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特開2023-165629マニュアル操作リング駆動装置およびこれを備えたカメラシステム、カメラ本体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165629
(43)【公開日】2023-11-16
(54)【発明の名称】マニュアル操作リング駆動装置およびこれを備えたカメラシステム、カメラ本体
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/56 20210101AFI20231109BHJP
   G02B 7/08 20210101ALI20231109BHJP
   G03B 17/14 20210101ALI20231109BHJP
   H04N 23/50 20230101ALI20231109BHJP
【FI】
G03B17/56 Z
G02B7/08 C
G03B17/14
H04N23/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】52
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068541
(22)【出願日】2023-04-19
(31)【優先権主張番号】P 2022076601
(32)【優先日】2022-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】新宮 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】宇野 哲哉
【テーマコード(参考)】
2H044
2H101
2H105
5C122
【Fターム(参考)】
2H044DA02
2H044DB02
2H044DC09
2H044DD08
2H044DD15
2H101EE08
2H101EE13
2H101EE24
2H105CC16
2H105CC17
5C122EA42
5C122FB08
5C122GA01
5C122GA23
(57)【要約】
【課題】装着されるレンズ鏡筒に含まれる可動レンズの特徴に応じた駆動制御を行うことが可能なカメラシステムを提供する。
【解決手段】カメラシステムは、カメラ本体31と、カメラ本体31に装着され少なくとも1枚の可動レンズを含むレンズ鏡筒32と、カメラ本体31に装着されたズームリング駆動装置10とを備えている。カメラ本体31の第1制御部31dは、入力部31bに入力された光学特性値およびズームレンズの特徴に関する情報に基づいてDCモータ23によってズームレンズを移動させるように、レンズ鏡筒32の第2制御部32bとズームリング駆動装置10の第3制御部24とを制御する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ本体と、
前記カメラ本体に装着され、少なくとも1枚の可動レンズを含むレンズ鏡筒と、
前記カメラ本体に装着されたマニュアル操作リング駆動装置と、
を備えたカメラシステムにおいて、
前記カメラ本体は、前記レンズ鏡筒の少なくとも1つの光学特性値を入力する入力部と、前記入力部を制御する第1制御部と、を有し、
前記レンズ鏡筒は、光学特性を変化させるために前記可動レンズを光軸方向に移動させるマニュアル操作リングと、前記可動レンズの位置を検出するレンズ位置検出部と、前記可動レンズの特徴に関する情報を記憶する記憶部と、前記レンズ位置検出部と前記記憶部を制御する第2制御部と、を有し、
前記マニュアル操作リング駆動装置は、前記マニュアル操作リングに回転を伝達する伝達部と、前記伝達部を回転駆動させる駆動部と、前記駆動部を制御する第3制御部と、を有し、
前記カメラ本体および前記レンズ鏡筒は、それぞれ、互いの機械的接続を可能とする第1機械接続部と、互いの電気的接続を可能とする第1電気接続部と、を有し、
前記カメラ本体および前記マニュアル操作リング駆動装置は、それぞれ、互いの機械的接続を可能とする第2機械接続部と、互いの電気的接続を可能とする第2電気接続部と、を有し、
前記第1制御部は、前記入力部に入力された光学特性値および前記可動レンズの特徴に関する情報に基づいて前記駆動部によって前記可動レンズを移動させるように、前記第2制御部と前記第3制御部を制御する、
カメラシステム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの光学特性値は、焦点距離である、
請求項1に記載のカメラシステム。
【請求項3】
前記可動レンズの特徴に関する情報は、前記マニュアル操作リングの回転角度と前記光学特性値の関係の情報である、
請求項1に記載のカメラシステム。
【請求項4】
前記可動レンズの特徴に関する情報は、前記カメラ本体と前記マニュアル操作リング駆動装置が通信を開始した初期タイミングで、前記カメラ本体から前記マニュアル操作リング駆動装置に送信される、
請求項1に記載のカメラシステム。
【請求項5】
前記カメラ本体の第1制御部と前記レンズ鏡筒とは、連続的に前記可動レンズの特徴に関する情報の通信を行い、
前記カメラ本体の第1制御部と前記マニュアル操作リング駆動装置の前記第3制御部とは、連続的に前記可動レンズの移動に関する情報通信を行う、
請求項1に記載のカメラシステム。
【請求項6】
前記マニュアル操作リング駆動装置の前記第3制御部は、前記可動レンズの可動域における端部において前記レンズ鏡筒の構成部品に所定値以上の負荷が掛からないように、前記駆動部を制御する、
請求項3に記載のカメラシステム。
【請求項7】
前記マニュアル操作リング駆動装置の前記第3制御部は、前記カメラ本体の前記第1制御部から前記レンズ鏡筒に含まれる前記可動レンズの位置に関する情報を受信し、
前記マニュアル操作リング駆動装置の前記第3制御部は、前記可動レンズの可動域における端部に前記可動レンズが移動すると前記駆動部の駆動を停止させるように制御する、
請求項6に記載のカメラシステム。
【請求項8】
前記マニュアル操作リング駆動装置は、前記カメラ本体から給電される電力を受電する受電部を、さらに備えている、
請求項1または2に記載のカメラシステム。
【請求項9】
前記マニュアル操作リング駆動装置内の前記駆動部および前記第3制御部は、前記受電部において受電した電力によって駆動される、
請求項8に記載のカメラシステム。
【請求項10】
前記受電部は、前記カメラ本体の有線接続部を介して、前記カメラ本体から電力を受電する、
請求項8に記載のカメラシステム。
【請求項11】
前記カメラ本体の有線接続部は、ホットシューまたは、USB接点または、拡張ポートである、
請求項10記載のカメラシステム。
【請求項12】
前記マニュアル操作リング駆動装置は、前記レンズ鏡筒に対する電気的接点を持たない、
請求項1または2に記載のカメラシステム。
【請求項13】
前記マニュアル操作リング駆動装置は、前記カメラ本体との間において、無線を介して通信する、
請求項1または2に記載のカメラシステム。
【請求項14】
前記マニュアル操作リング駆動装置は、前記カメラ本体が載置されるベース部を、さらに備えている、
請求項1または2に記載のカメラシステム。
【請求項15】
レンズ鏡筒が交換可能な状態で装着されるカメラ本体であって、
前記レンズ鏡筒が装着されると前記レンズ鏡筒に関する情報を取得する通信部と、
前記通信部において受信した前記レンズ鏡筒に関する情報を保存する記憶部と、
前記記憶部に保存された前記レンズ鏡筒に関する情報を、外部機器へ送信するように、前記通信部を制御する制御部と、
を備えているカメラ本体。
【請求項16】
前記レンズ鏡筒に関する情報は、前記レンズ鏡筒に含まれるレンズの特徴に関する情報を含む、
請求項15に記載のカメラ本体。
【請求項17】
前記レンズの特徴に関する情報は、前記レンズ鏡筒に含まれる可動レンズの可動範囲、焦点距離、絞りに関する情報を含む、
請求項16に記載のカメラ本体。
【請求項18】
カメラ本体に装着されたレンズ鏡筒に含まれる可動レンズを光軸方向において前後に移動させるマニュアル操作リングを回転駆動するマニュアル操作リング駆動装置であって、
前記レンズ鏡筒に含まれる前記可動レンズの光学特性を変化させる前記マニュアル操作リングに直接的あるいは間接的に当接する位置に設けられており、前記マニュアル操作リングに当接した状態で回転して前記マニュアル操作リングを回転させる駆動ギアと、
前記駆動ギアを回転駆動させる駆動部と、
前記カメラ本体と通信を行う通信部と、
前記通信部において前記カメラ本体から前記可動レンズの特徴に関する情報を受信し、前記可動レンズの特徴に基づいて前記駆動部を制御する制御部と、
を備えているマニュアル操作リング駆動装置。
【請求項19】
前記カメラ本体が載置されるベース部を、さらに備えている、
請求項18に記載のマニュアル操作リング駆動装置。
【請求項20】
カメラ本体に装着されたレンズ鏡筒に含まれる可動レンズを光軸方向において前後に移動させるマニュアル操作リングを回転駆動するマニュアル操作リング駆動装置であって、
前記レンズ鏡筒に含まれる前記可動レンズの光学特性を変化させるマニュアル操作リングに直接的あるいは間接的に当接する位置に設けられており、前記マニュアル操作リングに当接した状態で回転して前記マニュアル操作リングを回転させる駆動ギアと、
前記駆動ギアを回転駆動させる駆動部と、
前記カメラ本体が接続される面を有し、前記駆動部が配置されるベース部と、
を備えているマニュアル操作リング駆動装置。
【請求項21】
前記駆動部からの回転駆動力を前記駆動ギアに伝達するとともに、前記光軸方向に沿って配置された回転ギアを、さらに備えている、
請求項20に記載のマニュアル操作リング駆動装置。
【請求項22】
前記光軸方向において所定の範囲内で移動可能な状態で前記駆動ギアを支持する支持部を、さらに備えており、
前記回転ギアは、前記光軸方向における前記所定の範囲に合わせて形成されたギア部を有している、
請求項21に記載のマニュアル操作リング駆動装置。
【請求項23】
前記支持部に沿って前記光軸方向において移動可能な前記駆動ギアとともに前記光軸方向において移動可能であって、前記レンズ鏡筒の大きさに合わせた所望の位置で前記駆動ギアの位置決めを行う位置決め部を、さらに備えている、
請求項22に記載のマニュアル操作リング駆動装置。
【請求項24】
前記駆動ギアの前記マニュアル操作リングに対する位置を調整する調整部と、
前記ベース部に設けられ、前記駆動ギアを駆動させる回転を発生させる駆動源と、
を備えている、
請求項20または21に記載のマニュアル操作リング駆動装置。
【請求項25】
前記調整部は、前記駆動ギアの前記マニュアル操作リングの回転軸と略直交する方向の位置を調整する第1調整部を含む、
請求項24に記載のマニュアル操作リング駆動装置。
【請求項26】
前記調整部は、前記駆動ギアの前記マニュアル操作リングの回転軸方向の位置を調整する第2調整部を含む、
請求項25に記載のマニュアル操作リング駆動装置。
【請求項27】
前記第1調整部は、前記マニュアル操作リングに対する前記駆動ギアの位置を、前記マニュアル操作リングの回転軸と略平行な第1の軸を中心に回転する方向に調整する、
請求項25に記載のマニュアル操作リング駆動装置。
【請求項28】
前記駆動部からの回転駆動力を前記駆動ギアに伝達するとともに、前記光軸方向に沿って配置された回転ギアを、さらに備え、
前記第1の軸は、前記回転ギアの回転軸である、
請求項27に記載のマニュアル操作リング駆動装置。
【請求項29】
前記第2調整部は、前記マニュアル操作リングに対する前記駆動ギアの位置を、前記マニュアル操作リングの回転軸と略平行な第2の軸に沿った方向に調整する、
請求項26に記載のマニュアル操作リング駆動装置。
【請求項30】
前記第2の軸は、前記駆動ギアの回転軸である、
請求項29に記載のマニュアル操作リング駆動装置。
【請求項31】
前記第1調整部、または前記第2調整部の調整は、前記駆動源が前記ベース部に対して固定された状態で行われる、
請求項26に記載のマニュアル操作リング駆動装置。
【請求項32】
前記第1調整部は、前記マニュアル操作リングの回転軸と略平行な第1の軸を中心に回転可能で、前記駆動ギアの回転軸と前記第1の軸の位置関係を拘束可能な軸間固定部と、
前記軸間固定部の前記第1の軸を中心に回転した位置を固定する回転方向位置決め部と、を備えている、
請求項25に記載のマニュアル操作リング駆動装置。
【請求項33】
前記駆動部からの回転駆動力を前記駆動ギアに伝達するとともに、前記光軸方向に沿って配置された回転ギアを、さらに備え、
前記回転ギアは、前記マニュアル操作リングの回転軸と略平行な第1の軸の方向の所定の長さに渡って噛み合いが可能な歯を有し、
前記第2調整部は、前記マニュアル操作リングの回転軸と略平行な第2の軸を中心に配置されて前記駆動ギアの回転軸を構成し、前記第2の軸の方向に所定の長さに渡って前記駆動ギアを支持可能な支持部と、
前記駆動ギアの前記第2の軸の方向の位置を固定する軸方向位置決め部と、
を備えている、
請求項26に記載のマニュアル操作リング駆動装置。
【請求項34】
