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特開2023-165284電解コンデンサ及び電解コンデンサの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165284
(43)【公開日】2023-11-15
(54)【発明の名称】電解コンデンサ及び電解コンデンサの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01G 2/10 20060101AFI20231108BHJP
   H01G 9/08 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
H01G2/10 K
H01G9/08 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022076132
(22)【出願日】2022-05-02
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】野田 知宏
(72)【発明者】
【氏名】上田 安彦
(57)【要約】
【課題】信頼性に優れた電解コンデンサを提供すること。
【解決手段】表面に誘電体層41を有する陽極40及び陽極40と対向する陰極43を含むコンデンサ素子10を含む重畳体11と、重畳体11の周囲を封止する外装体20とを備える直方体状の樹脂成形体110を有する電解コンデンサ100であって、樹脂成形体110は、重畳体11の第1方向Tに対向する第1主面110a及び第2主面110b、第1方向Tと直交する第2方向Lに対向し陰極43が露出する第1端面110e及び陽極40が露出する第2端面110f、並びに、第1方向T及び第2方向Lに直交する第3方向Wに対向する第1側面110c及び第2側面110dを有し、外装体30は絶縁体繊維60を含み、絶縁体繊維60が、第3方向W及び/又は第1方向Tに配向している電解コンデンサ100。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ表面に誘電体層を有する陽極及び前記陽極と対向する陰極を含む複数のコンデンサ素子が第1方向に沿って配置された重畳体と、前記重畳体の周囲を封止する外装体とを備える直方体状の樹脂成形体を有し、
前記樹脂成形体は、前記第1方向において対向する第1主面及び第2主面、前記第1方向と直交する第2方向において対向し前記陰極が露出する第1端面及び前記陽極が露出する第2端面、並びに、前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向において対向する第1側面及び第2側面を有し、
前記外装体は絶縁体繊維を含み、前記絶縁体繊維が、前記第3方向及び/又は前記第1方向に配向している、電解コンデンサ。
【請求項2】
前記外装体を前記第1方向から見た際に、前記絶縁体繊維が前記第3方向に配向しており、前記絶縁体繊維の配向方向が前記第3方向となす角度のうち鋭角となる角度が、前記絶縁体繊維の少なくとも60%において40°以下である請求項1に記載の電解コンデンサ。
【請求項3】
前記外装体を前記第1方向から見た際に、前記絶縁体繊維が前記第3方向に配向しており、前記絶縁体繊維の配向方向が前記第3方向となす角度のうち鋭角となる角度が、前記絶縁体繊維の少なくとも60%において20°以下である請求項2に記載の電解コンデンサ。
【請求項4】
前記外装体を前記第2方向から見た際に、前記絶縁体繊維が前記第3方向に配向しており、前記絶縁体繊維の配向方向が前記第3方向となす角度のうち鋭角となる角度が、前記絶縁体繊維の少なくとも60%において40°以下である請求項1~3のいずれかに記載の電解コンデンサ。
【請求項5】
前記外装体を前記第2方向から見た際に、前記絶縁体繊維が前記第3方向に配向しており、前記絶縁体繊維の配向方向が前記第3方向となす角度のうち鋭角となる角度が、前記絶縁体繊維の少なくとも60%において20°以下である請求項4に記載の電解コンデンサ。
【請求項6】
前記外装体を前記第3方向から見た際に、前記絶縁体繊維が前記第1方向に配向しており、前記絶縁体繊維の配向方向が前記第1方向となす角度のうち鋭角となる角度が、前記絶縁体繊維の少なくとも60%において40°以下である請求項1~3のいずれかに記載の電解コンデンサ。
【請求項7】
前記外装体を前記第3方向から見た際に、前記絶縁体繊維が前記第1方向に配向しており、前記絶縁体繊維の配向方向が前記第1方向となす角度のうち鋭角となる角度が、前記絶縁体繊維の少なくとも60%において20°以下である請求項6に記載の電解コンデンサ。
【請求項8】
前記外装体を前記第2方向から見た際に、前記絶縁体繊維が前記第1方向に配向しており、前記絶縁体繊維の配向方向が前記第1方向となす角度のうち鋭角となる角度が、前記絶縁体繊維の少なくとも60%において40°以下である請求項1~3のいずれかに記載の電解コンデンサ。
【請求項9】
前記外装体を前記第2方向から見た際に、前記絶縁体繊維が前記第1方向に配向しており、前記絶縁体繊維の配向方向が前記第1方向となす角度のうち鋭角となる角度が、前記絶縁体繊維の少なくとも60%において20°以下である請求項8に記載の電解コンデンサ。
【請求項10】
前記絶縁体繊維の平均繊維長が100μm以上である請求項1~3のいずれかに記載の電解コンデンサ。
【請求項11】
前記絶縁体繊維が非晶質繊維である請求項1~3のいずれかに記載の電解コンデンサ。
【請求項12】
前記絶縁体繊維がアルミニウム酸化物又はケイ素酸化物を50重量%以上含有する請求項1~3のいずれかに記載の電解コンデンサ。
【請求項13】
それぞれ表面に誘電体層を有する陽極及び前記陽極と対向する陰極を含む複数のコンデンサ素子が第1方向に沿って配置された重畳体を準備する工程と、外装体により前記重畳体を封止する封止工程とを備え、
製造される電解コンデンサにおいて、前記第1方向と直交し、前記陽極及び前記陰極が対向する方向を第2方向、前記第1方向及び前記第2方向に直交する方向を第3方向とした際に、
前記封止工程では、樹脂と絶縁体繊維を含む樹脂組成物を、製造する電解コンデンサの第3方向又は第1方向となる方向に沿って流動させる、電解コンデンサの製造方法。
【請求項14】
前記樹脂は熱可塑性樹脂であり、前記封止工程では、射出成形工程を行う請求項13に記載の電解コンデンサの製造方法。
【請求項15】
前記射出成形工程におけるゲート方向に沿って前記絶縁体繊維を配向させる請求項14に記載の電解コンデンサの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解コンデンサ及び電解コンデンサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、素子を被覆する外装体が無機フィラーを含んでいる固体電解コンデンサが開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、チップ型固体電解コンデンサのモールド外装樹脂に球状フィラー及び破砕フィラーが含まれることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-003827号公報
【特許文献2】特開2009-176973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
外装体はリフロー時の熱負荷や酸化からコンデンサ素子を保護し、汚れや結露からコンデンサ素子を保護する。
また、外装体は、実装後の実使用においても大気中の酸素や水蒸気を遮蔽する役割を持ち、電解コンデンサの信頼性の向上に寄与している。
【0006】
ここで、電解コンデンサの容量を増大させるには外装体が占める体積を小さくし、コンデンサ素子が占める体積を大きくすることが好ましい。
しかしながら、外装体を小さくすると外装体の厚さが小さくなるため外装体の強度が低下する。外装体の強度が不足すると、リフロー時に電解コンデンサが高温環境下に曝された際に、気化した水分による内圧上昇に耐えきれずに外装体にクラックが発生する。
【0007】
外装体に発生したクラックは外装体を伝播し、外装体の外表面まで貫通して露出する。外装体にクラックが存在すると、リフロー後の電解コンデンサの使用時において、水分や酸素がクラックから外装体の内部に侵入するため内部のコンデンサ素子の劣化が加速され、電解コンデンサの電気特性の劣化が引き起こされる。従って、クラックが外装体の外表面に露出しないようにすることが電解コンデンサの信頼性の向上につながる。
【0008】
そこで、特許文献1及び2に示されるように、コンデンサ素子の外装体として樹脂にフィラーを含有させた材料が適用され、樹脂にフィラーを含有させることで外装体の強度を高めることが試みられている。
しかしながら、特許文献1及び2に記載される手法では、外装体の強度の向上は充分ではない。また、製造コストの増加を抑制する観点からは、フィラーを含有させる量を増やせばいいというものではない。
そこで、特許文献1及び2に記載される手法とは異なる方法により、外装体の強度の向上を図ることが求められていた。
