(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165429
(43)【公開日】2023-11-16
(54)【発明の名称】物品位置表示方法、物品位置表示プログラム及び物品位置表示装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20230101AFI20231109BHJP
【FI】
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022076388
(22)【出願日】2022-05-06
(71)【出願人】
【識別番号】520395363
【氏名又は名称】6Assets株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230116539
【弁護士】
【氏名又は名称】恩田 俊明
(72)【発明者】
【氏名】根岸 心
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA00
(57)【要約】
【課題】従来技術は、一次元のフロアマップ上で物品の配置位置を把握させるためのもので、物品が棚などに立体的に陳列されている場合や、知りたいと感じた時点の施設内の外観とフロアマップの表示内容に齟齬があった場合に、好適に配置位置を把握可能にできているとは言い難かった。
【課題を解決するための手段】物品を識別する物品識別情報と、当該物品の位置情報とを紐づけて取得する物品関連情報取得ステップと、特定の物品の検索要求を受け付ける物品検索受付ステップと、受け付けた検索要求に応じた検索結果に基づき、当該検索対象の物品と紐づけられた位置情報を取得する位置情報取得ステップと、取得した位置情報に基づいて、施設内の画像を出力する施設内画像出力ステップと、をコンピュータを用いて実行する物品位置表示方法などを提案する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を識別する物品識別情報と、当該物品の位置情報とを紐づけて取得する物品関連情報取得ステップと、
特定の物品の検索要求を受け付ける物品検索受付ステップと、
受け付けた検索要求に応じた検索結果に基づき、当該検索対象の物品と紐づけられた位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
取得した位置情報に基づいて、施設内の画像を出力する施設内画像出力ステップと、
をコンピュータを用いて実行する物品位置表示方法。
【請求項2】
物品検索受付ステップは、検索要求の出力元の位置情報をも受け付ける出力元位置情報取得サブステップをさらに有し、
施設内画像出力ステップにて出力された施設内の画像と前記検索要求の出力元の位置情報とに基づいた経路情報をも出力する経路情報出力ステップをさらに有する請求項1に記載の物品位置表示方法。
【請求項3】
施設内画像出力ステップは、検索要求の出力元の位置情報に応じて、出力対象となる施設内画像に対し、検索結果に応じた物品識別情報を重畳表示する拡張現実実現サブステップをさらに有する請求項2に記載の物品位置表示方法。
【請求項4】
物品を識別する物品識別情報と、当該物品の位置情報とを紐づけて取得する物品関連情報取得ステップと、
特定の物品の検索要求を受け付ける物品検索受付ステップと、
受け付けた検索要求に応じた検索結果に基づき、当該検索対象の物品と紐づけられた位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
取得した位置情報に基づいて、施設内の画像を出力する施設内画像出力ステップと、
をコンピュータにて実行可能な物品位置表示プログラム。
【請求項5】
物品を識別する物品識別情報と、当該物品の位置情報とを紐づけて保持する物品関連情報保持部と、
特定の物品の検索要求を受け付ける物品検索受付部と、
受け付けた検索要求に応じた検索結果に基づき、当該検索対象の物品と紐づけられた位置情報を取得する位置情報取得部と、
取得した位置情報に基づいて、施設内の画像を出力する施設内画像出力部と、
をコンピュータを用いて実行する物品位置表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設内における物品の配置位置を好適に表示させるための仕組みに関する。
【背景技術】
【0002】
家電製品や衣料品、食料品などを取扱う小売店舗の大型化が進んでいる。また、消費者等の需要者の嗜好の多様化に伴い、それらの小売店舗において多くの種類の商品や試作品、展示品等の物品を置くようなケースもある。さらに、これらの小売店舗においては、新製品の投入や需要者の嗜好の変化、時期ごとの商品の入替等の要因により商品の陳列位置が変化することもある。
