IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝三菱電機産業システム株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-無停電電源システム 図1
  • 特開-無停電電源システム 図2
  • 特開-無停電電源システム 図3
  • 特開-無停電電源システム 図4
  • 特開-無停電電源システム 図5
  • 特開-無停電電源システム 図6
  • 特開-無停電電源システム 図7
  • 特開-無停電電源システム 図8
  • 特開-無停電電源システム 図9
  • 特開-無停電電源システム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165513
(43)【公開日】2023-11-16
(54)【発明の名称】無停電電源システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 9/06 20060101AFI20231109BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20231109BHJP
【FI】
H02J9/06 120
H02M7/48 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022076620
(22)【出願日】2022-05-06
(71)【出願人】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清田 一樹
【テーマコード(参考)】
5G015
5H770
【Fターム(参考)】
5G015GA06
5G015HA16
5G015JA55
5H770AA01
5H770BA15
5H770DA21
(57)【要約】
【課題】蓄電装置に対する効率的な充電が可能な無停電電源システムを実現する。
【解決手段】無停電電源システムは、交流負荷に並列に接続された第1および第2の無停電電源装置を備える。各第1および第2の無停電電源装置は、交流電源からの電力を変換する電力変換回路と、電力変換回路と並列に設けられ、バイパス入力電源からの電力を供給するバイパス回路とを含む。第1および第2の無停電電源装置の電力変換回路に共通に設けられ、交流電源の停電時に交流負荷に電力を供給する蓄電装置をさらに備える。蓄電装置は、高速充電もしくは低速充電が可能に設けられる。第1および第2の無停電電源装置の一方の電力変換回路から交流負荷に電力が供給される場合には、第1および第2の無停電電源装置の一方の電力変換回路から蓄電装置に対して充電を停止し、第1および第2の他方の無停電電源装置の電力変換回路から蓄電装置に対して高速充電される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流負荷に並列に接続された第1および第2の無停電電源装置を備え、
各前記第1および第2の無停電電源装置は、
交流電源からの電力を変換する電力変換回路と、
前記電力変換回路と並列に設けられ、バイパス入力電源からの電力を供給するバイパス回路とを含み、
前記第1および第2の無停電電源装置の電力変換回路に共通に設けられ、前記交流電源の停電時に前記交流負荷に電力を供給する蓄電装置をさらに備え、
前記蓄電装置は、高速充電もしくは低速充電が可能に設けられ、
前記第1および第2の無停電電源装置の一方の電力変換回路から前記交流負荷に電力が供給される場合には、前記第1および第2の無停電電源装置の一方の電力変換回路から前記蓄電装置に対して充電を停止し、前記第1および第2の他方の無停電電源装置の電力変換回路から前記蓄電装置に対して高速充電される、無停電電源システム。
【請求項2】
前記第1および第2の無停電電源装置の一方の電力変換回路から前記交流負荷に電力が供給される場合に、前記第1および第2の無停電電源装置の他方の電力変換回路に異常あるいは故障が生じた場合には、前記第1および第2の無停電電源装置の一方の電力変換回路から前記蓄電装置に対して低速充電される、請求項1記載の無停電電源システム。
【請求項3】
前記電力変換回路は、
前記交流電源と接続され、前記交流電源の電圧を直流電圧に変換するインバータと、
前記インバータと接続され、前記直流電圧を交流電圧に変換するコンバータと、
前記インバータと並列に前記コンバータと接続されるとともに、前記蓄電装置に供給する直流電圧の電圧レベルを調整するチョッパ回路とを含み、
前記第1および第2の無停電電源装置の一方の電力変換回路から前記交流負荷に電力が供給される場合には、前記第1および第2の無停電電源装置の一方の電力変換回路のチョッパ回路から前記蓄電装置への直流電圧の供給を停止し、
前記第1および第2の無停電電源装置の一方の電力変換回路から前記交流負荷に電力が供給される場合には、前記第1および第2の無停電電源装置の他方の電力変換回路のチョッパ回路から前記蓄電装置への第1の直流電圧を供給する、請求項1記載の無停電電源システム。
