(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165460
(43)【公開日】2023-11-16
(54)【発明の名称】サーマルプリントヘッド
(51)【国際特許分類】
B41J 2/335 20060101AFI20231109BHJP
【FI】
B41J2/335 101D
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022076467
(22)【出願日】2022-05-06
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】仲谷 吾郎
【テーマコード(参考)】
2C065
【Fターム(参考)】
2C065GA01
2C065GB01
2C065JD05
2C065JD06
2C065JD09
2C065JD11
2C065JD13
2C065JD17
(57)【要約】
【課題】 基板の蓄熱性能を高めつつ、グレーズ層の蓄熱性能を調整することが可能なサーマルプリントヘッドを提供する。
【解決手段】 サーマルプリントヘッドA10は、第1方向zを向く主面11を有する基板1と、主面11の少なくとも一部を覆うグレーズ層21と、第1方向zにおいてグレーズ層21を基準として基板1とは反対側に位置する複数の発熱部を含む抵抗体層3と、前記複数の発熱部に導通し、かつ抵抗体層3に接して配置された配線層4とを備える。前記複数の発熱部は、第1方向zに対して直交する第2方向に沿って配列されている。基板1の組成は、二酸化ケイ素を含む。サーマルプリントヘッドA10は、第1方向zにおいて基板1とグレーズ層21との間に位置する中間層22をさらに備える。第1方向zに視て、前記複数の発熱部は、中間層22に重なっている。中間層22の熱伝導率は、基板1の熱伝導率よりも高い。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向を向く主面を有する基板と、
前記主面の少なくとも一部を覆うグレーズ層と、
前記第1方向において前記グレーズ層を基準として前記基板とは反対側に位置する複数の発熱部を含む抵抗体層と、
前記複数の発熱部に導通し、かつ前記抵抗体層に接して配置された配線層と、を備え、
前記複数の発熱部は、前記第1方向に対して直交する第2方向に沿って配列されており、
前記基板の組成は、二酸化ケイ素を含み、
前記第1方向において前記基板と前記グレーズ層との間に位置する中間層をさらに備え、
前記第1方向に視て、前記複数の発熱部は、前記中間層に重なっており、
前記中間層の熱伝導率は、前記基板の熱伝導率よりも高い、サーマルプリントヘッド。
【請求項2】
前記中間層は、前記第2方向に延びている、請求項1に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項3】
前記中間層は、金属元素を含む、請求項2に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項4】
前記中間層は、前記基板および前記グレーズ層に接している、請求項3に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項5】
前記中間層の前記第1方向の寸法は、前記グレーズ層の前記第1方向の寸法よりも小さい、請求項4に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項6】
前記二酸化ケイ素は、前記基板の全体にわたって分布している、請求項5に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項7】
前記グレーズ層のガラス転移点は、前記基板のガラス転移点よりも低い、請求項6に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項8】
前記第1方向および前記第2方向に対して直交する第3方向における前記中間層の寸法は、前記抵抗体層の前記第3方向の寸法よりも大きい、請求項7に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項9】
前記複数の発熱部を覆う保護層をさらに備える、請求項5に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項10】
前記配線層は、共通配線と、複数の個別配線と、を含み、
前記共通配線は、前記複数の発熱部に導通しており、
前記複数の個別配線は、前記複数の発熱部に個別に導通している、請求項9に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項11】
前記保護層は、前記共通配線の一部と、前記複数の個別配線の各々の一部とを覆っている、請求項10に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項12】
前記第1方向に視て、前記共通配線の全体と、前記複数の個別配線の各々の全体とが、前記グレーズ層に重なっている、請求項11に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項13】
