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  • 特開-火格子及び火格子の監視方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165393
(43)【公開日】2023-11-15
(54)【発明の名称】火格子及び火格子の監視方法
(51)【国際特許分類】
   F23G 5/50 20060101AFI20231108BHJP
   F23H 11/12 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
F23G5/50 C
F23H11/12
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023034258
(22)【出願日】2023-03-07
(31)【優先権主張番号】10 2022 110 710.8
(32)【優先日】2022-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】523082613
【氏名又は名称】ヒタチ・ゾウセン・イノヴァ・シュタインミュラー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・モツフ
【テーマコード(参考)】
3K062
【Fターム(参考)】
3K062AA02
3K062AB01
3K062AC01
3K062CB05
3K062DB25
3K062DB30
(57)【要約】      (修正有)
【課題】火格子の監視、とりわけ火格子の実際の送りの信頼性のある監視を可能にする。
【解決手段】本発明は廃棄物焼却施設用の火格子1であって、駆動部ユニット4と、複数の火格子棒2bが回転可能に支承された火格子棒支持体2aをそれぞれ有する複数の火格子棒列2と、火格子機構3とを備えており、駆動部ユニット4は、火格子棒2bに運動が導入されるよう、火格子機構3を介して火格子棒列2のうちの少なくともいくつかと作用結合している。本発明によると、火格子機構3は、傾斜情報を求めるため、及び出力するために少なくとも一つの傾斜センサ5a、5bを有しており、該傾斜情報は基準方向Rに対する傾斜センサ5a、5bの傾斜Nに応じて形成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物焼却施設のための火格子(1)であって、-駆動部ユニット(4)、
-複数の火格子棒(2b)が回転可能に支承されている火格子棒支持体(2a)をそれぞれ有する複数の火格子棒列(2)、
-火格子機構(3)、
を有し、前記駆動部ユニット(4)は、運動が前記火格子棒(2b)へと導入されるよう、火格子機構(3)を介して前記火格子棒列(2)のうちの少なくともいくつかと作用結合している、火格子(1)において、
前記火格子機構(3)は、傾斜情報(I)を求めるため及び出力するための少なくとも一つの傾斜センサ(5a、5b)を有しており、該傾斜情報(I)は、基準方向(R)に対する傾斜センサ(5a、5b)の傾斜(N)に応じて形成されることを特徴とする当該火格子(1)。
【請求項2】
前記少なくとも一つの傾斜センサ(5a、5b)は、前記火格子機構(3)の少なくとも一つのコンポーネントに配置されており、該コンポーネントは、トーションシャフト(6)、好適にはフランジボルトであるボルト(9)、連結ロッド(7)、ベアリング(10)、トーションレバー(11a、11b)から成るグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の火格子(1)。
【請求項3】
火格子機構(3)の前記トーションシャフト(6)は、火格子棒列(2)に平行に延びており、及び、上側トーションレバー(11a)を介して火格子棒支持体(2a)と、及び、下側トーションレバー(11b)を介して前記駆動部ユニット(4)と協働し、
傾斜情報(I)を求めるため及び出力するために、少なくとも一つの傾斜センサ(5a、5b)が前記トーションシャフト(6)の端面(6a、6b)に、及び/又は、上側トーションレバー(11a)に、及び/又は、下側トーションレバー(11b)に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の火格子(1)。
【請求項4】
前記トーションシャフト(6)において対向し合う端面(6a、6b)にそれぞれ一つ傾斜センサ(5a、5b)が配置されていることを特徴とする請求項3に記載の火格子(1)。
【請求項5】
少なくとも一つの傾斜センサ(5a、5b)により捕捉された傾斜情報(I)が、廃棄物焼却施設内の制御装置(20)に伝送可能であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の火格子(1)。
【請求項6】
前記駆動部ユニット(4)は、望ましくは液圧シリンダである液圧ユニット(8)を有していることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の火格子(1)。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の火格子(1)を、該火格子(1)の駆動部ユニット(4)の作動中に監視する方法であって、少なくとも以下の、