【0003】
また、位置の把握が困難なのは店舗における商品にとどまらない。施設内のコンシェルジュや係員などの人物や、トイレや試着室、モール内の特定の店舗などの施設そのものの把握も困難な場合が少なくない。
【0004】
このような種々の要因により、まず小売店舗等の施設を訪れるユーザにとって、自身が求める物品の陳列位置を好適に把握するための技術が求められている。また、ユーザからの陳列位置を尋ねられる施設運営者側にとっても、ユーザの要望に円滑に応えるための技術が切望されている。そのため、これらの要望に応じるべく、これまでに種々の技術が開示されてきた。例えば特許文献1には、ユーザからの指定を受けた物品の位置情報に基づき、施設フロアマップ上の表示を制御して、ユーザに物品の陳列位置を提示するための技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ただ、このような従来技術は、あくまでディスプレイ画面上にフロアマップ、換言すれば施設内を一次元に置換した画像を表示させてその配置位置を把握させるためのものである。物品が棚などに陳列されている場合、すなわち立体的に陳列されている場合に好適な配置位置を提示できているとは言い難く、また、消費者が知りたいと感じた時点の施設内の外観とフロアマップの表示内容に齟齬があった場合、却って消費者の混乱を招きかねなかった。
【0007】
また、これらの従来技術はあくまで商品位置の把握を目的としたものなので、係員や施設そのものの探索には不適であった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上のような課題を解決すべく、本発明は、物品を識別する物品識別情報と、当該物品の位置情報とを紐づけて取得する物品関連情報取得ステップと、特定の物品の検索要求を受け付ける物品検索受付ステップと、受け付けた検索要求に応じた検索結果に基づき、当該検索対象の物品と紐づけられた位置情報を取得する位置情報取得ステップと、取得した位置情報に基づいて、施設内の画像を出力する施設内画像出力ステップとを、コンピュータを用いて実行する物品位置表示方法などを提案する。
【0009】
また上記発明に関連して、物品検索受付ステップが、検索要求の出力元の位置情報をも受け付ける出力元位置情報取得サブステップをさらに有し、施設内画像出力ステップにて出力された施設内の画像と前記検索要求の出力元の位置情報とに基づいた経路情報をも出力する経路情報出力ステップをさらに有する物品位置表示方法も提案する。
【0010】
また上記発明に関連して、施設内画像出力ステップが、検索要求の出力元の位置情報に応じて、出力対象となる施設内画像に対し、検索結果に応じた物品識別情報を重畳表示する拡張現実実現サブステップをさらに有する物品位置表示方法も提案する。
【0011】
さらに、上記各方法に関連したプログラムや、同各方法を実現するための装置などに関する発明も提案する。
【発明の効果】
【0012】
主に以上のような構成をとる本発明によって、リアルな施設内の外観を踏まえた物品配置位置に関する情報を、立体的に把握可能に提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】実施形態1の物品位置表示装置の機能ブロックの一例を示す図
【
図3】実施形態1の物品位置表示装置の機能的な各構成をまとめて一のハードウェアとして実現した際の構成の一例を示す概略図
【
図4】実施形態1の物品位置表示装置における処理の流れの一例を示す図
【
図5】実施形態2の物品位置表示装置の機能ブロックの一例を示す図
【
図6】実施形態2の物品位置表示装置における処理の流れの一例を示す図
【
図7】実施形態3の物品位置表示装置の機能ブロックの一例を示す図
【
図8】実施形態3の物品位置表示装置における処理の流れの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
まず
図1を示す。
図1は本発明の概要を示す図である。同図に示されているように、本発 明は、多数の物品が配置されている施設などにおいて用いられるものであり、例えば、施設内の所定の位置に設置された施設管理端末などにおいて実現可能である。また、物品位置を確認したい消費者その他のユーザの管理する携帯端末(スマートフォンやタブレット等)上でアプリケーションを起動し、一又は複数の外部サーバとの間で情報の送受信をすることなどによっても実現可能である。
【0015】
ここで本発明が一又は複数の外部サーバ0101、0102により実現される場合について説明する。複数の外部サーバを用いる場合の具体例を上げると、ユーザ端末0111、0112から取得した位置情報を解析する位置情報解析サーバや、施設管理端末0121などを通じて物品位置を記録する物品位置記録サーバ、上記解析処理結果に基づいた経路案内のための情報をユーザ端末に出力するサポートサーバなどを相互にオンライン又はオフラインのネットワークを介して接続することで用いることが考えられる。
