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特開2023-165609一体型インダクタ埋め込み基板及びその製作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165609
(43)【公開日】2023-11-16
(54)【発明の名称】一体型インダクタ埋め込み基板及びその製作方法
(51)【国際特許分類】
   H01F 41/04 20060101AFI20231109BHJP
   H01F 17/00 20060101ALI20231109BHJP
   H01F 17/04 20060101ALI20231109BHJP
   H05K 1/16 20060101ALI20231109BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20231109BHJP
【FI】
H01F41/04 C
H01F17/00 D
H01F17/04 F
H05K1/16 B
H05K3/46 Q
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029581
(22)【出願日】2023-02-28
(31)【優先権主張番号】202210490230.5
(32)【優先日】2022-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520350546
【氏名又は名称】珠海越亜半導体股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHUHAI ACCESS SEMICONDUCTOR CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 先 明
(72)【発明者】
【氏名】徐 小 偉
(72)【発明者】
【氏名】黄 聚 塵
(72)【発明者】
【氏名】黄 本 霞
(72)【発明者】
【氏名】黄 高
【テーマコード(参考)】
4E351
5E062
5E070
5E316
【Fターム(参考)】
4E351AA02
4E351BB09
4E351BB11
4E351BB24
4E351BB26
4E351BB33
4E351BB49
4E351CC06
4E351CC16
4E351DD04
4E351DD50
4E351GG20
5E062DD04
5E070AA01
5E070AB02
5E070BB03
5E070CB02
5E070CB13
5E316CC08
5E316CC32
5E316CC37
5E316DD24
5E316DD33
5E316DD44
5E316DD47
5E316EE33
5E316FF07
5E316FF14
5E316FF24
5E316GG07
5E316GG17
5E316GG18
5E316GG22
5E316GG23
5E316HH22
5E316JJ14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】プロセスサイズの重ね合わせ公差を減少でき、小型化に有利である一体型インダクタ埋め込み基板及びその製作方法を提供する。
【解決手段】方法は、ベアリングプレートを提供し、ベアリングプレートの表面に第1の導通銅ポストを設置し、ベアリングプレートの表面に第1の誘電層を設置して第1の誘電層が第1の導通銅ポストを被覆し、第1の誘電層を開口して第1の開口部を形成し、第1の開口部の位置に磁性材料を充填し、第1の導通銅ポストの表面と磁性材料の表面がいずれも第1の誘電層の表面と面一となるように、第1の誘電層を研削し、ベアリングプレートを除去し、第1の誘電層の表面の金属層をエッチングし、パッケージ基板を形成し、パッケージ基板の上面と下面に第1の配線層を設置し、パッケージ基板の上面と下面にソルダレジスタ層を設置し、ソルダレジスタ層に窓開きを行い、第1の配線層に対応する窓を形成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に金属層が設置されるベアリングプレートを提供することと、
前記ベアリングプレートの表面に第1の導通銅ポストを設置することと、
前記ベアリングプレートの表面に第1の誘電層を設置し、前記第1の誘電層が前記第1の導通銅ポストを被覆するようにすることと、
前記第1の誘電層を開口し、第1の開口部を形成することと、
前記第1の開口部の位置に磁性材料を充填することと、
