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特開2023-165039LiDAR装置、LiDARシステム、測距方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165039
(43)【公開日】2023-11-15
(54)【発明の名称】LiDAR装置、LiDARシステム、測距方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/481 20060101AFI20231108BHJP
   G01S 17/87 20200101ALI20231108BHJP
   G01S 17/931 20200101ALI20231108BHJP
【FI】
G01S7/481 A
G01S17/87
G01S17/931
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020150000
(22)【出願日】2020-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(72)【発明者】
【氏名】大場 英史
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AA05
5J084AD01
5J084AD05
5J084BA03
5J084BA20
5J084BB28
5J084BB40
5J084CA65
5J084DA01
5J084EA31
(57)【要約】
【課題】設置対象からのLiDAR装置の突出の程度を抑えるのに有利である。
【解決手段】LiDAR装置は、レーザー光を発する発光部と、楕円の一部の形状を有しレーザー光を反射する反射面と、反射面で反射されたレーザー光が通過する出口通過部と、を含む反射体と、レーザー光が楕円の一方の焦点の位置を通過した後に反射面で反射されるように、レーザー光の進行方向を調整する光路調整部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザー光を発する発光部と、
楕円の一部の形状を有し前記レーザー光を反射する反射面と、前記反射面で反射された前記レーザー光が通過する出口通過部と、を含む反射体と、
前記レーザー光が前記楕円の一方の焦点の位置を通過した後に前記反射面で反射されるように、前記レーザー光の進行方向を調整する光路調整部と、
を備えるLiDAR装置。
【請求項2】
前記反射面は、回転楕円体の外周面の一部の形状を有する請求項1に記載のLiDAR装置。
【請求項3】
前記反射面は、楕円柱の側面の一部の形状を有する請求項1に記載のLiDAR装置。
【請求項4】
前記光路調整部は、MEMSミラーを有する請求項1に記載のLiDAR装置。
【請求項5】
前記光路調整部は、前記一方の焦点の位置に配置される請求項1に記載のLiDAR装置。
【請求項6】
前記反射体は、前記レーザー光が通過可能な入口通過部を有し、
前記光路調整部は、前記反射体の外側で前記レーザー光の進行方向を調整し、前記レーザー光が前記入口通過部を通過して前記反射体の内側に入射した後に前記反射面で反射される請求項1に記載のLiDAR装置。
【請求項7】
前記出口通過部は、前記楕円の他方の焦点の位置に配置される請求項1に記載のLiDAR装置。
【請求項8】
前記反射面で反射後の前記レーザー光が通過する出射窓部を有するカバー体を備え、
前記出射窓部は、前記楕円の短軸よりも小さい径を有する請求項1に記載のLiDAR装置。
【請求項9】
前記出射窓部は、前記楕円の他方の焦点の位置に配置される請求項8に記載のLiDAR装置。
【請求項10】
前記カバー体は、前記出射窓部を支持する窓支持部を有し、
前記出射窓部の外面及び前記窓支持部の外面は、段差無く、お互いに接続されている請求項8に記載のLiDAR装置。
【請求項11】
前記レーザー光が入射する光学素子を備える請求項1に記載のLiDAR装置。
【請求項12】
レーザー光を発する発光部と、楕円の一部の形状を有し前記レーザー光を反射する反射面と前記反射面で反射された前記レーザー光が通過する出口通過部とを含む反射体と、前記レーザー光が前記楕円の一方の焦点の位置を通過した後に前記反射面で反射されるように前記レーザー光の進行方向を調整する光路調整部と、を具備するLiDAR装置と、
少なくとも前記光路調整部を制御するLiDAR制御部と、を備えるLiDARシステム。
【請求項13】
周辺環境の撮影画像を取得する環境画像取得部を備え、
前記LiDAR制御部は、
前記撮影画像の解析に基づいて周辺環境における関心領域を特定し、
前記LiDAR装置から出射される前記レーザー光を、周辺環境のうち前記関心領域に向けて進行させるように、前記光路調整部を制御する請求項12に記載のLiDARシステム。
【請求項14】
LiDAR装置の発光部からレーザー光を発する工程と、
前記レーザー光が、楕円の一方の焦点の位置を通過し、その後前記楕円の一部の形状を有する反射体の反射面で反射され、その後前記反射体の出口通過部を通過するように、光路調整部によって前記レーザー光の進行方向を調整する工程と、
を含む測距方法。
【請求項15】
周辺環境の撮影画像の解析に基づいて周辺環境における関心領域を特定する工程を含み、
周辺環境のうち前記関心領域に向けて前記レーザー光を進行させるように、前記光路調整部によって前記レーザー光の進行方向が調整される請求項14に記載の測距方法。
【請求項16】
LiDAR装置の発光部からレーザー光を発するステップと、
前記レーザー光が、楕円の一方の焦点の位置を通過し、その後前記楕円の一部の形状を有する反射体の反射面で反射され、その後前記反射体の出口通過部を通過するように、光路調整部によって前記レーザー光の進行方向を調整するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項17】
周辺環境の撮影画像の解析に基づいて周辺環境における関心領域を特定するステップをコンピュータに実行させ、
周辺環境のうち前記関心領域に向けて前記レーザー光を進行させるように、前記光路調整部によって前記レーザー光の進行方向が調整される請求項16に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、LiDAR装置、LiDARシステム、測距方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
LiDAR(Light Detection and Ranging/Laser Imaging Detection and Ranging)を利用した測距技術が様々な分野で注目されている。例えば車両分野では、周辺の物体の位置及び形状を高精度に検出可能なLiDAR技術を使った自動運転技術の開発が進められている。
【0003】
