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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165542
(43)【公開日】2023-11-16
(54)【発明の名称】流体補給管理システム
(51)【国際特許分類】
   F17C 13/02 20060101AFI20231109BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20231109BHJP
   B65G 1/137 20060101ALI20231109BHJP
   G06Q 10/083 20230101ALI20231109BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20231109BHJP
【FI】
F17C13/02 301A
H01M8/04 Z
B65G1/137 A
G06Q10/08 300
H01M8/10 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022076715
(22)【出願日】2022-05-06
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(74)【代理人】
【識別番号】100208188
【弁理士】
【氏名又は名称】榎並 薫
(72)【発明者】
【氏名】中澤 啓輔
【テーマコード(参考)】
3E172
3F522
5H126
5H127
5L049
【Fターム(参考)】
3E172AA02
3E172AA05
3E172AA09
3E172AB01
3E172AB03
3E172AB04
3E172AB20
3E172BA01
3E172BB13
3E172BD01
3E172BD03
3E172DA87
3E172FA01
3F522BB29
3F522CC09
3F522FF30
3F522GG04
3F522GG26
3F522GG45
3F522KK03
3F522LL62
5H126BB06
5H127AA06
5H127AB01
5H127AB21
5H127BA02
5H127BA22
5H127BA28
5H127BA59
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB18
5H127BB37
5H127CC01
5H127CC02
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】流体の供給源となるタンクの交換又は再充填を適切なタイミングで効率よく行うことが可能な流体補給管理システムを提供する。
【解決手段】流体補給管理システム1は、流体の供給を受ける装置11と、流体を装置11に供給するタンク21と、当該タンク21内の流体の残量に関する値を計測する計測器24と、当該タンク21の位置を検出する位置検出器25と、計測器24によって計測された計測情報と位置検出器25で検出されたタンク位置情報とを発信する発信機26と、タンク21の流体の残量の管理を行う管理部50と、を備えている。管理部50は、計測情報及びタンク位置情報を受信する通信機51と、計測情報に基づいてタンク21の交換又は再充填が必要か否かを判定する判定部53と、タンク21の交換又は再充填の必要性を当該タンク21のタンク位置情報と共に報知する報知部54と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の供給を受ける装置と、
前記流体が充填され、前記装置に接続されて前記流体を前記装置に供給するタンクと、
前記タンクに取り付けられて前記タンク内の前記流体の残量に関する値を計測する計測器と、
前記タンクに取り付けられて前記タンクの位置を検出する位置検出器と、
前記タンクに取り付けられ、前記計測器によって計測された値に関する情報である計測情報と、前記タンクの前記位置検出器で検出された前記タンクの位置に関する情報であるタンク位置情報とを発信する発信機と、
前記タンクの前記流体の残量の管理を行う管理部と、
を備え、
前記管理部は、
前記発信機によって発信された前記計測情報及び前記タンク位置情報を受信する通信機と、
前記計測情報に基づいて前記タンクの交換又は再充填が必要か否かを判定する判定部と、
前記判定部で前記タンクの交換又は再充填が必要であると判定された場合に、前記タンクの交換又は再充填の必要性を当該タンクのタンク位置情報と共に報知する報知部と、
を有する、流体補給管理システム。
【請求項2】
前記判定部は、前記装置の稼働スケジュールと前記計測情報とに基づいて、前記タンクの交換又は再充填が必要か否かを判定する、請求項1に記載の流体補給管理システム。
【請求項3】
前記判定部は、さらに前記装置の運転条件に基づいて、前記タンクの交換又は再充填が必要か否かを判定する、請求項2に記載の流体補給管理システム。
【請求項4】
前記タンクは、前記装置に着脱可能に接続され、
前記装置は、当該装置の位置を検出する位置検出器と、当該装置の当該位置検出器で検出された当該装置の位置に関する情報である装置位置情報とを発信する発信機と、を有する、請求項1に記載の流体補給管理システム。
【請求項5】
前記装置は燃料電池スタックであり、
前記流体は水素である、請求項1に記載の流体補給管理システム。
【請求項6】
流体の供給を受ける複数の装置と、
前記流体が充填され、前記複数の装置の各々に接続されて前記流体を当該装置に供給する複数のタンクと、
