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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165607
(43)【公開日】2023-11-16
(54)【発明の名称】液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1343 20060101AFI20231109BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20231109BHJP
【FI】
G02F1/1343
G02F1/1368
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018925
(22)【出願日】2023-02-10
(31)【優先権主張番号】P 2022076441
(32)【優先日】2022-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】518078142
【氏名又は名称】上海天馬微電子有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100183955
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 悟郎
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100180334
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 洋美
(74)【代理人】
【識別番号】100177149
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 浩義
(74)【代理人】
【識別番号】100174067
【弁理士】
【氏名又は名称】湯浅 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136342
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 成美
(72)【発明者】
【氏名】浅井 卓也
【テーマコード(参考)】
2H092
2H192
【Fターム(参考)】
2H092GA14
2H092GA21
2H092GA30
2H092HA04
2H092JA26
2H092JB42
2H092JB63
2H092JB68
2H092KA04
2H092KA05
2H092KA08
2H092PA02
2H092PA06
2H092PA08
2H092PA09
2H092PA11
2H092QA07
2H092QA09
2H192AA24
2H192BB12
2H192BB13
2H192BC31
2H192CB05
2H192CB13
2H192CB34
2H192CB35
2H192CB37
2H192CC42
2H192CC62
2H192DA74
2H192EA22
2H192EA43
2H192JA06
2H192JA32
(57)【要約】
【課題】表示品位の高い液晶表示装置を提供する。
【解決手段】液晶表示装置は、スイッチング素子220と画素電極210とを有する複数の画素PXと、スイッチング素子220のゲート電極222に接続する複数の走査線GLと、スイッチング素子220のソース電極226に接続し走査線GLに交差する複数のデータ線DLとを備える。複数の画素PXは、ソース電極226が接続するデータ線DLとゲート電極222が接続する走査線GLの少なくとも一方に対する画素電極210の相対位置が異なる、第1画素PX1と第2画素PX2とを有する。平面視した場合に、画素PXのそれぞれにおける、スイッチング素子220の半導体層224とゲート電極222とソース電極226の半導体層224に重なる部分226aとドレイン電極228の半導体層224に重なる部分228aの位置関係が同じであり、画素電極210の外形形状が同じである。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチング素子と前記スイッチング素子のドレイン電極に接続する画素電極とを有し、マトリクス状に配置された、複数の画素と、
前記スイッチング素子のゲート電極に接続する、複数の走査線と、
前記スイッチング素子のソース電極に接続し前記走査線に交差する、複数のデータ線と、を備え、
前記複数の画素は、前記ソース電極が接続する前記データ線と前記ゲート電極が接続する前記走査線の少なくとも一方に対する前記画素電極の相対位置が異なる、第1画素と第2画素とを有し、
平面視した場合に、前記複数の画素のそれぞれにおける、前記スイッチング素子の半導体層と前記ゲート電極と前記ソース電極の前記半導体層に重なる部分と前記ドレイン電極の前記半導体層に重なる部分の位置関係が、同じであり、
平面視した場合に、前記複数の画素のそれぞれにおける、前記画素電極の外形形状が同じである、
液晶表示装置。
【請求項2】
前記第1画素の前記画素電極は、前記スイッチング素子に対して、前記スイッチング素子の前記ドレイン電極と前記半導体層が重なる側に位置し、
前記第2画素の前記画素電極は、前記スイッチング素子に対して、前記スイッチング素子の前記ドレイン電極と前記半導体層が重なる側と反対側に位置する、
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記第2画素の前記画素電極は、前記スイッチング素子に対して、前記ソース電極が接続する前記データ線と前記ゲート電極が接続する前記走査線のうちの一方を跨いだ位置に位置する、
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記第2画素のドレイン電極は、前記ソース電極が接続する前記データ線と前記ゲート電極が接続する前記走査線のうちの一方に平行に延びた後に折れ曲がり、前記第2画素の前記画素電極に接続する、
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
平面視した場合に、前記第1画素の前記ドレイン電極の面積と前記第2画素の前記ドレイン電極の面積が同じである、
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記第1画素の前記ドレイン電極と前記第2画素の前記ドレイン電極の少なくとも一方に、前記第1画素における前記画素電極と前記ドレイン電極との重なりと前記第2画素における前記画素電極と前記ドレイン電極との重なりとの差により生じる、前記第1画素と前記第2画素との容量差を補償する容量部を有する、
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記第1画素の前記画素電極と前記第2画素の前記画素電極は、
それぞれが接続する前記スイッチング素子に接続し、所定の方向に延伸する前記走査線又は前記データ線に対する位置が異なり、かつ、それぞれが接続する前記スイッチング素子に接続し、前記所定の方向と垂直な方向に延伸する前記データ線又は前記走査線に対する位置が同一である、
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記第1画素の前記画素電極と前記第2画素の前記画素電極は、
それぞれが接続する前記スイッチング素子に接続し、所定の方向に延伸する前記走査線又は前記データ線に対する位置が同一であり、かつ、それぞれが接続する前記スイッチング素子に接続し、前記所定の方向と垂直な方向に延伸する前記データ線又は前記走査線に対する位置が異なる、
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記第1画素の前記画素電極と前記第2画素の前記画素電極は、
それぞれが接続する前記スイッチング素子に接続し、所定の方向に延伸する前記走査線又は前記データ線に対する位置が異なり、かつ、それぞれが接続する前記スイッチング素子に接続し、前記所定の方向と垂直な方向に延伸する前記データ線又は前記走査線に対する位置が異なる、
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
前記第1画素と前記第2画素のそれぞれは、前記所定の方向と垂直な方向に並び、
前記第1画素の前記所定の方向と垂直な方向に並ぶ列と前記第2画素の前記所定の方向と垂直な方向に並ぶ列が、前記所定の方向に交互に配置されている、
請求項7から9のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項11】
前記第1画素と前記第2画素のそれぞれは、前記所定の方向に並び、
前記第1画素の前記所定の方向に並ぶ列と前記第2画素の前記所定の方向に並ぶ列が、前記所定の方向と垂直な方向に交互に配置されている、
請求項7から9のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項12】
前記第1画素と前記第2画素が、前記所定の方向と前記所定の方向と垂直な方向とに、交互に配置されている、
請求項9に記載の液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
