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特開2023-165619積層造形における溶融液滴合体のモデリングへの多忠実度手法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165619
(43)【公開日】2023-11-16
(54)【発明の名称】積層造形における溶融液滴合体のモデリングへの多忠実度手法
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/386 20170101AFI20231109BHJP
   B29C 64/106 20170101ALI20231109BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20231109BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20231109BHJP
   B33Y 50/00 20150101ALI20231109BHJP
   B22F 10/22 20210101ALI20231109BHJP
   B22F 10/31 20210101ALI20231109BHJP
   B22F 10/85 20210101ALI20231109BHJP
【FI】
B29C64/386
B29C64/106
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y50/00
B22F10/22
B22F10/31
B22F10/85
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023062438
(22)【出願日】2023-04-07
(31)【優先権主張番号】17/662,092
(32)【優先日】2022-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504407000
【氏名又は名称】パロ アルト リサーチ センター インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】ジョヴァンナ、ブッチ
(72)【発明者】
【氏名】スヴィヤトスラフ、コルニーブ
(72)【発明者】
【氏名】エイドリアン、リュー
(72)【発明者】
【氏名】モラド、ベハンディッシュ
【テーマコード(参考)】
4F213
4K018
【Fターム(参考)】
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL85
4K018EA51
4K018EA60
(57)【要約】      (修正有)
【課題】3Dプリンタの出力をシミュレートするための溶融液滴合体の高忠実度(HF)モデルを較正する方法、装置及び記憶媒体を提供する。
【解決手段】方法は、HFモデルの初期HFパラメータ値を選択することと、HFモデルが実験データに収束するまで、HFパラメータ値を反復的に精緻化することと、を含む。各反復において、HFパラメータ値をHFモデルに適用し、シミュレートされた数値データを生成するために、HFモデルを使用して複数のシミュレーションを実行する。各シミュレーションについて、次数低減モデル(ROM)をシミュレートされた数値データに適合させて、ROMのROMパラメータについてのROMパラメータ値を生成する。ROMパラメータとHFパラメータとの間の相関を、次の反復において探索する探索空間を狭めるために特定する。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融液滴合体の高忠実度(HF)モデルを較正する方法であって、
3Dプリンタから吐出される液滴の挙動を記述する実験データを取得することと、
HFモデルのHFパラメータに対する初期HFパラメータ値を選択することと、
前記HFモデルが前記実験データに収束するまで、前記HFパラメータ値を反復的に精緻化することと、を含み、各反復は、
前記HFパラメータ値を前記HFモデルに適用し、前記HFモデルを使用して複数のシミュレーションを実行して、各シミュレーションについて前記シミュレートされた数値データを生成することと、
各シミュレーションについて、次数低減モデル(ROM)を前記シミュレーションによって生成された前記シミュレートされた数値データに適合させて、前記ROMのROMパラメータについてのROMパラメータ値を生成することと、
処理デバイスによって、前記ROMパラメータと前記HFパラメータとの間の相関を特定し、前記相関に基づいて次の反復において探索されるべき探索空間を狭めることと、を含む、
方法。
【請求項2】
前記HFモデルは、経時的なシミュレートされた液滴アスペクト比を記述するシミュレートされた数値データを生成するために使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ROMは、3パラメータ減衰調和振動子モデルであり、前記ROMパラメータは、減衰係数Γ、角周波数Ω、及び前記角周波数の時間発展を記述するpを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ROMパラメータと前記HFパラメータとの間の相関を特定することは、選択されたROMパラメータ及び選択されたHFパラメータについて、前記ROMパラメータ値及び前記HFパラメータ値の散布図を生成することと、前記ROMパラメータ値と前記HFパラメータ値との間のグループ化及びカーブフィットに基づいて、前記選択されたROMパラメータと前記選択されたHFパラメータとの間の相関を特定することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ROMパラメータと前記HFパラメータとの間の相関を特定することは、前記ROMパラメータと前記HFパラメータとの選択された組み合わせについて相関強度を計算することを含み、前記方法は、前記相関強度に基づいて前記相関をランク付けすることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
次の反復において探索される前記探索空間を狭めることは、指定された数の上位ランクの相関を選択することと、次の反復のために調整される目標HFパラメータとして、それらの相関のための前記HFモデルパラメータを特定することと、を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ROMを前記実験データに当てはめて、前記ROMを前記実験データに近似させる前記ROMパラメータの目標値を特定することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
次の反復において探索される前記探索空間を狭めることは、
前記HFパラメータのうちの特定のHFパラメータについて、相関ROMパラメータを特定することと、
前記相関ROMパラメータの前記目標値と比較して同様のシミュレーション結果を生成する前記特定のHFパラメータの値の範囲を特定することと、を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記HFモデルが前記実験データに収束した後に、前記HFパラメータ値を較正されたHFモデルの最終HFパラメータ値として記憶することを更に含み、前記較正されたHFモデルは、3D物体のデジタルモデルに基づいて仮想3Dプリンタによって作成される前記3D物体のデジタルシミュレーションを生成するために使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
