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特開2023-165621位置合わせされたダイを備えた電子部品
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165621
(43)【公開日】2023-11-16
(54)【発明の名称】位置合わせされたダイを備えた電子部品
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/04 20230101AFI20231109BHJP
   G01P 15/08 20060101ALI20231109BHJP
   H01L 23/02 20060101ALN20231109BHJP
【FI】
H01L25/04 Z
G01P15/08 102Z
H01L23/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023064992
(22)【出願日】2023-04-12
(31)【優先権主張番号】20225383
(32)【優先日】2022-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100189430
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100190805
【弁理士】
【氏名又は名称】傍島 正朗
(72)【発明者】
【氏名】サミ・ヌルミ
(72)【発明者】
【氏名】テッポ・シュルヤネン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】パッケージに内蔵される半導体ダイと他の部品とがパッケージ上での位置合わせを容易に行えるようにする電子部品及びその配置方法を提供する。
【解決手段】第1ダイ21と、ダイ取付面22を有する支持部と、ダイ取付面に隣接しているダイ位置合わせ要素241とを備える電子部品において、ダイ位置合わせ要素は、第1ダイ位置合わせ壁を含み、第1ダイの第1側面は、ダイ取付材料23によって第1ダイ位置合わせ壁に水平に固定されている。第1ダイの第1側面に対向する第1ダイの側面は、水平に固定されていない。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ダイと、支持部とを備える電子部品であって、
前記支持部は、水平面を規定するダイ取付面を含み、垂直方向は、前記水平面に対して垂直であり、
前記第1ダイは、ダイ取付材料によって前記ダイ取付面に垂直に固定されており、
前記部品は、さらに、前記ダイ取付面に隣接しているダイ位置合わせ要素を備え、前記ダイ位置合わせ要素は、前記支持部の一体部分、または前記支持部に強固に取り付けられているパッケージ構造体の一体部分を形成し、前記ダイ位置合わせ要素は、第1ダイ位置合わせ壁を含み、前記第1ダイの第1側面は、前記ダイ取付材料によって前記第1ダイ位置合わせ壁に水平に固定され、前記第1ダイの第1側面に対向する前記第1ダイの側面は、水平に固定されていない
電子部品。
【請求項2】
前記第1ダイ位置合わせ壁の長さは、前記第1ダイの第1側面の長さと実質的に等しい
請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記ダイ取付面から、前記第1ダイと前記ダイ取付材料との接合ラインまでの垂直距離がDであり、前記第1ダイの垂直高さがHであり、前記第1ダイ位置合わせ壁は、前記垂直方向に第1壁の高さを有し、前記第1壁の高さは、Dより大きく、D+H/2より小さい
請求項1または2に記載の電子部品。
【請求項4】
前記ダイ位置合わせ要素は、前記第1ダイ位置合わせ壁と平行でない第2ダイ位置合わせ壁をさらに含み、前記第1ダイの第1側面に対向していない前記第1ダイの第2側面は、前記ダイ取付材料によって前記第2ダイ位置合わせ壁に水平に固定され、前記第1ダイの第2側面に対向する前記第1ダイの側面は、水平に固定されていない
請求項1または2に記載の電子部品。
【請求項5】
前記第2ダイ位置合わせ壁の長さは、前記第1ダイの第2側面の長さと実質的に等しい
請求項4に記載の電子部品。
【請求項6】
前記第2ダイ位置合わせ壁は、前記垂直方向に第2壁の高さを有し、前記第2壁の高さは、Dより大きく、D+H/2より小さい
請求項4に記載の電子部品。
【請求項7】
前記第1壁の高さは、前記第2壁の高さと実質的に等しい
請求項6に記載の電子部品。
【請求項8】
前記部品は、さらに、追加ダイ取付材料によって前記ダイ取付面に取り付けられている第2ダイを備え、前記ダイ位置合わせ要素は、追加ダイ位置合わせ壁をさらに含み、前記第2ダイの第1側面は、前記追加ダイ取付材料によって前記追加ダイ位置合わせ壁に水平に固定され、前記第2ダイの第1側面に対向する前記第2ダイの側面は、水平に固定されていない
請求項1または2に記載の電子部品。
【請求項9】
前記追加ダイ位置合わせ壁の長さは、前記第2ダイの第1側面の長さと等しい
請求項8に記載の電子部品。
【請求項10】
前記ダイ取付面から、前記第2ダイと前記追加ダイ取付材料との接合ラインまでの垂直距離がDであり、前記第2ダイの垂直高さがHであり、前記追加ダイ位置合わせ壁は、前記垂直方向に第3壁の高さを有し、前記第3壁の高さは、Dより大きく、D+H/2より小さい
