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特開2023-165458サーマルプリントヘッド、およびサーマルプリンタ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165458
(43)【公開日】2023-11-16
(54)【発明の名称】サーマルプリントヘッド、およびサーマルプリンタ
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/335 20060101AFI20231109BHJP
【FI】
B41J2/335 101E
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022076464
(22)【出願日】2022-05-06
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(72)【発明者】
【氏名】仲谷 吾郎
【テーマコード(参考)】
2C065
【Fターム(参考)】
2C065GA01
2C065GB01
2C065JE07
2C065JE11
2C065JE15
2C065JE18
(57)【要約】
【課題】 抵抗体層で発生した熱が配線層から逃げることを抑制するのに適したサーマルプリントヘッドを提供する。
【解決手段】 厚さ方向zのz1側を向く主面11を有する基板1と、主面11の上に配置され、主走査方向xに配列された複数の発熱部41を有する抵抗体層4と、主面11の上に配置され、且つ抵抗体層4に導通する配線層3と、を備え、配線層3は、第1層31を含み、第1層31は、第1部311と、副走査方向yにおいて第1部311から離隔し、且つ厚さ方向zに見て抵抗体層4に重なる第3部313と、副走査方向yにおいて第1部311と第3部313との間に位置し、且つ第1部311よりも厚さが小である第2部312と、を有する。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さ方向の一方側を向く主面を有する基板と、
前記主面の上に配置され、主走査方向に配列された複数の発熱部を有する抵抗体層と、
前記主面の上に配置され、且つ前記抵抗体層に導通する配線層と、を備え、
前記配線層は、第1層を含み、
前記第1層は、第1部と、副走査方向において前記第1部から離隔し、且つ前記厚さ方向に見て前記抵抗体層に重なる第3部と、前記副走査方向において前記第1部と前記第3部との間に位置し、且つ前記第1部よりも厚さが小である第2部と、を有する、サーマルプリントヘッド。
【請求項2】
前記第3部の厚さは、前記第1部の厚さと同一である、請求項1に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項3】
前記第1層は、前記副走査方向において前記第2部と前記第3部との間に位置する第4部を有し、
前記第4部の厚さは、前記第3部の厚さと同一である、請求項2に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項4】
前記第2部の前記主走査方向における長さは、前記第1部の前記主走査方向における長さよりも小である、請求項2に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項5】
前記第3部の厚さは、前記第2部の厚さと同一である、請求項1に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項6】
前記配線層は、前記第3部に対して前記副走査方向に離隔して配置され、且つ前記主走査方向に延びる共通部を有し、
前記第2部は、少なくとも前記第3部と前記共通部との間に配置される、請求項1に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項7】
前記第2部は、前記副走査方向において前記第3部を挟んだ両側に配置されている、請求項1に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項8】
前記第1層の構成材料は、銀を含む、請求項1に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項9】
前記第1部の厚さは、5~10μmである、請求項1に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項10】
前記第2部の厚さは、0.5~2μmである、請求項9に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項11】
前記第1部の厚さに対する前記第2部の厚さの割合は、10~20%である、請求項9に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項12】
前記第2部の前記副走査方向に直交する断面の断面積は、前記第1部の前記副走査方向に直交する断面の断面積の10~20%である、請求項1に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項13】