【請求項4】
交流負荷に電力を供給する無停電電源装置と、
前記無停電電源装置に異常あるいは故障が生じた場合に利用する無停電予備電源装置とを備え、
前記無停電電源装置は、
交流電源からの電力を変換する電力変換回路と、
前記電力変換回路と並列に設けられ、前記無停電予備電源装置からの電力を供給する第1のバイパス回路とを含み、
前記無停電予備電源装置は、
前記交流電源からの電力を変換する予備電力変換回路と、
前記予備電力変換回路と並列に設けられ、バイパス入力電源からの電力を供給する予備バイパス回路とを含み、
前記電力変換回路と、前記予備電力変換回路と共通に設けられ、前記交流電源の停電時に前記交流負荷に電力を供給する蓄電装置をさらに備え、
前記蓄電装置は、高速充電もしくは低速充電が可能に設けられ、
前記電力変換回路から前記交流負荷に電力が供給される場合には、前記予備電力変換回路から前記蓄電装置に対して高速充電され、
前記第1のバイパス回路から前記交流負荷に電力が供給される場合には、前記予備電力変換回路から前記蓄電装置に対して低速充電される、無停電電源システム。
【請求項5】
前記電力変換回路は、
前記交流電源と接続され、前記交流電源の電圧を直流電圧に変換する第1のインバータと、
前記第1のインバータと接続され、前記直流電圧を交流電圧に変換する第1のコンバータと、
前記第1のインバータと並列に前記第1のコンバータと接続されるとともに、前記蓄電装置に供給する直流電圧の電圧レベルを調整する第1のチョッパ回路とを含み、
前記予備電力変換回路は、
前記交流電源と接続され、前記交流電源の電圧を直流電圧に変換する第2のインバータと、
前記第2のインバータと接続され、前記直流電圧を交流電圧に変換する第2のコンバータと、
前記第1のインバータと並列に前記第1のコンバータと接続されるとともに、前記蓄電装置に供給する直流電圧の電圧レベルを調整する第2のチョッパ回路とを含み、
前記電力変換回路から前記交流負荷に電力が供給される場合には、前記予備電力変換回路の前記第2のチョッパ回路から第1の電圧が前記蓄電装置に供給され、
前記第1のバイパス回路から前記交流負荷に電力が供給される場合には、前記予備電力変換回路の前記第2のチョッパ回路から前記第1の電圧よりも低い第2の電圧が前記蓄電装置に対して供給される、請求項4記載の無停電電源システム。
【請求項6】
前記電力変換回路から前記交流負荷に電力が供給される場合には、前記第1のチョッパ回路は、前記蓄電装置への充電停止状態に設定される、請求項5記載の無停電電源システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数の無停電電源装置を備えた無停電電源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、瞬間的な停電も許されない例えばコンピュータ等の重要負荷の電源として無停電電源装置(以下単にUPSと称する)が用いられている。
【0003】
365日24時間通常の運用並びに点検時にも、UPS電源による給電の継続が求められる。
【0004】
この点で、2台の無停電電源装置を並列に設けた共通予備無停電電源システムが開示されている(特許文献1参照)。
【0005】
当該構成により、一台の無停電電源装置に故障が発生した場合や点検する場合にも他方の無停電電源装置を用いて給電の継続が可能である。(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008-312371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一方で、無停電電源装置に接続される蓄電装置の充電方式は固定されており、さらに効率の改善が必要であるという課題がある。
【0008】
本開示の目的は、上記の課題を解決するためのものであって、蓄電装置に対する効率的な充電が可能な無停電電源システムを実現する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ある実施形態に従えば、無停電電源システムは、交流負荷に並列に接続された第1および第2の無停電電源装置を備える。各第1および第2の無停電電源装置は、交流電源からの電力を変換する電力変換回路と、電力変換回路と並列に設けられ、バイパス入力電源からの電力を供給するバイパス回路とを含む。第1および第2の無停電電源装置の電力変換回路に共通に設けられ、交流電源の停電時に交流負荷に電力を供給する蓄電装置をさらに備える。蓄電装置は、高速充電もしくは低速充電が可能に設けられる。第1および第2の無停電電源装置の一方の電力変換回路から交流負荷に電力が供給される場合には、第1および第2の無停電電源装置の一方の電力変換回路から蓄電装置に対して充電を停止し、第1および第2の他方の無停電電源装置の電力変換回路から蓄電装置に対して高速充電される。
