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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165506
(43)【公開日】2023-11-16
(54)【発明の名称】往復はがき用シート
(51)【国際特許分類】
   B42D 15/02 20060101AFI20231109BHJP
【FI】
B42D15/02 501B
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022076599
(22)【出願日】2022-05-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 販売日 令和4年3月23日 販売した場所 高根沢町役場(栃木県)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 試験日 令和3年9月24日 試験場所(公開場所) 笠間郵便局(茨城県笠間市)
(71)【出願人】
【識別番号】522178979
【氏名又は名称】株式会社セイブンドー
(71)【出願人】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾池 洋一
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 雄一
【テーマコード(参考)】
2C005
【Fターム(参考)】
2C005WA04
2C005WA06
(57)【要約】
【課題】製造しやすく、コストを低減でき、隠蔽片を紛失しがたい往復はがき用シートを提供する。
【解決手段】
往信はがき片と返信はがき片とが第一折り線を介して連接され、往信はがき片と第二折り線を介して連接する隠蔽片を有し、隠蔽片は、第二折り線で折り返した際に、往信はがき片の往信情報記入部と対面し、かつ、第一折り線で往信はがき片と返信はがき片の他方面同士を対面するように折り重ねた後に第二折り線で折り返した際に、返信はがき片の返信情報記入部と対面する、粘着剤層を有し、その粘着剤層が、再接着及び再剥離可能な粘着剤層である、往復はがき用シートにより解決される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
往信はがき片と返信はがき片とが第一折り線を介して連接され、
往信はがき片と第二折り線を介して連接する隠蔽片を有し、
往信はがき片は、一方面に往信宛名部を有し、他方面に往信情報記入部を有し、
返信はがき部は、一方面に返信情報記入部を有し、他方面に返信宛名部を有し、
隠蔽片は、他方面に再接着及び再剥離可能な粘着剤層を有し、
隠蔽片を、第二折り線で折り返して往信はがき片の往信情報記入部に対して対面させて接着可能であるとともに接着後に剥離可能であり、かつ、往信情報記入部から剥離後に返信はがき片の返信情報記入部に対して再接着可能であり、再接着後に返信情報記入部から再剥離可能である、
ことを特徴とする、往復はがき用シート。
【請求項2】
往信はがき片と隠蔽片との間の第二折り線がミシン目である、請求項1記載の往復はがき用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、往信時及び返信時に情報を隠蔽する隠蔽片を有し、往信時及び返信時に情報を隠蔽して郵送することができる往復はがき用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
往信時に所定の情報を隠蔽した状態で通知できる親展性を有し、返信時に他人に知られたくない情報を隠蔽片で被覆隠蔽した状態で投函でき、例えば、ローンや預金等の残高確認通知、会員継続通知、行政機関への出頭日時通知等に使用される往信はがきを作成するのに適した往復葉書用シートや隠蔽情報所持体用シート(以下、これらを往復はがき用シートとも称する)が知られている(下記、特許文献1及び特許文献2)。
【0003】
このような往復はがき用シートは、往信はがき片と返信はがき片とがそれぞれの宛名面が表裏の反対面となるようにして折り線を介して連接された構造を有している。
【0004】
特許文献1に記載の隠蔽情報所持体用シートは、往信はがき片の情報面と返信はがき片の宛名面とが、感圧接着層によって剥離可能に接着されることで、往信はがき片の情報面に記入された情報が隠蔽されるようになっている。それとともに、往信はがき片の宛名面の一部に剥離後に再接着可能な隠蔽片が貼付されており、この隠蔽片を返信はがき片の情報面に張り付けることで、返信はがき片の情報面に記入した情報を記入後に隠蔽できるようになっている。
【0005】
