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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165406
(43)【公開日】2023-11-15
(54)【発明の名称】半導体素子
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/768 20060101AFI20231108BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20231108BHJP
   H10B 12/00 20230101ALI20231108BHJP
   H01L 29/423 20060101ALN20231108BHJP
【FI】
H01L21/90 M
H01L29/78 301G
H01L29/78 301M
H01L21/90 D
H01L21/90 N
H10B12/00 671B
H10B12/00 671C
H10B12/00 681B
H01L29/58 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072831
(22)【出願日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】10-2022-0054373
(32)【優先日】2022-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】姜 ▲ゆん▼求
(72)【発明者】
【氏名】呉 相允
(72)【発明者】
【氏名】柳 原錫
(72)【発明者】
【氏名】丁 ▲きょん▼▲こく▼
(72)【発明者】
【氏名】姜 荷▲そる▼
【テーマコード(参考)】
4M104
5F033
5F083
5F140
【Fターム(参考)】
4M104AA01
4M104AA02
4M104AA03
4M104AA09
4M104BB01
4M104BB02
4M104BB04
4M104BB06
4M104BB14
4M104BB16
4M104BB17
4M104BB18
4M104BB20
4M104BB21
4M104BB25
4M104BB29
4M104BB30
4M104BB32
4M104BB33
4M104BB36
4M104CC05
4M104EE03
4M104EE05
4M104EE09
4M104EE14
4M104EE16
4M104EE17
4M104FF03
4M104GG16
4M104HH14
5F033GG01
5F033HH25
5F033HH27
5F033HH28
5F033HH32
5F033HH33
5F033HH34
5F033JJ04
5F033KK01
5F033MM13
5F033QQ09
5F033QQ10
5F033QQ25
5F033RR01
5F033RR04
5F033RR06
5F033RR30
5F033SS11
5F033TT02
5F033VV16
5F033WW02
5F033XX03
5F033XX31
5F083AD04
5F083AD24
5F083AD48
5F083GA09
5F083HA02
5F083HA06
5F083JA31
5F083JA36
5F083JA37
5F083JA38
5F083JA39
5F083JA40
5F083KA05
5F083LA12
5F083MA06
5F083MA16
5F140AC36
5F140BA01
5F140BA03
5F140BA05
5F140BA16
5F140BB04
5F140BB06
5F140BD11
5F140BF04
5F140BF05
5F140BF07
5F140BF10
5F140BF43
5F140BH30
5F140BJ04
5F140BJ27
5F140CB04
5F140CC02
5F140CC03
5F140CC08
(57)【要約】
【課題】半導体素子を提供する。
【解決手段】この半導体素子は、活性領域と、上記活性領域の側面上の素子分離領域と、上記活性領域と交差して上記素子分離領域内に延びるゲートトレンチと、上記ゲートトレンチ内のゲート構造物と、上記ゲート構造物の両側の上記活性領域内に配置され、互いに離隔する第1不純物領域及び第2不純物領域と、上記ゲート構造物と交差するライン部分、及び上記ライン部分の下部に配置され、上記第1不純物領域と電気的に連結されるプラグ部分を含むビットライン構造物と、上記プラグ部分の側面上の絶縁性構造物と、を含む。上記絶縁性構造物は、第1物質を含むスペーサーと、上記プラグ部分と上記スペーサーとの間に配置され、上記第1物質と異なる第2物質を含む絶縁性パターンと、上記絶縁性パターンの側面及び底面を覆い、上記第1及び第2物質と異なる第3物質を含む絶縁性ライナーと、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性領域と、
前記活性領域の側面上の素子分離領域と、
前記活性領域と交差して前記素子分離領域内に延びるゲートトレンチと、
前記ゲートトレンチ内のゲート構造物と、
前記ゲート構造物の両側の前記活性領域内に配置され、互いに離隔する第1不純物領域及び第2不純物領域と、
前記ゲート構造物と交差するライン部分、及び前記ライン部分の下部に配置され、前記第1不純物領域と電気的に連結されるプラグ部分を含むビットライン構造物と、
前記プラグ部分の側面上の絶縁性構造物と、を含み、
前記絶縁性構造物は、
第1物質を含むスペーサーと、
前記プラグ部分と前記スペーサーとの間に配置され、前記第1物質と異なる第2物質を含む絶縁性パターンと、
前記絶縁性パターンの側面及び底面を覆い、前記第1及び第2物質と異なる第3物質を含む絶縁性ライナーと、を含む、半導体素子。
【請求項2】
前記第1物質はSiCNであり、
前記第2物質はシリコン窒化物であり、
前記第3物質はシリコン酸化物である、請求項1に記載の半導体素子。
【請求項3】
前記スペーサーは、前記第1物質を含む第1物質層と、前記第2物質を含む第2物質層と、を含み、
前記第2物質層は、前記第1物質層と前記絶縁性ライナーとの間に配置される、請求項1に記載の半導体素子。
【請求項4】
前記スペーサーの両側面の間の距離は3Å~10Åの範囲である、請求項1に記載の半導体素子。
【請求項5】
前記スペーサーの両側面の間の距離は、前記絶縁性パターンの幅より小さい、請求項1に記載の半導体素子。
【請求項6】
前記第1不純物領域の上部面は、前記第2不純物領域の上部面より低いレベルに位置し、
前記絶縁性構造物の少なくとも一部は、前記第2不純物領域と前記プラグ部分との間に配置される、請求項1に記載の半導体素子。
【請求項7】
前記第2不純物領域上で前記第2不純物領域と接触するパッドパターンと、
前記パッドパターンの側面の一部と接触する絶縁性障壁パターンと、をさらに含み、
前記パッドパターンは、前記絶縁性障壁パターンと接触する第1側面、及び前記スペーサーと接触する第2側面を含む、請求項1に記載の半導体素子。
【請求項8】
前記パッドパターンはドープポリシリコンを含む、請求項7に記載の半導体素子。
【請求項9】
バッファー構造物(buffer structure)をさらに含み、
前記バッファー構造物の少なくとも一部は、前記絶縁性障壁パターンとライン部分との間に配置され、
前記バッファー構造物は、第1バッファー層、及び前記第1バッファー層上の第2バッファー層を含み、
前記第1バッファー層の物質と前記第2バッファー層の物質は互いに異なる、請求項7に記載の半導体素子。
【請求項10】
前記バッファー構造物は、前記第2バッファー層上の第3バッファー層をさらに含み、
前記第3バッファー層の物質は前記第2バッファー層の前記物質と異なる、請求項9に記載の半導体素子。
【請求項11】
前記バッファー構造物は、前記第3バッファー層上の第4バッファー層をさらに含み、
前記第4バッファー層は前記ライン部分の下部面と接触する、請求項10に記載の半導体素子。
【請求項12】
前記第4バッファー層はポリシリコン層である、請求項11に記載の半導体素子。
【請求項13】
前記パッドパターン上のコンタクト構造物をさらに含み、
前記コンタクト構造物は、前記絶縁性構造物及び前記パッドパターンと接触し、
前記絶縁性構造物の前記スペーサーは前記コンタクト構造物と接触する、請求項7に記載の半導体素子。
【請求項14】
活性領域と、
前記活性領域の側面上の素子分離領域と、
前記活性領域と交差して前記素子分離領域内に延びるゲートトレンチと、
前記ゲートトレンチ内のゲート構造物と、
前記ゲート構造物の両側の前記活性領域内に配置され、互いに離隔する第1不純物領域及び第2不純物領域と、
前記ゲート構造物と交差するライン部分、及び前記ライン部分の下部に配置され、前記第1不純物領域と電気的に連結されるプラグ部分を含むビットライン構造物と、
前記プラグ部分の第1側面上の第1絶縁性構造物と、
前記プラグ部分の第2側面上に配置され、前記ライン部分と垂直に重なる第2絶縁性構造物と、を含み、
前記プラグ部分の前記第1側面は前記ライン部分の側面と整列され、
前記プラグ部分の前記第2側面は前記ライン部分の下部面と垂直に重なり、
前記第1絶縁性構造物の少なくとも一部は、前記プラグ部分と前記第2不純物領域との間に配置され、
前記第1絶縁性構造物は、第1スペーサー、及び前記第1スペーサーと前記プラグ部分の前記第1側面との間に配置される絶縁性パターンを含み、
前記第2絶縁性構造物は、第2スペーサー、及び前記第2スペーサーと前記プラグ部分の前記第2側面との間に配置される第3スペーサーを含み、
それぞれの前記第1及び第2スペーサーはSiCN物質を含み、
