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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165605
(43)【公開日】2023-11-16
(54)【発明の名称】コイル部品
(51)【国際特許分類】
   H01F 17/04 20060101AFI20231109BHJP
   H01F 27/29 20060101ALI20231109BHJP
【FI】
H01F17/04 A
H01F17/04 F
H01F27/29 123
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011053
(22)【出願日】2023-01-27
(31)【優先権主張番号】10-2022-0054625
(32)【優先日】2022-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リュ、ジ マン
(72)【発明者】
【氏名】ムーン、ビョン チョル
【テーマコード(参考)】
5E070
【Fターム(参考)】
5E070AA01
5E070AB10
5E070BA12
5E070CB06
5E070CB12
5E070EA01
5E070EB04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】デラミネーション不良が改善され、剛性が向上したコイル部を有し、コイル部の剛性が改善されながらも有効体積の減少が最小化し、コイル部と外部電極との間の固着強度が改善され、基板の反り(warpage)が防止されるコイル部品を提供する。
【解決手段】コイル部品1000は、本体100、本体内に配置され、複数のターンを有するコイルパターン312及び本体の一側面に延びた引き出し部332を含むコイル部300及び本体に配置されて引き出し部と連結された外部電極を含む。コイルパターン312の最外側ターンは、第1領域312s及び第2領域312cを有し、第2領域の線幅は第1領域の線幅よりも大きく、第2領域の線幅は、最外側ターンと最も隣接したターンの線幅よりも大きい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体内に配置され、複数のターンを有するコイルパターン、及び前記本体の一側面に延びた引き出し部を含むコイル部と、
前記本体に配置され、前記引き出し部と連結された外部電極と、を含み、
前記コイルパターンの最外側ターンは、第1領域及び第2領域を有し、前記第2領域の線幅は前記第1領域の線幅よりも大きく、
前記第2領域の線幅は、前記最外側ターンと最も隣接したターンの線幅よりも大きい、コイル部品。
【請求項2】
前記最外側ターンと隣接したターンは、線幅が一定である、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記本体は、複数の側面を有し、
前記第2領域の線幅は、前記本体の2つの側面が接する角と前記第2領域との間の距離が最小の領域において最も大きい、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記コイルパターンの最外側ターンは、隣接したターンに向かう内側面、及び前記内側面と向かい合う外側面を有し、
前記第1領域は、内側面及び外側面の曲率が0であり、前記第2領域は、内側面及び外側面の少なくとも一つの曲率が0よりも大きい、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記第2領域で線幅が最も大きい部分は、前記内側面と前記外側面の曲率が相違する、請求項4に記載のコイル部品。
【請求項6】
前記第2領域で線幅が最も大きい部分は、前記外側面の曲率が前記内側面の曲率より大きい、請求項5に記載のコイル部品。
【請求項7】
前記第2領域で線幅が最も大きい部分の内側面と外側面は曲率中心を共有する、請求項4に記載のコイル部品。
【請求項8】
前記第2領域の最大線幅LWcは、前記第2領域と最も隣接したターンの線幅LWaの1.5倍以上4倍以下である、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項9】
前記第1領域の線幅LWsに対する前記第2領域の最大線幅LWcの比LWc/LWsは、1.5以上4以下である、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項10】
前記第1領域の線幅LWsに対する前記第2領域の最大線幅LWcの比LWc/LWsは、1.5以上4以下である、請求項8に記載のコイル部品。
【請求項11】
前記本体内に配置された基板をさらに含み、
前記コイル部は、
前記基板の一面及び他面にそれぞれ配置された第1コイルパターン及び第2コイルパターン、前記基板を貫通して前記第1コイルパターン及び前記第2コイルパターンの内側端部を連結するビア、及び前記第1コイルパターン及び前記第2コイルパターンの外側端部からそれぞれ前記本体の両側面に延びる第1引き出し部及び第2引き出し部をさらに含み、
前記外部電極は、
前記第1引き出し部と連結される第1外部電極、及び前記第2引き出し部と連結される第2外部電極を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項12】
前記コイル部は、
前記基板の他面に配置され、前記第2コイルパターンと離隔し、前記第1外部電極と連結される第1サブ引き出し部、及び
前記基板の一面に配置され、前記第1コイルパターンと離隔し、前記第2外部電極と連結される第2サブ引き出し部をさらに含む、請求項11に記載のコイル部品。
【請求項13】
前記コイル部は、
前記基板を貫通して前記第1引き出し部及び第1サブ引き出し部を連結する第1サブビア、及び
前記基板を貫通して前記第2引き出し部及び第2サブ引き出し部を連結する第2サブビアをさらに含む、請求項12に記載のコイル部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コイル部品の1つであるインダクタ(inductor)は、抵抗(resistor)及びキャパシタ(capacitor)と一緒に電子機器に用いられる代表的な受動電子部品である。
【0003】
