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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165235
(43)【公開日】2023-11-15
(54)【発明の名称】開閉体巻取部の吊元構造
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/171 20060101AFI20231108BHJP
【FI】
E06B9/171
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022076052
(22)【出願日】2022-05-02
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067323
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 教光
(74)【代理人】
【識別番号】100124268
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 典行
(72)【発明者】
【氏名】小林 正典
(72)【発明者】
【氏名】中崎 悠介
(72)【発明者】
【氏名】猪俣 忠明
(57)【要約】
【課題】材料コストを安価にでき、防火構造を実現できるとともに、組立作業も容易となる開閉体巻取部の吊元構造を提供する。
【解決手段】建物の開口部を開閉する開閉体15と、この開閉体15を巻き取る巻取シャフト17とを締結部材19にて連結する開閉体巻取部の吊元構造であって、巻取シャフト17は、ロールフォーミングにて板材51の両端縁を接合した中空パイプであり、両端縁は、それぞれの端縁を互いに逆向きに折り返して掛け合い、その重なり部分を板厚方向に平潰しした接合部55を有し、接合部55は、それぞれの端縁の掛け代となる折り返し長さSが、接合部55を板厚方向で貫通する締結部材19の軸部57における外径dより大きく(S>d)、接合部55に開閉体15の吊元端縁47が重ねられてこの吊元端縁47を貫通する締結部材19にて締結固定される。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の開口部を開閉する開閉体と、この開閉体を巻き取る巻取シャフトとを締結部材にて連結する開閉体巻取部の吊元構造であって、
前記巻取シャフトは、ロールフォーミングにて板材の両端縁を接合した中空パイプであり、
前記両端縁は、それぞれの端縁を互いに逆向きに折り返して掛け合い、その重なり部分を板厚方向に平潰しした接合部を有し、
前記接合部は、前記それぞれの端縁の掛け代となる折り返し長さが、前記接合部を前記板厚方向で貫通する前記締結部材の軸部における外径より大きく、
前記接合部に前記開閉体の吊元端縁が重ねられてこの吊元端縁を貫通する前記締結部材にて締結固定されることを特徴とする開閉体巻取部の吊元構造。
【請求項2】
前記板材が前記巻取シャフトの外周面となり、前記接合部が前記外周面よりも前記巻取シャフトの外側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の開閉体巻取部の吊元構造。
【請求項3】
前記締結部材が、前記軸部の外周に形成された雄ねじを有し、この雄ねじの貫通した前記吊元端縁を前記接合部に螺着することを特徴とする請求項1に記載の開閉体巻取部の吊元構造。
【請求項4】
前記締結部材が、前記軸部の外周に形成された雄ねじを有し、この雄ねじの貫通した前記吊元端縁を前記接合部に螺着することを特徴とする請求項2に記載の開閉体巻取部の吊元構造。
【請求項5】
前記接合部が、前記巻取シャフトの外側の面に、前記締結部材の貫通位置を示す指標部を有することを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の開閉体巻取部の吊元構造。
【請求項6】
前記巻取シャフトが、周方向における前記接合部の両側に、前記板材を平潰しして前記巻取シャフトの内側に突出する一対の突部を有することを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の開閉体巻取部の吊元構造。
【請求項7】
前記巻取シャフトが、周方向における前記接合部の両側に、前記板材を平潰しして前記巻取シャフトの内側に突出する一対の突部を有することを特徴とする請求項5に記載の開閉体巻取部の吊元構造。
【請求項8】
前記一対の突部は、前記巻取シャフトに挿入されるホイルの外周に凹設される凹部内に係合することを特徴とする請求項6に記載の開閉体巻取部の吊元構造。
【請求項9】