-少なくとも一つの傾斜センサ(5a、5b)の傾斜情報(I)を読み取って処理するステップと、
-基準方向(R)に対する、火格子機構(3)に配置された少なくとも一つの傾斜センサ(5a、5b)の傾斜(N)を求めるステップと、
-少なくとも一つの傾斜センサ(5a、5b)の求められた傾斜(N)と、前記駆動部ユニット(4)のポジション変化から得られる目標傾斜(NSoll)との比較、及び/又は、互いに異なる傾斜センサ(5a、5b)の傾斜(N)及び/又は傾斜情報(I)の比較を行うステップとを有する方法。
【請求項8】
駆動部ユニット(4)の作動中に少なくとも一つの傾斜センサ(5a、5b)により捕捉され、傾斜情報(I)を介して出力された傾斜(N)が前記目標傾斜(NSoll)とは異なる場合に、火格子機構(3)のエラー又は障害が検知され、及び出力されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
互いに異なる傾斜センサ(5a、5b)の傾斜(N)及び/又は傾斜情報(I)を比較するために以下の、
-火格子機構(3)において対向しあう側、とりわけ火格子機構(3)のトーションシャフト(6)において対向し合う端面(6a、6b)にある傾斜センサ(5a、5b)の傾斜(N)及び/又は傾斜変化(dN)の比較により、捩れ差(D)を決定するステップと、
-当該捩れ差(D)から、火格子(1)の機械的負荷が均一であるのか又は偏っているのかを導き出すステップとが実行されることを特徴とする請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記捩れ差(D)は、火格子機構(3)において対向し合う側、とりわけトーションシャフト(6)の両方の端面(6a、6b)にある傾斜センサ(5a、5b)の傾斜(N)同士の差から、及び/又は、火格子機構(3)において対向し合う側、とりわけトーションシャフト(6)の両方の端面(6a、6b)にある傾斜センサ(5a、5b)の傾斜変化(dN)同士の差から、形成されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
火格子(1)の機械的負荷が均一であるのか又は偏っているのかを捩れ差(D)から導き出すことは、捩れ差(D)を基準捩れ差(RD)と比較することにより行われ、前記基準捩れ差(RD)は例えば、火格子(1)の負荷が均一であるときに生じる捩れ差(D)であることを特徴とする、請求項9又は10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の火格子、ならびに該火格子の監視方法に関する。本発明は、火格子が使用される全ての場所において、好ましくは廃棄物焼却施設において適用可能である。
【0002】
廃棄物焼却施設における火格子燃焼のためにスラスト火格子又はロール式火格子が用いられる。ここでそれ自体公知の火格子は、駆動部ユニット、火格子機構及び火格子棒列を有しており、火格子棒列は実際に燃焼材料と接触する火格子のコンポーネントであり、火格子棒列は火格子機構を介して駆動部ユニットと作用結合しており、それにより火格子棒列を駆動することができ、またそれにより、乗っている燃焼材料の搬送及び/又は煽りを通常のやり方で達成する。
【0003】
火格子機構の一部は例えばシャフト、とりわけトーションシャフトで構成されており、このときスラスト火格子の場合においてトーションシャフトは、スラスト火格子の火格子棒が火格子棒支持体を介して駆動されるよう構成されており、それにより、乗っている燃焼材料をトーションシャフトの回転により燃焼中に搬送及び/又は煽ることができる。しかし、駆動運動の伝達のための他の火格子機構も可能である。
【0004】
トーションシャフトの運動もしくは回転を可能にするために、火格子機構のトーションシャフトと作用結合する様々な駆動部ユニットを設けることができる。スラスト火格子のトーションシャフトは、例えば駆動部ユニットとしての液圧シリンダを介して駆動することができ、それにより、火格子棒列上の燃焼材料の搬送速度を、局所的に様々である燃焼条件にそれぞれ最適に適応させることができる。
【0005】
火格子の機能状態を監視するために通常は、火格子の送りが、駆動部ユニット自身にある、例えば液圧シリンダにある偏位センサを介して間接的に測定される。駆動部ユニットが故障した場合は、相応の応答が得られる。しかしながら、駆動部ユニットより後方のコンポーネント、とりわけ火格子機構のコンポーネントが故障した場合、駆動部ユニットはその影響を受けることなく引き続き作動する一方で、火格子棒列自身は静止するか又は期待通りに作動せず、それにより火格子の実際の送りが行われない。そのため、火格子機構のそのような故障は通常は検知できない。
【0006】
