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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165599
(43)【公開日】2023-11-16
(54)【発明の名称】コイル部品
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/29 20060101AFI20231109BHJP
   H01F 27/00 20060101ALI20231109BHJP
   H01F 17/00 20060101ALI20231109BHJP
   H01F 17/04 20060101ALI20231109BHJP
【FI】
H01F27/29 123
H01F27/29 P
H01F27/00 R
H01F17/00 D
H01F17/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001597
(22)【出願日】2023-01-10
(31)【優先権主張番号】10-2022-0055596
(32)【優先日】2022-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユーン、チャン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ドン フワン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ドン ジン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ボウム セオック
【テーマコード(参考)】
5E070
【Fターム(参考)】
5E070AB03
5E070CB13
5E070CB17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高い性能と基板等に実装する際にショート不良が低減できるコイル部品を提供する。
【解決手段】コイル部品100は、第1方向Xに垂直に配置された第1面S1及び第2面S2と、第2方向Yに垂直に配置された第3面S3及び第4面S4を含む本体110と、第1巻回部並びに第1巻回部の両端に連結された第1、第2延長部を含む第1コイル部C1と、第1巻回部に第2方向に隣接する第2巻回部、並びに第2巻回部の両端に連結された第3、第4延長部を含む第2コイル部C2と、第1、第2延長部それぞれに連結された第1、第2外部電極411、412と、第3、第4延長部と夫々連結された第3、第4外部電極421、422を含む。第1、第3延長部は、第1面に露出した第1、第3引出部を含む。第2、第4延長部は、第2面に露出した第2、第4引出部を含む。第1、第2引出部は、第2方向にシフトする。第3、第4引出部は第2方向にシフトする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向しながら第1方向に垂直に配置された第1面及び第2面と、前記第1面及び第2面と連結され、互いに対向しながら第2方向に垂直に配置された第3面及び第4面を含む本体と、
前記本体内に配置され、第1巻回部、並びに前記第1巻回部の一端及び他端とそれぞれ連結された第1及び第2延長部を含む第1コイル部と、
前記本体内に配置され、前記第1巻回部に前記第2方向に隣接して配置された第2巻回部、並びに前記第2巻回部の一端及び他端とそれぞれ連結された第3及び第4延長部を含む第2コイル部と、
前記本体に配置され、前記第1及び第2延長部とそれぞれ連結された第1及び第2外部電極と、
前記本体に配置され、前記第3及び第4延長部とそれぞれ連結された第3及び第4外部電極と、を含み、
前記第1及び第3延長部は、前記第1面に露出した第1及び第3引出部をそれぞれ含み、
前記第2及び第4延長部は、前記第2面に露出した第2及び第4引出部をそれぞれ含み、
前記第1及び第2引出部は互いに前記第2方向にシフトされ、
前記第3及び第4引出部は互いに前記第2方向にシフトされた、コイル部品。
【請求項2】
前記第1及び第3外部電極は、前記第1面から前記第2面まで延びる形態であり、
前記第2及び第4外部電極は、前記第2面から前記第1面まで延びる形態である、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記第1~第4外部電極はバンド形状である、請求項2に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記第1~第4外部電極は、前記第2方向に順次に配列された、請求項2に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記第1及び第2外部電極間の間隔は、前記第2及び第3外部電極間の間隔より小さい、請求項4に記載のコイル部品。
【請求項6】