実際の3Dプリンタの1つ以上の設定は、前記デジタルシミュレーションに基づいて調整され、前記実際の3Dプリンタ上で前記3D物体を印刷するために使用される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
3D印刷シミュレータのための溶融液滴合体の高忠実度(HF)モデルを較正するための装置であって、前記装置は、
3Dプリンタから吐出される液滴の挙動を記述する実験データを記憶するためのメモリと、
前記メモリに動作可能に結合された処理デバイスと、
を備え、前記処理デバイスは、
HFモデルのHFパラメータに対する初期HFパラメータ値を選択し、
前記HFモデルが前記実験データに収束するまで、前記HFパラメータ値を反復的に精緻化し、各反復において前記処理デバイスは、
前記HFパラメータ値を前記HFモデルに適用し、前記HFモデルを使用して複数のシミュレーションを実行して、各シミュレーションについて前記シミュレートされた数値データを生成し、
各シミュレーションについて、次数低減モデル(ROM)を前記シミュレーションによって生成された前記シミュレートされた数値データに適合させて、前記ROMのROMパラメータについてのROMパラメータ値を生成し、
前記ROMパラメータと前記HFパラメータとの間の相関を特定し、前記相関に基づいて次の反復において探索されるべき探索空間を狭める、
装置。
【請求項12】
前記HFモデルは、経時的なシミュレートされた液滴アスペクト比を記述するシミュレートされた数値データを生成するために使用される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記相関を特定するために、前記処理デバイスは、前記ROMパラメータ及び前記HFパラメータの選択された組み合わせについて相関強度を計算し、
前記探索空間を狭めるために、前記処理デバイスは、前記相関強度に基づいて前記相関をランク付けして、指定された数の上位ランクの相関を選択し、それらの相関についての前記HFモデルパラメータを、次の反復のために調整される目標HFパラメータとして特定する、
請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記処理デバイスは、更に、
前記ROMを前記実験データに適合させて、前記ROMを前記実験データに近似させる前記ROMパラメータの目標値を特定し、
前記探索空間を狭めるために、前記HFパラメータのうちの特定のHFパラメータについて、相関ROMパラメータを特定し、
前記相関ROMパラメータの前記目標値と比較して同様のシミュレーション結果を生成する前記特定のHFパラメータの値の範囲を特定する、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記処理デバイスは、更に、
前記HFモデルが前記実験データに収束した後、前記HFパラメータ値を、較正されたHFモデルのための最終HFパラメータ値として記憶し、
前記較正されたHFモデル及び3D物体のデジタルモデルに基づいて、仮想3Dプリンタによって作成された前記3D物体のデジタルシミュレーションを生成し、
前記デジタルシミュレーションに基づいて、実際の3Dプリンタの1つ以上の設定を調整する、請求項11に記載の装置。
【請求項16】
命令を記憶した非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、高忠実度(HF)モデルを較正するために、前記命令が処理デバイスによって実行されたときに、前記処理デバイスに、
3Dプリンタから吐出される液滴の挙動を記述する実験データであって、経時的に測定された液滴アスペクト比を記述する、前記実験データを取得させ、
HFモデルのHFパラメータに対する初期HFパラメータ値を選択させ、
前記HFモデルが前記実験データに収束するまで、前記HFパラメータ値を反復的に精緻化させ、各反復において前記処理デバイスは、
前記HFパラメータ値を前記HFモデルに適用し、前記HFモデルを使用して複数のシミュレーションを実行して、前記シミュレートされた数値データを生成し、
各シミュレーションについて、次数低減モデル(ROM)を前記シミュレーションによって生成された前記シミュレートされた数値データに適合させて、前記ROMのROMパラメータについてのROMパラメータ値を生成し、
前記ROMパラメータと前記HFパラメータとの間の相関を特定し、前記相関に基づいて次の反復において探索されるべき探索空間を狭める、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項17】
前記HFモデルは、経時的なシミュレートされた液滴アスペクト比を記述するシミュレートされた数値データを生成するために使用される、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項18】
前記相関を特定するために、前記処理デバイスは、前記ROMパラメータ及び前記HFパラメータの選択された組み合わせについて相関強度を計算し、
前記探索空間を狭めるために、前記処理デバイスは、前記相関強度に基づいて前記相関をランク付けして、指定された数の上位ランクの相関を選択し、それらの相関についての前記HFモデルパラメータを、次の反復のために調整される目標HFパラメータとして特定する、
請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項19】
前記処理デバイスは、更に、
前記ROMを前記実験データに適合させて、前記ROMを前記実験データに近似させる前記ROMパラメータの目標値を特定し、
前記探索空間を狭めるために、前記HFパラメータのうちの特定のHFパラメータに対して、相関ROMパラメータを特定し、
前記相関ROMパラメータの前記目標値と比較して同様のシミュレーション結果を生成する前記特定のHFパラメータの値の範囲を特定する、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
前記処理デバイスは、更に、
前記HFモデルが前記実験データに収束した後、前記HFパラメータ値を、較正されたHFモデルのための最終HFパラメータ値として記憶し、
前記較正されたHFモデル及び3D物体のデジタルモデルに基づいて、仮想3Dプリンタによって作成された前記3D物体のデジタルシミュレーションを生成し、
前記デジタルシミュレーションに基づいて、実際の3Dプリンタの1つ以上の設定を調整する、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実装形態は、3Dプリンタの出力をシミュレートするための技法に関し、より詳細には、そのようなシミュレーションに使用されるモデルを較正することに関する。
【背景技術】
【0002】
積層造形(3D印刷として知られることが多い)は、強度対重量比を最適化する構造体の製造を可能にする。例えば、機械加工プロセスでの達成(すなわち、切断による材料の除去)が高価又は困難である中空構造は、積層造形において層ごとに作成され得る。多くの形態の積層造形は、化学反応によって、又は加熱(例えば、特定の場所で材料を溶融して、冷却するときに凝固させること)によって、液体から固体などの、ある状態から別の状態への物質の形質転換を利用する。
【0003】