補足的に、特許文献1においては、火格子棒の運動による長さの変化を検知するためにワイヤ引張式又は引抜式送信器を実装することが記述されている。特許文献2では、駆動部ユニットの運動がエンドスイッチ又はリミットスイッチを介して監視される。しかしながら火格子機構の監視は行われていない。特許文献3には、カメラを介して燃焼材料を熱的に監視することが記述されている。さらに特許文献4には、火格子機構及び非接触型センサを持つ火格子が記述されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】中国公開特許第112577057号
【特許文献2】英国登録特許第1223668号
【特許文献3】米国出願公開特許第20150000573号
【特許文献4】米国出願公開特許第20200182462号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、火格子、とりわけ火格子の実際の送りの信頼性の高い監視を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、請求項1に記載の特徴を備える火格子ならびに請求項7に記載の方法により解決される。従属請求項には本発明の有利な実施形態が記載されている。
【0010】
それによると、廃棄物焼却施設用の火格子であって、駆動部ユニット、とりわけ液圧シリンダを持つ好適には液圧ユニットと、複数の火格子棒に回転可能に支承された火格子棒支持体をそれぞれ持つ火格子棒列と、力方向もしくは作用方向において駆動部ユニットに続く火格子機構とを有する火格子が設けられており、ここで駆動部ユニットは、火格子棒に運動が導入されるように火格子機構を介して火格子棒列のうちの少なくともいくつかと作用結合しており、それにより、乗っている燃焼材料の搬送及び/又は煽りが行われる。このとき好適には、全ての火格子棒列が駆動されるわけではなく、例えば一つおきの火格子棒列のみが駆動され、その間にある火格子棒列は非駆動の火格子棒列である。
【0011】
本発明によるとこのとき火格子機構は、傾斜情報を求めるため及び出力するために少なくとも一つの傾斜センサを有しており、該傾斜情報は基準方向に対する傾斜センサの傾斜に依存して形成され、それにより、この傾斜情報から、前記少なくとも一つの傾斜センサが配置された、火格子機構の少なくともそれぞれのコンポーネントのポジションが求められる。
【0012】
作用結合とは、駆動部ユニットと駆動される火格子棒列との間で運動を伝達するために適切であるあらゆる種類の機械的な接続と理解される。つまり作用結合により駆動部ユニットからそれぞれの火格子棒列への力の流れが可能となる。
【0013】
火格子機構のそれぞれのコンポーネントにある傾斜センサにより捕捉された傾斜情報を用いて火格子機構の運動が確定され、そこから火格子棒列の運動を推定することも可能である。それにより、例えば少なくとも一つの傾斜センサにより捕捉された傾斜情報が廃棄物焼却施設内の制御装置に伝送可能であることにより、本発明の火格子監視方法を実施することができる。すると該制御装置は傾斜情報を相応に処理してそれに対して応答することができる。
【0014】
つまり、従来技術と比較して、すでに火格子の運転中に火格子の運動が、駆動部ユニットの運動の観察によって監視されるのではなく、つまり、運動の開始点において監視されるのではなく、力の流れの方向においてさらに前方にある火格子機構の運動を観察することにより監視されるという有利な点が達成されている。火格子機構のコンポーネントの一つが不良により故障した場合、これをすぐ確定することができ、そのためには少なくとも一つの傾斜センサが、火格子機構の好適には少なくとも一つのコンポーネントに配置されており、そのコンポーネントは、トーションシャフト、ボルト、好適にはフランジボルト、連結ロッド、ベアリング、トーションレバーから成るグループから選択される。
【0015】
このとき傾斜センサが取り付けられる火格子機構のコンポーネントはとりわけ、火格子棒列へのそのコンポーネントのさらなる力の流れ又はさらなる作用結合において、故障し得る高負荷の接続が存在しないもの、又はそれがわずかであるものとする。それにより、駆動部ユニットから火格子棒列までの力の流れ又は作用連鎖の途上において、火格子機構の一つのコンポーネントが故障しても、傾斜センサを介してこれが捕捉可能であることが保証される。
【0016】
そのために望ましくは、火格子機構のトーションシャフトは火格子棒列に対して平行に延びており、及び、上側トーションレバーを介して火格子棒支持体と、また、下側トーションレバーを介して駆動部ユニットと協働するようになっており、傾斜情報を求めるため及び出力するために少なくとも一つの傾斜センサが、トーションシャフトの少なくとも一つの端面に、及び/又は、上側トーションレバー及び/又は下側トーションレバーに配置される。トーションシャフトの少なくとも一つの端面に、又はそれぞれのトーションレバーにある傾斜センサにより求められる傾斜情報により、前述の作用連鎖の「後方に」位置する一つ位置において、火格子機構の運動に関して信頼性をもって供述すること、及び、それにより高い確実性で火格子棒列の運動について及び最終的に火格子の実際の送りについて信頼性をもって供述することが可能になる。それにより火格子の実際の送りについて信頼性の高い供述が得られる。
【0017】
