(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165387
(43)【公開日】2023-11-15
(54)【発明の名称】ピッキングフォークリフト操作者の落下防止装置
(51)【国際特許分類】
B66F 9/24 20060101AFI20231108BHJP
A62B 35/00 20060101ALI20231108BHJP
B66F 9/06 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
B66F9/24 Z
A62B35/00 Z
B66F9/06 J
B66F9/06 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022175528
(22)【出願日】2022-11-01
(31)【優先権主張番号】P 2022075875
(32)【優先日】2022-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.パトライト
(71)【出願人】
【識別番号】391009372
【氏名又は名称】ミドリ安全株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】野沢 真
(72)【発明者】
【氏名】津森 友則
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 寛里
(72)【発明者】
【氏名】松村 不二夫
【テーマコード(参考)】
2E184
3F333
【Fターム(参考)】
2E184JA01
2E184KA11
2E184MA09
3F333AA15
3F333AB13
3F333AC07
3F333AE02
3F333FA15
3F333FA36
3F333FD20
3F333FE04
(57)【要約】
【課題】ピッキングフォークリフトの操作者に安全帯の装着を喚起させ安全帯を装着した安全な状態で作業をさせるようにするとともに、アラームの発生頻度を極力少なくする。
【解決手段】安全帯3と、一方の端部が安全帯3に設置され、他方の端部がピッキングフォークリフト13に設置される綱状体5と、綱状体5がピッキングフォークリフト13に設置されているか否かを検出する綱状体検出部7と、操作者15がピッキングフォークリフト13に搭乗しているか否かを検出する操作者検出部9と、操作者15が搭乗していることが検出され、しかも、綱状体5ピッキングフォークリフト13への設置がされていることが検出されないときに、アラームを発するように構成されているアラーム発生部11とを有する落下防止装置1である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピッキングフォークリフトの操作者が着用する安全帯と、
一方の端部が前記安全帯に設置され、他方の端部が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に設置される綱状体と、
前記綱状体の他方の端部が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に設置されているか否かを検出する綱状体検出部と、
前記操作者が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に搭乗しているか否かを検出する操作者検出部と、
前記操作者検出部によって、前記操作者が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に搭乗していることが検出され、しかも、前記綱状体検出部によって、前記綱状体の他方の端部の前記ピッキングフォークリフトの昇降体への設置がされていることが検出されないときに、アラームを発するように構成されているアラーム発生部と、
を有するピッキングフォークリフト操作者の落下防止装置。
【請求項2】
前記アラーム発生部は、前記ピッキングフォークリフトが稼働状態であるときに、前記アラームを発するように構成されている請求項1に記載のピッキングフォークリフト操作者の落下防止装置。
【請求項3】
前記操作者が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に搭乗していることを前記操作者検出部で検出した後、所定の時間内に、前記綱状体の他方の端部が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に設置されていることが前記綱状体検出部で検出されないときに、前記アラーム発生部がアラームを発するように構成されているか、
もしくは、前記操作者が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に搭乗していることを前記操作者検出部で検出した後、前記綱状体の他方の端部が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に設置されていることが前記綱状体検出部で検出されないにもかかわらず、前記操作者が前記ピッキングフォークリフトの操作部を操作したときに、前記アラーム発生部がアラームを発するように構成されている請求項2に記載のピッキングフォークリフト操作者の落下防止装置。
【請求項4】
ピッキングフォークリフトの操作者が着用する安全帯と、
一方の端部が前記安全帯に設置され、他方の端部が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に設置される綱状体と、
前記綱状体の他方の端部が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に設置されているか否かを検出する綱状体検出部と、
前記昇降体の搭乗部に前記操作者が乗っていることを検出する操作者検出センサーと、
アラーム発生部と、
を有し、
前記アラーム発生部は、前記操作者検出センサーによって、前記操作者が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に搭乗していることが検出され、しかも、前記綱状体検出部によって、前記綱状体の他方の端部の前記ピッキングフォークリフトの昇降体への設置がされていることが検出されないときに、第1のアラームを発するとともに、前記綱状体検出部によって、前記綱状体の他方の端部の前記ピッキングフォークリフトの昇降体への設置がされていることが検出されている状態で、前記操作者検出センサーが前記操作者を検出しなくなったときに第2のアラームを発するように構成されているピッキングフォークリフト操作者の落下防止装置。
【請求項5】
前記ピッキングフォークリフトの昇降体の、前記綱状体の他方の端部が設置される箇所を示す綱状体設置箇所指示部を有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のピッキングフォークリフト操作者の落下防止装置。
【請求項6】
ピッキングフォークリフトの昇降体に設置される筐体と、
前記筐体に設けられ、一方の端部が前記ピッキングフォークリフトの操作者が着用する安全帯に設置され他方の端部が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に設置される綱状体の他方の端部が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に設置されているか否かを検出する綱状体検出部と、
前記筐体に設けられ、前記操作者が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に搭乗しているか否かを検出する操作者検出部と、
前記筐体に設けられ、前記操作者検出部によって前記操作者が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に搭乗していることが検出されており、しかも、前記綱状体検出部によって前記綱状体の他方の端部の前記ピッキングフォークリフトの昇降体への設置がされていることが検出されないときにアラームを発するように構成されているアラーム発生部と、
を有するピッキングフォークリフトの安全監視装置。
【請求項7】
前記アラーム発生部は、前記ピッキングフォークリフトが稼働状態であるときに、アラームを発するように構成されている請求項6に記載のピッキングフォークリフトの安全監視装置。
【請求項8】
前記操作者が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に搭乗していることを前記操作者検出部で検出した後、所定の時間内に、前記綱状体の他方の端部が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に設置されていることが前記綱状体検出部で検出されないときに、前記アラーム発生部がアラームを発するように構成されているか、
もしくは、前記操作者が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に搭乗していることを前記操作者検出部で検出した後、前記綱状体の他方の端部が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に設置されていることが前記綱状体検出部で検出されないにもかかわらず、前記操作者が前記ピッキングフォークリフトの操作部を操作したときに、前記アラーム発生部がアラームを発するように構成されている請求項7に記載のピッキングフォークリフトの安全監視装置。
【請求項9】
ピッキングフォークリフトの昇降体に設置される筐体と、
前記筐体に設けられ、一方の端部がピッキングフォークリフトの操作者が着用する安全帯に設置され他方の端部が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に設置される綱状体の他方の端部が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に設置されているか否かを検出する綱状体検出部と、
