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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165508
(43)【公開日】2023-11-16
(54)【発明の名称】開閉体巻取部の吊元構造
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/173 20060101AFI20231109BHJP
   E06B 9/174 20060101ALI20231109BHJP
   E06B 9/56 20060101ALI20231109BHJP
【FI】
E06B9/173
E06B9/174
E06B9/56 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022076604
(22)【出願日】2022-05-06
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067323
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 教光
(74)【代理人】
【識別番号】100124268
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 典行
(72)【発明者】
【氏名】小林 正典
(72)【発明者】
【氏名】中崎 悠介
(72)【発明者】
【氏名】猪俣 忠明
【テーマコード(参考)】
2E042
【Fターム(参考)】
2E042AA01
2E042BA01
2E042BA04
2E042CA02
(57)【要約】
【課題】材料コストを安価にでき、防火構造を実現できるとともに、組立作業も容易となる開閉体巻取部の吊元構造を提供する。
【解決手段】建物開口部13を開閉するシャッターカーテン15と、シャッターカーテン15を巻き取る巻取シャフト17とをねじ19にて連結する開閉体巻取部の吊元構造であって、巻取シャフト17は、軸線に沿う連結溝49を外周面51に有し、ロールフォーミングにより中空パイプとして形成され、連結溝49は、溝幅を挟んで対向する一対の溝縁に、溝幅を狭める一対のリブ59を有し、連結溝49には、一対のリブ59の間に締結穴61を表出させる連結体63が挿入され、連結体63は、連結溝49からの脱落が一対のリブ59により規制されるとともに、軸線に沿う方向に移動自在となり、連結体63には、シャッターカーテン15の吊元部材45が、この吊元部材45を貫通して締結穴61に締結するねじ19にて固定されることを特徴とする。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の開口部を開閉する開閉体と、この開閉体を巻き取る巻取シャフトとを締結部材にて連結する開閉体巻取部の吊元構造であって、
前記巻取シャフトは、軸線に沿う連結溝を外周面に有し、ロールフォーミングにより中空パイプとして形成され、
前記連結溝は、溝幅を挟んで対向する一対の溝縁が、前記溝幅を狭める方向に延出し、且つそれぞれ逆向きに折り返し、潰し曲げにて形成された一対のリブを有し、
前記連結溝には、前記一対のリブの間に締結穴を表出させる連結体が挿入され、
前記連結体は、前記連結溝からの脱落が前記一対のリブにより規制されるとともに、前記軸線に沿う方向に移動自在となり、
前記連結体には、前記開閉体の吊元部材が、この吊元部材を貫通して前記締結穴に締結する前記締結部材にて固定されることを特徴とする開閉体巻取部の吊元構造。
【請求項2】
前記連結溝が、前記巻取シャフトの内側に凸部となって突出し、この凸部が、前記巻取シャフトの内周に同軸で挿入されて回転駆動されるホイルの外周面に形成された凹部に係合することを特徴とする請求項1に記載の開閉体巻取部の吊元構造。
【請求項3】
前記一対のリブは、前記巻取シャフトの外周面に沿って連続する面を有して、前記外周面に沿う方向で前記溝幅を狭めて延出形成されることを特徴とする請求項1に記載の開閉体巻取部の吊元構造。
【請求項4】
前記一対のリブは、前記巻取シャフトの外周面に沿って連続する面を有して、前記外周面に沿う方向で前記溝幅を狭めて延出形成されることを特徴とする請求項2に記載の開閉体巻取部の吊元構造。
【請求項5】
前記連結体が、前記リブを挟んで前記連結溝の外側に配置される溝外板部と、前記リブを挟んで前記連結溝の内側に配置される溝内板部とを有し、
前記溝外板部と、前記溝内板部とは、折曲部を介してU字状に連続して一体形成され、
前記溝外板部には貫通穴が形成されるとともに、前記溝内板部には前記締結穴が前記貫通穴と同軸となって形成され、
前記締結部材が前記締結穴に締結されることにより、前記溝外板部に形成された外側挟持部と、前記溝内板部に形成された内側挟持部と、によってリブを前記巻取シャフトの半径方向内外から挟むことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の開閉体巻取部の吊元構造。
【請求項6】
前記連結体が、前記連結溝の外側に配置される溝外板部と、前記連結溝の内側に配置される溝内板部と、を有し、
前記溝外板部は、前記巻取シャフトの外周面より突出する突出部に前記締結穴を有し、
前記溝内板部は、前記連結溝からの脱落が前記一対のリブにより規制され、
前記連結体には、前記開閉体の吊元部材が、この吊元部材を貫通して前記締結穴に締結する前記締結部材にて固定されることを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の開閉体巻取部の吊元構造。
【請求項7】
前記連結体が、前記軸線に沿って長い帯板状に形成されるとともに、前記連結溝からの脱落が前記一対のリブにより規制されて前記連結溝の内側に配置され、
前記連結体には、前記締結穴である長手方向に沿うスリットが、前記一対のリブの間に表出して形成され、
前記連結体に、前記開閉体の吊元部材が、この吊元部材を貫通して前記スリットに螺合する前記締結部材にて固定されるとともに、この締結部材の螺合により前記スリットの間隔幅を広げて前記連結溝内において前記連結体の幅長を前記連結溝の内幅と同等に拡幅変形させることを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の開閉体巻取部の吊元構造。
【請求項8】
前記連結体が、前記軸線に沿って長い帯板状に形成され、前記連結溝からの脱落が前記一対のリブにより規制されて前記連結溝の内側に配置されるとともに、前記一対のリブの間で長手方向中央部に配置される前記締結穴を有し、
前記連結体の前記締結穴を挟む長手方向の両端には、前記締結穴に螺合して回転される前記締結部材であるねじの回転方向に突出して前記連結溝の溝内面に対向する一対の爪部が形成され、