特許文献2に記載の往復葉書用シートは、往信はがき片及び返信はがき片に加えて、さらに往信はがき片に連接するように隠蔽片を有し、この隠蔽片を折り返して往信はがき片の情報面に重ねることで、往信はがき片の情報面に記入された情報が隠蔽されるようになっている。それとともに、特許文献1に記載の隠蔽情報所持体用シートと同様に、往信はがき片の一部に剥離後に再接着可能な隠蔽片が貼付されており、この隠蔽片を返信はがき部の情報面に張り付けることで、返信はがき部の情報面に記入した情報を記入後に隠蔽できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平09-39448号公報
【特許文献2】特開平11-277946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらの従来の隠蔽情報所持体用シート等は、往信時及び返信時に情報を隠蔽することができるものであるが、従来の隠蔽情報所持体用シート等は、シートの表裏の両面に接着剤を用いる層を形成する必用があるため、製造方法が煩雑である。製造コスト及び資材コストも高い。また、往信はがき片及び返信はがき片で別途の隠蔽片を必用とするため、隠蔽操作が分かり難い。さらに、返信はがき片の情報を隠蔽する隠蔽片が小さく、隠蔽の際に、隠蔽片を紛失したり、隠蔽位置の位置がずれたりするおそれがある。特に、特許文献2記載の往復葉書用シートは、シートの表裏の両面に凸となる積層構造を有するため、プリンタでの印刷適性において向上させる余地もある。
【0008】
そこで、本発明の主たる課題は、上記従来の隠蔽情報所持体用シート等が有していた問題を解決することにあり、製造しやすく、コストを低減でき、隠蔽片を紛失しがたいなど使いやすい、往復はがき用シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決した第一の手段は、
往信はがき片と返信はがき片とが第一折り線を介して連接され、
往信はがき片と第二折り線を介して連接する隠蔽片を有し、
往信はがき片は、一方面に往信宛名部を有し、他方面に往信情報記入部を有し、
返信はがき部は、一方面に返信情報記入部を有し、他方面に返信宛名部を有し、
隠蔽片は、他方面に再接着及び再剥離可能な粘着剤層を有し、
隠蔽片を、第二折り線で折り返して往信はがき片の往信情報記入部に対して対面させて接着可能であるとともに接着後に剥離可能であり、かつ、往信情報記入部から剥離後に返信はがき片の返信情報記入部に対して再接着可能であり、再接着後に返信情報記入部から再剥離可能とされている、
ことを特徴とする、往復はがき用シートである。
【0010】
第二の手段は、
往信はがき片と隠蔽片との間の第二折り線がミシン目である、上記第一の手段に係る往復はがき用シートである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、製造しやすく、コストを低減でき、隠蔽片を紛失しがたいなど使いやすい、往復はがき用シートが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態の往復はがき用シートの一方面を示す平面図である。
図2図1のA―A断面を示す断面図である。
図3】本実施形態の往復はがき用シートの他方面を示す平面図である。
図4】本実施形態の往復はがき用シートの構造及び使用方法を説明する第一の図である。
図5】本実施形態の往復はがき用シートの構造及び使用方法を説明する第二の図である。
図6】本実施形態の往復はがき用シートの構造及び使用方法を説明する第三の図である。
図7】本実施形態の往復はがき用シートの構造及び使用方法を説明する第四の図である。
図8】本実施形態の往復はがき用シートの構造及び使用方法を説明する第五の図である。
図9】本実施形態の往復はがき用シートの構造及び使用方法を説明する第六の図である。
図10】本実施形態の往復はがき用シートの構造及び使用方法を説明する第七の図である。
図11】本実施形態の往復はがき用シートの構造及び使用方法を説明する第八の図である。
図12】本実施形態の往復はがき用シートの構造及び使用方法を説明する第九の図である。
図13】本実施形態の往復はがき用シートの構造及び使用方法を説明する第十の図である。
図14】本実施形態の往復はがき用シートの構造及び使用方法を説明する第十一の図である。
図15】本実施形態の往復はがき用シートの構造及び使用方法を説明する第十二の図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次いで、本発明の実施形態の往復はがき用シートを図1図15を参照しながら以下に詳述する。
【0014】
この往復はがき用シート1は、往復はがきとして使用されるものであり、往信時及び返信時に情報を隠蔽して伝達することを可能とするものである。往復はがきの具体的な使用形態は、限定されないが、例えば、ローンや預金等の残高確認通知、会員継続通知、行政機関への出頭日時通知、企業からのダイレクトメール、健康診断やワクチン接種の内容・希望会場・希望日等の自治体等から住民に対して送付される各種の通知用途など、特定の機関、企業、会社や組織等から不特定又は特定の一又は複数の対象者等に対して、情報を隠蔽した状態で郵送によって通知し、その往復はがきを受け取った通知を受けた者(以下、被通知者ともいう)等が、通知者に対して、同一の又は他の情報を隠蔽して返信する用途に好適に用いられる。