好適には補充的に、それぞれ一つの傾斜センサが、トーションシャフトにおいて対向し合う端面に、及び/又は、(火格子の側で)対向し合うトーションレバーに又は(火格子の側で)対向し合う、火格子機構のさらなるコンポーネントに配置されている。それにより火格子機構の運動を側ごとに個別に及び/又は冗長的に監視することができ、それにより、例えば側ごとの個別の機械的負荷など、火格子の運転に関するさらなる推定も得ることができる。
【0018】
本発明による火格子監視により、もっとも単純な場合には上述の本発明の火格子の機能試験が可能となり、そこでは、少なくとも一つの傾斜センサにより捕捉され、傾斜情報を介して出力された傾斜が、駆動部ユニット作動中に火格子運転において期待される目標傾斜と異なる場合には、火格子機構及びひいては火格子のエラー又は障害が検知され、例えばエラーメッセージと共に出力される。これが意味するのは、火格子棒列が実際に運動すべき、火格子の運転における予想(NSoll=/=0[NSollが0に等しくない]、N=変化する)に反して、傾斜情報を介して出力された傾斜が変化していない(dN=0、N=一定)、ということである。このことは、火格子機構の損傷を非常に単純に示唆している。しかし、火格子機構の運動能力が低下したり、又は運動能力にそれ以外の障害がある場合でも、目標傾斜から偏差した運動が生じたりすることがあり、そこからエラー又は障害を推論することができる。
【0019】
さらに、火格子もしくは火格子機構が無傷である場合に駆動部ユニットが繰り返し同じように作動すれば、傾斜センサでは常に同じ傾斜情報又は傾斜が得られることが期待される。そのため傾斜情報又は傾斜が、同じように繰り返されるこの傾斜情報から偏差する場合、駆動部ユニット又は少なくとも火格子機構内に変化もしくは障害が起こっており、このことはこれらが機能不全である可能性を示している。
【0020】
したがって運転中に火格子の駆動部ユニット及び火格子機構の機能試験が可能であり、それにより運転停止時間が低減される。
【0021】
本発明の方法ではさらに、複数の傾斜センサ、とりわけ、トーションシャフト、又は火格子機構のその他のコンポーネントにおいて対向し合う端面に配置された2つの傾斜センサにより、異なる傾斜センサで求められた傾斜及び/又は傾斜情報を側ごとに個別に比較することができ、その際に火格子機構において対向し合う側にある傾斜センサ、とりわけ火格子機構のトーションシャフトにおいて対向し合う端面にある傾斜センサの傾斜及び/又は傾斜変化を比較することにより捩れ差が決定され、該捩れ差から火格子の機械的負荷が均一であるのか又は片側に偏っているのかを導き出すことができる。
【0022】
このとき、捩れ差は、トーションシャフト長軸に沿ったトーションシャフトの捩れに対する尺度である、もしくは、火格子機構のその他のコンポーネントにおいては側ごとの傾斜の相違に対する尺度であると考えることができる。
【0023】
火格子の負荷が均一である場合、駆動運動が片側に導入されることにより、トーションシャフト長軸に沿って特定の捩れが生じ、これは、傾斜センサの傾斜における側ごとの相違に対応するものであり、傾斜情報を相応に評価することにより捕捉することができる。負荷が均一な場合におけるこの特定の捩れは、好適には基準捩れ差と表現することもできる。しかしこの基準捩れ差はその他の負荷の場合においても選択することもできる。
【0024】
火格子の負荷が不均一であるとき、傾斜センサにより捕捉された捩れ差はこの基準捩れ差から偏差する。火格子の、駆動導入部の側における負荷が高まると、捩れ差は基準捩れ差に比較して低下する一方、火格子の、駆動導入部とは反対の側における負荷が高まると、捩れ差は高まる。
【0025】
つまり、このように簡単なやり方で、傾斜センサを使用して火格子の機械的負荷が均一であるか又は偏っているかを推論することができる。
【0026】
以下、一つの実施例及び2つの図を用いて本発明を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】廃棄物焼却施設の火格子の一つの実施形態であり、火格子は第1ポジションにある図である。
図2図1の火格子が第2ポジションにある図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1には、スラスト火格子の形態の火格子1が第1ポジションにあるところが図示されており、火格子1は、駆動部ユニット4、火格子機構3、及び、火格子棒支持体2aに支承された複数の火格子棒2bから成る火格子棒列2を備えている。このとき、隣接する火格子棒列2の火格子棒2bは屋根瓦状に重なり合っている。駆動部ユニット4は火格子機構3を介して火格子棒列2と作用結合しており、このとき駆動部ユニット4は液圧シリンダ8により構成されている。しかし駆動部は、同様の働きをするその他の種類のものでもよい。
【0029】
火格子機構3は、駆動部ユニット4の出発運動を、例えばフランジボルトであるボルト9、連結ロッド7、下側トーションレバー11a、ベアリング10、トーションシャフト6及び上側トーションレバー11bにより、それぞれの火格子棒列2の火格子棒支持体2aに伝達する。この駆動運動、及び、隣接する火格子棒列2が屋根瓦状に重なり合っていることにより、よく知られている通り、火格子棒列の上に乗っている燃焼材料(図示されず)の送り及び煽りを引き起こすことができる。