電子機器が徐々に高性能化かつ小型化するにつれて、電子機器に用いられる電子部品はその数が増加し、小型化している。
【0004】
小型サイズでも高容量、高効率特性を有するコイル部品の実現のためにコイルパターンが微細パターンで形成される必要があるが、この場合、デラミネーション不良が発生することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】日本公開特許第2006-278912号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態による目的の一つは、コイル部のデラミネーション不良を防止してコイル部の剛性を向上させることである。
【0007】
本発明の実施形態による目的の他の一つは、コイル部の剛性を確保しながらも有効体積の減少を最小化することである。
【0008】
本発明の実施形態による目的の他の一つは、コイル部と外部電極との間の固着強度を改善し、基板の反り(warpage)を防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面によると、本体、上記本体内に配置され、複数のターンを有するコイルパターン、及び上記本体の一側面に延びた引き出し部を含むコイル部、及び上記本体に配置され、上記引き出し部と連結された外部電極を含み、上記コイルパターンの最外側ターンは第1領域及び第2領域を有し、上記第2領域の線幅は上記第1領域の線幅よりも大きく、上記第2領域の線幅は、上記最外側ターンと最も隣接したターンの線幅よりも大きいコイル部品が提供されることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一側面によると、デラミネーション不良が改善され、剛性が向上したコイル部を有するコイル部品を提供することができる。
【0011】
本発明の他の側面によると、コイル部の剛性が改善されながらも有効体積の減少が最小化したコイル部品を提供することができる。
【0012】
本発明の他の側面によると、コイル部と外部電極との間の固着強度が改善され、基板の反り(warpage)が防止されるコイル部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施例によるコイル部品を概略的に示した斜視図である。
図2図1のL-W断面を概略的に示した図面である。
図3図1のI-I'線に沿った断面を示した図面である。
図4図1のII-II'線に沿った断面を示した図面である。
図5図1のIII-III'線に沿った断面を示した図面である。
図6】本発明の第2実施例によるコイル部品のL-W断面を概略的に示したものとして図2に対応する図面である。
図7】本発明の第3実施例によるコイル部品のL-W断面を概略的に示したものとして図2に対応する図面である。
図8】本発明の第4実施例によるコイル部品を概略的に示した斜視図である。
図9図8のIV-IV'線に沿った断面を示した図面である。
図10】本発明の第5実施例によるコイル部品を示したものとして図9に対応する図面である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本出願で用いられる用語は、単に特定の実施形態を説明するために用いられたものであり、本発明を限定する意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なるものを意味しない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものと理解されることができる。そして、明細書全体において、「上に」とは、対象部分の上または下に位置することを意味し、必ずしも重力方向を基準に上側に位置することを意味するものではない。
【0015】
なお、結合とは、各構成要素間の接触関係において、各構成要素間に物理的に直接接触する場合のみを意味するものではなく、他の構成が各構成要素間に介在して、その他の構成に構成要素がそれぞれ接触している場合まで包括する概念として用いられる。
【0016】
図面に示される各構成の大きさ及び厚さは説明の便宜のために、任意に示されているため、本発明は必ずしも図示されたものに限定されない。
【0017】
図面において、L方向は第1方向または長さ方向、W方向は第2方向または幅方向、T方向は第3方向または厚さ方向と定義することができる。
【0018】
以下、本発明の実施形態によるコイル部品を添付図面を参照して詳細に説明するが、添付図面を参照して説明するにあたり、同一又は対応する構成要素は同一の図面番号を付与し、これに対する重複説明は省略する。
【0019】
電子機器には様々な種類の電子部品が用いられるが、このような電子部品間にはノイズ除去などを目的とした様々な種類のコイル部品が適宜用いられることができる。
【0020】
すなわち、電子機器でのコイル部品は、パワーインダクタ(Power Inductor)、高周波インダクタ(HF Inductor)、通常のビード(General Bead)、高周波用ビード(GHz Bead)、共通モードフィルタ(Common Mode Filter)などに用いられることができる。
【0021】
(第1実施例)
図1は、本発明の一実施例によるコイル部品1000を概略的に示した斜視図であり、図2は、図1のL-W断面を概略的に示した図面であり、図3は、図1のI-I'線に沿った断面を示した図面であり、図4は、図1のII-II'線に沿った断面を示した図面であり、図5は、図1のIII-III'線に沿った断面を示した図面である。
【0022】
図1図5を参照すると、本発明の一実施例によるコイル部品1000は、本体100、基板200、コイル部300、及び外部電極400、500を含むことができる。一方、実施形態によって上記構成のうち基板200が除外されることができる。
【0023】
本体100は、本実施例によるコイル部品1000の外観をなし、内部に基板200及びコイル部300を埋設する。
【0024】
本体100は、全体的に六面体状に形成されることができる。
【0025】
本体100は、長さ方向Lに互いに向かい合う第1面101と第2面102、幅方向Wに互いに向かい合う第3面103と第4面104、厚さ方向Tに互いに向かい合う第5面105と第6面106を含む。本体100の第1~第4面101、102、103、104のそれぞれは、本体100の第5面105と第6面106を連結する本体100の壁面に該当する。
