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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165157
(43)【公開日】2023-11-15
(54)【発明の名称】駅務サーバおよび駅務プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/30 20120101AFI20231108BHJP
   G07B 15/00 20110101ALI20231108BHJP
【FI】
G06Q50/30
G07B15/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022075834
(22)【出願日】2022-05-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】金澤 知明
【テーマコード(参考)】
3E127
5L049
【Fターム(参考)】
3E127AA03
3E127BA21
3E127BA43
3E127CA02
3E127CA05
5L049CC43
(57)【要約】
【課題】改造前後の改札機がある場合でも、駅務サーバと改札機とのバージョンを一致させた判定処理を実行すること。
【解決手段】実施形態に係る駅務サーバであって、改札機から判定要求を受信する受信部と、判定要求に含まれる改札機についての情報に基づいて、改札機を識別する識別部と、識別された改札機に応じて判定要求を受信し、判定要求に含まれる媒体情報に基づいて判定結果を生成する判定処理部と、判定結果を改札機に送信する送信部と、を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
改札機から判定要求を受信する受信部と、
前記判定要求に含まれる前記改札機についての情報に基づいて、前記改札機を識別する識別部と、
前記識別された改札機に応じて前記判定要求を受信し、前記判定要求に含まれる媒体情報に基づいて判定結果を生成する判定処理部と、
前記判定結果を前記改札機に送信する送信部と、
を備える、駅務サーバ。
【請求項2】
前記改札機についての情報は、前記改札機が改造後または改造前のバージョンであるかを示し、前記識別部は、前記改札機が改造後の改札機である、または改造前の改札機であるかを識別する、請求項1に記載の駅務サーバ。
【請求項3】
前記改札機についての情報は、1ビットのフラグ情報である、請求項2に記載の駅務サーバ。
【請求項4】
前記判定処理部は、改造後のバージョンに対応した複数の第1の判定処理部と、前記改造前のバージョンに対応した複数の第2の判定処理部と、を備え、前記識別部は、前記改札機が改造後の改札機であると識別した場合、前記判定要求を前記複数の第1の判定処理部のうちの1つに出力し、前記改札機が改造前の改札機であると識別した場合、前記判定要求を前記複数の第2の判定処理部のうちの1つに出力する、請求項2に記載の駅務サーバ。
【請求項5】
前記駅務サーバは、前記改札機が改造後の改札機であるか改造前の改札機であるかを記憶する記憶部をさらに備え、前記判定処理部は、改造後のバージョンに対応した複数の第1の判定処理部と、前記改造前のバージョンに対応した複数の第2の判定処理部と、を備え、前記識別部は、前記記憶部に記憶された情報に基づいて、前記識別された改札機が改札後の改札機であるまたは改造前の改札機であるかをさらに識別し、前記改札機が改造後の改札機であると識別した場合、前記判定要求を前記複数の第1の判定処理部のうちの1つに出力し、前記改札機が改造前の改札機であると識別した場合、前記判定要求を前記複数の第2の判定処理部のうちの1つに出力する、請求項1に記載の駅務サーバ。
【請求項6】
前記判定処理部は、改札機それぞれに対応する改札機判定処理部を備え、前記識別部は、前記識別された改札機に対応する改札機判定処理部に前記判定要求を出力する、請求項1に記載の駅務サーバ。
【請求項7】
前記改札機判定処理部はそれぞれ、各改札機が改造後であるか改造前であるか既知であり、前記改札機が改造後であるまたは改造前であるかに応じた判定処理を実行する、請求項6に記載の駅務サーバ。
【請求項8】
改札機から判定要求を受信することと、
前記判定要求に含まれる前記改札機についての情報に基づいて、前記改札機を識別することと、
前記識別された改札機に応じて前記判定要求を受信することと、
前記判定要求に含まれる媒体情報に基づいて判定結果を生成することと、
前記判定結果を前記改札機に送信することと、
を備える、駅務サーバが備えるプロセッサによって実行させるための命令を備える駅務プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、駅務サーバおよび駅務プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、旅客が改札機を通過する際、旅客の通行(入場または退場)を許可して良いかの判定処理を改札機が実行してきた。近年、この判定処理を改札機に接続された駅務サーバが実行するようにシンクライアント化されてきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-060727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
改札機に新機能を追加する、または既存の機能の内容を変更する際、改造を行う必要がある。従来のように改札機が判定処理を実行する場合、改札機のみ改造を実行すれば良い。しかしながら、シンクライアント化したことにより、駅務サーバも改造する必要がある。また、駅務サーバに接続される改札機は、多数存在するため、すべての改札機の改造を同時に実行することができない。そのため、改造後の駅務サーバおよび改札機と改造前の改札機が存在する期間が発生する。その結果、改造後の駅務サーバのバージョンと改造前の改札機のバージョンが一致しないという問題がある。
【0005】