前記第1方向に視て、前記共通配線の一部と、前記複数の個別配線の各々の一部とが、前記グレーズ層に重なっており、
前記共通配線と、前記複数の個別配線の各々とは、前記主面に接している、請求項11に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項14】
前記中間層は、前記第1方向において前記主面と前記グレーズ層との間に位置する、請求項12または13に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項15】
前記基板には、前記主面から凹む凹部が設けられており、
前記中間層は、前記凹部に収容されている、請求項12または13に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項16】
前記第1方向において前記基板を基準として前記グレーズ層とは反対側に位置する放熱部材をさらに備え、
前記基板は、前記放熱部材に接合されている、請求項2ないし13のいずれかに記載のサーマルプリントヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーマルプリントヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
サーマルプリントヘッドは、感熱紙などの記録媒体に印字するサーマルプリンタの主たる構成要素である。特許文献1には、サーマルプリントヘッドの一例が開示されている。当該サーマルプリントヘッドは、基板と、基板の上に配置された共通電極および複数の個別電極と、共通電極および複数の個別電極に導通する発熱抵抗体とを備える。共通電極および複数の個別電極を介した通電に伴って発熱抵抗体が選択的に発熱することによって、記録媒体にドット印字がされる。
【0003】
特許文献1に開示されているサーマルプリントヘッドは、グレーズ層をさらに備える。発熱抵抗体は、グレーズ層の上に配置されている。グレーズ層は、基板から突出している。これにより、当該サーマルプリントヘッドに対する記録媒体の接触面積を抑制しつつ、発熱抵抗体からの熱を記録媒体に伝えることができるため、記録媒体における印字品位の向上を図ることができる。
【0004】
しかし、特許文献1に開示されているサーマルプリントヘッドの基板の材料はアルミナを含むため、当該基板の蓄熱性能は低いものとなっている。特に寒冷地においては、基板の蓄熱性能が低いものであると、サーマルプリントヘッドの消費電力が増加する。したがって、サーマルプリントヘッドの消費電力の増加を抑制すべく、基板の蓄熱性能を高めることが求められる。ただし、基板の蓄熱性能が高まることに伴い、グレーズ層が常に高温状態を維持するおそれがある。グレーズ層が常に高温状態を維持すると、印字ムラなど記録媒体における印字品位の低下が懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は上述の事情に鑑み、基板の蓄熱性能を高めつつ、グレーズ層の蓄熱性能を調整することが可能なサーマルプリントヘッドを提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によって提供されるサーマルプリントヘッドは、前記第1方向を向く主面を有する基板と、前記主面の少なくとも一部を覆うグレーズ層と、前記第1方向において前記グレーズ層を基準として前記基板とは反対側に位置する複数の発熱部を含む抵抗体層と、前記複数の発熱部に導通し、かつ前記抵抗体層に接して配置された配線層と、を備え、前記複数の発熱部は、前記第1方向に対して直交する第2方向に沿って配列されており、前記基板の組成は、二酸化ケイ素を含み、前記第1方向において前記基板と前記グレーズ層との間に位置する中間層をさらに備え、前記第1方向に視て、前記複数の発熱部は、前記中間層に重なっており、前記中間層の熱伝導率は、前記基板の熱伝導率よりも高い。
【発明の効果】
【0008】
本開示にかかるサーマルプリントヘッドが具備する構成によれば、基板の蓄熱性能を高めつつ、グレーズ層の蓄熱性能を調整することが可能となる。
【0009】
本開示のその他の特徴および利点は、添付図面に基づき以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示の第1実施形態にかかるサーマルプリントヘッドの平面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すサーマルプリントヘッドの底面図である。
【
図4】
図4は、
図1に示すサーマルプリントヘッドの部分拡大平面図である。
【
図8】
図8は、
図1に示すサーマルプリントヘッドの製造工程を説明する断面図である。
【
図9】
図9は、
図1に示すサーマルプリントヘッドの製造工程を説明する断面図である。
【
図10】
図10は、本開示の第2実施形態にかかるサーマルプリントヘッドの部分拡大平面図である。
【
図13】
図13は、本開示の第3実施形態にかかるサーマルプリントヘッドの部分拡大平面図である。
【
図18】
