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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165450
(43)【公開日】2023-11-16
(54)【発明の名称】表示装置及び表示装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1343 20060101AFI20231109BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20231109BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20231109BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20231109BHJP
【FI】
G02F1/1343
G09F9/00 338
G09F9/30 310
G09F9/30 330
G09F9/30 349C
G09F9/30 349Z
G02F1/1368
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022076447
(22)【出願日】2022-05-06
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】和田 浩明
(72)【発明者】
【氏名】森 純一
(72)【発明者】
【氏名】富田 匠
(72)【発明者】
【氏名】西村 健一
(72)【発明者】
【氏名】秋山 泰人
【テーマコード(参考)】
2H092
2H192
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
2H092GA25
2H092GA50
2H092GA60
2H092HA04
2H092JA24
2H092JA35
2H092JA36
2H092JB23
2H092JB66
2H092JB69
2H092KA08
2H092MA14
2H092MA15
2H092MA18
2H092MA19
2H092MA29
2H092PA06
2H092PA08
2H092PA09
2H092QA06
2H192AA24
2H192CB37
2H192CC32
2H192DA23
2H192EA22
2H192EA43
2H192HA63
2H192JA32
5C094AA06
5C094AA43
5C094AA45
5C094BA03
5C094BA27
5C094BA43
5C094CA19
5C094DA14
5C094EA05
5C094ED15
5C094FA01
5C094FA02
5C094FA04
5C094GB10
5C094JA08
5C094JA20
5G435AA02
5G435AA17
5G435BB05
5G435BB12
5G435CC09
5G435FF13
5G435KK05
(57)【要約】
【課題】配線に新たな金属膜を追加することなく、光の反射に起因する表示品位の低下を抑制する。
【解決手段】表示装置10は、第1基板11と、第1基板11の主面と対向する主面を有する第2基板12と、第1基板11の主面内に配され、開口24OPを有し、光を遮る遮光部24と、第1基板11及び第2基板12の主面内に配され、開口24OPの少なくとも一部により画定される画素PXと、第2基板12の主面内において少なくとも一部が開口24OPと重畳して配される配線であるゲート配線19及び容量配線21と、を備え、配線であるゲート配線19及び容量配線21は、第1基板11側に向けて突出する突部32を有し、突部32は、少なくとも開口24OPと重畳する位置にて間隔を空けて複数配され、表面に曲面32Aを含む。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板の主面と対向する主面を有する第2基板と、
前記第1基板の主面内に配され、開口を有し、光を遮る遮光部と、
前記第1基板及び前記第2基板の主面内に配され、前記開口の少なくとも一部により画定される画素と、
前記第2基板の主面内において少なくとも一部が前記開口と重畳して配される配線と、を備え、
前記配線は、前記第1基板側に向けて突出する突部を有し、
前記突部は、少なくとも前記開口と重畳する位置にて間隔を空けて複数配され、表面に曲面を含む表示装置。
【請求項2】
前記第2基板の主面内において前記配線の下層側に配される下地部を備え、
前記下地部は、複数の前記突部と重畳する位置に複数が配される請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記下地部は、自身の高さを、前記配線の厚さにて除した比率が0.22~1.67の範囲とされる請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
複数の前記突部は、配列間隔が前記配線の幅よりも小さく、前記配線の長さ方向と幅方向とにそれぞれ間隔を空けて配される請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
第1基板の主面内に、少なくとも一部が画素を画定する開口を有し、光を遮る遮光部を設け、
第2基板の主面内に、少なくとも一部が前記開口と重畳して配される配線を設け、
前記第1基板と前記第2基板との主面同士を対向させ、
前記配線の一部に、前記第1基板側に向けて突出し、表面に曲面を含む突部を、少なくとも前記開口と重畳する位置にて間隔を空けて複数設ける表示装置の製造方法。
【請求項6】
前記第2基板に、前記配線を設ける前に、下地膜を成膜してパターニングし、間隔を空けて配される複数の下地部を設ける請求項5記載の表示装置の製造方法。
【請求項7】
前記第2基板に、前記下地膜を成膜してから、非晶質の透明電極膜を成膜し、前記透明電極膜を部分的に結晶化させてから、前記透明電極膜のうちの非晶質の部分を選択的に除去し、残存した結晶化した部分をマスクとして前記下地膜をエッチングする請求項6記載の表示装置の製造方法。
【請求項8】
前記透明電極膜を部分的に結晶化させる際には、前記透明電極膜を150℃~300℃の範囲で20分以上加熱する請求項7記載の表示装置の製造方法。
【請求項9】
前記第2基板に、前記下地膜を成膜してから、フォトレジスト膜を成膜し、前記フォトレジスト膜を部分的に露光してから、前記フォトレジスト膜を現像し、現像した前記フォトレジスト膜をマスクとして前記下地膜をエッチングする請求項6記載の表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、表示装置及び表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示装置の一例として下記特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載の表示装置では、金属遮光膜を、補助容量ラインの抵抗値を下げる低抵抗層と、補助容量ラインを遮光するための低反射遮光層と、これらの合金化反応を抑制するバリアメタル層とから構成し、金属遮光膜の合金化を抑制しつつ、その金属遮光膜自体の低抵抗化を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-137244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載した液晶表示装置では、金属遮光膜に、光の反射を抑制するための低反射遮光層を追加し、さらに低抵抗層と低反射遮光層との合金化反応を抑制するためにバリアメタル層を追加している。このように、低反射遮光層及びバリアメタル層を追加する手法は、製造プロセスに大きな制約を生じさせ、生産設備や生産コスト等の問題から採用できない場合があった。