さらに、改造後の駅務サーバは、最新の機能で処理した情報を用いて判定処理を実行するため、改造前の改札機で使用される機能を用いて処理された情報と齟齬が発生するという問題がある。
【0006】
この発明の課題は、上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、改造後および改造前の改札機がある場合であっても、駅務サーバと改札機とのバージョンを一致させ、駅務サーバと改札機との間の情報に齟齬を発生させない技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る駅務サーバは、改札機から判定要求を受信する受信部と、前記判定要求に含まれる前記改札機についての情報に基づいて、前記改札機を識別する識別部と、前記識別された改札機に応じて前記判定要求を受信し、前記判定要求に含まれる媒体情報に基づいて判定結果を生成する判定処理部と、前記判定結果を前記改札機に送信する送信部と、を備えるものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施形態における駅務システムの概略構成および各装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、駅務サーバのソフトウェア構成を図1に示したハードウェア構成に関連付けて示すブロック図である。
図3図3は、第1の改札機および第2の改札機のソフトウェア構成を図1に示したハードウェア構成に関連付けて示すブロック図である。
図4図4は、駅務サーバ、第1の改札機、および第2の改札機の改造スケジュールの一例を示した図である。
図5図5は、第1の実施形態の駅務システムにおける改札処理手順の一例を示すシーケンス図である。
図6図6は、駅務サーバのソフトウェア構成を図1に示したハードウェア構成に関連付けて示すブロック図である。
図7図7は、第1の改札機および第2の改札機のソフトウェア構成を図1に示したハードウェア構成に関連付けて示すブロック図である。
図8図8は、第2の実施形態の駅務システムにおける改札処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら駅務サーバおよび駅務プログラムについて詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、同一の番号を付した部分については同様の動作を行うものとして、重ねての説明を省略する。例えば、複数の同一または類似の要素が存在する場合に、各要素を区別せずに説明するために共通の符号を用いることがあるし、各要素を区別して説明するために当該共通の符号に加えて枝番号を用いることもある。
【0010】
[第1の実施形態]
(構成)
図1は、第1の実施形態における駅務システムの概略構成および各装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0011】
駅務システムは、駅務サーバ1と、第1の改札機2と、第2の改札機3と、を備える。
【0012】
駅務サーバ1、第1の改札機2、および第2の改札機3は互いに、ネットワーク4を通じて接続される。なお、図1では、簡単化のため、2つの改札機(第1の改札機2および第2の改札機3)のみを示しているが、駅務サーバ1は、多数の改札機がネットワーク4を通じて互いに接続される。したがって、駅務サーバ1は、多数の改札機から送信された、多数の判定処理を同時に実行する必要がある。
【0013】
駅務サーバ1は、第1の改札機2および第2の改札機3を管理する鉄道事業者の施設内に設置される。また、駅務サーバ1は、PC(Personal Computer)などのコンピュータによって各種動作を実現することが可能である。
【0014】
駅務サーバ1は、制御部11、記憶部12、通信インタフェース13、および入出力インタフェース14を備える。制御部11、記憶部12、通信インタフェース13、および入出力インタフェース14は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。
【0015】
制御部11は、駅務サーバ1を制御する。制御部11は、中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサを備える。
【0016】
記憶部12は、記憶媒体である。記憶部12は、例えばHDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)等の随時書き込みおよび読出し可能な不揮発性メモリと、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリと、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリとを組み合わせて構成される。記憶部12は、記憶領域に、プログラム記憶領域と、データ記憶領域とを備える。プログラム記憶領域は、OS(Operating System)やミドルウェアに加えて、各種処理を実行するために必要なアプリケーションプログラムを格納する。
【0017】
通信インタフェース13は、1つ以上の有線または無線の通信モジュールを含む。例えば、通信インタフェース13は、ネットワーク4を通じて、第1の改札機2および第2の改札機3と有線または無線接続する通信モジュールを含む。通信インタフェース13は、制御部11の制御の下、第1の改札機2または第2の改札機3との間で通信を行い、各種情報を送受信することができる一般的な通信モジュールを含んでよい。
【0018】
入出力インタフェース14は、入力部141および出力部142等と接続される。入出力インタフェース14は、制御部11と、入力部141および出力部142との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。入出力インタフェース14は、通信インタフェース13と一体であっても良い。例えば、入出力インタフェース14は、制御部11と、入力部141または出力部142とは、近距離無線技術等を使用して無線接続されており、当該近距離無線技術を用いて情報の送受信を行ってもよい。