前記連結体には、前記開閉体の吊元部材が、この吊元部材を貫通して前記締結穴に締結する前記ねじにて固定されることを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の開閉体巻取部の吊元構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉体巻取部の吊元構造に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の開口部を開閉する開閉体を、吊元部材を介して、開閉体を巻き取る巻取シャフトの外周に取り付ける開閉体の吊元構造において、巻取シャフトの外周には、その軸方向に沿って連続する引掛け突片が一体に突出形成され、該引掛け突片に、吊元部材に形成された引掛け部が引っ掛けられた状態で係止されるとともに、吊元部材を貫通するねじがアルミ製の巻取シャフトに螺着固定されていることを特徴とする開閉体の吊元構造が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-83100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の吊元構造に用いる巻取シャフトは、成形性の良いアルミを用いたパイプよりなる一体の押出成形品により構成され、剛性を備えるために十分に厚みを有しているため、製造コストがやや高い問題がある。また、開閉体の構造として防火構造とする場合に、アルミの巻取シャフトは火災時の熱で軟化し溶けるおそれがある。このようなことから、巻取シャフトをスチール製とする要請がある。ところが、アルミ製の巻取シャフトは、2~3mmの肉厚が有るため、吊元部材を直接巻取シャフトに対してビス止めすることができたが、巻取シャフトをスチール製とすれば、肉厚が0.4mm程度の薄厚であることから螺合寸法(ねじ山の掛かり)を確保できず、十分な固定強度を確保できない問題がある。なお、スチール製の巻取シャフトは、螺合寸法を確保するために板厚を増せば不必要に重量が増え、大きな開閉機が必要になる。つまり、開閉体がシャッターである場合に、大開口の間口に配設されるシャッター装置などでは実現可能であるが、住宅の窓なとに配設される窓シャッターなどの小型軽量なシャッター装置では設置が可能とは言えない。また、厚みの薄い巻取シャフトの場合、ナットを用いてビス(ボルト)止めして固定強度を確保することも考えられるが、外から通されるビス(ボルト)を、目視しにくい巻取シャフトの内側に設けたナットに対して螺合しなければならず、ナットの配置や螺合作業が難しい問題がある。
【0005】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、材料コストを安価にでき、防火構造を実現できるとともに、組立作業も容易となる開閉体巻取部の吊元構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載の開閉体巻取部の吊元構造は、建物の開口部13を開閉する開閉体15と、この開閉体15を巻き取る巻取シャフト17とを締結部材19にて連結する開閉体巻取部の吊元構造であって、
前記巻取シャフト17は、軸線に沿う連結溝49を外周面51に有し、ロールフォーミングにより中空パイプとして形成され、
前記連結溝49は、溝幅を挟んで対向する一対の溝縁が、前記溝幅を狭める方向に延出し、且つそれぞれ逆向きに折り返し、潰し曲げにて形成された一対のリブ59を有し、
前記連結溝49には、前記一対のリブ59の間に締結穴61を表出させる連結体63が挿入され、
前記連結体63は、前記連結溝49からの脱落が前記一対のリブ59により規制されるとともに、前記軸線に沿う方向に移動自在となり、
前記連結体63には、前記開閉体15の吊元部材45が、この吊元部材45を貫通して前記締結穴61に締結する前記締結部材19にて固定されることを特徴とする。
【0007】
この開閉体巻取部の吊元構造では、巻取シャフト17が、ロールフォーミングにより中空パイプとなる。中空パイプは、例えば、板材51の両端縁を互いに逆向きに折り返して掛け合い、その重なり部分を板厚方向に平潰しして接合される。巻取シャフト17は、軸線に沿う連結溝49を外周面51に有してロールフォーミングにて得られる。
連結溝49は、溝幅を挟んで対向する一対の溝縁が、溝幅を狭める方向に延出した後それぞれ逆向きに折り返されて平潰しされた一対のリブ59を有する。つまり、連結溝49は、溝縁の溝幅が溝の底側よりも狭められ、奥拡がりな溝に形成されている。
連結溝49には、一対のリブ59の間に締結穴61を表出させる連結体63が挿入される。連結体63は、一対のリブ59により、連結溝49からの脱落が規制されるとともに、軸線に沿う方向に移動自在となる。つまり、連結体63は、開閉体15の吊元部材45の固定位置に合わせて自在に位置決めが行える。連結体63には、開閉体15の吊元部材45が、この吊元部材45を貫通して締結穴61に締結する締結部材19にて固定される。
このように開閉体巻取部の吊元構造では、薄肉の板材からなる巻取シャフト17であっても、巻取シャフト17の外周面51に設けた連結溝49に、連結体63を抜け止めして挿入し、この連結体63に、開閉体15の吊元部材47を十分な固定強度で容易に締結できる。これにより、開閉体巻取部の吊元構造は、高価なアルミ素材を廃止して、安価なスチール製に素材を置き換えることができる。巻取シャフト17は、スチール製とすることにより、アルミ製に比べ耐火性能を向上させることができる。また、巻取シャフト17の外周側から締結部材19を締結できるので、巻取シャフト17の内部にナットを配置する必要がなく、簡素な構造で、容易かつ迅速に締結作業が行えるようになる。
【0008】
本発明の請求項2記載の開閉体巻取部の吊元構造は、請求項1に記載の開閉体巻取部の吊元構造であって、
前記連結溝49が、前記巻取シャフト17の内側に凸部55となって突出し、この凸部55が、前記巻取シャフト17の内周に同軸で挿入されて回転駆動されるホイル41の外周面51に形成された凹部57に係合することを特徴とする。
【0009】
この開閉体巻取部の吊元構造では、連結溝49が、巻取シャフト17の内側に凸部55となって突出する。すなわち、凸部55は、連結溝49の反転形状となって巻取シャフト17の内側に突出する。巻取シャフト17は、軸線に直交する断面の内側に、若干小さい外径で形成されたホイル41が同軸で挿入される。このホイル41は、開閉機35により回転駆動される。ホイル41は、凸部55が係合する凹部57を外周に有する。これにより、巻取シャフト17は、ホイル41からの回転が凹部57から凸部55に伝達されて正逆回転駆動されることになる。
【0010】
本発明の請求項3記載の開閉体巻取部の吊元構造は、請求項1に記載の開閉体巻取部の吊元構造であって、
前記一対のリブ59は、前記巻取シャフト17の外周面51に沿って連続する面を有して、前記外周面51に沿う方向で前記溝幅を狭めて延出形成されることを特徴とする。
【0011】
この開閉体巻取部の吊元構造では、一対のリブ59が巻取シャフト17の外周面51に沿う面を有し、この外周面51に沿う方向で溝幅を狭めて延出形成されており、外周面51よりも外方に突出することがない。これにより、取り付けられる吊元部材45と干渉することがない。
【0012】
本発明の請求項4記載の開閉体巻取部の吊元構造は、請求項2に記載の開閉体巻取部の吊元構造であって、
前記一対のリブ59は、前記巻取シャフト17の外周面51に沿って連続する面を有して、前記外周面51に沿う方向で前記溝幅を狭めて延出形成されることを特徴とする。
【0013】
この開閉体巻取部の吊元構造では、一対のリブ59が巻取シャフト17の外周面51に沿う面を有し、この外周面51に沿う方向で溝幅を狭めて延出形成されており、外周面51よりも外方に突出することがない。これにより、取り付けられる吊元部材45と干渉することがない。
【0014】
本発明の請求項5記載の開閉体巻取部の吊元構造は、請求項1~4のいずれか1つに記載の開閉体巻取部の吊元構造であって、