前記複数のタンクの各々に取り付けられて当該タンク内の前記流体の残量に関する値を計測する複数の計測器と、
前記複数のタンクの各々に取り付けられて当該タンクの位置を検出する複数の位置検出器と、
前記複数のタンクの各々に取り付けられ、当該タンクの前記計測器によって計測された値に関する情報である計測情報と、当該タンクの前記位置検出器で検出された当該タンクの位置に関する情報であるタンク位置情報とを発信する複数の発信機と、
前記複数のタンクの前記流体の残量の管理を行う管理部と、
を備え、
前記管理部は、
前記発信機によって発信された前記計測情報及び前記タンク位置情報を受信する通信機と、
前記計測情報に基づいて各タンクの交換又は再充填が必要か否かを判定する判定部と、
前記判定部で前記複数のタンクのいずれかの交換又は再充填が必要であると判定された場合に、当該タンクの交換又は再充填の必要性を当該タンクのタンク位置情報と共に報知する報知部と、
を有する、流体補給管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、流体補給管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生鮮食品などの貨物を低温で保管するための冷凍コンテナが知られている。特開2020-139710号公報に開示された冷凍コンテナは、温度調整器を内蔵し、庫内を低温に維持する。冷凍コンテナは、生鮮食品などの冷凍・冷蔵貨物の輸送に用いられる。
【0003】
ところで、このような冷凍コンテナの温度調整器へ電力を供給する電源装置として燃料電池システムを用いることが検討されている。燃料電池システムは、燃料電池スタックに燃料ガスと酸化剤ガスとを供給し、これらを反応させることで発電する。燃料ガスは、タンクに収容され、発電の際にタンクから燃料電池スタックへ供給される。タンク内の燃料ガスが枯渇すると、燃料電池システムは発電を行うことができない。燃料電池システムが所望の時間長に亘って信頼性高く発電を行うためには、タンク内の燃料ガスが枯渇する前に、タンクを交換又は再充填して燃料ガスを補給する必要がある。
【0004】
このため、定期的に(例えば、一月に一度)タンクを交換又は再充填することが考えられるが、このような方法は、燃料ガスを補給すべき燃料電池システムが複数存在する場合、タンクの交換又は再充填の度に全ての燃料電池システムを見回る必要があるため、煩雑である。とりわけ複数の燃料電池が互いから遠く離れた場所に離散して配置されている場合、このような方法は大変な労力を要する。
【0005】
また、燃料電池システムが冷凍コンテナに取り付けられている場合、燃料電池システムは冷凍コンテナと共に移動し得る。しかしながら、移動する燃料電池システムのタンクを適切なタイミングで交換又は再充填して燃料ガスを補給する方法は、未だ確立されていない。
【0006】
上述したような問題は、燃料電池システムのタンクの交換又は再充填の場合に限って生じるものではない。同様の問題は、燃料電池システム以外の装置へ流体を供給するタンクの交換又は再充填の際にも生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2020-139710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、流体の供給源となるタンクの交換又は再充填を適切なタイミングで効率よく行うことが可能な流体補給管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施の形態による流体補給管理システムは、
流体の供給を受ける装置と、
前記流体が充填され、前記装置に接続されて前記流体を前記装置に供給するタンクと、
前記タンクに取り付けられて前記タンク内の前記流体の残量に関する値を計測する計測器と、
前記タンクに取り付けられて前記タンクの位置を検出する位置検出器と、
前記タンクに取り付けられ、前記計測器によって計測された値に関する情報である計測情報と、前記タンクの前記位置検出器で検出された前記タンクの位置に関する情報であるタンク位置情報とを発信する発信機と、
前記タンクの前記流体の残量の管理を行う管理部と、
を備え、
前記管理部は、
前記発信機によって発信された前記計測情報及び前記タンク位置情報を受信する通信機と、
前記計測情報に基づいて前記タンクの交換又は再充填が必要か否かを判定する判定部と、
前記判定部で前記タンクの交換又は再充填が必要であると判定された場合に、前記タンクの交換又は再充填の必要性を当該タンクのタンク位置情報と共に報知する報知部と、
を有する。
【発明の効果】
【0010】
実施の形態による流体補給管理システムによれば、流体の供給源となるタンクの交換又は再充填を適切なタイミングで効率よく行うことが可能な流体補給管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、一実施の形態による流体補給管理システムの構成を示す図である。
図2図2は、図1に示すコンテナの構成を示す図である。
図3図3は、図2に示す燃料電池システムの構成を示す図である。
図4図4は、図1に示す管理部の構成を示す図である。
図5図5は、コンテナの稼働スケジュールの一例を示す図である。
図6図6は、燃料電池システムの運転条件の一例を示す図である。
図7図7は、管理部の作用を説明するためのフローチャートである。
図8図8は、燃料ガスの補給方法を説明するための図である。
図9図9は、流体補給管理システムの変形例を示す図である。
