(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165383
(43)【公開日】2023-11-15
(54)【発明の名称】機械学習モデルのためのデータ・セット生成及び拡張
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20231108BHJP
G06V 10/774 20220101ALI20231108BHJP
G06N 20/00 20190101ALI20231108BHJP
G06N 3/02 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
G06T7/00 350B
G06T7/00 660A
G06V10/774
G06N20/00
G06N3/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022090040
(22)【出願日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】17/661,706
(32)【優先日】2022-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TENSORFLOW
2.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】501450960
【氏名又は名称】エヌビディア コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユジュオ レン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイリー、ニー
(72)【発明者】
【氏名】アラシュ ヴァーダット
(72)【発明者】
【氏名】アニマシュリー アナンドクマール
(72)【発明者】
【氏名】ニシャント プーリ
(72)【発明者】
【氏名】ニランジャン、アヴァダーナム
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096CA02
5L096DA02
5L096GA34
5L096HA11
5L096KA04
(57)【要約】
【課題】機械学習モデルのためのデータ・セットの属性制御可能な生成を提供する。
【解決手段】機械学習モデル(MLM)が、トレーニング及び評価され得る。属性ベースのパフォーマンス・メトリックが、それぞれがサンプル内に存在するときにMLMが閾値未満で実行している属性を識別するために分析され得る。生成ニューラル・ネットワーク(GNN)が、属性の合成を含むサンプルを生成するために使用され得、サンプルが、MLMをトレーニングするために使用されるデータを拡張するために使用され得る。これは、1つ又は複数の基準が満たされるまで、繰り返され得る。様々な実例において、データ・セットのサンプルを形成し得る、ビデオのフレームなどのデータ項目の経時的シーケンスが、生成され得る。属性値のセットが、データ・セットにおいて表されることになる1つ又は複数の経時的シナリオに基づいて、決定され得、1つ又は複数のGNNが、属性値に対応する情報を描写するためのシーケンスを生成するために使用され得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの機械学習モデル(MLM)に適用される1つ又は複数のデータ・サンプルの1つ又は複数の属性を評価するステップと、
前記評価することに少なくとも基づいて前記1つ又は複数の属性のうちの少なくとも1つの属性の少なくとも1つの値を識別するステップと、
少なくとも1つの入力を1つ又は複数の生成MLMに適用して、前記少なくとも1つの値に対応する1つ又は複数の追加のデータ・サンプルを生成するステップと、
前記1つ又は複数の追加のデータ・サンプルを使用して前記少なくとも1つのMLMをトレーニングするステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記1つ又は複数の生成MLMが、前記1つ又は複数の属性の複数の属性の合成として前記1つ又は複数のサンプルを生成する合成的ジェネレータを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つ又は複数の属性を前記評価するステップが、前記少なくとも1つの属性についての前記少なくとも1つのMLMの推論精度に対応する少なくとも1つのパフォーマンス・メトリックを使用して前記1つ又は複数の属性を評価するステップを含み、前記識別するステップが、前記推論精度が閾値精度レベル未満であることに少なくとも基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの属性の前記少なくとも1つの値が、属性の第1のセットの1つ又は複数の値であり、前記評価するステップが、前記属性の第2のセットの1つ又は複数の値に対する前記第1のセットの1つ又は複数の値の前記少なくとも1つのMLMの推論精度に対応する少なくとも1つのパフォーマンス・メトリックを使用して前記1つ又は複数の属性を評価するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記1つ又は複数のデータ・サンプル及び前記1つ又は複数の追加のデータ・サンプルが、1つ又は複数の物体を描写する画像を含み、前記1つ又は複数の属性が、前記1つ又は複数の物体の属性である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記評価するステップが、複数の前記1つ又は複数のデータ・サンプルにわたる前記少なくとも1つの属性の1つ又は複数の値によって表される経時的パターンの前記少なくとも1つのMLMの推論精度に対応する少なくとも1つのパフォーマンス・メトリックを使用して前記1つ又は複数の属性を評価するステップを含み、少なくとも1つの属性の前記少なくとも1つの値が、前記経時的パターンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記経時的パターンが、前記少なくとも1つの属性の前記値を使用して表される1つ又は複数のイベントの頻度、振幅、速度、又は持続期間のうちの1つ又は複数に対応する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの属性が、
人の年齢、前記人の民族性、前記人の髪の長さ、前記人の頭部の位置、前記人が眼鏡をかけているかどうか、前記人がひげを生やしているかどうか、前記人の感情、前記人の瞬目率、前記人のまぶたの開きの程度、前記人のアイ・メイク、前記人のまばたきの振幅、前記人のまばたきの持続期間、前記人の顔のパターン、前記人がマスクをしているかどうか、前記人の照明条件、前記人の顔の表情、前記人が前記1つ若しくは複数の画像において強調されているかどうか、前記人の背景が前記1つ若しくは複数の画像において強調されているかどうか、又は前記人の前景が前記1つ若しくは複数の画像において強調されているかどうか
のうちの1つ又は複数を、前記1つ又は複数の画像において描写された前記人について、定義する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ又は複数の生成MLMが、無条件の生成モデルを含み、前記少なくとも1つの入力が、前記少なくとも1つの属性の第1の属性の意味論を定義する第1のエネルギ関数及び前記少なくとも1つの属性の第2の属性の意味論を定義する第2のエネルギ関数を使用して前記1つ又は複数のサンプルを生成する際に前記無条件の生成モデルを導く、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つの機械学習モデル(MLM)に適用された第1の1つ又は複数の画像において描写された1つ又は複数の物体の1つ又は複数の属性に対応する1つ又は複数のパフォーマンス・メトリック値を生成することと、
前記パフォーマンス・メトリック値の前記1つ又は複数を使用して、前記少なくとも1つのMLMのパフォーマンスが前記1つ又は複数の属性のうちの少なくとも1つの属性の少なくとも1つの値の1つ又は複数の閾値未満であると判定することと、
前記パフォーマンスが前記少なくとも1つの値の前記1つ又は複数の閾値未満であることに少なくとも基づいて、前記少なくとも1つの値を有する前記少なくとも1つの属性を描写する第2の1つ又は複数の画像を生成するために少なくとも1つの入力を1つ又は複数の生成MLMに適用することと、
少なくとも前記第2の1つ又は複数の画像を使用して前記少なくとも1つのMLMの少なくとも1つのパラメータを更新することと
を含む動作を実行するための1つ又は複数の処理ユニット
を備える、システム。
【請求項11】
前記1つ又は複数の生成MLMが、前記1つ又は複数の属性の複数の属性の合成として前記第2の1つ又は複数の画像のそれぞれを生成する合成的ジェネレータを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの属性の前記少なくとも1つの値が、属性の第1のセットの1つ又は複数の値であり、前記少なくとも1つのパフォーマンス・メトリックが、前記属性の第2のセットの1つ又は複数の値に対する前記第1のセットの1つ又は複数の値の前記少なくとも1つのMLMの推論精度に対応する、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つのパフォーマンス・メトリックが、前記第1の1つ又は複数の画像の複数の画像にわたる前記少なくとも1つの属性の値によって表される経時的パターンの前記少なくとも1つのMLMの推論精度に対応し、少なくとも1つの属性の前記少なくとも1つの値が、前記経時的パターンを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記経時的パターンが、前記少なくとも1つの属性の前記値を使用して表された1つ又は複数のイベントの頻度、振幅、速度、又は持続期間のうちの1つ又は複数に対応する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記システムが、
自律若しくは半自律マシンのための制御システム、
自律若しくは半自律マシンのための認知システム、
シミュレーション動作を実行するためのシステム、
デジタル・ツイン動作を実行するためのシステム、
深層学習動作を実行するためのシステム、
エッジ・デバイスを使用して実装されるシステム、
ロボットを使用して実装されるシステム、
1つ若しくは複数の仮想マシン(VM)を組み込むシステム、
データ・センタに少なくとも部分的に実装されるシステム、
3次元(3D)コンテンツのための共同作成プラットフォームを含むシステム、又は、
クラウドの計算資源を使用して少なくとも部分的に実装されるシステム
のうちの少なくとも1つに含まれる、請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
少なくとも1つの属性の少なくとも1つの値をキャプチャする入力データの生成を制御し、前記少なくとも1つのMLMのパフォーマンスが前記少なくとも1つの属性の1つ又は複数の精度閾値未満であると判定することに少なくとも基づいて前記入力データを使用して少なくとも1つのMLMをトレーニングするために、1つ又は複数の生成ニューラル・ネットワークを使用するための1つ又は複数の回路
を備える、プロセッサ。
【請求項17】
前記1つ又は複数の回路が、前記1つ又は複数の属性の複数の属性の合成として前記入力データのサンプルを生成する合成的ジェネレータに前記少なくとも1つの値に対応する1つ又は複数の入力を適用することに少なくとも基づいて前記入力データを生成する、請求項16に記載のプロセッサ。
【請求項18】
前記少なくとも1つの属性の前記少なくとも1つの値が、属性の第1のセットの1つ又は複数の値であり、前記パフォーマンスが、前記属性の第2のセットの1つ又は複数の値に対する前記第1のセットの1つ又は複数の値の前記少なくとも1つのMLMの推論精度に対応する、請求項16に記載のプロセッサ。
【請求項19】
前記パフォーマンス・メトリックが、複数のサンプルにわたる前記少なくとも1つの属性の値によって表される経時的パターンの前記少なくとも1つのMLMの推論精度に対応し、少なくとも1つの属性の前記少なくとも1つの値が、前記経時的パターンを含む、請求項16に記載のプロセッサ。
【請求項20】
前記プロセッサが、
自律若しくは半自律マシンのための制御システム、
自律若しくは半自律マシンのための認知システム、
シミュレーション動作を実行するためのシステム、
デジタル・ツイン動作を実行するためのシステム、
深層学習動作を実行するためのシステム、
エッジ・デバイスを使用して実装されるシステム、
ロボットを使用して実装されるシステム、
1つ若しくは複数の仮想マシン(VM)を組み込むシステム、
データ・センタに少なくとも部分的に実装されるシステム、
3次元(3D)コンテンツのための共同作成プラットフォームを含むシステム、又は、
クラウドの計算資源を使用して少なくとも部分的に実装されるシステム
のうちの少なくとも1つに含まれる、請求項16に記載のプロセッサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、機械学習モデルのためのデータ・セットの生成及び拡張を提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
機械学習モデル(MLM)、たとえば、ディープ・ニューラル・ネットワーク(DNN)のパフォーマンスは、MLMのアーキテクチャ又はMLMをトレーニングするために使用されるデータを修正することを通して改善され得る。既存の解決法では、より多くのデータを収集することによって、MLMをトレーニングするために使用されるデータを改善しようと試みる。しかしながら、現実世界のデータを収集することは、数え切れない人的及び計算資源を必要とする、骨の折れる、費用と時間のかかるタスクである。大量のデータを収集することができても、堅固な及び一般化されたモデルを製作するためにキャプチャされるべきある特定のシナリオは、めったになく、低いパーセンテージのデータを構成し得る。したがって、MLMは、これらの少数しか存在しないシナリオではまだ十分に機能しないことがある。
【0003】
データ拡張技法は、MLMをトレーニングするために収集される必要がある現実世界のデータの量を減らすために、実行され得る。既存のデータ拡張技法は、画像の回転、反転、クロップ、又は既存のデータを他の方法で修正することを含む。これらの手法は、トレーニングされたMLMによってこれらの変更形態が観測されるとき、MLM精度を改善することができる。しかしながら、これらの手法は、少数しか存在しないシナリオに関連する精度問題に対処できないことがある。たとえば、トレーニング・データ・セット内のデータ(たとえば、顔)が十分に変化に富んでいない場合、又はある特定の特性がトレーニング・データ・セットにおいて過剰提示若しくは過少提示される場合、顔検出ネットワークは、より低い精度を有し得る。したがって、より多くのデータが、従来のデータ収集及び拡張技法を使用して取得され得るが、既存の解決法は、特定のタイプのどのくらいのデータが堅固な及び一般化されたモデルを得るために必要とされるかを説明することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願第16/101,232号
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施形態は、機械学習モデルのためのデータ・セットの属性制御可能な生成に関する。実施形態において、生成ニューラル・ネットワーク(GNN:generative neural network)が、トレーニング、検証、及び/又は試験データの属性の分布に少なくとも基づいて1つ又は複数の属性を有する少なくとも1つのクラスのサンプルを生成するために使用され得る。
【0006】
前述のものなどの従来の手法とは対照的に、開示される手法は、どのようなタイプのデータが及びどのくらいの特定のタイプのデータがMLMのトレーニング、検証、及び/又は試験に必要とされるかを決定するための技法を提供する。本開示による実施形態において、MLMは、トレーニング及び評価され得、並びに1つ又は複数の属性ベースのパフォーマンス・メトリックが、MLMが絶対的及び/又は相対的なパフォーマンス閾値未満で実行している1つ又は複数の属性及び/又は属性の組合せを識別するために、分析され得る。GNNは、複数の属性の合成を含む1つ又は複数のサンプルを有する追加のトレーニング・データを生成するために使用され得、新しく生成されたトレーニング・データは、MLMをトレーニングするために使用されるデータ・セットにおいて既存のデータを拡張するために使用され得る。少なくとも1つの実施形態において、このプロセスは、1つ又は複数の基準が満たされるまで、繰り返され得る。本開示の態様はまた、データ・セットにおいて表されることになる少なくとも1つのクラスに関連する特定の属性(たとえば、属性のリスト、属性のインジケータなど)に少なくとも基づいてMLMのためのデータ・セットを生成することを実現する。本開示はさらに、データ・セットの1つ又は複数のサンプルを形成し得る、ビデオのフレームなどのデータ項目の経時的シーケンスを生成することを実現する。属性値のセットが、データ・セットにおいて表されることになる1つ又は複数の経時的シナリオに少なくとも基づいて、決定され得、1つ又は複数のGNNが、属性値に対応する情報を描写するためのシーケンスを生成するために使用され得る。
【0007】
機械学習モデルのためのデータ・セットの属性制御可能な生成のための本システム及び方法について、添付の図面を参照して、以下に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態による、1つ又は複数のデータ・セットの属性制御可能な生成を使用して1つ又は複数の機械学習モデルを評価するために使用され得る例示的プロセスの図示である。
【
図2】本開示のいくつかの実施形態による、1つ又は複数の属性に基づいて1つ又は複数の機械学習モデルのデータを制御可能に生成するために実行され得る例示的プロセスの図示である。
【
図3】本開示のいくつかの実施形態による、1つ又は複数の機械学習モデルの1つ又は複数の属性の1つ又は複数のパフォーマンス・メトリックを評価することに少なくとも基づいて1つ又は複数のサンプルを制御可能に生成するための方法を示すフロー図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態による、1つ又は複数のパフォーマンス・メトリック値を使用して1つ又は複数の属性の1つ又は複数のサンプルを制御可能に生成するための方法を示すフロー図である。
【
図5】本開示のいくつかの実施形態による、1つ又は複数の属性の経時的パターンに基づいて1つ又は複数の機械学習モデルのデータを制御可能に生成するために実行され得る例示的プロセスの図示である。
【
図6】本開示のいくつかの実施形態による、経時的シナリオの少なくとも一部をキャプチャするために生成され得るフレームの一実例の図示である。
【
図7】本開示のいくつかの実施形態による、1つ又は複数の経時的パターンが参照データ・セットからどのように抽出され得るかの実例を説明するために使用される図示である。
【
図8】本開示のいくつかの実施形態による、1つ又は複数の経時的パターンを1つ又は複数の経時的シナリオと関連付けることに少なくとも基づく1つ又は複数のサンプルを制御可能に生成するための方法を示すフロー図である。
【
図9】本開示のいくつかの実施形態による、1つ又は複数のデータ・セットの属性制御可能な生成のために使用され得る例示的プロセスの図示である。
【
図10】本開示のいくつかの実施形態による、入力データを分析することに少なくとも基づく1つ又は複数のサンプルを制御可能に生成するための方法を示すフロー図である。
【
図11A】本開示のいくつかの実施形態による、例示的自律型車両の図示である。
【
図11B】本開示のいくつかの実施形態による、
図11Aの例示的自律型車両のカメラ位置及び視野の実例である。
【
図11C】本開示のいくつかの実施形態による、
図11Aの例示的自律型車両の例示的システム・アーキテクチャのブロック図である。
【
図11D】本開示のいくつかの実施形態による、クラウドベースのサーバと
図11Aの例示的自律型車両との間の通信のシステム図である。
【
図12】本開示のいくつかの実施形態の実装において使用するのに適した例示的コンピューティングデバイスのブロック図である。
【
図13】本開示のいくつかの実施形態の実装において使用するのに適した例示的データ・センタのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
トレーニング、検証、及び試験機械学習モデルのためのデータの属性制御可能な生成に関して、システム及び方法が、開示される。本開示は、例示的自律型車両1100(或いは本明細書で「車両1100」又は「エゴ車両1100」とも称され、その実例が
図11A~11Dに関して説明される)に関して説明されることがあるが、これは限定を意図していない。たとえば、本明細書に記載のシステム及び方法は、非自律型車両、半自律型車両(たとえば、1つ又は複数の適応型運転者支援システム(ADAS:adaptive driver assistance system)における)、有人及び無人ロボット若しくはロボティクス・プラットフォーム、倉庫車両、オフロード車両、1つ若しくは複数のトレーラに連結された車両、飛行船舶、ボート、シャトル、緊急対応車両、オートバイ、電動若しくは原動機付自転車、航空機、建設車両、潜水艦、ドローン、並びに/又は、他の車両タイプによって使用されてもよいが、これらに限定されない。加えて、本開示は、顔識別、顔検出、顔のランドマーク検出、目に基づいた眠気検出、及び/又は目の開閉検出若しくは分類に関して説明されることがあるが、これは限定を意図しておらず、本明細書に記載のシステム及び方法は、拡張現実、仮想現実、複合現実、ロボット工学、セキュリティ及び監視、シミュレーション及びデジタル・ツイン、自律若しくは半自律マシン・アプリケーション、並びに/又は機械学習モデルが使用され得る任意の他の技術空間において使用され得る。
【0010】
実施形態において、生成ニューラル・ネットワーク(GNN)、たとえば、敵対的生成ネットワーク(GAN:generative adversarial network)がトレーニング、検証、及び/又は試験データの属性の分布に少なくとも基づいて1つ又は複数の属性を有する少なくとも1つのクラスのサンプルを生成するために使用され得る。
【0011】
前述のものなどの従来の手法とは対照的に、開示される手法は、どのようなタイプのデータが及びどのくらいの特定のタイプのデータがMLMをトレーニング、検証、及び/又は試験するために必要とされるかを決定するための技法を提供する。少なくとも1つの実施形態において、MLMは、トレーニング・データ・セットを使用してトレーニングされ、評価され得る。MLMの全体的なパフォーマンスを評価するのではなくて、MLMのパフォーマンスは、特定の属性及び/又は属性の組合せに関してMLMパフォーマンスを数値化する1つ又は複数のキー・パフォーマンス・インジケータ(KPI:key performance indicator)を使用して、評価され得る。属性ベースのKPIは、MLMが絶対的及び/又は相対的なパフォーマンス閾値(たとえば、推論の精度閾値)未満で実行している、1つ又は複数の属性及び/又は属性の組合せを識別するために分析され得る。GNNは、識別された属性に対応する追加のトレーニング・データを生成するために使用され得る。たとえば、GNNは、各サンプルが複数の属性の合成を含み得る、1つ又は複数のサンプルを生成し得る。トレーニング・データは、MLMをトレーニングする際にトレーニング・データ・セットを拡張するために使用され得る。少なくとも1つの実施形態において、このプロセスは、KPIが、MLMが各属性及び/又は属性の組合せのパフォーマンス閾値以上で実行していることを示すなど、1つ又は複数の基準が満たされるまで、繰り返され得る。
【0012】
非限定的実例として、1つ又は複数の属性は、1つ又は複数の画像において描写された人の1つ又は複数の部分、たとえば、その人の年齢、その人の髪の長さ、その人の頭部の位置、その人が眼鏡をかけているかどうか、その人がひげを生やしているかどうか、その人の感情、その人の瞬目率、その人の瞼開度、その人のアイ・メイク、その人のまばたきの振幅、その人のまばたきの持続期間、その人の顔のパターン、その人がマスクをしているかどうか、その人の照明条件、又はその人の顔の表情を定義する1つ又は複数の属性、に関し得る。属性の他の実例には、物体背景及び/又は前景強調(たとえば、視覚的強調及び/又は焦点)が含まれる。
【0013】
1つ又は複数の画像において描写された人並びに/又は他の物体の内容及び/若しくは部分は、アプリケーションに応じて変化し得る。たとえば、顔識別、顔検出又は顔のランドマーク検出のためにMLMをトレーニングするために、GNNによって生成され得る(又はGNNによって生成されたより大きい画像からクロップされ得る)、全体の顔画像が使用され得る。目に基づいた眠気検出又は目の開閉検出のためにMLMをトレーニングするために、目クロップ領域が、GNNによって生成され得る(又は、GNNによって生成されたより大きい画像からクロップされ得る)。これらのMLMの出力は、車両、たとえば車両1100、の1つ又は複数の動作(たとえば、運転者注意モニタリング、乗客プロファイル/アカウント管理など)を制御するために有用であり得るが、遥かに広い適応性を有する。
