IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 新潟維持サービス株式会社の特許一覧 ▶ 株式会社特殊技工の特許一覧

<>
  • 特開-道路の防草工法 図1
  • 特開-道路の防草工法 図2
  • 特開-道路の防草工法 図3
  • 特開-道路の防草工法 図4
  • 特開-道路の防草工法 図5
  • 特開-道路の防草工法 図6
  • 特開-道路の防草工法 図7
  • 特開-道路の防草工法 図8
  • 特開-道路の防草工法 図9
  • 特開-道路の防草工法 図10
  • 特開-道路の防草工法 図11
  • 特開-道路の防草工法 図12
  • 特開-道路の防草工法 図13
  • 特開-道路の防草工法 図14
  • 特開-道路の防草工法 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165566
(43)【公開日】2023-11-16
(54)【発明の名称】道路の防草工法
(51)【国際特許分類】
   E01H 11/00 20060101AFI20231109BHJP
   E01C 11/22 20060101ALI20231109BHJP
【FI】
E01H11/00 A
E01C11/22 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022076780
(22)【出願日】2022-05-06
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 公開日 2021年6月1日等 公開した場所 新潟県新潟市西区坂井地内等
(71)【出願人】
【識別番号】522079919
【氏名又は名称】新潟維持サービス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】522179703
【氏名又は名称】株式会社特殊技工
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】桑原 一也
(72)【発明者】
【氏名】倉科 知弘
【テーマコード(参考)】
2D051
【Fターム(参考)】
2D051AF06
2D051AG13
(57)【要約】
【課題】様々な道路環境に対応して雑草の発生を抑え、道路維持面、交通安全面、景観面及び環境面の改善を図る道路の防草工法を提供する。
【解決手段】接着剤層を形成する工程と、前記接着剤層にウレタン樹脂層を積層する工程と、前記ウレタン樹脂層にコーティング材層を積層する工程と、を有し、被覆層13によって施工範囲を被覆する防草工法であって、前記施工範囲が、道路面2Aの一部2AAと、前記道路面2Aと分離帯1との隙間部8と、前記分離帯1の側面3B全体と、前記分離帯1の上面3A全体としている
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着剤層を形成する工程と、
前記接着剤層にウレタン樹脂層を積層する工程と、
前記ウレタン樹脂層にコーティング材層を積層する工程と、を有し、被覆層によって施工範囲を被覆する防草工法であって、
前記施工範囲が、道路面の一部と、前記道路面と分離帯との隙間と、前記分離帯の側面全体と、前記分離帯の上面全体であることを特徴とする防草工法。
【請求項2】
前記分離帯の側面にガラスビーズを添加した塗料を塗布する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の防草工法。
【請求項3】
接着剤層を形成する工程と、
前記接着剤層にウレタン樹脂層を積層する工程と、
前記ウレタン樹脂層にコーティング材層を積層する工程と、を有し、被覆層によって施工範囲を被覆する防草工法であって、
前記施工範囲が、車道面の一部と、前記車道面と境界ブロックとの隙間と、前記境界ブロックの側面全体と、前記境界ブロックの上面全体と、前記境界ブロックと歩道面との隙間と、前記歩道面の一部であることを特徴とする防草工法。
【請求項4】
接着剤層を形成する工程と、
前記接着剤層にウレタン樹脂層を積層する工程と、
前記ウレタン樹脂層にコーティング材層を積層する工程と、を有し、被覆層によって施工範囲を被覆する防草工法であって、
前記施工範囲が、道路面の一部と、前記道路面とコンクリート壁部との隙間と、前記コンクリート壁部全体であることを特徴とする防草工法。
【請求項5】
接着剤層を形成する工程と、
前記接着剤層にウレタン樹脂層を積層する工程と、
前記ウレタン樹脂層にコーティング材層を積層する工程と、を有し、被覆層によって施工範囲を被覆する防草工法であって、
前記施工範囲が、道路面の一部と、前記道路面とU字溝との隙間と、前記U字溝の側壁であることを特徴とする防草工法。
