(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165370
(43)【公開日】2023-11-15
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
A47G 23/00 20060101AFI20231108BHJP
B65D 6/08 20060101ALI20231108BHJP
B65D 6/24 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
A47G23/00 D
B65D6/08 B
B65D6/24 C
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022076328
(22)【出願日】2022-05-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-24
(71)【出願人】
【識別番号】515064009
【氏名又は名称】ソフトバンクロボティクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】広瀬 雄一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 照人
【テーマコード(参考)】
3B115
3E061
【Fターム(参考)】
3B115AA25
3B115BA28
3B115CA05
3B115DA09
3E061AA06
3E061AB04
3E061AB09
3E061CA12
3E061CA22
3E061CA25
3E061DA13
3E061DA15
3E061DB15
3E061DB17
3E061DB20
(57)【要約】
【課題】本発明は、飲食物等を安全かつ衛生的に搬送するためにロボット等の移動体に設置する容器を提供することを目的とする。
【解決手段】本開示の一実施形態に係る容器(1a,1b)は、移動体(100)に設置され、且つ、内容物を保護するための容器であって、枠体(21a,21b)を有する一対の側面部(2a,2b)と、一対の側面部の枠体間に着脱自在に配置され、且つ、内容物を載置するための底面部(3a,3b)と、一対の側面部の枠体間に、底面部と対向して、着脱自在に配置された上面部(4a,4b)と、一対の側面部の枠体間に、着脱自在に配置された前面部(5a,5b)と、一対の側面部の枠体間に、前面部と対向して、着脱自在に配置された背面部(6a,6b)と、底面部を移動体に固定するための固定機構(7a,7b)と、を有し、前面部は、上面部の一部に、内容物を出し入れするために、開閉自在に連設されていることを特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に設置され、且つ、内容物を保護するための容器であって、
枠体を有する一対の側面部と、
前記一対の側面部の前記枠体間に着脱自在に配置され、且つ、内容物を載置するための底面部と、
前記一対の側面部の前記枠体間に、前記底面部と対向して、着脱自在に配置された上面部と、
前記一対の側面部の前記枠体間に、着脱自在に配置された前面部と、
前記一対の側面部の前記枠体間に、前記前面部と対向して、着脱自在に配置された背面部と、
前記底面部を移動体に固定するための固定機構と、を有し、
前記前面部は、前記上面部の一部に、内容物を出し入れするために、開閉自在に連設されている、
ことを特徴とする容器。
【請求項2】
前記上面部は、前記前面部が開状態の時に、前記前面部を支持する支持部を有する、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記上面部の一部は、前記前面部の開閉に合わせて開閉可能に、前記一対の側面部の前記枠体間に配置される、請求項1に記載の容器。
【請求項4】
前記背面部は、前記上面部の一部に、内容物を出し入れするために、開閉自在に連設されている、請求項1又は2に記載の容器。
【請求項5】
前記支持部は、前記背面部が開状態の時に、前記背面部を支持する、請求項2に記載の容器。
【請求項6】
前記背面部は、前記一対の側面部の前記枠体とそれぞれ着脱可能に配置される背面枠体を有する、請求項1に記載の容器。
【請求項7】
前記側面部は、内容物を出し入れするために、前記枠体の内部に開閉自在に配置された透明部材を有する、請求項1に記載の容器。
【請求項8】
前記前面部が開状態の時に、前記前面部が開状態を維持するように、開状態の前記前面部を前記上面部側に牽引する弾性部材をさらに有する、請求項1に記載の容器。
【請求項9】
前記背面部、前記上面部、及び、前記前面部は、一体的に形成されている、請求項1に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に関する。
【背景技術】
【0002】
飲食物等の配膳のためのスタッフの省力化を目的として、飲食物を厨房から客室に配膳する無人配膳システムが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
従来の無人配膳システムにおいては、飲食物等が露出した状態で搬送されるため、混雑した店内等では他の客と接触したり、塵埃が付着したりする等、安全面及び衛生面において配慮する必要性が生じていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、飲食物等を安全かつ衛生的に搬送するためにロボット等の移動体に設置する容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る容器は、移動体に設置され、且つ、内容物を保護するための容器であって、枠体を有する一対の側面部と、一対の側面部の枠体間に着脱自在に配置され、且つ、内容物を載置するための底面部と、一対の側面部の枠体間に、底面部と対向して、着脱自在に配置された上面部と、一対の側面部の枠体間に、着脱自在に配置された前面部と、一対の側面部の枠体間に、前面部と対向して、着脱自在に配置された背面部と、底面部を移動体に固定するための固定機構と、を有し、前面部は、上面部の一部に、内容物を出し入れするために、開閉自在に連設されていることを特徴とする。