前記第2調整部は、前記駆動ギアを回転軸方向は略固定し回転方向は回転可能に保持し、前記軸方向位置決め部により前記支持部に対して移動および固定が可能なガイド部材を備えている、
請求項33に記載のマニュアル操作リング駆動装置。
【請求項35】
前記ベース部に設けられており、前記カメラ本体へ電力を供給する電源部を、さらに備えている、
請求項20または21に記載のマニュアル操作リング駆動装置。
【請求項36】
前記ベース部に設けられており、前記カメラ本体に設けられたシャッターを操作するレリーズボタンを、さらに備えている、
請求項20または21に記載のマニュアル操作リング駆動装置。
【請求項37】
カメラ本体に装着されたレンズ鏡筒に含まれるマニュアル操作リングを回転駆動するリング駆動装置であって、
前記カメラ本体と相対位置が略固定されるよう接続されるベース部と、
前記ベース部に接続され、前記レンズ鏡筒の側方に配置される側方部と、
前記側方部に設けられ、前記マニュアル操作リングに直接的あるいは間接的に接触する位置に設けられており、前記マニュアル操作リングに接触した状態で回転することで前記マニュアル操作リングを回転させる駆動ギアと、
前記ベース部に設けられ、前記駆動ギアを駆動させる回転を発生させる駆動源と、
前記側方部に設けられ、前記駆動ギアの前記マニュアル操作リングに対する位置を調整する調整部と、を備えている、
マニュアル操作リング駆動装置。
【請求項38】
前記調整部は、前記駆動ギアの前記マニュアル操作リングの回転軸と略直交する方向の位置を調整する第1調整部を含む
請求項37に記載のマニュアル操作リング駆動装置。
【請求項39】
前記調整部は、前記駆動ギアの前記マニュアル操作リングの回転軸方向の位置を調整する第2調整部を含む
請求項38に記載のマニュアル操作リング駆動装置。
【請求項40】
前記第1調整部は、前記マニュアル操作リングに対する前記駆動ギアの位置を、前記マニュアル操作リングの回転軸と略平行な第1の軸を中心に回転する方向に調整する、
請求項38または39に記載のマニュアル操作リング駆動装置。
【請求項41】
前記側方部は、前記駆動源からの駆動力を回転として前記駆動ギアに伝える回転ギアを備え、
前記第1の軸は、前記回転ギアの回転軸である、
請求項40に記載のマニュアル操作リング駆動装置。
【請求項42】
前記第2調整部は、前記マニュアル操作リングに対する前記駆動ギアの位置を、前記マニュアル操作リングの回転軸と略平行な第2の軸に沿った方向に調整する、
請求項39に記載のマニュアル操作リング駆動装置。
【請求項43】
前記第2の軸は、前記駆動ギアの回転軸である、
請求項42に記載のマニュアル操作リング駆動装置。
【請求項44】
前記第1調整部、または前記第2調整部の調整は、前記駆動源が前記ベース部に対して固定された状態で行われる、
請求項39に記載のマニュアル操作リング駆動装置。
【請求項45】
前記第1調整部は、前記第1の軸を中心に回転可能で、前記駆動ギアの回転軸と前記第1の軸の位置関係を拘束可能な軸間固定部と、
前記軸間固定部の前記第1の軸を中心に回転した位置を固定する回転方向位置決め部と、を備えている、
請求項40に記載のマニュアル操作リング駆動装置。
【請求項46】
前記駆動ギアを回転駆動させる駆動部からの回転駆動力を前記駆動ギアに伝達するとともに、光軸方向に沿って配置された回転ギアを、さらに備え、
前記回転ギアは、前記マニュアル操作リングの回転軸と略平行な第1の軸の方向の所定の長さに渡って噛み合いが可能な歯を有し、
前記第2調整部は、前記第2の軸を中心に配置されて前記駆動ギアの回転軸を構成し、前記第2の軸の方向に所定の長さに渡って前記駆動ギアを支持可能な支持部と、
前記駆動ギアの前記第2の軸の方向の位置を固定する軸方向位置決め部と、
を備えている、
請求項42に記載のマニュアル操作リング駆動装置。
【請求項47】
前記第2調整部は、前記駆動ギアを回転軸方向は略固定し回転方向は回転可能に保持し、前記軸方向位置決め部により前記支持部に対して移動および固定が可能なガイド部材を備えている、
請求項46に記載のマニュアル操作リング駆動装置。
【請求項48】
前記ベース部は、前記カメラ本体に対して脱着可能に接続される、
請求項37または38に記載のマニュアル操作リング駆動装置。
【請求項49】
前記側方部は、前記ベース部に対して脱着可能に接続される、
請求項37または38に記載のマニュアル操作リング駆動装置。
【請求項50】
前記ベース部は、前記カメラ本体に装着されると機械的および電気的に接続され、
前記側方部は、前記ベース部に装着されると機械的に接続される、
請求項37に記載のマニュアル操作リング駆動装置。
【請求項51】
前記駆動ギアを回転駆動させる駆動部からの回転駆動力を前記駆動ギアに伝達するとともに、光軸方向に沿って配置された回転ギアを、さらに備え、
前記側方部と前記ベース部との機械的接続を行う機械的接続部は、前記駆動源の回転を前記回転ギアに接続する回転接続部を含み、前記回転接続部は脱着可能に接続される、
請求項50に記載のマニュアル操作リング駆動装置。
【請求項52】
カメラ本体に装着されたレンズ鏡筒に含まれるマニュアル操作リングを回転駆動するリ
ング駆動装置であって、
前記マニュアル操作リングに直接的あるいは間接的に接触する位置に設けられており、前記マニュアル操作リングに接触した状態で回転することで前記マニュアル操作リングを回転させる駆動ギアと、
前記カメラ本体との相対位置が略固定されるよう配置され、前記マニュアル操作リングを回転駆動するための回転を発生する駆動源と、
前記マニュアル操作リングに対する前記駆動ギアの位置を調整可能とし、前記駆動源の回転を前記駆動ギアに伝える調整部を有している、
マニュアル操作リング駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カメラ本体に装着されるレンズ鏡筒のズームレンズ、フォーカスリング等のマニュアル操作リングを駆動するマニュアル操作リング駆動装置およびこれを備えたカメラシステム、カメラ本体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ズームリング等のマニュアル操作リングの外周にギアが設けられたレンズ鏡筒と、そのギアと回転用ハンドルとを連結させる連結部材を有するアクセサリと、を備えたカメラシステムが用いられている。
例えば、特許文献1には、円環部と、一端が円環部の内径側に揺動可能に支持され、他端にはレンズ鏡筒に固定するレンズ固定部が揺動可能に取り付けられている少なくとも3つの支持腕部とを備え、レンズ鏡筒の外径にかかわらず使用可能なアクセサリ連結装置について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-040909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のアクセサリ連結装置では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記公報に開示されたアクセサリ連結装置では、装着されるレンズ鏡筒に含まれる可動レンズの特徴に関する情報を認識できない。このため、アクセサリ連結装置が、例えば、レンズ鏡筒に含まれる可動レンズの可動域を超えてマニュアル操作リングを回転駆動させてしまうおそれがある。
【0005】
本開示の課題は、装着されるレンズ鏡筒に含まれる可動レンズの特徴に応じた駆動制御を行うことが可能なマニュアル操作リング駆動装置およびこれを備えたカメラシステム、カメラ本体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るカメラシステムは、カメラ本体と、カメラ本体に装着され、少なくとも1枚の可動レンズを含むレンズ鏡筒と、カメラ本体に装着されたマニュアル操作リング駆動装置と、を備えている。カメラ本体は、レンズ鏡筒の少なくとも1つの光学特性値を入力する入力部と、入力部を制御する第1制御部と、を有している。レンズ鏡筒は、光学特性を変化させるために可動レンズを光軸方向に移動させるマニュアル操作リングと、可動レンズの位置を検出するレンズ位置検出部と、可動レンズの特徴に関する情報を記憶する記憶部と、レンズ位置検出部と記憶部を制御する第2制御部と、を有している。マニュアル操作リング駆動装置は、マニュアル操作リングに回転を伝達する伝達部と、伝達部を回転駆動させる駆動部と、駆動部を制御する第3制御部と、を有している。カメラ本体およびレンズ鏡筒は、それぞれ、互いの機械的接続を可能とする第1機械接続部と、互いの電気的接続を可能とする第1電気接続部と、を有している。カメラ本体およびマニュアル操作リング駆動装置は、それぞれ、互いの機械的接続を可能とする第2機械接続部と、互いの電気的接続を可能とする第2電気接続部と、を有している。第1制御部は、入力部に入力された光学特性値および可動レンズの特徴に関する情報に基づいて駆動部によって可動レンズを移動させるように、第2制御部と第3制御部を制御する。
【0007】
本開示に係るマニュアル操作リング駆動装置は、カメラ本体に装着されたレンズ鏡筒に含まれる可動レンズを光軸方向において前後に移動させるマニュアル操作リングを回転駆動するマニュアル操作リング駆動装置であって、駆動ギアと、駆動部と、通信部と、制御部と、を備えている。駆動ギアは、レンズ鏡筒に含まれる可動レンズの光学特性を変化させるマニュアル操作リングに直接的あるいは間接的に当接する位置に設けられており、マニュアル操作リングに当接した状態で回転してマニュアル操作リングを回転させる。駆動部は、駆動ギアを回転駆動させる。通信部は、カメラ本体と通信を行う。制御部は、通信部においてカメラ本体から可動レンズの特徴に関する情報を受信し、可動レンズの特徴に基づいて駆動部を制御する。
【0008】
また、本開示に係るマニュアル操作リング駆動装置は、カメラ本体に装着されたレンズ鏡筒に含まれる可動レンズを光軸方向において前後に移動させるマニュアル操作リングを回転駆動するマニュアル操作リング駆動装置であって、駆動ギアと、駆動部と、ベース部と、を備えている。駆動ギアは、レンズ鏡筒に含まれる可動レンズの光学特性を変化させるマニュアル操作リングに直接的あるいは間接的に当接する位置に設けられており、マニュアル操作リングに当接した状態で回転してマニュアル操作リングを回転させる。駆動部は、駆動ギアを回転駆動させる。ベース部は、カメラ本体が接続される面と、駆動部が配置される。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係るカメラシステムによれば、装着されるレンズ鏡筒に含まれる可動レンズの特徴に応じた駆動制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態に係るズームリング駆動装置にカメラがセットされた状態を示す全体斜視図。
図2A図1のズームリング駆動装置にカメラがセットされたレンズ鏡筒側の状態を示す正面図。
図2B図1のズームリング駆動装置にカメラがセットされたカメラ本体側の状態を示す背面図。
図3図1のズームリング駆動装置の制御ブロック図。
図4図3のズームリング駆動装置の構成を示す斜視図。
図5図4のズームリング駆動装置の分解斜視図。
図6A図4のズームリング駆動装置の正面図。
図6B図4のズームリング駆動装置の背面図。
図7A図4のズームリング駆動装置にレンズ鏡筒をセットした状態を示す斜視図。
図7B図7Aの正面図。
図8A図1等のカメラのカメラ本体に装着されたレンズ鏡筒のズームリングの外周面にリングギアが取り付けられた状態を示す斜視図。
図8B図8Aの正面図。
図9A図8Aのレンズ鏡筒のズームリングの外周面に取り付けられるリングギアの構成を示す斜視図。
図9B図9Aの正面図。
図10図1等のカメラのカメラ本体の側面に設けられたUSB端子を示す側面図。
図11図10のカメラ本体の底面に設けられた接点端子を示す斜視図。
図12A図1等のズームリング駆動装置とカメラ本体、カメラ本体とレンズ鏡筒との間の無線通信を示すブロック図。
図12B図1等のズームリング駆動装置とカメラ本体、カメラ本体とレンズ鏡筒との間の無線給電を示すブロック図。
図13A図1等のズームリング駆動装置とカメラ本体、カメラ本体とレンズ鏡筒との間のホットシューを介した通信を示すブロック図。
図13B図1等のズームリング駆動装置とカメラ本体、カメラ本体とレンズ鏡筒との間のホットシューを介した給電を示すブロック図。
図14A図1等のズームリング駆動装置とカメラ本体、カメラ本体とレンズ鏡筒との間のUSB端子を介した通信を示すブロック図。
図14B図1等のズームリング駆動装置とカメラ本体、カメラ本体とレンズ鏡筒との間のUSB端子を介した給電を示すブロック図。
図15】本開示の他の実施形態に係るズームリング駆動装置の構成を示す模式図。
図16図15のズームリング駆動装置にカメラがセットされた状態を示す正面図。
図17図15の側面図。
図18A図15のズームリング駆動装置とカメラ本体、カメラ本体とレンズ鏡筒との間の接点端子を介した通信を示すブロック図。
図18B図1等のズームリング駆動装置とカメラ本体、カメラ本体とレンズ鏡筒との間の接点端子を介した給電を示すブロック図。
図19】本開示のさらに他の実施形態に係るユーザによるズームリング遠隔操作について説明する模式図。
