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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165421
(43)【公開日】2023-11-16
(54)【発明の名称】皮膚外用剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/06 20060101AFI20231109BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20231109BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20231109BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20231109BHJP
   A61Q 17/00 20060101ALI20231109BHJP
【FI】
A61K8/06
A61K8/19
A61K8/81
A61Q19/00
A61Q17/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022076348
(22)【出願日】2022-05-03
(71)【出願人】
【識別番号】508001073
【氏名又は名称】株式会社シーエスラボ
(74)【代理人】
【識別番号】100136560
【弁理士】
【氏名又は名称】森 俊晴
(72)【発明者】
【氏名】大澤 志好
(72)【発明者】
【氏名】小林 三伸
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB031
4C083AB032
4C083AC022
4C083AC172
4C083AC332
4C083AC422
4C083AC442
4C083AC542
4C083AC642
4C083AC791
4C083AC792
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD332
4C083AD352
4C083AD432
4C083AD492
4C083BB23
4C083CC03
4C083CC11
4C083DD02
4C083DD41
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE12
4C083FF05
(57)【要約】
【課題】白濁状態の安定性の向上した皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】(A)水酸化カルシウムと、(B)(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーと、を有する皮膚外用剤である。(A)水酸化カルシウム 0.01質量%~5質量%と、(B)(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー 0.1質量%~5質量%と、を有する皮膚外用剤である。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)水酸化カルシウムと、
(B)(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーと、を有することを特徴とする皮膚外用剤。
【請求項2】
(A)水酸化カルシウム 0.01質量%~5質量%と、
(B)(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー 0.1質量%~5質量%と、を有することを特徴とする皮膚外用剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚外用剤に関し、特に、白濁状態の安定性の向上した皮膚外用剤である。
【背景技術】
【0002】
従来から、カルシウムは様々な効果を目的として皮膚外用剤で使用されている。例えば、特許文献1には、光や紫外線による製剤表面の剥離や白浮き現象を抑制し、製剤表面の光沢性を向上させ、外観を長時間維持することを目的として、カルシウム含有化合物を含有する遮光剤であって、該カルシウム含有化合物が、カルシウム塩、水酸化カルシウム、酸化カルシウム及びカルシウム錯体から選択された1種以上である遮光剤が、開示されている。
【0003】
しかしながら、カルシウムは、アルカリ土類金属に属するものであり、皮膚外用剤等に配合した場合は、その安定性が問題となっていた。そこで、カルシウムを含む皮膚外用剤の安定性の改善方法が検討されてきた。
【0004】
例えば、特許文献2には、カルボキシビニルポリマーの苛性アルカリ塩水溶液とアルギン酸ナトリウムの水溶液とを混合し、これに水酸化カルシウムを加えることを特徴とするカルシウムを含有する水性ゲルの製造方法が、開示されている。また、特許文献3には、アクリル酸アルキル共重合体またはアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体のアルカリ中和塩水溶液と水酸化カルシウムとを混合してなることを特徴とするカルシウムを含有する水性ゲルが、開示されている。
【0005】
一方、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーは皮膚外用剤に用いられ、例えば、特許文献4には、次の成分(A)(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(B)清涼剤及び(C)エタノールを含有することを特徴とする水中油型粉末化粧料が、開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2004/054619号公報
【特許文献2】特開平10-330423号公報
【特許文献3】特開平11-255996号公報
【特許文献4】特開2014-162790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1記載の技術は、あくまでも被膜剤としての使用であって、水酸化カルシウムを含む皮膚外用剤、特に乳化物の安定性に関するものではなかった。また、特許文献2および特許文献3記載の技術は、カルボキシビニルポリマー等の電荷をもつ高分子を使用しているため、アルカリ土類金属のカルシウムを十分に安定化できるものではなかった。
【0008】
さらに、特許文献4では、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーの記載はあるものの、水酸化カルシウムを含む乳化化合物の安定性に関しては、まったく検討されていなかった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、前記の従来技術の問題点を解決し、水酸化カルシウムを含む乳化化合物の白濁状態の安定性の向上した皮膚外用剤を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーと組合せることによって、前記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