前記絶縁性パターンはSiCN物質と異なる物質を含む、半導体素子。
【請求項15】
前記第2不純物領域上で前記第2不純物領域と接触するパッドパターンと、
前記パッドパターンの側面の一部と接触する絶縁性障壁パターンと、
前記絶縁性障壁パターン上のバッファー構造物と、をさらに含み、
前記第1絶縁性構造物は、前記絶縁性パターンの側面及び底面を覆う絶縁性ライナーをさらに含み、
前記絶縁性障壁パターンの少なくとも一部は前記ライン部分と垂直に重なり、
前記バッファー構造物は、前記絶縁性障壁パターンの上部面及び前記ライン部分の下部面と接触し、
前記パッドパターンは、前記絶縁性障壁パターンと接触する第1側面、及び前記第1スペーサーと接触する第2側面を含み、
前記絶縁性パターンはシリコン窒化物を含み、
前記絶縁性ライナーはシリコン酸化物を含む、請求項14に記載の半導体素子。
【請求項16】
前記ライン部分の下で、前記第2スペーサーは、前記絶縁性障壁パターン及び前記バッファー構造物と接触する、請求項15に記載の半導体素子。
【請求項17】
前記バッファー構造物は、第1バッファー層、及び前記第1バッファー層上の第2バッファー層を含み、
前記第1バッファー層はシリコン酸化物を含み、
前記第2バッファー層はシリコン窒化物を含み、
前記ライン部分の下で、前記第2スペーサーは、少なくとも前記バッファー構造物の前記第1及び第2バッファー層と接触する、請求項15に記載の半導体素子。
【請求項18】
前記第3スペーサーはエアギャップを含む、請求項15に記載の半導体素子。
【請求項19】
互いに対向する第1側及び第2側を有する絶縁性構造物と、
前記絶縁性構造物の前記第1側に配置される第1導電性領域と、
前記絶縁性構造物の前記第2側に配置される第2導電性領域と、を含み、
前記絶縁性構造物は、
前記第2導電性領域と接触し、第1物質を含むスペーサーと、
前記第1導電性領域と前記スペーサーとの間に配置され、前記第1物質と異なる第2物質を含む絶縁性パターンと、
前記絶縁性パターンの側面及び底面を覆い、前記第1及び第2物質と異なる第3物質を含む絶縁性ライナーと、を含む、半導体素子。
【請求項20】
前記絶縁性ライナーの下端は、前記スペーサーの下端より低いレベルに配置され、
前記絶縁性パターンと前記第1導電性領域との間に位置する前記絶縁性ライナーの部分は前記第1導電性領域と接触し、
前記スペーサーの両側面の間の距離は、前記絶縁性パターンの幅より小さく、
前記第1物質はSiCNであり、
前記第2物質はシリコン窒化物であり、
前記第3物質はシリコン酸化物である、請求項19に記載の半導体素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子を構成する要素(素子)のサイズを縮小し、性能を改善するための研究が進んでいる。半導体素子を構成する要素のサイズ縮小により、互いに隣接した導電性領域の間で不良が発生している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の技術的思想によって達成しようとする技術的課題の1つは、信頼性を有する半導体素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の技術的思想の一実施形態による半導体素子を提供する。この半導体素子は、活性領域と、上記活性領域の側面上の素子分離領域と、上記活性領域と交差して上記素子分離領域内に延びるゲートトレンチと、上記ゲートトレンチ内のゲート構造物と、上記ゲート構造物の両側の上記活性領域内に配置され、互いに離隔する第1不純物領域及び第2不純物領域と、上記ゲート構造物と交差するライン部分、及び上記ライン部分の下部に配置され、上記第1不純物領域と電気的に連結されるプラグ部分を含むビットライン構造物と、上記プラグ部分の側面上の絶縁性構造物と、を含む。上記絶縁性構造物は、第1物質を含むスペーサーと、上記プラグ部分と上記スペーサーとの間に配置され、上記第1物質と異なる第2物質を含む絶縁性パターンと、上記絶縁性パターンの側面及び底面を覆い、上記第1及び第2物質と異なる第3物質を含む絶縁性ライナーと、を含む。
【0005】
本発明の技術的思想の一実施形態による半導体素子を提供する。この半導体素子は、活性領域と、上記活性領域の側面上の素子分離領域と、上記活性領域と交差して上記素子分離領域内に延びるゲートトレンチと、上記ゲートトレンチ内のゲート構造物と、上記ゲート構造物の両側の上記活性領域内に配置され、互いに離隔する第1不純物領域及び第2不純物領域と、上記ゲート構造物と交差するライン部分、及び上記ライン部分の下部に配置され、上記第1不純物領域と電気的に連結されるプラグ部分を含むビットライン構造物と、上記プラグ部分の第1側面上の第1絶縁性構造物と、上記プラグ部分の第2側面上に配置され、上記ライン部分と垂直に重なる第2絶縁性構造物と、を含み、上記プラグ部分の上記第1側面は上記ライン部分の側面と整列され、上記プラグ部分の上記第2側面は上記ライン部分の下部面と垂直に重なり、上記第1絶縁性構造物の少なくとも一部は、上記プラグ部分と上記第2不純物領域との間に配置され、上記第1絶縁性構造物は、第1スペーサー、及び上記第1スペーサーと上記プラグ部分の上記第1側面との間に配置される絶縁性パターンを含み、上記第2絶縁性構造物は、第2スペーサー、及び上記第2スペーサーと上記プラグ部分の上記第2側面との間に配置される第3スペーサーを含み、それぞれの上記第1及び第2スペーサーはSiCN物質を含み、上記絶縁性パターンはSiCN物質と異なる物質を含む。
【0006】
本発明の技術的思想の一実施形態による半導体素子を提供する。この半導体素子は、互いに対向する第1側及び第2側を有する絶縁性構造物と、上記絶縁性構造物の上記第1側に配置される第1導電性領域と、上記絶縁性構造物の上記第2側に配置される第2導電性領域と、を含む。上記絶縁性構造物は、上記第2導電性領域と接触し、第1物質を含むスペーサーと、上記第1導電性領域と上記スペーサーとの間に配置され、上記第1物質と異なる第2物質を含む絶縁性パターンと、上記絶縁性パターンの側面及び底面を覆い、上記第1及び第2物質と異なる第3物質を含む絶縁性ライナーと、を含む。
【発明の効果】
【0007】
実施形態によると、互いに隣接した導電性領域の間に、信頼性を有し、且つ安定な絶縁性構造物を配置することで、信頼性を有する半導体素子を提供することができる。例えば、パッドパターンとビットライン構造物のプラグ部分との間、及び/または不純物領域とビットライン構造物のプラグ部分との間に安定な絶縁性構造物を配置することができる。かかる絶縁性構造物は、第1物質を含むスペーサーと、上記プラグ部分と上記スペーサーとの間に配置され、上記第1物質と異なる第2物質を含む絶縁性パターンと、上記絶縁性パターンの側面及び底面を覆い、上記第1及び第2物質と異なる第3物質を含む絶縁性ライナーと、を含むことができる。ここで、上記第1物質はSiCNであり、上記第2物質はシリコン窒化物であり、上記第3物質はシリコン酸化物であることができる。
【0008】
実施形態によると、シリコン酸化物で形成される層と接触する絶縁層を、HCD(Hexa-ChloroDi-silane、SiCl)前駆体(precusor)を用いて形成できるSiCN絶縁層で形成し、SiCN絶縁層と接触する上記シリコン酸化物を除去する方法を提供することができる。このような方法を用いて半導体素子を製造することで、信頼性を有する半導体素子を提供することができる。
【0009】
本発明の多様で且つ有益な利点と効果は上述の内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態による半導体素子を概念的に示した図である。
図2a】本発明の一実施形態による半導体素子を概念的に示した図である。
図2b】本発明の一実施形態による半導体素子を概念的に示した図である。
図3】本発明の一実施形態による半導体素子の変形例を概念的に示した断面図である。
図4a】本発明の一実施形態による半導体素子の変形例を概念的に示した断面図である。
図4b】本発明の一実施形態による半導体素子の変形例を概念的に示した断面図である。
図5a】本発明の一実施形態による半導体素子の変形例を概念的に示した断面図である。
図5b】本発明の一実施形態による半導体素子の変形例を概念的に示した断面図である。
図6】本発明の一実施形態による半導体素子の変形例を概念的に示した上面図である。
図7】本発明の変形実施形態による半導体素子を概念的に示した断面図である。
図8】本発明の一実施形態による半導体素子の絶縁層を説明するための図である。
図9】本発明の一実施形態による半導体素子の形成方法の例示的な例を示した断面図である。
図10】本発明の一実施形態による半導体素子の形成方法の例示的な例を示した断面図である。
図11】本発明の一実施形態による半導体素子の形成方法を説明するためのガスパルシングダイヤグラムである。
図12】本発明の一実施形態による半導体素子の形成方法の例示的な例を示した断面図である。
図13】本発明の一実施形態による半導体素子の形成方法の例示的な例を示した断面図である。
図14】本発明の一実施形態による半導体素子の形成方法の例示的な例を示した断面図である。
図15】本発明の一実施形態による半導体素子の形成方法の例示的な例を示した断面図である。
図16】本発明の一実施形態による半導体素子の形成方法の例示的な例を示した断面図である。
