(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165550
(43)【公開日】2023-11-16
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20231109BHJP
B60R 1/24 20220101ALI20231109BHJP
B60R 1/25 20220101ALI20231109BHJP
B60R 1/26 20220101ALI20231109BHJP
【FI】
G08G1/16 D
B60R1/24
B60R1/25
B60R1/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022076739
(22)【出願日】2022-05-06
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸
(72)【発明者】
【氏名】杉江 正峻
(72)【発明者】
【氏名】岡田 遼太朗
(72)【発明者】
【氏名】田島 英樹
(72)【発明者】
【氏名】中西 洋介
(72)【発明者】
【氏名】安田 俊之
(72)【発明者】
【氏名】新谷 勇志
(72)【発明者】
【氏名】山崎 敦志
(72)【発明者】
【氏名】藤原 信吾
(72)【発明者】
【氏名】横田 匡司
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA02
5H181AA07
5H181BB04
5H181BB13
5H181CC04
5H181FF27
5H181FF33
5H181LL01
5H181LL15
(57)【要約】
【課題】衝突の可能性を低減させる。
【解決手段】情報処理装置10は取得部19と制御部20とを有する。取得部19は車両の周囲の画像を少なくとも1つのカメラから取得する。制御部20は第1の部分像を第2の部分像に重畳した支援画像を周囲の画像を用いて生成する。第1の部分像は目印を含む。目印は車両の外表面の中で極大移動部分の位置を示す。極大移動部分は右左折に際して最小移動部分よりも後方において最大の曲率半径で移動する部分である。最小移動部分は右左折に際して最小の曲率半径で移動する部分である。第2の部分像は車両の少なくとも一部の像を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の周囲の画像を、少なくとも1つのカメラから取得する取得部と、
前記車両の外表面の中で、右左折に際して最小の曲率半径で移動する最小移動部分よりも後方において最大の曲率半径で移動する極大移動部分の位置を示す目印を含む第1の部分像を、前記車両の少なくとも一部の像を含む第2の部分像に重畳した支援画像を、前記周囲の画像を用いて生成する制御部と、を備える
情報処理装置。
【請求項2】
車両の周囲の画像を、少なくとも1つのカメラから取得する取得部と、
前記車両の外表面の中で、右左折に際して最小の曲率半径で移動する最小移動部分よりも後方において最大の曲率半径で移動する極大移動部分の位置よりも該車両の幅方向に所定の間隔で広げた位置を示す目印を含む第1の部分像を、前記車両の少なくとも一部の像を含む第2の部分像に重畳した支援画像を、前記周囲の画像を用いて生成する制御部と、を備える
情報処理装置。
【請求項3】
運転席を有する車両の周囲の画像を、少なくとも1つのカメラから取得する取得部と、
前記運転席よりも後方であって、前記車両の外表面の中で右左折に際して最大の曲率半径で移動する極大移動部分の位置、又は該位置よりも該車両の幅方向に所定の間隔で更に広げた位置を示す目印を含む第1の部分像を、前記車両の少なくとも一部の像を含む第2の部分像に重畳した支援画像を、前記周囲の画像を用いて生成する制御部と、を備える
情報処理装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記第1の部分像は、前記車両の走行に伴う前記目印の将来の移動の軌跡を含む
情報処理装置。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記制御部は、前記車両の進行方向の側方に障害物が位置する場合、前記車両の右左折の過程で前記目印が前記障害物と交差するか否かを判別する
情報処理装置。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の情報処理装置において、
前記車両は、荷台を有するトラックであり、
前記最小移動部分は、前記車両の最後尾の車輪と同じ位置における最大幅を有する部分であり、
前記極大移動部分は、前記荷台の側面における前後方向の後端で最大幅を有する部分である
情報処理装置。