【請求項6】
接着剤層を形成する工程と、
前記接着剤層にウレタン樹脂層を積層する工程と、
前記ウレタン樹脂層にコーティング材層を積層する工程と、を有し、被覆層によって施工範囲を被覆する防草工法であって、
前記施工範囲が、地面に敷設した下地シートであることを特徴とする防草工法。
【請求項7】
接着剤層を形成する工程と、
前記接着剤層にウレタン樹脂層を積層する工程と、
前記ウレタン樹脂層にコーティング材層を積層する工程と、を有し、被覆層によって施工範囲を被覆する防草工法であって、
前記施工範囲が、道路面の一部と、前記道路面と境界ブロックとの隙間と、前記境界ブロックの上面全体と、前記境界ブロックと前記境界ブロックにより区画された植栽区域との隙間と、前記植栽区域の一部であることを特徴とする防草工法。
【請求項8】
前記植栽区域を水透過部材により被覆することを特徴とする請求項7に記載の防草工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は道路の防草工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、道路の維持管理作業には、多大な経費を必要とすると同時に、管理作業に道路規制による車両の渋滞を発生させたり、維持管理作業中に作業員が走行車両によって危険に晒される場合もあった。そこで、以下に示すとおりの道路の隙間をウレタン樹脂で被覆して、道路の隙間からの雑草の発生を抑え、道路維持面、交通安全面、景観面及び環境面の改善を図っていた(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002―54149号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の道路の防草工法では、修繕箇所が他の正常な路面に対して継ぎ接ぎ状となり景観を損ねる、という課題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、様々な道路環境に対応して雑草の発生を抑え、道路維持面、交通安全面、景観面及び環境面の改善を図る道路の防草工法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、接着剤層を形成する工程と、前記接着剤層にウレタン樹脂層を積層する工程と、前記ウレタン樹脂層にコーティング材層を積層する工程と、を有し、被覆層によって施工範囲を被覆する防草工法であって、前記施工範囲が、道路面の一部と、前記道路面と分離帯との隙間と、前記分離帯の側面全体と、前記分離帯の上面全体であることを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、前記分離帯の側面にガラスビーズを添加した塗料を塗布する工程を有することを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、接着剤層を形成する工程と、前記接着剤層にウレタン樹脂層を積層する工程と、前記ウレタン樹脂層にコーティング材層を積層する工程と、を有し、被覆層によって施工範囲を被覆する防草工法であって、前記施工範囲が、車道面の一部と、前記車道面と境界ブロックとの隙間と、前記境界ブロックの側面全体と、前記境界ブロックの上面全体と、前記境界ブロックと歩道面との隙間と、前記歩道面の一部であることを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、接着剤層を形成する工程と、前記接着剤層にウレタン樹脂層を積層する工程と、前記ウレタン樹脂層にコーティング材層を積層する工程と、を有し、被覆層によって施工範囲を被覆する防草工法であって、前記施工範囲が、道路面の一部と、前記道路面とコンクリート壁部との隙間と、前記コンクリート壁部全体であることを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明は、接着剤層を形成する工程と、前記接着剤層にウレタン樹脂層を積層する工程と、前記ウレタン樹脂層にコーティング材層を積層する工程と、を有し、被覆層によって施工範囲を被覆する防草工法であって、前記施工範囲が、道路面の一部と、前記道路面とU字溝との隙間と、前記U字溝の側壁であることを特徴とする。
【0011】
請求項6の発明は、接着剤層を形成する工程と、前記接着剤層にウレタン樹脂層を積層する工程と、前記ウレタン樹脂層にコーティング材層を積層する工程と、を有し、被覆層によって施工範囲を被覆する防草工法であって、前記施工範囲が、地面に敷設した下地シートであることを特徴とする。
【0012】