【0019】
入力部141は、例えば、駅務サーバ1を管理する管理者が駅務サーバ1に対して各種情報を入力するためのキーボードやポインティングデバイス等を含む。また、入力部141は、記憶部12に格納するべきデータを、USBメモリ等のメモリ媒体から読み出すためのリーダや、そのようなデータをディスク媒体から読み出すためのディスク装置を含んでも良い。
【0020】
出力部142は、駅務サーバ1から管理者に提示するべき出力データを表示するディスプレイや、それを印刷するプリンタ等を含む。
【0021】
第1の改札機2および第2の改札機3は、旅客が鉄道等を利用しようとする駅等に設置され、旅客の通行(入場または退場)を制御する。第1の改札機2および第2の改札機3は、同じ駅構内に設置されていても良いし、別の駅に設置されていてもよい。
【0022】
第1の改札機2は、制御部21、記憶部22、通信インタフェース23、および入出力インタフェース24を備える。
【0023】
制御部21は、第1の改札機2を制御する。制御部21は、中央処理ユニット(CPU)などのハードウェアプロセッサを備える。
【0024】
記憶部22は、記憶媒体である。記憶部22は、例えばHDDまたはSSD等の随時書き込みおよび読出し可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを組み合わせて構成される。記憶部22は、記憶領域に、プログラム記憶領域と、データ記憶領域とを備える。プログラム記憶領域は、OSやミドルウェアに加えて、各種処理を実行するために必要なアプリケーションプログラムを格納する。また、記憶部22は、第1の改札機2の現在のバージョン等の各種情報を記憶してもよい。
【0025】
通信インタフェース23は、1つ以上の有線または無線の通信モジュールを含む。例えば、通信インタフェース23は、ネットワーク4を通じて、駅務サーバ1と有線または無線接続する通信モジュールを含む。通信インタフェース23は、制御部21の制御の下、駅務サーバ1との間で通信を行い、各種情報を送受信することができる一般的な通信モジュールを含んでよい。
【0026】
入出力インタフェース24は、媒体読み取り部241、ゲート242、および通知部243等と接続される。入出力インタフェース24は、制御部21と、媒体読み取り部241、ゲート242、および通知部243との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。入出力インタフェース24は、通信インタフェース23と一体であっても良い。例えば、入出力インタフェース24は、制御部21と、媒体読み取り部241、ゲート242、および通知部243のうちの少なくとも1つとは、近距離無線技術等を使用して無線接続されており、当該近距離無線技術を用いて情報の送受信を行ってもよい。
【0027】
媒体読み取り部241は、2次元コードから情報を読み取る2次元コードリーダ、旅客が所持するICカード等と無線通信によって情報を読み取るICカードリーダライタ、磁気券から情報を読み取る磁気情報読み取り部等のうちの少なくとも1つを備える。ここで、媒体は、2次元コードが印刷された乗車券、ICカード、磁気券等を含む。また、媒体は、カメラで旅客の顔を撮影した撮影画像を含んでも良い。すなわち、媒体読み取り部241は、旅客が改札機を通行することが可能かどうかを判断するための各種情報を媒体から取得可能なものであれば一般的なものでよい。
【0028】
ゲート242は、第1の改札機2の通路側の側面に配置される。ゲート242は、制御部21の指示に応じて、開閉する。例えば、ゲート242が閉じることにより、旅客の通行を物理的に阻止する。
【0029】
通知部243は、第1の改札機2の上部に配置されるディスプレイ等を含む。また、通知部243は、スピーカ、ランプ等を含んでもよい。通知部243は、旅客に通行の可否を知らせるため使用することができる。例えば、旅客に通行を許可する場合、通知部243は、ディスプレイに通行を許可する情報を表示させるようにしてよい。一方、旅客の通行を許可しない信号を受信した場合、通知部243は、スピーカで旅客に対して通行を許可しない旨をアナウンスし、ランプを赤色に点灯させるようにしてよい。
【0030】
第2の改札機3は、制御部31、記憶部32、通信インタフェース33、および入出力インタフェース34を備える。
【0031】
制御部31、記憶部32、通信インタフェース33、および入出力インタフェース34はそれぞれ、第1の改札機2の制御部21、記憶部22、通信インタフェース23、および入出力インタフェース24と同じ構成であってよい。そのため、ここでの説明を省略する。
【0032】
また、入出力インタフェース34は、媒体読み取り部341、ゲート342、および通知部343等と接続される。媒体読み取り部341、ゲート342、および通知部343はそれぞれ、第1の改札機2の媒体読み取り部241、ゲート242、および通知部243と同じ構成であってよい。そのため、ここでの説明を省略する。
【0033】
図2は、駅務サーバ1のソフトウェア構成を図1に示したハードウェア構成に関連付けて示すブロック図である。
駅務サーバ1の制御部11は、情報取得部111、バージョン識別部112、第1のバージョン判定処理部113、第2のバージョン判定処理部114、および送信制御部115を備える。
【0034】
情報取得部111は、通信インタフェース13を通じて、第1の改札機2または第2の改札機3から判定要求を受信する。ここで、判定要求の詳細は、後述する。情報取得部111は、受信した判定要求をバージョン識別部112に出力する。
【0035】