即ち、本発明の皮膚外用剤は、
(A)水酸化カルシウムと、
(B)(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーと、を有することを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の皮膚外用剤は、
(A)水酸化カルシウム 0.01質量%~5質量%と、
(B)(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー 0.1質量%~5質量%と、を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、水酸化カルシウムを含む乳化化合物の白濁状態の安定性の向上した皮膚外用剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施例1の皮膚外用剤の写真である。
図2】比較例1の皮膚外用剤の写真である。
図3】比較例2の皮膚外用剤の写真である。
図4】比較例4の皮膚外用剤の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の皮膚外用剤について具体的に説明する。
本発明の皮膚外用剤は、(A)水酸化カルシウムと、(B)(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーと、を有することを特徴とするものである。また、本発明の皮膚外用剤は、(A)水酸化カルシウム 0.01質量%~5質量%と、(B)(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー 0.1質量%~5質量%と、を有することを特徴とするものである。これにより、水酸化カルシウムを含む乳化化合物の白濁状態の安定性の向上した皮膚外用剤を提供することができる。特に、カルシウムを有している化合物は多数あるにもかかわらず、水酸化カルシウムに限定することで、白濁状態が均一で、しかも白濁沈殿を生じない安定性の向上した皮膚外用剤を提供することができる。
【0016】
本発明において、前記(A)水酸化カルシウムとは、カルシウムの水酸化物で、化学式Ca(OH)で示されるものである。かかる、(A)水酸化カルシウムとしては、通常の皮膚外用剤に使用でき、本発明の効果を得られるものであれば特に限定されない。
【0017】
また、本発明において、前記(B)(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーとしては、通常の皮膚外用剤に使用でき、本発明の効果を得られるものであれば特に限定されない。かかる(B)(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーとしては、例えば、セイワサプライ株式会社製の「SEPINOV EMT 10」(商品名)、「SEPIPLUS S」(商品名)、「SIMULGEL FL」(商品名)、「SIMULGEL NS」(商品名)等を用いることができる。
【0018】
また、本発明の皮膚外用剤は、(A)水酸化カルシウム 0.01質量%~5質量%と、(B)(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー 0.1質量%~5質量%と、を有することを特徴とするものであり、(A)水酸化カルシウム 0.1質量%~0.5質量%と、(B)(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー 1質量%~3質量%と、を有することが、より好ましい。前記(A)水酸化カルシウムの量が、0.01質量%より少ないと水酸化カルシウムによる抗菌効果が得られないおそれがあり、5質量%より多いと水酸化カルシウムの感触が強くなるおそれがある。さらに、前記(B)(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーの量が0.1質量%より少ないと水酸化カルシウムの感触が強くなるおそれがあり、5質量%より多いと、(B)(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーの感触が強くなるおそれがある。さらにまた、上記範囲とすることで、水酸化カルシウムを含む乳化化合物の白濁状態の安定性がより向上した皮膚外用剤を提供することができる。
【0019】
さらに、本発明において、本発明の効果が損なわれない範囲で、適宜他の成分等を添加することもできる。質的、量的範囲で上記以外の任意の成分を配合することができ、皮膚外用剤に通常配合される成分、例えば、油剤、高級アルコール、多価アルコール、界面活性剤、pH調整剤、安定化剤、抽出液成分、保湿剤、香料、各種ビタミン剤、紫外線吸収剤、粉体や着色剤、薬効成分、無機塩類、植物抽出物など有用性成分等を配合することができる。
【0020】
油剤としては、例えば、オゾケライト、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、キャンデリラロウ炭化水素、ビーズワックス、マンゴバター、ヤシ油、パーム油、パーム核油、カカオ脂、シア脂、水素添加ヤシ油、牛脂、乳脂、馬脂、鯨ロウ、ラノリン、還元ラノリン、吸着精製ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸、硬質ラノリン脂肪酸、ラノリンアルコール、レシチン(30℃、常温ペースト)、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質、リゾレシチン等のリン脂質類、水素添加大豆リン脂質、部分水素添加大豆リン脂質、水素添加卵黄リン脂質、コレステロール、ジヒドロコレステロール、フィトステロール、コール酸等のステロール類、サポゲニン類、サポニン類、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/2-オクチルドデシル)、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル、軟質ラノリン脂肪酸コレステリル、硬質ラノリン脂肪酸コレステリル、長鎖分岐脂肪酸コレステリル、ノナン酸コレステリル、軟質ラノリン脂肪酸コレステリル、硬質ラノリン脂肪酸コレステリル、長鎖分岐脂肪酸コレステリル、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、パルミチン酸セチル、イソステアリン酸硬化ヒマシ油、ラノリン脂肪酸イソプロピル、乳酸セチル、イソステアリン酸水添ヒマシ油ペースト、トリ水添ロジン酸グリセリル、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、ジステアリン酸グリコール(ジステアリン酸エチレングリコール)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、ダイマージリノール酸硬化ヒマシ油、ヒドロキシアルキル(C16-18)ヒドロキシダイマージリノレイルエーテル等のダイマー酸若しくはダイマージオールの誘導体、セタノール、ミリスチルアルコール、ラウリルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、キミルアルコール、バチルアルコール、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸 、ステアリン酸、ベヘン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(コカミドMEA)、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド(ラウラミドMIPA)、パルミチン酸モノエタノールアミド(パルタミドMEA)、流動パラフィン(ミネラルオイル)、重質流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、α-オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ポリブテン、スクワラン、オリーブ由来スクワラン、スクワレン、サフラワー油、オリーブ油、ヒマシ油、アボカド油、ゴマ油、茶油、月見草油、小麦胚芽油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、ククイナッツ油、ローズヒップ油、メドウフォーム油、パーシック油、ティートリー油、ハッカ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマワリ油、小麦胚芽油、アマニ油、綿実油、大豆油、落花生油、コメヌカ油、水素添加ヒマシ油、ホホバ油、水素添加ホホバ油等の植物油脂類、卵黄油、ミンク油、タートル油等の動物性油脂類、オレンジラッフィー油、液状ラノリン、酢酸液状ラノリン、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、N-ラウロイルサルコシンイソプロピル等のアシルサルコシンアルキルエステル、イソステアリン酸フィトステリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、イソステアリン酸オクチルドデシル、2-エチルヘキサン酸セチル、エチルヘキサン酸ヘキシルデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸オクチル、イソノナン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、リシノレイン酸オクチルドデシルエルカ酸オクチルドデシル、オレイン酸エチル、アボカド油脂肪酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ラウリン酸メチルヘプチル、ミリスチン酸メチルヘプチル、パルミチン酸メチルヘプチル、イソステアリン酸メチルヘプチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジブチルオクチル、アジピン酸ジイソブチル、コハク酸ジオクチル、クエン酸トリエチル等のモノアルコールカルボン酸エステル類、リンゴ酸ジイソステアリル、トリオクタン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、(イソステアリン酸/セバシン酸)ジトリメチロールプロパンオリゴエステル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ポリグリセリル-2、ノナイソステアリン酸ポリグリセリル-10、ジネオペンタン酸メチルペンタンジオール、ダイマージリノール酸ジイソステアリル、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)、ジイソステアリン酸ダイマージリノレイル、オレイルアルコール、ホホバアルコール、オレイルグリセリル、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ダイマージオール等の高級アルコール類、ベンジルアルコール等のアラルキルアルコール及び誘導体、イソステアリン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、イソヘキサデカン酸、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(コカミドDEA)、ラウリン酸ジエタノールアミド(ラウラミドDEA)、ヤシ油脂肪酸メチルエタノールアミド(コカミドメチルMEA)等の脂肪酸アルカノールアミド類等を挙げることができる。
【0021】
高級アルコールとしては、例えば、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、アラキルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール等を挙げることができる。
【0022】
多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、イソペンチルジオール、ジグリセリン、ソルビトール、ヘキシレングリコール、ペンチレングリコール、ポリエチレングリコール等を挙げることができる。
【0023】
界面活性剤としては、例えば、モノ脂肪酸ポリグリセリル、ポリ脂肪酸ポリグリセリル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンステロール、ポリオキシエチレン水素添加ステロール、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤、2-ウンデシルーN,N,N-(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)-2-イミダゾリンナトリウム、2-ココイル-2-イミタゾリニウムヒドロキサイド-1-カルボキシエチロキシ2-ナトリウム塩等の、イミダゾリン系両性界面活性剤、2-ヘプタデシル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等のベタイン系界面活性剤等の両性界面活性等が挙げられる。
【0024】