請求項1または2に記載の電子部品。
【請求項11】
支持部に取り付けられた1以上のダイを備える電子部品を製造する方法であって、前記支持部は、水平面を規定するダイ取付面を含み、垂直軸は、前記水平面に対して垂直であり、前記方法は、
第1ダイをダイ取付材料によって前記ダイ取付面に垂直に固定するステップを含み、
前記方法は、さらに、
前記ダイ取付面に隣接し、かつ第1ダイ位置合わせ壁を含むダイ位置合わせ要素を、前記支持部の一体部分として、または前記支持部に強固に取り付けられているパッケージ構造体の一体部分として形成するステップと、
前記第1ダイの第1側面は前記ダイ取付材料によって前記第1ダイ位置合わせ壁に水平に固定し、一方、前記第1ダイの第1側面に対向する前記第1ダイの側面は水平に固定しないでおくステップとを含む
方法。
【請求項12】
前記ダイ位置合わせ要素は、前記第1ダイ位置合わせ壁と平行でない第2ダイ位置合わせ壁をさらに含み、前記方法は、さらに、
前記第1ダイの第1側面に対向していない前記第1ダイの第2側面は前記ダイ取付材料によって前記第2ダイ位置合わせ壁に水平に固定し、一方、前記第1ダイの第2側面に対向する前記第1ダイの側面は水平に固定しないでおくステップを含む
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ダイ位置合わせ要素は、追加ダイ位置合わせ壁をさらに含み、前記方法は、さらに、
第2ダイを前記ダイ取付面に垂直に固定し、前記第2ダイの第1側面は追加ダイ取付材料によって前記追加ダイ位置合わせ壁に水平に固定し、一方、前記第2ダイの第1側面に対向する前記第2ダイの側面は水平に固定しないでおくステップを含む
請求項11または12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子部品、特に、周囲のパッケージによってダイが保護されている電子部品に関する。本開示は、さらに、ダイを当該部品の他の部分と位置合わせすることに関する。
【背景技術】
【0002】
チップとも呼ばれ得る電子ダイは、基板上に電子構造体を製造し、その基板を小片に切断することによって作製することができる。基板は、半導体基板、例えばシリコン基板であってもよい。基板から切断された各ダイは、支持構造体に取り付け、次に、その周りにパッケージを構築することによって、保護パッケージ内部に配置されてもよい。ダイは、また、同一パッケージ内部の他のチップおよび/またはパッケージの外部へ延在するリードに電気的に接続することができる。それにより、パッケージおよびその内容物は、回路基板上に取り付け可能な電子部品を形成することができる。
【0003】
ダイによっては、向きに影響を受け、電子部品の出力が確実に正確であるようにパッケージ内部に慎重に位置合わせされなければならない。向きに影響を受けるダイには、磁力計ダイや、加速度または角速度などの慣性変数を測定するダイなどがある。
【0004】
ダイをダイ取付材料によってダイ取付面に取り付け、次に、ダイ取付面の周りにパッケージの残りを構築するのがしばしば簡便である。ダイ取付面として、任意の略平坦面を用いることができる。しかしながら、よくある問題は、ダイをダイ取付材料上に配置した後に(または、配置したときに)、ダイ取付材料の粘性のためにダイがダイ取付面に対して回転し得ることである。少量の流れであっても、ダイ取付材料が凝固する前にダイが位置ずれし得る。
【0005】
図1aは、xy平面を規定するダイ取付面12上の位置ずれしたダイ11の例を示す。ダイ11をダイ取付面12に取り付けるダイ取付材料13を有する同じダイを図1bに示す。ダイは、保護された筐体18内にダイ11を収容するパッケージ17に取り囲まれている。例として、ダイ11は、ダイ上のi軸およびj軸で示す、ダイの直角をなすエッジに一致する直角をなす2方向の加速度を測定するように設計されている、加速度に影響を受ける電子構造体を含むと仮定し得る。また、i軸がx軸と平行であり、j軸がy軸と平行である場合、ダイは、ダイ取付面上に適切に位置合わせされていると仮定する。そのとき、部品の出力は、正確であろう。しかしながら、図1aが示すようにダイが位置ずれしており、それらの軸が平行でない場合、x方向の加速度によってi軸測定とj軸測定の両方で出力信号が生成されるため、測定は不正確になる。位置ずれが小さくても、この交差軸エラーは、重要になり得る。
【0006】
特許文献1には、ダイが取り付けられている取付領域を高い壁が取り囲む電子部品が開示されている。ダイをすべての側面で固定するという解決策でよくある課題は、チップを取り囲む構造体の熱膨張および他の変化によって、チップに機械的応力がかかり、部品の耐久性および/または性能が低下し得ることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/166826号明細書
【発明の概要】
【0008】
本開示の目的は、独立請求項に記載されることを特徴とする方法および構成を用いて上記課題を軽減することである。任意選択の実施の形態を従属請求項に提示する。
【0009】
本開示は、ダイを単一のダイ位置合わせ壁または2つのダイ位置合わせ壁と位置合わせするという考えに基づく。この構成の利点は、ダイを対向側面で固定することなく、完全に位置合わせできることである。そのため、機械的応力による損傷のリスクは低減される。