【0010】
好ましくは、第1および第2の無停電電源装置の一方の電力変換回路から交流負荷に電力が供給される場合に、第1および第2の無停電電源装置の他方の電力変換回路が故障した場合には、第1および第2の無停電電源装置の一方の電力変換回路から蓄電装置に対して低速充電される。
【0011】
好ましくは、電力変換回路は、交流電源と接続され、交流電源の電圧を直流電圧に変換するインバータと、インバータと接続され、直流電圧を交流電圧に変換するコンバータと、インバータと並列にコンバータと接続されるとともに、蓄電装置に供給する直流電圧の電圧レベルを調整するチョッパ回路とを含む。第1および第2の無停電電源装置の一方の電力変換回路から交流負荷に電力が供給される場合には、第1および第2の無停電電源装置の一方の電力変換回路のチョッパ回路から蓄電装置への直流電圧の供給を停止し、第1および第2の無停電電源装置の一方の電力変換回路から交流負荷に電力が供給される場合には、第1および第2の無停電電源装置の他方の電力変換回路のチョッパ回路から蓄電装置への第1の直流電圧を供給する。
【0012】
別の実施形態に従えば、無停電電源システムは、交流負荷に電力を供給する無停電電源装置と、無停電電源装置が故障した場合に利用する無停電予備電源装置とを備える。無停電電源装置は、交流電源からの電力を変換する電力変換回路と、電力変換回路と並列に設けられ、無停電予備電源装置からの電力を供給する第1のバイパス回路とを含む。無停電予備電源装置は、交流電源からの電力を変換する予備電力変換回路と、予備電力変換回路と並列に設けられ、バイパス入力電源からの電力を供給する予備バイパス回路とを含む。電力変換回路と、予備電力変換回路と共通に設けられ、交流電源の停電時に交流負荷に電力を供給する蓄電装置をさらに備える。蓄電装置は、高速充電もしくは低速充電が可能に設けられる。電力変換回路から交流負荷に電力が供給される場合には、予備電力変換回路から蓄電装置に対して高速充電される。第1のバイパス回路から交流負荷に電力が供給される場合には、予備電力変換回路から蓄電装置に対して低速充電される。
【0013】
好ましくは、電力変換回路は、交流電源と接続され、交流電源の電圧を直流電圧に変換する第1のインバータと、第1のインバータと接続され、直流電圧を交流電圧に変換する第1のコンバータと、第1のインバータと並列に第1のコンバータと接続されるとともに、蓄電装置に供給する直流電圧の電圧レベルを調整する第1のチョッパ回路とを含む。予備電力変換回路は、交流電源と接続され、交流電源の電圧を直流電圧に変換する第2のインバータと、第2のインバータと接続され、直流電圧を交流電圧に変換する第2のコンバータと、第1のインバータと並列に第1のコンバータと接続されるとともに、蓄電装置に供給する直流電圧の電圧レベルを調整する第2のチョッパ回路とを含む。電力変換回路から交流負荷に電力が供給される場合には、予備電力変換回路の第2のチョッパ回路から第1の電圧が蓄電装置に供給され、第1のバイパス回路から交流負荷に電力が供給される場合には、予備電力変換回路の第2のチョッパ回路から第1の電圧よりも低い第2の電圧が蓄電装置に対して供給される。
【0014】
好ましくは、電力変換回路から交流負荷に電力が供給される場合には、第1のチョッパ回路は、蓄電装置への充電停止状態に設定される。
【発明の効果】
【0015】
本開示の無停電電源システムは、蓄電装置に対する効率的な充電が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態1に基づく無停電電源常用予備システムの回路構成を説明する図である。
図2】実施形態1に基づく制御回路の充電指令について説明するテーブル図である。
図3】実施形態1に基づく無停電電源常用予備システムの充電状態(その1)を説明する図である。
図4】実施形態1に基づく無停電電源常用予備システムの充電状態(その2)を説明する図である。
図5】実施形態1に基づく無停電電源常用予備システムの充電状態(その3)を説明する図である。
図6】実施形態2に基づく無停電電源待機並列システムの回路構成を説明する図である。
図7】実施形態2に基づく制御回路の充電指令について説明するテーブル図である。
図8】実施形態2に基づく無停電電源待機並列システムの充電状態(その1)を説明する図である。
図9】実施形態2に基づく無停電電源待機並列システムの充電状態(その2)を説明する図である。
図10】実施形態2に基づく無停電電源待機並列システムの充電状態(その3)を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、実施形態について図に基づいて説明する。本例においては、一例として電力供給システムとして、無停電電源システム(以降、UPS(Uninterruptible Power Supply))について説明する。
【0018】
(実施形態1)