請求項7の発明は、接着剤層を形成する工程と、前記接着剤層にウレタン樹脂層を積層する工程と、前記ウレタン樹脂層にコーティング材層を積層する工程と、を有し、被覆層によって施工範囲を被覆する防草工法であって、前記施工範囲が、道路面の一部と、前記道路面と境界ブロックとの隙間と、前記境界ブロックの上面全体と、前記境界ブロックと前記境界ブロックにより区画された植栽区域との隙間と、前記植栽区域の一部であることを特徴とする。
【0013】
請求項8の発明は、前記植栽区域を水透過部材により被覆することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、隙間部をウレタン樹脂層で被覆することで、雑草の発生を抑え、道路維持面、交通安全面、景観面及び環境面の改善を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施例を示す境界ブロック付近の道路の防草工法の断面図である。
図2】同上、図1における境界ブロックの立ち上げ部付近の拡大断面図である。
図3】同上、(A)は防草工法施工後の境界ブロック付近の道路の斜視図であり、(B)防草工法施工前の境界ブロック付近の道路の斜視図である。
図4】本発明の第2実施例を示す道路の断面図である。
図5】同上、拡大断面図である。
図6】本発明の第3実施例を示す道路の断面図である。
図7】同上、拡大断面図である。
図8】本発明の第4実施例を示す道路の防草工法の斜視図である。
図9】同上、排水用U字溝付近の道路の断面図である。
図10】本発明の第5実施例を示す道路の防草工法の断面図である。
図11】本発明の第6実施例を示す道路の斜視図であり、(A)は防草工法施工後の道路の斜視図であり、(B)は防草工法施工前の道路の斜視図である。
図12】同上、非舗装部の断面図である。
図13】本発明の第7実施例を示す道路の防草工法の斜視図である。
図14】同上、道路の防草工法の断面図である。
図15】同上、被覆層の断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【実施例0017】
以下、本発明に係る道路の防草工法の第1実施例について、図1図3を参照しながら詳細に説明する。図1及び図3において、1に示す分離帯は、道路(ここでは、車道2)を分離する島状構造物である。分離帯1は、分離帯1と車道2の境界に沿って敷設された複数のコンクリート製の断面矩形状の境界ブロック3によって分離帯1の周縁が画設されており、複数の境界ブロック3によって囲まれた分離帯1の内部には、モルタルが充填されたモルタル層4と、モルタル層4の上からコンクリートが打設されたコンクリート層5が形成されており、コンクリート層5の上面5Aは、境界ブロック3の上面部3Aと面一となるように形成されている。尚、分離帯1の内部の構成については適宜変更可能とする。
【0018】
境界ブロック3とコンクリート層5の間の目地部6において、コンクリート層5を形成する際の乾燥によるコンクリート層5の収縮等によって僅かな隙間部7が形成してしまう場合には、隙間部7から雑草が発生する問題がある。
【0019】
図1に示すように、上記の分離帯1を備えた道路の防草工法の手順について説明する。最初に防草工法の下処理工程として、目地部6の隙間部7と車道2と境界ブロック3の隙間部8より繁茂する雑草を、取り除き、あるいは、伐根し、隙間部7、8に詰まっている夾雑物を除去する。ここで、境界ブロック3が破損している場合には、この段階で境界ブロック3の補修又は交換を行うことが好ましい。続いて、隙間部7、8の土砂をモルタル等の充填物に置換する。
【0020】
次に防草工程に移行する。まずは、車道2の路面2Aの一部と、路面2Aと分離帯1(ここでは境界ブロック3)との隙間部8と、分離帯1(ここでは境界ブロック3)の側面3B全体と、前記分離帯1の上面全体(ここでは境界ブロック3の上面部3A及びコンクリート層5の上面部5A)まで連続してプライマー等の糊材からなる接着剤を塗布、噴霧または吹き付けして接着剤層9を形成する。
【0021】
続いて、該接着剤層9にウレタン樹脂を塗布、噴霧または吹き付けして積層し、ウレタン樹脂層10を形成する。ここで、ウレタン樹脂層10に使用されるウレタン樹脂は、2液混合タイプのウレタン樹脂を使用することで、速やかに乾燥固化する速攻乾燥性と、耐候性、耐摩耗性、耐水性、および耐透水性に優れ、ピンホール、クラック等の発生を防ぐ追従性を有している。
【0022】
さらに、ウレタン樹脂層10にコーティング材を塗布、噴霧または吹き付けてコーティング材層11を形成する。
【0023】
最後に、境界ブロック3の立ち上がり部3Bのコーティング材層11にガラスビーズを添付した塗料を塗布して塗装層12を形成する。尚、塗装層12は境界ブロックの立ち上がり部3B以外のコーティング材層11には形成しないものとする。
【0024】