【0015】
この往復はがき用シート1は、特に図1図3に示されるように、往信はがき片2と返信はがき片3とが第一折り線11を介して連接され、さらに、往信はがき片2と第二折り線12を介して連接する隠蔽片4を有している。
【0016】
往信はがき片2及び返信はがき片3の大きさは必ずしも限定されないが、それぞれが定形郵便物におけるはがきの大きさであるのが望ましく、往信はがき片2及び返信はがき片3は、それぞれ長辺が140~154mm、短辺が90~107mmの長方形であるのが望ましい。
【0017】
往復はがき用シート1の質量も、必ずしも限定されないが、通常郵便物のはがきとして扱われるよう郵送時において4~12gの範囲となるようにするのが望ましい。
【0018】
往復はがき用シート1は、往信はがき片2の一方面に往信宛名部21を有し、他方面に往信情報記入部22を有しており、返信はがき片3の一方面に返信情報記入部32を有し、他方面に返信宛名部31を有している。なお、往信はがき片2の一方面と返信はがき片3の一方面とは同一面であり、往信はがき片2の他方面と返信はがき片3の他方面とは同一面である。往信はがき片2及び返信はがき片3における一方面と他方面は、第一折り線及び第二折り線において折り曲げていない枚葉のシート状の往復はがき用シート1の一方面及び他方面と一致する。
【0019】
往信はがき片2の一方面に設けられる往信宛名部21は、往復はがきとして使用する際の往信時における宛名が記入される部分である。上記のように、特定の機関、企業、会社や組織等から不特定又は特定の一又は複数の被通知者に対して、情報を通知する往復はがきとするならば、その不特定又は特定の複数被通知者の宛名が記入される部分である。この場合、往信宛名部21は、一般には、往復はがき毎に異なる可変情報が記入される。
【0020】
往信はがき片2の他方面に設けられる往信情報記入部22は、往復はがきとして使用する際の往信時における通知する情報が記入される部分である。記入される情報は限定されないが、例えば、ローンや預金等の残高、会員番号、行政機関への出頭日時、企業からの商品情報、健康診断やワクチン接種の内容・希望会場・希望日等の秘匿性を有する又は秘匿が望ましい情報が記入される。
【0021】
返信はがき片3の他方面に設けられる返信宛名部31は、往復はがきとして使用する際の返信時における宛名が記入される部分である。上記のように、特定の機関、企業、会社や組織等から不特定又は特定の一又は複数の被通知者に対して、情報を通知し、その往復はがきを受け取った被通知者が、通知者である上記企業等に対して、同一の又は他の秘匿情報を返信する往復はがきであれば、その返信先、例えば、特定の機関、企業、会社や組織等の宛名、特定の機関、企業、会社や組織等の担当者や部署、代理者の宛名等が記入される部分である。この場合、返信宛名部31は、一般には、複数の往復はがきで同一の不変情報が記入される。
【0022】
返信はがき片3の一方面に設けられる返信情報記入部32は、往復はがきとして使用する際の返信時に通知する情報が記入される部分である。記入される情報は限定されないが、例えば、ローンや預金等の残高、会員番号や行政機関への出頭日時に対する確認や承諾を示す記名、押印情報や企業からの商品情報、健康診断やワクチン接種の内容・希望会場・希望日等の回答情報など秘匿性を有する又は秘匿が望ましい情報が記入される。
【0023】
往信宛名部21、返信宛名部31、往信情報記入部22及び返信情報記入部32は、例えば、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷等によって、「往信はがき」、「往信」、「返信はがき」、「返信」の文字等、その部分が往信宛名部21、返信宛名部31、往信情報記入部22及び返信情報記入部32であると認識できる文字情報等を印刷することで区別することができる。また、往信宛名部21、返信宛名部31、往信情報記22入部及び返信情報記入部32に記入すべき情報は、どのような記入方法によって情報を記入するかは限定されない。但し、上記の往信宛名部21における不特定又は特定の複数被通知者の宛名等、往復はがき毎に異なる可変情報を記入するのであれば、ノンインパクトプリンタ、ドットインパクトプリンタ、インクジェットプリンタ、レーザープリンタ等の各種プリンタによる宛名印刷が可能に形成するのが望ましい。また、返信宛名部31における企業等の宛名等、往復はがき毎に異なるものではない不可変情報であればオフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷等によって、予め情報を印刷可能により形成するのが望ましい。