前記主面の上に配置され、且つ前記主面と前記配線層との間に介在するグレーズ層をさらに備える、請求項1に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項14】
前記主面の上に配置され、且つ少なくとも前記抵抗体層を覆う保護層をさらに備える、請求項1に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項15】
請求項1ないし14のいずれかに記載のサーマルプリントヘッドと、
前記複数の発熱部に対向して配置されたプラテンと、を備える、サーマルプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーマルプリントヘッド、およびサーマルプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来のサーマルプリントヘッドの一例が開示されている。同文献に開示のサーマルプリントヘッドは、基板、グレーズ層、電極層、抵抗体層、保護層および駆動ICを備える。基板は、絶縁材料からなる板状の部材であり、たとえばアルミナ(Al23)などのセラミックからなる。グレーズ層は、基板の表面に形成されており、たとえばガラスからなる。電極層は、グレーズ層上に形成されており、抵抗体層に選択的に電流を流すための電流経路を構成している。抵抗体層は、主走査方向に配列された複数の発熱部を有する。駆動ICは、各発熱部に流す電流を制御する。保護層は、少なくとも抵抗体層を覆っている。
【0003】
このような構成のサーマルプリントヘッドにおいて、電極層を介して抵抗体層に対する部分的な通電を行うことにより、抵抗体層(複数の発熱部)において印字に必要な熱が発生する。特許文献1に開示されたサーマルプリントヘッドにおいて、電極層は、たとえばレジネート金(Au)やAu層を積層させることにより形成される。電極層がレジネートAuやAu層からなる構成は、電極層の形成コストが高くつく。これに対し、電極層を金属ペーストの厚膜印刷により形成することで、電極層の形成コストの抑制を図ることができる。しかしながら、電極層を金属ペーストの厚膜印刷により形成する場合、当該電極層の厚さが比較的大きくなる。このように電極層の厚さが大きくなると、抵抗体層の複数の発熱部において発生した熱が抵抗体層(複数の発熱部)と接する電極層から逃げやすくなり、印字品質の低下が懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-147300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、抵抗体層が接する配線層の厚さを大きくする場合においても、抵抗体層で発生した熱が逃げるのを抑制し、印字品質を良好に保つのに適したサーマルプリントヘッドを提供することを主たる課題とする。
【0006】
本開示の第1の側面によって提供されるサーマルプリントヘッドは、厚さ方向の一方側を向く主面を有する基板と、前記主面の上に配置され、主走査方向に配列された複数の発熱部を有する抵抗体層と、前記主面の上に配置され、且つ前記抵抗体層に導通する配線層と、を備え、前記配線層は、第1層を含み、前記第1層は、第1部と、副走査方向において前記第1部から離隔し、且つ前記厚さ方向に見て前記抵抗体層に重なる第3部と、前記副走査方向において前記第1部と前記第3部との間に位置し、且つ前記第1部よりも厚さが小である第2部と、を有する。
【0007】
本開示の第2の側面によって提供されるサーマルプリンタは、本開示の第1の側面に係るサーマルプリントヘッドと、前記複数の発熱部に対向して配置されたプラテンと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、抵抗体層で発生した熱が配線層から逃げるのを抑制することができる。
【0009】
本開示のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示の第1実施形態に係るサーマルプリントヘッドを示す平面図である。
図2図2は、図1のII-II線に沿う概略断面図である。
図3図3は、本開示の第1実施形態に係るサーマルプリントヘッドを示す要部拡大平面図である。
図4図4は、図3のIV-IV線に沿う要部拡大断面図である。
図5図5は、図4の一部を拡大した要部拡大断面図である。
図6図6は、図3のVI-VI線に沿う要部拡大断面図である。
図7図7は、図5の一部を拡大した要部拡大断面図である。
図8図8は、図7のVIII-VIII線に沿う断面図である。
図9図9は、本開示の第1実施形態に係るサーマルプリントヘッドの製造方法の一例の一工程を示す断面図である。
図10図10は、図9に続く工程を示す断面図である。
図11図11は、図10に続く工程を示す断面図である。
図12図12は、図11のXII-XII線に沿う断面図である。
図13図13は、図11に続く工程を示す断面図である。
図14図14は、図13のXIV-XIV線に沿う断面図である。
図15図15は、図13に続く工程を示す断面図である。
図16図16は、本開示の第2実施形態に係るサーマルプリントヘッドを示す要部拡大断面図である。
図17図17は、図16の一部を拡大した要部拡大断面図である。
図18図18は、図17のXVIII-XVIII線に沿う断面図である。