図10図10は、流体補給管理システムの他の変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して一実施の形態について説明する。図1は本実施の形態による流体補給管理システム1の構成を示す図であり、図2はコンテナ5の全体構成を示す図である。また、図3は、図2に示すコンテナ5に取り付けられる燃料電池システム10の全体構成を示す図である。また、図4は、図1に示す管理部50の全体構成を示す図である。
【0013】
図1に示す流体補給管理システム1は、複数のコンテナ5(第1~第5コンテナ5A~5E)と、管理部50と、端末(端末装置)60を含む。各コンテナ5に取り付けられた燃料電池システム10の発信機26と、管理部50と、端末60とは、ネットワークNに接続されている。ネットワークNは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、プロバイダ装置、無線基地局などを含む。端末60は、通信端末であって、例えばスマートフォン、タブレット型端末、パーソナルコンピュータであってよい。
【0014】
図2に示すように、各コンテナ5は、コンテナ5内の温度を調整するための温度調整器(例えば、エアコン)6を備えている。また、各コンテナ5には、燃料電池システム10が取り付けられている。温度調整器6には、燃料電池システム10から取り出された電流が供給される。温度調整器6に電流が供給されることにより、コンテナ5内の温度が所望の温度に調整される。各コンテナ5は、車両や船舶等を用いて移動させることができる。
【0015】
上述したように、図示された例では、流体補給管理システム1は、第1~第5コンテナ5A~5Eを含んでいる。第1~第5コンテナ5A~5Eは、それぞれ、第1~第5燃料電池システム10A~10Eを含んでいる。
【0016】
各燃料電池システム10は、燃料ガスが充填されたタンク21と、タンク21から燃料ガスの供給を受ける装置11としての燃料電池スタック11aと、を含んでいる。本実施の形態の流体補給管理システム1は、タンク21の交換を適切なタイミングで効率よく行うための工夫が成されている。
【0017】
図3を参照して、燃料電池システム10の全体構成について説明する。
【0018】
図3に示すように、燃料電池システム10は、燃料電池スタック11aと、燃料ガス供給系20と、燃料ガス排出系30と、酸化剤ガス供給系35と、酸化剤ガス排出系40と、を有する。燃料電池スタック11aは、燃料ガスと酸化剤ガスとを用いて電気を発生させる。燃料ガスは水素であり、酸化剤ガスは空気である。また、燃料電池システム10は、冷却系45を有する。
【0019】
図3に示す例では、燃料電池スタック11aは固体高分子型燃料電池スタックである。
【0020】
燃料電池スタック11aは、電解質膜を挟んで設けられたアノード12とカソード13とを含む。アノード12には、燃料ガス供給系20から燃料ガスが供給される。カソード13には、酸化剤ガス供給系35から酸化剤ガスが供給される。燃料電池スタック11aは、アノード12に供給された燃料ガスとカソード13に供給された空気中の酸素とを用いて発電する。燃料電池スタック11aの電極には電源装置(図示せず)が接続されており、電源装置を通じて燃料電池スタック11aから電流が取り出される。取り出された電流は、温度調整器6に供給され、これによりコンテナ5が稼働する。
【0021】
燃料ガス供給系20は、燃料ガス供給源としてのタンク21と、燃料ガス供給配管29とを含む。図示された例では、タンク21は、燃料ガスを高圧ガスの形態で収容している。燃料ガス供給配管29の一端は、タンク21の接続口22に接続されている。燃料ガス供給配管29の他端は、アノード12の吸気口に接続されている。タンク21には、開閉弁23が取り付けられている。開閉弁23を開放することにより、タンク21内の燃料ガスが燃料ガス供給配管29を通じてアノード12に供給され、燃料電池スタック11aでの発電が行われる。また、開閉弁23を閉鎖することにより、タンク21からアノード12への燃料ガスの供給が停止され、燃料電池スタック11aでの発電が停止する(すなわち、燃料電池スタック11aの運転が停止する)。燃料ガス排出系30は、燃料ガス排出配管31を含む。燃料ガス排出配管31の一端は、アノード12の排出口に接続されている。燃料電池スタック11aで使用されなかった燃料ガスは、燃料ガス排出配管31を通じて排出される。なお、燃料ガス排出配管31の他端は、燃料ガス供給配管29に接続されていてもよい。この場合、燃料電池スタック11aで使用されなかった燃料ガスを、燃料ガス供給配管29を通じて再びアノード12に供給することができる。なお、図示された例では、タンク21は、燃料ガス供給配管29から分離可能である。これにより、タンク21内の燃料ガスの残量が少なくなった場合に、タンク21を燃料ガスが充填された新たなタンク21'(図8参照)と交換することができる。
【0022】
酸化剤ガス供給系35は、ブロワ等の酸化剤ガス供給源(図示せず)と、酸化剤ガス供給配管36とを含む。酸化剤ガス供給配管36の一端は酸化剤ガス供給源に接続され、他端はカソード13の吸気口に接続されている。これにより、酸化剤ガス供給源から酸化剤ガス供給配管36を通じて、カソード13に酸化剤ガスが供給される。酸化剤ガス排出系40は、酸化剤ガス排出配管41を含む。酸化剤ガス排出配管41の一端は、カソード13の排出口に接続されている。燃料電池スタック11aで使用されなかった酸化剤ガスは、燃料電池スタック11a内で生成された水と共に、酸化剤ガス排出配管41を通じて排出される。