【請求項7】
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記支援画像は、前記車両の側面を前記第2の部分像として含む側面表示画像を有する
情報処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理装置において、
前記側面表示画像は、前記車両よりも鉛直上方を視点とした画像である
情報処理装置。
【請求項9】
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記支援画像には、前記車両近傍に位置する縁石の部分画像が含まれる
情報処理装置。
【請求項10】
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記支援画像は、前記車両を上面視した上面表示画像を有する
情報処理装置。
【請求項11】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記制御部は、前記車両の走行速度、又は前記車両の前後方向の長さに基づいて、前記所定の間隔を決定する
情報処理装置。
【請求項12】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記車両は、荷台を有するトラックであり、
前記制御部は、前記荷台に積載された荷物の重さに基づいて前記所定の間隔を決定する
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自車両の右左折に際して巻込みの可能性を注意喚起するために、後輪の予想軌跡線を自車両の合成画像に重畳して表示することが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
運転者は後輪の予想軌跡を把握できても、自車両の衝突の可能性を更に低減させるように注意喚起することが求められていた。
【0005】
従って、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされた本開示の目的は、車両の衝突の可能性を低減する情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の観点による情報処理装置は、
車両に搭載される情報処理装置であって、
前記車両の周囲の画像を、少なくとも1つのカメラから取得する取得部と、
前記車両の外表面の中で、右左折に際して最小の曲率半径で移動する最小移動部分よりも後方において最大の曲率半径で移動する極大移動部分の位置を示す目印を含む第1の部分像を、前記車両の少なくとも一部の像を含む第2の部分像に重畳した支援画像を、前記周囲の画像を用いて生成する制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
上記のように構成された本開示に係る情報処理装置によれば、車両の衝突の可能性が低減する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る情報処理装置を備える車両の側面図である。
【
図3】
図1の情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図4】車両における極大移動部分及び最小移動部分を説明するために、車両の左折時の移動軌跡を鉛直上方からみた図である。
【
図5】支援画像としての左原画像及び右原画像の例を示す図である。
【
図6】支援画像としての加工側面画像の例を示す図である。
【
図7】支援画像としての加工上面画像の例を示す図である。
【
図8】支援画像としての左原画像及び右原画像の別の例を示す図である。
【
図9】支援画像としての加工側面画像の別の例を示す図である。
【
図10】支援画像としての加工上面画像の別の例を示す図である。
【
図11】支援画像としての左原画像及び右原画像の更に別の例を示す図である。
【
図12】支援画像としての加工側面画像の更に別の例を示す図である。
【
図13】支援画像としての加工上面画像の更に別の例を示す図である。
【
図14】
図3の制御部が実行する支援画像生成処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示を適用した情報処理装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0010】
図1に示すように、一実施形態に係る情報処理装置10は車両11に搭載されてよい。車両11は、更に、少なくとも1つのカメラ12、通信装置13、及びディスプレイ14を含んでよい。車両11は、任意の車種でよい。車両11は、例えば、前後方向に平行な側面の荷台を有するトラック、タンクローリー、全長の比較的長いバス等である。