前記連結体63が、前記リブ59を挟んで前記連結溝49の外側に配置される溝外板部65と、前記リブ59を挟んで前記連結溝49の内側に配置される溝内板部67とを有し、
前記溝外板部65と、前記溝内板部67とは、折曲部69を介してU字状に連続して一体形成され、
前記溝外板部65には貫通穴71が形成されるとともに、前記溝内板部67には前記締結穴61が前記貫通穴71と同軸となって形成され、
前記締結部材19が前記締結穴61に締結されることにより、前記溝外板部65に形成された外側挟持部73と、前記溝内板部67に形成された内側挟持部75と、によってリブ59を前記巻取シャフト17の半径方向内外から挟むことを特徴とする。
【0015】
この開閉体巻取部の吊元構造では、巻取シャフト17の外周面51に形成された連結溝49に、連結体63が挿入される。連結体63は、リブ59を挟んで連結溝49の外側に配置される溝外板部65と、リブ59を挟んで連結溝49の内側に配置される溝内板部67と、が折曲部69を介してU字状に折り曲げられているように一体形成される。
連結体63は、溝外板部65に、締結部材19が貫通する貫通穴71を有するとともに、溝内板部67に、締結部材19が締結する締結穴61を有する。また、溝外板部65には、リブ59の溝外側に配置される外側挟持部73が形成される。溝内板部67には、リブ59の溝内側に配置される内側挟持部75が形成される。
連結溝49に挿入された連結体63の締結穴61には、吊元部材45を貫通した締結部材19であるねじが締結される。連結体63は、締結部材19が締結される前は、連結溝49に沿って移動が自在となる。つまり、連結体63は、開閉体15の吊元部材45の固定位置に合わせて自在に位置決めや位置調整が行える。
一方、吊元部材45を貫通したねじが、溝外板部65の貫通穴71を貫通し、溝内板部67の締結穴61に締結されると、U字状の折曲部69が変形して、溝内板部67が溝外板部65に引き寄せられる。これにより、連結体63は、溝外板部65の外側挟持部73と、溝内板部67の内側挟持部75とが、一対のリブ59を巻取シャフト17の内外方向から挟み、巻取シャフト17の軸線方向の移動が規制されるとともに、巻取シャフト17に固定される。同時に、開閉体15も、吊元部材45が連結体63を介して巻取シャフト17に固定されることになる。
この開閉体巻取部の吊元構造では、連結体63に対する締結部材19の締結作業のみで、開閉体15の吊元部材45を巻取シャフト17の所望の位置に、簡素な構造でかつ迅速に固定できる。
【0016】
本発明の請求項6記載の開閉体巻取部の吊元構造は、請求項1~4のいずれか1つに記載の開閉体巻取部の吊元構造であって、
前記連結体77が、前記連結溝49の外側に配置される溝外板部65と、前記連結溝49の内側に配置される溝内板部67と、を有し、
前記溝外板部65は、前記巻取シャフト17の外周面51より突出する突出部79に前記締結穴61を有し、
前記溝内板部67は、前記連結溝49からの脱落が前記一対のリブ59により規制され、
前記連結体77には、前記開閉体15の吊元部材45が、この吊元部材45を貫通して前記締結穴61に締結する前記締結部材19にて固定されることを特徴とする。
【0017】
この開閉体巻取部の吊元構造では、巻取シャフト17の外周面51に形成された連結溝49に、連結体77が挿入される。連結体77は、締結部材19が締結される前は、連結溝49に沿って移動が自在となる。つまり、連結体77は、開閉体15の吊元部材45の固定位置に合わせて自在に位置決めが行える。
連結体77は、連結溝49の外側に配置される溝外板部65と、連結溝49の内側に配置される溝内板部67とを有する。溝外板部65は、巻取シャフト17の外周面51より突出する突出部79を有し、この突出部79に締結穴61が形成される。
連結体77は、溝内板部67が、一対のリブ59により連結溝49から抜け止めされることで、連結溝49からの脱落が規制される。連結溝49から抜け止めされた溝外板部65の突出部79には、吊元部材45を貫通した締結部材19が締結される。これにより、開閉体15は、吊元部材45が、連結溝49に抜け止めされた連結体77に締結され、この連結体77を介して巻取シャフト17に固定されることになる。
この開閉体巻取部の吊元構造では、連結体77に対する締結部材19の締結作業のみで、開閉体15の吊元部材45を巻取シャフト17の所望の位置に、簡素な構造でかつ迅速に固定できる。
また、この開閉体巻取部の吊元構造では、連結溝49の外側に配置された溝外板部65の突出部79に、締結部材19が締結され、溝内板部67のみが連結溝49の内側に配置される。すなわち、連結溝49の深さを浅く形成することができる。また、溝内板部67を連結溝49に配置することで、ねじの長さ分のスペースが確保可能となる。このスペースは、ねじの先端が連結溝49の底面に到達する前に締結を完了できる長さに設定される。
この開閉体巻取部の吊元構造では、ねじの締結を行っても、ねじの先端が連結溝49の溝底に当たらないようにして、連結溝49を必要最小限の深さで形成できる。これにより、巻取シャフト17は、より大きな外径のホイル41を収容可能とすることができる。
【0018】
本発明の請求項7記載の開閉体巻取部の吊元構造は、請求項1~4のいずれか1つに記載の開閉体巻取部の吊元構造であって、
前記連結体81が、前記軸線に沿って長い帯板状に形成されるとともに、前記連結溝49からの脱落が前記一対のリブ59により規制されて前記連結溝49の内側に配置され、
前記連結体81には、前記締結穴61である長手方向に沿うスリット83が、前記一対のリブ59の間に表出して形成され、
前記連結体81に、前記開閉体15の吊元部材45が、この吊元部材45を貫通して前記スリット83に螺合する前記締結部材19にて固定されるとともに、この締結部材19の螺合により前記スリット83の間隔幅を広げて前記連結溝49内において前記連結体81の幅長を前記連結溝49の内幅と同等に拡幅変形させることを特徴とする。
【0019】
この開閉体巻取部の吊元構造では、巻取シャフト17の外周面51に形成された連結溝49に、連結体81が挿入される。連結体81は、軸線に沿って長い帯板状に形成されるとともに、連結溝49からの脱落が一対のリブ59により規制されて連結溝49の内側に配置される。連結体81は、締結部材19が締結される前は、連結溝49に沿って移動が自在となる。つまり、連結体81は、開閉体15の吊元部材45の固定位置に合わせて自在に位置決めが行える。
連結体81には、締結穴61となる長手方向に沿うスリット83が形成される。スリット83は、一対のリブ59の間に表出する。スリット83は、締結部材19であるねじの外径よりもスリット幅が小さく、ねじが螺合可能となる。
開閉体15は、吊元部材45を貫通してスリット83に締結するねじにて吊元部材45が連結体81に固定される。この際、連結体81は、スリット83の長手方向中央部にねじが螺合される。連結体81は、スリット83の間隔幅がねじの外径よりも小さいので、ねじが螺合されると、スリットの間隔幅を広げ、長手方向中央部が外側へ拡げられる。連結体81は、外側へ拡げられた長手方向中央部の幅長が、連結溝49の内幅と同等となるよう拡幅変形され連結溝49の対向する溝内面87に圧接する。
また、吊元部材45を貫通したねじが、スリット83への締結が進むと、連結体81は引き寄せられることになる。これにより、連結体81は、一対のリブ59を吊元部材45とで巻取シャフト17の内外方向から挟み、巻取シャフト17の軸線方向の移動が規制されるとともに、巻取シャフト17に固定される。同時に、開閉体15も、吊元部材45が連結体81を介して巻取シャフト17に固定されることになる。
