(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165571
(43)【公開日】2023-11-16
(54)【発明の名称】コード長さ調整器
(51)【国際特許分類】
B65H 75/36 20060101AFI20231109BHJP
【FI】
B65H75/36 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022076792
(22)【出願日】2022-05-06
(71)【出願人】
【識別番号】593161032
【氏名又は名称】塚本 龍三
(72)【発明者】
【氏名】塚本 竜三
【テーマコード(参考)】
3F068
【Fターム(参考)】
3F068AA12
3F068CA00
3F068CA07
3F068DB12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】コード上に於けるケースの移動が軽快に出来、且つ、左右のケース間のコード部分が柔軟に屈曲することが出来るコード長さ調整器を提供する。
【解決手段】一線状のコード1上に周壁の左側に左側コード導出孔2aを右側に軸間コード部3の左側開口4aを備える周囲カバー5aと周囲カバー5aの上下を被う上カバー6aと下カバーと上下カバー間の左側縦軸を備える左側ケース9aと、左側ケースの右側に配置され周壁の右側に右側コード導出孔2bを左側に軸間コード部の右側開口4bを備える周囲カバー5bと周囲カバー5bの上下を被う上カバー6bと下カバーと上下カバー間の右側縦軸を備える右側ケース9bを設け、コードの間の部分を左側縦軸と右側縦軸の周りに同一方向に1巻き半に巻き掛け、コードの左側を左側コード導出孔より左方に導出し、コードの右側を右側コード導出孔より右方に導出した。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右に一線状に置かれたコード上に一定の上下深さを有する周壁の左側に前記コードの左側コード導出孔を備えその右側に軸間コード部の左側開口を備える周囲カバー手段と前記周囲カバー手段の上下を被う上カバーと下カバーと前記上下カバーの間に設けた左側縦軸を備える左側ケースと、前記左側ケースの右側に任意の間隔を置いて配置され一定の上下深さを有する周壁の右側に前記コードの右側コード導出孔を備えその左側に前記軸間コード部の右側開口を備える周囲カバー手段と前記周囲カバー手段の上下を被う上カバーと下カバーと前記上下カバーの間に設けた右側縦軸を備える右側ケースを設け、前記コードの間の部分を前記左側ケースの前記左側縦軸と前記右側ケースの前記右側縦軸の周りに同一方向に1巻き半に巻き掛け前記コードの左側を前記左側コード導出孔より左方に導出し、前記コードの右側を前記右側コード導出孔より右方に導出したことを特徴とするコード長さ調整器。
【請求項2】
前記左側ケースの前記左側縦軸の内部に左右方向に開かれた左側コード溝を設け、前記右側ケースの前記右側縦軸の内部に左右方向に開かれた右側コード溝を設け、前記コードの左側を前記軸間コード部の前記左側開口より前記左側コード溝を通して前記左側コード導出孔に導いて左方に導出し、前記コードの右側を前記軸間コード部の前記右側開口より前記右側コード溝を通して前記右側コード導出孔に導いて右方に導出したことを特徴とする請求項1記載のコード長さ調整器
【請求項3】
前記左側ケースの前記左側縦軸と前記右側ケースの前記右側縦軸の外周に上下方向重ねに1個以上のコード案内ローラーを回転自由に装着したことを特徴とする請求項1記載のコード長さ調整器。
【請求項4】
前記左側ケースの左側開口と前記右側ケースの右側開口を3本のコードの太さに適合する大きさで左右と上下の方向に略三角形の孔に形成し、3本の軸間コード部を左側開口と右側開口より三角点配置に導出したことを特徴とする請求項1記載のコード長さ調整器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気器具や通信機器(以後は単に器具と呼ぶ)等で使用する電源用や通信用などの電気コード(以後は単にコードと呼ぶ)などの長さを調整するコード長さ調整器に関するものである。
コード端部のプラグやソケット等の接続器具を含まない1本のコードの間の部分の長さを調整するコード長さ調整器である。このコード長さ調整器は、電気器具等の配線の際に生ずる余剰部分の長さを調整して配線を整理し、周辺の美観を高めることが出来る。
【背景技術】
【0002】
市場には、例えば、長さ1m、2mあるいは長さ3mなどの電気用の延長コードが多く見られる。固定して使用する器具などに付属するコードは、一般に、器具の設置や取り扱いの上で不便を来たさない程度の余裕のある長さが与えられている。