前記本体は、前記第1面~前記第4面と連結され、互いに対向しながら第3方向に垂直に配置された第5面及び第6面をさらに含み、
前記第1方向~前記第3方向は互いに垂直である、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項7】
前記第1巻回部及び前記第2巻回部の巻軸は、前記第3方向に平行である、請求項6に記載のコイル部品。
【請求項8】
前記本体の第1面及び第2面間の間隔は、前記第5面及び第6面間の間隔より大きい、請求項6に記載のコイル部品。
【請求項9】
前記本体の第3面及び第4面間の間隔は、前記第5面及び第6面間の間隔より大きい、請求項8に記載のコイル部品。
【請求項10】
前記第1延長部は、前記第2巻回部の外側面に沿って巻回された領域を含む、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項11】
前記第1延長部において前記第2巻回部の外側面に沿って巻回された領域は、前記第2巻回部と前記第3延長部との間に配置された、請求項10に記載のコイル部品。
【請求項12】
前記第3延長部は、前記第1巻回部の外側面に沿って巻回された領域を含む、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項13】
前記第3延長部において前記第1巻回部の外側面に沿って巻回された領域は、前記第1巻回部と前記第1延長部との間に配置された、請求項12に記載のコイル部品。
【請求項14】
互いに対向しながら第1方向に垂直に配置された第1面及び第2面と、前記第1面及び第2面と連結され、互いに対向しながら第2方向に垂直に配置された第3面及び第4面を含む本体と、
前記本体内に配置され、第1巻回部、並びに前記第1巻回部の一端及び他端とそれぞれ連結された第1及び第2延長部を含む第1コイル部と、
前記本体内に配置され、前記第1巻回部に前記第2方向に隣接して配置された第2巻回部、並びに前記第2巻回部の一端及び他端とそれぞれ連結された第3及び第4延長部を含む第2コイル部と、
前記本体に配置され、前記第1及び第2延長部とそれぞれ連結された第1及び第2外部電極と、
前記本体に配置され、前記第3及び第4延長部とそれぞれ連結された第3及び第4外部電極と、を含み、
前記第1~第4外部電極はバンド形状である、コイル部品。
【請求項15】
前記第1~第4外部電極は、前記第2方向に順次に配列された、請求項14に記載のコイル部品。
【請求項16】
前記第1及び第2外部電極間の間隔は、前記第2及び第3外部電極間の間隔より小さい、請求項15に記載のコイル部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコイル部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルTV、モバイルフォン、ノートパソコン等のような電子機器の小型化及び薄型化に伴い、このような電子機器に適用されるコイル部品にも小型化及び薄型化が求められており、このような要求に応えるために様々な形態の巻線型又は薄膜型のコイル部品に対する研究開発が活発に行われている。
【0003】
コイル部品の小型化及び薄型化に伴う主なイシューは、このような小型化及び薄型化にもかかわらず、従来と同等の特性を実現することである。このような要求を満たすためには、磁性物質が充填されるコアにおいて、磁性物質の割合を増加させなければならないが、インダクタ本体の強度、絶縁性による周波数特性の変化などの理由により、その割合を増加させることに限界がある。
【0004】
一方、最近、コイル部品の実装面積を減らすことができる利点を有するアレイ形態の部品に対する需要が増加している。このようなアレイ形態のコイル部品は、複数個のコイル部間の結合係数又は相互インダクタンスに応じて、非結合(Noncoupled)又は結合(Coupled)インダクタ形態、あるいは上記形態の混合形態を有することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的の一つは、高い性能を有することができ、基板等に実装する際にショート不良が低減できるコイル部品を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するための方法として、本発明は、一例を挙げてコイル部品の新規な構造を提案し、具体的に、互いに対向しながら第1方向に垂直に配置された第1面及び第2面と、上記第1面及び第2面と連結され、互いに対向しながら第2方向に垂直に配置された第3面及び第4面を含む本体と、上記本体内に配置され、第1巻回部、並びに上記第1巻回部の一端及び他端とそれぞれ連結された第1及び第2延長部を含む第1コイル部と、上記本体内に配置され、上記第1巻回部に上記第2方向に隣接して配置された第2巻回部、並びに上記第2巻回部の一端及び他端とそれぞれ連結された第3及び第4延長部を含む第2コイル部と、上記本体に配置され、上記第1及び第2延長部とそれぞれ連結された第1及び第2外部電極と、上記本体に配置され、上記第3及び第4延長部とそれぞれ連結された第3及び第4外部電極と、を含み、上記第1及び第3延長部は、上記第1面に露出した第1及び第3引出部をそれぞれ含み、上記第2及び第4延長部は、上記第2面に露出した第2及び第4引出部をそれぞれ含み、上記第1及び第2引出部は互いに上記第2方向にシフトされ、上記第3及び第4引出部は互いに上記第2方向にシフトされた形態である。
