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特開2023-165557仲介システム及び仲介方法並びに仲介プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165557
(43)【公開日】2023-11-16
(54)【発明の名称】仲介システム及び仲介方法並びに仲介プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20231109BHJP
   G06Q 30/015 20230101ALI20231109BHJP
   G06Q 30/02 20230101ALI20231109BHJP
   G06Q 30/0283 20230101ALI20231109BHJP
【FI】
G06Q30/06 300
G06Q30/02 470
G06Q30/02 450
G06Q30/02 490
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022076751
(22)【出願日】2022-05-06
(71)【出願人】
【識別番号】522164880
【氏名又は名称】株式会社fabi
(74)【代理人】
【識別番号】100110559
【弁理士】
【氏名又は名称】友野 英三
(72)【発明者】
【氏名】安部 正一郎
(72)【発明者】
【氏名】坂田 昌則
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB47
5L049BB50
5L049BB53
(57)【要約】
【課題】中古品(たとえば車両)の個人間売買(CtoC)取引において、売手及び買手の双方が納得感をもった価格(以下、「バリュー」ともいう。)で取引できる仲介システム及び仲介方法並びに仲介プログラムを提供すること。
【解決手段】物件の個人間売買取引に係る仲介システムである。そして、出品者に係る情報処理端末と、購入希望者に係る情報処理端末と、仲介システムに係る情報処理サーバと、を通信可能に備える。仲介システムに係る情報処理サーバは、個人間取引において、需要量と供給量が一致する均衡価格としてのバリューと、物件の販売業者の店頭価格に相当する市場価格と、物件の出品価格とを出品者と購入希望者の双方に納得感を与えるために、前記出品者に係る情報端末および/または前記購入希望者に係る情報端末に表示させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物件の個人間売買取引に係る仲介システムにおいて、
出品者に係る情報処理端末と、購入希望者に係る情報処理端末と、仲介システムに係る情報処理サーバと、を通信可能に備え、
仲介システムに係る情報処理サーバは、個人間取引において、需要量と供給量が一致する均衡価格としてのバリューと、物件の販売業者の店頭価格に相当する市場価格と、物件の出品価格とを、
出品者及び購入希望者の双方に納得感を与えるための情報として、前記出品者に係る情報端末および/または前記購入希望者に係る情報端末に表示させることを特徴とする仲介システム。
【請求項2】
前記仲介システムに係る情報処理サーバは、買取業者の買取価格をさらに前記出品者に係る情報端末に表示させ、前記買取価格と、前記バリューと、前記市場価格とを、出品者に納得感をもって出品価格の決定を導引させるための情報として、表示することを特徴とする請求項1に記載の仲介システム。
【請求項3】
前記バリューは、出品者及び購入希望者の双方に納得感を与えるための情報として、項目別に図示され、前記出品者に係る情報処理端末と、前記購入希望者に係る情報処理端末とに表示されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の仲介システム。
【請求項4】
前記バリューは、買取業者の買取価格、業者間競売価格、成約された出品価格、物件の販売業者の店頭価格に相当する市場価格、のうちの少なくともいずれか一つと、前記出品者に係る情報処理端末より入力された物件のスペック及び評価情報で構成される出品者入力情報と、のデータマッチングにより算出されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の仲介システム。
【請求項5】
前記バリューは、買取業者の買取価格、業者間競売価格、成約された出品価格、物件の販売業者の店頭価格に相当する市場価格、のうちの少なくともいずれか一つを教師データとし、前記出品者に係る情報処理端末より入力された物件のスペック及び評価情報で構成される出品者入力情報を説明変数とするAIにより算出されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の仲介システム。
【請求項6】
データのばらつきおよび/またはデータの多寡により前記バリューの自信度が算出されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の仲介システム。
【請求項7】
中古車の個人間売買取引の仲介を行うものであることを特徴とする請求項4に記載の仲介システム。
【請求項8】
中古車の個人間売買取引の仲介を行うものであることを特徴とする請求項5に記載の仲介システム。
【請求項9】
中古車の個人間売買取引の仲介を行うものであることを特徴とする請求項6に記載の仲介システム。
【請求項10】
前記出品者入力情報は、車両メーカ、車種、グレード、年式、走行距離、修復歴、喫煙有無、ペット乗車有無、内装外装評価、装備有無、車両の色、車検残期間、スペアキー及び/もしくは整備記録簿の備品有無、車検残期間、過去のオーナー歴、出品時期、出品車両へのアクセス数、いいね数、問い合わせ数、コメント数、のうちの少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項7に記載の仲介システム。
【請求項11】
前記出品者入力情報は、人気色か否か、ナビ有無、エアコン有無、サンルーフ有無、皮シート有無、ヒートシート有無、のうちの少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする請求項10に記載の仲介システム。
【請求項12】
前記出品者入力情報は、車両メーカ、車種、グレード、年式、走行距離、修復歴、喫煙有無、ペット乗車有無、内装外装評価、装備有無、車両の色、車検残期間、スペアキー及び/もしくは整備記録簿の備品有無、車検残期間、過去のオーナー歴、出品時期、出品車両へのアクセス数、いいね数、問い合わせ数、コメント数、のうちの少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項8に記載の仲介システム。