前記昇降体の搭乗部に前記操作者が乗っていることを検出する操作者検出センサーと、
前記筐体に設けられているアラーム発生部と、
を有し、
前記アラーム発生部は、前記操作者検出センサーによって、前記操作者が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に搭乗していることが検出され、しかも、前記綱状体検出部によって、前記綱状体の他方の端部の前記ピッキングフォークリフトの昇降体への設置がされていることが検出されないときに、第1のアラームを発するとともに、前記綱状体検出部によって、前記綱状体の他方の端部の前記ピッキングフォークリフトの昇降体への設置がされていることが検出されている状態で、前記操作者検出センサーが前記操作者を検出しなくなったときに第2のアラームを発するように構成されているピッキングフォークリフトの安全監視装置。
【請求項10】
前記筐体は、前記ピッキングフォークリフトの昇降体の屋根部に設置されるようになっており、
前記筐体には、前記ピッキングフォークリフトの昇降体の屋根部の上側にある障害物を検出する障害物検出センサーが設けられており、
前記アラーム発生部は、前記障害物検出センサーが障害物を検出したときにアラームを発するように構成されている請求項6に記載のピッキングフォークリフトの安全監視装置。
【請求項11】
前記綱状体検出部は、複数の綱状体検出センサーを備えて構成されており、
前記操作者検出部によって、前記操作者が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に搭乗していることが検出されており、しかも、前記綱状体検出部の総ての綱状体検出センサーのうちの少なくとも1つの綱状体検出センサーが、前記綱状体の他方の端部の前記ピッキングフォークリフトの昇降体への設置がされていることを検出できないときに、前記アラーム発生部がアラームを発するように構成されている請求項6に記載のピッキングフォークリフトの安全監視装置。
【請求項12】
前記筐体には、前記綱状体検出部を構成する綱状体検出センサーでの外乱を防止するための綱状体検出センサー設置部が設けられている請求項6に記載のピッキングフォークリフトの安全監視装置。
【請求項13】
前記ピッキングフォークリフトの昇降体には、前記綱状体の他方の端部が設置される綱状体設置部が複数設けられており、
前記綱状体検出部は、複数の綱状体検出センサーを備えて構成されており、
前記複数の綱状体検出センサーのそれぞれが、前記複数の綱状体設置部のそれぞれに設置されている前記綱状体の他方の端部を検出するように構成されている請求項6に記載のピッキングフォークリフトの安全監視装置。
【請求項14】
ピッキングフォークリフトの昇降体の、前記綱状体の他方の端部が設置される箇所を示す綱状体設置箇所指示部を有する請求項6から請求項13のいずれか1項に記載のピッキングフォークリフトの安全監視装置。
【請求項15】
ピッキングフォークリフトの昇降体の屋根部に設置される筐体と、
前記筐体に設けられ、一方の端部がピッキングフォークリフトの操作者が着用する安全帯に設置され他方の端部が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に設置される綱状体の他方の端部が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に設置されているか否かを検出する綱状体検出部と、
前記筐体に設けられ、前記ピッキングフォークリフトの昇降体の搭乗部に乗っている前記操作者を検出する人感センサーと、
前記筐体に設けられているアラーム発生部と、
を有し、
前記人感センサーは、前記ピッキングフォークリフトの昇降体の屋根部からの所定の距離内に存在する前記操作者の体の部位を検出し、前記ピッキングフォークリフトの昇降体の屋根部から所定の距離のところよりも下側にある前記操作者の体の部位は検出しないようになっており、
前記アラーム発生部は、前記綱状体検出部によって前記綱状体の他方の端部の前記ピッキングフォークリフトの昇降体への設置がされていることが検出されている状態で、前記人感センサーが前記操作者を検出しなくなったときにアラームを発するように構成されているピッキングフォークリフトの安全監視装置。
【請求項16】
ピッキングフォークリフト本体と、
操作部と、
前記ピッキングフォークリフト本体に設けられ、前記ピッキングフォークリフト本体に対して稼働する稼働部と、
外部の機器からの信号を受け取るためのインタフェースと、
前記インタフェースによって前記外部の機器からの安全確認信号を受け取ったときに、前記操作部の操作に応じて前記稼働部を駆動させる制御をする制御部と、
を有するピッキングフォークリフト。
【請求項17】
前記稼働部は、前記ピッキングフォークリフト本体に対して上下動する昇降体であり、
前記外部の機器は、請求項6に記載のピッキングフォークリフトの安全監視装置であり、
前記安全確認信号は、前記操作者検出部によって前記操作者が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に搭乗していることが検出されておりしかも前記綱状体検出部によって前記綱状体の他方の端部の前記ピッキングフォークリフトの昇降体への設置がされていることが検出されたときに発せられる信号である請求項16に記載のピッキングフォークリフト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピッキングフォークリフト操作者の落下防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ピッキングフォークリフトに搭乗して作業をするときには、ピッキングフォークリフトの操作者(作業者)が装着している安全帯のフックの掛け忘れを防止することが重要である。
【0003】
そこで、安全ベルトを繋ぐセフティバーと、安全ベルトがセフティバーに繋がれているか否かを検出する光センサーと、安全ベルトがセフティバーに繋がれていないことを警報する赤色パトライトを備えた落下防止装置が、従来より知られている(特許文献1参照)。
【0004】
これにより、作業者に安全ベルトの装着を喚起させ、安全ベルトを装着した安全な状態で作業させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来の落下防止装置では、ピッキングフォークリフトのキースイッチがオンにされピッキングフォークリフトが稼働可能状態になったときに、安全ベルトがセフティバーに繋がれていなければ、警報(アラーム)が発せられるようになっている。
【0007】
しかし、これでは、アラームの発生頻度が高まり、ピッキングフォークリフトの操作者およびピッキングフォークリフトの近くにいる作業者が、鬱陶しく感じるおそれがある。さらに、頻繁にアラームが発せられると、ピッキングフォークリフトの操作者等に慣れが生じてしまい、注意散漫状態に陥るおそれがある。
【0008】
本発明は、ピッキングフォークリフトの操作者に安全帯の装着を喚起させ安全帯を装着した安全な状態で作業をさせるようにする落下防止装置を提供することを目的とする。また、アラームの発生頻度を極力少なくすることができるピッキングフォークリフト操作者の落下防止装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の態様に係るピッキングフォークリフト操作者の落下防止装置は、ピッキングフォークリフトの操作者が着用する安全帯と、一方の端部が前記安全帯に設置され、他方の端部が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に設置される綱状体と、前記綱状体の他方の端部が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に設置されているか否かを検出する綱状体検出部と、前記操作者が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に搭乗しているか否かを検出する操作者検出部と、前記操作者検出部によって、前記操作者が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に搭乗していることが検出され、しかも、前記綱状体検出部によって、前記綱状体の他方の端部の前記ピッキングフォークリフトの昇降体への設置がされていることが検出されないときに、アラームを発するように構成されているアラーム発生部とを有するピッキングフォークリフト操作者の落下防止装置である。
【0010】
本発明の態様に係るピッキングフォークリフト操作者の落下防止装置では、前記アラーム発生部が、前記ピッキングフォークリフトが稼働状態であるときに、前記アラームを発するように構成されている。
【0011】
本発明の態様に係るピッキングフォークリフト操作者の落下防止装置では、前記操作者が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に搭乗していることを前記操作者検出部で検出した後、所定の時間内に、前記綱状体の他方の端部が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に設置されていることが前記綱状体検出部で検出されないときに、前記アラーム発生部がアラームを発するように構成されているか、もしくは、前記操作者が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に搭乗していることを前記操作者検出部で検出した後、前記綱状体の他方の端部が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に設置されていることが前記綱状体検出部で検出されないにもかかわらず、前記操作者が前記ピッキングフォークリフトの操作部を操作したときに、前記アラーム発生部がアラームを発するように構成されている。
【0012】