【0016】
次に、利用者端末や施設管理端末については、その種別を特に限定することはなく、例えば、スマートフォン0111やタブレット0112、パソコン0121などが考えられ、その他にもスマートペンやスマートグラス、ワイヤレスイヤホン、スマートスピーカなどのスマートデバイスが考えられる。
【0017】
なお、ここまでは
図1を用いて、各種サービスサーバが利用者端末等とは別個に構成され、ネットワークを介しクラウドコンピューティングの形式にて提供されているケースを想定した説明を行ったが、本発明はかかる使用形態に限られるものではない。すなわち、本発明の機能を実行可能なプログラムを専用の端末にインストールすることにより、本発明において提供可能な機能の全部又は一部の処理を当該専用端末において実行する、いわゆるオンプレミス型の形態にて提供されてももちろんよい。この場合は、施設内の一又は複数に当該専用端末を設置し、ユーザの操作を通じて物品の配置位置の検索処理や表示処理を実行する。また、ユーザ端末をここでいうところの専用端末のように機能させ本発明において提供可能な機能の全部又は一部の処理を実行することももちろん可能である。
【0018】
以下、本発明の各実施形態について図面とともに説明する。まず実施形態と請求項の相互の関係は、以下のとおりである。まず、実施形態1は主に請求項1、4、5などに対応する。実施形態2は主に請求項2などに対応する。実施形態3は主に請求項3などに対応する。なお、各実施形態にて説明する技術的特徴は、他の実施形態にて説明する技術的特徴と組み合わせて用いられることも可能である。
【0019】
さらに、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではなく、技術常識に従って特許請求の範囲の各請求項に記載の技術的思想を有し、その要旨を逸脱しない範囲内において、様々な態様で実施し得る。具体的には、ここまで述べたような、小売施設における消費者による物品位置の把握、といった用途に限定されず、大型倉庫等の物流拠点において物品の格納位置確認や、大型施設において設置されている什器や部品などの物品の設置位置の確認などにも利用可能である。
【0020】
また、係員等の人物についても、当該人物に携帯可能なICタグ等を携行させることにより、人物の位置を把握することも可能であるし、施設の壁面に上記ICタグ等を貼付すること等によって、当該施設の位置を把握することも可能である。
【0021】
<<実施形態1>>
<概要>
図2は、本実施形態の物品位置表示装置の機能ブロックの一例を示す図である。同図において示されているように、本実施形態の「物品位置表示装置」0200は、「物品関連情報保持部」0201と、「物品検索受付部」0202と、「位置情報取得部」0203と、「施設内画像出力部」0204と、を有する。
【0022】
なお、以下で詳しく説明する物品位置表示装置は、その機能の一又は複数の機能を複数の装置にて実現するようにも構成され得るものであって、その機能ブロックは、いずれもハードウェア又はソフトウェアとして実現され得る。コンピュータを用いるものを例にすれば、CPUやメインメモリ、GPU、TPU、画像メモリ、バス、二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ)、キーボードやマイク、タッチパネル、タッチパネルをタッチするための電子ペンなどの各種入力デバイス、スピーカ、ディスプレイその他各種出力デバイス、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインタフェース、通信用インタフェース、それらのハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他のアプリケーションプログラムなどが挙げられる。
【0023】
そしてメインメモリ上に展開したプログラムに従った演算処理によって、入力デバイスやその他インタフェースなどから入力されメモリやハードウェア上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、前記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が作成されたりする。ここで、上記プログラムは、モジュール化された複数のプログラムとして実現されてもよいし、2以上のプログラムをクラウドコンピューティングその他の方法により組み合わせて一のプログラムとして実現されても良い。
【0024】