図18は、本開示の第4実施形態にかかるサーマルプリントヘッドの部分拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示を実施するための形態について、添付図面に基づいて説明する。
【0012】
〔第1実施形態〕
図1~
図7に基づき、本開示の第1実施形態にかかるサーマルプリントヘッドA10について説明する。サーマルプリントヘッドA10は、基板1、グレーズ層21、中間層22、抵抗体層3、配線層4および保護層5を備える。さらにサーマルプリントヘッドA10は、放熱部材72、複数の駆動素子73、封止樹脂76およびコネクタ77を備える。ここで、
図1、
図4および
図5は、理解の便宜上、保護層5の図示を省略している。
【0013】
これらの図に示すサーマルプリントヘッドA10は、抵抗体層3の一部である複数の発熱部31(詳細は後述)を選択的に発熱させることによって、感熱紙などの記録媒体に印字を施す電子デバイスである。抵抗体層3は、印刷および焼成により形成される。したがって、サーマルプリントヘッドA10は、いわゆる厚膜型と呼ばれる。
【0014】
ここで、説明の便宜上、後述する基板1の主面11の法線方向を「第1方向z」と呼ぶ。第1方向zに対して直交する方向を「第2方向x」と呼ぶ。第2方向xは、サーマルプリントヘッドA10の主走査方向に相当する。第1方向zおよび第2方向xの双方に対して直交する方向を「第3方向y」と呼ぶ。第3方向yは、サーマルプリントヘッドA10の副走査方向に相当する。
【0015】
基板1は、
図1に示すように、第2方向xに延びる矩形状である。したがって、第2方向xが基板1の長辺方向に相当する。第3方向yが基板1の短辺方向に相当する。基板1の組成は、二酸化ケイ素(SiO
2)を含む。サーマルプリントヘッドA10においては、当該二酸化ケイ素は、基板1の全体にわたって分布している。基板1の材料は、一般的に最も普及しているソーダ石灰ガラスの他、ホウケイ酸ガラスおよび石英ガラスなどのいずれかのガラスを選択することができる。基板1は、電気絶縁性を有する。基板1の熱伝導率は、10W/(m・K)未満であり、酸化アルミニウム(Al
2O
3)の熱伝導率(約30W/(m・K))やケイ素(Si)の熱伝導率(約170W/(m・K))よりも低い。
【0016】
図6および
図7に示すように、基板1は、主面11および裏面12を有する。主面11および裏面12は、第1方向zにおいて互いに反対側を向く。主面11は、第1方向zにおいて抵抗体層3の複数の発熱部31が位置する側を向く。
【0017】
グレーズ層21は、
図6および
図7に示すように、基板1の主面11の少なくとも一部を覆っている。サーマルプリントヘッドA10においては、グレーズ層21は、主面11の全体(ただし、中間層22が覆う主面11の領域を除く。)を覆っている。したがって、サーマルプリントヘッドA10におけるグレーズ層21の構成は、いわゆる全面グレーズと称されるものである。グレーズ層21は、主面11に対して非晶質ガラスを含むペーストをスクリーン印刷した後、当該ペーストを焼成することにより形成される。当該非晶質ガラスは、たとえばSiO
2-BaO-Al
2O
3-SnO-ZnO系ガラスである。このため、グレーズ層21は、透明または白色を呈する。グレーズ層21のガラス転移点は、約680℃である。グレーズ層21のガラス転移点は、基板1のガラス転移点よりも低い。
【0018】
中間層22は、
図6および
図7に示すように、第1方向zにおいて基板1とグレーズ層21との間に位置する。中間層22は、基板1およびグレーズ層21に接している。中間層22の第1方向zの寸法は、グレーズ層21の第1方向zの寸法よりも小さい。
図5に示すように、中間層22は、第2方向xに延びている。中間層22の第3方向yの寸法は、抵抗体層3の第3方向yの寸法よりも大きい。
【0019】
図6および
図7に示すように、サーマルプリントヘッドA10においては、中間層22は、第1方向zにおいて基板1の主面11とグレーズ層21との間に位置する。中間層22は、主面11の一部を覆っている。
【0020】
中間層22の熱伝導率は、基板1の熱伝導率よりも高い。中間層22は、金属元素を含む材料からなる。当該金属元素は、たとえば、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)およびニッケル(Ni)のいずれかである。この他、中間層22の材料は、窒化アルミニウム(AlN)など、熱伝導率が比較的高いセラミックスでもよい。この場合、中間層22は、電気絶縁性を有する。
【0021】
配線層4は、
図6および
図7に示すように、グレーズ層21および抵抗体層3に接して配置されている。配線層4は、抵抗体層3の複数の発熱部31に通電するための導電経路を構成している。配線層4は、共通配線41および複数の個別配線42を含む。共通配線41は、複数の発熱部31に導通している。複数の個別配線42は、複数の発熱部31に個別に導通している。サーマルプリントヘッドA10においては、共通配線41から複数の発熱部31を経由して複数の個別配線42に向けて電流が流れる。したがって、共通配線41が正極であり、かつ複数の個別配線42が負極である。配線層4の材料の一例として、金を主成分とするレジネートペーストが挙げられる。配線層4は、グレーズ層21に対してレジネートペーストをスクリーン印刷し、かつ当該ペースト焼成した後、当該ペーストに対してフォトリソグラフィパターニングおよびエッチングを施すことにより形成される。配線層4の厚さの範囲の一例は、0.6μm以上1.2μm以下である。