本発明の態様に係るピッキングフォークリフト操作者の落下防止装置は、ピッキングフォークリフトの操作者が着用する安全帯と、一方の端部が前記安全帯に設置され、他方の端部が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に設置される綱状体と、前記綱状体の他方の端部が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に設置されているか否かを検出する綱状体検出部と、前記昇降体の搭乗部に前記操作者が乗っていることを検出する操作者検出センサーと、アラーム発生部とを有し、前記アラーム発生部は、前記操作者検出センサーによって、前記操作者が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に搭乗していることが検出され、しかも、前記綱状体検出部によって、前記綱状体の他方の端部の前記ピッキングフォークリフトの昇降体への設置がされていることが検出されないときに、第1のアラームを発するとともに、前記綱状体検出部によって、前記綱状体の他方の端部の前記ピッキングフォークリフトの昇降体への設置がされていることが検出されている状態で、前記操作者検出センサーが前記操作者を検出しなくなったときに第2のアラームを発するように構成されているピッキングフォークリフト操作者の落下防止装置である。
【0013】
本発明の態様に係るピッキングフォークリフト操作者の落下防止装置は、前記ピッキングフォークリフトの昇降体の、前記綱状体の他方の端部が設置される箇所を示す綱状体設置箇所指示部を有するピッキングフォークリフト操作者の落下防止装置である。
【0014】
本発明の態様に係るピッキングフォークリフトの安全監視装置は、ピッキングフォークリフトの昇降体に設置される筐体と、前記筐体に設けられ、一方の端部が前記ピッキングフォークリフトの操作者が着用する安全帯に設置され他方の端部が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に設置される綱状体の他方の端部が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に設置されているか否かを検出する綱状体検出部と、前記筐体に設けられ、前記操作者が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に搭乗しているか否かを検出する操作者検出部と、前記筐体に設けられ、前記操作者検出部によって前記操作者が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に搭乗していることが検出されており、しかも、前記綱状体検出部によって前記綱状体の他方の端部の前記ピッキングフォークリフトの昇降体への設置がされていることが検出されないときにアラームを発するように構成されているアラーム発生部とを有するピッキングフォークリフトの安全監視装置である。
【0015】
また、本発明の態様に係るピッキングフォークリフトの安全監視装置では、前記アラーム発生部が、前記ピッキングフォークリフトが稼働状態であるときに、アラームを発するように構成されている。
【0016】
また、本発明の態様に係るピッキングフォークリフトの安全監視装置は、前記操作者が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に搭乗していることを前記操作者検出部で検出した後、所定の時間内に、前記綱状体の他方の端部が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に設置されていることが前記綱状体検出部で検出されないときに、前記アラーム発生部がアラームを発するように構成されているか、もしくは、前記操作者が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に搭乗していることを前記操作者検出部で検出した後、前記綱状体の他方の端部が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に設置されていることが前記綱状体検出部で検出されないにもかかわらず、前記操作者が前記ピッキングフォークリフトの操作部を操作したときに、前記アラーム発生部がアラームを発するように構成されているピッキングフォークリフトの安全監視装置である。
【0017】
また、本発明の態様に係るピッキングフォークリフトの安全監視装置は、ピッキングフォークリフトの昇降体に設置される筐体と、前記筐体に設けられ、一方の端部がピッキングフォークリフトの操作者が着用する安全帯に設置され他方の端部が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に設置される綱状体の他方の端部が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に設置されているか否かを検出する綱状体検出部と、前記昇降体の搭乗部に前記操作者が乗っていることを検出する操作者検出センサーと、前記筐体に設けられているアラーム発生部とを有し、前記アラーム発生部は、前記操作者検出センサーによって、前記操作者が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に搭乗していることが検出され、しかも、前記綱状体検出部によって、前記綱状体の他方の端部の前記ピッキングフォークリフトの昇降体への設置がされていることが検出されないときに、第1のアラームを発するとともに、前記綱状体検出部によって、前記綱状体の他方の端部の前記ピッキングフォークリフトの昇降体への設置がされていることが検出されている状態で、前記操作者検出センサーが前記操作者を検出しなくなったときに第2のアラームを発するように構成されているピッキングフォークリフトの安全監視装置である。
【0018】
また、本発明の態様に係るピッキングフォークリフトの安全監視装置では、前記筐体が、前記ピッキングフォークリフトの昇降体の屋根部に設置されるようになっており、前記筐体には、前記ピッキングフォークリフトの昇降体の屋根部の上側にある障害物を検出する障害物検出センサーが設けられており、前記アラーム発生部が、前記障害物検出センサーが障害物を検出したときにアラームを発するように構成されている。
【0019】
また、本発明の態様に係るピッキングフォークリフトの安全監視装置では、前記綱状体検出部が、複数の綱状体検出センサーを備えて構成されており、前記操作者検出部によって、前記操作者が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に搭乗していることが検出されており、しかも、前記綱状体検出部の総ての綱状体検出センサーのうちの少なくとも1つの綱状体検出センサーが、前記綱状体の他方の端部の前記ピッキングフォークリフトの昇降体への設置がされていることを検出できないときに、前記アラーム発生部がアラームを発するように構成されている。
【0020】
また、本発明の態様に係るピッキングフォークリフトの安全監視装置では、前記筐体に、前記綱状体検出部を構成する綱状体検出センサーでの外乱を防止するための綱状体検出センサー設置部が設けられている。
【0021】
また、本発明の態様に係るピッキングフォークリフトの安全監視装置では、前記ピッキングフォークリフトの昇降体に、前記綱状体の他方の端部が設置される綱状体設置部が複数設けられており、前記綱状体検出部が、複数の綱状体検出センサーを備えて構成されており、前記複数の綱状体検出センサーのそれぞれが、前記複数の綱状体設置部のそれぞれに設置されている前記綱状体の他方の端部を検出するように構成されている。
【0022】
また、本発明の態様に係るピッキングフォークリフトの安全監視装置は、ピッキングフォークリフトの昇降体の、前記綱状体の他方の端部が設置される箇所を示す綱状体設置箇所指示部を有するピッキングフォークリフトの安全監視装置である。
【0023】
また、本発明の態様に係るピッキングフォークリフトの安全監視装置は、ピッキングフォークリフトの昇降体の屋根部に設置される筐体と、前記筐体に設けられ、一方の端部がピッキングフォークリフトの操作者が着用する安全帯に設置され他方の端部が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に設置される綱状体の他方の端部が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に設置されているか否かを検出する綱状体検出部と、前記筐体に設けられ、前記ピッキングフォークリフトの昇降体の搭乗部に乗っている前記操作者を検出する人感センサーと、前記筐体に設けられているアラーム発生部とを有し、前記人感センサーは、前記ピッキングフォークリフトの昇降体の屋根部からの所定の距離内に存在する前記操作者の体の部位を検出し、前記ピッキングフォークリフトの昇降体の屋根部から所定の距離のところよりも下側にある前記操作者の体の部位は検出しないようになっており、前記アラーム発生部は、前記綱状体検出部によって前記綱状体の他方の端部の前記ピッキングフォークリフトの昇降体への設置がされていることが検出されている状態で、前記人感センサーが前記操作者を検出しなくなったときにアラームを発するように構成されているピッキングフォークリフトの安全監視装置である。
【0024】
本発明の態様に係るピッキングフォークリフトは、ピッキングフォークリフト本体と、操作部と、前記ピッキングフォークリフト本体に設けられ、前記ピッキングフォークリフト本体に対して稼働する稼働部と、外部の機器からの信号を受け取るためのインタフェースと、前記インタフェースによって前記外部の機器からの安全確認信号を受け取ったときに、前記操作部の操作に応じて前記稼働部を駆動させる制御をする制御部とを有するピッキングフォークリフトである。
【0025】