前記一対の突部は、前記巻取シャフトに挿入されるホイルの外周に凹設される凹部内に係合することを特徴とする請求項7に記載の開閉体巻取部の吊元構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉体巻取部の吊元構造に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の開口部を開閉する開閉体を、吊元部材を介して、開閉体を巻き取る巻取シャフトの外周に取り付ける開閉体の吊元構造において、巻取シャフトの外周には、その軸方向に沿って連続する引掛け突片が一体に突出形成され、該引掛け突片に、吊元部材に形成された引掛け部が引っ掛けられた状態で係止されるとともに、吊元部材を貫通するねじがアルミ製の巻取シャフトに螺着固定されていることを特徴とする開閉体の吊元構造が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-83100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の吊元構造に用いる巻取シャフトは、成形性の良いアルミを用いたパイプよりなる一体の押出成形品により構成され、剛性を備えるために十分な厚みを有しているため、製造コストがやや高い問題がある。また、開閉体の構造として防火構造とする場合に、アルミの巻取シャフトは火災時の熱で軟化し溶けるおそれがある。このようなことから、巻取シャフトをスチール製とする要請がある。ところが、アルミ製の巻取シャフトは、2~3mmの肉厚が有るため、吊元部材を直接巻取シャフトに対してビス止めすることができたが、巻取シャフトをスチール製とすれば、肉厚が0.4mm程度の薄さであることから螺合寸法(ねじ山の掛かり)を確保できず、十分な固定強度を確保できない問題がある。なお、スチール製の巻取シャフトは、螺合寸法を確保するために板厚を増せば不必要に重量が増え、大きな開閉機が必要になる。つまり、開閉体がシャッターである場合に、大開口の間口に配設されるシャッター装置などでは実現可能であるが、住宅の窓などに配設される窓シャッターなどの小型軽量なシャッター装置では設置が可能とは言えない。また、厚みの薄い巻取シャフトの場合、ナットを用いてビス(ボルト)止めして固定強度を確保することも考えられるが、外から通されるビス(ボルト)を、目視しにくい巻取シャフトの内側に設けたナットに対して螺合しなければならず、ナットの配置や螺合作業が難しい問題がある。
【0005】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、材料コストを安価にでき、防火構造を実現できるとともに、組立作業も容易となる開閉体巻取部の吊元構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載の開閉体巻取部の吊元構造は、建物の開口部13を開閉する開閉体15と、この開閉体15を巻き取る巻取シャフト17とを締結部材19にて連結する開閉体巻取部の吊元構造であって、
前記巻取シャフト17は、ロールフォーミングにて板材51の両端縁を接合した中空パイプであり、
前記両端縁は、それぞれの端縁を互いに逆向きに折り返して掛け合い、その重なり部分を板厚方向に平潰しした接合部55を有し、
前記接合部55は、前記それぞれの端縁の掛け代となる折り返し長さが、前記接合部55を前記板厚方向で貫通する前記締結部材19の軸部57における外径より大きく、
前記接合部55に前記開閉体15の吊元端縁47が重ねられてこの吊元端縁47を貫通する前記締結部材19にて締結固定されることを特徴とする。
【0007】
この開閉体巻取部の吊元構造では、巻取シャフト17が、ロールフォーミングにより、すなわち板材を曲げて両端縁を接合する成形にて、中空パイプとなる。中空パイプは、板材51の両端縁を互いに逆向きに折り返して掛け合い、その重なり部分を板厚方向に平潰しした接合部55を有する。接合部55は、巻取シャフト17の軸線に沿う方向に連続して厚肉となる。従って、この接合部55は、巻取シャフト17の外周を形成する板材51が、4枚重ねられた厚みとなる。これにより、接合部55は、締結部材19の締結に必要な板厚、すなわち螺合寸法を満足する。例えば、板材51が厚さ0.4mmであれば接合部55は厚さ1.6mm、板材51が厚さ0.6mmであれば接合部55は厚さ2.4mmとなる。
また、接合部55は、それぞれの端縁の掛け代となる折り返し長さが、少なくとも締結部材19の軸部57における外径より大きく設定される。このため軸部57は、厚さの薄い板材51が4重に重ねられて厚肉となった接合部55を貫通することになる。締結部材19は、ビス、ボルト、リベットなどであってよい。開閉体15は、この接合部55に吊元端縁47が重ねられ、締結部材19の軸部57が吊元端縁47及び接合部55を貫通して接合部55に強固に締結固定可能となる。
このように開閉体巻取部の吊元構造では、薄肉の板材51からなる巻取シャフト17であっても、接合部55に複数枚の板材51が重なることを利用し、開閉体15の吊元端縁47を十分な固定強度で容易に締結できる。これにより、開閉体巻取部の吊元構造は、高価なアルミ素材を廃止して、安価なスチール製に素材を置き換えることができる。巻取シャフト17は、スチール製とすることにより、アルミ製に比べ耐火性能を向上させることができる。また、巻取シャフト17の外周側から締結部材19を締結できるので、巻取シャフト17の内部にナットを配置する必要がなく、別構成の部品を不要とし、巻取シャフトに対して容易に締結作業が行えるようになる。
