孔と、
前記流通孔の一端と連通する第1の接続口と、
前記流通孔の他端と連通する第2の接続口と、を含み、
前記流通孔は、前記蓋部材の内部に形成されており、
前記第1及び前記第2の接続口は、前記蓋部材に設けられており、
前記流体は、前記試験用キャリアをテストヘッドのソケットに押圧する押圧手段から前記第1の流路に供給され、
前記流体は、前記第1の接続口から前記流通孔に供給され、前記第2の接続口から排出される試験用キャリア。
【請求項2】
請求項に記載の試験用キャリアであって、
前記第1及び前記第2の接続口は、前記試験用キャリアにおいて前記押圧手段と対向する位置に配置されている試験用キャリア。
【請求項3】
請求項又はに記載の試験用キャリアであって、
前記キャリア本体は、
前記DUTの端子に対応するように設けられた複数の接触子と、
前記接触子に電気的に接続された複数の外部端子と、
前記接触子と前記外部端子を保持する本体部と、を備えた試験用キャリア。
【請求項4】
請求項に記載の試験用キャリアであって、
前記蓋部材は、前記DUTに接触する接触面を有しており、
前記DUTは、前記接触面と前記接触子との間に挟持される試験用キャリア。
【請求項5】
DUTを試験する電子部品試験装置であって、
ソケットを有するテストヘッドと、
前記DUTを収容した状態で搬送される試験用キャリアを前記ソケットに押圧する押圧手段と、を備え、
前記試験用キャリアは、前記試験用キャリアの外部から供給される流体が流通する第1の流路を有し、
前記流体は、前記押圧手段から前記第1の流路に供給される電子部品試験装置。
【請求項6】
請求項に記載の電子部品試験装置であって、
前記押圧手段は、
前記押圧手段が前記試験用キャリアに接触することで前記第1の流路と連通する第3の接続口と、
前記第3の接続口と接続する第2の流路と、を備え、
前記押圧手段が前記試験用キャリアを前記ソケットに押圧している状態で、前記第2の流路を経由して前記第1の流路に前記流体が供給される電子部品試験装置。
【請求項7】
請求項に記載の電子部品試験の装置であって、
前記押圧手段は、
前記テストヘッドに着脱可能に接続されて前記テストヘッドから前記流体を受け入れる第4の接続口を備え、
前記第4の接続口は、前記第2の流路に接続されており、
前記押圧手段が前記試験用キャリアを前記ソケットに押圧している状態で、前記テストヘッドから前記第2の流路を経由して前記第1の流路に前記流体が供給される電子部品試験装置。
【請求項8】
請求項に記載の電子部品試験装置であって、
前記押圧手段は、前記テストヘッドが有するソケットガイドに形成された第1の接続孔に嵌合可能な第1の接続ピンを備えており、
前記第2の流路の一部は、前記第1の接続ピンの内部に設けられ、
前記第3の接続口は、前記第1の接続ピンに形成されている電子部品試験装置。
【請求項9】
請求項のいずれか一項に記載の電子部品試験装置であって、
前記押圧手段は、
前記押圧手段が前記試験用キャリアに接触することで前記第1の流路と連通する第5の接続口と、
前記第5の接続口と連通する第3の流路と、を備え、
前記押圧手段が前記試験用キャリアを前記ソケットに押圧している状態で、前記第1の流路に供給された前記流体は、前記第3の流路に流通する電子部品試験装置。
【請求項10】
請求項に記載の電子部品試験装置であって、
前記押圧手段は、前記第1の流路に供給された前記流体を、前記第3の流路から前記押圧手段の外部に排出する電子部品試験装置。
【請求項11】
請求項10に記載の電子部被試験装置であって、
前記押圧手段は、前記テストヘッドに着脱可能に接続されて前記テストヘッドへ前記流体を排出する第6の接続口をさらに備え、
前記第3の流路は、前記第5の接続口と前記第6の接続口を接続しており、
前記第1の流路に供給された前記流体は、前記第3の流路を経由して前記テストヘッドへ排出される電子部品試験装置。
【請求項12】
請求項11に記載の電子部品試験装置であって、
前記押圧手段は、前記テストヘッドが有するソケットガイドに形成された第2の接続孔に嵌合可能な第2の接続ピンを備えており、
前記第3の流路の一部は、前記第2の接続ピンの内部に設けられ、
前記第6の接続口は、前記第2の接続ピンに形成されている電子部品試験装置。