図20図19のズームリング遠隔操作におけるレンズ鏡筒からカメラ本体への送信情報の流れを示す模式図。
図21図19のズームリング遠隔操作におけるカメラ本体からズームリング駆動装置への送信情報の流れを示す模式図。
図22図19のズームリング遠隔操作における外部機器からカメラ本体へのズームリング駆動指示の流れを示す模式図。
図23図19のズームリング遠隔操作におけるズームリング駆動装置、カメラ本体、レンズ鏡筒間における初期通信の流れを示す説明図。
図24図19のズームリング遠隔操作におけるズームリング駆動装置、カメラ本体、レンズ鏡筒間における定常通信の流れを示す説明図。
図25図19のズームリング駆動装置の構成を示す制御ブロック図。
図26】ズームリング駆動装置におけるDCモータへの初期印可電圧とズームリング駆動トルク情報との関係を示すグラフ。
図27】本開示のさらに他の実施形態に係るズームリング駆動装置の構成を示す正面図。
図28図27のズームリング駆動装置の回転ギアの軸を含む断面を示す断面図。
図29図28のズームリング駆動装置を分割した状態を示す断面図。
図30図27のズームリング駆動装置にカメラがセットされた状態における回転ギアの軸を含む断面を示す断面図。
図31図30のズームリング駆動装置に、短いレンズ鏡筒が装着されたカメラがセットされた状態における回転ギアの軸を含む断面を示す断面図。
図32図27のズームリング駆動装置の構成を示す制御ブロック図。
図33A1図30のズームリング駆動装置に、レンズ鏡筒が装着されたカメラがセットされた状態において、プレート部材、固定部材、保持部、固定ネジを省略した正面図。
図33A2図30のズームリング駆動装置に、レンズ鏡筒が装着されたカメラがセットされた状態を示す正面図。
図33B1図30のズームリング駆動装置に、ズームリング外径が図33A1よりも大きいレンズ鏡筒が装着されたカメラがセットされた状態において、プレート部材、固定部材、保持部、固定ネジを省略した正面図。
図33B2図30のズームリング駆動装置に、ズームリング外径が図33A2よりも大きいレンズ鏡筒が装着されたカメラがセットされた状態を示す正面図。
図33C1図30のズームリング駆動装置に、ズームリング外径が図33A1よりも小さいレンズ鏡筒が装着されたカメラがセットされた状態において、プレート部材、固定部材、保持部、固定ネジを省略した正面図。
図33C2図30のズームリング駆動装置に、ズームリング外径が図33A2よりも小さいレンズ鏡筒が装着されたカメラがセットされた状態を示す正面図。
図34】側方部の光軸方向の長さが図28に示す側方部よりも長いタイプにおける回転ギアの軸を含む断面を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、出願人は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0012】
(実施形態1)
本開示の一実施形態に係るズームリング駆動装置(マニュアル操作リング駆動装置)10について、図1図14Bを用いて説明すれば以下の通りである。
本実施形態に係るズームリング駆動装置10は、例えば、カメラ30によって連続的に動画の撮影を行う際にズームリング(マニュアル操作リング)33の回転操作を制御するために使用される。そして、ズームリング駆動装置10は、カメラ本体31に装着されたレンズ鏡筒32の外周面において回転操作されるズームリング33を回転駆動し、図1に示すように、カメラ30が載置された状態で使用される。
【0013】
(1)カメラ30の構成
カメラ30は、静止画あるいは動画撮影が可能であって、カメラ本体31と、レンズ鏡筒32とを備えている。
カメラ本体31は、レンズ鏡筒32を介して入射してきた光を、内蔵された撮像素子(図示せず)を用いて信号に変換し、画像を形成する。
【0014】
レンズ鏡筒32は、カメラ本体31に対して着脱可能な状態で装着されており、光軸方向に沿って複数のレンズL1等を含んでおり、レンズL1側から入射してきた光を、カメラ本体31側へと出射する。そして、レンズ鏡筒32は、本実施形態のズームリング駆動装置10によって駆動制御されるズームリング33を含む。
また、レンズ鏡筒32は、図2Aに示すように、ズームリング駆動装置10に含まれる3つのローラ20a,20b,20cによって、その外周面が、リングギア25を介して間接的に3点支持された状態で保持される。
【0015】
なお、図2Aでは、説明の便宜上、レンズ鏡筒32のみが示されているが、実際にはレンズ鏡筒32はカメラ本体31に装着されているものとする。以下の図7Aおよび図7Bについても同様である。
このとき、カメラ本体31は、図2Bに示すように、ズームリング駆動装置10のベース部16に設けられた固定ネジ18が、カメラ本体31の底面に設けられたネジ穴に螺合することで固定されている。
【0016】
ズームリング33は、レンズ鏡筒32に内蔵された複数のレンズのうち、ズームレンズ(可動レンズ)(図示せず)を光軸方向において前後に移動させてズーム操作を行うために設けられた円環状の部材であって、レンズ鏡筒32の最外周面において回転操作される。そして、ズームリング33の外周側には、図1および図2A等に示すように、ズームリング駆動装置10の駆動ギア21と噛み合って回転するリングギア25が相対回転不能な状態で取り付けられている。
【0017】
(2)ズームリング駆動装置10の構成
ズームリング駆動装置10は、レンズ鏡筒32のズームリング33を駆動制御するために、図3に示すように、駆動ギア21と、減速機22と、DCモータ(駆動部)23と、第3制御部24と、受電部26と、回転数検出部27と、記憶部28と、を備えている。
駆動ギア21は、ズームリング駆動装置10にセットされたカメラ30のレンズ鏡筒32のズームリング33を回転駆動させるギア部材であって、ズームリング33の外周面に装着されたリングギア25を介してズームリング33を回転駆動させる。
【0018】
減速機22は、DCモータ23の回転トルクを、回転速度を減速させながら駆動ギア21に対して伝達する機構であって、複数の減速ギアによって構成されている。
DCモータ23は、減速機22を介して駆動ギア21に対して回転トルクを付与する駆動源であって、受電部26を介して供給される電力によって回転し、第3制御部24によって制御される。
【0019】
第3制御部24は、第2機械・電気接続部35bを介してカメラ本体31からズームレンズ(可動レンズ)の特徴に関する情報を受信し、ズームレンズの特徴に基づいてDCモータ23を制御する。
なお、カメラ本体31に装着されるレンズ鏡筒32は、図3に示すように、ズームリング33と、ズームレンズの位置を検出するレンズ位置検出部32aと、レンズ鏡筒32に含まれるズームレンズ等の可動レンズの駆動制御を行う第2制御部32bと、ズームレンズに関する情報等を保存する記憶部32cとを備えている。
【0020】
そして、カメラ本体31は、レンズ鏡筒32が装着されると、第1機械・電気接続部35aを介して、レンズ鏡筒32の第2制御部32bからズームレンズの特徴に関する情報を取得する。そして、第1制御部31dは、第2機械・電気接続部35bを介して受信したズームレンズの特徴に関する情報を、記憶部31cに保存させる。
ここで、第2機械・電気接続部35bを介して第3制御部24が受信するズームレンズの特徴に関する情報には、例えば、レンズ鏡筒32内におけるズームレンズの可動域に関する情報が含まれる。
【0021】
この場合には、第3制御部24は、ズームレンズの可動域における端部において、レンズ鏡筒32の構成部品に所定値以上の負荷が掛からないように、DCモータ23を制御する。
より詳細には、第3制御部24は、第2機械・電気接続部35bを介して、レンズ鏡筒32に含まれるズームレンズの位置に関する情報をカメラ本体31から受信し、ズームレンズの可動域における端部にズームレンズが移動すると、DCモータ23の駆動を停止させるように制御する。
【0022】
これにより、ズームリング駆動装置10が、ズームレンズを光軸方向において前後に駆動させるズームリング33を回転させて、ズームレンズの可動域の端部においてさらに可動域から外れる方向へ移動させようとすることを防止することができる。
受電部26は、カメラ本体31から給電される電力を受電して、ズームリング駆動装置10のDCモータ23、第3制御部24等に対して電力を供給する。
【0023】
これにより、DCモータ23、第3制御部24は、カメラ本体31から供給される電力によって駆動されるため、ズームリング駆動装置10に電源を持たせる必要がなくなり、ズームリング駆動装置10の小型化、軽量化を図ることができる。
ズームリング駆動装置10側とカメラ本体31側との間における双方向通信は、第2機械・電気接続部35bを介して行われる。具体的には、第2機械・電気接続部35bは、上述したズームレンズの可動域、ズームレンズの現在位置等のズームレンズの特徴に関する情報を、カメラ本体31からズームリング駆動装置10へと送信するとともに、ズームリング駆動装置10における駆動エラー等の情報を、カメラ本体31側へと送信する。
【0024】
なお、本実施形態では、説明の便宜上、第1機械・電気接続部35aおよび第2機械・電気接続部35bを、それぞれ1つの構成として図示しているが、実際には、機械接続部と電気接続部とが別々に設けられているものとする。
また、第1機械・電気接続部35aは、カメラ本体31とレンズ鏡筒32との間における双方向通信を行う通信部として機能する。同様に、第2機械・電気接続部35bは、ズームリング駆動装置10とカメラ本体31との間における双方向通信を行う通信部として機能する。
【0025】
ここで、本実施形態のズームリング駆動装置10の詳細な構成について、図面を用いて説明する。
本実施形態のズームリング駆動装置10は、図4および図5に示すように、ガイド部(第1ガイド部)11と、ガイド軸12a,12bと、フロント部13と、ガイド部(第2ガイド部)14と、ガイド部(第3ガイド部)15と、ベース部16と、バネ(付勢部材)17と、固定ネジ18と、3つのローラ20a,20b,20cと、駆動ギア21と、減速機22と、DCモータ23と、リングギア25と、を備えている。
【0026】
ガイド部(第1ガイド部)11は、その両端がフロント部13とベース部16とにそれぞれ固定された2本のガイド軸12a,12bが挿入されており、フロント部13とベース部16との間において前後にスライド移動可能な状態で設けられている。そして、ガイド部11は、図5に示すように、本体部11a、長孔11b、貫通孔11c、レール部11d、固定ネジ(第1固定部)11e、固定部材(第1固定部)11fを有している。
【0027】
本体部11aは、図5に示すように、略直方体形状の部材であって、長側面側を貫通する2つの貫通孔(長孔11bと、貫通孔11c)が形成されている。
長孔11bは、図5に示すように、ガイド軸12aが挿入されており、上下方向(鉛直方向)において長い孔として、形成されている。なお、長孔11bにおけるガイド軸12aの支持構造については、後段にて詳述する。
【0028】
貫通孔11cは、図5に示すように、ガイド軸12bが挿入されており、略円形の孔として、形成されている。
レール部11dは、図5に示すように、上面側の両端部に設けられた凸状の部分であって、ガイド部14,15側のレール部14b,15bが係合した状態で、ガイド部14,15を光軸方向に略直交する方向においてスライド移動させる。
【0029】
固定ネジ11eは、図6Aおよび図6Bに示すように、本体部11aにおける両側の短側面にそれぞれ設けられており、時計回りに回転操作されると、ガイド部14,15のガイド軸12a,12bに沿った移動を規制する。
固定部材11fは、図7Bに示すように、本体部11aの内部においてガイド軸12a,12bにそれぞれ当接可能な位置に設けられている。そして、固定部材11fは、固定ネジ11eを時計回りに回転させると、固定ネジ11eの先端によってガイド軸12a,12bに対して押し付けられる方向に押圧される。
【0030】
これにより、固定ネジ11eの回転操作によって、ガイド部14,15がガイド軸12a,12bに沿って光軸方向において前後に移動することを規制して、ガイド部14,15の位置の仮決め等を行うことができる。
ガイド軸12a,12bは、図5に示すように、光軸方向において互いに略平行に設けられている。ガイド軸12a,12bは、第1端部がフロント部13側に固定され、第1端部とは反対側の第2端部がベース部16側に固定されている。そして、ガイド軸12a,12bは、上述したガイド部11を貫通するように長孔11bおよび貫通孔11cにそれぞれ挿入されている。
【0031】
フロント部13は、図1等に示すように、カメラ30がセットされた状態でズームリング駆動装置10における最も被写体側に配置されている。フロント部13は、ベース部16との間において、ガイド部11がガイド軸12a,12bに沿って移動可能となるように、ガイド軸12a,12bの第1端側を支持している。