特許文献1は、電磁波の反射波の受信結果に基づいて周辺物体までの距離を演算計測するスキャニング型レンジセンサを開示する。当該スキャニング型レンジセンサは、モータとともに設けられる円筒状回転体と、円筒状回転体の内側に設けられる投光器、受光器及び受光レンズと、円筒状回転体の回転軸線上に設置される投受光兼用ミラーとを備える。これらのモータ、円筒状回転体、投光器、受光器、受光レンズ及び投受光兼用ミラーは、縦長のアウターカバーの内側に全体が収容された状態で、装置に据え付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-221336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
LiDAR装置は、一般に、周辺環境からの保護のために光学系を含む機構全体がカバー体で覆われた状態で、車両等の対象から突出するように設置される。特に、周辺環境の広範囲にわたってレーザー光を走査させる場合、レーザー光の出射及び反射波の受光の精度を高めるために、LiDAR装置を設置対象から大きく突出させることがある。
【0006】
LiDAR装置の突出構造は、配置等の設置条件を限定的にするとともに、外観上目立つため装置全体の美観を大きく損ないうる。例えば赤外線波長のレーザー光を用いるLiDAR装置において、赤外線波長の光のみを透過させる窓をカバー体が具備する場合、特有の色合いを持つそのような窓を、周辺部材と美観上調和させることは必ずしも容易ではない。
【0007】
またLiDAR装置が車両等の移動体に搭載される場合、LiDAR装置の突出構造は、周辺物体への衝突の可能性を高めるとともに、乱気流の発生に伴う騒音や空気抵抗の増大を招く。また突出構造のLiDAR装置には汚れが付着しやすく、そのような汚れを除去するための洗浄機構も、LiDAR装置の突出構造に適応させるために複雑になりやすい。
【0008】
そこで本開示は、設置対象からの突出の程度を抑えるのに有利なLiDAR装置、LiDARシステム、測距方法及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様は、レーザー光を発する発光部と、楕円の一部の形状を有しレーザー光を反射する反射面と、反射面で反射されたレーザー光が通過する出口通過部と、を含む反射体と、レーザー光が楕円の一方の焦点の位置を通過した後に反射面で反射されるように、レーザー光の進行方向を調整する光路調整部と、を備えるLiDAR装置に関する。
【0010】
反射面は、回転楕円体の外周面の一部の形状を有してもよい。
【0011】
反射面は、楕円柱の側面の一部の形状を有してもよい。
【0012】
光路調整部は、MEMSミラーを有してもよい。
【0013】
光路調整部は、一方の焦点の位置に配置されてもよい。
【0014】
反射体は、レーザー光が通過可能な入口通過部を有し、光路調整部は、反射体の外側でレーザー光の進行方向を調整し、レーザー光が入口通過部を通過して反射体の内側に入射した後に反射面で反射されてもよい。
【0015】
出口通過部は、楕円の他方の焦点の位置に配置されてもよい。
【0016】
LiDAR装置は、反射面で反射後のレーザー光が通過する出射窓部を有するカバー体を備え、出射窓部は、楕円の短軸よりも小さい径を有してもよい。
【0017】
出射窓部は、楕円の他方の焦点の位置に配置されてもよい。
【0018】
カバー体は、出射窓部を支持する窓支持部を有し、出射窓部の外面及び窓支持部の外面は、段差無く、お互いに接続されていてもよい。
【0019】
LiDAR装置は、レーザー光が入射する光学素子を備えてもよい。
【0020】
本開示の他の態様は、レーザー光を発する発光部と、楕円の一部の形状を有しレーザー光を反射する反射面と反射面で反射されたレーザー光が通過する出口通過部とを含む反射体と、レーザー光が楕円の一方の焦点の位置を通過した後に反射面で反射されるようにレーザー光の進行方向を調整する光路調整部と、を具備するLiDAR装置と、少なくとも光路調整部を制御するLiDAR制御部と、を備えるLiDARシステムに関する。
【0021】
LiDARシステムは、周辺環境の撮影画像を取得する環境画像取得部を備え、LiDAR制御部は、撮影画像の解析に基づいて周辺環境における関心領域を特定し、LiDAR装置から出射されるレーザー光を、周辺環境のうち関心領域に向けて進行させるように、光路調整部を制御してもよい。
【0022】
本開示の他の態様は、LiDAR装置の発光部からレーザー光を発する工程と、レーザー光が、楕円の一方の焦点の位置を通過し、その後楕円の一部の形状を有する反射体の反射面で反射され、その後反射体の出口通過部を通過するように、光路調整部によってレーザー光の進行方向を調整する工程と、を含む測距方法に関する。
【0023】
周辺環境の撮影画像の解析に基づいて周辺環境における関心領域を特定する工程を含み、周辺環境のうち関心領域に向けてレーザー光を進行させるように、光路調整部によってレーザー光の進行方向が調整されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、LiDAR装置の一例の概略構成を示す平面図である。
図2図2は、図1に示す反射体の斜視図である。
図3図3は、発光部及び光路調整部の配置例を示す側方図であり、反射面にはハッチングが付されている。
図4図4は、回転楕円体形状を有する反射体の一例を示す図であり、点線は楕円の短軸に対応する位置を示し、反射面にはハッチングが付されている。
図5図5は、LiDAR装置の一変形例の概略構成を示す平面図である。
図6図6は、LiDAR装置の他の変形例の概略構成を示す平面図であり、カバー体は断面が示されている。
図7図7は、LiDARシステムの制御構成の一例を示す機能ブロック図である。
図8図8は、測距方法の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、図8に示す測距方法を車両運転技術(特に車両が障害物と接触することを回避する技術)に応用した場合の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[LiDAR装置]
まずLiDAR装置11の典型例について説明する。
【0026】
図1は、LiDAR装置11の一例の概略構成を示す平面図である。図2は、図1に示す反射体22の斜視図であり、反射面32にはハッチングが付されている。
【0027】
図1に示すLiDAR装置11は、レーザー光Lの光源を含む発光部21と、反射面32を有する反射体22と、レーザー光Lの進行方向を調整する光路調整部23とを備える。
【0028】
発光部21は、レーザー光Lを発する。図1に示す発光部21は、反射体22の内側において反射面32と向かい合うように設けられており、光路調整部23に向けてレーザー光Lを発する。発光部21から水平方向に発せられたレーザー光Lは、光路調整部23により進行方向が可変的に変えられ、反射面32の様々な箇所に向けて水平方向へ進行する。
【0029】
発光部21の配置位置は、図1に示す例には限定されない。例えば反射体22の外側において、反射面32と向かい合わない位置に発光部21が設けられてもよく、図3に示すように発光部21及び光路調整部23は高さ方向に異なる位置に設けられていてもよい。図3に示す例において、発光部21から上方(すなわち真上)に向けて発せられたレーザー光Lは、光路調整部23により進行方向が90度変えられる。図3に示す例においても、レーザー光Lの進行方向は光路調整部23により可変的に変えられ、反射面32の様々な箇所に向けてレーザー光Lは水平方向へ進行する。