【0008】
本発明の請求項2記載の開閉体巻取部の吊元構造は、請求項1に記載の開閉体巻取部の吊元構造であって、
前記板材51が前記巻取シャフト17の外周面53となり、前記接合部55が前記外周面53よりも前記巻取シャフト17の外側に配置されることを特徴とする。
【0009】
この開閉体巻取部の吊元構造では、開閉体15が、巻取シャフト17の外周面53に巻き取られる。巻取シャフト17は、上述のように、ロールフォーミングにより成形される。ロールフォーミングは、1列に並んだ数組の成形ロールに帯板状の板材51を通して連続的に所定断面(多角形や丸)に成形する。成形される巻取シャフト17は、両端縁を互いに逆向きに折り返して掛け合い、その重なり部分を板厚方向に平潰しして接合部55となる。この接合部55は、巻取シャフト17の外周面53を形成している板材51よりも、巻取シャフト17の外側に突出するように配置される。このため、接合部55は、巻取シャフト17の外周面53から内側に窪んだ凹部形状とならない。これにより、外周面53に固定される開閉体15の吊元端縁47は、接合部55と密着した状態で締結部材19により固定が可能となる。そのため、開閉体15は、外周面よりも窪んだ接合部55に吊元端縁47が締結されることによる吊元端縁47の変形が生じず、つまり、吊元端縁47を強制的に変形させての締結固定を行わなくてもよい。
【0010】
本発明の請求項3記載の開閉体巻取部の吊元構造は、請求項1に記載の開閉体巻取部の吊元構造であって、
前記締結部材19が、前記軸部57の外周に形成された雄ねじを有し、この雄ねじの貫通した前記吊元端縁47を前記接合部55に螺着することを特徴とする。
【0011】
この開閉体巻取部の吊元構造では、締結部材19が、軸部57に雄ねじを有する例えばボルトやビスとなる。さらにビスは、タッピングビスであってもよい。締結部材19がボルトやビスである場合、接合部55の厚み方向に雌ねじが形成される。雌ねじは、4枚の板材51が重ねられて平潰しされた接合部55を貫通するようにして形成される。開閉体15は、吊元端縁47を貫通した締結部材19が巻取シャフト17の外側からこの雌ねじに螺合して接合部55を貫通することにより、吊元端縁47が接合部55に螺着される。
【0012】
本発明の請求項4記載の開閉体巻取部の吊元構造は、請求項2に記載の開閉体巻取部の吊元構造であって、
前記締結部材19が、前記軸部57の外周に形成された雄ねじを有し、この雄ねじの貫通した前記吊元端縁47を前記接合部55に螺着することを特徴とする。
【0013】
この開閉体巻取部の吊元構造では、締結部材19が、軸部57に雄ねじを有する例えばボルトやビスとなる。さらにビスは、タッピングビスであってもよい。締結部材19がボルトやビスである場合、接合部55の厚み方向に雌ねじが形成される。雌ねじは、4枚の板材51が重ねられて平潰しされた接合部55を貫通するようにして形成される。開閉体15は、吊元端縁47を貫通した締結部材19が巻取シャフト17の外側からこの雌ねじに螺合して巻取シャフト17の外周面よりも突出した接合部55を貫通することにより、吊元端縁47が接合部55に螺着される。
【0014】
本発明の請求項5記載の開閉体巻取部の吊元構造は、請求項1~4のいずれか1つに記載の開閉体巻取部の吊元構造であって、
前記接合部55が、前記巻取シャフト17の外側の面に、前記締結部材19の貫通位置を示す指標部59を有することを特徴とする。
【0015】
この開閉体巻取部の吊元構造では、接合部55における巻取シャフト17の外側の面に、指標部59を有する。指標部59は、締結部材19の貫通位置を示す。指標部59は、例えば巻取シャフト17の軸線に沿うV溝とすることができる。V溝は、巻取シャフト17のロールフォーミングで同時に成形することができる。また、指標部59は、U溝としてもよく、罫書き線としてもよい。締結部材19は、上記のように、ビス、ボルト、リベットなどとすることができる。指標部59は、締結部材19がビス、ボルトである場合、巻取シャフト17の軸線に沿って雌ねじを所定ピッチで加工する際の罫書き線とすることができる。また、指標部59は、締結部材19がリベットである場合、巻取シャフト17の軸線に沿ってリベット挿通穴を所定ピッチで加工する際の罫書き線とすることができる。
【0016】
本発明の請求項6記載の開閉体巻取部の吊元構造は、請求項1~4のいずれか1つに記載の開閉体巻取部の吊元構造であって、
前記巻取シャフト17が、周方向における前記接合部55の両側に、前記板材51を平潰しして前記巻取シャフト17の内側に突出する一対の突部61を有することを特徴とする。
【0017】