【0026】
本体100は、例示的に、後述する外部電極400、500が形成された本実施例によるコイル部品1000が2.5mmの長さ、2.0mmの幅及び1.0mmの厚さを有するか、2.0mmの長さ、1.2mmの幅及び0.65mmの厚さを有するか、1.6mmの長さ、0.8mmの幅、0.8mmの厚さを有するか、1.0mmの長さ、0.5mmの幅、0.8mmの厚さを有するか、0.8mmの長さ、0.4mmの幅、0.65mmの厚さを有するように形成されることができるが、これに制限されるものではない。一方、コイル部品1000の長さ、幅及び厚さに対する上述の例示的な数値は、工程誤差を反映していない数値をいうため、工程誤差と認められ得る範囲の数値は、上述した例示的な数値に該当すると見なすことができる。
【0027】
上述したコイル部品1000の長さとは、コイル部品1000の幅方向Wの中央部における長さ方向L-厚さ方向Tの断面(cross-section)に対する光学顕微鏡イメージまたはSEM(Scanning Electron Microscope)イメージを基準に、上記イメージに示されたコイル部品1000の長さ方向Lに向かい合う2つの最外側境界線を長さ方向Lに平行に連結し、厚さ方向Tに互いに離隔した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最大値を意味するものであることができる。または、コイル部品1000の長さは、上述した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最小値を意味するものであることができる。または、コイル部品1000の長さは、上述した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)の少なくとも3つ以上の算術平均値を意味するものであることもできる。ここで、長さ方向Lに平行な複数の線分は、厚さ方向Tに互いに等間隔であることができるが、本発明の範囲がこれに制限されるものではない。
【0028】
上述したコイル部品1000の厚さとは、コイル部品1000の幅方向Wの中央部における長さ方向L-厚さ方向Tの断面(cross-section)に対する光学顕微鏡イメージまたはSEM(Scanning Electron Microscope)イメージを基準に、上記イメージに示されたコイル部品1000の厚さ方向Tに向かい合う2つの最外側境界線を厚さ方向Tに平行に連結し、長さ方向Lに互いに離隔した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最大値を意味するものであることができる。または、コイル部品1000の厚さは、上述した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最小値を意味するものであることができる。または、コイル部品1000の厚さは、上述した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)の少なくとも3つ以上の算術平均値を意味するものであることもできる。ここで、厚さ方向Tに平行な複数の線分は、長さ方向Lに互いに等間隔であることができるが、本発明の範囲がこれに制限されるものではない。
【0029】
上述したコイル部品1000の幅とは、コイル部品1000の厚さ方向Tの中央部における長さ方向L-幅方向Wの断面(cross-section)に対する光学顕微鏡イメージまたはSEM(Scanning Electron Microscope)イメージを基準に、上記イメージに示されたコイル部品1000の幅方向Wに向かい合う2つの最外側境界線を幅方向Wに平行に連結し、長さ方向Lに互いに離隔した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最大値を意味するものであることができる。または、コイル部品1000の幅は上述した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最小値を意味するものであることができる。または、コイル部品1000の幅は上述した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)の少なくとも3つ以上の算術平均値を意味するものであることができる。ここで、幅方向Wに平行な複数の線分は、長さ方向Lに互いに等間隔であることができるが、本発明の範囲はこれに制限されるものではない。
【0030】
または、コイル部品1000の長さ、幅及び厚さのそれぞれは、マイクロメータ測定法で測定されることもできる。マイクロメータ測定法は、Gage R&R(Repeatability and Reproducibility)されたマイクロメータでゼロ点を設定し、マイクロメータのチップ(tip)間に本実施例によるコイル部品1000を挿入し、マイクロメータの測定レバー(lever)を回して測定することができる。一方、マイクロメータ測定法でコイル部品1000の長さを測定するにあたり、コイル部品1000の長さは1回測定された値を意味することもでき、複数回測定された値の算術平均を意味することもできる。これは、コイル部品1000の幅及び厚さにも同様に適用されることができる。
【0031】
本体100は、磁性物質及び樹脂を含むことができる。具体的に本体100は、磁性物質が樹脂に分散された磁性複合シート11を1つ以上積層して形成されることができる。但し、本体100は磁性物質が樹脂に分散された構造以外に、他の構造を有することもできる。例えば、本体100はフェライトなどの磁性物質からなることもでき、非磁性体からなることもできる。
【0032】
磁性物質はフェライトまたは金属磁性粉末であることができる。
【0033】
フェライトは、例えば、Mg-Zn系、Mn-Zn系、Mn-Mg系、Cu-Zn系、Mg-Mn-Sr系、Ni-Zn系などのスピネル型フェライト、Ba-Zn系、Ba-Mg系、Ba-Ni系、Ba-Co系、Ba-Ni-Co系などの六方晶型フェライト類、Y系などのガーネット型フェライト及びLi系フェライトの少なくとも一つ以上であることができる。
【0034】
