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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165204
(43)【公開日】2023-11-15
(54)【発明の名称】流体殺菌装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/10 20060101AFI20231108BHJP
   C02F 1/32 20230101ALI20231108BHJP
【FI】
A61L2/10
C02F1/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022075966
(22)【出願日】2022-05-02
(71)【出願人】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100186060
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】田中 英明
(72)【発明者】
【氏名】加藤 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】新野 和久
【テーマコード(参考)】
4C058
4D037
【Fターム(参考)】
4C058AA20
4C058AA21
4C058BB06
4C058KK02
4C058KK13
4C058KK14
4C058KK25
4C058KK28
4C058KK46
4D037AA02
4D037AA08
4D037AB03
4D037BA18
(57)【要約】
【課題】 発光素子以外の電子部品を実装する基板やヒートシンク等の放熱構造を設けても、装置のコンパクト化を図ることが可能な流体殺菌装置の提供を目的とする。
【解決手段】 流体殺菌装置は、側周壁と、前記側周壁の内側に形成される流路とを備える筒状の流路管と、発光素子と、前記発光素子とは別の電子部品と、前記発光素子及び前記電子部品を実装し、前記流路管の長手方向に延在する基板とを備える光源ユニットと、前記基板の外面と熱接触するヒートシンクとを備え、前記流路管は、前記基板を載置する基板載置台部を更に備え、前記基板載置台部は、前記発光素子を収容し、前記流路に向けて貫通する第1貫通孔と、前記電子部品を収容するための第1凹所とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
側周壁と、前記側周壁の内側に形成される流路とを備える筒状の流路管と、
発光素子と、前記発光素子とは別の電子部品と、前記発光素子及び前記電子部品を実装し、前記流路管の長手方向に延在する基板とを備える光源ユニットと、
前記基板の外面と熱接触するヒートシンクと、
を備え、
前記流路管は、前記基板を載置する基板載置台部を更に備え、
前記基板載置台部は、
前記発光素子を収容し、前記流路に向けて貫通する第1貫通孔と、
前記電子部品を収容するための第1凹所と、
を備えることを特徴とする流体殺菌装置。
【請求項2】
前記ヒートシンク及び前記基板を前記基板載置台部に固定するための金属製の螺子又はピンを更に備え、
前記ヒートシンクに、第2貫通孔が設けられ、
前記基板における前記第2貫通孔と重なる位置に、第3貫通孔が設けられ、
前記基板載置台部における前記第2貫通孔及び前記第3貫通孔と重なる位置に、第2凹所が設けられ、
前記螺子又はピンが、前記第2貫通孔、前記第3貫通孔、及び前記第2凹所に挿入される、
請求項1に記載の流体殺菌装置。
【請求項3】
前記金属製の螺子が、前記第2貫通孔及び前記第3貫通孔に挿通される金属製の固定螺子部と、前記第2凹所内に配設され、前記固定螺子部と螺合する金属製のインサート螺子部を備える、
請求項2に記載の流体殺菌装置。
【請求項4】
筐体を更に備え、
前記筐体が、内部中空であり、且つ、少なくとも頂方側に開口部を有する基部と、前記開口部の少なくとも一部を被覆する蓋部とを備え、
前記流路管が、前記基部に収容され、
前記ヒートシンクの外面が、前記基部の前記開口部に臨み、前記蓋部と接触する、
請求項1に記載の流体殺菌装置。
【請求項5】
前記流路管が、主管部と、前記主管部の内径より小さい内径を有する入口管部を備える、
請求項1に記載の流体殺菌装置。
【請求項6】
前記基板と、前記流路管が熱接触することを特徴とする