【0005】
本明細書に記載の技術は、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、配線に新たな金属膜を追加することなく、光の反射に起因する表示品位の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本明細書に記載の技術に関わる表示装置は、第1基板と、前記第1基板の主面と対向する主面を有する第2基板と、前記第1基板の主面内に配され、開口を有し、光を遮る遮光部と、前記第1基板及び前記第2基板の主面内に配され、前記開口の少なくとも一部により画定される画素と、前記第2基板の主面内において少なくとも一部が前記開口と重畳して配される配線と、を備え、前記配線は、前記第1基板側に向けて突出する突部を有し、前記突部は、少なくとも前記開口と重畳する位置にて間隔を空けて複数配され、表面に曲面を含む。
【0007】
(2)また、上記表示装置は、上記(1)に加え、前記第2基板の主面内において前記配線の下層側に配される下地部を備え、前記下地部は、複数の前記突部と重畳する位置に複数が配されてもよい。
【0008】
(3)また、上記表示装置は、上記(2)に加え、前記下地部は、自身の高さを、前記配線の厚さにて除した比率が0.22~1.67の範囲とされてもよい。
【0009】
(4)また、上記表示装置は、上記(1)から上記(3)のいずれかに加え、複数の前記突部は、配列間隔が前記配線の幅よりも小さく、前記配線の長さ方向と幅方向とにそれぞれ間隔を空けて配されてもよい。
【0010】
(5)本明細書に記載の技術に関わる表示装置の製造方法は、第1基板の主面内に、少なくとも一部が画素を画定する開口を有し、光を遮る遮光部を設け、第2基板の主面内に、少なくとも一部が前記開口と重畳して配される配線を設け、前記第1基板と前記第2基板との主面同士を対向させ、前記配線の一部に、前記第1基板側に向けて突出し、表面に曲面を含む突部を、少なくとも前記開口と重畳する位置にて間隔を空けて複数設ける。
【0011】
(6)また、上記表示装置の製造方法は、上記(5)に加え、前記第2基板に、前記配線を設ける前に、下地膜を成膜してパターニングし、間隔を空けて配される複数の下地部を設けてもよい。
【0012】
(7)また、上記表示装置の製造方法は、上記(6)に加え、前記第2基板に、前記下地膜を成膜してから、非晶質の透明電極膜を成膜し、前記透明電極膜を部分的に結晶化させてから、前記透明電極膜のうちの非晶質の部分を選択的に除去し、残存した結晶化した部分をマスクとして前記下地膜をエッチングしてもよい。
【0013】
(8)また、上記表示装置の製造方法は、上記(7)に加え、前記透明電極膜を部分的に結晶化させる際には、前記透明電極膜を150℃~300℃の範囲で20分以上加熱してもよい。
【0014】
(9)また、上記表示装置の製造方法は、上記(6)に加え、前記第2基板に、前記下地膜を成膜してから、フォトレジスト膜を成膜し、前記フォトレジスト膜を部分的に露光してから、前記フォトレジスト膜を現像し、現像した前記フォトレジスト膜をマスクとして前記下地膜をエッチングしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本明細書に記載の技術によれば、配線に新たな金属膜を追加することなく、光の反射に起因する表示品位の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態1に係る液晶パネルの概略的な断面図
図2】液晶パネルに備わるアレイ基板の表示領域における画素配列を示す回路図
図3】液晶パネルに備わる対向基板の表示領域における平面図
図4】液晶パネルの図3のiv-iv線断面図
図5】ゲート配線の表面を示す斜視図
図6】アレイ基板の下地部、容量配線の突部及びゲート絶縁膜を示す断面図
図7】アレイ基板の製造方法において、第1成膜工程及び第2成膜工程を経て下地膜及び透明電極膜が成膜された状態を示す断面図
図8】アレイ基板の製造方法において、第1エッチング工程を経て透明電極膜がエッチングされた状態を示す断面図
図9】アレイ基板の製造方法において、第2エッチング工程を経て下地膜がエッチングされた状態を示す断面図
図10】アレイ基板の製造方法において、第3エッチング工程を経て第1金属膜がエッチングされた状態を示す断面図
図11】製造されたアレイ基板におけるゲート配線付近を、走査電子顕微鏡にて撮像した画像を示す図
図12】実施形態2に係るアレイ基板の製造方法において、第1成膜工程及び第2成膜工程を経て下地膜及びフォトレジスト膜が成膜された状態を示す断面図
図13】アレイ基板の製造方法において、第1露光工程を経てフォトレジスト膜が露光された状態を示す断面図
図14】アレイ基板の製造方法において、第1現像工程を経てフォトレジスト膜が現像された状態を示す断面図
図15】アレイ基板の製造方法において、第1エッチング工程を経て下地膜がエッチングされた状態を示す断面図
図16】アレイ基板の製造方法において、第2エッチング工程を経て第1金属膜がエッチングされた状態を示す断面図
図17】アレイ基板の製造方法において、第3エッチング工程を経てゲート絶縁膜がエッチングされた状態を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施形態1>
実施形態1を図1から図11によって説明する。本実施形態では、液晶パネル(表示装置)10について例示する。なお、各図面の一部にはX軸、Y軸及びZ軸を示しており、各軸方向が各図面で示した方向となるように描かれている。
【0018】
図1を用いて液晶パネル10の概略的な構成について説明する。本実施形態に係る液晶パネル10は、図1に示すように、X軸方向及びY軸方向に沿う主面を有する。液晶パネル10の主面の法線方向は、Z軸方向と一致している。液晶パネル10は、バックライト装置(照明装置)から照射される照明光を利用して画像を表示することが可能とされる。液晶パネル10は、画面の中央側部分が、画像が表示される表示領域とされる。液晶パネル10は、画面における表示領域を取り囲む額縁状の外周側部分が、画像が表示されない非表示領域とされる。
【0019】
液晶パネル10は、図1に示すように、ほぼ透明で優れた透光性を有するガラス製の一対の基板11,12を有する。一対の基板11,12のうち、表側に配されるものが対向基板(第1基板、CF基板)11であり、裏側に配されるものがアレイ基板(第2基板、薄膜トランジスタ基板)12である。対向基板11及びアレイ基板12は、いずれもガラス基板(基板)の内面側に各種の膜が積層形成されてなる。このうちのアレイ基板12は、長辺寸法が対向基板11の同寸法よりも大きい。アレイ基板12の長辺方向についての一方の端部は、対向基板11に対して重なり合うことがなく、ドライバ(信号供給部)13及びフレキシブル基板14が実装されている。ドライバ13は、内部に駆動回路を有するLSIチップからなる。ドライバ13は、フレキシブル基板14によって伝送される各種信号を処理する。ドライバ13は、アレイ基板12に対してCOG(Chip On Glass)実装されている。フレキシブル基板14は、絶縁性及び可撓性を有する合成樹脂材料(例えばポリイミド系樹脂等)からなる基材上に多数本の配線パターン(図示せず)を形成した構成とされる。フレキシブル基板14は、一端側がアレイ基板12に、他端側が外部のコントロール基板(信号供給源)に、それぞれ接続されている。コントロール基板から供給される各種信号は、フレキシブル基板14を介して液晶パネル10に伝送される。
【0020】