【0022】
図5に示すように、サーマルプリントヘッドA10においては、第1方向zに視て、共通配線41の全体と、個別配線42の各々の全体とが、グレーズ層21に重なっている。
【0023】
図4に示すように、共通配線41は、基部411および複数の延出部412を有する。基部411は、第3方向yにおいて抵抗体層3を基準として第3方向yの一方側に位置する。基部411は、第2方向xに延びており、かつ第3方向yから離れている。
【0024】
図4および
図5に示すように、複数の延出部412は、基部411から抵抗体層3に向けて第3方向yに延びている。複数の延出部412は、第2方向xに沿って等間隔に配列されている。
【0025】
図4に示すように、複数の個別配線42の各々は、基部421および延出部422を有する。複数の個別配線42は、基板1の上において、複数の駆動素子73の各々に対応した束となって配置されている。複数の個別配線42は、複数の発熱部31に個別に電圧を印加する。
【0026】
図4に示すように、基部421は、第3方向yにおいて抵抗体層3を基準として共通配線41の基部411とは反対側に位置する。複数の個別配線42の各々の基部421は、第3方向yにおいて互いに離れた2つの列をなす。当該2つの列の各々は、第2方向xに沿って配列されている。当該2つの列のうち抵抗体層3から最も近くに位置する列においては、隣り合う2つの基部421の間に延出部422が位置する。
【0027】
図4に示すように、延出部422は、基部421につながっている。さらに延出部422は、第1部422A、第2部422Bおよび第3部422Cを含む。
【0028】
図4および
図5に示すように、第1部422Aは、第3方向yに延びている。第1部422Aは、第2方向xに沿って等間隔に配列されている。共通配線41の複数の延出部412のうち、第2方向xにおいて隣り合う2つの延出部412の間に第1部422Aが位置する。
【0029】
図4および
図5に示すように、第2部422Bは、第1部422Aにつながっている。複数の個別配線42の各々の延出部422の第2部422Bは、その大半が第3方向yに対して傾斜している。
【0030】
図4および
図5に示すように、第3部422Cは、第3方向yにおいて第2部422Bを基準として第1部422Aとは反対側に位置する。第3部422Cは、第2部422Bと基部411とにつながっている。第3部422Cは、第3方向yに延びている。
【0031】
図4に示すように、複数の駆動素子73の各々に対応した複数の個別配線42の1つの束において、第2部422Bと第3部422Cとの境界位置は、第2方向xの楼側で対比すると第3方向yのずれΔLが生じている。
【0032】
抵抗体層3は、
図1および
図4に示すように、第2方向xに延びている。抵抗体層3は、グレーズ層21に接している。
図5に示すように、抵抗体層3は、共通配線41の複数の延出部412と、複数の個別配線42の各々の延出部422の第1部422Aとに交差している。抵抗体層3は、複数の延出部412の各々と、複数の個別配線42の各々の延出部422の第1部422Aとのそれぞれ一部ずつを覆っている。サーマルプリントヘッドA10においては、抵抗体層3は、複数の延出部412と、複数の個別配線42の各々の延出部422の第1部422Aとを跨いでいる。
【0033】
図5に示すように、抵抗体層3のうち、複数の延出部412のいずれかを覆う部分と、第2方向xにおいて当該部分の隣に位置する複数の個別配線42の第1部422Aのいずれかを覆う部分とにより挟まれた領域が、複数の発熱部31のいずれかとされている。複数の発熱部31は、グレーズ層21に接している。複数の発熱部31は、第2方向xに沿って配列されている。複数の発熱部31は、第1方向zにおいてグレーズ層21を基準として基板1とは反対側に位置する。第1方向zに視て、複数の発熱部31は、中間層22に重なっている。
【0034】
配線層4により選択的に通電されることにより、複数の発熱部31は、選択的に発熱する。これにより、記録媒体にドット印字が施される。抵抗体層3の材料は、配線層4よりも電気抵抗率が高い材料が選択される。抵抗体層3の材料の一例は、酸化ルテニウム(RuO2)粒子およびガラスフリットを含む導電性ペーストである。抵抗体層3は、導電性ペーストをグレーズ層21の上にスクリーン印刷した後、当該ペーストを焼成することにより形成される。抵抗体層3の最大厚さは、6μm以上10μm以下である。
【0035】
保護層5は、
図6および
図7に示すように、グレーズ層21に接している。保護層5は、複数の発熱部31を覆っている。さらに保護層5は、配線層4の一部を覆っている。サーマルプリントヘッドA10においては、基部411につながる共通配線41の一部と、複数の個別配線42の各々の基部421とを除く配線層4は、保護層5に覆われている。
【0036】