【0011】
カメラ12は、車両11の一部とともに、車両11の周辺の光景を撮像可能に設けられる。カメラ12は、撮像により生成する画像を情報として情報処理装置10に付与してよい。
【0012】
図2に示すように、本実施形態において車両11は、少なくとも1台のカメラ12として第1のカメラ15、第2のカメラ16、第3のカメラ17、及び第4のカメラ18を含む。第1のカメラ15は、例えば、車両11の前方の光景を撮像可能に設けられる。第2のカメラ16は、例えば、車両11の後方の光景を撮像可能に設けられる。第3のカメラ17は、例えば、車両11の左側方及び左後方の光景を撮像可能に設けられる。第4のカメラ18は、例えば、車両11の右側方及び右後方の光景を撮像可能に設けられる。第1のカメラ15乃至第4のカメラ18の光軸は、車両11の幅方向に垂直であってよい。
【0013】
通信装置13は、車両11の近傍に位置する外部カメラと無線通信可能であってよい。外部カメラは、例えば、路側機、他車両、建造物、ドローン等の飛行物体に設けられてよい。通信装置13は、外部カメラが撮像により生成した画像を、外部カメラの位置とともに情報として、当該外部カメラから取得してよい。
【0014】
ディスプレイ14は、運転席から視認可能な位置に配置される。ディスプレイ14は、後述する情報処理装置10が生成する支援画像を表示してよい。ディスプレイ14は、液晶ディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ等の公知の種類のディスプレイであってよい。
【0015】
情報処理装置10は、カメラ12及び外部カメラから取得する、車両11の周囲の画像を用いて支援画像を生成する。以下に、情報処理装置10の構成について説明する。
図3に示すように、情報処理装置10は、入出力インタフェース(取得部)19及び制御部20を含んで構成される。情報処理装置10は、更に記憶部21を含んで構成されてよい。
【0016】
入出力インタフェース19は、車両11の周囲の画像をカメラ12及び外部カメラの少なくとも一方から取得する。入出力インタフェース19は、車両11の操縦情報を車両11から取得してよい。操縦情報は、例えば、車両11の速度、加速度、舵角等を含んでよい。入出力インタフェース19は、後述するように、制御部20が生成する支援画像をディスプレイ14に付与してよい。
【0017】
記憶部21は、例えば、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)など、任意の記憶デバイスを含む。記憶部21は、制御部20を機能させる多様なプログラム及び制御部20が用いる多様な情報を記憶してよい。
【0018】
記憶部21は、例えば、車両11に対して定められた点を原点とする3次元座標系における特定の位置を記憶してよい。特定の位置は、極大移動部分の位置である。
【0019】
図4に示すように、極大移動部分は、車両11の外表面の中で、右左折に際して、車両11の前後方向において、後述する最小移動部分よりも後方において最大の曲率半径で移動する部分であってよい。極大移動部分は、車両11の外表面の中で、右左折に際して、車両11の前後方向において、車両11の運転席より後方において最大の曲率半径で移動する部分であってよい。例えば、極大移動部分は、車両11がトラックである構成において、荷台の側面における前後方向の後端において高さ方向の中で最大幅を有する部分である。更に、例えば、極大移動部分は、荷台の側面が幅方向に垂直な平面状である構成において、荷台の後端と同じ位置であって、鉛直方向における任意の位置の部分である。
【0020】
最小移動部分は、車両11の外表面の中で、右左折に際して最小の曲率半径で移動する部分である。具体的には、
図1に示すように、最小移動部分は、車両11の前後方向における最後尾の車輪22と同じ位置において高さ方向の中で最大幅を有する部分である。例えば、最小移動部分は、車両11がトラックであって且つ荷台の側面が幅方向に垂直な平面状である構成において、最後尾の車輪22と同じ位置であって、鉛直方向における任意の位置の部分である。
【0021】
記憶部21は、更に、後述する支援画像が、入出力インタフェース19から取得する周囲の画像に基づく合成画像を含む構成において、当該周囲の画像を合成画像に変換する座標変換の変換式又は変換表を記憶する。
【0022】