バージョン識別部112は、判定要求に基づいて、改札機のバージョンを識別する。例えば、バージョン識別部112は、改札機が改造後のバージョンである第1のバージョンであるか改造前のバージョンである第2のバージョンであるかを識別する。例えば、改札機が改造後のバージョン(第1のバージョン)であると識別した場合、バージョン識別部112は、判定要求を第1のバージョン判定処理部113に出力する。一方、改札機が改造前のバージョン(第2のバージョン)であると判定した場合、バージョン識別部112は、判定要求を第2のバージョン判定処理部114に出力する。
【0036】
第1のバージョン判定処理部113は、例えば、改造後の改札機の判定要求に基づいて旅客の通行可否を判定する。また、第1のバージョン判定処理部113は、複数(複数のプロセス)を備えていてよい。そして、バージョン識別部112は、処理していない第1のバージョン判定処理部113に判定要求を出力する。すなわち、第1のバージョン判定処理部113は、複数の判定要求を並列に処理することが可能である。また、第1のバージョン判定処理部113は、判定に基づいて第1の判定結果を生成し、送信制御部115に出力する。
【0037】
第2のバージョン判定処理部114は、例えば、改造前の改札機の判定要求に基づいて旅客の通行可否を判定する。また、第2のバージョン判定処理部114も、複数(複数のプロセス)を備えていてよい。そして、バージョン識別部112は、処理していない第2のバージョン判定処理部114に判定要求を出力する。すなわち、第2のバージョン判定処理部114も、複数の判定要求を並列に処理することが可能である。また、第2のバージョン判定処理部114は、判定に基づいて第2の判定結果を生成し、送信制御部115に出力する。
【0038】
送信制御部115は、第1の判定結果を第1の改札機2、第2の判定結果を第2の改札機3にそれぞれ送信する。
【0039】
図3は、第1の改札機2および第2の改札機3のソフトウェア構成を図1に示したハードウェア構成に関連付けて示すブロック図である。
【0040】
第1の改札機2の記憶部22は、第1のバージョン情報記憶部221を備える。第1のバージョン情報記憶部221は、第1の改札機2のバージョンを記憶するために用いられる。例えば、第1の改札機2は、改造後の改札機であるとする。この場合、第1のバージョン情報記憶部221は、第1の改札機2が改造後であることを示す第1のバージョンを記憶する。
【0041】
第1の改札機2の制御部21は、媒体情報取得部211、判定要求生成部212、通信制御部213、および通行制御部214を備える。
【0042】
媒体情報取得部211は、媒体読み取り部241を制御して旅客が有する媒体から媒体情報を読み取らせる。例えば、媒体読み取り部241であるICカードリーダライタに翳されたICカードに記憶された媒体情報を読み取らせる。そして、媒体情報取得部211は、媒体読み取り部241から媒体情報を受信する。媒体情報取得部211は、受信した媒体情報を判定要求生成部212に出力する。
【0043】
判定要求生成部212は、媒体情報および第1のバージョン情報記憶部221に記憶された第1のバージョン情報に基づいて第1の判定要求を生成する。第1の判定要求は、媒体情報および第1のバージョン情報に加えて、第1の改札機2のID等を含んでも良い。
【0044】
通信制御部213は、通信インタフェース23を通じて、第1の判定要求を駅務サーバ1に送信する。また、通信制御部213は、第1の判定要求に応じて、通信インタフェース23を通じて、第1の判定結果を駅務サーバ1から受信する。通信制御部213は、受信した第1の判定結果を通行制御部214に出力する。
【0045】
通行制御部214は、旅客の通行を制御する。例えば、第1の判定結果に含まれる情報が旅客の通行を許可することを示す場合、通行制御部214は、ゲート242の開け、引き去るべき運賃の額、ICカードのチャージ額、通行日時等を表示するための情報を通知部243に出力してよい。さらに、通行制御部214は、媒体読み取り部241を通じて運賃の徴収、すなわち、ICカードへの情報の書き込みを行ってもよい。
【0046】
第2の改札機3の記憶部32は、第2のバージョン情報記憶部321を備える。第2のバージョン情報記憶部321は、第2の改札機3のバージョンを記憶するために用いられる。例えば、第2の改札機3は、改造前の改札機である第2のバージョンであるとする。この場合、第2のバージョン情報記憶部321は、改札機が改造前のバージョンであることを示す第2のバージョン情報を記憶する。
【0047】
ここで、第1のバージョン情報と第2のバージョン情報は、1ビットのフラグ情報であってもよい。例えば、フラグ情報が1である場合、改札機が改造後であることを示し、フラグ情報が0である場合、改札機が改造前であることを示して良い。ここで、意味が逆でも良いのは勿論である。これにより、バージョン識別部112は、バージョン情報が1または0のいずれであるかに応じて改札機が改造後の改札機なのか改造前の改札機なのかを識別することが可能になる。さらに、改札機が改造後であるまたは改造前であるかを識別できる情報であれば、第1のバージョン情報と第2のバージョン情報は、任意の情報であって良い。例えば、第1のバージョン情報と第2のバージョン情報が英数字等の情報であり、この情報に基づいて第1のバージョン情報と第2のバージョン情報を識別しても良い。
【0048】
第2の改札機3の制御部31は、媒体情報取得部311、判定要求生成部312、通信制御部313、および通行制御部314を備える。
【0049】
媒体情報取得部311は、媒体情報取得部211と同様であってよい。すなわち、媒体情報取得部311は、媒体読み取り部341を制御して旅客が有する媒体から媒体情報を読み取らせる。
【0050】
判定要求生成部312は、媒体情報および第2のバージョン情報記憶部321に記憶された第2のバージョン情報に基づいて第2の判定要求を生成する。第2の判定要求は、媒体情報および第2のバージョン情報に加えて、第2の改札機3のID等を含んでも良い。
【0051】
通信制御部313は、通信インタフェース33を通じて、第2の判定要求を駅務サーバ1に送信する。また、通信制御部313は、第2の判定要求に応じて、通信インタフェース33を通じて、第2の判定結果を駅務サーバ1から受信する。通信制御部313は、受信した第2の判定結果を通行制御部314に出力する。