【0009】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、信頼性に優れた電解コンデンサを提供することを目的とする。さらに、本発明は、信頼性に優れた電解コンデンサを実現可能な電解コンデンサの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の電解コンデンサは、それぞれ表面に誘電体層を有する陽極及び前記陽極と対向する陰極を含む複数のコンデンサ素子が第1方向に沿って配置された重畳体と、前記重畳体の周囲を封止する外装体とを備える直方体状の樹脂成形体を有し、前記樹脂成形体は、前記第1方向において対向する第1主面及び第2主面、前記第1方向と直交する第2方向において対向し前記陰極が露出する第1端面及び前記陽極が露出する第2端面、並びに、前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向において対向する第1側面及び第2側面を有し、前記外装体は絶縁体繊維を含み、前記絶縁体繊維が、前記第3方向及び/又は前記第1方向に配向している。
【0011】
本発明の電解コンデンサの製造方法は、それぞれ表面に誘電体層を有する陽極及び前記陽極と対向する陰極を含む複数のコンデンサ素子が第1方向に沿って配置された重畳体を準備する工程と、外装体により前記重畳体を封止する封止工程とを備え、製造される電解コンデンサにおいて、前記第1方向と直交し、前記陽極及び前記陰極が対向する方向を第2方向、前記第1方向及び前記第2方向に直交する方向を第3方向とした際に、前記封止工程では、樹脂と絶縁体繊維を含む樹脂組成物を、製造する電解コンデンサの第3方向又は第1方向となる方向に沿って流動させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、信頼性に優れた電解コンデンサを提供することができる。さらに、本発明によれば、信頼性に優れた電解コンデンサを実現可能な電解コンデンサの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の実施形態に係る電解コンデンサの一例を模式的に示す斜視図である。
図2図2は、図1に示す電解コンデンサのX-X線に沿った断面図である。
図3図3は、図1に示す電解コンデンサが備えるコンデンサ素子の一例を模式的に示す断面図である。
図4図4は、外装体に発生するクラックの例を模式的に示す斜視図である。
図5図5は、外装体に発生するクラックの例を模式的に示す斜視図である。
図6図6は、樹脂成形体の主面を構成する外装体における絶縁体繊維の配向の一例を示す模式図である。
図7図7は、樹脂成形体(外装体)を第2方向から見た際の絶縁体繊維の配向の一例を示す模式図である。
図8図8は、樹脂成形体の側面を構成する外装体における絶縁体繊維の配向の一例を示す模式図である。
図9図9は、樹脂成形体(外装体)を第2方向から見た際の絶縁体繊維の配向の一例を示す模式図である。
図10図10は、樹脂成形体(外装体)を第2方向から見た際の絶縁体繊維の配向の一例を示す模式図である。
図11図11は、本発明の実施形態に係る電解コンデンサの製造方法で使用する外装体の第1部分の一例を模式的に示す斜視図である。
図12図12は、図11に示す外装体の第1部分を製造する工程の一例を模式的に示す平面図である。
図13図13は、図12に示す工程の正面図である。
図14図14は、図11に示す外装体の第1部分を製造する工程の別の一例を模式的に示す平面図である。
図15図15は、図14に示す工程の右側面図である。
図16図16は、本発明の実施形態に係る電解コンデンサの製造方法で使用するワークの一例を模式的に示す平面図である。
図17図17は、粘着性シートを外装体の第1部分に貼り付ける工程の一例を模式的に示す図である。
図18図18は、粘着性シート上に導電性ペーストを供給する工程の一例を模式的に示す図である。
図19図19Aは、複数のコンデンサ素子の重畳体を準備する工程の一例を模式的に示す図である。図19Bは、重畳体を貫通孔内に挿入する工程の一例を模式的に示す図である。図19Cは、各コンデンサ素子の先端側の第1部分を導電性ペースト内に埋め込む工程の一例を模式的に示す図である。図19Dは、貫通孔内に挿入された各コンデンサ素子(重畳体)と外装体の第1部分との間の隙間に液状材料を充填する工程の一例を模式的に示す図である。
図20図20は、貫通孔の周囲において外装体の第1部分を切断する工程の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の電解コンデンサ及び電解コンデンサの製造方法について説明する。
しかしながら、本発明は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下において記載する個々の望ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
【0015】
[電解コンデンサ]
図1は、本発明の実施形態に係る電解コンデンサの一例を模式的に示す斜視図である。図2は、図1に示す電解コンデンサのX-X線に沿った断面図である。図3は、図1に示す電解コンデンサが備えるコンデンサ素子の一例を模式的に示す断面図である。
【0016】
電解コンデンサ100は、図1に示すように、略直方体状の外形を有している。電解コンデンサ100は、直方体状の樹脂成形体110と、第1外部電極120と、第2外部電極130と、を備える。
【0017】
また、図1及び図2においては、電解コンデンサ100及び樹脂成形体110の第2方向をL、第3方向をW、第1方向をTで示している。ここで、第2方向Lと第3方向Wと第1方向Tとは互いに直交している。電解コンデンサ100に含まれる複数のコンデンサ素子が重ねて配置される方向を第1方向とする。複数のコンデンサ素子が積層された場合、第1の方向を積層方向ともいう。第1方向と直交し、電解コンデンサの陽極及び陰極が対向する方向を第2方向とする。第2方向は長さ方向ともいう。第1方向及び第2方向に直交する方向を第3方向とする。第3方向は幅方向ともいう。
【0018】
樹脂成形体110は、直方体状の外形を有している。樹脂成形体110は、第1方向Tにおいて対向する第1主面110a及び第2主面110b、第3方向Wにおいて対向する第1側面110c及び第2側面110d、並びに、第2方向Lにおいて対向する第1端面110e及び第2端面110fを有している。
【0019】
上記のように樹脂成形体110は、直方体状の外形を有しているが、角部及び稜線部に丸みが付けられていてもよい。角部は、樹脂成形体110の3面が交わる部分であり、稜線部は、樹脂成形体110の2面が交わる部分である。
【0020】
樹脂成形体110は、コンデンサ素子10を備え、複数のコンデンサ素子10が第1方向に沿って配置された重畳体11を備える。さらに、樹脂成形体110は、重畳体11の周囲を封止する外装体20と、集電電極30と、を備える。
なお、重畳体11に含まれるコンデンサ素子10の数は、2以上であれば特に限定されず、適宜設定可能である。
また、本明細書における重畳体は、後述する製造工程においてコンデンサ素子が「積層される工程」を経て得られたものであってもよく、「積層される工程」を経ずに得られたものであってもよい。電解コンデンサの構成要素としてコンデンサ素子が一定の方向(その方向を第1方向とする)に沿って配置された形態のものであれば「重畳体」とする。
樹脂成形体の110の第1端面110eにはコンデンサ素子10の陰極43が露出し、第2端面110fにはコンデンサ素子10の陽極40が露出する。
【0021】
外装体20は、複数のコンデンサ素子10を封止している。すなわち、外装体20には、複数のコンデンサ素子10の重畳体11が埋設されている。また、外装体20は、集電電極30を封止している。
図2に示す外装体20は、第1樹脂材料を含む第1部分21と、第2樹脂材料を含む第2部分22と、を有している。
【0022】
第1部分21は、貫通孔23を有する管構造であり、貫通孔23内に複数のコンデンサ素子10(重畳体11)を収納している。第2部分22は、複数のコンデンサ素子10(重畳体11)の収納された貫通孔23内に存在している。
【0023】
図2及び図3を参照して、コンデンサ素子の構成及び重畳体の構成について説明する。
各コンデンサ素子10は、略平板状であり、表面が多孔質状の弁作用金属基体から構成された平面視長方形状の薄膜(箔)である陽極40と、陽極40の基端面40bを除いて陽極40の表面上に設けられた誘電体層41(図3参照、図2では図示せず)と、陽極40の基端面40bに沿って誘電体層41上に設けられた直線状の(帯状に延在する)絶縁部材であるマスク層42と、マスク層42よりも陽極40の先端面40a側において誘電体層41上に設けられた陰極43と、を備える。各コンデンサ素子10において、陰極43は、誘電体層41を介して陽極40と対向している。
【0024】
ここで、各陰極43は、電解コンデンサ100の陰極の一部であり、各陽極40は、電解コンデンサ100の陽極の一部である。すなわち、複数のコンデンサ素子10の重畳体11は、複数の第1内部電極としての複数の陰極43と、複数の第2内部電極としての複数の陽極40と、を含んでいる。
【0025】
陽極40は、樹脂成形体110の第1端面110e及び第2端面110fの間に延設されており、第1端面110e側の第1部分40c及び第2端面110f側の第2部分40dを有している。
【0026】
陰極43は、樹脂成形体110の第1端面110e及び第2端面110fの間に延設されており、第1端面110e側の第1部分43a及び第2端面110f側の第2部分43bを有している。また、陰極43は、誘電体層41上に設けられた固体電解質層44と、固体電解質層44上に設けられたカーボン層45と、カーボン層45上に設けられた陰極導体層46と、を有している。