駆動IC(Integrated Circuit)チップの数を減らして、製造コストを抑制した液晶表示装置として、2倍走査線方式(デュアルゲート構造とも呼ばれる)の液晶表示装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1は、行方向と列方向に配列された複数の画素電極と、1つの行の画素電極に対し、列方向の一方側に行方向に沿って配置された第1ゲート配線と、列方向の他方側に行方向に沿って配置された第2ゲート配線と、画素電極間に列方向に沿って配置された複数のソース配線と、第1画素スイッチと、第2画素スイッチとを備える液晶表示装置を開示している。第1画素スイッチは、画素電極のうちで行方向に隣接する2つの画素電極の一方とソース配線との間に設けられ、第1ゲート配線から供給されるゲート信号によりオン・オフする。第2画素スイッチは、2つの画素電極の他方と前記ソース配線との間に接続され、第2ゲート配線から供給されるゲート信号によりオン・オフする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-72339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、第1画素スイッチは、第1画素スイッチに接続する画素電極の+Y側に位置している。また、第1画素スイッチでは、半導体層はゲート電極上に積層され、ソース配線に接続するソース電極は半導体層上で画素電極に接続するドレイン電極を+Y側からU字形に囲み、ドレイン電極は半導体層上で-Y側に位置し-Y方向に延びている。
【0006】
一方、第2画素スイッチは、第2画素スイッチに接続する画素電橋の-Y側に位置している。第2画素スイッチでは、半導体層はゲート電極上に積層され、ソース電極は半導体層上でドレイン電極を-Y側からU字形に囲み、ドレイン電極は半導体層上で+Y側に位置し+Y方向に延びている。
【0007】
上述のように、第1画素スイッチと第2画素スイッチでは、ソース電極とドレイン電極の位置関係が異なるので、ソース電極とドレイン電極を半導体層上に形成する場合に位置ずれが生じると、第1画素スイッチと第2画素スイッチの特性に差が生じて、液晶表示装置の表示にムラが生じる虞がある。例えば、ソース電極とドレイン電極を半導体層上に形成する場合に、ソース電極とドレイン電極の位置が半導体層に対して+Y方向にずれると、第1画素スイッチでは、ソース電極と半導体層との重なりが小さくなり、ドレイン電極と半導体層との重なりが大きくなる。一方、ソース電極とドレイン電極の位置が半導体層に対して+Y方向にずれると、第2画素スイッチでは、ソース電極と半導体層との重なりが大きくなり、ドレイン電極と半導体層との重なりが小さくなる。これらにより、第1画素スイッチと第2画素スイッチの特性に差が生じて、液晶表示装置の表示にムラが生じる虞がある。
【0008】
さらに、特許文献1では、液晶表示装置を平面視した場合に、第1画素スイッチに接続する画素電極の形状と第2スイッチに接続する画素電極の形状が異なる。これにより、第1画素スイッチに接続する画素電極とソース配線との間に発生する寄生容量と第2画素スイッチに接続する画素電極とソース配線との間に発生する寄生容量が異なる虞もある。
【0009】
本開示は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、表示品位の高い液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本開示の液晶表示装置は、
スイッチング素子と前記スイッチング素子のドレイン電極に接続する画素電極とを有し、マトリクス状に配置された、複数の画素と、
前記スイッチング素子のゲート電極に接続する、複数の走査線と、
前記スイッチング素子のソース電極に接続し前記走査線に交差する、複数のデータ線と、を備え、
前記複数の画素は、前記ソース電極が接続する前記データ線と前記ゲート電極が接続する前記走査線の少なくとも一方に対する前記画素電極の相対位置が異なる、第1画素と第2画素とを有し、
平面視した場合に、前記複数の画素のそれぞれにおける、前記スイッチング素子の半導体層と前記ゲート電極と前記ソース電極の前記半導体層に重なる部分と前記ドレイン電極の前記半導体層に重なる部分の位置関係が、同じであり、
平面視した場合に、前記複数の画素のそれぞれにおける、前記画素電極の外形形状が同じである。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、表示品位の高い液晶表示装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態1に係る液晶表示装置の構成を示すブロック図である。
図2】実施形態1に係る液晶表示パネルを示す平面図である。
図3】実施形態1に係る液晶表示パネルの構成を示す平面図である。
図4図3に示す液晶表示パネルをA-A線で矢視した断面図である。
図5】実施形態1に係る、画素電極とスイッチング素子と走査線とデータ線との接続関係を示す模式図である。
図6】実施形態2に係る、画素電極とスイッチング素子と走査線とデータ線との接続関係を示す模式図である。
図7】実施形態2に係る、ゲート電極と半導体層とソース電極とドレイン電極の位置関係を示す模式図である。
図8】実施形態3に係る、画素電極とスイッチング素子と走査線とデータ線との接続関係を示す模式図である。
図9】実施形態3に係る、ゲート電極と半導体層とソース電極とドレイン電極の位置関係を示す模式図である。
図10】変形例に係る、画素電極とスイッチング素子と走査線とデータ線との接続関係を示す模式図である。
図11】変形例に係る、ゲート電極と半導体層とソース電極とドレイン電極の位置関係を示す模式図である。
図12】変形例に係る、第1画素における画素電極とスイッチング素子と走査線とデータ線との接続関係を示す模式図である。
図13】変形例に係る第1画素のスイッチング素子を示す模式図である。
図14】変形例に係る、第2画素における画素電極とスイッチング素子と走査線とデータ線との接続関係を示す模式図である。
図15】変形例に係る第2画素のスイッチング素子を示す模式図である。
図16】変形例に係る第1画素のスイッチング素子を示す模式図である。
図17】変形例に係る、第2画素における画素電極とスイッチング素子と走査線とデータ線との接続関係を示す模式図である。
図18】変形例に係る第2画素のスイッチング素子を示す模式図である。
図19】変形例に係る、第2画素における画素電極とスイッチング素子と走査線とデータ線との接続関係を示す模式図である。
図20】変形例に係る第2画素のスイッチング素子を示す模式図である。
図21】変形例に係る、第1画素における画素電極とスイッチング素子と走査線とデータ線との接続関係を示す模式図である。
図22】変形例に係る第1画素のスイッチング素子を示す模式図である。
図23】変形例に係る、第2画素における画素電極とスイッチング素子と走査線とデータ線との接続関係を示す模式図である。
図24】変形例に係る第2画素のスイッチング素子を示す模式図である。
図25】変形例に係る第1画素のスイッチング素子を示す模式図である。
図26】変形例に係る、第2画素における画素電極とスイッチング素子と走査線とデータ線との接続関係を示す模式図である。
図27】変形例に係る第2画素のスイッチング素子を示す模式図である。
図28】変形例に係る、第2画素における画素電極とスイッチング素子と走査線とデータ線との接続関係を示す模式図である。
図29】変形例に係る第2画素のスイッチング素子を示す模式図である。
図30】変形例に係る第1画素と第2画素の配置を示す模式図である。
図31】変形例に係る第1画素と第2画素の配置を示す模式図である。
図32】変形例に係る第1画素と第2画素の配置を示す模式図である。
図33】変形例に係るドレイン電極を示す模式図である。
図34】変形例に係るドレイン電極を示す模式図である。
図35】変形例に係る液晶表示パネルの構成を示す平面図である。
図36図35に示す液晶表示パネルをB-B線で矢視した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施形態に係る液晶表示装置について、図面を参照して説明する。
【0014】
<実施形態1>
図1図5を参照して、本実施形態に係る液晶表示装置10を説明する。液晶表示装置10は、図1に示すように、液晶表示パネル100と、ゲートドライバ500と、データドライバ600とを備える。また、液晶表示装置10は、図示しない、タイミングコントローラ、共通電圧制御部、バックライト等を備える。本明細書では、理解を容易にするため、図1における液晶表示装置10の右方向(紙面の右方向)を+X方向、上方向(紙面の上方向)を+Y方向と、+X方向と+Y方向に垂直な方向(紙面の手前方向)を+Z方向として説明する。また、液晶表示装置10の+Z側に観察者が位置するとして説明する。
【0015】
液晶表示装置10の液晶表示パネル100は、図2に示すように、TFT(Thin Film Transistor)基板200と対向基板300と液晶LCとを備える。また、液晶表示パネル100は、後述する、第1偏光板110と第2偏光板120とを備える。液晶表示パネル100は、マトリクス状に配列された、複数の画素PXを有している。なお、図2では、理解を容易にするため、第1偏光板110と第2偏光板120とを省略している。
