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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165299
(43)【公開日】2023-11-15
(54)【発明の名称】シフト装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 20/02 20060101AFI20231108BHJP
   G05G 1/06 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
B60K20/02 G
G05G1/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022076169
(22)【出願日】2022-05-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】兵藤 仁紀
(72)【発明者】
【氏名】井上 宣央
【テーマコード(参考)】
3D040
3J070
【Fターム(参考)】
3D040AA03
3D040AA10
3D040AA13
3D040AA33
3D040AB01
3D040AC01
3D040AC21
3D040AC42
3D040AC65
3J070AA03
3J070AA06
3J070BA41
3J070CA12
3J070CB02
3J070DA02
(57)【要約】
【課題】操作部が誤操作されることを抑制する。
【解決手段】シフト装置10では、レバー20のスイッチ26が操作された状態で、レバー20が「R」位置及び「D」位置に回動された際に、それぞれ自動変速機30のシフトレンジが「R」レンジ及び「D」レンジにされる。ここで、配置板14の凹部16にスイッチ26が配置されている。このため、配置板14に上側から荷重体の荷重が作用した場合でも、荷重体の荷重によりスイッチ26が誤操作されることを抑制できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部が設けられ、前記操作部が操作されて移動されることで車両の変速機のシフトレンジが変更されるシフト体と、
前記シフト体が配置され、前記操作部が配置される凹部が設けられる配置体と、
を備えるシフト装置。
【請求項2】
前記シフト体の頂面以外に前記操作部が設けられる請求項1記載のシフト装置。
【請求項3】
前記シフト体の移動方向両側に前記操作部が設けられる請求項1記載のシフト装置。
【請求項4】
前記シフト体の移動方向両側に設けられる前記操作部が操作されて前記シフト体が移動されることで前記変速機のシフトレンジが変更される請求項1記載のシフト装置。
【請求項5】
前記シフト体の移動方向とは反対側に設けられる前記操作部が操作されて前記シフト体が移動されることで前記変速機のシフトレンジが変更される請求項1記載のシフト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シフト体の操作部が操作されてシフト体が移動されるシフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載のレバー装置では、シフトスライダが移動されて、車両の自動変速機のシフトレンジが変更される。
【0003】
ところで、このようなレバー装置では、シフトスライダに設けられる操作部が操作されて、シフトスライダが移動されることで、自動変速機のシフトレンジが変更される場合がある。
【0004】
ここで、この場合には、操作部が誤操作されることを抑制できるのが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1976448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事実を考慮し、操作部が誤操作されることを抑制できるシフト装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様のシフト装置は、操作部が設けられ、前記操作部が操作されて移動されることで車両の変速機のシフトレンジが変更されるシフト体と、前記シフト体が配置され、前記操作部が配置される凹部が設けられる配置体と、を備える。
【0008】
本発明の第2態様のシフト装置は、本発明の第1態様のシフト装置において、前記シフト体の側面に前記操作部が設けられる。
【0009】
本発明の第3態様のシフト装置は、本発明の第1態様又は第2態様のシフト装置において、前記シフト体の移動方向両側に前記操作部が設けられる。
【0010】
本発明の第4態様のシフト装置は、本発明の第1態様~第3態様の何れか1つのシフト装置において、前記シフト体の移動方向両側に設けられる前記操作部が操作されて前記シフト体が移動されることで前記変速機のシフトレンジが変更される。