【0027】
図2に示したように、集電電極30は、複数のコンデンサ素子10の複数の陰極43と電気的に接続されている。集電電極30は、樹脂成形体110の第1端面110eに露出しており、少なくとも樹脂成形体110の第1端面110e側の部分に設けられている。また、集電電極30は、第1端面110e(第1部分21の端面21c)から奥まった位置に厚さを持った形状で形成されている。
【0028】
そして、図2に示したように、各陰極43の少なくとも第1部分43aが集電電極30内に埋め込まれており、これにより、各陰極43と集電電極30との間の電気的接続が確保されている。
【0029】
集電電極30は、導電成分(導電材料)及び樹脂成分(樹脂材料)の複合材料であることが好ましい。導電成分は、銀、銅、ニッケル、錫等の金属単体、又は、これらの金属の少なくとも1種を含有する合金等を主成分として含むことが好ましい。樹脂成分は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等を主成分として含むことが好ましい。集電電極30は、例えば、銀ペースト等の導電性ペーストを用いて形成可能である。
【0030】
図2に示したように、第1外部電極120は、樹脂成形体110の第1端面110eに設けられている。図1では、第1外部電極120は、樹脂成形体110の第1端面110eから、第1主面110a、第2主面110b、第1側面110c及び第2側面110dの各々に亘って設けられている。第1外部電極120は、第1端面110eにおいて樹脂成形体110から露出した集電電極30と電気的に接続されている。すなわち、第1外部電極120は、集電電極30を介して各陰極43と電気的に接続されている。
【0031】
また、集電電極30は、複数のコンデンサ素子10(重畳体11)の収納された貫通孔23内に存在しており、集電電極30及び外装体20の第1部分21が樹脂成形体110の第1端面110eを形成しているため、第1外部電極120は、この第1端面110e上に形成することができる。したがって、第1外部電極120と集電電極30との電気的接続が容易であり、かつ、第1外部電極120を薄い厚さで形成することが可能となる。
【0032】
具体的には、第1外部電極120は、スパッタ法により形成される、いわゆるスパッタ膜を有していてもよい。スパッタ膜の材質としては、例えば、Ni、Sn、Ag、Cu、Au等が挙げられる。
【0033】
また、第1外部電極120は、蒸着法により形成される、いわゆる蒸着膜を有していてもよい。蒸着膜の材質としては、例えば、Ni、Sn、Ag、Cu等が挙げられる。
【0034】
このように、第1外部電極120は、スパッタ膜及び/又は蒸着膜から形成可能であることから、第1外部電極120の膜厚は、第2外部電極130の膜厚に比べて薄くてもよい。具体的には、第1外部電極120の膜厚は、1μm以上、100μm以下であることが好ましく、5μm以上、50μm以下であることがより好ましく、10μm以上、30μm以下であることがさらに好ましい。
【0035】
図2に示したように、第2外部電極130は、樹脂成形体110の第2端面110fに設けられている。図1では、第2外部電極130は、樹脂成形体110の第2端面110fから、第1主面110a、第2主面110b、第1側面110c及び第2側面110dの各々に亘って設けられている。第2外部電極130は、第2端面110fにおいて樹脂成形体110から露出するコンデンサ素子10の陽極40(弁作用金属基体)の第2部分40dと電気的に接続されている。第2外部電極130は、樹脂成形体110の第2端面110fにおいて陽極40と直接的に接続されてもよく、間接的に接続されてもよい。
【0036】
第1外部電極120及び第2外部電極130の少なくとも一方は、導電成分と樹脂成分とを含む樹脂電極層を有していてもよい。導電成分は、銀、銅、ニッケル、錫等の金属単体、又は、これらの金属の少なくとも1種を含有する合金等を主成分として含むことが好ましい。樹脂成分は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等を主成分として含むことが好ましい。樹脂電極層は、例えば、銀ペースト等の導電性ペーストを用いて形成可能である。
【0037】
第1外部電極120及び第2外部電極130の少なくとも一方は、めっき法により形成される、いわゆるめっき層を有していてもよい。めっき層としては、例えば、亜鉛・銀・ニッケル層、銀・ニッケル層、ニッケル層、亜鉛・ニッケル・金層、ニッケル・金層、亜鉛・ニッケル・銅層、ニッケル・銅層等が挙げられる。これらのめっき層上には、例えば、銅めっき層と、ニッケルめっき層と、錫めっき層とが順に(あるいは、一部のめっき層を除いて)設けられることが好ましい。
【0038】
第1外部電極120及び第2外部電極130の少なくとも一方は、樹脂電極層及びめっき層をともに有していてもよい。例えば、第1外部電極120は、集電電極30に接続された樹脂電極層と、樹脂電極層の表面上に設けられた外層めっき層と、を有していてもよい。また、第1外部電極120は、集電電極30に接続された内層めっき層と、内層めっき層を覆うように設けられた樹脂電極層と、樹脂電極層の表面上に設けられた外層めっき層と、を有していてもよい。また、第2外部電極130は、陽極40(弁作用金属基体)に接続された樹脂電極層と、樹脂電極層の表面上に設けられた外層めっき層と、を有していてもよい。また、第2外部電極130は、陽極40(弁作用金属基体)に接続された内層めっき層と、内層めっき層を覆うように設けられた樹脂電極層と、樹脂電極層の表面上に設けられた外層めっき層と、を有していてもよい。
【0039】
本発明の電解コンデンサは、外装体にクラックが発生することを抑制するものであるが、ここで外装体に発生するクラックについて図面を参照して説明する。
図4及び図5は、外装体に発生するクラックの例を模式的に示す斜視図である。
図4には、樹脂成形体110の第1主面110aを構成する外装体に発生したクラック50aを示しており、図5には、樹脂成形体110の第1側面110cを構成する外装体に発生したクラック50cを模式的に示している。
図4に示すクラック50aは第2方向Lに沿って発生している。また、図5に示すクラック50cも第2方向Lに沿って発生している。
【0040】
電解コンデンサが、コンデンサ素子を含む重畳体と重畳体の周囲を封止する外装体とを備える場合、クラックが発生する方向は、第2方向Lに沿った方向となることが多い。
樹脂成形体の主面(第1主面又は第2主面)においては、外装体を第3方向に引き裂く力(図4に両矢印Fwで示す方向の力)が加わることによって、第2方向Lに沿ってクラックが生じやすい。また、樹脂成形体の側面(第1側面又は第2側面)においては、外装体を第1方向に引き裂く力(図5に両矢印Ftで示す方向の力)が加わることによって、第2方向Lに沿ってクラックが生じやすい。
また、樹脂成形体の主面、又は樹脂成形体の側面にクラックが発生することが多く、樹脂成形体の端面にクラックが発生することは少ない。
これは、コンデンサ素子の主面が第2方向Lに沿っているために、リフロー時のガス発生の方向が第2方向Lに沿った方向になりやすいためであると推測される。
そのため、樹脂成形体の主面又は側面に対して、第2方向にクラックが発生することを抑制することが必要となる。
本発明の電解コンデンサはこのようなモードのクラックの発生を抑制することができる。
【0041】
本発明の電解コンデンサでは、外装体は絶縁体繊維を含み、絶縁体繊維が第3方向及び/又は第1方向に配向している。外装体が含む絶縁体繊維が第3方向及び/又は第1方向に配向していると、第2方向にクラックが発生することを抑制することができる。
【0042】
絶縁体繊維が第3方向に配向している場合について図6及び図7を参照して説明する。
図6は、樹脂成形体の主面を構成する外装体における絶縁体繊維の配向の一例を示す模式図である。図6には樹脂成形体110の第1主面110aを示しているので、図6は樹脂成形体(外装体)を第1方向から見た、樹脂成形体(外装体)の上面図である。
【0043】
図7は、樹脂成形体(外装体)を第2方向から見た際の絶縁体繊維の配向の一例を示す模式図である。なお、本明細書において「樹脂成形体(外装体)を第2方向から見た際の図」は、図7に示すような断面図を意味する。また、図1に示す電解コンデンサをY-Y線に沿った位置で切断した断面図であると考えてもよい。
なお、図7と、後述する図9及び図10では、コンデンサ素子10の内部構造の図示は省略している。
【0044】
樹脂成形体110の第1主面110a及び第2主面110bを構成する外装体は、外装体の第1部分21である。外装体の第1部分21に含まれる絶縁体繊維60は、第3方向Wに配向している。
絶縁体繊維が第3方向Wに配向しているとは、外装体において絶縁体繊維の向きを観察した際に特定の方向(第3方向W)に向いている絶縁体繊維が多く観察されることを意味している。
【0045】
外装体を第1方向から見た際に、絶縁体繊維が第3方向に配向しており、絶縁体繊維の配向方向が第3方向となす角度のうち鋭角となる角度が、絶縁体繊維の少なくとも60%において40°以下であることが好ましい。
図6には、絶縁体繊維60と第3方向Wとがなす角度のうち、鋭角となる角度をθで示している。
外装体を第1方向から見た際に、図6にθで示す角度を、撮影した顕微鏡画像に映っている絶縁体繊維についてそれぞれ定める。