pH調整剤としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、グリコール酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール等を挙げることができる。
【0025】
安定化剤としては、例えば、ヒドロキシエタンジホスホン酸、エデト酸及びその塩等の金属封鎖剤、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸、L-システイン塩酸塩等の酸化防止剤、メチルパラベン、エチルパラベン、安息香酸、安息香酸塩、サリチル酸、サリチル酸塩、フェノキシエタノール、水溶性カチオン抗菌剤、エチルヘキシルグリセリン、ビサボロール、ポリ-ε-リシン等の防腐剤等を挙げることができる。
【0026】
抽出液成分としては、例えば、カミツレエキス、パセリエキス、スイカズラエキス、コメエキス、コメヌカエキス、ホップエキス、オウバクエキス、ヨクイニンエキス、センブリエキス、メリロートエキス、バーチエキス、カンゾウエキス、シャクヤクエキス、サボンソウエキス、ヘチマエキス、トウガラシエキス、レモンエキス、ゲンチアナエキス、シソエキス、アロエエキス、ローズマリーエキス、セージエキス、タイムエキス、ユーカリエキス、茶エキス、海藻エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、ニンジンエキス、マロニエエキス、ハマメリスエキス、クワエキス、チンピエキス、ピーカンナッツエキス、グレープフルーツエキス、シークワーサーエキス、パッションフルーツエキス、ビワエキス、ブドウエキス、ローズフルーツエキス、クララエキス、ペパーミントエキス等の各種抽出成分が挙げられる。
【0027】
保湿成分としては、例えば、キシリトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸ナトリウム、エラスチン、グルコサミン、ヒアルロン酸、シクロデキストリン、コラーゲン、胆汁酸塩等が挙げられる。
【0028】
薬効成分としては、例えば、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンEなどのビタミン類およびそれらの誘導体、グリチルリチン酸及びの誘導体、グリチルレチン酸及びの誘導体、尿素などの各種塩、クレアチニン、CoQ10、アスタキサンチン、ポリフェノール、セラミド等の成分が挙げられる。
【0029】
本発明において、皮膚外用剤とは、人間の身体等に使用できるものであり、通常の化粧品の分類に属するものであり、医薬部外品、医薬品等の用途を排除するものではない。さらに、前記皮膚外用剤とは、基礎化粧品、メイクアップ化粧品、頭髪用化粧品等の用途を含むものである。
【0030】
また、本発明において、皮膚外用剤の製造方法としては、通常の皮膚外用剤の製造方法で製造することができ、油相成分と水相成分を加熱して製造する方法を用いることができる。
【0031】
さらに、本発明において、皮膚外用剤の安定性の評価方法としては、(1)外観の確認方法として、目視でポンプ容器から出した時の状態を確認する方法、(2)白濁状態の安定性の確認方法として、内容物の白濁性を目視で確認する方法、(3)白濁沈殿物の安定性の確認方法として、内容物の沈殿物の有無を目視で確認する方法等があるが、目視による観察だけでなく、明度(L表色系におけるL値)の測定や分光色彩計、分光光度計等により測定することができ、その他の通常の安定性を測定できる方法であれば特に限定されない。また、(4)においの確認方法としては、官能による確認方法とした。
【0032】
以下、本発明について、実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下、処方中の数値は質量%を示す。
【実施例0033】
(実施例1~3、比較例1~5)
下記表1および表2に記載の処方で、実施例1~3、比較例1~5の皮膚外用剤を作製した。得られた皮膚外用剤について、下記評価方法で評価し、結果を下記表1および表2に併記した。なお、下記表1および表2中、配合量は水で100%に調整している。
【0034】
(評価方法)
(外観、ゲル状の安定性)
得られた皮膚外用剤の安定性は、ポンプ容器から出した時の状態を目視観察し、下記評価基準で評価した。
〇:ゲル状、容器から出した時に形が崩れなく垂れ落ちない
△:ゲル状がすぐに崩れる、容器から出した時に垂れ落ちる
×:ゲル状にならない、容器から出した時すぐに垂れ落ちる
【0035】
(白濁性の安定性)
得られた皮膚外用剤の安定性は、20mLガラス瓶に得られた皮膚外用剤を入れ、40℃、1か月後の皮膚外用剤の白濁性を目視観察し、下記評価基準で評価した。
〇:均一な白濁状態
△:まだらな不均一な白濁状態
×:上下相がはっきりとした不均一な白濁状態
【0036】
(沈殿の安定性)
得られた皮膚外用剤の安定性は、20mLガラス瓶に得られた皮膚外用剤を入れ、40℃、1か月後の皮膚外用剤の沈殿の有無を目視観察し、下記評価基準で評価した。
〇:白濁沈殿物が生じない状態
△:白色沈殿物がわずかに確認できる状態
×:白色沈殿物がはっきりと確認できる状態
【0037】
(においの評価)
得られた皮膚外用剤のにおいは、ポンプ容器から出した時のにおいを官能で評価した。
〇:アンモニア臭などのにおいがほとんど感じられなく、問題ない
△:アンモニア臭などのにおいが少し感じられる
×:強いアンモニア臭などのにおいがある
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
図1は、実施例1の皮膚外用剤の写真であり、図2は、比較例1の皮膚外用剤の写真であり、図3は、比較例2の皮膚外用剤の写真であり、図4は、比較例4の皮膚外用剤の写真である。表1、表2および図1図4の結果から、実施例1~3の皮膚外用剤は、外観および安定性ともに良好であった。一方、比較例1~5の皮膚外用剤は、外観および安定性が悪いものであった。
【0041】
(抗菌力試験)
抗菌力を下記条件で試験し、結果を下記表3に示した。
試験方法:シェークフラスコ法
試験菌:黄色ブドウ球菌、Staphylococcus aureus NBRC 12732、
大腸菌、Escerichia coli NBRC 3972
振とう条件:リストアクション 330rpm×1時間
試験質量:0.75g
ナイロン白布:染色堅ろう度試験用添付白布
試験液中の生菌数を、菌数測定用培地を用いて、実施例1記載の皮膚外用剤の抗菌力を測定した。なお、対照としてブランク(空振とう)、ナイロン白布を用いて同様に試験し、開始時の生菌数からの減少率を測定した。
【0042】
【表3】
【0043】
表3の結果から、実施例1の皮膚外用剤の抗菌力は高く、水酸化カルシウムの抗菌性を有効に示し、良好な安定性であることを示した。

図1
図2
図3
図4