3D印刷技術の種類に応じて、3D印刷プロセスの出力は、使用される材料、材料の温度、3Dプリンタの物理的特性などの様々な要因に大きく依存し得る。これらの要因の多くは、3Dプリンタの様々な設定を制御することによって制御することができる。しかしながら、所望の結果を提供する設定調整を得るために、3D印刷プロセスを数回反復する必要がある場合がある。したがって、場合によっては、3Dプリンタの出力をシミュレートできることが有用であり得る。デジタルシミュレーションにおいていくつかの印刷反復が実行され得る場合、ユーザは、特定の印刷ジョブのための適切な3Dプリンタ設定をより迅速に決定することができ、それによって、そうでなければ浪費されるであろう時間及び材料を節約する。3D印刷ジョブの結果をシミュレートする能力は、3D印刷プロセスの物理的性質を正確に記述するモデルを有することに依存する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
記載された実施形態及びその利点は、添付図面と併せて以下の説明を参照することによって最も良好に理解され得る。これらの図面は、記載された実施形態の趣旨及び範囲から逸脱することなく、記載された実施形態に当業者によって加えられ得る形態及び細部のいかなる変更も、決して限定するものではない。同様の数字は、同様の要素を示す。
【0005】
図1】本開示の特定の態様による、3D印刷システムのブロック図を例解する。
図2】本開示の特定の態様による、経時的な液滴アスペクト比を説明する実験データのグラフである。
図3】本開示の特定の態様による、特定の実験セットアップのための例示的な目標ROMパラメータ値のグラフである。
図4】本開示の特定の態様による、経時的な液滴アスペクト比を説明する例示的なシミュレートされたデータのグラフである。
図5】本開示の特定の態様による、HFモデル較正プロセスの単一の反復に対する選択されたパラメータデータの散布図である。
図6】本開示の特定の態様による、HFモデル較正プロセスの単一の反復に対する選択されたパラメータデータの散布図である。
図7】本開示の特定の態様による、HFモデル較正プロセスの単一の反復に対する選択されたパラメータデータの散布図である。
図8】本開示の特定の態様による、HFモデル較正プロセスの単一の反復に対する選択されたパラメータデータの散布図である。
図9】本開示の特定の態様による、様々なHFモデルパラメータとROMパラメータとの間の相関の強度を示す相関テーブルである。
図10】本開示の特定の態様による、ROMパラメータについての値の分布を示す棒グラフである。
図11】本開示の特定の態様による、別のROMパラメータについての値の分布を示す棒グラフである。
図12】本開示の特定の態様による、HFモデルを較正する方法のプロセスフロー図である。
図13】本開示の特定の態様による、HFモデル較正の動作を実行するための例示的な計算デバイスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示の態様は、3D印刷プロセスの出力をシミュレートするために使用されるシミュレーションモデルを較正するための様々な技法を提供する。本明細書に開示される技術は、インクジェット技術を使用する3D印刷プロセスに適用可能である。インクジェット3D印刷では、溶融金属などの液体材料をノズルから吐出し、基板上に堆積させることができる。そのような技術において、同じ材料の固体上に堆積された単一の溶融液滴は、精密な液滴堆積による製造のための基本的な構築要素として機能する。
【0007】
そのような3D印刷技術のシミュレーションは、本明細書では高忠実度(HF)モデルとも呼ばれ、堆積プロセスをメゾスコピック又は連続スケールで捉えるマルチフィジックスモデルを使用して実行することができる。高忠実度モデルは、3D印刷プロセスの物理学並びに構築材料の物理的特性及び挙動に基づいて、構築材料の挙動を記述する。例えば、高忠実度モデルは、材料温度、材料吐出速度、基板(例えば、印刷される3D物体)の温度、構築材料の粘度、及び多くの他の要因を考慮に入れてもよい。高忠実度モデルはまた、個々に堆積された溶融液滴の挙動のモデル、すなわち、溶融液滴合体の高忠実度モデルを含んでもよい。
【0008】
そのような高忠実度モデルは、精度を保証するために、特定の構築材料及び特定の実験条件に対して較正することができる。高忠実度モデルを較正する1つの方法は、3Dプリンタの実験データを測定し、モデルシミュレーション結果が測定された実験データに収束するまでモデルパラメータの値を調整することである。しかしながら、溶融液滴合体をモデル化するための正確な高忠実度モデルは、いくつかのパラメータ、例えば、10~20個以上のパラメータを含んでもよい。これにより、解を探索するための非常に高い次元のパラメータ空間が作成される。そのような高次元パラメータ空間をサンプリングするために結合された多重物理方程式をそれぞれ解決することは、高忠実度モデルにとって高価になる傾向がある。モデルパラメータの最適化は、各解の計算コストが高いために実行不可能であることが多い。
【0009】
本技術によれば、積層造形の文脈において溶融液滴合体の高忠実度モデルの較正を加速するために、多忠実度技術が使用される。本明細書で説明される多忠実度技法は、高忠実度モデルのパラメータ空間をより効率的に探索し、高忠実度モデル較正に対する最適解又はほぼ最適解により迅速に収束するために使用することができる。パラメータ空間をより効率的に探索するために、次数低減モデル(ROM)を使用して、高忠実度モデル最適値の一般的な近傍に向かう傾向を供給する。
【0010】
次数低減モデルは、より少ないパラメータを使用して溶融液滴合体を正確にモデル化するために使用することができる関数である。同じROMを使用して、実験データを表し、高忠実度モデルのシミュレーション結果の単純な表現を提供することができる。HFモデルパラメータとROMモデルパラメータとの間の相関は、調査中の特定の実験設定において液滴動態を制御する最も関連するHFモデルパラメータを選択するための基準として使用することができる。目標ROMパラメータは、ROMを実験データに当てはめることによって導出することができる。次いで、目標ROMパラメータ、及びROMパラメータとHFパラメータとの間の相関を、HFパラメータのための有効探索空間を決定するためのガイドとして使用することができる。このようにして、サンプリングされたパラメータ空間の次元を低減することができ、値の範囲を徐々に狭めることができる。
【0011】
図1は、本開示の特定の態様による、3D印刷システムのブロック図を例解する。システム100は、実際の3Dプリンタ104の出力をシミュレートするように構成されたシミュレータ102を含むことができる。シミュレータ102は、印刷される3D物体を記述する物体モデル106を受け取り、較正されたHFモデル108を使用して、仮想物体、すなわち3Dプリンタ104によって印刷される3D物体のデジタル表現を生成することができる。シミュレータ102は、ネットワーク112を介してデータ記憶デバイス110に接続されてもよい。データ記憶デバイス110は、シミュレータ102によってアクセスされ得る物体モデル106及びユーザ情報などの様々なデータを記憶することができる。3Dプリンタ104は、インクジェットプリンタ又は溶融液滴を吐出する他のタイプのプリンタであってもよい。
【0012】
シミュレータ102は、ユーザによって調整可能であり、実際の3Dプリンタ104の実際の設定を表す設定を有することができる。プリンタ設定の各々はまた、較正されたHFモデル108の1つ以上のパラメータに何らかの形で関係する。したがって、ユーザはプリンタ設定を仮想的に調整することができ、現実世界におけるプリンタ設定の効果は、較正されたHFモデル108に対する対応する変更に影響を及ぼすことによってシミュレートすることができる。このようにして、異なるプリンタ設定は、異なる仮想物体をもたらすことができる。シミュレータ102によって生成された仮想物体は、グラフィカルユーザインターフェースにおいてユーザに提示され得る3D画像として表され得る。