ガイド部(第2ガイド部)14は、図6Aおよび図6Bに示すように、ガイド部11の上面に沿って、光軸方向に略直交する方向においてスライド移動可能な状態で設けられており、カメラ30がセットされるとレンズ鏡筒32の側方に配置される。そして、ガイド部14は、図5に示すように、本体部14a、レール部14b、被係止部14c、固定ネジ(第2固定部)14dを有している。
【0032】
本体部14aは、図5に示すように、略直方体形状の部材であって、レンズ鏡筒32を保持する側の面における下部と上部とにそれぞれ、ローラ20a,20bを回転可能な状態で支持している。また、本体部14aの底面側には、上述したガイド部11のレール部11dに係合するレール部14bが設けられている。さらに、本体部14aは、図7Aおよび図7Bに示すように、内部空間に、減速機22およびDCモータ23等を含むギアボックスが設けられている。
【0033】
レール部14bは、図5に示すように、本体部14aの底面側に形成された凹部であって、上述したガイド部11の凸状のレール部11dが係合する。これにより、ガイド部14は、ガイド部11の長手方向に沿って、光軸方向に略直交する方向において移動可能となる。
被係止部14cは、図5および図6Bに示すように、本体部14aにおけるベース部16に対向する側面に設けられた突起部分であって、後述するバネ17の一方の端部(係止部17a)が係止される。
【0034】
固定ネジ14dは、図5に示すように、本体部14aにおける被係止部14cとは反対側の側面に設けられている。固定ネジ14dは、時計回りに回転操作されると、ガイド部14のガイド部11の長手方向に沿った移動を規制する。
これにより、ガイド部15とともにレンズ鏡筒32を両側からバランスよく挟み込んだ位置において、ガイド部14の位置を仮固定することができる。
【0035】
ガイド部(第3ガイド部)15は、ガイド部14に対向配置されており、ガイド部14との間においてレンズ鏡筒32の外周面を支持する。ガイド部15は、図6Aおよび図6Bに示すように、ガイド部11の上面に沿って、光軸方向に略直交する方向においてスライド移動可能な状態で設けられており、カメラ30がセットされるとレンズ鏡筒32の側方に配置される。そして、ガイド部15は、図5に示すように、本体部15a、レール部15b、被係止部15c、固定ネジ15dを有している。
【0036】
本体部15aは、図5に示すように、略直方体形状の部材であって、レンズ鏡筒32を保持する側の面における上部にローラ20cを回転可能な状態で支持している。また、本体部15aの底面側には、上述したガイド部11のレール部11dに係合するレール部15bが設けられている。
レール部15bは、図5に示すように、本体部15aの底面側に形成された凹部であって、上述したガイド部11の凸状のレール部11dが係合する。これにより、ガイド部15は、ガイド部11の長手方向に沿って、光軸方向に略直交する方向において移動可能となる。
【0037】
被係止部15cは、図6Bに示すように、本体部15aにおけるベース部16に対向する側面に設けられた突起部分であって、後述するバネ17の他方の端部(係止部17a)が係止される。
これにより、バネ17の両端が本体部14a,15aにそれぞれ係止されているため、ガイド部14,15を互いに離間する方向に移動させると、それに反発する力、つまり、互いに近づく方向に付勢力が付与される。
【0038】
固定ネジ15dは、図5に示すように、本体部15aにおける被係止部15cとは反対側の側面に設けられている。固定ネジ15dは、時計回りに回転操作されると、ガイド部15のガイド部11の長手方向に沿った移動を規制する。
これにより、ガイド部14とともにレンズ鏡筒32を両側からバランスよく挟み込んだ位置において、ガイド部14の位置を仮固定することができる。
【0039】
ベース部16は、ガイド部11が光軸方向において相対移動可能な状態で接続されており、図2B等に示すように、その上面にカメラ本体31が載置される。
本体部16aは、図5に示すように、略直方体の形状を有しており、その前面側に2本のガイド軸12a,12bの一端が挿入されて固定される挿入穴16bが設けられている。
【0040】
挿入穴16bは、図5に示すように、本体部16aの前面における左右両端付近に設けられており、ガイド軸12a,12bがそれぞれ挿入されて固定される。
バネ(バネ部材)17は、ガイド部14に接続された第1端(係止部17a)と、ガイド部15に接続された第2端(係止部17a)とを有している。バネ17は、ガイド部14とガイド部15とを、レンズ鏡筒32を挟み込む方向に移動させる引っ張り力を付与する。
【0041】
係止部17aは、バネ17の両端にそれぞれ設けられており、ガイド部14,15の側面に設けられた被係止部14c,15cに対してそれぞれ係止される。
ここで、レンズ鏡筒32がガイド部14,15の間に挟み込まれる前の定常状態において、バネ17の長さは、レンズ鏡筒32がガイド部14,15の間に挟み込まれた状態の被係止部14c,15cの間隔よりも短い。
【0042】
これにより、バネ17は、ズームリング駆動装置10に対してカメラ30がセットされ、ローラ20a,20b,20cによって、レンズ鏡筒32の外周面がリングギア25を介して間接的に3点支持された状態において、伸びた状態となり、ガイド部14,15を互いに近づける方向に付勢力を付与する。よって、ズームリング駆動装置10に対してカメラ30がセットされると、レンズ鏡筒32は、その外周面に巻回されたリングギア25が、バネ17の付勢力によって3つのローラ20a,20b,20cによって押し付けられるように、安定的に3点支持される。
【0043】
固定ネジ18は、図5に示すように、ベース部16の本体部16aの底面側から挿入され、その先端のネジ部18aが、ベース部16の上面から突出するように配置されている。
ネジ部18aは、ベース部16の上面にカメラ本体31が載置された状態において、カメラ本体31の底面に設けられたネジ穴(図示せず)に螺合することで、カメラ本体31をベース部16に対して固定する。
【0044】
3つのローラ20a,20b,20cは、図7Aおよび図7Bに示すように、ガイド部14およびガイド部15にそれぞれ回転軸を中心に回転可能な状態で設けられており、レンズ鏡筒32の外周面に相対回転不能な状態で巻回されたリングギア25の外周面に当接した状態で3点支持する。すなわち、3つのローラ20a,20b,20cは、リングギア25を介して間接的に、レンズ鏡筒32の外周面を支持している。
【0045】
ローラ(第1ローラ)20aは、図7Aおよび図7Bに示すように、ガイド部14における下部であって、ガイド部14において駆動ギア21と同軸で、回転可能な状態で配置されている。ローラ20aは、リングギア25を介して、レンズ鏡筒32の外周面を支持する。
ローラ(第2ローラ)20bは、図7Aおよび図7Bに示すように、ガイド部14における上部であって、ローラ20aに対してレンズ鏡筒32に含まれるレンズL1の光軸を含む水平面を挟んで反対の位置に回転可能な状態で配置されている。ローラ20bは、リングギア25を介して、レンズ鏡筒32の外周面を支持する。
【0046】
ローラ(第3ローラ)20cは、図7Aおよび図7Bに示すように、ガイド部15における上部であって、レンズ鏡筒32を挟んで第1ローラの反対側に回転可能な状態で配置されている。ローラ20cは、リングギア25を介して、レンズ鏡筒32の外周面を支持する。
駆動ギア21は、図5に示すように、ガイド部14において、回転可能な状態で設けられたローラ20aと同軸になるように、ローラ20aに隣接する位置に配置されている。駆動ギア21は、図7Aおよび図7Bに示すように、ガイド部14において、ズームリング33の外周面に巻回されたリングギア25のギア部25bに係合する位置に設けられている。駆動ギア21は、DCモータ23から付与される回転駆動力が減速機22を介して伝達され、ズームリング33に巻回されたリングギア25のギア部25bにギアの部分が噛み合った状態で回転することで、ズームリング33を回転させる。
【0047】
すなわち、駆動ギア21は、リングギア25を介して間接的にズームリング33に対して接続されており、回転駆動力がリングギア25を介してズームリング33に伝達される。
減速機22は、図7Aおよび図7Bに示すように、ガイド部14の内部空間のギアボックス内に設けられており、DCモータ23から付与される回転駆動力を駆動ギア21に対して伝達する複数の減速ギアを含む。
【0048】
DCモータ23は、図7Aおよび図7Bに示すように、ガイド部14の内部空間のギアボックス内に設けられており、第3制御部24(図3参照)によって、駆動ギア21を回転駆動するように制御される。
リングギア25は、図8Aおよび図8Bに示すように、レンズ鏡筒32のズームリング33の外周にズームリング33に対して相対回転不能な状態で着脱可能に装着されている。そして、リングギア25は、図9Aおよび図9Bに示すように、本体部25a、ギア部25b、締結部25c、ボルト25d、ナット25eを有している。
【0049】
本体部25aは、図9Aおよび図9Bに示すように、略円環状の部材であって、例えば、PC(ポリカーボネート)、ABS(アクリルニトリルブタジエンスチレン)等の樹脂によって成形されている。本体部25aは、その外周面側に、駆動ギア21が噛み合うギア部25bを有している。また、本体部25aは、その外周面側におけるギア部25bに隣接する位置に、3つのローラ20a,20b,20cがそれぞれ当接する当接面を有している。
【0050】
なお、本体部25aは、略円環状の内周面にシボ加工が施されていてもよい。この場合には、シボ加工によってリングギア25の内周面とズームリング33の外周面(ギア部25b)との間に生じる摩擦力が増大するため、ズームリング33に対して相対回転しにくい状態で、リングギア25を取り付けることができる。
ギア部25bは、図9Aおよび図9Bに示すように、略円環状の本体部25aの外周面の一部に形成されており、駆動ギア21と噛み合った状態で駆動ギア21が回転することで、ズームリング33とともに回転する。
【0051】
締結部25cは、図9Aおよび図9Bに示すように、略円環状の本体部25aが分断された端部同士を連結して締め付けるために設けられている。締結部25cは、ボルト25dをナット25eに螺合させて締め付けることで、ズームリング33の外周面に対して、リングギア25を固定する。
ボルト25dは、図9Aおよび図9Bに示すように、締結部25cに設けられた貫通穴に挿入されており、そのネジ部分がナット25eに螺合する。
【0052】
ナット25eは、図9Aおよび図9Bに示すように、締結部25cにおけるボルト25dのボルト頭とは反対側に設けられており、ボルト25dのネジ部分が螺合することで、締結部25cを締め付ける。
(3)カメラ本体31との通信
本実施形態のズームリング駆動装置10は、上述したように、第2機械・電気接続部35b(図3参照)を介して、カメラ本体31側から、レンズ鏡筒32に含まれるズームレンズの可動域、現在位置等のズームレンズに関する情報を取得する。
【0053】
このとき、ズームリング駆動装置10は、図12Aに示すように、第2機械・電気接続部35bを介して、カメラ本体31との間において双方向での通信が可能である。よって、例えば、カメラ30がズームリング駆動装置10にセットされると、ズームレンズに関する情報が、カメラ本体31からズームリング駆動装置10に対して送信される。さらに、ズームリング駆動装置10によってズームリング33が回転操作されている回転制御中に駆動エラーが発生した場合には、駆動エラー発生情報等が、ズームリング駆動装置10からカメラ本体31に対して送信される。
【0054】
ここで、ズームレンズに関する情報は、図12Aに示すように、レンズ鏡筒32がカメラ本体31に対して装着された際に、レンズマウント34を介して受信することができる。なお、カメラ本体31とレンズ鏡筒32との間の通信は、無線通信を介して行われてもよい。
また、ズームリング駆動装置10側とカメラ本体31側との間の通信は、無線通信に限らず、有線であってもよい。
【0055】
有線通信の場合には、ズームリング駆動装置10は、図13Aに示すように、カメラ本体31側のホットシュー31aを介して、通信を行ってもよい。あるいは、図10および図14Aに示すように、カメラ本体31の側面に設けられたUSB端子31eまたは拡張ポート31gを介して、通信が行われてもよい。
さらに、ズームリング駆動装置10は、カメラ30が設置された状態において、図11に示すように、カメラ本体31の底面に設けられた接点端子31fを介して、通信を行ってもよい。この場合には、ズームリング駆動装置10側の接点端子16c(図5参照)と、カメラ本体31側の接点端子31fとが互いに当接した状態で電気的に接続されることで、ズームレンズの情報等の双方向通信が可能となる。
【0056】
(4)カメラ本体31からの給電
本実施形態のズームリング駆動装置10は、上述したように、受電部26(図3参照)を介して、図13Bに示すように、カメラ本体31の上部に設けられたホットシュー31aから電力が供給される。
この場合には、受電部26は、図示しない電気配線によってホットシュー31aと接続されていればよい。
【0057】
ここで、カメラ本体31からレンズ鏡筒32に対する給電は、図12Bに示すように、レンズ鏡筒32がカメラ本体31に対して装着された際に、レンズマウント34を介して行われる。