【0030】
反射体22は、図1及び図2に示すように、光路調整部23を経て進行するレーザー光Lを反射する反射面32と、反射面32で反射されたレーザー光Lが通過する出口通過部33とを有する。
【0031】
本実施形態の反射面32は、楕円の一部の形状を有する。すなわち反射面32が垂直に切断された場合に成す形状が、楕円の部分形状となる。反射面32が成す当該楕円の長軸A1上には、第1焦点F1(すなわち一方の焦点)及び第2焦点F2(すなわち他方の焦点)が位置する。第2焦点F2は、第1焦点F1よりも、出口通過部33に近い。
【0032】
図1及び図2に示す反射面32は、楕円柱の側面の一部の形状を有し、矩形平面形状のプレートを楕円状に湾曲させたような形状となっている。楕円柱の側面は、楕円柱の高さに対して垂直な方向へ切断された場合に、楕円を成す。
【0033】
反射面32の形状は、図1及び図2に示す例には限定されない。例えば図4に示すように、反射面32は、回転楕円体の外周面の一部の形状を有していてもよい。回転楕円体は、楕円をその長軸又は短軸を回転軸として得られる回転体であり、3次元的な楕円形状を有する。
【0034】
出口通過部33は、反射面32で反射されたレーザー光Lが通過する任意の位置に設けられることが可能である。図1に示す出口通過部33は、反射面32が成す楕円の第2焦点F2の位置に配置されている。
【0035】
光路調整部23は、レーザー光Lが、反射面32が成す楕円の第1焦点F1の位置を通過した後に反射面32で反射されるように、レーザー光Lの進行方向を調整する。
【0036】
光路調整部23は、発光部21からのレーザー光Lの光路上の様々な位置に設置可能である。図1に示す光路調整部23は、反射面32が成す楕円の第1焦点F1の位置に配置され、反射体22の内側において反射面32と向かい合うように設けられている。
【0037】
本例の光路調整部23は、MEMSミラー(すなわちMEMS型ミラーシステム)を有しており、レーザー光Lを様々な方向に向けて可変的に反射させることが可能である。一般に、MEMSミラーは、小型に構成されて低電圧駆動が可能であり、反射ミラーに作用する慣性力を小さく抑えながら、反射ミラーを素早く且つ位置精度良く振れ駆動することが可能である。MEMSミラーの具体的な構成は限定されない。例えば、MEMSミラーの反射ミラーの振れ駆動は、固定回転軸を介して行われてもよいし、浮遊回転軸を介して行われてもよい。
【0038】
なお光路調整部23の構成及び設置位置は上述の例には限定されない。光路調整部23は、MEMSミラー以外のレーザー光走査機構を有していてもよく、例えばGalvano型ミラーシステムによって実現されてもよい。また光路調整部23は、反射体22の外側において、反射面32と向かい合わないように設けられていてもよい。
【0039】
図5は、LiDAR装置11の一変形例の概略構成を示す平面図である。図5に示すLiDAR装置11の反射体22は、上述の反射面32及び出口通過部33に加え、第1焦点F1の位置に設けられ且つレーザー光Lが通過可能な入口通過部34を有する。発光部21及び光路調整部23は、反射体22の外側に設けられている。発光部21は、全体としては固定的に設けられているが、レーザー光Lの出射位置及び出射方向が可変に設けられている。光路調整部23は、固定的に設けられており、例えばマイクロプリズムや回折格子によって構成可能である。
【0040】
図5に示す例において、反射体22の外側で発光部21から発せられ且つ光路調整部23により進行方向が調整されたレーザー光Lは、入口通過部34を通過して反射体22の内側に入射し、その後反射面32で反射されて出口通過部33から出射する。光路調整部23は、基本的に、発光部21からのレーザー光Lの入射位置にかかわらず、ほぼ全てのレーザー光Lを入口通過部34に向けて出射する。入口通過部34の具体的な形状及びサイズは限定されない。反射体22の内側への不要光の入射を抑える観点からは、入口通過部34を通過するレーザー光Lの所望のビーム形状及び所望のビーム径に対応するように、入口通過部34の形状及びサイズ(例えば開口径)が決められることが好ましい。このように図5に示す例では、発光部21(特にレーザー光Lの出射態様)及び光路調整部23の組み合わせに応じてレーザー光Lの進行方向が調整されるため、機能的には発光部21も光路調整部23の一部を成す。
【0041】
LiDAR装置11は、発光部21から発せられたレーザー光Lが入射するレンズ等の光学素子を更に備えていてもよい。そのような光学素子の設置位置は限定されず、1種類又は複数種類の光学素子をレーザー光Lの光路上に適宜設置可能である。例えば、反射面32で反射された後のレーザー光Lが入射する位置に光学素子が設けられてもよいし、反射面32で反射される前のレーザー光Lが入射する位置に光学素子が設けられてもよい。
【0042】
例えば図1に示すように、反射面32が成す楕円の第2焦点F2の位置に光学素子26が配置されてもよい。この場合、単一の光学素子26によって、反射面32で反射されたレーザー光Lの全てを光学的に補正することが可能である。また発光部21と光路調整部23との間に光学素子を設置し、光学素子により光学特性が調整された状態のレーザー光Lを光路調整部23に入射させてもよい。光学素子の具体的な構成及び機能は限定されない。光学素子26は、例えば、レーザー光Lのビーム径を変えたり、レーザー光Lをコリメートしたり、レーザー光Lの進行方向を調整したり、レーザー光Lの進行範囲(すなわち画角範囲)を調整(例えば拡大)したりすることができる。
【0043】
LiDAR装置11は、反射体22の出口通過部33を覆うカバー体を備えていてもよい。図6に示すカバー体25は、反射面32で反射後のレーザー光Lが通過する出射窓部38と、出射窓部38を支持する窓支持部39とを有する。出射窓部38の外面(すなわち外部に露出する面)及び窓支持部39の外面は、段差無くお互いに接続されており、同一平面上に配置されている。図6に示す出射窓部38は、第2焦点F2の位置に配置されており、反射面32が成す楕円の短軸よりも小さい径(図6の上下方向長さ)を有する。なお出射窓部38は、反射面32で反射後のレーザー光Lの光路上の任意の位置に設置可能であり、第2焦点F2の位置以外の位置に設けられてもよい。例えば、第2焦点F2の位置に光学素子26を設置しつつ(図1参照)、レーザー光Lの進行方向に関して第2焦点F2よりも下流側に出射窓部38を配置してもよい。
【0044】
LiDAR装置11は、更に、周辺環境からのレーザー光Lの反射光(すなわち周辺環境で散乱されたレーザー光L)を受光する受光部(後述の図7参照)を備える。受光部における反射光の受光結果を解析することによって、周辺環境に関する情報を取得することができる。例えば、物体や人などの対象が周辺に存在するか否かに関する情報や、周辺に存在する対象までの方位及び距離に関する情報及び当該対象の性質に関する情報を、反射光の受光結果の解析に基づいて導出することが可能である。受光部は、発光部21と一体的に設けられていてもよいし、発光部21とは別体として設けられていてもよく、受光部の設置位置及び設置態様は限定されない。