【0030】
図1において見えているトーションシャフト6の第1端面6aには、第1傾斜センサ5aが取り付けられている。さらに、図1では見えていないが、トーションシャフト6において対向し合う第2端面6bには第2傾斜センサ5bが取り付けられている。単純な実施形態においては、両方の傾斜センサ5a、5bのうちいずれか一方のみを設けることもできる。
【0031】
各傾斜センサ5a、5bはこのとき、基準方向Rに対する傾斜センサ5a、5bの傾斜Nを測定し、該傾斜Nに対応する傾斜情報Iを生成し、この傾斜情報Iは傾斜信号Sa、Sbを介して出力することができる。トーションシャフト6が回転するとそれぞれの端面6a、6bにある傾斜センサ5a、5bの傾斜Nも基準方向Rに対して変化するため、傾斜情報Iはトーションシャフト6の回転ポジションと相関する。
【0032】
図1に図示された火格子1の第1ポジションにおいて、トーションシャフト6のこの回転ポジションにおいて傾斜センサ5a、5bが基準方向Rに向けられていることを前提にするなら、傾斜センサ5a、5bが測定する第1傾斜N1は例えば0°となる。これに対応して、この第1傾斜N1は傾斜情報Iを介して出力することができる。この第1傾斜N1において駆動部ユニット4の液圧シリンダ8は縮んでいる。
【0033】
図2には、図1の火格子1が第2ポジションにあるところが図示されており、同じ部分には同じ符号がつけられている。火格子1の第2ポジションにおいて液圧シリンダ8は完全に伸びており、それにより、すでに述べた火格子機構3を介した作用結合により、火格子棒列2のポジションも変化する。そのため、第1ポジション(図1)から第2ポジション(図2)へ繰り返し変化することにより例えば、火格子棒列2上に乗っている燃焼材料(図示されず)の送り及び煽りを行うことができる。
【0034】
図2に図示された火格子1の第2ポジションにおいて、トーションシャフト6の端面6a、6bに取り付けられた傾斜センサ5a、5bにより測定される、基準方向Rに対する第2傾斜N2は例えば約-30°であり、これを傾斜情報Iとして相応に出力することができる。液圧シリンダ8の完全に伸びたポジション(図2)と完全に縮んだポジション(図1)との間で、傾斜センサ5a、5bにより同様にさらなる傾斜Nを捕捉し、対応する傾斜情報Iをそれぞれの傾斜信号Sa、Sbを介して出力することができる。このようにして駆動部ユニット4もしくは液圧シリンダ8の各ポジションに、ある特定の傾斜Nもしくはある特定の傾斜情報Iを割り当てることができる。
【0035】
傾斜センサ5a、5bにより求められた傾斜情報Iは、傾斜信号Sa、Sbを介して廃棄物焼却施設のコントロールセンタ内の制御装置20に伝送可能である。それにより運転中に火格子1の監視、とりわけ火格子1の機能性を監視することができる。駆動部ユニット4及び火格子機構3のコンポーネントが機能していれば第1ポジション(図1)と第2ポジション(図2)とが周期的に繰り返され、それにより傾斜N;N1、N2もしくは傾斜情報Iが周期的に繰り返し発生し、それが傾斜センサ5a、5bにより捕捉される。
【0036】
しかしながら例えば連結ロッド7が過大な機械的負荷又は疲労により破損した場合、又はベアリング10が傾いた場合、トーションシャフト6の回転ポジションももはや期待通りに変化しないため、周期的に繰り返される目標傾斜NSollが傾斜センサ5a、5bによって期待通りに得られず、また、傾斜情報Iを介して出力もされない。そのため、傾斜情報Iが期待される目標傾斜NSollをもはや伝送しない場合には、駆動部ユニット4及び/又は火格子機構3内にエラーがあると推論することができる。
【0037】
従来技術と比較して有利な点は、作用連鎖においてさらに後方で運動の監視が行われることである。例えば、液圧シリンダ8がまだ伸縮しているもののトーションシャフト6がもはや回転していないことが確定された場合、本発明ではこれら2つのコンポーネントの間に機械的な障害があると結論づけることができる。
【0038】
説明した火格子1のこの機能試験のためには傾斜センサ5a、5bのうちの一つで充分である。その傾斜センサは基本的に、トーションシャフト6の端面6a、6b以外の場所、例えば火格子機構3の他のコンポーネント、例えばボルト9、下側トーションレバー11b又は上側トーションレバー11aに取り付けることも可能である。その場合、傾斜センサ5a、5bのうちの一つ又は両方の位置に関する条件としては、駆動部ユニット4が作動すると、該位置において傾斜Nもしくは傾斜情報Iに変化が生じることが挙げられる。
【0039】
さらに注意すべきことは、それぞれの傾斜センサ5a、5bに大きな熱的負荷がかかりすぎない位置を選ぶことである。傾斜センサ5a、5bが下部送風領域にあったとしても、傾斜センサ5a、5bが、火格子棒列2上に乗っている燃焼材料Bに近ければ近いほど熱的な負荷は大きくなる。そのため、火格子1の監視において継続的にエラーのない運転を確保するためには、傾斜センサ5a、5bをトーションシャフト6の上方又はそのすぐ上において火格子機構3に取り付けることはできるだけ避けるべきである。
【0040】