器具の設置位置の傍近くに電源接続用のソケット等がある時は、それほど長くないコードの余剰部分を巻いたり、折り曲げたりして器具の近くに置くなどの処理ですまされてきた。
【0003】
単にコードケース内にコードを折り畳んだり巻いたりして収納する提案は公開実用新案公報昭58-120155号広報に開示される文献などで既に公知である。
特開2021-172513号公報に開示される文献にはコードの余剰部分を左右交互に2回折り曲げた折り曲げコードにし、左右の曲げ輪部分を各々内部に収納する左右の曲げ輪ケースを設け、該左右の曲げ輪ケースの間隔を調整してコードの全長を調整する案示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-310332号公報
【特許文献2】特開2003-264929号公報
【特許文献3】特開2007-119164号公報
【特許文献4】特開2017-199889号公報
【特許文献5】特開2021-172513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特開2021-172513号公報に開示される文献は、曲げ輪ケースの内部おいてコードが内側の曲げ輪コードに直に重なる部分を生ずる結果、接触するコード間の摩擦抵抗によってケース及びコードの移動抵抗が大きくコード長さの調整がやり辛い欠点がある。
【0006】
本発明は、コード上に於けるケースの移動が軽快に出来、且つ、左右のケース間のコード部分が柔軟に屈曲することが出来るコード長さ調整器を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成する為に、本発明は、左右に一線状に置かれたコード上に一定の上下深さを有する周壁の左側に前記コードの左側コード導出孔を備えその右側に軸間コード部の左側開口を備える周囲カバー手段と前記周囲カバー手段の上下を被う上カバーと下カバーと前記上下カバーの間に設けた左側縦軸を備える左側ケースと、前記左側ケースの右側に任意の間隔を置いて配置され一定の上下深さを有する周壁の右側に前記コードの右側コード導出孔を備えその左側に前記軸間コード部の右側開口を備える周囲カバー手段と前記周囲カバー手段の上下を被う上カバーと下カバーと前記上下カバーの間に設けた右側縦軸を備える右側ケースを設け、前記コードの間の部分を前記左側ケースの前記左側縦軸と前記右側ケースの前記右側縦軸の周りに同一方向に1巻き半に巻き掛け前記コードの左側を前記左側コード導出孔より左方に導出し、前記コードの右側を前記右側コード導出孔より右方に導出したことを特徴とするコード長さ調整器にある。
【0008】
ここで、前記上カバー及び前記下カバーは、前記周囲カバー手段の全面を覆うカバーであってもよいし、コードの食み出しを防ぐ一定幅の一定の周縁部分のみのカバーであってもよく、これらを包含するものである。
【0009】
また、前記左側ケースの前記左側縦軸の内部に左右方向に開かれた左側コード溝を設け、前記右側ケースの前記右側縦軸の内部に左右方向に開かれた右側コード溝を設け、前記コードの左側を前記軸間コード部の前記左側開口より前記左側コード溝を通して前記左側コード導出孔に導いて左方に導出し、前記コードの右側を前記軸間コード部の前記右側開口より前記右側コード溝を通して前記右側コード導出孔に導いて右方に導出したことを特徴とするコード長さ調整器にある。
【0010】
前記左側ケースの左側開口と前記右側ケースの右側開口を3本のコードの太さに適合する大きさで左右と上下の方向に略三角形の孔に形成し、3本の軸間コード部を左側開口と右側開口より三角点配置に導出したことを特徴とするコード長さ調整器にある。
【0011】
また、前記左側ケースの左側縦軸と前記右側ケースの右側縦軸の外周に上下方向重ねに1個以上のコード案内ローラーを回転自由に装着したことを特徴とするコード長さ調整器にある。
【0012】
また、前記軸間コード部の周りを覆う1個以上の着脱自在の軸間コードカバー手段を備えることを特徴とするコード長さ調整器にある。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、以上説明したように構成されるので、以下に記載されるような効果を奏する。
前記コードの間の部分を左右両ケース内の左右両縦軸の周りに同一方向に1巻き半に巻き掛けコードの左側をケースの左方に、コードの右側をケースの右方に導出し左右の両ケースの間隔を調整するようにした簡明な構造のコード長さ調整器が得られる。
【0014】