本実施例では、接着剤層9、ウレタン樹脂層10およびコーティング材層11の順に積層してなる被覆層13は、車道2の路面2Aの一部と、路面2Aと分離帯1との隙間部と、分離帯1の側面全体たる境界ブロック3の立ち上がり部3Bと、前記分離帯の上面全体たる境界ブロック3の上面部3A及びコンクリート層5の上面部5Aまでを施工範囲として連続して施工されるものである。
【0025】
ここで、被覆層13における路面2Aの一部2AAを被覆する範囲13Aとしては、隙間部7を被覆する部分から連続して路面2Aを数センチメートル~数十センチメートル程を被覆する範囲としている。
【0026】
以上のように本実施例の道路の防草工法では、接着剤層9を形成する工程と、前記接着剤層9にウレタン樹脂層10を積層する工程と、前記ウレタン樹脂層10にコーティング材層11を積層する工程と、を有し、被覆層13によって施工範囲を被覆する防草工法であって、前記施工範囲が、道路面2Aの一部2AAと、前記道路面2Aと分離帯1との隙間部8と、前記分離帯1の側面3B全体と、前記分離帯1の上面3A全体としている。
【0027】
この場合、隙間部7、8をウレタン樹脂層10で被覆するとともに、分離帯1の表面が被覆層13によって完全に被覆することで、太陽光が入る隙間が全く生じないため、極めて高い防草効果を有し、道路維持面、交通安全面、景観面及び環境面の改善を図ることができる。
【0028】
前記分離帯1の側面3Bにガラスビーズを添加した塗料を塗布する工程を有することで、ガラスビーズによる光の再起反射特性により境界ブロック3を照らすヘッドライトの光が反射されるので、境界ブロック3の視認性を高めることができる。
【実施例0029】
図4及び図5は本発明の第2実施例を示し、上記第1実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。本実施例の道路の構成について図4に基いて説明すると、車道20と、歩道21と、車道20と歩道21の境界に沿って設置された境界ブロック22とを有している。
【0030】
歩道21の路面21Aは、境界ブロック22の上面部22Aと面一となるように形成されているため、車道20の路面20Aよりも高く形成されている。
【0031】
図4に示すように、上記の車道20と歩道21を備えた道路の防草工法の手順について説明する。最初に防草工法の下処理工程として、車道20と境界ブロック22の隙間部23と歩道21と境界ブロック22の隙間部24より繁茂する雑草を、取り除き、あるいは、伐根し、隙間部23、24に詰まっている夾雑物を除去する。ここで、境界ブロック22が破損している場合には、この段階で境界ブロック22の補修又は交換を行うことが好ましい。続いて、隙間部23、24の土砂をモルタル等の充填物に置換する。
【0032】
次に防草工程に移行する。まずは、車道20の路面20Aの一部20AAと、路面20Aと境界ブロック22との隙間部23と、境界ブロック22の側面部22B全体と、歩道21の路面21Aと境界ブロック22の上面部22Aの隙間部24と、歩道21の路面21Aの一部21AAまで連続してプライマー等の糊材からなる接着剤を塗布、噴霧または吹き付けして接着剤層25を形成する。
【0033】
続いて、該接着剤層25にウレタン樹脂を塗布、噴霧または吹き付けして積層し、ウレタン樹脂層26を形成する。ここで、ウレタン樹脂層26に使用されるウレタン樹脂は、実施例1と同じものである。
【0034】
さらに、ウレタン樹脂層26にコーティング材を塗布、噴霧または吹き付けてコーティング材層27を形成する。
【0035】
本実施例では、接着剤層25、ウレタン樹脂層26およびコーティング材層27の順に積層してなる被覆層28は、車道20の路面20Aの一部20AAと、路面20Aと境界ブロック22との隙間部23と、境界ブロック22の側面部22B全体と、歩道21の路面21Aと境界ブロック22の上面部22Aの隙間部24と、歩道21の路面21Aの一部21AAまでを施工範囲として連続して施工されるものである。
【0036】
ここで、被覆層28における路面20Aの一部20AA、21AAを被覆する範囲28A、28Bとしては、隙間部23、24を被覆する部分から連続して路面20A、21Aを数センチメートル~数十センチメートル程を被覆するような範囲としている。
【0037】
以上のように本実施例の道路の防草工法では、接着剤層25を形成する工程と、前記接着剤層25にウレタン樹脂層26を積層する工程と、前記ウレタン樹脂層26にコーティング材層27を積層する工程と、を有し、被覆層28によって施工範囲を被覆する防草工法であって、前記施工範囲が、車道面20Aの一部20AAと、前記車道面20Aと境界ブロック22との隙間部23と、前記境界ブロック22の側面22B全体と、前記境界ブロック22の上面22A全体と、前記境界ブロック22と歩道面21Aとの隙間部24と、前記歩道面21Aの一部21AAとしている。