図17】本発明の一実施形態による半導体素子の形成方法の例示的な例を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下において、「上部」、「中間」、及び「下部」などのような用語は、他の用語、例えば、「第1」、「第2」、及び「第3」などの用語で代替され、明細書の構成要素を説明するために用いられることもできる。「第1」、「第2」、及び「第3」などの用語が様々な構成要素を説明するのに用いられることができるが、上記構成要素は上記用語により限定されるものではなく、「第1構成要素」は「第2構成要素」と命名されることができる。
【0012】
図1図2a、及び図2bを参照して、本発明の一実施形態による半導体素子を説明する。図1図2a、及び図2bにおいて、図1は本発明の一実施形態による半導体素子を概念的に示した上面図であり、図2aは図1のI-I’線に沿って切り取った領域を示した断面図であり、図2bは図1のII-II’線に沿って切り取った領域を示した断面図である。
【0013】
図1図2a、及び図2bを参照すると、一実施形態による半導体素子1は、基板3と、上記基板3上の活性領域6aと、上記活性領域6aの側面上の素子分離領域6sと、上記活性領域6aと交差して上記素子分離領域6s内に延びるゲートトレンチ12と、上記ゲートトレンチ12内のゲート構造物GSと、上記ゲート構造物GSの両側の上記活性領域6a内に配置され、互いに離隔する第1不純物領域9a及び第2不純物領域9bと、上記ゲート構造物GSと交差するライン部分61、及び上記ライン部分61の下部に配置され、上記第1不純物領域9aと電気的に連結されるプラグ部分53pを含むビットライン構造物BSと、上記プラグ部分53pの側面上の絶縁性構造物ISと、を含むことができる。
【0014】
上記基板3は半導体基板とすることができる。例えば、上記基板3は、IV族半導体、III-V族化合物半導体、またはII-VI族化合物半導体を含むことができる。例えば、IV族半導体は、シリコン、ゲルマニウム、またはシリコン-ゲルマニウムを含むことができる。例えば、上記基板3は、シリコン物質、例えば、単結晶シリコン物質を含むことができる。上記基板3は、シリコン基板、シリコン-オン-インシュレーター(silicon on insulator、SOI)基板、ゲルマニウム基板、ゲルマニウム-オン-インシュレーター(germanium on insulator、GOI)基板、シリコン-ゲルマニウム基板、またはエピタキシャル層を含む基板とすることができる。上記基板3は、1つ以上の半導体層または1つ以上の半導体構造物を含むことができる。
【0015】
上記素子分離領域6sはトレンチ素子分離層とすることができる。上記素子分離領域6sは、上記基板3上に配置され、上記活性領域6aを限定することができる。上記素子分離領域6sは、シリコン酸化物及び/またはシリコン窒化物などのような絶縁性物質を含むことができる。
【0016】
上記ゲート構造物GSは第1方向(X)に延びるライン状であり、上記活性領域6aは斜線方向(D)に延びるバー状であることができる。上記斜線方向(D)は、上記第1方向(X)と鈍角または鋭角を成しながら交差する方向であることができる。上記ビットライン構造物BSの上記ライン部分61は、上記第1方向(X)に垂直な第2方向(Y)に延びるライン状であることができる。
【0017】
上記活性領域6aの複数個が配置されることができる。上面図において、上記活性領域6aのそれぞれは孤立した形状であり、上記斜線方向(D)に沿って延びるバー状であることができる。上面図において、上記素子分離領域6sは上記活性領域6aの側面を取り囲むことができる。上記ゲート構造物GSの複数個が配置されることができる。上記ビットライン構造物BSの複数個が配置されることができる。上記複数個の活性領域6aのうち1つの活性領域6aは、上記複数個のゲート構造物GSのうち互いに隣接した一対のゲート構造物GSと交差することができ、上記複数個のビットライン構造物BSのうち1つのビットライン構造物と交差することができる。
【0018】
以下で、1つの活性領域6a、1つのゲート構造物GS、及び1つのビットライン構造物BSを中心に説明する。
【0019】
上記ゲート構造物GSは、上記ゲートトレンチ12の内壁を覆うゲート誘電体層14と、上記ゲート誘電体層14上で上記ゲートトレンチ12を部分的に満たすゲート電極16と、上記ゲート電極16上で上記ゲートトレンチ12の残りの部分を満たすゲートキャッピング層18と、を含むことができる。
【0020】
上記ゲート誘電体層14は、シリコン酸化物及び高誘電体(high-k dielectric)の少なくとも1つを含むことができる。上記高誘電体(high-k dielectric)は、シリコン酸化物の誘電定数より高い誘電定数を有することができる。上記ゲート電極16は、ドープポリシリコン(doped polysilicon)、金属、導電性金属窒化物、金属-半導体化合物、導電性金属酸化物、グラフェン(graphene)、カーボンナノチューブ(carbon nanotube)、またはこれらの組み合わせを含むことができる。例えば、上記ゲート電極16は、ドープポリシリコン、Al、Cu、Ti、Ta、Ru、W、Mo、Pt、Ni、Co、TiN、TaN、WN、NbN、TiAl、TiAlN、TiSi、TiSiN、TaSi、TaSiN、RuTiN、NiSi、CoSi、IrO、RuO、グラフェン(graphene)、カーボンナノチューブ(carbon nanotube)、またはこれらの組み合わせからなることができるが、これに限定されるものではない。上記ゲート電極16は、前述の物質の単一層または多重層を含むことができる。上記ゲートキャッピング層18は、絶縁性物質、例えば、シリコン窒化物を含むことができる。
【0021】
上記活性領域6a内の上記第1及び第2不純物領域9a、9bは、上記ゲート構造物GSにより互いに離隔することができる。上記第1及び第2不純物領域9a、9b並びに上記ゲート構造物GSは、トランジスターTRを構成することができる。上記第1及び第2不純物領域9a、9bは、上記トランジスターTRの第1及び第2ソース/ドレイン領域とすることができる。上記第1及び第2不純物領域9a、9bの間の上記活性領域6aは、上記トランジスターTRのチャンネル領域とすることができる。
【0022】
上記半導体素子1は、上記第2不純物領域9b上で上記第2不純物領域9bと電気的に連結されるパッドパターン21をさらに含むことができる。上記活性領域6aは単結晶シリコンであり、上記パッドパターン21はポリシリコンであることができる。上記パッドパターン21は、ドープポリシリコン、例えば、N型の導電型を有するドープポリシリコンであることができる。例えば、上記パッドパターン21は、PまたはAsなどのような不純物元素がドープされたポリシリコンであることができる。
【0023】
上記半導体素子1は、絶縁性障壁パターン24をさらに含むことができる。上記絶縁性障壁パターン24は、上記パッドパターン21の側面の一部と接触して上記パッドパターン21を貫通することができる。上記絶縁性障壁パターン24の下部面は、上記パッドパターン21の下部面より低いレベルに位置することができる。上記絶縁性障壁パターン24の上部面は、上記パッドパターン21の上部面と共面を成すことができる。上記絶縁性障壁パターン24は、シリコン窒化物などのような絶縁性物質を含むことができる。上記絶縁性障壁パターン24は、シリコン窒化物層で形成されることができる。上記絶縁性障壁パターン24の少なくとも一部は、上記ライン部分61と垂直に重なることができる。
【0024】
上記半導体素子1は、上記絶縁性障壁パターン24上のバッファー構造物35をさらに含むことができる。
【0025】
上記バッファー構造物35は、上記ライン部分61と上記絶縁性障壁パターン24との間に配置されることができる。例えば、上記バッファー構造物35は、上記絶縁性障壁パターン24の上部面及び上記ライン部分61の下部面と接触することができる。例えば、上記バッファー構造物35の一部は、上記ライン部分61と垂直に重なる部分から、上記ライン部分61と重ならない領域上に延びることができる。
【0026】
上記バッファー構造物35は、順に積層された複数のバッファー層を含むことができる。例えば、上記バッファー構造物35は、順に積層された第1バッファー層27、第2バッファー層29、第3バッファー層31、及び第4バッファー層33を含むことができる。例えば、上記第1バッファー層27、上記第2バッファー層29、上記第3バッファー層31、及び上記第4バッファー層33は、上記絶縁性障壁パターン24上に順に積層されることができる。
【0027】
上記第2バッファー層29及び上記第4バッファー層33のそれぞれの厚さは、上記第1バッファー層27及び上記第3バッファー層31のそれぞれの厚さより大きくすることができる。
【0028】
上記第2バッファー層29は、上記第1バッファー層27及び上記第3バッファー層31とエッチング選択性を有する物質で形成されることができる。上記第4バッファー層33は、上記第1~第3バッファー層27、29、31とエッチング選択性を有する物質で形成されることができる。上記第1バッファー層27は、シリコン酸化物層またはシリコン酸化物系の絶縁性物質層とすることができる。上記第2バッファー層29は、シリコン窒化物層またはシリコン窒化物系の絶縁性物質層とすることができる。上記第3バッファー層31は、シリコン酸化物層またはシリコン酸化物系の絶縁性物質層とすることができる。上記第4バッファー層33は導電性層とすることができる。例えば、上記第4バッファー層33は、ドープシリコン層またはこれに代替可能な導電性物質層で形成されることができる。上記第4バッファー層33は、N型の導電型を有するドープポリシリコン層で形成されることができる。
【0029】