【0016】
TFT基板200には、後述する、複数の走査線GL(GL:nは1以上の整数)、複数のデータ線DL(DL:mは1以上の整数)、画素PXの画素電極210とスイッチング素子220と共通電極CE等が形成されている。また、対向基板300には、後述する、カラーフィルタCF、ブラックマトリクスBM等が形成されている。TFT基板200と対向基板300は、図2に示すように、シール材130により貼り合わされて、液晶LCを挟持している。液晶表示パネル100の詳細な構成については、後述する。また、走査線GLとデータ線DLとを総称して配線とも記載する。
【0017】
図1に戻り、液晶表示装置10のゲートドライバ500は、液晶表示パネル100の走査線GLに走査信号を順次に供給して、走査線GLに接続されているスイッチング素子220を有する画素PXを順次に駆動する。液晶表示装置10のデータドライバ600は、液晶表示パネル100のデータ線DLのそれぞれに画像信号(階調電圧)を供給する。
【0018】
また、液晶表示装置10のタイミングコントローラは、ゲートドライバ500、データドライバ600等の動作を同期させるための制御信号を生成して、ゲートドライバ500、データドライバ600等に供給する。液晶表示装置10の共通電圧制御部は、共通電極CEの電位を制御する。液晶表示装置10のバックライトは、液晶表示パネル100の表示面と反対側(-Z側)に配置され、液晶表示パネル100に光を供給する。
【0019】
次に、図3図5を参照して、液晶表示パネル100の構成を説明する。図3は液晶表示パネル100の構成を示す平面図であり、図4図3に示す液晶表示パネル100をA-A線で矢視した断面図である。図5は、画素電極210とスイッチング素子220と走査線GLとデータ線DLとの接続関係を示す模式図である。なお、図3では、理解を容易にするために、共通電極CE、後述するTFT基板200の第1絶縁層242、対向基板300等を省略している。また、以下の図においても、共通電極CE、第1絶縁層242、対向基板300等を省略する場合がある。
【0020】
本実施形態では、液晶表示パネル100は、1つのデータ線DLを隣接する2つの画素PXで共有し、走査線GLの数を2倍にした2倍走査線方式の液晶表示パネルである。また、液晶表示パネル100は、透過型で、FFS(Fringe Field Switching)モードで動作する。
【0021】
液晶表示パネル100のTFT基板200は、第1透光性基板205、複数の走査線GL、複数のデータ線DL、画素PXの画素電極210等を有する。第1透光性基板205は、例えば、ガラス基板である。図3図5に示すように、第1透光性基板205の第1主面205aに、複数の走査線GL、複数のデータ線DL、画素PXの画素電極210とスイッチング素子220と共通電極CE等が形成されている。第1透光性基板205の第1主面205aと反対側の第2主面205bに、第1偏光板110が設けられている。
【0022】
まず、画素電極210、スイッチング素子220、走査線GL等の接続関係を説明する。本実施形態では、図5に示すように、画素PXの画素電極210がX方向とY方向とにマトリクス状に配置されている。走査線GLは、X方向に延びる。また、走査線GLは、X方向に並ぶ画素電極210の列を+Y側と-Y側の両側から挟んで、2つずつ設けられている。データ線DLはY方向に延びる。データ線DLは、Y方向に並ぶ画素電極210の列を2列ずつ区切って、1つずつ設けられている。
【0023】
画素電極210に接続するスイッチング素子220は、図3に示すように、2つずつ配置されている走査線GLの間に配置されている(例えば、走査線GLn-1と走査線GLの間)。データ線DL(例えば、データ線DL)を挟んで隣接する画素電極210に接続するスイッチング素子220のソース電極は、図3図5に示すように、画素電極210が挟んでいる同じデータ線DLに接続している。一方、データ線DL(例えば、データ線DL)を挟んで隣接する画素電極210のうち、+X側に位置する画素電極210に接続するスイッチング素子220のゲート電極は、-Y側に位置し隣接する走査線GL(例えば、走査線GLn+1)に接続し、-X側に位置する画素電極210に接続するスイッチング素子220のゲート電極は、+Y側に位置し隣接する走査線GL(例えば、走査線GL)に接続している。
【0024】
したがって、本実施形態では、画素PXは、スイッチング素子220のソース電極が接続するデータ線DLとスイッチング素子220のゲート電極が接続する走査線GLの少なくとも一方に対する画素電極210の相対位置が異なる、第1画素PX1と第2画素PX2とを有することになる。具体的には、図5に示すように、第1画素PX1では、画素電極210は、ソース電極が接続するデータ線DLに対して+X側に位置し、ゲート電極が接続する走査線GLに対して+Y側に位置している。一方、第2画素PX2では、画素電極210は、ソース電極が接続するデータ線DLに対して-X側に位置し、ゲート電極が接続する走査線GLに対して-Y側に位置している。以下では、第1画素PX1と第2画素PX2とを総称して、画素PXと記載する場合がある。また、第1画素PX1のスイッチング素子220をスイッチング素子220Aと、第2画素PX2のスイッチング素子220をスイッチング素子220Bと記載し、スイッチング素子220Aとスイッチング素子220Bとを総称してスイッチング素子220と記載する場合もある。
【0025】
図3図4に戻り、走査線GL、共通電極CE、画素電極210、スイッチング素子220等の具体的構成を説明する。
【0026】
走査線GLは、X方向に延び、第1透光性基板205の第1主面205aの上に形成されている。走査線GLは、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)等の金属から形成される。走査線GLは、第1絶縁層242に覆われている。
【0027】
データ線DLは、Y方向に延び、第1絶縁層242の上に形成されている。データ線DLも、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)等の金属から形成される。データ線DLは、第2絶縁層244に覆われている。
【0028】
共通電極CEは、図示しない共通配線を介して、共通電圧制御部に接続している。共通電極CEは、第1絶縁層242と第2絶縁層244の上に、ITO(Indium Tin Oxide)から形成される。共通電極CEは、第3絶縁層246に覆われている。
【0029】
第1画素PX1の画素電極210は、走査線GL(走査線GLと走査線GLn+1)に挟まれ、接続するデータ線DL(DL)の+X側に設けられる。第2画素PX2の画素電極210は、走査線GL(走査線GLと走査線GLn+1)に挟まれ、接続するデータ線DL(DL)の-X側に設けられる。第1画素PX1と第2画素PX2の画素電極210は、それぞれ、第2絶縁層244と第3絶縁層246とに設けられたコンタクトホール248を介して、スイッチング素子220のドレイン電極228に接続している。画素電極210はITOから形成される。
【0030】
第1画素PX1と第2画素PX2の画素電極210は、Y方向に延びるスリットSLを有し、観察者から見て、同じ外形形状(矩形形状)を有している。これにより、液晶表示パネル100では、第1画素PX1の画素電極210とデータ線DLとの間に発生する寄生容量と、第2画素PX2の画素電極210とデータ線DLとの間に発生する寄生容量とを等しくできる。
【0031】
画素PXのスイッチング素子220は、例えば、TFT素子である。スイッチング素子220は、ゲート電極222と半導体層224とソース電極226とドレイン電極228とを有する。本実施形態では、ゲート電極222は、走査線GLと一体に、TFT基板200の第1主面205aの上に形成されている。ゲート電極222は、走査線GLと同様、第1絶縁層242に覆われている。
【0032】
半導体層224は、第1絶縁層242を介して、ゲート電極222の上にアイランド上に設けられている。半導体層224は、例えば、アモルファスシリコンから形成される。ソース電極226は、第1絶縁層242と半導体層224の上に、データ線DLから分岐して形成される。ソース電極226は、半導体層224上でU字形状を有し、半導体層224上のドレイン電極228を囲んでいる。ドレイン電極228は、第1絶縁層242と半導体層224の上に設けられ、コンタクトホール248を介して、画素電極210に接続している。ソース電極226とドレイン電極228は、データ線DLと同様に、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)等の金属から形成される。また、半導体層224とソース電極226とドレイン電極228は、第2絶縁層244と第3絶縁層246に覆われている。
【0033】
ここで、観察者側(+Z側)から液晶表示パネル100を平面視した、ゲート電極222と半導体層224とソース電極226とドレイン電極228の位置関係を説明する。
【0034】
第1画素PX1のスイッチング素子220Aでは、図3に示すように、半導体層224がゲート電極222上に位置し、ソース電極226は半導体層224上で-Y側に位置して-Y側からドレイン電極228を囲んでいる。スイッチング素子220Aのドレイン電極228は、半導体層224上で+Y側に位置し、+Y方向に延びて、ドレイン電極228と半導体層224が重なる側(+Y側)に位置する画素電極210に接続している。