【0014】
本開示の態様はまた、MLMがトレーニングされた(たとえば、MLMをトレーニングするために使用されたトレーニング・データ・セットを拡張することを超えて)かどうかにかかわらず、MLMのためのデータ・セットを生成することを実現し得る。たとえば、初期トレーニング・データ・セットのうちの少なくともいくらかは、データ・セットにおいて表されることになる少なくとも1つのクラスに関連する特定の属性に少なくとも基づいて、生成され得る。追加で又は別法として、検証及び/又は試験データ・セットのうちの少なくともいくらかは、データ・セットにおいて表されることになる少なくとも1つのクラスに関連する特定の属性に少なくとも基づいて、生成され得る。
【0015】
1つ又は複数の実施形態において、GNNは、1セットの属性に少なくとも基づいてトレーニング、検証、及び/又は試験データ・セットの1つ又は複数の部分を生成するために使用され得る。たとえば、GNNは、トレーニング、検証、若しくは試験データ・セット及び/又はそれらのデータ・セットのうちの1つ又は複数がそこから形成される全体的データ・セットの望ましい属性及び/又は属性の組合せの分布に従ってトレーニング・データ・セットを生成するために使用され得る。そのような分布の一実例には属性及び/又は属性の組合せの均一な分布が含まれる。そのような手法を使用して、データ・セットは、属性に関連する特定のシナリオ向けにカスタマイズされ得る。
【0016】
開示される手法は、トレーニング、検証、及び/又は試験のために使用されるデータ・セットにおいて属性及び/又は属性の組合せの分布を定義及び/又は変更するために使用され得る。限定ではなく実例として、データの少なくとも80%は、トレーニング(たとえば、95%)のために予約され得、任意の残りのデータは、検証及び/又は試験のために使用され得る(たとえば、5%)。検証及び/又は試験データ・セットは、それらのシナリオの十分な試験データを含むように、少数しか存在しない属性及び/又はその組合せに対応する追加の1つ又は複数のサンプルを含むようにGNNを使用して拡張され得る。
【0017】
本開示はさらに、トレーニング、検証、及び/又は試験データ・セットの1つ又は複数のサンプルを形成し得るビデオのフレームなどのデータ項目の経時的シーケンスを生成することを実現する。少なくとも1つの実施形態において、フレームのシーケンスのフレーム(又はより一般的にはサンプル)は、フレーム内で描写される(又はより一般的にはサンプルによって表される若しくは実施される)ことになる1つ又は複数の属性値の割り当てられたセットでもよい。属性値のセットは、1つ又は複数の属性値を使用して表されることになる1つ又は複数の経時的シナリオに少なくとも基づいて、決定され得る。たとえば、経時的シナリオが、フレームの属性値にマップされ得、1つ又は複数のGNNが、フレームを生成して属性値に対応する視覚的情報を描写するために、使用され得る。経時的シナリオの非限定的実例には、1つ若しくは複数の瞬目パターン(たとえば、まばたきの頻度、振幅、速度、持続期間など)、1つ若しくは複数の顔のパターン(たとえば、あくびをしている、あくびをしていないなど)、及び/又は1つ若しくは複数の頭部位置(たとえば、うたた寝、警戒など)を含むシナリオが含まれる。
【0018】
少なくとも1つの実施形態において、経時的シナリオは、生成されたサンプルに少なくとも基づいてMLMによって行われることになる1つ又は複数のグラウンド・トゥルース推論に対応し得る。限定ではなく実例として、MLMが、眠気レベルを推論することになる場合、眠気レベルは、1つ又は複数の属性値のセットにマップされ得る。様々な手法が、1つ又は複数のグラウンド・トゥルース推論に基づいて1つ又は複数の属性の経時的パターンを判定するために使用され得る。たとえば、属性及び/又は属性の組合せの経時的パターンは、現実世界の対応する経時的パターン、又は1つ若しくは複数のグラウンド・トゥルース推論に対応する観測データを分析すること及び/又は識別することに少なくとも基づいて、判定され得る。
【0019】
本明細書に記載のシステム及び方法は、非自律型車両、半自律型車両(たとえば、1つ又は複数の適応型運転者支援システム(ADAS:adaptive driver assistance system)における)、有人及び無人ロボット若しくはロボティクス・プラットフォーム、倉庫車両、オフロード車両、1つ若しくは複数のトレーラに連結された車両、飛行船舶、ボート、シャトル、緊急対応車両、オートバイ、電動若しくは原動機付自転車、航空機、建設車両、潜水艦、ドローン、及び/又は、他の車両タイプによって使用されてもよいが、これらに限定されない。さらに、本明細書に記載のシステム及び方法は、様々な目的のために、限定ではなく実例として、マシン制御、マシン移動、マシン運転、合成データ生成、モデル・トレーニング、認知、拡張現実、仮想現実、複合現実、ロボット工学、セキュリティ及び監視、自律又は半自律マシン・アプリケーション、深層学習、環境シミュレーション、物体若しくは行為者シミュレーション及び/若しくはデジタル・ツイン、データ・センタ処理、対話型AI、光輸送シミュレーション(たとえば、レイトレーシング、進路トレーシングなど)、3D資産の共同コンテンツ作成、クラウド・コンピューティング並びに/又は任意の他の適切なアプリケーションのために、使用され得る。
【0020】
開示される実施形態は、自動車システム(たとえば、自律又は半自律マシンの制御システム、自律又は半自律マシンの認知システム)、ロボットを使用して実装されるシステム、航空システム、医療システム、船舶システム、スマート・エリア・モニタリング・システム、深層学習動作を実行するためのシステム、シミュレーション動作を実行するためのシステム、デジタル・ツイン動作を実行するためのシステム、エッジ・デバイスを使用して実装されるシステム、1つ若しくは複数の仮想マシン(VM)を組み込むシステム、合成データ生成動作を実行するためのシステム、データ・センタにおいて少なくとも部分的に実装されるシステム、対話型AI動作を実行するためのシステム、光輸送シミュレーションを実行するためのシステム、3D資産の共同コンテンツ作成を実行するためのシステム、クラウドの計算資源を少なくとも部分的に使用して実装されるシステム、及び/又は他のタイプのシステムなどの様々な異なるシステムに含まれ得る。
【0021】
図1を参照すると、
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、1つ又は複数のデータ・セットの属性制御可能な生成を用いて1つ又は複数の機械学習モデルを評価するために使用され得る例示的プロセス100の図示である。様々な構成要素は、本明細書の
図1及び他の図に示されている。本明細書に記載のこの構成及び他の構成は単なる実例として記載されていることを理解されたい。他の構成及び要素(たとえば、マシン、インターフェース、機能、順番、機能のグループ化など)が、図示されたものに加えて又はそれらの代わりに使用されてもよく、いくつかの要素は、ともに除外されてもよい。さらに、本明細書に記載の要素の多数は、離散された若しくは分散された構成要素として又は他の構成要素と併せて、並びに任意の適切な組合せ及び場所において実装され得る機能エンティティである。エンティティによって実行されるものとして本明細書に記載された様々な機能は、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアによって実施され得る。たとえば、様々な機能が、メモリに記憶された命令を実行するプロセッサによって実施され得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載のシステム、方法、及びプロセスは、
図11A~11Dの例示的自律型車両1100、
図12の例示的計算デバイス1200、及び/又は
図13の例示的データ・センタ1300のそれらに類似の構成要素、特徴、及び/又は機能性を使用して実行され得る。
【0022】
図1は、1つ又は複数の機械学習モデル(MLM)104、出力分析器108、データ・セット判定器112、1つ又は複数の生成MLM116、及びMLMトレーナ120を含み得る、システムの構成要素を示す。
【0023】
高いレベルにおいて、プロセス100は、MLM104が1つ又は複数の入力、たとえば、データ・セット122(たとえば、トレーニング・データ・セット)の1つ又は複数のサンプル、を受信することと1つ又は複数の出力、たとえば、1つ又は複数の入力からの出力データ124(たとえば、テンソル・データ)、を生成することとを含み得る。
図1に示すように、データ・セット122は、MLMトレーナ120によってMLM104に適用されてもよい。しかしながら、データ・セット122は、異なるMLMトレーナによってMLM104に適用されてもよい。プロセス100はまた、出力分析器108が1つ又は複数の入力、たとえば、出力データ124、を受信することと1つ又は複数の出力、たとえば、1つ又は複数の入力からのパフォーマンス・データ128(たとえば、少なくとも1つの属性の1つ又は複数のパフォーマンス・メトリックを表す)、を生成することとを含み得る。データ・セット判定器112は、1つ又は複数の入力、たとえば、パフォーマンス・データ128、を受信し、1つ又は複数の出力、たとえば、1つ又は複数の入力からの制御データ130(たとえば、少なくとも1つの属性の少なくとも1つの値に対応する少なくとも1つの入力)、を生成し得る。生成MLM116は、1つ又は複数の入力、たとえば、制御データ130、を受信し、1つ又は複数の出力、たとえば、1つ又は複数の入力からの生成されたデータ・セット132、を生成し得る。プロセス100は、任意の数の反復を繰り返し得る。その後の反復について、MLMトレーナ120は、1つ又は複数の前の反復から生成されたデータ・セット132の少なくとも一部をMLM104に適用してMLM104をトレーニングする及び/又は精緻化することができる。少なくとも1つの実施形態において、データ・セット判定器112は、MLM104のパフォーマンスが十分であること及び/又は生成されたデータ・セット132を生成することなしに他の方法でプロセス100を終了することをプロセス100の任意のインスタンスにおいて判定し得る。MLM104は、その判定に少なくとも基づいて、追加の検証、試験、及び/若しくは適応に配備されることができ、並びに/又はそれを受けることができる。
【0024】
MLM104及び本明細書に記載の他のMLMは、任意のタイプの機械学習モデル、たとえば、線形回帰、ロジスティック回帰、決定木、サポート・ベクトル・マシン(SVM)、ナイーブ・ベイズ、k最近傍(Knn:k-nearest neighbor)、K平均法クラスタリング、ランダム・フォレスト、次元縮退アルゴリズム、勾配ブースティング・アルゴリズム、ニューラル・ネットワーク(たとえば、オートエンコーダ、畳み込み、再発、パーセプトロン、長/短期メモリ(LSTM)、ホップフィールド、ボルツマン、深層信念、デコンボリューション、敵対的生成、液体状態マシンなど)を使用する機械学習モデル、及び/又は他のタイプの機械学習モデル、を含み得る。様々な実例において、MLMは、1つ又は複数の畳み込みニューラル・ネットワークを含み得る。
【0025】
限定ではなく実例として、MLM104は、1つ又は複数の顔検出ネットワーク、顔識別ネットワーク、顔のランドマーク検出ネットワーク、目の開閉分類ネットワーク、感情分類ネットワーク、及び/又は眠気検出ネットワークを含み得る。たとえば、MLM104は、顔識別、顔検出、顔のランドマーク検出、目に基づいた眠気検出、及び/又は目の開閉検出若しくは分類のために、MLMトレーナ120を少なくとも部分的に使用して、トレーニングされ得る。
【0026】
データ・セット122は、トレーニング、検証、又は試験データを含み得る。たとえば、データ・セット122は、MLM104をトレーニングするために、MLM104を検証するために、又はMLM104を試験するためにMLMトレーナ120によって使用され得る。同様に、プロセス100の1つ又は複数の反復から生成されたデータ・セット132は、MLM104をトレーニングするために、MLM104を検証するために、又はMLM104及び/若しくは1つ或いは複数の他のMLMを試験するために、MLMトレーナ120によって使用され得る。生成されたデータ・セット132は、プロセスの次の反復において適用され得、より一般的には、生成されたデータ・セット132からの1つ若しくは複数のサンプルが、MLM104に適用され得、及び/又はMLM104に適用された1つ若しくは複数のサンプルを生成するために使用され得る。少なくとも1つの実施形態において、生成されたデータ・セット132からの1つ又は複数のサンプルが、データ・セット122及び/又は前にMLM104をトレーニングするために使用されたデータ・セットの1つ又は複数のサンプルを拡張するためにMLMトレーナ120によって使用されてもよい。たとえば、MLMトレーナ120は、生成されたデータ・セット132からのサンプル及び前にMLM104をトレーニングするために使用されたデータ・セットからのサンプルを含む拡張されたデータ・セットを使用してMLM104を再トレーニングする(又は異なるMLMをトレーニングする)ことができ、或いは、生成されたデータ・セット132からのサンプルを使用して、トレーニングされたMLM104を精緻化することができる。
【0027】
生成されたデータ・セット132のそのような適用は、プロセス100の反復にわたって周期的に、連続して、順次に、又は任意の適切な規則性で生じ得る。1つ又は複数の実施形態において、データ・セット122は、トレーニング、検証、及び/又は試験のためのMLM104及び/若しくは1つ或いは複数の他のMLMから選択され得る、並びに/又はそれらへの適用のために結合され得る、生成されたデータ・セット132の複数のインスタンスへのプロセス100のいくつかの反復にわたりMLM104に適用され得る。
【0028】
1つ又は複数の実施形態において、データ・セット122及び/又は生成されたデータ・セット132は、プロセス100においてMLMトレーナ120によってMLM104に適用される1つ又は複数のサンプルを定義し得る。サンプルは、1つ又は複数の属性を有する少なくとも1つのクラス(たとえば、MLM104の出力クラス)に対応し得る。顔の画像(たとえば、写真又はレンダリング)に関する推論を生成するために使用されている機械学習モデルの属性の実例には、限定ではなく実例として、年齢、民族性、長い/短い髪、髪の長さ、目の開閉、目の開き具合、眼鏡がある/ない、ひげがある/ない、頭部(又は他の体の部位)又は体の方向又はポーズ、照明条件(たとえば、陰になった、明るい、照明色、照明量など)、感情(たとえば、嬉しい、悲しい、ニュートラル(neutral)など)、アイ・メイクの存在及び/又はタイプ、及び/又は眠気レベルが含まれ得る。
【0029】
出力分析器108は、出力データ124を使用してパフォーマンス・データ128を生成するように構成され得る。出力データ124は、MLM104からの1つ又は複数の出力を表し得る。少なくとも1つの実施形態において、出力データ124は、MLM104からのテンソル・データの少なくとも一部を含み得る。出力分析器108は、出力データ124を分析することに少なくとも基づいて、パフォーマンス・データ128を生成し得る。出力データ124の分析は、様々な手法を使用して実行され得る。少なくとも1つの実施形態において、出力分析器108は、たとえば、MLM104の1つ又は複数の推論された又は予測された出力(たとえば、MLM104が推論するようにトレーニングされた又はトレーニングされている、1つ又は複数の出力)を決定するために、出力データ124のうちの少なくともいくらかを後処理することができる。出力分析器108は、後処理されたデータを分析してパフォーマンス・データ128を判定することができる。追加で又は別法として、出力分析器108は、出力データ124に少なくとも部分的に基づいてパフォーマンス・データ128を予測するようにトレーニングされた1つ又は複数のMLMを使用して出力データ124の1つ又は複数の部分を分析することができる。
【0030】
少なくとも1つの実施形態において、出力分析器108は、出力データ124の分析に少なくとも基づいて、パフォーマンス・データ128の少なくとも一部によって表される1つ又は複数のパフォーマンス・メトリックを決定及び/又は生成することができる。出力分析器108を使用して決定されたパフォーマンス・メトリックは、出力データ124を生成するためにMLM104に適用されるサンプルの1つ又は複数の属性についてでもよく、サンプルのうちの少なくとも1つに対応してもよい。たとえば、MLM104の全体的パフォーマンスを評価するのではなくて、出力分析器108は、特定の属性及び/又は属性の組合せの1つ又は複数の値に関してMLM104のパフォーマンスを数値化する及び/又はこれに対応する、1つ又は複数のキー・パフォーマンス・インジケータ(KPI)を使用してMLM104のパフォーマンスを評価することができる。たとえば、顔検出ネットワークについて、KPIは、入力サンプルがマスクなしの人対マスクありの人(たとえば、存在する又は存在しないを表す値を有する第1の属性)、及び/又は短いひげを有する対長いひげを有する(たとえば、1つ又は複数のひげの長さを表す値を有する第2の属性)を描写したとき、顔は存在したとMLM104がどのくらい正確に予測したかに対応することができる。
【0031】
少なくとも1つの実施形態において、出力分析器108は、サンプルのグラウンド・トゥルース予測を使用してサンプルを評価して、MLM104が1つ又は複数の対応するサンプルに関して正確な予測を行ったか不正確な予測を行ったかを示す1つ又は複数のパフォーマンス・メトリックを決定することができる。少なくとも1つの実施形態において、出力分析器108は、サンプルのグラウンド・トゥルース予測を使用してサンプルを評価して、MLM104によって行われた予測が1つ又は複数の対応するサンプルの1つ又は複数のグラウンド・トゥルース予測にどのくらい近いかを示す1つ又は複数のパフォーマンス・メトリックを決定することができる。1つ又は複数のパフォーマンス・メトリックは、本明細書に記載のように、1つ又は複数の属性に対応し得る。たとえば、1つ又は複数の属性の1つ又は複数の値が、パフォーマンス・メトリックに対応する1つ又は複数のサンプルによって実施されると決定される及び/又は決定されたとき、1つ又は複数の属性のパフォーマンス・メトリックは、パフォーマンスを説明することができる。
【0032】
少なくとも1つの実施形態において、出力分析器108は、1つ又は複数のサンプルは1つ又は複数の属性及び/又はその値を表すことを示し得る、1つ又は複数のサンプルの属性ラベルを使用することができる。たとえば、各サンプルは、サンプルによって実施される又はサンプルに関連すると判定された1つ又は複数の属性及び/又は属性値でラベル付けされ得る。出力分析器108は、属性に対応する属性ラベルを有するサンプルを使用して、その属性に少なくとも部分的に基づくパフォーマンス・メトリックを計算することができる。属性ラベルのうちの1つ又は複数は、人のラベル付け及び/又はマシンのラベル付けを使用して(たとえば、1つ又は複数の属性及び/又はその値を予測するために1つ又は複数のMLMを使用して)サンプルのうちの1つ又は複数に割り当てられ得る。
【0033】
様々なタイプのパフォーマンス・メトリックが、使用され得る。非限定的実例には、平均二乗誤差(MSE:mean squared error)、正規化されたMSE、ルートMSE、Rの二乗、真陽性率、偽陽性率、Fスコア又はF値、精度、適合率(precision)、再現性(recall)、和集合に関する共通部分又はジャッカード係数、平均パーセンテージ・エラー、エラー率などに少なくとも基づくものが含まれる。単純な実例として、属性の50%のパフォーマンス・メトリック値は、MLM104はサンプルが属性に対応した(たとえば、対応する属性ラベルを有した)ときの時間の50%の正確な予測を提供したことを出力分析器108が決定することに基づき得る。
【0034】
データ・セット判定器112は、パフォーマンス・データ128を分析して生成MLM116の制御データ130を生成することができる。たとえば、データ・セット判定器112は、出力分析器108を使用して判定されるパフォーマンス・メトリック(たとえば、属性ベースのKPI)のうちの1つ又は複数に少なくとも基づいて制御データ130を生成することができる。データ・セット判定器112は、パフォーマンス・データ128の分析に少なくとも基づいて生成されたデータ・セット132の1つ又は複数の特性を判定し、生成されたデータ・セット132を製作するように1つ又は複数の特性に対応する制御データ130を提供することができる。
【0035】
少なくとも1つの実施形態において、データ・セット判定器112は、1つ又は複数のパフォーマンス・メトリックを分析してMLM104が絶対的及び/又は相対的パフォーマンス閾値未満で実行している1つ又は複数の属性及び/又は属性の組合せ及び/又は属性値を識別する。たとえば、属性(及び/又は属性値)は、少なくとも1つの他の属性のパフォーマンス・メトリックの値に対する属性(及び/又は属性値)のより低いパフォーマンスを示す属性(及び/又は属性値)のパフォーマンス・メトリックの値に少なくとも基づいてデータ・セット判定器112によって識別又は選択され得る。一実例では、属性及び/又は属性値を実行する3つの最悪のものであることに少なくとも基づいて及び/又は複数の属性及び/又は属性値のパフォーマンスに基づいて計算される閾値未満であるパフォーマンスに対応することに少なくとも基づいて属性又は属性値を選択する。追加で又は別法として、属性(及び/又は属性値)は、考慮されている属性(及び/又は属性値)に特有でなくてもよい、閾値に対する属性(及び/又は属性値)のより低いパフォーマンスを示す属性(及び/又は属性値)のパフォーマンス・メトリックの値に少なくとも基づいてデータ・セット判定器112によって識別又は選択され得る。一実例では、対応する推論精度が65%未満であることに少なくとも基づいて任意の属性(及び/又は属性値)又は属性(及び/又は属性値)の組合せを選択する。
【0036】
追加で又は別法として、データ・セット判定器112は、パフォーマンス・データ128及び/又は出力データ124のパフォーマンスの1つ又は複数の部分、たとえば、1つ又は複数のパフォーマンス・メトリック及び/又は出力データ124又はMLMへの入力としてそこから生成されたデータの1つ又は複数の部分、に少なくとも基づいて、1つ又は複数の特性を判定する及び/又は制御データ130を生成するようにトレーニングされた1つ又は複数のMLMを含んでもよい。
【0037】
1つ又は複数の特性の一実例には、1つ又は複数の属性及び/又は属性(及び/又は属性値)の組合せを含むための生成されたデータ・セット132における大量のサンプルが含まれる。たとえば、属性(及び/又は属性値)のサンプルの数量は、その属性(及び/又は属性値)のパフォーマンス・メトリックの値に少なくとも基づき得る。限定ではなく実例として、数量は、閾値、たとえば、属性(及び/又は属性値)を識別又は選択するために使用される閾値、からの値の距離とともに増え得、或いはそうでなければ閾値からの値の距離に少なくとも基づき得る。追加で又は別法として、1つ又は複数の特性は、生成MLM116を使用して生成されるサンプルの分布へのサンプルの割り当てを含み得る。たとえば、生成MLM116を使用して生成されることになる固定の又は計算された数のサンプルが、属性、属性値、及び/又は属性の組合せの間で割り当てられ得る(たとえば、1つ又は複数のパフォーマンス・メトリックの対応する値に少なくとも基づいて)。限定ではなく実例として、属性(及び/又は属性値)の割り当ては、1つ又は複数の他の属性(及び/又は属性値)の値に対する属性(及び/又は属性値)のパフォーマンス・メトリックの値とともに増え得、或いはそうでなければ、パフォーマンス・メトリックの値に少なくとも基づき得る。属性について本明細書で説明されるものはまた、単一の属性又は属性の組合せ(合成属性)を参照してもよい。さらに属性値について本明細書で説明されるものは、単一の属性値又は属性の組合せ値を参照してもよい。
【0038】
様々な実例において、データ・セット判定器112は、属性の組合せによって形成された合成属性を不十分に実行することを識別するために、属性を横断してパフォーマンス・データ128(たとえば、1つ又は複数のパフォーマンス・メトリック)を分析し得る。それを行うことは、MLM104をトレーニングするために使用されるデータにおいて十分に表されていないことがあるエッジケース又はコーナーケースを不十分に実行することを識別することを可能にし得る。たとえば、MLM104は、子供が画像MLM104に入力される画像内にいるとき、全体に上手く機能することができ、及び眼鏡をかけた人が画像MLM104に入力される画像内にいるときに全体に上手く機能することができる。しかしながら、MLM104は、眼鏡をかけた子供がMLM104に入力される画像内にいるとき、上手く機能しないことがある。実例として、ここで「子供」は、年齢属性に関するパフォーマンスを分析することに基づいてデータ・セット判定器112によって識別された特定の範囲の年齢値を参照し得る。別の実例として、「子供」は、子供が存在するか否かを示す及びデータ・セット判定器112によって識別される属性の2進値を参照し得る。このタイプの合成トレーニング・データは、MLM104をトレーニングするために使用されるデータにおいて少数しか存在しなかった可能性がある。属性を横断してパフォーマンス・データ128を分析することによって、データ・セット判定器112は、これらのケースの1つ又は複数の追加のサンプルを生成することを判定し得る。