金属磁性粉末は、鉄(Fe)、シリコン(Si)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)及びニッケル(Ni)からなる群から選択されるいずれか1つ以上を含むことができる。例えば、金属磁性粉末は、純鉄粉末、Fe-Si系合金粉末、Fe-Si-Al系合金粉末、Fe-Ni系合金粉末、Fe-Ni-Mo系合金粉末、Fe-Ni-Mo-Cu系合金粉末、Fe-Co系合金粉末、Fe-Ni-Co系合金粉末、Fe-Cr系合金粉末、Fe-Cr-Si系合金粉末、Fe-Si-Cu-Nb系合金粉末、Fe-Ni-Cr系合金粉末、Fe-Cr-Al系合金粉末の少なくとも一つ以上であることができる。
【0035】
金属磁性粉末は、非晶質または結晶質であることができる。例えば、金属磁性粉末は、Fe-Si-B-Cr系非晶質合金粉末であることができるが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0036】
フェライト及び金属磁性粉末は、それぞれ平均直径が約0.1μm~30μmであることができるが、これらに制限されるものではない。
【0037】
本体100は、樹脂に分散された2種類以上の磁性物質を含むことができる。ここで、磁性物質の種類が相違するとは、樹脂に分散された磁性物質が平均直径、組成、結晶性、及び形状のいずれか一つで互いに区別されることを意味する。
【0038】
樹脂は、エポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、液晶結晶性ポリマー(Liquid Crystal Polymer)などを単独または混合して含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
本体100は後述する基板200及びコイル部300を貫通するコア110を有する。コア110は、磁性複合シートが基板200の貫通孔を充填することで形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0040】
基板200は、本体100内に配置される。基板200は、後述するコイル部300を支持する構成である。一方、コイル部300が巻線型コイルに該当するか、コアレス(coreless)構造を有する場合など、実施形態によっては基板200が除外される場合もある。
【0041】
基板200は、エポキシ樹脂といった熱硬化性絶縁樹脂、ポリイミドといった熱可塑性絶縁樹脂または感光性絶縁樹脂を含む絶縁資材で形成されるか、このような絶縁樹脂にガラス繊維または無機フィラーなどの補強材が含浸された絶縁資材で形成されることができる。一例として、基板200は、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、FR-4、BT(Bismaleimide Triazine)樹脂、PID(Photo Imagable Dielectric)、銅箔積層板(Copper Clad Laminate、CCL)などの資材で形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0042】
無機フィラーとしては、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、炭化ケイ素(SiC)、硫酸バリウム(BaSO)、タルク、泥、マイカ粉、水酸化アルミニウム(Al(OH))、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸マグネシウム(MgCO)、酸化マグネシウム(MgO)、窒化ホウ素(BN)、ホウ酸アルミニウム(AlBO)、チタン酸バリウム(BaTiO)及びジルコン酸カルシウム(CaZrO)からなる群から選択される少なくとも1つ以上が用いられることができる。
【0043】
基板200が補強材を含む絶縁資材で形成される場合、基板200はより優れた剛性を提供することができる。基板200がガラス繊維を含まない絶縁資材で形成される場合、基板200及びコイル部300の全体の厚さ(図1の厚さ方向Tに沿ったコイル部300及び基板200のそれぞれの数値(dimension)の合計を意味する)を薄型化して部品の厚さを減少させるのに有利である。基板200が感光性絶縁樹脂を含む絶縁資材で形成される場合、コイル部300を形成するための工程数が減って、生産費の削減に有利であり、微細なビア320を形成することができる。基板200の厚さは、一例として、10μm以上50μm以下であることができるが、これに制限されるものではない。
【0044】
コイル部300は基板200に配置される。コイル部300は本体100に埋設され、コイル部品の特性を発現する。例えば、本実施例のコイル部品1000がパワーインダクタとして活用される場合、コイル部300は電界を磁場に蓄えて出力電圧を維持することで、電子機器の電源を安定させる役割を果たすことができる。
【0045】
コイル部300は、基板200の互いに向かい合う両面の少なくとも一つに形成され、少なくとも一つのターン(turn)を形成する。本実施例の場合、コイル部300は、コイルパターン311、312、ビア320、及び引き出し部331、332を含むことができる。
【0046】
図1図4を参照すると、第1コイルパターン311及び第2コイルパターン312のそれぞれは、基板200の互いに向かい合う両面に配置され、本体100のコア110を軸に少なくとも1つのターン(turn)を形成した平面らせん状であることができる。一例として、図1の方向を基準に、第1コイルパターン311は基板200の下面に配置され、コア110を軸に少なくとも1つのターン(turn)を形成する。第2コイルパターン312は、基板200の上面に配置され、コア110を軸に少なくとも1つのターン(turn)を形成する。第1コイルパターン311及び第2コイルパターン312のそれぞれは、引き出し部331、332と連結される最外側ターン(turn)の端部が本体100の第1面101及び第2面102の方向にそれぞれ延びた形態で形成される。
【0047】
図2を参照すると、コイルパターン311、312の最外側ターンは、第1領域311s、312sと第2領域311c、312cを有することができる。コイルパターン311、312の第2領域311c、312cの線幅LWcは第1領域311s、312sの線幅LWsより大きく形成されることができる。
