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特開2023-16558ブロック舗装方法、ブロック舗装構造及び舗装用ブロック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023016558
(43)【公開日】2023-02-02
(54)【発明の名称】ブロック舗装方法、ブロック舗装構造及び舗装用ブロック
(51)【国際特許分類】
   E01C 5/00 20060101AFI20230126BHJP
   E01C 5/16 20060101ALI20230126BHJP
   E01C 5/20 20060101ALI20230126BHJP
   E01C 3/00 20060101ALI20230126BHJP
   E01C 5/02 20060101ALN20230126BHJP
【FI】
E01C5/00
E01C5/16
E01C5/20
E01C3/00
E01C5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021120962
(22)【出願日】2021-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】395011285
【氏名又は名称】株式会社津田ペイブトンテクニック
(74)【代理人】
【識別番号】100080838
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 光康
(74)【代理人】
【識別番号】100194261
【弁理士】
【氏名又は名称】栢原 崇行
(72)【発明者】
【氏名】津田 外喜弘
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 晢一
(72)【発明者】
【氏名】津田 寿
【テーマコード(参考)】
2D051
【Fターム(参考)】
2D051AA02
2D051AC04
2D051AF01
2D051AF07
2D051AF11
2D051AG11
2D051AH02
2D051DA01
(57)【要約】
【課題】 泥による目詰まりを極力抑え、水溜りの発生を防止することにより透水持続期間を長くすることができ、表面に泥汚れが生じることを防止できるとともに、メンテナンスが容易なブロック舗装方法、ブロック舗装構造及び舗装用ブロックを提供すること。
【解決手段】フィルター層の上部に路盤層を形成する路盤層形成工程と、前記路盤層を形成した後に、前記路盤層の上部にサンドクッション層を形成するサンドクッション層形成工程と、このサンドクッション層形成工程後に、前記サンドクッション層の上部にベース板と、該ベース板の上面から上方に立設された目地板を有する強化板を複数個用いて複数個の舗装用ブロックを敷設するブロック敷設工程とで構成され、前記舗装用ブロックは、その上面から下面まで連通し、かつ、泥水を前記舗装用ブロックの下面側へ浸透させることが可能な泥水浸透孔が多数形成されており、前記複数個の舗装用ブロックの間の目地部に目地砂を充填しないことを特徴とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルター層の上部に路盤層を形成する路盤層形成工程と、次に前記路盤層の上部にサンドクッション層を形成するサンドクッション層形成工程と、次に前記サンドクッション層の上部にベース板と、該ベース板の上面から目地板を有する強化板を複数個用いて複数個の舗装用ブロックを敷設するブロック敷設工程とで構成され、前記舗装用ブロックは、その上面から下面まで連通し、かつ、泥水を前記舗装用ブロックの下面側へ浸透させることが可能な泥水浸透孔が多数形成されており、前記複数個の舗装用ブロックの間の目地部に目地砂を充填しないブロック舗装方法。
【請求項2】
前記舗装用ブロックの泥水浸透孔は75μm乃至7mmの大きさに形成されていることを特徴とする請求項1に記載のブロック舗装方法。
【請求項3】
フィルター層と、該フィルター層の上部に形成された路盤層と、該路盤層の上部に形成されたサンドクッション層と、該サンドクッション層の上面に配置された複数個の舗装用ブロックと、複数個の舗装用ブロック間にそれぞれ設けられた複数個の強化板とで構成され、