保護層5は、グレーズ層21と同じく非晶質ガラスを含む材料からなる。保護層5は、グレーズ層21および抵抗体層3と、配線層4の一部とに対して非晶質ガラスを含むペーストをスクリーン印刷した後、当該ペーストを焼成することにより形成される。
【0037】
放熱部材72は、
図3に示すように、第1方向zにおいて基板1を基準としてグレーズ層21とは反対側に位置する。基板1の裏面12は、接合材(図示略)を介して放熱部材72に接合されている。放熱部材72の組成は、たとえばアルミニウム(Al)を含む。
【0038】
複数の駆動素子73は、
図1および
図3に示すように、抵抗体層3に対して第3方向yの他方側に位置する。駆動素子73は、基板1の上に搭載されている。駆動素子73の上面には、複数の電極(図示略)が設けられている。複数の電極のいくつかには、駆動素子73に対応する複数の個別配線42の基部421に導電接合された複数の第1ワイヤ74が導電接合されている。これにより、駆動素子73は、これに対応する複数の個別配線42に導通している。他の複数の当該パッドには、基板1に配置された配線に導電接合された複数の第2ワイヤ75が接続されている。駆動素子73は、複数の第1ワイヤ74を介して複数の個別配線42を選択的に通電させる。これにより、複数の発熱部31が選択的に発熱する。この他、駆動素子73は、第3方向yにおいて基板1とは分離され、かつ放熱部材72に支持された配線基板に搭載される構成でもよい。当該配線基板は、たとえばPCB(Printed Circuit Board)である。
【0039】
封止樹脂76は、
図3に示すように、複数の駆動素子73、複数の第1ワイヤ74、および複数の第2ワイヤ75を覆っている。これらに加え、封止樹脂76は、保護層5に覆われていない複数の個別配線42の一部の領域(複数の基部421など)をさらに覆っている。封止樹脂76は、たとえばアンダーフィルに用いられる黒色かつ軟質の合成樹脂である。この他、封止樹脂76は、黒色かつ硬質の合成樹脂でもよい。
【0040】
コネクタ77は、
図1~
図3に示すように、第3方向yにおいて複数の駆動素子73に対して抵抗体層3とは反対側に位置する。サーマルプリントヘッドA10においては、コネクタ77は、基板1の第3方向yの端部に取り付けられている。コネクタ77は、サーマルプリンタに接続される。コネクタ77は、複数のピン(図示略)を有する。当該複数のピンの一部は、基板1において、複数の第2ワイヤ75が導電接合された配線(図示略)に導通している。さらに、当該複数のピンの別の一部は、基板1において、共通配線41の基部411に導通する配線(図示略)に導通している。これにより、外部からコネクタ77を介して共通配線41に定電圧が印加される。
【0041】
次に、サーマルプリントヘッドA10の作動について説明する。
【0042】
図3に示すように、サーマルプリントヘッドA10の複数の発熱部31は、サーマルプリンタに組み込まれたプラテンローラ79に保護層5を介して対向している。プラテンローラ79は、記録媒体を送り出すためのローラ状の機構である。複数の発熱部31を覆う保護層5の領域と、プラテンローラ79との間に、記録媒体が挟み込まれている。サーマルプリンタの作動時は、プラテンローラ79が回転することにより、記録媒体が第3方向yに一定速度で送り出される。その際、複数の発熱部31が選択的に発熱すると、熱が保護層5を介して記録媒体に伝わることにより、当該記録媒体に印字が施される。同時に、複数の発熱部31から発生した熱は、グレーズ層21に伝導する。グレーズ層21に伝導した熱の一部は、中間層22を介して基板1に伝導する。
【0043】
次に、
図8および
図9に基づき、サーマルプリントヘッドA10の製造方法のうち、グレーズ層21および中間層22の形成方法について説明する。
図8および
図9の断面位置は、サーマルプリントヘッドA10を示す
図6の断面位置と同一である。
【0044】
最初に、
図8に示すように、基板1の主面11の一部を覆う中間層22を形成する。中間層22は、銀、銅および金のいずれかの金属元素を主成分とするレジネートペーストをスクリーン印刷した後、当該ペーストを焼成することにより形成される。焼成温度は、基板1のガラス転移点を超えないようにする。この他、中間層22は、主面11に対してスパッタリング法や蒸着によって金属薄膜を成膜することにより形成することができる。
【0045】
次いで、
図9に示すように、グレーズ層21を形成する。グレーズ層21の形成にあたっては、中間層22と、中間層22に覆われていない基板1の主面11の領域の全体とをグレーズ層21が覆うようにする。グレーズ層21は、非晶質ガラスを含むペーストをスクリーン印刷した後、当該ペーストを焼成することにより形成される。焼成温度は、基板1のガラス転移点を超えないようにする。以上により、グレーズ層21および中間層22が形成される。
【0046】
次に、サーマルプリントヘッドA10の作用効果について説明する。
【0047】
サーマルプリントヘッドA10は、主面11を有する基板1と、主面11の少なくとも一部を覆うグレーズ層21とを備える。基板1の組成は、二酸化ケイ素を含む。本構成をとることにより、基板1の熱伝導率がより低下するため、基板1の蓄熱性能が高まる。