左側ケースの左側縦軸と右側ケースの右側縦軸の内部に左右方向に開かれたコード溝を設け、コードの左側を軸間コード部の左側を左側開口より左側縦軸の左側コード溝を通して左側コード導出孔に導き、コードの左側を左方に導出し、コードの右側を軸間コード部の右側開口より右側縦軸の右側コード溝を通して右側コード導出孔に真直ぐに導いて右方に導出したことによりコードの屈曲の減少とコード流れが改善され長さ調整操作が容易に出来るコード長さ調整器が得られた。
【0015】
軸間コード部を左側開口と右側開口より上下方向並びに重なるように導出したことにより該軸間コード部がカバー面に平行な方向に柔軟に屈曲出来るようになり、配線時に取り付け壁面に平行方向に柔軟に屈曲出来るコード長さ調整器が得られた。
【0016】
また、3本の軸間コード部を左側開口と右側開口より三角点配置に導出したことにより該軸間コード部があらゆる方向に柔軟に屈曲出来るようになり、配線時にあらゆる方向に柔軟に屈曲出来るコード長さ調整器が得られた。
【0017】
また、3本の軸間コード部を左側開口と右側開口より三角点配置に導出したことによりコードの流れが改善されると共に、左右両ケースの上下の厚さを薄くすることが出来た。
【0018】
また、コードを2つの縦軸に同一方向に巻き掛けたので、コードの移動抵抗が軽減されると共に、コードの芯線の傷みが軽減された。
【0019】
また、コードを巻き掛ける縦軸にコードの接触面に適合してコード案内ローラーを設けたことにより、該縦軸周りにおけるコードの移動が円滑になり、ケース側に対するコードの引き込みと引き出しがより円滑に行われるコードの長さ調整器が得られた。
【0020】
また、軸間コードカバー手段を必要に応じて任意の形態で、任意の数、任意の間隔で設けることが出来るので、ケース全体をあらゆる向きに屈曲させるなどの柔軟性のあるコード長さ調整器が得られた。
【0021】
また、軸間コードカバー手段により複数本のコードを確り結束すると共に、コードの移動を止めることが出来るので、ケースの移動によるコードの張りの緩みを抑えることが出来た。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】は本発明の実施例を示すコード長さ調整器の正面図
【
図4】は同コード長さ調整器の左側ケース及び右側ケースの上カバー側を外してケース内部を示す図
【
図5】は同コード長さ調整器のケースの正面側の周壁の一部を破断して内部を示す部分破断正面図
【
図6】は
図2における6-6断面の断面図で拡大して示す図
【
図7】は
図1における7-7断面の断面図で拡大して示す図
【
図8】は左側ケースに対し右側ケースを90度左回りに屈曲させた状態を示す平面図
【
図9】は本発明の他の実施例を示すコード長さ調整器の正面図
【
図11】は
図9の実施例に示すコード長さ調整器の左側ケース及び右側ケースの上カバー側を外してケース内部を示す図
【
図12】は
図9示すコード長さ調整器のケースの正面側の周壁の一部を破断して内部を示す部分破断正面図
【
図13】は
図10における13-13断面の断面図で拡大して示す図
【
図14】は
図10における14-14断面の断面図で拡大して示す図
【
図15】は
図9における15-15断面の断面図で拡大して示す図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
図1~
図8は、コード長さ調整器の一実施例を示す。
図4にコード長さ調整器10の左側ケース9aの上カバー6a側及び右側ケース9bの上カバー6b側を共に外して左右両ケースの内部を示している。
【0024】
左側ケース9aは、コード1の太さの3倍より少し高い上下高さ(上下深さ)を有し、その左側にコード1の左側コード導出孔2aを備えその右側に軸間コード部3の左側開孔4aを備える周囲カバー手段5aと該周囲カバー手段5aの上側を被う上カバー6aと、該周囲カバー手段5aの下側を被う下カバー7aを備えている。この実施例では、周囲カバー手段5aはその上下方向の高さの中間の位置で上カバー6a側と下カバー7a側とに嵌め外し可能に2分割されている。
【0025】
軸間コード部3の左側開孔4aは
図7に示すように、コードの太さに適合する大きさで上下方向に仕切りにより上中下の三段に区切られた形の孔になっている。
上カバー6aと下カバー7aの間の略中央位置に、上カバー6aと下カバー7aの両側から各々筒状に上下の中間位置まで内部へ突出する左側縦軸8aが形成されている。該左側縦軸8aの外周には、コードの接触位置に略合致するようにした上下幅の5個のコード案内ローラー11aが回転自由に装着されている。
【0026】
右側ケース9bは該左側ケース9aと形状も構造も同一であり、左側ケース9aと対称の形に配置されるものであるから、同一の符号にbの添え符号を付して示すに留めその説明を省略する。