前記舗装用ブロックは、その上面から下面まで連通し、かつ、泥水を前記舗装用ブロックの下面側へ浸透させることが可能な泥水浸透孔が多数形成されており、前記複数個の舗装用ブロックの間の目地部に目地砂を充填しないブロック舗装構造。
【請求項4】
前記舗装用ブロックの泥水浸透孔は75μm乃至7mmの大きさに形成されていることを特徴とする請求項3に記載のブロック舗装構造。
【請求項5】
ブロック舗装を行う際に用いられる舗装用ブロックであって、
前記舗装用ブロックは、舗装用ブロック本体と、前記舗装用ブロック本体の上面から下面まで連通し、かつ、泥水を前記舗装用ブロック本体の下面側へ浸透させることが可能な泥水浸透孔が多数形成されている舗装用ブロック。
【請求項6】
前記舗装用ブロックの泥水浸透孔は75μm乃至7mmの大きさに形成されていることを特徴とする請求項5に記載の舗装用ブロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は道路等を舗装するブロック舗装方法、ブロック舗装構造及びブ舗装用ブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
透水性ブロック舗装の主目的は、ブロック舗装の雨水による水溜りの防止である。例えば車いす利用者への配慮として、歩道の排水勾配をゆるく設計する場合、水はけが悪くなり水溜りが起きる。この水溜まりを防ぐために、ブロック表面に透水孔を設け、雨水を地中に浸透させるのが透水性ブロック舗装である。
【0003】
このようなブロック舗装方法としては、例えば「路盤層を形成した後、該路盤層の上部にサンドクッション層を形成する路盤形成工程と、この路盤形成工程後にサンドクッション層の上部に左右のブロックの底面に位置するベース板および該ベース板に設けた左右のブロック間に位置する目地板とからなる強化板を用いてブロックを敷設するブロック敷設工程と、このブロック敷設工程と同時あるいは後で、敷設されたブロック間の目地部に目地砂を充填する目地砂充填工程とを含むことを特徴とするブロック舗装方法」が知られている(特許文献1)。
【0004】
しかしながら、上記構成に於いては、供用中、舗装用ブロックの透水孔が泥詰まりを起こし、その結果、透水孔の機能を十分に果たすことができず、或いは透水しなくなって水溜りが起き、それ故に、泥が舗装用ブロックの表面に溜まり、汚れてしまうおそれがあった。
【0005】
また、このようなブロック舗装方法では、目地砂が用いられている。目地砂を目地に充填させる作業中に、舗装用ブロックの表面の透水孔を目地砂で塞いでしまうので、雨水の入口を狭くし、供用中、そこに泥が溜まり目詰まりを起こして透水しなくなる。すなわち、目地砂が、いわば悪さをして、透水持続期間を短くし、早期に水溜まり現象を起こすという欠点があった。
【0006】
透水性舗装は、上記の理由から、大なり小なりいずれ必ず目詰まりして水溜りが起きる。その結果、この水溜り箇所だけを補修することが出来ず、補修費が高価という問題を有している。
【0007】
付言すると、透水の回復工事は、透水孔の入口に溜まった泥を除去して行われるため、その箇所は、泥を除去しない周り等に色むらを起こし、景観を損ねる。そのため、本来、水溜りの局部補修でよいところを、色むらを避けるために全面補修しなければならず、補修費が割高となるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9-53201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、泥による目詰まりを極力抑え、水溜りの発生を防止することにより透水持続期間を長くすることができ、表面に泥汚れが生じることを防止できるとともに、メンテナンスが容易なブロック舗装方法、ブロック舗装構造及び舗装用ブロックを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載のブロック舗装方法は、フィルター層の上部に路盤層を形成する路盤層形成工程と、次に前記路盤層の上部にサンドクッション層を形成するサンドクッション層形成工程と、次に前記サンドクッション層の上部にベース板と、該ベース板の上面から目地板を有する強化板を複数個用いて複数個の舗装用ブロックを敷設するブロック敷設工程とで構成され、前記舗装用ブロックは、その上面から下面まで連通し、かつ、泥水を前記舗装用ブロックの下面側へ浸透させることが可能な泥水浸透孔が多数形成されており、前記複数個の舗装用ブロックの間の目地部に目地砂を充填しないことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の前記舗装用ブロックの泥水浸透孔は75μm乃至7mmの大きさに形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載のブロック舗装構造はフィルター層と、該フィルター層の上部に形成された路盤層と、該路盤層の上部に形成されたサンドクッション層と、該サンドクッション層の上面に配置された複数個の舗装用ブロックと、複数個の舗装用ブロック間にそれぞれ設けられた複数個の強化板とで構成され、前記舗装用ブロックは、その上面から下面まで連通し、かつ、泥水を前記舗装用ブロックの下面側へ浸透させることが可能な泥水浸透孔が多数形成されており、前記複数個の舗装用ブロックの間の目地部に目地砂を充填しないことを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の前記舗装用ブロックの泥水浸透孔は75μm乃至7mmの大きさに形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の舗装用ブロックは、ブロック舗装を行う際に用いられる舗装用ブロックであって、前記舗装用ブロックは、舗装用ブロック本体と、前記舗装用ブロック本体の上面から下面まで連通し、かつ、泥水を前記舗装用ブロック本体の下面側へ浸透させることが可能な泥水浸透孔が多数形成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の前記舗装用ブロックの泥水浸透孔は75μm乃至7mmの大きさに形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1、請求項3及び請求項5に記載された各発明においては、舗装用ブロック本体の上面から下面まで連通し、かつ、泥水を前記舗装用ブロックの下面側へ浸透させることが可能な泥水浸透孔が多数形成されている舗装用ブロックを用いているので、泥水に含まれる泥や砂が舗装用ブロックの表面に溜まり、舗装用ブロックが目詰まりすることを防止することができる。したがって、確実に雨水をサンドクッション層等へ浸透させることができる。
(2)舗装用ブロック間の目地部に目地砂を用いずに強化板を用いることによって舗装用ブロックを敷設しているので、目地砂充填工程を省略することができる。
したがって、目地砂が舗装用ブロックの表面の泥水浸透孔に詰まり、泥水や雨水の浸透を妨害することを確実に防止することができる。
(3)目地砂を充填しないことにより、より効率よく雨水等をサンドクッション層等へ浸透させることができる。
(4)請求項2、請求項4及び請求項6に記載された各発明においては、前記(1)~(3)と同様の効果を得られるとともに、泥水を効率よく浸透させることができ、かつ、歩行者等も安全に舗装用ブロックの上を通行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1乃至図10は本発明の第1の実施形態を示す説明図である。
図11乃至図13は本発明の第2の実施形態を示す説明図である。
図14乃至図16は本発明の第3の実施形態を示す説明図である。
図1】第1実施形態のブロック舗装方法の工程図。
図2】第1実施形態のブロック舗装構造の概略断面図。
図3】路盤層形成工程の説明図。
図4】サンドクッション層形成工程の説明図。
図5】ブロック敷設工程の説明図。
図6】強化板の説明図。
図7】第1実施形態の舗装用ブロックの概略を示す縦断面図。
図8】雨水の流れを示す説明図。
図9】泥水が一定量蓄積された後の雨水の流れを示す説明図。
図10】泥水が舗装用ブロック全体に蓄積された後の雨水の流れを示す説明図。
図11】第2実施形態のブロック舗装方法の工程図。
図12】第2実施形態のブロック舗装構造の概略断面図。
図13】第2実施形態の舗装用ブロックの縦断面図。
図14】第3実施形態のブロック舗装方法の工程図。
図15】第3実施形態のブロック舗装構造の概略断面図。
図16】第3実施形態の舗装用ブロックの縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
【0019】
図1乃至図10に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は道路等を舗装する際に用いられるブロック舗装方法である。