前記第1の導通銅ポストの表面と前記磁性材料の表面がいずれも前記第1の誘電層の表面と面一となるように、前記第1の誘電層を研削することと、
前記ベアリングプレートを除去し、前記第1の誘電層の表面の前記金属層をエッチングし、パッケージ基板を形成することと、
前記パッケージ基板の上面と下面に第1の配線層を設置することと、
前記パッケージ基板の上面と下面にソルダレジスタ層を設置し、前記ソルダレジスタ層に窓開きを行い、前記第1の配線層に対応する窓を形成することと、を含む、
ことを特徴とする一体型インダクタ埋め込み基板の製作方法。
【請求項2】
前記金属層は、積層設置される第1の銅層、第2の銅層とエッチング停止層を含み、ここで、前記第1の銅層と前記第2の銅層とは、物理的に相互分離することができる、
ことを特徴とする請求項1に記載の一体型インダクタ埋め込み基板の製作方法。
【請求項3】
前述した、前記ベアリングプレートを除去し、前記第1の誘電層の表面の前記金属層をエッチングし、パッケージ基板を形成することは、
前記第1の銅層と前記第2の銅層とを分離し、前記ベアリングプレートを除去することと、
前記第1の誘電層の表面の前記第2の銅層と前記エッチング停止層をエッチングし、前記パッケージ基板を形成することと、を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の一体型インダクタ埋め込み基板の製作方法。
【請求項4】
前述した、前記ベアリングプレートを除去し、前記第1の誘電層の表面の前記金属層をエッチングし、パッケージ基板を形成するステップの前に、
前記第1の誘電層の表面に前記第1の導通銅ポストと導通する第2の配線層を設置することと、
前記第2の配線層上に第2の導通銅ポストを設置することと、
前記第1の誘電層の表面に第2の誘電層を設置し、前記第2の誘電層が前記第2の導通銅ポストを被覆するようにすることと、
前記第2の誘電層を開口し、第2の開口部を形成することと、
前記第2の開口部の位置に前記磁性材料を充填することと、
前記第2の導通銅ポストの表面と前記磁性材料の表面がいずれも前記第2の誘電層の表面と面一となるように、前記第2の誘電層を研削することと、
上記ステップを繰り返し、複数の誘電層を形成することと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の一体型インダクタ埋め込み基板の製作方法。
【請求項5】
前述した、前記第1の誘電層の表面に前記第1の導通銅ポストと導通する第2の配線層を設置することは、
前記第1の誘電層の表面に第1のシード層を設置することと、
前記第1のシード層の表面に第1のフォトレジスト層を設置することと、
前記第1のフォトレジスト層を露光して現像し、第3の開口部を形成することと、
前記第1の導通銅ポストと導通する前記第2の配線層を前記第3の開口部の位置にメッキ形成することと、を含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の一体型インダクタ埋め込み基板の製作方法。
【請求項6】
前述した、前記ベアリングプレートの表面に第1の導通銅ポストを設置することは、
前記ベアリングプレートの表面に第2のフォトレジスト層を設置することと、
前記第2のフォトレジスト層を露光して現像し、第4の開口部を形成することと、
前記第4の開口部の位置に前記第1の導通銅ポストをメッキ形成することと、
前記第2のフォトレジスト層を除去することと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の一体型インダクタ埋め込み基板の製作方法。
【請求項7】
前記第1の誘電層は、感光材料を採用し、前述した、前記第1の誘電層を開口し、第1の開口部を形成することは、
前記第1の誘電層を露光して現像し、前記第1の開口部を形成することを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の一体型インダクタ埋め込み基板の製作方法。
【請求項8】
誘電層を少なくとも1つ含むパッケージ基板であって、前記誘電層の内部に、前記誘電層を貫通する導通銅ポストと磁性材料が設置されるパッケージ基板と、
前記パッケージ基板の上面と下面に設置され、前記導通銅ポストと導通する第1の配線層と、
前記パッケージ基板の上面と下面に設置され、前記第1の配線層に対応する位置に窓が設置されるソルダレジスタ層と、を含む、
ことを特徴とする一体型インダクタ埋め込み基板。
【請求項9】
前記パッケージ基板は、複数の前記誘電層を含み、各隣接する二層の前記誘電層の前記導通銅ポストの間に第2の配線層が設置される、