図19図19は、本開示の第2実施形態に係るサーマルプリントヘッドの製造方法の一例の一工程を示す断面図である。
図20図20は、図19に続く工程を示す断面図である。
図21図21は、図20に続く工程を示す断面図である。
図22図22は、図21に続く工程を示す断面図である。
図23図23は、図22のXXIII-XXIII線に沿う断面図である。
図24図24は、図22に続く工程を示す断面図である。
図25図25は、図24のXXV-XXV線に沿う断面図である。
図26図26は、図24に続く工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0012】
本開示における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単にラベルとして用いたものであり、必ずしもそれらの対象物に順列を付することを意図していない。
【0013】
本開示において、「ある物Aがある物Bに形成されている」および「ある物Aがある物B上に形成されている」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bに直接形成されていること」、および、「ある物Aとある物Bとの間に他の物を介在させつつ、ある物Aがある物Bに形成されていること」を含む。同様に、「ある物Aがある物Bに配置されている」および「ある物Aがある物B上に配置されている」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bに直接配置されていること」、および、「ある物Aとある物Bとの間に他の物を介在させつつ、ある物Aがある物Bに配置されていること」を含む。同様に、「ある物Aがある物B上に位置している」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bに接して、ある物Aがある物B上に位置していること」、および、「ある物Aとある物Bとの間に他の物が介在しつつ、ある物Aがある物B上に位置していること」を含む。また、「ある物Aがある物Bにある方向に見て重なる」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bのすべてに重なること」、および、「ある物Aがある物Bの一部に重なること」を含む。また、本開示において「ある面Aが方向B(の一方側または他方側)を向く」とは、面Aの方向Bに対する角度が90°である場合に限定されず、面Aが方向Bに対して傾いている場合を含む。
【0014】
<第1実施形態>
図1図8は、本開示の第1実施形態に係るサーマルプリントヘッドを示している。本実施形態のサーマルプリントヘッドA1は、基板1、グレーズ層2、配線層3、抵抗体層4、保護層5、複数のワイヤ61、駆動IC71、保護樹脂72およびコネクタ73を備えている。
【0015】
図1は、サーマルプリントヘッドA1を示す平面図である。図2は、図1のII-II線に沿う概略断面図である。図3は、サーマルプリントヘッドA1を示す要部拡大平面図である。図4は、図3のIV-IV線に沿う要部拡大断面図である。図5は、図4の一部を拡大した要部拡大断面図である。図6は、図3のVI-VI線に沿う要部拡大断面図である。図7は、図5の一部を拡大した要部拡大断面図である。図8は、図7のVIII-VIII線に沿う断面図である。なお、理解の便宜上、図1図3図7および図8においては、保護層5を省略している。図4においては、コネクタ73を省略している。また、これらの図において、基板1の厚さ方向を「厚さ方向z」という。図2図4の上方は、「厚さ方向zの一方側」であり、「厚さ方向zのz1側」と呼ぶ。図2図4の下方は、「厚さ方向zの他方側」であり、「厚さ方向zのz2側」と呼ぶ。また、「平面視」とは、厚さ方向zに見たときをいう。さらに、サーマルプリントヘッドA1における主走査方向を「主走査方向x」といい、サーマルプリントヘッドA1における副走査方向を「副走査方向y」という。副走査方向yについては、図1図3の下方(図2図4の左方)は印刷媒体が送られてくる上流側であり、「副走査方向yのy1側」と呼ぶ。図1図3の上方(図2図4の右方)は印刷媒体が排出される下流側であり、「副走査方向yのy2側」と呼ぶ。
【0016】
サーマルプリントヘッドA1は、印刷媒体82に印字を施するサーマルプリンタPr(図2参照)に組み込まれるものである。サーマルプリンタPrは、サーマルプリントヘッドA1およびプラテンローラ81を備える。プラテンローラ81は、サーマルプリントヘッドA1に正対する。印刷媒体82は、サーマルプリントヘッドA1とプラテンローラ81との間に挟まれ、このプラテンローラ81によって、副走査方向yに搬送される。このような印刷媒体82としては、たとえばバーコードシールおよびレシートを作成するための感熱紙が挙げられる。プラテンローラ81に替えて、平坦なゴムからなるプラテンを使用してもよい。このプラテンは、大きな曲率半径を有する円柱状のゴムにおける、断面視して弓形状の一部を含む。本開示において、「プラテン」という用語は、プラテンローラ81と平坦なプラテンとの双方を含む。
【0017】