【請求項13】
前記出品者入力情報は、人気色か否か、ナビ有無、エアコン有無、サンルーフ有無、皮シート有無、ヒートシート有無、のうちの少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする請求項11に記載の仲介システム。
【請求項14】
取引に付帯する保険手続き、陸送手配手続き、名義変更手続き、決済手続き、のうちの少なくともいずれか一つの手続きと、整備保証とを支援する機能をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の仲介システム。
【請求項15】
取引に付帯する保険手続き、陸送手配手続き、名義変更手続き、決済手続き、のうちの少なくともいずれか一つの手続きと、整備保証とを支援する機能をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の仲介システム。
【請求項16】
取引に付帯する保険手続き、陸送手配手続き、名義変更手続き、決済手続き、のうちの少なくともいずれか一つの手続きと、整備保証とを支援する機能をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の仲介システム。
【請求項17】
出品者に係る情報処理端末と、購入希望者に係る情報処理端末と、仲介システムに係る情報処理サーバと、が通信可能に接続されたシステムにおける、物件の個人間売買取引に係る仲介方法において、
前記仲介システムに係る情報処理サーバは、個人間取引において、需要量と供給量が一致する均衡価格としてのバリューと、物件の販売業者の店頭価格に相当する市場価格と、物件の出品価格と、を、
出品者及び購入希望者の双方に納得感を与えるための情報として、前記出品者に係る情報端末および/または前記購入者に係る情報端末に表示させることを特徴とする仲介方法。
【請求項18】
前記仲介システムに係る情報処理サーバは、買取業者の買取価格をさらに前記出品者に係る情報端末に表示させ、前記買取価格と、前記バリューと、前記市場価格とを、出品者に納得感をもって出品価格の決定を導引させるための情報として、表示することを特徴とする請求項17に記載の仲介方法。
【請求項19】
物件の個人間売買取引に係る仲介プログラムにおいて、
コンピュータに、
個人間取引において、需要量と供給量が一致する均衡価格としてのバリューと、物件の販売業者の店頭価格に相当する市場価格と、物件の出品価格とを、
出品者及び購入希望者の双方に納得感を与えるための情報として、出品者に係る情報端末および/または購入希望者に係る情報端末と、に表示させる手段
として機能させることを特徴とする仲介プログラム。
【請求項20】
コンピュータに、
前記仲介システムに係る情報処理サーバは、買取業者の買取価格をさらに前記出品者に係る情報端末に表示させ、前記買取価格と、前記バリューと、前記市場価格とより、出品者に納得感をもって出品価格の決定を導引させるための情報として表示させる手段
としてさらに機能させることを特徴とする請求項19に記載の仲介プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仲介システム及び仲介方法並びに仲介プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、特定の商品(中古品を含む)もしくは役務を売りたい販売者と買いたい購入者との間の電子商取引を仲介する仲介システムが存在する。仲介システムは動産、不動産等様々なものを対象にしている。以下、仲介システムによって取引される対象として中古車を例に説明するが、しかし、取引される対象としては中古車に限定されるものではない。
【0003】
一般に、車を乗り換えるときには「今の車が古くなったから」「家族構成が変わったから」といった様々な理由があるが、状態の良い車を安く買いたいというのは誰しもが望むことである。そうした際に、「中古車を適正値段で買う」という欲求が車の購入希望者に発生する。これに対して、どの程度の価額が適正といえるのかについての前提知識がないと、中古車選びをする前段階として「販売店選び」の段階で迷うこともある。
【0004】
車の販売店には大きく言うと「ディーラー」及び「中古車販売専門店」がある。一方、自動車には大きく分けると「新車」と「中古車」がある。新車は工場から届けられたばかりの未登録の車で、購入者が最初のオーナーとなる。中古車は必ず誰かが前に所有していた履歴がある車のことを指す。また「新古車」「登録済未使用車」などと呼ばれている、実際に使用されていないが、事務的に登録歴がある車も存在する。しかし大きく分けると「新古車」「登録済未使用車」も中古車の範疇に属する。
【0005】
一般に、中古車販売専門店は、車を買取業者から購入するか、自動車のオートオークションに出品された車を競り落として入手するかしたうえで、必要な加修(修理を加えることをいう。以下同じ。)を施し、店頭に店頭価格を提示して並べる。中古車は、車種・年式・走行距離・グレード・装備・色などのそれぞれの属性において同様であれば、価格帯は似通ってくる傾向にある。
【0006】
この他に、中古車販売店を仲介せずに、個人間での直接取引による中古車の売買方法もある。この方法は、中古車専門販売店を介さないため、販売店のマージンなどを削減でき、売り手は高く中古車を売り、買い手は安く中古車を購入できるという利点がある一方、取引の安全性、価格の適正性、品質の保証性等において信頼性が一定限度しか担保されないといった問題がある。
【0007】
特許文献1には、中古車販売サーバ20が、利用者端末10からの要求にもとづいて相場情報データベースを備えたオークションサーバ30にアクセスし、この相場情報データベースから相場情報を取得して利用者端末に送信するとともに、利用者端末から応札情報を受信してオークションサーバに送信し、オークションサーバから競り結果情報を受信して利用者端末に送信する中古車販売システムであって、希望車情報を中古車販売サーバに送信し、中古車販売サーバから受信した見積書を出力する利用者端末と、受信した希望車情報について、車両成約予想価格を設定し、この車両成約予想価格を含む見積書を生成して、利用者端末に送信する中古車販売サーバとを備えた中古車販売システムについての技術思想が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006-268635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