【0048】
また、第2領域311c、312cの線幅LWcは、最外側ターンと最も隣接したターンの線幅LWaよりも大きく形成されることができる。
【0049】
ここで、第1領域311s、312sの線幅LWsとは、例えば、コイル部品1000のコイルパターン311、312の厚さ方向Tの中央部における長さ方向L-幅方向Wの断面(cross-section)に対する光学顕微鏡イメージまたはSEM(Scanning Electron Microscope)イメージを基準に、上記イメージに示された最外側ターンの第1領域311s、312sの互いに対向する内側面ISと外側面OSのそれぞれの境界を連結し、互いに離隔した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最小値を意味するものであることができる。
【0050】
なお、第2領域311c、312cの線幅LWcとは、上記イメージに示した最外側ターンの第2領域311c、312cの互いに対向する内側面ISと外側面OSのそれぞれの境界を連結し、互いに離隔した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最大値を意味するものであることができる。
【0051】
本実施例によるコイル部品1000において、最外側ターンの第2領域311c、312cの線幅LWcを大きく形成する理由は、次のとおりである。
【0052】
コイルパターン311、312を電解めっきで形成した後、シード層のエッチング時に、基板200からコイルパターン311、312の一部が脱落するデラミネーション不良が発生することがあるが、このような現象は、特にエッチング液に露出する領域が最も広い最外側ターンで目立つことができる。
【0053】
したがって、コイルパターン311、312の形成時に、デラミネーションの不良に最も脆弱な領域である最外側ターンの線幅を大きく形成することで、エッチング工程時のデラミネーションの不良を効果的に減少させることができる。
【0054】
一方、コイルパターン311、312の各ターンの線幅を増加させる場合、限定された部品サイズ内でターン数が減少して、インダクタンス特性が減少する可能性があるため、最外側ターンのみの線幅を大きく形成し、残りのターンの線幅は小さく形成することが効果的である。
【0055】
また、最外側ターンの全体の線幅を大きく形成する場合、本体100内の磁性物質の体積減少に伴うインダクタンス低下が起こる場合があり、チップ単位でダイシング工程時に本体100の第3面103または第4面104にコイルパターン311、312が露出する不良が発生する可能性がある。
【0056】
したがって、同じ部品サイズ内で有効体積の減少を最小化しながらもダイシングマージンを確保するためには、コイルパターン311、312の最外側ターンの第2領域311c、312cについてのみ線幅LWcを大きく形成する構造が効果的である。すなわち、コイルパターン311、312の最外側ターンで第2領域311c、312cの線幅LWcを第1領域311s、312sの線幅LWsより大きく形成することができる。
【0057】
図2を参照すると、説明の便宜上、コイルパターン311、312の最外側ターンを構成する第1領域311s、312sと第2領域311c、312cとの境界を点線で示したが、第1領域311s、312sと第2領域311c、312cは一体に形成されて境界が現れないことがあり、それぞれ一定である領域を意味することができる。
【0058】
コイルパターン311、312の最外側ターンは、隣接したターンに向かう内側面IS、及び内側面ISと向かい合う外側面OSを有することができる。
【0059】
コイルパターン311、312の第1領域311s、312sは、内側面IS及び外側面OSの曲率が0である領域を意味することができる。コイルパターン311、312の第2領域311c、312cは、内側面IS及び外側面OSの少なくとも一つの曲率が0より大きい領域を意味することができる。
【0060】
図2を参照すると、コイルパターン311、312の第2領域311c、312cの線幅LWcは、隣接したターンの第1領域の線幅LWsより大きく形成されることができる。
【0061】
また、コイルパターン311、312において最外側ターンを除いた残りのターンの少なくとも一つは、線幅が一定に形成されることができる。すなわち、コイルパターン311、312において最外側ターンを除いた残りのターンの少なくとも1つは、直線形態の部分と曲線形態の部分の線幅が実質的に同一であることができる。ここで、実質的に同一であるという意味は、製造工程上発生する工程誤差や位置偏差、測定時の誤差を含んで同一であるという意味である。
【0062】
コイルパターン311、312の第1領域311s、312sの線幅LWsは、コイルパターン311、312において最外側ターンと最も隣接したターンの線幅LWaと実質的に同一に形成されることができる。
【0063】
コイルパターン311、312の最外側ターンを除いた残りのターンの線幅は実質的に同一に形成されることができる。すなわち、コイルパターン311、312の第1領域311s、312sの線幅LWsは、最外側ターンを除いた残りのターンの線幅と実質的に同一に形成されることができる。
【0064】
図4は、図1のII-II'線に沿った断面を示した図面であり、図5は、本実施例によるコイル部品1000の対角線方向の断面、すなわち、図1のIII-III'線に沿った断面を示した図面である。
【0065】
図2図4図5を参照すると、図4の場合、コイルパターン311、312の最外側ターンの第1領域311s、312sの線幅LWsと残りのターンの線幅が現れる断面で、第1領域311s、312sの線幅LWsと残りのターンの線幅が実質的に同一に形成されることができる。
【0066】
一方、図5の場合、コイルパターン311、312の最外側ターンの第2領域311c、312cの線幅LWcと残りのターンの線幅が現れる断面で、コイルパターン311、312の最外側ターンの第2領域311c、312cの線幅LWcは、残りのターンの線幅よりも大きく形成されることができる。
【0067】
図1及び図2を参照すると、本体100は複数の側面101、102、103、104を有し、コイルパターン311、312の最外側ターンの第2領域311c、312cの線幅LWcは、本体100の2つの側面が接する角と第2領域311c、312cとの間の距離dが最小である領域で最も大きく形成されることができる。