【0048】
サーマルプリントヘッドA10は、第1方向zにおいて基板1とグレーズ層21との間に位置する中間層22をさらに備える。第1方向zに視て、抵抗体層3の複数の発熱部31は、中間層22に重なっている。中間層22の熱伝導率は、基板1の熱伝導率よりも高い。本構成をとることにより、複数の発熱部31からグレーズ層21に伝導した熱の一部を、中間層22に伝導させることができる。これにより、基板1の蓄熱性能の高まりに伴い、グレーズ層21が常に高温状態を維持することを防止できる。中間層22に伝導した熱は基板1に伝導するため、中間層22の過度な温度上昇が抑止される。以上より、本構成によれば、サーマルプリントヘッドA10において、基板1の蓄熱性能を高めつつ、グレーズ層21の蓄熱性能を調整することが可能となる。
【0049】
中間層22は、金属元素を含む。本構成をとることにより、中間層22の熱伝導率を、基板1の熱伝導率よりも容易に高く設定できる。
【0050】
中間層22は、基板1およびグレーズ層21に接している。本構成をとることにより、グレーズ層21から中間層22への熱伝導の効率と、中間層22から基板1への熱伝導の効率とをそれぞれ向上させることができる。
【0051】
中間層22は、第2方向xに延びている。中間層22の第3方向yの寸法は、抵抗体層3の第3方向yの寸法よりも大きい。本構成をとることにより、抵抗体層3の複数の発熱部31からグレーズ層21に伝導した熱のうち、より多くの熱を中間層22に伝導させることができる。これにより、グレーズ層21の蓄熱性能をより効率よく調整することが可能となる。
【0052】
グレーズ層21のガラス転移点は、基板1のガラス転移点よりも低い。本構成をとることにより、グレーズ材料を焼成してグレーズ層21を形成した場合であっても、熱に起因した歪みなどの不具合が基板1に発生することを防止できる。
【0053】
サーマルプリントヘッドA10は、抵抗体層3の複数の発熱部31と、配線層4とを覆う保護層5をさらに備える。これにより、複数の発熱部31、および配線層4が保護層5により保護されるとともに、サーマルプリントヘッドA10に対する記録媒体の接触がより円滑となる。
【0054】
サーマルプリントヘッドA10は、第1方向zにおいて基板1を基準としてグレーズ層21とは反対側に位置する放熱部材72をさらに備える。基板1は、放熱部材72に接合されている。本構成をとることにより、基板1の過度な温度上昇を抑止できる。
【0055】
〔第2実施形態〕
図10~
図12に基づき、本開示の第2実施形態にかかるサーマルプリントヘッドA20について説明する。これらの図において、先述したサーマルプリントヘッドA10と同一または類似の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。ここで、
図10は、理解の便宜上、保護層5の図示を省略している。
【0056】
サーマルプリントヘッドA20においては、グレーズ層21の構成が、サーマルプリントヘッドA10の当該構成と異なる。
【0057】
図11および
図12に示すように、グレーズ層21は、基板1の主面11の一部を覆っている。したがって、サーマルプリントヘッドA20におけるグレーズ層21の構成は、いわゆる部分グレーズと称されるものである。
図10に示すように、第1方向zに視て、共通配線41の一部と、複数の個別配線42の各々の一部とが、グレーズ層21に重なっている。
図11および
図12に示すように、共通配線41と、複数の個別配線42の各々とは、主面11に接している。
【0058】
サーマルプリントヘッドA20においては、抵抗体層3の複数の発熱部31は、サーマルプリントヘッドA10の場合よりも第1方向zにおいて基板1の主面11から遠くに位置する。
【0059】
次に、サーマルプリントヘッドA20の作用効果について説明する。
【0060】
サーマルプリントヘッドA20は、主面11を有する基板1と、主面11の少なくとも一部を覆うグレーズ層21とを備える。基板1の組成は、二酸化ケイ素を含む。サーマルプリントヘッドA20は、第1方向zにおいて基板1とグレーズ層21との間に位置する中間層22をさらに備える。第1方向zに視て、抵抗体層3の複数の発熱部31は、中間層22に重なっている。中間層22の熱伝導率は、基板1の熱伝導率よりも高い。したがって、本構成によれば、サーマルプリントヘッドA20においても、基板1の蓄熱性能を高めつつ、グレーズ層21の蓄熱性能を調整することが可能となる。さらにサーマルプリントヘッドA20においては、サーマルプリントヘッドA10と共通する構成を具備することにより、サーマルプリントヘッドA10と同等の作用効果を奏する。
【0061】
サーマルプリントヘッドA20においては、抵抗体層3の複数の発熱部31は、サーマルプリントヘッドA10の場合よりも第1方向zにおいて基板1の主面11から遠くに位置する。本構成をとることにより、記録媒体への印字の際、サーマルプリントヘッドA20に対する記録媒体の接触面積を最小限に抑えつつ、複数の発熱部31からの熱を記録媒体に伝えることができる。これにより、印字品位の向上が図られる。
【0062】
〔第3実施形態〕
図13~