中古車両の購入において、特に中古車販売店等を介さない個人間の直接取引(いわゆる「CtoCサービス」)においては、車両の適切な価値を判断できないことが、取引の不安材料となり、中古車の売買促進の妨げとなっている。既存のCtoCサービスでは、車両の取引価格の推奨レンジを算出するものもあるものの、既存のものでは、提示される推奨レンジとしては、単なる過去の類似事例の検索価格(つまり「その車両の」市場における適正な価値算出ができていない価格)、単なる線形回帰的な簡素な予測価格等でしかないなどの問題があった。つまり、この場合には、過去の類似事例に係る価格や線形回帰的な予測価格が個人間中古品取引における適正価格といえるという確実性もしくは蓋然性がない。特許文献1の発明もこのような課題を有する。
【0010】
業者間競売による業者間取引の中古車の車両価値は、車両スペック及び状態(車種、走行距離、年式、修復歴、内装・外装状態、色、故障の状態等)を主として、査定協会において定める査定基準や、車種毎の需要、その時の中古車販売店頭価格・買取価格の市況を反映して決定されている。
【0011】
中古車販売店の値付けの実際の運用は、走行距離、年式、装備などの実績データより線形モデルや一定のルールを作成して過減算を行い、自動的に中古車の価格を査定する、といった仕組みによっていることは珍しくない。一般財団法人日本自動車査定協会においても、一定のルールを用いて査定をすることが推奨され、それを用いた査定ができることをもって査定士資格を与えているのが現状である。こういった一定のルールを用いた計算ロジックでは、人気の有無や、モデルチェンジなどの定性的な要因が反映されず、実際の市況との乖離が起こっている。
【0012】
個人は上記の業者間競売に参加できない仕組みのため、業者間取引の売買価格を参照できない。そのため、個人売買(ヤフオク(登録商標)、メルカリ(登録商標)等)で値付を行う際に、(1)インターネットで検索した中古車販売店(カーセンサー、goo)の販売価格より一定額マイナスした金額、(2)買取店が提示をした買い取り価格に一定額プラスした金額、(3)中古車販売店の販売価格同等額ないしは一定額上乗せした金額(願望価格)、
のいずれかの値付けを行うことが多い。現状、概ね(1):(2):(3)=3:1:6くらいの比率であるとされている。出品価格は(2)<(1)<(3)となり、(3)の価格は高くなる。この結果として、(2)と(1)の一部が売れ、(3)のほとんどは売れない、という現状に至っている。そのため、個人売買市場には(3)の中古車が残り続け、それを見た個人がまた(2)と(3)価格で値付けして出品してみるという悪循環が起こっている。畢竟、売手と買手との双方が納得感をもった価格での取引ができていない。
【0013】
本発明は、上述したこれまでの様々な問題の解決を企図したものであって、中古品(たとえば車両)の個人間売買(CtoC)取引において、売手及び買手の双方が納得感をもった価格(以下、「バリュー」ともいう。)で取引できる仲介システム及び仲介方法並びに仲介プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
まず、本発明者は、中古品(たとえば車両)のCtoC取引における、ユーザーの感覚として最も適切な価値(たとえば車両価格)を算出し、適切な取引価格をピンポイントで提示することで、取引を促進することが可能であることに思い至った。そこで、上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る仲介システムは、物件の個人間売買取引に係る仲介システムにおいて、出品者に係る情報処理端末と、購入希望者に係る情報処理端末と、仲介システムに係る情報処理サーバと、を通信可能に備え、仲介システムに係る情報処理サーバは、個人間取引において、需要量と供給量が一致する均衡価格としてのバリューと、物件の販売業者の店頭価格に相当する市場価格と、物件の出品価格とを、出品者及び購入希望者の双方に納得感を与えるための情報として、前記出品者に係る情報端末および/または前記購入希望者に係る情報端末に表示させることを特徴とする。
【0015】
本発明の第2の態様として、第1の態様において、前記仲介システムに係る情報処理サーバは、買取業者の買取価格をさらに前記出品者に係る情報端末に表示させ、前記買取価格と、前記バリューと、前記市場価格とを、出品者に納得感をもって出品価格の決定を導引させるための情報として、表示するものとしてもよい。
【0016】
本発明の第3の態様として、第1の態様または第2の態様において、前記バリューは、出品者及び購入希望者の双方に納得感を与えるための情報として、項目別に図示され、前記出品者に係る情報処理端末と、前記購入希望者に係る情報処理端末とに表示されるものとしてもよい。
【0017】
本発明の第4の態様として、第1の態様または第2の態様において、前記バリューは、買取業者の買取価格、業者間競売価格、成約された出品価格、物件の販売業者の店頭価格に相当する市場価格、のうちの少なくともいずれか一つと、前記出品者に係る情報処理端末より入力された物件のスペック及び評価情報で構成される出品者入力情報と、のデータマッチングにより算出されるものとしてもよい。
【0018】
本発明の第5の態様として、第1の態様または第2の態様において、前記バリューは、買取業者の買取価格、業者間競売価格、成約された出品価格、物件の販売業者の店頭価格に相当する市場価格、のうちの少なくともいずれか一つを教師データとし、前記出品者に係る情報処理端末より入力された物件のスペック及び評価情報で構成される出品者入力情報を説明変数とするAIにより算出されるものとしてもよい。
【0019】
本発明の第6の態様として、第1の態様または第2の態様において、データのばらつきおよび/またはデータの多寡により前記バリューの自信度が算出されるものとしてもよい。
【0020】
本発明の第7の態様として、第4の態様において、中古車の個人間売買取引の仲介を行うものであるとしてもよい。
【0021】
本発明の第8の態様として、第5の態様において、中古車の個人間売買取引の仲介を行うものであるとしてもよい。
【0022】
本発明の第9の態様として、第6の態様において、中古車の個人間売買取引の仲介を行うものであるとしてもよい。
【0023】
本発明の第10の態様として、第7の態様において、前記出品者入力情報は、車両メーカ、車種、グレード、年式、走行距離、修復歴、喫煙有無、ペット乗車有無、内装外装評価、装備有無、車両の色、車検残期間、スペアキー及び/もしくは整備記録簿の備品有無、車検残期間、過去のオーナー歴、出品時期、出品車両へのアクセス数、いいね数、問い合わせ数、コメント数、のうちの少なくともいずれか一つであるとしてもよい。