【0039】
本明細書に記載のように、少なくとも1つの実施形態において、データ・セット判定器112は、プロセス100の任意のインスタンスにおいて、MLM104のパフォーマンスは十分であること並びに/又はそうでなければプロセス100及び/若しくはその反復は任意のポイントにおいて終了し得ること(たとえば、生成されたデータ・セット132を生成することなしに)を判定し得る。たとえば、パフォーマンス・データ128の分析は、データ・セット判定器112が生成されたデータ・セット132の属性及び/又は属性の組合せを選択しない結果をもたらし得、MLM104は閾値レベルのパフォーマンスに達し得、プロセス100が閾値の回数の反復を実行され得、及び/又は閾値の個数のサンプルが生成され得る。
【0040】
1つ又は複数の実施形態において、生成MLM116の制御データ130は、少なくとも1つの値を有する少なくとも1つの属性を実施する1つ又は複数のサンプルを生成MLM116に生成させる、少なくとも1つの属性に対応する生成MLM116への少なくとも1つの入力を表し得る。眼鏡をかけた子供の実例を使用して、少なくとも1つの入力は、眼鏡をかけた子供を描写する1つ又は複数の画像を生成MLM116に生成させ得る。少なくとも1つの値が、値の範囲に対応する場合、制御データ130は、ランダムにサンプリングする、範囲を示す、又は範囲から選択されるサンプルを他の方法で生成させることができる。1つ又は複数の実施形態において、生成MLM116は、潜在空間における属性の合成的生成(たとえば、分布の合成)を実行し得る。
【0041】
任意の適切な生成MLM及びプロセスが、生成されたデータ・セット132を生成するために使用され得るが、
図2は、適切な手法の一実例を提供する。ここで
図2を参照すると、
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、1つ又は複数の属性に基づいて1つ又は複数の機械学習モデルのデータを制御可能に生成するために使用され得る例示的プロセス200の図示である。
図2は、無条件のジェネレータ202、制御可能なジェネレータ204、及び属性分類子206を含み得る、システムの構成要素を示す。1つ又は複数の実施形態において、無条件のジェネレータ202、制御可能なジェネレータ204、及び属性分類子206は、
図1の生成MLM116の少なくとも一部を形成し得る。
【0042】
高いレベルにおいて、プロセス200は、無条件のジェネレータが1つ又は複数の入力、たとえば、制御データ130の少なくとも一部(たとえば、1つ又は複数のサンプルを生成するために使用される1つ又は複数の入力)、を受信することと1つ又は複数の出力、1つ又は複数の入力からの出力データ212のような出力、を生成することとを含み得る。プロセス200が、様々なセンサ様式、限定ではなく、たとえば、RGBセンサ、IRセンサ、熱センサなど、において画像又はビデオを生成するために使用され得る。プロセス100はまた、属性分類子206が1つ又は複数の入力、たとえば、出力データ212、を受信することと、1つ又は複数の出力、たとえば、属性ラベル220、を生成することとを含み得る。プロセス100はまた、制御可能なジェネレータ204が1つ又は複数の入力、たとえば、出力データ212及び属性ラベル220、を受信することと、生成されたデータ・セット132の少なくとも一部を含み得る1つ又は複数の出力、たとえば、生成データ214、を生成することとを含み得る。
【0043】
少なくとも1つの実施形態において、少なくとも1つの入力は、サンプルによって実施されることになる属性の意味論を定義するエネルギ関数を使用してサンプルを生成する際に無条件のジェネレータ202(無条件の生成モデル)を導く。たとえば、エネルギベースのモデル(EBM:energy-based model)は、1セットの属性にわたる合成的生成を処理するために使用され得る。これは、合成画像ジェネレータを形成するために異なる意味論を表すEBMにおいてエネルギ関数を結合する能力に少なくとも部分的に起因し得る。EBMは、公式化が事前トレーニングされた生成モデル、たとえば、無条件のジェネレータ202、の潜在空間において使用され得る、高解像度画像生成にそれらを拡張可能にすることを除いては、高解像度画像上の画素空間においてトレーニングすることが難しい可能性がある。無条件のジェネレータ202の非限定的実例には、1つ又は複数のスタイルGAN(StyleGAN:Style Generative Adversarial Network)が含まれる。1つ又は複数の実施形態において、無条件のジェネレータ202は、潜在空間内のポイントを中間潜在空間にマップするためにマッピング・ネットワークを含み得る。中間潜在空間が、無条件のジェネレータ202のジェネレータ・モデル内の各ポイントにおけるスタイルを制御するため、及びジェネレータ・モデル内の各ポイントにおける変動源としてのノイズの導入を制御するために使用され得る。
【0044】
事前トレーニングされたジェネレータを所与として、制御可能な生成は、属性分類子206をトレーニングすることによって、少なくとも部分的に、取得され得、そこで、制御可能なジェネレータ204は、潜在空間において効率的にサンプリングを実行し得る。新しい属性を導入するときにはいつでも、新しい属性のエネルギ関数は、スクラッチから生成モデルをトレーニングすることなしに新しいEBMを形成するために、既存のエネルギ関数と結合され得る。そのようなプラグ・アンド・プレイの方法は、合成的生成における優れたパフォーマンスを有して、比較的単純で、トレーニングするのが速く、制御可能なジェネレータ204がサンプリングするのに効率的であり得る。
【0045】
1つ又は複数の実施形態において、EBMは、限界データ分布が黙示的分布によって示される、データ及び属性の結合空間において構築され得(たとえば、事前トレーニングされたGANジェネレータ)、そして、属性の条件的分布、所与のデータ、が、属性分類子206によって表される。再パラメータ化を使用して、EBMの公式化は、潜在的分布が知られているこの潜在空間(標準ガウス分布)において結合エネルギ関数を誘導し得る。属性分類子206は、次いで、この潜在空間において制御可能なジェネレータ204によって実行されるサンプリングで、たとえば、常微分方程式(ODE)解法を使用して、このデータ空間においてトレーニングされるだけでよい可能性がある。したがって、制御可能性を追加することは、属性の意味論に基づいて属性分類子206をトレーニングすることのみを必要とし得る。
【0046】
ここで
図3を参照すると、方法300の各ブロック、及び本明細書に記載の他の方法は、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアの任意の組合せを使用して実行され得る計算プロセスを含む。たとえば、様々な機能は、メモリに記憶された命令を実行するプロセッサによって、実施され得る。方法はまた、コンピュータ記憶媒体に記憶されたコンピュータ使用可能命令として実施され得る。方法は、いくつか例を挙げると、独立型アプリケーション、サービス若しくはホスト型サービス(独立型の若しくは別のホスト型サービスと組み合わせた)、又は別の製品へのプラグインによって、提供され得る。方法は、実例として、特定のシステム及び/又はプロセスに関して説明されることがある。しかしながら、これらの方法は、本明細書に記載のものを含むが、これらに限定されない、任意の1つのシステム、又は任意の組合せのシステムによって追加で又は別法として実行され得る。
【0047】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、1つ又は複数の機械学習モデルの1つ又は複数の属性の1つ又は複数のパフォーマンス・メトリックを評価することに少なくとも基づいて1つ又は複数のサンプルを制御可能に生成するための方法300を示すフロー図である。方法300は、ブロックB302において、少なくとも1つのMLMの出力に対応するデータを分析することを含む。たとえば、出力分析器108は、出力データ124を分析し得る。
【0048】
方法300は、ブロックB304において、1つ又は複数のパフォーマンス・メトリックを評価することを含む。たとえば、データ・セット判定器112は、出力データ124を生成するためにMLM104に適用されるサンプルの1つ又は複数の属性の1つ又は複数のパフォーマンス・メトリックを、分析することに少なくとも基づいて、評価するために、パフォーマンス・データ128を使用し得る。
【0049】
方法300は、ブロックB306において、少なくとも1つの属性の少なくとも1つの値を識別することを含む。たとえば、データ・セット判定器112は、評価することに少なくとも基づいて1つ又は複数の属性のうちの少なくとも1つの属性の少なくとも1つの値を識別し得る。
【0050】
方法300は、ブロックB308において、少なくとも1つの入力を1つ又は複数の生成MLMに適用して少なくとも1つの値に対応する1つ又は複数のサンプルを生成することを含む。たとえば、データ・セット判定器112は、識別することに少なくとも基づいて、制御データ130を生成MLM116に適用して少なくとも1つの値に対応する1つ又は複数のサンプルを生成し得る。
【0051】
方法300は、ブロックB310において、1つ又は複数のサンプルを使用して少なくとも1つのMLMをトレーニングすることを含む。たとえば、MLMトレーナ120は、1つ又は複数のサンプルをMLM104に適用することに少なくとも基づいてMLM104をトレーニングし得る。
【0052】
ここで
図4を参照すると、
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、1つ又は複数のパフォーマンス・メトリック値を使用して1つ又は複数の属性の1つ又は複数のサンプルを制御可能に生成するための方法400を示すフロー図である。方法400は、ブロックB402において、少なくとも1つのMLMに関連する1つ又は複数のパフォーマンス・メトリック値を生成することを含む。たとえば、出力分析器108は、MLM104に適用された第1の1つ又は複数の画像において描写された1つ又は複数の物体の1つ又は複数の属性に対応する1つ又は複数のパフォーマンス・メトリック値を生成し得る。
【0053】
方法400は、ブロックB404において、少なくとも1つのMLMのパフォーマンスは少なくとも1つの属性の1つ又は複数の閾値未満であると判定することを含む。たとえば、データ・セット判定器112は、パフォーマンス・メトリック値のうちの1つ又は複数を使用して、MLM104のパフォーマンスは1つ又は複数の属性のうちの少なくとも1つの属性の少なくとも1つの値の1つ又は複数の閾値未満であると判定し得る。
【0054】
方法400は、ブロックB406において、少なくとも1つの入力を1つ又は複数の生成MLMに適用して少なくとも1つの属性に対応する1つ又は複数のサンプルを生成することを含む。たとえば、データ・セット判定器112は、制御データ130を生成MLM116に適用して、パフォーマンスが少なくとも1つの値の1つ又は複数の閾値未満であることに少なくとも基づいて少なくとも1つの値に対応する1つ又は複数のサンプルを生成し得る。
【0055】
方法400は、ブロックB408において、1つ又は複数のサンプルを使用して少なくとも1つのMLMをトレーニングすることを含む。たとえば、MLMトレーナ120は、1つ又は複数のサンプルを使用してMLM104をトレーニングし得る。
【0056】
ここで
図5を参照すると、
図5は、本開示のいくつかの実施形態による、1つ又は複数の属性の経時的パターンに基づいて1つ又は複数の機械学習モデルのデータを制御可能に生成するために実行され得る例示的プロセス500の図示である。
【0057】
プロセス500は、拡張、トレーニング、検証、及び/又は試験データ・セット、たとえば、生成されたデータ・セット132又は本明細書に記載の他のデータ・セット、の1つ又は複数のサンプルを形成し得る、ビデオのフレームなどのデータ項目の経時的シーケンスを生成するために使用され得る。少なくとも1つの実施形態において、データ・セット判定器112は、フレーム内で描写されることになる1つ又は複数の属性値のフレーム・セットのシーケンスのフレームを割り当て得る。属性値のセットは、1つ又は複数の属性値を使用して表されることになる1つ又は複数の経時的シナリオに少なくとも基づいて決定され得る。たとえば、データ・セット判定器112は、経時的シナリオをフレームの属性値にマップし得、生成MLM116が、属性値に対応する視覚的情報を描写するためのフレームを生成するために、使用され得る。
【0058】
ここで
図6を参照すると、
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、経時的シナリオの少なくとも一部をキャプチャするために生成され得るフレームの一実例の図示である。たとえば、
図6は、フレームへの属性値割り当ての属性値セットを使用して、生成MLM、たとえば、生成MLM116、を使用して生成され得る、フレーム610A、610B、610C、610D、及び610D(「フレーム610」とも称される)のシーケンスを含むビデオ600を示す。1つ又は複数の実施形態において、フレーム610のフレームのうちの少なくとも1つが、補間を使用して、生成され得る。フレーム610は、アニメーションを形成し得、そこで、属性値のうちの少なくともいくつかが、フレーム610を横断して、ビデオ600の1つ又は複数の態様をアニメーション化させるように構成され得る。限定ではなく実例として、フレーム610の属性値は、頭部位置及び閉眼のパーセンテージの値を含む。これらの属性が、フレーム310を横断する1つ又は複数の経時的シナリオ、たとえば、眠気、をシミュレーションするために使用され得る。たとえば、眠気は、うたた寝をシミュレーションするために頭部位置及びまばたき又は他の目のパターンを制御することに少なくとも基づいてシミュレーションされ得る。少なくとも1つの実施形態において、MLM104及び/又は別のMLMが、シミュレーションされた経時的シナリオを使用して経時的シナリオ(たとえば、存在、可能性、レベルなど)の1つ又は複数の態様を予測する又は推論するようにトレーニングされ得る。限定ではなく実例として、プロセス500は、経時的シナリオに関連する属性の経時的パターン及び/又は他の特性を識別するために使用され得る。
【0059】
図5は、データ・セット分析器502及びフレーム属性判定器504を含み得る、システムの構成要素を示す。高いレベルにおいて、プロセス500は、データ・セット分析器502が1つ又は複数の入力、たとえば、参照データ・セット508(たとえば、1つ又は複数の経時的シナリオを表すことが知られ得る、現実世界のデータ・セット)の1つ又は複数のサンプル、を受信することと、1つ又は複数の出力、たとえば、1つ又は複数の入力からの経時的パターン512、を生成することとを含み得る。プロセス500はまた、フレーム属性判定器504が1つ又は複数の入力、たとえば、経時的パターン512、を受信することと、1つ又は複数の出力、たとえば、1つ又は複数の入力からのフレーム属性516(たとえば、1つ又は複数のフレームの)、を生成することとを含み得る。フレーム属性516に対応する、生成されたデータ・セット532が、製作され得る。少なくとも1つの実施形態において、フレーム属性判定器504は、
図1のデータ・セット判定器112の一部でもよい。したがって、生成されたデータ・セット532は、
図1の生成されたデータ・セット132に対応し得る。しかしながら、1つ又は複数の実施形態において、プロセス500は、プロセス100と一緒に使用される必要はない。任意の実施形態において、生成MLM116が、生成されたデータ・セット532を製作するために使用され得る。
【0060】
1つ又は複数の実施形態において、参照データ・セット508は、現実世界のデータ及び/又はシミュレーションされたデータを含み得る。限定ではなく実例として、参照データ・セット508は、1つ又は複数の経時的シナリオ、たとえば、眠気又は眠たさ、をキャプチャし得る、疲労又は眠気データを含み得る。たとえば、参照データ・セット508は、フレームの各セットが経時的シナリオ及び/又は経時的シナリオの1つ又は複数の値でラベル付けされている又は他の方法でそれと関連付けられている、ビデオを形成するフレームのセット(たとえば、24フレーム/秒、30フレーム/秒、60フレーム/秒などで1分の長さにわたる)を含み得る。本実例では、1つ又は複数の値は、カロリンスカ眠気尺度(KSS:Karolinska Sleepiness Scale)、エプワース眠気尺度(ESS:Epworth Sleepiness Scale)、スタンフォード眠気尺度(SSS:Stanford Sleepiness Scale)、ジョン眠気尺度(JDS:Johns Drowsiness Scale)、及び/又は観測者格付け眠気(ORD:Observer Rated Drowsiness)に対応する値、状態、及び/又はレベルを描写してもよく、並びにそれらと関連付けられてもよく、及び/又はそれらを割り当てられてもよい。データ・セット分析器502が、生成MLMを使用して参照データ・セット508のそれらの態様をシミュレーションするためにフレーム属性516を生成するようにそれらの経時的シナリオ及び/又は値に対応する1つ又は複数の属性の1つ又は複数の経時的パターンを決定するために使用され得る。たとえば、フレーム属性判定器504は、ビデオ600を生成するために、データ・セット分析器502がKSSレベルの8及び/又はORD状態の「眠くない」と関連付けた、経時的パターン512を使用して、フレームのフレーム属性516を決定し得る。ビデオ600は、次いで、ビデオを使用してKSSレベル及び/又はORD状態を予測するために、たとえば、MLM104などの1つ又は複数のMLMをトレーニングするために、使用され得る。1つ又は複数の実施形態において、フレーム属性516を決定するために使用されるKSSレベル及び/又はORD状態が、ビデオのグラウンド・トゥルースとして使用され得る。
【0061】
図5は、経時的パターン512の非限定的実例を示し、その実例には瞬目率512A、閉眼パーセンテージ512B、まばたきの振幅512C、あくびの頻度512D、まばたきの持続期間512E、及び目の速度212Fが含まれる。ここで
図7を参照すると、
図7は、本開示のいくつかの実施形態による、経時的パターン512のうちの1つ又は複数が参照データ・セット508からどのように抽出され得るかの実例を説明するために使用される図示である。
【0062】
図7は、参照データ・セット508のビデオに属し得る、及び経時的パターン512のうちの1つ又は複数を決定するためにデータ・セット分析器502を使用して分析され得る、フレーム700のフレーム700A及びフレーム700Bを示す。少なくとも1つの実施形態において、データ・セット分析器502は、フレーム700内の1つ又は複数のランドマークを決定し、フレーム700のうちの1つ又は複数にわたり1つ又は複数のランドマークを測定又はそうでなければ追跡若しくは監視して1つ又は複数の経時的パターンを決定するようにしてもよい。ランドマークの実例には、フレームのうちの1つ又は複数の1つ又は複数の属性(たとえば、フレームにわたる経時的パターン)を決定するために測定及び/又は評価され得る、ランドマーク・ポイントP1、P2、P3、P4、P6、及びP6が含まれる。ランドマーク・ポイントは、任意の適切な手法、たとえば、ランドマークを識別するようにトレーニングされたランドマークMLM、を使用して、決定され得る。
【0063】
少なくとも1つの実施形態において、データ・セット分析器502は、1つ又は複数のフレームの1つ又は複数の属性値を決定し、次いで、属性値を経時的に分析して経時的パターンのうちの1つ又は複数を決定することができる。たとえば、
図7は、経時的な属性の属性値710のグラフ704を示す。少なくとも1つの実施形態において、属性値710は、式(1)を使用してデータ・セット分析器502によって計算され得る:
【数1】
【0064】
データ・セット分析器502は、単位秒あたりのまばたきの数として瞬目率512Aを計算するために属性値710を使用し得、フレーム3及び7は、データ・セット分析器502が属性値710からまばたきについて識別し得る開始及び終わり時間の実例である。別の実例として、データ・セット分析器502は、属性値710が閉じた目を示すフレーム700、たとえば、フレーム700B、のパーセンテージとして閉眼パーセンテージ512Bを計算するために、属性値710を使用し得る。データ・セット分析器502は、まばたきの測定された持続期間720に少なくとも基づいてまばたきの振幅512Cを計算するために、属性値710を使用し得る。たとえば、まばたきの振幅512Cは、式(2)を使用して計算され得る:
【数2】
そこで、Astartは、まばたきの開始における属性値であり、Abottomは、まばたきの下限における属性値であり、Aendは、まばたきの終わりにおける属性値である。
【0065】
データ・セット分析器502は、まばたきの測定された開始、下限、及び終わりのフレームに少なくとも基づいて目の速度512Fを計算するために、属性値710を使用し得る。たとえば、目の速度512Fは、式(3)を使用して計算され得る:
【数3】
【0066】
類似の手法が、たとえば、うなずくパターンの頭部のポーズ、あくびパターンの口のランドマークなどを使用して、他の経時的パターンを決定するために使用され得る。開示される実施形態は、フレーム又は画像に対応するサンプルに関して主に説明されているが、開示される手法は、他の形のサンプル及び/又は経時的シーケンス、たとえば、オーディオ・サンプル、マルチメディア・サンプル、及び/又はMLMへの入力として適用され得る任意の形のサンプル、に適用され得る。
【0067】
ここで
図8を参照すると、
図8は、本開示のいくつかの実施形態による、1つ又は複数の経時的パターンを1つ又は複数の経時的シナリオと関連付けることに少なくとも基づいて1つ又は複数のサンプルを制御可能に生成するための方法800を示すフロー図である。方法800は、ブロックB802において、1つ又は複数の属性の1つ又は複数の経時的パターンを1つ又は複数の経時的シナリオと関連付けることを含む。たとえば、データ・セット分析器502は、経時的シナリオ(及び/又はその値)の参照データ・セット508を分析して経時的シナリオに関連する経時的パターン512を決定し得る。
【0068】
方法800は、ブロックB804において、1つ又は複数の経時的属性が1つ又は複数の経時的シナリオに関連していることに少なくとも基づいて1つ又は複数の属性の値をサンプルのシーケンスに割り当てることを含む。たとえば、フレーム属性判定器504は、経時的シナリオに関連する経時的パターン512を使用して1つ又は複数のシーケンスのフレームのフレーム属性516を判定し、フレーム属性516を1つ又は複数のシーケンスのフレームの各フレームに割り当て得る。
【0069】
方法800は、ブロックB806において、割り当てられた値を使用するサンプルのシーケンスを、1つ又は複数の生成MLMを使用して、生成することを含む。たとえば、生成MLM、たとえば生成MLM116など、がフレームの1つ又は複数のシーケンスを生成するために使用されてもよい。
【0070】
方法800は、ブロックB808において、サンプルのシーケンスを使用して少なくとも1つのMLMをトレーニングすることを含む。たとえば、MLM104及び/又は別のMLMが、フレームの1つ又は複数のシーケンスを使用して、トレーニングされてもよい。
【0071】
図9は、本開示のいくつかの実施形態による、1つ又は複数のデータ・セットの属性制御可能な生成のために使用され得る例示的プロセス900の図示である。プロセス900は、1つ又は複数のデータ・セットの属性制御可能な生成のために使用され得る一般的手法を提供する。様々な実例において、プロセス900が、拡張、試験、トレーニング(初期トレーニング及び/又は再トレーニング)、及び/又は検証のための生成されたデータ・セット932の1つ又は複数のサンプルを生成するために、使用され得る。たとえば、プロセス900は、入力データ902が制御データ130を生成するためにデータ・セット判定器112に提供されることと、制御データ130が生成されたデータ・セット932を製作するために生成MLM116に適用されることとを含む。
【0072】
図1に示すように、プロセス900は、プロセス100に含まれてもよく、そこで、入力データ902は、パフォーマンス・データ128を含み、生成されたデータ・セット932は、生成されたデータ・セット132を含む。また、
図5に示すように、プロセス900は、プロセス500に含まれてもよく、そこで、入力データ902は、参照データ・セット508及び/又は経時的パターン512を含み、生成されたデータ・セット532は、生成されたデータ・セット132を含む。たとえば、データ・セット判定器112は、データ・セット分析器502及び/又はフレーム属性判定器504を含んでもよい。プロセス500は、経時的パターンを含むが、プロセス500は、経時的パターン512を含んでもよく、含まなくてもよい、参照データ・セットの1つ又は複数の特性(たとえば、属性分布、属性present、コーナーケースなど)を決定するためにデータ・セット分析器502分析器、参照データ・セット508をより一般には含み得る。さらに、フレーム属性判定器504は、より一般的には、1つ又は複数の特性に少なくとも基づいて1つ又は複数のサンプルの1つ又は複数の属性を判定するために使用され得る。