また、本発明の態様に係るピッキングフォークリフトでは、前記稼働部が、前記ピッキングフォークリフト本体に対して上下動する昇降体であり、前記外部の機器が、請求項6から請求項15のいずれか1項に記載のピッキングフォークリフトの安全監視装置であり、前記安全確認信号が、前記操作者検出部によって前記操作者が前記ピッキングフォークリフトの昇降体に搭乗していることが検出されておりしかも前記綱状体検出部によって前記綱状体の他方の端部の前記ピッキングフォークリフトの昇降体への設置がされていることが検出されたときに発せられる信号である。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、ピッキングフォークリフトの操作者に安全帯の装着を喚起させ安全帯を装着した安全な状態で作業をさせるようにすることができるという効果を奏する。また、アラームの発生頻度を極力少なくすることができるピッキングフォークリフト操作者の落下防止装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るピッキングフォークリフト操作者の落下防止装置が設置されるピッキングフォークリフトの側面図である。
【
図4】ピッキングフォークリフトの操作者が本発明の第1の実施形態に係る落下防止装置(ピッキングフォークリフト操作者の落下防止装置)の安全帯を装着した状態を示す図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係る落下防止装置の安全帯を示す図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係る落下防止装置の綱状体のフック部を示す図である。
【
図7】(a)は、本発明の第1の実施形態に係る落下防止装置の綱状体のフック部がピッキングフォークリフトの昇降体に設置されている状態を示す図であり、(b)は、(a)におけるVIIB-VIIB断面を示す図である。
【
図8】(a)は、本発明の第1の実施形態に係る落下防止装置の綱状体のフック部がピッキングフォークリフトの昇降体に設置されている別の例を示す図であり、(b)は、(a)におけるVIIIB-VIIIB断面を示す図である。
【
図9】落下防止装置を使用しないで、ピッキングフォークリフトの操作者が作業をしている状態を示す図である。
【
図10】本発明の第2の実施形態に係る安全監視装置と、この安全監視装置が設置されているピッキングフォークリフトとを示す図である。
【
図12】本発明の第2の実施形態に係る安全監視装置と、この安全監視装置が設置されているピッキングフォークリフトとを示す図であって、ピッキングフォークリフトの昇降体を上下動させた状態を示す図である。(a)は昇降体が下降した状態を示しており、(b)は昇降体が上昇した状態を示している。
【
図13】本発明の第2の実施形態に係る安全監視装置と、この安全監視装置が設置されているピッキングフォークリフトの昇降体の屋根部(ヘッドガード)とを示す図である。
【
図14】1つ目の変形例に係る安全監視装置の斜視図である。
【
図15】(a)は
図14におけるXVA矢視図であり、(b)は
図14におけるXVB矢視図であり、(c)は
図14におけるXVC矢視図である。
【
図16】ピッキングフォークリフトの昇降体の搭乗部の平面図である。
【
図17】2つ目の変形例に係る安全監視装置の斜視図であり、(b)は(a)におけるXVIIB矢視図であり、(c)は(a)におけるXVIIC矢視図である。
【
図18】ピッキングフォークリフトの動作を示す図である。
【
図19】ピッキングフォークリフトの動作を示す図である。
【
図20】ピッキングフォークリフトの動作を示す図である。
【
図21】ピッキングフォークリフトの制御部等の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
〔第1の実施形態〕
本発明の第1の実施形態に係るピッキングフォークリフト操作者の落下防止装置(以下、「落下防止装置」という。)1は、
図1等から理解されるように、ピッキングフォークリフト13に搭乗している操作者15の落下を防止するものである。
【0029】
ここで、説明の便宜のために、水平な所定の一方向を前後方向とし、水平な所定の他の一方向であって前後方向に対して直交する方向を左右方向とし、前後方向と左右方向とに対して直交する方向を上下方向とする。
【0030】
落下防止装置1は、安全帯3(
図4、
図5参照)と、綱状体(ランヤード)5(
図1、
図2、
図4、
図6参照)と、綱状体検出部7(
図7参照)と、操作者検出部9(
図1、
図2参照)と、アラーム発生部11(
図1、
図4参照)とを備えて構成されている。
【0031】
安全帯3は、ピッキングフォークリフト13(
図1、
図2参照)の操作者(搭乗者)15(
図1、
図4参照)が着用(装着)するものである。
【0032】
綱状体5は、安全帯3とピッキングフォークリフト13とをつなぐものである。綱状体5は、この長手方向の一方の端部(下側の端部)が安全帯3に設置されるようになっている(
図4参照)。また、綱状体5は、長手方向の他方の端部(上側の端部)がピッキングフォークリフト13の昇降体17(たとえば昇降体17の屋根部19)に設置されるようになっている(
図7参照)。
【0033】
安全帯3と綱状体5とは、ピッキングフォークリフト13の昇降体17に乗っている操作者15の、昇降体17からの落下を防止するために使用される。なお、安全帯3に対して綱状体5は容易に着脱できるようになっているが、安全帯3と綱状体5とが一体で形成されていてもよい。
【0034】
綱状体検出部7は、綱状体5の長手方向の上側の端部がピッキングフォークリフト13の昇降体17(たとえば昇降体17の屋根部19)に設置されているか否かを検出(検知)するようになっている。
【0035】
操作者検出部9は、操作者15がピッキングフォークリフト13の昇降体17の搭乗部21に搭乗しているか否かを検出するようになっている。
【0036】
なお、綱状体検出部7は、綱状体5の昇降体17への設置を、たとえばほぼ連続して検出するようになっており、操作者検出部9も、操作者15の昇降体17への搭乗を、たとえば連続して検出するようになっている。なお、綱状体検出部7が短い時間間隔で綱状体5の設置を検出するようになっており、操作者検出部9短い時間間隔で操作者15を検出するようになっていてもよい。
【0037】
アラーム発生部11は、操作者15の搭乗が検出され、しかも、綱状体5の設置がされていることが検出されない場合に、アラームを発するように構成されている。すなわち、アラーム発生部11は、操作者15が搭乗しているにもかかわらず、綱状体5の昇降体17への設置されていない場合に、アラームを発するように構成されている。アラーム発生部11が発したアラームは、操作者15等に知られるようになっている。
【0038】
上述したように、操作者検出部9によって、操作者15がピッキングフォークリフト13の昇降体17の搭乗部21に搭乗していることの検出がされるようになっている。綱状体検出部7によって、綱状体5の上側の端部がピッキングフォークリフト13の昇降体17に設置がされていることが検出されるようになっている。
【0039】
また、アラーム発生部11は、操作者15の搭乗が検出され、しかも、綱状体5の設置されていることが検出されないことに加えて、さらに、ピッキングフォークリフト13が稼働状態であるときに、アラームを発するように構成されている。
【0040】
ピッキングフォークリフト13が稼働状態にあるときとは、ピッキングフォークリフト13が稼働可能な状態になっているとき、もしくは、ピッキングフォークリフト13が実際に稼働している状態をいう。
【0041】
電動のピッキングフォークリフト13における稼働可能な状態について説明する。電動のピッキングフォークリフト13が稼働可能な状態になっているときには、ピッキングフォークリフト13の電源が入っている。また、電動のピッキングフォークリフト13が稼働可能な状態になっているときには、操作者15等がピッキングフォークリフト13の操作部23(レバー等)を操作するだけで、ピッキングフォークリフト13が走行するようになっている。また、昇降体17が上下動等するようになっている。
【0042】
内燃機関で駆動するピッキングフォークリフト(エンジン駆動のピッキングフォークリフト)13における稼働可能な状態について説明する。エンジン駆動のピッキングフォークリフト13が稼働可能な状態になっているときには、ピッキングフォークリフト13のエンジンが稼働している。エンジン駆動のピッキングフォークリフト13が稼働可能な状態になっているときには、操作者15等がピッキングフォークリフト13の操作部(レバー等)23を操作するだけで、ピッキングフォークリフト13が走行するようになっている。また、昇降体17が上下動等するようになっている。
【0043】
ピッキングフォークリフト13が実際に稼働している状態では、ピッキングフォークリフト13が電動であるかエンジン駆動であるかを問わず、ピッキングフォークリフト13が実際に走行しており、また、昇降体17が実際の移動等をしている。
【0044】
また、落下防止装置1では、所定の時間内に、綱状体5の他方の端部がピッキングフォークリフト13の昇降体17に設置されていることが綱状体検出部7で検出されないときに、アラーム発生部11がアラームを発するように構成されている。上記所定の時間内とは、操作者15がピッキングフォークリフト13の昇降体17の搭乗部21に搭乗していることを操作者検出部9で検出した後の所定の時間内である。
【0045】
例示すると、9時0分0秒に操作者15が搭乗しているが検出された後、9時0分20秒までに、綱状体5が昇降体17に設置されていることが検出されないときに、アラーム発生部11がアラームを発するようになっている。
【0046】
また、落下防止装置1において、所定の条件下で、アラーム発生部11がアラームを発するように構成されていてもよい。
【0047】
上記所定の条件のうちの1つ目の条件は、操作者15がピッキングフォークリフト13の昇降体17の搭乗部21に搭乗していることを操作者検出部9で検出した後であるという条件である。上記所定の条件のうちの2つ目の条件は、綱状体5の他方の端部がピッキングフォークリフト13の昇降体17に設置されていることが綱状体検出部7で検出されないという条件である。上記所定の条件のうちの3つ目の条件は、操作者15がピッキングフォークリフト13の操作部23を操作したという条件である。上記所定の条件下とは、上記1つ目の条件と上記2つ目の条件と上記3つ目の条件とがそろった条件下である。