請求項1に記載の流体殺菌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体殺菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外光を照射して流体(例えば、飲料用の液体若しくは食品原料水、又は工場用の各種冷却水・洗浄水など)を殺菌する種々の製品が提供されている。これに関連する発明として、流体の流路に設けられる流体殺菌装置が、例えば、下記特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1に開示の流体殺菌装置は、殺菌対象の流体が流れる流路を備える流路管と、流路管の外側に設置され、上記の流体に対して紫外線を照射する紫外線発生装置と、流路管と紫外線発生装置との隙間を塞ぐシール部材とを備える。ここで、紫外線発生装置は、流路管に固定される筐体と、筐体に設置されて紫外線を発する発光素子(光源)とを有する。また、筐体は、発光素子の周囲に位置して流路管の内側に向かって突出し、光源とシール部材との間に位置する凸部を含む。更に、流路管は、流路とシール部材との間に位置し、凸部に向けて突出する側壁部を含む。更に、凸部および側壁部は、紫外線を遮蔽する材料によって形成される。更に、シール部材は、凸部および側壁部によって、発光素子が配置されている空間および流路から隔てられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-122516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の流体殺菌装置のように、発光素子として、例えば、LED(Light emitting diode)が用いられる場合、LEDを駆動するための多種の電子部品を所定の(回路)基板を介して設ける必要がある。しかしながら、特許文献1の流体殺菌装置に、LED及び前記電子部品等を実装する基板を何らの工夫もなくそのまま設けると、装置の大型化を招く可能性がある。
【0006】
また、発光素子(LED等)が駆動する際に生じる熱を流路管外に放熱するヒートシンクを設けることが、発光素子の安定駆動を担保する観点や流路管内を流れる流体の温度上昇を防ぐ観点等から好ましい。しかしながら、特許文献1の流体殺菌装置に、ヒートシンクを含む放熱構造を何らの工夫もなくそのまま設けると、前述の基板を装着させる場合と同様に、装置の大型化を招く可能性がある。
【0007】
前記課題に鑑み、本発明は、発光素子以外の電子部品を実装する基板やヒートシンク等の放熱構造を設けても、装置のコンパクト化を図ることが可能な流体殺菌装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した課題を解決するため、本発明に係る流体殺菌装置は、
側周壁と、前記側周壁の内側に形成される流路とを備える筒状の流路管と、
発光素子と、前記発光素子とは別の電子部品と、前記発光素子及び前記電子部品を実装し、前記流路管の長手方向に延在する基板とを備える光源ユニットと、
前記基板の外面と熱接触するヒートシンクと、
を備え、
前記流路管は、前記基板を載置する基板載置台部を更に備え、
前記基板載置台部は、
前記発光素子を収容し、前記流路に向けて貫通する第1貫通孔と、
前記電子部品を収容するための第1凹所と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明のこの態様において、発光素子と発光素子とは別の電子部品を実装する基板(及び基板の外面と熱接触するヒートシンク)が、流路管の基板載置台部に載置される。また、基板が、基板載置台部に載置される際、発光素子が、基板載置台部から流路管の流路に向けて貫通する第1貫通孔に臨むと共に、発光素子とは別の電子部品が、基板載置台部の第1凹所に収容される。これにより、本発明のこの態様によれば、基板と基板載置台部とを重ね合わせた際に、基板に実装される発光素子や電子部品と基板載置台部(流路管の側周壁)とが干渉することを避けることができる。その結果、装置のコンパクト化を図ることができる。
【0010】
また、本発明に係る流体殺菌装置は、
前記ヒートシンク及び前記基板を前記基板載置台部に固定するための金属製の螺子又はピンを更に備え、
前記ヒートシンクに、第2貫通孔が設けられ、
前記基板における前記第2貫通孔と重なる位置に、第3貫通孔が設けられ、
前記基板載置台部における前記第2貫通孔及び前記第3貫通孔と重なる位置に、第2凹所が設けられ、
前記螺子又はピンが、前記第2貫通孔、前記第3貫通孔、及び前記第2凹所に挿入されることが好ましい。
【0011】
本発明のこの態様によれば、ヒートシンク及び基板が、金属製の螺子又はピンを介して基板載置台部に固定されるため、ヒートシンク及び基板が基板載置台部から脱離する事態を有効に防ぐことができる。それに加えて、金属製の螺子又はピンを通じて発光素子の駆動時(電流印加時)に基板で生じた熱を適切に放熱することができる。
【0012】
更に、本発明に係る流体殺菌装置において、