【0023】
冷却系45は、冷却水等の冷媒が流れる冷媒管46を含む。冷媒管46の一端は、燃料電池スタック11a内に形成された冷媒流路14の入口に接続され、他端は冷媒流路14の出口に接続されている。冷媒は、冷媒管46及び冷媒流路14によって形成された循環路47内を循環する。冷却系45は、燃料電池スタック11aが発電する際に発する熱エネルギを、冷媒を用いて回収する。循環路47には、冷媒を循環させるためのポンプ(図示せず)が設けられていてよい。また、循環路47には、冷媒を冷却するための熱交換器(ラジエータ)48が設けられていてよい。なお、冷却系45は、燃料電池スタック11aを空冷方式で冷却するものであってもよい。
【0024】
図3に示すように、本実施の形態の燃料ガス供給系20は、計測器24とタンク位置検出器25と発信機26と、を更に含む。
【0025】
計測器24は、タンク21に直接又は間接的に取り付けられて、タンク21内の燃料ガスの残量に関する値を計測する。図示された例では、計測器24は圧力計を含み、タンク21内の圧力を計測する。また、図示された例では、計測器24は温度計を含み、タンク21内の温度を計測する。
【0026】
タンク位置検出器25は、タンク21に直接又は間接的に取り付けられて、タンク21の位置を検出する。タンク位置検出器25は、例えばGPS(Global Positioning System)センサである。なお、タンク21は、燃料ガス供給配管29に接続された状態で燃料電池システム10の一部を構成する。このため、タンク位置検出器25により検出される位置は、燃料電池システム10(燃料電池スタック11a)の位置であり、また当該燃料電池システム10が取り付けられたコンテナ5の位置でもある。
【0027】
発信機26は、計測器24によって計測された値に関する情報(以下、「計測情報」とも呼ぶ)と、タンク位置検出器25で検出されたタンク21の位置に関する情報(以下、「タンク位置情報」とも呼ぶ)と、を発信する。発信機26から発信された情報は、ネットワークNを介して管理部50に渡される。これにより、タンク21の燃料ガスの残量を管理する管理者Mは、タンク21(コンテナ5)が配置された場所に赴くことなく、タンク21の燃料ガスの残量を把握することができる。
【0028】
なお、計測情報がタンク21内の圧力及び温度を示す情報である場合、当該タンク21の燃料ガスの残量X(単位:リットル(標準状態))は、例えば次の式(1)に従って算出可能である。
X=22.4×P×V/8.314T ・・・(1)
ここで、Pはタンク21内の圧力(単位:Pa)であり、Vはタンク21の内容積(単位:m)であり、Tはタンク21内の絶対温度(単位:K)である。
【0029】
なお、計測器24は、定期的(例えば24時間毎)且つ自動的にタンク21内の燃料ガスの残量に関する値を計測するものであってよい。また、タンク位置検出器25は、定期的(例えば24時間毎)且つ自動的にタンク21の位置を検出するものであってよい。また、発信機26は、定期的(例えば24時間毎)且つ自動的に計測情報及びタンク位置情報を発信するものであってよい。これにより、管理者Mは、各タンク21の位置及び燃料ガスの残量を、定期的且つ自動的に把握することができる。
【0030】
また、図示された例では、計測器24、タンク位置検出器25及び発信機26は、タンク21と共に、燃料ガス供給配管29から分離可能である。これにより、計測器24、タンク位置検出器25及び発信機26を、タンク21と共に管理することができる。図示された例では、タンク21と、当該タンク21に取り付けられた計測器24、タンク位置検出器25及び発信機26とは、タンクユニット27を構成する。
【0031】
図4を参照して、管理部50の構成について詳細に説明する。図4に示すように、管理部50は、通信機51と、記憶部52と、判定部53と、報知部54を含む。
【0032】
通信機51は、各タンク21の発信機26によって発信された情報を、ネットワークNを介して受信する。また、通信機51は、報知部54からの情報を、ネットワークNを介して端末60に送信する。
【0033】
記憶部52は、各コンテナ5の稼働スケジュールに関する情報を保持している。各コンテナ5の稼働スケジュールは、当該コンテナ5の今後の稼働計画を示すものであり、例えば図5に示す表のような情報を含んでいる。図5に示す稼働スケジュールにより、各コンテナ5が次に稼働される際の稼働時間長を把握することができる。例えば、第1コンテナ5Aが次に稼働されるのが2022年5月1日の9:00~18:00である場合、第1コンテナ5Aの次の稼働時間長が9時間であることを把握することができる。記憶部52が稼働スケジュールに関する情報を取得する方法は、任意の方法であってよい。例えば、稼働スケジュールに関する情報は、管理部50の外から通信機51を通じて記憶部52に入力されてもよい。あるいは、稼働スケジュールに関する情報は、管理部50の入力装置(図示せず)を用いて記憶部52に入力されてもよい。
【0034】
また、記憶部52は、燃料電池システム10の運転条件に関する情報を保持している。図示された例では、第1~第5燃料電池システム10A~10Eの運転条件は互いに異なっており、記憶部52は、各燃料電池システム10A~10Eの運転条件に関する情報を保持している。
【0035】
燃料電池システム10の運転条件は、例えば図6に示すグラフのような情報を含んでいる。図6に示す運転条件により、燃料電池システム10がある時間長だけ連続して電流Iを供給する際に使用される燃料ガスの使用量を把握することができる。