【0048】
ここでピッキングフォークリフト13、落下防止装置1についてさらに詳しく説明する。
【0049】
ピッキングフォークリフト13は、
図1等で示すように、ピッキングフォークリフト本体25と昇降体17とを備えて構成されている。昇降体17はピッキングフォークリフト本体25に支持されており、上下方向でピッキングフォークリフト本体25に対して移動し位置決めされるようになっている。
【0050】
ピッキングフォークリフト本体25には走行用車輪27が設けられており、走行用車輪27が回転することでピッキングフォークリフト13が、床面29上を走行することができるようになっている。なお、走行時等において昇降体17は床面29から離れている。
【0051】
昇降体17は、搭乗部(床部)21と屋根部19と連結部31とを備えて構成されている。搭乗部21、屋根部19、連結部31のそれぞれは、大雑把に言えば矩形な平板状に形成されている。搭乗部21の厚さ方向、屋根部19の厚さ方向は、上下方向になっている。連結部31の厚さ方向は、前後方向になっている。
【0052】
搭乗部21は、連結部31の下端から前側に突出しており、屋根部19は、連結部31の上端から前側に突出している。昇降体17を側面視すると、
図1で示すように、「コ」字状になっている。昇降体17は、連結部31がピッキングフォークリフト本体25のマスト33に係合していることで、ピッキングフォークリフト本体25に支持されている。
【0053】
連結部31の中央部には、操作部23が設けられている。操作部23には、ピッキングフォークリフト13の昇降体17を上下動させるための操作レバー(図示せず)が設けられている。また、ピッキングフォークリフト13を走行させるための操作レバー(図示せず)、ピッキングフォークリフト13をオン・オフするためのキースイッチ等が設けられている。
【0054】
屋根部19は、
図3、
図7で示すように、「ロ」字状の外枠35と、複数本の桟37とが設けられている。桟37は、外枠35の内側に設けられており、左右方向に長く延びている。桟37の断面形状(左右方向に対して直交する平面による断面の形状)は、矩形等の所定形状になっている。また、複数の桟37は、前後方向で所定の間隔をあけてならんでいる。
【0055】
搭乗部21の前端から前側には、一対のフォーク(爪)22が突出している。フォーク22には、パレット24が載置されるようになっている。
【0056】
安全帯3としてたとえばフルハーネス型の安全帯が採用されている。安全帯3は、
図4、
図5で示すように、操作者15の胴体に設置(装着)される安全帯本体部39と、安全帯本体部39から延出している吊り紐41とを備えて構成されている。
【0057】
吊り紐41の先端部には、綱状体5の下側の端部が接合されるようになっている。なお、綱状体5の下側の端部は、吊り紐41の先端部に対して、容易に着脱できるようになっている。
【0058】
綱状体5には、
図6で示すように、フック部43が設けられている。フック部43は、綱状体5の綱状部45の上側の端部に設けられている。フック部43は、「J」字状部47と「I」字状部49とを備えて構成されている。
【0059】
「J」字状部47の基端部には、綱状部45に接合されている。「I」字状部49の基端部は、「J」字状部47の基端部に係合しており、「I」字状部49は、基端部の回動中心軸51を回動中心にして、「J」字状部47に対して、
図6に示す状態から矢印で示す方向に回動するようになっている。
【0060】
図6で示す状態では、「J」字状部47と「I」字状部49とで環状部位53が形成されている。そして、綱状体5が昇降体17の屋根部19に設置された状態では、屋根部19の1つの桟37が、環状部位53を貫通している(
図7(b)参照)。
図6で示す状態から、「I」字状部49を矢印で示す方向に回動することで、環状部位53が途切れるようになっている。
【0061】
フック部43の屋根部19への着脱は、「I」字状部49を矢印で示す方向に回動し、環状部位53が途切れている部位に桟37を通過させることで、なされるようになっている。なお、「I」字状部49の回動には、付勢力がかかっており、外力がかかっていない状態では、
図6で示すように、環状部位53が形成されている状態が維持されるようになっている。
【0062】
綱状体検出部7は、
図6で示す感圧スイッチ55を備えて構成されている。感圧スイッチ55は、「J」字状部47の内周に設置されている。
図7(b)で示すように、フック部43を桟37に設置した状態では、フック部43等の重量によって、感圧スイッチ55が、フック部43と桟37とで付勢力をもって挟まれる。これにより、フック部43が桟37に設置されていることが検出される。
【0063】
なお、フック部43が桟37に設置されている状態で、フック部43は、桟37に対して桟37の長手方向で移動できるようになっている。フック部43が桟37に対して移動しても、フック部43が桟37に設置されている限り、感圧スイッチ55が、フック部43と桟37とで付勢力をもって挟まれるようになっている。
【0064】
感圧スイッチ55は、図示しない送信部によって、フック部43が桟37に設置されている旨の信号を、図示しない制御部に無線送信するようになっている。制御部は、たとえば、CPUとメモリと通信部を備えて構成されている。フック部43が桟37に設置されている旨の信号は、制御部の通信部で受信されるようになっている。
【0065】
操作者検出部9は、
図1、
図2で示すように、マットスイッチ(マット型スイッチ)57を備えて構成されている。マットスイッチ57は、矩形な薄い平板状に形成されている。マットスイッチ57の厚さ方向は上下方向になっており、マットスイッチ57は、昇降体17の搭乗部21の上面のほぼ全面を覆っている。そして、マットスイッチ57は、操作者15が搭乗部21のいずれの場所に乗っていても、搭乗部21に乗っている限り、操作者15を検出するようになっている。
【0066】
図1等で示すように、操作者15が搭乗部21に搭乗した状態では、操作者15の重量をマットスイッチ57が検出する。これにより、操作者15が搭乗部21に搭乗していることがマットスイッチ57で検出されるようになっている。マットスイッチ57はたとえば有線によって、操作者15が搭乗部21に搭乗している旨の信号を上記制御部に送信するようになっている。
【0067】
アラーム発生部11は、たとえば、回転灯等の警告灯59を備えて構成されおり、上記制御部とたとえば有線で接続されている。上記制御部は、操作者15が搭乗部21に搭乗している旨の信号を受け取ったにもかかわらず、フック部43が桟37に設置されている旨の信号を受け取らない場合に、アラーム発生部11にアラームを発生させるようになっている。
【0068】
次に、落下防止装置1の等の動作について説明する。
【0069】
まず、操作者15がピッキングフォークリフト13から離れている状態で、操作者15がヘルメット61および安全帯3を装着し、安全帯3に綱状体5設置する(
図4参照)。
【0070】
続いて、操作者15が昇降体17の搭乗部21に搭乗し、フック部43を桟37に掛け(
図7参照)、ピッキングフォークリフト13を稼働できる状態にし、この後、ピッキングフォークリフト13を使用して作業を行う。
【0071】
落下防止装置1では、操作者15がピッキングフォークリフト13の昇降体17に搭乗していることが検出され、しかも、綱状体5が昇降体17に設置がされていることが検出されないときに、アラーム発生部11がアラームを発生するようになっている。
【0072】
これにより、ピッキングフォークリフト13の操作者15に安全帯3の装着を喚起させ安全帯3を装着した安全な状態で作業をさせるようにすることができる。また、操作者15がピッキングフォークリフト13の昇降体17に搭乗しているか否かを検出する操作者検出部9を備えている。そして、操作者検出部9で操作者15を検出していることをアラームの発生条件にしているので、従来のものに比べてアラームの発生頻度を極力少なくすることができる。
【0073】
ところで、落下防止装置1を使用しないと、
図9に矢印で示すように、操作者15が作業しているときなどに、誤って昇降体17から落下するおそれがある。特に、操作者15が荷物を抱え込んでいるとき等に、墜落の危険度が増す。
【0074】
また、落下防止装置1では、ピッキングフォークリフト13が稼働状態であるときに、アラーム発生部11がアラームを発するようになっている。これにより、ピッキングフォークリフト13が非稼働状態停止しているときにはアラームが発生することがなく、不要なアラームの発生を無くすことができる。
【0075】
また、落下防止装置1では、操作者15がピッキングフォークリフト13の昇降体17に搭乗していることが検出された後、所定の時間内に、綱状体5が昇降体17に設置されていることが検出されないときに、アラームを発するように構成されている。
【0076】
すなわち、操作者15がピッキングフォークリフト13の昇降体17に搭乗していることが検出されてから、操作者15が綱状体5を昇降体17に設置するまでの時間内には、アラームを発しないようになっている。これによって、操作者15が綱状体5を昇降体17に設置する時間を確保することができ、不要なアラームの発生を無くすことができる。
【0077】
また、落下防止装置1において、操作者15が昇降体17に搭乗していることが検出された後、綱状体5が昇降体17に設置されていないにもかかわらず、ピッキングフォークリフト13の操作部23での操作が誤ってされるおそれがある。このときにも、アラームを発するように構成されている。これにより、操作者15が誤操作をした場合等にも、操作者15に安全の注意喚起をすることできる。
【0078】
ここで、綱状体検出部7の変形例について説明する。
図6では、感圧スイッチ55をフック部43に設置しているが、感圧スイッチ55をフック部43に設置することに代えて、感圧スイッチ55を桟37に設けてもよい。この場合、感圧スイッチ55は、たとえば桟37の上面に全長にわたって設けられている。