【0007】
本開示の一実施形態に係る容器において、上面部は、前面部が開状態の時に、前面部を支持する支持部を有してよい。
【0008】
本開示の一実施形態に係る容器において、上面部の一部は、前面部の開閉に合わせて開閉可能に、一対の側面部の枠体間に配置されてよい。
【0009】
本開示の一実施形態に係る容器において、背面部は、上面部の一部に、内容物を出し入れするために、開閉自在に連設されてよい。
【0010】
本開示の一実施形態に係る容器において、支持部は、背面部が開状態の時に、背面部を支持してよい。
【0011】
本開示の一実施形態に係る容器において、背面部は、一対の側面部の枠体とそれぞれ着脱可能に配置される背面枠体を有してよい。
【0012】
本開示の一実施形態に係る容器において、側面部は、内容物を出し入れするために、枠体の内部に開閉自在に配置された透明部材を有してよい。
【0013】
本開示の一実施形態に係る容器において、前面部が開状態の時に、前面部が開状態を維持するように、開状態の前面部を上面部側に牽引する弾性部材をさらに有してよい。
【0014】
本開示の一実施形態に係る容器において、背面部、上面部、及び、前面部は、一体的に形成されてよい。
【発明の効果】
【0015】
本開示の一実施形態に係る容器によれば、飲食物等を安全かつ衛生的に搬送するためにロボット等の移動体に設置する容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本開示の一実施形態に係る容器を配置するための配膳ロボットの斜視図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る容器を配膳ロボットに配置した場合の斜視図である。
【
図3】実施例1に係る容器の前方から見た斜視図であり、(a)は前面部及び上面部の一部が閉じた状態を示し、(b)は前面部及び上面部の一部が開いた状態を示す。
【
図4】実施例1に係る容器の後方から見た斜視図であり、(a)は背面部が閉じた状態を示し、(b)は背面部が開いた状態を示す。
【
図11】実施例1に係る容器の底面部、側面部、及び背面枠体の平面図である。
【
図12】実施例2に係る容器の前方から見た斜視図であり、(a)は前面部が閉じた状態を示し、(b)は前面部が開いた状態を示す。
【
図13】実施例2に係る容器の前方から見た斜視図であり、(a)は側面部が閉じた状態を示し、(b)は側面部が開いた状態を示す。
【
図20】実施例2に係る容器の底面部、及び側面部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明に係る容器について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態には限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0018】
図1に、本開示の一実施形態に係る容器を配置するための配膳ロボット100の斜視図を示す。
図2に、本開示の一実施形態に係る容器を配膳ロボット100に配置した場合の斜視図を示す。移動体である配膳ロボット100は、アーム103で連結された第1載荷台101及び第2載荷台102を備えている。第1載荷台101及び第2載荷台102には、それぞれ、内容物である飲食物等を載置するための第1トレー104及び第2トレー105が配置されている。
【0019】
配膳ロボット100は、底部に車輪(図示せず)を備えており、自律走行を行う。例えば、レストラン等において、厨房と来客しているテーブルとの間を往復する。配膳ロボット100の動作は、アーム103の背面に設けたパネル106に必要な情報を入力することで制御することができる。あるいは、無線等で外部から配膳ロボット100に制御信号を送信して、配膳ロボット100の動作を制御するようにしてもよい。
【0020】
配膳ロボット100は、自己位置の推定と周囲の環境の構造把握を同時に行うSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術を実行するため第1センサ107を有してよい。第1センサ107には、LiDAR(レーザースキャナ)、カメラ、ToFセンサ等を用いることができる。
【0021】
また、配膳ロボット100は、さらに、第3載荷台108及び第3トレー109を設けてよい。また、配膳ロボット100は、移動する際に進行方向に存在する障害物や段差を検知する第2センサ110を備えてよい。第2センサ110として、障害物検知のためにLiDARセンサや3Dカメラを用いることができ、段差検知のために3Dカメラを用いることができる。
【0022】
図2に示すように、配膳ロボット100が移動する際に、飲食物等の内容物が他の客に触れたり、塵埃等に晒されたりすることを防止するために、第1載荷台101及び第2載荷台102に、内容物を保護するための容器(1a,1b)を設けることが好ましい。容器(1a,1b)は、底面部(3a,3b)と、一対の側面部(2a,2b)と、上面部(4a,4b)と、前面部(5a,5b)と、背面部(6a,6b)と、固定機構(7a,7b)と、を有する。第1載荷台101及び第2載荷台102に、それぞれ容器(1a,1b)を設けた場合、トレー(104,105)は、容器(1a,1b)の内部であって、底面部(3a,3b)の上に配置してよい。
【0023】
一対の側面部(2a,2b)は、枠体(21a,21b)を有している。枠体(21a,21b)は、剛性を有する材料で形成されていることが好ましく、例えば、金属等の材料を用いて形成してよい。また、枠体(21a,21b)の内周側には、内容物を視認できるように透明部材を配置してよい。透明部材を配置することにより、周囲に対する圧迫感を和らげることができる。
【0024】
底面部(3a,3b)は、一対の側面部(2a,2b)の枠体(21a,21b)間に着脱自在に配置されている。底面部(3a,3b)は、内容物を載置することができる。底面部(3a,3b)を一対の側面部(2a,2b)の枠体(21a,21b)と着脱自在とすることにより、底面部(3a,3b)を枠体(21a,21b)から取り外して洗浄等を行うことができる。
【0025】