【0013】
仮想物体は、シミュレータ102によって、較正されたHFモデル108、物体モデル106、及びプリンタ設定を入力として使用して生成される。シミュレータ102は、同じ物体モデル106及びプリンタ設定が実際の3D印刷プロセスへの入力として供給された場合に、実際の3Dプリンタ104によって製造される実際の物理的製品をシミュレートすることを意図している。このようにして、実際の印刷ジョブを実行する必要なく、任意の欠陥又は望ましくない特性を仮想物体内で特定することができる。更に、プリンタ設定は、特定の印刷ジョブに最も適したプリンタ設定を決定するために、ユーザによって調整され得る。ユーザが仮想物体の品質に満足すると、プリンタ設定を実際の3Dプリンタ104に転送し、実際の3D物体の印刷に使用することができる。
【0014】
仮想物体と実際の印刷物体との間の一致の程度は、少なくとも部分的に、較正されたHFモデル108の精度に依存する。較正されたHFモデル108は、モデル較正処理デバイス114によって生成されてもよく、モデル較正処理デバイスは、ネットワーク112を介してデータ記憶デバイス110にもアクセスする。較正プロセスは、3Dプリンタのユーザによって取得された実験データ122を使用して実行されてもよい。例えば、実験データは、較正される3Dプリンタ又は同様の3Dプリンタによって実行される実際の印刷ジョブに関連して実行される測定を含むことができる。いくつかの実施形態では、実験データは、その例が図2に示されるように、経時的な液滴アスペクト比を説明する。実験データは、例えば、液滴のビデオカメラ撮像によって得ることができる。
【0015】
較正プロセスの一部として、実験データとパラメータ化されたROMによって表される曲線との間で適切な一致が得られるまで、ROMパラメータ値を反復的に調整することによって、ROMを実験データに適合させることができる。適合されたROMのパラメータ値は、目標ROMパラメータ値として使用されてもよく、目標ROMパラメータ値は、HFモデル126のパラメータ探索をガイドするために使用されてもよい。
【0016】
モデル較正処理デバイス114は、液滴シミュレータ116と、パラメータ探索モジュール118とを含む。モデル較正処理デバイス114は、HFモデル126のパラメータ空間を探索して、液滴シミュレータ126によって提供されるシミュレーション結果128を実験データ122に収束させるHFモデルパラメータ値を特定するように構成される。液滴シミュレータ116は、HFモデル126を使用して、物理的液滴力学、例えば、経時的な液滴アスペクト比をシミュレートする。シミュレーション結果128は、同じタイプの物理的液滴力学、例えば、経時的な液滴アスペクト比を記述する数値データを含む。提供される特定のシミュレーション結果は、HFモデル126の特定のパラメータ値設定に依存する。いくつかの例では、関連するパラメータ空間の探索が実行され得るように、いくつかのパラメータ値セットが提供され得る。
【0017】
シミュレーション結果128は、パラメータ探索空間内の新しいHFモデルパラメータ値を特定するために、パラメータ探索モジュール118に送られ得る。新しいHFパラメータ設定の特定は、ROMによってガイドされ得る。例えば、シミュレーション結果の数値データに対してROMをカーブフィットしてもよい。次に、HFモデルパラメータを評価して、ROMパラメータと強く相関する特定のHFモデルパラメータを特定することができる。これらの強く相関するHFモデルパラメータは、HFモデルを実験結果に収束させることに対してより強い効果を有することが予想される。ROMパラメータと強く相関するHFモデルパラメータは、液滴シミュレータの次の反復のために調整されてもよく、一方、ROMパラメータと強く相関しないパラメータは、一定のままであり得、それによって、調査されるパラメータ探索空間を低減する。
【0018】
更に、ROMは、強く相関するHFモデルパラメータの各々に対して探索される特定の探索空間を特定するために使用することもできる。これは、目標ROMパラメータ124が、ROMパラメータを実験データ122に適合させることによって既に決定されているので、達成することができる。これにより、特定のROMパラメータとの相関が強い特定のHFパラメータについては、そのROMパラメータの目標値に近い値の範囲を次の探索対象として選択することができる。このようにして、HFモデル126と実験結果との間の収束は、ランダム探索又は勾配ベースの探索と比較して、より迅速に得ることができる。
【0019】
パラメータ探索モジュール118の結果は、新しいHFモデルパラメータ値134のいくつかのセットであり、新しいHFモデルパラメータ値の各セットは、異なるシミュレーション結果をもたらす。言い換えれば、各パラメータ値セットは、HFパラメータの各々について単一の値を含む。調査される特定のパラメータ空間のより完全な探索を提供するために、いくつかのパラメータ値セットを生成することができる。液滴シミュレータ116は、これらの新しいHFモデルパラメータ値134を使用していくつかのシミュレーションを実行することができ、追加のシミュレーション結果をもたらし、HFモデル126が実験データに収束するまで、すなわち、HFモデル126によって提供されるシミュレーション結果が指定された閾値内で実験データ122に一致するまで、プロセスを繰り返すことができる。1つの収束が達成されると、結果として生じるHFモデル126は、較正されたHFモデル108として記憶されてもよい。較正プロセスの更なる詳細は、図2図8に関連して説明される。
【0020】
いくつかの実施形態では、較正されたHFモデル108は、個々の3Dプリンタ及び/又は3Dプリンタと構築材料との組み合わせに固有であってもよい。そのような場合、較正プロセスは、3Dプリンタを所有する顧客へのサービスとして提供され得る。例えば、ユーザは、較正されたHFモデル108を発注し、特定の構築材料で動作する自身の3Dプリンタ104について測定された実験データ122をアップロードすることができる。これに応答して、ユーザは、較正されたHFモデル108を受け取り、シミュレーションの実行を開始することができる。いくつかの例では、シミュレータはサービスとして提供されてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態において、較正されたHFモデル108は、特定のタイプのプリンタ、例えば、特定のブランド及び/又は特定の3Dプリンタバージョンに適用可能であってもよい。そのような場合、較正されたHFモデル108は、あるタイプの3Dプリンタ、又は特定のタイプの3Dプリンタと特定のタイプの構築材料との組み合わせに広く適用可能であり得る。そのような場合、シミュレータソフトウェアの製造業者又は開発者などの他の第三者によって、実験データが収集され、較正プロセスが行われてもよい。次いで、較正されたHFモデル108は、ユーザに提供され得るか、又はシミュレータ自体がサービスとして提供される場合にシミュレータ102によって使用され得る。
【0022】
図2は、本開示の特定の態様による、経時的な液滴アスペクト比を説明する実験データのグラフである。図2において、液滴アスペクト比は、基板と接触した後の液滴の高さを液滴の幅で割ったものである。本明細書で使用される場合、基板は、構築材料の吐出によって構築されている部分的3D物体の表面を指す。時間0は、液滴が最初に基板と接触する時間を表す。図2に示すように、液滴のアスペクト比は、基板に衝突した後、時間とともに振動する。凝固後の液滴の最終的な広がりには、振動減衰時間及び凝固時間を含む様々な要因が影響する。液滴の広がり及び振動、並びに液滴凝固の時間尺度は、印刷される部品の品質及び印刷プロセスの信頼性に影響を及ぼす重要な設計パラメータである。