【0052】
通行制御部314は、通行制御部214と同様であってよい。すなわち、通行制御部314は、旅客の通行を制御する。
【0053】
(改造スケジュール)
図4は、駅務サーバ1、第1の改札機2、および第2の改札機3の改造スケジュールの一例を示した図である。
新機能を稼働させる場合、運用開始日までに駅務サーバ1、第1の改札機2、および第2の改札機3の改造(バージョンアップ)を行う必要がある。図4に示す例では、最初に駅務サーバ1が改造され、次に第1の改札機2が改造され、最後に第2の改札機3が改造される例を示している。
【0054】
改造は、鉄道が休止している時間帯、例えば、深夜2時~4時の間などに行われる。例えば、駅務サーバ1の改造と第1の改札機2の改造は、同じ日に行われても良いが、先に駅務サーバ1の改造が実行される必要がある。
【0055】
最初に、第1の改札機2の改造を行ってから駅務サーバ1の改造(バージョンアップ)を行う際、駅務サーバ1の改造がエラー等によりできない場合があり得る。このような場合、第1の改札機2のみが改造されてしまい、駅務サーバ1が第1の改札機2から受け取る情報に基づいて判定処理を実行することができなくなってしまう。そのため、最初に、駅務サーバ1の改造を実行する必要がある。
【0056】
(動作)
図5は、第1の実施形態の駅務システムにおける改札処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【0057】
駅務サーバ1の制御部11、第1の改札機2の制御部21、および第2の改札機3の制御部31が記憶部12、記憶部22、および記憶部32それぞれに格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このシーケンスの動作が実現される。
【0058】
このシーケンスは、旅客が第1の改札機2に媒体に記憶された情報を読み取らせようとする、例えば、旅客が媒体であるICカードを媒体読み取り部241であるICカードリーダライタに翳すことにより開始する。
【0059】
媒体情報取得部211は、媒体情報を取得する(ステップST101)。媒体情報取得部211は、媒体読み取り部241を制御して旅客が有する媒体から媒体情報を読み取らせる。例えば、媒体読み取り部241であるICカードリーダライタに翳されたICカードに記憶された媒体情報を読み取らせる。そして、媒体情報取得部211は、媒体読み取り部241から媒体情報を受信する。媒体情報取得部211は、受信した媒体情報を判定要求生成部212に出力する。
【0060】
判定要求生成部212は、第1の判定要求を生成する(ステップST102)。媒体情報を受信した判定要求生成部212は、第1のバージョン情報記憶部221に記憶された第1のバージョン情報を取得する。ここで、第1のバージョン情報は、第1の改札機2が改造後のバージョンであることを示す情報である。そして、判定要求生成部212は、第1のバージョン情報および媒体情報を含む第1の判定要求を生成する。そして、判定要求生成部212は、第1の判定要求を通信制御部213に出力する。
【0061】
通信制御部213は、第1の判定要求を送信する(ステップST103)。通信制御部213は、通信インタフェース23を通じて、駅務サーバ1に第1の判定要求を送信する。
【0062】
駅務サーバ1のバージョン識別部112は、第1の改札機2のバージョンを識別する(ステップST104)。情報取得部111は、通信インタフェース13を通じて、第1の判定要求を受信する。そして、情報取得部111は、第1の判定要求をバージョン識別部112に出力する。バージョン識別部112は、第1の判定要求に含まれる第1のバージョン情報に基づいて第1の改札機2のバージョンを識別する。例えば、バージョン識別部112は、第1のバージョン情報の値が1であることにより、第1の改札機2が改造後である、すなわち第1のバージョンであると識別する。
【0063】
バージョン識別部112は、第1の判定要求を第1のバージョン判定処理部113に出力する。例えば、バージョン識別部112は、複数ある第1のバージョン判定処理部113のうち、判定処理が実行されていない、すなわち、空いている第1のバージョン判定処理部113に判定要求を出力してよい。
【0064】
第1のバージョン判定処理部113は、第1の判定要求に基づいて旅客の通行可否を判定する(ステップST105)。第1のバージョン判定処理部113は、第1の判定要求に含まれる媒体情報に基づいて旅客が第1の改札機2を通行することが可能かどうかを判定する。例えば、第1のバージョン判定処理部113は、第1の判定要求に含まれる第1の改札機2の改札機ID、媒体情報に含まれるチャージ額、通行履歴等に基づいて、旅客が第1の改札機2を通行することが可能かどうかを判定する。また、第1のバージョン判定処理部113は、運賃がいくらかを判定してもよい。第1のバージョン判定処理部113は、判定に基づいて第1の判定結果を生成し、当該第1の判定結果を送信制御部115に出力する。ここで、第1の判定結果は、例えば、旅客が通行可能かどうか、運賃、判定日時等を含んで良い。
【0065】
送信制御部115は、第1の判定結果を第1の改札機2に送信する(ステップST106)。例えば、送信制御部115は、通信インタフェース13を通じて、第1の改札機2に第1の判定結果を送信する。
【0066】
通行制御部214は、通行制御を実行する(ステップST107)。通信制御部213は、通信インタフェース23を通じて、第1の判定結果を受信する。そして、通信制御部213は、第1の判定結果を通行制御部214に出力する。例えば、第1の判定結果に含まれる情報が旅客の通行を許可することを示す場合、通行制御部214は、ゲート242の開け、引き去るべき運賃の額、残額、通行日時等を表示するための情報を通知部243に出力してよい。さらに、通行制御部214は、媒体読み取り部241を通じて運賃の徴収、すなわち、情報の書き込みを行ってもよい。