基板1は、たとえばAl23などのセラミックからなり、その厚さがたとえば0.5~1.5mm程度とされている。図1に示すように、基板1は、主走査方向xに長く延びる長矩形状とされている。基板1は、主面11を有する。主面11は、厚さ方向zのz1側を向く。グレーズ層2、配線層3、抵抗体層4、保護層5、駆動IC71および保護樹脂72の各々は、基板1の主面11上に配置されている。コネクタ73は、外部の機器との接続を行うためのものであり、たとえば、基板1の副走査方向yのy1側の端部に設けられている。
【0018】
グレーズ層2は、基板1上に配置されており、例えば非晶質ガラスなどのガラス材料からなる。このガラス材料の軟化点は、たとえば800~850℃である。本実施形態のグレーズ層2は、一定の厚みを有するように形成されており、厚さ方向zのz1側を向く略平坦なグレーズ主面21を有している。グレーズ層2の厚みは、たとえば10~300μmである。
【0019】
サーマルプリントヘッドA1は、いわゆる厚膜型と呼ばれる構成を備えており、厚膜印刷を利用して製作される。グレーズ層2は、ガラスペーストを基板1上に厚膜印刷したのちに、これを焼成することにより形成されている。グレーズ層2は、厚膜形成技術によって形成されている。
【0020】
配線層3は、抵抗体層4に通電するための経路を構成するためのものであり、グレーズ層2のグレーズ主面21上に配置されている。配線層3は、抵抗体層4の比抵抗値よりも小さな比抵抗値を有するように形成されている。配線層3は、第1層31を含んで構成される。本実施形態においては、配線層3は主に第1層31からなる。第1層31は、たとえば銀(Ag)を主成分とした導電体からなる。第1層31(配線層3)の厚さの一例を挙げると、第1層31の厚さは、たとえば5~10μm程度である。なお、第1層31の構成材料は特に限定されない。第1層31の構成材料としてAgの他にたとえばAuや銅(Cu)が挙げられるが、コスト面や耐酸化性を考慮すると、第1層31の構成材料はAgが好適である。
【0021】
図3図6に示すように、配線層3は、共通電極32、複数の個別電極33、複数の信号配線部36および複数のパッド部37を有している。
【0022】
共通電極32は、共通部321および複数の共通電極帯状部322を有する。具体的には、共通部321は、抵抗体層4に対して副走査方向yのy2側に配置されており、主走査方向xに沿って延びている。複数の共通電極帯状部322は、各々が共通部321から副走査方向yのy1側に延びており、主走査方向xに等ピッチで配列されている。共通部321の形成領域の面積は、比較的大きい。なお、共通部321においては、第1層31の上に他の金属層が積層された構成としてもよい。
【0023】
複数の個別電極33は、抵抗体層4に対して部分的に通電するためのものであり、共通電極32に対して逆極性となる部位である。個別電極33は、抵抗体層4から駆動IC71に向かって延びている。複数の個別電極33は、主走査方向xに配列されており、各々が個別電極帯状部34および連結部35を有している。
【0024】
各個別電極帯状部34は、副走査方向yに延びた帯状部分であり、共通電極32の隣り合う2つの共通電極帯状部322の間に位置している。連結部35は、個別電極帯状部34から駆動IC71に向かって延びる部分であり、そのほとんどが副走査方向yに沿った部位および副走査方向yに対して傾斜した部位を有している。連結部35は、副走査方向yのy1側において、主走査方向xに比較的狭い間隔で配列されている。当該副走査方向yのy1側において隣り合う連結部35どうしの間隔は、たとえば100μm以下程度となっている。
【0025】
複数の信号配線部36は、コネクタ73と駆動IC71とに接続される配線パターンを構成している。図4においては1つの信号配線部36のみ表れているが、複数の信号配線部36は、駆動IC71の近傍において、主走査方向xに配列されるとともに各々が副走査方向yに延びている。なお、サーマルプリントヘッドA1に使用される駆動IC71は、通常、長矩形状の平面形状を有する(図1参照)。駆動IC71の長辺は、抵抗体層4が延びる方向である主走査方向xに沿う。
【0026】
図3図4に示すように、複数のパッド部37は、複数のワイヤ61を介して駆動IC71と接続される部分である。複数のパッド部37は、主走査方向xおよび副走査方向yに複数ずつ配列されている。複数のパッド部37は、複数の連結部35(個別電極33)のいずれかの副走査方向yのy1側の端部、または複数の信号配線部36のいずれかの副走査方向yのy2側の端部につながっている。複数のパッド部37の各々には、駆動IC71と接続するためのワイヤ61がボンディングされている。本実施形態において、複数のパッド部37のうち主走査方向xに隣り合う連結部35につながるものは、副走査方向yに互い違いに配置されている。これにより、複数の連結部35につながる複数のパッド部37は、連結部35のほとんどの部位よりも幅が大きいにも関わらず、たがいに干渉することが回避されている。
【0027】
抵抗体層4は、配線層3を構成する材料よりも抵抗率が高い、たとえば酸化ルテニウムなどからなり、主走査方向xに延びる帯状に形成されている。図3に示すように、抵抗体層4は、共通電極32の複数の共通電極帯状部322と複数の個別電極33の個別電極帯状部34とに交差している。さらに、抵抗体層4は、共通電極32の複数の共通電極帯状部322と複数の個別電極33の個別電極帯状部34に対して基板1とは反対側に積層されている。抵抗体層4のうち各共通電極帯状部322と各個別電極帯状部34とに挟まれた部位が、配線層3によって部分的に通電されることにより発熱する発熱部41とされている。1個の個別電極帯状部34を挟んで隣り合う2個の発熱部41の発熱によって1個の印字ドットが形成される。抵抗体層4の厚さは、たとえば1~10μm程度である。