【0023】
各点は、基板に衝突した後の特定の時間における液滴の測定値を表す。測定は、例えば、液滴画像結果のタイムラプス撮像及びその後の定量化を使用して行われてもよい。曲線は、ROMを実験データに適合させることによって得られたROM曲線を表す。ROMを曲線に当てはめることは、曲線を実験データに厳密に近似させるROMパラメータ値を特定することを意味する。ROMパラメータ値は、任意の適切な最適化アルゴリズムを使用して取得され得る。
【0024】
ROMは、特定の実装に応じていくつかの可能な形態のうちの1つであってもよい。いくつかの実施形態では、ROMは、基板との衝突後の液滴振動を正確に予測する減衰調和振動子モデルから導出される。例えば、ROMは、6パラメータROMを記述する以下の式によって特徴付けられてもよい。
【数1】
【0025】
上式において、Γは減衰係数であり、aは振幅であり、Ωは液滴振動の角周波数であり、pは経時的な角周波数の発展を表し、Φは位相定数であり、fは平衡位置であり、tは時間を表す。減衰前因子e-Γtは、経時的に振動の振幅と平衡位置の両方に影響を及ぼす。いくつかの実施形態ではΓ、α、Ω、pΦ、及びfはすべて、ROMを実験データ(又は図3に関連して説明したようなシミュレートされた数値データ)に適合させるために最適化されるべきROMのパラメータである。図9図11を参照して以下で更に説明するように、式1は、以下の形式に簡略化することができる。
【数2】
【0026】
上記の式では、Φ及びfは定数C及びCに置き換えられ、したがって最適化プロセス中に調整されない。したがって、式2のROMは、3パラメータROMである。パラメータの数を減らすことによって、ROMをデータに適合させるプロセスは、より速く、より少ない処理オーバーヘッドで達成することができる。
【0027】
図3は、本開示の特定の態様による、特定の実験セットアップのための例示的な目標ROMパラメータ値のグラフである。この例では、ROMは式2の3パラメータROMである。したがって、図3に示される3つの目標ROMパラメータ、すなわち、Γ、Ω、pがある。いくつかの実施形態では、実験データは、いくつかの実験セットを含んでもよく、各実験は、図2に示されるものと同様のデータセットをもたらす。各実験について、ROMを実験データに適合させて、異なるセットのROMパラメータを得ることができる。したがって、図3に示される各点は、ROMが特定の実験のデータに適合された各時間に対する特定のROMパラメータの特定の値を表す。これらのROMパラメータ値は、目標ROMパラメータ値を決定するために平均化され得る。任意選択で、外れ値は、平均化の前に破棄されてもよい。図3に示す例では、目標ROMパラメータ値は、Γ=2.5、Ω=8.38、p=0.33程度である。
【0028】
図4は、本開示の特定の態様による、経時的な液滴アスペクト比を説明する例示的なシミュレートされたデータのグラフである。図1を参照すると、シミュレートされたデータは、HFモデル126を使用して液滴シミュレータ116によって生成することができる。図4において、曲線402はシミュレートされたデータを表し、曲線404は、ROMがシミュレートされたデータに適合された後にROM(例えば、3パラメータROM)によって生成された曲線を表す。
【0029】
HFモデルは、液滴振動の実際の物理的特性に関連するいくつかのパラメータのいずれかを含むことができる。いくつかの実施形態では、HFモデルは、多相流に対する非圧縮性ナビエ・ストークス方程式の以下の系を使用して特徴付けられる。
【数3】
添字k={固体、液体、蒸気}は位相を示す。以下に示す人工運動量シンクFは、凝固に関連する運動量の損失を記述するために導入することができ、調整可能なパラメータ
【数4】
を含む。
【数5】
【0030】
流体の質量及び運動量の保存を記述する方程式系は、質量分率の保存を記述する以下の式と結合することができる。
【数6】
上式で、Sは、相変化による質量分率の生成/損失を表す項である。例えば、液体が凝固すると、Sは液相に対して負であり、固相に対して正である。
【0031】
質量分率の変化を記述する関数は、次の一般式を有することができる。
【数7】
【0032】
HFモデルはまた、熱伝達方程式を含むことができる。
【数8】
ここで、λは、位相kの熱伝導率であり、Tは温度であり、hは単位体積当たりのエンタルピーであり、
【数9】
として定義される。
【0033】
上記の式において、変数uは流速ベクトルであり、ρは流体密度であり、αは、すべての相分率の和がΣα=1に等しいという制約を有する相分率関数であり、pは圧力であり、μは動粘度であり、σは表面張力であり、Cleeは、凝固時間スケールを表すモデル定数であり、Tは固相線温度であり、Tは、液相線温度である。初期条件及び境界条件は、吐出時の初期液滴速度u、吐出時の液滴半径r、吐出時の液滴温度T、及び液滴衝突前の基板温度Tsubを含む。
【0034】
HFモデルの独立パラメータの数は、ウェーバー数We、ステファン数Ste、ペクレ数P、及びレイノズル数Rを含む無次元パラメータのセットを定義することによって減らすことができる。ウェーバー数及びステファン数は、以下の式によって定義することができる。
【数10】
【数11】
上式で、cは、一定圧力における比熱容量であり、Lは相変化に関連する潜熱である。
【0035】
液滴振動の物理学及び溶融液滴の最終的な広がりに影響を及ぼし得る他のHFモデルパラメータは、以下を含む。
【数12】
【数13】
【数14】
【0036】
HFモデルは、上記パラメータのいずれかを組み込むように変更されてもよい。曲線402は、HFパラメータ探索空間内の単一の点、すなわちHFモデルパラメータ値の単一のセットについてシミュレートされた液滴挙動を表す。曲線404は、ROMパラメータ探索空間内の単一の点、すなわち、ROMパラメータ値の単一のセットに対するROMを表す。HFモデル較正プロセスの反復ごとに、HFパラメータ空間内のいくつかの点が探索されてもよく、いくつかの曲線402が得られる。加えて、ROMは、これらのシミュレートされた曲線の各々に適合され得る。結果として生じるHFパラメータデータ及びROMパラメータデータは、図5-8に関連して更に説明されるように、HFパラメータ空間の更なる探索を促進するために使用されてもよい。
【0037】
図5は、本開示の特定の態様による、HFモデル較正プロセスの単一の反復に対する選択されたパラメータデータの散布図である。グラフ内の各ドットは、単一のシミュレーションと、そのシミュレーションに対する液滴振動を記述する数値データの単一のセットとに対応する。X軸上のドットの配置は、シミュレーションで使用されたウェーバー数Weの値を表し、Y軸上のドットの配置は、その特定のシミュレーションの数値データにROMを適合させる際に(例えば、図1のROMカーブフィットモジュール132によって)得られたΩの値を表す。これらのデータポイントの線形グループ化は、特定のHFモデルパラメータと特定のROMパラメータとの間に強い相関があるかどうかを示す。この特定のデータセットでは、傾向線502によって示される点の線形グループ化は、ウェーバー数WeとΩとの間に強い相関があることを示し、その結果、ウェーバー数の変動は、ROMパラメータのうちの1つと強く相関しているようには見えない他のHFパラメータよりも、シミュレーションの結果により影響を及ぼすと予想される。
【0038】