【0079】
そして、フック部43が桟37に対して左右方向で移動しても、フック部43が桟37に設置されている限り、桟37に設けられている感圧スイッチ55が、フック部43と桟37とで付勢力をもって挟まれるようになっている。
【0080】
また、感圧スイッチ55に代えてもしくは加えて、
図8で示すように、綱状体検出部7として光電スイッチ63を採用してもよい。光電スイッチ63を採用した場合、フック部43が桟37に対して移動しても、フック部43が桟37に設置されている限り、光電スイッチ63がフック部43を検出するようになっている。
【0081】
また、綱状体検出部7としてフック部43等の所定の位置にRFID等のタグを取付け、ピッキングフォークリフト13の所定に位置にタグのリーダーを取付けてもよい。そして、タグのリーダーでタグが発する信号を検出したときに、操作者15が綱状体5を昇降体17に設置したことにしてもよい。
【0082】
次に、操作者検出部9の変形例について説明する。
図1、
図2では、マットスイッチ57を用いているが、マットスイッチ57に代えてもしくは加えて、
図1で示すように、人感センセー65を設置してもよい。人感センサー65として、たとえば、赤外線を用いて、昇降体17の搭乗部21に搭乗している操作者15を検知する赤外線センサー、超音波を用いて、昇降体17の2搭乗部21に搭乗している操作者15を検知する超音波センサーを掲げることができる。
【0083】
次に、アラーム発生部11の変形例について説明する。
図1では、光によってアラームを発生する警告灯59を用いているが、警告灯59に代えてもしくは加えて、音、振動によって、アラームを発生するようにしてもよい。
【0084】
また、
図1では、アラーム発生部11が、ピッキングフォークリフト13の屋根部19に設けられているが、アラーム発生部11が、ピッキングフォークリフト13の他の箇所に設けられていてもよい。
【0085】
さらに、アラーム発生部11が、ピッキングフォークリフト13以外の箇所に設けられていてもよい。たとえば、
図4で示すように、操作者15が着用するヘルメット61に設けられていてもよい。ヘルメット61に設けられているアラーム発生部11は、たとえば、振動、音によって、アラームを発生するようになっている。また、アラーム発生部11が、安全帯3等の他の箇所に設置されていてもよい。この場合、アラーム発生部11が、振動、音、光によって、アラームを発生するようになっている。
【0086】
ここで、変形例に係る落下防止装置1aについて説明する。ここでは、第1の操作者検出センサー(操作者検出センサー)として、たとえば、マットスイッチ57を採用する。また、第2の操作者検出センサー(操作者検出センサー)として、たとえば、人感センサー65を採用する。
【0087】
落下防止装置1aも、落下防止装置1と同様に、安全帯3と綱状体5と綱状体検出部7と操作者検出部9とアラーム発生部11とを備えて構成されている。
【0088】
ただし、落下防止装置1aでは、操作者検出部9が、第1の操作者検出センサー(たとえば、マットスイッチ)57と、第2の操作者検出センサー(たとえば、人感センサー)65とを備えて構成されている。
【0089】
マットスイッチ57は、上述したように、昇降体17の搭乗部21に設置されており、搭乗部21に操作者15が乗っていることを検出するようになっている。
【0090】
アラーム発生部11は、次に示す所定の第1の条件の下、第1のアラームを発するように構成されている。所定の第1の条件のうちの1つ目の条件は、マットスイッチ57によって、操作者15がピッキングフォークリフト13の昇降体17の搭乗部21に搭乗していることが検出されることである。所定の第1の条件のうちの2つ目の条件は、綱状体検出部7によって、綱状体5の上側の端部の昇降体17への設置がされていることが検出されないことである。所定の第1の条件下とは、上記1つ目の条件と上記2つ目の条件とがそろった条件下である。
【0091】
また、アラーム発生部11は、次に示す所定の第2の条件の下、第1のアラームとは異なる第2のアラームを発するように構成されている。所定の第2の条件のうちの1つ目の条件は、綱状体検出部7によって、綱状体5の他方の端部の昇降体17への設置がされていることが検出されているという条件である。所定の第2の条件のうちの2つ目の条件は、マットスイッチ57が操作者15を検出しなくなったという条件である。所定の第2の条件下とは、上記1つ目の条件と上記2つ目の条件とがそろった条件下である。
【0092】
落下防止装置1aにおいては、人感センサー(第2の操作者検出センサー)65をさらに設けることが望ましい。人感センサー65は、
図2で示すように、昇降体17のたとえば屋根部19に設置され、昇降体17の搭乗部21から突出しているフォーク22が搬送しているパレット24に乗っている操作者15を検出することができるようになっている。
【0093】
なお、人感センサー65は、昇降体17の搭乗部21に乗っている操作者15も検出できるようになっている。これにより、人感センサー65は、マットスイッチ57よりも広い範囲で操作者15を検出することができる。
【0094】
さらに説明すると、昇降体17の搭乗部21に操作者15が乗っているときには、マットスイッチ57と人感センサー65とが操作者15を検出するようになっている。また、昇降体17の搭乗部21から突出しているフォーク22が搬送しているパレット24に操作者15が乗っている場合には、人感センサー65のみが操作者15を検出し、マットスイッチ57は、操作者15を検出しないようになっている。
【0095】
そして、綱状体検出部7によって、綱状体5の側の端部のピッキングフォークリフト13の昇降体17への設置がされていることが検出されている状態を検出状態とする。この検出状態で、操作者15を検出していたマットスイッチ57が操作者15を検出しなくなり、一方で、人感センサー65によって操作者15が検出され続けているとする。このときに、アラーム発生部11が第2のアラームを発するように構成されていてもよい。
【0096】
なお、人感センサー65が、昇降体17の搭乗部21から突出しているフォーク22が搬送しているパレット24に乗っている操作者15のみを検出することができるようになっていてもよい。そして、人感センサー65が、昇降体17の搭乗部21から突出しているフォーク22が搬送しているパレット24に乗っている操作者15を検出したときに、アラーム発生部11が第2のアラームを発するように構成してもよい。
【0097】
落下防止装置1aでは、綱状体5の他方の端部のピッキングフォークリフト13の昇降体17への設置がされていることが検出されている状態で、マットスイッチ57が操作者15を検出しなくなったときに第2のアラームを発するようになっている。
【0098】
これにより、ピッキングフォークリフト13での作業中に、昇降体17の搭乗部21から突出しているフォーク22が搬送しているパレット24に操作者15が乗っている場合、操作者15に注意喚起をすることができる。
【0099】
落下防止装置1aでも、落下防止装置1と同様に、アラーム発生部11が、ピッキングフォークリフト13が稼働状態であるときに、前記第1のアラーム、前記第2のアラームを発するように構成されていてもよい。
【0100】
すなわち、アラーム発生部11が、ピッキングフォークリフト13が稼働状態であることでさらなる条件として、アラーム発生部11が第1のアラームを発するように構成されていてもよい。
【0101】
また、ピッキングフォークリフト13が稼働し、綱状体5の下側の端部の昇降体17への設置がされていることが検出されている状態で、マットスイッチ57が操作者15を検出しなくなったときに、第2のアラームを発するように構成してもよい。
【0102】
落下防止装置1aでも、落下防止装置1と同様に、操作者15の搭乗をマットスイッチ57で検出した後所定の時間内に、綱状体5の下側の端部が昇降体17に設置されていることが検出されないときに、第1のアラームを発するように構成されていてもよい。
【0103】
また、操作者15が搭乗していることをマットスイッチ57で検出した後、綱状体5の下側の端部が昇降体17に設置されていることが検出されないにもかかわらず、操作部23の操作がされたときに、第1のアラームを発するように構成されていてもよい。
【0104】
また、落下防止装置1aにおいて、人感センサー65の検出範囲をより広くして、操作者15が、ピッキングフォークリフト13に接近したときに、上述した所定下、アラーム発生部11がアラームを発するようにしてもよい。
【0105】
なお、落下防止装置1、1aにおいて、ピッキングフォークリフト13の昇降体17の、綱状体5の他方の端部が設置される箇所を示す綱状体設置箇所指示部124(
図11参照)を設けてもよい。綱状体設置箇所指示部124の詳細については、本発明の第2の実施形態に係るピッキングフォークリフトの安全監視装置101のところで説明する。
【0106】
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態に係るピッキングフォークリフトの安全監視装置101は、第1の実施形態に係るピッキングフォークリフト操作者の落下防止装置1、1aと同様に、ピッキングフォークリフト13の操作者15の落下を防止するものである。以下、ピッキングフォークリフトの安全監視装置101を単に安全監視装置という。安全監視装置101は、ピッキングフォークリフト13にたとえば後付けすることができるようになっている等の点が、落下防止装置1、1aと異なっている。なお、安全監視装置101を落下防止装置として考えてもよい。
【0107】
安全監視装置101は、
図10から
図13で示すように、筐体103と綱状体検出部7と操作者検出部9とアラーム発生部11とを備えて構成されている。筐体103は、ピッキングフォークリフト13の昇降体17に一体的に設置されるようになっている。
【0108】
より具体的には、筐体103は、ピッキングフォークリフト13とは別体になっている。また、筐体103は、ピッキングフォークリフト13の昇降体17の屋根部(ヘッドガード)19の上側で屋根部19に設置されており、屋根部19の上端から上側に僅かに突出している。