【0010】
以下に、添付の図面を参照しながら、好ましい実施の形態によって本開示をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1a図1aは、位置ずれしたダイを示す図である。
図1b図1bは、位置ずれしたダイを示す図である。
図2a図2aは、ダイ取付面およびダイ位置合わせ要素を示す図である。
図2b図2bは、ダイ取付面およびダイ位置合わせ要素を示す図である。
図2c図2cは、単一のダイ位置合わせ壁を有するダイ位置合わせ要素に取り付けられたダイを示す図である。
図2d図2dは、単一のダイ位置合わせ壁を有するダイ位置合わせ要素に取り付けられたダイを示す図である。
図2e図2eは、単一のダイ位置合わせ壁を有するダイ位置合わせ要素に取り付けられたダイを示す図である。
図2f図2fは、単一のダイ位置合わせ壁を有するダイ位置合わせ要素に取り付けられたダイを示す図である。
図2g図2gは、単一のダイ位置合わせ壁を有するダイ位置合わせ要素に取り付けられたダイを示す図である。
図2h図2hは、単一のダイ位置合わせ壁を有するダイ位置合わせ要素に取り付けられたダイを示す図である。
図2i図2iは、単一のダイ位置合わせ壁を有するダイ位置合わせ要素に取り付けられたダイを示す図である。
図3a図3aは、2つのダイ位置合わせ壁を有するL字形ダイ位置合わせ要素に取り付けられたダイを示す図である。
図3b図3bは、2つのダイ位置合わせ壁を有するL字形ダイ位置合わせ要素に取り付けられたダイを示す図である。
図4a図4aは、2つのダイ位置合わせ壁を有する両面ダイ位置合わせ要素に取り付けられた2つのダイを示す図である。
図4b図4bは、2つのダイ位置合わせ壁を有する両面ダイ位置合わせ要素に取り付けられた2つのダイを示す図である。
図4c図4cは、2つのダイ位置合わせ壁を有する両面ダイ位置合わせ要素に取り付けられた2つのダイを示す図である。
図4d図4dは、3つのダイ位置合わせ壁を有する両面ダイ位置合わせ要素に取り付けられた2つのダイを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示には、第1ダイと、支持部とを備える電子部品が記載されている。支持部は、水平面を規定するダイ取付面を含む。垂直方向は、水平面に対して垂直である。第1ダイは、ダイ取付材料によってダイ取付面に垂直に固定されている。部品は、さらに、ダイ取付面に隣接しているダイ位置合わせ要素を備える。ダイ位置合わせ要素は、支持部の一体部分、または支持部に強固に取り付けられているパッケージ構造体の一体部分を形成している。ダイ位置合わせ要素は、第1ダイ位置合わせ壁を含む。第1ダイの第1側面は、ダイ取付材料によって第1ダイ位置合わせ壁に水平に固定されている。第1ダイの第1側面に対向する第1ダイの側面は、水平に固定されていない。
【0013】
以下でより詳細に説明するように、ダイ位置合わせ要素は、支持部内に、または支持部に隣接している固定構造体上に形成することができる。ダイ位置合わせ要素は、ダイ取付面から垂直方向に延在する凸部であってもよい。あるいは、ダイ位置合わせ要素は、支持部に取り付けられている固定構造体から水平方向または垂直方向に延在する凸部であってもよい。
【0014】
本開示において、水平面は、xy平面として示す。垂直方向は、z軸で示す。本開示において、「水平」という用語は、xy平面と平行な方向を指す。本開示において、「垂直」、「上部」、「底部」、「上」、「下」、「下方」、および「上方」などの用語は、xy平面に対して垂直な方向、ならびに、その方向の相対位置および距離を指す。これらの用語は、部品が製造または使用されているときに、地球の重力場に対してどのように部品を方向付けるべきかについては何も示していない。
【0015】
ダイの「側面」とは、ダイがダイ取付面上に配置されたときに垂直または少なくとも略垂直である、ダイの外面である。一側面に対向する側面は、ダイの水平方向反対側に位置する。ダイは、さらに、ダイがダイ取付面上に配置されたときに略水平であり、かつ垂直方向に互いに対向する、上面および底面を有する。
【0016】
本開示において、「垂直に固定されている」という用語は、ダイの底面がダイ取付材料によって、下にあるダイ取付面に垂直方向(z方向)にしっかり取り付けられている状況を指す。一方、「水平に固定されている」という用語は、ダイの側面がダイ取付材料によって、ダイに隣接しているダイ位置合わせ要素に水平方向(xy平面と平行な方向)にしっかり取り付けられている状況を指す。他方では、「水平に固定されていない」という用語は、ダイの側面がいずれの固定構造体にも所与の水平方向にしっかり取り付けられていない状況を指す。「水平に固定されていない(horizontally unfixed)」という用語は、また、「水平に固定されていない(not horizontally fixed)」として表現されてもよい。
【0017】
本開示において、「長さ」という単語は、水平面における測定距離の一般用語として用いられている。長さは、例えば、x軸の方向、y軸の方向、またはxy平面内の他の任意の方向に測定することができる。位置合わせ壁およびダイの側面は、本開示の図においてまっすぐな壁/側面として示し、対応する長さは、直線的な測定距離である。
【0018】