液晶パネル10は、図1に示すように、一対の基板11,12間の内部空間に充填される液晶層(媒質層)15を有している。液晶層15は、電界印加に伴って光学特性が変化する物質である液晶分子を含む。液晶層15は、一対の基板11,12間の内部空間を取り囲むシール部16によって封止されている。シール部16は、非表示領域に配され、両基板11,12間の内部空間を全周にわたって取り囲むよう方形の枠状(無端環状)に形成されている。また、一対の基板11,12の外面には、一対の偏光板が貼り付けられている。
【0021】
図2を用いてアレイ基板12の表示領域における画素配列について説明する。アレイ基板12の表示領域における内面側には、図2に示すように、複数ずつのTFT(薄膜トランジスタ、スイッチング素子)17及び画素電極18が、アレイ基板12の面内にて間隔を空けて並んで設けられている。複数ずつのTFT17及び画素電極18は、互いに直交するX軸方向(第1方向)及びY軸方向(第2方向)にそれぞれ間隔を空けて複数ずつマトリクス状(行列状)に並んで配される。TFT17及び画素電極18の周りには、格子状をなすゲート配線(配線、走査配線)19及びソース配線(信号配線)20が取り囲むようにして配設されている。ゲート配線19は、X軸方向に沿って延在し、Y軸方向に画素電極18を挟むよう間隔を空けて複数が並んで配される。ソース配線20は、Y軸方向に沿って延在し、X軸方向に画素電極18を挟むよう間隔を空けて複数が並んで配される。
【0022】
ゲート配線19は、図1に示すように、X軸方向に沿って並ぶ複数のTFT17に備わる各ゲート電極17Aに接続されている。ソース配線20は、Y軸方向に沿って並ぶ複数のTFT17に備わる各ソース電極17Bに接続されている。画素電極18は、TFT17に備わるドレイン電極17Cに接続されている。TFT17は、上記したゲート電極17A、ソース電極17B及びドレイン電極17Cに加えて、半導体部17Dを有する。半導体部17Dは、半導体材料からなり、ソース電極17Bとドレイン電極17Cとに接続される。そして、TFT17は、ゲート配線19に供給される走査信号に基づいて駆動されると、ソース配線20に供給される画像信号(データ信号)に基づいた電位に画素電極18を充電する。
【0023】
アレイ基板12の表示領域における内面側には、図2に示すように、上記したゲート配線19及びソース配線20に加えて、容量配線(配線、補助容量配線)21が設けられている。容量配線21は、X軸方向、つまりゲート配線19に並行して延在する。容量配線21は、ソース配線20と交差するとともに画素電極18を横切って配される。容量配線21は、ゲート配線19に対してY軸方向に間隔を空けた位置に配されている。容量配線21とゲート配線19との間の間隔は、画素電極18のY軸方向の長さよりも小さい。容量配線21のうち、画素電極18と重畳する部分が容量形成部22を構成する。容量配線21は、X軸方向に沿って並ぶ複数の画素電極18を全て横切っており、これらの画素電極18に対してそれぞれ重畳するよう複数(X軸方向の画素電極18の並び数と同数)の容量形成部22を有している。容量配線21は、Y軸方向にゲート配線19を挟むよう間隔を空けて複数が並んで配される。複数の容量配線21の配列間隔は、画素電極18のY軸方向の長さと同じである。容量配線21の設置数は、ゲート配線19の設置数及びY軸方向の画素電極18の並び数と一致している。容量配線21は、所定の電位(例えば後述する共通電極26と同じ電位であってもよいし、共通電極26に対して特定の電位差を保つ電位であってもよい)に保たれる。容量形成部22と、重畳する画素電極18と、の間には静電容量が形成されるので、画素電極18が充電されるとその電位が保持されるようになっている。
【0024】
図3を用いて対向基板11の表示領域における画素配列について説明する。対向基板11の表示領域における内面側には、図3に示すように、カラーフィルタ23及び遮光部(画素間遮光部、ブラックマトリクス)24が設けられている。なお、図3には、アレイ基板12の構成であるゲート配線19、ソース配線20及び容量配線21が、それぞれ二点鎖線にて図示されている。カラーフィルタ23は、青色(B)、緑色(G)及び赤色(R)を呈する。互いに異なる色を呈する複数のカラーフィルタ23は、X軸方向(ゲート配線19の延在方向)に隣り合うよう並んで配される。互いに異なる色を呈する複数のカラーフィルタ23は、Y軸方向(ソース配線20の延在方向)に沿って延在している。このように、互いに異なる色を呈する複数のカラーフィルタ23は、全体としてストライプ状に配列されている。
【0025】
遮光部24は、遮光性を有する遮光性材料(例えばアクリルやポリイミドなどの感光性樹脂材料にカーボンブラックなどの顔料を含有させた材料等)からなる。遮光部24は、バックライト装置などから照射される光を主に吸収することで遮ることができる。表示領域において遮光部24は、図3に示すように、平面形状が略格子状をなしている。遮光部24は、隣り合う画素電極18の間を仕切っている。遮光部24は、アレイ基板12側の少なくともゲート配線19及びソース配線20と平面に視て重畳する配置とされる。なお、遮光部24は、対向基板11の非表示領域にも設けられており、非表示領域ではほぼ全域にわたってベタ状に配されている。
【0026】
表示領域において遮光部24は、図3に示すように、X軸方向に沿って延在する第1遮光部24Aと、Y軸方向に沿って延在して第1遮光部24Aと交差する第2遮光部24Bと、を有する。第1遮光部24A及び第2遮光部24Bは、互いの交差箇所が連ねられている。第1遮光部24Aの設置数が、ゲート配線19の設置数と一致する。第2遮光部24Bの設置数が、ソース配線20の設置数と一致する。第1遮光部24Aは、第2遮光部24Bよりも幅広とされる。第1遮光部24Aは、ゲート配線19の大部分と重畳して配される。第1遮光部24Aは、ゲート配線19の一部とは非重畳とされる。ゲート配線19のうち、交差する2本のソース配線20によって挟まれた部分は、ソース配線20と交差する部分よりも拡幅された拡幅部19Aを含む。拡幅部19Aは、第1遮光部24Aとは非重畳とされる。なお、第1遮光部24Aは、TFT17の一部または全域と重畳していてもよい。第2遮光部24Bは、第1遮光部24Aよりも幅狭とされる。第2遮光部24Bは、ソース配線20のほぼ全域と、容量配線21の一部と、それぞれ重畳して配される。なお、第2遮光部24Bは、TFT17の一部と重畳していてもよい。第2遮光部24Bは、容量配線21のうち、ソース配線20と交差する部分と重畳する。
【0027】
遮光部24は、図3に示すように、開口(画素開口部)24OPを有する。遮光部24の開口24OPは、2つずつの第1遮光部24A及び第2遮光部24Bにより囲まれた領域であり、平面に視て縦長の略方形状をなす。遮光部24の開口24OPは、画素電極18の大部分または全域と重畳する配置とされる。遮光部24の開口24OPは、X軸方向及びY軸方向にそれぞれ間隔を空けて複数がマトリクス状に並んで配される。画素電極18及びカラーフィルタ23の透過光は、遮光部24の開口24OPを透過し、液晶パネル10の外部へ出光される。ゲート配線19のうち、拡幅部19Aは、遮光部24の開口24OPと重畳している。容量配線21のうち、画素電極18を横切る部分(2本のソース配線20に挟まれた部分、容量形成部22)は、遮光部24の開口24OPと重畳している。
【0028】