また、カメラ本体31からズームリング駆動装置10に対する電力供給が有線で行われる場合には、ホットシュー31a以外に、図10および図14Bに示すUSB端子31eを介して給電が行われてもよい。また、カメラ本体31の側面に設けられた拡張ポート31g(図10参照)を介して、給電が行われてもよい。
【0058】
さらに、ズームリング駆動装置10は、カメラ30が設置された状態において、図11に示すように、カメラ本体31の底面に設けられた接点端子31fを介して、給電される構成であってもよい。この場合には、ズームリング駆動装置10側の接点端子16c(図5参照)と、カメラ本体31側の接点端子31fとが互いに当接した状態で電気的に接続されることで、カメラ本体31側からズームリング駆動装置10に対して給電することができる。
【0059】
また、本実施形態のズームリング駆動装置10では、カメラ本体31に対して電気的に接続されており、レンズ鏡筒32に対して電気的接点を持たない構成である。
これにより、大きさや形状等が異なるレンズ鏡筒32がセットされた場合でも、ズームリング駆動装置10を用いて、カメラ30のレンズ鏡筒32のズームリング33を回転駆動させることができる。
【0060】
<主な特徴1>
本実施形態のズームリング駆動装置10は、図3に示すように、カメラ本体31に装着されたレンズ鏡筒32に含まれるズームレンズを光軸方向において前後に移動させるズームリング33を回転駆動する装置であって、駆動ギア21と、DCモータ23と、第2機械・電気接続部35bと、第3制御部24とを備えている。駆動ギア21は、レンズ鏡筒32に含まれるズームレンズの光学特性を変化させるズームリング33に直接的あるいは間接的に当接する位置に設けられており、ズームリング33に当接した状態で回転してズームリング33を回転させる。DCモータ23は、駆動ギア21を回転駆動させる。ズームリング駆動装置10は、第2機械・電気接続部35bを介してカメラ本体31と通信を行う。第3制御部24は、第2機械・電気接続部35bを介してカメラ本体31からズームレンズの特徴に関する情報を受信し、ズームレンズの特徴に基づいてDCモータ23を制御する。
【0061】
これにより、ズームリング駆動装置10は、レンズ鏡筒32が装着されたカメラ本体31から取得したズームレンズ(可動レンズ)に関する情報(ズームレンズの可動範囲等)に基づいて、装着されたレンズ鏡筒32に含まれる可動レンズの特徴に応じた駆動制御を行うことができる。
この結果、装着されるレンズ鏡筒が変化した場合でも、レンズ鏡筒32に含まれるズームレンズの特徴に応じた駆動制御を行うことができる。
【0062】
また、本実施形態のカメラ本体31は、レンズ鏡筒32が交換可能な状態で装着されるカメラ本体であって、図3に示すように、レンズ鏡筒32が装着されると、第1機械・電気接続部35aを介して、レンズ鏡筒32に関する情報を取得するとともに、受信したレンズ鏡筒32に関する情報を保存する記憶部31cと、記憶部31cに保存されたレンズ鏡筒32に関する情報を、外部機器(ズームリング駆動装置10等)へ送信するように第1機械・電気接続部35aを制御する第1制御部31dと、を備えている。
【0063】
これにより、カメラ本体31は、交換可能に着脱されるレンズ鏡筒32に関する情報を、レンズ鏡筒32から受信し、その情報を外部機器(ズームリング駆動装置10等)に対して送信することができる。
よって、その情報を受信した外部機器では、レンズ鏡筒32に関する情報として、例えば、レンズ鏡筒32に含まれる可動レンズの可動範囲、焦点距離、絞り等に関する情報を取得して、カメラ30を適切に制御する等に活かすことができる。
【0064】
(実施形態2)
本開示の他の実施形態に係るズームリング駆動装置(マニュアル操作リング駆動装置)10について、図15図18Bを用いて説明すれば以下の通りである。
ズームリング駆動装置110は、カメラ本体131に装着されたレンズ鏡筒132に含まれるズームレンズ(可動レンズ)を光軸方向において前後に移動させるズームリング132aを、外部から回転制御する。
【0065】
通常、このような外部からレンズ鏡筒のズームリングに対して駆動ギアを当接させた状態で回転させることでズームリングの回転制御を行う外部装置では、DCモータ等の駆動源を収納する筐体等の部材を含むために大型化しやすいという課題があった。
本実施形態に係るズームリング駆動装置110は、図15に示すように、ベース部111と、駆動ギア112と、減速ギア113と、接点端子114と、モータ(駆動部)115と、第2電源部116と、ロングギア(回転ギア)117(図17参照)と、支持部材118と、固定部材119と、保持部120と、を備えている。
【0066】
ベース部111は、図16に示すように、カメラ本体131がその面111aに載置される土台部分を構成する箱型の部材であって、内部空間に、後述するモータ115、第2電源部116を有し、ロングギア117等を収納する。
駆動ギア112は、レンズ鏡筒132に含まれるズームレンズの光学特性を変化させるズームリング132aに当接する位置に設けられており、ズームリング132aに当接した状態で回転してズームリング132aを回転させる。また、駆動ギア112は、図17に示すように、後述する支持部材118に沿って光軸方向に前後に移動可能(図中矢印参照)であって、レンズ鏡筒32の長さ等に応じて適切な位置に位置決めされた状態で回転駆動される。
【0067】
減速ギア113は、モータ115の回転軸と接続されており、モータ115の回転駆動力を、駆動ギア112に対して伝達する。
接点端子114は、図17に示すように、ベース部111の面111aに設けられており、カメラ本体131側の接点端子131fと接触することで、カメラ本体131とズームリング駆動装置10との間において、電気的な接続が確立される。
【0068】
これにより、例えば、接点端子114,131fを介して、カメラ本体131からズームリング駆動装置110に対して電力が供給される、あるいは、カメラ本体131とズームリング駆動装置110との間における双方向通信が行われる。
モータ(駆動部)115は、減速ギア113を介して、駆動ギア112を回転駆動させる駆動源であって、第2電源部116から供給される電力によって回転する。
【0069】
第2電源部116は、例えば、繰り返し充電可能な二次電池であって、ズームリング駆動装置110の電源として、ベース部111内に設けられている。
なお、第2電源部116によって供給される電力は、ズームリング駆動装置110のモータ115等に供給されるとともに、接点端子114,131fを介して、カメラ本体131側へ供給されてもよい。
【0070】
ロングギア(回転ギア)117は、図17に示すように、ベース部111の面111aにカメラ130がセットされた状態で、その回転軸がレンズ鏡筒132の光軸方向に沿って配置されている。ロングギア117は、光軸方向の被写体とは反対側の一端(第1端)がモータ115側に接続されており、モータ115からの回転駆動力を駆動ギア112に伝達する。ロングギア117は、回転軸を中心とする外周面に形成されたギア歯部117aを有している。
【0071】
ギア歯部117aは、ロングギア117の外周面に形成された凹凸部分であって、減速ギア113を介して、駆動ギア112に対して、モータ115の回転駆動力を伝達する。また、ギア歯部117aは、駆動ギア112が移動可能な光軸方向における所定の範囲に合わせて形成されている。
支持部材118は、光軸方向において所定の範囲内で駆動ギア112が移動可能な状態で、駆動ギア112を支持する棒状の部材であって、保持部120によって下方から支持されている。支持部材118は、プレート部材118aと、位置決めネジ(位置決め部材)118bとを有している。
【0072】
プレート部材118aは、図17に示すように、光軸方向における被写体側の端部に設けられた板状の部材であって、支持部材118と保持部120とを接続する。
位置決めネジ(位置決め部材)118bは、支持部材118に沿って光軸方向において移動可能な駆動ギア112とともに光軸方向において移動可能であって、レンズ鏡筒132の大きさに合わせた所望の位置で螺合することで、駆動ギア112の位置決めを行う。
【0073】
すなわち、位置決めネジ118bは、支持部材118に沿って移動可能な駆動ギア112がレンズ鏡筒132のズームリング132aに対して当接する位置において、駆動ギア112を位置決めするために設けられている。
固定部材119は、プレート部材118aを、保持部120の端面に対して固定するために設けられている。
【0074】
保持部120は、ベース部111から光軸方向における被写体側へ突出するように設けられており、上述した支持部材118等を下方から支持している。
本実施形態のズームリング駆動装置110は、以上のように、カメラ本体131が載置されるベース部111の内部に、モータ115、減速ギア113等を内蔵している。
これにより、ズームリング132aを外部から操作制御することが可能なズームリング駆動装置110を小型化することができる。
【0075】
また、本実施形態のズームリング駆動装置110では、カメラ本体131とズームリング駆動装置110との間で行われる双方向の通信は、図18Aに示すように、カメラ本体131側の接点端子131fを介して行われる。
ここで、カメラ本体131とレンズ鏡筒132との間で行われる通信は、図18Aに示すように、レンズ鏡筒132がカメラ本体131に対して装着された際に、レンズマウント134を介して行うことができる。なお、カメラ本体131とレンズ鏡筒132との間の通信は、無線通信を介して行われてもよい。
【0076】
カメラ本体131側の接点端子131fは、図17に示すように、カメラ本体131の底面に設けられている。接点端子131fと電気的に接続されるズームリング駆動装置110側の接点端子114は、図17に示すように、カメラ本体131が設置される設置面に設けられている。
これにより、ズームリング駆動装置110にカメラ130がセットされると、カメラ本体131側から、ズームレンズに関する情報が、ズームリング駆動装置110側へ送信される。そして、ズームリング駆動装置110によってズームリング132aが回転操作されている際に駆動エラーが発生した場合には、発生した駆動エラー等の情報を、ズームリング駆動装置110側からカメラ本体131側へと送信する。
【0077】
また、カメラ本体131からズームリング駆動装置110に対する電力供給は、図18Bに示すように、カメラ本体131の底面に設けられた接点端子131fを介して行われる。
この場合には、ズームリング駆動装置110側の接点端子114と、カメラ本体131側の接点端子131fと、が互いに当接した状態で、カメラ本体131がズームリング駆動装置110に対して取り付けられることで、給電を行うことができる。
【0078】
なお、カメラ本体131からレンズ鏡筒132に対する給電は、図18Bに示すように、レンズ鏡筒132がカメラ本体131に対して装着された際に、レンズマウント134を介して行われる。
カメラ本体131とズームリング駆動装置110との間の給電は、上記と逆方向で行われてもよい。すなわち、本実施形態のように、ズームリング駆動装置110がバッテリ等の電源を保持している場合には、ズームリング駆動装置110からカメラ本体131に対して給電を行うことも可能である。
【0079】
これにより、カメラ本体131はすでに内蔵しているバッテリに加えて、ズームリング駆動装置110からも電力が供給されるため、例えば、長時間の動画撮影等に対応することができる。
<主な特徴2>
本実施形態のズームリング駆動装置110は、カメラ本体131に装着されたレンズ鏡筒132に含まれるズームレンズを光軸方向において前後に移動させる装置であって、駆動ギア112と、モータ115と、ベース部111と、を備えている。駆動ギア112は、レンズ鏡筒132に含まれるズームレンズの光学特性を変化させるズームリング132aに当接する位置に設けられており、ズームリング132aに当接した状態で回転してズームリング132aを回転させる。モータ115は、駆動ギア112を回転駆動させる。ベース部111は、カメラ本体131が接続される面111aを有し、モータ115が配置される。
【0080】
これにより、カメラ本体131が載置される土台部分(ベース部111)の内部に、モータ115等が収納されているため、ズームリング132aを外部から回転操作するズームリング駆動装置110の小型化を図ることができる。
(実施形態3)
本開示の一実施形態に係るカメラシステムにおいて実施されるユーザによるズームリング遠隔操作について、図19図26を用いて説明すれば以下の通りである。
【0081】
PC(Personal Computer)等の外部機器1001は、ネットワークを経由して、カメラ本体31内のLANポートに接続されている。
これにより、ユーザは、外部機器1001からの指示入力によって、遠隔でカメラ30を操作することが可能である。
カメラ本体31は、ネットワークを経由して、外部機器1001にカメラ30やレンズ鏡筒32に関する情報を送信する。
【0082】