【0035】
第2画素PX2のスイッチング素子220Bでも、半導体層224がゲート電極222上に位置する。また、スイッチング素子220Bのソース電極226は、半導体層224上で-Y側に位置して-Y側からドレイン電極228を囲んでいる。スイッチング素子220Bのドレイン電極228は、半導体層224上で+Y側に位置する。スイッチング素子220Bのドレイン電極228は、+Y方向に延びた後に屈曲して、ドレイン電極228と半導体層224が重なる側と反対側(-Y側)に位置する画素電極210に接続している。
【0036】
すなわち、第1画素PX1のスイッチング素子220Aと第2画素PX2のスイッチング素子220Bでは、図3に示すように、ゲート電極222と、半導体層224と、ソース電極226の半導体層224に重なる部分226aと、ドレイン電極228の半導体層224に重なる部分228aの位置関係が同じに、形成されている。本実施形態では、スイッチング素子220Aとスイッチング素子220Bにおける、ゲート電極222と半導体層224とソース電極226の半導体層224に重なる部分226aとドレイン電極228の半導体層224に重なる部分228aの位置関係が、同じであるので、ゲート電極222と半導体層224とソース電極226とドレイン電極228を形成する場合に、層間の重ねずれ(各部の位置ずれ)が生じても、スイッチング素子220Aとスイッチング素子220Bの各部は同じ方向にずれる。したがって、本実施形態では、ゲート電極222と半導体層224とソース電極226とドレイン電極228を形成する場合に、層間の重ねずれが生じても、スイッチング素子220Aとスイッチング素子220Bの特性の差を小さくできる。これにより、液晶表示装置10の表示ムラを抑制できる。
【0037】
第1絶縁層242は、図4に示すように、走査線GLとスイッチング素子220のゲート電極222とを覆う。第2絶縁層244は、スイッチング素子220の半導体層224とソース電極226とドレイン電極228と、第1絶縁層242とを覆う。第3絶縁層246は、共通電極CEと第2絶縁層244とを覆う。第1絶縁層242~第3絶縁層246は、例えば、窒化シリコン(SiN)から形成される。
【0038】
第3絶縁層246と画素電極210の上には、配向処理された配向膜AL1が設けられている。配向膜AL1は、例えば、ポリイミド薄膜である。
【0039】
液晶表示パネル100の対向基板300は、第2透光性基板305、ブラックマトリクスBM等を有する。第2透光性基板305は、例えば、ガラス基板である。図4に示すように、ブラックマトリクスBMとカラーフィルタCFとオーバーコート層OCと配向膜AL2が、第2透光性基板305の第1主面305aに形成されている。第2透光性基板305の第1主面305aは、第1透光性基板205の第1主面205aに対向している。また、第2偏光板120が、第2透光性基板305の第1主面305aの反対側の第2主面305bに設けられている。
【0040】
ブラックマトリクスBMは、画素PXの光を透過する領域を画定する。カラーフィルタCFは、例えば、赤色(R)と緑色(G)と青色(B)の3色のそれぞれがY方向に一列に配列された縦ストライプ配列のカラーフィルタである。オーバーコート層OCは、ブラックマトリクスBMとカラーフィルタCFとを覆う。オーバーコート層OCは、例えば、透光性を有する樹脂から形成される。配向膜AL2は、オーバーコート層OCの上に設けられ、配向処理を施されている。配向膜AL2は、例えば、ポリイミド薄膜である。
【0041】
液晶表示パネル100の液晶LCは、ネマチック液晶である。液晶LCは、配向膜AL1と配向膜AL2により、ホモジニアス配向されている。液晶LCは、共通電極CEと画素電極210との電位差から生じるTFT基板200の第1主面205aに平行な電界成分により、面内でツイスト変形して、画素PXごとに画素PXの透過光量を制御する。
【0042】
液晶表示パネル100の第1偏光板110は、第1透光性基板205の第2主面205bに設けられる。液晶表示パネル100の第2偏光板120は、第2透光性基板305の第2主面305bに設けられる。第1偏光板110と第2偏光板120は、例えば、クロスニコルに配置される(ノーマリブラックモード)。
【0043】
次に、液晶表示装置10の製造方法を説明する。まず、TFT基板200の製造方法を説明する。
【0044】
まず、第1透光性基板205の第1主面205aの上に、スパッタ法により、アルミニウム薄膜を形成した後、アルミニウム薄膜をエッチングにより加工して、走査線GLとゲート電極222を形成する。次に、PCVD(Plasma Chemical Vapor Deposition)法により、窒化シリコン薄膜とアモルファスシリコン(i-a-Si:intrinsic amorphous Silicon)薄膜とn型アモルファスシリコン(n-a-Si:n-type intrinsic amorphous Silicon)薄膜とを連続して形成した後、アモルファス薄膜とn型アモルファスシリコン薄膜を半導体層224となる部分をアイランド状に残して、エッチングする。そして、スパッタ法により、アルミニウム薄膜を形成した後、アルミニウム薄膜をエッチングにより加工して、データ線DLとソース電極226とドレイン電極228とを形成する。さらに、不要なn型アモルファスシリコン部分をエッチングにより除去する。
【0045】
次に、第2絶縁層244として窒化シリコン薄膜を形成した後、第2絶縁層244の上にITOから共通電極CEと共通配線とを形成する。そして、第3絶縁層246として、窒化シリコン薄膜を形成する。
【0046】
次に、エッチングにより、第2絶縁層244と第3絶縁層246にコンタクトホール248を設ける。さらに、ITOから画素電極210を形成する。ここで、画素電極210は、コンタクトホール248を介して、ドレイン電極228に接続される。
【0047】
最後に、ポリイミド溶液を塗布し焼成することにより、配向膜AL1を形成した後、配向膜AL1に配向処理を施す。以上により、TFT基板200を製造できる。
【0048】
対向基板300の製造方法を説明する。まず、第2透光性基板305の第1主面305aの上に、黒色顔料を含む感光性樹脂からブラックマトリクスBMを形成する。次に、カラーフィルタCF、オーバーコート層OCを順に形成する。オーバーコート層OCの上にスペーサを形成した後、配向膜AL1と同様に、配向膜AL2を形成する。以上により、対向基板300を製造できる。
【0049】
次に、TFT基板200と対向基板300とをシール材130により貼り合わせた後、TFT基板200と対向基板300の間に液晶LCを注入し、封入する。さらに、第1偏光板110をTFT基板200に設け、第2偏光板120を対向基板300に設ける。以上により、液晶表示パネル100を製造できる。
【0050】
さらに、ゲートドライバ500、データドライバ600、バックライト等を液晶表示パネル100に実装する。以上により、液晶表示装置10を製造できる。
【0051】
以上のように、画素PXのそれぞれにおける、ゲート電極222と半導体層224とソース電極226の半導体層224に重なる部分226aとドレイン電極228の半導体層224に重なる部分228aの位置関係が、同じであるので、スイッチング素子220の各部を形成する場合に、層間の重ねずれが生じても、スイッチング素子220特性の差を小さくできる。また、観察者から見て、画素電極210の外形形状が同じであるので、画素電極210とデータ線DLとの間に発生する寄生容量を等しくできる。これらにより、表示ムラを抑制して、液晶表示装置10の表示品位を高くできる。
【0052】
<実施形態2>
実施形態1の液晶表示パネル100は2倍走査線方式の液晶表示パネルである。液晶表示パネル100は3倍走査線方式(トリプルゲート構造)の液晶表示パネルであってもよい。3倍走査線方式の液晶表示パネル100では、1つの絵素(表示の最小単位)を形成する赤色画素と緑色画素と青色画素のスイッチング素子220のゲート電極222が、互いに異なる走査線GLに接続している。
【0053】
本実施形態では、画素電極210、スイッチング素子220、走査線GL等の接続関係が、実施形態1の接続関係と異なる。本実施形態のその他の構成は、実施形態1と同様である。ここでは、図6図7を参照して、画素電極210、スイッチング素子220、走査線GL等の接続関係と位置関係について、説明する。
【0054】
本実施形態では、図6に示すように、画素PXの画素電極210は、X方向とY方向とにマトリクス状に配置されている。走査線GLは、Y方向に延び、画素電極210の間に1つずつ設けられている。データ線DLは、X方向に延び、画素電極210の間に1つずつ設けられている。
【0055】