制御部20は、1以上のプロセッサおよびメモリを含む。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、および特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けIC(ASIC;Application Specific Integrated Circuit)を含んでよい。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイス(PLD;Programmable Logic Device)を含んでよい。PLDは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでよい。制御部20は、1つ又は複数のプロセッサが協働するSoC(System-on-a-Chip)、およびSiP(System In a Package)のいずれかであってもよい。
【0023】
制御部20は、入出力インタフェース19が取得する周囲の画像を用いて、支援画像を生成する。支援画像は、第1の部分像を第2の部分像に重畳した画像である。支援画像は、更に第3の部分像を第2の部分像に重畳させた画像を含んでよい。第1の部分像は、極大移動部分の位置、又は当該位置よりも車両11の幅方向に所定の間隔で更に広げた位置を示す目印を含む像である。所定の間隔は、車両11の側面における障害物との接触を防ぐマージンとして考えられる余裕の長さであって、例えば限定されないが10cmである。所定の間隔は、ユーザの指定によって任意に決定してよい。又は、制御部20は、車両11の走行速度に応じて所定の間隔を決定してよい。制御部20は、車両11の走行速度を取得し、走行速度が速いほど、遅い場合に比べて大きくなるように所定の間隔を決定してよい。又は、制御部20は、車両11が荷台を有するトラックである構成において、荷台に積載された荷物の重量に応じて所定の間隔を決定してよい。制御部20は、荷台に取り付けた重量センサから荷物の重量を取得し、重量が重いほど、軽い場合に比べて大きくなるように所定の間隔を決定してよい。又は、制御部20は、車両11の全長、言換えると前後方向の長さに応じて所定の間隔を決定してよい。制御部20は、第3のカメラ17又は第4のカメラ18が撮像する画像から車両11の全長を算出し、車両11の全長が長いほど、短い場合に比べて大きくなるように所定の間隔を決定してよい。第2の部分像は、周囲の画像に含まれる、情報処理装置10を搭載する車両11の像である。第2の部分像は、少なくとも車両11の一部の像を含んでよい。第3の部分像は、最小移動部分の位置、又は当該位置よりも車両11の幅方向に所定の間隔で更に広げた位置を示す目印を含む像である。
【0024】
支援画像は、車両11を、車両11を基準とした特定の視点から見た画像であってよい。支援画像は、単一の画像であってよく、又は複数の画像を含んでよい。支援画像は、例えば、側面表示画像及び上面表示画像を含んでよい。側面表示画像は、車両11の側面を第2の部分像として含む画像である。上面表示画像は、例えば、車両11を上面視した画像等のように車両11の上面を部分像として含む画像である。例えば、車両11の後側方上空又は前側方上空の視点から見た画像は、側面表示画像及び上面表示画像を含みうる。支援画像に含める、側面表示画像等の画像の種類は、予め定められていてよく、後に選択されてよい。
【0025】
支援画像は、入出力インタフェース19が取得する周囲の画像に、視覚情報を重畳することにより生成されてよい。例えば、
図5に示すように、支援画像に含まれる側面表示画像は、第3のカメラ17が撮像により生成する左原画像lri及び第4のカメラ18が撮像により生成する右原画像rriを含んでよい。上述のように、左原画像lri及び右原画像rriそれぞれには、車両11の像である第2の部分像pi2に、極大移動部分を示す目印の像である第1の部分像pi1及び最小移動部分を示す目印の像である第3の部分像pi3が重畳されている。極大移動部分及び最小移動部分が連続する線状である構成においては、当該部分を示す目印は線状であってよいが、当該線に含まれる任意の1点であってよく、離散的な複数の点であってよい。
【0026】
又は、支援画像は、当該周囲の画像に基づいて加工される画像に視覚情報が重畳されることにより生成されてよい。周囲の画像に基づいて加工される画像は、単一の周囲の画像に対して座標変換を行うことにより生成されてよく、複数の周囲の画像を合成し且つ必要に応じて座標変換を行うことにより生成されてよい。
【0027】
更に、制御部20により生成される支援画像は、車両11から離れた位置を視点としてよい。
【0028】
例えば、制御部20は、側面表示画像を、第3のカメラ17又は第4のカメラ18が生成する周囲の画像と外部カメラが撮像する画像との少なくとも一方を加工、又は両方を合成することによって生成してよい。