【0045】
次に、上述のLiDAR装置11の作用及び効果について説明する。以下に説明する測距方法は、LiDAR装置11が制御装置(後述の図7参照)の制御下で駆動されることで行われる。
【0046】
LiDAR装置11により行われる測距方法は、発光部21からレーザー光Lを発する工程と、光路調整部23によりレーザー光Lの進行方向を調整する工程と、受光部により反射光を受光する工程とを含む。特に、レーザー光進行方向調整工程では、レーザー光Lが第1焦点F1を通過し、その後反射面32で反射され、その後出口通過部33を通過するように、レーザー光Lの進行方向が光路調整部23により調整される。
【0047】
発光部21から発せられたレーザー光Lは、第1焦点F1を通過した後に楕円形状の反射面32で反射されるため、反射面32上の反射位置にかかわらず第2焦点F2を必ず通過する。そのため、第2焦点F2をレーザー光Lの仮想的な走査中心とみなすことができ、レーザー光Lは、第2焦点F2を中心に、走査範囲のあらゆる方向へ出射するものとみなされる。
【0048】
このように上述のLiDAR装置11によれば、第2焦点F2に光路調整部23等の機器類を設置することなく、実質的に第2焦点F2を中心にレーザー光走査を行うことができる。そのため第2焦点F2(すなわち実質的なレーザー光走査中心)における装置構成を簡素化することができ、例えば光路調整部23等の機器類の全体を取り囲む広範囲カバーのような突出体を第2焦点F2に設置しないようにすることができる。
【0049】
したがって車両等の対象に上述のLiDAR装置11を設置する場合、LiDAR装置11の外部への露出箇所を第2焦点F2の位置を基準に設計することで、設置対象からのLiDAR装置11の突出を抑えることができる。
【0050】
また上述のLiDAR装置11によれば、第2焦点F2においてレーザー光Lを非常に限られた範囲から出射させつつ、レーザー光走査を行うことができる。そのため、レーザー光Lを通過させる出射窓部38(図6参照)を第2焦点F2又は第2焦点F2の近傍に設置する場合、出射窓部38を非常に小さく構成しつつ、広範囲にわたるレーザー光走査が可能である。このように出射窓部38の大きさは、レーザー光Lの走査範囲に応じて決められることができる。また出射窓部38が特有の色味を持つ場合であっても、出射窓部38を十分に小さくすることで、出射窓部38を外部から目立たなくさせることができる。
【0051】
現在市販化されているLiDAR装置の多くは、広角対応のために回転式スキャナーを採用するとともに赤外光を用いている。またスキャナーの回転機構を外部に晒さないために且つ赤外光検出のノイズとなる可視光を取り除くために、赤外光は透過するが可視光を透過させない黒い円筒カバーにより回転機構等の機器が覆われることが多い。そのようなLiDAR装置を車両等の対象に設置する場合、設置対象の本来的なデザインがLiDAR装置によって少なからず損なわれる。
【0052】
一方、上述のLiDAR装置11によれば、設置対象からのLiDAR装置11の突出の程度を抑えて、外部露出箇所を小さく構成することで、LiDAR装置11の設置の自由度を向上させることができ、LiDAR装置11を様々な形態で設置可能である。特に、車両等の設置対象のデザインに対する影響を小さく抑えることができ、LiDAR装置11を、周辺デザインと高いレベルで調和させつつ適切に設置することが可能である。一般に、あるデザインの一部としてLiDAR装置11の外部露出箇所を設ける場合、外部露出箇所の面積をデザイン全体の面積の50%未満とすることで、外部露出箇所の目立ちを効果的に抑えることができる。上述のLiDAR装置11によれば、当該50%未満の条件を十分に満たすことが可能である。
【0053】
またLiDAR装置11の突出の程度を抑えることで、安全性を向上させて、騒音や空気抵抗を低減することができる。さらにLiDAR装置11の外部露出箇所に対する汚れの付着を抑えることができ、簡素な洗浄機構によって外部露出箇所に付着した汚れを除去することが可能である。例えば、船舶で使われている高速回転窓のような水滴除去機構が組み合わされた洗浄機構によって、LiDAR装置11の外部露出箇所を適切に洗浄することも可能である。
【0054】
また上述のLiDAR装置11によれば、光路調整部23を、反射体22の内側空間において、反射体22により保護された状態で配置することができる。特に、光路調整部23を小型軽量のMEMSミラーにより構成することで、反射体22の内側空間が小さくても、光路調整部23を簡単且つ適切に設置することが可能である。さらに光路調整部23を小型軽量のMEMSミラーにより構成することで、筐体回転式のLiDAR装置やスキャナーヘッド一体低速回転型のLiDAR装置に比べて、レーザー光Lの高速走査が可能である。
【0055】
[LiDARシステム]
次に、上述のLiDAR装置11を利用したLiDARシステムについて説明する。
【0056】
以下では、一例として、車両にLiDAR装置11を搭載する場合について説明する。ただしLiDAR装置11の設置対象は車両には限定されず、LiDAR装置11を他の対象(移動体及び静止体を含む)に搭載する場合にも以下の説明は同様に適用されうる。
【0057】
図7は、LiDARシステム10の制御構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0058】
図7に示すLiDARシステム10は、LiDAR装置11、制御装置15及び撮影装置50を備える。制御装置15及び撮影装置50は、本実施形態ではLiDAR装置11が設置される対象(本例では車両(図示省略))に搭載されているが、LiDAR装置11が設置される対象に搭載されていなくてもよい。例えば制御装置15及び撮影装置50は、LiDAR装置11が設置される対象から離れた位置に設けられていてもよく、無線信号を介して他の機器とのデータ送受信を行ってもよい。
【0059】
撮影装置50は、周辺環境の撮影画像D1(すなわち画像データ)を取得する環境画像取得部であり、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどの固体撮像素子を具備する。撮影装置50は、制御装置15(特に撮影制御部16)の制御下で撮影を行い、撮影画像D1を制御装置15(特に撮影制御部16)に送信する。撮影装置50は、任意の構成を有することができ、例えば単眼カメラによって構成されてもよいし、ステレオカメラによって構成されてもよい。
【0060】
制御装置15は、LiDAR制御部12及び撮影制御部16を有する。
【0061】
LiDAR制御部12は、LiDAR装置11(少なくとも光路調整部23)を制御する。図7に示すLiDAR制御部12は発光部21及び光路調整部23を制御する。発光部21は、LiDAR制御部12から送られてくる制御信号D2に基づいて、レーザー光Lを発する。光路調整部23は、LiDAR制御部12から送られてくる制御信号D2に基づいて、レーザー光Lの進行方向を調整する。
【0062】