【0024】
本発明の第11の態様として、第10の態様において、前記出品者入力情報は、人気色か否か、ナビ有無、エアコン有無、サンルーフ有無、皮シート有無、ヒートシート有無、のうちの少なくともいずれか一つを含むとしてもよい。
【0025】
本発明の第12の態様として、第8の態様において、前記出品者入力情報は、車両メーカ、車種、グレード、年式、走行距離、修復歴、喫煙有無、ペット乗車有無、内装外装評価、装備有無、車両の色、車検残期間、スペアキー及び/もしくは整備記録簿の備品有無、車検残期間、過去のオーナー歴、出品時期、出品車両へのアクセス数、いいね数、問い合わせ数、コメント数、のうちの少なくともいずれか一つであるとしてもよい。
【0026】
本発明の第13の態様として、第11の態様において、前記出品者入力情報は、人気色か否か、ナビ有無、エアコン有無、サンルーフ有無、皮シート有無、ヒートシート有無、のうちの少なくともいずれか一つを含むとしてもよい。
【0027】
本発明の第14の態様として、第7の態様において、取引に付帯する保険手続き、陸送手配手続き、名義変更手続き、決済手続き、のうちの少なくともいずれか一つの手続きと、整備保証とを支援する機能をさらに備えるものとしてもよい。
【0028】
本発明の第15の態様として、第8の態様において、取引に付帯する保険手続き、陸送手配手続き、名義変更手続き、決済手続き、のうちの少なくともいずれか一つの手続きと、整備保証とを支援する機能をさらに備えるものとしてもよい。
【0029】
本発明の第16の態様として、第9の態様において、取引に付帯する保険手続き、陸送手配手続き、名義変更手続き、決済手続き、のうちの少なくともいずれか一つの手続きと、整備保証とを支援する機能をさらに備えるものとしてもよい。
【0030】
上記課題を解決するために、本発明の第17の態様に係る仲介方法は、出品者に係る情報処理端末と、購入希望者に係る情報処理端末と、仲介システムに係る情報処理サーバと、が通信可能に接続されたシステムにおける、物件の個人間売買取引に係る仲介方法において、前記仲介システムに係る情報処理サーバは、個人間取引において、需要量と供給量が一致する均衡価格としてのバリューと、物件の販売業者の店頭価格に相当する市場価格と、物件の出品価格と、を、出品者及び購入希望者の双方に納得感を与えるための情報として、前記出品者に係る情報端末および/または前記購入者に係る情報端末に表示させることを特徴とする。
【0031】
本発明の第18の態様として、第17の態様において、前記仲介システムに係る情報処理サーバは、買取業者の買取価格をさらに前記出品者に係る情報端末に表示させ、前記買取価格と、前記バリューと、前記市場価格とを、出品者に納得感をもって出品価格の決定を導引させるための情報として、表示するようにしてもよい。
【0032】
上記課題を解決するために、本発明の第19の態様に係る仲介プログラムは、物件の個人間売買取引に係る仲介プログラムにおいて、コンピュータに、個人間取引において、需要量と供給量が一致する均衡価格としてのバリューと、物件の販売業者の店頭価格に相当する市場価格と、物件の出品価格とを、出品者及び購入希望者の双方に納得感を与えるための情報として、出品者に係る情報端末および/または購入希望者に係る情報端末と、に表示させる手段として機能させることを特徴とする。
【0033】
本発明の第20の態様として、第19の態様において、コンピュータに、
前記仲介システムに係る情報処理サーバは、買取業者の買取価格をさらに前記出品者に係る情報端末に表示させ、前記買取価格と、前記バリューと、前記市場価格とより、出品者に納得感をもって出品価格の決定を導引させるための情報として表示させる手段としてさらに機能させるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0034】
このような仲介システムにより、出品者は中古車を適正な値段で売り、購入者は適正な値段で中古車を買うこと、すなわち、出品者/購入者双方が納得感のいく取引がシステム的に担保されることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本実施の形態の仲介システムの概略構成図である。
図2】本実施の形態の仲介システムの動作を示すシーケンス図である。
図3】本実施の形態の仲介システムの値引き交渉を行う場合のフローチャートである。
図4】本実施の形態の中古車のスペックを入力する画面を説明する説明図である。
図5】本実施の形態の中古車の状態を入力する画面を説明する説明図である。
図6】本実施の形態の中古車の写真画面を説明する説明図である。
図7】本実施の形態の出品価格を決める画面を説明する説明図である。
図8】本実施の形態の中古車の購入画面を説明する説明図である。
図9】本実施の形態の中古車のコメントを閲覧する画面を説明する説明図である。
図10】本実施の形態の購入を決める画面を説明する説明図である。
図11】本実施の形態の売買価格を勧める画面を説明する説明図である。
図12】本実施の形態のオプションによる価格変動を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。本例では既に公知である技術は説明を省略する。仲介システムは動産、不動産等種々ある。本例では中古車販売を例にとって説明する。本発明は本質的に中古対象(品、サービス)を主として個人間で取引(売買を含む。以下同。)するためのプラットフォームに係る技術思想であって、かかる中古対象が中古車に限定されるものでないことは勿論である。以下、本稿における説明で「納得感のある価格」とは、「個人間取引において、需要量と供給量とが一致する均衡価格」を意味するものとして定義する。
【0037】
図1は、本発明の一実施形態に係る仲介システム1の概略構成図である。図1に示すように、仲介システム1は、中古車販売希望者端末(例えば、出品者に係る情報処理端末。以下同。)2と、中古車購入希望者端末(例えば、購入希望者に係る情報処理端末。以下同。)3と、中古車適正販売価格提供サーバ(仲介システムに係る情報処理サーバ。以下同。)7とがネットワーク(例えば、インターネット。以下同。)6を介してそれぞれ通信可能に接続されて構成されている。
【0038】
中古車販売希望者端末2は中古車を販売する希望者が所有している。中古車販売希望者端末2には、本発明の一実施形態に係る仲介システム1の専用アプリケーションがダウンロードされている。中古車購入希望者端末(購入希望者(成約者を含む)に係る情報処理端末)3は、中古車を購入(成約)する希望がある者が所有している。中古車購入希望者端末3には、仲介システム1の専用アプリケーションがダウンロードされている。なお、中古車販売希望者端末2及び車購入希望者端末3として、ここではたとえばスマートフォンであるとした例で説明するが、その他のコンピュータ機能を有する端末であってもよい。