これらの情報には、カメラ本体31に装着されたレンズ鏡筒32の広角端から望遠端までの焦点距離情報や、現在の焦点距離情報などが含まれる。
なお、カメラ本体31から外部機器1001に対して送信される情報には、これらの情報以外にも、カメラ30の現在設定情報、レンズのフォーカスや絞りに関する情報が含まれていてもよい。外部機器1001では、これらの情報をディスプレイなどでユーザに表示することができる。
【0083】
一方、外部機器1001は、ネットワークを経由してカメラ本体31にズームリング33の操作指示情報を送信する。
これらの情報は、目標の焦点距離位置やズームリング回転速度に関する情報を含む。これ以外にも、カメラ本体31の設定情報やレンズ鏡筒32のフォーカス位置・絞り値の設定情報が含まれていてもよい。
【0084】
なお、本実施形態では、LANポートを使用した有線接続の形態を記載しているが、外部機器1001とカメラ本体31とは、例えば、Wifi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の無線通信を介して接続されていてもよい。
以下では、本実施形態に係るレンズ鏡筒32とカメラ本体31との間で送受信される情報について、図20を用いて説明する。なお、以下の説明において登場する構成のうち、上記実施形態1で登場した構成と同様の機能を持つ構成については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0085】
<初期通信>
レンズ交換式のカメラ30では、図20に示すように、レンズ鏡筒32がカメラ本体31に装着された段階で初期通信を実施する。
この初期通信においてレンズ鏡筒32内の記憶部32dからカメラ本体31に送信されるレンズ送信情報には、焦点距離情報(例えば、広角端14mm、望遠端100mm)、ズームリング角度情報(例えば、広角端~望遠端75deg)、ズーム検出ポジション分解能情報(例えば、広角端0pos、望遠端1500pos)、ズームリング駆動トルク情報(例えば、50Ncm)などが含まれる。
【0086】
なお、レンズ鏡筒32からカメラ本体31に対して送信される情報としては、これらの情報以外に、フォーカス、絞りなどに関する情報が含まれていてもよい。
カメラ本体31内の第1制御部31dは、第1機械・電気接続部35aを介してレンズ鏡筒32から受信した情報をカメラ本体31内の記憶部31cに記憶させる。
<定常通信>
レンズ交換式のカメラ30では、レンズ鏡筒32とカメラ本体31との間において、上述した初期通信を実施した後、レンズ鏡筒32とカメラ本体31とは、継続的に定常通信を実施する。
【0087】
レンズ鏡筒32内の第2制御部32bは、レンズ位置検出部32aにおいて検出されたポジション情報を連続的に取得する。
第2制御部32bは、検出したポジション情報から現在焦点距離情報を演算する。レンズ鏡筒32は、カメラ本体31に対して、現在焦点距離情報(例えば、60mm)、現在ズーム検出ポジション情報(例えば、800pos)を送信する。
【0088】
なお、レンズ鏡筒32からカメラ本体31に対して送信される情報としては、これらの情報以外に、フォーカス、絞りなどに関する情報が含まれていてもよい。
カメラ本体31内の第1制御部31dは、第1機械・電気接続部35aを介してレンズ鏡筒32から受信した情報を、カメラ本体31内の記憶部31cに記憶させる。
続いて、本実施形態に係るカメラ本体31とズームリング駆動装置10との送信情報について、図21を用いて説明すれば以下の通りである。
【0089】
<初期通信>
カメラ本体31とズームリング駆動装置10とが電気的に接続されると、図21に示すように、初期通信を実施する(図中矢印方向参照)。
この初期通信においてカメラ本体31内の記憶部31cからズームリング駆動装置10に送信する情報には、ズームリング角度情報(例えば、広角端~望遠端75deg)、ズーム検出ポジション分解能情報(例えば、広角端0pos、望遠端1500pos)、ズームリング駆動トルク情報(例えば、50Ncm)などが含まれている。
【0090】
なお、カメラ本体31からズームリング駆動装置10へ送信される情報としては、これらの情報以外に、フォーカス、絞りなどに関する情報が含まれていてもよい。
ズームリング駆動装置10内の第3制御部24は、第2機械・電気接続部35bを介してカメラ本体31から受信した情報を、ズームリング駆動装置10内の記憶部28に記憶させる。
【0091】
<定常通信>
カメラ本体31とズームリング駆動装置10とは、上述した初期通信を実施した後、継続的に定常通信を実施する。
カメラ本体31内の第1制御部31dは、外部機器1001からの操作指示を受信したカメラ本体31内の入力部31bから目標の焦点距離位置、およびズームリング回転速度に関する情報を継続的に取得する。
【0092】
また、第1制御部31dは、記憶部31c内の現在焦点距離情報、現在ズーム検出ポジション情報を継続的に取得する。第1制御部31dは、これらの継続的に取得する情報から、ズームリング駆動装置10に継続的に送信する情報である、現在ズーム検出ポジション情報(例えば、800pos)、ズームポジションドライブ目標位置(1500pos)、ズームリング駆動目標速度(150pos/sec)を演算する。そして、第1制御部31dは、ズームリング駆動装置10に対して継続的にこれらの情報を送信する。
【0093】
ズームリング駆動装置10は、カメラ本体31の第1制御部31dから送信された情報を受信し、記憶部28に記憶させる。
本実施形態のカメラシステムにおいて、ユーザ操作指示からカメラ本体31を経由してズームリング駆動装置10に対してズームリング操作を指示する制御システムについて、図22を用いて説明すれば以下の通りである。
(1)制御例1
本実施形態における演算および送信の具体的な一例について、図22を用いて説明する。
【0094】
ユーザは、外部機器1001において、
(a)ズームリング33の駆動目標位置について現在焦点距離60mmから目標焦点距離100mmに駆動する操作を指示する、
(b)ズームリング33の回転速度としては、広角端から望遠端までを10秒で駆動する速度を指示する、
を設定し、カメラ本体31に対して送信する。
【0095】
カメラ本体31では、入力部31bにおいて外部機器1001からのユーザ指示情報を受信する。
カメラ本体31内の第1制御部31dでは、ユーザ指示情報を継続的に取得し、ズームリング駆動装置10に送信するための駆動制御情報を演算する。
上記の操作指示に対して、第1制御部31dは、設定された焦点距離情報100mmからズームポジションドライブ目標値1500posを演算する。
【0096】
演算においては、広角端から望遠端までの焦点距離(mm)の差分を総合ポジション数で除算して求めてもよいし、ズームポジションと焦点距離を紐づけるためのレンズデータを利用してもよい。
また、目標駆動速度指示のための情報としては、広角端から望遠単までの総合ポジション数1500を10秒で移動するため、第1制御部31dは、駆動速度として150pos/秒を演算によって求める。
【0097】
これらの情報は、カメラ本体内の第1制御部31dからズームリング駆動装置10内の第3制御部24に対して送信される。また、第1制御部31dは、レンズ鏡筒32から取得した現在ズーム検出ポジション情報も併せて第3制御部24に対して送信する。
ズームリング駆動装置10内の第3制御部24は、これらの情報からズームリング駆動装置10内のDCモータ23に印可する電圧を継続的に制御する。
(2)制御例2
本実施形態における演算および送信の具体的な他の一例について、図22を用いて説明する。
【0098】
ユーザは、外部機器1001において、
(a)ズームリング33の駆動目標位置について現在焦点距離100mmから目標焦点距離18mmに駆動する操作を指示する、
(b)ズームリング33の回転速度としては、広角端から望遠端までを480秒で駆動する速度を指示する、
を設定し、カメラ本体31に対して送信する。
【0099】
カメラ本体31では、入力部31bにおいて外部機器1001からのユーザ指示情報を受信する。
カメラ本体31内の第1制御部31dでは、ユーザ指示情報を継続的に取得し、ズームリング駆動装置10に送信するための駆動制御情報を演算する。
上記の操作指示に対しては、設定された焦点距離情報18mmからズームポジションドライブ目標値100posを演算する。演算においては、広角端から望遠端までの焦点距離(mm)の差分を総合ポジション数で除算して求めてもよいし、ズームポジションと焦点距離を紐づけるためのレンズデータを利用してもよい。
【0100】
また、目標駆動速度指示のための情報としては、広角端から望遠単までの総合ポジション数1500を480秒で移動するため、第1制御部31dは、駆動速度として、3.125pos/秒を演算によって求める。
これらの情報は、カメラ本体31内の第1制御部31dからズームリング駆動装置10内の第3制御部24に送信される。また、第1制御部31dでは、レンズ鏡筒32から取得した現在ズーム検出ポジション情報も併せて第3制御部24に対して送信する。
【0101】
ズームリング駆動装置10内の第3制御部24は、これらの情報に基づいて、ズームリング駆動装置10内のDCモータ23に印可する電圧を継続的に制御する。
続いて、本実施形態に係る初期通信について、図23を用いて説明すれば以下の通りである。
カメラ本体31とレンズ鏡筒32とは、図23に示すように、それぞれの起動(電源ON)後、電気的に互いに接続されると、通信を開始する。
【0102】
カメラ本体31は、装着されたレンズ鏡筒32にレンズIDの認証要求を行い、レンズ鏡筒32はID認証に応じる。その後、カメラ本体31は、レンズ鏡筒32にレンズ初期化要求を行い、レンズ鏡筒32はレンズ初期化を実施する。
その後、カメラ本体31は、装着されたレンズ鏡筒32にレンズデータ要求を行い、レンズ鏡筒32は、レンズデータ取得に応じる。
【0103】
その後、カメラ本体31とズームリング駆動装置10とは、双方の準備が完了次第、電気的に接続が行われている場合、接続を開始する。
ズームリング駆動装置10は、カメラ本体31に通信接続を要求し、カメラ本体31は通信接続を許可する。その後、ズームリング駆動装置10は、可動レンズの特徴情報を要求し、カメラ本体31は、可動レンズの特徴情報を送信する。
【0104】
続いて、本実施形態に係る定常通信について、図24を用いて説明すれば以下の通りである。
カメラ本体31は、レンズ鏡筒32へ定期的にレンズ現在情報送信を要求し、レンズ鏡筒32は、レンズ現在情報をカメラ本体31に送信する。
カメラ本体31は、ズームリング駆動装置10に定期的にレンズ現在情報と制御指示とを送信する。ズームリング駆動装置10は、定期的に制御状態をカメラ本体31に送信する。
【0105】
続いて、本実施形態に係るズームリング駆動装置10における制御システムについて、図25を用いて説明すれば以下の通りである。
カメラ本体31内の第1制御部31dは、図25に示すように、駆動指示の内容(駆動目標位置および駆動目標速度)をズームリング駆動装置10に対して送信する。
ズームリング駆動装置10内の第3制御部24では、これらの情報に基づいてズームリング33の回転角速度を演算する。そして、ズームリング駆動装置10内のギアボックスに含まれる減速機22の減速比(1/100)を変換して、ズームリング駆動装置10内のDCモータ回転角速度を演算する。
【0106】
第3制御部24では、演算されたDCモータ回転角速度に制定されるように、回転検出部で検出されたDCモータ回転速度の情報を用いてDCモータ23のサーボ制御を実施する。
続いて、本実施形態に係るズームリング駆動装置10でのDCモータ23への初期印可電圧に関する制御システムについて、図26を用いて説明すれば以下の通りである。
【0107】
DCモータへ23の初期印可電圧が高すぎた場合、図26に示すように、ズームリング駆動トルクが大きくなるため、ズームリング33は一気に回転を始めてしまい、カメラ30によって撮影される映像品位に悪影響を及ぼすおそれがある。
逆に、DCモータ23への初期印可電圧が低すぎた場合、図26に示すように、ズームリング駆動トルクが小さすぎて、ズームリング33が回転を始めるまでに経過時間が長くなってしまい、ユーザオペレーションの応答性が悪くなってしまうおそれがある。
【0108】
そこで、ズームリング駆動装置10は、カメラ本体31からズームリング駆動装置10に送信されるズームリング駆動トルク情報を用いて、DCモータ23に印可する初期電圧を決定する。
本実施形態においては、カメラ本体31からズームリング駆動装置10への駆動指示として、ズームポジションドライブ目標位置を指示し、ズームリング駆動装置10内の第2制御部32bにおいてDCモータ23の駆動電圧を制御する例を挙げて説明したが、駆動指示の制御は別の方式を採用してもよい。
【0109】
例えば、ズームリング駆動装置10内のDCモータ23、駆動ギア21、減速機22の減速比などの情報が、ズームリング駆動装置10からカメラ本体31に初期通信で送信されており、定常通信においては、カメラ本体31がズームリング駆動装置10内のDCモータ23の駆動電圧を直接計算して、ズームリング駆動装置10に駆動指示を送信してもよい。