【0028】
図5図8に示すように、第1層31は、第1部311、第2部312、第3部313および第4部314を有する。これら第1部311、第2部312、第3部313および第4部314は、抵抗体層4の周辺に配置されている。
【0029】
本実施形態において、第1層31は、第1部311、第2部312、第3部313および第4部314は、各共通電極帯状部322および各個別電極帯状部34に配置されている。第1部311は、抵抗体層4に対して副走査方向yのy1側および副走査方向yのy2側に位置する。第3部313は、副走査方向yにおいて第1部311から離隔しており、平面視(厚さ方向z視)において抵抗体層4に重なっている。図7に示すように、第3部313の厚さt3は、第1部311の厚さt1と同一である。ここで、第3部313の厚さt3と第1部311の厚さt1とが同一であるとは、厚さt3と厚さt1が一致する場合だけでなく、製造上の誤差等に起因して多少異なる場合を含むものとする。後述する寸法関係の「同一」についてもこれと同様に、製造上の誤差等に起因して多少異なる場合を含む。
【0030】
第2部312は、副走査方向yにおいて第1部311と第3部313との間に位置する。本実施形態において、第2部312は、副走査方向yにおいて第3部313を挟んだ両側(副走査方向yのy1側および副走査方向yのy2側)に配置されている。図5に示すように、各共通電極帯状部322に設けられた第2部312の1つは、副走査方向yにおいて共通部321と第3部313との間に配置されている。
【0031】
図7図8に示すように、第2部312の厚さt2は、第1部311の厚さt1よりも小である。図8に示すように、第2部312の主走査方向xにおける長さL2は、第1部311の主走査方向xにおける長さL1よりも小である。本実施形態において、第2部312は、たとえば第1層31の一部を等方性エッチングにより除去することで形成される。第2部312の厚さt2は、共通電極帯状部322および個別電極帯状部34における厚さの最小値である。第2部312の主走査方向xにおける長さL2は、共通電極帯状部322および個別電極帯状部34の主走査方向xにおける長さの最小値である。
【0032】
第1部311の厚さt1は、第1層31の厚さに相当し、たとえば5~10μm程度である。第2部312の厚さt2は、たとえば0.5~2μm程度である。第1部311の厚さt1に対する第2部312の厚さt2の割合は、たとえば10~20%である。第2部312の副走査方向yに直交する断面の断面積は、第1部311の副走査方向yに直交する断面の断面積の10~20%である。
【0033】
第4部314は、副走査方向yにおいて第2部312と第3部313との間に位置する。第4部314は、副走査方向yにおいて第3部313に隣接し、且つ第3部313につながる部位である。図7に示すように、第4部314の厚さt4は、第3部313の厚さt3と同一である。本実施形態において、第2部312が副走査方向yにおいて第3部313を挟んだ両側(副走査方向yのy1側および副走査方向yのy2側)に配置されていることに対応して、第4部314は、副走査方向yにおいて第3部313を挟んだ両側に配置されている。なお、図示した例と異なり、第4部314は、第3部313に対して副走査方向yのy1側または副走査方向yのy2側のいずれか一方に設けられてもよい。
【0034】
保護層5は、配線層3および抵抗体層4を保護するためのものである。保護層5は、たとえば非晶質ガラスからなる。ただし、保護層5は、配線層3のうち複数のパッド部37を含む領域を露出させている。図4に示すように、保護層5は、複数の開口59を有する。各開口59は、保護層5を厚さ方向zに貫通する。複数の開口59はそれぞれ、パッド部37を露出させている。
【0035】
駆動IC71は、複数の個別電極33を選択的に通電させることにより、抵抗体層4を部分的に発熱させる機能を果たす。図1図4に示すように、駆動IC71は、抵抗体層4(複数の発熱部41)に対して副走査方向yのy1側に配置されている。本実施形態において、グレーズ層2上に複数の駆動IC71が配置されている。駆動IC71には、複数のパッドが設けられている。図4に示すように、駆動IC71のパッドと複数のパッド部37とは、それぞれにボンディングされた複数のワイヤ61を介して接続されている。ワイヤ61は、たとえばAuからなる。図2および図4に示すように、駆動IC71は、保護樹脂72によって覆われている。保護樹脂72は、たとえば黒色の軟質樹脂からなる。また、駆動IC71とコネクタ73とは、上記複数の信号配線部36によって接続されている。駆動IC71には、コネクタ73を介して外部から送信される印字信号、制御信号および複数の発熱部41に供給される電圧が入力される。複数の発熱部41は、印字信号および制御信号にしたがって個別に通電されることにより、選択的に発熱させられる。
【0036】