上記バッファー構造物35の上記第1バッファー層27は、上記ライン部分61と垂直に重なる部分から、上記ライン部分61と重ならない領域上に延びることができる。上記第1バッファー層27の少なくとも一部は、上記バッファー構造物35の上記第2~第4バッファー層29、31、33と垂直に重ならないことができる。
【0030】
上記バッファー構造物35の下部面、例えば、上記第1バッファー層27の下部面は、上記絶縁性障壁パターン24の上部面と接触することができる。
【0031】
上記絶縁性構造物ISは、上記プラグ部分53pの第1側面53s1上の第1絶縁性構造物ISaと、上記プラグ部分53pの第2側面53s2上の第2絶縁性構造物ISbと、を含むことができる。
【0032】
上記プラグ部分53pの上記第1側面53s1は、上記ライン部分61の側面と整列されることができる。上記プラグ部分53pの上記第2側面53s2は、上記ライン部分61と垂直に重なることができる。上記プラグ部分53pの上記第1側面53s1は上記第1方向(X)に位置する側面であり、上記プラグ部分53pの上記第2側面53s2は上記第2方向(Y)に位置する側面とすることができる。
【0033】
上記絶縁性構造物ISは、上記プラグ部分53pの上記第1側面53s1上の第1絶縁性構造物ISaと、上記プラグ部分53pの上記第2側面53s2上の第2絶縁性構造物ISbと、を含むことができる。
【0034】
上記第1絶縁性構造物ISaは、上記プラグ部分53pの上記第1側面53s1と上記パッドパターン21との間に配置される部分、及び上記プラグ部分53pの上記第1側面53s1と上記第2不純物領域9bとの間に配置される部分を含むことができる。例えば、上記第1不純物領域9aの上部面は上記第2不純物領域9bの上部面より低いレベルに配置されることができ、上記第1絶縁性構造物ISaの少なくとも一部は、上記第2不純物領域9bと上記プラグ部分53pとの間に配置されることができる。
【0035】
上記第1絶縁性構造物ISaにおいて、上記プラグ部分53pの上記第1側面53s1と上記第2不純物領域9bとの間に配置される部分は、上記素子分離領域6s内に延びることができ、上記素子分離領域6sと接触することができる。
【0036】
上記第1絶縁性構造物ISaは、上記プラグ部分53pから離隔し、第1物質を含む第1スペーサーSP1と、上記プラグ部分53pと上記第1スペーサーSP1との間に配置され、上記第1物質と異なる第2物質を含む絶縁性パターン76と、上記絶縁性パターン76の側面及び底面を覆い、上記第1及び第2物質と異なる第3物質を含む絶縁性ライナー73と、を含むことができる。
【0037】
上記絶縁性ライナー73の下端は、上記第1スペーサーSP1の下端より低いレベルに配置されることができる。上記第1スペーサーSP1は、単一層または多重層とすることができる。
【0038】
上記第1物質はSiCNであることができる。上記第2物質はシリコン窒化物であることができる。上記第3物質はシリコン酸化物であることができる。
【0039】
上記第1物質のSiCNは、HCD(Hexa-ChloroDi-silane、SiCl)前駆体(precusor)を用いて形成された物質とすることができる。例えば、上記SiCNにおいて、「Si」元素はHCD(Hexa-ChloroDi-silane、SiCl)のようなSiソースガスのシリコン(Si)であり、「C」元素はC、C、Cなどのような炭素ソースガスの炭素(C)であり、「N」元素はNHなどのようなNソースガスの窒素(N)であることができる。
【0040】
上記第2物質のSiNは、HCD(Hexa-ChloroDi-silane、SiCl)、DCS(Di-ChloroSilane、SiHCl)、SiH、Si、SiH、またはDIPAS(diisopropylaminosilane)などと前駆体を用いて形成された物質とすることができる。上記第2物質のSiNにおいて、「Si」元素はHCD(Hexa-ChloroDi-silane、SiCl)、DCS(Di-ChloroSilane、SiHCl)、SiH、Si、SiH、またはDIPAS(diisopropylaminosilane)などのようなSiソースガスのSiであり、「N」元素はNHなどのようなNソースガスの窒素(N)であることができる。
【0041】
以下で説明されるSiCNは上記第1物質のSiCN物質であり、以下で説明されるSiNは上記第2物質のSiN物質とすることができる。
【0042】
上記第1スペーサーSP1は、第1層40a及び第2層42aを含むことができる。上記第1層40a及び上記第2層42aの一方は上記第1物質で形成される絶縁層であり、他方は上記第2物質で形成される絶縁層とすることができる。上記第1層40aが第1物質層であり、上記第2層42aが第2物質層である場合に、上記第1スペーサーSP1は、上記第1物質を含む上記第1物質層40a、及び上記第2物質を含む第2物質層42aを含むことができ、上記第2物質層42aは、上記第1物質層40aと上記絶縁性ライナー73との間に配置されることができる。
【0043】
一例として、上記第1絶縁性構造物ISaにおいて、上記第1層40aは、上記第1物質、例えば、SiCNで形成される絶縁層であり、上記第2層42aは、上記第2物質、例えば、シリコン窒化物で形成される絶縁層とすることができる。
【0044】
他の例として、上記第1絶縁性構造物ISaにおいて、上記第1層40aは、上記第2物質、例えば、シリコン窒化物で形成される絶縁層であり、上記第2層42aは、上記第1物質、例えば、SiCNで形成される絶縁層とすることができる。
【0045】
上記第1絶縁性構造物ISaにおいて、上記第1層40aは、上記第2層42aと上記パッドパターン21との間、及び上記第2層42aと上記素子分離領域6sとの間に配置されることができる。上記第1層40aは、上記パッドパターン21及び上記素子分離領域6sと接触することができる。上記第2層42aは、上記第1層40aにより上記パッドパターン21、上記素子分離領域6sから離隔することができる。上記パッドパターン21の側面の一部は、上記絶縁性障壁パターン24と接触することができる。例えば、上記パッドパターン21は、上記絶縁性障壁パターン24と接触する第1側面、及び上記第1スペーサーSP1と接触する第2側面を含むことができる。
【0046】
上記第1スペーサーSP1の両側面の間の距離は、約3Å~約10Åの範囲とすることができる。上記第1スペーサーSP1の両側面の間の距離は、上記第1スペーサーSP1の厚さとすることができる。上記絶縁性パターン76の幅は、上記第1スペーサーSP1の厚さより大きくすることができる。
【0047】
上記第2絶縁性構造物ISbは、上記プラグ部分53pの上記第2側面53s2と上記絶縁性障壁パターン24との間に配置される部分、及び上記プラグ部分53pの上記第2側面53s2と上記バッファー構造物35との間に配置される部分を含むことができる。上記絶縁性構造物ISbの下部面の少なくとも一部は、上記ゲート構造物GSの上記ゲートキャッピング層18と接触することができる。
【0048】
上記第2絶縁性構造物ISbは、第1層40b、第2層42b、第3層44、第4層46、及び第5層48を含むことができる。
【0049】
上記第2絶縁性構造物ISbにおいて、上記第1及び第2層40b、42bは、第2スペーサーSP2と指称することができる。上記ライン部分61の下で、上記第2スペーサーSP2は、上記絶縁性障壁パターン24及び上記バッファー構造物35と接触することができる。
【0050】
上記第2スペーサーSP2の厚さは、約20Å~約30Åの範囲とすることができる。
【0051】
上記第2絶縁性構造物ISbにおいて、上記第3層44、上記第4層46、及び上記第5層48は、第3スペーサー44、46、48を構成することができる。
【0052】
上記第2絶縁性構造物ISbにおいて、上記第1層40bは、上記第2層42bと上記バッファー構造物35との間、上記第2層42bと上記絶縁性障壁パターン24との間、及び上記第2層42bと上記ゲートキャッピング層18との間に配置されることができる。
【0053】
上記第2絶縁性構造物ISbにおいて、上記第2スペーサーSP2の上記第1層40bは、上記バッファー構造物35、上記絶縁性障壁パターン24、及び上記ゲートキャッピング層18の少なくとも1つと接触することができる。例えば、上記第2絶縁性構造物ISbにおいて、上記第2スペーサーSP2の上記第1層40bは、上記バッファー構造物35の上記バッファー層27、29、31、33、上記絶縁性障壁パターン24、及び上記ゲートキャッピング層18と接触することができる。
【0054】
上記第2絶縁性構造物ISbにおいて、上記第2層42bは、上記第3層44と上記第1層40bとの間に配置されることができる。上記第2絶縁性構造物ISbにおいて、上記第5層48は、上記第4層46と上記プラグ部分53pとの間に配置されることができる。
【0055】
上記第2絶縁性構造物ISbにおいて、上記第1層40bは、上記第2層42bの一側面及び下部面と接触することができる。上記第2絶縁性構造物ISbにおいて、上記第2層42bは、上記第3層44の一側面及び下部面と接触することができる。上記第2絶縁性構造物ISbにおいて、上記第4層46は、上記第5層48の一側面及び下部面と接触することができる。上記第2絶縁性構造物ISbにおいて、上記第1、第2、第4、及び第5層40b、42b、46、48の下部面は、上記第3層44の下部面より低いレベルに配置されることができる。
【0056】
上記第2絶縁性構造物ISbにおいて、上記第1及び第4層40b、46の少なくとも1つは、上記第1物質、例えば、SiCNで形成され、上記第2及び第5層42b、48は、上記第2物質、例えば、シリコン窒化物で形成されることができる。
【0057】