【0007】
一実施形態において、上記第1及び第3外部電極は、上記第1面から上記第2面まで延びる形態であり、上記第2及び第4外部電極は、上記第2面から上記第1面まで延びる形態であることができる。
【0008】
一実施形態において、上記第1~第4外部電極はバンド形状であってもよい。
【0009】
一実施形態において、上記第1~第4外部電極は、上記第2方向に順次に配置されることができる。
【0010】
一実施形態において、上記第1及び第2外部電極間の間隔は、上記第2及び第3外部電極間の間隔より小さくてもよい。
【0011】
一実施形態において、上記本体は、上記第1面~第4面と連結され、互いに対向しながら第3方向に垂直に配置された第5面及び第6面をさらに含み、上記第1~第3方向は互いに垂直であってもよい。
【0012】
一実施形態において、上記第1及び第2巻回部の巻軸は、上記第3方向に平行であってもよい。
【0013】
一実施形態において、上記本体の第1面及び第2面間の間隔は、上記第5面及び第6面間の間隔より大きくてもよい。
【0014】
一実施形態において、上記本体の第3面及び第4面間の間隔は、上記第5面及び第6面間の間隔より大きくてもよい。
【0015】
一実施形態において、上記第1延長部は、上記第2巻回部の外側面に沿って巻回された領域を含むことができる。
【0016】
一実施形態において、上記第1延長部における上記第2巻回部の外側面に沿って巻回された領域は、上記第2巻回部と上記第3延長部との間に配置されることができる。
【0017】
一実施形態において、上記第3延長部は、上記第1巻回部の外側面に沿って巻回された領域を含むことができる。
【0018】
一実施形態において、上記第3延長部における上記第1巻回部の外側面に沿って巻回された領域は、上記第1巻回部と上記第1延長部との間に配置されることができる。
【0019】
本発明の他の態様は、互いに対向しながら第1方向に垂直に配置された第1面及び第2面と、上記第1面及び第2面と連結され、互いに対向しながら第2方向に垂直に配置された第3面及び第4面を含む本体と、上記本体内に配置され、第1巻回部、並びに上記第1巻回部の一端及び他端にそれぞれ連結された第1及び第2延長部を含む第1コイル部と、上記本体内に配置され、上記第1巻回部に上記第2方向に隣接して配置された第2巻回部、並びに上記第2巻回部の一端及び他端とそれぞれ連結された第3及び第4延長部を含む第2コイル部と、上記本体に配置され、上記第1及び第2延長部とそれぞれ連結された第1及び第2外部電極と、上記本体に配置され、上記第3及び第4延長部とそれぞれ連結された第3及び第4外部電極と、を含み、上記第1~第4外部電極はバンド形状のコイル部品を提供する。
【0020】
一実施形態において、上記第1~第4外部電極は、上記第2方向に順次に配置されることができる。
【0021】
一実施形態において、上記第1及び第2外部電極間の間隔は、上記第2及び第3外部電極間の間隔より小さくてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一効果として、コイル部品の特性及び信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態のコイル部品を概略的に示す透過斜視図である。
図2図1のコイル部品のうち一領域に対する断面図に該当する。
図3図1のコイル部品のうち一領域に対する断面図に該当する。
図4】第1コイル部の一例を示すものであって、第1コイル部を上部から見た平面図であり、支持部材を基準に上部コイル部に該当する。
図5】第1コイル部の一例を示すものであって、第1コイル部を上部から見た平面図であり、支持部材を基準に下部コイル部に該当する。
図6】変形例によるコイル部品を示す。
図7】変形例によるコイル部品を示す。
図8】変形例によるコイル部品を示す。
図9】変形例によるコイル部品を示す。