図6は、本開示の特定の態様による、HFモデル較正プロセスの単一の反復に対する選択されたパラメータデータの別の散布図である。図5のように、グラフ内の各ドットは、単一のシミュレーションと、そのシミュレーションに対する液滴振動を記述する数値データの単一のセットとに対応する。しかしながら、この例では、X軸上のドットの配置は、シミュレーションで使用された溶融過熱パラメータβの値を表し、Y軸上のドットの配置は、その特定のシミュレーションの数値データにROMを適合させる際に得られたpの値を表す。傾向線602によって示される0.5と1.0との間のβの値に対する点の線形グループ化は、βとpとの間に強い相関があることを示す。
【0039】
図5及び図6に示されるようなグラフは、HFモデルパラメータ及びROMパラメータの各組み合わせに対して生成され得る。これらのグラフに示されるデータに基づいて、HFパラメータ選択モジュール132は、高い相関から低い相関への順序でHFモデルパラメータをランク付けすることができる。指定された数の最も高くランク付けされたHFモデルパラメータが、液滴シミュレータの次の反復における更なる探索のために選択され得る。言い換えれば、次の反復のためのHFパラメータは、パラメータ値セットを作成することによって生成され得、ここで、高くランク付けされたパラメータは変更されるが、残りのパラメータは単一の特定の値に設定されたままである。いくつかの実施形態では、探索される特定の値は、図7及び8に関連して説明されるように、目標ROMパラメータ値に少なくとも部分的に基づく。
【0040】
図7は、図5に示したものと同じ散布図である。傾向線502は、WeとΩとの間のほぼ線形の関係を表し、水平線704は、Ωについての目標ROMパラメータ値を表す。この目標ROMパラメータもまた図3に示されている。Ωの目標値がROMを実験データに厳密に一致させることが決定されているため、Ωの目標値の同じ近傍のウェーバー数値がHFモデルを実験データにより厳密に一致させる可能性もある。したがって、ウェーバー数の探索空間は、円706で示されるように、傾向線502と線704との交点付近の小さい範囲の値にすることができる。
【0041】
図8は、図6に示したものと同じ散布図である。傾向線602は、ある値の範囲内のβとpとの間のほぼ線形の関係を表し、水平線804は、pの目標ROMパラメータ値を表す。この目標ROMパラメータも図3に示す。図8に示されているように、βの探索空間は、円806で示されているように、線602と線804との交点付近の小さな範囲の値に制限され得る。
【0042】
図5図8に示されるグラフは、実行されている機械プロセスを示すためのものであり、モデル較正デバイスが、ユーザに示されるデータの視覚表示を生成することを示すことを意味するものではないことが理解されよう。むしろ、グラフによって表されるデータは、関連するパラメータ探索空間及びHFモデルパラメータを特定するために、デジタル形式で表され、自動的に(すなわち、人間の関与なしに)処理され得る。
【0043】
図9は、本開示の特定の態様による、様々なHFモデルパラメータとROMパラメータとの間の相関の強度を示す相関テーブルである。図9において、HFモデルパラメータは行で示され、ROMパラメータは列で式1から示される。明確にするために、少数の可能なHFモデルパラメータが示されている。しかしながら、任意の適切な数のHFモデルパラメータを使用して同じプロセスを実行できることが理解されるであろう。
【0044】
HFモデルパラメータとROMパラメータとの交点における色は、2つのパラメータ間の相関の強さを示し、より暗い色はより強い相関を示す。相関強度は、例えば信頼区間として計算されてもよい。この表から分かるように、ROMパラメータaは、表示されたHFモデルパラメータのいずれとも強い相関を有していない。これは、aが実験データ又はシミュレートされた数値データへのROMモデルの適合に有意な影響を及ぼさないことを示している。したがって、式2に示すようにROMパラメータaをROMモデルから排除することができ、ROMモデルを実験データ又はシミュレートされた数値データに適合させるときにROMモデルを単純化し、調整するパラメータを少なくすることができる。ROMモデルを単純化することによって、HFモデル較正は、より迅速に、より少ない処理リソースで実行することができる。
【0045】
図10は、本開示の特定の態様による、ROMパラメータΦの値の分布を示す棒グラフである。値の分布は、ROMを実験データ及び/又はシミュレートされた数値データに適合させるときに到達した値の集合に基づいてもよい。加えて、値の集合は、単一のシミュレーション又はいくつかのシミュレーションに関連し得る。図10に示すように、Φの値は約1.4~1.7の狭い範囲にわたって分布している。これは、この特定のROMパラメータに対する有効な値の範囲が狭いことを示唆している。したがって、式2に示すようにCを分布におけるΦの平均値とすると、ROMパラメータΦは定数Cに置き換えることができる。この例ではCは1.5に設定されてもよい。
【0046】
図11は、本開示の特定の態様による、ROMパラメータfの値の分布を示す棒グラフである。値の分布は、ROMを実験データ及び/又はシミュレートされた数値データに適合させるときに到達した値の集合に基づいてもよい。図11に示すようにfは、約0.65~0.85の狭い範囲に分布している。したがって、式2に示すように、ROMパラメータfは定数Cに置き換えることができ、Cは分布におけるfの平均値に設定される。この例ではCは0.72に設定されてもよい。
【0047】
図10及び図11に関連して説明したように、調整可能なROMパラメータを定数で置き換えることは、ROMモデルの更なる簡略化を提供し、これは、ROMモデルを実験データ又はシミュレートされた数値データに適合させるときに適用可能な探索空間を低減し、HFモデル較正がより迅速に、より少ない処理リソースで実行されることを可能にする。図9図11で説明した簡略化を使用して、式1の元の6パラメータROMを式2の3パラメータROMに縮小することができる。
【0048】
図12は、本開示の特定の態様による、HFモデルを較正する方法のプロセスフロー図である。本方法は、図1に示されるモデル較正処理デバイス114などのコンピューティングデバイスによって実行され得る。方法は、ブロック1202で開始されてもよい。
【0049】
ブロック1202において、ROMが実験データの選択に適合される。実験データは、ユーザによって提出されてもよく、記憶デバイスから又はネットワークを介して受信されてもよい。実験データは、液滴が3Dプリンタから基板上に吐出された後の離散時間における液滴特性(例えば、液滴アスペクト比)を記述する測定データであってもよい。実験データは、実験データのいくつかのセットを含んでもよく、単一のセットは、単一の吐出された液滴に対して経時的に行われたいくつかの測定を指す。方法1200は、実験データの単一のセット又は実験データのいくつかのセットを使用して実行され得る。
【0050】
ROMは、3パラメータROM、4パラメータROM、5パラメータROM、6パラメータROMなどを含む、較正プロセスのために選択された任意の適切なROMであってもよい。実験データの単一のセットに適合したROMの例を図2に示す。ブロック1202において、ROMパラメータ値の異なるセットが、実験データの各セットに対して導出され、ROMパラメータ値の単一のセットは、単一の曲線を定義するROMの各調整可能パラメータに対する値を指す。図3は、実験データの5つの異なるセットにROMを個々に適合させることによって導出されたROMパラメータ値の5つのセットを示す。ブロック1202で導出されたROMパラメータ値は、目標ROMパラメータ値を取得するために一緒に平均化され得る。
【0051】