本実施形態では、カラーフィルタCFは、実施形態1と同様に、赤色(R)と緑色(G)と青色(B)の3色のそれぞれがY方向に一列に配列された縦ストライプ配列のカラーフィルタであり、1つの絵素140を形成する赤色画素Rと緑色画素Gと青色画素Bのスイッチング素子220のゲート電極222は、互いに異なる走査線GL(例えば、走査線GL、走査線GLn+1、走査線GLn+2)に接続している。また、Y方向に並んだ同一色の画素PXのスイッチング素子220のゲート電極222は、同じ走査線GLに接続している。一方、X方向に並んだ赤色画素Rと緑色画素Gと青色画素Bの列では、画素電極210に接続するスイッチング素子220のソース電極226は、交互に、-Y側に位置するデータ線DL(例えば、データ線DL)又は+Y側に位置するデータ線DL(例えば、データ線DLm-1)に接続している。
【0056】
本実施形態の画素PXは、実施形態1の画素PXと同様に、スイッチング素子220のソース電極226が接続するデータ線DLとスイッチング素子220のゲート電極222が接続する走査線GLの少なくとも一方に対する画素電極210の相対位置が異なる、第1画素PX1と第2画素PX2とを有している。具体的には、図6に示すように、第1画素PX1では、画素電極210は、ゲート電極222が接続する走査線GLに対して+X側に位置し、ソース電極226が接続するデータ線DLに対して+Y側に位置している。一方、第2画素PX2では、画素電極210は、ゲート電極222が接続する走査線GLに対して+X側に位置し、ソース電極226が接続するデータ線DLに対して-Y側に位置している。
【0057】
また、実施形態1と同様に、第1画素PX1のスイッチング素子220Aと第2画素PX2のスイッチング素子220Bでは、ゲート電極222と、半導体層224と、ソース電極226の半導体層224に重なる部分226aと、ドレイン電極228の半導体層224に重なる部分228aの位置関係が、同じに形成されている。すなわち、図7に示すように、本実施形態のスイッチング素子220A、220Bでは、半導体層224がゲート電極222上に位置し、ソース電極226の半導体層224に重なる部分226aは-Y側に位置して-Y側からドレイン電極228の半導体層224に重なる部分228aを囲んでいる。また、本実施形態のスイッチング素子220A、220Bのドレイン電極228の半導体層224に重なる部分228aは、+Y側に位置し、-Y側からソース電極226の半導体層224に重なる部分226aに囲まれている。
【0058】
したがって、本実施形態においても、実施形態1と同様に、ゲート電極222と半導体層224とソース電極226とドレイン電極228を形成する場合に、層間の重ねずれが生じても、スイッチング素子220Aとスイッチング素子220Bの特性の差を小さくでき、液晶表示装置10の表示ムラを抑制できる。
【0059】
なお、本実施形態においても、図7に示すように、第1画素PX1のスイッチング素子220Aのドレイン電極228は、実施形態1と同様に、ドレイン電極228と半導体層224が重なる側(+Y側)に位置する画素電極210に接続している。また、第2画素PX2のスイッチング素子220Bのドレイン電極228は、+Y方向に延びた後に屈曲して、ドレイン電極228と半導体層224が重なる側と反対側(-Y側)に位置する画素電極210に接続している。また、第2画素PX2では、ドレイン電極228は、図示しないコンタクトホールを介して接続部229に接続し、接続部229が画素電極210に接続している。
【0060】
以上のように、本実施形態においても、画素PXのそれぞれにおける、ゲート電極222と半導体層224とソース電極226の半導体層224に重なる部分226aとドレイン電極228の半導体層224に重なる部分228aの位置関係が、同じであるので、スイッチング素子220の各部を形成する場合に、層間の重ねずれが生じても、スイッチング素子220の特性の差を小さくできる。また、図7に示すように、観察者から見て、第1画素PX1と第2画素PX2の画素電極210の外形形状が同じである。したがって、画素電極210とデータ線DLとの間に発生する寄生容量を等しくできる。これらにより、表示ムラを抑制して、液晶表示装置10の表示品位を高くできる。
【0061】
<実施形態3>
実施形態2のスイッチング素子220は1つのゲート電極222を有するが、スイッチング素子220は2つのゲート電極(所謂ダブルゲート構造)を有してもよい。
【0062】
本実施形態では、画素電極210、スイッチング素子220、走査線GL等の接続関係が、実施形態1と実施形態2の接続関係と異なる。また、スイッチング素子220はダブルゲート構造を有しており、スイッチング素子220半導体層224は低温多結晶シリコン(LTPS:Low-Temperature Poly Silicon)から形成されている。本実施形態のその他の構成は、実施形態2と同様である。ここでは、図8図9を参照して、画素電極210、スイッチング素子220、走査線GL等の接続関係と位置関係を、主に説明する。なお、本実施形態の液晶表示パネル100は、3倍走査線方式の液晶表示パネルである。
【0063】
本実施形態では、図8に示すように、画素PXの画素電極210は、X方向とY方向とにマトリクス状に配置されている。走査線GLは、Y方向に延び、画素電極210の間に1つずつ設けられている。データ線DLは、X方向に延び、画素電極210の間に1つずつ設けられている。
【0064】
本実施形態では、カラーフィルタCFは、実施形態2と同様に、赤色と緑色と青色の3色のそれぞれがY方向に一列に配列された縦ストライプ配列のカラーフィルタであり、1つの絵素140を形成する赤色画素Rと緑色画素Gと青色画素Bのスイッチング素子220のゲート電極222は、互いに異なる走査線GL(例えば、走査線GL、走査線GLn+1、走査線GLn+2)に接続している。また、Y方向に並んだ同一色の画素PXのスイッチング素子220のゲート電極222は、同じ走査線GLに接続している。一方、X方向に並んだ赤色画素Rと緑色画素Gと青色画素Bの列では、画素電極210に接続するスイッチング素子220のソース電極226は、同じデータ線DL(例えば、データ線DL)に接続している。
【0065】
本実施形態の画素PXは、実施形態1、2の画素PXと同様に、スイッチング素子220のソース電極226が接続するデータ線DLとスイッチング素子220のゲート電極222が接続する走査線GLの少なくとも一方に対する画素電極210の相対位置が異なる、第1画素PX1と第2画素PX2とを有する。具体的には、図8に示すように、第1画素PX1では、画素電極210は、ゲート電極222が接続する走査線GLに対して+X側に位置し、ソース電極226が接続するデータ線DLに対して-Y側に位置している。一方、第2画素PX2では、画素電極210は、ゲート電極222が接続する走査線GLに対して-X側に位置し、ソース電極226が接続するデータ線DLに対して-Y側に位置している。
【0066】
本実施形態では、スイッチング素子220は公知のダブルゲート構造を有している。具体的には、図9に示すように、低温多結晶シリコンから形成された屈曲した半導体層224が走査線GLに交差して、2つのゲート電極(チャネル部)222を形成している。また、データ線DLが、図示しないコンタクトホールを介して、半導体層224の一方の端部に接続して重なり、ソース電極226を形成している。さらに、ドレイン電極228は、図示しないコンタクトホールを介して、半導体層224の他方の端部に接続して、重なっている。
【0067】
第1画素PX1(スイッチング素子220A)のドレイン電極228は、ドレイン電極228と半導体層224が重なる側に位置する画素電極210に接続している。第2画素PX2(スイッチング素子220B)のドレイン電極228は、ドレイン電極228と半導体層224が重なる側と反対側に位置する画素電極210に接続している。
【0068】
また、第1画素PX1の画素電極210と第2画素PX2の画素電極210は、観察者から見て、同じ外形形状を有している。したがって、本実施形態においても、第1画素PX1の画素電極210とデータ線DLとの間に発生する寄生容量と、第2画素PX2の画素電極210とデータ線DLとの間に発生する寄生容量とを等しくできる。
【0069】
本実施形態においても、実施形態1、2と同様に、第1画素PX1のスイッチング素子220Aと第2画素PX2のスイッチング素子220Bでは、ゲート電極222と、半導体層224と、ソース電極226の半導体層224に重なる部分226aと、ドレイン電極228の半導体層224に重なる部分228aの位置関係は、同じである。具体的には、図9に示すように、本実施形態のスイッチング素子220A、220Bでは、ゲート電極222はソース電極226とドレイン電極228よりも-X側に位置している。また、ソース電極226の半導体層224に重なる部分226aは半導体層224の一方の端部に位置し、ドレイン電極228の半導体層224に重なる部分228aは半導体層224の一方の端部に位置して、ソース電極226の半導体層224に重なる部分226aはドレイン電極228の半導体層224に重なる部分228aよりも+Y側に位置している。
【0070】
したがって、本実施形態においても、ゲート電極222と半導体層224とソース電極226とドレイン電極228を形成する場合に、層間の重ねずれが生じても、スイッチング素子220Aとスイッチング素子220Bの特性の差を小さくでき、液晶表示装置10の表示ムラを抑制できる。
【0071】