図10】変形例によるコイル部品を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、具体的な実施形態及び添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形することができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のために誇張されてもよく、図面上の同じ符号で示される要素は同じ要素である。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態のコイル部品を概略的に示す透過斜視図であり、図2及び図3は、図1のコイル部品のうち一領域に対する断面図に該当し、図4及び図5は、第1コイル部の一例を示す。図1図3を参照すると、本実施形態に係るコイル部品100は、本体110、第1コイル部C1、第2コイル部C2、外部電極411、412、421、422を含み、複数のコイル部C1、C2によるインダクタアレイ形態が実現される。ここで、第1コイル部C1の第1及び第2引出部221L、222L、並びに、第2コイル部C2の第3及び第4引出部321L、322Lは一方向にシフトされる。以下、本実施形態のコイル部品100を構成する主な要素について説明する。
【0026】
本体110は、その内部に第1及び第2コイル部C1、C2等が配置され、コイル部品100の全体的な外観をなすことができる。本体110は、互いに対向しながら第1方向(X方向)に垂直に配置された第1面S1及び第2面S2を含む。そして、本体110は、第3面S3及び第4面S4を含むが、第3面S3及び第4面S4は、第1面S1及び第2面S2を連結しながら第2方向(Y方向)に互いに対向する。ここで、第2方向(Y方向)は、第1方向(X方向)に垂直であってもよい。また、本体110は、第1面~第4面S1~S4と連結され、互いに対向しながら第3方向(Z方向)に垂直に配置された第5面S5及び第6面S6をさらに含むことができる。この場合、第1~第3方向(X方向、Y方向、Z方向)は互いに垂直であってもよい。本体110のサイズ条件に係り、第1面S1及び第2面S2間の間隔L1は、第5面S5及び第6面S6間の間隔より大きくてもよい。また、本体110において第3面S3及び第4面S4間の間隔L2は、第5面S5及び第6面S6間の間隔L3より大きくてもよい。後述するように、本体110のこのようなサイズ条件は、第1面S1が実装面となるようにコイル部品100を基板等に配置するのに好適であり得る。第1面S1及び第2面S2間の間隔L1は、第1方向(X方向)に測定した間隔に該当するが、第1面S1及び第2面S2は互いに完全に平行でない可能性もあるため、このような場合には、L1は第1面S1及び第2面S2の最小間隔と定義することができる。L2、L3にも同じ方式の基準を適用することができる。
【0027】
本体110は、絶縁樹脂及び磁性物質を含むことができる。具体的に、本体110は、磁性物質が絶縁樹脂に分散した磁性複合シートを一つ以上積層して形成することができる。磁性物質はフェライト又は金属磁性粉末であってもよい。フェライトは、例えば、Mg-Zn系、Mn-Zn系、Mn-Mg系、Cu-Zn系、Mg-Mn-Sr系、Ni-Zn系等のスピネル型フェライト、Ba-Zn系、Ba-Mg系、Ba-Ni系、Ba-Co系、Ba-Ni-Co系等の六方晶型フェライト類、Y系等のガーネット型フェライト及びLi系フェライトのうち少なくとも一つ以上であってもよい。金属磁性粉末は、鉄(Fe)、シリコン(Si)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)及びニッケル(Ni)からなる群から選択されたいずれか一つ以上を含むことができる。例えば、金属磁性粉末は、純鉄粉末、Fe-Si系合金粉末、Fe-Si-Al系合金粉末、Fe-Ni系合金粉末、Fe-Ni-Mo系合金粉末、Fe-Ni-Mo-Cu系合金粉末、Fe-Co系合金粉末、Fe-Ni-Co系合金粉末、Fe-Cr系合金粉末、Fe-Cr-Si系合金粉末、Fe-Si-Cu-Nb系合金粉末、Fe-Ni-Cr系合金粉末、Fe-Cr-Al系合金粉末のうち少なくとも一つ以上であってもよい。金属磁性粉末は、非晶質又は結晶質であってもよい。例えば、金属磁性粉末は、Fe-Si-B-Cr系非晶質合金粉末であってもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。フェライト及び金属磁性粉末は、それぞれ平均直径が約0.1μm~30μmであってもよいが、これに限定されるものではない。本体110は、樹脂に分散した2種類以上の磁性物質を含むことができる。ここで、磁性物質が異なる種類とは、樹脂に分散した磁性物質が平均直径、組成、結晶性及び形状のうちいずれか一つで互いに区別されることを意味する。絶縁樹脂としては、エポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、液晶結晶性ポリマー(Liquid Crystal Polymer)等を単独又は混合して含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0028】
製造方法の一例に関連して、本体110は積層工法で形成されてもよい。具体的に、本体110を製造するための単位積層体を多数個設けて、これらを第1及び第2コイル部C1、C2の上部及び下部に積層することができる。ここで、上記単位積層体は、金属などの磁性粒子と熱硬化性樹脂、バインダー及び溶剤などの有機物を混合してスラリーを製造し、上記スラリーをドクターブレード法によりキャリアフィルム(carrier film)上に数十μmの厚さで塗布した後、乾燥してシート(sheet)状に製造することができる。これにより、単位積層体は、磁性粒子がエポキシ樹脂又はポリイミド(polyimide)などの熱硬化性樹脂に分散した形態で製造されることができる。