LiDAR制御部12は、LiDAR装置11の受光部24から、周辺環境からのレーザー光Lの反射光の受光結果D3を受信する。そしてLiDAR制御部12は、受光部24の受光結果D3を解析し、周辺環境の状態に関する情報を取得する。
【0063】
本実施形態のLiDAR制御部12は、後述のように、撮影画像D1の解析に基づいて周辺環境における関心領域を特定する関心領域特定部としても働く。
【0064】
撮影制御部16は、撮影装置50を制御するとともに、撮影装置50から送られてくる撮影画像D1を記憶部(図示省略)に保存する。また図7に示す撮影制御部16は、撮影画像D1をLiDAR制御部12に送信する。
【0065】
上述の構成を有するLiDARシステム10は、広範囲コアーススキャン(Coarse Scan)及び関心領域ファインスキャン(Fine Scan)を組み合わせて行うことで、状況に応じた選択的優先検知処理を行うことができる。すなわち広範囲コアーススキャンによって、周辺環境の広域な範囲に対し、比較的粗い解像度ではあるが高速な光検出及び測距が行われる。この広範囲コアーススキャンの結果に基づき、障害候補(例えば物体及び人)の位置を基準に定められる領域が、関心領域(ROI:Region of Interest)として特定される。そして関心領域に対して限定的にファインスキャンを行うことで、障害候補の詳細情報(人、動物及び物体などの具体的な種類等)が特定される。このように、時間を要するファインスキャンを関心領域に対してのみ行うことで、広域範囲に対する光検出及び測距の実施と、障害候補の詳細情報の取得とを、短時間且つ高精度に行うことができる。
【0066】
図8は、測距方法の一例を示すフローチャートである。
【0067】
まず、LiDAR制御部12の制御下で、LiDAR装置11によって広範囲コアーススキャンが行われる(図8のS1)。すなわちLiDAR制御部12は、LiDAR装置11から出射されるレーザー光Lを、周辺環境のうち広範囲コアーススキャンのスキャン範囲に向けて進行させるように、光路調整部23を制御する。その結果としての受光部24の受光結果D3は、LiDAR制御部12に送られる。
【0068】
ここで行われる広範囲コアーススキャンは、比較的粗い解像度で高速に行われ、スキャン範囲における障害候補の探索と、当該障害候補の位置(例えば方位及び距離)の検知を主たる目的とする。したがって広範囲コアーススキャンでは、障害候補の具体的な詳細情報の検知は行われない。
【0069】
広範囲コアーススキャンのスキャン範囲(例えば方位及び視野角)は限定されず、予め定められた所定範囲であってもよいし、状況に応じて可変的に決められた範囲であってもよい。例えば車両走行中の場合、LiDAR制御部12は、LDM(Local Dynamic Map)等のマップ情報及び車両速度に応じて、広範囲コアーススキャンのスキャン範囲を適応的に決めてもよい。LiDAR制御部12は、マップ情報及び車両速度の情報を任意の方法で取得することができ、例えば制御装置15に含まれる他の制御部(例えば速度監視部)やメモリから、マップ情報及び車両速度の情報を取得してもよい。
【0070】
広範囲コアーススキャンの探索粒度(例えばスキャン解像度)は限定されず、予め固定的に定められていてもよいし、LiDAR制御部12が状況(例えば探索用途)に応じて広範囲コアーススキャンの探索粒度を可変的に決めてもよい。
【0071】
広範囲コアーススキャンは、人が周辺環境の全体像を観察取得する動作に似ているが、検知対象(すなわち障害候補)の位置(例えば方位及び距離)の高精度検知を必要とする点で、人の観察動作とは異なる。
【0072】
一方、撮影制御部16の制御下で、撮影装置50により周辺環境の広範囲が撮影されて撮影画像D1が取得される(S2)。
【0073】
撮影装置50の撮影範囲は限定されず、予め定められた所定範囲であってもよいし、撮影制御部16又はLiDAR制御部12が状況に応じて可変的に決めた範囲であってもよい。撮影装置50による撮影範囲は、例えば広範囲コアーススキャンのスキャン範囲より大きくても、小さくても、同じでもよく、マップ情報及び車両速度に応じて適応的に決められてもよい。ただし撮影装置50による撮影範囲は、少なくとも部分的に、広範囲コアーススキャンのスキャン範囲と共通する。
【0074】
撮影装置50による周辺環境の撮影画像の取得は、図8に示すように広範囲コアーススキャンの後に行われてもよいが、任意のタイミングで実施可能である。すなわち撮影装置50による周辺環境の撮影画像の取得は、広範囲コアーススキャンに先立って行われてもよいし、広範囲コアーススキャンと同時的に行われてもよい。
【0075】
そしてLiDAR制御部12は、広範囲コアーススキャンの結果(すなわち受光部24の受光結果D3)に基づいて、1又は複数の関心領域を特定する(S3)。関心領域は、受光結果D3から導き出される検知対象(すなわち障害候補)の位置を基準に決められる限定的な領域であり、広範囲コアーススキャンのスキャン範囲及び撮影装置50の撮影範囲の各々よりは小さい。
【0076】
本実施形態のLiDAR制御部12は、広範囲コアーススキャンの結果と、撮影画像D1の解析結果との組み合わせに基づいて、関心領域を特定する。例えば、LiDAR制御部12は、撮影画像D1を解析することで、検知対象(すなわち障害候補)の存在可能性を示す領域情報(例えばヒートマップ情報)を取得し、当該領域情報を参照して関心領域を決定してもよい。一般に、可視光イメージセンサにより取得される撮影画像は、アジマス分解能及び奥行き深度分解能に優れている。LiDAR制御部12は、そのような特性を持つ撮影画像D1の解析から得られる領域情報を、広範囲コアーススキャンの結果と組み合わせて用いることで、関心領域を精度良く決定することができる。
【0077】
ヒートマップ情報の具体的な導出方法及び情報形態(例えばヒートマップ情報に含まれる情報要素)は限定されない。例えば、LiDAR制御部12は、撮影画像D1に対してセマンティックセグメンテーション技術を適用することで、撮影範囲における検知対象(すなわち障害候補)の存在可能性を示すヒートマップ情報を導出することができる。
【0078】
上述の撮影画像D1の解析及びヒートマップ情報等の領域情報の取得は、LiDAR制御部12以外のデバイス要素(例えば撮影制御部16)で行われてもよい。この場合、検知対象(すなわち障害候補)の存在可能性を示す領域情報が、当該デバイス要素からLiDAR制御部12に送られる。
【0079】
そして、LiDAR制御部12の制御下で、LiDAR装置11によって関心領域ファインスキャンが行われる(S4)。すなわちLiDAR制御部12は、LiDAR装置11から出射されるレーザー光Lを、周辺環境のうち関心領域に向けて進行させるように、光路調整部23を制御する。その結果としての受光部24の受光結果D3は、LiDAR制御部12に送られる。
【0080】
関心領域ファインスキャン(S4)は、広範囲コアーススキャン(S1)よりも高い解像度で行われ、障害候補の詳細情報を検知可能なスキャンデータを提供する。一般にスキャン解像度が高くなるほどスキャンに要する時間は長くなるが、関心領域ファインスキャンのスキャン範囲は関心領域に限定されるので、短時間で関心領域ファインスキャンを行うことができる。