【0036】
より詳細には、図6は、時刻t1から時刻t2に亘って燃料電池システム10から当該燃料電池システム10外(図示された例では、温度調整器6)に電流Iを供給する場合に燃料電池スタック11aに供給すべき燃料ガスの流量の時間変化を示している。図6に示す例では、燃料電池スタック11aには、時刻t1よりも所定時間長前となる時刻t0から、燃料ガスを供給する必要がある。また、図6に示す例では、時刻t2よりも所定時間長後となる時刻t3まで、燃料電池スタック11aに燃料ガスを供給する必要がある。ただし、時刻t1から時刻t2までの間に燃料電池スタック11aに供給される燃料ガスの流量がFaであるのに対し、時刻t0から時刻t1までの間に燃料電池スタック11aに供給される燃料ガスの流量は、Faよりも少ないFbである。また、時刻t2から時刻t3までの間に燃料電池スタック11aに供給される燃料ガスの流量は、Faよりも少ないFcである。したがって、燃料電池システム10の運転条件が図6に示す運転条件である場合、温度調整器6に時刻t1から時刻t2に亘って連続して電流Iを供給する際に使用される燃料ガスの使用量Y(単位:リットル(標準状態))は、次の式(2)に従って計算することができる。
Y=Fb×tb+Fa×ta+Fc×tc ・・・(2)
ここで、tbは、時刻t0から時刻t1までの時間長であり、taは、時刻t1から時刻t2までの時間長であり、tcは、時刻t2から時刻t3までの時間長である。
【0037】
なお、流量Fa、Fb、Fc及び時間長tb、tcは予め定まった値なので、時間長taにコンテナ5の次の稼働時間長を代入することにより、次にコンテナ5が稼働する際に使用される燃料ガスの使用量Yを求めることができる。なお、時間長tb、tcは予め定まった値であるため、コンテナ5の稼働スケジュールは、コンテナ5に取り付けられた燃料電池システム10の稼働スケジュールを示すものでもある。
【0038】
記憶部52が運転条件に関する情報を取得する方法は、任意の方法であってよい。例えば、運転条件に関する情報は、管理部50の外から通信機51を通じて記憶部52に入力されてもよい。あるいは、運転条件に関する情報は、管理部50の入力装置(図示せず)を用いて記憶部52に入力されてもよい。
【0039】
判定部53は、各コンテナ5のタンク21を、燃料ガスが充填された他のタンク21'に交換する必要があるか否かを判定する。具体的には、通信機51を介して受信した計測情報と記憶部52に保持されたコンテナ5の稼働スケジュール及び当該コンテナ5の燃料電池システム10の運転条件とに基づいて、当該燃料電池システム10のタンク21の燃料ガスの残量Xが十分であるか否かを判定する。タンク21の燃料ガスの残量Xが十分であるか否かは、例えば、タンク21の燃料ガスの残量Xが当該タンク21が取り付けられたコンテナ5の次の稼働で使用される燃料ガスの使用量Yを上回っているか否か、に基づいて判定する。例えば、第1コンテナ5Aが次に稼働するのが2022年5月1日の9:00~18:00である場合を例に挙げて考える。この場合、まず、判定部53は、第1燃料電池システム10Aのタンク21の燃料ガスの残量Xを、上記計測情報に基づいて算出する。この場合、判定部53は、燃料ガスの残量Xを算出するために上記式(1)を用いてよい。また、判定部53は、第1燃料電池システム10Aの運転条件に基づいて、第1コンテナ5Aを9時間連続して稼働させるために使用される燃料ガスの使用量Yを求める。この場合、判定部53は、上記式(2)のtaに9を代入することにより、上記使用量Yを求めてよい。そして、第1燃料電池システム10Aのタンク21の燃料ガスの残量Xが上記使用量Y以上であれば、判定部53は、当該タンク21の燃料ガスの残量Xは第1コンテナ5Aの次の稼働に十分な量であり、当該タンク21を交換する必要はないと判断する。また、当該タンク21の燃料ガスの残量Xが上記使用量Yを下回っていれば、判定部53は、当該タンク21の燃料ガスの残量Xは第1コンテナ5Aの次の稼働に不十分な量であり、当該タンク21を交換する必要があると判断する。以下では、判定部53で交換の必要性があると判断されたタンク21を、「使用済みタンク21」とも呼ぶ。
【0040】
なお、図示された例では、判定部53は、上記判定を、各コンテナ5の燃料電池システム10が運転を停止している間に行うが、これに限られない。判定部53は、上記判定を、各燃料電池システム10の運転中に行ってもよい。各燃料電池システム10が運転中であるか運転停止中であるかは、各燃料電池システム10が取り付けられたコンテナ5の稼働スケジュールに基づいて判断してよい。
【0041】
また、判定部53は、上記判定を、各コンテナ5に取り付けられた燃料電池システム10の稼働スケジュールに基づいて行ってもよい。この場合、記憶部52は、各燃料電池システム10の稼働スケジュールを保持していてよい。また、この場合、各燃料電池システム10が運転中であるか運転停止中であるかは、各燃料電池システム10の稼働スケジュールに基づいて判断してよい。
【0042】
報知部54は、判定部53でタンク21の交換が必要であると判定された場合に、タンク21の交換の必要性を当該タンク21のタンク位置情報と共に報知する。これにより、タンク21の管理者Mは、交換が必要なタンク21の位置を把握することができ、当該タンク21を交換することができる。
【0043】