上面部(4a,4b)は、一対の側面部(2a,2b)の枠体(21a,21b)間に、底面部(3a,3b)と対向して、着脱自在に配置されている。
【0026】
前面部(5a,5b)は、一対の側面部(2a,2b)の枠体(21a,21b)間に、着脱自在に配置されている。前面部(5a,5b)は、上面部(4a,4b)の一部に、内容物を出し入れするために、開閉自在に連設されている。
図2においては、前面部(5a,5b)が閉状態である場合を示している。
【0027】
背面部(6a,6b)は、一対の側面部(2a,2b)の枠体(21a,21b)間に、前面部(5a,5b)と対向して、着脱自在に配置されている。
【0028】
固定機構(7a,7b)は、底面部(3a,3b)を移動体である配膳ロボット100に固定することができる。固定機構(7a,7b)には、例えば、紐状の部材を用いることができる。
【0029】
上述したように、一対の側面部(2a,2b)の枠体(21a,21b)は剛性を有していることが好ましい。このような構成とすることにより、枠体(21a,21b)を底面部(3a,3b)に配置した状態で自立させることができる。一方、枠体(21a,21b)に着脱自在に配置される上面部(4a,4b)、前面部(5a,5b)、及び背面部(6a,6b)は、必ずしも剛性を有している必要はなく、柔軟性を有する材料で形成してよい。これらの構成部品を、柔軟性を有する材料で形成することにより、これらの構成部品を枠体(21a,21b)に容易に着脱することができる。
【0030】
枠体(21a,21b)が剛性を有していることにより、容器(1a,1b)から底面部(3a,3b)のみを分離した状態でも、側面部(2a,2b)、上面部(4a,4b)、前面部(5a,5b)、及び背面部(6a,6b)は、自立した状態を維持することができる。このように容器(1a,1b)から底面部(3a,3b)のみを分離することにより、比較的に汚れが付着しやすい底面部(3a,3b)の洗浄を容易に行うことができる。
【0031】
さらに、剛性を有する底面部(3a,3b)に、剛性を有する2つの枠体を配置すると、一対の側面部(2a,2b)が自立した状態を維持できるため、他の部材である上面部(4a,4b)、前面部(5a,5b)、及び背面部(6a,6b)の配置を容易に行うことができる。
【0032】
また、底面部(3a,3b)、上面部(4a,4b)、前面部(5a,5b)、及び背面部(6a,6b)を枠体に着脱自在に配置するようにすることにより、これらの構成部品を平面状とすることができ、組立前の容器(1a,1b)の運搬を容易に行うことができる。
【0033】
さらに、上面部(4a,4b)と、前面部(5a,5b)及び背面部(6a,6b)の少なくとも一方とが連設した構成としてよい。このような構成とすることにより、上面部(4a,4b)、前面部(5a,5b)、及び背面部(6a,6b)を枠体(21a,21b)に着脱する作業を容易に行うことができる。
【0034】
上記の通り、一対の側面部(2a,2b)、底面部(3a,3b)、上面部(4a,4b)、前面部(5a,5b)、及び背面部(6a,6b)は、着脱自在に配置されているため、個々の部材に分離することができ、個々の部材の洗浄や運搬を容易に行うことができる。
【0035】
[実施例1]
次に、実施例1に係る容器1aについて説明する。
図3(a)に、実施例1に係る容器1aの前方から見た斜視図であって、前面部5a及び上面部4aの一部が閉じた状態の斜視図を示す。
図3(b)に、実施例1に係る容器1aの前方から見た斜視図であって、前面部5a及び上面部4aの一部が開いた状態の斜視図を示す。実施例1に係る容器1aとして、配膳ロボット100の第1載荷台101に載置する場合を例にとって説明する。
【0036】
容器1aは、底面部3aと、一対の側面部2aと、上面部4aと、前面部5aと、背面部6aと、固定機構7aと、を有する。第1載荷台101に、容器1aを設けた場合、内容物を載置するためのトレー(図示せず)を、容器1aの内部であって、底面部3aの上に配置してよい。
【0037】
図3(a)に示すように、容器1aを構成する一対の側面部2a、上面部4a、前面部5a、及び背面部6aは、それぞれ、透明部材(22a,42a,52a,62a)を備えてよい。このような構成とすることにより、容器1aに配置した内容物の視認性を高めることができるとともに、周囲に対する圧迫感を軽減することができる。
【0038】
前面部5aは、上面部4aの一部に、内容物を出し入れするために、開閉自在に連設されている。さらに、上面部4aの一部は、前面部5aの開閉に合わせて開閉可能に、一対の側面部2aの枠体21a間に配置されてよい。このような構成とすることにより、
図3(b)に示すように、前面部5aを開状態とした場合に、上面部4aの一部も開状態とすることができる。このように、上面部4aの一部も開状態とすることにより、内容物を容器1aの上方から出し入れし易くすることができる。
【0039】
上面部4aを開状態とする場合には、上面部4aの半分以上が開状態となるように構成することが好ましい。このような構成とすることにより、ユーザが内容物を、容器1a内に出し入れする際に、容器1aの上方からのアクセスを用意に行うことができる。
【0040】
上面部4aは、前面部5aが開状態の時に、前面部5a及び上面部4aの一部を支持する支持部43aを有してよい。支持部43aが前面部5a及び上面部4aの一部を支持することにより、ユーザが手を触れなくても前面部5a及び上面部4aの一部を開状態に維持することができ、ユーザは両手を使って容器1aから内容物を出し入れすることができる。
【0041】
図4(a)に、実施例1に係る容器1aの後方から見た斜視図であって、背面部6aが閉じた状態の斜視図を示す。
図4(b)に、実施例1に係る容器1aの後方から見た斜視図であって、背面部6aが開いた状態の斜視図を示す。背面部6aは、上面部4aの一部に、内容物を出し入れするために、開閉自在に連設されてよい。背面部6aを開閉自在とすることにより、背面部6aから内容物を出し入れすることができる。
【0042】
背面部6aは、背面支持部63aにより開閉自在に支持される。背面部6aは上面部4aと背面支持部63aを介して連設されてよい。背面支持部63aは背面部6aの上方に配置されており、背面部6aは背面支持部63aを中心にして上面部4a側に回動させて、背面部6aを開閉することができる。