【0038】
この場合、車道面20A、境界ブロック22及び歩道面21と連続して被覆層28を形成することで、景観に優れた防草工法を提供することができる。
【実施例0039】
図6及び図7は本発明の第3実施例を示し、上記第1実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。本実施例の道路の構成について図6及び図7に基いて説明すると、歩道30に隣接するコンクリート擁壁31を備えている。コンクリート擁壁31は、例えばコンクリート製のブロック又はパネルを土壁の傾斜に沿って積載したものである。
【0040】
図6に示すように、上記の歩道30とコンクリート擁壁31を備えた道路の防草工法の手順について説明する。最初に防草工法の下処理工程として、歩道30と擁壁31の隙間部32より繁茂する雑草を、取り除き、あるいは、伐根し、隙間部32に詰まっている夾雑物を除去する。ここで、擁壁31が破損している場合には、この段階で擁壁31の補修又は交換を行うことが好ましい。続いて、隙間部32の土砂をモルタル等の充填物に置換する。
【0041】
次に防草工程に移行する。まずは、歩道30の路面30Aの一部30AAと、路面30Aと擁壁31との隙間部32と、擁壁31まで連続してプライマー等の糊材からなる接着剤を塗布、噴霧または吹き付けして接着剤層33を形成する。
【0042】
続いて、該接着剤層33にウレタン樹脂を塗布、噴霧または吹き付けして積層し、ウレタン樹脂層34を形成する。ここで、ウレタン樹脂層34に使用されるウレタン樹脂は、実施例1のものと同じものである。
【0043】
さらに、ウレタン樹脂層34にコーティング材を塗布、噴霧または吹き付けてコーティング材層35を形成する。
【0044】
本実施例では、図7に示すような接着剤層33、ウレタン樹脂層34およびコーティング材層35の順に積層してなる被覆層36は、歩道30の路面30Aの一部30AAと、路面30Aと擁壁31との隙間部32と、擁壁31までを施工範囲として連続して施工されるものである。
【0045】
ここで、被覆層36における路面30Aの一部30AAを被覆する範囲36Aとしては、隙間部32を被覆する部分から連続して路面30Aを数センチメートル~数十センチメートル程を被覆するような範囲としている。
【0046】
以上のように本実施例の道路の防草工法では、接着剤層33を形成する工程と、前記接着剤層33にウレタン樹脂層34を積層する工程と、前記ウレタン樹脂層34にコーティング材層35を積層する工程と、を有し、被覆層36によって施工範囲を被覆する防草工法であって、前記施工範囲が、道路面30Aの一部30AAと、前記道路面30Aとコンクリート壁部であるコンクリート擁壁31との隙間部32と、前記コンクリート擁壁31全体とする。
【0047】
この場合、道路からコンクリート擁壁31まで連続して被覆層36を形成することで、景観に優れた防草工法を提供することができる。
【実施例0048】
図8及び図9は本発明の第4実施例を示し、上記第1実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。本実施例の道路の構成について図8及び図9に基いて説明すると、車道40と歩道41の境界に埋設されたコンクリート製の排水用U字溝42を備えている。排水用U字溝42は、左右一対の側壁42A、42Bと、側壁42A、42Bの下端同士を連結する底面部42Cからなる上方を開口した断面略U字形状に形成されている。
【0049】
図8に示すように、上記の排水用U字溝42を備えた道路の防草工法の手順について説明する。最初に防草工法の下処理工程として、車道40と排水用U字溝52の隙間部43及び歩道41と排水用U字溝42の隙間部44より繁茂する雑草を、取り除き、あるいは、伐根し、隙間部43、44に詰まっている夾雑物を除去する。ここで、排水用U字溝42が破損している場合には、この段階で排水用U字溝42の補修又は交換を行うことが好ましい。続いて、隙間部43、44の土砂をモルタル等の充填物に置換する。
【0050】
次に防草工程に移行する。まずは、車道40の路面40Aの一部40AAと、路面40Aと排水用U字溝42との隙間部43と、排水用U字溝42の側壁42Aから底面部42Cの一部までを連続した範囲と、歩道41の路面41Aの一部41AAと、路面41Aと排水用U字溝42との隙間部44と、排水用U字溝42の側壁42Bから底面部42Cまでを連続した範囲とに対して、それぞれプライマー等の糊材からなる接着剤を塗布、噴霧または吹き付けして接着剤層45A、45Bを形成する。
【0051】
続いて、該接着剤層45A、45Bにウレタン樹脂を塗布、噴霧または吹き付けして積層し、ウレタン樹脂層46A、46Bを形成する。ここで、ウレタン樹脂層46A、46Bに使用されるウレタン樹脂は、実施例1のものと同じものである。