【0073】
本明細書に記載のように、入力データ902は、生成されたデータ・セット932に含まれることになる属性のセットを含む及び/又は示すことができる。パフォーマンス・データ128は、生成されたデータ・セット932に含まれることになる属性のセットを示す入力データ902の一実例である。さらなる実例として、入力データ902は、属性のリストを含み得る。たとえば、コンプライアンス試験において、試験のために使用されることになる属性のセットが、多くの場合提供される。他の実例において、入力データ902は、KSS9に達する運転者の眠気レベルなどの少数しか存在しない(たとえば、1データ・セット内に)試験シナリオを含んでもよい。開示される手法を使用して、データ・セット判定器112は、属性のセットを含む生成されたデータ・セット932を製作するために、制御データ130を判定し得る。たとえば、データ・セット判定器112は、トレーニング、検証、及び/若しくは試験データ・セット並びに/又はそれらのデータ・セットのうちの1つ又は複数がそこから形成されるデータ・セット全体にとって望ましい属性の分布及び/又は属性の組合せに従ってデータ・セットを生成するために、生成MLM116を使用し得る。そのような分布の一実例には、属性の均一な分布及び/又は属性の組合せが含まれる。そのような手法を使用して、データ・セットは、属性に関連する特定のシナリオに合わせてカスタマイズされ得る。
【0074】
追加で又は別法として、データ・セット判定器112は、生成されたデータ・セット932を製作するために、並びに拡張、トレーニング、検証、及び/又は試験のために使用されるデータ・セットにおける属性の分布及び/又は属性の組合せを定義するため及び/又は変更するために、生成MLM116を使用し得る。限定ではなく実例として、データの少なくとも80%が、トレーニングのために予約され得(たとえば、95%)、任意の残りのデータが、検証及び/又は試験のために使用され得る(たとえば、5%)。検証及び/又は試験データ・セットは、それらのシナリオの十分な試験データを含むように少数しか存在しない属性及び/又はその組合せに対応する追加の1つ又は複数のサンプルを含むようにGNNを使用して拡張され得る。
【0075】
少なくとも1つの実施形態において、入力データ902は、たとえば、1つ又は複数のクラスの1つ又は複数のサブジェクト(たとえば、ランダムに生成され得る及び/又は現実世界のデータからでもよい、異なる顔)を含み得る、1つ又は複数のサンプルを含み得る。データ・セット判定器112は、各サブジェクトについて、生成されたデータ・セットのための対応するサンプルを製作するためにサブジェクトの1つ又は複数の属性を変更し得る。たとえば、1セットのサブジェクト及び属性について、データ・セット判定器112は、生成MLM116を使用して、属性のそれぞれの可能な組合せのサンプルを、各サブジェクトについて、製作し得る。生成されたデータ・セット932は、拡張、試験、トレーニング(初期トレーニング及び/又は再トレーニング)、及び/又は検証のために使用され得る。たとえば、MLM104は、サブジェクトを使用して初期トレーニングされ得、次いで生成されたデータ・セット932を使用してトレーニングされ得、或いはMLM104は、生成されたデータ・セット932からの少なくとも1つ又は複数のサンプルを使用して、最初にトレーニングされ得る。
【0076】
ここで
図10を参照すると、
図10は、本開示のいくつかの実施形態による、入力データを分析することに少なくとも基づいて1つ又は複数のサンプルを制御可能に生成するための方法1000を示すフロー図である。方法1000は、ブロックB1002において、入力データを受信することを含む。たとえば、データ・セット判定器112は、入力データ902を受信し得る。方法1000は、ブロックB1004において、入力データを分析することを含む。たとえば、データ・セット判定器112は、入力データ902を分析してもよい。方法1000は、ブロックB1006において、分析に少なくとも基づいて1つ又は複数のサンプルを、1つ又は複数の生成MLMを使用して、生成することを含む。たとえば、データ・セット判定器112は、分析に少なくとも基づいて、生成MLM116を使用して、生成されたデータ・セット932の1つ又は複数のサンプルを生成してもよい。方法1000は、ブロックB1008において、サンプルのうちの1つ又は複数を少なくとも1つのMLMに適用することを含む。たとえば、サンプルのうちの1つ又は複数は、トレーニング、検証、及び/又は試験のためにMLM104に適用されてもよい。
【0077】
(例示的自律型車両)
図11Aは、本開示のいくつかの実施形態による、例示的自律型車両1100の図示である。自律型車両1100(或いは、本明細書で「車両1100」と称される)は、旅客車両、たとえば、乗用車、トラック、バス、ファースト・レスポンダ車両、シャトルバス、電動若しくは原動機付自転車、オートバイ、消防車、警察車両、救急車、ボート、建設車両、潜水艦、ドローン、トレーラに連結された車両、及び/又は別のタイプの車両(たとえば、無人の及び/又は1人若しくは複数の乗客を乗せた)を含み得るが、これらに限定されない。自律型車両は、一般に、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA:National Highway Traffic Safety Administration)、米国運輸省の部署、及び自動車技術者協会(SAE:Society of Automotive Engineers)「Taxonomy and Definitions for Terms Related to Driving Automation Systems for On-Road Motor Vehicle」(2018年6月15日に公開された規格番号J3016-201806、2016年9月30日に公開された規格番号J3016-201609、及びこの規格の前の及び未来のバージョン)によって定義される、自動化レベルに関して記述される。車両1100は、自律運転レベルのレベル3~レベル5のうちの1つ又は複数による機能の能力を有し得る。車両1100は、自律運転レベルのレベル1~レベル5のうちの1つ又は複数による機能性の能力を有し得る。たとえば、車両1100は、実施形態に応じて、運転者支援(レベル1)、部分的自動化(レベル2)、条件的自動化(レベル3)、高い自動化(レベル4)、及び/又は完全な自動化(レベル5)の能力を有し得る。本明細書では「自律」という用語は、車両1100又は他のマシンの任意の及び/又はすべてのタイプの自律性、たとえば、完全に自律していること、高度に自律していること、条件的に自律していること、部分的に自律していること、補助的自律を提供すること、半自律していること、主として自律していること、又は他の指定、を含み得る。
【0078】
車両1100は、車両のシャシ、車体、車輪(たとえば、2、4、6、8、18など)、タイヤ、車軸、及び他の構成要素などの構成要素を含み得る。車両1100は、内部燃焼エンジン、ハイブリッド動力装置、完全な電気式エンジン、及び/又は別の推進システム・タイプなど、推進システム1150を含み得る。推進システム1150は、車両1100の推進力を有効にするために、トランスミッションを含み得る、車両1100のドライブ・トレインに接続され得る。推進システム1150は、スロットル/加速装置1152からの信号の受信に応答して制御され得る。
【0079】
ハンドルを含み得る、ステアリング・システム1154は、推進システム1150が動作しているときに(たとえば、車両が移動中のときに)車両1100のかじを取る(たとえば、所望の進路又はルートに沿って)ために使用され得る。ステアリング・システム1154は、ステアリング・アクチュエータ1156から信号を受信することができる。ハンドルは、完全自動化(レベル5)機能のオプションでもよい。
【0080】
ブレーキ・センサ・システム1146は、ブレーキ・アクチュエータ1148及び/又はブレーキ・センサからの信号の受信に応答して車両ブレーキを動作させるために使用され得る。
【0081】
1つ又は複数のシステム・オン・チップ(SoC:system on Chip)1104(
図11C)及び/又はGPUを含み得る、コントローラ1136は、車両1100の1つ若しくは複数の構成要素及び/又はシステムに信号(たとえば、コマンドの表現)を提供することができる。たとえば、コントローラは、1つ又は複数のブレーキ・アクチュエータ1148を介して車両ブレーキを動作させて、1つ又は複数のステアリング・アクチュエータ1156を介してステアリング・システム1154を動作させて、1つ又は複数のスロットル/加速装置1152を介して推進システム1150を動作させるために、信号を送ることができる。コントローラ1136は、センサ信号を処理する、並びに律的運転を可能にするために及び/又は運転者の車両1100の運転を支援するために動作コマンド(たとえば、コマンドを表す信号)を出力する、1つ又は複数の搭載された(たとえば、統合された)計算デバイス(たとえば、スーパーコンピュータ)を含み得る。コントローラ1136は、自律運転機能のための第1のコントローラ1136、機能的安全性機能のための第2のコントローラ1136、人工知能機能(たとえば、コンピュータ・ビジョン)のための第3のコントローラ1136、インフォテインメント機能のための第4のコントローラ1136、緊急状態における冗長性のための第5のコントローラ1136、及び/又は他のコントローラを含み得る。いくつかの実例では、単一のコントローラ1136が、前述の機能のうちの2個以上を処理することができ、2個以上のコントローラ1136が、単一の機能、及び/又はその任意の組合せを処理することができる。
【0082】
コントローラ1136は、1つ又は複数のセンサから受信したセンサ・データ(たとえば、センサ入力)に応答して車両1100の1つ若しくは複数の構成要素及び/又はシステムを制御するための信号を提供することができる。センサ・データは、限定ではなく実例として、全地球的航法衛星システム・センサ1158(たとえば、グローバル・ポジショニング・システム・センサ)、RADARセンサ1160、超音波センサ1162、LIDARセンサ1164、慣性計測装置(IMU:inertial measurement unit)センサ1166(たとえば、加速度計、ジャイロスコープ、磁気コンパス、磁力計など)、マイクロフォン1196、ステレオ・カメラ1168、ワイド・ビュー・カメラ1170(たとえば、魚眼カメラ)、赤外線カメラ1172、サラウンド・カメラ1174(たとえば、360度カメラ)、長距離及び/又は中距離カメラ1198、スピード・センサ1144(たとえば、車両1100のスピードを測定するための)、振動センサ1142、ステアリング・センサ1140、ブレーキ・センサ(たとえば、ブレーキ・センサ・システム1146の一部としての)、及び/又は他のセンサ・タイプから受信され得る。
【0083】
コントローラ1136のうちの1つ又は複数のコントローラは、車両1100の計器群1132から入力(たとえば、入力データによって表される)を受信し、出力(たとえば、出力データ、表示データなどによって表される)をヒューマン・マシン・インターフェース(HMI:human-machine interface)ディスプレイ1134、可聴式アナンシエータ、ラウドスピーカ、及び/又は車両1100の他の構成要素を介して提供することができる。出力は、車両速度、スピード、時間、マップ・データ(たとえば、
図11CのHDマップ1122)、位置データ(たとえば、マップ上などの、車両の1100の位置)、方向、他の車両の位置(たとえば、占有グリッド)、コントローラ1136によって把握されるものとしての物体及び物体の状況に関する情報などの、情報を含み得る。たとえば、HMIディスプレイ1134は、1つ又は複数の物体(たとえば、道路標識、警告標識、交通信号の変化など)の存在、及び/又は車両が行った、行っている、又は行うであろう運転操作(たとえば、今、車線変更をしていること、3.22km(2マイル)内の出口34Bを出ることなど)に関する情報を表示することができる。
【0084】
車両1100はさらに、1つ若しくは複数のワイヤレス・アンテナ1126及び/又はモデムを使用して1つ若しくは複数のネットワークを介して通信することができるネットワーク・インターフェース1124を含む。たとえば、ネットワーク・インターフェース1124は、LTE、WCDMA(登録商標)、UMTS、GSM、CDMA2000などを介する通信の能力を有し得る。ワイヤレス・アンテナ1126はまた、ブルートゥース(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)LE、Z-Wave、ZigBeeなどのローカル・エリア・ネットワーク、及び/又はLoRaWAN、SigFoxなどのロー・パワー・ワイドエリア・ネットワーク(LPWAN:low power wide-area network)を使用し、環境内の物体(たとえば、車両、モバイル・デバイスなど)の間の通信を可能にすることができる。
【0085】
図11Bは、本開示のいくつかの実施形態による、
図11Aの例示的自律型車両1100のカメラ位置及び視野の実例である。カメラ及びそれぞれの視野は、1つの例示的実施形態であり、限定することは意図されていない。たとえば、追加の及び/又は代替カメラが含まれ得る、及び/又はカメラは車両1100の異なる位置に置かれ得る。
【0086】
カメラのカメラ・タイプは、車両1100の構成要素及び/又はシステムと使用するようになされ得るデジタル・カメラを含み得るが、これに限定されない。カメラは、自動車安全整合性レベル(ASIL:automotive safety integrity level)Bにおいて及び/又は別のASILにおいて動作することができる。カメラ・タイプは、実施形態に応じて、60フレーム/秒(fps)、120fps、240fpsなど、任意の画像キャプチャ・レートの能力を有し得る。カメラは、ロール・シャッタ、グローバル・シャッタ、別のタイプのシャッタ、又はその組合せを使用する能力を有し得る。いくつかの実例では、カラー・フィルタ・アレイは、RCCC(red clear clear clear)カラー・フィルタ・アレイ、RCCB(red clear clear blue)カラー・フィルタ・アレイ、RBGC(red blue green clear)カラー・フィルタ・アレイ、Foveon X3カラー・フィルタ・アレイ、Bayerセンサ(RGGB)カラー・フィルタ・アレイ、モノクロ・センサ・カラー・フィルタ・アレイ、及び/又は別のタイプのカラー・フィルタ・アレイを含み得る。一部の実施形態では、RCCC、RCCB、及び/又はRBGCカラー・フィルタ・アレイを有するカメラなどのクリア画素カメラは、光感度を上げるための取り組みにおいて使用され得る。
【0087】
いくつかの実例では、カメラのうちの1つ又は複数が、先進運転者支援システム(ADAS:advanced driver assistance system)機能(たとえば、冗長又はフェイルセーフ設計の一部として)を実行するために使用され得る。たとえば、多機能モノ・カメラは、車線逸脱警報、交通標識アシスト及びインテリジェント・ヘッドランプ制御を含む機能を提供するために設置され得る。カメラのうちの1つ又は複数(たとえば、すべてのカメラ)が、画像データ(たとえば、ビデオ)を同時に記録及び提供することができる。
【0088】
カメラのうちの1つ又は複数は、カメラの画像データ・キャプチャ能力を妨げることがある自動車内からの迷光及び反射(たとえば、フロントガラスのミラーにおいて反射されたダッシュボードからの反射)を取り除くために、カスタム設計された(3D印刷された)部品などの取付部品において取り付けられ得る。サイドミラー取付部品を参照すると、サイドミラー部品は、カメラ取付板がサイドミラーの形状に合うように、カスタム3D印刷され得る。いくつかの実例では、カメラは、サイドミラー内に統合され得る。サイドビュー・カメラについては、カメラはまた、キャビンの各角にある4個の支柱内に統合され得る。
【0089】
車両1100の前の環境の部分を含む視野を有するカメラ(たとえば、前向きのカメラ)は、前向きの進路及び障害物を識別するのを助け、1つ若しくは複数のコントローラ1136及び/又は制御SoCの助けにより、占有グリッドの生成及び/又は好ましい車両進路の決定に不可欠な情報を提供するのを助けるための、サラウンド・ビューのために使用され得る。前向きのカメラは、緊急ブレーキング、歩行者検出、及び衝突回避を含む、LIDARと同じADAS機能の多くを実行するために使用され得る。前向きのカメラはまた、車線逸脱警報(LDW:Lane Departure Warning)、自律的クルーズ制御(ACC:Autonomous Cruise Control)、及び/又は交通標識認識などの他の機能を含むADAS機能及びシステムのために使用され得る。
【0090】
様々なカメラが、たとえば、CMOS(complementary metal oxide semiconductor)カラー撮像装置を含む単眼カメラ・プラットフォームを含む、前向きの構成において使用され得る。別の実例は、周辺(たとえば、歩行者、交差する交通又は自転車)からの視界に入る物体を把握するために使用され得るワイド・ビュー・カメラ1170でもよい。
図11Bにはワイド・ビュー・カメラは1つだけ示されているが、車両1100には任意の数のワイド・ビュー・カメラ1170が存在し得る。加えて、長距離カメラ1198(たとえば、ロングビュー・ステレオ・カメラ・ペア)は、特に、ニューラル・ネットワークがまだトレーニングされていない物体について、深度ベースの物体検出のために使用され得る。長距離カメラ1198はまた、物体検出及び分類、並びに基本物体追跡のために使用され得る。
【0091】
1つ又は複数のステレオ・カメラ1168もまた、前向きの構成に含まれ得る。ステレオ・カメラ1168は、単一のチップ上に統合されたCAN又はイーサネット(登録商標)・インターフェースを有するプログラマブル論理(FPGA)及びマルチコア・マイクロプロセッサを提供し得る、拡張可能な処理ユニットを備えた統合された制御ユニットを含み得る。そのようなユニットは、画像内のすべてのポイントの距離推定値を含む、車両の環境の3Dマップを生成するために使用され得る。代替となるステレオ・カメラ1168は、2個のカメラ・レンズ(左と右に1個ずつ)と、車両から対象物体までの距離を測定する並びに生成された情報(たとえば、メタデータ)を使用して自律的緊急ブレーキング及び車線逸脱警報機能をアクティブにすることができる画像処理チップとを含み得る、コンパクト・ステレオ・ビジョン・センサを含み得る。他のタイプのステレオ・カメラ1168が、本明細書に記載のものに加えて、又はそれらの代わりに、使用されてもよい。
【0092】
車両1100の側面に対する環境の部分を含む視野を有するカメラ(たとえば、サイドビュー・カメラ)が、占有グリッドを作成及び更新するために並びに側方衝撃衝突警報を生成するために使用される情報を提供する、サラウンド・ビューのために使用され得る。たとえば、サラウンド・カメラ1174(たとえば、
図11Bに示されるような4個のサラウンド・カメラ1174)は、車両1100上に位置付けられ得る。サラウンド・カメラ1174は、ワイド・ビュー・カメラ1170、魚眼カメラ、360度カメラ、及び/又は同類のものを含み得る。たとえば、4個の魚眼カメラが、車両の前、後ろ、及び側面に配置され得る。代替配置において、車両は、3個のサラウンド・カメラ1174(たとえば、左、右、及び後部)を使用してもよく、第4のサラウンド・ビュー・カメラとして1つ又は複数の他のカメラ(たとえば、前向きのカメラ)を活用してもよい。
【0093】
車両1100の後ろに対する環境の部分を含む視野を有するカメラ(たとえば、後方確認カメラ)が、駐車支援、サラウンド・ビュー、後部衝突警報、並びに占有グリッドの作成及び更新のために使用され得る。本明細書に記載のように、前向きのカメラ(たとえば、長距離及び/又は中距離カメラ1198、ステレオ・カメラ1168、赤外線カメラ1172など)としても適したカメラを含むがこれらに限定されない、多種多様なカメラが使用され得る。
【0094】
図11Cは、本開示のいくつかの実施形態による、
図11Aの例示的自律型車両1100の例示的システム・アーキテクチャのブロック図である。本明細書に記載されているこの配置及び他の配置は単に実例として説明されていることを理解されたい。他の配置及び要素(たとえば、マシン、インターフェース、機能、順番、機能のグループ分けなど)が、示されたものに加えて又はこれらに代わって使用されてもよく、いくつかの要素はともに除外されてもよい。さらに、本明細書に記載の要素の多くは、離散された若しくは分散された構成要素として又は他の構成要素と併せて、並びに任意の適切な組合せ及び場所において、実装され得る機能エンティティである。エンティティによって実行されるものとして本明細書に記載された様々な機能は、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアによって実施され得る。たとえば、様々な機能が、メモリに記憶された命令を実行するプロセッサによって実施され得る。
【0095】
図11Cの車両1100の構成要素、特徴、及びシステムのそれぞれは、バス1102を介して接続されるものとして図示されている。バス1102は、コントローラ・エリア・ネットワーク(CAN)データ・インターフェース(或いは、本明細書では「CANバス」と称される)を含み得る。CANは、ブレーキ、加速度、ブレーキング、ステアリング、フロントガラス・ワイパなどの作動など、車両1100の様々な特徴及び機能の制御を助けるために使用される車両1100内のネットワークでもよい。CANバスは、それぞれが独自の一意の識別子(たとえば、CAN ID)を有する、数ダース又は数百ものノードを有するように構成され得る。CANバスは、ハンドル角度、対地速度、1分間のエンジン回転(RPM:revolutions per minute)、ボタン位置、及び/又は他の車両状況インジケータを見つけるために読み取られ得る。CANバスは、ASIL B準拠でもよい。
【0096】
バス1102は、CANバスであるものとして本明細書に記載されているが、これは限定することを意図されていない。たとえば、CANバスに加えて、又はその代替として、FlexRay及び/又はイーサネット(登録商標)が使用されてもよい。加えて、単一の線が、バス1102を表すために使用されているが、これは限定することを意図されていない。たとえば、1つ若しくは複数のCANバス、1つ若しくは複数のFlexRayバス、1つ若しくは複数のイーサネット(登録商標)・バス、及び/又は異なるプロトコルを使用する1つ若しくは複数の他のタイプのバスを含み得る、任意の数のバス1102が存在し得る。いくつかの実例では、2個以上のバス1102が、異なる機能を実行するために使用され得る、及び/又は冗長性のために使用され得る。たとえば、第1のバス1102は衝突回避機能のために使用されてもよく、第2のバス1102は作動制御のために使用されてもよい。任意の実例において、各バス1102は、車両1100の構成要素のいずれかと通信し得、2個以上のバス1102が同じ構成要素と通信し得る。いくつかの実例では、車両内の各SoC1104、各コントローラ1136、及び/又は各コンピュータは、同じ入力データ(たとえば、車両1100のセンサからの入力)へのアクセスを有し得、CANバスなどの共通バスに接続され得る。
【0097】
車両1100は、
図11Aに関して本明細書で説明されるものなど、1つ又は複数のコントローラ1136を含み得る。コントローラ1136は、様々な機能のために使用され得る。コントローラ1136は、車両1100の様々な他の構成要素及びシステムのいずれかに連結されてもよく、車両1100、車両1100の人工知能、車両1100のためのインフォテインメント、及び/又は同類のものの制御のために使用され得る。
【0098】
車両1100は、システム・オン・チップ(SoC)1104を含み得る。SoC1104は、CPU1106、GPU1108、プロセッサ1110、キャッシュ1112、加速装置1114、データ・ストア1116、及び/又は図示されていない他の構成要素及び特徴を含み得る。SoC1104は、様々なプラットフォーム及びシステム内の車両1100を制御するために使用され得る。たとえば、SoC1104は、1つ又は複数のサーバ(たとえば、
図11Dのサーバ1178)からネットワーク・インターフェース1124を介してマップのリフレッシュ及び/又は更新を取得することができるHDマップ1122を有するシステム(たとえば、車両1100のシステム)において結合され得る。
【0099】
CPU1106は、CPUクラスタ又はCPU複合体(或いは、本明細書では「CCPLEX」とも称される)を含み得る。CPU1106は、複数のコア及び/又はL2キャッシュを含み得る。たとえば、一部の実施形態では、CPU1106は、コヒーレント・マルチプロセッサ構成内の8個のコアを含み得る。一部の実施形態では、CPU1106は、4個のデュアルコア・クラスタを含むことができ、各クラスタが専用のL2キャッシュ(たとえば、2MBL2キャッシュ)を有する。CPU1106(たとえば、CCPLEX)は、CPU1106のクラスタの任意の組合せが所与の時間にアクティブになることを可能にする同時クラスタ動作をサポートするように構成され得る。
【0100】