以上のように、本実施形態においても、画素PXのそれぞれにおける、ゲート電極222と半導体層224とソース電極226の半導体層224に重なる部分226aとドレイン電極228の半導体層224に重なる部分228aの位置関係が、同じであるので、スイッチング素子220の各部を形成する場合に、層間の重ねずれが生じても、スイッチング素子220の特性の差を小さくできる。また、画素電極210の外形形状が同じであるので、画素電極210とデータ線DLとの間に発生する寄生容量を等しくできる。これらにより、表示ムラを抑制して、液晶表示装置10の表示品位を高くできる。
【0072】
<変形例>
以上、実施形態を説明したが、本開示は、要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0073】
例えば、液晶表示パネル100における走査線GLとデータ線DLの配置は、X方向に並んだ画素PXに対して1つずつ走査線GLが配置されており、Y方向に並んだ画素PXに対して1つずつデータ線DLが配置されてよい。この場合においても、図10図11に示すように、液晶表示パネル100は、実施形態1~実施形態3と同様に、スイッチング素子220のソース電極226が接続するデータ線DLとスイッチング素子220のゲート電極222が接続する走査線GLとに対する画素電極210の相対位置が異なる、第1画素PX1と第2画素PX2と備えている。具体的には、第1画素PX1では、画素電極210は、ソース電極226が接続するデータ線DLに対して+X側に位置し、ゲート電極222が接続する走査線GLに対して+Y側に位置している。一方、第2画素PX2では、画素電極210は、ソース電極226が接続するデータ線DLに対して+X側に位置し、ゲート電極222が接続する走査線GLに対して-Y側に位置している。また、第1画素PX1のドレイン電極228は、ドレイン電極228と半導体層224が重なる側に位置する画素電極210に接続し、第2画素PX2のドレイン電極228は、ドレイン電極228と半導体層224が重なる側と反対側に位置する画素電極210に接続している。さらに、観察者から見て、画素電極210の外形形状が同じである。画素PXのそれぞれにおける、ゲート電極222と半導体層224とソース電極226の半導体層224に重なる部分226aとドレイン電極228の半導体層224に重なる部分228aの位置関係も、同じである。
【0074】
第1画素PX1と第2画素PX2では、スイッチング素子220のソース電極226が接続するデータ線DLとスイッチング素子220のゲート電極222が接続する走査線GLの少なくとも一方に対する、画素電極210の相対位置が異なり、スイッチング素子220の半導体層224とゲート電極222とソース電極226の半導体層224に重なる部分226aとドレイン電極228の半導体層224に重なる部分228aの位置関係が同じであればよい。ゲート線GLがX方向に延び、データ線DLがY方向に延びる場合、第1画素PX1と第2画素PX2の構成の組み合わせは、以下の3通りの組み合わせ(組み合わせA1~A3)である。
【0075】
(組み合わせA1)
組み合わせA1では、第1画素PX1の画素電極210は、図12に示すように、ソース電極226が接続するデータ線DLに対して+X側に位置し、ゲート電極222が接続する走査線GLに対して+Y側に位置する。さらに、第1画素PX1のスイッチング素子220Aでは、図13に示すように、半導体層224がゲート電極222上に位置し、ソース電極226は半導体層224上で-Y側に位置して-Y側からドレイン電極228を囲み、ドレイン電極228は、半導体層224上で+Y側に位置し、+Y方向に延びて、ドレイン電極228と半導体層224が重なる側(+Y側)に位置する画素電極210に接続する。
【0076】
一方、第2画素PX2の画素電極210は、図14に示すように、ソース電極226が接続するデータ線DLに対して+X側に位置し、ゲート電極222が接続する走査線GLに対して-Y側に位置する。さらに、第2画素PX2のスイッチング素子220Bでは、図15に示すように、半導体層224がゲート電極222上に位置し、ソース電極226は半導体層224上で-Y側に位置して-Y側からドレイン電極228を囲む。ドレイン電極228は、半導体層224上で+Y側に位置し、+Y方向に、ソース電極226が接続するデータ線DLに平行に延びた後に屈曲して、ドレイン電極228と半導体層224が重なる側と反対側(-Y側)に位置する画素電極210に接続する。画素電極210は、スイッチング素子220Bに対して、ゲート電極222が接続する走査線GLを跨いだ位置に位置している。
【0077】
なお、図12図13に図示した第1画素PX1をY軸に対して反転させた第1画素PX1と、図14図15に図示した第2画素PX2をY軸に対して反転させた第2画素PX2との組み合わせも、組み合わせA1に相当する。
【0078】
上記の構成を換言すると、組み合わせA1では、第1画素PX1の画素電極210は対象となるデータ線DLの右側かつ走査線GLの上側に位置し、第2画素PX2の画素電極210は対象となるデータ線DLの右側かつ走査線GLの下側に位置する。また、組み合わせA1のもう一つの例では、第1画素PX1の画素電極210は対象となるデータ線DLの左側かつ走査線GLの上側に位置し、第2画素PX2の画素電極210は対象となるデータ線DLの左側かつ走査線GLの下側に位置する。
【0079】
(組み合わせA2)
組み合わせA2では、第1画素PX1の画素電極210は、組み合わせA1と同様に、ソース電極226が接続するデータ線DLに対して+X側に位置し、ゲート電極222が接続する走査線GLに対して+Y側に位置する(図12)。さらに、第1画素PX1のスイッチング素子220Aでは、図16に示すように、半導体層224がゲート電極222上に位置し、ソース電極226は半導体層224上で-X側に位置して-X側からドレイン電極228を囲み、ドレイン電極228は、半導体層224上で+X側に位置し、+X方向に延びて、ドレイン電極228と半導体層224が重なる側(+X側)に位置する画素電極210に接続する。
【0080】
一方、第2画素PX2の画素電極210は、図17に示すように、ソース電極226が接続するデータ線DLに対して-X側に位置し、ゲート電極222が接続する走査線GLに対して+Y側に位置する。第2画素PX2のスイッチング素子220Bでは、図18に示すように、半導体層224がゲート電極222上に位置し、ソース電極226は半導体層224上で-X側に位置して-X側からドレイン電極228を囲む。ドレイン電極228は、半導体層224上で+X側に位置し、+X方向に、ゲート電極222が接続する走査線GLに平行に延びた後に屈曲して、ドレイン電極228と半導体層224が重なる側と反対側(-X側)に位置する画素電極210に接続する。画素電極210は、スイッチング素子220Bに対して、ソース電極226が接続するデータ線DLを跨いだ位置に位置している。
【0081】
なお、図12図16に図示した第1画素PX1をX軸に対して反転させた第1画素PX1と、図17図18に図示した第2画素PX2をX軸に対して反転させた第2画素PX2との組み合わせも、組み合わせA2に相当する。
【0082】
上記の構成を換言すると、組み合わせA2では、第1画素PX1の画素電極210は対象となるデータ線DLの右側かつ走査線GLの上側に位置し、第2画素PX2の画素電極210は対象となるデータ線DLの左側かつ走査線GLの上側に位置する。また、組み合わせA2のもう一つの例では、第1画素PX1の画素電極210は対象となるデータ線DLの右側かつ走査線GLの下側に位置し、第2画素PX2の画素電極210は対象となるデータ線DLの左側かつ走査線GLの下側に位置する。
【0083】
(組み合わせA3)
組み合わせA3では、第1画素PX1の画素電極210は、組み合わせA1と同様に、ソース電極226が接続するデータ線DLに対して+X側に位置し、ゲート電極222が接続する走査線GLに対して+Y側に位置する(図12)。さらに、第1画素PX1のスイッチング素子220Aでは、組み合わせA1と同様に、半導体層224がゲート電極222上に位置し、ソース電極226は半導体層224上で-Y側に位置して-Y側からドレイン電極228を囲み、ドレイン電極228は、半導体層224上で+Y側に位置し、+Y方向に延びて、ドレイン電極228と半導体層224が重なる側(+Y側)に位置する画素電極210に接続する(図13)。
【0084】
一方、第2画素PX2の画素電極210は、図19に示すように、ソース電極226が接続するデータ線DLに対して-X側に位置し、ゲート電極222が接続する走査線GLに対して-Y側に位置する。さらに、第2画素PX2のスイッチング素子220Bでは、図20に示すように、半導体層224がゲート電極222上に位置し、ソース電極226は半導体層224上で-Y側に位置して-Y側からドレイン電極228を囲む。ドレイン電極228は、半導体層224上で+Y側に位置し、+Y方向に、ソース電極226が接続するデータ線DLに平行に延びた後に屈曲して、ドレイン電極228と半導体層224が重なる側と反対側(-Y側)に位置する画素電極210に接続する。画素電極210は、スイッチング素子220Bに対して、ゲート電極222が接続する走査線GLを跨いだ位置に位置している。
【0085】
なお、図12図13に図示した第1画素PX1をX軸に対して反転させた第1画素PX1と、図19図20に図示した第2画素PX2をX軸に対して反転させた第2画素PX2との組み合わせも、組み合わせA3に相当する。