前記金属製の螺子が、前記第2貫通孔及び前記第3貫通孔に挿通される金属製の固定螺子部と、前記第2凹所内に配設され、前記固定螺子部と螺合する金属製のインサート螺子部を備えることが好ましい。
【0013】
本発明のこの態様によれば、金属製の螺子を、ヒートシンクの第2貫通孔及び基板の第3貫通孔に挿通される金属製の固定螺子部と、基板載置台部の第2凹所内に配設される金属製のインサート螺子部を備える態様とすることで、ヒートシンク及び基板をより強固に基板載置台部に固定することができる。それに加えて、本発明のこの態様によれば、放熱性を高めることができる。
【0014】
更に、本発明に係る流体殺菌装置は、
筐体を更に備え、
前記筐体が、内部中空であり、且つ、少なくとも頂方側に開口部を有する基部と、前記開口部の少なくとも一部を被覆する蓋部とを備え、
前記流路管が、前記基部に収容され、
前記ヒートシンクの外面が、前記基部の前記開口部に臨み、前記蓋部と接触することが好ましい。
【0015】
本発明のこの態様によれば、流路管が、筐体の基部に収容され、ヒートシンクの外面が、筐体の蓋部と接触することで、ヒートシンク及び基板の脱離を防ぐことができる。それに加えて、本発明のこの態様によれば、フィンを備えた大きなヒートシンクやファンを用いる必要がなく、装置のコンパクト化を図ることができる。
【0016】
更に、本発明に係る流体殺菌装置において、
前記流路管が、主管部と、前記主管部の内径より小さい内径を有する入口管部を備えることが好ましい。
【0017】
本発明のこの態様によれば、流路管の入口管部の内径より主管部の内径を大きくすることで、流路を流れる流体の流速を緩やかにすることができる。これにより、主管部に流れる流体に対し、発光素子からの紫外光照射量を増やすことができる。その結果、殺菌機能をより高めることができる。
【0018】
更に、本発明に係る流体殺菌装置において、
前記基板と、前記流路管の外面は熱接触していることが好ましい。
【0019】
本発明のこの態様によれば、基板に実装された光源や電子部品の発する熱を流路管に伝導させることができる。これにより放熱性を高めることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、発光素子以外の電子部品を実装する基板やヒートシンク等の放熱構造を設けても、装置のコンパクト化を図ることが可能な流体殺菌装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一本実施形態に係る流体殺菌装置の垂直断面図。
図2】本実施形態に係る流体殺菌装置の分解斜視図。
図3】本実施形態に係る流体殺菌装置の分解斜視図。
図4】変形例に係る流体殺菌装置の分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る流体殺菌装置を詳細に説明する。初めに、図1から図3を参照して、本実施形態に係る流体殺菌装置1を説明する。ここで、図1は、流体殺菌装置1の垂直断面図である。また、図2は、斜め下方側から見た流体殺菌装置1の分解斜視図である。更に、図3は、斜め上方側から見た流体殺菌装置1の分解斜視図である。
【0023】
図1から図3に示されるように、本実施形態に係る流体殺菌装置1は、流体を流す流路管10、光源ユニット20、リフレクタ30、紫外光透過窓部(例えば、石英ガラス)40、ヒートシンク50、金属製の螺子60、筐体70等を備える。
【0024】
ここで、本実施形態の流路管10は、側周壁11を有する筒状部材である。側周壁11の内側に、殺菌対象の流体(例えば、水)が流れる流路111が形成される。また、流路管10は、直管形態(I字型)を呈し、長手方向に相対する両端に開口端部(入口端12、出口端13)を更に有する。これにより、流体は、入口端12から流路管10内に流入し、側周壁11内を流通して出口端13から流出する。ただし、流路管10の形態は、これに限られない。流路管10の他の形態の例として、L字型の形態等が挙げられる。
【0025】
また、本実施形態の流路管10は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製である。ただし、流路管10の素材は、これに限られない。流路管10の他の素材として、パーフルオロエチレンプロペンコポリマー(FEP)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)等の樹脂や、ステンレス等の金属が挙げられる。
【0026】