図1及び図2に図示された、トーションシャフト6において対向し合う端面6a、6bに取り付けられた2つの傾斜センサ5a、5bを持つ実施形態によりとりわけ、火格子1の機械的負荷の不均一性を以下のように監視することが可能である。
【0041】
火格子棒列2の上の燃焼材料の搬送が、片側に寄って不均一である場合、つまり例えば、火格子棒列2の、駆動部ユニット4とは反対の側に乗っている燃焼材料が、駆動部ユニット4の上側に比較して特に多い場合、火格子1の運転中にトーションシャフト6において片側に不均一な、強い機械的負荷がかかることにもつながり、それによりトーションシャフト6が捩れる。
【0042】
トーションシャフト6のこの捩れは、トーションシャフト6の端面6a、6bの回転ポジションが異なること、及び/又は、(片側でのみトーションシャフト6に作用する連結ロッド7を介して)駆動部が及ぼす作用が片側であるため火格子1の運転中に、これら回転ポジションの変化の大きさが異なることにより感知することができる。このことは、トーションシャフト6において対向し合う端面6a、6bに配置された傾斜センサ5a、5bを介して捕捉することができ、そのためには相応に傾斜情報Iが片側ごとに個別に捕捉され、互いに比較される。
【0043】
機能監視のために例えば以下のステップ:
-トーションシャフト6において対向し合う端面6a、6bに配置された傾斜センサ5a、5bにより測定され、傾斜情報Iを介して伝送された傾斜N、及び/又は、そこから得られる傾斜変化dNを比較することにより、捩れ差Dを決定するステップ、
-捩れ差Dに応じて、火格子1の負荷が均一であるか、又は不均一であるか、とりわけ機械的な負荷が偏っているかどうかを導き出すステップ、
を実行することができる。
【0044】
したがって、伝送された傾斜情報Iから、トーションシャフト6の両方の端面6a、6bにおける傾斜Nの差、及び/又は、トーションシャフト6の両方の端面6a、6bにおける傾斜変化dNの差が得られ、それぞれの差を捩れ差Dとして出力することができる。この捩れ差Dは、トーションシャフト6の不均一な機械的負荷、及びひいては燃焼材料の火格子1上での不均一な搬送の指標とみなすことができる。
【0045】
図1及び図2に図示されているように、トーションシャフト6への駆動運動の導入は片側で、つまりトーションシャフト6の第2端面6bの領域において行われる。火格子1の負荷が均一であれば、廃棄物床が火格子1全体にわたって均一に存在する。駆動運動が片側にのみ導入されるため、トーションシャフト6はトーションシャフト6の長手方向]に沿って捩れ差Dを有する。以下、火格子1の負荷が均一な場合のこの捩れ差Dを、基準捩れ差RDと呼ぶ。この捩れ差Dの値は、第1傾斜センサ6aの傾斜N1と第2傾斜センサ5bの傾斜N2との差から計算され、その際、傾斜センサ5a、5bはトーションシャフト6の端面6a、6bに取り付けられている。火格子1の負荷が均一である場合、基準捩れ差RDは例えば1.2°である。
【0046】
トーションシャフト6の第1端面6aの上方に、つまり、駆動導入部とは反対の側で火格子1の片側に特に多くの燃焼材料が乗っている場合、基準捩れ差RDに対する捩れ差Dは、例えば2.1°に高まる。これに対して、トーションシャフトの第2端面6bの上方に、つまり、駆動導入部に向いた側で火格子1上に特に多くの燃焼対象材料がある場合、基準捩れ差RDに対する捩れ差Dは、例えば0.3°に下がる。それにより傾斜センサ5a、5bにより求められた、基準捩れ差RDからの捩れ差Dの偏差から、火格子1の機械的負荷に関する供述を得ることができる。
【0047】
例えば廃棄物床高さが異なる場合など、種々の総合負荷も考慮できるよう、液圧ユニット8内の油圧も利用することができ、それに応じて基準捩れ差RDを自動的に計算することができる。
【0048】
上述の方法により例えば火格子1の機械的負荷が偏っていると確定された場合、火格子1の過負荷を防ぐために対策を講じることができる。
【符号の説明】
【0049】
1 火格子
2 火格子棒列
2a 火格子棒支持体
2b 火格子棒
3 火格子機構
4 駆動部ユニット
5a、5b 第1/第2傾斜センサ
6 トーションシャフト
6a トーションシャフト6の第1端面
6b トーションシャフト6の第2端面
7 連結ロッド
8 液圧ユニット
9 ボルト
10 ベアリング
11a 上側トーションレバー
11b 下側トーションレバー
20 制御装置
D 捩れ差
RD 基準捩れ差
I 傾斜情報
N 傾斜
N1 第1傾斜
N2 第2傾斜
NSoll 目標傾斜
dN 傾斜変化
R 基準方向
Sa、Sb 第1/第2傾斜信号
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2023-05-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物焼却施設のための火格子(1)であって、-駆動部ユニット(4)、
-複数の火格子棒(2b)が回転可能に支承されている火格子棒支持体(2a)をそれぞれ有する複数の火格子棒列(2)、
-火格子機構(3)、