ブロック1204において、適用可能な探索空間内のHFモデルパラメータについて値が選択される。探索空間は、調整されるべき特定のHFパラメータと、値が選択され得る値の範囲とによって定義される。探索空間の粗いサンプリングは、方法の第1の反復で実行される。HFモデルパラメータ値の選択は、HFモデルパラメータ値セットをもたらし、各セットは、特定のシミュレーションにおいて使用される各HFパラメータの値を記述する。
【0052】
ブロック1206において、各HFモデルパラメータ値セットをHFモデルに適用することによってシミュレーションが実行される。各シミュレーションは、単一のHFパラメータ値セットを使用し、数値データの対応するセットをもたらす。シミュレートされた数値データの各セットは、経時的なシミュレートされた液滴特性(例えば、液滴アスペクト比)を記述し、測定された実験データに匹敵する。
【0053】
ブロック1208において、シミュレートされた数値データは、HFモデル及び実験データが収束したかどうかを判定するために、実験データと比較され得る。収束は、例えば、実験データとシミュレートされた数値データの各セットとの間の差を計算し、その差を閾値と比較することによって決定することができる。シミュレートされた数値データのセットのうちの1つが閾値内にある場合、プロセスは終了することができ、対応するHFモデルパラメータ値は、較正されたHFモデルのための最終HFモデルパラメータ値として特定することができる。最終HFモデルパラメータ値は、例えば、将来の使用のために記憶され、ユーザに配信され、又はシミュレーションソフトウェアに組み込まれてもよい。HFモデル及び実験データが収束していない場合、プロセスはブロック1210に進み、探索空間を狭めることができる。
【0054】
ブロック1210において、ROMはシミュレートされた数値データの各セットに適合される。ブロック1210で使用されるROMは、ブロック1202で使用されるROMと同じであり、モデルの形式は同じであるが、パラメータの値は、一般に、適合されたROMごとに異なることを意味する。ブロック1210の結果は、ROMパラメータ値のセットであり、各セットは、単一の曲線を数値データの特定のセットに適合させるために使用されるパラメータ値を記述する。図4は、特定のシミュレーションのためのシミュレートされた数値データの単一セットの例と、ROMを数値データに適合させることによって生成された曲線とを示す。
【0055】
ブロック1212では、ブロック1210で生成されたROMパラメータ値とブロック1204で生成されたHFモデルパラメータ値とが比較されて、個々のパラメータ間の相関が特定される。HFモデルパラメータとROMパラメータとの間の強い相関は、特定されたHFパラメータが、収束を達成するためにHFモデルを調整するのに影響を及ぼし得ることを示し、一方、弱い相関は、HFモデルパラメータが影響を及ぼさないことを示し得る。HFモデルパラメータとROMパラメータとの間の相関の特定は、図5及び図6に関連して更に説明される。いくつかの実施形態では、各HFモデルパラメータと各ROMパラメータとの間の相関の強さを計算し、ランク付けすることができる。最も高くランク付けされたHFパラメータ(例えば、上位2つ、上位3つなど)の選択が、目標HFパラメータとして選択され得る。目標HFパラメータは、本方法の次の反復のために調整されるパラメータである。
【0056】
ブロック1214において、各目標HFモデルパラメータの目標範囲が特定される。各目標HFモデルパラメータの目標範囲は、例えば図7及び図8に示すように、相関ROMパラメータの目標ROMパラメータ値に対応するHFモデルパラメータ値の範囲を選択することによって特定されてもよい。目標HFパラメータ及び各目標HFモデルパラメータの目標範囲は、次の反復のための新しい探索空間を定義する。次に、プロセスフローはブロック1204に戻り、HFモデルパラメータの各々について新しい値が選択される。新しい値の選択中に、目標HFモデルパラメータのみが調整され、残りのHFモデルパラメータは、各パラメータ値セットについて一定のままである。更に、目標HFモデルパラメータのために選択される値は、目標範囲内にあるように選択される。
【0057】
様々な操作は、複数の個別の操作として順に、本開示を理解する上で最も有用な様式で説明されるが、説明の順序は、これらの操作が必ずしも順序依存であることを意味すると解釈され得ない。具体的には、これらの操作は、提示の順序で実行される必要はない。
【0058】
図13は、本明細書で考察される方法論のうちのいずれか1つ以上をマシンに行わせるための命令のセット1322及び/又は処理ロジック1326が実行され得る、コンピュータシステム1300の例示的な形態におけるマシンの概略図を例解する。例えば、命令1322及び処理ロジック1326は、本明細書で説明される技法による高忠実度モデル較正アルゴリズム1327を含み得る。様々な実施形態では、マシンは、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)、イントラネット、エクストラネット、又はインターネット内の他のマシンに接続(例えば、ネットワーク化)され得る。マシンは、クライアント-サーバネットワーク環境内のサーバ若しくはクライアントマシンとして動作し得るか、又はピアツーピア(又は分散)ネットワーク環境内のピアマシンとして動作し得る。マシンは、パーソナルコンピュータ(personal computer、PC)、タブレットPC、セットトップボックス(set-top box、STB)、携帯情報端末(Personal Digital Assistant、PDA)、携帯電話、ウェブ機器、サーバ、ネットワークルータ、スイッチ若しくはブリッジ、ハブ、アクセスポイント、ネットワークアクセス制御デバイス、又はそのマシンによってなされるべきアクションを指定する命令のセット(逐次的又はその他)を実行することができる任意のマシンであり得る。更に、単一のマシンのみが例解されているが、「マシン」という用語はまた、本明細書で考察される方法論のうちのいずれか1つ以上を実行するために命令のセット又は複数のセットを個別に又は共同して実行するマシンの任意の集合体も含むものと解釈されるべきである。一実施形態では、コンピュータシステム1300は、システム100などのサーバコンピュータシステムの代表例であり得る。
【0059】
例示的なコンピュータシステム1300は、バス1330を介して互いに通信する、処理デバイス1302と、メインメモリ1304(例えば、リードオンリーメモリ(read-only memory、ROM)と、フラッシュメモリ、ダイナミックランダムアクセスメモリ(dynamic random access memory、DRAM))と、スタティックメモリ1306(例えば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(static random access memory、SRAM)など)と、データ記憶デバイス1318と、を含む。処理デバイス1302は、図1のモデル較正処理デバイス114又は関連する処理デバイスユニット、システム処理デバイス(例えば、計算層150を含む)、又はその両方として実装され得る。本明細書に記載される様々なバスを通じて提供される信号のいずれかは、他の信号と時分割されて、1つ以上の共有バスを通じて提供され得る。加えて、回路構成要素又はブロック間の相互接続は、バスとして、又は単一の信号線として示され得る。バスの各々は、代替的に、1つ以上の単一の信号線あり得、単一の信号線の各々は、代替的に、バスであり得る。
【0060】