本開示の図に示すダイ位置合わせ壁は、まっすぐであり、すなわち、xy平面内に直線形状を有する。それに対応して、ダイの側面は、直線形状で示す。しかしながら、ダイの側面が湾曲している場合、ダイ位置合わせ壁も湾曲させることができる。この場合、壁の長さおよび側面の長さは、湾曲に沿って測定してもよい。
【0019】
本開示に提示する任意の実施の形態において、第1ダイは、例えば、加速度を測定するように構成された加速度計、角回転を測定するように構成されたジャイロスコープ、磁力計、または他の任意の向きに影響を受けるダイであってもよい。加速度計またはジャイロスコープは、MEMS加速度計/ジャイロスコープであってもよい。
【0020】
電子部品は、部品内部のダイを保護するパッケージを備えてもよい。あるいは、電子部品は、パッケージがなくてもよい。電子部品は、部品を回路基板に取り付け、かつ電気的に接続することを可能にする、外部コンタクトおよび取付要素を備えてもよい。部品は、回路基板がダイよりもダイ取付面側にあるように、回路基板上に取り付けてもよく、または、回路基板がダイ取付面よりもダイ側になるように、その逆に取り付けてもよい。
【0021】
本開示の図においてダイの位置合わせを単純に示しやすくするために、ダイそれ自体とダイ取付面の両方を、まっすぐなエッジがx軸およびy軸と平行に延在する矩形ブロックとして示す。そのとき、例えば図2bが示すように、矩形ダイの4つのエッジがダイ取付面の4つのエッジと平行である場合、ダイは、正しく方向付けられていると仮定する。しかしながら、ダイおよびダイ取付面は、実際には、本開示の図が示すよりも複雑な形状を有し得るであろう。ダイは、例えば、まっすぐなエッジがダイの側面を形成する多角形の形状を有してもよい。
【0022】
位置合わせの一般的な原理は、ダイの形状にかかわらず同じである。ダイの方向の位置合わせが正しい場合、ダイ上の関連する測定軸(図1aの軸iおよびjなど)は、水平なダイ位置合わせ面上の所与の方向(例えばx方向)に対して正しく方向付けられている。ダイの位置の位置合わせが正しい場合、ダイ位置合わせ面上の所与のポイントに対するダイのすべての部分の位置は、正しい。以下でより詳細に説明するように、本開示に記載する位置合わせ構成は、主に方向の位置合わせに着目している。電気部品内部の、向きの影響を受けるダイの方向の位置合わせが正しい場合、電子部品の出力は、部品の向きを正確に反映する。位置の位置合わせも、用途によっては重要であり、本開示において説明するいくつかの実施の形態で実現することができる。
【0023】
図2aは、ダイ取付面22と、ダイ取付面上のダイ位置合わせ要素241とを示す。ダイ位置合わせ要素は、最初はダイ取付面と離れており、その後、ダイ取付面上の所望の場所に正しい向きで取り付けられる部分にすることができるであろう。しかしながら、ダイ位置合わせ要素が、例えば接着剤でダイ取付面に取り付けられる場合、上述したダイ位置合わせの課題が、ダイ位置合わせ要素の向きに等しく当てはまるであろう。したがって、ダイ位置合わせ要素241を支持部の一体部分として形成することが好ましい。そして、ダイ位置合わせ要素241とダイ取付面22の両方は、それらが互いに隣り合うように支持部を成形することによって形成されてもよい。xy平面内における支持部およびダイ取付面のエッジに対するダイ位置合わせ要素の向きは、高精度に固定することができる。
【0024】
ダイ位置合わせ要素241は、ダイ取付面22の凸部であってもよい。ダイ位置合わせ要素241は、ダイ取付面22と同じ材料から形成されてもよい。ダイ位置合わせ要素241およびダイ取付面22は、任意の材料からなることができ、ダイ位置合わせ要素の材料は、ダイ取付面の材料と同じであっても、またはダイ取付面の材料とは異なってもよい。ダイ位置合わせ要素は、支持部の一体部分であり得るが、ダイ取付面22およびダイ位置合わせ要素241は、明確にするために本開示の図では異なる色で示す。
【0025】
簡単にするために、ダイ位置合わせ要素は、図2aでは直方体として、また、二次元図のほとんどでは長方形として示す。しかしながら、ダイ位置合わせ要素は、ダイ位置合わせ壁247を含む限り、任意の形状を有してもよい。壁は、図2aが示すように、まっすぐかつ平坦な面であってもよいが、壁の形状が、ダイ位置合わせ壁に取り付けられることが意図されたダイの側面の形状に一致する限り、他の形状も可能である。本開示において説明するいずれのダイ位置合わせ壁も、yz平面と平行な図2aのダイ位置合わせ壁247のように垂直であり得る。しかしながら、完全に垂直である必要はない。ダイ位置合わせ壁は、代替的に、ダイ取付面に対して例えば45度~90度の角度で傾けることができると考えられ、90度は、完全に直交した向きである。図2bは、2つの代替ダイ位置合わせ要素261および271を示し、対応するダイ位置合わせ壁267および277が互いに反対方向に傾いている。ダイ位置合わせ壁の垂直高さは、(ダイ取付面のz座標が0である場合)ダイ位置合わせ壁の上エッジのz座標に相当する。図2aおよび図2bに提示する選択肢は、本開示に提示する他の任意の実施の形態と組み合わせることができる。
【0026】
また、本開示の図に示すダイ位置合わせ壁は、ダイ取付面22の図示したエッジと平行であるが、面上の任意の方向に向けることができる。ダイがダイ位置合わせ壁に取り付けられるとき、ダイ位置合わせの向きによってダイが正しく方向付けられることだけが重要である。