を有し、前記駆動部ユニット(4)は、運動が前記火格子棒(2b)へと導入されるよう、火格子機構(3)を介して前記火格子棒列(2)のうちの少なくともいくつかと作用結合している、火格子(1)において、
前記火格子機構(3)は、傾斜情報(I)を求めるため及び出力するための少なくとも一つの傾斜センサ(5a、5b)を有しており、該傾斜情報(I)は、基準方向(R)に対する傾斜センサ(5a、5b)の傾斜(N)に応じて形成されることを特徴とする当該火格子(1)。
【請求項2】
前記少なくとも一つの傾斜センサ(5a、5b)は、前記火格子機構(3)の少なくとも一つのコンポーネントに配置されており、該コンポーネントは、トーションシャフト(6)、好適にはフランジボルトであるボルト(9)、連結ロッド(7)、ベアリング(10)、トーションレバー(11a、11b)から成るグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の火格子(1)。
【請求項3】
火格子機構(3)の前記トーションシャフト(6)は、火格子棒列(2)に平行に延びており、及び、上側トーションレバー(11a)を介して火格子棒支持体(2a)と、及び、下側トーションレバー(11b)を介して前記駆動部ユニット(4)と協働し、
傾斜情報(I)を求めるため及び出力するために、少なくとも一つの傾斜センサ(5a、5b)が前記トーションシャフト(6)の端面(6a、6b)に、及び/又は、上側トーションレバー(11a)に、及び/又は、下側トーションレバー(11b)に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の火格子(1)。
【請求項4】
前記トーションシャフト(6)において対向し合う端面(6a、6b)にそれぞれ一つ傾斜センサ(5a、5b)が配置されていることを特徴とする請求項3に記載の火格子(1)。
【請求項5】
少なくとも一つの傾斜センサ(5a、5b)により捕捉された傾斜情報(I)が、廃棄物焼却施設内の制御装置(20)に伝送可能であることを特徴とする請求項に記載の火格子(1)。
【請求項6】
前記駆動部ユニット(4)は、望ましくは液圧シリンダである液圧ユニット(8)を有していることを特徴とする請求項に記載の火格子(1)。
【請求項7】
請求項に記載の火格子(1)を、該火格子(1)の駆動部ユニット(4)の作動中に監視する方法であって、少なくとも以下の、
-少なくとも一つの傾斜センサ(5a、5b)の傾斜情報(I)を読み取って処理するステップと、
-基準方向(R)に対する、火格子機構(3)に配置された少なくとも一つの傾斜センサ(5a、5b)の傾斜(N)を求めるステップと、
-少なくとも一つの傾斜センサ(5a、5b)の求められた傾斜(N)と、前記駆動部ユニット(4)のポジション変化から得られる目標傾斜(NSoll)との比較、及び/又は、互いに異なる傾斜センサ(5a、5b)の傾斜(N)及び/又は傾斜情報(I)の比較を行うステップとを有する方法。
【請求項8】
駆動部ユニット(4)の作動中に少なくとも一つの傾斜センサ(5a、5b)により捕捉され、傾斜情報(I)を介して出力された傾斜(N)が前記目標傾斜(NSoll)とは異なる場合に、火格子機構(3)のエラー又は障害が検知され、及び出力されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
互いに異なる傾斜センサ(5a、5b)の傾斜(N)及び/又は傾斜情報(I)を比較するために以下の、
-火格子機構(3)において対向しあう側、とりわけ火格子機構(3)のトーションシャフト(6)において対向し合う端面(6a、6b)にある傾斜センサ(5a、5b)の傾斜(N)及び/又は傾斜変化(dN)の比較により、捩れ差(D)を決定するステップと、
-当該捩れ差(D)から、火格子(1)の機械的負荷が均一であるのか又は偏っているのかを導き出すステップとが実行されることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記捩れ差(D)は、火格子機構(3)において対向し合う側、とりわけトーションシャフト(6)の両方の端面(6a、6b)にある傾斜センサ(5a、5b)の傾斜(N)同士の差から、及び/又は、火格子機構(3)において対向し合う側、とりわけトーションシャフト(6)の両方の端面(6a、6b)にある傾斜センサ(5a、5b)の傾斜変化(dN)同士の差から、形成されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
火格子(1)の機械的負荷が均一であるのか又は偏っているのかを捩れ差(D)から導き出すことは、捩れ差(D)を基準捩れ差(RD)と比較することにより行われ、前記基準捩れ差(RD)は例えば、火格子(1)の負荷が均一であるときに生じる捩れ差(D)であることを特徴とする、請求項に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
上述の方法により例えば火格子1の機械的負荷が偏っていると確定された場合、火格子1の過負荷を防ぐために対策を講じることができる。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下の構成も包含し得る:
1.