一例として、上記第1層40bは、上記第1物質、例えば、SiCNで形成され、上記第2層42bは、上記第2物質、例えば、シリコン窒化物で形成されることができる。
【0058】
他の例として、上記第1層40bは、上記第2物質、例えば、シリコン窒化物で形成され、上記第2層42bは、上記第1物質、例えば、SiCNで形成されることができる。
【0059】
一例として、上記第2絶縁性構造物ISbにおいて、上記第4層46は、上記第1物質、例えば、SiCNで形成され、上記第5層48は、上記第2物質、例えば、シリコン窒化物で形成されることができる。
【0060】
他の例として、上記第2絶縁性構造物ISbにおいて、上記第4層46は、上記第2物質、例えば、シリコン窒化物で形成され、上記第5層48は、上記第1物質、例えば、SiCNで形成されることができる。
【0061】
一例として、上記第2絶縁性構造物ISbにおいて、上記第3層44は、上記第3物質、例えば、シリコン酸化物で形成されることができる。
【0062】
他の例として、上記第2絶縁性構造物ISbにおいて、上記第3層44は、上記第2物質、例えば、シリコン窒化物で形成されることができる。
【0063】
図1で、図面符号38で表示された円形は、上記絶縁性構造物ISの側面を示し、図面符号38で表示される円のそれぞれの内部は、上記絶縁性構造物ISが形成されない領域を示すことができる。図1で図面符号38aで表示される部分は、図2aで示すような上記第1絶縁性構造物ISaの側面であり、図1で図面符号38bで表示される部分は、図2bで示すような上記第2絶縁性構造物ISbの側面とすることができる。したがって、上記絶縁性構造物ISは互いに連結される形状であることができ、上記絶縁性構造物ISは互いに離隔した円形の側面を含むことができる。
【0064】
図1で、図面符号38で表示される円形は、上記ビットライン構造物BSと交差または重なる上記活性領域6aの領域、例えば、上記第1不純物領域9aと重ならず、上記ビットライン構造物BSと重ならない上記活性領域6aの端部分の領域、例えば、上記第2不純物領域9bと重なることができる。図1で、図面符号38で表示される1つの円形は、1つのコンタクト構造物88の一部と重なることができる。
【0065】
上記ビットライン構造物BSにおいて、上記ライン部分61は、上記プラグ部分53pと連結され、上記プラグ部分53pと垂直に重なる第1ライン部分61aと、上記第1ライン部分61aから上記第2方向(Y)に延びる第2ライン部分61bと、を含むことができる。
【0066】
上記第1ライン部分61aの下部面は、上記プラグ部分53pと接触することができる。
【0067】
上記第2ライン部分61bの下部面は、バッファー構造物35の上部面及び上記第2絶縁性構造物ISbの上部面と接触することができる。
【0068】
上記ビットライン構造物BSにおいて、上記ライン部分61は、複数の導電層を含むことができる。例えば、上記ライン部分61は、順に積層された第1導電層55、第2導電層57、及び第3導電層59を含むことができる。上記第1導電層55は、ドープポリシリコン、例えば、N型の導電型を有するポリシリコンを含むことができる。上記第2導電層57は、金属-半導体化合物層及び導電性バリアー層の少なくとも1つを含むことができる。例えば、上記金属-半導体化合物層は、WSi、TiSi、TaSi、NiSi、及びCoSiの少なくとも1つを含むことができ、上記導電性バリアー層は、TiN、TaN、WN、TiSiN、TaSiN、及びRuTiNの少なくとも1つを含むことができる。上記第3導電層59は、Wなどのような金属物質を含むことができる。
【0069】
上記半導体素子1は、上記ビットライン構造物BS上で上記ビットライン構造物BSの側面と整列される側面を有するビットラインキャッピングパターン64をさらに含むことができる。上記ビットラインキャッピングパターン64は、シリコン窒化物などのような絶縁性物質を含むことができる。
【0070】
上記半導体素子1は、上記パッドパターン21上に配置されるコンタクト構造物88をさらに含むことができる。上記コンタクト構造物88は、上記パッドパターン21と接触することができる。上記第1絶縁性構造物ISaは、上記コンタクト構造物88と接触することができる。例えば、上記第1絶縁性構造物ISaの上記第1スペーサーSP1は、上記コンタクト構造物88と接触することができる。上記コンタクト構造物88は導電性物質で形成されることができる。例えば、上記コンタクト構造物88は、ドープポリシリコン、金属-半導体化合物層、金属窒化物、または金属の少なくとも1つを含むことができる。
【0071】
上記半導体素子1は、上記ビットライン構造物BS及び上記ビットラインキャッピングパターン64の側面上のビットラインスペーサー85をさらに含むことができる。上記ビットラインスペーサー85の少なくとも一部は、上記ビットライン構造物BSと上記コンタクト構造物88との間に配置されることができる。一例として、上記ビットラインスペーサー85の一部は、上記バッファー構造物35の一部29、31、33と上記コンタクト構造物88との間に配置されることができる。
【0072】
一例として、上記ビットラインスペーサー85は、上記ビットライン構造物BSの上記ライン部分61と接触して下方に延び、上記プラグ部分53pの上部側面を覆うことができ、上記第1絶縁性構造物ISaと接触することができる。
【0073】
一例として、上記ビットラインスペーサー85は、上記ライン部分61の側面から順に積層されるシリコン窒化物層及びシリコン酸化物層を含むことができる。
【0074】
一例として、上記ビットラインスペーサー85は、上記ライン部分61の側面から順に積層されるシリコン酸化物層及びシリコン窒化物層を含むことができる。
【0075】
他の例として、上記ビットラインスペーサー85は、上記ライン部分61の側面から順に積層される第1シリコン窒化物層、シリコン酸化物層、及び第2シリコン窒化物層を含むことができる。
【0076】
他の例として、上記ビットラインスペーサー85はエアギャップを含むことができる。例えば、上記ビットラインスペーサー85はエアギャップスペーサーで形成されることができる。
【0077】
上記半導体素子1は、上記コンタクト構造物88上のランディングパッド90と、上記ランディングパッド90の側面を限定し、下方に延びる絶縁性障壁パターン92と、をさらに含むことができる。上記ランディングパッド90は、上記コンタクト構造物88と電気的に連結されることができる。上記ランディングパッド90は導電性物質で形成されることができる。上記絶縁性障壁パターン92は、上記ランディングパッド90の側面と接触する部分から、上記ビットラインキャッピングパターン64の一部及び上記コンタクト構造物88の一部内に延びることができる。上記絶縁性障壁パターン92はシリコン窒化物を含むことができる。上記絶縁性障壁パターン92の上部面は、上記ランディングパッド90の上部面と共面を成すことができる。
【0078】
上記半導体素子1は、上記ランディングパッド90及び上記絶縁性障壁パターン92上の絶縁性エッチング停止層94をさらに含むことができる。
【0079】
上記半導体素子1は情報記憶構造物96をさらに含むことができる。
【0080】
一例として、上記情報記憶構造物96は、DRAMなどのようなメモリで情報を記憶可能なキャパシター構造物とすることができる。例えば、上記情報記憶構造物96は、上記絶縁性エッチング停止層94を貫通して上記ランディングパッド90と接触する第1電極98aと、上記絶縁性エッチング停止層94上で上記第1電極98aを覆う誘電体層98bと、上記誘電体層98b上の第2電極98cと、を含むキャパシター構造物とすることができる。上記情報記憶構造物96は、DRAMなどのようなメモリで情報を記憶可能なキャパシター構造物とすることができるが、実施形態はこれに限定されず、DRAMと異なるメモリで情報を記憶可能な構造物であってもよい。
【0081】
上述の実施形態において、上記プラグ部分53pは第1導電性領域と指称され、上記パッドパターン21または上記第2不純物領域9bは第2導電性領域と指称されることができる。したがって、上述の半導体素子1は、互いに対向する第1側及び第2側を有する上記第1絶縁性構造物ISaと、上記第1絶縁性構造物ISaの上記第1側に配置される上記第1導電性領域53pと、上記第1絶縁性構造物ISaの上記第2側に配置される上記第2導電性領域21または9bと、を含むことができる。上記第1スペーサーSP1は、上記第2導電性領域21または9bと接触することができ、第1物質を含むことができる。上記絶縁性パターン76は、上記第1導電性領域53pと上記第1スペーサーSP1との間に配置されることができ、上記第1物質と異なる第2物質を含むことができる。上記絶縁性ライナー73は、上記絶縁性パターン76の下部面及び側面を覆うことができ、上記第1及び第2物質と異なる第3物質を含むことができる。
【0082】
以下で、図3図4a及び図4b、図5a及び図5b、及び図6を参照して、上述の半導体素子1の構成要素の多様な変形例を説明する。以下で説明する上述の半導体素子1の構成要素の多様な変形例は、変形される構成要素または代替される構成要素を中心に説明する。また、以下で説明する変形または代替可能な構成要素をそれぞれの図面を参照してそれぞれ説明するが、変形可能な構成要素は、互いに組み合わせられたり、または前述の構成要素と組み合わせられて本発明の実施形態による半導体素子1を構成することができる。
【0083】