ことを特徴とする請求項8に記載の一体型インダクタ埋め込み基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体パッケージ技術分野に関し、特に一体型インダクタ埋め込み基板及びその製作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の一体型インダクタの製作プロセスは、完成品のコイルを磁気キャビティ内に植え込み、磁性材料で磁気キャビティを充填し、固化後に磁性材料とコイルとが一体型インダクタを形成するものであり、具体的には中国特許CN105989988Bを参照されたい。しかし、このような製作プロセスは、コイル配置と磁気キャビティの製作の位置合わせ寸法公差が重ね合わせた後に大きいので、小型化を実現することができず、また、コイルの導出や基板の配線と電気的に接続する場合の位置合わせの困難さが大きく、結果的に良品率が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来の技術において存在する技術的課題の少なくとも1つを解決することを意図する。このため、本発明は、プロセスサイズの重ね合わせ公差を減少でき、小型化に有利である一体型インダクタ埋め込み基板及びその製作方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様によれば、本発明の実施形態による一体型インダクタ埋め込み基板の製作方法は、
表面に金属層が設置されるベアリングプレートを提供することと、
前記ベアリングプレートの表面に第1の導通銅ポストを設置することと、
前記ベアリングプレートの表面に第1の誘電層を設置し、前記第1の誘電層が前記第1の導通銅ポストを被覆するようにすることと、
前記第1の誘電層を開口し、第1の開口部を形成することと、
前記第1の開口部の位置に磁性材料を充填することと、
前記第1の導通銅ポストの表面と前記磁性材料の表面がいずれも前記第1の誘電層の表面と面一となるように、前記第1の誘電層を研削することと、
前記ベアリングプレートを除去し、前記第1の誘電層の表面の前記金属層をエッチングし、パッケージ基板を形成することと、
前記パッケージ基板の上面と下面に第1の配線層を設置することと、
前記パッケージ基板の上面と下面にソルダレジスタ層を設置し、前記ソルダレジスタ層に窓開きを行い、前記第1の配線層に対応する窓を形成することと、を含む。
【0005】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記金属層は、積層設置される第1の銅層、第2の銅層とエッチング停止層を含み、ここで、前記第1の銅層と前記第2の銅層とは、物理的に相互分離することができる。
【0006】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前述した、前記ベアリングプレートを除去し、前記第1の誘電層の表面の前記金属層をエッチングし、パッケージ基板を形成することは、
前記第1の銅層と前記第2の銅層とを分離し、前記ベアリングプレートを除去することと、
前記第1の誘電層の表面の前記第2の銅層と前記エッチング停止層をエッチングし、前記パッケージ基板を形成することと、を含む。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前述した、前記ベアリングプレートを除去し、前記第1の誘電層の表面の前記金属層をエッチングし、パッケージ基板を形成するステップの前に、
前記第1の誘電層の表面に前記第1の導通銅ポストと導通する第2の配線層を設置することと、
前記第2の配線層上に第2の導通銅ポストを設置することと、
前記第1の誘電層の表面に第2の誘電層を設置し、前記第2の誘電層が前記第2の導通銅ポストを被覆するようにすることと、
前記第2の誘電層を開口し、第2の開口部を形成することと、
前記第2の開口部の位置に前記磁性材料を充填することと、
前記第2の導通銅ポストの表面と前記磁性材料の表面がいずれも前記第2の誘電層の表面と面一となるように、前記第2の誘電層を研削することと、
上記ステップを繰り返し、複数の誘電層を形成することと、をさらに含む。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前述した、前記第1の誘電層の表面に前記第1の導通銅ポストと導通する第2の配線層を設置することは、
前記第1の誘電層の表面に第1のシード層を設置することと、
前記第1のシード層の表面に第1のフォトレジスト層を設置することと、
前記第1のフォトレジスト層を露光して現像し、第3の開口部を形成することと、