【0024】
往復はがき用シート1の第一折り線11は、往信はがき片2と返信はがき片3との長辺間にあって、往信はがき片2と返信はがき片3との間で、往復はがき用シート1を折り曲げるためのきっかけとなる線であり、単なる印刷による線の他、容易に折り曲げられるようになる押し筋加工、折り筋加工又はエンボス加工等と称されるシート材に圧縮線を形成する加工により形成された折り筋等であるのが好ましい。ミシン目でもよいが、往信時に意図せず往信はがき片と返信はがき片とが分離するおそれが高まるため、上記の印刷による線、折り筋が望ましい。
【0025】
他方で、この往復はがき用シート1は、往信はがき片2における返信はがき片3との連接位置である第一折り線11と平行な長辺を第二折り線12として、この第二折り線12を介して連接する隠蔽片4を有している。したがって、隠蔽片4は、第二折り線12で往信はがき片2の往信情報記入部22が形成されている他方面に対面して重ねることで、往信はがき片2の往信情報記入部22を被覆するようになっている。隠蔽片4の大きさは必ずしも限定されないが、往信はがき片2及び返信はがき片2より短辺が1~10mm短い形状であるのが望ましい。往信はがき片2の他方面を広範に被覆できるとともに、短辺がやや短いことで、第二折り線12で折り返した際に、隠蔽片4の縁が、第一折り線11に重ならないようになり、第一折り線11での折り曲げが容易に行えるようになる。
【0026】
第二折り線12は、往復はがき用シート1を折り曲げるためのきっかけとなる線であり、第一折り線と同様に、単なる印刷による線の他、容易に折り曲げられるようになる押し筋加工、折り筋加工又はエンボス加工等と称されるシート材に圧縮線を形成する加工により形成された折り筋等が例示できる。但し、第二折り線12は、第一折り線11と異なり、隠蔽片4を往信はがき片2から容易に切り離せるようにミシン目であるのが望ましい。 ミシン目の種類は限定されないが、カット部が単純な直線であるストレートミシン目、カット部と非カット部との長さが短く、密に配されているマイクロミシン目、カット部がL字形(く字形)やY字形(矢形)となっているジッパーミシン目等が挙げられる。ジッパーミシン目が特に望ましい。ミシン目のカット部とタイ部の長さ、カットタイ比は限定されない。適宜に設計することができる。
【0027】
他方で、隠蔽片4は、第二折り線12で折り返した際に、往信はがき片2の往信情報記入部22と対面する他方面に、粘着剤層41を有している。ここで往復はがき用シート1では、第一折り線11を介して、往信はがき片2と返信はがき片3とが連接しており、返信はがき片2の一方面に返信はがき片3の返信情報記入部32が位置しているため、上記粘着剤層41は、第一折り線11で往信はがき片2と返信はがき片3の他方面同士を対面するように折り重ねた後に、第二折り線12で折り返すと、返信はがき片3の返信情報記入部32と対面する。
【0028】
他方で、図示の往復はがき用シート1は、好ましい形態として、粘着剤層41に対して剥離可能であり、粘着剤層41を被覆し保護する剥離シート5が設けられている。剥離シート5を剥離することで、粘着剤層41を露出することができるようになっている。剥離シート5は、粘着剤層41に対向する面に、シリコーン、長鎖アルキルポリマー、ポリオレフィン、アルキド樹脂、フッ素化合物等の公知の離型剤が0.1~2.0g/m2程度塗布された一般的な剥離シートを用いることができる。剥離シートの厚さについては特に制限はないが、通常30~150μm程度である。
【0029】
他方で、この往復はがき用シート1の粘着剤層41は、特徴的に、再接着及び再剥離可能な粘着剤層41となっている。したがって、隠蔽片4を第二折り線12で折り返して往信はがき片2の往信情報記入部22に対して粘着剤層41を対面させることで、隠蔽片4と往信はがき片2とが剥離可能に接着されるともに、往信情報記入部22が隠蔽片4によって隠蔽される。また、その後、往信はがき片2と接着している隠蔽片4を往信はがき片2より剥離することで、往信情報記入部22が読み取り可能となる。さらに、往信はがき片2と接着している隠蔽片4を往信はがき片2より剥離した後、その隠蔽片4の粘着剤層41を返信はがき片3の返信情報記入部32に対面させることで、隠蔽片4と返信はがき片3とが剥離可能に再接着されるともに、返信情報記入部32が隠蔽片4によって隠蔽される。
【0030】
特に、本実施形態の往復はがき用シート1では、往信はがき片2と隠蔽片4とが第二折り線12で連接していることから、往信はがき片2と接着している隠蔽片4を往信はがき片2より剥離した後、往信はがき片2と隠蔽片4とを分離せずに、第一折り線11で往信はがき片2と返信はがき片3の他方面同士を対面するように折り重ね、その後に、第二折り線12で折り返して返信はがき片3の返信情報記入部32と対面させることで、隠蔽片4と返信はがき片3とが剥離可能に再接着されるともに、返信情報記入部32が隠蔽片4によって隠蔽される。さらに、この接着後、返信はがき片3と接着している隠蔽片4を返信はがき片3より剥離することで、返信情報記入部32が読み取り可能となる。