【0027】
図2cおよび図2dは、ダイ取付面22上の第1ダイ21を示す。第1ダイは、ダイ位置合わせ要素241に取り付けられることが意図された第1側面(図2cおよび図2dにおいて左側面)を有する。ダイ21は、ダイ取付面22上のダイ位置合わせ要素241に近接してダイ取付材料23の層の上に配置されている。本開示のいずれの実施の形態においても、ダイ取付材料は、接着剤またはペースト、例えば、エポキシ系またはシリコン系の接着剤またはペーストであってもよい。ダイ取付材料は、ダイ取付面に塗布される際、定量供給可能な液体であってもよい。ダイ取付材料23は、その上にダイ21が配置されるときに、ある程度の粘性を有する。したがって、ダイは、ダイ取付材料上に「浮く」。材料が徐々に凝固するにつれ、ダイ21は、ダイ取付面およびダイ位置合わせ壁にしっかりくっつく。
【0028】
図2dは、本開示のすべての実施の形態に用いられる位置合わせ機構を示す。ダイ取付材料23上のダイ21がダイ位置合わせ要素241およびそのダイ位置合わせ壁に十分に近接して配置され、その結果、ダイ取付材料がダイ位置合わせ壁と接触すると、図2dに示すように、毛細管力および表面張力によって、粘性のあるダイ取付材料がダイ21とダイ位置合わせ要素241との間に引き込まれる。ダイ取付材料が凝固すると、ダイの側面(ここでは左側面)は、ダイ位置合わせ壁にくっつくようになる。
【0029】
ダイ21がダイ位置合わせ要素の近くに配置されたときにダイの側面がダイ位置合わせ壁とほぼ平行であるが完全には平行でない場合、すなわち、ダイがわずかに位置ずれしている場合、粘性のあるダイ取付材料23に作用する毛細管力および表面張力は、壁とダイの側面との間に形成されているダイ取付材料界面層の(x方向とz方向の両方の)厚さを均一にすることによって、このエラーを自動的に補正しようとする。それにより、ダイ取付材料23は、ダイ21をわずかに回転させて、ダイの側面をダイ位置合わせ壁と完全に位置合わせする。この効果は、最初の位置ずれがあまり大きくなく、かつ、ダイがダイ取付面上に配置されたときのダイとダイ位置合わせ要素との距離が十分に小さい限り、得ることができる。依然として補正可能な最初の位置ずれの最大量は、少なくともダイ21のサイズ、ダイ取付材料23の粘性、およびダイ位置合わせ要素241の高さに依存する。
【0030】
ダイ取付材料23とダイ21との水平接合ラインを図2dに示す。この接合ラインの垂直高さ、すなわち、ダイ取付面22から接合ラインまでの距離をDと表示する。ダイ21の垂直高さ、すなわち、ダイ21の底面から上面までの距離をHと表示する。ダイが均一の厚さを有していない場合、ダイの垂直高さは、ダイ位置合わせ要素に取り付けられることが意図されたダイの側面の垂直高さとして解釈されてもよい。
【0031】
ダイ位置合わせ壁の垂直高さ248を図2dにマークした。この高さは、上で説明した位置合わせ機構を容易にするために、Dより大きくすべきである。さらに、場合によっては、高さ248は、D+H/2より小さくてもよい。言い換えれば、ダイ位置合わせ壁は、場合によっては、ダイ21の垂直方向中央平面(または、ダイ位置合わせ要素に取り付けられることが意図されたダイの側面の垂直方向中点)の上方に延在しなくてもよい。あるいは、第1壁の高さ248は、D~D+H/3の範囲、D~D+H/4の範囲、またはD~D+H/5の範囲にすることができるであろう。これらの比較的低い壁の高さでは、ダイは、大きい表面積に水平に固定されることなく位置合わせされる。大面積にわたって水平に固定されると、ダイには、片側だけの非対称な機械的応力がかかり、これにより、ダイによっては損傷するか、またはそれらの性能が影響を受ける可能性がある。しかしながら、それほど影響を受けないダイは、より大きい表面積上にも水平に固定することができる。そのようなダイが位置合わせされる場合は、第1壁の高さは、D+H/2より大きくてもよい。これらの高さの選択肢は、以下で紹介する第2壁の高さおよび第3壁の高さにも当てはまる。
【0032】
言い換えれば、ダイ取付面から、第1ダイとダイ取付材料との接合ラインまでの垂直距離は、Dであってもよく、第1ダイの垂直高さは、Hであってもよく、第1ダイ位置合わせ壁は、垂直方向に第1壁の高さを有してもよく、第1壁の高さは、Dより大きく、D+H/2より小さくてもよい。
【0033】
ダイは、複数の側面を有する。これらの側面のうちのいくつかは、例えば、図2cおよび図2dのダイの左側面と右側面のように互いに対向している。ダイの一側面を固定する場合、ダイの対向側面は、固定しないでおくべきであり、図2cおよび図2dでは、左側面は水平に固定され、一方、右側面は、水平に固定されていない。ダイをその2つの対向側面で剛性構造体に水平に固定すると、ダイに強い機械的応力がかかるリスクが生じるであろう。また、上述した位置合わせ工程は、強い機械的応力が2つの対向側面に同時に起こると最適に機能しない可能性があり、その結果、方向的かつ位置の位置合わせの精度が低下し得る。
【0034】
ダイ位置合わせ壁の長さ249を図2cに示す。長さは、図2cではy方向に示すが、より一般的には、ダイ位置合わせ壁の長さは、壁の垂直でない寸法に沿って測定される。ダイ21の第1側面の長さ219も、図2cに示す。241および21を矩形状で示しているため、長さ249をダイ位置合わせ要素241の左側に示し、長さ219をダイ21の右側に示す。実際には、これらの長さ249と219の両方は、ダイ位置合わせ要素241とダイ21との界面で測定されるべきである。