【0039】
中古車適正販売価格提供サーバ7は中古車の個人間取引において、需要量と供給量とが一致する均衡価格としてのバリューを算出する機能を有すると共に中古車の販売車及び中古車の購入者の売買を支援する機能を有する。
【0040】
中古車適正販売価格提供サーバ(例えば、仲介システムに係る情報処理サーバ)7は、ハードウェア的には、たとえばコンピュータ(いわゆるPCを含む。)として実現されるものであって、図示しないCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random access memory)、ROM(Read Only Memory)、マウス、キーボード、表示画面、インタフェースを少なくともを備えて構成されている。
【0041】
ソフトウェア的には、中古車適正販売価格提供サーバ7は、ページ提供部8と、適正価格決定部9と、中古車販売希望者に係る情報を記憶する中古車販売希望者情報記憶部11と、中古車購入希望者に係る情報を記憶する中古車購入希望者情報記憶部12と、バリューを記憶するバリュー記憶部13と、買取業者の買取価格、業者間競売価格、成約された出品価格、物件の販売業者の店頭価格などの市場価格などの価格データのうち少なくとも一つから生成した学習モデル情報とを記憶する学習モデル情報記憶部14と、中古車のスペック及び評価情報を記憶するスペック及び評価情報記憶部15と、各種情報(価格に関する情報を含む。)のやり取りの制御を司る制御部(図示しない)とを備えている。システム全体として、上述した各ソフトウェアが上述したハードウェア資源を適宜動作させることで上述の各機能を実現することができる(以下同じ。)。
【0042】
「買取価格」とは、買取業者の買取価格であり、買取業者の価格算出システムと連携して入手される価格であるか、同価格算出システムを利用することで得られる価格であるか、データベース検索による平均値、最頻値、中央値等の代表値から算出して得られる価格であるか、いずれであっても良い。また、機械学習による代表値の推測や、市場価格またはバリューからの推測によって得られる価格であってもよい。
【0043】
「出品価格」とは、中古車販売希望者が中古車販売希望者端末2に表示されたバリューとして、買取価格及び市場価格を参照して中古車をいくらで売りたいかを表す価格である。
【0044】
「市場価格」とは、中古車販売店の出品中の同一車種・グレードから車両スペックに類似するデータを抽出し、またはデータベース検索し、その平均値から代表値を算出することで得られる価格である。代表値としては、平均値の他、最頻値、中央値等の統計的代表値であっても良い。また、機械学習による代表値の推測を行っても良い。
【0045】
「バリュー」は、需要量と供給量とが一致する均衡価格(換言すれば、市場において需要と供給とのバランスが適正な価格)を、中古車販売希望者及び中古車購入希望者の双方が納得感の得られる価格と定義する。買取業者の買取価格、業者間競売価格、成約された出品価格、物件の販売業者の店頭価格に相当する市場価格の少なくとも一つの取引された価格データから機械学習により学習し、代表値を推測し算出した値をいう。または、データベース検索によって抽出されるような統計的代表値でもよい。その他、これらの代表値に対して、査定協会が定めるような所謂加減算のルールで補正するなどして得られた値であっても良い。
【0046】
上述の、ページ提供部8、適正価格決定部9、バリュー記憶13における演算は、中古車適正販売価格提供サーバ7内でなく、例えば、中古車販売希望者端末2や中古車購入希望者端末3内で実行してもよい。
【0047】
ページ提供部8は中古車販売希望者端末2(例えば、例えば、出品者に係る情報処理端末)と、中古車購入希望者端末(例えば、例えば、購入希望者に係る情報処理端末)3に売買支援に必要な画面を提供する。適正価格決定部9は中古車の納得できる価格のバリューを算出する機能を有すると共に中古車の販売車及び中古車の購入者の売買を支援する機能を有する。
【0048】
図2は本実施の形態に係る仲介システム1の動作を説明するためのシーケンス図である。同図については、本実施の形態に係る仲介システム1の動作の一例を示して説明するが、各ステップの順番はこれに限定されるものではなく、また、中古車販売希望者と、中古車購入希望者とは、1体1の計2人に限定するものではない。初めに、中古車適正販売価格提供サーバ7において、(図示しない)制御部は、買取業者の買取価格、業者間競売価格、成約された出品価格、物件の販売業者の店頭価格に相当する市場価格、のうちのすくなくともいずれかの価格データを取得し、学習モデル情報記憶部14に保存する(ステップS10)。
【0049】
中古車適正販売価格提供サーバ7において、(図示しない)制御部は、中古車販売希望者端末2に対して、会員になるための情報を送信する。これに対応してたとえば中古車販売希望者が中古車適正販売価格提供サーバ7に対して、販売希望者ID、販売希望者パスワード等の会員情報を登録し、専用アプリケーションをダウンロードする動作を行うことで、中古車適正販売価格提供サーバ7に専用アプリケーションがダウンロードされ、販売希望者ID、販売希望者パスワード等の会員情報が中古車適正販売価格提供サーバ7の図示しないRAM等に情報として格納される(ステップS11、ステップS12)。一方、中古車適正販売価格提供サーバ7において、(図示しない)制御部は、中古車購入希望者端末3に対して、会員になるための情報を送信する。これに伴い、たとえば中古車購入希望者は中古車適正販売価格提供サーバ7に対して、購入希望者ID、購入希望者パスワード等の会員情報を登録し、専用アプリケーションをダウンロードする動作を行うことで、中古車適正販売価格提供サーバ7に専用アプリケーションがダウンロードされ、購入希望者ID、購入希望者パスワード等の会員情報が中古車適正販売価格提供サーバ7の図示しないRAM等に情報として格納される(ステップS13、ステップS14)。
【0050】
次に、中古車適正販売価格提供サーバ7において、(図示しない)制御部は、中古車販売希望者端末2に対して販売車情報(スペック及び評価情報を含む)の提出要求を出す。これに伴い、中古車販売希望者端末2の(図示しない)制御部から中古車適正販売価格提供サーバ7に対して販売車情報(スペック及び評価情報を含む)が送信され、中古車適正販売価格提供サーバ7の(図示しない)制御部によって、この販売車情報(スペック及び評価情報を含む)がスペック及び評価情報記憶部15に保存される(ステップS15、ステップS16)。