【0081】
関心領域ファインスキャンのスキャン動作は、いわゆるサッカード挙動を伴う人の眼球が示す対象特定動作(すなわち高速中心視野移動)に似ている。一般に、人の目は、人の首や体の動作速度に比べ、極めて高速に視覚情報探索を行うことが可能である。
【0082】
特に、高速応答性能を持つMEMSミラーを光路調整部23として利用する場合には、人の眼球のサッカード挙動を模した高速スキャンが可能である。一般のスキャナー式LiDAR装置は、一定速度でスキャン動作を行う。一方、慣性負荷が極めて小さいMEMSミラーを利用した上述のLiDAR装置11によれば、適応的且つ変速的な高速スキャンを行うことができ、人の眼球の高速情報探索挙動に似た関心領域ファインスキャンを行うことができる。
【0083】
このように関心領域ファインスキャン処理では、広範囲コアーススキャンの結果及びヒートマップ情報等の領域情報に基づいて決められる選択領域(すなわち関心領域)の高解像度スキャンを、オンデマンド的に、能動的且つ短時間に実行可能である。なお関心領域ファインスキャンの探索粒度(例えばスキャン解像度)は限定されず、予め固定的に定められていてもよいし、LiDAR制御部12が状況(例えば探索用途)に応じて関心領域ファインスキャンの探索粒度を可変的に決めてもよい。
【0084】
そして、LiDAR制御部12は、関心領域ファインスキャンの結果(すなわち受光部24の受光結果D3)に基づいて、周辺情報を取得する(S5)。すなわちLiDAR制御部12は、関心領域ファインスキャンの結果に基づいて、障害候補の具体的な詳細情報を取得する。例えば、障害候補が人、動物、建造物、及び他の物体のいずれの種類に分類されるのかが、関心領域ファインスキャンの結果に基づいて決められる。
【0085】
そして、LiDAR制御部12は、周辺情報に基づいて解析情報を取得する(S6)。例えば、LiDAR制御部12は、周辺情報(例えば障害候補の種類に関する情報)を解析し、「障害候補が実際の障害となりうる可能性が高いのか」や「車両が障害候補と接触する可能性が高いのか」を解析情報として取得することができる。
【0086】
なお上述の周辺情報を取得する処理(S5)と解析情報を取得する処理(S6)とは、必ずしもお互いから明確に区別される処理であるとは限らず、実際には同時的に行われうる。また周辺情報及び解析情報も、必ずしもお互いから明確には区別されない。
【0087】
[周辺情報及び解析情報の取得の具体例]
以下に、周辺情報及び解析情報の取得の典型的な具体例が示される。
【0088】
[周辺対象物情報の取得]
車両走行中に上述の測距方法(図8参照)を行うことで、広範囲コアーススキャンによって障害候補の存在の有無を検知し、その後の関心領域ファインスキャンによって障害候補の具体的な種類を検知することができる。検知可能な障害候補の種類は限定されず、例えば単なる人、動物、車、建造物及び路上物体等に障害候補を分類してもよいし、更に詳細に大人、子供、小型動物及び大型動物等に障害候補を分類してもよい。
【0089】
図8に示す上述の一連の処理フローは、経時的に繰り返し行われてもよい。これによりLiDAR制御部12は、障害候補の経時的な状態推移を示す時系列探索情報を取得することができる。LiDAR制御部12は、このようにして取得される時系列探索情報に基づいて、周辺情報及び解析情報を取得してもよい。例えば、LiDAR制御部12は、時系列探索情報に基づいて障害候補の予測軌跡を導出し、当該予測軌跡の情報に基づいて車両と障害候補との間の衝突を回避するための進行路を導出してもよい。このようにして時系列探索情報から導出される情報は、図示しない報知装置(例えばディスプレイや音声ガイド)を介してドライバーに報知されたり、運転アシスト操作のための基礎情報に供されたりすることが可能である。
【0090】
[障害候補の障害可能性判定]
LiDAR制御部12は、障害候補として検知された障害候補が、実際的な観点から、障害となる可能性が高いのかを判定してもよい。
【0091】
上述の広範囲コアーススキャンによれば、例えば空中に舞っている紙などの物体(すなわち車両走行の障害になる可能性が低い物体)も障害候補として検知される。
【0092】
そのためLiDAR制御部12は、関心領域ファインスキャンの結果に対して特有の解析手法を適用し、障害候補が実際の障害となる可能性を判定してもよい。例えばLiDAR制御部12は、関心領域ファインスキャンの結果に基づいて、障害候補が路面に接地しているか否か、障害候補のサイズ、及び障害候補の経時的挙動の情報を導出し、当該導出結果から障害候補の実際の障害可能性を判定してもよい。
【0093】
[俯瞰投影空間に投影した自車走行予定ルート空間と障害候補との接触可能性判定]
LiDAR制御部12は、広範囲コアーススキャンの結果に基づいて俯瞰概要分布マップを生成してもよい。俯瞰概要分布マップは、自車両の予定走行ルート及び予定走行ルート近傍のエリアを含む範囲において、障害候補の大まかな位置(例えば方位及び距離)を示すマップ情報である。なお俯瞰概要分布マップに反映される障害候補については、障害候補が実際的な観点から障害となる可能性が高いか否かは問われなくてもよい。
【0094】
そしてLiDAR制御部12は、俯瞰概要分布マップと撮影画像D1の解析結果とに基づいて関心領域ファインスキャンを行ってもよい。LiDAR制御部12は、関心領域ファインスキャンの結果に基づいて、障害候補を、経時的に追跡する必要がある対象(すなわちトラッキング対象)に分類するか否かの判定を行ってもよい。例えば、関心領域ファインスキャンの結果、車両(バイクを含む)、自転車、歩行者、或いは動物と認識される障害候補は、トラッキング対象に分類されてもよい。
【0095】
またLiDAR制御部12は、トラッキング対象の進路予測評価を行ってもよい。例えば、LiDAR制御部12は、対象の種類に基づく特性に基づいて、トラッキング対象の進路予測評価を行ってもよい。例えば、トラッキング対象が車両の場合には車道を進む可能性が高く、人の場合には歩道を進む可能性が高く、動物の場合には道全般(車道及び歩道を問わない)を進む可能性が高い。
【0096】
なおLiDAR制御部12は、関心領域ファインスキャンの結果だけではなく、撮影画像D1の解析結果も加味した上で、障害候補がトラッキング対象に分類されるか否かの判定や、トラッキング対象の進路予測評価を行ってもよい。この場合、より詳細な分類判定及び進路予測評価を行うことが可能である。例えばLiDAR制御部12は、予定走行ルート及び予定走行ルート近傍のエリアにおける、縁石無し道路及び縁石有り道路の存在の有無に関する情報やガードレールの存在の有無に関する情報を、撮影画像D1の解析結果から得ることが可能である。
【0097】
次に、上述の測距方法を車両運転技術(特に車両が障害物と接触することを回避する技術)に応用した場合の一例について説明する。
【0098】
図9は、図8に示す測距方法を車両運転技術(特に車両が障害物と接触することを回避する技術)に応用した場合の一例を示すフローチャートである。
【0099】