【0035】
第1ダイ位置合わせ壁の長さ249は、第1ダイ21の第1側面の長さ219と実質的に等しくてもよい。その場合、粘性のあるダイ取付材料に作用する力によって、ダイが方向的に位置合わせされるだけでなく、位置的にも位置合わせされる。すなわち、最初の位置において、ダイ21の第1側面の一端部がy方向にダイ位置合わせ壁を越えて延在し、ダイ位置合わせ壁が、反対のy方向にダイ21の第1側面の他端部を越えて延在する場合、ダイ取付材料は、ダイ21の第1側面の両端部とダイ位置合わせ壁とが一致している2cに示された完全な位置の位置合わせをダイ21に行うように作用するであろう。
【0036】
しかしながら、第1ダイ位置合わせ壁の長さ249は、第1ダイの第1側面の長さと必ずしも等しい必要はない。位置の位置合わせが重要でない用途では、より長いか、またはより短い壁を使用することができる。図2eは、長さ249が長さ219より大きい装置を示す。この場合、ダイ21の方向の位置合わせは正しいが、ダイ21の位置の位置合わせは、ダイ21がダイ取付面22上にどれだけ正確に配置されているかに依存し、ダイ取付材料に作用する力によって、位置の位置合わせがさらに改善されることはない。長さ219が長さ249より大きい図2eにも、同じことが当てはまる。図2eおよび図2fに示す選択肢は、本開示に提示する他の任意の実施の形態と組み合わせることができる。
【0037】
ダイ位置合わせ要素は、ダイを取り囲むパッケージの側壁に接してもよいが、必ずしも接する必要はない。図2gは、ダイ位置合わせ要素241がパッケージ27の側壁とダイ21との間のダイ取付面上に配置されている装置を示す。
【0038】
さらに、ダイ位置合わせ壁は、必ずしもダイ取付面に至るまでずっと延在する必要はない。図2hは、ダイ位置合わせ要素241が、ダイ取付面22に至るまでずっと延在することなく、パッケージ構造体27の側壁から外方へ突出している電子部品を示す。ダイ位置合わせ要素241は、側壁の一体部分であってもよい。ダイ位置合わせ要素241は、パッケージの一体部分であってもよい。ダイ位置合わせ要素241は、側壁の凸部であってもよい。ダイ位置合わせ要素241は、図2hにおいて、右側面にダイ位置合わせ壁を有し、ダイ21は、上述した機構によって、この壁と位置合わせすることができる。
【0039】
パッケージ構造体27は、支持部およびダイ取付面22に固定されている。パッケージ構造体は、例えば、チップの周りに筐体を形成するキャップであってもよい。あるいは、ダイ位置合わせ要素は、パッケージ構造体の天井からの垂直下方へ延在する凸部にすることができるであろう。この選択肢は、図示しなかった。図2a~図2gを参照して上で説明し、また、図3a~図4dを参照して下で説明するすべての形状選択肢は、支持部の一体部分として形成されているダイ位置合わせ要素と、パッケージ構造体の一体部分として形成されているダイ位置合わせ要素との両方に適用される。特に、図2hではチップがx方向に水平に固定されているとして示しているが、代替的に、ダイ位置合わせ要素を、チップをy方向に側壁27と位置合わせできるほど側壁27から大きく突出する長尺構造体に形成することが可能であろう(図4aのように、異なる2つの方向から可能)。
【0040】
図2hに示す実施の形態において正確な方向の位置合わせを容易にするためには、パッケージ側壁を正しい方向に精密に位置合わせしなければならない。図2iは、ダイ位置合わせ要素241の向きがパッケージ側壁に依存せず、ダイ位置合わせ壁が依然として、ダイ取付面に至るまでずっと延在しない代替の実施の形態を示す。ここで、ダイ位置合わせ要素は、ダイ取付面22上に位置しているが、ダイ位置合わせ壁(ダイ位置合わせを容易にするダイ位置合わせ要素の右側面)は、それでもなおダイ取付面22に至るまで延在しない。上で説明したように、ダイ位置合わせ壁の垂直高さは、壁がダイ取付面に至るまでずっと延在するか否かにかかわらず、(ダイ取付面のz座標がゼロである場合)ダイ位置合わせ壁の上エッジのz座標である。図2hと図2iの両方において、ダイ位置合わせ壁の下エッジは、図2iに破線で示す接合ラインの上方または下方に位置してもよい。図2hおよび図2iに示す選択肢は、本開示に提示する他の任意の実施の形態と組み合わせることができる。
【0041】
ダイの方向的かつ位置の位置合わせは、用途によっては、互いに平行でない2つのダイ位置合わせ壁を使用することによって改善することができる。そのとき、ダイの異なる2つの側面を、これらの2つの壁に取り付けることができる。
【0042】
ダイ位置合わせ要素は、第1ダイ位置合わせ壁と平行でない第2ダイ位置合わせ壁をさらに含んでもよい。第1ダイの第2側面は、ダイ取付材料によって第2ダイ位置合わせ壁に水平に固定されてもよい。第1ダイの第2側面は、第1ダイの第1側面に対向していない。第1ダイの第2側面に対向する第1ダイの側面は、水平に固定されていない。
【0043】