【0052】
さらに、ウレタン樹脂層46A、46Bにコーティング材を塗布、噴霧または吹き付けてコーティング材層47A、47Bを形成する。
【0053】
本実施例では、接着剤層45A、ウレタン樹脂層46Aおよびコーティング材層47Aの順に積層してなる被覆層48Aは、車道40の路面40Aの一部40AAと、路面40Aと排水用U字溝42との隙間部43と、排水用U字溝42の側壁42Aから底面部42Cの一部までを施工範囲として連続して施工されるものである。また、接着剤層45B、ウレタン樹脂層46Bおよびコーティング材層47Bの順に積層してなる被覆層48Bは、歩道41の路面41Aの一部41AAと、路面41Aと排水用U字溝42との隙間部44と、排水用U字溝42の側壁42Bから底面部42Cの一部までを施工範囲として連続して施工されるものである。
【0054】
ここで、被覆層48Aにおける路面40Aの一部40AAを被覆する範囲48Aとしては、隙間部43を被覆する部分から連続して路面40Aを数センチメートル~数十センチメートル程を被覆するような範囲としている。同様に、被覆層48Bにおける路面41Aの一部41AAを被覆する範囲48BAとしては、隙間部44を被覆する部分から連続して路面41Aを数センチメートル~数十センチメートル程を被覆するような範囲としている。
【0055】
以上のように本実施例の道路の防草工法では、接着剤層45A、45Bを形成する工程と、前記接着剤層45A、45Bにウレタン樹脂層46A、46Bを積層する工程と、前記ウレタン樹脂層46A、46Bにコーティング材層47A、47Bを積層する工程と、を有し、被覆層48A、48Bによって施工範囲を被覆する防草工法であって、前記施工範囲が、道路面40A、41Aの一部40AA、41AA、道路面40A、41AとU字溝42との隙間43、44と、前記U字溝42の側壁42A、42Bとしている。
【0056】
この場合、道路からU字溝42まで連続して被覆層48A、48Bを形成することで、景観に優れた防草工法を提供することができる。
【実施例0057】
図10は本発明の第5実施例を示し、上記第1実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。本実施例の道路の構成について図10に基いて説明すると、車道50と隣接した法面51を備えている。車道50と法面51の間には、法面51の上端を保護するために現場打ちコンクリートによって形成された天端コンクリート52を備えている。天端コンクリート52にはガードレール53が設置されている。
【0058】
本実施例の法面51は表土が露出しており、法面51の一部又は全面には後述するウレタン樹脂層を形成する際に吹き付けられたウレタン樹脂を定着させるための下地シート54によって被覆されている。下地シート54は、L型アンカーなどの複数の固定手段55によって法面51に固定されている。
【0059】
図10に示すように、上記の車道50に法面51を隣接して備えた道路の防草工法の手順について説明する。最初に防草工法の下処理工程として、車道50と天端コンクリート52の隙間部56及び法面51と天端コンクリート52の隙間部57より繁茂する雑草を、取り除き、あるいは、伐根し、隙間部56、57に詰まっている夾雑物を除去する。ここで、法面51や天端コンクリート52が破損している場合には、この段階で法面51や天端コンクリート52の補修又は交換を行うことが好ましい。続いて、隙間部56、57の土砂をモルタル等の充填物に置換する。
【0060】
次に防草工程に移行する。まずは、車道50の路面50Aの一部50AAと、路面50Aと天端コンクリート52との隙間部56と、天端コンクリート52の上面52A全体と、法面51と天端コンクリート52の隙間部57と、法面51における下地シート54によって覆われた箇所までを連続した範囲に対して、プライマー等の糊材からなる接着剤を塗布、噴霧または吹き付けして接着剤層58を形成する。
【0061】
続いて、該接着剤層58にウレタン樹脂を塗布、噴霧または吹き付けして積層し、ウレタン樹脂層59を形成する。ここで、ウレタン樹脂層59に使用されるウレタン樹脂は、実施例1のものと同じものである。
【0062】
さらに、ウレタン樹脂層59にコーティング材を塗布、噴霧または吹き付けてコーティング材層60を形成する。
【0063】
本実施例では、接着剤層58、ウレタン樹脂層59およびコーティング材層60の順に積層してなる被覆層61は、車道50の路面50Aの一部50AAと、路面50Aと天端コンクリート52との隙間部56と、天端コンクリート52の上面52A全体と、法面51と天端コンクリート52の隙間部57と、法面51における下地シート54によって覆われた箇所までを施工範囲として連続して施工されるものである。