具体的には、測定対象とする外装体の表面をYVOレーザーで30μm削り、露出させた第1主面側の第1部分において、1mm×1mmの領域を3箇所、同じく露出させた第2主面側の第1部分において、1mm×1mmの領域を3箇所、合計6箇所を観察し、第3方向と絶縁体繊維のなす角度を求める。
第3方向と絶縁体繊維のなす角度が、絶縁体繊維の少なくとも60%において40°以下であることが好ましい。「少なくとも60%」は顕微鏡画像の1mm×1mmの視野に映っている絶縁体繊維につき、第3方向と絶縁体繊維のなす角度の累積相対度数を計算して角度分布を得ることによって定める。
また、外装体を第1方向から見た際に、絶縁体繊維が第3方向に配向しており、絶縁体繊維の配向方向が第3方向となす角度のうち鋭角となる角度が、絶縁体繊維の少なくとも60%において20°以下であることが好ましい。
【0046】
外装体を第2方向から見た際に、絶縁体繊維が第3方向に配向しており、絶縁体繊維の配向方向が第3方向となす角度のうち鋭角となる角度が、絶縁体繊維の少なくとも60%において40°以下であることが好ましい。
この規定は、図7において、樹脂成形体110の主面(第1主面110a及び第2主面110b)を構成する部分(図7の上下の辺)の外装体(第1部分21)に含まれる絶縁体繊維60についての配向に関する。図7において、樹脂成形体110の側面(第1側面110c及び第2側面110d)を構成する部分(図7の左右の辺)の外装体(第1部分21)に含まれる絶縁体繊維60についての配向は考慮しない。
図7には、絶縁体繊維60と第3方向Wとがなす角度のうち、鋭角となる角度をθで示している。第1部分の厚みは、0.1mm(100μm)程度まで薄くする場合もある。絶縁体繊維の配向方向の測定については、測定対象とする外装体の表面をYVOレーザーで30μm削り、露出させた第1端面側の第1部分において、0.1mm×1mmの領域を3箇所、同じく露出させた第2端面側の第1部分において、0.1mm×1mmの領域を3箇所、合計6箇所を観察し、第3方向と繊維のなす角度を求める。
角度の測定方法は図6を参照して説明した方法と同じである。
また、外装体を第2方向から見た際に、絶縁体繊維が第3方向に配向しており、絶縁体繊維の配向方向が第3方向となす角度のうち鋭角となる角度が、絶縁体繊維の少なくとも60%において20°以下であることが好ましい。
【0047】
外装体に含まれる絶縁体繊維が第3方向に配向していると、樹脂成形体の主面(第1主面又は第2主面)を構成する外装体において第2方向Lに沿ってクラックが発生することを抑制することができる。すなわち、図4に示したようなクラックの発生モードが防止される。
樹脂成形体の主面において第2方向Lに沿ってクラックを生じさせる力は、外装体を第3方向に引き裂く力(図4に両矢印Fwで示す方向の力)となるが、絶縁体繊維が第3方向に配向していることにより外装体を構成する樹脂材料の第3方向における引張強度が強くなるため、樹脂成形体の主面において第2方向Lに沿ったクラックの発生が抑制される。
【0048】
次に、絶縁体繊維が第1方向に配向している場合について図8及び図9を参照して説明する。
図8は、樹脂成形体の側面を構成する外装体における絶縁体繊維の配向の一例を示す模式図である。図8には樹脂成形体110の第1側面110cを示しているので、図8は樹脂成形体(外装体)を第3方向から見た、樹脂成形体(外装体)の側面図である。
【0049】
図9は、樹脂成形体(外装体)を第2方向から見た際の絶縁体繊維の配向の一例を示す模式図である。図9図7は同じ視点での断面図であるが、図9には図7に示す断面とは絶縁体繊維の配向が異なる形態の例を示している。
【0050】
樹脂成形体110の第1側面110c及び第2側面110dを構成する外装体は、外装体の第1部分21である。外装体の第1部分21に含まれる絶縁体繊維60は、第1方向Tに配向している。
絶縁体繊維が第1方向Tに配向しているとは、外装体において絶縁体繊維の向きを観察した際に特定の方向(第1方向T)に向いている絶縁体繊維が多く観察されることを意味している。
【0051】
外装体を第3方向から見た際に、絶縁体繊維が第1方向に配向しており、絶縁体繊維の配向方向が第1方向となす角度のうち鋭角となる角度が、絶縁体繊維の少なくとも60%において40°以下であることが好ましい。
図8には、絶縁体繊維60と第1方向Tとがなす角度のうち、鋭角となる角度をφで示している。角度の測定方法は図6を参照して説明した方法と同じであり、第3方向と絶縁体繊維がなす角度に代えて第1方向と絶縁体繊維のなす角度を求める。
また、外装体を第3方向から見た際に、絶縁体繊維が第1方向に配向しており、絶縁体繊維の配向方向が第1方向となす角度のうち鋭角となる角度が、絶縁体繊維の少なくとも60%において20°以下であることが好ましい。
【0052】
外装体を第2方向から見た際に、絶縁体繊維が第1方向に配向しており、絶縁体繊維の配向方向が第1方向となす角度のうち鋭角となる角度が、絶縁体繊維の少なくとも60%において40°以下であることが好ましい。
この規定は、図9において、樹脂成形体110の側面(第1側面110c及び第2側面110d)を構成する部分(図9の左右の辺)の外装体(第1部分21)に含まれる絶縁体繊維60についての配向に関する。図9において、樹脂成形体110の主面(第1主面110a及び第2主面110b)を構成する部分(図9の上下の辺)の外装体(第1部分21)に含まれる絶縁体繊維60についての配向は考慮しない。
図9には、絶縁体繊維60と第1方向Tとがなす角度のうち、鋭角となる角度をφで示している。角度の測定方法は図7を参照して説明した方法と同じであり、第3方向と絶縁体繊維がなす角度に代えて第1方向と絶縁体繊維のなす角度を求める。
また、外装体を第2方向から見た際に、絶縁体繊維が第1方向に配向しており、絶縁体繊維の配向方向が第1方向となす角度のうち鋭角となる角度が、絶縁体繊維の少なくとも60%において20°以下であることが好ましい。
【0053】
外装体に含まれる絶縁体繊維が第1方向に配向していると、樹脂成形体の側面(第1側面又は第2側面)を構成する外装体において第2方向Lに沿ってクラックが発生することを抑制することができる。すなわち、図5に示したようなクラックの発生モードが防止される。
樹脂成形体の側面において第2方向Lに沿ってクラックを生じさせる力は、外装体を第1方向に引き裂く力(図5に両矢印Ftで示す方向の力)となるが、絶縁体繊維が第1方向に配向していることにより外装体を構成する樹脂材料の第1方向における引張強度が強くなるため、樹脂成形体の側面において第2方向Lに沿ったクラックの発生が抑制される。
【0054】
外装体に含まれる絶縁体繊維が、第3方向及び第1方向に配向していてもよい。この場合について図10を参照して説明する。
図10は、樹脂成形体(外装体)を第2方向から見た際の絶縁体繊維の配向の一例を示す模式図である。図10図7及び図9と同じ視点での断面図であるが、図10には図7及び図9に示す断面とは絶縁体繊維の配向が異なる形態の例を示している。
【0055】
図10において、樹脂成形体110の主面(第1主面110a及び第2主面110b)を構成する部分(図10の上下の辺)の外装体(第1部分21)に含まれる絶縁体繊維60は、図7と同様に第3方向に配向している。
また、図10において、樹脂成形体110の側面(第1側面110c及び第2側面110d)を構成する部分(図10の左右の辺)の外装体(第1部分21)に含まれる絶縁体繊維60は、図9と同様に第1方向に配向している。
【0056】
このような態様であると、樹脂成形体の主面(第1主面又は第2主面)を構成する外装体において第2方向Lに沿ってクラックが発生することを抑制することができる。また、樹脂成形体の側面(第1側面又は第2側面)を構成する外装体において第2方向Lに沿ってクラックが発生することを抑制することができる。すなわち、図4及び図5に示したようなクラックの発生モードがともに防止される。
【0057】
外装体に含まれる絶縁体繊維が、樹脂成形体の主面を構成する部分において第3方向に配向しており、かつ、樹脂成形体の側面を構成する部分において第1方向に配向していることをもって、外装体に含まれる絶縁体繊維は第3方向及び第1方向に配向しているものとする。
【0058】
外装体に含まれる絶縁体繊維が、第3方向及び第1方向に配向している場合においても、以下の態様であることが好ましい。
外装体を第1方向から見た際に、絶縁体繊維が第3方向に配向しており、絶縁体繊維の配向方向が第3方向となす角度のうち鋭角となる角度が、絶縁体繊維の少なくとも60%において40°以下であることが好ましく、20°以下であることがより好ましい。
外装体を第2方向から見た際に、絶縁体繊維が第3方向に配向しており、絶縁体繊維の配向方向が第3方向となす角度のうち鋭角となる角度が、絶縁体繊維の少なくとも60%において40°以下であることが好ましく、20°以下であることがより好ましい。
【0059】
外装体を第3方向から見た際に、絶縁体繊維が第1方向に配向しており、絶縁体繊維の配向方向が第1方向となす角度のうち鋭角となる角度が、絶縁体繊維の少なくとも60%において40°以下であることが好ましく、20°以下であることがより好ましい。
【0060】
外装体を第2方向から見た際に、絶縁体繊維が第1方向に配向しており、絶縁体繊維の配向方向が第1方向となす角度のうち鋭角となる角度が、絶縁体繊維の少なくとも60%において40°以下であることが好ましく、20°以下であることがより好ましい。
【0061】