【0067】
次に、旅客が第2の改札機3に媒体に記憶された情報を読み取らせようとする。例えば、旅客が媒体であるICカードを媒体読み取り部341であるICカードリーダライタに翳すとする。
【0068】
ステップST108は、ステップST101と同様の処理であるため、ここでの説明を省略する。
【0069】
判定要求生成部312は、第2の判定要求を生成する(ステップST109)。媒体情報を受信した判定要求生成部312は、第2のバージョン情報記憶部321に記憶された第2のバージョン情報を取得する。ここで、第2のバージョン情報は、第2の改札機3が改造前であることを示す情報である。そして、第2のバージョン情報および媒体情報を含む第2の判定要求を生成する。そして、判定要求生成部312は、第2の判定要求を通信制御部313に出力する。
【0070】
ステップST110は、ステップST103と同様の処理であるため、ここでの説明を省略する。
【0071】
駅務サーバ1のバージョン識別部112は、第2の改札機3のバージョンを識別する(ステップST111)。情報取得部111は、通信インタフェース13を通じて、第2の判定要求を受信する。そして、情報取得部111は、第2の判定要求をバージョン識別部112に出力する。バージョン識別部112は、第2の判定要求に含まれる第2のバージョン情報に基づいて第2の改札機3のバージョンを識別する。例えば、バージョン識別部112は、第2のバージョン情報の値が0であることにより、第2の改札機3が改造前である、すなわち第2のバージョンであると判定する。
【0072】
バージョン識別部112は、第2の判定要求を第2のバージョン判定処理部114に出力する。例えば、バージョン識別部112は、複数ある第2のバージョン判定処理部114のうち、判定処理が実行されていない、すなわち、空いている第2のバージョン判定処理部114に判定要求を出力してよい。
【0073】
第2のバージョン判定処理部114は、第2の判定要求に基づいて旅客の通行可否を判定する(ステップST112)。第2のバージョン判定処理部114は、第2の判定要求に含まれる媒体情報に基づいて旅客が第2の改札機3を通行することが可能かどうかを判定する。例えば、第2のバージョン判定処理部114は、第2の判定要求に含まれる第2の改札機3のID、媒体情報に含まれるチャージ額、通行履歴等に基づいて、旅客が第2の改札機3を通行することが可能かどうかを判定する。また、第2のバージョン判定処理部114は、運賃がいくらかを判定してもよい。第2のバージョン判定処理部114は、判定に基づいて第2の判定結果を生成し、当該第2の判定結果を送信制御部115に出力する。ここで、第2の判定結果は、例えば、旅客が通行可能かどうか、運賃、判定日時等を含んで良い。
【0074】
ステップST113~ステップST114は、ステップST106~ステップST107と同様の処理であるため、ここでの説明を省略する。
【0075】
(第1の実施形態の作用効果)
以上説明した第1の実施形態によれば、改札機のバージョンを改札機が駅務サーバ1に送信する。駅務サーバ1は、改札機のバージョンに応じた判定処理を実行することにより、改札機と駅務サーバ1との間にバージョンの不一致が発生しない。そのため、駅務サーバ1と改札機との間のバージョンの違いによる情報の齟齬が発生しない。
【0076】
[第2の実施形態]
(構成)
最初に、第2の実施形態における駅務サーバ1、第1の改札機2、および第2の改札機3のハードウェア構成は、図1と同じであるため、ここでの説明を省略する。
【0077】
図6は、駅務サーバ1のソフトウェア構成を図1に示したハードウェア構成に関連付けて示すブロック図である。
第2の実施形態では、駅務サーバ1の制御部11がバージョン識別部112、第1のバージョン判定処理部113、および第2のバージョン判定処理部114の代わりに、改札機識別部116、第1の改札機判定処理部117、第2の改札機判定処理部118等を備える点で第1の実施形態と異なる。また、記憶部12が改札機情報記憶部121を備える点でも第1の実施形態と異なる。
【0078】
改札機識別部116は、判定要求がいずれの改札機から送信されたのかを識別する。改札機識別部116は、判定要求に含まれる改札機情報に基づいて、判定要求がいずれの改札機から送信されたものであるかを識別する。ここで、改札機情報は、改札機を識別することが可能な情報であり、例えば、改札機ID等を含む。また、改札機識別部116は、識別された改札機に対応する改札機判定処理部に判定要求を出力する。すなわち、本実施形態では、各改札機と各判定処理部(プロセス)が1対1で対応付けられているとする。例えば、改札機識別部116は、判定要求が第1の改札機2から送信されたものであると識別した場合、第1の改札機2に対応付けられた第1の改札機判定処理部117に判定要求を出力する。
【0079】
第1の改札機判定処理部117は、判定要求に基づいて旅客の通行可否を判定する。第1の改札機判定処理部117は、第1の改札機2のバージョンについて既知であるとする。したがって、第1の改札機判定処理部117は、第1の改札機2のバージョンに応じた判定処理を実行することが可能である。そのため、第1の改札機判定処理部117は、第1の判定要求に含まれる媒体情報に基づいて旅客が第1の改札機2を通行することが可能かどうかを判定する。また、第1の改札機判定処理部117は、判定に基づいて第1の判定結果を生成し、当該第1の判定結果を送信制御部115に出力する。
【0080】
第2の改札機判定処理部118は、判定要求に基づいて旅客の通行可否を判定する。第2の改札機判定処理部118は、第2の改札機3のバージョンについて既知であるとする。したがって、第2の改札機判定処理部118は、第2の改札機3のバージョンに応じた判定処理を実行することが可能である。そのため、第2の改札機判定処理部118は、第2の判定要求に含まれる媒体情報に基づいて旅客が第2の改札機3を通行することが可能かどうかを判定する。また、第2の改札機判定処理部118は、判定に基づいて第2の判定結果を生成し、当該第2の判定結果を送信制御部115に出力する。