図15に基づき、本開示の第3実施形態にかかるサーマルプリントヘッドA30について説明する。これらの図において、先述したサーマルプリントヘッドA10と同一または類似の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。ここで、
図13は、理解の便宜上、保護層5の図示を省略している。
【0063】
サーマルプリントヘッドA30においては、基板1および中間層22の構成が、サーマルプリントヘッドA10の当該構成と異なる。
【0064】
図14および
図15に示すように、基板1には、主面11から凹む凹部13が設けられている。凹部13は、第2方向xに延びている。
【0065】
図14および
図15に示すように、中間層22は、凹部13に収容されている。中間層22は、基板1の主面11と面一である。したがって、グレーズ層21は、主面11の全体を覆っている。サーマルプリントヘッドA10の場合と比較して、グレーズ層21は、第1方向zにおいて平坦となっている。
【0066】
次に、
図16および
図17に基づき、サーマルプリントヘッドA10の製造方法のうち、基板1の凹部13と、中間層22との形成方法について説明する。ここで、
図16および
図17の断面位置は、サーマルプリントヘッドA30を示す
図14の断面位置と同一である。
【0067】
最初に、
図16に示すように、第2方向xに延びる凹部13を基板1に形成する。凹部13は、基板1の主面11から凹んでいる。凹部13の形成にあたっては、まず、リソグラフィパターニングによって主面11に対してマスク層を形成する。次いで、反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching;RIE)により、基板1の一部を除去する。最後に、マスク層を除去する。以上により、凹部13の形成が完了する。
【0068】
次に、
図17に示すように、基板1の凹部13に収容された中間層22を形成する。中間層22は、銀、銅および金のいずれかの金属元素を主成分とするレジネートペーストをディスペンサにより凹部13に充填した後、当該ペーストを焼成することにより形成される。焼成温度は、基板1のガラス転移点を超えないようにする。以上により、凹部13および中間層22が形成される。
【0069】
次に、サーマルプリントヘッドA30の作用効果について説明する。
【0070】
サーマルプリントヘッドA30は、主面11を有する基板1と、主面11の少なくとも一部を覆うグレーズ層21とを備える。基板1の組成は、二酸化ケイ素を含む。サーマルプリントヘッドA30は、第1方向zにおいて基板1とグレーズ層21との間に位置する中間層22をさらに備える。第1方向zに視て、抵抗体層3の複数の発熱部31は、中間層22に重なっている。中間層22の熱伝導率は、基板1の熱伝導率よりも高い。したがって、本構成によれば、サーマルプリントヘッドA30においても、基板1の蓄熱性能を高めつつ、グレーズ層21の蓄熱性能を調整することが可能となる。さらにサーマルプリントヘッドA30においては、サーマルプリントヘッドA10と共通する構成を具備することにより、サーマルプリントヘッドA10と同等の作用効果を奏する。
【0071】
サーマルプリントヘッドA30においては、基板1には、主面11から凹む凹部13が設けられている。中間層22は、凹部13に収容されている。本構成をとることにより、基板1に対する中間層22の接触面積をより拡大することができる。これにより、中間層22から基板1への熱伝導の効率をより向上させることができる。
【0072】
〔第4実施形態〕
図18~
図20に基づき、本開示の第4実施形態にかかるサーマルプリントヘッドA40について説明する。これらの図において、先述したサーマルプリントヘッドA10と同一または類似の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。ここで、
図18は、理解の便宜上、保護層5の図示を省略している。
【0073】
サーマルプリントヘッドA40においては、グレーズ層21の構成が、先述したサーマルプリントヘッドA30の当該構成と異なる。
【0074】
図19および
図20に示すように、グレーズ層21は、基板1の主面11の一部を覆っている。したがって、サーマルプリントヘッドA40におけるグレーズ層21の構成は、サーマルプリントヘッドA20におけるグレーズ層21の構成と同様である。
図18に示すように、第1方向zに視て、共通配線41の一部と、複数の個別配線42の各々の一部とが、グレーズ層21に重なっている。
図19および
図20に示すように、共通配線41と、複数の個別配線42の各々とは、主面11に接している。
【0075】
サーマルプリントヘッドA40においては、抵抗体層3の複数の発熱部31は、サーマルプリントヘッドA30の場合よりも第1方向zにおいて基板1の主面11から遠くに位置する。
【0076】
次に、サーマルプリントヘッドA40の作用効果について説明する。
【0077】