【0043】
図4(b)に示すように、支持部43aは、背面部6aが開状態の時に、背面部6aを支持してよい。支持部43aが、背面部6aを支持することにより、背面部6aの開状態を維持することができる。
【0044】
上述のように、容器1aは前面部5a及び背面部6aの2箇所で開閉自在に構成されている。このような構成とすることにより、内容物の出し手、及び受け手の両者に対して最適なアクセシビリティを提供することができる。また、上述した構成に加えて、側面部2aを開閉自在としてもよい。
【0045】
図5に、実施例1に係る容器1aの右側側面図を示す。
図6に、実施例1に係る容器1aの左側側面図を示す。一対の側面部2aは、枠体21aを有している。枠体21aは、剛性を有する材料により形成してよい。枠体21aは、例えば、金属等の材料を用いて形成してよい。また、枠体21aの内周側には、内容物を視認できるように透明部材22aを配置してよい。透明部材22aには、例えば、ビニール等の透明な樹脂を用いることができる。側面部2aに透明部材22aを用いることにより、容器1a内に配置した内容物の視認性を高めるだけでなく、容器1aの周囲に存在する人物に対する圧迫感を和らげることができる。
【0046】
図7に、実施例1に係る容器1aの底面図を示す。
図7は、容器1aの底面部3aを第1載荷台101側から見た図を示している。容器1aの底面部3aは、一対の側面部2aの枠体21a間に着脱自在に配置されている。底面部3aは、飲食物等の内容物を載置することができる。底面部3aを一対の側面部2aの枠体21aと着脱自在とすることにより、底面部3aを枠体21aから取り外して洗浄等を行うことができる。
【0047】
枠体21aには、底面部3a側に突出した係合突起を備えた凸部25aが設けられている。底面部3aには、凸部25aと対応する位置に、係合突起を嵌合させ固定する凹部(図示せず)が設けられている。凸部25aと凹部とが係合することにより、着脱自在となっている。例えば、凸部25a及び凹部をドットボタンにより構成してよい。ただし、このような例には限定されず、他の部材を用いてよい。
【0048】
図7に示した例では、底面部3aに配置するために、1つの枠体21aに2つの凸部25aが設けられた構成を示しているが、このような例には限定されず、凸部25aは1つの枠体21aに1つのみ設けてもよいし、3つ以上設けてもよい。
【0049】
底面部3aは、金属やプラスチック等の剛性を有する材料を用いて形成してよい。底面部3aには複数の凹部31aを形成してよい。底面部3aに複数の凹部31aを設けることにより、底面部3aの剛性を向上させることができる。凹部31aは、底面部3aの内容物を載置する側から、第1載荷台101側に向かって突出した構造としてよい。
【0050】
底面部3aは、飲食物等を載置する場合には汚れ易いと考えられる。そのため、底面部3aは、金属材料や、PP樹脂等の洗浄可能な材質で形成されることが好ましい。
【0051】
図8に、実施例1に係る容器1aの上面図を示す。容器1aの上面部4aは、一対の側面部2aの枠体21a間に、底面部3aと対向して、着脱自在に配置されている。
【0052】
上面部4aは、枠体41aと、枠体41aの内周側に配置された透明部材42aと、を有してよい。枠体41aは、金属等の剛性を有する材料を用いて形成してよい。枠体41aを、剛性を有する材料を用いて形成することにより、
図3(b)のように、上面部4aを開状態とした場合に、上面部4aを所定の位置に保持することができる。
【0053】
上面部4aは、前面部5aが開状態の時に、前面部5aを支持する支持部43aを有してよい。支持部43aは、前面部5aが開状態の時に、枠体41aを所定の角度で支持した状態を維持できるように、支持部43aの前面部5a側の面に、前面部5aとは反対側に傾斜した前面部5aを支持する前面側傾斜部431aを有してよい。
【0054】
枠体41aは、上面部4aを開状態とする場合に、枠体41aを持ち上げるための把持部44aを備えてよい。把持部44aは枠体41aと一体化してよい。
【0055】
上面部4aの透明部材42aは、前面側連接部421aにおいて前面部5aの透明部材52aと連設してよい。上面部4aの透明部材42aと前面部5aの透明部材52aは一体形成されてよい。
【0056】
また、上面部4aの枠体41aは、背面側連接部422aにおいて支持部43aと連設してよい。
【0057】
図3(b)に示すように、上面部4aの一部及び前面部5aを開状態としたときに、上面部4aの枠体41aは前面部5aと重なるようにしてよい。また、
図5に示すように、上面部4aの枠体41aの前面部5aと直交する方向の長さL1と、前面部5aの表面に沿った長さL2は、ほぼ等しいことが好ましい。このような構成とすることにより、前面部5aと上面部4aの一部とを開状態としたときに両者を重ねることができる。その結果、前面部5aの一部が開口部に突出することを防止でき、内容物を容器1aから出し入れする際に前面部5aの一部と接触することを防止することができる。さらに、上記の長さL1とL2とをほぼ等しくすることにより、上面部4aの枠体41aを立てて、前面部5a及び上面部4aの一部を開状態とした際における上面部4aの先端部の鉛直方向の高さを低く抑えることができる。
【0058】
支持部43aは、背面部6aと連設してよい。
図5に示すように、支持部43aは、背面部6aを開状態とした際に背面部6aを支持した状態を維持できるように、支持部43aの背面部6a側の面には、背面部6aとは反対側に傾斜した傾斜部432aを有することが好ましい。
【0059】
図9に、実施例1に係る容器1aの正面図を示す。前面部5aは、一対の側面部2aの枠体21a間に、着脱自在に配置されている。前面部5aは、上面部4aの一部に、内容物を出し入れするために、開閉自在に連設されている。
【0060】
前面部5aは、枠体51aと透明部材52aとを有してよい。枠体51aは、側面部2aの枠体21aに沿って湾曲するように、柔軟性を有する材料を用いて形成されていることが好ましい。
【0061】