図4を用いて液晶パネル10における画素電極18(画素PX)をX軸方向に沿って切断した断面構成を説明する。図4は、容量配線21と重畳する位置の断面構成を示す。対向基板11に備わるカラーフィルタ23は、図4に示すように、アレイ基板12に備わる画素電極18と平面に視て重畳する配置とされている。対向基板11において互いに異なる色を呈する複数のカラーフィルタ23は、その境界(色境界)がアレイ基板12のソース配線20と重畳する配置とされる。この液晶パネル10においては、X軸方向に沿って並ぶ赤色、緑色及び青色を呈する各カラーフィルタ23と、各カラーフィルタ23と対向する3つの画素電極18と、が3色の画素PXをそれぞれ構成している。そして、この液晶パネル10においては、X軸方向に隣り合うR,G,Bの3色の画素PXによって所定の階調のカラー表示を可能な表示画素が構成されている。画素PXにおけるY軸方向の配列ピッチは、X軸方向の配列ピッチの3倍程度とされる。遮光部24の複数の開口24OPは、各画素PXのそれぞれと重畳して配される。つまり、画素PXは、遮光部24の開口24OPによって画定されている。遮光部24における開口24OPの数は、画素PXの数と一致する。遮光部24を構成する第1遮光部24Aは、Y軸方向に隣り合う2つの画素PX間を仕切る(図3を参照)。第2遮光部24Bは、X軸方向に隣り合う2つの画素PX(カラーフィルタ23)間を仕切る。また、対向基板11のうち、カラーフィルタ23の上層側(液晶層15側、アレイ基板12側)には、平坦化のために対向基板11のほぼ全域にわたってベタ状に配されるオーバーコート膜25が設けられている。
【0029】
続いて、アレイ基板12に備わる画素電極18及び共通電極26に関して説明する。アレイ基板12の表示領域における内面側には、図4に示すように、全ての画素電極18と重畳する形で共通電極26が、画素電極18よりも上層側に形成されている。共通電極26は、表示領域のほぼ全域にわたって延在している。共通電極26には、共通配線が接続されており、共通配線によって共通電位(基準電位)の共通電位信号(基準電位信号)が供給される。共通配線には、フレキシブル基板14が接続されており、コントロール基板から共通電位信号が供給されている(図1を参照)。共通電極26のうち、各画素電極18と重畳する部分には、スリット26Aが複数ずつ開口形成されている。なお、スリット26Aの具体的な設置本数等は、図示以外にも適宜に変更可能である。TFT17の駆動に伴って画素電極18が充電されると、互いに重畳する画素電極18と共通電極26との間に電位差が生じる。すると、画素電極18とスリット26Aの開口縁との間には、アレイ基板12の板面に沿う成分に加えて、アレイ基板12の板面に対する法線方向の成分を含むフリンジ電界(斜め電界)が生じる。このフリンジ電界を利用することで液晶層15に含まれる液晶分子の配向状態を制御することができる。つまり、本実施形態に係る液晶パネル10は、動作モードがFFS(Fringe Field Switching)モードとされている。また、対向基板11及びアレイ基板12における最内面には、それぞれ液晶層15に含まれる液晶分子を配向させるための配向膜が設けられている。
【0030】
ここで、アレイ基板12の内面側に積層形成された各種の膜について図4を参照しつつ説明する。アレイ基板12には、図4に示すように、下層側(ガラス基板側)から順に第1金属膜(第1導電膜)、ゲート絶縁膜28、半導体膜、第2金属膜(第2導電膜)、第1層間絶縁膜29、平坦化膜30、第1透明電極膜、第2層間絶縁膜31、第2透明電極膜、配向膜が積層形成されている。さらには、アレイ基板12には、最下層(第1金属膜の下層側)に位置して下地膜27が設けられている(図8を参照)。
【0031】
第1金属膜及び第2金属膜は、それぞれ銅、チタン、アルミニウム、モリブデン、タングステンなどの中から選択される1種類の金属材料からなる単層膜または異なる種類の金属材料からなる積層膜や合金とされることで導電性及び遮光性を有している。第1金属膜は、ゲート配線19、容量配線21及びTFT17のゲート電極17Aなどを構成する。第2金属膜は、ソース配線20、TFT17のソース電極17B及びドレイン電極17Cなどを構成する。半導体膜は、材料として例えば酸化物半導体、アモルファスシリコンなどを用いた薄膜からなり、TFT17の半導体部17Dなどを構成する。特に、半導体膜の材料として酸化物半導体を用いた場合は、アモルファスシリコンを用いた場合に比べると、充電能力等が高いことから、TFT17の小型化を図る上で好適である。TFT17が小型化されれば、各画素PXの開口率を高めることができる。第1透明電極膜及び第2透明電極膜は、透明電極材料(例えばITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)など)からなる。第1透明電極膜は、画素電極18などを構成する。第2透明電極膜は、共通電極26などを構成する。配向膜は、既述した通りである。
【0032】
下地膜27、ゲート絶縁膜28、第1層間絶縁膜29及び第2層間絶縁膜31は、それぞれ窒化ケイ素(SiN)、酸化ケイ素(SiO)等の無機材料(無機絶縁材料)からなる。平坦化膜30は、例えばPMMA(アクリル樹脂)などの有機材料(有機絶縁材料)からなる。有機材料からなる平坦化膜30の膜厚は、無機材料からなるゲート絶縁膜28、第1層間絶縁膜29及び第2層間絶縁膜31の膜厚よりも大きい。この平坦化膜30によりアレイ基板12の内面(液晶層15側の面)が平坦化される。ゲート絶縁膜28は、下層側の第1金属膜と、上層側の半導体膜及び第2金属膜と、を絶縁状態に保つ。例えば、第1金属膜からなるゲート配線19及び容量配線21と、第2金属膜からなるソース配線20と、の各交差箇所は、ゲート絶縁膜28により絶縁状態に保たれる。また、第1金属膜からなるゲート電極17Aと、半導体膜からなる半導体部17Dと、の重畳箇所は、ゲート絶縁膜28により絶縁状態に保たれる。第1層間絶縁膜29及び平坦化膜30は、下層側の半導体膜及び第2金属膜と、上層側の第1透明電極膜と、を絶縁状態に保つ。例えば、第2金属膜からなるソース配線20と、第1透明電極膜からなる画素電極18と、は、第1層間絶縁膜29及び平坦化膜30により絶縁状態に保たれる。第2層間絶縁膜31は、下層側の第1透明電極膜と、上層側の第2透明電極膜と、を絶縁状態に保つ。例えば、第1透明電極膜からなる画素電極18と、第2透明電極膜からなる共通電極26と、の重畳箇所は、第2層間絶縁膜31により絶縁状態に保たれる。また、第1金属膜からなる容量配線21と、第1透明電極膜からなる画素電極18と、の重畳箇所は、ゲート絶縁膜28、第1層間絶縁膜29及び平坦化膜30により絶縁状態に保たれる。
【0033】
ところで、本実施形態に係る液晶パネル10に備わる画素PX(遮光部24の開口24OP)のうち、ゲート配線19の拡幅部19A及び容量配線21と重畳する部分は、図3に示すように、それぞれゲート配線19及び容量配線21によってバックライト装置からの光が遮られる。一方、液晶パネル10に対して表側外部から入射する外光の一部は、遮光部24の開口24OPを通してゲート配線19及び容量配線21の一部ずつに当たって反射される。このとき、仮に光が鏡面反射されると、反射光によって表示品位が低下するおそれがある。具体的には、画素PXを黒表示(最小階調表示)しているにも拘わらず、ゲート配線19及び容量配線21のうちの開口24OPと重畳する部分によって外光が鏡面反射されると、その反射光によって画素PXが黒表示されなくなる。その結果、コントラスト性能が低下するおそれがある。
【0034】