サーマルプリントヘッドA40は、主面11を有する基板1と、主面11の少なくとも一部を覆うグレーズ層21とを備える。基板1の組成は、二酸化ケイ素を含む。サーマルプリントヘッドA40は、第1方向zにおいて基板1とグレーズ層21との間に位置する中間層22をさらに備える。第1方向zに視て、抵抗体層3の複数の発熱部31は、中間層22に重なっている。中間層22の熱伝導率は、基板1の熱伝導率よりも高い。したがって、本構成によれば、サーマルプリントヘッドA40においても、基板1の蓄熱性能を高めつつ、グレーズ層21の蓄熱性能を調整することが可能となる。さらにサーマルプリントヘッドA40においては、サーマルプリントヘッドA10と共通する構成を具備することにより、サーマルプリントヘッドA10と同等の作用効果を奏する。
【0078】
サーマルプリントヘッドA40においては、抵抗体層3の複数の発熱部31は、サーマルプリントヘッドA30の場合よりも第1方向zにおいて基板1の主面11から遠くに位置する。本構成をとることにより、記録媒体への印字の際、サーマルプリントヘッドA40に対する記録媒体の接触面積を最小限に抑えつつ、複数の発熱部31からの熱を記録媒体に伝えることができる。これにより、印字品位の向上が図られる。
【0079】
本開示は、先述した実施形態に限定されるものではない。本開示の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0080】
本開示は、以下の付記に記載した実施形態を含む。
[付記1]
第1方向を向く主面を有する基板と、
前記主面の少なくとも一部を覆うグレーズ層と、
前記第1方向において前記グレーズ層を基準として前記基板とは反対側に位置する複数の発熱部を含む抵抗体層と、
前記複数の発熱部に導通し、かつ前記抵抗体層に接して配置された配線層と、を備え、
前記複数の発熱部は、前記第1方向に対して直交する第2方向に沿って配列されており、
前記基板の組成は、二酸化ケイ素を含み、
前記第1方向において前記基板と前記グレーズ層との間に位置する中間層をさらに備え、
前記第1方向に視て、前記複数の発熱部は、前記中間層に重なっており、
前記中間層の熱伝導率は、前記基板の熱伝導率よりも高い、サーマルプリントヘッド。
[付記2]
前記中間層は、前記第2方向に延びている、付記1に記載のサーマルプリントヘッド。
[付記3]
前記中間層は、金属元素を含む、付記2に記載のサーマルプリントヘッド。
[付記4]
前記中間層は、前記基板および前記グレーズ層に接している、付記2または3に記載のサーマルプリントヘッド。
[付記5]
前記中間層の前記第1方向の寸法は、前記グレーズ層の前記第1方向の寸法よりも小さい、付記4に記載のサーマルプリントヘッド。
[付記6]
前記二酸化ケイ素は、前記基板の全体にわたって分布している、付記4または5に記載のサーマルプリントヘッド。
[付記7]
前記グレーズ層のガラス転移点は、前記基板のガラス転移点よりも低い、付記6に記載のサーマルプリントヘッド。
[付記8]
前記第1方向および前記第2方向に対して直交する第3方向における前記中間層の寸法は、前記抵抗体層の前記第3方向の寸法よりも大きい、付記2ないし7のいずれかに記載のサーマルプリントヘッド。
[付記9]
前記複数の発熱部を覆う保護層をさらに備える、付記2ないし8のいずれかに記載のサーマルプリントヘッド。
[付記10]
前記配線層は、共通配線と、複数の個別配線と、を含み、
前記共通配線は、前記複数の発熱部に導通しており、
前記複数の個別配線は、前記複数の発熱部に個別に導通している、付記9に記載のサーマルプリントヘッド。
[付記11]
前記保護層は、前記共通配線の一部と、前記複数の個別配線の各々の一部とを覆っている、付記10に記載のサーマルプリントヘッド。
[付記12]
前記第1方向に視て、前記共通配線の全体と、前記複数の個別配線の各々の全体とが、前記グレーズ層に重なっている、付記11に記載のサーマルプリントヘッド。
[付記13]
前記第1方向に視て、前記共通配線の一部と、前記複数の個別配線の各々の一部とが、前記グレーズ層に重なっており、
前記共通配線と、前記複数の個別配線の各々とは、前記主面に接している、付記11に記載のサーマルプリントヘッド。
[付記14]
前記中間層は、前記第1方向において前記主面と前記グレーズ層との間に位置する、付記12または13に記載のサーマルプリントヘッド。
[付記15]
前記基板には、前記主面から凹む凹部が設けられており、
前記中間層は、前記凹部に収容されている、付記12または13に記載のサーマルプリントヘッド。
[付記16]
前記第1方向において前記基板を基準として前記グレーズ層とは反対側に位置する放熱部材をさらに備え、
前記基板は、前記放熱部材に接合されている、付記2ないし15のいずれかに記載のサーマルプリントヘッド。
【符号の説明】
【0081】
A10,A20,A30,A40:サーマルプリントヘッド
1:基板
11:主面
12:裏面
13:凹部
21:グレーズ層
22:中間層
3:抵抗体層
31:発熱部
4:配線層
41:共通配線
411:基部
412:延出部
42:個別配線
421:基部
422:延出部
422A:第1部
422B:第2部
422C:第3部
5:保護層
72:放熱部材
73:駆動素子
74:第1ワイヤ
75:第2ワイヤ
76:封止樹脂
77:コネクタ
79:プラテンローラ
z:第1方向
x:第2方向
y:第3方向