この開閉体巻取部の吊元構造では、巻取シャフト17が、周方向における接合部55の両側に、巻取シャフト17の内側に突出する一対の突部61を有する。一対の突部61は、巻取シャフト17の外周面53を形成する板材51を平潰しして、外周面53から内側にリブ状に突出し、かつ巻取シャフト17の軸線に沿う方向に連続して形成される。この一対の突部61の間には、接合部55を外側から貫通した締結部材19の貫通端が配置される。
巻取シャフト17には、軸線に直交する断面の内側に、若干小さい外形で形成されたホイル41が同軸で挿入される。ホイル41は、開閉機35により回転駆動される。ホイル41は、一対の突部61が係合する凹部63を外周に有する。これにより、巻取シャフト17は、ホイル41からの回転が凹部63から一対の突部61に伝達されて正逆回転駆動されることになる。
この開閉体巻取部の吊元構造によれば、一対の突部61を形成することにより、接合部55を貫通する締結部材19とホイル41との干渉を回避させながら、この一対の突部61を利用して、ホイル41からの正逆回転を巻取シャフト17に伝達することができる。すなわち、接合部55の両側に突部61を有することで、接合部55への吊元端縁47の固定を行う締結部材19が貫通可能であり、強固に締結固定を行うことができる。
【0018】
本発明の請求項7記載の開閉体巻取部の吊元構造は、請求項5に記載の開閉体巻取部の吊元構造であって、
前記巻取シャフト17が、周方向における前記接合部55の両側に、前記板材51を平潰しして前記巻取シャフト17の内側に突出する一対の突部61を有することを特徴とする。
【0019】
この開閉体巻取部の吊元構造では、巻取シャフト17が、周方向における接合部55の両側に、巻取シャフト17の内側に突出する一対の突部61を有する。一対の突部61は、巻取シャフト17の外周面53を形成する板材51を平潰しして、外周面53から内側にリブ状に突出し、かつ巻取シャフト17の軸線に沿う方向に連続して形成される。この一対の突部61の間には、接合部55を外側から貫通した締結部材19の貫通端が配置される。
巻取シャフト17には、軸線に直交する断面の内側に、若干小さい外形で形成されたホイル41が同軸で挿入される。ホイル41は、開閉機35により回転駆動される。ホイル41は、一対の突部61が係合する凹部63を外周に有する。これにより、巻取シャフト17は、ホイル41からの回転が凹部63から一対の突部61に伝達されて正逆回転駆動されることになる。
この開閉体巻取部の吊元構造によれば、一対の突部61を形成することにより、接合部55を貫通する締結部材19とホイル41との干渉を回避させながら、この一対の突部61を利用して、ホイル41からの正逆回転を巻取シャフト17に伝達することができる。すなわち、接合部55の両側に突部61を有することで、接合部55への吊元端縁47の固定を行う締結部材19が貫通可能であり、強固に締結固定を行うことができる。
【0020】
本発明の請求項8記載の開閉体巻取部の吊元構造は、請求項6に記載の開閉体巻取部の吊元構造であって、
前記一対の突部61は、前記巻取シャフト17に挿入されるホイル41の外周に凹設される凹部63内に係合することを特徴とする。
【0021】
この開閉体巻取部の吊元構造では、巻取シャフト17には、軸線に直交する断面の内側に、若干小さい外形で形成されたホイル41が同軸で挿入される。ホイル41は、一対の突部61が係合する凹部63を外周に有する。ホイル41は、開閉機35により回転駆動される。これにより、巻取シャフト17は、ホイル41からの正逆回転駆動が、凹部63から一対の突部61を介して伝達されることになる。
【0022】
本発明の請求項9記載の開閉体巻取部の吊元構造は、請求項7に記載の開閉体巻取部の吊元構造であって、
前記一対の突部61は、前記巻取シャフト17に挿入されるホイル41の外周に凹設される凹部63内に係合することを特徴とする。
【0023】
この開閉体巻取部の吊元構造では、巻取シャフト17には、軸線に直交する断面の内側に、若干小さい外形で形成されたホイル41が同軸で挿入される。ホイル41は、一対の突部61が係合する凹部63を外周に有する。ホイル41は、開閉機35により回転駆動される。これにより、巻取シャフト17は、ホイル41からの正逆回転駆動が、凹部63から一対の突部61を介して伝達されることになる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る請求項1記載の開閉体巻取部の吊元構造によれば、巻取シャフト自体の材料コストを安価にでき、素材による防火構造を実現できるとともに、吊元端縁を巻取シャフトの外周側から締結固定でき組立作業も容易にできる。
【0025】
本発明に係る請求項2記載の開閉体巻取部の吊元構造によれば、接合部の厚みを巻取シャフトにおける外周面の外に突出するようになるので、巻取シャフトの外周面に接する吊元端縁との固定を容易なものとするとともに、吊元端縁を変形させずに接合部にしっかり固定できる。
【0026】
本発明に係る請求項3記載の開閉体巻取部の吊元構造によれば、平潰しされて厚肉の板材と同様となった接合部に、ねじ山の掛かり数、螺合寸法を確保して、開閉体の吊元端縁を容易かつ高強度で螺着できるようになる。