図3図4a及び図4b、図5a及び図5b、及び図6において、図3図4a、及び図5aはそれぞれ図1のI-I’線に沿って切り取った領域を示した断面図であり、図4b及び図5bはそれぞれ図1のII-II’線に沿って切り取った領域を示した断面図である。図3図4a及び図4b、図5a及び図5b、及び図6において、図3図2bで示すような断面構造での変形例を示した断面図であり、図4a及び図4bは図2a及び図2bの断面構造での変形例を示した断面図であり、図5a及び図5bは図2a及び図2bの断面構造での変形例を示した断面図であり、図6図1で示すような上面図での変形例を示した上面図である。
【0084】
変形例において、図3を参照すると、上述の上記第2絶縁性構造物(図2bのISb)は、エアギャップ45を含む第2絶縁性構造物ISb’に変形されることができる。上記第2絶縁性構造物ISb’の上記エアギャップ45は、上述の上記第2絶縁性構造物(図2bのISb)の上記第3層(図2bの44)を代替することができる。したがって、上記第2絶縁性構造物ISb’は、上記エアギャップ45とともに、図2bでの上記第1、第2、第4、及び第5層40b、42b、46、48を含むことができる。上記第2絶縁性構造物ISb’は、上記第2スペーサーSP2とともに、第3スペーサー45、46、48を構成することができる上記エアギャップ45、上記第4層46、及び上記第5層48を含むことができる。
【0085】
変形例において、図4a及び図4bを参照すると、図2aでの上記第1絶縁性構造物(図2aのISa)の上記第1スペーサー(図2aのSP1)は、図4aで示すような単一層の第1スペーサーSP1’で代替されることができる。図2bでの上記第2絶縁性構造物(図2bのISb)の上記第2スペーサー(図2bのSP2)は、図4bで示すような単一層の第2スペーサーSP2’で代替されることができる。
【0086】
一例として、図2bでの上記第2絶縁性構造物(図2bのISb)の上記第4及び第5層(図2bの46、48)は、単一層の第3スペーサー49で代替されることができる。
【0087】
それぞれの上記第1、第2、及び第3スペーサーSP1’、SP2’、49は、単一のSiCN層で形成されることができる。
【0088】
変形例において、図5a及び図5bを参照すると、上述の図2a及び図2bでの上記バッファー構造物(図2a及び図2bの35)において、上記第2~第4バッファー層(図2a及び図2bの29、31、33)は、1つのバッファー層30で代替されることができる。したがって、上述の上記バッファー構造物(図2a及び図2bの35)は、上記第2~第4バッファー層(図2a及び図2bの29、31、33)が1つの絶縁層30で代替されるバッファー構造物35’に変形されることができる。上記バッファー構造物35’において、1つの絶縁層30は第2バッファー層と指称されることができる。したがって、上記バッファー構造物35’は、図2a及び図2bで説明した上記第1バッファー層27とともに上記第2バッファー層30を含むことができる。上記第2バッファー層30はシリコン窒化物で形成されることができる。
【0089】
変形例において、図6を参照すると、図1で、図面符号38で表示される円形は、上記ビットライン構造物BSと交差または重なる上記活性領域6aの領域、例えば、上記第1不純物領域9aと重ならず、上記ビットライン構造物BSと重ならない上記活性領域6aの端部分の領域、例えば、上記第2不純物領域9bと重なることができると説明した。図1で、図面符号38で表示される円形は、上記ビットライン構造物BSと交差または重なる上記活性領域6aの領域、例えば、上記第1不純物領域9aと重なる、図6での図面符号138で表示される円形に変形されることができる。図6での図面符号138で表示される1つの円形は、上記ビットライン構造物BSと交差または重なる上記活性領域6aの領域の上記第1方向(X)に位置する上記コンタクト構造物88の一部と重なることができる。
【0090】
図1で、図面符号38で表示される円形は、上記絶縁性構造物ISの側面を示し、図面符号38で表示される円のそれぞれの内部は、上記絶縁性構造物ISが形成されない領域を示すことができる。
【0091】
図2aは図6のI-I’線で表示された領域の断面構造であり、図2bは図6のII-II’線で表示された領域の断面構造であることができる。
【0092】
図6で、図面符号138で表示される円形は、上記絶縁性構造物(図2a及び図2bのIS)の側面を示し、図面符号38で表示される円のそれぞれの内部は、上記絶縁性構造物IS及び上記プラグ部分(図2a及び図2bの53p)が配置される領域とすることができる。したがって、上記絶縁性構造物(図2a及び図2bのIS)は、互いに離隔した複数個が配置されることができる。例えば、複数個の上記絶縁性構造物(図2a及び図2bのIS)のそれぞれは1つの上記活性領域6aと重なることができる。
【0093】
次に、図7を参照して、本発明の変形実施形態による半導体素子100を説明する。
【0094】
図7を参照すると、変形実施形態による半導体素子100は、下部構造物103と、上記下部構造物103上の導電性構造物105と、上記導電性構造物105の側面上の絶縁性構造物160と、上記導電性構造物105と上記絶縁性構造物160との間のスペーサー構造物SPaと、上記導電性構造物105、上記絶縁性構造物160、及び上記スペーサー構造物SPaを覆うキャッピング絶縁層170と、を含むことができる。
【0095】
上記スペーサー構造物SPaは、エアギャップ144aと、上記エアギャップ144aと上記導電性構造物105との間の内側スペーサー140、142と、上記エアギャップ144aと上記絶縁性構造物160との間の外側スペーサー146、148と、を含むことができる。
【0096】
上記内側スペーサー140、142はSiCN物質層を含むことができる。上記外側スペーサー146、148はSiCN物質層を含むことができる。
【0097】
上記内側スペーサー140、142は、単一層または多重層とすることができる。上記外側スペーサー146、148は、単一層または多重層とすることができる。
【0098】
上記内側スペーサー140、142が単一層である場合に、上記内側スペーサー140、142はSiCN物質層で形成されることができる。上記外側スペーサー146、148が単一層である場合に、上記外側スペーサー146、148はSiCN物質層で形成されることができる。
【0099】
上記内側スペーサー140、142が多重層である場合に、上記内側スペーサー140、142は、上記導電性構造物105と上記エアギャップ144aとの間の第1層140と、上記第1層140と上記エアギャップ144aとの間の第2層142と、を含むことができる。上記第1層140は、上記第2層142の下部面を覆うことができる。
【0100】
上記外側スペーサー146、148が多重層である場合に、上記外側スペーサー146、148は、上記エアギャップ144aと上記絶縁性構造物160との間の第3層146と、上記第3層146と上記絶縁性構造物160との間の第4層148と、を含むことができる。上記第3層146は、上記第4層148の下部面を覆うことができる。
【0101】
一例として、上記第1層140はSiCN層であり、上記第2層142はSiN層とすることができる。
【0102】
他の例として、上記第1層140はSiN層であり、上記第2層142はSiCN層とすることができる。
【0103】
一例として、上記第3層146はSiCN層であり、上記第4層148はSiN層とすることができる。
【0104】
他の例として、上記第3層146はSiN層であり、上記第4層148はSiCN層とすることができる。
【0105】
上記の図1図2a及び図2bについての説明において、上記第1物質のSiCNは、HCD(Hexa-ChloroDi-silane、SiCl)前駆体(precusor)を用いて形成された物質とすることができ、上記第2物質のSiNは、HCD(Hexa-ChloroDi-silane、SiCl)、DCS(Di-ChloroSilane、SiHCl)、SiH、Si、SiH、またはDIPASなどと前駆体を用いて形成された物質とすることができる。以下で、図8を参照して、HCD(Hexa-ChloroDi-silane、SiCl)前駆体を用いて形成されたSiCN物質、HCD(Hexa-ChloroDi-silane、SiCl)前駆体を用いて形成されたSiN物質、及びDCS(Di-ChloroSilane、SiHCl)を用いて形成されたSiN物質の特性について説明する。
【0106】
図8を参照すると、図8のグラフで、HCD SiCNは、HCD(Hexa-ChloroDi-silane、SiCl)前駆体を用いてシリコン酸化物層上に形成されたSiCN物質であり、HCD SiNは、HCD(Hexa-ChloroDi-silane、SiCl)前駆体を用いてシリコン酸化物層上に形成されたSiN物質であり、及びDCS SiNは、DCS(Di-ChloroSilane、SiHCl)を用いてシリコン酸化物層上に形成されたSiN物質である。図8のグラフで、横軸は厚さを示し、縦軸はピンホールの数を示す。図8のグラフでのピンホールの数は、HCD SiCN、HCD SiN、DCS SiNのピンホールの数の傾向を示すものであり、図8のグラフで、ピンホールの数は絶対的な数値ではない。例えば、ピンホールの数は、工程圧力または工程温度などの工程条件によって変わり得る。
【0107】
図8のグラフで、HCD SiCNは、約14Åの厚さでピンホールが2個であり、約18Åの厚さでピンホールがなく、HCD SiNは、約22Åの厚さでピンホールが15個であり、約27.5Åの厚さでピンホールがなく、DCS SiNは、約27.5Åの厚さでピンホールが18個であり、約30Åの厚さでピンホールがないことが分かる。
【0108】