【0110】
なお、本実施形態では、説明の便宜上、レンズ鏡筒32のズームリング33を操作することを記載しているが、本発明においては、レンズの操作対象はズームリング33に限定されるものではなく、絞りリング、フォーカスリングなどの他のマニュアル操作リングを操作対象としてもよい。
(実施形態4)
本開示のさらに他の実施形態に係るズームリング駆動装置(マニュアル操作リング駆動装置)410について、図27図34を用いて説明すれば以下の通りである。
【0111】
なお、本実施形態では、上述した実施形態において説明した構成と同じ構成については、同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
ズームリング駆動装置410は、カメラ本体131に装着されたレンズ鏡筒132に含まれるズームレンズ(可動レンズ)を光軸方向において前後に移動させるズームリング132aを、外部から回転制御する。
【0112】
なお、ここで言う光軸とは、レンズ鏡筒132に含まれる光学要素であるレンズの光軸のことであって、光軸方向とは光軸の軸線に沿った方向のことである。略光軸方向とは、光軸方向のおおよそ同じ方向と言う意味であるが、実際には、光軸方向も製造誤差等含むと厳密に定義することは難しく、ここでは光軸方向も略光軸方向も、おおよその光軸の軸線に沿った方向としている。
【0113】
また、ここで言うズームリング132aの回転軸方向とは、ズームリング132aが回転する軸の軸線に沿った方向を意味しており、ほとんどのレンズ鏡筒132において、光軸方向とおおよそ一致しているが、製造誤差も含めて両者が一致していないレンズ鏡筒132もあるため併記している。従って、「光軸方向」、または、「ズームリング132aの回転軸方向」、のどちらかが単独で表記されている場合においても、「レンズ鏡筒132の光軸方向、またはズームリング132aの回転軸方向」に読み替えが可能として記載している。また、実際には、ズームリング132aの回転軸方向も製造誤差等含むと厳密に定義することは難しく、ここではおおよそのズームリング132aの回転軸方向の軸線に沿った方向としている。
【0114】
通常、このような外部からレンズ鏡筒のズームリングに対して駆動ギアを当接させた状態で回転させることでズームリングの回転制御を行う外部装置では、モータ等の電磁駆動源を収納する筐体等の部材を含むために大型化しやすいという課題があった。
本実施形態に係るズームリング駆動装置410は、図27および図28に示すように、ベース部411と、側方部421とを備えている。
【0115】
カメラ本体131は、複数の面から構成される立体として形成されており、レンズ鏡筒132が接続される正面(第1の面)と、後述するベース部411が接続される底面(第2の面)とを有している。レンズ鏡筒132が接続される正面(第1の面)とベース部411が接続される底面(第2の面)とは、互いに隣り合っている。
なお、ここで第1の面を正面としているが、この正面という用語は説明の便宜上用いているだけで配置する位置や見る方向によって異なる表現であり、正面ではなく背面、裏面であってもよく、側面であってもよい。今回、説明の便宜上、レンズ鏡筒132が接続される面を正面と命名したに過ぎない。また、底面も同じく便宜上の用語であり、正面、背面、裏面、または側面と命名してもよい。今回、説明の便宜上、レンズ鏡筒132が接続される面と隣り合った面を底面と命名したに過ぎない。
【0116】
カメラ本体131の正面には、レンズ鏡筒132と脱着可能な第1機械接続部35aaと、第1電気接続部35abとが設けられている(図32参照)。カメラ本体131の底面には、ベース部411と脱着可能な第2機械接続部435baと、第2電気接続部35bbとが設けられている(図32参照)。
カメラ本体131の底面(第2の面)には、後述するベース部411の上面411a(第3の面)に設けられた固定ネジ(第2機械接続部435ba)が螺合する、ネジ穴(第2機械接続部435ba)が設けられており、固定ネジとネジ穴の2つが第2機械接続部の構成要素435baとなっている。
【0117】
カメラ本体131の底面(第2の面)には、後述するベース部411の上面411a(第3の面)に設けられた接点端子114(第2電気接続部)が接続する、接点端子131f(第2電気接続部)が設けられており、接点端子114と接点端子131fの2つが第2電気接続部の構成要素となっている。
ベース部411は、図32に示すように、駆動部127と、第3制御部124、第3記憶部428、第2電源部116(第2電源部)と、固定ネジ(第2機械接続部435ba)、接点端子114(第2電気接続部)とを備えている。
【0118】
駆動部127は、電磁駆動源であるモータ115と減速機413と回転数検出部27と回転接続部417aa,413aaを含み、ズームリング132aを回転させるための回転駆動力を生成する。
後述する第1調整部423(調整部)による第1調整Aを図27に示し、第2調整部424(調整部)による第2調整Bを図28に示す。
【0119】
後述する第1調整部423(調整部)による第1調整、および第2調整部424(調整部)による第2調整は、モータ115、回転数検出部27、第3制御部124、第3記憶部428、および第2電源部116(第2電源部)等の電気接続が必要な電装部材が、ベース部411、またはカメラ本体131に対して固定された状態で行われる。言い換えると、後述する第1調整、および第2調整においては、電気接続が必要な電装部材は、ベース部411、またはカメラ本体131に対する相対位置が変化しない。
【0120】
モータ115は、図27および図28に示すように、減速機413を介して、後述する側方部421側の回転ギア417を駆動させる回転を発生させる、すなわち回転駆動させる回転駆動源である。モータ115は、第2電源部116(第2電源部)、またはカメラ本体131のバッテリ(第1電源部431a)から供給される電力によって回転する。
減速機413は、図27および図28に示すように、モータ115の回転軸と接続されたギアを含む複数のギアと、その複数のギアの最終段のギアの回転軸の先端、言い換えると、ズームリング132aの回転軸方向における被写体側の一端に、構成された回転接続部413aaと、を有している。減速機413は、モータ115の回転駆動力を、ギアによる減速を行うことで増大させ、後述する側方部421側の回転接続部417aaとベース部411側の回転接続部413aaを介して、回転ギア417に対して伝達する。回転ギア417は、後述する駆動ギア112に回転駆動力を伝達するので、結局、モータ115の回転駆動力が駆動ギア112に伝達される。すなわち、モータ115は、駆動ギア112を駆動させる回転駆動力を発生させる。
【0121】
回転数検出部27は、減速機413のギアの回転数を検出することでモータ115の回転数を検出し、第3制御部124にフィードバックする。
第3制御部124は、接点端子114(第2電気接続部)を介して、カメラ本体131と通信される、カメラ本体131の第1制御部31dからの制御信号に基づいて、駆動部127を制御する。第3制御部124は、回転数検出部27において検出された回転数に基づいて、モータ115の回転位置と回転速度を制御する。
【0122】
第3記憶部428は、第3制御部124がモータ115を制御するためのパラメータを記憶している。
第2電源部116(第2電源部)は、例えば、繰り返し充電可能な二次電池であって、図27に示すように、ズームリング駆動装置410の電源として、ベース部411に設けられている。
【0123】
なお、第2電源部116によって供給される電力は、ズームリング駆動装置410のモータ115等に供給されるとともに、接点端子114および後述する接点端子131fを介して、カメラ本体131側へ供給されてもよい。
回転接続部417aa,413aaは、ベース部411内に配置された減速機413のギアの中で最も後段側に配置された、回転ギア417に最も近い最終ギアから、後述する側方部421の回転ギア417に、モータ115からの駆動力を伝達する。
【0124】
回転接続部417aa,413aaは、図29に示すように、ベース部411側に配置された回転接続部413aaと、後述する側方部421側に配置された回転接続部417aaとを含む。
回転接続部417aa,413aaは、図29に示すように、ベース部411と側方部421とが脱着可能に接続されるため、両者が脱着されても駆動力が伝達できるように、両者間の回転駆動力の伝達も脱着可能に構成されている。
【0125】
ベース部411から側方部421に回転駆動力を伝達する部分には、図29に示すように、減速機413の最も後段側に配置された、減速機最終ギアの軸413aの最も側方部421側端と、回転ギア417の軸417aの最もベース部411側端と、には、それぞれ、回転接続部413aaと回転接続部417aaとが配置されている。減速機413の回転軸と回転ギア417の回転軸は、回転接続部413aa,417aaによって脱着可能に接続され、回転接続部413aa,417aaが接続されている状態では、回転が伝達され、駆動力も伝達可能となる。
【0126】
具体的には、ベース部411側の回転接続部413aaは、減速機413の最後段の回転している軸413a、すなわち減速機最終ギアの軸413a、の先端上、言い換えると、ズームリング132aの回転軸方向の被写体側の一端に、軸413aの正面、または軸方向、から見て-(マイナス)形状を有している。また、回転接続部413aaは、軸413aの側面、または軸413aと略直交する方向から見て、凸形状を有している。
【0127】
一方、側方部421側の回転接続部417aaは、最前段の回転している軸417a、すなわち後述の回転ギア417の軸417a、の先端上、言い換えると、ズームリング132aの回転軸方向の被写体とは反対側の一端(第1端)に、軸417aの正面、または軸417a方向、から見て-(マイナス)形状を有している。回転接続部417aaは、軸417aの側面、または軸417aと略直交する方向から見て、凹形状を有している。
【0128】
ベース部411側の回転接続部413aaの凸形状と、側方部421側の回転接続部417aaの凹形状とは、軸方向には引っ掛かりが無い形状、すなわち、アンダーカットが無い形状、となっている。これにより、軸方向において、回転接続部413aaと回転接続部417aaとは、脱着可能な状態で互いに接続される。
また、ベース部411側の回転接続部413aaの凸形状と、側方部421側の回転接続部417aaの凹形状とは、軸の回転方向において引っ掛かりがある形状、すなわちアンダーカットがある形状となっている。これにより、回転接続部413aaと接続部417aaとは、軸の回転方向に回転力を伝達可能な状態で接続することができる。
【0129】
なお、回転接続部413aa,417aaの形状は、軸413aまたは軸417aの正面から見て-(マイナス)形状ではなく、+(プラス)形状であってもよい。この場合でも、回転接続部413aa,417aaは、ベース部411側の回転接続部413aaの凸形状と、側方部421側の回転接続部417aaの凹形状が脱着可能に接続されるため、減速機最終ギアの軸413aと回転ギア417の軸417aとを脱着可能かつ回転駆動力を伝達可能な状態で互いに接続される。
【0130】
また、回転接続部413aa,417aaの形状は、軸の正面から見て-(マイナス)形状ではなく、接続軸を中心とする周方向と角度を成す面を備えた形状であってもよい。この場合でも、回転接続部413aa,417aaは、ベース部411側の回転接続部413aaの凸形状と、側方部421側の回転接続部417aaの凹形状が脱着可能に接続できる。よって、減速機最終ギアの軸413aと回転ギア417の軸417aとを脱着可能かつ回転駆動力を伝達可能な状態で互いに接続される。
【0131】
また、回転接続部413aa,417aaの形状は、軸の正面から見て-(マイナス)形状ではなく、接続される軸を中心とする円を含まない面を備えた形状であってもよい。この場合でも、回転接続部413aa,417aaは、ベース部411側の回転接続部413aaの凸形状と、側方部421側の回転接続部417aaの凹形状とが脱着可能に接続されるため、減速機最終ギアの軸413aと回転ギア417の軸417aとを脱着可能かつ回転駆動力を伝達可能な状態で互いに接続される。
【0132】
また、回転接続部413aa,417aaは、ベース部411側の減速機413の最後段の最終ギアと、後述の側方部421側の最前段の最前ギアと、例えば、後述の回転ギア417と、が直接接続される構成であってもよい。この場合でも、回転接続部413aa,417aaは、脱着可能かつ回転駆動力を伝達可能な状態で互いに接続される。
ベース部411は、図30に示すように、カメラ本体131が接続される上面411aを含む複数の面から構成された箱型の部材であって、内部空間に、モータ115、減速機413、第2電源部116(第2電源部(図27参照))を有している。
【0133】
ベース部411は、複数の面から構成された立体として形成されており、カメラ本体131が接続される上面411a(第3の面)と、後述する側方部421が接続される裏面411c(第4の面)とを有している。