【0086】
上記の構成を換言すると、組み合わせA3では、第1画素PX1の画素電極210は対象となるデータ線DLの右側かつ走査線GLの上側に位置し、第2画素PX2の画素電極210は対象となるデータ線DLの左側かつ走査線GLの下側に位置する。また、組み合わせA3のもう一つの例では、第1画素PX1の画素電極210は対象となるデータ線DLの右側かつ走査線GLの下側に位置し、第2画素PX2の画素電極210は対象となるデータ線DLの左側かつ走査線GLの上側に位置する。
【0087】
また、ゲート線GLがY方向に延び、データ線DLがX方向に延びる場合、第1画素PX1と第2画素PX2の構成の組み合わせは、以下の3通りの組み合わせ(組み合わせB1~B3)である。
【0088】
(組み合わせB1)
組み合わせB1では、第1画素PX1の画素電極210は、図21示すように、ソース電極226が接続するデータ線DLに対して+Y側に位置し、ゲート電極222が接続する走査線GLに対して+X側に位置する。さらに、第1画素PX1のスイッチング素子220Aでは、図22に示すように、半導体層224がゲート電極222上に位置し、ソース電極226は半導体層224上で-Y側に位置して-Y側からドレイン電極228を囲み、ドレイン電極228は、半導体層224上で+Y側に位置し、+Y方向に延びて、ドレイン電極228と半導体層224が重なる側(+Y側)に位置する画素電極210に接続する。
【0089】
一方、第2画素PX2の画素電極210は、図23に示すように、ソース電極226が接続するデータ線DLに対して-Y側に位置し、ゲート電極222が接続する走査線GLに対して+X側に位置する。さらに、第2画素PX1のスイッチング素子220Bでは、図24に示すように、半導体層224がゲート電極222上に位置し、ソース電極226は半導体層224上で-Y側に位置して-Y側からドレイン電極228を囲む。ドレイン電極228は、半導体層224上で+Y側に位置し、+Y方向に、ゲート電極222が接続する走査線GLに平行に延びた後に屈曲して、ドレイン電極228と半導体層224が重なる側と反対側(-Y側)に位置する画素電極210に接続する。画素電極210は、スイッチング素子220Bに対して、ソース電極226が接続するデータ線DLを跨いだ位置に位置している。
【0090】
なお、図21図22に図示した第1画素PX1をY軸に対して反転させた第1画素PX1と、図23図24に図示した第2画素PX2をY軸に対して反転させた第2画素PX2との組み合わせも、組み合わせB1に相当する。
【0091】
上記の構成を換言すると、組み合わせB1では、第1画素PX1の画素電極210は対象となる走査線GLの右側かつデータ線DLの上側に位置し、第2画素PX2の画素電極210は対象となる走査線GLの右側かつデータ線DLの下側に位置する。また、組み合わせB1のもう一つの例では、第1画素PX1の画素電極210は対象となる走査線GLの左側かつデータ線DLの上側に位置し、第2画素PX2の画素電極210は対象となる走査線GLの左側かつデータ線DLの下側に位置する。
【0092】
(組み合わせB2)
組み合わせB2では、第1画素PX1の画素電極210は、組み合わせB1と同様に、ソース電極226が接続するデータ線DLに対して+Y側に位置し、ゲート電極222が接続する走査線GLに対して+X側に位置する(図21)。さらに、第1画素PX1のスイッチング素子220Aでは、図25に示すように、半導体層224がゲート電極222上に位置し、ソース電極226は半導体層224上で-X側に位置して-X側からドレイン電極228を囲み、ドレイン電極228は、半導体層224上で+X側に位置し、+X方向に延びて、ドレイン電極228と半導体層224が重なる側(+X側)に位置する画素電極210に接続する。
【0093】
一方、第2画素PX2の画素電極210は、図26に示すように、ソース電極226が接続するデータ線DLに対して+Y側に位置し、ゲート電極222が接続する走査線GLに対して-X側に位置する。さらに、第2画素PX2のスイッチング素子220Bでは、図27に示すように、半導体層224がゲート電極222上に位置し、ソース電極226は半導体層224上で-X側に位置して-X側からドレイン電極228を囲む。ドレイン電極228は、半導体層224上で+X側に位置し、+X方向に、ソース電極226が接続するデータ線DLに平行に延びた後に屈曲して、ドレイン電極228と半導体層224が重なる側と反対側(-X側)に位置する画素電極210に接続する。画素電極210は、スイッチング素子220Bに対して、ゲート電極222が接続する走査線GLを跨いだ位置に位置している。
【0094】
なお、図21図25に図示した第1画素PX1をX軸に対して反転させた第1画素PX1と、図26図27に図示した第2画素PX2をX軸に対して反転させた第2画素PX2との組み合わせも、組み合わせB2に相当する。
【0095】
上記の構成を換言すると、組み合わせB2では、第1画素PX1の画素電極210は対象となる走査線GLの右側かつデータ線DLの上側に位置し、第2画素PX2の画素電極210は対象となる走査線GLの左側かつデータ線DLの上側に位置する。また、組み合わせB2のもう一つの例では、第1画素PX1の画素電極210は対象となる走査線GLの右側かつデータ線DLの下側に位置し、第2画素PX2の画素電極210は対象となる走査線GLの左側かつデータ線DLの下側に位置する。
【0096】
(組み合わせB3)
組み合わせB3では、第1画素PX1の画素電極210は、組み合わせB1と同様に、ソース電極226が接続するデータ線DLに対して+Y側に位置し、ゲート電極222が接続する走査線GLに対して+X側に位置する(図21)。さらに、第1画素PX1のスイッチング素子220Aでは、組み合わせB1と同様に、半導体層224がゲート電極222上に位置し、ソース電極226は半導体層224上で-Y側に位置して-Y側からドレイン電極228を囲み、ドレイン電極228は、半導体層224上で+Y側に位置し、+Y方向に延びて、ドレイン電極228と半導体層224が重なる側(+Y側)に位置する画素電極210に接続する(図22)。
【0097】
一方、第2画素PX2の画素電極210は、図28に示すように、ソース電極226が接続するデータ線DLに対して-Y側に位置し、ゲート電極222が接続する走査線GLに対して-X側に位置する。さらに、第2画素PX2のスイッチング素子220Bでは、図29に示すように、半導体層224がゲート電極222上に位置し、ソース電極226は半導体層224上で-Y側に位置して-Y側からドレイン電極228を囲む。ドレイン電極228は、半導体層224上で+Y側に位置し、+Y方向に、ゲート電極222が接続する走査線GLに平行に延びた後に屈曲して、ドレイン電極228と半導体層224が重なる側と反対側(-Y側)に位置する画素電極210に接続する。画素電極210は、スイッチング素子220Bに対して、ソース電極226が接続するデータ線DLを跨いだ位置に位置している。
【0098】
なお、図21図22に図示した第1画素PX1をX軸に対して反転させた第1画素PX1と、図28図29に図示した第2画素PX2をX軸に対して反転させた第2画素PX2との組み合わせも、組み合わせB3に相当する。
【0099】
上記の構成を換言すると、組み合わせB3では、第1画素PX1の画素電極210は対象となる走査線GLの右側かつデータ線DLの上側に位置し、第2画素PX2の画素電極210は対象となる走査線GLの左側かつデータ線DLの下側に位置する。また、組み合わせB3のもう一つの例では、第1画素PX1の画素電極210は対象となる走査線GLの右側かつデータ線DLの下側に位置し、第2画素PX2の画素電極210は対象となる走査線GLの左側かつデータ線DLの上側に位置する。
【0100】
上記の組み合わせA1~組み合わせB3は、以下のようにも説明できる。
a)組み合わせA1と組み合わせB1では、第1画素PX1の画素電極210と第2画素PX2の画素電極210は、それぞれが接続するスイッチング素子220に接続し、所定の方向(X方向、液晶表示パネル100の水平方向)に延伸する配線(組み合わせA1では走査線GL、組み合わせB1ではデータ線DL)に対する位置が異なり、かつ、それぞれが接続するスイッチング素子220に接続し、所定の方向に垂直な方向(Y方向、液晶表示パネル100の垂直方向)に延伸する配線(組み合わせA1ではデータ線DL、組み合わせB1では走査線GL)に対する位置が同一である。
b)組み合わせA2と組み合わせB2では、第1画素PX1の画素電極210と第2画素PX2の画素電極210は、それぞれが接続するスイッチング素子220に接続し、所定の方向(X方向、液晶表示パネル100の水平方向)に延伸する配線(組み合わせA2では走査線GL、組み合わせB2ではデータ線DL)に対する位置が同一であり、かつ、それぞれが接続するスイッチング素子220に接続し、所定の方向に垂直な方向(Y方向、液晶表示パネル100の垂直方向)に延伸する配線(組み合わせA2ではデータ線DL、組み合わせB2では走査線GL)に対する位置が異なる。