実施形態1においては、無停電電源システムの構成として複数台の無停電電源装置のうち一台を予備用の無停電電源装置として用いる無停電電源常用予備システムの構成について説明する。
【0019】
図1は、実施形態1に基づく無停電電源常用予備システムの回路構成を説明する図である。図1に示されるように、無停電電源常用予備システムは、負荷に電力を供給する無停電電源装置1Bと、無停電電源装置1Bが故障した場合に利用するための無停電予備電源装置1Aと、無停電予備電源装置1Aおよび無停電電源装置1Bに対応して設けられ、エネルギー蓄積部である蓄電装置10Bを含む。
【0020】
なお、本例においては、無停電電源装置1Bの予備(バックアップ)として無停電予備電源装置1Aを設ける場合について説明するが、特に1つに限られず、複数個の無停電電源装置に対して無停電予備電源装置1Aを設ける構成としてもよい。
【0021】
無停電予備電源装置1Aおよび無停電電源装置1Bの構成は、基本的に同一の構成である。
【0022】
無停電予備電源装置1Aおよび無停電電源装置1Bは、交流入力を直流入力に変換する順変換器3A,3Bと、直流入力を交流入力に変換する逆変換器4A,4Bと、直流入力遮断器7A,7Bと、順変換器3A,3Bと並列に逆変換器4A,4Bと接続されるチョッパ回路5A,5Bと、それぞれ内部を制御する制御回路9A,9Bとを含む。制御回路9A,9Bからの指示に従って電力変換回路よびスイッチ等の動作を制御する。
【0023】
直流入力遮断器7Aは、チョッパ回路5Aと蓄電装置10Bとの間に設けられる。直流入力遮断器7Bは、チョッパ回路5Bと蓄電装置10Bとの間に設けられる。
【0024】
蓄電装置10Bは、無停電電源装置1Bおよび無停電予備電源装置1Aの電力変換回路に共通に設けられる。蓄電装置10Bは、蓄電池12Bを含む。
【0025】
無停電予備電源装置1Aおよび無停電電源装置1Bは、順変換器3A,3Bおよび逆変換器4A,4Bで構成される電力変換回路に故障が発生した場合にも負荷に対して継続したUPS出力を得るために当該電力変換回路と並列に設けられるバイパス回路を含む。
【0026】
無停電予備電源装置1Aおよび無停電電源装置1Bは、サイリスタとコンタクタから成るバイパス側スイッチ8A,8Bを有し、当該バイパス側スイッチ8A,8Bをオンすることにより無瞬断で切り換えが可能である。
【0027】
無停電電源装置1Bは、商用電源16Bからの交流入力を受ける。交流入力は、順変換器3Aで直流に変換され、逆変換器4Bで再び交流に逆変換される。逆変換器4Bは、常に安定したUPS出力を負荷に供給する。チョッパ回路5Bは、直流入力遮断器7Bを介して順変換器3Bと並列に接続される。商用電源16Bに停電が生じると、直流入力遮断器7Bおよびチョッパ回路5Bを介して、エネルギー蓄積部である蓄電装置10Bの直流エネルギーが逆変換器4Bに供給される。これにより、無停電電源装置1BのUPS出力は負荷に継続して供給することができる。
【0028】
無停電電源装置1Bのバイパス回路への電力は、無停電予備電源装置1Aから供給される。
【0029】
無停電予備電源装置1Aは、商用電源16Aからの交流入力を受ける。
交流入力は、順変換器3Aで直流に変換され、逆変換器4Aで再び交流に逆変換されて常に安定したUPS出力を供給することが可能である。エネルギー蓄積部である蓄電装置10Bは、直流入力遮断器7Aおよびチョッパ回路5Aを介して順変換器3Aと並列に接続される。また、直流入力遮断器7Aは、蓄電装置10Bと接続される。
【0030】
商用電源16Aに停電が生じると、直流入力遮断器7Bおよびチョッパ回路5Bを介して、エネルギー蓄積部である蓄電装置10Bの直流エネルギーが逆変換器4Aに供給される。これにより、無停電予備電源装置1AのUPS出力は無停電電源装置1Bのバイパス回路に継続して供給することができる。
【0031】
順変換器3Aならびに逆変換器4Aに故障が発生した場合にも継続したUPS出力を得るために商用電源16Aとは別に並列に設けられ、バイパス入力電源15Aを入力として電力を供給するバイパス回路が設けられる。バイパス回路は、サイリスタとコンタクタから成るバイパス側スイッチ8Aを有し、当該バイパス側スイッチ8Aをオンすることにより無瞬断で切り換える。バイパス入力電源15Aは、通常交流入力と同様に商用電源である。
【0032】
制御回路9Aおよび制御回路9Bは、インバータ給電信号に関する情報を常に授受するとともに、常用機設定信号と、予備機設定信号との入力を受ける。
【0033】
一例として、制御回路9Bに対して常用機設定信号が入力され、制御回路9Aに予備機設定信号が入力される。当該状態により、無停電電源装置1Bが常用機として動作し、無停電予備電源装置1Aが予備機として動作する。
【0034】
従来の構成においては、例えば、蓄電装置10Bへの充電としては、常用機として動作する無停電電源装置1Bからチョッパ回路5Bおよび直流入力遮断器7Bを介して充電が実行されていた。