【0029】
第1コイル部C1は本体110内に配置され、第1巻回部210、並びに第1巻回部210の一端及び他端にそれぞれ連結された第1及び第2延長部221、222を有する。ここで、第1延長部221は、第1面S1に露出した第1引出部221Lを含み、第1引出部221Lを介して第1外部電極411と連結されることができる。第2延長部222は、第2面S2に露出した第2引出部222Lを含み、第2引出部222Lを介して第2外部電極412と連結されることができる。第1巻回部210は、少なくとも一つのターン(turn)を形成することができ、この場合、第1巻回部210の巻軸は、第3方向(Z方向)に平行になるように本体110内に配置されることができる。
【0030】
第1巻回部210の一端及び他端は、実質的なターンを形成する領域までと定義することができる。具体的に、図4及び図5に示す形態のように、第1巻回部210の最外側ターンT1は、隣接した内側ターンT2と実質的に同一の間隔を保持するが、このように同一の間隔が保持される領域までを第1巻回部210と定義することができ、最外側ターンT1と内側ターンT2との間隔が大きくなる領域から第1延長部221又は第2延長部222と定義することができる。第1コイル部C1は、支持部材130の互いに対向する第1面及び第2面の両方に配置されることができ、上記第1面に配置された部分は図2に示され、上記第2面に配置された部分は図3に示されている。
【0031】
図2及び図3に示す形態のように、第1延長部221は、第2巻回部310の外側面に沿って巻回された領域221Aを含むことができ、このような形態から第1及び第2コイル部C1、C2がより密接にカップリングされることができる。この場合、第1延長部221において第2巻回部310の外側面に沿って巻回された領域221Aは、第2巻回部310と第3延長部321との間に配置されることができる。同様に、第2延長部222は、第2巻回部310の外側面に沿って巻回された領域222Aを含むことができ、この場合、第2延長部222において第2巻回部310の外側面に沿って巻回された領域222Aは、第2巻回部310と第4延長部322との間に配置されることができる。一方、第1巻回部210において、支持部材130の第1面及び第2面に配置された部分を互いに連結するために、第1コイル部C1はパッド領域Pを含むことができ、パッド領域Pは支持部材130を貫通する導電性ビアVと接続されることができる。第1コイル部C1の場合、当技術分野で使用されるめっき工程、例えば、パターンめっき、異方性めっき、等方性めっきなどの方法を使用して形成されためっきパターンであってもよく、これらの工程のうち複数の工程を用いて多層構造で形成されてもよい。
【0032】
第2コイル部C2は、本体110内に配置され、第2巻回部310、並びに第2巻回部310の一端及び他端とそれぞれ連結された第3及び第4延長部321、322を有する。ここで、第3延長部321は、第1面S1に露出した第3引出部321Lを含み、第3引出部321Lを介して第3外部電極421と連結されることができる。第4延長部322は、第2面S2に露出した第4引出部322Lを含み、第4引出部322Lを介して第4外部電極422と連結されることができる。第2巻回部310は、本体110内で第2方向(Y方向)に第1巻回部210に隣接し、少なくとも一つのターンを形成することができる。この場合、第2巻回部310の巻軸は、第3方向(Z方向)に平行になるように本体110内に配置されることができる。第1巻回部210と同様に、第2巻回部310は、一端及び他端は実質的なターンを形成する領域までと定義することができる。第1コイル部C1で説明した第1巻回部210、第1及び第2延長部221、222の定義は、第2コイル部C2にも適用することができる。すなわち、第2巻回部310の最外側ターンは、隣接した内側ターンと実質的に同一の間隔を保持するが、このように同一の間隔が保持される領域までを第2巻回部310と定義することができ、最外側ターンと内側ターンとの間隔が大きくなる領域から第3延長部321又は第4延長部322と定義することができる。また、第1コイル部C1と同様に、第2コイル部C2は、支持部材130の第1面及び第2面の両方に配置されることができ、上記第1面に形成された部分は図2に示され、上記第2面に形成された部分は図3に示されている。
【0033】