次に、サーマルプリントヘッドA1の製造方法の一例について、図9図15を参照して、以下に説明する。図9図11図13図15はそれぞれ、サーマルプリントヘッドA1の製造方法の一工程を示す断面図であって、図7に示す断面に対応する。
【0037】
まず、図9に示すように、基板1を準備する。基板1は、たとえばAl23などのセラミックからなり、所定の厚さを有する。基板1は、主面11を有する。主面11は、略平坦であり、厚さ方向zのz1側を向く。
【0038】
次いで、図10に示すように、グレーズ層2を形成する。グレーズ層2の形成は、基板1の主面11上にガラスペーストを厚膜印刷した後に、これを焼成することにより行う。
【0039】
次に、図11に示すように、第1膜31Kを形成する。第1膜31Kの形成においては、グレーズ層2のグレーズ主面21上にAgを含むペーストを厚膜印刷した後に、これを焼成することにより、金属膜を形成する。この第1膜31Kの形成により、図12に示すように、共通電極帯状部322(共通電極32)および個別電極帯状部34(個別電極33)に相当する部位が形成される。
【0040】
次いで、図13図14に示すように、第1膜31Kに対して選択的にエッチング(たとえば等方性エッチング)を施すことにより、第2部312を有する第1層31(配線層3)が形成される。
【0041】
次いで、図15に示すように、抵抗体層4を形成する。抵抗体層4の形成は、たとえば酸化ルテニウムなどの抵抗体を含む抵抗体ペーストを厚膜印刷し、これを焼成することによって行う。次に、保護層5を形成する。保護層5の形成は、たとえばガラスペーストを厚膜印刷によって保護層5を形成すべき領域に塗布し、これを焼成することによって行う。この後は、駆動IC71の搭載およびワイヤ61のボンディング、保護樹脂72の形成やコネクタ73の取り付けなどを行うことにより、サーマルプリントヘッドA1が得られる。
【0042】
次に、サーマルプリントヘッドA1の使用方法の一例について簡単に説明する。
【0043】
サーマルプリントヘッドA1は、サーマルプリンタPrに組み込まれた状態で使用される。図2に示したように、当該プリンタ内において、サーマルプリントヘッドA1の各発熱部41はプラテンローラ81に対向している。当該プリンタの使用時には、プラテンローラ81が回転することにより、感熱紙などの印刷媒体82が、副走査方向yに沿ってプラテンローラ81と各発熱部41との間に一定速度で送給される。印刷媒体82は、プラテンローラ81によって保護層5のうち各発熱部41を覆う部分に押しあてられる。一方、図3に示した各個別電極33には、駆動IC71によって選択的に電位が付与される。これにより、共通電極32と複数の個別電極33の各々との間に電圧が印加される。そして、複数の発熱部41には選択的に電流が流れ、熱が発生する。そして、各発熱部41にて発生した熱は、保護層5を介して印刷媒体82に伝わる。そして、印刷媒体82上の主走査方向xに線状に延びるライン領域に、複数のドットが印刷される。また、各発熱部41にて発生した熱は、グレーズ層2にも伝わり、グレーズ層2にて蓄えられる。
【0044】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0045】
配線層3の第1層31は、第1部311、第2部312および第3部313を含む。第3部313は、副走査方向yにおいて第1部311から離隔しており、平面視(厚さ方向z視)において抵抗体層4に重なっている。第2部312は、副走査方向yにおいて第1部311と第3部313との間に位置する。第2部312の厚さt2は、第1部311の厚さt1よりも小である。このような厚さt2が小さい第2部312を有する構成によれば、抵抗体層4で発生した熱が、当該抵抗体層4と接する第3部313から第2部312を通じて第1部311へ逃げるのを抑制することができる。したがって、抵抗体層4(複数の発熱部41)で発生した熱が配線層3(第1層31)から逃げるのを抑制し、印字品質を良好に維持することができる。
【0046】
図5に示したように、第2部312は、第3部313と共通電極32の共通部321との間に配置されている。このような構成によれば、抵抗体層4(複数の発熱部41)で発生した熱が、比較的大面積である共通部321側へ逃げるのを効果的に抑制することができる。さらに、第2部312は、副走査方向yにおいて第3部313を挟んだ両側(副走査方向yのy1側および副走査方向yのy2側)に配置されている。これにより、抵抗体層4(複数の発熱部41)で発生した熱が配線層3(第1層31)から逃げることをより効果的に抑制することができる。このことは、印字品質を高める上で好ましい。
【0047】
第1層31は、第4部314を有する。第4部314は、副走査方向yにおいて第2部312と第3部313との間に位置する。第4部314の厚さt4は、第3部313の厚さt3と同一である。このような構成によれば、抵抗体層4が積層された第3部313は、副走査方向yにおいて第4部314を間に挟んで第2部312から離隔している。これにより、第3部313上に抵抗体層4を安定して配置することができる。
【0048】