前記第1の導通銅ポストと導通する前記第2の配線層を前記第3の開口部の位置にメッキ形成することと、を含む。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前述した、前記ベアリングプレートの表面に第1の導通銅ポストを設置することは、
前記ベアリングプレートの表面に第2のフォトレジスト層を設置することと、
前記第2のフォトレジスト層を露光して現像し、第4の開口部を形成することと、
前記第4の開口部の位置に前記第1の導通銅ポストをメッキ形成することと、
前記第2のフォトレジスト層を除去することと、を含む。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記第1の誘電層は、感光材料を採用し、前述した、前記第1の誘電層を開口し、第1の開口部を形成することは、
前記第1の誘電層を露光して現像し、前記第1の開口部を形成することを含む。
【0011】
他の態様によれば、本発明の実施形態による一体型インダクタ埋め込み基板は、本発明の上記実施形態に記載の一体型インダクタ埋め込み基板の製作方法によって製造される。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態によれば、一体型インダクタ埋め込み基板は、誘電層を少なくとも1つ含むパッケージ基板であって、前記誘電層の内部に、前記誘電層を貫通する導通銅ポストと磁性材料が設置されるパッケージ基板と、前記パッケージ基板の上面と下面に設置され、前記導通銅ポストと導通する第1の配線層と、前記パッケージ基板の上面と下面に設置され、前記第1の配線層に対応する位置に窓が設置されるソルダレジスタ層と、を含む。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記パッケージ基板は、複数の前記誘電層を含み、各隣接する二層の前記誘電層の前記導通銅ポストの間に第2の配線層が設置される。
【発明の効果】
【0014】
本発明の実施形態の一体型インダクタ埋め込み基板及びその製作方法は、少なくとも下記の有益な効果を有する。パッケージ基板の内部の磁性材料、導通銅ポストと配線層が一体型インダクタ構造を形成し、基板製作のプロセスに基板の内部に埋め込まれる一体型インダクタを直接的に形成するため、従来のように、まず磁気キャビティを製作し、そして完成品のコイルを磁気キャビティの中に配置する必要がなく、それによりプロセスサイズの重ね合わせ公差を減少し、プロセス周期を短縮できる。また、一体型インダクタは、基板配線と媒体と同期して製作し、インダクタ導電コイルと基板配線との位置合わせの精度を向上させ、製品の良品率を向上させ、コストを削減し、インダクタの設計サイズをより柔軟にし、サイズをより小さくすることにより、小型化を実現できる。
【0015】
本発明の追加の態様及び利点は、以下の記述において部分的に示され、部分的には以下の記述から明らかになるか、又は本発明の実践によって理解される。
【0016】
本発明の上記及び/又は追加の態様及び利点は、以下の添付図面を結び付ける実施形態への記述から明らかになり、理解しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態の一体型インダクタ埋め込み基板の製作方法のステップフローチャートである。
図2】本発明の実施形態のベアリングプレートの構造概略図である。
図3】ベアリングプレート上に第1の導通銅ポストを製作するプロセスに対応する構造概略図である。
図4】ベアリングプレート上に第1の導通銅ポストを製作するプロセスに対応する構造概略図である。
図5】ベアリングプレート上に第1の誘電層を設置し、第1の誘電層上に第1の開口部を形成した後の構造概略図である。
図6】第1の開口部の位置に磁性材料を充填した後の構造概略図である。
図7】第1の誘電層を研削した後の構造概略図である。
図8】第1の誘電層の表面に第2の配線層を設置した後の構造概略図である。
図9】第2の配線層上に第2の導通銅ポストを設置した後の構造概略図である。
図10】第1のフォトレジスト層と第3のフォトレジスト層を除去した後の構造概略図である。
図11】ベアリングプレート上に三層の誘電層を設置した後の構造概略図である。
図12】ベアリングプレートとパッケージ基板とを分離した後の構造概略図である。
図13】本発明の実施形態の一体型インダクタ埋め込み基板の構造概略図である。