図3a~図3bは、L字のような形状のダイ位置合わせ要素341を示す。参照番号31、32、33および341は、それぞれ図2a~図2iの参照番号21、22、23および241に対応する。ダイ位置合わせ要素341の左側は、既に詳細に上述した同じ種類の第1ダイ位置合わせ壁を形成している。図3aにおいてx軸と平行に延在するダイ位置合わせ要素341の側面は、第2ダイ位置合わせ壁(y方向にダイ31に面する壁)を形成している。図3aが示すように、第2ダイ位置合わせ壁の長さ348は、第1ダイ31の第2側面の長さ318と実質的に等しい。ダイの第2側面は、ダイの第1側面に隣接してもよく、これらの側面が互いに隣り合っていることを意味している(第3側面は、それらの間に位置しない)。あるいは、ダイの第2側面は、ダイが多くの側面を有する場合、直接隣り合っていない隣接する側面であってもよい。
【0044】
ダイ取付材料がダイを第1ダイ位置合わせ壁と位置合わせするのと全く同じように、ダイとダイ位置合わせ壁との間のスペースへのダイ取付材料の流れと、表面張力を最小にしようとするダイ取付材料の傾向とが、ダイ31と第2ダイ位置合わせ壁との位置合わせに作用する。これを図3bに示し、図3bは、示す断面がyz断面であることを除いて図2dに一致する。第2壁の高さは、346として示す。
【0045】
第2ダイ位置合わせ壁の長さは、第1ダイの第2側面の長さと実質的に等しくてもよい。しかしながら、図2c~図2fを参照して上述した第1ダイ位置合わせ壁の長さの場合と同様に、第2ダイ位置合わせ壁は、代替的に、第1ダイの第2側面の長さより小さくてもよく、または長くてもよい。第2ダイ位置合わせ壁は、垂直方向に第2壁の高さを有し、第2壁の高さは、例えば、Dより大きく、D+H/2より小さくてもよい。第1壁の高さについて上に提示した他の高さ選択肢のいずれも、第2壁の高さに当てはまり得る。
【0046】
第1壁の高さは、第2壁の高さと実質的に等しくてもよい。しかしながら、これは必ずしもそうである必要はない。壁の一方が他方より高くても、全く同じように位置合わせを正確に行うことができ、場合によっては、壁の一方を高くして主なダイ位置合わせ壁として機能させ、他方を低くしてダイへの機械的応力のリスクを低減させることが有利になることもある。
【0047】
第1ダイ位置合わせ壁と、第2ダイ位置合わせ壁とは、図3aにおいて直交しているが、これらの2つの壁のなす角度は、代替的に、何らかの他の値を有することができる。その角度は、単純に、壁に取り付けられるダイの第1側面と第2側面との角度と等しくなければならない。例えば、ダイが五角形の形状を有する場合、第1ダイ位置合わせ壁と第2ダイ位置合わせ壁との角度は、(五角形の二側面のなす角度と等しい)108度にするべきであろう。
【0048】
図3aに示すダイ位置合わせ要素341は、各々がそれ自体のダイ位置合わせ壁を有する異なる2つのダイ位置合わせ要素に分離することができるであろう。また、場合によっては、(特に、ダイが5つ以上の側面を有する場合に)互いに隣り合ってないダイの二側面を取り付けることによって、ダイを1以上のダイ位置合わせ要素と位置合わせすることもできるであろう。
【0049】
図3aおよび図3bを参照して上で説明してきた選択肢および代替方法は、本開示に提示する他の任意の実施の形態と組み合わせることができる。
【0050】
ダイ位置合わせ要素は、複数のダイを位置合わせするために使用されてもよい。部品は、追加ダイ取付材料によってダイ取付面に取り付けられている第2ダイを備えてもよい。ダイ位置合わせ要素は、追加ダイ位置合わせ壁を含んでもよい。第2ダイの第1側面は、追加ダイ取付材料によって追加ダイ位置合わせ壁に水平に固定されてもよい。第2ダイの第1側面に対向する第2ダイの側面は、水平に固定されなくてもよい。
【0051】
図4aは、追加ダイ位置合わせ壁(第2ダイ位置合わせ壁または第3ダイ位置合わせ壁と呼ばれ得る)を含む、両面ダイ位置合わせ要素441を示す。参照番号411、419、42および441は、それぞれ図2a~図2iの参照番号21、219、22および241に対応する。第1ダイ411は、第1ダイ位置合わせ壁(図4aのダイ位置合わせ要素441の右側面)に取り付けられ、第2ダイ412は、追加ダイ位置合わせ壁(図4aのダイ位置合わせ要素441の左側面)に取り付けられている。
【0052】
第2ダイ412は、ダイ位置合わせ要素441に取り付けられることが意図された第1側面(図4aにおいて右側面)を有する。ダイ41は、ダイ取付面42上のダイ位置合わせ要素441の左側におけるダイ取付材料(図示せず)の層の上に配置されている。第2ダイ412が追加ダイ位置合わせ壁に十分に近い場合、第2ダイ412は、上述した機構によって追加ダイ位置合わせ壁に取り付けられ、位置合わせされる。ダイ位置合わせ要素、追加ダイ取付材料、およびダイそれ自体の配置は、図2dに対応してもよい。
【0053】
追加ダイ位置合わせ壁は、図4aが示すように、第1ダイ位置合わせ壁と平行であってもよい。しかしながら、追加ダイ位置合わせ壁は、代替的に、他の任意の方向に向けることができるであろう。その向きは、第2ダイ412の所望の位置合わせ方向に依存する。
【0054】
追加ダイ位置合わせ壁の長さ429は、第2ダイの第1側面の長さと等しくてもよい。しかしながら、第2ダイの第1側面の長さは、代替的に、図4bが示すようにより小さくてもよく、またはより長くてもよい(この選択肢は、図示しなかった)。さらに、第1ダイ位置合わせ壁の長さ419は、図4bが示すように、追加ダイ位置合わせ壁の長さ429と等しくてもよい。あるいは、429は、図4cが示すように419より小さくすることができ、またはその逆にすることもできるであろう。