【0031】
隠蔽片4における粘着剤層41は、例えば、粘着剤を塗布や塗工することで設けることができる。粘着剤層41を形成する粘着剤としては、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、有機溶剤系、エマルジョン系、ホットメルト系の粘着剤が挙げられる。好ましくは、取り扱い性に優れ粘着力を調整しやすいことからホットメルト系粘着剤、エマルジョン系粘着剤である。エマルジョン系粘着剤であってアクリル系粘着剤であるものが特に望ましい。アクリル系粘着剤としては、主成分として、例えばアクリル酸エステル単独重合体、アクリル酸エステル単位2種以上を含む共重合体およびアクリル酸エステルと他の官能性単量体との共重合体の中から選ばれた少なくとも1種を含有するものが用いられる。該アクリル酸エステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル等が挙げられる。また、官能性単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステル等のヒドロキシル基含有単量体、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有単量体、(メタ)アクリル酸等のカルボン酸基含有単量体等が挙げられる。また、このアクリル系粘着剤としては、それが付着した紙類のリサイクル処理における離解工程や再生工程において、不都合をもたらさないようにするために、アルカリ可溶性、水溶性または水再分散性を有するものを用いることもできる。前記ゴム系粘着剤としては、主成分として、例えば天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリイソブチレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体等の中から選ばれた少なくとも1種を含有するものが用いられる。粘着剤には、所望に応じて粘着付与剤、架橋剤、充填剤等が配合される。粘着付与剤としては、例えばロジン系樹脂、ポリテルペン系樹脂等の天然樹脂、C5系、C9系、DCPD系石油樹脂、クマロンインデン樹脂、キシレン樹脂等の合成樹脂等が挙げられる。架橋剤としては、ポリイソシアネート化合物、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、金属キレート化合物、金属塩等が挙げられる。充填剤としては、亜鉛華、酸化チタン、シリカ、炭酸カルシウム等が挙げられる。
【0032】
粘着剤の塗布・塗工方法としては、公知の方法、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法やオフセット印刷、凸版印刷、グラビア印刷、孔版印刷等の各種印刷方式等を用いることができる。また、上記の剥離シート上に、上記のコート法にて粘着剤層を設け、その後に隠蔽片と張り合わせることで、粘着剤層を隠蔽片側に転写するようにして設けるようにしてもよい。粘着剤層の厚さは、5~30μm、好ましくは10~20μmである。
【0033】
往復はがき用シート1における隠蔽片4の粘着剤層41を、再接着及び再剥離可能な粘着力に調整するにあたっては、例えば、粘着剤中に滑剤を含有せしめて調整することができる。なお、粘着剤層上に公知の糊殺し剤や剥離剤を網点印刷する等して粘着力を調整してもよい。特に、ホットメル系粘着剤及びエマルジョン系粘着剤は、剥離性接着剤として接着面への糊残りが少ないため、滑剤の調整によって、往復はがきの使用に耐える好適な再接着かつ再剥離可能な粘着力に調整できる。すなわち、エマルジョン系粘着剤は、塗工時に粘度が低い液状であり、コーター等で例えば、隠蔽シート上に塗工した後、隠蔽片4に転写すると、隠蔽片4の紙面に浸透し、隠蔽片表面に対する定着性が強くなる。この為、塗工後に粘着剤が乾燥した後には往信はがき片2や返信はがき片3に接着しても粘着剤が移行しない。また、ホットメルト系粘着剤は、融点が150度程度のものが多く、常温では固体・半固体であり、融点を超えて熱することで液状化する。ホットメルト系粘着剤は、加熱して夜状化して塗工することで、エマルジョン系粘着剤と同様に隠蔽片の紙面に浸透し、隠蔽片紙面への定着性が強くなる。このため、塗工後に常温まで冷却され固化すると、エマルジョン系粘着剤と同様に、往信はがき片や返信はがき片に接着しても粘着剤が移行し難い。そして、これらのエマルジョン系粘着剤及びホットメルト粘着剤は、固体・半固体の安定した粘着力を有する粘着剤層41を形成するため、剥離後の再接着性が低下し難い。特に、ホットメルト系粘着剤は、常温時の粘着力を可塑剤成分の配合によって調整することが可能であり望ましい。