【0027】
本発明に係る請求項4記載の開閉体巻取部の吊元構造によれば、平潰しされて厚肉の板材と同様となった接合部に、ねじ山の掛かり数螺合寸法を確保して、且つ巻取シャフト外周面よりも突出していることで、開閉体の吊元端縁を容易かつ高強度で螺着できるようになる。
【0028】
本発明に係る請求項5記載の開閉体巻取部の吊元構造によれば、接合部に指標部を設けることにより、締結部材を接合部の所定位置に、正確にかつ容易に固定できるようになる。
【0029】
本発明に係る請求項6記載の開閉体巻取部の吊元構造によれば、締結部材とホイルとの干渉を回避させながら、ホイルからの正逆回転を巻取シャフトに伝達することができる。
【0030】
本発明に係る請求項7記載の開閉体巻取部の吊元構造によれば、締結部材とホイルとの干渉を回避させながら、ホイルからの正逆回転を巻取シャフトに伝達することができる。
【0031】
本発明に係る請求項8記載の開閉体巻取部の吊元構造によれば、ホイルの回転を巻取シャフトに伝えることができる。また、ホイルに突部が係合される凹部が形成されることから、ホイルの外径寸法に近づけた内径寸法とされる巻取シャフトを構成可能となる。
【0032】
本発明に係る請求項9記載の開閉体巻取部の吊元構造によれば、ホイルの回転を巻取シャフトに伝えることができる。また、ホイルに突部が係合される凹部が形成されることから、ホイルの外径寸法に近づけた内径寸法とされる巻取シャフトを構成可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本実施形態に係る開閉体巻取部の吊元構造を備える窓用シャッター装置の外観斜視図である。
図2】シャッター収納部の一部分を垂直面で切断した正面図である。
図3】開閉体と巻取シャフトとの吊元構造をその要部拡大図と共に表した側面図である。
図4】吊元端縁と接合部の分解側面図である。
図5】ホイルと巻取シャフトとにおける連動連結構造の一例を表す側面図である。
図6図5の接合部を拡大して表した要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る開閉体巻取部の吊元構造を備える窓用シャッター装置11の外観斜視図である。
本実施形態に係る開閉体巻取部の吊元構造は、建物の開口部13を開閉する開閉体15と、この開閉体15を巻き取る巻取シャフト17(図2参照)とを締結部材19(図3参照)にて連結する構造である。開閉体巻取部の吊元構造は、例えば窓用シャッター装置11に用いて好適となる。
【0035】
窓用シャッター装置11は、住宅の窓部を構成するサッシ窓21の外側に取り付けられる。住宅の外壁には、開口部13が設けられる。この開口部13には、サッシ窓21が取り付けられる。窓用シャッター装置11は、開閉体15であるシャッターカーテンを有する。シャッターカーテン15は、外壁の外側で昇降してサッシ窓21を覆う。本実施形態において、シャッターカーテン15は、防火性能を向上させることのできるスチール製のスラット23を複数連結して構成される。
【0036】
シャッターカーテン15は、複数のスラット23が、隣接する長手方向に沿う両端縁同士を係合することにより、巻回可能な面状に連結構成される。シャッターカーテン15は、操り出し方向の先端に、座板25が取り付けられる。座板25は、シャッターカーテン15が下降した際、下枠27に着座する。シャッターカーテン15は、サッシ窓21を挟んで左右に一対が設けられるガイドレール28により昇降が案内される。ガイドレール28は、シャッターカーテン15の昇降方向に延在し、シャッターカーテン15のの側縁部を表裏面から挟んで案内する。一対のガイドレール28のそれぞれは、サッシ窓21を挟む左右で外壁に取り付けられた一対の外枠29の内側に固定される。
【0037】
一対の外枠29は、シャッターカーテンの昇降方向に延在し、下端同士が下枠27により連結される。この一対の外枠29は、上端部側で、シャッター収納部31における荷重の一部を支持する。シャッター収納部31は、サッシ窓21の間口方向に延在する略直方体形状で形成される。シャッター収納部31の長手方向両端の側板部には、外枠29よりも若干外側に突出する化粧カバーが取り付けられてもよい。
【0038】
一対の外枠29の上端部には、ガイドレール28におけるシャッターカーテン15の呑み込み口が開口する。この呑み込み口は、外枠29の上端部にシャッター収納部31が載置されることにより、シャッター収納部31の内側で開口する。一対の外枠29の上端部は、上枠(不図示)により固定される。上枠は、所謂まぐさである。シャッター収納部31は、このまぐさの上方に取り付けられる。
【0039】
図2は、シャッター収納部31の一部分を垂直面で切断した正面図である。
シャッター収納部31は、両側に、ブラケット33が設けられる。一方のブラケット33には、開閉機であるチューブラモータ35が固定される。他方のブラケット33には、固定軸37が固定される。これらチューブラモータ35の回転軸39と固定軸37とは同軸状に配置される。