このような結果から、約22Å以下の厚さで、シリコン酸化物層上に形成されるHCD SiCN、HCD SiN、及びDCS SiNのうちHCD SiCNが、ピンホールの数が最も少なく、最も安定的であることが分かる。
【0109】
このような結果から、シリコン酸化物層と接触するHCD SiCN、HCD SiN、及びDCS SiNをそれぞれ形成した後、シリコン酸化物層をエッチング工程により除去する場合に、ピンホールの数が最も少ないHCD SiCNが、シリコン酸化物層をエッチングするエッチング工程によるエッチング損傷を最も少なく受けることが分かる。
【0110】
また、このような結果から、約22Å以下の厚さで、ピンホールの数が最も少ないHCD SiCNはシリコン酸化物層と反応が殆ど起こらないため、トランジション層(transition layer:移行層)が殆ど形成されず、相対的にピンホールの数が多いHCD SCN及びDCS SiNは、シリコン酸化物層と反応が起こり、SiON層のようなトランジション層が形成されることが分かる。かかるトランジション層が形成されないことは、HCD SiCNをシリコン酸化物層上に形成しても、HCD SiCN層の厚さ損失が殆どないということを意味し得る。
【0111】
もし、HCD SiN層またはDCS SiNをシリコン酸化物層上に約22Åの厚さで形成すると、HCD SiNまたはDCS SiNとシリコン酸化物層が反応してSiONのトランジション層が形成され、約22Åの厚さで形成されたHCD SiN層またはDCS SiN層が22Åよりも薄くなる可能性があり、より薄くなったHCD SiN層は、シリコン酸化物を除去するためのエッチング工程で障壁の役割を果たすことができなくなる。
【0112】
上述のようなHCD SiCNを用いて半導体素子を形成する方法について、図1、及び図9から図17を参照して説明する。図9図10図12から図17は、図1のI-I’線及びII-II’線に沿って切り取った領域を示した断面図であり、図11は、本発明の一実施形態による半導体素子の形成方法の例示的な例を説明するために、SiCN物質を形成するためのガスの供給を示す図である。
【0113】
図1及び図9を参照すると、基板3上に、活性領域6aを限定する素子分離領域6sを形成することができる。上記素子分離領域6sは、上記活性領域6aの側面上に形成することができる。上記素子分離領域6sは、シリコン酸化物及び/またはシリコン窒化物などのような絶縁性物質で形成することができる。上記基板3は半導体基板とすることができる。例えば、上記基板3は単結晶シリコン基板とすることができる。上記活性領域6aは上記基板3から突出することができ、単結晶シリコンで形成することができる。
【0114】
上記基板3上にトランジスターTRを形成することができる。上記トランジスターTRを形成することは、上記活性領域6aを横切って上記素子分離領域6s内に延びるゲートトレンチ12を形成し、上記ゲートトレンチ12内にゲート構造物GSを形成することを含むことができる。
【0115】
上記ゲート構造物GSは、上記ゲートトレンチ12の内壁をコンフォーマルに覆うゲート誘電体層14と、上記ゲート誘電体層14上で上記ゲートトレンチ12を部分的に満たすゲート電極16と、上記ゲート電極16上で上記ゲートトレンチ12の残りの部分を満たすゲートキャッピング層18と、を含むことができる。上記ゲートキャッピング層18は、絶縁性物質、例えば、シリコン窒化物で形成することができる。
【0116】
上記トランジスターTRを形成することは、上記活性領域6a内に、イオン注入工程により第1及び第2不純物領域9a、9bを形成することをさらに含むことができる。上記第1及び第2不純物領域9a、9bはソース/ドレインであることができる。
【0117】
一例として、上記第1及び第2不純物領域9a、9bは、上記素子分離領域6sを形成する前に、上記活性領域6a内に不純物を注入して形成することができる。
【0118】
他の例として、上記第1及び第2不純物領域9a、9bは、上記素子分離領域6sを形成した後、上記ゲートトレンチ12を形成する前に形成することができる。
【0119】
さらに他の例として、上記第1及び第2不純物領域9a、9bは、上記ゲート構造物GSを形成した後に形成することができる。
【0120】
上記活性領域6aは、P型の導電型を有し、上記第1及び第2不純物領域9a、9bは、N型の導電型を有することができる。
【0121】
上記セルトランジスターTRを有する上記基板3上にパッドパターン21を形成することができる。上記パッドパターン21は、上記トランジスターTR及び上記素子分離領域6sを覆うことができる。
【0122】
上記パッドパターン21は、シリコン層、例えば、ドープポリシリコン層で形成することができる。上記パッドパターン21は、上記第1及び第2不純物領域9a、9bと同一の導電型、例えば、N型の導電型を有することができる。
【0123】
上記パッドパターン21を貫通し、上記パッドパターン21の下部面より低いレベルに位置する下部面を有する絶縁性障壁パターン24を形成することができる。上記絶縁性障壁パターン24は、上記パッドパターン21の側面の一部と接触することができる。上記パッドパターン21は上記第2不純物領域9bと接触することができる。上記絶縁性障壁パターン24はシリコン窒化物で形成することができる。
【0124】
上記パッドパターン21及び上記絶縁性障壁パターン24上にバッファー構造物35を形成することができる。
【0125】
上記バッファー構造物35は、順に積層された複数のバッファー層を含むことができる。例えば、上記バッファー構造物35は、順に積層された第1バッファー層27、第2バッファー層29、第3バッファー層31、及び第4バッファー層33を含むことができる。
【0126】
上記第2バッファー層29及び上記第4バッファー層33のそれぞれの厚さは、上記第1バッファー層27及び上記第3バッファー層31のそれぞれの厚さより大きくすることができる。
【0127】
上記第2バッファー層29は、上記第1バッファー層27及び上記第3バッファー層31とエッチング選択性を有する物質で形成することができる。上記第4バッファー層33は、上記第1~第3バッファー層27、29、31とエッチング選択性を有する物質で形成することができる。上記第1バッファー層27は、シリコン酸化物またはシリコン酸化物系の絶縁性物質で形成することができる。上記第2バッファー層29は、シリコン窒化物またはシリコン窒化物系の絶縁性物質で形成することができる。上記第3バッファー層31は、シリコン酸化物またはシリコン酸化物系の絶縁性物質で形成することができる。上記第4バッファー層33は導電性層で形成することができる。例えば、上記第4バッファー層33は、ドープシリコン層またはそれに代替可能な導電性物質層で形成することができる。上記第4バッファー層33は、N型の導電型を有するドープポリシリコン層で形成することができる。
【0128】
図1及び図10を参照すると、上記バッファー構造物35を貫通して下方に延びる開口部38を形成することができる。上記開口部38は、上記パッドパターン21の下部面より低いレベルに位置する下部面を有することができる。上記開口部38は、少なくとも絶縁性障壁パターン24を貫通し、上記第1不純物領域9aを露出させることができる。上記開口部38の側壁は、図1図2a及び図2bで上述した上記絶縁性構造物ISの側面と定義されることができる。
【0129】
図1図11、及び図12を参照すると、上記開口部38の側壁を覆うスペーサー構造物40、42、44、46、48を形成することができる。
【0130】
上記スペーサー構造物40、42、44、46、48を形成することは、第1層40をコンフォーマルに形成し、上記第1層40上に第2層42をコンフォーマルに形成し、上記第2層42上に上記第3層44をコンフォーマルに形成し、異方性エッチング工程により上記第1~第3層40、42、44を異方性エッチングし、第4層46をコンフォーマルに形成し、上記第4層46上に第5層48をコンフォーマルに形成し、異方性エッチング工程により上記第4及び第5層46、48を異方性エッチングすることを含むことができる。
【0131】
上記第1及び第2層40、42の厚さの総和は、約20Å~約30Åの厚さの範囲とすることができる。
【0132】
一例として、上記第1層40はSiCN物質で形成し、上記第2層42はSiN物質で形成することができる。上記第1層40は、上記第2層42より薄く形成することができる。
【0133】
他の例として、上記第1層40はSiN物質で形成し、上記第2層42はSiCN物質で形成することができる。
【0134】
他の例として、上記第1層40及び上記第2層42は、SiCN物質で形成し、1つの層で形成することができる。
【0135】
上記第3層44はシリコン酸化物で形成することができる。
【0136】
一例として、上記第4層46はSiCN物質で形成し、上記第5層48はSiN物質で形成することができる。他の例として、上記第4層46はSiN物質で形成し、上記第5層48はSiCN物質で形成することができる。
【0137】
ここで、SiCN物質は、図8で示すようなHCD SiCNであることができる。上記SiCN物質を形成することは、図11で示すように、第1ガス(A)、第2ガス(B)、第3ガス(C)、及びパージガス(D)を用いて形成することができる。例えば、上記開口部38まで形成された上記基板3上に、上記第1ガス(A)、上記パージガス(D)、上記第2ガス(B)、上記パージガス(D)、上記第3ガス(C)、及び上記パージガス(D)を供給することを1サイクル(1C)とする蒸着工程を、所望の厚さが形成されるまで繰り返して行うことを含むことができる。ここで、所望の厚さは、SiCNで形成される層の厚さとすることができる。