前面部5aの透明部材52aは、ビニール等の透明な樹脂を用いて形成されていることが好ましい。前面部5aに透明部材52aを配置することにより、容器1aの内容物の視認性を高めることができ、周囲に対する圧迫感を軽減することができる。
【0062】
前面部5aの枠体51aには、前面部5aを開閉するための把持部53aを設けることが好ましい。把持部53aは、アルミ等の金属材料や、プラスチック等の樹脂材料により形成してよい。
【0063】
配膳ロボット100が移動する際に、前面部5aは側面部2aの枠体21aに吸着した状態を維持することが好ましい。そのために、前面部5aの枠体51a及び側面部2aの枠体21aのいずれか一方に磁石を設け、いずれか他方に磁石に吸着する磁性体または磁石を設けるようにしてよい。あるいは、前面部5aの枠体51aは、側面部2aの枠体21aと面ファスナー等によって吸着するようにしてよい。このような構成とすることにより、配膳ロボット100が移動し、容器1aに振動した場合であっても、容器1aの前面部5aが閉じた状態を維持することができる。ただし、前面部5aが側面部2aの枠体21aに吸着した状態を維持するための構成は上記のような構成には限られない。
【0064】
前面部5aと底面部3aとの間には、所定の面積を有する開口部54aを設けてよい。開口部54aを設けることにより、容器1a内の換気を促すことができる。その結果、容器1aの底面部3aに載置した内容物が蒸気を発するような場合であっても、透明部材(22a,42a,52a,62a)が蒸気により曇ったり、透明部材(22a,42a,52a,62a)に蒸気が結露したりすることを抑制することができる。
【0065】
図10に、実施例1に係る容器1aの背面図を示す。容器1aの背面部6aは、一対の側面部2aの枠体21a間に、前面部5aと対向して、着脱自在に配置されている。
【0066】
背面部6aは、枠体61aと透明部材62aとを有してよい。背面部6aは背面支持部63aにより開閉自在に支持される。背面支持部63aは金属部材等により形成してよい。
【0067】
背面部6aの枠体61a及び透明部材62aは、背面部6aを開状態とし、支持部43aの傾斜部432aで支持する際に、支持部43aの湾曲部に沿って湾曲するように、柔軟性を有する材料で形成されていることが好ましい。
【0068】
背面部6aの透明部材62aは、ビニール等の透明な材料で形成されていることが好ましい。背面部6aに透明部材62aを配置することにより、容器1aの内容物の視認性を高めることができ、周囲に対する圧迫感を軽減することができる。
【0069】
配膳ロボット100が移動する際に、背面部6aは側面部2aの枠体21aに吸着された状態を維持することが好ましい。そのために、背面部6aの枠体61a及び側面部2aの枠体21aのいずれか一方に磁石を設け、いずれか他方に磁石に吸着する磁性体又は磁石を設けるようにしてよい。あるいは、背面部6aの枠体61aは、側面部2aの枠体21aと面ファスナー等によって吸着するようにしてよい。このような構成とすることにより、配膳ロボット100が移動し、容器1aが振動した場合であっても、容器1aの背面部6aが閉状態を維持することができる。ただし、背面部6aが側面部2aの枠体21aに吸着した状態を維持するための構成は上記のような構成には限られない。
【0070】
背面部6aは、一対の側面部2aの枠体21aと、それぞれ着脱可能に配置される背面枠体64aとを有してよい。背面枠体64aは剛性を有することが好ましい。背面枠体64aには、例えば、金属製の部材を用いることができる。背面枠体64aを枠体21aに配置することにより、容器1aの剛性を向上させることができる。
【0071】
背面部6aと底面部3aとの間には所定の面積を有する開口部65aを設けてよい。開口部65aを設けることにより、容器1a内の換気を促すことができ、内容物が蒸気を発するような場合であっても、透明部材(22a,42a,52a,62a)が蒸気により曇ったり、透明部材(22a,42a,52a,62a)に蒸気が結露したりすることを抑制することができる。さらに、前面部5aの開口部54aと、背面部6aの開口部65aの両者を設けることにより、容器1aの内部における通気性をさらに向上させることができる。
【0072】
図7に示すように、容器1aの固定機構7aは、底面部3aを移動体である配膳ロボット100の第1載荷台101(
図2参照)に固定することができる。固定機構7aには、例えば、紐状の部材を用いることができる。固定機構7aの一方の端部は底面部3aの支持部材32aに固定され、固定機構7aの他方の端部には係止部71aを設けて底面部3aの前面側端部34aに係止するようにしてよい。
【0073】
次に、底面部3aと側面部2aの枠体21aとの配置方法について説明する。
図11に、実施例1に係る容器の底面部3a、側面部2a、及び背面枠体64aの平面図を示す。底面部3aは、例えば、嵌合部材を用いて側面部2aの枠体21aと着脱自在に配置されてよい。
図11に示した例では、枠体21aに凸部23aが設けられ、凸部23aと対応するように底面部3aに凹部31aが設けられている。そして、凸部23aと凹部31aとが嵌合することにより、枠体21aと底面部3aとを着脱自在に配置することができる。
【0074】
さらに、枠体21aにフック24aを配置し、底面部3aの周辺部33aにフック24aを掛けるようにしてよい。このような構成とすることにより、枠体21aと底面部3aとの安定性を向上させることができる。
【0075】
上記のようにして、側面部2aの枠体21aを底面部3aに着脱自在に配置した後、枠体21aに背面枠体64aを着脱自在に配置することができる。そのために、枠体21a及び背面枠体64aは、嵌合部材を有してよい。背面枠体64aの枠体21aと接する位置に、保持部材66aを設けてよい。さらに、例えば、
図11に示すように、枠体21aの背面側に凸部25aを配置し、保持部材66aの凸部25aに対応する位置に凹部67aを設けてよい。枠体21aの凸部25aと、背面枠体64aの凹部67aとを嵌合させることにより、側面部2aの枠体21aと背面枠体64aとを着脱自在に配置することができる。
【0076】