CPU1106は、以下の特徴のうちの1つ又は複数を含む電力管理能力を実装することができる:個別ハードウェア・ブロックが、動的電力を節約するためにアイドル状態のときに自動的にクロック・ゲーティングされ得る、各コア・クロックは、WFI/WFE命令の実行により命令をコアがアクティブに実行していないときにゲーティングされ得る、各コアは、独立してパワー・ゲーティングされ得る、各コア・クラスタは、すべてのコアがクロック・ゲーティングされる若しくはパワー・ゲーティングされるときに、独立してクロック・ゲーティングされ得る、及び/又は、各コア・クラスタは、すべてのコアがパワー・ゲーティングされるときに、独立してパワー・ゲーティングされ得る。CPU1106は、電力状態を管理するための強化されたアルゴリズムをさらに実装することができ、そこでは、許容される電力状態及び予想されるウェイクアップ時間が指定され、ハードウェア/マイクロ・コードが、コア、クラスタ、及びCCPLEXに入力するための最良の電力状態を決定する。処理コアは、作業がマイクロ・コードにオフロードされたソフトウェアにおける簡略化された電力状態入力シーケンスをサポートすることができる。
【0101】
GPU1108は、統合されたGPU(或いは本明細書において「iGPU」と称される)を含み得る。GPU1108は、プログラマブルになり得、並行のワークロードに効率的になり得る。一部の実例では、GPU1108は、強化されたテンソル命令セットを使用することができる。GPU1108は、1つ又は複数のストリーミング・マイクロプロセッサを含み得、そこで、各ストリーミング・マイクロプロセッサは、L1キャッシュ(たとえば、少なくとも96KB記憶容量を有するL1キャッシュ)を含み得、ストリーミング・マイクロプロセッサのうちの2個以上が、L2キャッシュ(たとえば、512KB記憶容量を有するL2キャッシュ)を共用し得る。一部の実施形態では、GPU1108は、少なくとも8個のストリーミング・マイクロプロセッサを含み得る。GPU1108は、計算アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)を使用することができる。加えて、GPU1108は、1つ若しくは複数の並行のコンピューティング・プラットフォーム及び/又はプログラミング・モデル(たとえば、NVIDIA(登録商標)のCUDA)を使用することができる。
【0102】
GPU1108は、自動車の及び組み込まれた使用事例における最高のパフォーマンスのために電力最適化され得る。たとえば、GPU1108は、FinFET(Fin field-effect transistor)上に製造され得る。しかしながら、これは限定することを意図されておらず、GPU1108は、他の半導体製造プロセスを使用し、製造され得る。各ストリーミング・マイクロプロセッサは、複数のブロックに区切られたいくつかの混合適合率処理コアを組み込むことができる。限定ではなく実例として、64 PF32コア及び32 PF64コアは、4個の処理ブロックに区切られてもよい。そのような実例では、各処理ブロックは、16 FP32コア、8 FP64コア、16 INT32コア、深層学習行列演算のための2個の混合適合率NVIDIA TENSOR COREs、L0命令キャッシュ、ワープ・スケジューラ、発送ユニット、及び/又は64KBレジスタ・ファイルを割り当てられ得る。加えて、ストリーミング・マイクロプロセッサは、計算及びアドレス指定演算の混合を有するワークロードの効率的な実行を提供するための独立した並行の整数及び浮動小数点データ進路を含み得る。ストリーミング・マイクロプロセッサは、並行スレッドの間のより高い細粒度の同期及び連携を可能にするために、独立したスレッド・スケジューリング能力を含み得る。ストリーミング・マイクロプロセッサは、プログラミングを単純化しつつパフォーマンスを向上させるために、結合されたL1データ・キャッシュ及び共用メモリ・ユニットを含み得る。
【0103】
GPU1108は、一部の実例では、900GB/秒のピーク・メモリ帯域幅に関して、提供するための高帯域幅メモリ(HBM:high bandwidth memory)及び/又は16GBHBM2メモリ・サブシステムを含み得る。いくつかの実例では、HBMメモリに加えて、又はこれの代わりに、グラフィックス・ダブル・データ・レート・タイプ5同期ランダム・アクセス・メモリ(GDDR5:graphics double data rate type five synchronous random-access memory)などの同期グラフィックス・ランダム・アクセス・メモリ(SGRAM:synchronous graphics random-access memory)が使用され得る。
【0104】
GPU1108は、メモリ・ページに最も頻繁にアクセスするプロセッサへのそれらのメモリ・ページのより正確な移動を可能にするためにアクセス・カウンタを含む統一されたメモリ技術を含むことができ、それにより、プロセッサ間で共用される記憶範囲の効率を向上させる。いくつかの実例では、アドレス変換サービス(ATS:address translation service)サポートが、GPU1108がCPU1106ページ・テーブルに直接アクセスすることを可能にするために使用され得る。そのような実例では、GPU1108メモリ管理ユニット(MMU:memory management unit)がミスを経験するとき、アドレス変換要求が、CPU1106に送信され得る。応答して、CPU1106は、アドレスの仮想対現実マッピングのためのそのページ・テーブルを調べることができ、GPU1108に変換を送り返す。そのようなものとして、統一されたメモリ技術は、CPU1106とGPU1108との両方のメモリの単一統一仮想アドレス空間を可能にすることができ、それによりGPU1108へのアプリケーションのGPU1108プログラミング及びポーティングを単純化する。
【0105】
加えて、GPU1108は、他のプロセッサのメモリへのGPU1108のアクセスの頻度を記録することができるアクセス・カウンタを含み得る。アクセス・カウンタは、メモリ・ページが最も頻繁にそのページにアクセスしているプロセッサの物理メモリに移動されることを確実にするのを助けることができる。
【0106】
SoC1104は、本明細書に記載のものを含む任意の数のキャッシュ1112を含み得る。たとえば、キャッシュ1112は、CPU1106とGPU1108との両方に利用可能な(たとえば、CPU1106とGPU1108との両方に接続された)L3キャッシュを含み得る。キャッシュ1112は、キャッシュ・コヒーレンス・プロトコル(たとえば、MEI、MESI、MSIなど)を使用することなどによって、線の状態を記録することができるライトバック・キャッシュを含み得る。L3キャッシュは、より小さいキャッシュ・サイズが使用されてもよいが、実施形態に応じて、4MB以上を含み得る。
【0107】
SoC1104は、車両1100の様々なタスク又は動作のいずれか(たとえば、処理DNN)に関して処理を実行する際に活用され得る論理演算ユニット(ALU:arithmetic logic unit)を含み得る。加えて、SoC1104は、システム内で数学演算を実行するための浮動小数点演算ユニット(FPU:floating point unit)(又は他のマス・コプロセッサ若しくは数値演算コプロセッサ・タイプ)を含み得る。たとえば、SoC104は、CPU1106及び/又はGPU1108内の実行ユニットとして統合された1つ又は複数のFPUを含み得る。
【0108】
SoC1104は、1つ又は複数の加速装置1114(たとえば、ハードウェア・加速装置、ソフトウェア・加速装置、又はその組合せ)を含み得る。たとえば、SoC1104は、最適化されたハードウェア加速装置及び/又は大きなオンチップ・メモリを含み得る、ハードウェア加速クラスタを含み得る。大きなオンチップメモリ(たとえば、4MBのSRAM)は、ハードウェア加速クラスタがニューラル・ネットワーク及び他の演算を加速することを可能にし得る。ハードウェア加速クラスタは、GPU1108を補完するために及びGPU1108のタスクの一部をオフロードするために(たとえば、他のタスクを実行するためのGPU1108のより多くのサイクルを解放するために)使用され得る。一実例として、加速装置1114は、加速に適するように十分に安定している対象ワークロード(たとえば、知覚、畳み込みニューラル・ネットワーク(CNN:convolutional neural network)など)のために使用され得る。本明細書では、「CNN」という用語は、領域ベースの又は領域的畳み込みニューラル・ネットワーク(RCNN:regional convolutional neural network)及び高速RCNN(たとえば、物体検出のために使用されるものとしての)を含む、すべてのタイプのCNNを含み得る。
【0109】
加速装置1114(たとえば、ハードウェア加速クラスタ)は、深層学習加速装置(DLA:deep learning accelerator)を含み得る。DLAは、深層学習アプリケーション及び推論のために1秒あたり追加の10兆の動作を提供するように構成することができる1つ又は複数のテンソル処理ユニット(TPU:Tensor processing unit)を含み得る。TPUは、画像処理機能(たとえば、CNN、RCNNなどの)を実行するように構成及び最適化された加速装置でもよい。DLAはさらに、特定のセットのニューラル・ネットワーク・タイプ及び浮動小数点演算、並びに推論のために最適化され得る。DLAの設計は、汎用GPUよりも1ミリメートルあたりより多くのパフォーマンスを提供することができ、CPUのパフォーマンスを大きく超える。TPUは、たとえば、特徴と重みとの両方についてINT8、INT16、及びFP16データ・タイプをサポートする、単一インスタンス畳み込み機能、並びにポストプロセッサ機能を含む、いくつかの機能を実行することができる。
【0110】
DLAは、以下を含むがこれらに限定されない、様々な機能のいずれかのために処理済み又は未処理のデータでニューラル・ネットワーク、特にCNN、を迅速に及び効率的に実行することができる:カメラ・センサからのデータを使用する物体識別及び検出のためのCNN、カメラ・センサからのデータを使用する距離推定のためのCNN、マイクロフォンからのデータを使用する緊急車両検出及び識別及び検出のためのCNN、カメラ・センサからのデータを使用する顔認識及び車両所有者識別のためのCNN、並びに/又は、セキュリティ及び/若しくは安全性関連イベントのためのCNN。
【0111】
DLAは、GPU1108の任意の機能を実行することができ、そして、推論加速装置を使用することによって、たとえば、設計者は、任意の機能のためにDLA又はGPU1108のいずれかを対象にすることができる。たとえば、設計者は、DLA上のCNN及び浮動小数点演算の処理に重点的に取り組み、他の機能をGPU1108及び/又は他の加速装置1114に任せることができる。
【0112】
加速装置1114(たとえば、ハードウェア加速クラスタ)は、或いはコンピュータ・ビジョン加速装置と本明細書で称され得るプログラマブル・ビジョン加速装置(PVA:programmable vision accelerator)を含み得る。PVAは、先進運転者支援システム(ADAS:advanced driver assistance system)、自律運転、及び/又は拡張現実(AR:augmented reality)及び/又は仮想現実(VR:virtual reality)アプリケーションのためのコンピュータ・ビジョン・アルゴリズムを加速するように設計及び構成され得る。PVAは、パフォーマンスと柔軟性との間のバランスをもたらすことができる。たとえば、各PVAは、たとえば、任意の数の縮小命令セット・コンピュータ(RISC:reduced instruction set computer)コア、直接メモリ・アクセス(DMA:direct memory access)、及び/又は任意の数のベクトル・プロセッサを含み得るが、これらに限定されない。
【0113】
RISCコアは、画像センサ(たとえば、本明細書に記載のカメラのうちのいずれかのカメラの画像センサ)、画像信号プロセッサ、及び/又は同類のものと相互作用することができる。それぞれのRISCコアは、任意の量のメモリを含み得る。RISCコアは、実施形態に応じて、いくつかのプロトコルのいずれかを使用することができる。いくつかの実例では、RISCコアは、リアルタイム・オペレーティング・システム(RTOS:real-time operating system)を実行することができる。RISCコアは、1つ若しくは複数の集積回路デバイス、特定用途向け集積回路(ASIC)、及び/又はメモリ・デバイスを使用して、実装され得る。たとえば、RISCコアは、命令キャッシュ及び/又はしっかりと結合されたRAMを含み得る。
【0114】
DMAは、CPU1106から独立したシステム・メモリにPVAの構成要素がアクセスすることを可能にし得る。DMAは、多次元アドレス指定及び/又は循環アドレス指定をサポートすることを含むがこれに限定されないPVAに最適化をもたらすために使用される任意の数の特徴をサポートすることができる。いくつかの実例では、DMAは、ブロック幅、ブロック高さ、ブロック深度、水平ブロック・ステッピング、垂直ブロック・ステッピング、及び/又は深度ステッピングを含み得る、6次元まで又はそれ以上のアドレス指定をサポートすることができる。
【0115】
ベクトル・プロセッサは、コンピュータ・ビジョン・アルゴリズムのプログラミングを効率的に柔軟に実行する及び信号処理能力を提供するように設計され得るプログラマブル・プロセッサでもよい。いくつかの実例では、PVAは、PVAコア及び2個のベクトル処理サブシステム・パーティションを含み得る。PVAコアは、プロセッサ・サブシステム、DMAエンジン(たとえば、2個のDMAエンジン)、及び/又は他の周辺装置を含み得る。ベクトル処理サブシステムは、PVAの1次的処理エンジンとして動作することができ、ベクトル処理ユニット(VPU:vector processing unit)、命令キャッシュ、及び/又はベクトル・メモリ(たとえば、VMEM)を含み得る。VPUコアは、たとえば、単一の命令、複数のデータ(SIMD)、超長命令語(VLIW:very long instruction word)デジタル信号プロセッサなど、デジタル信号プロセッサを含み得る。SIMD及びVLIWの組合せは、スループット及びスピードを高めることができる。
【0116】
それぞれのベクトル・プロセッサは、命令キャッシュを含み得、専用のメモリに連結され得る。結果として、一部の実例では、それぞれのベクトル・プロセッサは、他のベクトル・プロセッサから独立して実行するように構成され得る。他の実例において、特定のPVAに含まれるベクトル・プロセッサは、データ並列処理を用いるように構成され得る。たとえば、一部の実施形態では、単一のPVAに含まれる複数のベクトル・プロセッサは、同じコンピュータ・ビジョン・アルゴリズムを、しかし画像の異なる領域上で、実行することができる。他の実例において、特定のPVAに含まれるベクトル・プロセッサは、異なるコンピュータ・ビジョン・アルゴリズムを、同じ画像上で、同時に実行することができ、或いは順次画像又は画像の部分で異なるアルゴリズムを実行することさえできる。特に、任意の数のPVAは、ハードウェア加速クラスタに含まれ得、任意の数のベクトル・プロセッサは、それぞれのPVAに含まれ得る。加えて、PVAは、全体的システム安全性を高めるために、追加のエラー訂正コード(ECC:error correcting code)メモリを含み得る。
【0117】
加速装置1114(たとえば、ハードウェア加速クラスタ)は、加速装置1114のための高帯域幅、低レイテンシSRAMを提供するための、コンピュータ・ビジョン・ネットワーク・オンチップ及びSRAMを含み得る。いくつかの実例では、オンチップ・メモリは、限定ではなく実例として、PVAとDLAとの両方によってアクセス可能でもよい、8個のフィールド構成可能なメモリ・ブロックから成る、少なくとも4MBのSRAMを含み得る。各ペアのメモリ・ブロックは、高度周辺バス(APB:advanced peripheral bus)インターフェース、構成回路、コントローラ、及びマルチプレクサを含み得る。任意のタイプのメモリが、使用され得る。PVA及びDLAは、メモリへの高速アクセスを有するPVA及びDLAを提供するバックボーンを介してメモリにアクセスすることができる。バックボーンは、(たとえば、APBを使用して)PVA及びDLAをメモリに相互接続するコンピュータ・ビジョン・ネットワーク・オンチップを含み得る。
【0118】
コンピュータ・ビジョン・ネットワーク・オンチップは、PVAとDLAとの両方が作動可能及び有効信号を提供することを、任意の制御信号/アドレス/データの送信の前に、決定するインターフェースを含み得る。そのようなインターフェースは、制御信号/アドレス/データを送信するための別個のフェーズ及び別個のチャネル、並びに連続的データ転送のためのバーストタイプの通信を提供することができる。このタイプのインターフェースは、ISO26262又はIEC61508規格に従うことができるが、他の規格及びプロトコルが使用されてもよい。
【0119】
いくつかの実例では、SoC1104は、2018年8月10日に出願された特許文献1に記載されるような、リアルタイム・レイトレーシング・ハードウェア加速装置を含み得る。リアルタイム・レイトレーシング・ハードウェア加速装置は、RADAR信号解釈のための、音響伝播合成及び/又は分析のための、SONARシステムのシミュレーションのための、一般波伝播シミュレーションのための、ローカリゼーション及び/又は他の機能を目的とするLIDARデータに対する比較のための、及び/又は他の使用のための、リアルタイム視覚化シミュレーションを生成するために、(たとえば、世界モデル内の)物体の位置及び規模を迅速に効率的に決定するために使用され得る。一部の実施形態では、1つ又は複数のツリー・トラバース・ユニット(TTU:tree traversal unit)が、1つ又は複数のレイトレーシング関連動作を実行するために使用され得る。
【0120】
加速装置1114(たとえば、ハードウェア加速装置クラスタ)は、自律運転のための多様な用途を有する。PVAは、ADAS及び自律型車両における極めて重要な処理段階に使用され得るプログラマブル・ビジョン加速装置でもよい。PVAの能力は、低電力及び低レイテンシにおいて、予測可能な処理を必要とするアルゴリズムの領域にふさわしい。言い換えれば、PVAは、低レイテンシ及び低電力とともに予測可能な実行時間を必要とする、小さなデータ集合上でも、半高密度の又は高密度の通常の計算で上手く機能する。それ故に、PVAは、物体検出及び整数計算での動作において効率的であるので、自律型車両のためのプラットフォームとの関連で、PVAは、クラシック・コンピュータ・ビジョン・アルゴリズムを実行するように設計される。
【0121】
たとえば、本技術の1つの実施形態によれば、PVAは、コンピュータ・ステレオ・ビジョンを実行するために使用される。半グローバルなマッチングベースのアルゴリズムが、一部の実例では使用され得るが、これは限定することを意図されていない。レベル3~5の自律運転のための多数のアプリケーションは、動き推定/ステレオ・マッチング・オンザフライ(たとえば、SFM(structure from motion)、歩行者認識、レーン検出など)を必要とする。PVAは、2個の単眼カメラからの入力でコンピュータ・ステレオ・ビジョン機能を実行することができる。
【0122】
いくつかの実例では、PVAは、高密度のオプティカル・フローを実行するために使用され得る。処理されたRADARを提供するために未加工のRADARデータを処理する(たとえば、4D高速フーリエ変換を使用して)ことによる。他の実例において、PVAは、たとえば、未加工の飛行時間のデータを処理して、処理済みの飛行時間のデータを提供することにより、飛行時間の深度処理に使用される。
【0123】
DLAは、たとえば、各物体検出の信頼性の測定値を出力するニューラル・ネットワークを含む、制御及び運転安全性を強化するために任意のタイプのネットワークを実行するために使用され得る。そのような信頼性値は、確率として、又はさらなる検出と比較した各検出の相対的「重み」を提供するものとして、解釈され得る。この信頼性値は、どの検出が誤判定検出ではなくて真陽性検出と考えられるべきであるかに関する他の決定をシステムが行うことを可能にする。たとえば、システムは、信頼性の閾値を設定し、真陽性検出としての閾値を超える検出のみを考慮することができる。自動緊急ブレーキング(AEB:automatic emergency braking)システムにおいて、誤判定検出は、車両に緊急ブレーキングを自動で実行させることになり、これは明らかに望ましくない。したがって、最も確信のある検出のみが、AEBのトリガとして考えられるべきである。DLAは、信頼性値を退行するニューラル・ネットワークを実行し得る。ニューラル・ネットワークは、境界ボックス次元、(たとえば、別のサブシステムから)取得されたグラウンド・プレーン推定、ニューラル・ネットワーク及び/又は他のセンサ(たとえば、LIDARセンサ1164又はRADARセンサ1160)から取得された物体の車両1100方位、距離、3D位置推定と相関する慣性計測装置(IMU:inertial measurement unit)センサ1166出力、その他など、少なくともいくつかのサブセットのパラメータをその入力として受け取ることができる。
【0124】
SoC1104は、データ・ストア1116(たとえば、メモリ)を含み得る。データ・ストア1116は、SoC1104のオンチップ・メモリでもよく、GPU及び/又はDLAで実行されることになるニューラル・ネットワークを記憶することができる。いくつかの実例では、データ・ストア1116は、冗長性及び安全性のためにニューラル・ネットワークの複数のインスタンスを記憶するのに十分な大きさの容量を有し得る。データ・ストア1112は、L2又はL3キャッシュ1112を備え得る。データ・ストア1116の参照は、本明細書に記載のような、PVA、DLA、及び/又は他の加速装置1114に関連するメモリの参照を含み得る。
【0125】
SoC1104は、1つ又は複数のプロセッサ1110(たとえば、組み込まれたプロセッサ)を含み得る。プロセッサ1110は、ブート電力及び管理能力及び関連するセキュリティ施行を処理するための専用のプロセッサ及びサブシステムでもよいブート及び電力管理プロセッサを含み得る。ブート及び電力管理プロセッサは、SoC1104ブート・シーケンスの一部でもよく、実行時間電力管理サービスを提供することができる。ブート電力及び管理プロセッサは、クロック及び電圧プログラミング、システム低電力状態移行の支援、SoC1104熱及び温度センサの管理、及び/又はSoC1104電力状態の管理を提供することができる。各温度センサは、その出力頻度が温度に比例するリング発振器として実装されてもよく、SoC1104は、リング発振器を使用してCPU1106、GPU1108、及び/又は加速装置1114の温度を検出することができる。温度が、閾値を超えたと判定された場合、ブート及び電力管理プロセッサは、温度障害ルーティンに入り、SoC1104をより低い電力状態に置く及び/又は車両1100を安全停止のための運転代行モードにする(たとえば、車両1100を安全停止させる)ことができる。
【0126】
プロセッサ1110は、オーディオ処理エンジンの機能を果たし得る1セットの組み込まれたプロセッサをさらに含み得る。オーディオ処理エンジンは、複数のインターフェースを介するマルチチャネル・オーディオの完全なハードウェア・サポートとオーディオI/Oインターフェースの広く柔軟な範囲とを可能にするオーディオ・サブシステムでもよい。いくつかの実例では、オーディオ処理エンジンは、専用のRAMを有するデジタル信号プロセッサを有する専用のプロセッサ・コアである。
【0127】
プロセッサ1110は、低電力センサ管理及びウェイク使用事例をサポートするための必要なハードウェア特徴を提供することができる常時オンのプロセッサ・エンジンをさらに含み得る。常時オンのプロセッサ・エンジンは、プロセッサ・コア、しっかりと結合されたRAM、支援周辺装置(たとえば、タイマ及び割り込みコントローラ)、様々なI/Oコントローラ周辺装置、及びルーティング論理を含み得る。
【0128】
プロセッサ1110は、自動車のアプリケーションの安全性管理を処理するために専用のプロセッサ・サブシステムを含む安全性クラスタ・エンジンをさらに含み得る。安全性クラスタ・エンジンは、2個以上のプロセッサ・コア、しっかりと結合されたRAM、サポート周辺装置(たとえば、タイマ、割り込みコントローラなど)、及び/又はルーティング論理を含み得る。安全性モードにおいて、2個以上のコアは、ロックステップ・モードにおいて動作し、それらの動作の間の何らかの差を検出するための比較論理を有する単一のコアとして機能することができる。
【0129】
プロセッサ1110は、リアルタイム・カメラ管理を処理するための専用のプロセッサ・サブシステムを含み得るリアルタイム・カメラ・エンジンをさらに含み得る。
【0130】
プロセッサ1110は、カメラ処理パイプラインの一部であるハードウェア・エンジンである画像信号プロセッサを含み得る高ダイナミック・レンジ信号プロセッサをさらに含み得る。
【0131】