図14】本発明の別の実施形態の一体型インダクタ埋め込み基板の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本部分は、本発明の具体的な実施形態について詳細に記述し、本発明の好ましい実施形態は、添付図面で示される。添付図面は、明細書の文字部分の記述を図形で補足することで、本発明の各技術的特徴及び全体的な技術案を直感的かつイメージ的に理解することができるようにすることを目的とするが、本発明の保護範囲を制限するものとして理解されるべきではない。
【0019】
本発明の記述では、方位記述、例えば上、下、前、後、左、右などに示される方位又は位置関係は、図面に基づいて示される方位又は位置関係であり、本出願を容易に説明及び簡略化するためのものだけであり、言及された装置又は素子が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構築及び操作することを示し又は暗示するためのものではなく、したがって、本発明を制限するためのものとして理解されるべきではない。
【0020】
本発明の説明では、いくつかの意味は、1つ又は複数であり、複数の意味は、2つ以上であり、よりも大きいこと、よりも小さいこと、超えることなどは、本数を含まないものとして理解され、以上、以下、以内などは、本数を含むものとして理解される。第1、第2が説明されている場合、それらは、単に技術的特徴を区別することを目的としたものであり、相対的重要性を指示又は暗示し、又は指示された技術的特徴の数を暗示し、又は指示された技術的特徴の前後関係を暗示しているものとして理解されるべきではない。
【0021】
本発明の説明において、別途明確な限定がない限り、設置、取り付け、接続等の用語は、広義に理解すべきであり、当業者は、技術的解決手段の具体的な内容を結び付けて、上記用語の本発明における具体的な意味を合理的に確定することができる。
【0022】
一態様によれば、図1に示すように、本発明の実施形態による一体型インダクタ埋め込み基板の製作方法は、以下のステップS100~S900を含む。
【0023】
ステップS100:表面に金属層110が設置されるベアリングプレート100を提供する。
【0024】
具体的には、図2に示され、本例では、ベアリングプレート100の上面に金属層110が設置される。なお、ベアリングプレート100の下面に金属層110が設置されてもよく、本出願では、記述の便宜上、ベアリングプレート100の上面に金属層110が設置されることを例として記述する。より具体的には、本発明のいくつかの実施形態では、金属層110は、ベアリングプレート100の表面に順次積層設置される第1の銅層111、第2の銅層112とエッチング停止層113を含み、ここで、第1の銅層111と第2の銅層112とは、物理的に相互結合したり分離したりすることができる。エッチング停止層113は、一般的に、後で第2の銅層120をエッチングする時に過剰なエッチングを防止するために、金属ニッケル又は他の抗エッチング金属材料を採用してもよい。
【0025】
ステップS200:ベアリングプレート100の表面に第1の導通銅ポスト400を設置する。
【0026】
具体的には、本発明のいくつかの実施形態では、ベアリングプレート100の表面に第1の導通銅ポスト400を設置するために、図3図4に示すように、
ベアリングプレート100の表面に第2のフォトレジスト層200を設置することと、
第2のフォトレジスト層200を露光して現像し、第4の開口部300を形成することと、
第4の開口部300の位置に第1の導通銅ポスト400をメッキ形成することと、
第2のフォトレジスト層200を除去することと、を含む。
【0027】
ここで、フィルム粘着によってベアリングプレート100の表面に第2のフォトレジスト層200を設置し、そして第2のフォトレジスト層200を露光して現像して第4の開口部300を形成し、次に、穴埋めメッキによって、第4の開口部300の位置に第1の導通銅ポスト400を形成してもよい。
【0028】
ステップS300:図5に示すように、ベアリングプレート100の表面に第1の誘電層500を設置し、第1の誘電層500が第1の導通銅ポスト400を被覆するようにする。
【0029】
ステップS400:図5に示すように、第1の誘電層500を開口し、第1の開口部600を形成する。
【0030】
具体的には、本発明のいくつかの実施形態では、第1の誘電層500を開口するために、第1の誘電層500は、PID(Photo-Imageable Dielectric、感光誘電体)感光材料を採用してもよい。第1の誘電層500は、コーティング又は圧着によってベアリングプレート100の表面に設置される。そして、第1の誘電層500を露光して現像し、第1の開口部600を形成する。