【0011】
本発明の第5態様のシフト装置は、本発明の第1態様~第4態様の何れか1つのシフト装置において、前記シフト体の移動方向とは反対側に設けられる前記操作部が操作されて前記シフト体が移動されることで前記変速機のシフトレンジが変更される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第1態様のシフト装置では、シフト体に操作部が設けられており、操作部が操作されて、シフト体が移動されることで、車両の変速機のシフトレンジが変更される。また、シフト体が配置体に配置される。
【0013】
ここで、配置体に凹部が設けられており、凹部に操作部が配置される。このため、凹部の開放方向側からの荷重により操作部が誤操作されることを抑制できる。
【0014】
本発明の第2態様のシフト装置では、シフト体の頂面以外に操作部が設けられる。このため、凹部の開放方向側からの荷重により操作部が誤操作されることを効果的に抑制できる。
【0015】
本発明の第3態様のシフト装置では、シフト体の移動方向両側に操作部が設けられる。このため、シフト体の移動方向両側に操作部が設けられる場合でも、操作部が誤操作されることを抑制できる。
【0016】
本発明の第4態様のシフト装置では、シフト体の移動方向両側に設けられる操作部が操作されて、シフト体が移動されることで、変速機のシフトレンジが変更される。このため、変速機のシフトレンジが不要に変更されることを抑制できる。
【0017】
本発明の第5態様のシフト装置では、シフト体の移動方向とは反対側に配置される操作部が操作されて、シフト体が移動されることで、変速機のシフトレンジが変更される。このため、操作部を操作した状態で容易にシフト体を移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係るシフト装置を示す右斜め後方から見た斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係るシフト装置の内側を示す右斜め後方から見た斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係るシフト装置の上側を示す右斜め後方から見た斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係るシフト装置の上側を示す右方から見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1には、本発明の実施形態に係るシフト装置10が右斜め後方から見た斜視図にて示されており、図2には、シフト装置10の内側が右斜め後方から見た斜視図にて示されている。なお、図面では、シフト装置10の前方を矢印FRで示し、シフト装置10の右方を矢印RHで示し、シフト装置10の上方を矢印UPで示している。
【0020】
図1に示す如く、本実施形態に係るシフト装置10は、車両のコンソール12に設置されており、シフト装置10の前方、右方及び上方は、それぞれ車両の前方、右方及び上方に向けられている。
【0021】
コンソール12には、配置体としての略矩形板状の配置板14(図3及び図4参照)が設けられており、配置板14は、コンソール12の上壁を構成している。配置板14には、略直方体形状の凹部16が形成されており、凹部16は、上側に開放されている。凹部16の左壁及び右壁は、左右方向に垂直に配置されており、凹部16の前壁及び後壁は、凹部16の前後方向中央へ向かうに従い下方へ向かう方向に傾斜されると共に、下側に凸状に湾曲されている。また、凹部16の下面は、開口されている。
【0022】
図1及び図2に示す如く、コンソール12内には、支持体としての略直方体形箱状のプレート18が固定されており、プレート18は、配置板14の下側に配置されている。
【0023】
プレート18内には、シフト体としての略矩形柱状のレバー20が設けられており、レバー20の上下方向中間部には、円筒状の回動軸20Aが一対一体に設けられている。一対の回動軸20Aは、左方と右方とに同軸上に突出されて、プレート18内に回転可能に支持されており、レバー20は、一対の回動軸20Aを中心として、前後方向に回動(移動)可能にされている。レバー20の上側部分は、プレート18の上壁及び配置板14の凹部16下面(開口)に回動可能に貫通されており、レバー20の上部は、凹部16に挿入されている。
【0024】
レバー20の上部には、把持部としての略直方体状のノブ22(図3及び図4参照)が一体に設けられており、ノブ22は、配置板14の凹部16に配置されている。ノブ22の左面及び右面(側面)は、それぞれ凹部16の左面及び右面に対し平行にされかつ接近されており、ノブ22の上面(頂面)は、凹部16の上面(開放面)より上側に配置されている。また、ノブ22の前面及び後面(側面)は、ノブ22の前後方向外側へ向かうに従い下方へ向かう方向に傾斜されている。