第1部311の厚さt1に対する第2部312の厚さt2の割合は、たとえば10~20%である。第2部312の副走査方向yに直交する断面の断面積は、第1部311の副走査方向yに直交する断面の断面積の10~20%である。このような構成によれば、抵抗体層4で発生した熱が第2部312を通じて第1部311へ逃げるのを適切に抑制することができる。また、第1層31の構成材料はAgを含む。Agは導電率が高く、第1層31の第2部312において断面積が狭められても、第1層31全体として適切に電流経路を構成することができる。
【0049】
<第2実施形態>
図16図18は、本開示の第2実施形態に係るサーマルプリントヘッドを示している。本実施形態のサーマルプリントヘッドA2の基本構造はサーマルプリントヘッドA1と同様であり、詳細な図示説明は省略する。サーマルプリントヘッドA2は、図1図8に示した上記実施形態のサーマルプリントヘッドA1と同様に、基板1、グレーズ層2、配線層3、抵抗体層4、保護層5、複数のワイヤ61、駆動IC71、保護樹脂72およびコネクタ73を備えている。本実施形態のサーマルプリントヘッドA2においては、配線層3(第1層31)における第1部311、第2部312、第3部313および第4部314の構成が上記実施形態のサーマルプリントヘッドA1と異なっている。
【0050】
本実施形態において、第3部313の厚さt3は、第2部312の厚さt2と同一であり、第1部311の厚さt1よりも小である。このような厚さが同一の第2部312および第3部313は、たとえば第1層31の一部をハーフエッチング処理により除去することで形成される。本実施形態では、第1層31において第4部314が設けられていない。
【0051】
第1部311の厚さt1および第2部312の厚さt2は、上述のサーマルプリントヘッドA1と同様の範囲である。第1部311の厚さt1は、たとえば5~10μm程度である。第2部312の厚さt2は、たとえば0.5~2μm程度である。第1部311の厚さt1に対する第2部312の厚さt2の割合は、たとえば10~20%である。また、本実施形態においては、第2部312の主走査方向xにおける長さは、第1部311の主走査方向xにおける長さと同一である。第2部312の副走査方向yに直交する断面の断面積は、第1部311の副走査方向yに直交する断面の断面積の10~20%である。
【0052】
次に、サーマルプリントヘッドA2の製造方法の一例について、図19図26を参照して、以下に説明する。図19図22図24図26はそれぞれ、サーマルプリントヘッドA2の製造方法の一工程を示す断面図であって、図17に示す断面に対応する。
【0053】
まず、図19に示すように、基板1を準備する。基板1は、たとえばAl23などのセラミックからなり、所定の厚さを有する。基板1は、主面11を有する。主面11は、略平坦であり、厚さ方向zのz1側を向く。
【0054】
次いで、図20に示すように、グレーズ層2を形成する。グレーズ層2の形成は、基板1の主面11上にガラスペーストを厚膜印刷した後に、これを焼成することにより行う。
【0055】
次に、図21に示すように、第1膜31Kを形成する。第1膜31Kの形成においては、グレーズ層2のグレーズ主面21上にAgを含むペーストを厚膜印刷した後に、これを焼成することにより、金属膜を形成する。本実施形態においては、グレーズ層2上の大半の領域を覆うように、略一定厚さの第1膜31Kが形成される。この段階では、第1膜31Kは、共通電極32や個別電極33の区別なく主走査方向xおよび副走査方向yにおいて一連に拡がる領域に形成される。
【0056】
次いで、図22図23に示すように、第1膜31Kの一部に対してたとえばハーフエッチング処理を施すことにより、凹部312Kが形成される。凹部312Kは、厚さ方向zのz1側を向く底面が略平坦であり、副走査方向yに一定長さを有し、且つ主走査方向xにおいて一連に延びている。
【0057】
次いで、図24図25に示すように、第1膜31Kに対してエッチング等を用いたパターニングを施すことにより、第2部312を有する第1層31(配線層3)が形成される。この第1層31の形成により、図25に示すように、共通電極帯状部322(共通電極32)および個別電極帯状部34(個別電極33)に相当する部位が形成される。
【0058】
次いで、図26に示すように、抵抗体層4を形成する。抵抗体層4の形成は、たとえば酸化ルテニウムなどの抵抗体を含む抵抗体ペーストを厚膜印刷し、これを焼成することによって行う。次に、保護層5を形成する。保護層5の形成は、たとえばガラスペーストを厚膜印刷によって保護層5を形成すべき領域に塗布し、これを焼成することによって行う。この後は、駆動IC71の搭載およびワイヤ61のボンディング、保護樹脂72の形成やコネクタ73の取り付けなどを行うことにより、サーマルプリントヘッドA2が得られる。
【0059】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0060】
配線層3の第1層31は、第1部311、第2部312および第3部313を含む。第3部313は、副走査方向yにおいて第1部311から離隔しており、平面視(厚さ方向z視)において抵抗体層4に重なっている。第2部312は、副走査方向yにおいて第1部311と第3部313との間に位置する。第2部312の厚さt2は、第1部311の厚さt1よりも小である。このような厚さt2が小さい第2部312を有する構成によれば、抵抗体層4で発生した熱が、当該抵抗体層4と接する第3部313から第2部312を通じて第1部311へ逃げるのを抑制することができる。したがって、抵抗体層4(複数の発熱部41)で発生した熱が配線層3(第1層31)から逃げるのを抑制し、印字品質を良好に維持することができる。