図2及び図3に示す形態のように、第3延長部321は、第1巻回部210の外側面に沿って巻回された領域321Aを含むことができ、このような形態から第1及び第2コイル部C1、C2がより密接にカップリングされることができる。この場合、第3延長部321において第1巻回部210の外側面に沿って巻回された領域321Aは、第1巻回部210と第1延長部221との間に配置されることができる。同様に、第4延長部322は、第1巻回部210の外側面に沿って巻回された領域322Aを含むことができ、この場合、第4延長部322において第1巻回部210の外側面に沿って巻回された領域322Aは、第1巻回部210と第2延長部222との間に配置されることができる。一方、第2巻回部310において、支持部材130の第1面及び第2面に配置された部分を互いに連結するために、第2コイル部C2はパッド領域Pを含むことができ、パッド領域Pは、支持部材130を貫通する導電性ビアVと接続されることができる。第2コイル部C2の場合、当技術分野で使用されるめっき工程、例えば、パターンめっき、異方性めっき、等方性めっきなどの方法を使用して形成されためっきパターンであってもよく、これらの工程のうち複数の工程を用いて多層構造で形成されてもよい。
【0034】
第1及び第2コイル部C1、C2を構成する物質の例として、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、クロム(Cr)又はこれらの合金などの導電性物質があるが、これらに限定されるものではない。そして、本実施形態は、本体110内に2つのコイル部C1、C2が配置された構造を示しているが、第1及び第2コイル部C1、C2以外に、他のコイル部がさらに配置されて全体的にインダクタアレイをなすこともできる。
【0035】
一方、本実施形態では、第1延長部221は、第2巻回部310の外側面に沿って巻回された領域221Aを含み、残りの延長部222、321、322も類似した構造を有するが、第1及び第2コイル部C1、C2の結合係数を調節するために、必要であれば、図6及び図7の変形例のように、このような延長部の巻回された領域が存在しなくてもよい。図6及び図7の変形例の場合、第1延長部221及び第2延長部222は、第1コイル部C1側にのみ配置され、第3延長部321及び第4延長部322は、第2コイル部C2側にのみ配置される。第1及び第2コイル部C1、C2がこのような配置方式を有することにより、相互間に及ぼす影響は低減する一方、それぞれのインダクタンスは増加することができる。
【0036】
支持部材130は、第1及び第2コイル部C1、C2を支持し、例えば、ポリプロピレングリコール(PPG)基板、フェライト基板又は金属系軟磁性基板などで形成されてもよい。但し、実施形態に応じては、支持部材130が具備されないこともあり、例えば、巻線型構造のコイルを使用する場合、支持部材130を別途必要としない場合がある。図示の形態のように、支持部材130の一部が貫通されて貫通孔が形成され、このような貫通孔には本体110をなす物質が充填されることができる。これにより、第1コイル部C1には第1コア部111が形成され、第2コイル部C2には第2コア部112が形成されることができる。
【0037】
第1及び第2外部電極411、412は本体110に配置され、第1コイル部C1の第1延長部221及び第2延長部222とそれぞれ連結される。図示の形態のように、第1外部電極411は、第1面S1から第2面S2まで延びる形態であってもよく、第2外部電極412は第2面S2から第1面S1まで延びる形態であってもよい。これは、第1外部電極411が第1面S1において第1引出部221Lと接続されながら、向かい側の第2面S2まで延び、第2外部電極412は第2面S2において第2引出部222Lと接続されながら、向かい側の第1面S1まで延びる形態に該当する。このような形態の一例として、第1及び第2外部電極411、412はバンド(band)形状であってもよい。
【0038】
第3及び第4外部電極421、422は本体110に配置され、第2コイル部C2の第3延長部321及び第4延長部322とそれぞれ連結される。図示の形態のように、第3外部電極421は、第1面S1から第2面S2まで延びる形態であってもよく、第4外部電極422は第2面S2から第1面S1まで延びる形態であってもよい。これは、第3外部電極421が第1面S1において第3引出部321Lと接続されながら、向かい側の第2面S2まで延び、第4外部電極422は第2面S2において第4引出部322Lと接続されながら、向かい側の第1面S1まで延びた形態に該当する。このような形態の一例として、第3及び第4外部電極421、422はバンド(band)形状であってもよい。
【0039】
第1~第4外部電極411、412、421、422は、電気伝導性の高い金属を含むペーストを用いて形成することができ、例えば、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、錫(Sn)又は銀(Ag)などの単独又はこれらの合金などを含む伝導性ペーストであってもよい。また、第1~第4外部電極411、412、421、422のそれぞれをカバーするようにめっき層が具備されてもよい。この場合、上記めっき層は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)及び錫(Sn)からなる群から選択されたいずれか一つ以上を含むことができ、例えば、ニッケル(Ni)層と錫(Sn)層とが順次に形成されることができる。