【0027】
左右に伸びるコード1の右側は右側ケース9bの右側コード導出孔2bより該右側ケース9b内に入り、右側縦軸8bのコード案内ローラー11bの手前側に沿って左側の右側開孔4bに進み該右側開孔4bの下段の孔より左方に導出され軸間コード部3の下段のコード部を成して左方に進む。左側ケース9aの左側開孔4aに到達した下段のコード部は該左側開孔4aの下段の孔から左側ケース9a内に入り、左側縦軸部8aのコード案内ローラー11aに沿って手前側より向こう側へ右回りに回って右方の左側開孔4aに進み、該左側開孔4aの中段の孔から右方に導出され軸間コード部3の中段のコード部を成して右方に進む。
【0028】
右側ケース9bの右側開孔4bに到達した中段のコード部は該右側開孔4bの中段の孔から右側ケース9b内に入り、右側縦軸8bのコード案内ローラー11bに沿って向こう側より手前側に右回りに回って先に巻かれたコードの上側を左方の右側開孔4bに進み、該右側開孔4bの上段の孔から左方に導出され軸間コード部3の上段のコード部を成して左方に進む。左側ケース9aの左側開孔4aに到達した上段のコード部は該左側開孔4aの上段の孔から左側ケース9a内に入り、左側縦軸部8aのコード案内ローラー11bの手前側に沿って左側の左側コード導出孔2aに進み該左側コード導出孔2aよりコード1の左側が左方に導出される。
【0029】
このようにして、コード1はその間の部分を左側縦軸部8a側と右側縦軸部8b側の周りに右側から下段側より上段側へ上下方向並びに同一方向に1巻き半に巻き掛けられて左右の両ケース間に保持される。このように、左右側のケース9a、9bは左右に伸びる一本の線状のコード1の間の位置に一体に連結されることなく間隔を置いて独立に取り付けられる。
【0030】
そこで、軸間コード部3の部分より軸間コードカバー手段12を取り外して、左右のケースの左右の側に導出されているコード1の両端を左右方向に引っ張って広げるなり、左右の両ケース自体を左右方向に開くなりの操作をすることで、コードの全長を調整することができる。
【0031】
例えば、
図2に於いて、該コード長さ調整器10の左側ケース9a側のコード1を該左側ケース9aより矢印40のように左方に20cm引き出すと、右側ケース9は矢印20のように左方に10cm左側ケース9a側に接近する。右側ケース9b側のコード1を該右側ケース9bより矢印50のように右方に20cm引き出すと、左側ケース9aは矢印25のように右方に10cm右側ケース9b側に接近する。即ち、コード1の左右の側を40cm引き出して全長を40cm引き伸ばすと、左右側のケース9a、9bは20cm接近して軸間コード部3は20cm短くなる。これとは逆に、左右側のケース9a、9bの間隔を20cm広げて軸間コード部3の長さを20cm伸ばすことで、コード1の全長は40cm短くすることが出来る。
【0032】
この実施例では、軸間コード部3の中央の位置に、軸間コードカバー手段12が装着されている。該軸間コードカバー手段12により縦に3本のコードが上下(縦)方向に確り結束される。該軸間コードカバー手段12は周囲の一部が切開されており、軸間コード部3に脱着自在である。軸間コードカバー手段12はコードの移動を止めることが出来る。これにより、ケースの移動によるコードの張りの緩みを抑えることが出来る。
【0033】
図9~
図15に、コード長さ調整器の他の実施例を示す。
図11にコード長さ調整器15の左側ケース9cの上カバー6c側及び右側ケース9dの上カバー6d側を共に外して左右両ケースの内部を示している。
【0034】
左側ケース9cは、コード1の太さの2倍より少し高い上下高さ(上下深さ)を有し、その左側にコード1の左側コード導出孔2cを備えその右側に軸間コード部3hの左側開孔4cを備える周囲カバー手段5cと該周囲カバー手段5cの上側を被う上カバー6cと、該周囲カバー手段5cの下側を被う下カバー7cを備えている。この実施例では、周囲カバー手段5cはその上下方向の高さの中間の位置で上カバー6c側と下カバー7c側とに嵌め外し可能に2分割されている。
【0035】
軸間コード部3hの左側開孔4cは
図15に示すように、3本のコードの太さに適合する大きさで左右と上下の方向に略三角形に形成された孔になっている。
上カバー6cと下カバー7cの間の略中央位置に、上カバー6cと下カバー7cの両側から各々筒状に高さの中間位置まで上下方へ突出した左側縦軸8cが形成されている。ここで、下カバー7cの側から上方へ突出する筒状部分の中心位置に左右方向に切開された左側コード通溝13cが設けられている。該左側コード溝13cはコード1が通るに十分の幅と深さを有する。一方上カバー6cの側から下方へ突出する筒状部分の側にはコード通溝は設けられていない。そして、この側の外周には、左側縦軸8cの上下全高さの半分の幅のコード案内ローラー11cが回転自由に装着されている。