上記の通り、一対の側面部2a、底面部3a、上面部4a、前面部5a、及び背面部6aは、着脱自在に配置されているため、個々の部材に分離することがで、個々の部材の洗浄や運搬を容易に行うことができる。また、個々の部材を略平面に折りたたむことが可能な部材とすることにより、運搬時に比較的小さな梱包箱に収納することが可能となる。
【0077】
[実施例2]
次に、実施例2に係る容器1bについて説明する。
図12(a)に、実施例2に係る容器1bの前方から見た斜視図であって、前面部5b及び側面部2bが閉じた状態の斜視図を示す。
図12(b)に、実施例2に係る容器1bの前方から見た斜視図であって、前面部5b及び側面部2bが開いた状態の斜視図を示す。実施例2に係る容器1bとして、配膳ロボット100の第2載荷台102に載置する場合を例にとって説明する。
【0078】
容器1bは、底面部3bと、一対の側面部2bと、上面部4bと、前面部5bと、背面部(図示せず)と、固定機構(図示せず)と、を有する。第2載荷台102に、容器1bを設けた場合、内容物を載置するためのトレー(図示せず)を、容器1bの内部であって、底面部3bの上に配置してよい。
【0079】
図12(a)に示すように、容器1bを構成する一対の側面部2b、及び前面部5bは、透明部材(22b,52b)を備えてよい。このような構成とすることにより、容器1bに配置した内容物の視認性を高めることができ、周囲に対する圧迫感を軽減することができる。
【0080】
前面部5bは、上面部4bの一部に、内容物を出し入れするために、開閉自在に連設されている。容器1bは、前面部5bが開状態の時に、前面部5bが開状態を維持するように、開状態の前面部5bを上面部4b側に牽引する弾性部材54bをさらに有することが好ましい。弾性部材54bとして、屈曲させた金属製の部材を用いてよい。ただしこのような例には限られず、弾性部材54bとして、バネやゴム等を用いてよい。弾性部材54bにより、ユーザが手で触れなくても前面部5bは開状態を維持することができるため、ユーザは両手を使って容器1b内の内容物の出し入れを行うことができる。
【0081】
図13(a)に、実施例2に係る容器1bの前方から見た斜視図であって、側面部2bが閉じた状態の斜視図を示す。
図13(b)に、実施例2に係る容器1bの前方から見た斜視図であって、側面部2bが開いた状態の斜視図を示す。側面部2bは、内容物を出し入れするために、枠体21bの内部に開閉自在に配置された透明部材22bを有してよい。側面部2bを開閉自在とすることにより、容器1bの側面から内容物を出し入れすることができる。
【0082】
図13(b)に示すように、側面部2bの透明部材22bは保持部23bにより保持され、保持部23bは枠体21bの底辺部210bと開閉自在に係合してよい。このような構成とすることにより、側面部2bを開状態としたときに、側面部2bは下垂した状態となるため、ユーザが手を触れなくても側面部2bは開状態を維持することができる。
【0083】
配膳ロボット100が移動する際に、保持部23bは側面部2bの枠体21bに吸着した状態を維持することが好ましい。そのために、保持部23b及び側面部2bの枠体21bのいずれか一方に磁石を設け、いずれか他方に磁石に吸着する磁性体または磁石を設けるようにしてよい。あるいは、保持部23bは、側面部2bの枠体21bと面ファスナー等によって吸着するようにしてよい。このような構成とすることにより、配膳ロボット100が移動し、容器1bが振動した場合であっても、容器1bの保持部23bが閉じた状態を維持することができる。ただし、保持部23bが側面部2bの枠体21bに吸着した状態を維持するための構成は上記のような構成には限られない。
【0084】
上述のように、容器1bは前面部5b及び側面部2bの2箇所で開閉自在に構成されている。このような構成とすることにより、内容物の出し手、及び受け手ともに最適なアクセシビリティを提供することができる。また、上述した構成に加えて、背面部6bを開閉自在としてもよい。
【0085】
図14に、実施例2に係る容器1bの右側側面図を示す。
図15に、実施例2に係る容器1bの左側側面図を示す。一対の側面部2bは、枠体21bを有している。枠体21bは、剛性を有する材料により形成してよい。枠体21bは、例えば、金属等の材料を用いて形成してよい。
【0086】
側面部2bは、内容物を出し入れするために、枠体21bの内部に開閉自在に配置された透明部材22bを有してよい。透明部材22bには、例えば、ビニール等の透明な樹脂を用いることができる。側面部2bに透明部材22bを用いることにより、容器1b内に配置した内容物の視認性を高めるだけでなく、容器1bの周囲に存在する人物に対する圧迫感を和らげることができる。
【0087】
透明部材22bを開閉自在とするために、透明部材22bを保持し、枠体21bと開閉自在に接続された保持部23bを備えてよい。また、保持部23bには把持部24bを設け、把持部24bを持って保持部23bを開閉してよい。
【0088】
背面部6b、上面部4b、及び、前面部5bは、一体的に形成されてよい。このような構成とすることにより、容器1bの組立を容易に行うことができる。
【0089】
図16に、実施例2に係る容器1bの底面図を示す。
図16は、容器1bの底面部3bを第2載荷台102(
図2参照)側から見た図を示している。容器1bの底面部3bは、一対の側面部2bの枠体21b間に着脱自在に配置されている。底面部3bは、飲食物等の内容物を載置することができる。底面部3bを一対の側面部2bの枠体21bと着脱自在とすることにより、底面部3bを枠体21bから取り外して洗浄等を行うことができる。
【0090】
枠体21bには、底面部3b側に突出した係合突起を備えた凸部25bが設けられている。底面部3bには、凸部25bと対応する位置に、係合突起を嵌合させ固定する凹部(図示せず)が設けられている。凸部25bと凹部とが係合することにより、着脱自在となっている。例えば、凸部25b及び凹部をドットボタンにより構成してよい。ただし、このような例には限定されず、他の部材を用いてよい。
【0091】
図16に示した例では、底面部3bに配置するために、1つの枠体21bに2つの凸部25bが設けられた構成を示しているが、このような例には限定されず、凸部25bは1つの枠体21bに1つのみ設けてもよいし、3つ以上設けてもよい。