<機能的構成>
「物品関連情報保持部」0201は、物品を識別する物品識別情報と、当該物品の位置情報とを紐づけて保持するように構成されている。ここでいう物品識別情報とは、物品を一意に識別可能とするために当該物品ごとに付与されるIDにより構成され、そのほかに当該物品に関連する情報も含まれてよい。例えば、物品の商品名称や型番、製造年月日や製造・販売メーカー、色や大きさ、販売価格、付与ポイント数・ポイント付与割合、在庫の有無及び再入荷予定など、物品を選定ないし特定する際に参照しうる情報を一又は複数物品識別情報の構成要素とすることが考えられる。物品の位置情報そのものを物品識別情報とすることももちろん可能である。
【0025】
また、物品にICタグを直接又は間接的に添付するような場合に、当該ICタグを識別する情報を物品識別情報として取得し保持するような構成があってもよい。当該構成を採用することで、物品そのものにとどまらず、ICタグと関連付けられる人物や施設そのものをも識別することが可能となる。
【0026】
物品識別情報と紐づけて保持される位置情報は、例えば、あらかじめ保持される施設内地図の所定の座標情報により特定される場合や、「3F家電売り場」「4番テーブル」などのように特定の位置を示す位置名称により特定されるような場合が考えられる。
【0027】
ここで位置情報は、それらの場所を示す画像と紐づけて保持され、当該画像は位置情報そのものではなく、外部で保持されていてもよいが、当該紐づけられた画像をも位置情報として保持することももちろん可能である。当該場所を示す画像は、施設内にいるユーザの通常の視野にて視認可能な外観と適合する画像であることが望ましく、より具体的には、ユーザの移動経路上から当該位置を一又は複数の方向から視認した場合の角度で撮影された画像であることが望ましい。そしてさらに望ましくは、ユーザの目線に適合する高さから撮影された画像であることが望ましい。当該構成をとることにより、位置情報に接したユーザが、より実感をもって当該位置を把握することが可能となる。
【0028】
このように、位置情報は施設内の画像と紐づけられあるいは画像そのものを含む情報として保持されるが、当該情報を保持するにあたっては、あらかじめ当該画像を取得したり、位置情報を取得したりする場合のほか、適宜物品の配置位置の変更があった場合には、当該変更を受け付けることで位置情報の更新が行われる。
【0029】
ここまで説明した画像は静止画像である場合もあれば、動画像である場合もあり得る。動画は例えばドローンのような機器を用いて撮影されたものであることも考えられる。当該構成をとることで例えば、ユーザの死角位置に配置されている物品の位置情報について、ユーザの視認可能な位置から当該配置位置までを連続的に撮影した動画にて把握可能とすることができ、よりユーザの需要に応じた情報提供が可能となる。
【0030】
ちなみに、物品識別情報や位置情報の取得先は、通常は施設管理者の管理する端末であることが通常である。施設内の物品の配置位置を容易に把握するためには、当該施設管理者によって物品識別情報や位置情報が管理されることが望ましいからである。ただし、消費者等のユーザの端末を取得先とすることが完全に排除されるわけではない。すなわち、ユーザは、自身の端末を通じて所定の物品の位置情報を物品関連情報保持部にて保持させることが可能である。ここでは大規模駐車場で自己の駐車した自家用車の位置情報を画像とともに保持させたり、コンサートやイベント会場において、自席の位置情報を画像とともに保持させたりすることが考えられる。そしてこの場合の位置情報は、施設管理者が提供している施設内外の地図情報とともに保持されうる。
【0031】
「物品検索受付部」0202は、特定の物品の検索要求を受け付けるように構成されている。ここでの検索要求は、技術常識に照らし一般的に用いられる方法であればどのようなものであってもよく、クエリとしては例えば、上述した物品識別情報として保持されている情報を用いることが考えられる。また、キーワードのよる検索のほか、画像や動画、音声などのデータを入力することで検索要求を受け付ける場合や、Kinect(登録商標)をはじめとするデバイスを介したユーザによる動作を通じて検索要求を受け付けるような処理なども考えられ、これらの手段を複数組み合わせるような検索要求もまた想定されうる。
【0032】
なお上記はあくまで一例であって、本発明においては、検索処理をどのように行うかについての特別な限定はなく、また、本発明の枠内において検索処理が行われなければならないこともない。すなわち、検索要求を受け付けた場合、当該要求内容を外部サーバに送信し、当該外部サーバで検索処理を行うようなケースがあってももちろんよい。いわゆる検索処理のAPI連携のような態様を許容するものであり、この場合には検索処理の結果を取得し、当該結果に関する情報を用いて後述する種々の処理が行われる。