【0051】
次に、販売車情報(スペック及び評価情報を含む)に基づいて、適正価格決定部9が適正価格決定処理を行う。これにより、バリューが算出される(ステップS16)。なお、こうして算出されたバリューは、適正価格決定部9によってバリュー記憶部13に保存される。
【0052】
次に、中古車適正販売価格提供サーバ7において、(図示しない)制御部は、バリューと、買取価格と、市場価格とを中古車販売希望者端末2に通知する(ステップS17)。なお、買取価格及び市場価格も、適正価格決定部9が、スペック及び評価情報記憶部15に保存された販売車情報より算出する。
【0053】
次に、中古車販売希望者端末2に表示されたバリュー、市場価格及び買取価格に基づき中古車の出品価格が決められる。具体的には、たとえば中古車販売希望者が、中古車販売希望者端末2に表示されたバリュー、市場価格及び買取価格を見て、中古車販売希望者端末2に対して出品価格を入力することで、中古車販売希望者端末2が出品価格に係る情報を獲得した後、中古車販売希望者端末2の(図示しない)制御部が当該出品価格に係る情報を中古車適正販売価格提供サーバ7に対して送信する(ステップS18)。
【0054】
次に、バリューと、出品価格と、市場価格とが、中古車適正販売価格提供サーバ7の(図示しない)制御部により中古車購入希望者端末3に対して送信される。(ステップS19、ステップS20)。
【0055】
次に、中古車購入希望者端末3においては、(図示しない)制御部により、中古車適正販売価格提供サーバ7に対し、「いいね」、「高い」、「安い」等の情報が送信される(ステップS21、ステップS22)。
【0056】
次に、中古車適正販売価格提供サーバ7において、(図示しない)制御部が、売買が成立したか否かについて判断を行う(ステップS23)。売買が成立したと判断された場合には、(図示しない)制御部が、実績及び成約価格を、たとえば図示しないRAM等に登録する(ステップS24)。そして、中古車適正販売価格提供サーバ7において、(図示しない)制御部が、売買成立情報を中古車販売希望者端末2及び中古車購入希望者端末3に対して送信する(ステップS25、ステップS26)。そして、(図示しない)制御部が、成立した成約価格を教師データとして、今回使用されたスペック及び評価情報を入力データとして学習モデルを更新する(ステップS27)。これにより、学習モデルがより適正なものに更新されるものである。
【0057】
売買が成立しなかった場合(ステップS28)には、図3のフローへ進む。
【0058】
図3は、本実施の形態に係る仲介システム1における出品価格の値引き交渉が行われる場合のフローチャートである。同図については、本実施の形態に係る仲介システム1における出品価格の値引き交渉動作の一例を示して説明するが、各フローの順番はこれに限定されるものではない。初めに、中古車販売希望者と中古車購入希望者とが中古車の売買の値段の交渉をするか否かを判断する。交渉しないと判断した場合は処理を終了する。
【0059】
次に、中古車適正販売価格提供サーバ7において、(図示しない)制御部によって、中古車販売希望者端末2(出品者に係る情報処理端末)に対して出品価格の変更依頼に係る変更依頼情報が送信される。
【0060】
出品価格の変更に対応する場合には、当該変更依頼に係る出品価格は、中古車販売希望者端末2における(図示しない)制御部によって中古車適正販売価格提供サーバ7へ送信される。
【0061】
出品価格の変更に対応しない場合には、対応しないという情報が、中古車販売希望者端末2における(図示しない)制御部によって中古車適正販売価格提供サーバ7へ送信され、中古車適正販売価格提供サーバ7を経由して、中古車購入希望者端末3に対して、出品価格の変更対応ができないという情報が送信される。
【0062】
代替的に、上記の出品価格の変更に対応する場合の動作、出品価格の変更に対応しない場合の動作、に関しては、中古車販売希望者端末2(の図示しない制御部)と中古車購入希望者端末3(の図示しない制御部)とが直接変更依頼の交渉をやり取りし、その結果情報が、中古車適正販売価格提供サーバ7に対して送信されてもよい。
【0063】
次に、中古車販売希望者は出品価格を再度決め直す。具体的には、中古車販売希望者は中古車販売希望者端末2にて再度の出品価格を入力すると、中古車販売希望者端末2(の図示しない制御部)によって、再度の出品価格が(図示しないRAM等に)格納され、上記のフローと同様に、必要な情報提示が行われる(ステップS29)。こうして新たに提示された再度の出品価格において契約が成立したか否かを(図示しない制御部が)判断する(ステップS30)。成約が成立したと判断された場合には、上述した一連の動作/機能が完了する。成約不成立の場合は(図示しない制御部が)処理を戻す(ステップS28)。
【0064】
次に、(図示しない制御部によって)成約がなされたと判断された場合、(図示しない)制御部が、バリューを推定する学習モデル(AIモデル)の学習用の教師データとして(またはデータベース検索による推定のためのデータとして)成約価格を記録する。学習モデル(AIモデル)の更新は、定期・即時等任意のタイミングで行う。
【0065】
次に、本実施形態に係る仲介システム1のバリュー算出の動作について説明する。
【0066】
適正価格決定部9は、学習モデル情報記憶部14に保存された価格データの少なくとも一つを教師データすなわち目的変数とし、スペック及び評価情報記憶部15に保存された中古車のスペック及び評価情報を入力データとし、学習モデル情報記憶部14に保存された学習モデルを使用して、機械学習を行う。代替的に、バリューは、学習モデル情報記憶部14に保存された価格データの買取業者の買取価格、業者間競売価格、成約された出品価格、物件の販売業者の店頭価格に相当する市場価格の少なくともいずれか一つと、スペック及び評価情報とのデータマッチングにより算出されてもよい。
【0067】
その後、成約がなされた場合の中古車の出品価格(売買価格)を、(図示しない)制御部が、教師データとして追加し、中古車のスペック及び評価情報を入力データとして機械学習を行うことで、学習モデルをより信頼性の高いものにする。
【0068】
バリューは、中古車適正販売価格提供サーバ7のバリュー記憶部13に、たとえば(図示しない)制御部によって、格納される。
【0069】
バリューは、関数F(x)で算出される場合もある。ここで、説明変数ベクトルは、車両のメーカ、車種、グレード、年式、走行距離、修復歴、喫煙有無、ペット乗車有無、内装外装評価(査定協会基準、個人の評価、写真からのルールベースまたは機械学習による評価等)、装備有無(ナビ、エアコン、サンルーフ、ナビ、革シート、ヒートシーター、安全運転支援等)、車両の色、車検残期間、出品時期(売り出された時期)、スペアキーや整備記録簿等の備品有無、出品車両へのアクセス数、いいね数、問い合わせ数、コメント数等をxとする関数である。