【0064】
ここで、被覆層61における路面50Aの一部50AAを被覆する範囲61Aとしては、隙間部56を被覆する部分から連続して路面50Aを数センチメートル~数十センチメートル程を被覆するような範囲としている。
【0065】
以上のように本実施例の道路の防草工法では、接着剤層58を形成する工程と、前記接着剤層58にウレタン樹脂層59を積層する工程と、前記ウレタン樹脂層59にコーティング材層60を積層する工程と、を有し、被覆層61によって施工範囲を被覆する防草工法であって、施工範囲が、地面に敷設した下地シート54とすることで、地面への被覆層61の施工を簡便なものとし、景観に優れた防草工法を提供することができる。
【実施例0066】
図11及び図12は本発明の第6実施例を示し、上記第1実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。本実施例の構成について説明すると、図11(B)に示すように歩道70の一部には、所定の範囲だけ土壌が露出するよう複数の境界ブロック71で囲んで形成された非舗装部72を備えている。歩道70の一方(非舗装部72側)には用水路Wがあり、他方(用水路Wと反対側)には車道(図示せず)があるものとする。また、境界ブロック71には、柵Fが設置されている。
【0067】
非舗装部72の一部は、境界ブロック71に沿って下地シート73によってその一部が覆われている。下地シート73は、L型アンカー等の固定手段(図示せず)によって非舗装部72の表面に固定されている。
【0068】
図11(A)に示すように、上記の歩道70に非舗装部72を備えた道路の防草工法の手順について説明する。最初に防草工法の下処理工程として、歩道00と境界ブロック71の隙間部74及び境界ブロック71と非舗装部72の隙間部75より繁茂する雑草を、取り除き、あるいは、伐根し、隙間部74、75に詰まっている夾雑物を除去する。ここで、境界ブロック71が破損している場合には、この段階で境界ブロック71の補修又は交換を行うことが好ましい。続いて、隙間部74、75の土砂をモルタル等の充填物に置換する。
【0069】
次に防草工程に移行する。まずは歩道70の路面70Aの一部70AAと、路面70Aと境界ブロック71との隙間部74と、境界ブロック71の上面71A全体と、境界ブロック71と非舗装部72の隙間部75と、非舗装部72における下地シート73によって覆われた箇所までを連続した範囲に対して、プライマー等の糊材からなる接着剤を塗布、噴霧または吹き付けして接着剤層76を形成する。
【0070】
続いて、該接着剤層76にウレタン樹脂を塗布、噴霧または吹き付けして積層し、ウレタン樹脂層77を形成する。ここで、ウレタン樹脂層77に使用されるウレタン樹脂は、実施例1のものと同じものである。
【0071】
さらに、ウレタン樹脂層77にコーティング材を塗布、噴霧または吹き付けてコーティング材層78を形成する。
【0072】
本実施例では、接着剤層76、ウレタン樹脂層77およびコーティング材層78の順に積層してなる被覆層79は、歩道70の路面70Aの一部70AAと、路面70Aと境界ブロック71との隙間部74と、境界ブロック71の上面71A全体と、境界ブロック71Aと非舗装部72の隙間部75と、非舗装部72における下地シート73によって覆われた箇所までを施工範囲として連続して施工されるものである。
【0073】
ここで、被覆層79における路面70Aの一部70AAを被覆する範囲79Aとしては、隙間部74を被覆する部分から連続して路面70Aを数センチメートル~数十センチメートル程を被覆するような範囲としている。
【0074】
以上のように本実施例の道路の防草工法では、接着剤層76を形成する工程と、前記接着剤層76にウレタン樹脂層77を積層する工程と、前記ウレタン樹脂層77にコーティング材層78を積層する工程と、を有し、被覆層79によって施工範囲を被覆する防草工法であって、施工範囲が、地面に敷設した下地シート73とすることで、地面への被覆層79の施工を簡便なものとし、景観に優れた防草工法を提供することができる。
【0075】
本実施例上の効果として、非舗装部72において少なくとも車道側に被覆層79を施工することで、柵Fを越えて車道側に雑草が広がることを防いでいる。
【実施例0076】
図13図15は本発明の第7実施例を示し、上記第2実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。本実施例の道路の構成について図13図15に基いて説明すると、実施例2の道路において歩道21に植樹桝80を備えている。植栽桝80では、実施例2に記載の歩道用の境界ブロック22と植栽桝用の境界ブロック81によって囲まれた土壌82には街路樹83が植栽されている。