プロセッサ1110は、プレイヤ・ウインドウのための最終的画像を生み出すためにビデオ再生アプリケーションによって必要とされるビデオ処理後機能を実装する処理ブロック(たとえば、マイクロプロセッサに実装された)でもよいビデオ画像合成器を含み得る。ビデオ画像合成器は、ワイド・ビュー・カメラ1170で、サラウンド・カメラ1174で、及び/又はキャビン内監視カメラ・センサでレンズ歪み補正を実行することができる。キャビン内監視カメラ・センサは好ましくは、キャビン内イベントを識別し、適切に応答するように構成された、高度SoCの別のインスタンス上で実行するニューラル・ネットワークによって監視される。キャビン内システムは、セルラ・サービスをアクティブにする及び電話をかける、電子メールを書き取らせる、車両の目的地を変更する、車両のインフォテインメント・システム及び設定をアクティブにする若しくは変更する、又は音声起動型ウェブ・サーフィンを提供するために、読唇術を実行することができる。ある特定の機能は、自律モードで動作しているときにのみ運転者に利用可能であり、そうでない場合には無効にされる。
【0132】
ビデオ画像合成器は、空間的ノイズ低減及び時間的ノイズ低減の両方のための強化された時間的ノイズ低減を含み得る。たとえば、動きがビデオ内で生じた場合、ノイズ低減は、隣接するフレームによって提供される情報の重みを減らし、空間的情報に適切に重みを加える。画像又は画像の一部が動きを含まない場合、ビデオ画像合成器によって実行される時間的ノイズ低減は、前の画像からの情報を使用して現在の画像におけるノイズを減らすことができる。
【0133】
ビデオ画像合成器はまた、入力ステレオ・レンズ・フレーム上でステレオ・レクティフィケーションを実行するように構成され得る。ビデオ画像合成器はさらに、オペレーティング・システム・デスクトップが使用中であるときにユーザ・インターフェース合成のために使用することができ、GPU1108は、新しい面を連続してレンダリングするために必要とされない。GPU1108の電源が入れられ、3Dレンダリングをアクティブに行っているときでも、ビデオ画像合成器は、GPU1108をオフロードしてパフォーマンス及び応答性を向上させるために使用され得る。
【0134】
SoC1104は、カメラからビデオ及び入力を受信するためのモバイル・インダストリ・プロセッサ・インターフェース(MIPI:mobile industry processor interface)カメラ・シリアル・インターフェース、高速インターフェース、並びに/又は、カメラ及び関連画素入力機能のために使用され得るビデオ入力ブロックをさらに含み得る。SoC1104は、ソフトウェアによって制御され得る、及び特定の役割にコミットされていないI/O信号を受信するために使用され得る、入力/出力コントローラをさらに含み得る。
【0135】
SoC1104は、周辺装置、オーディオ・コーデック、電力管理、及び/又は他のデバイスとの通信を可能にするために、広範囲の周辺インターフェースをさらに含み得る。SoC1104は、(たとえば、ギガビット・マルチメディア・シリアル・リンク及びイーサネット(登録商標)を介して接続された)カメラからのデータ、センサ(たとえば、イーサネット(登録商標)を介して接続され得るLIDARセンサ1164、RADARセンサ1160など)、バス1102からのデータ(たとえば、車両1100のスピード、ハンドル位置など)、(たとえば、イーサネット(登録商標)又はCANバスを介して接続された)GNSSセンサ1158からのデータを処理するために使用され得る。SoC1104は、独自のDMAエンジンを含み得る及びルーティン・データ管理タスクからCPU1106を解放するために使用され得る専用の高パフォーマンス大容量記憶コントローラをさらに含み得る。
【0136】
SoC1104は、自動化レベル3~5に広がる柔軟なアーキテクチャを有する終端間プラットフォームでもよく、それによって、多様性及び冗長性のためにコンピュータ・ビジョン及びADAS技法を活用し、効率的に使用し、深層学習ツールとともに、柔軟な、信頼できる運転ソフトウェア・スタックのためのプラットフォームを提供する、総合的機能的安全性アーキテクチャを提供する。SoC1104は、従来のシステムよりも高速で、信頼でき、さらにエネルギ効率がよく、空間効率がよくなり得る。たとえば、加速装置1114が、CPU1106と結合されるとき、GPU1108、及びデータ・ストア1116は、レベル3~5の自律型車両のための高速で効率的なプラットフォームを提供することができる。
【0137】
したがって、本技術は、従来のシステムによって達成することができない能力及び機能性をもたらす。たとえば、コンピュータ・ビジョン・アルゴリズムは、多種多様な視覚的データにわたり多種多様な処理アルゴリズムを実行するために、Cプログラミング言語などの高レベルのプログラミング言語を使用して構成され得る、CPUで実行され得る。しかしながら、CPUは、しばしば、たとえば、実行時間及び電力消費に関連するものなど、多数のコンピュータ・ビジョン・アプリケーションのパフォーマンス要件を満たすことができない。具体的には、多数のCPUは、車両内ADASアプリケーションの要件及び実際のレベル3~5の自律型車両の要件である、リアルタイムでの複合物体検出アルゴリズムを実行することができない。
【0138】
従来のシステムとは対照的に、CPU複合体、GPU複合体、及びハードウェア加速クラスタを提供することによって、本明細書に記載の技術は、複数のニューラル・ネットワークが同時に及び/又は連続して実行されることと、レベル3~5の自律運転機能を可能にするために結果が結合されることとを可能にする。たとえば、DLA又はdGPU(たとえば、GPU1120)で実行するCNNは、ニューラル・ネットワークが具体的にトレーニングされていない標識を含む、交通標識をスーパーコンピュータが読み取る及び理解することを可能にする、テキスト及び単語認識を含み得る。DLAは、標識の意味論的理解を識別、解釈、及び提供することと、CPU複合体で実行する進路計画立案モジュールに意味論的理解を渡すこととを行うことができる、ニューラル・ネットワークをさらに含み得る。
【0139】
別の実例として、複数のニューラル・ネットワークは、レベル3、4、又は5の運転に必要とされるように、同時に実行され得る。たとえば、電光とともに、「注意:点滅光は、凍った状態を示す」から成る警告標識は、いくつかのニューラル・ネットワークによって独立して又は集合的に解釈され得る。標識自体は、第1の配備されたニューラル・ネットワーク(たとえば、トレーニングされてあるニューラル・ネットワーク)によって交通標識として識別され得、「点滅光は、凍った状態を示す」というテキストは、点滅光が検出されるときには凍った状態が存在することを車両の進路計画立案ソフトウェア(好ましくはCPU複合体上で実行する)に知らせる、第2の配備されたニューラル・ネットワークによって解釈され得る。点滅光は、点滅光の存在(又は無いこと)を車両の進路計画立案ソフトウェアに知らせ、複数のフレームを介して第3の配備されたニューラル・ネットワークを動作させることによって識別され得る。すべての3個のニューラル・ネットワークは、DLA内及び/又はGPU1108上などで、同時に実行することができる。
【0140】
いくつかの実例では、顔認識及び車両所有者識別のためのCNNは、カメラ・センサからのデータを使用して車両1100の正規の運転者及び/又は所有者の存在を識別することができる。常時オンのセンサ処理エンジンは、所有者が運転席側のドアに近づくときに車両を解錠する及び明かりをつけるために、並びに、セキュリティ・モードにおいて、所有者が車両を離れるときに車両の動作を停止させるために、使用され得る。このようにして、SoC1104は、盗難及び/又は車の乗っ取りに対するセキュリティをもたらす。
【0141】
別の実例では、緊急車両検出及び識別のためのCNNは、マイクロフォン1196からのデータを使用して緊急車両サイレンを検出及び識別することができる。一般分類子を使用してサイレンを検出する及び特徴を手動で抽出する従来のシステムとは対照的に、SoC1104は、環境の及び都市の音の分類、並びに視覚的データの分類のためにCNNを使用する。好ましい一実施形態では、DLA上で実行するCNNは、(たとえば、ドップラー効果を使用することによって)緊急車両の相対的終速度を識別するようにトレーニングされる。CNNはまた、GNSSセンサ1158によって識別されるように、車両が稼働しているローカル・エリアに特有の緊急車両を識別するようにトレーニングされ得る。それ故に、たとえば、欧州で稼働しているとき、CNNは、欧州のサイレンを検出しようとすることになり、そして、米国にあるとき、CNNは、北米のサイレンのみを識別しようとすることになる。緊急車両が検出された後は、制御プログラムが、緊急車両が通過するまで、超音波センサ1162の支援を受けて、車両を減速する、道の端に停止させる、車両を駐車する、及び/又は車両をアイドリングさせる、緊急車両安全性ルーティンを実行するために使用され得る。
【0142】
車両は、高速相互接続(たとえば、PCIe)を介してSoC1104に連結され得るCPU1118(たとえば、離散されたCPU、又はdCPU)を含み得る。CPU1118は、たとえば、X86プロセッサを含み得る。CPU1118は、たとえば、ADASセンサとSoC1104との間の潜在的に不整合の結果を調停すること、並びに/又はコントローラ1136及び/若しくはインフォテインメントSoC1130の状況及び調子を監視することを含む、様々な機能のいずれかを実行するために使用され得る。
【0143】
車両1100は、高速相互接続(たとえば、NVIDIAのNVLINK)を介してSoC1104に連結され得るGPU1120(たとえば、離散されたGPU、又はdGPU)を含み得る。GPU1120は、冗長及び/又は異なるニューラル・ネットワークを実行することなどによって、付加的な人工知能機能をもたらすことができ、車両1100のセンサからの入力(たとえば、センサ・データ)に基づいてニューラル・ネットワークをトレーニング及び/又は更新するために使用され得る。
【0144】
車両1100は、1つ又は複数のワイヤレス・アンテナ1126(たとえば、セルラ・アンテナ、ブルートゥース(登録商標)・アンテナなど、異なる通信プロトコルのための1つ又は複数のワイヤレス・アンテナ)を含み得るネットワーク・インターフェース1124をさらに含み得る。ネットワーク・インターフェース1124は、インターネットを介するクラウドとの(たとえば、サーバ1178及び/又は他のネットワーク・デバイスとの)、他の車両との、及び/又は計算デバイス(たとえば、乗客のクライアント・デバイス)とのワイヤレス接続を使用可能にするために使用され得る。他の車両と通信するために、直接リンクが2個の車両の間に確立され得る、及び/又は、間接リンクが(たとえば、ネットワークを通じて及びインターネットを介して)確立され得る。直接リンクは、車両対車両通信リンクを使用し、提供され得る。車両対車両通信リンクは、車両1100に近接する車両(たとえば、車両1100の前の、横の、及び/又は後ろの車両)に関する車両1100の情報を提供することができる。この機能は、車両1100の協調適応クルーズ制御機能の一部でもよい。
【0145】
ネットワーク・インターフェース1124は、変調及び復調機能を提供する及びコントローラ1136がワイヤレス・ネットワークを介して通信することを可能にする、SoCを含み得る。ネットワーク・インターフェース1124は、ベースバンドから無線周波数へのアップコンバージョン、及び無線周波数からベースバンドへのダウンコンバージョンのための無線周波数フロントエンドを含み得る。周波数コンバージョンは、よく知られているプロセスを通して実行することができ、及び/又はスーパーヘテロダイン・プロセスを用いて実行することができる。いくつかの実例では、無線周波数フロントエンド機能は、別個のチップによって提供され得る。ネットワーク・インターフェースは、LTE、WCDMA(登録商標)、UMTS、GSM、CDMA2000、ブルートゥース(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)LE、Wi-Fi、Z-Wave、ZigBee、LoRaWAN、及び/又は他のワイヤレス・プロトコルを介して通信するためのワイヤレス機能を含み得る。
【0146】
車両1100は、チップ外の(たとえば、SoC1104外の)ストレージを含み得るデータ・ストア1128をさらに含み得る。データ・ストア1128は、RAM、SRAM、DRAM、VRAM、フラッシュ、ハードディスク、及び/又は、少なくとも1ビットのデータを記憶することができる他の構成要素及び/又はデバイスを含む、1つ又は複数の記憶素子を含み得る。
【0147】
車両1100は、GNSSセンサ1158をさらに含み得る。GNSSセンサ1158(たとえば、GPS、支援されたGPSセンサ、ディファレンシャルGPS(DGPS)センサなど)は、マッピング、知覚、占有グリッド生成、及び/又は進路計画策定機能を支援する。たとえば、シリアル(RS-232)ブリッジへのイーサネット(登録商標)を有するUSBコネクタを使用するGPSを含むが、これに限定されない、任意の数のGNSSセンサ1158が、使用され得る。
【0148】
車両1100は、RADARセンサ1160をさらに含み得る。RADARセンサ1160は、暗闇及び/又は厳しい気象条件においても、長距離車両検出のために車両1100によって使用され得る。RADAR機能安全性レベルは、ASIL Bでもよい。一部の実例では、RADARセンサ1160は、未加工のデータにアクセスするためのイーサネット(登録商標)へのアクセスを用いて、制御のために及び物体追跡データにアクセスするために(たとえば、RADARセンサ1160によって生成されたデータを送信するために)CAN及び/又はバス1102を使用することができる。多種多様なRADARセンサ・タイプが、使用され得る。限定ではなく、たとえば、RADARセンサ1160は、前部、後部、及び側部RADAR使用に適し得る。一部の実例では、パルス・ドップラーRADARセンサが使用される。
【0149】
RADARセンサ1160は、狭い視野を有する長距離、広い視野を有する短距離、短距離側部カバレッジなど、異なる構成を含み得る。いくつかの実例では、長距離RADARは、適応クルーズ制御機能のために使用され得る。長距離RADARシステムは、250mの範囲内など、2個以上の独立したスキャンによって実現される広い視野を提供することができる。RADARセンサ1160は、静的物体と動く物体との区別を助けることができ、緊急ブレーキ・アシスト及び前方衝突警報のためのADASシステムによって使用され得る。長距離RADARセンサは、複数の(たとえば、6つ以上の)固定RADARアンテナと高速CAN及びFlexRayインターフェースとを有するモノスタティック・マルチモーダルRADARを含み得る。6つのアンテナを有する一実例では、中央の4個のアンテナは、隣接レーン内の交通からの干渉を最小限にして高速で車両1100の周囲を記録するように設計された、集束ビーム・パターンを作成し得る。他の2個のアンテナは、視野を広げることができ、車両1100のレーンに入る又はこれを去る車両を迅速に検出することを可能にする。
【0150】
一実例として、中距離RADARシステムは、1160m(前)又は80m(後)までの範囲、及び42度(前)又は1150度(後)までの視野を含み得る。短距離RADARシステムは、後部バンパの両端に設置されるように設計されたRADARセンサを含み得るが、これに限定されない。後部バンパの両端に設置されるとき、そのようなRADARセンサ・システムは、車両の後ろ及び隣の死角を常に監視する2個のビームを作成することができる。
【0151】
短距離RADARシステムは、死角検出及び/又はレーン変更アシストのためにADASシステムにおいて使用され得る。
【0152】
車両1100は、超音波センサ1162をさらに含み得る。車両1100の前部、後部、及び/又は側部に位置付けられ得る、超音波センサ1162は、駐車アシストのために並びに/又は占有グリッドの作成及び更新のために使用され得る。多種多様な超音波センサ1162が使用され得、異なる超音波センサ1162が、異なる範囲の検出(たとえば、2.5m、4m)のために使用され得る。超音波センサ1162は、ASIL Bの機能的安全性レベルにおいて動作することができる。
【0153】
車両1100はLIDARセンサ1164を含み得る。LIDARセンサ1164は、物体及び歩行者検出、緊急ブレーキング、衝突回避、及び/又は他の機能のために使用され得る。LIDARセンサ1164は、機能的安全性レベルASIL Bでもよい。いくつかの実例では、車両1100は、(たとえば、ギガビット・イーサネット(登録商標)・スイッチにデータを提供するために)イーサネット(登録商標)を使用することができる複数の(たとえば、2個、4個、6個などの)LIDARセンサ1164を含み得る。
【0154】
いくつかの実例では、LIDARセンサ1164は、物体及び360度視野のそれらの距離のリストを提供する能力を有し得る。市販のLIDARセンサ1164は、たとえば、2cm~3cmの精度を有し、1100Mbpsイーサネット(登録商標)接続のサポートを有して、約1100mの広告された範囲を有し得る。いくつかの実例では、1つ又は複数の非突出したLIDARセンサ1164が、使用され得る。そのような実例では、LIDARセンサ1164は、車両1100の前部、後部、側部、及び/又は角に組み込まれ得る小さいデバイスとして実装され得る。そのような実例では、LIDARセンサ1164は、低反射物体についても200mの範囲を有し、120度水平及び35度垂直視野まで提供することができる。前部に取り付けられたLIDARセンサ1164は、45度と135度との間の水平視野向けに構成され得る。
【0155】
いくつかの実例では、3DフラッシュLIDARなどのLIDAR技術もまた使用され得る。3DフラッシュLIDARは、約200mまで車両の周囲を照らすために、送信元としてレーザーのフラッシュを使用する。フラッシュLIDARユニットは、車両から物体までの範囲に順番に対応する、レーザー・パルス走行時間及び各画素上の反射光を記録する、レセプタを含む。フラッシュLIDARは、周囲の高精度の及び歪みのない画像があらゆるレーザー・フラッシュで生成されることを可能にし得る。いくつかの実例では、4個のフラッシュLIDARセンサが、車両1100の各側面に1個ずつ、配備され得る。利用可能な3DフラッシュLIDARシステムは、送風機以外に動く部分を有さないソリッドステート3Dステアリング・アレイLIDARカメラ(たとえば、非スキャン型LIDARデバイス)を含む。フラッシュLIDARデバイスは、1フレームにつき5ナノ秒クラスI(目に安全な)レーザー・パルスを使用することができ、3D範囲点群及び共記載された強度データの形で反射レーザー光をキャプチャし得る。フラッシュLIDARを使用することによって、また、フラッシュLIDARは、動く部分を有さないソリッドステート・デバイスであるので、LIDARセンサ1164は、モーション・ブラー、振動、及び/又は衝撃の影響を受けにくくなり得る。
【0156】
車両は、IMUセンサ1166をさらに含み得る。一部の実例では、IMUセンサ1166は、車両1100の後部車軸の中央に位置付けられ得る。IMUセンサ1166は、たとえば、加速度計、磁力計、ジャイロスコープ、磁気コンパス、及び/又は他のセンサ・タイプを含み得るが、これらに限定されない。いくつかの実例では、6軸アプリケーションなどにおいて、IMUセンサ1166は、加速度計及びジャイロスコープを含み得るが、9軸アプリケーションにおいて、IMUセンサ1166は、加速度計、ジャイロスコープ、及び磁力計を含み得る。
【0157】
一部の実施形態では、IMUセンサ1166は、マイクロ電気機械システム(MEMS:micro-electro-mechanical system)慣性センサ、高感度GPSレシーバ、及び高度カルマン・フィルタリング・アルゴリズムを結合して位置、速度、及び姿勢の推定値を提供する小型の高パフォーマンスGPS支援型慣性航行システム(GPS/INS:GPS-Aided Inertial Navigation System)として実装され得る。そのようなものとして、一部の実例では、IMUセンサ1166は、GPSからIMUセンサ1166までの速度の変化を直接観測すること及び関連付けることによって、磁気センサからの入力を必要とせずに進行方向を車両1100が推定することを可能にし得る。いくつかの実例では、IMUセンサ1166及びGNSSセンサ1158は、単一の統合されたユニットにおいて結合され得る。
【0158】
車両は、車両1100内及び/又は周囲に置かれたマイクロフォン1196を含み得る。マイクロフォン1196は、中でも、緊急車両検出及び識別のために使用され得る。
【0159】
車両は、ステレオ・カメラ1168、ワイド・ビュー・カメラ1170、赤外線カメラ1172、サラウンド・カメラ1174、長距離及び/若しくは中距離カメラ1198、並びに/又は他のカメラ・タイプを含む、任意の数のカメラ・タイプをさらに含み得る。カメラは、車両1100の全周の画像データをキャプチャするために使用され得る。使用されるカメラのタイプは、車両1100の実施形態及び要件に応じて決まり、任意の組合せのカメラ・タイプが、車両1100の周りの必要なカバレッジを実現するために使用され得る。加えて、カメラの数は、実施形態に応じて異なり得る。たとえば、車両は、6個のカメラ、7個のカメラ、10個のカメラ、12個のカメラ、及び/又は別の数のカメラを含んでもよい。カメラは、一実例として、ギガビット・マルチメディア・シリアル・リンク(GMSL:Gigabit Multimedia Serial Link)及び/又はギガビット・イーサネット(登録商標)をサポートし得るが、これに限定されない。それぞれのカメラは、
図11A及び
図11Bに関連して本明細書においてさらに詳しく説明される。
【0160】
車両1100は、振動センサ1142をさらに含み得る。振動センサ1142は、車軸など、車両の構成要素の振動を測定することができる。たとえば、振動の変化は、道路の表面の変化を示し得る。別の実例では、2個以上の振動センサ1142が使用されるとき、振動の差は、道路表面の摩擦又は滑りを判定するために使用され得る(たとえば、振動の差が電力駆動車軸と自由回転車軸との間であるとき)。
【0161】
車両1100は、ADASシステム1138を含み得る。一部の実例では、ADASシステム1138は、SoCを含み得る。ADASシステム1138は、自律/適応/オート・クルーズ制御(ACC:autonomous/adaptive/automatic cruise control)、協調適応クルーズ制御(CACC:cooperative adaptive cruise control)、前方衝突警報(FCW:forward crash warning)、自動緊急ブレーキング(AEB:automatic emergency braking)、車線逸脱警報(LDW:lane departure warning)、レーン・キープ・アシスト(LKA:lane keep assist)、死角警報(BSW:blind spot warning)、後部交錯交通警報(RCTW:rear cross-traffic warning)、衝突警報システム(CWS:collision warning system)、レーン・センタリング(LC:lane centering)、及び/又は他の特徴及び機能を含み得る。
【0162】
ACCシステムは、RADARセンサ1160、LIDARセンサ1164、及び/又はカメラを使用し得る。ACCシステムは、縦のACC及び/又は横のACCを含み得る。縦のACCは、車両1100の直ぐ前の車両までの距離を監視及び制御し、前方の車両からの安全距離を維持するために車両速度を自動的に調整する。横のACCは、距離の保持を実行し、必要なときにレーンを変更するように車両1100にアドバイスする。横のACCは、LCA及びCWSなどの他のADASアプリケーションに関連する。
【0163】
CACCは、ワイヤレス・リンクを介して他の車両からネットワーク・インターフェース1124及び/又はワイヤレス・アンテナ1126を介して、或いは間接的にネットワーク接続を介して(たとえば、インターネットを介して)、受信することができる、他の車両からの情報を使用する。直接リンクは、車両対車両(V2V:vehicle-to-vehicle)通信リンクによって提供され得、一方、間接リンクは、インフラストラクチャ対車両(I2V:infrastructure-to-vehicle)通信リンクでもよい。一般に、V2V通信概念は、直前の車両(たとえば、車両1100と同じレーン内にある、車両1100の直ぐ前の車両)に関する情報を提供し、一方、I2V通信概念は、さらに前の交通に関する情報を提供する。CACCシステムは、I2V情報ソースとV2V情報ソースとのいずれか又は両方を含み得る。車両1100の前方の車両の情報を所与として、CACCは、より高信頼になり得、CACCは、交通の流れをよりスムーズにし、道路の渋滞を減らす可能性を有する。
【0164】
運転者が修正の行動を取ることができるように、FCWシステムは、危険を運転者に警告するように設計される。FCWシステムは、ディスプレイ、スピーカ、及び/又は振動部品など、運転者フィードバックに電気的に連結された、専用のプロセッサ、DSP、FPGA、及び/又はASICに連結された、前向きのカメラ及び/又はRADARセンサ1160を使用する。FCWシステムは、音響、視覚的警報、振動及び/又はクイック・ブレーキ・パルスなどの形で、警報を提供することができる。
【0165】