【0092】
底面部3bは、金属やプラスチック等の剛性を有する材料を用いて形成してよい。底面部3bには複数の凹部31bを形成してよい。底面部3bに複数の凹部31bを設けることにより、底面部3bの剛性を向上させることができる。凹部31bは、底面部3bの内容物を載置する側から、第2載荷台102側に向かって突出した構造としてよい。
【0093】
底面部3bは、飲食物等を載置する場合には汚れ易いと考えられる。そのため、底面部3bは、金属材料や、PP樹脂等の洗浄可能な材質で形成されることが好ましい。
【0094】
図17に、実施例2に係る容器1bの上面図を示す。容器1bの上面部4bは、一対の側面部2bの枠体21b間に、底面部3bと対向して、着脱自在に配置されている(
図14参照)。
【0095】
上面部4bは、枠体21bと着脱自在となるように、枠体21bの凸部(図示せず)と係合する凹部41bを備えてよい。凸部と凹部41bとが係合することにより、着脱自在とすることができる。例えば、凸部及び凹部41bをドットボタンにより構成してよい。ただし、このような例には限定されず、他の部材を用いてよい。
【0096】
上面部4bは、弾性部材54bを保持するための保持部42bを備えてよい。
【0097】
上面部4bは、前面部5bと開閉自在に連設する連接部43bを備えてよい。連接部43bは金属等の剛性を有する材料により形成してよい。
【0098】
図18に、実施例2に係る容器1bの正面図を示す。前面部5bは、一対の側面部2bの枠体21b間に、着脱自在に配置されている。前面部5bは、上面部4bの一部に、内容物を出し入れするために、開閉自在に連設されている。
【0099】
前面部5bは、枠体51bと透明部材52bとを有してよい。枠体51bは、前面部5bが弾性部材54bによって開状態または閉状態を維持しようとする際に作用する力に対して変形しないように、剛性を有する材料を用いて形成されていることが好ましい。
【0100】
前面部5bの透明部材52bは、ビニール等の透明な樹脂を用いて形成されていることが好ましい。前面部5bに透明部材52bを配置することにより、容器1bの内容物の視認性を高めることができるとともに、周囲に対する圧迫感を軽減することができる。
【0101】
前面部5bの枠体51bには、前面部5bを開閉するための把持部53bを設けることが好ましい。把持部53bは、アルミ等の金属材料や、プラスチック等の樹脂材料により形成してよい。
【0102】
配膳ロボット100が移動する際に、前面部5bは側面部2bの枠体21bに吸着した状態を維持することが好ましい。そのために、前面部5bの枠体51b及び側面部2bの枠体21bのいずれか一方に磁石を設け、いずれか他方に磁石に吸着する磁性体または磁石を設けるようにしてよい。あるいは、前面部5bの枠体51bは、側面部2bの枠体21bと面ファスナー等によって吸着するようにしてよい。このような構成とすることにより、配膳ロボット100が移動し、容器1bが振動した場合であっても、容器1bの前面部5bが閉じた状態を維持することができる。ただし、前面部5bが側面部2bの枠体21bに吸着した状態を維持するための構成は上記のような構成には限られない。
【0103】
前面部5bは、弾性部材54bと支持部55bによって係合している。前面部5bは、外部から力を加えない状態では、弾性部材54bによって閉状態を維持することができる。前面部5bに外部から力を加えて前面部5bを開くと、弾性部材54bが元に戻ろうとするため前面部5bには閉じようとする力が作用する。前面部5bが所定の角度以上に開くと、
図12(b)に示すように、弾性部材54bは、前面部5bを開状態に維持するように作用する。このような構成とすることにより、前面部5bは開状態または閉状態を維持することができ、ユーザは前面部5bに手を触れずに開状態を維持することができる。その結果、ユーザは、前面部5bを開状態に維持したまま、容器1b内の内容物を、両手を用いて出し入れすることができる。
【0104】
前面部5bと底面部3bとの間には、所定の面積を有する開口部56bを設けてよい。開口部56bを設けることにより、容器1b内の換気を促すことができる。その結果、容器1bの底面部3bに載置した内容物が蒸気を発するような場合であっても、透明部材(22b,52b)が蒸気により曇ったり、透明部材(22b,52b)に蒸気が結露したりすることを抑制することができる。
【0105】
図19に、実施例2に係る容器1bの背面図を示す。容器1bの背面部6bは、一対の側面部2bの枠体21b間に、前面部5bと対向して、着脱自在に配置されている。
【0106】
背面部6bは、枠体21bと着脱自在となるように、枠体21bの凸部(図示せず)と係合する凹部61bを備えてよい。凸部と凹部61bとが係合することにより、着脱自在となっている。例えば、凸部及び凹部61bをドットボタンにより構成してよい。ただし、このような例には限定されず、他の部材を用いてよい。
【0107】
背面部6bと底面部3bとの間には所定の面積を有する開口部62bを設けてよい。開口部62bを設けることにより、容器1b内の換気を促すことができ、内容物が蒸気を発するような場合であっても、透明部材(22b,52b)が蒸気により曇ったり、透明部材(22b,52b)に蒸気が結露したりすることを抑制することができる。さらに、前面部5bの開口部56bと、背面部6bの開口部62bの両者を設けることにより、容器1bの内部における通気性をさらに向上させることができる。
【0108】
図16に示すように、容器1bの固定機構7bは、底面部3bを移動体である配膳ロボット100の第2載荷台102(
図2参照)に固定することができる。固定機構7bには、例えば、紐状の部材を用いることができる。
【0109】
次に、底面部3bと側面部2bの枠体21bとの配置方法について説明する。
図20に、実施例2に係る容器1bの底面部3b、側面部2b、及び背面部6bの平面図を示す。底面部3bは、例えば、嵌合部材を用いて側面部2bの枠体21bと着脱自在に配置されてよい。
図20に示した例では、枠体21bに凸部26bが設けられ、凸部26bと対応するように底面部3bに凹部33bが設けられている。そして、凸部26bと凹部33bとが係合することにより、枠体21bを底面部3bに着脱自在に配置することができる。