【0036】
右側ケース9dは左側ケース9cと形状も構造も略同一であり、左側ケース9cと対称の形に配置されるものであるから、同一の符号にdの添え符号を付して示すに留めその説明を省略し、異なる部分について以下に説明する。
右側ケース9dの上カバー6dと下カバー7dの間の略中央位置には、前例同様に上カバー6dと下カバー7dの両側から各々筒状に周囲カバー手段5cの高さの中間の位置まで上下方へ突出した右側縦軸8dが形成されている。ここで左側ケース9cと異なるところは、上カバー6dの側から下方へ突出する筒状部分の中心位置に、左右方向に切開された右側コード通溝13dが設けられている。また、該右側縦軸8dの外周には、下カバー7d側から上方へ筒状に突出する部分の側に該右側縦軸8dの上下高さの半分の幅のコード案内ローラー11dが回転自由に装着されている。
【0037】
左右に伸びるコード1の左側は左側ケース9cの左側コード導出孔2cより該左側ケース9c内に入り、左側縦軸8cの中の左側コード通溝13cを通って下カバー7cの内面に沿って略真直ぐに右側の左側開孔4cに進み、該左側開孔4cの下段手前側の孔より右方に導出され軸間コード部3hの下段手前のコード部を成して右方に進む。右側ケース9dの右側開孔4dに到達した下段手前のコード部は該右側開孔4dの下段手前の孔から右側ケース9d内に入り、右側縦軸部8dのコード案内ローラー11dに沿って手前側より向こう側へ左回りに回って左方の右側開孔4dに進み、該右側開孔4dの下段向こう側の孔より左方に導出され軸間コード部3hの下段向こう側のコード部を成して左方に進む。
【0038】
左側ケース9cの左側開孔4cに到達した下段向こう側のコード部は該左側開孔4cの下段向こう側の孔から左側ケース9c内に入り、左側縦軸8cのコード案内ローラー11cに沿って向こう側より手前側に左回りに回り、先に左側コード導出孔2cより入り左側縦軸8cの中の左側コード通溝13cを通るコード1の上側を通って左回りに回って右方の左側開孔4cに進み、該左側開孔4cの上段中央の孔から右方に導出され、軸間コード部3hの上段中央のコード部を成して右方に進む。右側ケース9dの右側開孔4dに到達した上段中央のコード部は該右側開孔4dの上段中央の孔から右側ケース9d内に入り、右側縦軸部8dのコード案内ローラー11dの上側の右側コード溝13dを通って右側の右側コード導出孔2dに向かって真直ぐに進み、該右側コード導出孔2dよりコード1の右側が右方に導出される。
【0039】
このようにして、コード1はその間の部分を左側縦軸部8c側と右側縦軸部8d側の周りに右側より下段側より上段側へ上下方向並びに左回りの同一方向に1巻き半に巻き掛けられて左右の両ケース間に保持される。このように、左右側のケース9c、9dは左右に伸びる一本の線状のコード1の間の位置に一体に連結されることなく間隔を置いて独立に取り付けられる。
【0040】
そこで、軸間コード部3hの部分より軸間コードカバー手段12hを取り外して、左右のケースの左右の側に導出されているコード1の両端を左右方向に引っ張って広げるなり、左右の両ケース自体を左右方向に開くなりの操作をすることで、コードの全長を調整することができる。その長さ調整の操作は前例の
図2に於ける説明の通りである。
【符号の説明】
【0041】
1------------コード
2a、2c-----------左側コード導出孔
2b、2d-----------右側コード導出孔
3、3h------------軸間コード部
4a、4c-----------左側開口
4b、4d-----------右側開口
5a、5c-----------周囲カバー手段
5b、5d-----------周囲カバー手段
6a、6c-----------上カバー
6b、6d-----------上カバー
7a、7c-----------下カバー
7b、7d-----------下カバー
8a、8c-----------左側縦軸
8b、8d-----------右側縦軸
9a、9c-----------左側ケース
9b、9d-----------右側ケース
10、15-----------コード長さ調整器
11a、11b、11c、11d-----コード案内ローラー
12、12h-----------軸間コードカバー手段
13c -----------左側コード溝
13d------------右側コード溝
20、25、40、50--------矢印