このブロック舗装方法1は、図1図2等で示すように、フィルター層2の上部に路盤層3を形成する路盤層形成工程4と、前記路盤層3を形成した後に、前記路盤層3の上部にサンドクッション層5を形成するサンドクッション層形成工程6と、このサンドクッション層形成工程6の後に、前記サンドクッション層5の上部にベース板7と、該ベース板7の上面から、例えば上方に立設された目地板8を有するブロック舗装用の強化板9を複数個用いて複数個の舗装用ブロック10を敷設するブロック敷設工程11とで構成されている。
【0020】
また、このような工程を経て形成された本発明のブロック舗装構造15は、図2に示すように、フィルター層2と、該フィルター層2の上部に形成された路盤層3と、該路盤層3の上部に形成されたサンドクッション層5と、該サンドクッション層5の上面に略水平方向(緩やかな傾斜方向も含む)に配置された複数個の舗装用ブロック10と、前記複数個の舗装用ブロック10間であって、かつ、隣同士の舗装用ブロック10の下面の一部を支える強化板9とで構成されている。
【0021】
路盤層形成工程4は、例えば図3に示すように、路床や路体の上部に砂等で形成されたフィルター層2の上部に路盤層3を形成する工程である。
この路盤層3は、本実施形態においては、インターロッキングブロック舗装の際に用いられる岩石または玉石をクラッシャで割っただけで篩い分けをしていない砕石(クラッシャラン)を用いて形成される。
【0022】
サンドクッション層形成工程6は、例えば図4に示すように、路盤層3の上部にブロック舗装用敷砂によりサンドクッション層5を形成する。ところで、このサンドクッション層5と路盤層3との間に透水性シート等を設けてもよい。
ブロック敷設工程11は、例えば図5に示すように、本実施形態においては、このサンドクッション層5の上部に複数個の強化板9を用いて透水性を有する本発明の舗装用ブロック10を複数個敷設する工程である。
【0023】
この強化板9は、金属、樹脂等で形成されており、本実施形態では樹脂製で、図6に示すように、サンドクッション層5の上面に載置され、舗装用ブロック10がその上面に載置される略矩形板状のベース板7と、このベース板7の上面に立設された単数又は複数個の目地板8とで構成されている。舗装用ブロック10は、この強化板9の目地板8を介してベース板7の左右にそれぞれ載置されて敷設される。
【0024】
ところで、本実施形態では、目地板8は、平面視十字状の中央目地板8aと、この中央目地板8aの延長線上に配置された複数個の平面視長方形状の端部目地板8bとで構成されており、舗装用ブロック10の角部が平面視十字状の中央目地板8aの角部に当接状態となるとともに、目地板8に周囲が当接する状態で設けられる。
【0025】
舗装用ブロック10は、例えば図7に示すように、本実施形態では砂利、砕石、砂等の骨材12を結合させて直方体等のブロック状に形成した舗装用ブロック本体13と、舗装用ブロック本体13の上面13aから下面13bまで連通し、かつ、泥水を舗装用ブロック本体13の下面側へ浸透させることが可能な泥水浸透孔14が多数形成されている。
【0026】
この泥水浸透孔14は、その大きさが75μm乃至7mmとなるように形成されている。泥水浸透孔14が真円に近い形状である場合には、直径がこの範囲内となっていればよい。泥水浸透孔14が楕円や多角形、その他の形状の場合には、それぞれの泥水浸透孔14の最も狭い部分が75μm以上、最も広い部分が7mm以下となるように形成されている。
【0027】
泥水浸透孔14の最も狭い部分を75μm以上とすることにより、泥水ないの泥を容易に下方へ浸透させることができるとともに、泥水浸透孔14の最も広い部分を7mm以下とすることで、ハイヒールのヒール等が挟まることを確実に防止することができる。
付言すると、本実施形態では、泥水浸透孔14は骨材12間の空隙で形成しており、骨材12同士の間隙を泥水が通過できる程度の隙間に形成することで泥水浸透孔14としている。
【0028】
このような泥水浸透孔14を有することにより、図8に示すように、雨水だけでなく泥水も舗装用ブロック10の下面側へ浸透させることができる。舗装用ブロック10の底面側にはサンドクッション層5が配置されており、このサンドクッション層5へ流入できない泥は徐々に舗装用ブロック10の内部に下方から蓄積される。泥水を舗装用ブロック10の内部に浸透させることができ、かつ舗装用ブロック10の内部にある程度泥水を蓄積させることができるため、目地部16へ流入する泥水(泥)を最低限にすることができ、目地部16が目詰まりすることを防止することができる。