廃棄物焼却施設のための火格子(1)であって、-駆動部ユニット(4)、
-複数の火格子棒(2b)が回転可能に支承されている火格子棒支持体(2a)をそれぞれ有する複数の火格子棒列(2)、
-火格子機構(3)、
を有し、前記駆動部ユニット(4)は、運動が前記火格子棒(2b)へと導入されるよう、火格子機構(3)を介して前記火格子棒列(2)のうちの少なくともいくつかと作用結合している、火格子(1)において、
前記火格子機構(3)は、傾斜情報(I)を求めるため及び出力するための少なくとも一つの傾斜センサ(5a、5b)を有しており、該傾斜情報(I)は、基準方向(R)に対する傾斜センサ(5a、5b)の傾斜(N)に応じて形成される当該火格子(1)。
2.
前記少なくとも一つの傾斜センサ(5a、5b)は、前記火格子機構(3)の少なくとも一つのコンポーネントに配置されており、該コンポーネントは、トーションシャフト(6)、好適にはフランジボルトであるボルト(9)、連結ロッド(7)、ベアリング(10)、トーションレバー(11a、11b)から成るグループから選択される上記1に記載の火格子(1)。
3.
火格子機構(3)の前記トーションシャフト(6)は、火格子棒列(2)に平行に延びており、及び、上側トーションレバー(11a)を介して火格子棒支持体(2a)と、及び、下側トーションレバー(11b)を介して前記駆動部ユニット(4)と協働し、
傾斜情報(I)を求めるため及び出力するために、少なくとも一つの傾斜センサ(5a、5b)が前記トーションシャフト(6)の端面(6a、6b)に、及び/又は、上側トーションレバー(11a)に、及び/又は、下側トーションレバー(11b)に配置されている上記2に記載の火格子(1)。
4.
前記トーションシャフト(6)において対向し合う端面(6a、6b)にそれぞれ一つ傾斜センサ(5a、5b)が配置されている上記3に記載の火格子(1)。
5.
少なくとも一つの傾斜センサ(5a、5b)により捕捉された傾斜情報(I)が、廃棄物焼却施設内の制御装置(20)に伝送可能である上記1から4のいずれか1つに記載の火格子(1)。
6.
前記駆動部ユニット(4)は、望ましくは液圧シリンダである液圧ユニット(8)を有している上記1から5のいずれか1つに記載の火格子(1)。
7.
請求項1から6のいずれか1つに記載の火格子(1)を、該火格子(1)の駆動部ユニット(4)の作動中に監視する方法であって、少なくとも以下の、
-少なくとも一つの傾斜センサ(5a、5b)の傾斜情報(I)を読み取って処理するステップと、
-基準方向(R)に対する、火格子機構(3)に配置された少なくとも一つの傾斜センサ(5a、5b)の傾斜(N)を求めるステップと、
-少なくとも一つの傾斜センサ(5a、5b)の求められた傾斜(N)と、前記駆動部ユニット(4)のポジション変化から得られる目標傾斜(NSoll)との比較、及び/又は、互いに異なる傾斜センサ(5a、5b)の傾斜(N)及び/又は傾斜情報(I)の比較を行うステップとを有する方法。
8.
駆動部ユニット(4)の作動中に少なくとも一つの傾斜センサ(5a、5b)により捕捉され、傾斜情報(I)を介して出力された傾斜(N)が前記目標傾斜(NSoll)とは異なる場合に、火格子機構(3)のエラー又は障害が検知され、及び出力される上記7に記載の方法。
9.
互いに異なる傾斜センサ(5a、5b)の傾斜(N)及び/又は傾斜情報(I)を比較するために以下の、
-火格子機構(3)において対向しあう側、とりわけ火格子機構(3)のトーションシャフト(6)において対向し合う端面(6a、6b)にある傾斜センサ(5a、5b)の傾斜(N)及び/又は傾斜変化(dN)の比較により、捩れ差(D)を決定するステップと、
-当該捩れ差(D)から、火格子(1)の機械的負荷が均一であるのか又は偏っているのかを導き出すステップとが実行される上記7又は8に記載の方法。
10.
前記捩れ差(D)は、火格子機構(3)において対向し合う側、とりわけトーションシャフト(6)の両方の端面(6a、6b)にある傾斜センサ(5a、5b)の傾斜(N)同士の差から、及び/又は、火格子機構(3)において対向し合う側、とりわけトーションシャフト(6)の両方の端面(6a、6b)にある傾斜センサ(5a、5b)の傾斜変化(dN)同士の差から、形成される上記9に記載の方法。
11.
火格子(1)の機械的負荷が均一であるのか又は偏っているのかを捩れ差(D)から導き出すことは、捩れ差(D)を基準捩れ差(RD)と比較することにより行われ、前記基準捩れ差(RD)は例えば、火格子(1)の負荷が均一であるときに生じる捩れ差(D)である上記9又は10に記載の方法。
【外国語明細書】