更に、図1から図3に示されるように、本実施形態の流路管10は、側周壁11から径方向外側に突出すると共に、光源ユニット20における後述の基板23を載置する基板載置台部14を更に備える。図3に示されるように、基板載置台部14は、流路管10の長手方向に沿って延在する長尺の部位である。また、基板載置台部14の基板載置面141は、平坦であることが好ましい。本実施形態において、基板載置面141と基板23の内面231とが接触する。
【0027】
また、基板載置台部14は、流路111に向けて貫通する第1貫通孔142を更に備える。図1に示されるように、第1貫通孔142に、光源ユニット20の発光素子21が臨む。また、発光素子21を取り囲むリフレクタ30、紫外光透過窓部40が、第1貫通孔142内に配設される。
【0028】
更に、基板載置台部14は、光源ユニット20における後述の電子部品22(例えば、発光素子21の駆動回路を構成する各種電子部品や、発光素子21と電源(図示しない)とを接続するコネクタ等)を収容するための第1凹所143を備える。図1から図3に示されるように、本実施形態の第1凹所143は、基板載置台部14の長手方向に並んで2つ設けられている。ただし、第1凹所143の数や位置はこれに限られない。
【0029】
次に、図1から図3に示されるように、光源ユニット20は、紫外光(例えば、100nm~400nmにピーク波長を有する光)を発光する発光素子21、発光素子21とは別の電子部品22(前述の発光素子21の駆動回路を構成する各種電子部品やコネクタ等)、発光素子21及び電子部品22等を実装する(回路)基板23等を備える。
【0030】
発光素子21の種類は、特に限定されるものではないが、例えば、LED(Light emitting diode)、レーザーダイオードなどの半導体発光素子が挙げられる。また、本実施形態の発光素子21の個数は1つであるが、これに限られない。更に、本実施形態において、1つの第1貫通孔142に対して1つの発光素子21が臨むが、1つの第1貫通孔142に対して複数の発光素子21が臨んでもよい。
【0031】
本実施形態の基板23は、流路管10の長手方向に延在する平坦状の形態を呈する。また、基板23の内面231に、発光素子21、電子部品22が実装される。更に、前述のように、基板23の内面231と基板載置台部14の基板載置面141とが接触する。更に、基板23が基板載置台部14に載置された際、発光素子21が、第1貫通孔142内に収容されると共に、電子部品22が、第1凹所143内に収容される。これにより、基板23と基板載置台部14とを重ね合わせた際に、基板23に実装される発光素子21や電子部品22と基板載置台部14(流路管10の側周壁11)とが干渉することを避けることができる。その結果、双方を隙間なく重ねることができることから、装置のコンパクト化を図ることができる。
【0032】
次に、リフレクタ30は、発光素子21を取り囲む環状の部材である。本実施形態によれば、リフレクタ30を設けることで、発光素子21からの紫外光が所望の範囲に照射されるよう配光できる。これにより、配光範囲における紫外光の照度を高められる結果、殺菌機能をより向上させることができる。発光素子21から照射された紫外光は、リフレクタ30で所定方向に反射(配光)された後、紫外光透過窓部40を通過して、流路管10の流路111に至る。
【0033】
次に、ヒートシンク50は、基板23の外面232と熱接触し、発光素子21の駆動時(電流印加時)に生じる熱を放熱する。本実施形態のヒートシンク50は、図1に示されるように、流路管10の長手方向に延在し、基板23に重ねられる。このように、流路管10の径方向外側に向かうに従い、基板載置台部14、基板23、ヒートシンク50が積み重ねられることで、相応の放熱性が担保されると共に、装置のコンパクト化を図ることができる。
【0034】
次に、金属製の螺子60は、ヒートシンク50及び基板23を基板載置台部14に固定するために用いられる。本実施形態の金属製の螺子60は、固定螺子部61とインサート螺子部62とを備える。ここで、ヒートシンク50に、第2貫通孔51(図2,3参照)が設けられ、基板23における第2貫通孔51と重なる位置に、第3貫通孔233(図2,3参照)が設けられる。また、図1に示されるように、本実施形態の固定螺子部61は、第2貫通孔51及び第3貫通孔233に挿通される。
【0035】
また、基板載置台部14における第2貫通孔51及び第3貫通孔233と重なる位置に、第2凹所144が設けられる。また、図1に示されるように、本実施形態のインサート螺子部62は、第2凹所144内に配設される。より詳しくは、インサート螺子部62は、第2貫通孔51及び第3貫通孔233を通った固定螺子部61と螺合する。
【0036】
このように、ヒートシンク50の第2貫通孔51及び基板23の第3貫通孔233に挿通される金属製の固定螺子部61と、基板載置台部14の第2凹所144内に配設される金属製のインサート螺子部62によって、ヒートシンク50及び基板23を基板載置台部14に固定し、双方をより強固に係り止めることができる。