【0035】
当該状態の場合には、負荷に対する電力の供給もあるため蓄電装置10Bに対しては、低レートでの充電が実行されていた。
【0036】
しかしながら、無停電予備電源装置1Aは、予備機として待機しており、蓄電装置10Bへの充電に関してさらに効率的に改善することが可能である。
【0037】
図2は、実施形態1に基づく制御回路の充電指令について説明するテーブル図である。
図2を参照して、制御回路9A,9Bは、所定の条件が成立した場合に充電指令をチョッパ回路5A,5Bに出力する。
【0038】
具体的には、制御回路9A,9Bは、予備機設定信号を受けるとともに、常用機インバータ設定である場合に、高レート充電指令をチョッパ回路5A,5Bに出力する。
【0039】
一例として、制御回路9Aは、予備機設定信号を受けるとともに、インバータ給電信号として常用機インバータ設定信号の入力を受ける。これにより、制御回路9Aは、チョッパ回路5Aに高レート充電指令を出力する。チョッパ回路5Aは、高レート充電指令に基づいて直流電圧を第1の電圧(>第2の電圧)に設定して蓄電装置10Bへの充電を実行する。これにより、蓄電装置10Bへの急速充電が可能となる。
【0040】
一方で、制御回路9Bは、常用機設定信号を受けるとともに、インバータ給電信号として常用機インバータ設定信号の入力を受ける。これにより、制御回路9Bは、チョッパ回路5Bに充電停止指令を出力する。インバータ給電信号は、一例として同じであり互いに授受して、他方の機器からの信号の入力が無い場合には当該機器の故障であると判断することが可能である。
【0041】
別の例として、制御回路9Aは、予備機設定信号を受けるとともに、インバータ給電信号として予備機インバータ設定信号の入力を受ける。これにより、制御回路9Aは、チョッパ回路5Aに低レート充電指令を出力する。チョッパ回路5Aは、低レート充電指令に基づいて直流電圧を第2の電圧に設定して蓄電装置10Bへの充電を実行する。
【0042】
別の例として、制御回路9Aは、予備機設定信号を受けるとともに、常用機からのインバータ設定信号の入力が無い場合には、制御回路9Aは、チョッパ回路5Aに低レート充電指令を出力する。チョッパ回路5Aは、低レート充電指令に基づいて直流電圧を第2の電圧に設定して蓄電装置10Bへの充電を実行する。
【0043】
さらに別の例として、制御回路9Bは、常用機設定信号を受けるとともに、予備機からのインバータ設定信号の入力が無い場合には、制御回路9Bは、チョッパ回路5Bに低レート充電指令を出力する。
【0044】
図3は、実施形態1に基づく無停電電源常用予備システムの充電状態(その1)を説明する図である。図3に示されるように、制御回路9Aは、予備機設定信号を受けるとともに、インバータ給電信号として常用機インバータ設定信号の入力を受ける。これにより、制御回路9Aは、チョッパ回路5Aに高レート充電指令を出力する。チョッパ回路5Aは、高レート充電指令に基づいて直流電圧を第1の電圧(>第2の電圧)に設定して蓄電装置10Bへの充電を実行する。これにより、蓄電装置10Bへの急速充電が可能となる。
【0045】
一方で、制御回路9Bは、常用機設定信号を受けるとともに、インバータ給電信号として常用機インバータ設定信号の入力を受ける。これにより、制御回路9Bは、チョッパ回路5Bに充電停止指令を出力する。チョッパ回路5Aに対して高レート充電指令が出力されることにより、無停電予備電源装置1Aから蓄電装置10Bへの急速充電が実行される。一方、チョッパ回路5Bに対して充電停止指令が出力されることにより、無停電電源装置1Bは、蓄電装置10Bの充電を実行せず、負荷に対して安定した電力を供給することが可能である。
【0046】
図4は、実施形態1に基づく無停電電源常用予備システムの充電状態(その2)を説明する図である。図4に示されるように、無停電電源装置1Bに異常が生じた場合には、無停電予備電源装置1Aからバイパス回路を介して負荷に電力が供給される。
【0047】
一例として、無停電電源装置1Bに異常が生じた場合には、制御回路9Bは、インバータ給電信号として常用機インバータ設定信号から予備機インバータ設定信号に切り替える。制御回路9Aは、予備機設定信号を受けるとともに、インバータ給電信号として予備機インバータ設定信号の入力を受ける。これにより、制御回路9Aは、チョッパ回路5Aに低レート充電指令を出力する。チョッパ回路5Aは、低レート充電指令に基づいて直流電圧を第2の電圧(<第1の電圧)に設定して蓄電装置10Bへの充電を実行する。これにより、蓄電装置10Bに対して低速充電が実行される。
【0048】
一方で、制御回路9Bは、常用機設定信号を受けるとともに、インバータ給電信号として予備機インバータ設定信号の入力を受ける。これにより、制御回路9Bは、チョッパ回路5Bに充電停止指令を出力する。
【0049】
チョッパ回路5Aに対して低レート充電指令が出力されることにより、無停電予備電源装置1Aから蓄電装置10Bへの低速充電が実行される。