この開閉体巻取部の吊元構造では、スリット83に対するねじの締結作業のみで、開閉体15の吊元部材45を巻取シャフト17の所望の位置に、簡素な構造でかつ迅速に固定できる。
【0020】
本発明の請求項8記載の開閉体巻取部の吊元構造は、請求項1~4のいずれか1つに記載の開閉体巻取部の吊元構造であって、
前記連結体89が、前記軸線に沿って長い帯板状に形成され、前記連結溝49からの脱落が前記一対のリブ59により規制されて前記連結溝49の内側に配置されるとともに、前記一対のリブ59の間で長手方向中央部に配置される前記締結穴61を有し、
前記連結体89の前記締結穴61を挟む長手方向の両端には、前記締結穴61に螺合して回転される前記締結部材19であるねじの回転方向に突出して前記連結溝49の溝内面87に対向する一対の爪部91が形成され、
前記連結体89には、前記開閉体15の吊元部材45が、この吊元部材45を貫通して前記締結穴61に締結する前記ねじにて固定されることを特徴とする。
【0021】
この開閉体巻取部の吊元構造では、巻取シャフト17の外周面51に形成された連結溝49に、連結体89が挿入される。連結体89は、軸線に沿って長い帯板状に形成されるとともに、連結溝49からの脱落が一対のリブ59により規制されて連結溝49の内側に配置される。連結体89は、締結部材19が締結される前は、連結溝49に沿って移動が自在となる。つまり、連結体89は、開閉体15の吊元部材45の固定位置に合わせて自在に位置決めが行える。
連結体89は、締結穴61が、一対のリブ59の間で、長手方向中央部に配置されている。連結体89の締結穴61を挟む長手方向の両端には、締結穴61に螺合して回転される締結部材19であるねじの回転方向に突出して、連結溝49の溝内面87に対向する一対の爪部91が形成される。連結体89には、開閉体15の吊元部材45が、この吊元部材45を貫通して締結穴61に締結するねじにて固定される。
この開閉体巻取部の吊元構造では、吊元部材45を貫通したねじが、連結溝49に挿入されている連結体89の締結穴61に締め付けられる。ねじが回転されると、連結体89がねじの回転方向に連れ回りし、長手方向の両端に設けられた爪部91が連結溝49の対向する溝内面87にそれぞれに食い込み引っ掛かる。爪部91が溝内面87に引っ掛かった連結体89は、連結溝49に沿う方向の移動が規制される。
また、吊元部材45を貫通したねじが、締結穴61への締結が進むと、連結体89は引き寄せられることになる。これにより、連結体89は、一対のリブ59を吊元部材45とで巻取シャフト17の内外方向から挟み、巻取シャフト17の軸線方向の移動が規制されるとともに、巻取シャフト17に固定される。同時に、開閉体15も、吊元部材45が連結体89を介して巻取シャフト17に固定されることになる。
この開閉体巻取部の吊元構造では、締結穴61に対するねじの締結作業のみで、開閉体15の吊元部材45を巻取シャフト17の所望の位置に、簡素な構造でかつ迅速に固定できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る請求項1記載の開閉体巻取部の吊元構造によれば、巻取シャフト自体の材料コストを安価にでき、素材による防火構造を実現できるとともに、吊元部材を巻取シャフトの外周側から締結固定でき組立作業も容易にできる。
【0023】
本発明に係る請求項2記載の開閉体巻取部の吊元構造によれば、連結溝の反転形状となって巻取シャフトの内側に突出する凸部を、ホイルの外周面に設けられる凹部に係合でき、連結溝を有効に利用して、ホイルからの正逆回転を巻取シャフトに伝達することができる。
【0024】
本発明に係る請求項3記載の開閉体巻取部の吊元構造によれば、一対のリブが巻取シャフトの外周面よりも外方に突出することがなく、これにより、取り付けられる吊元部材と干渉することがない。
【0025】
本発明に係る請求項4記載の開閉体巻取部の吊元構造によれば、一対のリブが巻取シャフトの外周面よりも外方に突出することがなく、これにより、取り付けられる吊元部材と干渉することがない。
【0026】
本発明に係る請求項5記載の開閉体巻取部の吊元構造によれば、連結溝に挿入した連結体に、吊元部材を貫通したねじを締結することにより、U字状の折曲部を変形させ、溝内板部を溝外板部に引き寄せて、リブを挟んで連結体を巻取シャフトに固定できるので、材料コストを安価にでき、防火構造を実現できるとともに、連結体が巻取シャフト外周面よりも突出して配置されることで、連結体の移動や位置決めを容易に行え、組立作業も容易にできる。
【0027】
本発明に係る請求項6記載の開閉体巻取部の吊元構造によれば、連結溝に挿入した連結体に、吊元部材を貫通したねじを締結することにより、巻取シャフトの構造上、ねじ長さ以上の連結溝深さを確保できない場合であっても、連結体に開閉体の吊元部材を固定できるので、材料コストを安価にでき、防火構造を実現できるとともに、連結体が巻取シャフト外周面よりも突出して配置されることで、連結体の移動や位置決めを容易に行え、組立作業も容易にできる。
【0028】
本発明に係る請求項7記載の開閉体巻取部の吊元構造によれば、連結溝に挿入した連結体のスリットにおける長手方向中央部に、吊元部材を貫通したねじを締結することにより、連結体を溝幅方向に拡げ、連結溝の中で連結体を引っ掛けて巻取シャフトに固定できるので、簡素な構造となって材料コストを安価にでき、防火構造を実現できるとともに、組立作業も容易にできる。
【0029】
本発明に係る請求項8記載の開閉体巻取部の吊元構造によれば、連結溝に挿入した連結体の締結穴に、吊元部材を貫通したねじを締めることにより、連結体を回転させ、爪部を連結溝の溝内面に引っ掛けて連結体を巻取シャフトに固定できるので、材料コストを安価にでき、防火構造を実現できるとともに、組立作業も容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の第1実施形態に係る開閉体巻取部の吊元構造を備える窓用シャッター装置の外斜視図である。
図2】シャッター収納部の一部分を垂直面で切断した正面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る開閉体巻取部の吊元構造を構成する部材の一部である巻取シャフト17の側面図である。
図4図3に示した連結体が連結溝より外された分解斜視図である。
図5】(a)は連結体が固定される前の連結溝の要部拡大図、(b)は(a)のA-A断面図である。
図6】(a)は連結体が固定された連結溝の要部拡大図、(b)は(a)のB-B断面図である。
図7】本発明の第2実施形態に係る開閉体巻取部の吊元構造を備える巻取シャフトの分解斜視図である。
図8】連結体が固定される前の連結溝の要部拡大図である。
図9】連結体が固定された連結溝の要部拡大図である。
図10】本発明の第3実施形態に係る開閉体巻取部の吊元構造を備える巻取シャフトの分解斜視図である。
図11】連結体が固定される前の連結溝の正面図である。
図12】連結体が固定された連結溝の正面図である。
図13】連結体が固定された連結溝の側面図である。
図14】本発明の第4実施形態に係る開閉体巻取部の吊元構造を備える巻取シャフトの分解斜視図である。
図15】連結体が固定される前の連結溝の正面図である。
図16】連結体が固定された連結溝の正面図である。