【0025】
ノブ22は、車両の車室内に露出されており、車両の乗員(特に運転者)によって、ノブ22が把持されて、レバー20が前後方向に回動操作される。レバー20は、シフト位置としての「H」位置(ホーム位置)に配置されており、レバー20は、「H」位置から前側に回動操作されて、シフト位置としての「N」位置(ニュートラル位置)及び「R」位置(リバース位置)にこの順番で配置されると共に、「H」位置から後側に回動操作されて、シフト位置としての「N」位置(ニュートラル位置)及び「D」位置(ドライブ位置)にこの順番で配置される。
【0026】
プレート18内には、付勢機構としての節度機構24が設けられており、節度機構24は、レバー20の下部に機械的に接続されている。節度機構24は、レバー20を「H」位置側に付勢しており、レバー20が「H」位置以外の位置に配置された際に、レバー20への回動操作力の作用が解除された場合には、レバー20が節度機構24の付勢力により「H」位置に回動(復帰)される。
【0027】
レバー20におけるノブ22の前面及び後面には、操作部としての正面視矩形状のスイッチ26(図3及び図4参照)が設けられており、前側のスイッチ26の前面及び後側のスイッチ26の後面は、操作面26Aにされて、それぞれノブ22の前面及び後面と平行に配置されている。前側のスイッチ26は、操作面26Aにおいて、乗員により後側に押圧操作可能にされており、後側のスイッチ26は、操作面26Aにおいて、乗員により前側に押圧操作可能にされている。スイッチ26は、配置板14の凹部16に配置されており、スイッチ26の上端(操作面26Aの上端)は、凹部16の上面(開放面)より下側に配置されている。
【0028】
各スイッチ26は、車両の制御装置28に電気的に接続されており、制御装置28には、車両の自動変速機30(変速機)が電気的に接続されている。制御装置28には、検出機構32が電気的に接続されており、検出機構32は、例えばプレート18内に配置されて、レバー20の回動位置を検出することで、レバー20のシフト位置を検出する。
【0029】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0030】
以上の構成のシフト装置10では、レバー20におけるノブ22の前側及び後側のスイッチ26が押圧操作された状態、及び、前側及び後側のスイッチ26の少なくとも一方が押圧操作されない状態で、レバー20が「H」位置から前側の「N」位置に回動された際(検出機構32がレバー20の「H」位置から前側の「N」位置への配置を検出した際)には、制御装置28の制御により、自動変速機30のシフトレンジが「N」レンジ(ニュートラルレンジ)にされる。
【0031】
前側及び後側のスイッチ26が押圧操作された状態で、レバー20が前側の「N」位置から「R」位置に回動された際(検出機構32がレバー20の前側の「N」位置から「R」位置への配置を検出した際)には、制御装置28の制御により、自動変速機30のシフトレンジが「R」レンジ(リバースレンジ)にされる。
【0032】
一方、前側及び後側のスイッチ26の少なくとも一方が押圧操作されない状態で、レバー20が前側の「N」位置から「R」位置に回動された際(検出機構32がレバー20の前側の「N」位置から「R」位置への配置を検出した際)には、制御装置28の制御により、自動変速機30のシフトレンジが「N」レンジにされる(自動変速機30のシフトレンジが「R」レンジにされることが規制される)。
【0033】
ノブ22の前側及び後側のスイッチ26が押圧操作された状態、及び、前側及び後側のスイッチ26の少なくとも一方が押圧操作されない状態で、レバー20が「H」位置から後側の「N」位置に回動された際(検出機構32がレバー20の「H」位置から後側の「N」位置への配置を検出した際)には、制御装置28の制御により、自動変速機30のシフトレンジが「N」レンジにされる。
【0034】
前側及び後側のスイッチ26が押圧操作された状態で、レバー20が後側の「N」位置から「D」位置に回動された際(検出機構32がレバー20の後側の「N」位置から「D」位置への配置を検出した際)には、制御装置28の制御により、自動変速機30のシフトレンジが「D」レンジ(ドライブレンジ)にされる。
【0035】
一方、前側及び後側のスイッチ26の少なくとも一方が押圧操作されない状態で、レバー20が後側の「N」位置から「D」位置に回動された際(検出機構32がレバー20の後側の「N」位置から「D」位置への配置を検出した際)には、制御装置28の制御により、自動変速機30のシフトレンジが「N」レンジにされる(自動変速機30のシフトレンジが「D」レンジにされることが規制される)。
【0036】