【0040】
チューブラモータ35には減速器が設けられ、所定比で減速され、所定トルクを有する状態で回転軸39を回転させる。固定軸37の両端には、ベアリングを介してホイル41が回動自在に設けられている。また、回転軸39にも、ベアリングを介して同径のホイル41、ホイル43が回転自在に設けられている。チューブラモータ35の固定部における近傍には、ホイル41と同径の回転体45(リミットリング)が設けられ、この回転体45は、チューブラモータ駆動時に回転する回転軸39とは連結されておらず、自由に回転自在である。
【0041】
これらホイル41、ホイル43及び回転体45の外周部分には、シャッターカーテン15を巻き取る巻取り部材として中空の巻取シャフト17が固定されている。この巻取シャフト17の外周には、吊元スラットである吊元端縁47(図3参照)を介してシャッターカーテン15の上端である一端が連結されている。なお、吊元端縁47は、シャッターカーテン15を構成するスラット23の上端(一端)となるスラットであり、図に示すように長手方向に沿う両端縁が他のスラット23と同様に形成されているとともに、これら端縁に挟まるスラット本体部分の形状が他のスラット23と異なる形状とされ、巻取内側となる方向に突出するような取付板部48を有し、好ましくは取付板部48は平板状に形成されるスラットである。この他、吊元端縁47としては、他のスラット23と同等の長手方向の長さであってもよく、他のスラット23よりも短尺に形成されて、スラット23の長手方向に複数配置されるような分割構造でもよく、さらには、スラット23との連結部分を備える端縁と、平板状に形成される端縁とを備えるような形状とされてもよく、後述する締結部材19が貫通される部分となる取付板部48を有するとともに、シャッターカーテン15の上端となる構成であればよい。
【0042】
また、固定軸37には、巻取り用バネ49(平衡スプリング)が設けられ、この巻取り用バネ49は、シャッターカーテン15を巻き上げる際の巻取シャフト17の回転方向に付勢されたねじりバネで構成され、シャッターカーテン15の巻取りを軽い力で行えるものである。よって、この巻取り用バネ49を設けることにより、巻き上げ時の負荷が軽減され、その分、チューブラモータ35が小型化されている。このように、窓用シャッター装置11は、電動開閉機としてチューブラモータ35を用い、巻取り用バネ49を併設した構成によって全体が小型簡素化されている。
【0043】
図3は、開閉体(シャッターカーテン)15と巻取シャフト17との吊元構造をその要部拡大図と共に表した側面図である。
ところで、窓用シャッター装置11の巻取シャフト17は、ロールフォーミングにて板材51の両端縁をプレス接合(シーミング)した中空パイプとして製作される。本実施形態において、巻取シャフト17は、ロールフォーミングにより断面が円形(丸)に成形される。なお、開閉体巻取部の吊元構造は、巻取シャフト17の断面形状が円形以外の例えば多角形であってもよい。巻取シャフト17は、ロールフォーミングにより成形され、外周面53(図4参照)に接合部55が設けられる。接合部55は、シーミングにより、巻取シャフト17の軸線に沿う方向に連続して設けられる。シーミングは、板材51の両端縁を曲げて接合する加工方法であり、ハゼ折り接合とも称される。シャッターカーテン15は、吊元端縁47が、この接合部55に、締結部材19によって固定される。
【0044】
締結部材19は、ビス、ボルト、リベットなどであってよい。本実施形態において、締結部材19は、軸部57の外周に雄ねじを形成したビスである。シャッターカーテン15は、このビスにより、吊元端縁47が接合部55に螺着される。
【0045】
図4は、吊元端縁47と接合部55の分解側面図である。
巻取シャフト17の板材51は、シーミングにより、両端縁が、それぞれの端縁を互いに逆向きに折り返して掛け合わせられる。その重なり部分は、板厚方向に平潰しされる。それぞれの折り返し部分は、ヘミング曲げ(或いは「アザ折り」とも称される。)とすることができる。接合部55は、両端縁を逆向きにヘミング曲げして互いに掛け合うことで板材51が互いに密着し4重(4枚重ね)となる。
【0046】
この重ねられた板材51の最下層は、巻取シャフト17のほぼ外周面53となる。従って、接合部55は、巻取シャフト17の外周面53から厚みtの板材51を略3重に重ねた突出高さがほぼ3tとなる。巻取シャフト17は、板材51が、巻取シャフト17の外周面53に配置され、接合部55が外周面53よりも巻取シャフト17の外側へ突出して配置される。接合部55の表裏面は、平潰しされることにより、外周面53の接線と平行になっている。
【0047】
接合部55は、それぞれの端縁の掛け代となる折り返し長さSが、接合部55を板厚方向で貫通する締結部材19の軸部57における外径dより大きく設定される。より望ましくは、折り返し長さSは、軸部57の外径dの2倍以上が好ましい。この場合、接合部55の端から軸部57の中心までのはしあき(端明)寸法は、d以上が確保される。これにより、シャッターカーテン15の吊元端縁47は、貫通したビスが接合部55から外れることなく、接合部55にしっかりとした締結固定が可能となる。