【0055】
ダイ取付面から、第2ダイと追加ダイ取付材料との接合ラインまでの垂直距離をDにしてもよい。第2ダイの垂直高さをHにしてもよい。追加ダイ位置合わせ壁は、垂直方向に第3壁の高さを有してもよく、第3壁の高さは、Dより大きく、D+H/2より小さくてもよい。
【0056】
最後に、第1ダイ位置合わせ壁および追加ダイ位置合わせ壁を含むダイ位置合わせ要素は、また、図3aおよび図3bを参照して上述した第2ダイ位置合わせ壁を含んでもよい。これらの図を参照して上述したすべての選択肢は、追加ダイ位置合わせ壁が含まれる場合にも当てはまる。第1ダイ、第2ダイのいずれか、または、第1ダイと第2ダイの両方が、第2ダイ位置合わせ壁に取り付けられてもよい。図4dは、第1ダイと第2ダイの両方が取り付けられている部品を示す。
方法
本開示では、さらに、支持部に取り付けられた1以上のダイを備える電子部品を製造する方法を説明する。支持部は、水平面を規定するダイ取付面を含む。垂直軸は、水平面に対して垂直である。本方法は、第1ダイをダイ取付材料によってダイ取付面に垂直に固定するステップを含む。本方法は、さらに、支持部の一体部分として、または支持部に強固に取り付けられているパッケージ構造体の一体部分として、ダイ位置合わせ要素を形成するステップを含む。ダイ位置合わせ要素は、ダイ取付面に隣接している。ダイ位置合わせ要素は、第1ダイ位置合わせ壁を含む。本方法は、さらに、第1ダイの第1側面はダイ取付材料によって第1ダイ位置合わせ壁に水平に固定し、一方、第1ダイの第1側面に対向する第1ダイの側面は水平に固定しないでおくステップを含む。
【0057】
第1ダイの第1側面をダイ取付材料によって第1ダイ位置合わせ壁に取り付けるステップは、(A)ダイ取付材料をダイ位置合わせ要素に近接して支持部上に配置するサブステップと、(B)第1ダイの第1側面が第1ダイ位置合わせ壁に極めて近接するように、第1ダイをダイ取付材料上に配置するサブステップとを含んでもよい。
【0058】
図2a~図2gを参照して上に提示したすべての選択肢は、この方法にも当てはまる。
【0059】
第1ダイが最初に位置ずれしている場合、(最初の位置ずれがあまり大きくない限り)ダイ取付材料がダイとダイ位置合わせ壁との間に這い上がり、ダイと壁との間に中間層を形成するため、ダイを完全に位置合わせすることができる。ダイがダイ取付面上に配置されているときのダイとダイ位置合わせ要素との最初の距離DDは、あまり大きくすべきではない。この距離DDは、好ましくは、ダイと、支持面上の他の任意の隣接する固定要素との距離DOより小さくてもよい。DDは、例えば、DOの半分より小さくてもよく、またはDOの4分の3より小さくてもよい。DDの最小値および補正可能な最初の位置ずれの最大量は、少なくともダイのサイズ、ダイ取付材料の粘性、およびダイ位置合わせ要素の高さに依存する。
【0060】
図3a~図3bを参照して上に提示した選択肢は、また、本方法で実施されてもよい。言い換えれば、ダイ位置合わせ要素は、第1ダイ位置合わせ壁と平行でない第2ダイ位置合わせ壁を含んでもよく、本方法は、第1ダイの第1側面に対向していない第1ダイの第2側面はダイ取付材料によって第2ダイ位置合わせ壁に水平に固定し、一方、第1ダイの第2側面に対向する第1ダイの側面は水平に固定しないでおくステップを含んでもよい。
【0061】
この場合、第1ダイの第1側面および第2側面を、それぞれ第1ダイ位置合わせ壁および第2ダイ位置合わせ壁に固定するステップは、(A)ダイ取付材料をダイ位置合わせ要素に近接して支持部上に配置するサブステップと、(B)第1ダイの第1側面が第1ダイ位置合わせ壁に極めて近接し、かつ第1ダイの第2側面が第2ダイ位置合わせ壁に極めて近接するように、第1ダイをダイ取付材料上に配置するサブステップとを含んでもよい。
【0062】
最後に、図4a~図4dを参照して上に提示した選択肢は、また、本方法で実施されてもよい。言い換えれば、第1ダイ位置合わせ要素は、追加ダイ位置合わせ壁をさらに含んでもよく、本方法は、第2ダイをダイ取付面に垂直に固定し、第2ダイの第1側面は追加ダイ取付材料によって追加ダイ位置合わせ壁に水平に固定し、一方、第2ダイの第1側面に対向する第2ダイの側面は水平に固定しないでおくステップを含んでもよい。
【0063】
この場合、第2ダイの第1側面を追加ダイ位置合わせ壁に固定するステップは、(A)追加ダイ取付材料をダイ位置合わせ要素に近接して支持部上に配置するサブステップと、(B)第2ダイの第1側面が追加ダイ位置合わせ壁に極めて近接するように、第2ダイを追加ダイ取付材料上に配置するサブステップとを含んでもよい。
【0064】
第1ダイ位置合わせ壁、第2ダイ位置合わせ壁、追加ダイ位置合わせ壁、接合ライン、第1ダイ、および第2ダイの高さに関する上に提示した選択肢のうちのいずれも、これらの方法に同様に適用することができる。
図1a
図1b
図2a
図2b
図2c
図2d
図2e
図2f
図2g
図2h
図2i
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図4d
【外国語明細書】
図1a】
図1b】
図2a】
図2b】
図2c】
図2d】
図2e】
図2f】
図2g】
図2h】
図2i】
図3a】
図3b】
図4a】
図4b】
図4c】
図4d】