AEBシステムは、別の車両又は他の物体との差し迫った前方衝突を検出し、運転者が指定された時間又は距離パラメータ内に修正の行動を取らない場合に、ブレーキを自動的に適用することができる。AEBシステムは、専用のプロセッサ、DSP、FPGA、及び/又はASICに連結された、前向きのカメラ及び/又はRADARセンサ1160を使用することができる。AEBシステムが危険を検出するとき、AEBシステムは通常は、先ず、衝突を回避するための修正の行動を取るように運転者に警告し、運転者が修正の行動を取らない場合、AEBシステムは、予測される衝突の影響を防ぐ、又は少なくとも軽減するための努力の一環としてブレーキを自動的に適用することができる。AEBシステムは、ダイナミック・ブレーキ・サポート及び/又は衝突緊急ブレーキングなどの技法を含み得る。
【0166】
LDWシステムは、ハンドル又はシートの振動など、視覚的、可聴式、及び/又は触覚的警報を提供して、車両1100が車線区分線を越えたときに運転者に警告する。LDWシステムは、運転者が、方向指示器を起動することによって、意図的な車線逸脱を指示するときには、起動しない。LDWシステムは、ディスプレイ、スピーカ、及び/又は振動部品など、運転者フィードバックに電気的に連結された、専用のプロセッサ、DSP、FPGA、及び/又はASICに連結された、前側を向いたカメラを使用することができる。
【0167】
LKAシステムは、LDWシステムの変更形態である。LKAシステムは、車両1100が車線をはみ出し始めた場合に車両1100を修正するためにステアリング入力又はブレーキングを提供する。
【0168】
BSWシステムは、自動車の死角において車両の運転者に検出及び警告する。BSWシステムは、合流又はレーンの変更が安全ではないことを指示するために視覚的、可聴式、及び/又は触覚的警告を提供することができる。システムは、運転者が方向指示器を使用するときに、付加的警告を提供することができる。BSWシステムは、運転者フィードバック、たとえば、ディスプレイ、スピーカ、及び/又は振動部品、に電気的に結合された、専用プロセッサ、DSP、FPGA、及び/又はASICに結合された、後ろ側を向いたカメラ及び/又はRADARセンサ1160を使用することができる。
【0169】
RCTWシステムは、車両1100がバックしているときにリアカメラの範囲外で物体が検出されたときに視覚的、可聴式、及び/又は触覚的通知を提供することができる。いくつかのRCTWシステムは、衝突を回避するために車両ブレーキが適用されることを確実にするために、AEBを含む。RCTWシステムは、運転者フィードバック、たとえば、ディスプレイ、スピーカ、及び/又は振動部品、に電気的に結合された、専用プロセッサ、DSP、FPGA、及び/又はASICに結合された、1つ又は複数の後ろを向いたRADARセンサ1160を使用することができる。
【0170】
従来のADASシステムは、運転者に警告し、安全状態が本当に存在するかどうかを運転者が判定し、それに応じて行動することを可能にするので、従来のADASシステムは、通常は壊滅的ではないが、運転者を苛立たせ、及び気を散らせ得る誤判定結果を生み出す傾向にあることがあった。しかしながら、自律型車両1100では、結果が矛盾する場合には、車両1100自体が、1次的コンピュータ又は2次的コンピュータ(たとえば、第1のコントローラ1136又は第2のコントローラ1136)からの結果を聞き入れるかどうかを決定しなければならない。たとえば、一部の実施形態では、ADASシステム1138は、知覚情報をバックアップ・コンピュータ合理性モジュールに提供するためのバックアップ及び/又は2次的コンピュータでもよい。バックアップ・コンピュータ合理性モニタは、ハードウェア構成要素で冗長で多様なソフトウェアを実行して、知覚及び動的運転タスクにおいて障害を検出することができる。ADASシステム1138からの出力は、監督MCUに提供され得る。1次的コンピュータ及び2次的コンピュータからの出力が矛盾する場合、監督MCUは、安全な動作を確実にするためにその矛盾をどのように調整するかを決定する必要がある。
【0171】
いくつかの実例では、1次的コンピュータは、選択された結果における1次的コンピュータの信頼性を指示する、信頼性スコアを監督MCUに提供するように構成され得る。信頼性スコアが閾値を超えた場合、監督MCUは、2次的コンピュータが矛盾する又は不整合の結果を与えるかどうかにかかわらず、1次的コンピュータの指示に従い得る。信頼性スコアが閾値を満たさない場合、並びに1次的及び2次的コンピュータが異なる結果を示す(たとえば、矛盾する)場合、監督MCUは、コンピュータの間で調停して適切な結果を決定することができる。
【0172】
監督MCUは、2次的コンピュータが誤ったアラームを提供する状態を、1次的コンピュータ及び2次的コンピュータからの出力に基づいて判定するようにトレーニング及び構成されたニューラル・ネットワークを実行するように構成され得る。したがって、監督MCU内のニューラル・ネットワークは、2次的コンピュータの出力が信頼され得るとき、及びそれが信頼され得ないときを学習することができる。たとえば、2次的コンピュータがRADARベースのFCWシステムであるとき、監督MCU内のニューラル・ネットワークは、アラームをトリガする下水溝の鉄格子又はマンホールの蓋など、実際には危険ではない金属製の物体をいつFCWが識別しているかを学習することができる。同様に、2次的コンピュータがカメラベースのLDWシステムであるとき、監督MCU内のニューラル・ネットワークは、自転車に乗った人又は歩行者が存在し、車線逸脱が、実際には、最も安全な操作であるときに、LDWを無視することを学習することができる。監督MCU上で実行中のニューラル・ネットワークを含む実施形態では、監督MCUは、関連メモリを有するニューラル・ネットワークを実行するのに適したDLA又はGPUのうちの少なくとも1つを含み得る。好ましい実施形態において、監督MCUは、SoC1104の構成要素を備え得る、及び/又はSoC1104の構成要素として含まれ得る。
【0173】
他の実例において、ADASシステム1138は、コンピュータ・ビジョンの従来のルールを使用するADAS機能を実行する2次的コンピュータを含み得る。そのようなものとして、2次的コンピュータは、古典的コンピュータ・ビジョン・ルール(if-then)を使用することができ、監督MCU内のニューラル・ネットワークの存在は、信頼性、安全性及びパフォーマンスを向上させることができる。たとえば、多様な実装形態及び意図的な非同一性は、特にソフトウェア(又はソフトウェア-ハードウェア・インターフェース)機能によって引き起こされる障害に対して、システム全体をよりフォールトトレラントにする。たとえば、1次的コンピュータで実行中のソフトウェア内にソフトウェア・バグ又はエラーが存在し、2次的コンピュータで実行中の同一でないソフトウェア・コードが同じ総合的結果を提供する場合、監督MCUは、総合的結果は正しく、1次的コンピュータ上のソフトウェア又はハードウェア内のバグは重大なエラーを引き起こしていないというより大きな確信を有し得る。
【0174】
いくつかの実例では、ADASシステム1138の出力は、1次的コンピュータの知覚ブロック及び/又は1次的コンピュータの動的運転タスク・ブロックに供給され得る。たとえば、ADASシステム1138が、直ぐ前の物体が原因で、前方衝突警報を示した場合、知覚ブロックは、物体を識別するときに、この情報を使用することができる。他の実例において、2次的コンピュータは、本明細書に記載のように、トレーニングされ、それ故に誤判定のリスクを減らす、独自のニューラル・ネットワークを有し得る。
【0175】
車両1100は、インフォテインメントSoC1130(たとえば、車両内のインフォテインメント・システム(IVI:in-vehicle infotainment system))をさらに含み得る。SoCとして図示及び記述されているが、インフォテインメント・システムは、SoCでなくてもよく、2個以上の離散された構成要素を含み得る。インフォテインメントSoC1130は、オーディオ(たとえば、音楽、携帯情報端末、ナビゲーション命令、ニュース、無線など)、ビデオ(たとえば、TV、映画、ストリーミングなど)、電話(たとえば、ハンズフリー通話)、ネットワーク接続(たとえば、LTE、Wi-Fiなど)、及び/又は情報サービス(たとえば、ナビゲーション・システム、後方駐車支援、無線データシステム、燃料レベル、総移動距離、ブレーキ燃料レベル、オイル・レベル、ドアを開ける/閉じる、エア・フィルタ情報などの車両関連情報)を車両1100に提供するために使用され得るハードウェア及びソフトウェアの組合せを含み得る。たとえば、インフォテインメントSoC1130は、無線、ディスク・プレイヤ、ナビゲーション・システム、ビデオ・プレイヤ、USB及びブルートゥース(登録商標)接続、カーピュータ、車内エンターテインメント、Wi-Fi、ハンドル・オーディオ制御装置、ハンズ・フリー音声制御、ヘッドアップ・ディスプレイ(HUD:heads-up display)、HMIディスプレイ1134、テレマティックス・デバイス、制御パネル(たとえば、様々な構成要素、特徴、及び/若しくはシステムを制御する並びに/又はこれと相互に作用するための)、及び/又は他の構成要素でもよい。インフォテインメントSoC1130は、ADASシステム1138からの情報、計画された車両操作などの自律運転情報、軌道、周囲環境情報(たとえば、交差点情報、車両情報、道路情報など)、及び/又は他の情報など、車両のユーザへの情報(たとえば、視覚的及び/又は可聴式の)を提供するためにさらに使用され得る。
【0176】
インフォテインメントSoC1130は、GPU機能性を含み得る。インフォテインメントSoC1130は、バス1102(たとえば、CANバス、イーサネット(登録商標)など)を介して、車両1100の他のデバイス、システム、及び/又は構成要素と通信することができる。いくつかの実例では、インフォテインメント・システムのGPUが、1次的コントローラ1136(たとえば、車両1100の1次的及び/又はバックアップ・コンピュータ)が故障した場合に、いくつかのセルフドライブ機能を実行することができるように、インフォテインメントSoC1130は、監督MCUに連結され得る。そのような実例では、インフォテインメントSoC1130は、本明細書に記載のように、車両1100を安全停止のための運転代行モードにすることができる。
【0177】
車両1100は、計器群1132(たとえば、デジタル・ダッシュ、電子計器群、デジタル計器パネルなど)をさらに含み得る。計器群1132は、コントローラ及び/又はスーパーコンピュータ(たとえば、離散されたコントローラ又はスーパーコンピュータ)を含み得る。計器群1132は、スピードメーター、燃料レベル、油圧、タコメーター、オドメーター、方向指示器、ギアシフト位置インジケータ、シート・ベルト警告灯、パーキングブレーキ警告灯、エンジン故障灯、エアバッグ(SRS)システム情報、照明制御装置、安全システム制御装置、ナビゲーション情報など、1セットの器具類を含み得る。いくつかの実例では、情報は、インフォテインメントSoC1130及び計器群1132の間で表示及び/又は共有され得る。言い換えれば、計器群1132は、インフォテインメントSoC1130の一部として含まれてもよく、逆もまた同様である。
【0178】
図11Dは、本開示のいくつかの実施形態による、
図11Aのクラウドベースのサーバと例示的自律型車両1100との間の通信のシステム図である。システム1176は、サーバ1178、ネットワーク1190、及び、車両1100を含む車両を含み得る。サーバ1178は、複数のGPU1184(A)~1184(H)(本明細書でGPU1184と総称される)、PCIeスイッチ1182(A)~1182(H)(本明細書でPCIeスイッチ1182と総称される)、及び/又はCPU1180(A)~1180(B)(本明細書でCPU1180と総称される)を含み得る。GPU1184、CPU1180、及びPCIeスイッチは、たとえば、NVIDIAによって開発されたNVLinkインターフェース1188及び/又はPCIe接続1186などの、これらに限定されない、高速相互接続で相互に接続され得る。いくつかの実例では、GPU1184は、NVLink及び/又はNVSwitch SoCを介して接続され、GPU1184及びPCIeスイッチ1182は、PCIe相互接続を介して接続される。8個のGPU1184、2個のCPU1180、及び2個のPCIeスイッチが図示されているが、これは限定を意図されていない。実施形態に応じて、それぞれのサーバ1178は、任意の数のGPU1184、CPU1180、及び/又はPCIeスイッチを含み得る。たとえば、サーバ1178は、それぞれ、8個、16個、32個、及び/又はそれ以上のGPU1184を含んでもよい。
【0179】
サーバ1178は、最近開始された道路工事など、予想外の又は変更された道路状態を示す画像を表す画像データを、ネットワーク1190を介して、車両から、受信することができる。サーバ1178は、ニューラル・ネットワーク1192、更新されたニューラル・ネットワーク1192、並びに/又は、交通及び道路状態に関する情報を含むマップ情報1194をネットワーク1190を介して車両に送信することができる。マップ情報1194の更新は、建設現場、くぼみ、迂回路、洪水、及び/又は他の障害物に関する情報など、HDマップ1122の更新を含み得る。いくつかの実例では、ニューラル・ネットワーク1192、更新されたニューラル・ネットワーク1192、及び/又はマップ情報1194は、環境において任意の数の車両から受信されたデータにおいて表された新しいトレーニング及び/又は経験から、及び/又は(たとえば、サーバ1178及び/又は他のサーバを使用する)データ・センタにおいて実行されたトレーニングに基づいて生じた可能性がある。
【0180】
サーバ1178は、トレーニング・データに基づいて機械学習モデル(たとえば、ニューラル・ネットワーク)をトレーニングするために使用され得る。トレーニング・データは、車両によって生成され得る、及び/又は(たとえば、ゲーム・エンジンを使用して)シミュレーションにおいて生成され得る。いくつかの実例では、トレーニング・データは、タグ付けされる(たとえば、ニューラル・ネットワークが、監督された学習の恩恵を受ける場合)及び/又は他の事前処理を受けるが、他の実例において、トレーニング・データは、タグ付け及び/又は事前処理されない(たとえば、ニューラル・ネットワークが、監督された学習を必要としない場合)。トレーニングは、たとえば以下のクラスを含むがこれらに限定されない、任意の1つ又は複数のクラスの機械学習技法に従って、実行され得る:監視されたトレーニング、半監視されたトレーニング、監視されていないトレーニング、自己学習、強化学習、連合型学習、転移学習、特徴学習(主要構成要素及びクラスタ分析を含む)、マルチ線形部分空間学習、多様体学習、表現学習(予備辞書学習を含む)、ルールに基づく機械学習、異常検出、及びそれらの変更形態若しくは組合せ。機械学習モデルがトレーニングされた後は、機械学習モデルは、車両によって使用され得(たとえば、ネットワーク1190を介して車両に送信される)、及び/又は、機械学習モデルは、車両を遠隔監視するために、サーバ1178によって使用され得る。
【0181】
いくつかの実例では、サーバ1178は、車両からデータを受信し、リアルタイムのインテリジェント推論のために最新のリアルタイムのニューラル・ネットワークにデータを適用することができる。サーバ1178は、NVIDIAによって開発されたDGX及びDGXステーション・マシンなど、GPU1184によって電力供給される深層学習スーパーコンピュータ及び/又は専用のAIコンピュータを含み得る。しかしながら、一部の実例では、サーバ1178は、CPU電源式データ・センタのみを使用する深層学習インフラストラクチャを含み得る。
【0182】
サーバ1178の深層学習インフラストラクチャは、高速のリアルタイム推論の能力を有することでき、その能力を使用して車両1100内のプロセッサ、ソフトウェア、及び/又は関連ハードウェアの調子を評価及び検証することができる。たとえば、深層学習インフラストラクチャは、車両1100がそのシーケンスの画像内に位置したシーケンスの画像及び/又は物体など、車両1100からの定期的更新を受信することができる(たとえば、コンピュータ・ビジョン及び/又は他の機械学習物体分類技法を介して)。深層学習インフラストラクチャは、物体を識別し、車両1100によって識別された物体とそれらを比較するために、独自のニューラル・ネットワークを実行することができ、結果が一致せず、インフラストラクチャが、車両1100内のAIは正常に機能していないという結論を下した場合、サーバ1178は、制御を推測し、乗客に通知し、安全な駐車操作を完了するように車両1100のフェイルセーフ・コンピュータに命じる車両1100への信号を送信することができる。
【0183】
推論のために、サーバ1178は、GPU1184及び1つ又は複数のプログラマブル推論加速装置(たとえば、NVIDIAのTensorRT)を含み得る。GPU電源式サーバ及び推論加速の組合せは、リアルタイムの応答性を可能にすることができる。パフォーマンスがさほど必要とされない場合など、他の実例では、CPU、FPGA、及び他のプロセッサによって電力供給されるサーバが、推論のために使用され得る。
【0184】
(例示的計算デバイス)
図12は、本開示のいくつかの実施形態の実装に使用するのに適した計算デバイス1200の一実例のブロック図である。計算デバイス1200は、以下のデバイスを直接的に又は間接的につなぐ相互接続システム1202を含み得る:メモリ1204、1つ又は複数の中央処理装置(CPU)1206、1つ又は複数のグラフィック処理ユニット(GPU)1208、通信インターフェース1210、入力/出力(I/O)ポート1212、入力/出力構成要素1214、電力供給装置1216、1つ又は複数の提示構成要素1218(たとえば、ディスプレイ)、及び1つ又は複数の論理ユニット1220。少なくとも1つの実施形態において、計算デバイス1200は、1つ又は複数の仮想マシン(VM)を含み得る、及び/又は、その構成要素のいずれかは、仮想構成要素(たとえば、仮想ハードウェア構成要素)を含み得る。非限定的実例として、GPU1208のうちの1つ又は複数は、1つ又は複数のvGPUを含み得、CPU1206のうちの1つ又は複数は、1つ又は複数のvCPUを含み得、及び/又は、論理ユニット1220のうちの1つ又は複数は、1つ又は複数の仮想論理ユニットを含み得る。そのようなものとして、計算デバイス1200は、離散された構成要素(たとえば、計算デバイス1200専用の全GPU)、仮想構成要素(たとえば、計算デバイス1200専用のGPUの一部)、又はその組合せを含み得る。
【0185】
図12の様々なブロックは、線で相互接続システム1202を介して接続しているように示されているが、これは限定することを意図されておらず、単に分かりやすくするためである。たとえば、一部の実施形態では、ディスプレイ・デバイスなどの提示構成要素1218は、I/O構成要素1214と考えられ得る(たとえば、ディスプレイがタッチ・スクリーンである場合)。別の実例として、CPU1206及び/又はGPU1208はメモリを含み得る(たとえば、メモリ1204は、GPU1208、CPU1206、及び/又は他の構成要素のメモリに加えた記憶デバイスを表し得る)。言い換えれば、
図12の計算デバイスは、単に例示である。「ワークステーション」、「サーバ」、「ラップトップ」、「デスクトップ」、「タブレット」、「クライアント・デバイス」、「モバイル・デバイス」、「ハンドヘルド・デバイス」、「ゲーム機」、「電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)」、「仮想現実システム」、及び/又は他のデバイス若しくはシステム・タイプなどのカテゴリはすべて、
図12の計算デバイスの範囲内にあることが意図されているので、これらは区別されない。
【0186】
相互接続システム1202は、1つ又は複数のリンク又はバス、たとえば、アドレス・バス、データ・バス、制御バス、又はそれらの組合せ、を表し得る。相互接続システム1202は、1つ又は複数のバス又はリンク・タイプ、たとえば、業界標準アーキテクチャ(ISA:industry standard architecture)バス、拡張業界標準アーキテクチャ(EISA:extended industry standard architecture)バス、VESA(video electronics standards association)バス、周辺構成要素相互接続(PCI:peripheral component interconnect)バス、周辺構成要素相互接続エクスプレス(PCIe:peripheral component interconnect express)バス、及び/又は別のタイプのバス若しくはリンク、を含み得る。一部の実施形態では、構成要素の間に直接接続が存在する。一実例として、CPU1206は、メモリ1204に直接接続され得る。さらに、CPU1206は、GPU1208に直接接続され得る。構成要素の間に直接、又はポイント対ポイント接続が存在する場合、相互接続システム1202は、接続を実施するためのPCIeリンクを含み得る。これらの実例では、PCIバスは、計算デバイス1200に含まれる必要はない。
【0187】
メモリ1204は、様々なコンピュータ可読媒体のいずれかを含み得る。コンピュータ可読媒体は、計算デバイス1200によってアクセスすることができる任意の利用可能な媒体でもよい。コンピュータ可読媒体は、揮発性及び不揮発性媒体の両方、並びに取り外し可能な及び取り外し不可能な媒体を含んでもよい。限定ではなく実例として、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体を備え得る。
【0188】
コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造体、プログラム・モジュール、及び/又は他のデータ・タイプなどの情報の記憶のための任意の方法又は技術において実装された揮発性及び不揮発性媒体並びに/又は取り外し可能な及び取り外し不可能な媒体の両方を含んでもよい。たとえば、メモリ1204は、オペレーティング・システムなど、(たとえば、プログラム及び/又はプログラム要素を表す)コンピュータ可読命令を記憶することができる。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD:digital versatile disk)又は他の光ディスク・ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク・ストレージ若しくは他の磁気記憶デバイス、或いは、所望の情報を記憶するために使用し得る及び計算デバイス1200によってアクセスし得る任意の他の媒体を含み得るが、これらに限定されない。本明細書では、コンピュータ記憶媒体は、信号自体を含まない。
【0189】
コンピュータ記憶媒体は、搬送波などの変調データ信号又は他の移送機構においてコンピュータ可読命令、データ構造体、プログラム・モジュール、及び/又は他のデータ・タイプを実施することができ、任意の情報配信媒体を含む。「変調データ信号」という用語は、その特性セットのうちの1つ又は複数を有する或いは信号内の情報をエンコードするような方式で変化した信号を指し得る。限定ではなく実例として、コンピュータ記憶媒体は、ワイヤード・ネットワーク又は直接ワイヤード接続などのワイヤード媒体と、音響、RF、赤外線及び他のワイヤレス媒体などのワイヤレス媒体とを含み得る。前述のいずれかの組合せもまた、コンピュータ可読媒体の範囲に含まれるべきである。
【0190】
CPU1206は、コンピュータ可読命令のうちの少なくともいくつかを実行して計算デバイス1200の1つ又は複数の構成要素を制御して本明細書に記載の方法及び/又はプロセスのうちの1つ又は複数を実行するように構成され得る。CPU1206は、多数のソフトウェア・スレッドを同時に処理する能力を有する1つ又は複数の(たとえば、1個、2個、4個、8個、28個、72個などの)コアをそれぞれ含んでもよい。CPU1206は、任意のタイプのプロセッサを含んでもよく、実装された計算デバイス1200のタイプに応じて、異なるタイプのプロセッサを含んでもよい(たとえば、モバイル・デバイスのためのより少数のコアを有するプロセッサ、及びサーバのためのより多数のコアを有するプロセッサ)。たとえば、計算デバイス1200のタイプに応じて、プロセッサは、縮小命令セット計算(RISC:Reduced Instruction Set Computing)を使用して実装されたAdvanced RISC Machines(ARM)プロセッサ、又は複合命令セット計算(CISC:Complex Instruction Set Computing)を使用して実装されたx86プロセッサでもよい。計算デバイス1200は、計算コプロセッサなど、1つ又は複数のマイクロプロセッサ又は補助コプロセッサに加えて、1つ又は複数のCPU1206を含み得る。
【0191】