【0050】
あるいは、無停電電源装置1Bに故障が生じた場合には、無停電予備電源装置1Bの制御回路9Bから制御回路9Aへのインバータ給電信号が停止する可能性もある。
【0051】
制御回路9Aは、インバータ給電信号として制御回路9Bからのインバータ給電信号の入力が無いことにより無停電電源装置1Bの故障を判断する。これにより、制御回路9Aは、チョッパ回路5Aに低レート充電指令を出力する。チョッパ回路5Aは、低レート充電指令に基づいて直流電圧を第2の電圧(<第1の電圧)に設定して蓄電装置10Bへの充電を実行する。これにより、蓄電装置10Bに対して低速充電が実行される。
【0052】
チョッパ回路5Aに対して低レート充電指令が出力されることにより、無停電予備電源装置1Aから蓄電装置10Bへの低速充電が実行される。
【0053】
図5は、実施形態1に基づく無停電電源常用予備システムの充電状態(その3)を説明する図である。図5に示されるように、無停電予備電源装置1Aに故障が生じた場合には、無停電電源装置1Bから負荷に対して電力を供給するとともに、蓄電装置10Bに対して低速充電が実行される。
【0054】
一例として、制御回路9Bは、常用機設定信号を受けるとともに、インバータ給電信号として常用機インバータ設定信号の入力を受ける。
【0055】
無停電電源装置1Aに故障が生じた場合には、無停電予備電源装置1Aの制御回路9Aから制御回路9Bへのインバータ給電信号が停止する可能性もある。
【0056】
制御回路9Bは、インバータ給電信号として制御回路9Aからのインバータ給電信号の入力が無いことにより無停電電源装置1Aの故障を判断する。これにより、制御回路9Bは、チョッパ回路5Bに低レート充電指令を出力する。チョッパ回路5Bは、低レート充電指令に基づいて直流電圧を第2の電圧(<第1の電圧)に設定して蓄電装置10Bへの充電を実行する。これにより、蓄電装置10Bに対して低速充電が実行される。
【0057】
チョッパ回路5Bに対して低レート充電指令が出力されることにより、無停電電源装置1Bから蓄電装置10Bへの低速充電が実行される。
【0058】
上記方式により、常用機として無停電電源装置1Bが正常動作している場合には、予備機である無停電予備電源装置1Aを用いて蓄電装置10Bを急速に充電することが可能であり、蓄電装置10Bに対する効率的な充電が可能となる。一方で、無停電電源装置1Bに異常あるいは故障が生じた場合には、予備機である無停電予備電源装置1Aを用いて蓄電装置10Bを低速に充電することが可能であり、停電時における蓄電装置10Bからの放電電力を確保することが可能となる。さらに、無停電予備電源装置1Aが故障した場合には、常用機である無停電電源装置1Bを用いて蓄電装置10Bを低速に充電することが可能であり、停電時における蓄電装置10Bからの放電電力を確保することが可能となる。
【0059】
(実施形態2)
実施形態2においては、無停電電源システムの構成として複数台の無停電電源装置を並列に接続する無停電電源待機並列システムの構成について説明する。
【0060】
図6は、実施形態2に基づく無停電電源待機並列システムの回路構成を説明する図である。図6に示されるように、無停電電源待機並列システムは、負荷に対して電力を供給する並列に接続された無停電電源装置1C,1Dと、無停電電源装置1Cおよび無停電電源装置1Dに対応して設けられ、エネルギー蓄積部である蓄電装置10Dを含む。
【0061】
なお、本例においては、2台の無停電電源装置1C,1Dを設ける場合について説明するが、特に2つに限られず、さらに複数個の無停電電源装置を並列に設ける構成としてもよい。
【0062】
無停電電源装置1Cおよび無停電電源装置1Dの構成は、基本的に同一の構成である。
無停電電源装置1Cおよび無停電電源装置1Dは、交流入力を直流入力に変換する順変換器3C,3Dと、直流入力を交流入力に変換する逆変換器4C,4Dと、直流入力遮断器7C,7Dと、順変換器3C,3Dと並列に逆変換器4C,4Dと接続されるチョッパ回路5C,5Dと、それぞれ内部を制御する制御回路9C,9Dとを含む。制御回路9C,9Dからの指示に従って電力変換回路よびスイッチ等の動作を制御する。
【0063】
直流入力遮断器7Cは、チョッパ回路5Cと蓄電装置10Dとの間に設けられる。直流入力遮断器7Dは、チョッパ回路5Dと蓄電装置10Dとの間に設けられる。
【0064】
蓄電装置10Dは、無停電電源装置1Cおよび無停電電源装置1Dの電力変換回路に共通に設けられる。蓄電装置10Dは、蓄電池12Dを含む。
【0065】
無停電電源装置1Cおよび無停電電源装置1Dは、順変換器3C,3Dおよび逆変換器4C,4Dで構成される電力変換回路に故障が発生した場合にも負荷に対して継続したUPS出力を得るために当該電力変換回路と並列に設けられるバイパス回路を含む。
【0066】