【0031】
ステップS500:図6に示すように、第1の開口部600の位置に磁性材料700を充填する。
【0032】
ステップS600:図7に示すように、第1の導通銅ポスト400の表面と磁性材料700の表面がいずれも第1の誘電層500の表面と面一となるように、第1の誘電層500を研削する。
【0033】
ここで、第1の導通銅ポスト400と磁性材料700の表面がいずれも第1の誘電層500の表面から露出するように、機械研削によって、第1の誘電層500を研削してもよい。
【0034】
なお、このステップまでに、第1の誘電層500とベアリングプレート100とを分割し、そして、その後の配線製作を行い、一体型インダクタ埋め込み基板を形成することができる。しかし、実際の応用において、実際の構造ニーズを満たすために、第1の誘電層500上に層を追加して製作し続け、複数の誘電層を形成した後、分割してもよい。第1の誘電層500上に誘電層を追加し続けるために、
図8に示すように、第1の誘電層500の表面に第1の導通銅ポスト400と導通する第2の配線層1000を設置することと、
図9に示すように、第2の配線層1000上に第2の導通銅ポスト1200を設置することと、
図10図11に示すように、第1の誘電層500の表面に第2の誘電層1300を設置し、第2の誘電層1300が第2の導通銅ポスト1200を被覆するようにすることと、
第2の誘電層1300を開口し、第2の開口部(未図示)を形成することと、
第2の開口部の位置に磁性材料700を充填することと、
第2の導通銅ポスト1200の表面と磁性材料700の表面がいずれも第2の誘電層1300の表面と面一となるように、第2の誘電層1300を研削することと、を含む。
【0035】
さらに層を追加する必要がある場合、上記ステップを繰り返すことにより複数の誘電層を形成できる。
【0036】
ここで、図8に示すように、第1の誘電層500の表面に第2の配線層1000を設置するために、
第1の誘電層500の表面に第1のシード層800を設置することと、
第1のシード層800の表面に第1のフォトレジスト層900を設置することと、
第1のフォトレジスト層900を露光して現像し、第3の開口部(未図示)を形成することと、
第3の開口部の位置に第1の導通銅ポスト400と導通する第2の配線層1000をメッキ形成することと、を含んでもよい。
【0037】
図9に示すように、第2の配線層1000上に第2の導通銅ポスト1200を設置するために、
第1のフォトレジスト層900上に第3のフォトレジスト層1100を設置することと、
第3のフォトレジスト層1100を露光して現像し、第5の開口(未図示)を形成することと、
第5の開口の位置に第2の配線層1000と導通する第2の導通銅ポスト1200をメッキ形成することと、
図10に示すように、第1のフォトレジスト層900と第3のフォトレジスト層1100を除去することと、を含んでもよい。
【0038】
第2の誘電層1300を製作した後、実際の必要に応じて、第2の誘電層1300上に第3の誘電層1400、さらにはより多くの誘電層を製作し続けてもよい。
【0039】
ステップS700:ベアリングプレート100を除去し、第1の誘電層500の表面の金属層110をエッチングし、パッケージ基板1500を形成する。
【0040】
具体的には、図12に示され、1つ又は複数の誘電層の製作を完了した後、物理的剥離によって、第1の銅層111と第2の銅層112とを分離することにより、ベアリングプレート100を除去し、そして、第1の誘電層500の下面の第2の銅層112とエッチング停止層130をエッチングすることにより、パッケージ基板1500を形成する。ここで、エッチング停止層130は、過剰なエッチングを防止し、第1の導通銅ポスト400を保護するという作用を果たす。パッケージ基板1500の内部の磁性材料700、導通銅ポストと配線層は、一体型インダクタ構造を形成する。
【0041】
ステップS800:図13に示すように、パッケージ基板1500の上面と下面に第1の配線層1600を設置する。
【0042】
ここで、第1の配線層1600を製作するために、まずシード層としてパッケージ基板1500の上面と下面に一層のチタン銅をスパッタリングし、そして、フィルム粘着、露光、現像とメッキによって、シード層上に第1の配線層1600を形成し、そしてフィルムを除去して露出した余分なシード層をエッチングしてもよい。
【0043】
ステップS900:図13に示すように、パッケージ基板1500の上面と下面にソルダレジスタ層1700を設置し、ソルダレジスタ層1700に窓開きを行い、第1の配線層1600に対応する窓1800を形成する。