これに対し、本実施形態に係るアレイ基板12に備わるゲート配線19及び容量配線21には、図5及び図6に示すように、表側(対向基板11側)に向けて突出する突部32がそれぞれ設けられている。図5は、ゲート配線19を拡大した斜視図である。図6は、容量配線21を拡大した断面図である。なお、図6には、ゲート絶縁膜28を含めてその下層側の構造(容量配線21及び下地部33)を図示している。突部32は、略半球状をなしており、表面に曲面(球面)32Aを含んでいる。本実施形態では、突部32の表面が、ほぼ全域にわたって曲面32Aとされる。突部32は、ゲート配線19及び容量配線21のそれぞれの全域にわたって複数ずつ設けられている。従って、突部32は、ゲート配線19及び容量配線21のうち、遮光部24の開口24OPと重畳する位置にて間隔を空けて複数ずつ配されている。詳しくは、突部32は、ゲート配線19のうち、遮光部24の開口24OPと重畳する部分である拡幅部19Aに間隔を空けて複数配されている。突部32は、容量配線21のうち、遮光部24の開口24OPと重畳する部分である、画素電極18を横切る部分(容量形成部22)に間隔を空けて複数配されている。このようにすれば、液晶パネル10に対して表側外部から入射する外光が、遮光部24の開口24OPを通してゲート配線19の拡幅部19Aや容量配線21のうちの画素電極18を横切る部分(容量形成部22)に照射された場合、その外光を突部32の曲面32Aによって拡散反射することができる。ゲート配線19及び容量配線21による反射光が拡散されることで、ゲート配線19及び容量配線21が外部から視認され難くなるので、黒表示された画素PXが明るく視認されるのを避けることができ、結果としてコントラスト性能が良好に保たれる。これにより、ゲート配線19及び容量配線21により外光が反射されることに起因して表示品位の低下が抑制される。しかも、従来のように、ゲート配線19及び容量配線21に低反射のための金属膜や合金化を抑制するためのバリアメタルを新たに追加する必要がない。
【0035】
ゲート配線19及び容量配線21に設けられる複数の突部32は、図5及び図6に示すように、アレイ基板12の主面に沿って二次元的にランダムに並んで配されている。詳しくは、アレイ基板12の主面内において隣り合う2つずつの突部32は、並び方向及び配列間隔がいずれも不規則になっている。隣り合う2つの突部32の配列間隔の最小値は、ゲート配線19及び容量配線21の各幅寸法のいずれよりも小さい。以上のことから、複数の突部32には、ゲート配線19及び容量配線21の長さ方向であるX軸方向と、ゲート配線19及び容量配線21の幅方向であるY軸方向と、にそれぞれ間隔を空けて配される複数ずつの突部32が含まれている。このようにすれば、ゲート配線19及び容量配線21の長さ方向と幅方向とにそれぞれ間隔を空けて配される複数の突部32の表面に含まれる各曲面32Aによって外光が拡散反射されることで、ゲート配線19及び容量配線21が外部からより視認され難くなる。これにより、ゲート配線19及び容量配線21により外光が反射されることに起因する表示品位の低下が好適に抑制される。なお、ゲート配線19及び容量配線21において、隣り合う2つの突部32の間には、フラットな面が存在し得る。フラットな面では、外光が鏡面反射される可能性があるものの、その周りには複数の突部32が存在している。従って、フラットな面の周りに存在する複数の突部32の各曲面32Aによって外光が拡散反射されれば、ゲート配線19及び容量配線21が外部から十分に視認され難くなる。
【0036】
アレイ基板12の主面内には、図6に示すように、ゲート配線19及び容量配線21の下層側に配される下地部33が設けられている。下地部33は、ゲート配線19及び容量配線21を構成する第1金属膜の下層側に配される下地膜27により構成されている。そして、下地部33は、複数の突部32と重畳する位置に複数が配されている。このようにすれば、ゲート配線19及び容量配線21のうち、下地部33と重畳する部分が、下地部33に乗り上げることで、突部32となっている。複数の下地部33をアレイ基板12の主面内に配することで、ゲート配線19及び容量配線21に複数の突部32を容易に設けることができる。
【0037】
下地部33の高さは、図6に示すように、ゲート配線19及び容量配線21の厚さよりも小さい。具体的には、ゲート配線19及び容量配線21の厚さが、例えば150nm~450nm程度とされるのに対し、下地部33の高さは、例えば100nm~250nm程度とされる。より詳しくは、下地部33の高さを、ゲート配線19及び容量配線21の厚さにて除した比率は、0.22~1.67の範囲とされる。仮に、下地部33の高さをゲート配線19及び容量配線21の厚さにて除した比率が0.22未満の場合は、ゲート配線19及び容量配線21のうち下地部33と重畳する部分が殆ど突出しない可能性が高くなる。仮に、下地部33の高さをゲート配線19及び容量配線21の厚さにて除した比率が1.67を超過する場合は、ゲート配線19及び容量配線21の突部32の表面に曲面32Aが生じ難くなるおそれがある。その点、下地部33の高さを、ゲート配線19及び容量配線21の厚さにて除した比率が0.22~1.67の範囲であれば、ゲート配線19及び容量配線21に突部32が設けられる確実性が十分に高くなるとともに、突部32の表面に曲面32Aが生じる確実性が十分に高くなる。また、下地部33の幅は、例えば40nm~150nm程度とされる。また、下地部33の配列間隔は、例えば1μm前後とされる。
【0038】
本実施形態は以上のような構造であり、続いて液晶パネル10の製造方法を説明する。液晶パネル10の製造に際しては、対向基板11及びアレイ基板12をそれぞれ既知のフォトリソグラフィ法により製造し、製造された対向基板11とアレイ基板12との主面同士を対向させるとともにその間に液晶層15及びシール部16を介在させた状態で、対向基板11及びアレイ基板12を貼り合わせる。以下では、図7から図10を用いてアレイ基板12の製造手順の一部(下地部33をパターニングしてからゲート絶縁膜28を成膜するまで)を説明する。なお、図7から図10には、突部32を有するゲート配線19及び容量配線21の中から代表して容量配線21が図示されているが、ゲート配線19も同様である。
【0039】
まず、アレイ基板12の表面に下地膜27を成膜する(第1成膜工程)。その後、図7に示すように、下地膜27の上層側に透明電極膜34を成膜する(第2成膜工程)。ここで成膜される透明電極膜34は、第1透明電極膜及び第2透明電極膜と同様に、透明電極材料(例えばITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)など)からなる。本実施形態では、透明電極膜34の透明電極材料としてITOを用いる。透明電極膜34の透明電極材料であるITOは、酸化インジウム(In)と酸化錫(SnO)とを含有しており、このうちの酸化錫の含有比率(重量割合)は、10wt%前後とされる。成膜される透明電極膜34は、結晶化されておらず、非晶質とされる。
【0040】
その後、アレイ基板12をアニール処理(加熱処理、結晶化処理)し、透明電極膜34を部分的に結晶化させる(部分結晶化工程)。アニール処理では、非晶質の透明電極膜34が、150℃~300℃の範囲で20分以上加熱される。ここで、仮に、透明電極膜34を加熱する際の温度が150℃未満だったり、加熱する時間が20分未満だったりすると、非晶質の透明電極膜34が全く結晶化しないか、十分に結晶化しない可能性が高くなる。仮に、透明電極膜34を加熱する際の温度が300℃以上であると、透明電極膜34が過度に結晶化する可能性が高くなる。その点、透明電極膜34を加熱する際の温度が150℃~300℃の範囲とされ、加熱する時間が20分以上とされることで、透明電極膜34の一部を適度に結晶化することができる。
【0041】
次に、部分的に結晶化した透明電極膜34をウェットエッチングする(第1エッチング工程)。すると、図8に示すように、透明電極膜34のうち、非晶質の部分が選択的に除去され、結晶化した部分(以下、結晶化部34Aという)が選択的に残存する。なお、図8には、ウェットエッチングされる前の透明電極膜34の表面形状が二点鎖線にて図示されている。残存した透明電極膜34の結晶化部34Aは、下地膜27から表側に突出している。透明電極膜34の結晶化部34Aは、複数が、アレイ基板12の主面に沿って二次元的にランダムに並んで配される。また、透明電極膜34の結晶化部34Aの高さや平面に視た大きさ(径)は、アニール処理の条件に応じて変化し、加熱時間が長かったり、加熱温度が高かったりするほど、大きくなる傾向にある。図8には、結晶化部34Aの高さが透明電極膜34の膜厚よりも小さい場合が例示されている。