【0070】
本実施の形態のAI(Artificial Intelligence)学習は、ディープラーニング、ランダムフォレスト等の決定木系アルゴリズム、SVM等のカーネル関数を利用した学習アルゴリズム、折れ線回帰等の非線形回帰関数(または機械学習モデル)、リッジ回帰、ラッソ回帰等の線形回帰関数のいずれによるものであってもよい。
【0071】
統計的な学習をするため、専用アプリケーションによる(または外部)直接取引実績から、単なるデータベースマッチングではなく統計的に適切なバリューをピンポイントで算出する。この際には、実取引価格の偶発的ばらつきを、ばらつきとして認識して学習する。学習モデル(AIモデル)のロジック上、モデルチェンジ等断続的な価格変化に対しても対応可能である。過去のデータを使用しながら、相場変動に対応可能である。
【0072】
図4は、本実施の形態に係る上記システムにおいて、中古車のスペックが入力される画面を概略的に示す図である。同図にあるように、たとえば中古車販売希望者によって中古車販売希望者端末2上で中古車のスペックに係る情報が入力される。スペックには、状態、基本スペック、装備、に係る各情報が含まれる。ここでいう「状態」には、メーカ、車種、グレード、型式、年式、走行距離、車検有効期限、修復歴、カラー、外装点、内装点、総合評価、購入年月、月間走行距離、喫煙・禁煙、ペット、整備記録簿等に係る各情報のうち、すくなくともいずれかが含まれる。
【0073】
基本スペックには、ボディタイプ、ミッション、駆動、ハンドル、排気量、燃費、燃料、定員、ドア数、全長・全巾・全車高、ホイールベース、車両重量、種類、過給器、燃料タンク容量、最高出力、最大トルク、タイヤサイズ等に係る各情報のうち、すくなくともいずれかが含まれる。
【0074】
装備には、ナビ・オーディオ装備、シート装備、カメラ装備、エクステリア装備、安全・運転支援装備、その他装備、備品等のうち、すくなくともいずれかが含まれる。
【0075】
ナビ・オーディオ装備には、カーナビ、ETC、DVDプレーヤ、TV(ワンセグ・フルセグ)、CDプレーヤ等のうち、すくなくともいずれかが含まれる。
【0076】
シート装備には、革シート、電動シート、シートヒーター等のうち、すくなくともいずれかが含まれる。
【0077】
カメラ装備には、バックカメラ、全周囲カメラ、ドライブレコーダーのうち、すくなくともいずれかが含まれる。エクステリア装備には、HID・LEDライト、電動スライドドア、エアロ、アルミホイール等のうち、すくなくともいずれかが含まれる。
【0078】
安全運転支援装備としては、オートライト、オートハイビーム、衝突被害軽減ブレーキ、障害物センサ、レーンアシスト、クルーズコントロール、アイドリングストップ等のうち、すくなくともいずれかが含まれる。
【0079】
その他装備として、スマートキー、サンルーフ・ガラスルーフ、スタットレスタイヤ、寒冷地仕様等のうち、すくなくともいずれかが含まれる。
【0080】
備品には、スペアキー、メンテナンスノート、保証書、取扱説明書等のうち、すくなくともいずれかが含まれる。
【0081】
図5は、本実施の形態に係る中古車の状態を入力するために用いられる画面の一例を示した図である。点検項目として、たとえば以下の内容が含まれる。たとえば、中古車販売希望者は、中古車販売希望者端末2から外装、内装、動作など69項目の検査結果を入力する。ただし、検査結果は、69項目に限定されるものではない。
【0082】
図6は、本実施の形態に係る中古車の写真画面が提示される画面の概要/配置を示した図である。中古車販売希望者端末2において(図示しない)制御部により中古車の正面、上面、左右の横、後ろ側画像等が撮像され中古車適正販売価格提供サーバ7に送信される。
【0083】
図7は、本実施の形態に係るバリュー表示画面の一例を示す図である。出品者(中古車販売希望者)と購入希望者(成約者を含む)(中古車購入希望者)との双方に納得感を与える価格をバリューとして、当該バリューに係る情報を、出品者に係る情報端末(中古車販売希望者端末2)および購入希望者(成約者を含む)に係る情報端末(中古車購入希望者端末3)に、(たとえば同図の下側の図に示されるように)表示させる。また、市場価格と、買取価格とを、中古車販売希望者端末2に表示させる。中古車販売希望者端末2が操作される(たとえば、図示しない編集機能によって出品価格情報が編集される)ことで出品価格は決定される。この場合に、中古車購入希望者端末3に買取価格が表示されてもよい。
【0084】
詳細には、中古車販売希望者端末2(の画面表示部)に、たとえば買取価格、バリュー、市場価格の代表値、が表示され、これを元に出品者が出品価格を決めることになるが、この場合に、買取価格、市場価格の代表値、だけでなく、バリューを見ながら出品価格を決定することができる。これは、取引として納得感ある出品価格を決定する支援をシステム的に担保するものである。逆側観点からいうと、購入者は、中古車購入希望者端末3に表示された、(買取価格)、バリュー、市場価格、および出品価格を参考に、納得感を持ちながら購入を進めることが可能となることを意味する。買取価格、バリュー、市場価格、および出品価格の代表値(ピンポイント)が提示されるようにしても良い。代表値は、点で表現しても良いし、代表値の算出のもとになる価格分布から計算した標準偏差や信頼区間、または分布最小値最大値といったような、分布の傾向を表す統計量を用いたレンジ、ないし、レンジと点の併記をしても良い。代表値を示す画面は、代表値の算出のもととなる分布自体をヒストグラムに重畳して表現しても良い。上記分布の表現は別画面で表示しても良い。上記分布の表現は特定の車両スペックを軸に含めた散布図やヒートマップで表現しても良い。代表値を示す画面は、価格による1軸の表現だけでなく、特定の車両スペックを別軸に加えて、車両スペックも含めて多次元的に表現しても良い。代表値を示す画面は、軸を用いた表現でなくとも、単なる表や、項目の列挙による表現でもよい。
【0085】
図8は、本実施の形態に係る中古車選択を行うことができる画面の一例を示す図である。同図に係る画面には中古車A~Jまでの写真が表示されている。たとえば購入希望者は、こうして表示された写真が映されている画面上で、好みの中古車の画像をタップすることでタップした中古車の詳細な情報を得ることができる。この操作は中古車購入希望者が中古車購入希望者端末3を介し行うことができる。
【0086】