図6に示すように、制御部20に生成される側面表示画像は、車両11よりも鉛直上方を視点とした変換画像である加工側面画像psiであってよい。加工側面画像psiには、車両11の像である第2の部分像pi2に、極大移動部分を示す目印の像である第1の部分像pi1及び最小移動部分を示す目印の像である第3の部分像pi3が重畳されている。極大移動部分及び最小移動部分が連続する線状である構成においては、当該部分を示す目印は線状であってよいが、当該線に含まれる任意の1点であってよく、離散的な複数の点であってよい。又、
図7に示すように、制御部20に生成される上面表示画像は、車両11の鉛直上方を視点とした変換画像である加工上面画像ptiであってよい。加工上面画像ptiにおいても、第2の部分像pi2に第1の部分像pi1及び第3の部分像pi3が重畳されている。
【0029】
支援画像は、車両11近傍に位置する縁石の部分画像spiが含まれる視点の画像であってよい。制御部20は、支援画像に縁石の部分画像spiが含まれるように、視点の位置を決定してよい。例えば、上述した左原画像lri、右原画像rri、加工側面画像psi、及び加工上面画像ptiには、縁石の部分画像spiが含まれるように、視点及び画角が設定されている。
【0030】
支援画像において、第1の部分像pi1は、車両11の走行に伴う、上記の目印の将来の移動の軌跡を含んでよい。
【0031】
例えば、車両11が直進する場合、支援画像が左原画像lri及び右原画像rriである構成において、
図8に示すように、目印の軌跡を示す第1の部分像pi1は、平面状である。又、車両11が直進する場合、支援画像が加工側面画像psiである構成において、
図9に示すように、目印の軌跡を示す第1の部分像pi1は、平面状である。又、車両11が直進する場合、支援画像が加工上面画像ptiである構成において、
図10に示すように、目印の軌跡を示す第1の部分像pi1は、直線状である。
【0032】
又、例えば、車両11が右折する場合、支援画像が左原画像lri及び右原画像rriである構成において、
図11に示すように、目印の軌跡を示す第1の部分像pi1及び第3の部分像pi3は、湾曲面状である。又、車両11が右折する場合、支援画像が加工側面画像psiである構成において、
図12に示すように、目印の軌跡を示す第1の部分像pi1及び第3の部分像pi3は、湾曲面状である。又、車両11が右折する場合、支援画像が加工上面画像ptiである構成において、
図13に示すように、目印の軌跡を示す第1の部分像pi1及び第3の部分像pi3は、曲線状である。
【0033】
制御部20は、車両11の左右方向のうち曲がる方向側では、第1の部分像pi1よりも第3の部分像pi3を優先して第2の部分像pi2に重畳してよい。例えば、制御部20は、車両11の左右方向のうち曲がる方向側では第3の部分像pi3のみを重畳してよい。又、制御部20は、車両11の左右方向のうち曲がる方向の反対側では、第3の部分像pi3より第1の部分像pi1を優先して第2の部分像pi2に重畳してよい。例えば、制御部20は、車両11の左右方向のうち曲がる方向の反対側では、第1の部分像pi1のみを重畳してよい。
【0034】
制御部20は、車両11の右折又は左折時に、車両11の舵角及び速度等に基づいて、目印の軌跡を算出して、第1の部分像pi1及び第3の部分像pi3を作成してよい。制御部20は、車両11の右折又は左折において車体が傾斜する可能性がある場合には、傾斜させた目印の軌跡を算出して、第1の部分像pi1及び第3の部分像pi3を作成してよい。目印の軌跡は、車両11が右折又は左折の開始から終了までに想定される全軌跡であってよいし、一部の軌跡であってもよい。車両11の右折又は左折の進捗に応じて、通過済みの軌跡は消去されてもよいし、表示されたままとしてもよい。制御部20は、車両11の舵角や速度が変化した場合には、目印の軌跡を再度算出して、新たに第1の部分像pi1及び第3の部分像pi3を作成してよい。
【0035】
制御部20は、車両11の進行方向の側方に障害物が位置する場合、当該障害物が目印の軌跡と交差するか否かを判別してよい。支援画像は、障害物の部分像が含まれるような視点からの画像として作成されてよい。障害物は、例えば、車両11周辺の歩行者、他の車両、看板、カーブミラー、標識等を含む。障害物と目印の軌跡との交差は、実空間における、目印に対応する位置と障害物の位置との重複を生じさせる。言換えると、障害物と目印の軌跡との交差は、目印の位置が車両11の車体の一部である構成において、右折又は左折の過程で車両11が障害物に衝突する可能性がある。制御部20は、当該障害物が目印の軌跡と交差する場合、支援画像に警告表示等を含めてよい。警告表示には、障害物の部分像や目印の軌跡の表示形態の変化を含んでよい。表示形態の変化には、表示する色の変更、点滅等を含んでよい。目印の軌跡において、障害物と交差する部分と他の部分の表示形態が異なってもよい。制御部20は、警告表示等に代えて、又は警告表示等と同時に、スピーカから警告音を発してもよい。制御部20は、支援画像に含まれる障害物の部分像の、外縁の全部又は一部を強調表示してよく、障害物の位置を示す画像を表示してもよい。制御部20は、右左折に際して入出力インタフェース19が取得する周囲の画像から車両11の進行方向の側方に障害物が存在するか否かを判定し、障害物が存在する場合にのみ目印の軌跡をディスプレイ14に表示させてよい。