なお、図示された例では、報知部54は、通信機51及びネットワークNを介してタンク21の交換の必要性及びタンク位置情報を端末60に送信するが、これに限られない。報知部54は、その周囲にタンク21の交換の必要性及びタンク位置情報を報知するための報知装置を含んでいてもよい。端末60や報知装置は、音声や映像、信号によりタンク21の交換の必要性及びタンク位置情報を報知するものであってもよい。
【0044】
図7を参照して、流体補給管理システム1の作用について説明する。ここでは、主に管理部50の作用を中心に説明する。
【0045】
まず、各コンテナ5から送信された計測情報を管理部50の通信機51が受信すると(ステップS11)、判定部53は記憶部52に格納された各コンテナ5の稼働スケジュールを参照して、当該コンテナ5の燃料電池システム10の運転が停止しているか否かを判断する(ステップS12)。ステップS12で運転中であると判断された場合(ステップS12のNO)、ステップS11に戻る。一方、ステップS12で運転が停止していると判断された場合(ステップS12のYES)、計測情報に基づいて、当該燃料電池システム10のタンク21の燃料ガスの残量Xを計算する。また、記憶部52に格納された当該コンテナ5の稼働スケジュール及び当該コンテナ5の燃料電池システム10の運転条件に基づいて、当該コンテナ5が次の稼働で使用する燃料ガスの使用量Yを計算する(ステップS13)。そして、ステップS13で計算された燃料ガスの残量X及び使用量Yを比較して、当該タンク21の交換が必要か否かを判定する(ステップS14)。具体的には、上記残量Xが上記使用量Y以上であれば、タンク21を交換する必要は無いと判断する。一方、上記残量Xが上記使用量Y未満であれば、タンク21を交換する必要が有ると判断する。ステップS14でタンク21を交換する必要は無いと判断された場合(ステップS14のNO)、ステップS11に戻る。一方、ステップS14でタンク21を交換する必要が有ると判断された場合(ステップS14のYES)、判定部53は判定結果を報知部54に渡す。報知部54は、判定結果を受け取ると、タンク21の位置情報と共に当該タンク21の交換が必要であることを示す情報を、端末60に送信する(ステップS15)。タンク21の管理者Mは、端末60が受信した位置情報が示す位置に配置されたタンク21の交換を行う。
【0046】
具体的には、図8に示すように、コンテナ5A、5B、5Dのタンク21の交換の必要性が管理部50から端末60に通知されると、管理者Mは、燃料ガスが充填されたタンク21'を貯蔵するタンク貯蔵所65においてタンク21'(以下、「充填済みタンク21'」とも呼ぶ)を三つ選び、選んだタンク21'をコンテナ5A、5B、5Dに移送する。このとき、端末60に通知されたタンク21の位置情報(すなわち、コンテナ5A、5B、5Dの位置情報)から、充填済みタンク21'の移送先を把握する。このようにして、管理者Mは、コンテナ5から離れた場所にいても交換の必要性のあるタンク21(使用済みタンク21)を随時把握することができ、適切なタイミングで、使用済みタンク21が配置された場所にのみ赴いて当該使用済みタンク21を充填済みタンク21'と交換することができる。ここで、タンク21の交換は、燃料電池システム10の運転停止中に行われる。
【0047】
図8に示す例では、管理者Mは、使用済みタンク21を充填済みタンク21'と交換した後、コンテナ5A、5B、5Dから回収した使用済みタンク21を、燃料ガス充填所66に移送する。次に、管理者Mは、燃料ガス充填所66に設置された燃料ガス供給設備から使用済みタンク21に燃料ガスを再充填し、当該タンクを充填済みタンク21'としてタンク貯蔵所65に貯蔵する。タンク貯蔵所65に貯蔵された充填済みタンク21'は、将来、使用済みタンク21と交換されてよい。
【0048】
なお、使用済みタンク21を回収する際、使用済みタンク21は、当該使用済みタンク21に取り付けられた計測器24やタンク位置検出器25、発信機26と共に回収されてよい。この場合、使用済みタンク21と交換される充填済みタンク21'には、計測器24やタンク位置検出器25、発信機26が取り付けられていてよい。言い換えると、タンク21を交換する際は、タンクユニット27ごと交換してよい。
【0049】
また、燃料ガス充填所66とタンク貯蔵所65は同じ場所であってもよく、明確に区別されていなくてもよい。
【0050】
また、図9に示すように、各コンテナ5は、コンテナ5の位置(したがって、燃料電池スタック11aの位置)を検出するコンテナ位置検出器7と発信機8とをさらに有していてもよい。コンテナ位置検出器7は、タンク位置検出器25と同様に構成されていてよいが、タンク位置検出器25とは別個の位置検出器である。コンテナ位置検出器7及び発信機8は、コンテナ5又は燃料電池スタック11aに、直接又は間接的に取り付けられている。この場合、タンク21がタンク位置検出器25及び発信機26と共にコンテナ5及び燃料電池スタック11aから取り外された状態であっても、コンテナ5及び燃料電池スタック11aの位置を把握することができる。したがって、燃料電池スタック11aから使用済みタンク21(タンクユニット27)が取り外された後、当該燃料電池スタック11aに充填済みタンク21'(新たなタンクユニット27)が取り付けられるまでの間にコンテナ5が移動しても、当該燃料電池スタック11aの位置を把握することができ、充填済みタンク21'(新たなタンクユニット27)を当該燃料電池スタック11aに取り付けることができる。
【0051】