【0068】
ここで、本体100の2つの側面が接する角と第2領域311c、312cとの間の距離dとは、例えば、コイル部品1000のコイルパターン311、312の厚さ方向Tの中央部における長さ方向L-幅方向Wの断面(cross-section)に対する光学顕微鏡イメージまたはSEM(Scanning Electron Microscope)イメージを基準に、上記イメージに示された本体100の頂点からコイルパターン311、312の最外側ターンの外側面の接線を連結する互いに離隔した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最小値を意味するものであることができる。または、上記イメージに対してimage Jプログラムを用いて距離dを測定することも可能であるが、これに制限されるものではない。
【0069】
図2を参照すると、最外側ターンの第2領域311c、312cの最大線幅LWcは、第2領域311c、312cに最も隣接したターンの線幅LWaの1.5倍以上4倍以下で形成されることができる。
【0070】
また、第1領域311s、312sの線幅LWsに対する第2領域311c、312cの最大線幅LWcの比LWc/LWsは、1.5以上4以下で形成されることができる。
【0071】
下記表1は、ダイシング前のパネル単位でエッチング工程後にデラミネーション不良が発生した割合、及びコイル部品単位で本体の有効体積及びインダクタンスを測定したデータである。測定条件は、パネル当たりのエッチング時の水洗工程(wet工程)を30秒行うことを基準とし、第1領域311s、312sの線幅が15μm、ターン数は8.5ターン、厚さは100μm、隣接ターン間の空間は8μmを基準とした。
【0072】
表1を参照すると、実験の結果、第1領域311s、312sの線幅LWsに対する第2領域311c、312cの最大線幅LWcの比LWc/LWsが1.5未満である場合には、デラミネーション不良率が有意に減少せず、第1領域311s、312sの線幅LWsに対する第2領域311c、312cの最大線幅LWcの比LWc/LWsが4を超える場合、本体100の有効体積及びインダクタンス減少率が許容基準値である10%を超えることが確認できた。
【0073】
したがって、第1領域311s、312sの線幅LWsに対する第2領域311c、312cの最大線幅LWcの比LWc/LWsが1.5以上4以下に形成されることによって、デラミネーション不良を最小化しながらも、基準値以上の有効体積を確保することができる構造を有することができる。
【0074】
【表1】
【0075】
図3を参照すると、第1引き出し部331は本体100の第1面101に延びて、後述する第1外部電極400と接触連結され、第2引き出し部332は本体100の第2面102に延びて、後述する第2外部電極500と接触連結されることができる。
【0076】
図4を参照すると、ビア320は基板200を貫通して第1コイルパターン311及び第2コイルパターン312のそれぞれの最内側ターン(turn)の内側端部を互いに連結することができる。
【0077】
このような構成により、コイル部300は、全体的に連結された1つのコイルとして機能することができる。
【0078】
コイルパターン311、312、ビア320、及び引き出し部331、332の少なくとも1つは、少なくとも1つ以上の導電層を含むことができる。
【0079】
一例として、第1コイルパターン311、ビア320、及び第1引き出し部331を基板200の下面(図1の方向基準)にめっきで形成する場合、第1コイルパターン311、ビア320、及び第1引き出し部331のそれぞれは、シード層と電解めっき層を含むことができる。シード層は、無電解めっき法またはスパッタリングなどの気相蒸着法で形成されることができる。シード層及び電解めっき層のそれぞれは単層構造であることもでき、多層構造であることもできる。多層構造の電解めっき層は、いずれか一つの電解めっき層を他方の電解めっき層が覆うコンフォーマル(conformal)な膜構造で形成されることもでき、いずれか一つの電解めっき層の一面にのみ他方の電解めっき層が積層された形状に形成されることもできる。第1コイルパターン311のシード層、ビア320のシード層、及び第1引き出し部331のシード層は、一体に形成されて相互間に境界が形成されないことがあるが、これに制限されるものではない。第1コイルパターン311の電解めっき層、ビア320の電解めっき層、及び第1引き出し部331の電解めっき層は、一体に形成されて相互間に境界が形成されないことがあるが、これに制限されるものではない。
【0080】
コイルパターン311、312、ビア320、及び引き出し部331、332のそれぞれは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)またはこれらの合金などの導電性物質を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0081】
外部電極400、500は、本体100の第1面101及び第2面102にそれぞれ配置され、第1引き出し部331及び第2引き出し部332とそれぞれ連結されることができる。具体的には、第1外部電極400は本体100の第1面101に配置されて、第1引き出し部331と接触連結されることができる。また、第2外部電極500は本体100の第2面102に配置されて、第2引き出し部332と接触連結されることができる。
【0082】
外部電極400、500は、本実施例によるコイル部品1000がプリント回路基板などに実装するとき、コイル部品1000をプリント回路基板などと電気的に連結させる。一例として、本体100の第1面101及び第2面102に互いに離隔配置された外部電極400、500とプリント回路基板の接続部が電気的に連結されることができる。
【0083】
外部電極400、500は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などの導電性物質で形成されることができるが、これに限定されるものではない。
【0084】