【0036】
制御部20は、上述のように生成した支援画像を、ディスプレイ14に付与して、表示させてよい。
【0037】
次に、本実施形態において情報処理装置10の制御部20が実行する、支援画像生成処理について、
図14のフローチャートを用いて説明する。支援画像生成処理は、例えば、カメラ12及び外部カメラから周囲の画像を取得する周期に合わせて、周期的に開始する。
【0038】
ステップS100において、制御部20は、周囲の画像に基づいて加工が必要な種類の画像を支援画像が含むか否かを判別する。含む場合、プロセスはステップS101に進む。含まない場合、プロセスはステップS102に進む。
【0039】
ステップS101では、制御部20は、周囲の画像を加工して、第1の部分像pi1を重畳するための画像を生成する。生成後、プロセスはステップS102に進む。
【0040】
ステップS102では、制御部20は、車両11から最近取得した操縦情報に基づいて最新の操縦状態を認識する。認識後、プロセスはステップS103に進む。
【0041】
ステップS103では、制御部20は、記憶部21に記憶した特定の位置、及びステップS102において認識した操縦状態に基づいて、支援画像に含まれる画像の種類毎の画像座標系における目印の移動の軌跡を算出する。算出後、プロセスはステップS104に進む。
【0042】
ステップS104では、制御部20は、車両11の進行方向の側方に障害物がある場合、当該障害物と、ステップS103において算出した目印の移動の軌跡とが交差するか否かの判定を行う。判定後、プロセスはステップS105に進む。
【0043】
ステップS105では、制御部20は、第1の部分像pi1を重畳するための画像に、ステップS103において算出した軌跡である第1の部分像pi1及び第3の部分像pi3を重畳することにより支援画像を生成する。更に、制御部20は、ステップS104において軌跡と交差すると判定された障害物を明示するための点滅等の画像効果を、支援画像に付す。更に、制御部20は、生成した支援画像をディスプレイ14に付与して、表示させる。支援画像の生成後、支援画像生成処理は終了する。
【0044】
以上のような構成の本実施形態の情報処理装置10は、車両11の外表面の中で、右左折に際して最小の曲率半径で移動する最小移動部分よりも後方において最大の曲率半径で移動する極大移動部分の位置を示す目印を含む第1の部分像pi1を、車両11の第2の部分像pi2に重畳した支援画像を、周囲の画像を用いて生成する。このような構成により、情報処理装置10は、曲がる際に最小移動部分よりも後方において最大の曲率半径で移動する極大移動部分を運転者に視認させ得るので、衝突の可能性を低減し得る。
【0045】
又は、本実施形態の情報処理装置10は、車両11の外表面の中で、右左折に際して最小の曲率半径で移動する最小移動部分よりも後方において最大の曲率半径で移動する極大移動部分の位置よりも該車両の幅方向に所定の間隔で更に広げた位置を示す目印を含む第1の部分像pi1を、車両11の第2の部分像pi2に重畳した支援画像を、周囲の画像を用いて生成する。このような構成により、情報処理装置10は、曲がる際に最小移動部分よりも後方において最大の曲率半径で移動する極大移動部分を運転者に視認させ得るので、衝突の可能性を低減し得る。
【0046】
又は、本実施形態の情報処理装置10は、運転席よりも後方であって、車両11の外表面の中で、右左折に際して最大の曲率半径で移動する極大移動部分の位置よりも該車両の幅方向に所定の間隔で更に広げた位置、又は該位置よりも該車両の幅方向に所定の間隔で更に広げた位置を示す目印を含む第1の部分像pi1を、車両11の第2の部分像pi2に重畳した支援画像を、周囲の画像を用いて生成する。このような構成により、情報処理装置10は、曲がる際に運転席よりも後方において最大の曲率半径で移動する極大移動部分を運転者に視認させ得るので、衝突の可能性を低減し得る。
【0047】
又、本実施形態の情報処理装置10では、第1の部分像pi1は車両11の走行に伴う目印の将来の移動の軌跡を含む。このような構成により、情報処理装置10は、曲がる際に把握の難しい、運転席より後方における運転席が通る軌跡よりも幅の広い部分の通過経路をより容易に視認させ得る。したがって、情報処理装置10は、衝突の可能性を更に低減し得る。