【0033】
なおここで、検索要求は、施設内からのみ受け付ける場合に限られず、施設外を含むあらゆる場所から受け付けることが可能である。また、施設入り口など所定の位置を通過したことを各種センサで検知した場合に検索要求を受け付けるような処理を行うことも可能である。これらのように施設内を訪れる前から検索要求を受け付けることにより、あらかじめ物品の所在を確認したうえで当該施設を訪れることができるため、効率的な物品購入等が可能となる。
【0034】
「位置情報取得部」0203は、受け付けた検索要求に応じた検索結果に基づき、当該検索対象の物品と紐づけられた位置情報を取得するように構成されている。取得対象となる位置情報は、上述した物品の配置位置を示す座標や、施設内地図中の該当位置を示す図などがあってもよいが、いずれにしても当該位置情報として又は当該位置情報と紐づけられる画像が含まれる。後述する施設内画像出力部において当該画像を出力するためである。
【0035】
なお、位置情報の取得に際し、所定期間内に検索対象だった物品の位置情報に変更があったかどうかを判断し、変更があった場合には、当該変更の事実及び変更前の位置情報をもあわせて取得するような構成があってもよい。頻繁に配置位置が変更されるような物品の場合には、ユーザの認識とは異なる位置情報が検索結果として出力されることも十分あり得る為、位置情報とともに当該位置情報が変更された事実をも出力対象とすることにより、ユーザフレンドリーな構成を提供可能とする。
【0036】
「施設内画像出力部」0204は、取得した位置情報に基づいて、施設内の画像を出力するように構成されている。出力される画像は、上述したように検索対象だった物品の位置情報を示す画像であって、当該物品がどの場所に配置されているのかを視覚的に把握可能にする。これに加え配置位置が変更されている場合には、変更前の位置と変更後の位置とをともに視覚的に比較可能な構成により出力する構成も考えられ、当該構成を採用することにより、ユーザは自分の記憶と異なる配置位置画像が出力されたとしても戸惑うことなく、位置変更の事実を認識したうえで新たな配置位置の確認を行うことができる。
【0037】
なお、出力された画像が動画であったり、複数枚の静止画像であったりするような場合には、ユーザの選択に応じて当該画像を適宜切り替え表示することも可能である。複数の角度や高さから撮影された画像を切り替え表示することで、当該物品の周辺領域に配置される他の商品をも視覚的に認識可能になるため、実際に施設内を訪れて当該画像を頼りに、豊富な視覚的情報を参考に迷うことなく物品の配置位置を探すことが可能となる。
【0038】
<具体的な構成>
ここで
図3を示す。同図は本実施形態の物品位置表示装置の機能的な各構成をまとめて一のハードウェアとして実現した際の構成の一例を示す概略図である。各装置はいずれも、それぞれ各種演算処理を実行するための「CPU」0301と、「記憶装置(記憶媒体)」0302と、「メインメモリ」0303と、「入出力インタフェース」0304、「ネットワークインタフェース」0305と、を備え、入出力インタフェースを介して、例えば「ディスプレイ」0306などの外部周辺装置と情報の送受信を行う。
【0039】
また、本実施形態の物品位置表示装置は、ネットワークインタフェースを介して複数の「ユーザ端末」0307や「施設管理端末」0308などの外部装置と情報の送受信を行いうる。また、API連携等を通じ検索処理などをはじめとする各種の処理を行うための一又は複数の「外部サーバ」0309などとも情報の送受信を行いうる。このネットワークインタフェースの具体的な態様は有線、無線を問わず、また通信の方法も、両端末間で直接、間接なされるかを問わない。よって特定の外部装置ないし同装置の利用者と紐づけられた外部サーバとの間で情報の送受信を行ういわゆるクラウドコンピューティングの形式を採用することも可能である。
【0040】
記憶装置には以下で説明するような各種プログラムが格納されており、CPUはこれら各種プログラムをメインメモリのワーク領域内に読み出して展開、実行する。なお、これらの構成は、「システムバス」0399などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う(以上の構成の基本的な構成は、以下で説明する他の装置のいずれについても同様である。
【0041】
(物品関連情報保持部の具体的な構成)
物品関連情報保持部は、コンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、具体的には、CPUが記憶装置から「物品関連情報取得プログラム」0310をメインメモリに読み出して実行し、取得した物品識別情報や位置情報をメインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0042】