【0037】
更に、固定螺子部61及びインサート螺子部62は、高熱伝導性の物質(例えば、黄銅、アルミニウム、ステンレス等の各種金属)から成ることが好ましい。固定螺子部61及びインサート螺子部62が、高熱伝導性の物質から構成されることで、発光素子21の駆動時に生じる熱をより効率的に放熱することができる。
【0038】
なお、ヒートシンク50及び基板23の固定手段を金属製の螺子60として説明したが、前記固定手段の態様は、これに限られない。他の態様の例として、第2貫通孔51、第3貫通孔233、第2凹所144に挿入されるピン状(棒状)の部材等が挙げられる。また、発光素子21の駆動時に生じる熱を適切に放熱させる観点から、ピン状の部材等に関しても、高熱伝導性の物質(例えば、例えば、黄銅、アルミニウム、ステンレス等の各種金属)から成ることが好ましい。また、本実施形態の流体殺菌装置1は、金属製の螺子60を備えることが好ましいが、金属製の螺子60を除いたとしても、後述の筐体70等によって、ヒートシンク50及び基板23を固定してもよい。
【0039】
次に、筐体70は、流路管10(側周壁11)に径方向外側に設けられる筒状の部材である。本実施形態の筐体70は、ABS、ポリプロピレン(PP)等の樹脂製であるが、これに限られない。より詳しくは、図2及び図3に示されるように、本実施形態の筐体70は、内部中空で頂方側に開口部711を有する基部71と、開口部711の少なくとも一部を被覆する蓋部72とを備える。
【0040】
本実施形態の基部71は、横断面視において、略U字状の形態を呈する。ただし、基部71の形態は、これに限られない。また、本実施形態の蓋部72は、頂方側の開口部711側に配置される第1片部721と、第1片部721と略直交し、基部71の端縁712と接合する第2片部722を備える。
【0041】
図1から図3に示されるように、流路管10が、筐体70の基部71に収容される。また、ヒートシンク50の外面52が、基部71の開口部711に臨み、蓋部72(第1片部721)と接触する(重なり合う)。本実施形態によれば、流路管10が、筐体70の基部71に収容され、ヒートシンク50の外面52が、筐体70の蓋部72(第1片部721)と接触することで、ヒートシンク50及び基板23の脱離を防ぐことができる。それに加えて、装置のコンパクト化を図ることができる。
【0042】
以上、本発明の実施形態を詳細に説明した。ただし、前述の説明は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定する趣旨で記載されたものではない。本発明には、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るものを含み得る。また、本発明にはその等価物が含まれる。
【0043】
なお、前述の実施形態の変形例として図4に示される流体殺菌装置2が挙げられる。ここで、図4は、変形例に係る流体殺菌装置2を上方側から見た斜視図である。図4に示されるように、変形例に係る流体殺菌装置2の流路管10は、主管部81、主管部81の入口端側に取り付けられる入口管部82、主管部81の出口端側に取り付けられる出口管部83等を備える。
【0044】
入口管部82の内径R1より主管部81の内径R2を大きくすることが好ましい。このような構造とすることで、流路111を流れる流体の流速を緩やかにすることができる。これにより、主管部81に流れる流体に対し、発光素子21からの紫外光照射量を増やすことができる。その結果、殺菌機能をより高めることができる。同様に、出口管部83の内径R3より主管部81の内径R2を大きくすることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明に係る流体殺菌装置は、例えば、紫外光殺菌装置、浄水器、給湯器、送水管、冷却水循環装置、ウォーターサーバ、ドリンクサーバ等に用いられる。ただし、その用途は、これに限られない。
【符号の説明】
【0046】
1… 流体殺菌装置
10…流路管
11…側周壁
111…流路
12…入口端
13…出口端
14…基板載置台部
141…基板載置面
142…第1貫通孔
143…第1凹所
144…第2凹所
20…光源ユニット
21…発光素子
22…電子部品
23…基板
231…基板の内面
233…第3貫通孔
30…リフレクタ
40…紫外光透過窓部
50…ヒートシンク
51…第2貫通孔
52…ヒートシンクの外面
60…金属製の螺子
61…固定螺子部
62…インサート螺子部
70…筐体
71…基部
711…頂方側の開口部
72…蓋部
81…主管部
82…入口管部
83…出口管部
図1
図2
図3
図4