【0081】
記憶部12の改札機情報記憶部121は、各改札機の改札機IDを記憶する。また、改札機情報記憶部121は、各改札機が改造後であるか改造前であるかの情報も記憶していて良い。
【0082】
図7は、第1の改札機2および第2の改札機3のソフトウェア構成を図1に示したハードウェア構成に関連付けて示すブロック図である。
【0083】
第1の改札機2の記憶部22は、第1のバージョン情報記憶部221の代わりに、第1の改札機情報記憶部222を備える点で第1の実施形態と異なる。
【0084】
第1の改札機情報記憶部222は、第1の改札機2を識別することが可能な第1の改札機情報、例えば、第1の改札機ID等を記憶する。
【0085】
制御部21の判定要求生成部212は、第1の改札機情報を第1の改札機情報記憶部222から取得する。判定要求生成部212は、第1の改札機情報および媒体情報を含む第1の判定要求を生成する。
【0086】
第2の改札機3の記憶部32は、第2のバージョン情報記憶部321の代わりに、第2の改札機情報記憶部322を備える点で第1の実施形態と異なる。
【0087】
第2の改札機情報記憶部322は、第2の改札機3を識別することが可能な第2の改札機情報、例えば、第2の改札機ID等を記憶する。
【0088】
制御部31の判定要求生成部312は、第2の改札機情報を第2の改札機情報記憶部322から取得する。判定要求生成部312は、第2の改札機情報および媒体情報を含む第2の判定要求を生成する。
【0089】
また、改造スケジュールは、第1の実施形態と同様であるとする。
【0090】
(動作)
図8は、第2の実施形態の駅務システムにおける改札処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【0091】
最初に、各改札機は、起動すると同時に、駅務サーバ1と通信し、各改札機のバージョン、すなわち、改札機が改造後であるか改造前であるかを通知してあるとする。すなわち、駅務サーバ1は、各改札機のバージョンが記憶部22に記憶されており、各改札機のバージョンが既知のものであるとする。
【0092】
駅務サーバ1の制御部11、第1の改札機2の制御部21、および第2の改札機3の制御部31が記憶部12、記憶部22、および記憶部32それぞれに格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このシーケンスの動作が実現される。
【0093】
このシーケンスは、旅客が第1の改札機2に媒体に記憶された情報を読み取らせようとする、例えば、旅客が媒体であるICカードを媒体読み取り部241であるICカードリーダライタに翳すことにより開始する。
【0094】
ステップST201は、図5を参照しながら説明したステップST101と同じであるため、ここでの説明を省略する。
【0095】
判定要求生成部212は、第1の判定要求を生成する(ステップST202)。判定要求生成部212は、第1の改札機情報を第1の改札機情報記憶部222から取得する。ここで、第1の改札機情報は、第1の改札機2に固有の情報、例えば、第1の改札機ID等であってよい。すなわち、第1の改札機情報は、第1の改札機2のバージョンについての情報を含まなくてよい。判定要求生成部212は、第1の改札機情報および媒体情報を含む第1の判定要求を生成する。そして、判定要求生成部212は、第1の判定要求を通信制御部213に出力する。
【0096】
通信制御部213は、第1の判定要求を送信する(ステップST203)。通信制御部213は、通信インタフェース23を通じて、駅務サーバ1に第1の判定要求を送信する。
【0097】
駅務サーバ1の改札機識別部116は、第1の判定要求がいずれの改札機から送信されたのかを識別する(ステップST204)。情報取得部111は、通信インタフェース13を通じて、第1の判定要求を受信する。そして、情報取得部111は、第1の判定要求を改札機識別部116に出力する。改札機識別部116は、第1の判定要求に含まれる第1の改札機情報および改札機情報記憶部121に記憶された情報に基づいて、第1の判定要求が第1の改札機2から送信されたものであると識別する。例えば、改札機識別部116は、第1の改札機情報に対応する情報を改札機情報記憶部121から取得し、判定要求がどの改札機から送信されたのかを識別する。
【0098】
第2の実施形態では、各改札機と各判定処理部(プロセス)が1対1で対応付けられている。そのため、改札機識別部116は、第1の改札機2に対応付けられた第1の改札機判定処理部117に第1の判定要求を出力する。
【0099】
第1の改札機判定処理部117は、第1の判定要求に基づいて旅客の通行可否を判定する(ステップST205)。第1の改札機判定処理部117は、第1の改札機2のバージョンについて既知であるため、第1の改札機2のバージョンに応じた判定処理を実行することが可能である。そのため、第1の改札機判定処理部117は、第1の判定要求に含まれる媒体情報に基づいて旅客が第1の改札機2を通行することが可能かどうかを判定する。例えば、第1の改札機判定処理部117は、第1の判定要求に含まれる第1の改札機2の改札機ID、媒体情報に含まれるチャージ額、通行履歴等に基づいて、旅客が第1の改札機2を通行することが可能かどうかを判定する。また、第1の改札機判定処理部117は、運賃がいくらかを判定してもよい。第1の改札機判定処理部117は、判定に基づいて第1の判定結果を生成し、当該第1の判定結果を送信制御部115に出力する。ここで、第1の判定結果は、例えば、旅客が通行可能かどうか、運賃、判定日時等を含んで良い。
【0100】
ステップST206~ステップST207は、図5を参照しながら説明したステップST106~ステップST107と同じであるため、ここでの説明を省略する。
【0101】
次に、旅客が第2の改札機3に媒体に記憶された情報を読み取らせようとする。例えば、旅客が媒体であるICカードを媒体読み取り部341であるICカードリーダライタに翳すとする。