(物品検索受付部の具体的な構成)
物品検索受付部は、コンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、具体的には、CPUが記憶装置から「物品検索受付プログラム」0320をメインメモリに読み出して実行し、外部端末から特定の物品の検索要求を受け付ける処理を行う。
【0043】
(位置情報取得部の具体的な構成)
位置情報取得部は、コンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、具体的には、CPUが記憶装置から「位置情報取得プログラム」0330をメインメモリに読み出して実行し、物品検索受付プログラムの実行により受け付けた検索要求に応じた検索結果を取得し、当該検索結果の物品と紐づけられた位置情報を取得し、メインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0044】
(施設内画像出力部の具体的な構成)
施設内画像出力部は、コンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、具体的には、CPUが記憶装置から「施設内画像出力プログラム」0340をメインメモリに読み出して実行し、前記外部端末に対し、位置情報取得プログラムの実行を通じて取得した位置情報に基づいて、施設内の画像を出力する処理を行う。
【0045】
<処理の流れ>
図4は、本実施形態の物品位置表示装置における処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS0401では、物品を識別する物品識別情報と、当該物品の位置情報とを紐づけて取得する(物品関連情報取得ステップ)。その後ステップS0402では、特定の物品の検索要求を受け付け(物品検索受付ステップ)、ステップS0403では、受け付けた検索要求に応じた検索結果に基づき、当該検索対象の物品と紐づけられた位置情報を取得する(位置情報取得ステップ)。そしてステップS0404にて、取得した位置情報に基づいて、施設内の画像を出力する(施設内画像出力ステップ)。
【0046】
<効果>
以上の構成を採用する物品位置表示装置を利用することにより、リアルタイムな施設内の外観を踏まえた物品配置位置に関する情報を、立体的に把握可能に提供することが可能となる。
【0047】
<<実施形態2>>
<概要>
本実施形態の物品位置表示装置は、基本的には実施形態1に記載の物品位置表示装置の技術的特徴と同様であるが、物品検索受付に際し、検索要求の出力元の位置情報をも受け付け、施設内画像を出力する際の施設内の画像と前記検索要求の出力元の位置情報とに基づいた経路情報をも出力する点において更なる特徴を有している。
【0048】
<機能的構成>
図5は、本実施形態の物品位置表示装置の機能ブロックの一例を示す図である。同図において示されているように、本実施形態の「物品位置表示装置」0500は、「物品関連情報保持部」0501と、「物品検索受付部」0502と、「位置情報取得部」0503と、「施設内画像出力部」0504と、「経路情報出力部」0505と、を有し、物品検索受付部は、「出力元位置情報取得手段」0512をさらに有する。基本的な構成は、実施形態1の
図2を用いて説明した物品位置表示装置と共通するため、以下では相違点である「経路情報出力部」0505と「出力元位置情報取得手段」0512の機能について説明する。
【0049】
「出力元位置情報取得手段」0512は、物品検索受付部において、検索要求の出力元の位置情報をも受け付けるように構成されている。具体的には、検索要求の出力元である端末の位置情報を識別するための情報の取得を受け付けることとなり、例えばGPSを用いた座標情報、磁気センサや加速度センサ、ジャイロセンサなどの一又は複数のセンサを用いた各種情報などが取得対象として考えられる。また、所定範囲内の測位が可能なビーコン等の技術を用いることで、検索要求の出力元の位置情報を測位する構成があってもよい。さらには、カメラ等の撮像装置を用いて撮影された画像の背景等から、撮影場所の位置情報を推計するような構成も採用しうる。当該構成を採用することで、比較的限定された広さの施設内からの検索要求に対し、誤差の少ない好適な経路情報の出力が可能となる。
【0050】