LiDAR制御部12は、関心領域ファインスキャンの結果から導き出される周辺情報及び解析情報(図8のS5及びS6参照)に基づいて、車両と障害候補との間の接触可能性を判定する(図9のS11)。当該接触可能性は、様々な情報を総合的に考慮して判定されることが可能である。例えば車両と障害候補との間の相対位置(例えば距離及び方位)に基づいて、車両と障害候補との間の接触可能性が判定されてもよい。車両と障害候補との間の接触可能性が大きくないとLiDAR制御部12により判定される場合(S12のN)、接触可能性の判定が引き続き繰り返し行われる(S11)。
【0100】
一方、車両と障害候補との間の接触可能性が大きいとLiDAR制御部12により判定される場合(S12のY)、LiDAR制御部12は、周辺情報及び解析情報に基づいて、車両の接触回避動作が可能か否かを判定する(S13)。接触回避動作は限定されないが、ステアリング操作によって車両進路を変更する動作が接触回避動作に含まれうる。接触回避動作が可能であるとLiDAR制御部12により判定される場合(S14のY)、LiDAR制御部12は車両に接触回避動作を実行させる(S15)。
【0101】
一方、接触回避動作が可能ではないとLiDAR制御部12により判定される場合(S14のN)、LiDAR制御部12は、周辺情報及び解析情報に基づいて、車両の制動動作が可能か否かを判定する(S16)。制動動作が可能であるとLiDAR制御部12により判定される場合(S17のY)、LiDAR制御部12は車両に制動動作を実行させる(S18)。
【0102】
一方、制動動作が可能ではないとLiDAR制御部12により判定される場合(S17のN)、LiDAR制御部12は、車両に緊急動作を実行させる。緊急動作は限定されず、例えば車両を緊急停止させる動作や、ドライバーに対して緊急事態が発生していることを報知する動作が緊急動作に含まれうる。
【0103】
そしてLiDAR制御部12は、周辺情報及び解析情報に基づいて、車両の継続走行が可能か否かを判定する(S20)。車両の継続走行が可能であるとLiDAR制御部12により判定される場合(S21のY)、LiDAR制御部12は、再び、周辺情報及び解析情報に基づいて車両と障害候補との間の接触可能性を判定する(S11)。
【0104】
一方、車両の継続走行が可能ではないとLiDAR制御部12により判定される場合(S21のN)、LiDAR制御部12は車両の走行を停止させるための指令信号を発し、車両は完全に停止させられる(S22)。
【0105】
以下に、上述の測距方法の他の応用事例が例示される。
【0106】
[応用事例1]
道路(例えば高速道路)での車両走行の際に、自車両と、予定走行ルート上に位置する障害候補(例えば他の車両や路上障害物)及び予定走行ルート近傍の障害候補との間の相対位置関係の検知に関し、上述の測距方法を応用することができる。
【0107】
例えば、予定走行ルート上の車線(すなわち走行車線)及び当該走行車線に隣り合う車線(すなわち隣接車線)を基準に、広範囲コアーススキャンのスキャン範囲を決めることができる。
【0108】
関心領域ファインスキャン処理では、障害候補を落下物、車両及びバイクなどに分類可能な程度の解像度で、スキャンを行うことができる。
【0109】
[応用事例2]
家屋等の建造物が近くに存在し且つ歩行者が存在しうる市街道路を車両が走行する場合に、上述の測距方法を行うことができる。
【0110】
例えば、予定走行ルート上の走行車線及び隣接車線に加え、走行車線の近傍において人や動物が歩く可能性が高い道(車道及び歩道を含む)を基準に、広範囲コアーススキャンのスキャン範囲を決めることができる。
【0111】
関心領域ファインスキャン処理では、障害候補を多種類(例えば屋台などの干渉物を含む)に分類可能な程度の解像度で、スキャンを行うことができる。また、歩行者の動的行動追跡を行うことができる程度の解像度で時系列探索情報を取得することができる。このように、車両の接触回避のための詳細な方位情報及び車両軌跡情報の取得を、関心領域において行うことができる。
【0112】
[応用事例3]
車両が野生動物との事故多発地帯(例えば夜間田舎道)を走行し、且つ、事前にLDM等のマップ情報を取得している場合に、上述の測距方法を行うことができる。
【0113】
例えば、予定走行ルート上の走行車線及び隣接車線に加え、走行車線の近傍において人や動物が歩く可能性が高い道(車道及び歩道を含む)を基準に、広範囲コアーススキャンのスキャン範囲を決めることができる。
【0114】
関心領域ファインスキャン処理では、広範囲コアーススキャンの結果から特定される障害候補の位置を基準とした3次元空間を、スキャン範囲とすることができる。
【0115】
[応用事例4]
不特定物が配置されているガレージに車両を駐車する際に、上述の測距方法を行うことができる。
【0116】
例えば、LiDAR制御部12は、広範囲コアーススキャンの結果から、ガレージのおおよそのスペース形状を認識するとともに、ガレージにおける突起物の有無及び位置を認識することができる。
【0117】
関心領域ファインスキャン処理では、ガレージにおける接触可能性がある物体を検知可能な高い解像で、スキャンを行うことができる。例えば自宅ガレージの場合、時間的な拘束条件が比較的緩いため、非常に高い解像度で時間をかけて関心領域ファインスキャンを実施しうる。
【0118】
以上説明したように上述のLiDAR装置11は、楕円の一部の形状を有する反射面32を用いるため、車両等の設置対象からの突出の程度を抑えるのに有利であり、設置対象から一切突出しないように設置されることも可能である。
【0119】
また回転楕円体の外周面の一部の形状を有する反射面32(図2参照)を用いることで、反射面32の形成が容易であり、反射面32の占有スペースの大きさを抑えることができる。
【0120】
また楕円柱の側面の一部の形状を有する反射面32(図4参照)を用いることで、反射面32は、基本的に、あらゆる方向に進行するレーザー光Lを適切に反射して第2焦点F2に向けて進行させることができる。
【0121】
また光路調整部23がMEMSミラーを有することで、LiDAR装置11は適応的且つ変速的な高速スキャンを行うことができる。
【0122】
また光路調整部23を第1焦点F1に配置することによって、レーザー光Lは適切に第1焦点F1を通過することができる。
【0123】
また図5に示すように反射体22の外側で光路調整部23がレーザー光Lの進行方向を調整して、レーザー光Lを、入口通過部34を介して反射体22の内側に入射させることで、反射体22の小型化を促すことができる。
【0124】
また出口通過部33を第2焦点F2の位置に配置することによって、実質的なレーザー光走査中心となる第2焦点F2を基準とした装置設計が容易である。
【0125】
また反射面32で反射後のレーザー光Lが通過する出射窓部38(図6参照)が、反射面32が成す楕円の短軸よりも小さい径を有することで、出射窓部38を小さく目立たないように構成することができる。
【0126】
また出射窓部38を第2焦点F2の位置に配置することで、出射窓部38の大きさを最小化することが可能である。
【0127】
また出射窓部38の外面及び窓支持部39の外面を段差無くお互いに接続することで、出射窓部38及び窓支持部39の接続部は、突出構造を持つことなく、滑らかな外面を有することができる。