【0034】
往復はがき用シート1における隠蔽片の粘着剤層41と往信はがき片2又は返信はがき片3との接着力は必ずしも限定されないが、JISZ0237の10にある180度引きはがし粘着力の測定で0.049~4.9N/50mmであるのが望ましい。さらに、往信はがき片2から剥離した後に、返信はがき片3に対して接着させた際におけるJISZ0237の10にある180度引きはがし粘着力の測定で0.049~4.9N/50mmであるのが望ましい。この往信はがき片2から剥離した後に、返信はがき片3に対して接着させた際における剥離強度は、上記範囲であれば問題ないが、往信はがき片2と隠蔽片4との最初の接着力の80%以上であるの望ましい。
【0035】
往復はがき用シート1における往信はがき片2の往信情報記入部22を有する他方面と、返信はがき片3の返信情報記入部32を有する一方面は、JIS P 8119で定めるベック平滑度が20~100秒が望ましく、30~40秒がより望ましい。100秒を超えると粘着剤層41に対する接着性及び再接着性が高まりすぎて隠蔽片4の十分な剥離性が得られ難くなる。また、ノンインパクトプリンタやレーザーパリンタで印刷した場合に、トナーの定着性が劣り、粘着剤層41にトナーが転写する問題が生じる恐れがある。20秒を下回ると粘着剤層41との接着面積が小さくなり、接着力が低下し意図しない隠蔽片4の剥離が生ずるおそれが高まる。
【0036】
他方で、往復はがき用シート1を構成する基材10は、上質紙、フォーム用紙、往復はがきに用いられるはがき用紙等が用いられる。坪量は、限定されないが、90~280g/m2であるのが望ましい。また、往復はがき用シート1は、必ずしも限定されないが、通常郵便物のはがきとして扱われるよう剥離シート5を剥離した郵送時において4~12gの範囲となるようにするのが望ましい。
【0037】
往復はがき用シート1を構成する基材10は、返信はがき片2及び返信はがき片3に対して隠蔽片4を接着させた後、剥離した際にカールし難いものであるのが望ましい。このため、往復はがき用シート1は、JIS P 8143で定めるクラーク法における剛度が、60以上であるのが望ましい。なお、ここでの往復はがき用シート1の剛度は、基材10の剛度であり、粘着剤層41が形成されていない往信はがき片2又は返信はがき片3において測定した値をいう。この値であれば、十分なコシがあり、接着後の剥離によりカールし難く、例えば、往信はがき片2から隠蔽片4を剥離した後、返信はがき片3に再接着させやすくまた再接着後に意図せずカールして剥離するおそれがない。
【0038】
他方で、往復はがき用シート1の隠蔽片4の一方面には、隠蔽する必用がない情報等を記入する部分とすることができる。例えば、往復はがきの使用方法や、情報の取り扱いに関する注意書き、返信先の追加の連絡先等の情報が記入される部分とすることができる。その他、往信情報記入部22、返信情報記入部32に記入された隠蔽すべき情報を透けて見え難くするための幾何学的又はランダムな模様印刷などが施されていてもよい。
【0039】
「使用方法例」
次いで、本実施形態の往復はがき用シート1の使用方法を、往復はがきによって、自治体から対象者に対して自治体で行う健康診断の開催、健康診断の種類及び希望日の候補日等の健康診断に関する情報を通知し、被通知者が診断種類や希望日等の情報を自治体に返信する使用形態を例に説明する。
【0040】
まず、健康診断を開催する自治体やその自治体から依頼された業者において、往復はがきとするにあたって、往復はがき用シート1の返信はがき片3の返信宛名部31に、健康診断を行う自治体の担当部門等の返信情報記入部32に記入された隠蔽情報の回収先となる返信先の宛名情報を記入する。この宛名情報の記入の方法は限定されず、例えば、適宜の印刷法によって印刷することができる。もちろん、筆記具による手書きによって行ってもよい。一般には、返信先は、同一者であるため、同一情報を一括印刷するに適する印刷方法によって行うのがよい。
【0041】
他方で、往信はがき片2の往信宛名部21には、健康診断の対象となる自治体の住民など、健康診断に関する情報が通知される被通知者の宛名情報を記入する。例えば、健康診断の対象者となる自治体の住民としては、例えば、特定の年齢や性別等を限定した住民等が例示できる。この宛名情報の記入の方法は限定されず、例えば、適宜の印刷法によって印刷することができる。もちろん、筆記具による手書きによって行ってもよい。一般には、通知先は、複数個所であるため、異なる情報を一括印刷するに適する印刷方法によって行うのがよい。
【0042】