【0042】
続いて、透明電極膜34の結晶化部34Aをマスクとして用い、下地膜27をドライエッチングする(第2エッチング工程)。すると、下地膜27のうち、結晶化部34Aとは非重畳とされる部分が選択的に除去され、結晶化部34Aと重畳する部分が選択的に残存する。その後、図9に示すように、透明電極膜34の結晶化部34Aをアッシングして除去する(アッシング工程)。これにより、透明電極膜34の全てがアレイ基板12から除去される。なお、図9には、ドライエッチングされる前の下地膜27の表面形状が二点鎖線にて図示されている。ドライエッチングを経て下地膜27のうちの残存した部分が、下地部33となる。このように、部分的に結晶化させた透明電極膜34の結晶化部34Aをマスクとして用いて下地膜27をパターニングすることで、下地部33を設けるようにしているので、微細でランダムな配置の下地部33を容易に設けることができる。下地部33の幅や高さは、下地膜27をドライエッチングする時間や出力などを制御することで適宜に調整することが可能である。
【0043】
その後、下地部33の上層側に第1金属膜及びレジスト膜を順次に成膜する。それから、露光装置及びフォトマスクを用いてフォトレジスト膜を露光・現像し、現像されたフォトレジスト膜を介して第1金属膜をウェットエッチングする(第3エッチング工程)。すると、図10に示すように、容量配線21が形成される。このとき、ゲート配線19及びTFT17のゲート電極17Aも形成される(図2を参照)。なお、フォトレジスト膜は、アッシングにより除去される。少なくとも容量配線21及びゲート配線19の下層側には、それぞれ複数の下地部33が設けられているので、容量配線21及びゲート配線19のうちの下地部33と重畳する部分は、下地部33に乗り上げることになる。これにより、容量配線21及びゲート配線19のうちの下地部33と重畳する部分は、下地部33とは非重畳とされる部分に対して表側に突出する突部32となる。下地部33の高さを、ゲート配線19及び容量配線21の厚さにて除した比率は、0.22~1.67の範囲とされているので、形成される突部32の表面は、ほぼ全域にわたって半球状の曲面32Aとなる。その後、ゲート絶縁膜28及びフォトレジスト膜を順次に成膜し、露光装置及びフォトマスクを用いてフォトレジスト膜を露光・現像し、現像されたフォトレジスト膜を介して、図6に示すように、ゲート絶縁膜28をドライエッチングする(第4エッチング工程)。それから、半導体膜、第2金属膜、第1層間絶縁膜29、平坦化膜30、第1透明電極膜、第2層間絶縁膜31、第2透明電極膜、配向膜が順次に成膜・パターニングされることで、アレイ基板12が製造される。
【0044】
上記した製造方法を経て製造されたアレイ基板12におけるゲート配線19付近を、走査電子顕微鏡(SEM)にて撮像した画像が、図11に示されている。図11に示される画像における左右方向の長さは、10μm程度である。図11によれば、複数の下地部33が図11の左右方向に間隔を空けてランダムに配されているのが分かる。図11によれば、複数の下地部33の上層側に配されるゲート配線19のうち、各下地部33と重畳する部分が、表側に突出する、複数の突部32となっていることが分かる。そして、図11によれば、複数の突部32の表面が曲面32Aとなっていることが分かる。この突部32の曲面32Aによって外光を拡散反射することができる。
【0045】
以上説明したように本実施形態の液晶パネル(表示装置)10は、対向基板(第1基板)11と、対向基板11の主面と対向する主面を有するアレイ基板(第2基板)12と、対向基板11の主面内に配され、開口24OPを有し、光を遮る遮光部24と、対向基板11及びアレイ基板12の主面内に配され、開口24OPの少なくとも一部により画定される画素PXと、アレイ基板12の主面内において少なくとも一部が開口24OPと重畳して配される配線であるゲート配線19及び容量配線21と、を備え、配線であるゲート配線19及び容量配線21は、対向基板11側に向けて突出する突部32を有し、突部32は、少なくとも開口24OPと重畳する位置にて間隔を空けて複数配され、表面に曲面32Aを含む。
【0046】
遮光部24の開口24OPの少なくとも一部により画定される画素PXによって画像の表示が可能となる。遮光部24は、配線であるゲート配線19及び容量配線21の少なくとも一部に対して開口24OPが重畳する形成範囲とされているので、画素PXの開口率を向上させることができる。配線であるゲート配線19及び容量配線21は、少なくとも一部が遮光部24の開口24OPと重畳して配されているので、開口24OPと重畳する部分によって外光が反射されると、その反射光によって表示品位が低下することが懸念される。その点、配線であるゲート配線19及び容量配線21の突部32は、少なくとも遮光部24の開口24OPと重畳する位置にて間隔を空けて複数配され、表面に曲面32Aが含まれているから、外光を曲面32Aによって拡散反射することができる。配線であるゲート配線19及び容量配線21による反射光が拡散されることで、配線であるゲート配線19及び容量配線21が外部から視認され難くなる。これにより、配線であるゲート配線19及び容量配線21により外光が反射されることに起因する表示品位の低下が抑制される。従来のように、配線であるゲート配線19及び容量配線21に低反射のための金属膜や合金化を抑制するためのバリアメタルを新たに追加する必要がない。
【0047】
また、アレイ基板12の主面内において配線であるゲート配線19及び容量配線21の下層側に配される下地部33を備え、下地部33は、複数の突部32と重畳する位置に複数が配される。配線であるゲート配線19及び容量配線21のうち、下地部33と重畳する部分が、下地部33に乗り上げることで、突部32となっている。複数の下地部33をアレイ基板12の主面内に配することで、配線であるゲート配線19及び容量配線21に複数の突部32を設けることができる。
【0048】
また、下地部33は、自身の高さを、配線であるゲート配線19及び容量配線21の厚さにて除した比率が0.22~1.67の範囲とされる。仮に、下地部33の高さを配線であるゲート配線19及び容量配線21の厚さにて除した比率が0.22未満の場合は、配線であるゲート配線19及び容量配線21のうち下地部33と重畳する部分が殆ど突出しない可能性が高くなる。仮に、下地部33の高さを配線であるゲート配線19及び容量配線21の厚さにて除した比率が1.67を超過する場合は、配線であるゲート配線19及び容量配線21の突部32の表面に曲面32Aが生じ難くなるおそれがある。その点、下地部33の高さを配線であるゲート配線19及び容量配線21の厚さにて除した比率が0.22~1.67の範囲であれば、配線であるゲート配線19及び容量配線21に突部32が設けられる確実性が十分に高くなるとともに、突部32の表面に曲面32Aが生じる確実性が十分に高くなる。
【0049】
また、複数の突部32は、配列間隔が配線であるゲート配線19及び容量配線21の幅よりも小さく、配線であるゲート配線19及び容量配線21の長さ方向と幅方向とにそれぞれ間隔を空けて配される。配線であるゲート配線19及び容量配線21の長さ方向と幅方向とにそれぞれ間隔を空けて配される複数の突部32の表面に含まれる各曲面32Aによって外光が拡散反射されることで、配線であるゲート配線19及び容量配線21が外部からより視認され難くなる。これにより、配線であるゲート配線19及び容量配線21により外光が反射されることに起因する表示品位の低下が好適に抑制される。