図17】連結体が固定された連結溝の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る開閉体巻取部の吊元構造を備える窓用シャッター装置11の外斜視図である。
第1実施形態に係る開閉体巻取部の吊元構造は、建物の開口部13を開閉する開閉体15と、この開閉体15を巻き取る巻取シャフト17(図2参照)とを締結部材19(図3参照)にて連結する構造である。開閉体巻取部の吊元構造は、例えば窓用シャッター装置11に用いて好適となる。
【0032】
窓用シャッター装置11は、住宅の窓部を構成するサッシ窓21の外側に取り付けられる。住宅の外壁には、開口部13が設けられる。この開口部13には、サッシ窓21が取り付けられる。窓用シャッター装置11は、開閉体15であるシャッターカーテンを有する。シャッターカーテン15は、外壁の外側で昇降してサッシ窓21を覆う。本実施形態において、シャッターカーテン15は、防火性能を向上させることのできるスチール製のスラット23を複数連結して構成される。
【0033】
シャッターカーテン15は、複数のスラット23が、隣接する長手方向に沿う両端縁同士を係合することにより、巻回可能な面状に連結構成される。シャッターカーテン15は、操り出し方向の先端に、座板25が取り付けられる。座板25は、シャッターカーテン15が下降した際、下枠27に着座する。シャッターカーテン15は、サッシ窓21を挟んで左右に一対が設けられるガイドレール28により昇降が案内される。ガイドレール28は、シャッターカーテン15の昇降方向に延在し、シャッターカーテン15の側縁部を表裏面から挟んで案内する。一対のガイドレール28のそれぞれは、サッシ窓21を挟む左右で外壁に取り付けられた一対の外枠29の内側に固定される。
【0034】
一対の外枠29は、シャッターカーテン15の昇降方向に延在し、下端同士が下枠27により連結される。この一対の外枠29は、上端部側で、シャッター収納部31における荷重の一部を支持する。シャッター収納部31は、サッシ窓21の間口方向に延在する略直方体形状で形成される。シャッター収納部31の長手方向両端の側板部には、外枠29よりも若干外側に突出する化粧カバーが取り付けられてもよい。
【0035】
一対の外枠29の上端部には、ガイドレール28におけるシャッターカーテン15の呑み込み口が開口する。この呑み込み口は、外枠29の上端部にシャッター収納部31が載置されることにより、シャッター収納部31の内側で開口する。一対の外枠29の上端部は、上枠(不図示)により固定される。上枠は、所謂まぐさである。シャッター収納部31は、このまぐさの上方に取り付けられる。
【0036】
図2は、シャッター収納部31の一部分を垂直面で切断した正面図である。
シャッター収納部31は、両側に、ブラケット33が設けられる。一方のブラケット33には、開閉機であるチューブラモータ35が固定される。他方のブラケット33には、固定軸37が固定される。これらチューブラモータ35の回転軸39と固定軸37とは同軸状に配置される。
【0037】
チューブラモータ35には減速器が設けられ、所定比で減速され、所定トルクを有する状態で回転軸39を回転させる。固定軸37の両端には、ベアリングを介してホイル41が回動自在に設けられている。また、回転軸39にも、ベアリングを介して同径のホイル41が回転自在に設けられている。チューブラモータ35の固定部における近傍には、ホイル41と同径の回転体43(リミットリング)が設けられ、この回転体43は、チューブラモータ駆動時に回転する回転軸39とは連結されておらず、自由に回転自在である。
【0038】
これらホイル41及び回転体43の外周部分には、シャッターカーテン15を巻き取る巻取り部材として中空の巻取シャフト17が固定されている。この巻取シャフト17の外周には、吊元スラットである吊元部材45(図3参照)を介してシャッターカーテン15の一端が連結されている。なお、吊元部材45は、シャッターカーテン15を構成するスラット23の上端(一端)となるスラットであり、図に示すように長手方向に沿う両端縁が他のスラット23と同様に形成されているとともに、これら端縁に挟まるスラット本体部分の形状が他のスラット23と異なる形状とされ、巻取内側となる方向に突出するような取付板部46を有し、好ましくは取付板部46は平板状に形成されるスラットである。この他、吊元部材45としては、他のスラット23と同等の長手方向の長さであってもよく、他のスラット23よりも短尺に形成されて、スラット23の長手方向に複数配置されるような分割構造でもよく、さらには、スラット23との連結部分を備える端縁と、平板状に形成される端縁とを備えるような形状とされてもよく、後述する締結部材19が貫通される部分となる取付板部46を有するとともに、シャッターカーテン15の上端となる構成であればよい。
【0039】
また、固定軸37には、巻取り用バネ47(平衡スプリング)が設けられ、この巻取り用バネ47は、シャッターカーテン15を巻き上げる際の巻取シャフト17の回転方向に付勢されたねじりバネで構成され、シャッターカーテン15の巻取りを軽い力で行えるものである。よって、この巻取り用バネ47を設けることにより、巻き上げ時の負荷が軽減され、その分、チューブラモータ35が小型化されている。このように、窓用シャッター装置11は、電動開閉機としてチューブラモータ35を用い、巻取り用バネ47を併設した構成によって全体が小型簡素化されている。
なお、ホイル41及び回転体43の外形状は、巻取シャフト17の内径と略同等の外径となる円形として構成されてもよく、或いは多角形に形成することとしてもよい。
【0040】
図3は、本発明の第1実施形態に係る開閉体巻取部の吊元構造を構成する部材の一部である巻取シャフト17の側面図である。
巻取シャフト17は、軸線に沿う連結溝49を外周面51に有し、ロールフォーミングにより中空パイプとして形成される。巻取シャフト17は、連結溝49と、この連結溝49とほぼ同形な溝状の窪み部53とが、円周方向に等間隔で設けられている。一例として連結溝49は一つ、窪み部53は3つ設けられている。連結溝49及び窪み部53は、巻取シャフト17の板材を内側に曲げ加工して形成されることから、巻取シャフト17の内側には凸部55となって突出する。
【0041】
開閉体巻取部の吊元構造は、連結溝49及び窪み部53が、巻取シャフト17の内側に凸部55となって突出し、この凸部55が、巻取シャフト17の内周に同軸で挿入されて回転駆動されるホイル41の外周面51に形成された凹部57に係合する。
【0042】
連結溝49は、溝幅を挟んで対向する一対の溝縁が、溝幅を狭める方向に延出した後それぞれ逆向きに折り返された一対のリブ59を有する。リブ59は、潰し曲げ加工、所謂ヘミング曲げにより形成できる。なお、一対のリブ59は、好ましくは巻取シャフト17の外周面51に沿って連続する面を有して、この外周面51に沿う方向で溝幅を狭めて延出形成され、すなわち、外周面51よりも外方に突出せず、さらに好ましくは、外周面51の曲面に沿わずに平坦に形成される。連結溝49には、一対のリブ59の間に締結穴61(図4参照)を表出させる連結体63が挿入される。連結体63は、スチール製とすることができる。連結体63は、連結溝49からの脱落が一対のリブ59により規制される。連結体63は、溝の長手方向となる軸線に沿う方向に移動自在となる。連結体63には、シャッターカーテン15の上端に設けられた吊元部材45が、この吊元部材45を貫通して締結穴61に締結する締結部材19であるねじ等にて固定される。なお、締結部材19は、ねじの他、ビス、ボルト、リベットなどであってもよい。