「経路情報出力部」0505は、施設内画像出力部にて出力された施設内の画像と、前記出力元位置情報取得手段にて取得した検索要求の出力元の位置情報とに基づいた経路情報をも出力するように構成されている。ここでの経路情報とは、単に施設内地図などを用いて、出力元の位置と検索対象となる物品の位置とを結ぶ経路を示すような情報であってもよいが、当該経路を複数の静止画像又は動画にて視認可能に構成されることが望ましい。当該構成を採用することにより、施設内構造が複雑であったり、混雑していてメルクマールとなりうる識別子の把握が難しかったりするような場合であっても、実際にユーザが視認している施設内の様子と比較可能な画像とともに経路を把握可能となる。
【0051】
なお、施設外からの検索要求を受け付けたような場合には、施設外から当該施設に入場する入口から検索対象の物品の配置位置までの経路情報を出力することが考えられる。入口が複数あるような場合には、それら複数の入口に対応した複数の経路情報を生成又は取得し、それぞれ出力するような構成が考えられる。遠方から当該施設を訪れるユーザの場合、そもそも当該施設までの経路をも検索して当該検索結果を踏まえて施設に向かっているケースもあり、そのような場合には、当該施設までの経路の検索処理は、本発明以外の機械的処理を通じて行われることになる。そこで当該検索処理機能とのAPI連携などを通じて、施設外から当該施設までの経路と、施設に入場した後の検索対象の物品の配置位置までの経路とを一気通貫に視認可能とするような構成を採用することも考えられる。当該構成を採用することにより、ユーザはいちいち施設外までの経路検索と施設内の経路検索とを都度都度行う手間が軽減される。
【0052】
また、物品関連情報保持部にてユーザが自ら物品識別情報や位置情報を保持させたような場合には、当該保持対象の位置情報を用いて、当該位置までの経路情報を出力するような構成も利用態様の一環として想定されうる。このような場合に本実施形態の構成を採用すれば、大規模駐車場で自己の駐車した自家用車の位置情報を画像とともに把握可能としたり、コンサートやイベント会場において、トイレ等で離席したあとでも、自席の位置情報を容易に把握可能にできるようになる。
【0053】
<具体的な構成>
本実施形態の物品位置表示装置のハードウェア構成は、基本的には、
図3を用いて説明した実施形態1の物品位置表示装置におけるハードウェア構成と同様である。そこで以下については、これまで説明していない「出力元位置情報取得手段」及び「経路情報出力部」の具体的な処理について説明する。
【0054】
(出力元位置情報取得手段の具体的な構成)
出力元位置情報取得手段は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、物品検索受付プログラムの実行に際し、CPUが記憶装置から「出力元位置情報取得サブプログラム」をメインメモリに読み出して実行し、検索要求の出力元の位置情報をも受け付け、物品検索要求の情報ともにメインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0055】
(経路情報出力部の具体的な構成)
経路情報出力部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「経路情報出力プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、施設内画像出力プログラムの実行を通じて出力された施設内の画像と前記検索要求の出力元の位置情報とに基づいた経路情報をも出力する処理を行う。
【0056】
<処理の流れ>
図6は、本実施形態の物品位置表示装置における処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは、以下のステップからなる。最初にステップS0601では、物品を識別する物品識別情報と、当該物品の位置情報とを紐づけて取得する(物品関連情報取得ステップ)。その後ステップS0602では、特定の物品の検索要求を受け付け(物品検索受付ステップ)るが、この際ステップS0612として、当該検索要求の出力元の位置情報をも受け付ける(出力元位置情報取得サブステップ)。その後ステップS0603では、受け付けた検索要求に応じた検索結果に基づき、当該検索対象の物品と紐づけられた位置情報を取得する(位置情報取得ステップ)。そしてステップS0604にて、取得した位置情報に基づいて、施設内の画像を出力する(施設内画像出力ステップ)とともに、ステップS0605において、施設内画像出力ステップにて出力された施設内の画像と出力元位置情報取得サブステップにて取得した前記位置情報に基づいた経路情報をも出力する(経路情報出力ステップ)。
【0057】
<効果>
本実施形態の物品位置表示装置を用いることにより、実施形態1の物品位置表示装置を用いる場合に比べて、ユーザにとって、物品の配置位置のみならず、自らの現在地からの経路までをも把握することが可能となる。
【0058】
<<実施形態3>>
<概要>