CPU1206に加えて又はその代わりに、GPU1208は、コンピュータ可読命令のうちの少なくともいくつかを実行して計算デバイス1200の1つ又は複数の構成要素を制御して本明細書に記載の方法及び/又はプロセスのうちの1つ又は複数を実行するように構成され得る。GPU1208のうちの1つ若しくは複数は、統合されたGPUでもよく(たとえば、CPU1206のうちの1つ又は複数とでもよい)、及び/又はGPU1208のうちの1つ若しくは複数は、離散GPUでもよい。実施形態では、GPU1208のうちの1つ又は複数は、CPU1206のうちの1つ又は複数のコプロセッサでもよい。GPU1208は、グラフィックス(たとえば、3Dグラフィックス)をレンダリングする又は汎用計算を実行するために、計算デバイス1200によって使用され得る。たとえば、GPU1208は、GPUによる汎用計算(GPGPU:General-Purpose computing on GPU)のために使用され得る。GPU1208は、同時に数百又は数千のソフトウェア・スレッドを処理する能力を有する数百又は数千のコアを含み得る。GPU1208は、レンダリング・コマンド(たとえば、ホスト・インターフェースを介して受信されたCPU1206からのレンダリング・コマンド)に応答して、出力画像のための画素データを生成することができる。GPU1208は、画素データ又は任意の他の適切なデータ、たとえばGPGPUデータ、を記憶するためのグラフィックス・メモリ、たとえばディスプレイ・メモリ、を含み得る。ディスプレイ・メモリは、メモリ1204の一部として含まれ得る。GPU1208は、並行して動作する(たとえば、リンクを介して)2個以上のGPUを含み得る。リンクは、GPUに直接接続することができ(たとえば、NVLINKを使用して)、又はスイッチを介して(たとえば、NVSwitchを使用して)GPUを接続することができる。ともに結合されるとき、各GPU1208は、出力の異なる部分の又は異なる出力の画素データ又はGPGPUデータ(たとえば、第1の画像の第1のGPU及び第2の画像の第2のGPU)を生成することができる。各GPUは、独自のメモリを含むことができ、又は他のGPUとメモリを共有することができる。
【0192】
CPU1206及び/又はGPU1208に加えて又はその代わりに、論理ユニット1220は、コンピュータ可読命令のうちの少なくともいくつかを実行して計算デバイス1200のうちの1つ又は複数を制御して本明細書に記載の方法及び/又はプロセスのうちの1つ又は複数を実行するように構成され得る。実施形態では、CPU1206、GPU1208、及び/又は論理ユニット1220は、方法、プロセス及び/又はその部分の任意の組合せを離散的に又は合同で実行することができる。論理ユニット1220のうちの1つ若しくは複数は、CPU1206及び/若しくはGPU1208のうちの1つ若しくは複数の一部でもよく及び/又はそこで統合されてもよく、並びに/又は、論理ユニット1220のうちの1つ若しくは複数は、CPU1206及び/若しくはGPU1208に対する離散構成要素であっても若しくは他の方法でそれらの外部にあってもよい。実施形態では、論理ユニット1220のうちの1つ又は複数は、CPU1206のうちの1つ若しくは複数及び/又はGPU1208のうちの1つ若しくは複数のコプロセッサでもよい。
【0193】
論理ユニット1220の実例は、1つ又は複数の処理コア及び/又はその構成要素、たとえば、データ処理ユニット(DPU:Data Processing Unit)、テンソル・コア(TC:Tensor Core)、テンソル処理ユニット(TPU:Tensor Processing Unit)、画素ビジュアル・コア(PVC:Pixel Visual Core)、ビジョン処理ユニット(VPU:Vision Processing Unit)、グラフィックス処理クラスタ(GPC:Graphics Processing Cluster)、テクスチャ処理クラスタ(TPC:Texture Processing Cluster)、ストリーミング・マルチプロセッサ(SM:Streaming Multiprocessor)、ツリー・トラバース・ユニット(TTU:Tree Traversal Unit)、人工知能加速装置(AIA:Artificial Intelligence Accelerator)、深層学習加速装置(DLA:Deep Learning Accelerator)、論理演算ユニット(ALU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、浮動小数点演算ユニット(FPU)、入力/出力(I/O)エレメント、周辺構成要素相互接続(PCI)又は周辺構成要素相互接続エクスプレス(PCIe)エレメント、及び/又は同類のもの、を含む。
【0194】
通信インターフェース1210は、ワイヤード及び/又はワイヤレス通信を含む、電子通信ネットワークを介して計算デバイス1200が他の計算デバイスと通信することを可能にする、1つ又は複数のレシーバ、トランスミッタ、及び/又はトランシーバを含み得る。通信インターフェース1210は、ワイヤレス・ネットワーク(たとえば、Wi-Fi、Z-Wave、ブルートゥース(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)LE、ZigBeeなど)、ワイヤード・ネットワーク(たとえば、イーサネット(登録商標)又はInfiniBandを介して通信すること)、低電力ワイド・エリア・ネットワーク(たとえば、LoRaWAN、SigFoxなど)、及び/又はインターネットなどの、いくつかの異なるネットワークのうちのいずれかを介する通信を可能にするための構成要素及び機能を含み得る。1つ又は複数の実施形態において、論理ユニット1220及び/又は通信インターフェース1210は、ネットワークを介して及び/又は相互接続システム1202を通して受信されるデータを1つ又は複数のGPU1208(たとえば、そのメモリ)に直接送信するために1つ又は複数のデータ処理装置(DPU)を含み得る。
【0195】
I/Oポート1212は、そのうちのいくつかは計算デバイス1200に内蔵(たとえば、統合)され得る、I/O構成要素1214、提示構成要素1218、及び/又は他の構成要素を含む、他のデバイスに計算デバイス1200が論理的に連結されることを可能にすることができる。例示的なI/O構成要素1214は、マイクロフォン、マウス、キーボード、ジョイスティック、ゲーム・パッド、ゲーム・コントローラ、サテライト・ディッシュ、スキャナ、プリンタ、ワイヤレス・デバイスなどを含む。I/O構成要素1214は、エア・ジェスチャ、音声、又は、ユーザによって生成される他の生理的入力を処理する自然ユーザ・インターフェース(NUI:natural user interface)を提供することができる。場合によっては、入力は、さらなる処理のための適切なネットワーク要素に送信され得る。NUIは、音声認識、スタイラス認識、顔認識、生体認識、画面上での及び画面の隣でのジェスチャ認識、エア・ジェスチャ、頭部及び視標追跡、並びに計算デバイス1200のディスプレイに関連するタッチ認識(さらに詳しく後述するような)の任意の組合せを実装し得る。計算デバイス1200は、ジェスチャ検出及び認識のための、ステレオスコープ・カメラ・システム、赤外線カメラ・システム、RGBカメラ・システム、タッチ・スクリーン技術、及びこれらの組合せなど、深度カメラを含み得る。追加で、計算デバイス1200は、動きの検出を可能にする加速度計又はジャイロスコープを含み得る(たとえば、慣性測定ユニット(IMU:inertia measurement unit)の一部として)。いくつかの実例では、加速度計又はジャイロスコープの出力は、没入型拡張現実又は仮想現実をレンダリングするために、計算デバイス1200によって使用され得る。
【0196】
電力供給装置1216は、ハードワイヤード電力供給装置、バッテリ電力供給装置、又はその組合せを含み得る。電力供給装置1216は、計算デバイス1200の構成要素が動作することを可能にするために計算デバイス1200に電力を提供することができる。
【0197】
提示構成要素1218は、ディスプレイ(たとえば、モニタ、タッチ・スクリーン、テレビジョン画面、ヘッドアップ・ディスプレイ・デバイス(HUD)、他のディスプレイタイプ、又はそれらの組合せ)、スピーカ、及び/又は他の提示構成要素を含み得る。提示構成要素1218は、他の構成要素(たとえば、GPU1208、CPU1206、DPUなど)からデータを受信し、データを(たとえば、画像、ビデオ、音響などとして)出力することができる。
【0198】
(例示的データ・センタ)
図13は、本開示の少なくとも1つの実施形態において使用され得る例示的データ・センタ1300を示す。データ・センタ1300は、データ・センタ・インフラストラクチャ層1310、フレームワーク層1320、ソフトウェア層1330、及び/又はアプリケーション層1340を含み得る。
【0199】
図13に示すように、データ・センタ・インフラストラクチャ層1310は、資源オーケストレータ1312、グループ化された計算資源1314、及びノード計算資源(「ノードC.R.」)1316(1)~1316(N)を含み得、そこで、「N」は、任意の正の整数を表す。少なくとも1つの実施形態において、ノードC.R.1316(1)~1316(N)は、任意の数の中央処理装置(CPU)又は他のプロセッサ(DPU、加速装置、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、グラフィックス・プロセッサ若しくはグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)などを含む)、メモリ・デバイス(たとえば、動的リード・オンリ・メモリ)、記憶デバイス(たとえば、ソリッドステート若しくはディスク・ドライブ)、ネットワーク入力/出力(NW I/O)デバイス、ネットワーク・スイッチ、仮想マシン(VM)、電力モジュール、及び/又は冷却モジュールなどを含み得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、ノードC.R.1316(1)~1316(N)のうちの1つ又は複数のノードC.R.は、前述の計算資源のうちの1つ又は複数を有するサーバに対応し得る。加えて、いくつかの実施形態において、ノードC.R.1316(1)~13161(N)は、1つ若しくは複数の仮想構成要素、たとえば、vGPU、vCPU、及び/若しくは同類のもの、を含み得る、並びに/又は、ノードC.R.1316(1)~1316(N)のうちの1つ若しくは複数は、仮想マシン(VM)に対応し得る。
【0200】
少なくとも1つの実施形態において、グループ化された計算資源1314は、1つ又は複数のラック(図示せず)内に収容された別個のグループのノードC.R.1316、或いは様々な地理的場所(やはり図示せず)にあるデータ・センタに収容された多数のラックを含み得る。グループ化された計算資源1314内の別個のグループのノードC.R.1316は、1つ又は複数のワークロードをサポートするように構成する又は割り当てることができる、グループ化された計算、ネットワーク、メモリ又はストレージ資源を含み得る。少なくとも1つの実施形態において、CPU、GPU、DPU、及び/又は他のプロセッサを含むいくつかのノードC.R.1316は、1つ又は複数のワークロードをサポートするための計算資源を提供するために、1つ又は複数のラック内にグループ化され得る。1つ又は複数のラックはまた、任意の組合せで、任意の数の電力モジュール、冷却モジュール、及び/又はネットワーク・スイッチを含み得る。
【0201】
資源オーケストレータ1312は、1つ若しくは複数のノードC.R.1316(1)~1316(N)及び/又はグループ化された計算資源1314を構成又は他の方法で制御することができる。少なくとも1つの実施形態において、資源オーケストレータ1312は、データ・センタ1300のソフトウェア設計インフラストラクチャ(「SDI」)管理エンティティを含み得る。資源オーケストレータ1312は、ハードウェア、ソフトウェア、又はその何らかの組合せを含み得る。
【0202】
少なくとも1つの実施形態において、
図13に示すように、フレームワーク層1320は、ジョブ・スケジューラ1333、構成マネージャ1334、資源マネージャ1336、及び/又は分散型ファイル・システム1338を含み得る。フレームワーク層1320は、ソフトウェア層1330のソフトウェア1332及び/又はアプリケーション層1340の1つ若しくは複数のアプリケーション1342をサポートするためにフレームワークを含み得る。ソフトウェア1332又はアプリケーション1342は、ウェブベースのサービス・ソフトウェア又はアプリケーション、たとえば、Amazon Web Services(登録商標)、Google Cloud及びMicrosoft Azureによって提供されるもの、をそれぞれ含み得る。フレームワーク層1320は、大規模データ処理(たとえば、「ビッグ・データ」)のための分散型ファイル・システム1338を使用し得るApache Spark(商標)(以下「Spark」)などのフリー及びオープン・ソース・ソフトウェア・ウェブ・アプリケーション・フレームワークのタイプでもよいが、これに限定されない。少なくとも1つの実施形態において、ジョブ・スケジューラ1333は、データ・センタ1300の様々な層によってサポートされるワークロードのスケジューリングを容易にするために、Sparkドライバを含み得る。構成マネージャ1334は、異なる層、たとえば、ソフトウェア層1330と、大規模データ処理をサポートするためのSpark及び分散型ファイル・システム1338を含むフレームワーク層1320、を構成する能力を有し得る。資源マネージャ1336は、分散型ファイル・システム1338及びジョブ・スケジューラ1333のサポートのためにマップされた又は割り当てられたクラスタ化された又はグループ化された計算資源を管理する能力を有し得る。少なくとも1つの実施形態において、クラスタ化された又はグループ化された計算資源は、データ・センタ・インフラストラクチャ層1310にグループ化された計算資源1314を含み得る。資源マネージャ1336は、資源オーケストレータ1312と調整して、これらのマップされた又は割り当てられた計算資源を管理することができる。
【0203】
少なくとも1つの実施形態において、ソフトウェア層1330に含まれるソフトウェア1332は、ノードC.R.1316(1)~1316(N)の少なくとも部分、グループ化された計算資源1314、及び/又はフレームワーク層1320の分散型ファイル・システム1338によって使用されるソフトウェアを含み得る。1つ又は複数のタイプのソフトウェアは、インターネット・ウェブ・ページ検索ソフトウェア、電子メール・ウイルス・スキャン・ソフトウェア、データベース・ソフトウェア、及びストリーミング・ビデオ・コンテンツ・ソフトウェアを含み得るが、これらに限定されない。
【0204】
少なくとも1つの実施形態において、アプリケーション層1340に含まれるアプリケーション1342は、ノードC.R.1316(1)~1316(N)の少なくとも部分、グループ化された計算資源1314、及び/又はフレームワーク層1320の分散型ファイル・システム1338によって使用される1つ又は複数のタイプのアプリケーションを含み得る。1つ又は複数のタイプのアプリケーションは、任意の数のゲノミクス・アプリケーション、認知計算、並びに、トレーニング若しくは推論ソフトウェア、機械学習フレームワーク・ソフトウェア(たとえば、PyTorch、TensorFlow、Caffeなど)、及び/又は1つ若しくは複数の実施形態と併せて使用される他の機械学習アプリケーションを含む、機械学習アプリケーションを含み得るが、これらに限定されない。
【0205】
少なくとも1つの実施形態において、構成マネージャ1334、資源マネージャ1336、及び資源オーケストレータ1312のうちのいずれかは、任意の技術的に可能な方式で取得される任意の量及びタイプのデータに基づいて任意の数及びタイプの自己書換え型アクションを実装することができる。自己書換え型アクションは、よくない可能性のある構成決定を行うこと並びにデータ・センタの十分に活用されていない及び/又は実行の不十分な部分を恐らく回避することからデータ・センタ1300のデータ・センタ・オペレータを解放し得る。
【0206】
データ・センタ1300は、1つ又は複数の機械学習モデルをトレーニングする或いは本明細書に記載の1つ又は複数の実施形態による1つ又は複数の機械学習モデルを使用して情報を予測する又は推論するために、ツール、サービス、ソフトウェア或いは他の資源を含み得る。たとえば、機械学習モデルは、データ・センタ1300に関して前述されたソフトウェア及び/又は計算資源を使用するニューラル・ネットワーク・アーキテクチャによる重量パラメータの計算によって、トレーニングされ得る。少なくとも1つの実施形態において、1つ又は複数のニューラル・ネットワークに対応するトレーニングされた又は配備された機械学習モデルは、たとえば、本明細書に記載のものに限定されない、1つ又は複数のトレーニング技法を介して計算された重量パラメータを使用することによって、データ・センタ1300に関して前述された資源を使用して情報を推論又は予測するために使用され得る。
【0207】
少なくとも1つの実施形態において、データ・センタ1300は、前述の資源を使用するトレーニング及び/又は推論を実行するために、CPU、特定用途向け集積回路(ASIC)、GPU、FPGA、及び/又は他のハードウェア(若しくはそれに対応する仮想計算資源)を使用することができる。さらに、前述の1つ又は複数のソフトウェア及び/又はハードウェア資源は、情報の推論をユーザがトレーニング又は実行することを可能にするためのサービス、たとえば、画像認識、音声認識、又は他の人工知能サービス、として構成され得る。
【0208】
(例示的ネットワーク環境)
本開示の実施形態の実装において使用するのに適したネットワーク環境は、1つ若しくは複数のクライアント・デバイス、サーバ、ネットワーク接続型ストレージ(NAS:network attached storage)、他のバックエンド・デバイス、及び/又は他のデバイス・タイプを含み得る。クライアント・デバイス、サーバ、及び/又は他のデバイス・タイプ(たとえば、各デバイス)は、
図12の計算デバイス1200の1つ又は複数のインスタンスで実装され得、たとえば、各デバイスは、計算デバイス1200の類似の構成要素、特徴、及び/又は機能性を含み得る。加えて、バックエンド・デバイス(たとえば、サーバ、NASなど)が、実装される場合、バックエンド・デバイスは、データ・センタ1300の一部として含まれ得、その実例は、
図13に関して本明細書でさらに詳述される。
【0209】
ネットワーク環境の構成要素は、ワイヤード、ワイヤレス、又はその両方でもよい、ネットワークを介して互いに通信し得る。ネットワークは、複数のネットワーク、又は複数のネットワークのうちの1つのネットワークを含み得る。実例として、ネットワークは、1つ若しくは複数のワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、1つ若しくは複数のローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、1つ若しくは複数のパブリック・ネットワーク、たとえば、インターネット及び/若しくは公衆交換電話網(PSTN)、並びに/又は1つ若しくは複数のプライベート・ネットワークを含み得る。ネットワークが、ワイヤレス電気通信ネットワークを含む場合、構成要素、たとえば、基地局、通信塔、或いはアクセス・ポイント(並びに他の構成要素)、は、ワイヤレス接続を提供し得る。
【0210】
互換性のあるネットワーク環境は、1つ又は複数のピア・ツー・ピア・ネットワーク環境(その場合、サーバはネットワーク環境に含まれないことがある)と、1つ又は複数のクライアント・サーバ・ネットワーク環境(その場合、1つ又は複数のサーバがネットワーク環境に含まれ得る)とを含み得る。ピア・ツー・ピア・ネットワーク環境では、サーバに関して本明細書に記載した機能性は、任意の数のクライアント・デバイスで実装され得る。
【0211】
少なくとも1つの実施形態において、ネットワーク環境は、1つ又は複数のクラウドベースのネットワーク環境、分散型計算環境、その組合せなどを含み得る。クラウドベースのネットワーク環境は、フレームワーク層、ジョブ・スケジューラ、資源マネージャ、並びに、1つ若しくは複数のコア・ネットワーク・サーバ及び/又はエッジ・サーバを含み得る、サーバのうちの1つ又は複数で実装された分散型ファイル・システムを含み得る。フレームワーク層は、ソフトウェア層のソフトウェア及び/又はアプリケーション層の1つ若しくは複数のアプリケーションをサポートするために、フレームワークを含み得る。ソフトウェア又はアプリケーションは、それぞれ、ウェブベースのサービス・ソフトウェア又はアプリケーションを含み得る。実施形態において、クライアント・デバイスのうちの1つ又は複数は、ウェブベースのサービス・ソフトウェア又はアプリケーションを使用し得る(たとえば、1つ又は複数のアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)を介してサービス・ソフトウェア及び/又はアプリケーションにアクセスすることによって)。フレームワーク層は、たとえば大規模データ処理(たとえば、「ビッグ・データ」)のための分散型ファイル・システムを使用し得る、フリー及びオープン・ソース・ソフトウェア・ウェブ・アプリケーション・フレームワークのタイプでもよいが、これに限定されない。
【0212】
クラウドベースのネットワーク環境は、本明細書に記載の計算及び/又はデータ・ストレージ機能(又は1つ若しくは複数のその部分)の任意の組合せを実施するクラウド計算及び/又はクラウド・ストレージを提供し得る。これらの様々な機能のいずれも、(たとえば、州、領域、国、世界にわたって分散され得る1つ又は複数のデータ・センタなどの)セントラル又はコア・サーバから複数の場所に分散され得る。ユーザ(たとえば、クライアント・デバイス)への接続が、エッジ・サーバに比較的近い場合、コア・サーバは、機能性の少なくとも一部をエッジ・サーバに指定し得る。クラウドベースのネットワーク環境は、プライベート(たとえば、単一の組織に制限される)でもよく、パブリック(たとえば、多数の組織に利用可能)、及び/又はその組合せ(たとえば、ハイブリッド・クラウド環境)でもよい。
【0213】
クライアント・デバイスは、
図12に関して本明細書に記載の例示的計算デバイス1200の構成要素、特徴、及び機能性のうちの少なくともいくつかを含み得る。限定ではなく実例として、クライアント・デバイスは、パーソナル・コンピュータ(PC)、ラップトップ・コンピュータ、モバイル・デバイス、スマートフォン、タブレット・コンピュータ、スマート・ウォッチ、ウェアラブル・コンピュータ、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、MP3プレイヤ、仮想現実ヘッドセット、全地球測位システム(GPS)若しくはデバイス、ビデオ・プレイヤ、ビデオカメラ、監視デバイス若しくはシステム、車両、ボート、飛行船、仮想マシン、ドローン、ロボット、ハンドヘルド通信デバイス、病院デバイス、ゲーミング・デバイス若しくはシステム、娯楽システム、車両コンピュータ・システム、組み込み型システム・コントローラ、リモート制御、器具、民生用電子デバイス、ワークステーション、エッジ・デバイス、これらの描写されたデバイスの任意の組合せ、又は任意の他の適切なデバイスとして実施され得る。
【0214】
本開示は、コンピュータ又は、携帯情報端末若しくは他のハンドヘルド・デバイスなどの、他のマシンによって実行されている、プログラム・モジュールなどのコンピュータ実行可能命令を含む、コンピュータ・コード又はマシン使用可能命令との一般的関連において説明されることがある。一般に、ルーティン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造体などを含むプログラム・モジュールは、特定のタスクを実行する又は特定の抽象データ・タイプを実装するコードを指す。本開示は、ハンドヘルド・デバイス、家電製品、汎用コンピュータ、より特殊な計算デバイスなどを含む、様々なシステム構成で実施され得る。本開示はまた、通信ネットワークを介してリンクされた遠隔処理デバイスによってタスクが実行される分散型コンピューティング環境において実施され得る。
【0215】
本明細書では、2個以上の要素に関する「及び/又は」の記述は、1つの要素のみ、又は要素の組合せを意味すると解釈されるべきである。たとえば、「要素A、要素B、及び/又は要素C」は、要素Aのみ、要素Bのみ、要素Cのみ、要素A及び要素B、要素A及び要素C、要素B及び要素C、或いは、要素A、B、及びCを含み得る。加えて、「要素A又は要素Bのうちの少なくとも1つ」は、要素Aの少なくとも1つ、要素Bの少なくとも1つ、或いは、要素Aの少なくとも1つ及び要素Bの少なくとも1つを含み得る。さらに、「要素A及び要素Bのうちの少なくとも1つ」は、要素Aのうちの少なくとも1つ、要素Bのうちの少なくとも1つ、或いは、要素Aのうちの少なくとも1つ及び要素Bのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0216】
本開示の発明は、法定の要件を満たすために特異性を有して記述されている。しかしながら、その記述自体が本開示の範囲を限定することは意図されていない。そうではなくて、本発明者は、請求項に記載された発明が、他の現在の又は未来の技術と併せて、異なるステップ又は本文書に記載されたものと類似のステップの組合せを含むように、他の形で実施され得ることを意図している。さらに、「ステップ」及び/又は「ブロック」という用語は、使用される方法の異なる要素を含意するように本明細書で使用され得るが、これらの用語は、個別のステップの順番が明示的に記載されていない限り及びそのように記載されているときを除いて本明細書で開示される様々なステップの間に何らかの特定の順番を暗示するものとして解釈されるべきではない。
【外国語明細書】