【0044】
具体的には、ソルダレジスタ層1700は、シルクスクリーンによってパッケージ基板1500上に設置され、そしてソルダレジスタ層1700を露光して現像し、第1の配線層1600に対応する窓1800を形成し、窓1800は、パッドとしてもよい。
【0045】
図13に示すように、上記製作方法によって、最終的に一体型インダクタを基板の内部に埋め込む構造を形成し、パッケージ基板1500の内部の磁性材料700、導通銅ポストと配線層は、一体型インダクタ構造を形成することができる。図14に示すように、基板の内部に埋め込まれる一体型インダクタは、2つであってもよく、より多くであってもよい。つまり、上記製作方法によって、基板の内部又は表面に配線して複数の相互に接続される一体型インダクタを実現することができる。
【0046】
このことから、本発明の実施形態による一体型インダクタ埋め込み基板の製作方法は、基板製作のプロセスに基板の内部に埋め込まれる一体型インダクタを直接的に形成するため、従来のように、まず磁気キャビティを製作し、そして完成品のコイルを磁気キャビティの中に配置する必要がなく、それによりプロセスサイズの重ね合わせ公差を減少し、プロセス周期を短縮できる。また、一体型インダクタは、基板配線と媒体と同期して製作し、インダクタ導電コイルと基板配線との位置合わせの精度を向上させ、製品の良品率を向上させ、コストを削減し、インダクタの設計サイズをより柔軟にし、サイズをより小さくすることにより、小型化を実現できる。
【0047】
他方、本発明の実施形態による一体型インダクタ埋め込み基板は、本発明の上記実施形態に記載の一体型インダクタ埋め込み基板の製作方法によって製造される。
【0048】
他の態様によれば、本発明の実施形態による一体型インダクタ埋め込み基板は、図13に示すように、パッケージ基板1500、第1の配線層1600とソルダレジスタ層1700を含み、ここで、パッケージ基板1500は、少なくとも1つの誘電層(例えば、図における第1の誘電層500、第2の誘電層1300と第3の誘電層1400等)を含み、誘電層の内部に誘電層を貫通する導通銅ポストと磁性材料700が設置され、導通銅ポストと導通する第1の配線層1600がパッケージ基板1500の上面と下面に設置され、ソルダレジスタ層1700がパッケージ基板1500の上面と下面に設置され、ソルダレジスタ層1700上の第1の配線層1600に対応する位置に窓1800が設置される。
【0049】
本発明のいくつかの実施形態によれば、パッケージ基板1500は、複数の誘電層を含み、各隣接する二層の誘電層の導通銅ポストの間に第2の配線層1000が設置される。
【0050】
本発明の実施形態による一体型インダクタ埋め込み基板は、上記一体型インダクタ埋め込み基板の製作方法を採用することによって、基板製作のプロセスに基板の内部に埋め込まれる一体型インダクタを直接的に形成するため、従来のように、まず磁気キャビティを製作し、そして完成品のコイルを磁気キャビティの中に配置する必要がなく、それによりプロセスサイズの重ね合わせ公差を減少し、プロセス周期を短縮できる。また、一体型インダクタは、基板配線と媒体と同期して製作し、インダクタ導電コイルと基板配線との位置合わせの精度を向上させ、製品の良品率を向上させ、コストを削減し、インダクタの設計サイズをより柔軟にし、サイズをより小さくすることにより、小型化を実現できる。
【0051】
以上、添付図面に関連して本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識の範囲内で、本発明の目的を逸脱することなく種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0052】
100 ベアリングプレート
110 金属層
111 第1の銅層
112 第2の銅層
113 エッチング停止層
200 第2のフォトレジスト層
300 第4の開口部
400 第1の導通銅ポスト
500 第1の誘電層
600 第1の開口部
700 磁性材料
800 第1のシード層
900 第1のフォトレジスト層
1000 第2の配線層
1100 第3のフォトレジスト層
1200 第2の導通銅ポスト
1300 第2の誘電層
1400 第3の誘電層
1500 パッケージ基板
1600 第1の配線層
1700 ソルダレジスタ層
1800 窓
図1
図2
図3
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図14