無停電電源装置1Cおよび無停電電源装置1Dは、サイリスタとコンタクタから成るバイパス側スイッチ8C,8Dを有し、当該バイパス側スイッチ8C,8Dをオンすることにより無瞬断で切り換えが可能である。
【0067】
無停電電源装置1Cは、商用電源16Cからの交流入力を受ける。交流入力は、順変換器3Cで直流に変換され、逆変換器4Cで再び交流に逆変換される。逆変換器4Cは、常に安定したUPS出力を負荷に供給する。チョッパ回路5Cは、直流入力遮断器7Cを介して順変換器3Cと並列に接続される。商用電源16Cに停電が生じると、直流入力遮断器7Cおよびチョッパ回路5Cを介して、エネルギー蓄積部である蓄電装置10Dの直流エネルギーが逆変換器4Cに供給される。これにより、無停電電源装置1CのUPS出力は負荷に継続して供給することができる。
【0068】
無停電電源装置1Dは、商用電源16Dからの交流入力を受ける。交流入力は、順変換器3Dで直流に変換され、逆変換器4Dで再び交流に逆変換される。逆変換器4Dは、常に安定したUPS出力を負荷に供給する。チョッパ回路5Dは、直流入力遮断器7Dを介して順変換器3Dと並列に接続される。商用電源16Dに停電が生じると、直流入力遮断器7Dおよびチョッパ回路5Dを介して、エネルギー蓄積部である蓄電装置10Dの直流エネルギーが逆変換器4Dに供給される。これにより、無停電電源装置1DのUPS出力は負荷に継続して供給することができる。
【0069】
制御回路9Cおよび制御回路9Dは、インバータ給電信号に関する情報を常に授受するとともに、マスタ機設定信号と、スレーブ機設定信号との入力を受ける。
【0070】
一例として、制御回路9Cに対してマスタ機設定信号が入力され、制御回路9Dにスレーブ機設定信号が入力される。当該状態により、無停電電源装置1Cがマスタ機として動作し、無停電電源装置1Dがスレーブ機として動作する。
【0071】
従来の構成においては、例えば、蓄電装置10Dへの充電としては、マスタ機として動作する無停電電源装置1Cからチョッパ回路5Cおよび直流入力遮断器7Cを介して充電が実行されていた。
【0072】
当該状態の場合には、負荷に対する電力の供給もあるため蓄電装置10Dに対しては、低レートでの充電が実行されていた。
【0073】
しかしながら、無停電電源装置1Dは、スレーブ機として待機しており、蓄電装置10Dへの充電に関してさらに効率的に改善することが可能である。
【0074】
図7は、実施形態2に基づく制御回路の充電指令について説明するテーブル図である。
図7を参照して、制御回路9C,9Dは、所定の条件が成立した場合に充電指令をチョッパ回路5C,5Dに出力する。
【0075】
具体的には、制御回路9C,9Dは、スレーブ機設定信号を受けるとともに、マスタ機インバータ設定かつスレーブ機が正常である場合に、高レート充電指令をチョッパ回路5C,5Dに出力する。
【0076】
一例として、制御回路9Dは、スレーブ機設定信号を受けるとともに、インバータ給電信号としてマスタ機インバータ設定信号の入力を受ける。これにより、制御回路9Dは、チョッパ回路5Dに高レート充電指令を出力する。チョッパ回路5Dは、高レート充電指令に基づいて直流電圧を第1の電圧(>第2の電圧)に設定して蓄電装置10Dへの充電を実行する。これにより、蓄電装置10Dへの急速充電が可能となる。
【0077】
一方で、制御回路9Cは、マスタ機設定信号を受けるとともに、マスタ機インバータ設定信号の入力を受ける。これにより、制御回路9Cは、チョッパ回路5Cに充電停止指令を出力する。
【0078】
別の例として、制御回路9Cは、マスタ機設定信号を受けるとともに、スレーブ機からのインバータ設定信号の入力が無い場合には、制御回路9Cは、チョッパ回路5Cに低レート充電指令を出力する。チョッパ回路5Cは、低レート充電指令に基づいて直流電圧を第2の電圧に設定して蓄電装置10Dへの充電を実行する。
【0079】
別の例として、制御回路9Dは、スレーブ機設定信号を受けるとともに、インバータ給電信号としてスレーブ機インバータ設定信号の入力を受ける。これにより、制御回路9Dは、チョッパ回路5Dに低レート充電指令を出力する。チョッパ回路5Dは、低レート充電指令に基づいて直流電圧を第2の電圧に設定して蓄電装置10Dへの充電を実行する。
【0080】
さらに別の例として、制御回路9Dは、スレーブ機設定信号を受けるとともに、マスタ機からのインバータ設定信号の入力が無い場合には、制御回路9Dは、チョッパ回路5Dに低レート充電指令を出力する。
【0081】
図8は、実施形態2に基づく無停電電源待機並列システムの充電状態(その1)を説明する図である。図8に示されるように、制御回路9Dは、スレーブ機設定信号を受けるとともに、インバータ給電信号としてマスタ機インバータ設定信号の入力を受ける。これにより、制御回路9Dは、チョッパ回路5Dに高レート充電指令を出力する。チョッパ回路5Dは、高レート充電指令に基づいて直流電圧を第1の電圧(>第2の電圧)に設定して蓄電装置10Dへの充電を実行する。これにより、蓄電装置10Dへの急速充電が可能となる。