【0029】
さらに、舗装用ブロック10の内部にある程度泥が蓄積した状態においても、図9に示すように、泥水による舗装用ブロック10の変色や、泥水によって目詰まりすることによる透水量の低下等を防止することができる。そのため、長期間交換や修復工事を行う必要がなく、メンテナンスコストを低減させることができる。なお、舗装用ブロック10の内部を通じて目地部16に流入する雨水に含まれる泥は、舗装用ブロック10の骨材12によりある程度濾過され、目地部16への泥の流入量を抑制することができる。
【0030】
また、本発明においては、複数個の舗装用ブロック10の間の目地部16には目地砂を充填せずに舗装用ブロック10の敷設を行う。これにより、目地砂が泥水浸透孔14に詰まり、透水持続期間を短くし、早期に水溜まり現象を起こすという問題を解決することができる。
【0031】
長期間の使用により泥水の泥が蓄積し、舗装用ブロック10に変色が生じた場合であっても、変色が生じた舗装用ブロック10のみを交換又は泥を取り除く作業を行うことにより、景観を回復させることができる。なお、舗装用ブロック10に泥が蓄積した場合であっても、図10に示すように、舗装用ブロック10の間の目地部16に目地砂を充填していないため、雨水を一定量透水させることができる。
【0032】
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図12乃至図17に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図12乃至図14に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、舗装用ブロック本体13Aに平面視略真円状で、舗装用ブロック本体13Aの上面から下面まで貫通する泥水浸透孔14Aを多数設けた舗装用ブロック10Aとし、この舗装用ブロック10Aを用いてブロック敷設工程11Aを行うブロック舗装方法1A及びブロック舗装構造15Aにした点で、このような構成にしても前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0033】
なお、本実施形態では、舗装用ブロック本体13Aに泥水浸透孔14Aを穿孔するため、舗装用ブロック本体13A自体は透水性を有さない天然石、樹脂、金属材料、セラミック等の材質を用いてもよい。
【0034】
図15乃至図17に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第2の形態と主に異なる点は、舗装用ブロック本体13Aに平面視略真円状で、舗装用ブロック本体13Aの上面から下面まで貫通し、上面の開口部よりも下面の開口部が大径となる泥水浸透孔14Bを多数設けた舗装用ブロック10Bとし、この舗装用ブロック10Bを用いてブロック敷設工程11Bを行うブロック舗装方法1B及びブロック舗装構造15Bにした点で、このような構成にしても前記本発明を実施するための第2の形態と同様な作用効果が得られる。
【0035】
本実施形態では泥水浸透孔14Bの上面の開口(小さい方の開口)の直径が75μm乃至7mmに形成されていればよく、下面側の開口の直径は7mmを超えるものであってもよい。
【0036】
また、本実施形態の泥水浸透孔14Bは、上部から小径部、テーパー部、大径部となるように形成されているが、泥水浸透孔14Bの全体として上部から下部にかけて大径となるテーパー孔のように形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明はブロック舗装を行う産業で利用される。
【符号の説明】
【0038】
1、1A、1B:ブロック舗装方法、 2:フィルター層、
3:路盤層、 4:路盤層形成工程、
5:サンドクッション層、 6:サンドクッション層形成工程、
7:ベース板、 8:目地板、
9:強化板、
10、10A、10B:舗装用ブロック、
11、11A、11B:ブロック敷設工程、
12:骨材、 13、13A:舗装用ブロック本体、
14、14A、14B:泥水浸透孔、
15、15A、15B:ブロック舗装構造、
16:目地部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16