他方で、この本実施形態の往復はがき用シート1の往信はがき片2の往信情報記入部22には、健康診断の種類、金額、健康診断の対象者に特有の情報等などの隠蔽すべき情報、隠蔽が望ましい情報を記入する部分となっている。すなわち、年齢によって健康診断の種類や金額、疾患によって健康診断を受けられる種類が異なる場合には、そのような健康診断に関する情報は、個々人で異なる個別情報となり隠蔽すべき情報、隠蔽が望ましい情報の一例となる。往復はがきとするにあたっては、上記の情報を自治体や依頼された業者において記入する。この往信情報記入部22への情報の記入の方法は、限定されず、例えば、適宜の印刷法によって印刷することができる。また、往信情報記入部22における情報の記入は、不変情報として印刷された情報に対して、追加的に可変情報を記入するようにしてもよい。例えば、健康診断種類を全ての往復はがき用シート1において同一の不変情報として印刷しておいて、金額のみ個別に異なる可変情報として印刷して記入するようにしてもよい。
【0043】
他方で、この本実施形態の往復はがき用シート1では、返信はがき片3の返信情報記入部32は、健康診断に関する通知を受け取った健康診断の対象者等が必用な情報を記入して、返信先に連絡する連絡情報を記入する部分となっている。例えば、対象者の住所、氏名、年齢、電話番号、健康診断に同意する意思表示、希望する健康診断の種類、支払い金額、健康診断を受ける希望日等を記入すべき部分となっている。被通知者の利便性のため、予め、例えば、健康診断に同意する旨の文章、同意の意志表示のための押印を行う箇所、健康診断の希望日を記入する欄、希望診断種類を記入する欄など、被通知者自らが記入する必用のない情報が印刷等によって形成されていてもよい。自治体等から被通知者に通知する段階では、この被通知者が記入すべき連絡情報は記入されていない。なお、被通知者の利便性のために印刷される健康診断に同意する旨の文章等は、全ての往復はがき用シートにおいて同一の不変情報として印刷することができる。
【0044】
上記のように往復はがき用シート1の往信宛名部21、返信宛名部31、往信情報記入部22、返信情報記入部32に、健康診断を行う自治体等において記入すべき必用な情報が記入されたならば、図4及び図5に示すように、隠蔽片4に粘着剤層41を被覆している剥離シート5を剥離して粘着剤層41を露出させ、第二折り線12で隠蔽片4を折り返して、前記粘着剤層41を往信情報記入部22に対面させて接着させる。この接着によって、往復はがき用シート1は、隠蔽片4と往信はがき片2とが積層一体化され、実質的に往信はがき片2と返信はがき片3とが第一折り線11を介して連接される二片連接の往復はがきの形態となる。それとともに、隠蔽片4によって往信情報記入部22に記入した情報が隠蔽される。
【0045】
次いで、往復はがき用シート1が往復はがきとされ、自治体から郵送可能な状態とされたならば、図6に示すように、第一折り線11で返信宛名部31と隠蔽片4とが対面し、往信宛名部21が外面側となるようにして折り返して、被通知者に対して郵送する。
【0046】
この往復はがきを受け取った被通知者は、図7に示すように、隠蔽片4を往信情報記入部22から剥離して往信情報記入部22に記入された情報を読み取る。このとき、隠蔽片4に形成された粘着剤層41は剥離可能な粘着剤層41となっているため容易に剥離することができる。また、この往復はがき用シート1では、粘着剤層41の粘着力が調整された再接着及び再剥離可能な粘着剤層41となっているため、隠蔽片4が、往信はがき片2の往信情報記入部22から剥離された後に、返信はがき片3の返信情報記入部32に対して再接着可能な粘着性が維持される。
【0047】
なお、この往復はがき用シート1では、往復はがきを受け取った被通知者が、隠蔽片4を往信はがき片2から剥離して、再び往信はがき片2、返信はがき片3及び隠蔽片4が、この順で連接する三片連接の形態とした後には、図15に示すように、さらに第二折り線12で隠蔽片4を分離してもよいし、図7に示すままに分離しなくてもよい。
【0048】
他方で、隠蔽片4を往信情報記入部22から剥離する操作の前又は後に、被通知者は、返信情報記入部32に対して、例えば、返信情報記入部32に既に記入されている情報に対応する、通知者の住所、氏名、年齢、電話番号、健康診断に同意する意思表示、希望する健康診断の種類、支払い金額、健康診断を受ける希望日等を記入する。
【0049】
次いで、返信はがき片3の返信情報記入部32に必用な情報を記入したならば、隠蔽片4の粘着剤層41を返信はがき片の一方面である返信情報記入部32に対面させて接着する。このとき粘着剤層41の粘着力が維持されているため再剥離可能に接着され、それとともに返信情報記入部32に記入された情報が隠蔽される。
【0050】
ここで、図7に示すように、この往復はがき用シート1は、隠蔽片4を往信情報記入部22から剥離して、往信はがき片2、返信はがき片3及び隠蔽片4が、この順で連接する三片連接の形態とした後、図8に示すように、第二折り線12で隠蔽片4を折り返して往信はがき片2の往信宛名部21に重ねると、返信情報記入部32と隠蔽片4の粘着剤層41が同一面となる。なお、図示はしないが、返信はがき片3の他方面である返信宛名部31と往信はがき片2の他方面である往信情報記入部22とを対面させるようにして折り返しても、返信情報記入部32と隠蔽片4の粘着剤層41が同一面となる。