【0043】
図4は、図3に示した連結体63が連結溝49より外された分解斜視図である。
開閉体巻取部の吊元構造は、連結体63が、リブ59を挟んで連結溝49の外側に配置される溝外板部65と、リブ59を挟んで連結溝49の内側に配置される溝内板部67とを有する。溝外板部65と、溝内板部67とは、折曲部69を介してU字状或いはコ字状に一体に連続し、平板を折り曲げることで形成される。折曲部69は、一対のリブ59の間に配置が可能となる細幅に形成される。溝外板部65には、貫通穴71が形成される。溝内板部67には、締結穴61が形成される。貫通穴71と締結穴61とは、同軸に配置される。なお、締結穴61は締結部材19であるねじが螺合する内径であり、貫通穴71はねじの外径よりも大径な内径で形成される。また、溝外板部65は、リブ59を巻取シャフト17の外側から挟むための外側挟持部73を有する。溝内板部67は、リブ59を巻取シャフト17の内側から挟むための内側挟持部75を有する。外側挟持部73と内側挟持部75とは、具体的には溝外板部65と溝内板部67のそれぞれの縁部分であり、リブ59の延出方向と同方向で折曲部69よりも張り出して形成される。
【0044】
図5(a)は連結体63が固定される前の連結溝49の要部拡大図、(b)は(a)のA-A断面図である。
この開閉体巻取部の吊元構造では、連結体63が連結溝49に挿入されると、溝外板部65の外側挟持部73がリブ59の外側に配置され、溝内板部67の内側挟持部75がリブ59の内側に配置される。この状態で、連結体63は、連結溝49に沿って移動が可能となる。連結体63には、吊元部材45を貫通した締結部材19が、貫通穴71から挿入可能となる。貫通穴71に挿入された締結部材19は、同軸に配置される溝内板部67の締結穴61に螺合可能となる。
【0045】
図6(a)は連結体63が固定された連結溝49の要部拡大図、(b)は(a)のB-B断面図である。
この開閉体巻取部の吊元構造では、締結部材19が締結穴61に締結されることにより、溝外板部65に形成された外側挟持部73と、溝内板部67に形成された内側挟持部75とによってリブ59を巻取シャフト17の半径方向内外から挟むことができる。
【0046】
次に、上記した第1実施形態に係る構成の作用を説明する。
【0047】
第1実施形態に係る開閉体巻取部の吊元構造では、巻取シャフト17が、ロールフォーミングにより中空パイプとなる。中空パイプは、板材の両端縁を互いに逆向きに折り返して掛け合い、その重なり部分を板厚方向に平潰しして接合される。巻取シャフト17は、軸線に沿う連結溝49を外周面51に有してロールフォーミングにて形成される。
【0048】
連結溝49は、溝幅を挟んで対向する一対の溝縁が、溝幅を狭める方向に延出した後それぞれ逆向きに折り返されて平潰しされた一対のリブ59を有する。つまり、連結溝49は、溝縁の溝幅が溝の底側よりも狭められ、奥拡がりな略T字溝状に形成されている。
一対のリブ59は、巻取シャフト17の外周面51に沿って連続する面を有し、この外周面51に沿う方向で溝幅を狭めて延出形成され、また、平坦に形成されることで、外周面51よりも外方に突出せず、連結体63の外側挟持部73と内側挟持部75とが密着し、吊元部材45の固定の際に干渉することがない。
【0049】
連結溝49には、一対のリブ59の間に締結穴61を表出させる連結体63が挿入される。連結体63は、一対のリブ59により、連結溝49からの脱落が規制されるとともに、軸線に沿う方向に移動自在となる。つまり、連結体63は、シャッターカーテン15の吊元部材45の固定位置に合わせて自在に位置決めが行える。連結体63には、シャッターカーテン15の吊元部材45が、この吊元部材45を貫通して締結穴61に締結する締結部材19にて固定される。
【0050】
このように開閉体巻取部の吊元構造では、薄肉の板材からなる巻取シャフト17であっても、巻取シャフト17の外周面51に設けた連結溝49に、連結体63を抜け止めして挿入し、この連結体63に、シャッターカーテン15の吊元部材45を十分な固定強度で容易に締結できる。これにより、開閉体巻取部の吊元構造は、高価なアルミ素材を廃止して、安価なスチール製に素材を置き換えることができる。巻取シャフト17は、厚みが薄いスチール製の板材が使用されていても、連結溝49を形成して、その内側に連結体63を配設することで、吊元部材45のねじを使用した締結が可能となる。
【0051】
また、巻取シャフト17は、スチール製とすることにより、アルミ製に比べ耐火性能を向上させることができる。巻取シャフト17の外周側から締結部材19を締結できるので、締結位置が視認しやすくなり、巻取シャフト17の内部にナットを配置する必要がなく、簡素な構造で、容易かつ迅速に締結作業が行えるようになる。
【0052】
また、この開閉体巻取部の吊元構造では、連結溝49が、巻取シャフト17の内側に凸部55となって突出する。すなわち、凸部55は、連結溝49の反転形状となって巻取シャフト17の内側に突出する。巻取シャフト17は、軸線に直交する断面の内側に、若干小さい外径で形成されたホイル41が同軸で挿入される。このホイル41は、開閉機35により回転駆動される。ホイル41は、凸部55が係合する凹部57を外周に有する。これにより、巻取シャフト17は、ホイル41からの回転が凹部57から凸部55に伝達されて正逆回転駆動されることになる。その結果、連結溝49の反転形状となって巻取シャフト17の内側に突出する凸部55を、ホイル41の外周面51に設けられる凹部57に係合でき、連結溝49を有効に利用して、ホイル41からの正逆回転を巻取シャフト17に伝達することができる。
【0053】
そして、第1実施形態に係る開閉体巻取部の吊元構造では、巻取シャフト17の外周面51に形成された連結溝49に、連結体63が挿入される。連結体63は、リブ59を挟んで連結溝49の外側に配置される溝外板部65と、リブ59を挟んで連結溝49の内側に配置される溝内板部67と、が折曲部69を介してU字状に一体形成される。
【0054】
連結体63は、溝外板部65に、締結部材19が貫通する貫通穴71を有するとともに、溝内板部67に、締結部材19が締結する締結穴61を有する。また、溝外板部65には、リブ59の溝外側に配置される外側挟持部73が形成される。溝内板部67には、リブ59の溝内側に配置される内側挟持部75が形成される。
【0055】
連結溝49に挿入された連結体63の締結穴61には、吊元部材45を貫通した締結部材19であるねじが螺合し締結される。連結体63は、締結部材19が締結される前は、連結溝49に沿って移動が自在となる。つまり、連結体63は、シャッターカーテン15の吊元部材45の固定位置に合わせて自在に位置決めが行える。
【0056】
一方、吊元部材45を貫通したねじ19が、溝外板部65の貫通穴71を貫通し、溝内板部67の締結穴61への締結が進むと、U字状の折曲部69が変形して、溝内板部67が溝外板部65に引き寄せられる。これにより、連結体63は、溝外板部65の外側挟持部73と、溝内板部67の内側挟持部75とが、一対のリブ59を巻取シャフト17の内外方向から挟み、移動が規制されるとともに、巻取シャフト17に固定される。同時に、シャッターカーテン15も、吊元部材45が連結体63を介して巻取シャフト17に固定されることになる。
【0057】