また、図8に示す例では、使用済みタンク21を充填済みタンク21'と交換するが、これに限られない。移動可能な燃料ガス供給設備(例えば、燃料ガスが充填された大型タンク)を用意し、当該燃料ガス供給設備を使用済みタンク21が配置されている場所まで運んで、当該場所で燃料ガス供給設備から使用済みタンク21に燃料ガスを再充填してもよい。あるいは、使用済みタンク21が取り付けられたコンテナ5を図8に示す燃料ガス充填所66まで移動させて、燃料ガス充填所66に設置された燃料ガス供給設備から使用済みタンク21へ、燃料ガスの再充填を行ってもよい。すなわち、使用済みタンク21の交換は行わず、使用済みタンク21への燃料ガスの再充填を行ってもよい。この場合、判定部53は、タンク21に燃料ガスを再充填する必要があるか否かを判定するものであってよい。また、この場合、報知部54は、タンク21の再充填の必要性を報知するものであってよい。
【0052】
また、タンク21は、水素吸蔵合金を用いて水素を貯蔵する水素吸蔵合金タンクであってもよい。
【0053】
また、タンク21は、燃料ガスを液化した状態で収容するものであってもよい。例えば、タンク21は、液体水素を収容していてもよい。更に言えば、タンク21は流体を収容するものであればよく、タンク21に収容される流体は気体であっても液体であってもよい。タンク21に収容される流体が気体である場合、計測器24は、上述したように、タンク21内の圧力を計測する圧力計を含んでいてよい。また、タンク21に収容される流体が液体である場合、計測器24は、タンク内の液体の水位を計測する水位計を含んでいてよい。この場合、水位計で計測された水位に基づいてタンク21内の流体の残量を把握することができる。また、タンク21に収容される流体が気体である場合も液体である場合も、計測器24は、タンク21の重量(タンク21内の流体を含む重量)を計測する重量計を含んでいてもよい。この場合、重量計で計測された重量に基づいてタンク21内の流体の残量を把握することができる。
【0054】
また、燃料電池スタック11aは固体高分子型の燃料電池スタックに限られず、固体酸化物型や、直接メタノール型、リン酸型、溶融炭素塩型、アルカリ型の燃料電池スタックであってもよい。
【0055】
また、タンク21は、燃料電池スタック11aに燃料ガスを供給するものに限られない。言い換えると、タンク21から流体の供給を受ける装置11は、燃料電池スタック11aに限られない。例えば、タンク21は、天然ガスや液化石油ガス、プロパンガス、メタンガス、バイオガス、メタノール、アンモニア、また、一酸化炭素と水素の混合物である流体を収容して、これらの流体を何らかの装置11に供給するものであってもよい。例えば、タンク21は、これらの流体から水素含有ガスを生成可能な装置(例えば、改質器)11に接続されて、上記流体を当該装置11に供給するものであってもよい。この場合、当該装置11は、生成された水素含有ガスを燃料電池スタック11aに供給するものであってよい。
【0056】
また、タンク21は、燃料電池システム10の運転停止時に燃料電池スタック11a内の触媒の劣化を防ぐ目的で供給されるガスを、収容するものであってもよい。この場合、タンク21は、窒素などの不活性ガスを収容していてよい。また、この場合、判定部53は、燃料電池システム10の運転中に、タンク21の交換又は再充填の必要性を判定してもよい。
【0057】
また、図10に示すように、流体補給管理システム1に含まれる各装置11は、複数のタンクユニット27から流体の供給を受けてもよい。この場合、各タンクユニット27の発信機26は、当該タンクユニット27の計測器24で計測された計測情報及びタンク位置検出器25で検出された位置情報と共に、当該タンクユニット27のタンク21を特定する情報(当該装置11に含まれる複数のタンク21のうち何れのタンクであるかを示す情報)を、発信してよい。これにより、管理者Mは、各装置11に含まれる複数のタンク21のうち、いずれのタンク21が交換または再充填の必要があるかを把握することができる。また、この場合、複数のタンク21が装置11に供給する流体は、互いに異なっていてもよい。例えば、図10に示す例では、一方のタンク21が燃料電池スタック11aに供給する流体は燃料ガスであってよく、他方のタンク21が燃料電池スタック11aに供給する流体は、燃料電池スタック11a内の触媒の劣化を防ぐための不活性ガスであってよい。
【0058】
また、管理部50は、燃料電池システム10から取り出される電流の大きさに関する情報を取得して、当該情報とタンク21の燃料ガスの残量Xとに基づいて、燃料電池システム10の異常(例えば燃料ガスの漏れ等)を検知してもよい。この場合、管理者Mは、燃料電池システム10が配置された場所に赴くことなく、燃料電池システム10の異常を把握することができる。
【0059】
また、上述された例では、流体補給管理システム1は複数の装置11と複数のタンクユニット27を含むが、これに限られない。流体補給管理システム1は、単一の装置11を含んでいてもよい。この場合、流体補給管理システム1は、単一のタンクユニット27を含んでいてもよい。
【0060】