【0051】
そして、返信情報記入部32と隠蔽片4の粘着剤層41が同一面となっている形態の際に、既に返信情報記入部32に情報が記入されていれば、図9に示すように、隠蔽片4の粘着剤層41を返信情報記入部32に対面させて接着させることができる。返信情報記入部32に情報を記入していなければ、このとき返信情報記入部32に必用な情報を記入して、図9に示すように、隠蔽片4の粘着剤層41を返信情報記入部32に対面させて接着させることができる。この隠蔽片4を第二折り線12で往信はがき片2から分離せず、第一折り線11で折り返して返信はがき片3の他方面である返信宛名部31と往信はがき片2の他方面である往信情報記入部22とを対面させるようにして折り返した形態で、第二折り線12で折り返して隠蔽片4の粘着剤層41を返信情報記入部32に対面させると、図10及び図11に示すように、隠蔽片4と返信はがき片3とが粘着剤層41によって接着され、往信はがき片2と返信はがき片3とが接着されていない状態となり、第一折り線11及び第二折り線12を折り縁とする袋とじの形態となる。この状態で、図12に示すように、第二折り線12で隠蔽片4と往信はがき片2とを分離すると、図13に示すように、返信情報記入部32に記入された情報が隠蔽片4で隠蔽され、往信はがき片2と返信はがき片3とが第一折り線11で連接された二片連接の形態となる。この使用形態では、隠蔽片4が返信はがき片2に接着されるまで往信はがき片3から分離されないため隠蔽片4を紛失するおそれが各段に小さくなる。
【0052】
また、返信はがき片3と隠蔽片4との接着前に第二折り線12で隠蔽片4を往信はがき片2から分離した場合でも、この往復はがき用シート1では、隠蔽片4が往信はがき片2や返信はがき片3の一方面や他方面の一部に接着された形態ではなく、往信はがき片2及び返信はがき片3と連接する同様の大きさとしやすく、隠蔽片4自体の大きさが大きいため紛失し難い。
【0053】
この往復はがき用シート1は、このように第二折り線12で隠蔽片4と往信はがき片2とを分離する必用があるため上記のとおり第二折り線12がミシン目であるのが望ましい。
【0054】
被通知者において返信情報記入部32に必用な非常を記入して、隠蔽片4の粘着剤層41を返信情報記入部32に対面させて接着させ、返信情報記入部に記入された情報が隠蔽片で隠蔽され、往信はがき片2と返信はがき片3とが第一折り線11で連接された二片連接の形態となった後には、図14に示すように、被通知者が第一折り線11で往信はがき片2と返信はがき片3とを分離し、返信はがき片3を返信はがきとして、自治体等に郵送にて返送する。そして、返送された返信はがきを受け取った自治体等は、返信はがきから隠蔽片4を剥離して、返信情報記入部32に記入された被通知者が記入した情報を読みとる。
【0055】
以上のとおり本実施形態の往復はがき用シートでは、一方面のみに粘着剤層41を有する一の隠蔽片4によって、往信情報記入部22に記入された情報を隠蔽された状態で郵送でき、さらに返信時にも返信情報記入部32に記入された情報を隠蔽された状態で返信することができる。隠蔽片4を構成する基材10の表裏面への不変情報の印刷、さらに一方面への粘着剤層41の形成だけで製造することができ、極めて製造が容易であるとともにコストを低減できる。さらに使用時に隠蔽片4の紛失がし難いものとなっている。
なお、本発明に係る往復はがき用シートは、かならずしも上記の自治体からの健康診断情報の通知の使用形態に限られるわけではない。記入する情報、使用の用途は、本発明の効果を妨げない範囲で適宜に変更可能である。
【符号の説明】
【0056】
1…往復はがき用シート、10…基材、11…第一折り線、12…第二折り線、2…往信片、21…往信宛名部、22…往信情報記入部、3…返信片、31…返信宛名部、32…返信情報記入部、4…隠蔽片、41…粘着剤層、5…剥離シート。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2023-05-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
往復はがき用シート1における往信はがき片2の往信情報記入部22を有する他方面と、返信はがき片3の返信情報記入部32を有する一方面は、JIS P 8119で定めるベック平滑度が20~100秒が望ましく、30~40秒がより望ましい。100秒を超えると粘着剤層41に対する接着性及び再接着性が高まりすぎて隠蔽片4の十分な剥離性が得られ難くなる。また、ノンインパクトプリンタやレーザーリンタで印刷した場合に、トナーの定着性が劣り、粘着剤層41にトナーが転写する問題が生じる恐れがある。20秒を下回ると粘着剤層41との接着面積が小さくなり、接着力が低下し意図しない隠蔽片4の剥離が生ずるおそれが高まる。