【0048】
又、本実施形態の情報処理装置10は、車両11の進行方向の側方に障害物が位置する場合、車両11の右左折の仮定で目印が障害物と交差するか否かを判別する。このような構成により、情報処理装置10は、車両11と障害物の衝突の可能性を運転者に明確に認識させ得る。
【0049】
又、本実施形態の情報処理装置10では、支援画像は車両11の側面を第2の部分像として含む側面表示画像を有する。全長が比較的長い車両11においては、右左折時に車両11の側面の部分が前輪の通過した部分よりも膨らんだ位置を通過することがあるため、車両11の側方の位置する物体に衝突する可能性がある。このような事象に対して、上記の構成を有する情報処理装置10は、運転者に車両11の側面を視認させ得るので、衝突の可能性を更に低減し得る。
【0050】
又、本実施形態の情報処理装置10では、支援画像には車両11近傍に位置する縁石の部分画像spiが含まれる。このような構成により、情報処理装置10は、右左折時の縁石への乗上げ及び縁石への衝突の可能性を低減し得る。
【0051】
又、本実施形態の情報処理装置10では、車両11の走行速度又は車両11の前後方向の長さに基づいて所定の間隔を決定する。車両11の走行速度が速い場合、右左折に際して車体が大きく傾く可能性が高い。例えば、走行速度が速い場合には、遅い場合に比べて所定の間隔を大きくしてもよい。又、車両11の車体の前後方向に長い場合、車両11の右左折がより困難である。例えば、車体の長さが長い場合には、短い場合に比べて所定の間隔を大きくしてもよい。このような構成により、情報処理装置10は、車両11の車体と障害物との接触を回避しうる。
【0052】
又、本実施形態の情報処理装置10では、荷台に搭載された荷物の重さに基づいて所定の間隔を決定する。車両11の荷台に搭載された荷物の重さが重い場合、右左折に際して車体が大きく傾く可能性が高い。例えば、荷物の重さが重い場合には、軽い場合に比べて所定の間隔を大きくしてもよい。このような構成により、情報処理装置10は、車両11の車体と障害物との接触を回避しうる。
【0053】
一実施形態において、(1)情報処理装置は、
車両の周囲の画像を、少なくとも1つのカメラから取得する取得部と、
前記車両の外表面の中で、右左折に際して最小の曲率半径で移動する最小移動部分よりも後方において最大の曲率半径で移動する極大移動部分の位置を示す目印を含む第1の部分像を、前記車両の少なくとも一部の像を含む第2の部分像に重畳した支援画像を、前記周囲の画像を用いて生成する制御部と、を備える。
【0054】
別の一実施形態において、(2)情報処理装置は、
車両の周囲の画像を、少なくとも1つのカメラから取得する取得部と、
前記車両の外表面の中で、右左折に際して最小の曲率半径で移動する最小移動部分よりも後方において最大の曲率半径で移動する極大移動部分の位置よりも該車両の幅方向に所定の間隔で広げた位置を示す目印を含む第1の部分像を、前記車両の少なくとも一部の像を含む第2の部分像に重畳した支援画像を、前記周囲の画像を用いて生成する制御部と、を備える。
【0055】
別の一実施形態において、(3)情報処理装置は、
運転席を有する車両の周囲の画像を、少なくとも1つのカメラから取得する取得部と、
前記運転席よりも後方であって、前記車両の外表面の中で右左折に際して最大の曲率半径で移動する極大移動部分の位置、又は該位置よりも該車両の幅方向に所定の間隔で更に広げた位置を示す目印を含む第1の部分像を、前記車両の少なくとも一部の像を含む第2の部分像に重畳した支援画像を、前記周囲の画像を用いて生成する制御部と、を備える。
【0056】
(4)上記(1)乃至(3)のいずれかの情報処理装置では、
前記第1の部分像は、前記車両の走行に伴う前記目印の将来の移動の軌跡を含む。
【0057】
(5)上記(1)乃至(4)のいずれかの情報処理装置では、
前記制御部は、前記車両の進行方向の側方に障害物が位置する場合、前記車両の右左折の過程で前記目印が前記障害物と交差するか否かを判別する。
【0058】
(6)上記(1)乃至(5)のいずれかの情報処理装置では、
前記車両は、荷台を有するトラックであり、
前記最小移動部分は、前記車両の最後尾の車輪と同じ位置における最大幅を有する部分であり、
前記極大移動部分は、前記荷台の側面における前後方向の後端で最大幅を有する部分である。
【0059】
(7)上記(1)乃至(6)のいずれかの情報処理装置では、
前記支援画像は、前記車両の側面を前記第2の部分像として含む側面表示画像を有する。
【0060】
(8)上記(7)の情報処理装置では、