なお、クラックが樹脂成形体のどの面に、どの方向で発生するかは、樹脂成形体の寸法、コンデンサ素子の寸法、重畳体に含まれるコンデンサ素子の数、外装体を構成する樹脂の厚さ(第1部分の厚さ)などを考慮したシミュレーションを行うことである程度推測することもできる。
そのため、シミュレーションにより推測した面及び方向におけるクラックの発生を防止できるように、外装体に含有させる絶縁体繊維の配向方向を調整するとよい。樹脂成形体の主面にクラックが生じることが予想される場合には第3方向に絶縁体繊維を配向させるとよい。樹脂成形体の側面にクラックが生じることが予想される場合には第1方向に絶縁体繊維を配向させるとよい。
【0062】
外装体を構成する樹脂の厚さ(第1部分の厚さ)を厚くすることでクラックの発生は防止できるが、樹脂の厚さを厚くすると部品のサイズが大きくなる点で不利である。製品に許容される部品のサイズ及び製品公差がどの程度許容されるかによって樹脂の厚さは決まってくる。一般的には、第1方向の樹脂の厚さ(樹脂成形体の主面を構成する外装体の樹脂の厚さ)を厚くすることは許容されやすいが、第3方向の樹脂の厚さ(樹脂成形体の側面を構成する外装体の樹脂の厚さ)を厚くすることが難しい場合が多い。その観点からは、樹脂成形体の側面に発生するクラックを、外装体の樹脂の厚さを厚くせずに防止できることが好ましい。従って、樹脂成形体の側面を構成する外装体に含まれる絶縁体繊維を第1方向に配向させることにより、外装体を構成する樹脂材料の第1方向における引張強度を強くして、樹脂成形体の側面において第2方向に沿ったクラックの発生が抑制されるようにすることが好ましい。
【0063】
外装体に含まれる絶縁体繊維は、その平均繊維長が100μm以上であることが好ましく、300μm以上であることがより好ましい。また、平均繊維長が1000μm以下であってもよく、700μm以下であればさらによい。平均繊維長は、顕微鏡観察により視野内に観察される絶縁体繊維の長さの平均値として定めることができる。
絶縁体繊維の平均繊維長が長いと、配向した方向に対する外装体の引張強度を向上させる効果が高くなる。外装体に生じるクラックの幅が100μm程度であることが多いため、クラックの幅以上である100μm以上の平均繊維長を有する絶縁体繊維を使用することが好ましい。
【0064】
外装体に含まれる絶縁体繊維は、無機繊維であることが好ましく、非晶質繊維であることがより好ましく、ガラス成分を含むガラス繊維であることがさらに好ましい。機械強度特性や絶縁性の観点からガラス繊維が好ましい。
また、絶縁体繊維は、アルミニウム酸化物又はケイ素酸化物を50重量%以上含有することが好ましい。絶縁体繊維はアルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナ-シリカ繊維(ムライト繊維を含む)であってもよい。これらの繊維は機械強度特性の面で特に優れていることから好ましい。また、絶縁体繊維はアルミニウム酸化物又はケイ素酸化物を50重量%以上含有する非晶質繊維であってもよく、ガラス繊維であってもよい。
【0065】
外装体において絶縁体繊維が含まれる部分における樹脂(第1部分を構成する第1樹脂材料)としては、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂の融点は、260℃以上であることが好ましく、275℃以上であることがより好ましく、300℃以上であることがさらに好ましい。このような熱可塑性樹脂を使用することで、リフロー時の高温での外装体の強度を確保できる。
【0066】
なお、熱可塑性樹脂の融点の上限に制限はないが、通常では400℃以下であり、好ましくは360℃以下であり、より好ましくは330℃以下である。
【0067】
熱可塑性樹脂として、PPS(ポリフェニレンスルフィド)、LCP(液晶ポリマー)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、ポリイミド及びポリアミドからなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含むことが好ましい。これらの樹脂は、150℃以上での強度が高く、かつ熱可塑性樹脂の成形方法として一般に用いられる射出成形で第1部分21の形状である管形状に加工可能な材料であることから、第1樹脂材料として好適である。
【0068】
また、外装体の第2部分を構成する第2樹脂材料は、少なくとも1種の熱硬化性樹脂として、エポキシ樹脂、シリコン樹脂及びウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含むことが好ましい。後述する電解コンデンサの製造方法では、常温でハンドリングすることから硬化前に常温で液状である材料が適切であり、これらの樹脂はそのような材料に該当し得る。また、これらの樹脂は、コンデンサ封止材としても絶縁性、耐熱性等の点で適切な材料である。
【0069】
外装体に含まれる絶縁体繊維の配合割合は、外装体の30重量%以上であることが好ましく、45重量%以上であることがより好ましい。また、外装体の75重量%以下であることが好ましく、60重量%以下であることがより好ましい。
外装体に含まれる絶縁体繊維の配合割合は、電解コンデンサから外装体部分を削り出し、全体の重量を測定し、樹脂の熱分解温度以上の温度に加熱して樹脂成分を焼失させたのちに残った無機成分の重量から算出することができる。もしくは、樹脂成分のみを溶解させる溶媒に樹脂を溶解させて除去し、残った無機成分の重量から算出することができる。
【0070】
外装体が第1樹脂材料を含む第1部分と、第2樹脂材料を含む第2部分とを有していて、第1部分が管構造である場合は、第1部分に絶縁体繊維が含まれることが好ましい。上述した、外装体に含まれる絶縁体繊維の配合割合も、第1部分の重量に対する絶縁体繊維の重量割合として定めることが好ましい。
第1部分が管構造である場合の第1部分の厚さは、特定の方向に配向させた絶縁体繊維を配合させることで薄くすることが可能となる。第1部分の厚さは200μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい。
【0071】
樹脂成形体の主面を構成する外装体の第1部分に含まれる絶縁体繊維が第3方向に配向することにより、樹脂成形体の主面を構成する外装体の第1部分の厚さを薄くすることができる。そのため、樹脂成形体の主面を構成する外装体の第1部分の厚さが200μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい。また、樹脂成形体の主面を構成する外装体の第1部分の厚さが30μm以上であってもよい。
【0072】
また、樹脂成形体の側面を構成する外装体の第1部分に含まれる絶縁体繊維が第1方向に配向することにより、樹脂成形体の側面を構成する外装体の第1部分の厚さを薄くすることができる。そのため、樹脂成形体の側面を構成する外装体の第1部分の厚さが150μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい。また、樹脂成形体の側面を構成する外装体の第1部分の厚さが30μm以上であってもよい。
【0073】
一般的に、樹脂成形体の側面を構成する外装体の厚さを薄くすることが要請されることが多いため、樹脂成形体の側面を構成する外装体の厚さを相対的に薄くすることが好ましい。その観点から、樹脂成形体の側面を構成する外装体の第1部分の厚さを、樹脂成形体の主面を構成する外装体の第1部分の厚さよりも薄くすることが好ましい。例えば、樹脂成形体の側面を構成する外装体の第1部分の厚さの、樹脂成形体の主面を構成する外装体の第1部分の厚さに対する比(側面を構成する外装体の第1部分の厚さ/主面を構成する外装体の第1部分の厚さ)が0.15以上、0.75以下となるようにしてもよい。
【0074】
電解コンデンサの外装体は、第1部分と第2部分とを有している態様に限定されるものではなく、重畳体の周囲を単一種類の樹脂で封止するものであってもよい。重畳体の周囲を封止する外装体としての樹脂に絶縁体繊維が含まれていて、絶縁体繊維が第3方向及び/又は第1方向に配向していれば、外装体にクラックが発生することを抑制することができる。
重畳体の周囲を単一種類の樹脂で封止する外装体としては、トランスファーモールドやコンプレッションモールドといった方法により重畳体の周囲を封止する外装体を使用することができる。
【0075】
[電解コンデンサの製造方法]
本発明の電解コンデンサの製造方法はそれぞれ表面に誘電体層を有する陽極及び前記陽極と対向する陰極を含む複数のコンデンサ素子が第1方向に沿って配置された重畳体を準備する工程と、外装体により前記重畳体を封止する封止工程とを備え、製造される電解コンデンサにおいて、前記第1方向と直交し、前記陽極及び前記陰極が対向する方向を第2方向、前記第1方向及び前記第2方向に直交する方向を第3方向とした際に、前記封止工程では、樹脂と絶縁体繊維を含む樹脂組成物を、製造する電解コンデンサの第3方向又は第1方向となる方向に沿って流動させる、電解コンデンサの製造方法である。
以下、本発明の電解コンデンサの製造方法の例について説明する。
【0076】
まず、封止工程で使用する外装体のうち、外装体の第1部分を製造する工程について説明する。他の工程については後述する。
【0077】
図11は、本発明の実施形態に係る電解コンデンサの製造方法で使用する外装体の第1部分の一例を模式的に示す斜視図である。図11には、一部の貫通孔を透視した状態を示す。
図11に示すように、樹脂材料を含み、複数の貫通孔223を有する外装体220の第1部分221(外装体20の第1部分21となる部材)を製造する。