【0050】
本実施形態に係る液晶パネル10の製造方法は、対向基板11の主面内に、少なくとも一部が画素PXを画定する開口24OPを有し、光を遮る遮光部24を設け、アレイ基板12の主面内に、少なくとも一部が開口24OPと重畳して配される配線であるゲート配線19及び容量配線21を設け、対向基板11とアレイ基板12との主面同士を対向させ、配線であるゲート配線19及び容量配線21の一部に、対向基板11側に向けて突出し、表面に曲面32Aを含む突部32を、少なくとも開口24OPと重畳する位置にて間隔を空けて複数設ける。
【0051】
対向基板11の主面内に遮光部24を設け、アレイ基板12の主面内に配線であるゲート配線19及び容量配線21を設けてから、対向基板11とアレイ基板12との主面同士を対向させることで、当該液晶パネル10が製造される。遮光部24は、配線であるゲート配線19及び容量配線21の少なくとも一部に対して開口24OPが重畳する形成範囲とされているので、画素PXの開口率を向上させることができる。配線であるゲート配線19及び容量配線21は、少なくとも一部が遮光部24の開口24OPと重畳して配されているので、開口24OPと重畳する部分によって外光が反射されると、その反射光によって表示品位が低下することが懸念される。その点、配線であるゲート配線19及び容量配線21を設ける際には、配線であるゲート配線19及び容量配線21の一部に、対向基板11側に向けて突出し、表面に曲面32Aを含む突部32を、少なくとも開口24OPと重畳する位置にて間隔を空けて複数設けているから、外光を各突部32の曲面32Aによって拡散反射することができる。配線であるゲート配線19及び容量配線21による反射光が拡散されることで、配線であるゲート配線19及び容量配線21が外部から視認され難くなる。これにより、配線であるゲート配線19及び容量配線21により外光が反射されることに起因する表示品位の低下が抑制される。従来のように、配線であるゲート配線19及び容量配線21に低反射のための金属膜や合金化を抑制するためのバリアメタルを新たに追加する必要がない。
【0052】
また、アレイ基板12に、配線であるゲート配線19及び容量配線21を設ける前に、下地膜27を成膜してパターニングし、間隔を空けて配される複数の下地部33を設ける。下地膜27を成膜し、パターニングすることで、複数の下地部33を設けてから、配線であるゲート配線19及び容量配線21を設ける。すると、配線であるゲート配線19及び容量配線21のうち、複数の下地部33と重畳する部分が、各下地部33に乗り上げることで、複数の突部32となる。
【0053】
また、アレイ基板12に、下地膜27を成膜してから、非晶質の透明電極膜34を成膜し、透明電極膜34を部分的に結晶化させてから、透明電極膜34のうちの非晶質の部分を選択的に除去し、残存した結晶化した部分をマスクとして下地膜27をエッチングする。非晶質の透明電極膜34を成膜し、透明電極膜34を部分的に結晶化させる。透明電極膜34のうちの非晶質の部分を選択的に除去し、結晶化した部分を残存させる。透明電極膜34のうちの残存した結晶化した部分をマスクとして下地膜27をエッチングすることで、下地部33を設けることができる。このように、非晶質の透明電極膜34を部分的に結晶化させる手法を採れば、フォトリソグラフィ法で用いられるフォトマスクの解像限度を超えるような微細な下地部33を容易に設けることができる。
【0054】
また、透明電極膜34を部分的に結晶化させる際には、透明電極膜34を150℃~300℃の範囲で20分以上加熱する。仮に、透明電極膜34を加熱する際の温度が150℃未満だったり、加熱する時間が20分未満だったりすると、非晶質の透明電極膜34が十分に結晶化しない可能性が高くなる。仮に、透明電極膜34を加熱する際の温度が300℃以上であると、透明電極膜34が過度に結晶化する可能性が高くなる。その点、透明電極膜34を加熱する際の温度が150℃~300℃の範囲とされ、加熱する時間が20分以上とされることで、透明電極膜34の一部を適度に結晶化することができる。これにより、微細な下地部33をより容易に設けることができる。
【0055】
<実施形態2>
実施形態2を図12から図17によって説明する。この実施形態2では、アレイ基板112の製造手順を変更した場合を示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0056】
本実施形態では、アレイ基板112の製造過程において、下地膜127をエッチングする際に、パターニングしたフォトレジスト膜35をマスクとして用いている。具体的なアレイ基板112の製造手順について、図12から図17を用いて説明する。
【0057】
アレイ基板112の表面に下地膜127を成膜し(第1成膜工程)、続いて、図12に示すように、下地膜127の上層側にフォトレジスト膜35を成膜する(第2成膜工程)。本実施形態では、フォトレジスト膜35は、ポジ型の感光性レジスト材料からなる。その後、図13に示すように、露光装置及びフォトマスク36を用いてフォトレジスト膜35を露光する(第1露光工程)。ここで用いられるフォトマスク36について説明する。フォトマスク36は、十分に高い透光性を有する透明な基材36Aと、基材36Aの板面に形成される遮光膜36Bと、を備える。遮光膜36Bは、露光装置の光源からの露光光を遮光し、部分的な開口36Cを有する。フォトマスク36は、遮光膜36Bの形成範囲が光を遮る遮光領域とされ、開口36Cの形成範囲(遮光膜36Bの非形成範囲)が光を透過する透過領域とされている。遮光膜36Bは、アレイ基板112における下地部133(図15を参照)に対して重畳する位置に配されている。開口36Cは、アレイ基板112における下地部133に対して非重畳となる位置に配されている。
【0058】
第1露光工程では、このような構成のフォトマスク36を介してフォトレジスト膜35が選択的に露光される。その後、図14に示すように、フォトレジスト膜35が現像されると、フォトレジスト膜35のうちの露光部分(フォトマスク36の開口36Cと重畳する部分)が、現像液によって溶解される速度、つまり溶解速度が早いので除去される。一方、フォトレジスト膜35のうちの非露光部分(フォトマスク36の遮光膜36Bと重畳する部分)については溶解速度が遅くなっていて残存することになる。以上により、フォトマスク36を用いたフォトレジスト膜35のパターニングがなされる。フォトレジスト膜35の残存部35Aは、フォトマスク36における遮光膜36Bのパターン設計に応じた大きさ・配置となっている。従って、本実施形態の製造方法によれば、上記した実施形態1に比べると、フォトレジスト膜35の残存部35Aの設計自由度が高くなっている。図14では、複数の残存部35Aが全て同一の大きさで、等間隔に並ぶ配列を例示しているが、具体的な残存部35Aの大きさや配置に関しては、図示以外にも適宜に変更が可能である。
【0059】
続いて、フォトレジスト膜35の残存部35Aをマスクとして用い、下地膜127をドライエッチングする(第1エッチング工程)。すると、下地膜127のうち、残存部35Aとは非重畳とされる部分が選択的に除去され、残存部35Aと重畳する部分が選択的に残存する。その後、図15に示すように、フォトレジスト膜35の残存部35Aをアッシングして除去する(アッシング工程)。これにより、フォトレジスト膜35の全てがアレイ基板112から除去される。ドライエッチングを経て下地膜127のうちの残存した部分が、下地部133となる。形成された下地部133の大きさや配置には、フォトレジスト膜35の残存部35Aのパターンが反映されている。既述した通り、フォトレジスト膜35の残存部35Aの設計自由度が十分に高められているので、下地部133の設計自由度も十分に高くなっている。従って、例えばゲート配線19や容量配線121のうち、遮光部24の開口24OP(図3を参照)と重畳する部分にのみ下地部133を選択的に配置することが可能となる。これ以外にも、下地部133の配置は、適宜に変更可能である。