【0110】
さらに、枠体21bにフック27bを配置し、底面部3bの周辺部32bにフック27bを掛けるようにしてよい。このような構成とすることにより、枠体21bと底面部3bとの安定性をさらに向上させることができる。
【0111】
上記のようにして、側面部2bの枠体21bを底面部3bに着脱自在に配置した後、枠体21bに背面部6bを着脱自在に配置することができる。そのために、枠体21b及び背面部6bは、嵌合部材を有してよい。例えば、
図20に示すように、枠体21bの背面側に凸部28bを配置し、背面部6bの凸部28bに対応する位置に凹部61bを設けてよい。枠体21bの凸部28bと、背面部6bの凹部61bとを係合させることにより、側面部2bの枠体21bと背面部6bとを着脱自在に配置することができる。
【0112】
上記の通り、一対の側面部2b、底面部3b、上面部4b、前面部5b、及び背面部6bは、着脱自在に配置されているため、個々の部材に分離することがで、個々の部材の洗浄や運搬を容易に行うことができる。また、個々の部材を略平面に折りたたむことが可能な部材とすることにより、運搬時に比較的小さな梱包箱に収納することが可能となる。
【0113】
以上の説明において、移動体の例として配膳ロボットを用いた場合を例にとって説明したが、このような例には限定されず、物品を運搬するロボットや、自律走行ロボット等、他の移動体においても同様に本開示の実施形態に係る容器を用いることができる。
【0114】
また、容器(1a,1b)に収納する物品の例として飲食物を例にとって説明したがこのような例には限定されず、容器(1a,1b)には、飲食物以外の他の物品を収納してよい。
【符号の説明】
【0115】
1a,1b 容器
2a,2b 側面部
3a,3b 底面部
4a,4b 上面部
5a,5b 前面部
6a,6b 背面部
7a,7b 固定機構
21a,21b 枠体
100 配膳ロボット
101 第1載荷台
102 第2載荷台
【手続補正書】
【提出日】2023-06-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に設置され、且つ、内容物を保護するための容器であって、
枠体を有する一対の側面部と、
前記一対の側面部の前記枠体間に着脱自在に配置され、且つ、内容物を載置するための底面部と、
前記一対の側面部の前記枠体間に、前記底面部と対向して、着脱自在に配置された上面部と、
前記一対の側面部の前記枠体間に、着脱自在に配置された前面部と、
前記一対の側面部の前記枠体間に、前記前面部と対向して、着脱自在に配置された背面部と、
前記底面部を移動体に固定するための固定機構と、を有し、
前記前面部は、前記上面部の一部に、内容物を出し入れするために、開閉自在に連設され、
前記上面部の一部は、前記前面部の開閉に合わせて開閉可能に、前記一対の側面部の前記枠体間に配置される、
ことを特徴とする容器。
【請求項2】
前記上面部は、前記前面部が開状態の時に、前記前面部を支持する支持部を有する、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記背面部は、前記上面部の一部に、内容物を出し入れするために、開閉自在に連設されている、請求項1又は2に記載の容器。
【請求項4】
前記支持部は、前記背面部が開状態の時に、前記背面部を支持する、請求項2に記載の容器。
【請求項5】
前記背面部は、前記一対の側面部の前記枠体とそれぞれ着脱可能に配置される背面枠体を有する、請求項1に記載の容器。
【請求項6】
前記側面部は、内容物を出し入れするために、前記枠体の内部に開閉自在に配置された透明部材を有する、請求項1に記載の容器。
【請求項7】
前記前面部が開状態の時に、前記前面部が開状態を維持するように、開状態の前記前面部を前記上面部側に牽引する弾性部材をさらに有する、請求項1に記載の容器。
【請求項8】
前記背面部、前記上面部、及び、前記前面部は、一体的に形成されている、請求項1に記載の容器。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に設置され、且つ、内容物を保護するための容器であって、
枠体を有する一対の側面部と、
前記一対の側面部の前記枠体間に着脱自在に配置され、且つ、内容物を載置するための底面部と、
前記一対の側面部の前記枠体間に、前記底面部と対向して、着脱自在に配置された上面部と、
前記一対の側面部の前記枠体間に、着脱自在に配置された前面部と、
前記一対の側面部の前記枠体間に、前記前面部と対向して、着脱自在に配置された背面部と、
前記底面部を移動体に固定するための固定機構と、を有し、
前記前面部は、前記上面部の一部に、内容物を出し入れするために、開閉自在に連設され、
前記上面部の一部は、前記前面部の開閉に合わせて開閉可能に、前記一対の側面部の前記枠体間に配置され、
前記上面部は、前記前面部が開状態の時に、前記前面部を支持する支持部を有し、
前記支持部は、前記前面部が開状態の時に、前記枠体を所定の角度で支持した状態を維持できるように、前記支持部の前記前面部側の面に、前記前面部とは反対側に傾斜した前記前面部を支持する前面側傾斜部を有する、
ことを特徴とする容器。
【請求項2】
前記背面部は、前記上面部の一部に、内容物を出し入れするために、開閉自在に連設されている、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記支持部は、前記背面部が開状態の時に、前記背面部を支持する、請求項1に記載の容器。
【請求項4】
前記背面部は、前記一対の側面部の前記枠体とそれぞれ着脱可能に配置される背面枠体を有する、請求項1に記載の容器。
【請求項5】
前記側面部は、内容物を出し入れするために、前記枠体の内部に開閉自在に配置された透明部材を有する、請求項1に記載の容器。
【請求項6】
前記前面部が開状態の時に、前記前面部が開状態を維持するように、開状態の前記前面部を前記上面部側に牽引する弾性部材をさらに有する、請求項1に記載の容器。
【請求項7】
前記背面部、前記上面部、及び、前記前面部は、一体的に形成されている、請求項1に記載の容器。