外装体220の第1部分221を製造する際に、所定の方向に絶縁体繊維を配向させることが好ましい。以下、その方法について説明する。
【0078】
図12は、図11に示す外装体の第1部分を製造する工程の一例を模式的に示す平面図であり、図13は、図12に示す工程の正面図である。
第1部分221は、所定の厚さを有する平面視長方形状の平らな板材に、貫通孔223が縦横にそれぞれ複数ずつ設けられた部材である。各貫通孔223は、第1部分221の主面に対して直交する方向に設けられており、その両端部は開放されている。
【0079】
図12及び図13には、射出成形によって外装体の第1部分を製造する工程を示しており、射出成形に使用するランナー261とゲート262を示している。
射出成形を行う場合、熱可塑性樹脂と絶縁体繊維を含む樹脂組成物をゲート262から金型(図示しない)に流す。金型は貫通孔223に対応する部分が樹脂組成物が通過しない部分となっている。
図12及び図13にはゲートとしてフィルムゲートを示しているが、ゲートは他の種類のゲートであってもよい。
熱可塑性樹脂としてはPPS(ポリフェニレンスルフィド)、LCP(液晶ポリマー)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、ポリイミド及びポリアミドからなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を使用することが好ましい。
【0080】
ゲート262の設けられる方向であるゲート方向が樹脂組成物が流れる方向であり、図12及び図13ではゲート方向がW方向となっている。このW方向は、電解コンデンサを製造した際の第3方向Wとなる方向である。
樹脂組成物に含まれる絶縁体繊維は、樹脂組成物が流れる方向に沿って配向する傾向がある。そのため、ゲート方向に沿って絶縁体繊維を配向させることができる。
図12及び図13には、W方向に絶縁体繊維60を配向させた様子を模式的に示している。外装体の第1部分を製造する工程においてW方向に絶縁体繊維を配向させると、樹脂成形体の主面において第3方向に絶縁体繊維が配向した電解コンデンサを得ることができる。
【0081】
図14は、図11に示す外装体の第1部分を製造する工程の別の一例を模式的に示す平面図であり、図15は、図14に示す工程の右側面図である。
図14に示す第1部分221の形状は、図12に示す第1部分221の形状と同様である。
図14及び図15には、射出成形によって外装体の第1部分を製造する工程を示しており、射出成形に使用するランナー271とゲート272を示している。
射出成形を行う場合、熱可塑性樹脂と絶縁体繊維を含む樹脂組成物をゲート272から金型(図示しない)に流す。金型は貫通孔223に対応する部分が樹脂組成物が通過しない部分となっている。
【0082】
ゲート272の設けられる方向であるゲート方向が樹脂組成物が流れる方向であり、図14及び図15ではゲート方向がT方向となっている。このT方向は、電解コンデンサを製造した際の第1方向Tとなる方向である。
図14及び図15には、T方向に絶縁体繊維60を配向させた様子を模式的に示している。外装体の第1部分を製造する工程においてT方向に絶縁体繊維を配向させると、樹脂成形体の主面において第1方向に絶縁体繊維が配向した電解コンデンサを得ることができる。
【0083】
ここまで説明した通り、樹脂として熱可塑性樹脂を用いて射出成形工程を行う場合に樹脂組成物を流す方向を調整することによって絶縁体繊維の配向を調整することができる。その他、樹脂組成物の粘度、温度、流入速度、金型の形状等の射出成形条件を調整することによっても、絶縁体繊維の配向を調整することができ、これらの条件を調整することによっても絶縁体繊維の配向を調整することができる。射出成形条件の調整次第では、絶縁体繊維が第3方向及び第1方向に配向した樹脂成形体を得るための、外装体の第1部分を製造することができる。
【0084】
以下、上記の通り製造した外装体の第1部分を用いた電解コンデンサの製造方法について説明する。以下の例では、大判の弁作用金属基体を用いて、複数のコンデンサ素子を同時に製造する方法について説明する。
【0085】
図16は、本発明の実施形態に係る電解コンデンサの製造方法で使用するワークの一例を模式的に示す平面図である。
【0086】
まず、図16に示すように、帯状の保持部211に素子部212(複数のコンデンサ素子10)が一定間隔で短冊状に連結されたワーク210を準備する。
【0087】
詳細には、まず、表面に多孔質部を有する弁作用金属基体をレーザー加工又は打ち抜き加工等で切断することにより、複数の素子部212と保持部211とを含む形状に加工する。
【0088】
弁作用金属基体は、例えば、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ジルコニウム等の金属単体、又は、これらの金属を含む合金等の弁作用金属によって構成されている。
なお、弁作用金属基体は、芯部と当該芯部の少なくとも一方の主面に設けられた多孔質部とによって構成されていればよく、金属箔の表面をエッチングしたもの、金属箔の表面に多孔質状の微粉焼結体を形成したもの等を適宜採用することができる。
【0089】
次に、各々の素子部212の短辺に沿うように、素子部212の両主面及び両側面にマスク層を形成する。
【0090】
マスク層は、例えば、絶縁性樹脂を含む組成物等のマスク材をスクリーン印刷、ローラー転写、ディスペンサ、インクジェット印刷等により塗布して形成される。絶縁性樹脂としては、例えば、ポリフェニルスルホン(PPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、シアン酸エステル樹脂、フッ素樹脂(テトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等)、可溶性ポリイミドシロキサンとエポキシ樹脂からなる組成物、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、及び、それらの誘導体又は前駆体等が挙げられる。
【0091】
この後、マスク層に親水性部材を塗布してもよいし、塗布しなくてもよい。
【0092】
次に、弁作用金属基体に陽極酸化処理を行うことにより、弁作用金属基体の表面に誘電体層となる酸化被膜を形成する。例えば、誘電体層は、アルミニウムの酸化物で構成されている。この際、レーザー加工又は打ち抜き加工等で切断された素子部212の側面にも酸化被膜が形成される。なお、すでにアルミニウムの酸化物が形成されている化成箔を弁作用金属基体として用いてもよい。この場合も、切断後の弁作用金属基体に陽極酸化処理を行うことにより、切断された素子部212の側面に酸化被膜を形成する。
【0093】
次に、素子部212の誘電体層上に固体電解質層を形成する。具体的には、素子部212を、固体電解質を含有する処理液に浸漬することにより、処理液が弁作用金属基体の多孔質部に含浸される。所定時間の浸漬後、素子部212を処理液から引き上げ、所定温度及び所定時間で乾燥させる。処理液への浸漬、引き上げ及び乾燥を所定回数繰り返すことにより、固体電解質層が形成される。
【0094】
固体電解質を含有する処理液として、例えば、ポリピロール類、ポリチオフェン類、ポリアニリン類等の導電性高分子の分散液が用いられる。これらの中では、ポリチオフェン類が好ましく、PEDOTと呼ばれるポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)が特に好ましい。また、上記導電性高分子は、ポリスチレンスルホン酸(PSS)等のドーパントを含んでいてもよい。導電性高分子の分散液を誘電体層の外表面に付着し乾燥させることで、導電性高分子膜を形成することができる。あるいは、固体電解質を含有する処理液として、重合性モノマー、例えば3,4-エチレンジオキシチオフェン等の重合性モノマーと酸化剤との含有液が用いられてもよい。この含有液を誘電体層の外表面に付着させて、化学重合により導電性高分子膜を形成することができる。この導電性高分子膜が、固体電解質層となる。
【0095】
その後、カーボンペーストに素子部212を浸漬、引き上げ及び乾燥することにより、カーボン層を所定の領域に形成する。カーボンペーストは、導電成分としてのカーボン粒子と、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の樹脂成分とを含有する導電性ペーストである。
【0096】
そして、導電性ペーストに素子部212を浸漬、引き上げ及び乾燥することにより、陰極導体層を所定の領域に形成する。陰極導体層形成用の導電性ペーストとしては、例えば、導電成分としての金属粒子と、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の樹脂成分とを含有するものが挙げられる。金属粒子としては、例えば、金、銀、銅、白金等が挙げられる。なかでも、陰極導体層形成用の導電性ペーストとしては、導電成分として銀粒子を含有する銀ペーストが好適である。
【0097】
以上の結果、各素子部212にコンデンサ素子10が形成されたワーク210が作成される。
【0098】
続いて、チップ化の工程について説明する。
【0099】
まず、図11に示したように、複数の貫通孔223の空いた第1部分221を準備する。第1部分221には短冊状のワーク210のコンデンサ素子10と同じ個数とピッチで略直方体状の貫通孔223が空いており、そのような貫通孔223の列を複数備えている。