ところで、レバー20のノブ22がコンソール12の配置板14に配置されており、配置板14には、上側から荷物又は乗員の手等の荷重体の荷重が作用する場合がある。
【0037】
ここで、配置板14に凹部16が設けられており、凹部16にノブ22のスイッチ26が配置されている。このため、配置板14に上側(凹部16の開放方向側)から荷重体の荷重が作用した場合でも、荷重体が配置板14に当接されることで、荷重体がスイッチ26に当接されることを抑制できる。これにより、荷重体の荷重によりスイッチ26が誤操作されることを抑制でき、自動変速機30のシフトレンジが不要に「R」レンジ及び「D」レンジにされることを抑制できる。
【0038】
さらに、スイッチ26の上端が凹部16の上面より下側に配置されている。このため、配置板14に上側から荷重体の荷重が作用した場合でも、荷重体が配置板14に当接されることで、荷重体がスイッチ26に当接されることを効果的に抑制できる。これにより、荷重体の荷重によりスイッチ26が誤操作されることを効果的に抑制できる。
【0039】
また、ノブ22の前面及び後面(上面以外)にスイッチ26が設けられている。このため、配置板14に上側から荷重体の荷重が作用した場合でも、荷重体がノブ22の上面に当接されることで、荷重体がスイッチ26に当接されることを抑制できる。これにより、荷重体の荷重によりスイッチ26が誤操作されることを効果的に抑制できる。
【0040】
さらに、ノブ22の前面及び後面の両方(レバー20の回動方向両側)にスイッチ26が設けられている。このため、ノブ22の前面及び後面の両方にスイッチ26が設けられるでも、両方のスイッチ26が誤操作されることを抑制できる。
【0041】
しかも、前側及び後側のスイッチ26の両方が押圧操作されて、レバー20が回動されることで、自動変速機30のシフトレンジが「R」レンジ及び「D」レンジにされる。このため、前側及び後側のスイッチ26の一方のみが押圧操作されても、自動変速機30のシフトレンジが「R」レンジ及び「D」レンジにされないことで、自動変速機30のシフトレンジが不要に「R」レンジ及び「D」レンジにされることを抑制できる。
【0042】
なお、本実施形態では、スイッチ26(操作面26A)の全体が凹部16の上面(開放面)より下側に配置される。しかしながら、スイッチ26(操作面26A)の一部が凹部16の上面(開放面)より下側に配置されてもよい。
【0043】
さらに、本実施形態では、ノブ22の上面(頂面)が凹部16の上面(開放面)より上側に配置される。しかしながら、ノブ22の上面(頂面)が凹部16の上面(開放面)に配置され又は凹部16の上面(開放面)より下側に配置されてもよい。
【0044】
また、本実施形態では、前側及び後側のスイッチ26の両方が押圧操作されて、レバー20が「R」位置及び「D」位置に回動されることで、それぞれ自動変速機30のシフトレンジが「R」レンジ及び「D」レンジにされる。しかしながら、後側(レバー20の回動方向とは反対側)のスイッチ26のみが押圧操作されて、レバー20が前側に「R」位置まで回動されることで、自動変速機30のシフトレンジが「R」レンジにされてもよい。また、前側(レバー20の回動方向とは反対側)のスイッチ26のみが押圧操作されて、レバー20が後側に「D」位置まで回動されることで、自動変速機30のシフトレンジが「D」レンジにされてもよい。これにより、スイッチ26を押圧操作した状態で容易にレバー20を回動させることができる。
【0045】
さらに、本実施形態では、スイッチ26が押圧操作されない状態でレバー20が「R」位置及び「D」位置に回動された場合に、それぞれ、制御装置28の制御により、自動変速機30のシフトレンジが「R」レンジ及び「D」レンジにされない。しかしながら、規制機構が、例えばプレート18内に設けられると共に、制御装置28に電気的に接続されてもよい。この場合、スイッチ26が押圧操作されない際には、規制機構が制御装置28の制御によりレバー20の「R」位置及び「D」位置への回動を規制して、それぞれ、自動変速機30のシフトレンジが「R」レンジ及び「D」レンジにされない。
【0046】
また、本実施形態では、スイッチ26がノブ22の前面及び後面に設けられる。しかしながら、スイッチ26がノブ22の左面、右面又は下面に設けられてもよい。
【0047】
さらに、本実施形態では、レバー20(シフト体)が回動される。しかしながら、シフト体がスライド又は軸周りに回転(移動)されてもよい。
【0048】
また、本実施形態では、シフト装置10がコンソールに設置される。しかしながら、シフト装置10がインストルメントパネル又はステアリングコラムに設置されてもよい。
【符号の説明】
【0049】
10・・・シフト装置、14・・・配置板(配置体)、16・・・凹部、20・・・レバー(シフト体)、26・・・スイッチ(操作部)、30・・・自動変速機(変速機)
図1
図2
図3
図4