【0077】
また、土壌82の表面には、天然材料の土あるいは砂等と固化剤混合材とを混合した舗装材で土壌82の表面を舗装する土舗装(土系舗装)が施工された水透過部材である土舗装層84が形成されている。
【0078】
土壌82の表面に土舗装層84が形成されたことで、土壌82は防草性のみならず、自然環境と調和する景観性、高い透水性、高い保水性、適度な弾力性、適度な衝撃吸収性などの優れた効果を得ることになる。
【0079】
図13に示すように、上記の歩道21に植栽桝80を備えた道路の防草工法の手順について説明する。尚、実施例2と重複する箇所についての説明は省略する。最初に防草工法の下処理工程として、境界ブロック22と土舗装層84の隙間部85、植栽桝用の境界ブロック81と土舗装層84の隙間部86、歩道21の路面21Aと植栽桝用の境界ブロック81の隙間部87より繁茂する雑草を、取り除き、あるいは、伐根し、隙間部85、86、87に詰まっている夾雑物を除去する。ここで、境界ブロック22、植栽桝用の境界ブロック81及び土舗装層84が破損している場合には、この段階で境界ブロック22、植栽桝用の境界ブロック81及び土舗装層84の補修又は交換を行うことが好ましい。続いて、隙間部85、86、87の土砂をモルタル等の充填物に置換する。
【0080】
次に防草工程に移行する。まずは、歩道21の路面21Aの一部21AAと、路面21Aと植栽桝用の境界ブロック81との隙間部87と、植栽桝用の境界ブロック81の上面81A全体と、植栽桝用の境界ブロック81と土舗装層84の隙間部86と、土舗装層84の一部までを連続した範囲と、実施例2に記載の被覆層28と連続する施工範囲として境界ブロック22と土舗装層84の隙間部85と、土舗装層84の一部までを連続した範囲とに対して、それぞれプライマー等の糊材からなる接着剤を塗布、噴霧または吹き付けして接着剤層88を形成する。
【0081】
続いて、該接着剤層88にウレタン樹脂を塗布、噴霧または吹き付けして積層し、ウレタン樹脂層89を形成する。ここで、ウレタン樹脂層89に使用されるウレタン樹脂は、実施例1のものと同じものである。
【0082】
さらに、ウレタン樹脂層89にコーティング材を塗布、噴霧または吹き付けてコーティング材層90を形成する。
【0083】
本実施例では、接着剤層88、ウレタン樹脂層89およびコーティング材層90の順に積層してなる被覆層91は、歩道21の路面21Aの一部21AAと、路面21Aと植栽桝用の境界ブロック81との隙間部87と、植栽桝用の境界ブロック81の上面81A全体と、植栽桝用の境界ブロック81と土舗装層84の隙間部86と、土舗装層84の一部84Aまでを連続した範囲と、実施例2に記載の被覆層28と連続する施工範囲として境界ブロック22と土舗装層84の隙間部85と、土舗装層84の一部84Bまでを連続した範囲までを施工範囲として連続して施工されるものである。
【0084】
ここで、被覆層91における路面21Aの一部21AAを被覆する範囲91A、土舗装層84の一部84A、84Bを被覆する範囲91B、91Cとしては、各隙間部85、86、87を被覆する部分から連続して路面21A又は土舗装層84を数センチメートル~数十センチメートル程を被覆するような範囲としている。
【0085】
以上のように本実施例の道路の防草工法では、接着剤層88を形成する工程と、前記接着剤層88にウレタン樹脂層89を積層する工程と、前記ウレタン樹脂層89にコーティング材層90を積層する工程と、を有し、被覆層91によって施工範囲を被覆する防草工法であって、施工範囲が、道路面21Aの一部21AAと、前記道路面21Aと境界ブロック81との隙間部87と、境界ブロック81の上面81A全体と、前記境界ブロック81と前記境界ブロック81により区画された植栽区域である植栽桝80との隙間部86と、植栽桝80の一部84Aとすることで、道路から植栽区域まで連続して被覆層を形成することで、景観に優れた防草工法を提供することができる。
【0086】
また、植栽桝80を水透過部材である土舗装層84により被覆することにより、植栽桝80の街路樹83の生育を妨げることのない景観に優れた防草工法を提供することができる。
【0087】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0088】
1 分離帯
2A 道路面
2AA 一部
3A 上面
3B 側面
8 隙間部
9、25 接着剤層
10、26 ウレタン樹脂層
11、27 コーティング材層
13、28 被覆層
22 境界ブロック
31 コンクリート擁壁(コンクリート壁部)
42 U字溝
54、73 下地シート
80 植栽桝(植栽区域)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15