【0100】
図17は、粘着性シートを外装体の第1部分に貼り付ける工程の一例を模式的に示す図である。
【0101】
次に、図17に示したように、各貫通孔223の第1の開口223aを閉じるように粘着性シート250(以下、単に「シート250」と略記する場合がある)を第1部分221に貼り付ける。すなわち、粘着性を有するシート250を第1部分221の片面全面に貼り付けて各貫通孔223の片側を閉じるようにする。これにより、封止後にシート250を剥離することで樹脂成形体110の第1端面110eに集電電極30の端面を容易に露出することが可能となる。
【0102】
なお、各貫通孔223は、第1の開口223a(下側の開口)が蓋をされた状態となればよく、粘着性シート250を貼り付ける代わりに、例えば、第1部分221を平らな台に配置することによって第1の開口223aに蓋をしてもよい。
【0103】
図18は、粘着性シート上に導電性ペーストを供給する工程の一例を模式的に示す図である。
【0104】
次に、図18に示したように、各貫通孔223の第1の開口223aを粘着性シート250で蓋をした状態で、各貫通孔223の第2の開口223b(上側の開口)からシート250上に導電性ペースト230を供給する。この結果、各貫通孔223内においてシート250上に導電性ペースト230が塗布される。導電性ペースト230としては、例えば、導電成分としての金属粒子と、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の樹脂成分とを含有するものが挙げられる。金属粒子としては、例えば、銀、銅、ニッケル、錫等が挙げられる。なかでも、導電性ペースト230としては、導電成分として銀粒子を含有する銀ペーストが好適である。また、導電性ペースト230の供給には、例えばディスペンサ等を用いることが可能である。
【0105】
次に、複数のコンデンサ素子10(重畳体11)を準備し、樹脂硬化工程を行う。
【0106】
図19Aは、複数のコンデンサ素子の重畳体を準備する工程の一例を模式的に示す図である。図19Bは、重畳体を貫通孔内に挿入する工程の一例を模式的に示す図である。図19Cは、各コンデンサ素子の先端側の第1部分を導電性ペースト内に埋め込む工程の一例を模式的に示す図である。図19Dは、貫通孔内に挿入された各コンデンサ素子(重畳体)と外装体の第1部分との間の隙間に液状材料を充填する工程の一例を模式的に示す図である。
【0107】
まず、図19Aに示すように、短冊状に複数のコンデンサ素子10が形成されたワーク210を複数枚準備し、複数のコンデンサ素子10が第1方向に沿って配置されるように所定枚数のワーク210を束ねた状態でクランプ等の治具(図示せず)で固定する。これにより、複数のコンデンサ素子10の重畳体11が一列(図19Aの紙面に対して垂直方向に並んだ列)に配列される。
【0108】
そして、各貫通孔223内に複数のコンデンサ素子10を挿入する。すなわち、図19Bに示すように、固定した複数のワーク210を第1部分221に対して相対的に移動させ、同一列の貫通孔223内に、第2の開口223bから重畳体11(陰極及び陽極)を挿入する。
【0109】
このように、保持部211に複数のコンデンサ素子10が一定間隔で短冊状に連結されたワーク210を用いることによって、第1部分221へのコンデンサ素子10(陰極及び陽極)の挿入を短冊単位で実施できるため、コンデンサ素子10を一枚ずつ、又は重畳体11を1体ずつ第1部分221へ挿入するよりも、大幅に生産性を向上することができる。
【0110】
このとき、図19Cに示すように、各コンデンサ素子10の先端部、すなわち、陰極43の第1部分43aで導電性ペースト230を押し広げ、各コンデンサ素子10の陰極43の少なくとも先端側の第1部分43aを導電性ペースト230内に埋め込む。すなわち、全てのコンデンサ素子10に導電性ペースト230が接続されるようにする。
【0111】
そして、各陰極43が埋め込まれた状態で、シート250上で導電性ペースト230を例えば加熱することによって硬化させる。この結果、各コンデンサ素子10の陰極43の少なくとも先端側の第1部分43aが集電電極30内に埋め込まれた状態で集電電極30(図2参照)が形成される。
【0112】
続いて、図19Dに示すように、各貫通孔223内に挿入された各コンデンサ素子10(陰極及び陽極)、すなわち重畳体11と第1部分221との間の隙間に液状材料222を充填する。例えば、液状材料222を各貫通孔223内にディスペンサ等により注入し、真空脱泡を行うことによって、第1部分221と各コンデンサ素子10(陰極及び陽極)、すなわち重畳体11との隙間に液状材料222を充填する。注入や真空脱泡の際に加熱して液状材料222の粘度を下げてもよい。液状材料222は、上述の第2樹脂材料(ただし、硬化前の液状のもの)を含んでいる。液状の第2樹脂材料に含まれる樹脂は、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂が好適である。
【0113】
硬化前の液状材料222は、25℃で、100Pa・s以下の粘度であることが好ましい。100Pa・s以下の粘度であれば、真空オーブンで脱泡と加熱するだけで容易に充填可能であるため、生産性を上げることができる。硬化前の液状材料222の粘度は、25℃で、30Pa・s以下であることがより好ましく、5Pa・s以下であることがさらに好ましい。
【0114】
なお、硬化前の液状材料222の粘度の下限に制限はないが、液状材料222を充填した後から加熱硬化するまでの間に、第1部分221とシート250との隙間から液状材料222が漏れることがないように、粘度は低すぎないことが好ましい。より具体的には、硬化前の液状材料222の粘度は、25℃で、通常では0,01Pa・s以上であり、好ましくは0.1Pa・s以上であり、より好ましくは0,3Pa・s以上である。
【0115】
そして、各コンデンサ素子10(重畳体11)と第1部分221との間の隙間に充填された液状材料222を硬化する。例えば、真空オーブンで液状材料222を加熱して硬化させて外装体220の第2部分222a(外装体20の第2部分22となる部分)とする。
なお、液状材料222の硬化物である第2部分222aには気泡がわずかに残っていてもよい。また、第2部分222aと第1部分221との間、及び/又は、第2部分222aと少なくとも1つのコンデンサ素子10との間には、隙間がわずかに残っていてもよい。
【0116】
その後、他の列の貫通孔223についても、列毎に、導電性ペースト230の供給、複数のコンデンサ素子10(重畳体11)の挿入、液状材料222の充填、及び液状材料222の硬化を行い、全ての貫通孔223内に複数のコンデンサ素子10(重畳体11)及び第2部分222aを収納する。
【0117】
樹脂硬化工程の後は、第1部分221からシート250を剥離する。剥離面には各コンデンサ素子10が接続された集電電極30が露出し、この剥離面が樹脂成形体110の第1端面110eになる。少なくとも1つの陰極の端面がこの剥離面に露出してもよい。
【0118】
他方、第1部分221の上部には各コンデンサ素子10の不要部分や液状材料222の不要な部分、さらにはワーク210の保持部211が存在する。また、第1部分221の高さはチップの長手方向の長さになるため、所定長さに整える必要がある。そのため、第1部分221の上部の不要部分をグラインダ等で削り取る。不要部分が削り取られて露出した面が、樹脂成形体110の第2端面110fになる。第2端面110fには各コンデンサ素子10の陽極40(弁作用金属基体から構成された箔)が露出している。
【0119】
次に、個片化のためにカットを行う。
【0120】
図20は、貫通孔の周囲において外装体の第1部分を切断する工程の一例を模式的に示す図である。
【0121】
図20に示すように、各貫通孔223の周囲において第1部分221を切断する。これにより、第1部分221から管構造の第1部分21を容易に形成することができる。例えば、各貫通孔223の外側の所定のカットライン(図20中の一点鎖線)をダイサー等で切断する。
【0122】
以上によりコンデンサ素子10の重畳体11を備える樹脂成形体110を得る。
【0123】
この後、樹脂成形体110をバレル研磨してもよい。具体的には、樹脂成形体110を、バレル槽に研磨材とともに封入し、当該バレル槽を回転させることにより、樹脂成形体110を研磨してもよい。これにより、樹脂成形体110の角部及び稜線部に丸みがつけられる。
【0124】
なお、必要に応じてバレル研磨された樹脂成形体110の第2端面110f(陽極端面)には、エアロゾルデポジション法により金属微粒子を噴出して衝突させてもよい。これにより、樹脂成形体110の第2端面110f(陽極端面)に露出した陽極40のそれぞれの基端面40b上に金属膜を形成してもよい。
【0125】
次に、樹脂成形体110の第1端面110e(陰極端面)及び第2端面110f(陽極端面)にそれぞれ第1外部電極120及び第2外部電極130を形成する。例えば、導電性ペーストをスクリーン印刷法等で塗布して硬化し、第1外部電極120及び第2外部電極130として樹脂電極層をそれぞれ形成する。樹脂電極層形成用の導電性ペーストとしては、導電成分として銀粒子を含有する銀ペーストが好適である。その後、めっきすることによって樹脂電極層上にめっき層を形成してもよい。
【0126】
このとき、第1外部電極120として、スパッタ法や蒸着法により例えば数μm厚の薄いスパッタ膜及び/又は蒸着膜を形成してもよい。
【0127】