外部電極400、500のそれぞれは、複数の層で形成されることができる。一例として、第1外部電極400は、第1引き出し部331と接する第1層、第1層に配置された第2層を含むことができる。ここで、第1層は、銅(Cu)及び銀(Ag)の少なくとも一つを含む導電性粉末及び絶縁樹脂を含む導電性樹脂層であるか、銅(Cu)めっき層であることができる。第2層は、ニッケル(Ni)めっき層/スズ(Sn)めっき層の2重層の構造であることができる。
【0085】
図3図5を参照すると、絶縁膜IFは、コイル部300を覆うようにコイル部300と本体100との間に配置される。絶縁膜IFは、基板200及びコイル部300の表面に沿って形成されることができる。絶縁膜IFは、コイル部300を本体100から絶縁させるためのものとして、パリレンなどの公知の絶縁物質を含むことができるが、これに制限されるものではない。絶縁膜IFは、気相蒸着などの方法で形成されることができるが、これに制限されるものではなく、絶縁フィルムを基板200の両面に積層することで形成されることもできる。
【0086】
一方、本実施例によるコイル部品1000は、本体100の第3面~第6面103、104、105、106を覆うが、外部電極400、500が配置された領域を除いた領域に配置される絶縁層600をさらに含むことができる。
【0087】
絶縁層600は、一例として、絶縁樹脂を含む絶縁資材を本体100の表面に塗布及び硬化して形成されたものであることができる。この場合、絶縁層は、ポリスチレン系、酢酸ビニル系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリアミド系、ゴム系、アクリル系などの熱可塑性樹脂、フェノール系、エポキシ系、ウレタン系、メラミン系、アルキド系などの熱硬化性樹脂及び感光性絶縁樹脂の少なくとも一つを含むことができる。
【0088】
(第2及び第3実施例)
図6は、本発明の第2実施例によるコイル部品2000のL-W断面を概略的に示したものとして図2に対応する図面であり、図7は、本発明の第3実施例によるコイル部品3000のL-W断面を概略的に示したものとして図2に対応する図面である。
【0089】
図6及び図7図2と比較すると、第2コイルパターン312の最外側ターンの第2領域312cの線幅LWcがより大きく形成されている点で相違する。
【0090】
したがって、本実施例を説明するにあたり、本発明の第1実施例と相違した最外側ターンの第2領域312cの線幅LWc、及び内側面ISと外側面OSの曲率及び曲率中心についてのみ説明し、本実施例の残りの構成については、本発明の第1実施例における説明がそのまま適用されることができる。
【0091】
図6を参照すると、第2コイルパターン312の最外側ターンの第2領域312cの線幅が第1領域312sの線幅よりも大きく形成された構造において、最外側ターンの第2領域312cのうち線幅LWcが最も大きい領域の内側面ISと外側面OSとの曲率は、互いに異なるように形成されることができる。
【0092】
また、第2コイルパターン312の最外側ターンの第2領域312cのうち、線幅が最も大きい領域の外側面OSの曲率は、内側面ISの曲率より大きく形成されることができる。
【0093】
コイルパターン311、312のシード層のパターン形成時に、最外側ターンの曲率及び線幅を制御することができるが、本実施例によるコイル部品2000の場合、最外側ターンの外側面OSの曲率を内側面ISの曲率より大きい値にパターンを形成することができ、これにより最外側ターンの内側面ISの曲率中心Ciが外側面OSの曲率中心Coよりもさらにコア110の近くに形成されることができる。
【0094】
本実施例によるコイル部品2000のように外側面OSの曲率を変化させながら第2領域311c、312cの線幅LWcを増加させる場合、本体100の第3面103または第4面104とコイルパターン311、312との間のダイシングマージンを適正に維持させながらも、有効体積の減少は最小化することができる効果を有することができる。
【0095】
図7を参照すると、第2コイルパターン312の第2領域312cの線幅が第1領域312sの線幅よりも大きく形成された構造において、第2領域312cのうち線幅LWcが最も大きい領域の内側面ISと外側面OSは、曲率中心Ci、Coを共有するように形成されることができる。すなわち、第2領域312cのうち線幅LWcが最も大きい領域の内側面ISと外側面OSの曲率は、互いに実質的に同一に形成されることができる。ここで、実質的に同一であるという意味は、製造工程上発生する工程誤差や位置偏差、測定時の誤差を含んで同一であるという意味である。
【0096】
コイルパターン311、312のシード層のパターン形成時に最外側ターンの曲率及び線幅を制御することができるが、本実施例によるコイル部品3000の場合、最外側ターンの外側面OSの曲率を内側面ISの曲率と同じ値にパターンを形成することができ、これにより最外側ターンの内側面ISの曲率中心Ciが外側面OSの曲率中心Coと一致するように形成されることができる。
【0097】
本実施例によるコイル部品3000のように外側面OSの曲率を一定に維持しながら、第2領域311c、312cの線幅LWcを増加させる場合、第2領域311c、312cの線幅LWcが大きい領域が広くなるため、剛性をさらに確保することができ、所望のインダクタンス特性を有するパターン形成過程がより容易になることができる。
【0098】
(第4及び第5実施例)
図8は、本発明の第4実施例によるコイル部品4000を概略的に示した斜視図であり、図9は、図8のIV-IV'線に沿った断面を示した図面であり、図10は、本発明の第5実施例によるコイル部品5000を示したものとして図9に対応する図面である。
【0099】
図1及び図3図8及び図9をそれぞれ比較すると、本発明の第4実施例によるコイル部品4000は、本発明の第1実施例によるコイル部品1000に比べてコイル部300がサブ引き出し部341、342をさらに含む点で相違する。
【0100】
したがって、本実施例を説明するにあたり、本発明の第1実施例とは異なるサブ引き出し部341、342についてのみ説明し、本実施例の他の構成については、本発明の第1実施例における説明がそのまま適用されることができる。
【0101】
サブ引き出し部341、342は、コイルパターン311、312の最外側ターンに隣接して配置され、エッチング工程において最外側ターンがエッチング液に露出する領域を減少させることで、デラミネーション不良を改善させることができる構成である。