【0102】
ステップST208は、ステップST201、すなわち、ステップST101と同様の処理であるためここでの説明を省略する。
【0103】
判定要求生成部312は、第2の判定要求を生成する(ステップST209)。判定要求生成部312は、第2の改札機情報を第2の改札機情報記憶部322から取得する。ここで、第2の改札機情報は、第2の改札機3に固有の情報、例えば、第2の改札機ID等であってよい。すなわち、第2の改札機情報は、第2の改札機3のバージョンについての情報を含まなくてよい。判定要求生成部312は、第2の改札機情報および媒体情報を含む第2の判定要求を生成する。そして、判定要求生成部312は、第2の判定要求を通信制御部313に出力する。
【0104】
ステップST210は、ステップST203と同様の処理であるため、ここでの説明を省略する。
【0105】
駅務サーバ1の改札機識別部116は、第2の判定要求がいずれの改札機から送信されたのかを判定する(ステップST211)。情報取得部111は、通信インタフェース13を通じて、第2の判定要求を受信する。そして、情報取得部111は、第2の判定要求を改札機識別部116に出力する。改札機識別部116は、第2の判定要求に含まれる第2の改札機情報および改札機情報記憶部121に記憶された情報に基づいて、第2の判定要求が第2の改札機3から送信されたものであると識別する。例えば、改札機識別部116は、第2の改札機情報に対応する情報を改札機情報記憶部121から取得し、判定要求がどの改札機から送信されたのかを識別する。
【0106】
上述したように、第2の実施形態では、各改札機と各判定処理部(プロセス)が1対1で対応付けられている。そのため、改札機識別部116は、第2の改札機3に対応付けられた第2の改札機判定処理部118に第2の判定要求を出力する。
【0107】
第2の改札機判定処理部118は、第2の判定要求に基づいて旅客の通行可否を判定する(ステップST212)。第2の改札機判定処理部118は、第2の改札機3のバージョンについて既知であるため、第2の改札機のバージョンに応じた判定処理を実行することが可能である。第2の改札機判定処理部118は、第2の判定要求に含まれる媒体情報に基づいて旅客が第2の改札機3を通行することが可能かどうかを判定する。例えば、第2の改札機判定処理部118は、第2の判定要求に含まれる第2の改札機3の改札機ID、媒体情報に含まれるチャージ額、通行履歴等に基づいて、旅客が第2の改札機3を通行することが可能かどうかを判定する。また、第2の改札機判定処理部118は、運賃がいくらかを判定してもよい。第2の改札機判定処理部118は、判定に基づいて第2の判定結果を生成し、当該第2の判定結果を送信制御部115に出力する。ここで、第2の判定結果は、例えば、旅客が通行可能かどうか、運賃、判定日時等を含んで良い。
【0108】
ステップST213~ステップST214は、ステップST206~ステップST207と同様の処理であるため、ここでの説明を省略する。
【0109】
(第2の実施形態の作用効果)
以上説明した第2の実施形態によれば、各改札機は、判定要求に各改札機を特定することが可能な改札機情報を含ませる。駅務サーバ1は、各改札機のバージョンについて記憶している。さらに駅務サーバ1は、各改札機と1対1で対応付けられた判定処理部(プロセス)を有する。駅務サーバ1は、改札機のバージョンに応じた判定処理を実行することが可能であるため、改札機と駅務サーバ1との間にバージョンの不一致が発生しない。
【0110】
また、例えば、第1の改札機2が壊れてしまい、第1の判定要求が異常な情報を送信するような状況になったとしても、第1の改札機判定処理部117が影響を受けるのみでその他の判定処理部が影響を受けることがない。したがって、制御部11は、改札機が壊れた際の性能の劣化が少なくなる。
【0111】
[他の実施形態]
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、第1の実施形態においても、各改札機がバージョン情報を送信する代わりに、第2の実施形態と同様に、各改札機を識別することが可能な情報を送信しても良い。この場合、駅務サーバ1は、各改札機のバージョンについての情報を記憶部12に記憶しているものとする。そして、駅務サーバ1の制御部11は、記憶部12に記憶された情報に基づいて、識別された改札機のバージョン(改造後または改造前)を識別してもよい。そして、制御部11は、識別されたバージョンに応じて第1のバージョン判定処理部113または第2のバージョン判定処理部114に判定要求を出力してもよい。
【0112】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0113】
1…駅務サーバ
11…制御部
111…情報取得部
112…バージョン識別部
113…第1のバージョン判定処理部
114…第2のバージョン判定処理部
115…送信制御部
116…改札機識別部
117…第1の改札機判定処理部
118…第2の改札機判定処理部
12…記憶部
121…改札機情報記憶部
13…通信インタフェース
14…入出力インタフェース
141…入力部
142…出力部
2…第1の改札機
21…制御部
211…媒体情報取得部
212…判定要求生成部
213…通信制御部
214…通行制御部
22…記憶部
221…第1のバージョン情報記憶部
222…第1の改札機情報記憶部
23…通信インタフェース
24…入出力インタフェース
241…媒体読み取り部
242…ゲート
243…通知部
3…第2の改札機
31…制御部
311…媒体情報取得部
312…判定要求生成部
313…通信制御部
314…通行制御部
32…記憶部
321…第2のバージョン情報記憶部
322…第2の改札機情報記憶部
33…通信インタフェース
34…入出力インタフェース
341…媒体読み取り部
342…ゲート
343…通知部
4…ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8