【0060】
その後、下地部133の上層側に第1金属膜及びレジスト膜を順次に成膜する。それから、露光装置及びフォトマスクを用いてフォトレジスト膜を露光・現像し、現像されたフォトレジスト膜を介して第1金属膜をウェットエッチングする(第2エッチング工程)。すると、図16に示すように、容量配線121が形成される。このとき、ゲート配線19及びTFT17のゲート電極17Aも形成される(図2を参照)。なお、フォトレジスト膜は、アッシングにより除去される。少なくとも容量配線121及びゲート配線19の下層側には、それぞれ複数の下地部133が設けられているので、容量配線121及びゲート配線19のうちの下地部133と重畳する部分は、下地部133に乗り上げることになる。これにより、容量配線121及びゲート配線19のうちの下地部133と重畳する部分は、下地部133とは非重畳とされる部分に対して表側に突出する突部132となる。その後、ゲート絶縁膜128及びフォトレジスト膜を順次に成膜し、露光装置及びフォトマスクを用いてフォトレジスト膜を露光・現像し、現像されたフォトレジスト膜を介して、図17に示すように、ゲート絶縁膜128をドライエッチングする(第3エッチング工程)。
【0061】
以上説明したように本実施形態によれば、アレイ基板112に、下地膜127を成膜してから、フォトレジスト膜35を成膜し、フォトレジスト膜35を部分的に露光してから、フォトレジスト膜35を現像し、現像したフォトレジスト膜35をマスクとして下地膜127をエッチングする。フォトリソグラフィ法によりパターニングされたフォトレジスト膜35をマスクとして下地膜127をエッチングすることで、下地部133を設けることができる。
【0062】
<他の実施形態>
本明細書が開示する技術は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されず、例えば次のような実施形態も技術的範囲に含まれる。
【0063】
(1)突部32,132の高さ、幅、配列間隔などの具体的な数値は、適宜に変更可能である。
【0064】
(2)突部32,132の具体的な設置数、平面に視た大きさ、配置などは、図示以外にも適宜に変更可能である。
【0065】
(3)突部32,132の表面(曲面32Aを含む)の具体的な形状などは、図示以外にも適宜に変更可能である。例えば、突部32,132の表面の一部に非曲面(平坦面など)が含まれてもよい。つまり、突部32,132の表面の全域が曲面32Aでなくてもよい。
【0066】
(4)遮光部24の具体的な平面形状(遮光パターン)は、適宜に変更可能である。例えば、遮光部24が第2遮光部24Bのみにより構成されてもよい。つまり、遮光部24は、Y軸方向に沿って延在する縦長の帯状に形成されていてもよい。この場合、遮光部24の開口24OPが、Y軸方向に沿って延在する縦長の帯状となる。従って、ゲート配線19及び容量配線21,121のうち、少なくともY軸方向に沿って延在する縦長の帯状の開口24OPと重畳する部分に突部32,132及び下地部33,133を設ければよい。
【0067】
(5)上記(4)以外にも、遮光部24が第1遮光部24Aのみにより構成されてもよい。つまり、遮光部24は、X軸方向に沿って延在する横長の帯状に形成されていてもよい。この場合、遮光部24の開口24OPが、X軸方向に沿って延在する横長の帯状となる。従って、ゲート配線19、ソース配線20及び容量配線21,121のうち、少なくともX軸方向に沿って延在する横長の帯状の開口24OPと重畳する部分に突部32,132及び下地部33,133を設ければよい。
【0068】
(6)実施形態1において、ゲート配線19及び容量配線21のうち、遮光部24の開口24OPと重畳する位置に選択的に突部32を設けることも可能である。
【0069】
(7)実施形態2において、ゲート配線19及び容量配線121のそれぞれの全域にわたって突部132を設けることも可能である。
【0070】
(8)実施形態1において、部分結晶化工程での加熱温度や加熱時間の具体的な数値は、適宜に変更可能である。
【0071】
(9)実施形態1において、第1エッチング工程で透明電極膜34をドライエッチングしてもよい。
【0072】
(10)実施形態1において、第2エッチング工程で下地膜27をウェットエッチングしてもよい。
【0073】
(11)実施形態1において、第3エッチング工程で第1金属膜をドライエッチングしてもよい。
【0074】
(12)実施形態1において、第4エッチング工程でゲート絶縁膜28をウェットエッチングしてもよい。
【0075】
(13)実施形態2において、第1エッチング工程で下地膜127をウェットエッチングしてもよい。
【0076】
(14)実施形態2において、第2エッチング工程で第1金属膜をドライエッチングしてもよい。
【0077】
(15)実施形態2において、第3エッチング工程でゲート絶縁膜128をウェットエッチングしてもよい。
【0078】
(16)実施形態2において、下地膜127のパターニングに用いるフォトレジスト膜35は、ネガ型の感光性レジスト材料でもよい。
【0079】
(17)突部32,132が設けられる配線は、ゲート配線19及び容量配線21,121以外の配線であってもよい。例えば、アレイ基板12,112に、共通電極26に共通電位を供給するための共通配線が設けられる場合、共通配線に突部32,132を設けることも可能である。それ以外にも、アレイ基板12,112に、タッチ検出のためのタッチ電極やタッチ電極に信号を供給するためのタッチ配線が設けられる場合、タッチ配線に突部32,132を設けることも可能である。
【0080】
(18)下地膜27,127は、金属材料、透明電極材料、半導体材料により構成されてもよく、また有機材料により構成されてもよい。
【0081】
(19)半導体膜の材料は、アモルファスシリコンや低温ポリシリコンでもよい。
【0082】
(20)カラーフィルタ23は、アレイ基板12,112に設けられてもよい。その場合、画素PXを構成する画素電極18及びカラーフィルタ23が共にアレイ基板12,112に設けられることになり、対向基板11には、画素PXの構成要素が設けられない。
【0083】
(21)画素PXは、アレイ基板12,112に設けられた自発光素子により構成されてもよい。その場合、画素電極18及びカラーフィルタ23を共に省略したり、画素電極18のみを省略したりすることが可能となる。
【0084】
(22)画素PXの色数は、4色以上でもよい。追加する画素PXは、黄色の波長領域に含まれる黄色光を出射可能な黄色画素や全波長領域の光を出射可能な白色画素等であってもよい。
【0085】
(23)液晶パネル10の表示モードは、FFSモード以外にもIPS(In Plane Switching)モード、VA(Vertical Alignment)モード、TN(Twisted Nematic)モードなどでもよい。
【0086】
(24)液晶パネル10以外にも、有機EL表示パネルでもよい。
【符号の説明】
【0087】
10…液晶パネル(表示装置)、11…対向基板(第1基板)、12,112…アレイ基板(第2基板)、19…ゲート配線(配線)、21,121…容量配線(配線)、24…遮光部、24OP…開口、27,127…下地膜、32,132…突部、32A…曲面、33,133…下地部、34…透明電極膜、PX…画素
図1
図2
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図10
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