【0109】
綱状体検出部7は、筐体103に設けられている。綱状体検出部7は、綱状体5の他方の端部がピッキングフォークリフト13の昇降体17に設置されているか否かを検出するようになっている。
図1、
図4、
図7等で示すように、綱状体5は、一方の端部がピッキングフォークリフト13の操作者15が着用する安全帯3に設置されるようになっている。また、綱状体5は、他方の端部がピッキングフォークリフト13の昇降体17に設置されるようになっている。
【0110】
操作者検出部9も、筐体103に設けられている。操作者検出部9は、操作者15がピッキングフォークリフト13の昇降体17に搭乗しているか否かを検出するようになっている。
【0111】
アラーム発生部11も、筐体103に設けられている。アラーム発生部11は、次に示す2つの条件を満たしたときに、アラームを発するように構成されている。1つ目の条件は、操作者検出部9によって操作者15がピッキングフォークリフト13の昇降体17に搭乗していることが検出されているという条件である。2つ目の条件は、綱状体検出部7によって綱状体5の他方の端部のピッキングフォークリフト13の昇降体17への設置がされていることが検出されないという条件である。
【0112】
なお、安全監視装置101では、筐体103内には、CPUとメモリとを備えて構成されている制御部(監視装置制御部;図示せず)が設けられている。そして、アラーム発生部11は、上記制御部の制御の下、所定の条件下、アラームを発するようになっている。
【0113】
また、安全監視装置101では、たとえば、アラーム発生部11が、ピッキングフォークリフト13が稼働状態であるときに、アラームを発するように構成されている。すなわち、上述した2つの条件を備えており、かつ、ピッキングフォークリフト13が稼働状態であるときに、アラームを発するようになっている。
【0114】
さらに、安全監視装置101では、操作者15がピッキングフォークリフト13の昇降体17に搭乗していることを操作者検出部9が検出した後、所定の時間内に、次の条件の下、アラーム発生部11がアラームを発するように構成されている。上記次の条件とは、綱状体5の他方の端部がピッキングフォークリフト13の昇降体17に設置されていることが綱状体検出部7で検出されないという条件である。
【0115】
もしくは、安全監視装置101では、操作者15がピッキングフォークリフト13の昇降体17に搭乗していることを操作者検出部9で検出した後、所定の時間内に、次の条件の下、アラーム発生部11がアラームを発するように構成されている。上記次の条件とは、綱状体5の他方の端部がピッキングフォークリフト13の昇降体17に設置されていることが綱状体検出部7で検出されないにもかかわらず、操作者15がピッキングフォークリフト13の操作部23を操作したという条件である。
【0116】
また、安全監視装置101は、筐体103と、綱状体検出部7と、操作者検出部9と、昇降体17の搭乗部21に操作者15が乗っていることを検出する操作者検出センサー57と、アラーム発生部11とを備えて構成されている。
【0117】
安全監視装置101では、アラーム発生部11が、次の2つの条件の下、第1のアラームを発するようになっている。上記2つの条件のうちの1つ目の条件は、操作者検出センサー57によって、操作者15がピッキングフォークリフト13の昇降体17に搭乗していることが検出されているという条件である。上記2つの条件のうちの2つ目の条件は、綱状体検出部7によって、綱状体5の他方の端部のピッキングフォークリフト13の昇降体17への設置がされていることが検出されないという条件である。なお、操作者検出センサー57に代えてもしくは加えて人感センサー65を用いてもよい。
【0118】
また、安全監視装置101では、アラーム発生部11が、次の2つの条件の下、第2のアラームを発するようになっている。上記2つの条件のうちの1つ目の条件は、綱状体検出部7によって、綱状体5の他方の端部のピッキングフォークリフト13の昇降体17への設置がされていることが検出されているという条件である。上記2つの条件のうちの2つ目の条件は、操作者検出センサー57が操作者15を検出しなくなったという条件である。
【0119】
筐体103は、上述したように、ピッキングフォークリフト13の昇降体17の屋根部19に設置されるようになっている。筐体103には、ピッキングフォークリフト13の昇降体17の屋根部19の上側にある障害物(図示せず;たとえば天井)を検出する障害物検出センサー113が設けられている。アラーム発生部11は、障害物検出センサー113が障害物を検出したときにアラームを発するように構成されている。
【0120】
ここで、安全監視装置101と安全監視装置101のピッキングフォークリフト13への設置態様等についてさらに詳しく説明する。
【0121】
安全監視装置101の筐体103は、矩形な枡状の筐体本体部105と、筐体本体部105の開口部を閉じている矩形な平板状の蓋部107とを備えて構成されている。筐体本体部105は、矩形な平板状の底板部109と、矩形な平板状に形成され底板部109の4つに辺部のそれぞれから起立している側板部111とを備えて構成されている。筐体103の外形形状は直方体状になっている。
【0122】
筐体103がピッキングフォークリフト13の昇降体17に設置されている状態では、底板部109が下側に位置して、底板部109の厚さ方向が上下方向になっており、底板部109が昇降体17の屋根部19に接している。
【0123】
図11で示すように、筐体103の底板部109には、動作表示部115とバッテリーの残量表示部117とが設けられている。動作表示部115とバッテリーの残量表示部117とはたとえば複数個のLED等の発光体を備えて構成されている。動作表示部115は、安全監視装置101のセンサーが正常に動作しているか否かを表示するようになっている。動作表示部115とバッテリーの残量表示部117とは、安全監視装置101(筐体103)の下面に設けられており、筐体103の下側から見えるようになっている。
【0124】
また、筐体103の底板部109には、アラーム発生部11を構成するスピーカー119と、スピーカー119が発する音量を調整するための音量調整スイッチ121と、操作者検出部9を構成している人感センサー65とが設らけれている。人感センサー65として互いの種類が異なるかもしくは同種類(さらには同型式)である複数の人感センサー65が設けられている。
【0125】
さらに、筐体103の底板部109には、綱状体設置箇所指示部124が設けられている。綱状体設置箇所指示部124は、ピッキングフォークリフト13の昇降体17の、綱状体5の他方の端部が設置される箇所123を示す(指定する)ものである。すでに理解されるように、綱状体設置箇所指示部124は、筐体103の外面の所定の部位に設けられている。筐体103の蓋部には107障害物検出センサー113が設けられている。なお、音量調整スイッチ121、綱状体設置箇所指示部124も、安全監視装置101(筐体103)の下面に設けられており、筐体103の下側から見えるようになっている。
【0126】
綱状体検出部7は、
図13で示すように、複数の綱状体検出センサー125を備えて構成されている。綱状体検出センサー125は、たとえば、筐体103の側板部111に設けられている。綱状体検出センサー125としてたとえば、近接センサー、光電センサー等のセンサーが採用される。
【0127】
そして、次に示す2つの条件の下、アラーム発生部11がアラームを発するように構成されている。上記2つの条件のうちの1つ目の条件は、操作者検出部9によって、操作者15がピッキングフォークリフト13の昇降体17に搭乗していることが検出されているという条件である。上記2つの条件のうちの2つ目の条件は、総ての綱状体検出センサー125のうちの少なくとも1つの綱状体検出センサー125が、綱状体5の他方の端部のピッキングフォークリフト13の昇降体17への設置がされていることを検出しないという条件である。
【0128】
複数の検出センサー125は、たとえば、1つの箇所(綱状体5の他方の端部が設置される箇所)123に対して、複数設けられている。複数の検出センサー125は、互いの種類が異なっているセンサーであるが、複数の検出センサー125として同種類(さらには同型式)のセンサ―が採用されていてもよい。
【0129】
また、検出センサー125が、外乱調整機能を備えていてもよい。すなわち、検出センサー125が、外乱防止カバー(図示せず)を備えていることで、外乱フィルタリング機能を備えていてもよい。
【0130】
また、アラーム発生部11がアラームを発する場合において、昇降体17の高さ位置に応じて、アラームの内容を変えてもよい。たとえば、昇降体17の位置が高くなるにしたがって、アラーム音を高音にしてもよい。また、アラーム発生部11として回転灯を採用した場合、昇降体17の位置が高くなるにしたがって、回転灯の回転数を上げてもよい。
【0131】
ピッキングフォークリフト13の昇降体17の屋根部19は、
図11で示すように、矩形な環状の外枠部127と直線状の複数の桟部129とを備えて構成されている。桟部129は、前後方向に長く延びており、幅方向で所定の間隔をあけて、外枠部127の内側に設けられている。外枠部127と桟部129とは一体になっている。
【0132】
筐体103(安全監視装置101)は、中央の複数の桟部129に載置されているとともに、前後方向では、昇降体17の屋根部19の前側に位置している。綱状体5の他方の端部が設置される箇所123は、桟部129の、筐体103と外枠部127との間に位置している部位で形成されている。これにより、綱状体5の他方の端部が設置される箇所123に設置された綱状体5のフック部43(
図6参照)の移動量が少なくなっている。
【0133】
安全監視装置101では、綱状体検出部7と操作者検出部9とアラーム発生部11とが筐体103に設けられている。これにより、安全監視装置101が取り扱いやすくなっているとともに、ピッキングフォークリフト13への安全監視装置101の設置が容易になっている。