c)組み合わせA3と組み合わせB3では、第1画素PX1の画素電極210と第2画素PX2の画素電極210は、それぞれが接続するスイッチング素子220に接続し、所定の方向(X方向、液晶表示パネル100の水平方向)に延伸する配線(組み合わせA3では走査線GL、組み合わせB3ではデータ線DL)に対する位置が異なり、かつ、それぞれが接続するスイッチング素子220に接続し、所定の方向に垂直な方向(Y方向、液晶表示パネル100の垂直方向)に延伸する配線(組み合わせA3ではデータ線DL、組み合わせB3では走査線GL)に対する位置も異なる。
【0101】
第1画素PX1と第2画素PX2は、以下の3通りに配置される。
1)図30に示すように、第1画素PX1と第2画素PX2のそれぞれが所定の方向と垂直な方向(Y方向)に並び、第1画素PX1の所定の方向と垂直な方向の列と第2画素PX2の所定の方向と垂直な方向の列が所定の方向(X方向)に交互に配置される(以下、X方向交互配列と記載)。X方向交互配列では、第1画素PX1と第2画素PX2が、所定の方向に交互に並んでいる。
2)図31に示すように、第1画素PX1と第2画素PX2のそれぞれが所定の方向(X方向)に並び、第1画素PX1の所定の方向の列と第2画素PX2の所定の方向の列が所定の方向と垂直な方向(Y方向)に交互に配置される(以下、Y方向交互配列と記載)。Y方向交互配列では、第1画素PX1と第2画素PX2が、所定の方向と垂直な方向に交互に並んでいる。
3)図32に示すように、第1画素PX1と第2画素PX2が、所定の方向(X方向)と所定の方向と垂直な方向(Y方向)とに、交互に配置される(以下、XY方向交互配列と記載)。
【0102】
上記の組み合わせA1、A2、B1、B2では、第1画素PX1と第2画素PX2の配置として、X方向交互配列とY方向交互配列とを採用できる。上記の組み合わせA3、B3では、第1画素PX1と第2画素PX2の配置として、X方向交互配列とY方向交互配列とXY方向交互配列のいずれも採用できる。
【0103】
第1画素PX1と第2画素PX2の構成の組み合わせを組み合わせA1、A2、B1、B2のいずれかとし、第1画素PX1と第2画素PX2の配置をX方向交互配列とした場合、X方向に並ぶ画素PX(第1画素PX1、第2画素PX2)の数と同数のデータ線DL(組み合わせA1と組み合わせA2)又は走査線GL(組み合わせB1と組み合わせB2)をTFT基板200に配置できる。また、Y方向に並ぶ画素PX(第1画素PX1、第2画素PX2)の数と同数の走査線GL(組み合わせA1と組み合わせA2)又はデータ線DL(組み合わせB1と組み合わせB2)をTFT基板200に配置できる。
【0104】
第1画素PX1と第2画素PX2の構成の組み合わせを組み合わせA3、B3のいずれかとし、第1画素PX1と第2画素PX2の配置をX方向交互配列とした場合、X方向に並ぶ画素PX(第1画素PX1、第2画素PX2)の数と同数のデータ線DL(組み合わせA3)又は走査線GL(組み合わせB3)をTFT基板200に配置できる。また、Y方向に並ぶ画素PX(第1画素PX1、第2画素PX2)の数と同数の走査線GL(組み合わせA3)又はデータ線DL(組み合わせB3)を配置できる。
【0105】
さらに、第1画素PX1と第2画素PX2の構成の組み合わせを組み合わせA3とし、第1画素PX1と第2画素PX2の配置をX方向交互配列とした場合、TFT基板200に配置されるデータ線DLの数をX方向に並ぶ画素PX(第1画素PX1、第2画素PX2)の数の半分とし、TFT基板200に配置される走査線GLの数をY方向に並ぶ画素PX(第1画素PX1、第2画素PX2)の数の2倍にできる。第1画素PX1と第2画素PX2の構成の組み合わせを組み合わせB3とし、第1画素PX1と第2画素PX2の配置をX方向交互配列とした場合、TFT基板200に配置される走査線GLの数をX方向に並ぶ画素PX(第1画素PX1、第2画素PX2)の数の半分とし、TFT基板200に配置されるデータ線DLの数をY方向に並ぶ画素PX(第1画素PX1、第2画素PX2)の数の2倍にできる。
【0106】
第1画素PX1と第2画素PX2の配置をY方向交互配列とした場合、第1画素PX1と第2画素PX2の構成の組み合わせに依らず、X方向に並ぶ画素PX(第1画素PX1、第2画素PX2)の数と同数のデータ線DL(組み合わせA1~A3)又は走査線GL(組み合わせB1~B3)をTFT基板200に配置できる。また、Y方向に並ぶ画素PX(第1画素PX1、第2画素PX2)の数と同数の走査線GL(組み合わせA1~A3)又はデータ線DL(組み合わせB1~B3)をTFT基板200に配置できる。
【0107】
第1画素PX1と第2画素PX2の構成の組み合わせを組み合わせA3又は組み合わせB3とし、第1画素PX1と第2画素PX2の配置をXY方向交互配列とした場合、X方向に並ぶ画素PX(第1画素PX1、第2画素PX2)の数と同数のデータ線DL(組み合わせA3)又は走査線GL(組み合わせB3)をTFT基板200に配置できる。また、Y方向に並ぶ画素PX(第1画素PX1、第2画素PX2)の数と同数の走査線GL(組み合わせA3)又はデータ線DL(組み合わせB3)をTFT基板200に配置できる。
【0108】
第1画素PX1と第2画素PX2の構成の組み合わせを組み合わせ(組み合わせA1~B3)と第1画素PX1と第2画素PX2の配置(X方向交互配列、Y方向交互配列、XY方向交互配列)との組み合わせは、使用するドライバ(ゲートドライバ500、データドライバ600)、駆動方式等に応じて、適宜選択できる。
【0109】
また、スイッチング素子220A、220Bの各部の形状は、任意である。
【0110】
液晶表示パネル100を平面視した場合に、第1画素PX1(スイッチング素子220A)のドレイン電極228の面積と第2画素PX2(スイッチング素子220B)のドレイン電極228の面積は等しいことが、好ましい。これにより、第1画素PX1の寄生容量と第2画素PX2の寄生容量の差を小さくできる。例えば、実施形態1では、図33に示すように、第1画素PX1(スイッチング素子220A)のドレイン電極228を、第2画素PX2(スイッチング素子220B)のドレイン電極228と同様に、屈曲させることにより、第1画素PX1(スイッチング素子220A)のドレイン電極228の面積と第2画素PX2(スイッチング素子220B)のドレイン電極228の面積を等しくできる。
【0111】
第1画素PX1のドレイン電極228と第2画素PX2のドレイン電極228の少なくとも一方に、容量部Cpを設けてもよい。第1画素PX1における画素電極210とドレイン電極228との重なりと、第2画素PX1における画素電極210とドレイン電極228との重なりとの差によって、第1画素PX1の容量と第2画素PX2の容量に差が生じる場合がある。容量部Cpは、画素電極210とドレイン電極228との重なりの差により生じる、第1画素PX1と第2画素PX2の容量差を補償する。例えば、図34に示すように、実施形態1における第1画素PX1(スイッチング素子220A)のドレイン電極228に、容量部Cpを設けてもよい。
【0112】
実施形態1~実施形態3では、液晶表示パネル100はFFSモードで動作しているが、液晶表示パネル100は、他の横電界モード、TN(Twisted Nematic)モード等で動作してもよい。画素電極210と共通電極CEの形状は、動作モードに応じて、櫛歯形状、スリットのない矩形形状等であってもよい。
【0113】
半導体層224は、例えば、インジウム(In)とガリウム(Ga)と亜鉛(Zn)とを含む酸化物から形成されてもよい。
【0114】
実施形態1~実施形態3の液晶表示パネル100では、スリットSLを有する画素電極210が第3絶縁層246の上に設けられ、共通電極CEが第2絶縁層244の上に設けられている。液晶表示パネル100では、図35図36に示すように、矩形形状の画素電極210が第1絶縁層242の上に設けられ、スリットSLを有する共通電極CEが第2絶縁層244の上に設けられてもよい。この場合、スイッチング素子220のドレイン電極228は、画素電極210に直接接続している。
【0115】
以上、好ましい実施形態について説明したが、本開示は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本開示には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。
【符号の説明】
【0116】
10 液晶表示装置、100 液晶表示パネル、110 第1偏光板、120 第2偏光板、130 シール材、140 絵素、200 TFT基板、205 第1透光性基板、205a 第1主面、205b 第2主面、210 画素電極、220,220A,220B スイッチング素子、222 ゲート電極、224 半導体層、226 ソース電極、226a ソース電極の半導体層に重なる部分、228 ドレイン電極、228a ドレイン電極の半導体層に重なる部分、229 接続部、242 第1絶縁層、244 第2絶縁層、246 第3絶縁層、248 コンタクトホール、300 対向基板、305 第2透光性基板、305a 第1主面、305b 第2主面、500 ゲートドライバ、600 データドライバ、AL1,AL2 配向膜、BM ブラックマトリクス、CE 共通電極、CF カラーフィルタ、Cp 容量部、DL(DL) データ線、GL(GL) 走査線、LC 液晶、OC オーバーコート層、PX,R,G,B 画素、PX1 第1画素、PX2 第2画素、SL スリット
図1
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