処理デバイス1302は、マイクロプロセッサ、中央処理ユニットなどの1つ以上の汎用処理デバイスを表す。より具体的には、処理デバイスは、複合命令セットコンピューティング(complex instruction set computing、CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピュータ(reduced instruction set computer、RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(very long instruction word、VLIW)マイクロプロセッサ、又は他の命令セットを実装するプロセッサ、又は命令セットの組み合わせを実装するプロセッサであり得る。処理デバイス1302はまた、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、ネットワークプロセッサなどの、1つ以上の専用処理デバイスであり得る。処理デバイス1302は、処理ロジック1326を実行し得、これは、本明細書で考察される動作及びステップを行うための、図1に示されるシステム100の一実施例であり得る。
【0061】
データ記憶デバイス1318は、機械可読記憶媒体1328を含み得、そこには、処理デバイス1302にシステム100を実行させるための命令を含む、本明細書に記載された機能の方法論のうちのいずれか1つ以上を具現化する命令の1つ以上のセット1322(例えば、ソフトウェア)が記憶される。命令1322はまた、コンピュータシステム1300によるその実行中に、メインメモリ1304内又は処理デバイス1302内にも、完全に又は少なくとも部分的に存在し得、メインメモリ1304及び処理デバイス1302はまた、機械可読記憶媒体も構成する。命令1322は、ネットワークインターフェースデバイス1308を介して、ネットワーク1320を通じて更に送信又は受信され得る。
【0062】
非一時的機械読可読記憶媒体1328はまた、本明細書に記載される方法及び動作を行うための命令1322を記憶するために使用され得る。機械可読記憶媒体1328は、例示的な実施形態では単一の媒体であるように示されているが、「機械可読記憶媒体」という用語は、命令の1つ以上のセットを記憶する単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中型若しくは分散型データベース、又は関連するキャッシュ及びサーバ)を含むものと解釈されるべきである。機械可読媒体は、機械機械(例えば、コンピュータ)によって読み取り可能な形態(例えば、ソフトウェア、処理アプリケーション)で情報を記憶するための任意の機構を含む。機械可読媒体としては、限定されないが、磁気記憶媒体(例えば、フロッピーディスケット)、光記憶媒体(例えば、CD-ROM)、光磁気記憶媒体、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能なプログラマブルメモリ(例えば、erasable programmable memory、EPROM及びEEPROM)、フラッシュメモリ、又は電子的命令を記憶するのに適した別のタイプの媒体が挙げられ得る。
【0063】
前述の説明は、本開示のいくつかの実施形態の良好な理解を提供するために、具体的なシステム、構成要素、方法などの例などの多数の具体的な詳細を記載する。しかし、本開示の少なくともいくつかの実施形態は、これらの具体的な詳細を伴わずに実行され得ることが、当業者には明らかであろう。他の事例では、本開示を不必要に不明瞭にすることを回避するために、周知の構成要素又は方法は詳細に説明されないか、又は単純なブロック図形式で提示される。したがって、記載される具体的な詳細は、単なる例示である。特定の実施形態は、これらの例示的な詳細から変化してもよく、依然として本開示の範囲内であると考えられる。
【0064】
更に、いくつかの実施形態は、機械可読媒体が、2つ以上のコンピュータシステム上に記憶され、又はそれによって実行される、分散コンピューティング環境において実施され得る。また、コンピュータシステム間で転送される情報は、コンピュータシステムを接続する通信媒体を介して引かれるか、又は押され得る。
【0065】
特許請求される主題の実施形態は、本明細書に記載される様々な操作を含むが、これらに限定されない。これらの操作は、ハードウェア構成要素、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって実行され得る。
【0066】
本明細書における方法の操作は、特定の順序で示され説明されるが、各方法の操作の順序は、特定の操作が逆順序で実行され得るように、又は特定の操作が他の操作と少なくとも部分的に同時に実行され得るように変更され得る。別の実施形態では、別個の操作の指示又はサブ操作は、断続的又は交互の様式であり得る。
【0067】
要約書に記載されているものを含む、本発明の例解された実装形態の上記の説明は、網羅的であること、又は開示された正確な形態に本発明を限定することを意図するものではない。本発明の特定の実装形態及びその実施例は、例解目的で本明細書に記載されているが、当業者が認識するように、本開示の範囲内で様々な等価の修正が可能である。本明細書で使用される「例」又は「例示的な」という語は、例、事例、又は例解としての役割を果たすことを意味する。「例」又は「例示的な」として本明細書で記載される任意の態様又は設計は、必ずしも他の態様又は設計に比べて好ましい又は有利であると解釈されない。むしろ、「例」又は「例示的な」という語の使用は、具体的な様式で概念を提示することが意図される。本出願で使用される場合、「又は」という用語は、排他的な「又は」ではなく包括的な「又は」を意味することが意図される。すなわち、別段の指定がない限り、又は文脈から明らかでない限り、「Xは、A又はBを含む」は、自然な包括的な順列のうちのいずれかを意味することが意図される。すなわち、XがAを含む場合、XがBを含む場合、又はXがA及びBの両方を含む場合、「XがA又はBを含む」は、前述の例のいずれかの下で満たされる。また、本出願及び添付の特許請求の範囲で使用される冠詞「a」及び「an」は、一般に、別段の指定がない限り、又は文脈から単数形を対象とすることから明らかでない限り、「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである。更に、「一実施形態(an embodiment)」又は「一実施形態(one embodiment)」又は「一実装形態(an implementation)」又は「一実装形態(one implementation)」を通しての用語の使用は、そのように記載されない限り、同じ実施形態又は実装形態を意味するとは意図されない。更に、本明細書で使用される場合、用語「第1」、「第2」、「第3」、「第4」などの用語は、異なる要素を区別するための表示として意味され、必ずしもそれらの数値表記に従った順序の意味を有し得ない。
【0068】
上で開示された、並びに他の特徴及び機能の変形物、又はそれらの代替物は、多くの他の異なるシステム又はアプリケーションに組み合わされ得ることが理解されるであろう。様々な現在予期されていない、又は先行例のない代替物、修正、変形、又は改善が、その後に当業者によってなされてもよく、それらも以下の特許請求の範囲によって包含されることを意図している。特許請求の範囲は、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせの実施形態を包含し得る。
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【外国語明細書】