【0082】
一方で、制御回路9Cは、マスタ機設定信号を受けるとともに、マスタ機インバータ設定信号の入力を受ける。これにより、制御回路9Cは、チョッパ回路5Cに充電停止指令を出力する。チョッパ回路5Dに対して高レート充電指令が出力されることにより、無停電電源装置1Dから蓄電装置10Dへの急速充電が実行される。一方、チョッパ回路5Cに対して充電停止指令が出力されることにより、無停電電源装置1Cは、蓄電装置10Dの充電を実行せず、負荷に対して安定した電力を供給することが可能である。
【0083】
図9は、実施形態2に基づく無停電電源待機並列システムの充電状態(その2)を説明する図である。図9に示されるように、無停電電源装置1Dに異常が生じた場合には、制御回路9Dは、チョッパ回路5Dに対して充電停止指令を出力する。また、制御回路9Dは、無停電電源装置1Dに異常あるいは故障が生じた場合には、無停電電源装置1Dの制御回路9Dから無停電電源装置1Cの制御回路9Cへのインバータ給電信号が停止する可能性がある。
【0084】
制御回路9Cは、インバータ給電信号として制御回路9Dからのインバータ給電信号の入力が無いことにより無停電電源装置1Dの異常あるいは故障を判断する。これにより、制御回路9Cは、マスタ機設定信号を受けるとともに、スレーブ機からのインバータ設定信号の入力がない場合に、スレーブ機の異常あるいは故障を判断し、チョッパ回路5Cに低レート充電指令を出力する。チョッパ回路5Cは、低レート充電指令に基づいて直流電圧を第2の電圧(<第1の電圧)に設定して蓄電装置10Dへの充電を実行する。これにより、蓄電装置10Dに対して低速充電が実行される。
【0085】
チョッパ回路5Cに対して低レート充電指令が出力されることにより、無停電電源装置1Cから蓄電装置10Dへの低速充電が実行される。
【0086】
図10は、実施形態2に基づく無停電電源待機並列システムの充電状態(その3)を説明する図である。図10に示されるように、無停電電源装置1Cに異常が生じた場合には、制御回路9Cは、インバータ給電信号としてマスタ機インバータ設定信号からスレーブ機インバータ設定信号に切り替える。制御回路9Dは、スレーブ機設定信号を受けるとともに、インバータ給電信号としてスレーブ機インバータ設定信号の入力を受ける。これにより、制御回路9Dは、チョッパ回路5Dに低レート充電指令を出力する。チョッパ回路5Dは、低レート充電指令に基づいて直流電圧を第2の電圧に設定して蓄電装置10Dへの充電を実行する。これにより、蓄電装置10Dに対して低速充電が実行される。
【0087】
あるいは、無停電電源装置1Cに故障が生じた場合には、無停電予備電源装置1Cの制御回路9Cから制御回路9Dへのインバータ給電信号が停止する可能性もある。
【0088】
制御回路9Dは、インバータ給電信号として制御回路9Cからのインバータ給電信号の入力が無いことにより無停電電源装置1Cの故障を判断する。これにより、制御回路9Dは、チョッパ回路5Dに低レート充電指令を出力する。チョッパ回路5Dは、低レート充電指令に基づいて直流電圧を第2の電圧(<第1の電圧)に設定して蓄電装置10Dへの充電を実行する。これにより、蓄電装置10Dに対して低速充電が実行される。
【0089】
チョッパ回路5Dに対して低レート充電指令が出力されることにより、無停電電源装置1Dから蓄電装置10Dへの低速充電が実行される。
【0090】
上記方式により、マスタ機として無停電電源装置1Cが正常動作している場合には、スレーブ機である無停電電源装置1Dを用いて蓄電装置10Dを急速に充電することが可能であり、蓄電装置10Dに対する効率的な充電が可能となる。一方で、無停電電源装置1Dに異常あるいは故障が生じた場合には、マスタ機である無停電電源装置1Cを用いて蓄電装置10Dを低速に充電することが可能であり、停電時における蓄電装置10Dからの放電電力を確保することが可能となる。あるいは、無停電電源装置1Cに異常あるいは故障が生じた場合には、スレーブ機である無停電電源装置1Dを用いて蓄電装置10Dを低速に充電することが可能であり、停電時における蓄電装置10Dからの放電電力を確保することが可能となる。
【0091】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0092】
1A 無停電予備電源装置、1B,1C,1D 無停電電源装置、3A,3B,3C,3D 順変換器、4A,4B,4C,4D 逆変換器、5A,5B,5C,5D チョッパ回路、7A,7B,7C,7D 直流入力遮断器、8A,8B,8C,8D バイパス側スイッチ、9A,9B,9C,9D 制御回路、10B,10D 蓄電装置、12B,12D 蓄電池、15A バイパス入力電源、16A,16B,16C,16D 商用電源。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10