【0061】
図16に示したように、第2部312は、第3部313と共通電極32の共通部321との間に配置されている。このような構成によれば、抵抗体層4(複数の発熱部41)で発生した熱が、比較的大面積である共通部321側へ逃げるのを効果的に抑制することができる。さらに、第2部312は、副走査方向yにおいて第3部313を挟んだ両側(副走査方向yのy1側および副走査方向yのy2側)に配置されている。これにより、抵抗体層4(複数の発熱部41)で発生した熱が配線層3(第1層31)から逃げることをより効果的に抑制することができる。このことは、印字品質を高める上で好ましい。その他にも、上記実施形態のサーマルプリントヘッドA1と同様の構成の範囲において、上記実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0062】
本開示に係るサーマルプリントヘッドは、上述した実施形態に限定されるものではない。本開示に係るサーマルプリントヘッドの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0063】
本開示は、以下の付記に関する構成を含む。
【0064】
〔付記1〕
厚さ方向の一方側を向く主面を有する基板と、
前記主面の上に配置され、主走査方向に配列された複数の発熱部を有する抵抗体層と、
前記主面の上に配置され、且つ前記抵抗体層に導通する配線層と、を備え、
前記配線層は、第1層を含み、
前記第1層は、第1部と、副走査方向において前記第1部から離隔し、且つ前記厚さ方向に見て前記抵抗体層に重なる第3部と、前記副走査方向において前記第1部と前記第3部との間に位置し、且つ前記第1部よりも厚さが小である第2部と、を有する、サーマルプリントヘッド。
〔付記2〕
前記第3部の厚さは、前記第1部の厚さと同一である、付記1に記載のサーマルプリントヘッド。
〔付記3〕
前記第1層は、前記副走査方向において前記第2部と前記第3部との間に位置する第4部を有し、
前記第4部の厚さは、前記第3部の厚さと同一である、付記2に記載のサーマルプリントヘッド。
〔付記4〕
前記第2部の前記主走査方向における長さは、前記第1部の前記主走査方向における長さよりも小である、付記2または3に記載のサーマルプリントヘッド。
〔付記5〕
前記第3部の厚さは、前記第2部の厚さと同一である、付記1に記載のサーマルプリントヘッド。
〔付記6〕
前記配線層は、前記第3部に対して前記副走査方向に離隔して配置され、且つ前記主走査方向に延びる共通部を有し、
前記第2部は、少なくとも前記第3部と前記共通部との間に配置される、付記1ないし5のいずれかに記載のサーマルプリントヘッド。
〔付記7〕
前記第2部は、前記副走査方向において前記第3部を挟んだ両側に配置されている、付記1ないし5のいずれかに記載のサーマルプリントヘッド。
〔付記8〕
前記第1層の構成材料は、銀を含む、付記1ないし7のいずれかに記載のサーマルプリントヘッド。
〔付記9〕
前記第1部の厚さは、5~10μmである、付記1ないし8のいずれかに記載のサーマルプリントヘッド。
〔付記10〕
前記第2部の厚さは、0.5~2μmである、付記9に記載のサーマルプリントヘッド。
〔付記11〕
前記第1部の厚さに対する前記第2部の厚さの割合は、10~20%である、付記9または10に記載のサーマルプリントヘッド。
〔付記12〕
前記第2部の前記副走査方向に直交する断面の断面積は、前記第1部の前記副走査方向に直交する断面の断面積の10~20%である、付記1ないし11のいずれかに記載のサーマルプリントヘッド。
〔付記13〕
前記主面の上に配置され、且つ前記主面と前記配線層との間に介在するグレーズ層をさらに備える、付記1ないし12のいずれかに記載のサーマルプリントヘッド。
〔付記14〕
前記主面の上に配置され、且つ少なくとも前記抵抗体層を覆う保護層をさらに備える、付記1ないし13のいずれかに記載のサーマルプリントヘッド。
〔付記15〕
付記1ないし14のいずれかに記載のサーマルプリントヘッドと、
前記複数の発熱部に対向して配置されたプラテンと、を備える、サーマルプリンタ。
【0065】
A1,A2:サーマルプリントヘッド
Pr :サーマルプリンタ
1 :基板
11 :主面
2 :グレーズ層
21 :グレーズ主面
3 :配線層
31 :第1層
31K :第1膜
311 :第1部
312 :第2部
312K :凹部
313 :第3部
314 :第4部
32 :共通電極
321 :共通部
322 :共通電極帯状部
33 :個別電極
34 :個別電極帯状部
35 :連結部
36 :信号配線部
37 :パッド部
4 :抵抗体層
41 :発熱部
5 :保護層
59 :開口
61 :ワイヤ
71 :駆動IC
72 :保護樹脂
73 :コネクタ
81 :プラテンローラ
82 :印刷媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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