以上のように、本実施の形態による流体補給管理システム1は、流体の供給を受ける装置11と、流体が充填され、装置11に接続されて流体を装置11に供給するタンク21と、を備えている。また、流体補給管理システム1は、タンク21に取り付けられて当該タンク21内の流体の残量に関する値を計測する計測器24と、当該タンク21に取り付けられて当該タンク21の位置を検出する位置検出器25と、当該タンク21に取り付けられた発信機26と、を備えている。発信機26は、計測器24によって計測された値に関する情報である計測情報と、タンク21の位置検出器25で検出されたタンク21の位置に関する情報であるタンク位置情報とを発信する。また、流体補給管理システム1は、タンク21の流体の残量の管理を行う管理部50を備えている。管理部50は、発信機26によって発信された計測情報及びタンク位置情報を受信する通信機51と、当該計測情報に基づいてタンク21の交換又は再充填が必要か否かを判定する判定部53と、判定部53でタンク21の交換又は再充填が必要であると判定された場合に、当該タンク21の交換又は再充填の必要性を当該タンク21のタンク位置情報と共に報知する報知部54と、を有する。
【0061】
このような流体補給管理システム1によれば、タンク21の交換又は再充填の必要性が、随時、報知部54によって報知されるため、流体の残量が少ないタンク21を、適切なタイミングで交換又は再充填することができる。このとき、交換又は再充填が必要なタンク21の位置を把握することができるため、タンク21の交換又は再充填を効率良く行うことができる。
【0062】
また、本実施の形態による流体補給管理システム1において、判定部53は、装置11の稼働スケジュールと上記計測情報とに基づいて、タンク21の交換又は再充填が必要か否かを判定する。装置11の稼働スケジュールを判定に用いることにより、タンク21内の流体が枯渇する前にタンク21を交換又は再充填することができる。この結果、装置11を信頼性高く稼働させることができる。
【0063】
また、本実施の形態による流体補給管理システム1において、判定部53は、さらに装置11の運転条件に基づいて、タンク21の交換又は再充填が必要か否かを判定する。この場合、タンク21の交換又は再充填の必要性の有無を、より適切に判定することができる。
【0064】
また、本実施の形態による流体補給管理システム1において、タンク21は、装置11に着脱可能に接続されている。装置11は、当該装置11の位置を検出する位置検出器7と、当該装置11の位置検出器7で検出された当該装置11の位置に関する情報である装置位置情報とを発信する発信機8と、を有する。この場合、装置11からタンク21が位置検出器25及び発信機26と共に取り外された状態であっても、装置11の位置を把握することができる。したがって、装置11からタンク21が取り外された後、当該装置11に新たなタンク21'が取り付けられるまでの間に装置11が移動しても、装置11の位置を把握することができ、当該装置11に新たなタンク21'を取り付けることが容易である。
【0065】
また、本実施の形態による流体補給管理システム1において、装置11は燃料電池スタック11aであり、流体は水素である。この場合、装置11を、信頼性の高い電力供給装置として使用することができる。
【0066】
また、本実施の形態による流体補給管理システム1は、流体の供給を受ける複数の装置11と、流体が充填され、上記複数の装置11の各々に接続されて上記流体を当該装置11に供給する複数のタンク21と、を備えている。また、流体補給管理システム1は、複数のタンク21の各々に取り付けられて当該タンク21内の流体の残量に関する値を計測する複数の計測器24と、複数のタンク21の各々に取り付けられて当該タンク21の位置を検出する複数の位置検出器25と、複数のタンク21の各々に取り付けられた複数の発信機26と、を備えている。発信機26は、当該発信機26が取り付けられたタンク21の計測器24によって計測された値に関する情報である計測情報と、当該タンク21の位置検出器25で検出された当該タンクの位置に関する情報であるタンク位置情報とを発信する。また、流体補給管理システム1は、複数のタンク21の上記流体の残量の管理を行う管理部50を備えている。管理部50は、発信機26によって発信された計測情報及びタンク位置情報を受信する通信機51と、上記計測情報に基づいて各タンク21の交換又は再充填が必要か否かを判定する判定部53と、判定部53で複数のタンク21のいずれかの交換又は再充填が必要であると判定された場合に、当該タンク21の交換又は再充填の必要性を当該タンク21のタンク位置情報と共に報知する報知部54と、を有する。
【0067】
このような流体補給管理システム1によれば、各タンク21の交換又は再充填の必要性が、随時、報知部54によって報知されるため、複数のタンク21うち流体の残量が少ないタンク21を、適切なタイミングで交換又は再充填することができる。このとき、交換又は再充填が必要なタンク21の位置を把握することができるため、タンク21の交換又は再充填を効率良く行うことができる。
【0068】
本発明の実施形態といくつかの変形例を説明したが、これらの実施形態および変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、当然のことながら、本発明の要旨の範囲内でこれらの実施形態および変形例を、部分的に適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0069】
1:流体補給管理システム、5:コンテナ、6:温度調整器、7:位置検出器、8:発信機、10:燃料電池システム、11:装置、11a:燃料電池スタック、20:燃料ガス供給系、21:タンク、24:計測器、25:位置検出器、26:発信機、27:タンクユニット、50:管理部、51:通信機、52:記憶部、53:判定部、54:報知部、60:端末、65:タンク貯蔵所、66:燃料ガス充填所、M:管理者、N:ネットワーク
図1
図2
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