図9は、本実施の形態に係る中古車のコメントを閲覧する画面の一例を示す図である。ここでは、購入希望者や閲覧者のコメントが掲載されている例を示している。中古車購入希望者は中古車購入希望者端末3の表示画面のコメントを見て購入の際の参考にすることが可能である。
【0087】
図10は、本実施の形態における、購入を決めるための画面の一例を示す図である。購入希望者(成約者を含む)(中古車購入希望者)に納得感を与える価格が「バリュー」として、購入希望者(成約者を含む)に係る情報端末(中古車購入希望者端末3)に表示される。また、店頭で販売する販売価格に相当する市場価格と、中古車販売希望者が決めた出品価格とが表示される。購入希望者(成約者を含む)は、中古車購入希望者端末3を操作して購入するか否かを決定することが可能となる。
【0088】
バリューは、中古車適正販売価格提供サーバ7の適正価格決定部9により算出されることに限定されず、販売希望者端末2にインストールされた専用アプリケーションにより、および/または専用アプリケーションとの共働により、算出されても良い。
【0089】
バリューの確かさ度合いは、データのばらつきおよび/またはデータの多寡により変化するため、バリューの自信度が適正価格決定部9により算出されてもよい。ここで、自信度とは、バリューの値としての確からしさを示す尺度である。
【0090】
本発明の各態様は、上述した実施形態の他、以下のような実施形態によって実施することもできる。すなわち、たとえば、中古車等の個人間売買取引の仲介、すなわち、CtoB、BtoB、BtoC等のプラットフォームとして成立されることとしてもよい。また、バリューとしては、買取業者の買取価格、業者間競売価格、成約された出品価格、物件の販売業者の店頭価格に相当する市場価格、のうちの少なくともいずれか一つと、出品者に係る情報処理端末より入力された物件のスペック及び評価情報で構成される出品者入力情報と、のデータマッチングにより算出されてもよい。
【0091】
バリューは、車両メーカ、車種、グレード、年式、走行距離、修復歴、喫煙有無、ペット乗車有無、内装外装評価、装備有無、車両の色、車検残期間、スペアキーや整備記録簿等の備品有無、過去のオーナー歴、出品時期、出品車両へのアクセス数、いいね数、問い合わせ数、コメント数、の少なくともいずれか一つを説明変数とするAI(Artificial Intelligence)により算出されてもよい。
【0092】
上記説明変数の内、例えば「走行距離が短くても年式が古ければ価値が上がりにくい」と言うように、ある変数が価値を下げる状態であれば、他の変数による価値上昇がしにくいという算出(変数間に交互作用があるとして算出)がされてもよい。
【0093】
バリューは、メーカの車種毎および/またはグレード毎および/または車の状態毎に異なる算出されてもよい。
【0094】
取引に付帯する保険手続き、陸送手配手続き、名義変更手続き、決済手続きの、のうち少なくともいずれか一つの手続きと、整備保証とを支援してもよい。
【0095】
なお、直接会うことなく、陸送業者を介して車の受け渡しが可能である。スマートフォンからの操作で陸送手配が可能である。ミスの多い名義変更書類を事務局が予めチェックすることで、車の受け取り後の名義変更トラブルを防止することに繋がる。車と書類の受け取りを完了するまで事務局がお金を預かり、高額な金銭のやり取りを安全にすることができる。
【0096】
図11は本実施の形態に係る売買価格を勧める画面を説明する説明図の一例を示す図である。バリューの表示ではなく他の「お勧め価格」の表示方法としては、出品者及び購入希望者の双方に納得感を与えるために、お勧めの売買価格と中古車店買取価格と中古車店販売価格と、お勧め価格で出品した場合の出品者のメリット価格と購入者のメリット価格とを、出品者に係る情報処理端末と、購入希望者に係る情報処理端末とに表示してもよい。
【0097】
図12は本実施の形態に係る説明変数ベクトルの各要素による価格変動分析を説明するための概念図である。例えば、売りたい中古車の標準価格に対して、中古車の年式により価格が変動する。中古車の走行距離により価格が変動する。また、中古車の車検期限により価格が変動する。中古車の外装により価格が変動する。中古車の内装により価格が変動する。中古車の車シートにより価格が変動する。サンルーフが備えられているか否か等により価格が変動する。これらを加味してバリューは、中古車購入希望者の中古車販売希望者端末2及び/又は中古車購入希望者の中古車購入希望者端末3に表示される。図12示すような、価格変動分析チャートは、中古車購入希望者の中古車販売希望者端末2及び/又は中古車購入希望者の中古車購入希望者端末3に表示されてもよいし、表示されなくともよい。また、各変数に対する価格変動の表示方法は、図中の階段グラフでなくとも、棒グラフや円グラフ、または単なる数値の列挙や表等の一般的な内訳の表現方法を用いても良い。
【0098】
価格変動分析は、例えば、学習済みモデルを利用し、各説明変数の摂動を計算することで、例えば特定中古車両の市場平均に対する価格差異を、各変数の寄与度の計算をすることで得られる。これにより、バリューの内訳の説明が可能になり、バリューの「納得感」の醸成が可能になり需要量と供給量が一致する均衡価格は算出される。
【0099】
この価格変動分析の計算には、単純に市場平均の車両スペックに対して、特定変数のみ変化させたときの変化量を見ても良いし、局所的な偏微分や、SHAP法、Lime等の近年みられる非線形モデルに対する変数寄与度解釈手法を用いても良い。
【0100】
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変更可能である。また、個人間の売買取引に限定するものではなく、業者間の売買取引の仲介システムに利用されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明の各態様に係る仲介システムは、商取引の対象とすることができるため、経済的価値を有しており、産業上利用することができる発明である。
【符号の説明】
【0102】
1 仲介システム
2 中古車販売希望者端末(出品者に係る情報処理端末)
3 中古車購入希望者端末(購入希望者(成約者を含む)に係る情報処理端末)
6 ネットワーク
7 中古車適正販売価格提供サーバ(仲介システムに係る情報処理サーバ)
8 ページ提供部
9 適正価格決定部
11 中古車販売希望者情報記憶部
12 中古車購入希望者情報記憶部
13 バリュー記憶部
14 学習モデル情報記憶部
15 スペック及び評価情報記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12