【0048】
接合部55は、巻取シャフト17の外側の面に、締結部材19の貫通位置を示す指標部59を有することが好ましい。本実施形態において、指標部59は、巻取シャフト17の軸線に沿うV溝で形成される。V溝は、ロールフォーミングによる接合部55の加工の際、同時に形成することができる。V溝は、接合部55における折り返し長さSの半分(S/2)の位置に形成される。
【0049】
また、巻取シャフト17は、周方向における接合部55の両側に、板材51を平潰しして(ヘミング曲げを行って)巻取シャフト17の内側にリブ状に突出する一対の突部61を有する。
【0050】
図5は、ホイル41と巻取シャフト17とにおける連動連結構造の一例を表す側面図である。
巻取シャフト17は、軸線に直交する断面の内側に、若干小さい外径で形成されたホイル41が同軸で挿入される。ホイル41は、開閉機35により回転駆動される。ホイル41は、一対の突部61が係合する凹部63を外周に有する。凹部63は、ホイル41の外周に、複数が円周方向に等間隔で形成される。本実施形態において、凹部63は、4つ等間隔となって形成される。
【0051】
4つの凹部63のうち、1つには巻取シャフト17の一対の突部61が係合されるが、他の3つの凹部63には、巻取シャフト17の板材51を内側に曲げ加工した凸部65が係合される。これにより、巻取シャフト17は、ホイル41からの回転が凹部63から一対の突部61に伝達されるとともに、各凸部65に伝達され、ホイル41の正逆回転駆動が巻取シャフト17に伝わり、巻取シャフト17が正逆回転駆動されることになる。なお、ホイル41と巻取シャフト17とは、ホイル41の4箇所の凹部63の内側へ巻取シャフト17に形成する4つの凸部65を係合して、接合部55の位置を他の場所としても構わない。この場合、他の場所となる接合部55に対応するにホイル41の該当する場所は、巻取シャフト17側では一対の突部61が省略され、ホイル41の該当個所に軸部57との干渉を回避する窪み等が設けられる。このように巻取シャフト17に凸部65を複数形成することで、巻取シャフト17の剛性や真直性が向上し、長手方向に撓みにくい中空パイプとなる。また、巻取シャフト17の内側に突部61及び凸部65を形成し、ホイル41の外周に凹部63を有することから、ホイル41の外径寸法と巻取シャフト17の内径寸法とを近づけた組合せとすることができ、無駄なスペースを削減した構造とすることができる。
【0052】
図6は、図5の接合部55を拡大して表した要部拡大図である。
接合部55に設けられる一対の突部61は、ホイル41の凹部63に係合されるとともに、締結部材19の軸部57をその間に挟む配置位置となる。一対の突部61に挟まれた軸部57は、先端が凹部63の底面67から離間する。すなわち、締結部材19は、一対の突部61の間に配置されることにより、巻取シャフト17の円周方向及び半径方向において、ホイル41と干渉しない。また、接合部55の両側に突部61を有することで、接合部55への吊元端縁47の固定を行う締結部材19が貫通可能であり、強固に締結固定を行うことができる。
【0053】
次に、上記した構成の作用を説明する。
【0054】
本実施形態に係る開閉体巻取部の吊元構造では、巻取シャフト17が、ロールフォーミングにより中空パイプとなる。中空パイプ状の巻取シャフト17は、板材51の両端縁を互いに逆向きに折り返して掛け合い、その重なり部分を板厚方向に平潰しした接合部55を有する。接合部55は、巻取シャフト17の軸線に沿う方向に連続して厚肉となる。従って、この接合部55は、巻取シャフト17の外周を形成する板材51が、4枚重ねられた厚みとなる。これにより、接合部55は、締結部材19の締結に必要な板厚を満足する。例えば板材51が厚さ0.4mmであれば接合部55は厚さ1.6mm、板材51が厚さ0.6mmであれば接合部55は厚さ2.4mmとなる。
【0055】
また、接合部55は、それぞれの端縁の掛け代となる折り返し長さが、少なくとも締結部材19の軸部57における外径dより大きく設定される。このため軸部57は、厚さの薄いの板材51が4重に重ねられて厚肉となった接合部55を貫通することになる。締結部材19は、ビス、ボルト、リベットなどであってよい。シャッターカーテン15は、この接合部55に吊元端縁47が重ねられ、締結部材19の軸部57が吊元端縁47及び接合部55を貫通して接合部55に強固に締結固定可能となる。
【0056】
このように開閉体巻取部の吊元構造では、薄肉の板材51からなる巻取シャフト17であっても、接合部55に複数枚の板材51が重なることを利用し、シャッターカーテン15の吊元端縁47を十分な固定強度で容易に締結できる。これにより、開閉体巻取部の吊元構造は、巻取シャフト17を、高価なアルミ素材を廃止して、安価なスチール製に素材を置き換えることができる。巻取シャフト17は、スチール製とすることにより、アルミ製に比べ耐火性能を向上させることができる。また、巻取シャフト17の外周側から締結部材19を締結できるので、巻取シャフト17の内部にナットを配置する必要がなく、容易に締結作業が行えるようになる。