【0040】
上述したように、第1及び第2引出部221L、222Lは互いに第2方向(Y方向)にシフトされ、第3及び第4引出部321L、322Lは互いに第2方向(Y方向)にシフトされる。ここで、第1及び第2引出部221L、222Lが互いに第2方向(Y方向)にシフトされたのは、図2の断面図を基準に、これらが第2方向(Y方向)に所定のピッチP1を有するように離隔した形態と定義することができる。同様に、ここで、第3及び第4引出部321L、322Lが互いに第2方向(Y方向)にシフトされたのは、図2の断面図を基準に、これらが第2方向(Y方向)に所定のピッチP2を有するように離隔した形態と定義することができる。第1~第4引出部221L、222L、321L、322Lのこのような配置方式に従って第1~第4外部電極411、412、421、422は第2方向(Y方向)に順次に配列されることができる。この場合、第1及び第2外部電極411、412間の間隔A1は、第2及び第3外部電極412、421間の間隔A2より小さくてもよい。また、第3及び第4外部電極421、422間の間隔A3は、第2及び第3外部電極412、421間の間隔A2より小さくてもよい。
【0041】
上述した構造を有するコイル部品100は、基板等に実装する際にコイル部C1、C2の巻軸方向(Z方向)が実装面に平行となるように配置するのに適した形態であり、ここで、実装面は本体110の第1面S1となることができる。このような実装方式の場合、コア部111、112の面積を十分に確保することができ、コイル部品100の外郭からコイル部C1、C2までのマージンに対する設計自由度が増加し、高い性能、例えば、高いインダクタンスとQ値、低い抵抗を実現するのに有利であり得る。さらに、コイル部品100を第1面S1が基板に向かうように実装する場合、第1~第4外部電極411、412、421、422は第2方向(Y方向)に順次に配列されることによって、ショート不良が効果的に低減され、これによりコイル部品100の信頼性を向上することができる。
【0042】
一方、上述した実施形態では、第1コイル部C1から第2コイル部C2に向かう方向と、第1~第4外部電極411、412、421、422が配列される方向とが同一であるが、これらは互いに反対になってもよい。図8及び図9の変形例は、これを示しており、前述の実施形態とは第1及び第2コイル部C1、C2が反対となる位置に配置されている。これにより、第1コイル部C1から第2コイル部C2に向かう方向(図面を基準に左側方向)と第1~第4外部電極411、412、421、422が配列される方向(右側方向)は互いに反対となることができ、この場合、第1~第4延長部221、222、321、322の長さは前述の実施形態より増加することができる。
【0043】
図10の変形例は、前述の実施形態と外部電極411、412、421、422の形状に差がある。本変形例において、本体110の内部の構成は、前述の実施形態と同様に採用されることができ、詳細な説明は省略する。図10に示すように、第1外部電極411は、第1面S1から第2面S2に延びるが、第5面S5には形成されず、第6面S6に形成された部分によって第1面S1及び第2面S2に形成された部分が互いに連結されることができる。同様に、第3外部電極421は、第1面S1から第2面S2に延びるが、第5面S5には形成されず、第6面S6に形成された部分によって第1面S1及び第2面S2に形成された部分が互いに連結されることができる。また、第2及び第4外部電極411、421は、第1面S1から第2面S2に延びるが、第5面S5には形成されず、第6面S6に形成された部分によって第1面S1及び第2面S2に形成された部分が互いに連結されることができる。
【0044】
本発明は、上述した実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって限定されるものとする。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で、当技術分野における通常の知識を有する者により様々な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属すると言える。
【符号の説明】
【0045】
100:コイル部品
110:本体
C1、C2:コイル部
111、112:コア部
130:支持部材
210、310:巻回部
221、222、321、322:延長部
221L、222L、321L、322L:引出部
411、412、421、422:外部電極
P:パッド
V:導電性ビア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10