本実施形態の物品位置表示装置は、基本的には実施形態2に記載の物品位置表示装置の技術的特徴と同様であるが、施設内画像を出力する際に、検索要求の出力元の位置情報に応じて、出力対象となる施設内画像に対し、検索結果に応じた物品識別情報を重畳表示する点を更なる特徴として備えている。
【0059】
<機能的構成>
図7は、本実施形態の物品位置表示装置の機能ブロックの一例を示す図である。同図において示されているように、本実施形態の「物品位置表示装置」0700は、「物品関連情報保持部」0701と、「物品検索受付部」0702と、「位置情報取得部」0703と、「施設内画像出力部」0704と、を有し、施設内画像出力部は、「拡張現実実現手段」0714をさらに有する。基本的な構成は、実施形態1の
図2を用いて説明した物品位置表示装置の構成と、実施形態2において補足的に説明した構成と共通するため、以下では相違点である「拡張現実実現手段」0714の機能について説明する。
【0060】
「拡張現実実現手段」0714は、施設内画像出力部において、検索要求の出力元の位置情報に応じて、出力対象となる施設内画像に対し、検索結果に応じた物品識別情報を重畳表示するように構成されている。いわゆるAR(拡張現実)に関する技術を用いることで実現が可能であり、例えば、あらかじめ検索対象となる物品の配置位置にマーカとなる画像を配置しておき、検索要求の出力元となる端末のカメラ等の画像読取装置を通じて当該マーカを読み取った場合に、当該マーカと紐づけられる物品の物品識別情報を表示するような構成が考えられる。
【0061】
その他、位置情報を取得する技術的手段に応じた好適な画像表示手段が選択可能に提供されることが望ましく、当該構成を採用することにより、ユーザの電波受信環境に応じた好適な手段を通じて、物品識別情報を視認することが可能となる。
【0062】
なおここで、重畳表示される物品識別情報の種別は特に問わない。ただ、端末のディスプレイの大きさに一定の制約があることを踏まえると、過度に多くの情報を重畳表示する必要性は乏しい。物品の位置情報そのものを物品識別情報として保持しておき、例えば、当該位置情報として物品の配置されている場所を強調的に重畳表示するような構成を採用すれば、それだけで十分ユーザにとって物品の配置位置を把握させることは可能である。そこで例えば、物品の配置されている場所を拡大表示させたり、光沢加工表示したり、矢印や指差し画像を重畳表示させたりするような構成などが考えられる。
【0063】
<具体的な構成>
本実施形態の物品位置表示装置のハードウェア構成は、基本的には、
図3を用いて説明した実施形態1の物品位置表示装置におけるハードウェア構成と、実施形態2において補足的に説明した構成と同様である。そこで以下については、これまで説明していない「拡張現実実現手段」の具体的な処理について説明する。
【0064】
(拡張現実実現手段の具体的な構成)
拡張現実実現手段は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、施設内画像出力プログラムの処理に際し、CPUが記憶装置から「各超現実実現プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、出力元位置情報取得サブプログラムの実行により得られた検索要求の出力元の位置情報を読み出し、当該位置情報に応じて、出力対象となる施設内画像に対し、検索結果に応じた物品識別情報を重畳表示するような処理を行う。
【0065】
<処理の流れ>
図8は、本実施形態の物品位置表示装置における処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS0801では、物品を識別する物品識別情報と、当該物品の位置情報とを紐づけて取得する(物品関連情報取得ステップ)。その後ステップS0802では、特定の物品の検索要求を受け付け(物品検索受付ステップ)、ステップS0803では、受け付けた検索要求に応じた検索結果に基づき、当該検索対象の物品と紐づけられた位置情報を取得する(位置情報取得ステップ)。そしてステップS0804にて、取得した位置情報に基づいて、施設内の画像を出力する(施設内画像出力ステップ)。なおこの際に、ステップS0814として、検索要求の出力元の位置情報に応じて、出力された施設内画像に対し、検索結果に応じた物品識別情報を重畳表示する(拡張現実実現サブステップ)をも行う。
【0066】
<効果>
本実施形態の物品位置表示装置を用いることにより、実施形態1などの物品位置表示装置を用いる場合に比べて、より現実の施設内の外観に即した物品位置を把握することが可能になる。
【符号の説明】
【0067】
0200・・・物品位置表示装置、0201・・・物品関連情報保持部、0202・・・物品検索受付部、0203・・・位置情報取得部、0204・・・施設内画像出力部