この開閉体巻取部の吊元構造では、連結体63に対する締結部材19の締結作業のみで、シャッターカーテン15の吊元部材45を巻取シャフト17の所望の位置に、簡素な構造でかつ迅速に固定できる。その結果、巻取シャフト17としての材料コストを安価にでき、その素材によって防火構造を実現できるとともに、組立作業も容易にできる。
【0058】
次に、第2実施形態を説明する。
【0059】
図7は本発明の第2実施形態に係る開閉体巻取部の吊元構造を備える巻取シャフト17の分解斜視図である。なお、第2実施形態においては、図1~3に示した部材・部位と同等の部材・部位に同一の符号を付し重複する説明は省略する。
第2実施形態に係る開閉体巻取部の吊元構造は、連結体77が、連結溝49の外側に配置される溝外板部65と、連結溝49の内側に配置される溝内板部67と、を有する。連結体77は、スチール製とすることができる。溝外板部65は、巻取シャフト17の外周面51より突出する突出部79の略中央に締結穴61を有する。また、溝外板部65は、突出部79から張り出す縁部80が巻取シャフト17の外周面51に沿うように略へ字状に屈曲形成される。溝内板部67は、溝外板部65の長手方向両端に設けられ、連結溝49の溝底と平行となって、連結溝49の溝幅とほぼ同寸法で張り出す脚板状に形成される。
【0060】
図8は、連結体77が固定される前の連結溝49の要部拡大図である。
この開閉体巻取部の吊元構造では、連結体77が連結溝49に挿入されると、溝外板部65がリブ59の外側に配置され、溝内板部67がリブ59の内側に配置される。この状態で、連結体77は、連結溝49からの脱落が一対のリブ59により規制され、連結溝49に沿って移動が可能となる。連結体77には、吊元部材45を貫通した締結部材19が、突出部79の締結穴61に螺合可能となる。
【0061】
図9は、連結体77が固定された連結溝49の要部拡大図である。
この開閉体巻取部の吊元構造では、吊元部材45を貫通した締結部材19が締結穴61に締結されることにより、吊元部材45が連結体77に固定される。これにより、シャッターカーテン15は、連結体77を介して巻取シャフト17に取り付けられる。
【0062】
なお、この開閉体巻取部の吊元構造は、巻取シャフト17の軸線に沿う方向、すなわち連結溝49の長手方向の吊元部材45の移動規制については別途部材が設けられてもよい。別途部材としては、例えば上述した第1実施形態の連結体63と同様な形状部材とすることができる。
【0063】
次に、上記した第2実施形態に係る構成の作用を説明する。
【0064】
この開閉体巻取部の吊元構造では、巻取シャフト17の外周面51に形成された連結溝49に、連結体77が挿入される。連結体77は、締結部材19が締結される前は、連結溝49に沿って移動が自在となる。つまり、連結体77は、シャッターカーテン15の吊元部材45の固定位置に合わせて自在に位置決めが行える。
【0065】
連結体77は、連結溝49の外側に配置される溝外板部65と、連結溝49の内側に配置される溝内板部67とを有する。溝外板部65は、巻取シャフト17の外周面51より突出する突出部79を有し、この突出部79に締結穴61が形成される。
【0066】
連結体77は、溝内板部67が、一対のリブ59により連結溝49から抜け止めされることで、連結溝49からの脱落が規制される。連結溝49から抜け止めされた溝外板部65の突出部79には、吊元部材45を貫通した締結部材19が締結される。これにより、シャッターカーテン15は、吊元部材45が、連結溝49に抜け止めされた連結体77に締結され、この連結体77を介して巻取シャフト17に固定されることになる。
また、一対のリブ59は、巻取シャフト17の外周面51に沿って連続する面を有し、この外周面51に沿う方向で溝幅を狭めて延出形成され、また、平坦に形成されることで、外周面51よりも外方に突出せず、連結体77の溝外板部65、及び吊元部材45に干渉することがない。
【0067】
この開閉体巻取部の吊元構造では、連結体77に対する締結部材19の締結作業のみで、シャッターカーテン15の吊元部材45を巻取シャフト17の所望の位置に、簡素な構造でかつ迅速に固定できる。
【0068】
この開閉体巻取部の吊元構造では、連結溝49の外側に配置された溝外板部65の突出部79に、締結部材19が締結され、溝内板部67のみが連結溝49の内側に配置される。すなわち、連結溝49の深さを浅く形成することができる。また、溝内板部67を連結溝49に配置することで、ねじの長さ分のスペース(空間)が確保可能となる。このスペースは、ねじの先端が連結溝49の溝底に到達する前に締結を完了できる長さに設定することができる。
【0069】
この開閉体巻取部の吊元構造では、ねじの締結を行っても、ねじの先端が連結溝49の溝底に当たらないようにして、連結溝49を必要最小限の深さで形成できる。これにより、巻取シャフト17は、より大きな外径のホイル41を収容可能とすることができる。その結果、巻取シャフト17の構造上、ねじ長さを十分に確保できない場合であっても、連結体77にシャッターカーテン15の吊元部材45を固定できる。
【0070】
次に、第3実施形態を説明する。
【0071】
図10は、本発明の第3実施形態に係る開閉体巻取部の吊元構造を備える巻取シャフト17の分解斜視図である。なお、第3実施形態においては、図1~3に示した部材・部位と同等の部材・部位に同一の符号を付し重複する説明は省略する。
第3実施形態に係る開閉体巻取部の吊元構造は、連結体81が、軸線に沿って長い帯板状に形成される。連結体81は、スチール製とすることができる。連結体81は、連結溝49の溝幅とほぼ同寸法の幅を有することにより、連結溝49からの脱落が一対のリブ59により規制されて連結溝49の内側に配置される。連結体81には、締結穴61である長手方向に沿うスリット83が形成される。
【0072】
図11は、連結体81が固定される前の連結溝49の正面図である。
連結体81は、スリット83が、一対のリブ59の間に表出して形成される。連結溝49に挿入された連結体81は、溝内面には触れずに連結溝49の長手方向に移動可能となる。
【0073】
図12は、連結体81が固定された連結溝49の正面図である。
連結体81には、シャッターカーテン15の吊元部材45を貫通した締結部材19が、スリット83に螺合される。締結部材19は、スリット83の長手方向中央部に螺合される。締結部材19がスリット83に螺合された連結体81は、スリット83の間隔幅を広げ、長手方向中央部における幅長がスリット83の幅方向外側に拡幅変形して張り出す。張り出した連結体81の両側面85は、連結溝49の内幅と同等となり溝内面87に圧接状態となる。
【0074】
図13は、連結体81が固定された連結溝49の側面図である。
この開閉体巻取部の吊元構造では、吊元部材45を貫通した締結部材19がスリット83に締結されることにより、吊元部材45が連結体81に固定される。同時に、連結体81は、締結部材19が螺合することにより、拡幅変形し、両側面85が溝内面87に圧接して連結溝49に固定される。これにより、シャッターカーテン15は、連結体81を介して巻取シャフト17に固定される。
【0075】
次に、上記した第3実施形態に係る構成の作用を説明する。
【0076】