【0134】
また、安全監視装置101では、ピッキングフォークリフト13の昇降体17の屋根部19の上側にある障害物を検出する障害物検出センサー113が筐体に設けられている。そして、障害物検出センサー113が障害物を検出したときにアラーム発生部11がアラームを発するようになっている。これにより、ピッキングフォークリフト13の昇降体17の上側に障害物がある状態でピッキングフォークリフト13の昇降体17を上昇させたときに、昇降体17が障害物にぶつかることが防止される。
【0135】
また、安全監視装置101では、ピッキングフォークリフ13トの昇降体17の、綱状体5の他方の端部が設置される箇所123を示す綱状体設置箇所指示部124が設けられている。これにより、ピッキングフォークリフト13の操作者15が迷うことなく、綱状体5の他方の端部をピッキングフォークリフト13の昇降体17に設置することができる。
【0136】
また、安全監視装置101では、綱状体検出部7が複数の綱状体検出センサー125を備えて構成されている。そして、次に示す2つの条件を満たしたときに、アラーム発生部11がアラームを発するように構成されている。1つ目の条件は、操作者検出部9によって操作者がピッキングフォークリフト13の昇降体17に搭乗していることが検出されているという条件である。2つ目の条件は、総ての綱状体検出センサー125のうちの少なくとも1つの綱状体検出センサー125が、綱状体5の他方の端部のピッキングフォークリフト13の昇降体17への設置がされていることを検出できないという条件である。
【0137】
これにより、綱状体5の他方の端部のピッキングフォークリフト13の昇降体17への設置が正しくされていないことを、確実に検出することができ、安全を一層確実に得ることができる。
【0138】
1つ目の変形例に係る安全監視装置101aは、筐体103の外形形状と綱状体検出センサー125の設置位置とが、安全監視装置101とは異なっており、その他の点は、安全監視装置101と同様に構成されている。
【0139】
すなわち、安全監視装置101aの筐体103には、
図14、
図15で示すような綱状体検出センサー設置部131が設けられている。綱状体検出センサー設置部131は、綱状体検出部を構成する綱状体検出センサー125での外乱(綱状体検出センサー125が発する信号等を妨害する信号)を防止するために設けられている。綱状体検出センサー設置部131は、たとえば、筐体103の外面から凹んでいる凹部133で形成されている。凹部133の表面も筐体103の外面の一部を形成している。
【0140】
凹部133は、たとえば、直方体状に形成されており、筐体103の底面から上側に凹んでいる。凹部133は、前後方向では、筐体103の中央よりも前側に位置しており、左右方向では、筐体103の全長にわたって形成されている。なお、凹部133が左右方向で筐体103の中央部のみに形成されていてもよい。綱状体検出センサー125は、綱状体検出センサー設置部131に設置されている。より具体的には、綱状体検出センサー125は、凹部133内であって凹部133の表面の所定の箇所に位置している。
【0141】
安全監視装置101aでは、綱状体検出部7を構成する綱状体検出センサー125での外乱を防止するための綱状体検出センサー設置部131が筐体103に設けられている。そして、綱状体検出センサー125は、綱状体検出センサー設置部131に設置される。これにより、太陽光等の外乱による綱状体検出センサー125の誤作動を防止することができる。
【0142】
2つ目の変形例に係る安全監視装置101bは、綱状体設置部(箇所)123が複数設けられていることに応じて、複数の綱状体検出センサー125が設けられている点が、安全監視装置101とは異なっており、その他の点は、安全監視装置101と同様に構成されている。
【0143】
すなわち、
図17で示すように、安全監視装置101bの綱状体検出部7は、複数の綱状体検出センサー125を備えて構成されている。ピッキングフォークリフト13の昇降体17には、綱状体5の他方の端部が設置される綱状体設置部(箇所)123が複数設けられている。複数の綱状体設置部123は、
図11に参照符号123A、123Bで示されている。操作者15は、複数の綱状体設置部123から選択した1つの綱状体設置部123に、綱状体5の他方の端部を設置するようになっている。
【0144】
安全監視装置101bでは、複数の綱状体検出センサー125(125A、125B)のそれぞれが、複数の綱状体設置部123(123A、123B)のそれぞれに設置されている綱状体5の他方の端部を検出するように構成されている。
【0145】
さらに説明すると、操作者15が右利きの場合、操作者15が綱状体5の他方の端部を綱状体設置部123Bに設置する。そして、綱状体検出センサー125Bが、綱状体5の他方に端部を検出するようになっている。一方、操作者15が左利きの場合、操作者15が綱状体5の他方の端部を綱状体設置部123Aに設置する。そして、綱状体検出センサー125Aが、綱状体5の他方に端部を検出するようになっている。
【0146】
安全監視装置101bでは、複数の綱状体検出センサー125のそれぞれが、複数の綱状体設置部123のそれぞれに設置されている綱状体5の他方の端部を検出するように構成されている。これにより、ピッキングフォークリフト13の操作者15が、綱状体5の他方の端部を設置する綱状体設置部123を選択することができ、綱状体5の他方の端部のピッキングフォークリフト13の昇降体17への設置がしやすくなっている。
【0147】
また、安全監視装置101(101a、101b)では、人感センサー65が、筐体103に設けられている。人感センサー65は、ピッキングフォークリフト13の昇降体17の屋根部19からの所定の距離内に存在する操作者15の体の部位を検出するようになっている。
【0148】
すなわち、人感センサー65は、平面視では
図16で示すように、昇降体17の搭乗部21内(矩形な太線内)にある操作者15の体の部位を検出するようになっている。また、人感センサー65は、
図10で示す一点鎖線135内にある操作者15の体の部位を検出するようになっている。さらに説明すると、人感センサー65は、ピッキングフォークリフト13の昇降体17の屋根部19から所定の距離のところよりも下側にある操作者15の体の部位は検出しないようになっている。
【0149】
綱状体検出部7によって綱状体5の他方の端部のピッキングフォークリフト13の昇降体17への設置がされていることが検出されている状態で、人感センサー65が操作者15を検出しなくなったとする。このとき、アラーム発生部11が、アラームを発するように構成されている。
【0150】
このように構成されている安全監視装置101(101a、101b)によれば、操作者15がピッキングフォークリフト13の昇降体17から落下したことを検出することができる。さらに、操作者15がピッキングフォークリフト13の昇降体17の搭乗部21でしゃがむか、もしくは、地上作業に戻る等したことも検出することができる。
【0151】
図1、
図21等で示すように、ピッキングフォークリフト13は、ピッキングフォークリフト本体25と操作部23と稼働部137とインタフェース139と制御部(ピッキングフォークリフト制御部)141とを備えて構成されている。稼働部137は、ピッキングフォークリフト本体25に設けられており、ピッキングフォークリフト本体25に対して稼働(回動、移動、駆動)するようになっている。稼働部137として、ピッキングフォークリフト本体25に対して上下動する昇降体17、エンジンやモータ、走行用車輪27等を掲げることができる。
【0152】
インタフェース139は、外部の機器(たとえば、ピッキングフォークリフト13の安全監視装置101(101a、101b)からの信号を受け取るためのものである。
図20で示すように、インタフェース139によって安全監視装置101(101a、101b)から安全確認信号を受け取ったときにのみ、制御部141が操作部23の操作に応じて稼働部137を駆動させる制御をするようになっている。なお、
図18は、操作者15がピッキングフォークリフト13の搭乗部21に乗った直後の状態を示している。
【0153】
制御部141は、インタフェース139による外部の機器からの安全確認信号の受け取りができないときには、
図19で示すように、操作部23の操作を無効にして操作部23を操作して稼働部137が稼働しないような制御をするようになっている。
【0154】
上記安全確認信号として、たとえば、操作者検出部9によって操作者15がピッキングフォークリフト13の昇降体17に搭乗していることが検出されているときに発せられる信号を掲げることができる。さらに、上記安全確認信号として、たとえば、綱状体検出部7によって綱状体5の他方の端部のピッキングフォークリフト13の昇降体への設置がされていることが検出されたときに発せられる信号を掲げることができる。
【0155】
ピッキングフォークリフト13では、制御部141の下、インタフェース139によって外部の機器からの安全確認信号を受け取ったときに、操作部23の操作に応じて稼働部137を稼働させるように構成されている。これにより、ピッキングフォークリフト13の操作者15の安全を確保することができる。
【0156】
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0157】
1、1a ピッキングフォークリフト操作者の落下防止装置(落下防止装置)
3 安全帯
5 綱状体
7 綱状体検出部
9 操作者検出部
11 アラーム発生部
13 ピッキングフォークリフト
15 操作者
17 昇降体
19 屋根部
23 操作部
25 ピッキングフォークリフト本体
57 操作者検出センサー
101 安全監視装置
103 筐体
113 障害物検出センサー
123 綱状体の他方の端部が設置される箇所
124 綱状体設置箇所指示部
125 綱状体検出センサー
131 綱状体検出センサー設置部
137 稼働部
139 インタフェース
141 制御部