【0057】
この開閉体巻取部の吊元構造では、シャッターカーテン15が、巻取シャフト17の外周面53に巻き取られる。巻取シャフト17は、上述のように、ロールフォーミングにより成形される。ロールフォーミングは、1列に並んだ数組の成形ロールに帯板状の板材51を通して連続的に所定断面(多角形や丸)に成形する。成形される巻取シャフト17は、両端縁を互いに逆向きに折り返して掛け合い、その重なり部分を板厚方向に平潰しして接合部55となる。
【0058】
この接合部55は、巻取シャフト17の外周面53を形成している板材51よりも、巻取シャフト17の外側に配置される。このため、接合部55は、巻取シャフト17の外周面53から内側に窪んだ凹部形状とならない。これにより、外周面53に固定されるシャッターカーテン15の吊元端縁47は、接合部55と密着した状態で締結部材19により固定が可能となる。そのため、シャッターカーテン15は、窪んだ接合部55に吊元端縁47が締結されることによる吊元端縁47の変形が生じない。その結果、接合部55の厚みを巻取シャフト17における外周面53の外に出すので、巻取シャフト17の外周面53に接する吊元端縁47を変形させずに接合部55にしっかりと固定することができる。
【0059】
この開閉体巻取部の吊元構造では、締結部材19が、軸部57に雄ねじを有する例えばボルトやビスとなる。さらにビスは、タッピングビスであってもよい。締結部材19がボルトやビスである場合、接合部55の厚み方向に雌ねじが形成される。雌ねじは、4枚の板材51が重ねられて平潰しされた接合部55を貫通するようにして形成される。シャッターカーテン15は、吊元端縁47を貫通した締結部材19が巻取シャフト17の外側からこの雌ねじに螺合して接合部55を貫通することにより、吊元端縁47が接合部55に螺着される。その結果、平潰しされて厚肉の板材と同様となった接合部55に、ねじ山の掛かり数(螺合寸法)を確保して、シャッターカーテン15の吊元端縁47を容易かつ高強度で螺着できるようになる。
【0060】
この開閉体巻取部の吊元構造では、巻取シャフト17が、周方向における接合部55の両側に、巻取シャフト17の内側に突出する一対の突部61を有する。一対の突部61は、巻取シャフト17の外周面53を形成する板材51を平潰しして、外周面53から内側に突出し、かつ巻取シャフト17の軸線に沿う方向に連続して形成される。この一対の突部61の間には、接合部55を外側から貫通した締結部材19の貫通端が配置される。
【0061】
巻取シャフト17は、軸線に直交する断面の内側に、若干小さい外形で形成されたホイル41が同軸で挿入される。ホイル41は、開閉機35により回転駆動される。ホイル41は、一対の突部61が係合する凹部63を外周に有する。これにより、巻取シャフト17は、ホイル41からの回転が凹部63から一対の突部61に伝達されて正逆回転駆動されることになる。
【0062】
この開閉体巻取部の吊元構造では、一対の突部61を形成することにより、接合部55を貫通する締結部材19とホイル41との干渉を回避させながら、この一対の突部61を利用して、ホイル41からの正逆回転を巻取シャフト17に伝達することができる。
【0063】
また、この開閉体巻取部の吊元構造では、接合部55が、巻取シャフト17の外側の面に、指標部59を有する。指標部59は、締結部材19の貫通位置を示す。指標部59は、例えば巻取シャフト17の軸線に沿うV溝とすることができる。V溝は、巻取シャフト17のロールフォーミングで同時に成形できる。また、指標部59は、U溝としてもよく、単に罫描き線としてもよい。締結部材19は、上記のように、ビス、ボルト、リベットなどとすることができる。指標部59は、締結部材19がビス、ボルトである場合、巻取シャフト17の軸線に沿って雌ねじを所定ピッチで加工する際の罫書き線とすることができる。また、指標部59は、締結部材19がリベットである場合、巻取シャフト17の軸線に沿ってリベット挿通穴を所定ピッチで加工する際の罫書き線とすることができる。その結果、接合部55に指標部59を設けることにより、締結部材19を接合部55の所定位置に、正確にかつ容易に固定できるようになる。
【0064】
従って、本実施形態に係る開閉体巻取部の吊元構造によれば、巻取シャフト17の材料コストを安価にでき、防火構造を実現できるとともに、組立作業も容易にできる。
【符号の説明】
【0065】
13…開口部
15…開閉体(シャッターカーテン)
17…巻取シャフト
19…締結部材
41…ホイル
47…吊元端縁
51…板材
53…外周面
55…接合部
57…軸部
59…指標部
61…突部
63…凹部
S…折り返し長さ
d…軸部の外径
図1
図2
図3
図4
図5
図6