この開閉体巻取部の吊元構造では、巻取シャフト17の外周面51に形成された連結溝49に、連結体81が挿入される。連結体81は、巻取シャフト17の軸線に沿う長い帯板状に形成されるとともに、連結溝49からの脱落が一対のリブ59により規制されて連結溝49の内側に配置される。連結体81は、締結部材19が締結される前は、連結溝49に沿って移動が自在となる。つまり、連結体81は、シャッターカーテン15の吊元部材45の固定位置に合わせて自在に位置決めが行える。
【0077】
連結体81には、締結穴61となる長手方向に沿うスリット83が形成される。スリット83は、一対のリブ59の間に表出する。スリット83は、締結部材19であるねじの外径よりもスリットの間隔幅が小さく、ねじ19が螺合可能となる。
【0078】
シャッターカーテン15は、吊元部材45を貫通してスリット83に締結するねじ19にて吊元部材45が連結体81に固定される。この際、連結体81は、スリット83の長手方向中央部にねじ19が螺合される。連結体81は、スリット83の間隔幅がねじ19の外径よりも小さいので、ねじ19が螺合されることにより、長手方向中央部における幅長が外側へ拡幅変形され、左右に長い長方形状から中央の上下が拡幅する略樽状若しくは略菱形状に変形する。連結体81は、外側へ拡げられた長手方向中央部が、連結溝49の対向する溝内面87に圧接する。また、ねじ19の螺合による締結でリブ59の内側に連結体81が当接し、吊元部材45とでリブ59を挟む。
なお、一対のリブ59は、巻取シャフト17の外周面51に沿って連続する面を有し、この外周面51に沿う方向で溝幅を狭めて延出形成され、また、平坦に形成されることで、外周面51よりも外方に突出せず、吊元部材45に干渉することなく、この吊元部材45と連結体81とでリブ59を挟む。
【0079】
この開閉体巻取部の吊元構造では、スリット83に対するねじの締結作業のみで、シャッターカーテン15の吊元部材45を巻取シャフト17の所望の位置に、簡素な構造でかつ迅速に固定できる。その結果、連結体81を溝幅方向に拡げ、連結溝49の中で連結体81を拡幅変形させて引っ掛け、巻取シャフト17に対して固定することができるので、巻取シャフト17の素材をスチール製に変え材料コストを安価にでき、またスチール製に置き換えることで防火構造を実現できるとともに、ネジ19の締結のみとなって組立作業も容易にできる。
【0080】
次に、第4実施形態を説明する。
【0081】
図14は、本発明の第4実施形態に係る開閉体巻取部の吊元構造を備える巻取シャフト17の分解斜視図である。なお、第4実施形態においては、図1~3に示した部材・部位と同等の部材・部位に同一の符号を付し重複する説明は省略する。
第4実施形態に係る開閉体巻取部の吊元構造は、連結体89が、巻取シャフト17の軸線に沿って長い帯板状に形成される。連結体89は、スチール製とすることができる。連結体89は、連結溝49からの脱落が一対のリブ59により規制されて連結溝49の内側に配置される。連結体89は、一対のリブ59の間で長手方向中央部に配置される締結穴61を有する。
【0082】
図15は、連結体89が固定される前の連結溝49の正面図である。
連結体89の締結穴61を挟む長手方向の両端には、一対の爪部91が形成される。一対の爪部91は、締結穴61に螺合して回転される締結部材19であるねじの回転方向に突出して、それぞれが連結溝49の溝内面87に対向する。
【0083】
図16は、連結体89が固定された連結溝49の正面図である。
連結体89は、締結穴61に螺合したねじ19が締め付けられると、ねじ19の回転方向に連れ回りする。連れ回りした連結体89は、回転方向に突出するそれぞれの爪部91が、連結溝49の溝内面87に当接し食い込む。両端の爪部91がそれぞれに溝内面87に食い込んだ連結体89は、連結溝49の長手方向に沿う方向の移動が規制される。
【0084】
図17は、連結体89が固定された連結溝49の側面図である。
この開閉体巻取部の吊元構造では、吊元部材45を貫通した締結部材19が締結穴61に締結されることにより、吊元部材45が連結体89に固定される。同時に、連結体89は、締結部材19が回転されることにより、一対の爪部91が溝内面87に食い込んで連結溝49に固定される。これにより、シャッターカーテン15の吊元部材45は、連結体89を介して巻取シャフト17に固定される。
【0085】
次に、上記した第4実施形態に係る構成の作用を説明する。
【0086】
この開閉体巻取部の吊元構造では、巻取シャフト17の外周面51に形成された連結溝49に、連結体89が挿入される。連結体89は、軸線に沿って長い帯板状に形成されるとともに、連結溝49からの脱落が一対のリブ59により規制されて連結溝49の内側に配置される。連結体89は、締結部材19が締結される前は、連結溝49に沿って移動が自在となる。つまり、連結体89は、シャッターカーテン15の吊元部材45の固定位置に合わせて自在に位置決めが行える。
【0087】
連結体89は、締結穴61が、一対のリブ59の間で、長手方向中央部に配置されている。連結体89の締結穴61を挟む長手方向の両端には、締結穴61に螺合して回転される締結部材19であるねじの回転方向に突出して、連結溝49の溝内面87に対向する一対の爪部91が形成される。連結体89には、シャッターカーテン15の吊元部材45が、この吊元部材45を貫通して締結穴61に締結するねじ19にて固定される。
【0088】
この開閉体巻取部の吊元構造では、吊元部材45を貫通したねじ19が、連結溝49に挿入されている連結体89の締結穴61に締め付けられる。ねじ19が回転されると、連結体89がねじ19の回転方向に連れ回りし、長手方向の両端に設けられた爪部91が連結溝49の溝内面87に食い込む。爪部91が溝内面87に食い込んだ連結体89は、連結溝49に沿う方向の移動が規制される。また、ねじ19の螺合による締結でリブ59の内側に連結体89が当接し、吊元部材45とでリブ59を挟む。
なお、一対のリブ59は、巻取シャフト17の外周面51に沿って連続する面を有し、この外周面51に沿う方向で溝幅を狭めて延出形成され、また、平坦に形成されることで、外周面51よりも外方に突出せず、吊元部材45に干渉することなく、この吊元部材45と連結体89とでリブ59を挟む。
【0089】
その結果、この開閉体巻取部の吊元構造では、締結穴61に対するねじの締結作業のみで、シャッターカーテン15の吊元部材45を巻取シャフト17の所望の位置に、簡素な構造でかつ迅速に固定できる。
【0090】
従って、第1、第2、第3及び第4実施形態に係る開閉体巻取部の吊元構造によれば、巻取シャフト17の素材をスチール製に変え材料コストを安価にでき、またスチール製に置き換えることで防火構造を実現できるとともに、ネジ19の締結のみという作業であり組立作業も容易なものにできる。
【符号の説明】
【0091】
13…開口部
15…開閉体(シャッターカーテン)
17…巻取シャフト
19…締結部材(ねじ)
41…ホイル
45…吊元部材
49…連結溝
51…外周面
55…凸部
57…凹部
59…リブ
61…締結穴
63…連結体
65…溝外板部
67…溝内板部
69…折曲部
71…貫通穴
73…外側挟持部
75…内側挟持部
77…連結体
79…突出部
81…連結体
83…スリット
87…溝内面
89…連結体
91…爪部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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図10
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図17