【0128】
またLiDAR装置11が必要に応じた光学素子26を具備することで、所望の光学特性を持ったレーザー光LをLiDAR装置11から出射させることが可能である。
【0129】
また楕円の一部の形状を持つ反射面32を具備するLiDAR装置11に対してLiDAR制御部12を組み合わせることにより、設置対象からのLiDARシステム10の突出の程度を抑えつつ、周辺環境の広範囲にわたるレーザー光走査を行うことができる。同様に、楕円の一部の形状を持つ反射面32で反射させたレーザー光Lを使った測距方法を実施することで、設置対象からのLiDARシステム10の突出の程度を抑えつつ、周辺環境の広範囲にわたるレーザー光走査を行うことができる。
【0130】
また図8に示すように、広範囲コアーススキャン及び関心領域ファインスキャンを組み合わせることによって、広域範囲に対する光検出及び測距の実施と、障害候補の詳細情報の取得とを、短時間且つ高精度に行うことができる。同様に、広範囲コアーススキャン及び関心領域ファインスキャンが行われる測距方法によって、広域範囲に対する光検出及び測距の実施と、障害候補の詳細情報の取得とを、短時間且つ高精度に行うことができる。特に、撮影画像D1の解析に基づいて周辺環境における関心領域を特定することで、関心領域の特定を精度良く行うことができる。
【0131】
本明細書で開示されている実施形態及び変形例はすべての点で例示に過ぎず限定的には解釈されないことに留意されるべきである。上述の実施形態及び変形例は、添付の特許請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態での省略、置換及び変更が可能である。例えば上述の実施形態及び変形例が組み合わされてもよく、また上述以外の実施形態が上述の実施形態又は変形例と組み合わされてもよい。また、本明細書に記載された本開示の効果は例示に過ぎず、その他の効果があってもよい。
【0132】
また上述の技術的思想を具現化する技術的カテゴリーは限定されない。例えば上述の測距方法に含まれる1又は複数の手順(ステップ)をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムによって、上述の技術的思想が具現化されてもよい。またそのようなコンピュータプログラムが記録されたコンピュータが読み取り可能な非一時的(non-transitory)な記録媒体によって、上述の技術的思想が具現化されてもよい。
【0133】
なお、本開示は以下のような構成を取ることもできる。
[項目1]
レーザー光を発する発光部と、
楕円の一部の形状を有し前記レーザー光を反射する反射面と、前記反射面で反射された前記レーザー光が通過する出口通過部と、を含む反射体と、
前記レーザー光が前記楕円の一方の焦点の位置を通過した後に前記反射面で反射されるように、前記レーザー光の進行方向を調整する光路調整部と、
を備えるLiDAR装置。
[項目2]
前記反射面は、回転楕円体の外周面の一部の形状を有する項目1に記載のLiDAR装置。
[項目3]
前記反射面は、楕円柱の側面の一部の形状を有する項目1又は2に記載のLiDAR装置。
[項目4]
前記光路調整部は、MEMSミラーを有する項目1~3のいずれかに記載のLiDAR装置。
[項目5]
前記光路調整部は、前記一方の焦点の位置に配置される項目1~4のいずれかに記載のLiDAR装置。
[項目6]
前記反射体は、前記レーザー光が通過可能な入口通過部を有し、
前記光路調整部は、前記反射体の外側で前記レーザー光の進行方向を調整し、前記レーザー光が前記入口通過部を通過して前記反射体の内側に入射した後に前記反射面で反射される項目1~5のいずれかに記載のLiDAR装置。
[項目7]
前記出口通過部は、前記楕円の他方の焦点の位置に配置される項目1~6のいずれかに記載のLiDAR装置。
[項目8]
前記反射面で反射後の前記レーザー光が通過する出射窓部を有するカバー体を備え、
前記出射窓部は、前記楕円の短軸よりも小さい径を有する項目1~7のいずれかに記載のLiDAR装置。
[項目9]
前記出射窓部は、前記楕円の他方の焦点の位置に配置される項目8に記載のLiDAR装置。
[項目10]
前記カバー体は、前記出射窓部を支持する窓支持部を有し、
前記出射窓部の外面及び前記窓支持部の外面は、段差無く、お互いに接続されている項目8又は9に記載のLiDAR装置。
[項目11]
前記レーザー光が入射する光学素子を備える項目1~10のいずれかに記載のLiDAR装置。
[項目12]
レーザー光を発する発光部と、楕円の一部の形状を有し前記レーザー光を反射する反射面と前記反射面で反射された前記レーザー光が通過する出口通過部とを含む反射体と、前記レーザー光が前記楕円の一方の焦点の位置を通過した後に前記反射面で反射されるように前記レーザー光の進行方向を調整する光路調整部と、を具備するLiDAR装置と、
少なくとも前記光路調整部を制御するLiDAR制御部と、を備えるLiDARシステム。
[項目13]
周辺環境の撮影画像を取得する環境画像取得部を備え、
前記LiDAR制御部は、
前記撮影画像の解析に基づいて周辺環境における関心領域を特定し、
前記LiDAR装置から出射される前記レーザー光を、周辺環境のうち前記関心領域に向けて進行させるように、前記光路調整部を制御する項目12に記載のLiDARシステム。
[項目14]
LiDAR装置の発光部からレーザー光を発する工程と、
前記レーザー光が、楕円の一方の焦点の位置を通過し、その後前記楕円の一部の形状を有する反射体の反射面で反射され、その後前記反射体の出口通過部を通過するように、光路調整部によって前記レーザー光の進行方向を調整する工程と、
を含む測距方法。
[項目15]
周辺環境の撮影画像の解析に基づいて周辺環境における関心領域を特定する工程を含み、
周辺環境のうち前記関心領域に向けて前記レーザー光を進行させるように、前記光路調整部によって前記レーザー光の進行方向が調整される項目14に記載の測距方法。
[項目16]
LiDAR装置の発光部からレーザー光を発するステップと、
前記レーザー光が、楕円の一方の焦点の位置を通過し、その後前記楕円の一部の形状を有する反射体の反射面で反射され、その後前記反射体の出口通過部を通過するように、光路調整部によって前記レーザー光の進行方向を調整するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
[項目17]
周辺環境の撮影画像の解析に基づいて周辺環境における関心領域を特定するステップをコンピュータに実行させ、
周辺環境のうち前記関心領域に向けて前記レーザー光を進行させるように、前記光路調整部によって前記レーザー光の進行方向が調整される項目16に記載のプログラム。
【符号の説明】
【0134】
10 LiDARシステム
11 LiDAR装置
12 LiDAR制御部
21 発光部
22 反射体
23 光路調整部
26 光学素子
32 反射面
33 出口通過部
34 入口通過部
38 出射窓部
39 窓支持部
50 撮影装置
F1 第1焦点
F2 第2焦点
L レーザー光
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9