【0102】
また、コイル部300と外部電極400、500の固着強度の強化または基板200の上下部の非対称構造による反り(warpage)防止のための構成である。
【0103】
図8及び図9を参照すると、第1サブ引き出し部341及び第2サブ引き出し部342は、それぞれ基板200を中心に第1引き出し部331及び第2引き出し部332と対応する面に配置されることができる。
【0104】
具体的には、第1サブ引き出し部341は、第2コイルパターン312と離隔し、第1外部電極400と連結されるように基板200の他面に配置されることができる。また、第1サブ引き出し部341は、基板200を中心に第1引き出し部331と離隔するように配置されることができる。
【0105】
第2サブ引き出し部342は、第1コイルパターン311と離隔し、第2外部電極500と連結されるように基板200の一面に配置されることができる。また、第2サブ引き出し部342は、基板200を中心に第2引き出し部332と離隔するように配置されることができる。
【0106】
一方、第1サブ引き出し部341及び第2サブ引き出し部342は省略可能な構成であり、第1サブ引き出し部341及び第2サブ引き出し部342のいずれか一つの構成のみを省略することもできる。
【0107】
本実施例では、第1サブ引き出し部341及び第2サブ引き出し部342はコイルパターン311、312と電気的に連結されないため、省略可能な構成であるが、第1サブ引き出し部341及び第2サブ引き出し部342を含むコイル部品4000の場合、最外側ターンのデラミネーション不良防止、コイル部300と外部電極400、500との間の固着強度の強化、及び基板200の反り(warpage)防止などの有利な効果を有することができる。
【0108】
特に、コイルパターン311、312の最外側ターンのデラミネーション不良防止の効果において、最外側ターンの第2領域311c、312cの線幅LWcを大きくした構成とサブ引き出し部341、342の構成の組み合わせ時にデラミネーション不良防止の効果がさらに向上することができる。
【0109】
図9図10を比較すると、本発明の第5実施例によるコイル部品5000は、本発明の第4実施例によるコイル部品4000に比べてサブビア321、322をさらに含むという点で相違する。
【0110】
したがって、本実施例を説明するにあたり、本発明の第4実施例と相違したサブビア321、322についてのみ説明し、本実施例の他の構成については、本発明の第4実施例における説明がそのまま適用されることができる。
【0111】
第1サブビア321及び第2サブビア322は基板200を貫通して引き出し部331、332とサブ引き出し部341、342を連結することで、サブ引き出し部341、342も電気的に機能するようにする構成である。第1サブビア321及び第2サブビア322を配置する場合、サブ引き出し部341、342と外部電極400、500が接する面も電気的に連結されることができるため、全体Rdcを減少させることができる。
【0112】
また、第1サブビア321及び第2サブビア322は基板200を貫通して引き出し部331、332とサブ引き出し部341、342を連結することで、コイル部300の剛性をさらに向上させることができる。
【0113】
図10を参照すると、第1サブビア321は基板200を貫通して第1引き出し部331と第1サブ引き出し部341を連結することができ、第2サブビア322は基板200を貫通して第2引き出し部332と第2サブ引き出し部342を連結することができる。
【0114】
一方、第1サブビア321及び第2サブビア322は省略可能な構成であり、第1サブビア321及び第2サブビア322のいずれか一つの構成のみを省略することもできる。
【0115】
第1サブ引き出し部341及び第2サブ引き出し部342、第1サブビア321及び第2サブビア322の少なくとも一つは、少なくとも一つの導電層を含むことができる。
【0116】
一例として、第1サブ引き出し部341、第1サブビア321を基板200の他面にめっきで形成する場合、第1サブ引き出し部341、第1サブビア321は、それぞれシード層と電解めっき層を含むことができる。ここで、電解めっき層は単層構造であることもでき、多層構造であることもできる。多層構造の電解めっき層は、いずれか一つの電解めっき層の表面に沿って他方の電解めっき層が形成されたコンフォーマル(conformal)な膜構造で形成されることもでき、いずれか一つの電解めっき層の一面にのみ他方の電解めっき層が積層された形状に形成されることもできる。シード層は、無電解めっき法またはスパッタリングなどの気相蒸着法などで形成されることができる。第1サブ引き出し部341、第1サブビア321のそれぞれのシード層は一体に形成され、相互間に境界が形成されないことがあるが、これに制限されるものではない。第1サブ引き出し部341、第1サブビア321のそれぞれの電解めっき層は一体に形成され、相互間に境界が形成されないことがあるが、これに制限されるものではない。
【0117】
第1サブ引き出し部341、第1サブビア321のそれぞれは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、クロム(Cr)またはこれらの合金などの導電性物質で形成されることができるが、これらに制限されるものではない。
【0118】
以上、本発明の実施形態について説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更または削除などにより本発明を様々に修正及び変更することができ、これも本発明の権利範囲内に含まれるといえる。
【符号の説明】
【0119】
100 本体
110 コア
200 基板
300 コイル部
311、312 コイルパターン
311s、312s 第1領域
311c、312c 第2領域
320 ビア
321、322 サブビア
331、332 引き出し部
341、342 サブ引き出し部
400、500 外部電極
600 絶縁層
IF 絶縁膜
1000、2000、3000、4000、5000 コイル部品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10