前記側面表示画像は、前記車両よりも鉛直上方を視点とした画像である。
【0061】
(9)上記(1)乃至(8)のいずれかの情報処理装置では、
前記支援画像には、前記車両近傍に位置する縁石の部分画像が含まれる。
【0062】
(10)上記(1)乃至(9)のいずれかの情報処理装置では、
前記支援画像は、前記車両を上面視した上面表示画像を有する。
【0063】
(11)上記(2)の情報処理装置では、
前記制御部は、前記車両の走行速度、又は前記車両の前後方向の長さに基づいて、前記所定の間隔を決定する。
【0064】
(12)上記(2)の情報処理装置では、
前記車両は、荷台を有するトラックであり、
前記制御部は、前記荷台に積載された荷物の重さに基づいて前記所定の間隔を決定する。
【0065】
以上、情報処理装置10の実施形態を説明してきたが、本開示の実施形態としては、装置を実施するための方法又はプログラムの他、プログラムが記録された記憶媒体(一例として、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、CD-RW、磁気テープ、ハードディスク、又はメモリカード等)としての実施態様をとることも可能である。
【0066】
また、プログラムの実装形態としては、コンパイラによってコンパイルされるオブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード等のアプリケーションプログラムに限定されることはなく、オペレーティングシステムに組み込まれるプログラムモジュール等の形態であってもよい。さらに、プログラムは、制御基板上のCPUにおいてのみ全ての処理が実施されるように構成されてもされなくてもよい。プログラムは、必要に応じて基板に付加された拡張ボード又は拡張ユニットに実装された別の処理ユニットによってその一部又は全部が実施されるように構成されてもよい。
【0067】
本開示に係る実施形態について説明する図は模式的なものである。図面上の寸法比率等は、現実のものとは必ずしも一致していない。
【0068】
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は改変を行うことが可能であることに注意されたい。従って、これらの変形又は改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0069】
本開示に係る実施形態では、第1の部分像pi1に含まれる目印は、車両11の極大移動部分の位置を示す支援画像が生成されるが、これに限られない。例えば、第1の部分像pi1に含まれる目印は、車両11の外縁のうち、ユーザが指定する任意の位置を示す支援画像が生成されてよい。
【0070】
本開示に記載された構成要件の全て、及び/又は、開示された全ての方法、又は、処理の全てのステップについては、これらの特徴が相互に排他的である組合せを除き、任意の組合せで組み合わせることができる。また、本開示に記載された特徴の各々は、明示的に否定されない限り、同一の目的、同等の目的、または類似する目的のために働く代替の特徴に置換することができる。したがって、明示的に否定されない限り、開示された特徴の各々は、包括的な一連の同一、又は、均等となる特徴の一例にすぎない。
【0071】
さらに、本開示に係る実施形態は、上述した実施形態のいずれの具体的構成にも制限されるものではない。本開示に係る実施形態は、本開示に記載された全ての新規な特徴、又は、それらの組合せ、あるいは記載された全ての新規な方法、又は、処理のステップ、又は、それらの組合せに拡張することができる。
【0072】
本開示において「第1」及び「第2」等の記載は、当該構成を区別するための識別子である。本開示における「第1」及び「第2」等の記載で区別された構成は、当該構成における番号を交換することができる。例えば、第1のカメラは、第2のカメラと識別子である「第1」と「第2」とを交換することができる。識別子の交換は同時に行われる。識別子の交換後も当該構成は区別される。識別子は削除してよい。識別子を削除した構成は、符号で区別される。本開示における「第1」及び「第2」等の識別子の記載のみに基づいて、当該構成の順序の解釈、小さい番号の識別子が存在することの根拠に利用してはならない。
【符号の説明】
【0073】
10 情報処理装置
11 車両
12 カメラ
13 通信装置
14 ディスプレイ
15 第1のカメラ
16 第2のカメラ
17 第3のカメラ
18 第4のカメラ
19 入出力インタフェース(取得部)
20 制御部
21 記憶部
22 最後尾の車輪
lri 左原画像
pi1 第1の部分像
pi2 第2の部分像
pi3 第3の部分像
psi 加工側面画像
pti 加工上面画像
rri 右原画像
spi 縁石の部分画像