【0138】
上記第1ガス(A)はHCD(Hexa-ChloroDi-silane、SiCl)であり、上記第2ガス(B)は炭素ソースガス、例えば、C、C、Cのうち1つのガスであり、上記第3ガス(C)は窒素ソースガス、例えば、NHガスとすることができる。上記パージガス(D)は窒素ガスまたはアルゴンガスとすることができる。
【0139】
上記HCD SiCNを形成した後、SiNは、プラズマ蒸着工程または熱蒸着工程により形成することができる。上記HCD SiCNを形成した後、SiNをプラズマ蒸着工程により形成する場合、上記HCD SiCNを形成した後、HCD SiCN層を保護するために熱蒸着工程によりSiN層を形成し、次いで、プラズマ蒸着工程によりSiN層を形成することができる。例えば、上記第1層40はHCD SiCNで形成され、上記第2層42はSiNで形成されることができる。したがって、上記第2層42は、熱蒸着工程によるSiNと、プラズマ蒸着工程によるSiNと、を含むことができる。
【0140】
シリコン酸化物で形成されることができる上記第1バッファー層27と接触する上記第1層40、及びシリコン酸化物で形成されることができる上記第3層44と接触する上記第2層42の少なくとも1つは、図8で上述したHCD SiCNで形成することができる。
【0141】
ここで、上記第1及び第2層40、42の少なくとも1つをHCD SiCNで形成することで、図15で後述する上記第3層44を除去するためのシリコン酸化物エッチング工程で、上記第1及び第2層40、42は、上記第1バッファー層27を保護する役割を果たすことができる。
【0142】
上記開口部38を満たすプラグ層53を形成することができる。上記スペーサー構造物40、42、44、46、48は、上記開口部38の側壁と上記プラグ層53の側壁との間に介在されることができる。上記プラグ層53は導電性物質で形成することができる。例えば、上記プラグ層53は、ドープシリコン層、例えば、N型の導電型を有するポリシリコン層で形成することができる。
【0143】
図1及び図13を参照すると、上記バッファー構造物35、上記スペーサー構造物40、42、44、46、48、及び上記プラグ層53上に順に積層される導電層55、57、59を形成することができる。上記導電層55、57、59は、順に積層された第1導電層55、第2導電層57、及び第3導電層59を含むことができる。上記導電層55、57、59上にビットラインキャッピングパターン64を形成することができる。上記ビットラインキャッピングパターン64は、シリコン窒化物で形成することができる。
【0144】
図1及び図14を参照すると、上記ビットラインキャッピングパターン64をエッチングマスクとして用いるエッチング工程を行って、上記導電層55、57、59をエッチングしてライン部分61を形成するとともに、上記スペーサー構造物40、42、44、46、48を露出させる開口部67を形成することができる。
【0145】
図1及び図15を参照すると、上記スペーサー構造物40、42、44、46、48のうち上記第3層44を選択的に除去して開口部44aを形成することができる。
【0146】
実施形態において、上記第3層44はシリコン酸化物で形成し、上記第1及び第3バッファー層27、31はシリコン酸化物で形成することができる。
【0147】
図11及び図12で上述したように、上記第1及び第2層40、42の少なくとも1つをHCD SiCNで形成することで、上記第3層44を除去するためのシリコン酸化物エッチング工程で、上記第1及び第2層40、42は、上記第1及び第3バッファー層27、31を保護する役割を果たすことができる。上記第1及び第2層40、42が、上記第3層44を除去するためのシリコン酸化物エッチング工程で上記第1及び第3バッファー層27、31を保護することで、上記第3層44を除去するためのシリコン酸化物エッチング工程により上記第1及び第3バッファー層27、31がエッチングされて発生する不良、例えば、上記ライン部分61が崩れる不良を防止することができる。
【0148】
上記第3層44を異方性エッチング工程により除去する場合、上記ライン部分61の下部に位置する上記第3層44は残存することができる。
【0149】
上記第3層44を等方性エッチング工程により除去する場合、上記ライン部分61の下部に位置する上記第3層44は除去され、上記ライン部分61の下部に上記第3層44が除去されて形成される空き空間、例えば、エアギャップが形成されることができる。
【0150】
図1及び図16を参照すると、上記プラグ層53を異方性エッチングしてプラグ部分53pを形成することができる。したがって、図1図2a及び図2bで説明したような上記第1及び第2ライン部分(図2aの61a、61b)を含む上記ライン部分61及び上記プラグ部分53pを含む配線構造物(図1図2a及び図2bのBS)が形成されることができる。
【0151】
上記プラグ部分53pを形成するために上記プラグ層53を異方性エッチングする間に、上記スペーサー構造物40、42、44、46、48の一部がエッチングされることができる。したがって、上記プラグ部分53pの側面上に開口部70が形成されることができ、上記スペーサー構造物40、42、44、46、48のうち上記第1及び第2層40、42が、上記開口部70の側壁に残存することができる。ここで、上記開口部70の側壁に残存する上記第1及び第2層40、42は、符号40a、42aと指称されることができる。上記開口部70により露出する上記第2層42は、厚さが減少された第2層42aであることができる。ここで、図2aでの上記第1絶縁性構造物(図2aのISa)の上記第1及び第2層40a、42aが形成されることができる。
【0152】
一実施形態において、上記開口部70の側壁に残存する上記第1及び第2層40a、42aの厚さの総和は、約3Å~約10Åの範囲とすることができる。
【0153】
上記プラグ部分53pを形成するためのエッチング工程で、上記バッファー構造物35のうち上記第2~第4バッファー層29、31、33がエッチングされることができ、上記第1バッファー層27が露出することができる。
【0154】
図1及び図17を参照すると、上記開口部70を満たす物質層73、76を形成することができる。上記物質層73、76は、上記開口部70の内壁を覆う絶縁性ライナー73と、上記絶縁性ライナー73上で上記開口部70を満たす絶縁性パターン76と、を含むことができる。ここで、図2aでの上記第1絶縁性構造物(図2aのISa)の上記絶縁性ライナー73及び上記絶縁性パターン76が形成されることができる。上記ライン部分61の下部に残存する上記第1及び第2層40、42は、図面符号40b、42bで示すことができる。図2bでの上記第2絶縁性構造物(図2bのISb)は、上記第1~第5層40b、42b、44、46、48を含むことができる。
【0155】
さらに、図1図2a及び図2bを参照すると、上記開口部67の側壁上にビットラインスペーサー85を形成し、上記ビットラインキャッピングパターン64及び上記ビットラインスペーサー85をエッチングマスクとして用いるエッチング工程により上記パッドパターン21を露出させる開口部を形成し、上記開口部を満たすコンタクト構造物88を形成することができる。上記コンタクト構造物88上にランディングパッド90の形成のための導電層を形成し、上記導電層を貫通する絶縁性障壁パターン92を形成することができる。
【0156】
他の例として、上記コンタクト構造物88及び上記ランディングパッド90は一体に形成されることができる。
【0157】
上記ランディングパッド90及び上記絶縁性障壁パターン92上にエッチング停止層94を形成し、上記ランディングパッド90と電気的に連結される情報記憶構造物96を形成することができる。上記情報記憶構造物96は、上記絶縁性エッチング停止層94を貫通して上記ランディングパッド90と接触する第1電極98aと、上記絶縁性エッチング停止層94上で上記第1電極98aを覆う誘電体層98bと、上記誘電体層98b上の第2電極98cと、を含むキャパシター構造物とすることができる。
【0158】
以上、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明がその技術的思想や必須な特徴を変更することなく他の具体的な形態で実施可能であることが理解できるであろう。したがって、上述の実施形態は全ての点で例示的なものであり、限定的ではないと理解すべきである。
【符号の説明】
【0159】
1 半導体素子
3 基板
6a 活性領域
6s 素子分離領域
9a 第1不純物領域
9b 第2不純物領域
12 ゲートトレンチ
GS ゲート構造物
14 ゲート誘電体層
16 ゲート電極
18 ゲートキャッピング層
21 パッドパターン
24 絶縁性障壁パターン
35 バッファー構造物
27 第1バッファー層
29 第2バッファー層
31 第3バッファー層
33 第4バッファー層
38 開口部または側壁
40 第1層
42 第2層
44 第3層
45 エアギャップ
46 第4層
48 第5層
53p プラグ部分
55 第1導電層
57 第2導電層
59 第3導電層
61 ライン部分
64 ビットラインキャッピング層
73 絶縁性ライナー
76 絶縁性パターン
IS 絶縁性構造物
ISa 第1絶縁性構造物
ISb 第2絶縁性構造物
85 ビットラインスペーサー
88 コンタクト構造物
90 ランディングパッド
92 絶縁性障壁パターン
94 エッチング停止層
96 情報記憶構造物
図1
図2a
図2b
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17