上記方法により電解コンデンサ100を得ることができる。
【0128】
なお、上記実施形態では、集電電極30を有する場合について説明したが、集電電極30を設けずに各コンデンサ素子10の陰極43を第1外部電極120に直接的に接続してもよい。この場合は、例えば、粘着性シート250の剥離後にシート250が貼り付けられていた第1部分221の下部をグラインダ等で削り取ることによって樹脂成形体110の第1端面110e(陰極端面)に各陰極43を露出させ、第1端面110eに露出した各陰極43上に第1外部電極120を形成してもよい。
【0129】
また、集電電極30を設けない場合は、樹脂硬化工程は、以下の工程に従って実施してもよい。すなわち、まず、第1部分221の各貫通孔223内に液状材料222をディスペンサ等により注入して充填する。次に、液状材料222が充填された各貫通孔223内に複数のコンデンサ素子10(重畳体11)を挿入し、挿入された複数のコンデンサ素子10(重畳体11)と第1部分221との間の隙間に液状材料222を充填する。例えば、複数のコンデンサ素子10の挿入後に真空脱泡を行うことによって、複数のコンデンサ素子10と第1部分221との間の隙間に液状材料222を充填する。そして、各コンデンサ素子10(重畳体11)と第1部分221との間の隙間に充填された液状材料222を、例えば真空オーブンで加熱することによって、硬化する。
【0130】
また、上記実施形態では、外装体20が2種類の樹脂材料、すなわち第1部分21及び第2部分22のみから構成される場合について説明したが、電解コンデンサにおける外装体は3種類の樹脂材料から構成されてもよい。例えば、第1部分及び第2部分の間に樹脂材料からなる1層以上の中間樹脂層を設けてもよい。このような中間樹脂層は、例えば、複数のコンデンサ素子の重畳体を封止する第2部分を、第1部分の貫通孔より小さい寸法でトランスファ成形等により形成しておき、その後、コンデンサ素子の重畳体を第2部分ごと第1部分の貫通孔内に挿入し、そして、第2部分と第1部分との間の隙間に液状の樹脂材料を充填して硬化することによって形成することができる。
【0131】
また、上記実施形態では、複数の貫通孔223の空いた第1部分221を用いて複数の樹脂成形体110を同時に作製する場合について説明したが、本発明の電解コンデンサの製造方法では、貫通孔が1つだけ空いた第1部分を用いて樹脂成形体を1個ずつ作製してもよい。
【0132】
また、外装体が1種類の部分のみから構成されていてもよく、複数のコンデンサ素子の重畳体をトランスファーモールドやコンプレッションモールドにより封止して樹脂成形体を得てもよい。樹脂成形体を得るための樹脂組成物として樹脂成分と絶縁体繊維を含む樹脂組成物を使用して、絶縁体繊維の配向を調整することにより本発明の電解コンデンサを得ることができる。
【0133】
また、上記実施形態では、電解コンデンサ100が固体電解コンデンサである場合について説明したが、本発明の電解コンデンサは、コンデンサ素子と外装体とを備える電解コンデンサであれば特に限定されず、固体電解コンデンサの他に、例えば、フィルムコンデンサ、電気二重層コンデンサ、固体電池等であってもよい。
【0134】
本明細書には以下の事項が開示されている。
【0135】
本開示(1)は、それぞれ表面に誘電体層を有する陽極及び前記陽極と対向する陰極を含む複数のコンデンサ素子が第1方向に沿って配置された重畳体と、前記重畳体の周囲を封止する外装体とを備える直方体状の樹脂成形体を有し、
前記樹脂成形体は、前記第1方向において対向する第1主面及び第2主面、前記第1方向と直交する第2方向において対向し前記陰極が露出する第1端面及び前記陽極が露出する第2端面、並びに、前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向において対向する第1側面及び第2側面を有し、
前記外装体は絶縁体繊維を含み、前記絶縁体繊維が、前記第3方向及び/又は前記第1方向に配向している、電解コンデンサである。
【0136】
本開示(2)は、前記外装体を前記第1方向から見た際に、前記絶縁体繊維が前記第3方向に配向しており、前記絶縁体繊維の配向方向が前記第3方向となす角度のうち鋭角となる角度が、前記絶縁体繊維の少なくとも60%において40°以下である本開示(1)に記載の電解コンデンサである。
【0137】
本開示(3)は、前記外装体を前記第1方向から見た際に、前記絶縁体繊維が前記第3方向に配向しており、前記絶縁体繊維の配向方向が前記第3方向となす角度のうち鋭角となる角度が、前記絶縁体繊維の少なくとも60%において20°以下である本開示(2)に記載の電解コンデンサである。
【0138】
本開示(4)は、前記外装体を前記第2方向から見た際に、前記絶縁体繊維が前記第3方向に配向しており、前記絶縁体繊維の配向方向が前記第3方向となす角度のうち鋭角となる角度が、前記絶縁体繊維の少なくとも60%において40°以下である本開示(1)~(3)のいずれかとの任意の組合せの電解コンデンサである。
【0139】
本開示(5)は、前記外装体を前記第2方向から見た際に、前記絶縁体繊維が前記第3方向に配向しており、前記絶縁体繊維の配向方向が前記第3方向となす角度のうち鋭角となる角度が、前記絶縁体繊維の少なくとも60%において20°以下である本開示(4)に記載の電解コンデンサである。
【0140】
本開示(6)は、前記外装体を前記第3方向から見た際に、前記絶縁体繊維が前記第1方向に配向しており、前記絶縁体繊維の配向方向が前記第1方向となす角度のうち鋭角となる角度が、前記絶縁体繊維の少なくとも60%において40°以下である本開示(1)~(5)のいずれかとの任意の組合せの電解コンデンサである。
【0141】
本開示(7)は、前記外装体を前記第3方向から見た際に、前記絶縁体繊維が前記第1方向に配向しており、前記絶縁体繊維の配向方向が前記第1方向となす角度のうち鋭角となる角度が、前記絶縁体繊維の少なくとも60%において20°以下である本開示(6)に記載の電解コンデンサである。
【0142】
本開示(8)は、前記外装体を前記第2方向から見た際に、前記絶縁体繊維が前記第1方向に配向しており、前記絶縁体繊維の配向方向が前記第1方向となす角度のうち鋭角となる角度が、前記絶縁体繊維の少なくとも60%において40°以下である本開示(1)~(7)のいずれかとの任意の組合せの電解コンデンサである。
【0143】
本開示(9)は、前記外装体を前記第2方向から見た際に、前記絶縁体繊維が前記第1方向に配向しており、前記絶縁体繊維の配向方向が前記第1方向となす角度のうち鋭角となる角度が、前記絶縁体繊維の少なくとも60%において20°以下である本開示(8)に記載の電解コンデンサである。
【0144】
本開示(10)は、前記絶縁体繊維の平均繊維長が100μm以上である本開示(1)~(9)のいずれかとの任意の組合せの電解コンデンサである。
【0145】
本開示(11)は、前記絶縁体繊維が非晶質繊維である本開示(1)~(10)のいずれかとの任意の組合せの電解コンデンサである。
【0146】
本開示(12)は、前記絶縁体繊維がアルミニウム酸化物又はケイ素酸化物を50重量%以上含有する本開示(1)~(11)のいずれかとの任意の組合せの電解コンデンサである。
【0147】
本開示(13)は、それぞれ表面に誘電体層を有する陽極及び前記陽極と対向する陰極を含む複数のコンデンサ素子が第1方向に沿って配置された重畳体を準備する工程と、外装体により前記重畳体を封止する封止工程とを備え、
製造される電解コンデンサにおいて、前記第1方向と直交し、前記陽極及び前記陰極が対向する方向を第2方向、前記第1方向及び前記第2方向に直交する方向を第3方向とした際に、
前記封止工程では、樹脂と絶縁体繊維を含む樹脂組成物を、製造する電解コンデンサの第3方向又は第1方向となる方向に沿って流動させる、電解コンデンサの製造方法である。
【0148】
本開示(14)は、前記樹脂は熱可塑性樹脂であり、前記封止工程では、射出成形工程を行う本開示(13)に記載の電解コンデンサの製造方法である。
【0149】
本開示(15)は、前記射出成形工程におけるゲート方向に沿って前記絶縁体繊維を配向させる本開示(14)に記載の電解コンデンサの製造方法である。
【符号の説明】
【0150】
10 コンデンサ素子
11 重畳体
20 外装体
21 第1部分
21c 第1部分の端面
22 第2部分
23 貫通孔
30 集電電極
40 陽極
40a 陽極の先端面
40b 陽極の基端面
40c 陽極の第1部分
40d 陽極の第2部分
41 誘電体層
42 マスク層
43 陰極
43a 陰極の第1部分
43b 陰極の第2部分
44 固体電解質層
45 カーボン層
46 陰極導体層
50a 樹脂成形体の第1主面に発生したクラック
50c 樹脂成形体の第1側面に発生したクラック
60 絶縁体繊維
100 電解コンデンサ
110 樹脂成形体
110a 第1主面
110b 第2主面
110c 第1側面
110d 第2側面
110e 第1端面
110f 第2端面
120 第1外部電極
130 第2外部電極
210 ワーク
211 保持部
212 素子部
220 外装体
221 外装体の第1部分
222 液状材料
222a 外装体の第2部分
223 貫通孔
223a 貫通孔の第1の開口
223b 貫通孔の第2の開口
230 導電性ペースト
250 粘着性シート
261、271 ランナー
262、272 ゲート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20