上面411a(第3の面)には、カメラ本体131と脱着可能な第2機械接続部435baと、第2電気接続部としての接点端子114と、を備えている。
【0134】
裏面411c(第4の面)には、側方部421とベース部411とを互いに脱着可能な状態で接続する第3機械接続部436が設けられている。
ベース部411は、カメラ本体131の底面に設けられた第2機械接続部435baを構成するネジ穴に、その上面411a(第3の面)に設けられた第2機械接続部435baを構成する固定ネジが螺合することで、カメラ本体131と相対位置が略固定されるよう接続される。
【0135】
なお、ここで第3の面を上面としているが、この上面という用語は説明の便宜上用いているだけで配置する位置や見る方向によって異なる表現であり、上面ではなく下面、側面であってもよく、正面であってもよい。今回、説明の便宜上、カメラ本体131と接続される面を上面と命名したに過ぎない。また、第4の面を裏面としているが、同じく便宜上の用語であり、側面、背面、上面、または下面と命名してもよい。今回、説明の便宜上、側方部421が接続される面を裏面と命名したに過ぎない。
【0136】
なお、ベース部411の上面411aにカメラ本体131が装着されるのではなく、カメラ本体131のレンズ鏡筒132が装着される面と隣り合う面(例えば、側面等)にカメラ本体131が装着されてもよい。
ベース部411には、カメラ本体131と電気的接続を可能とする接点端子114(第2電気接続部)が、固定ネジ(第2機械接続部435ba)が設けられた上面411a(第3の面)と略同一面に設けられている。
【0137】
固定ネジ(第2機械接続部435ba)がネジ穴(第2機械接続部435ba)に螺合した状態になると、ベース部411がカメラ本体131に対して固定される。これにより、後述する側方部421およびズームリング駆動装置410もカメラ本体131に対して固定され、接点端子114とカメラ本体131側の接点端子131fとが接続状態となる。
【0138】
接点端子114は、カメラ本体131側の接点端子131fと接触することで、カメラ本体131とズームリング駆動装置410との間において、電気的な接続が確立される。
これにより、例えば、接点端子114,131fを介して、カメラ本体131のバッテリ(第1電源部431a)からズームリング駆動装置410に対して電力が供給される。あるいは、ベース部411の第2電源部116(第2電源部)からカメラ本体131側へ電力が供給される。あるいは、カメラ本体131の第1制御部31dとズームリング駆動装置410の第3制御部124との間において、互いに制御可能となるように、相互の情報の双方向通信が行われる。
【0139】
ベース部411は、図29に示すように、側方部421と脱着可能な状態で接続される。ベース部411は、側方部421を接続する裏面411c(第4の面)を備えている。
裏面411cには、第3機械接続部436を構成するネジ穴436bが設けられている。側方部421を接続する裏面411cは、カメラ本体131を接続する上面411a(第3の面)と略平行な面となっている。
【0140】
なお、側方部421が接続されるベース部411の裏面411cは、カメラ本体131が接続される上面411a(第3の面)と略平行に向き合った面である必要はなく、上面411a(第3の面)と隣り合う面、例えば、レンズ鏡筒132が接続される面(第1の面)と略平行な面であってもよい。この場合でも、側方部421は、ベース部411に接続されることで、レンズ鏡筒132の側方に配置される。
【0141】
側方部421は、図30に示すように、レンズ鏡筒132の側方に配置され、ズームリング132aの回転軸方向、すなわちレンズ鏡筒132に含まれる光学要素であるレンズの光軸方向に沿ってベース部411側から被写体側に伸びた状態、かつベース部411に対して脱着可能な状態で接続されている。
側方部421は、図28図30および図31に示すように、後述の調整部による調整により、駆動ギア112の位置が光軸方向において前後に移動可能であるため、光軸方向におけるズームリング132aの位置、または長さ、が異なるレンズ鏡筒132に対応できる。
【0142】
図31に示すように、図30の状態よりもズームリング132aの位置が光軸方向において被写体と反対側にあるレンズ鏡筒132がカメラ本体131に装着された場合、または図30の状態よりも長さが短いレンズ鏡筒132がカメラ本体131に装着された場合、第2調整部424により、ガイド部材422を支持部材118に沿って被写体と反対側に移動させる。そうすることで、ガイド部材422に回転自在に保持された駆動ギア112を支持部材118の軸方向の被写体と反対側に移動させることができる。その結果、駆動ギア112の位置は、ズームリング132aと略対向できる、すなわちズームリング132aに駆動ギア112が直接的あるいは間接的に当接できる、位置に調整することができる。
【0143】
不図示であるが、図30の状態よりもズームリング132aの位置が光軸方向において被写体側にあるレンズ鏡筒132がカメラ本体131に装着された場合、または図30の状態よりも長さが長いレンズ鏡筒132がカメラ本体131に装着された場合、第2調整部424により、ガイド部材422を支持部材118に沿って被写体側に移動させる。そうすることで、ガイド部材422に回転自在に保持された駆動ギア112を支持部材118の軸方向の被写体側に移動させることができる。その結果、駆動ギア112の位置は、ズームリング132aと略対向できる、すなわちズームリング132aに駆動ギア112が直接的あるいは間接的に当接できる、位置に調整することができる。
【0144】
側方部421は、図27に示すように、後述の調整部による調整により、駆動ギア112の位置が光軸と略直交する方向において移動可能であるため、光軸と略直交する方向におけるズームリング132aの位置、または外径が異なるレンズ鏡筒132に対応できる。
すなわち、側方部421は、図33A1図33A2図33B1図33B2図33C1図33C2に示すように、外径が異なる複数種類のレンズ鏡筒132がカメラ本体131に装着されたカメラ130がセットされた場合でも、光軸に略直交する方向において駆動ギア112が移動することで対応することができる。
【0145】
図33B1図33B2に示すように、図33A1の状態よりもズームリング132aの外径が大きいレンズ鏡筒132がカメラ本体131に装着された場合、第1調整部423により、支持部材118が固定されたプレート部材(軸間固定部)118aを回転ギア417の回転軸中心に、光軸方向の被写体側からカメラを見て時計方向、すなわち図33B2において時計方向、または光軸から離れる方向、に回転させる。そうすることで、支持部材118を回転中心としてガイド部材422に対して回転自在に取り付けられている駆動ギア112を、ズームリング132aの回転軸と略直交する面内で、光軸、またはズームリング132aの回転軸、から離れる方向に移動させることができる。その結果、駆動ギア112の位置は、外径が大きいズームリング132aと略対向できる、すなわちズームリング132aに駆動ギア112が直接的あるいは間接的に当接できる、位置に調整することができる。
【0146】
図33C1図33C2に示すように、図33A1の状態よりもズームリング132aの外径が小さいレンズ鏡筒132がカメラ本体131に装着された場合、第1調整部423により、支持部材118が固定されたプレート部材(軸間固定部)118aを回転ギア417の回転軸中心に、光軸方向の被写体側からカメラを見て反時計方向、すなわち図33C2において反時計方向、または光軸近づく方向、に回転させる。そうすることで、支持部材118を回転中心としてガイド部材422に対して回転自在に取り付けられている駆動ギア112を、ズームリング132aの回転軸と略直交する面内で、光軸、またはズームリング132aの回転軸、に近づく方向に移動させることができる。その結果、駆動ギア112の位置は、外径が小さいズームリング132aと略対向できる、すなわちズームリング132aに駆動ギア112が直接的あるいは間接的に当接できる、位置に調整することができる。
【0147】
側方部421は、光軸方向の長さが図28図30図31と異なるタイプを複数用意することで、より多くの種類のレンズ鏡筒132に対応することができる。具体的には、図34に示すように、光軸方向の長さが長いタイプを用意すると、1種類の側方部421で対応するより長いレンズ鏡筒132に対応することができる。光軸方向の長さが互いに異なる側方部421のタイプ同士、すなわち、図30の側方部421と図34の側方部421、は、後述する回転ギア417、支持部材118、および保持部120の光軸方向の長さが互いに異なっている。光軸方向の長さが長い側方部421のタイプ(図34)は、光軸方向の長さが短い側方部421のタイプ(図30図31)よりも、回転ギア417、支持部材118、および保持部120の光軸方向の長さが長い。
【0148】
不図示であるが、上述の光軸方向の長さが異なる側方部421のタイプで、長さが短いタイプを用意すると、1種類の側方部421で対応するより短いレンズ鏡筒132に対応することができる。光軸方向の長さが短い側方部421のタイプは、光軸方向の長さが長い側方部421のタイプよりも、回転ギア417、支持部材118、および保持部120の光軸方向の長さが短い。
【0149】
側方部421は、単独でも、後述のように、複数の外径や複数の長さ、またはズームリング132aの回転軸方向の複数の位置、のズームリング132aと駆動ギア112が係合、または噛み合えるよう、ズームリング132aに対して駆動ギア112の位置が変更可能となる調整部を有している。
ここで、複数のサイズのレンズ鏡筒132に対して1種類の側方部421のみで対応することは、合理的ではない。例えば、全長が300mm、200mm、100mm、50mmの4種類のレンズ鏡筒132がある場合を想定する。これら4種類のレンズ鏡筒132を1種類の側方部421で対応しようとすると、側方部421は、300mm前後の長さが必要になる。そうすると、50mmのレンズのズームリング132a駆動する時もこの300mm前後の長さの側方部421を用いる事になるので、不必要にズームリング駆動装置410が大型化し、撮影時や携行時に不便である。
【0150】
4種類のレンズ鏡筒132を2種類の側方部421で対応しようとすると、側方部421は、300mm前後の長さのものと、100mm前後の長さのものと、を用意すればよい。これにより、300mmと200mmのレンズのズームリング132aを駆動する時は、300mm前後の長さの側方部421を用い、100mmと50mmのレンズのズームリング132aを駆動する時は、100mm前後の長さの側方部421を用いることができる。よって、不必要にズームリング駆動装置410が大型化することが無く、撮影時や携行時に便利である。
【0151】
このように、2種類の側方部421が必要な場合でも、側方部421は、ベース部411に対して脱着可能に接続されるため、1種類のベース部411を用意しておけば対応することができる。つまり、1種類のベース部411に対して、2種類の側方部421を必要に応じて交換して使用することができる。ベース部411に対する側方部421の交換は、カメラ本体131とベース部411が接続されたままの状態でも可能であるし、ベース部411がカメラ本体131とは切り離された単独の状態でも可能である。
【0152】
なお、ここではより多くの種類のレンズ鏡筒132に対応するために、光軸方向の長さが異なる側方部421を複数用意する説明をしたが、その限りではない。
側方部421は、複数のタイプ、例えば、側方部421の光軸方向と略直交する方向の後述する駆動ギア112の移動範囲が異なるタイプ、を複数用意することで、より多くの種類のレンズ鏡筒132に対応することができる。この光軸方向と略直交する方向の駆動ギア112の移動範囲が異なる側方部421同士は、後述する回転ギア417または駆動ギア112の外径または歯数が互いに異なっている。または、プレート部材118aの回転ギア112の軸受け部から支持部材118の取付位置までの長さが互いに異なっている。
【0153】
側方部421は、駆動ギア112と、回転ギア417と、支持部材118と、プレート部材(軸間固定部)118aと、第2位置決めネジ(軸方向位置決め部)118bと、固定部材119(回転方向位置決め部)としてのネジと、保持部120と、ガイド部材422と、回転接続部417aa,413aaと、第1調整部423と、第2調整部424と、第3機械接続部436と、を備えている。
【0154】
側方部421は、ベース部411が接続される面421a(第5の面)を有している。側方部421は、ベース部411に接続されると、レンズ鏡筒132の側方に配置される。
面421aには、ベース部411と側方部421とを脱着可能とする第3機械接続部436が設けられている。
【0155】
側方部421の面421a(第5の面)には、ベース部411の裏面411c(第4の面)に設けられたネジ穴436b(第3機械接続部436)に螺合する固定ネジ436a(第3機械接続部436)が設けられている。
側方部421は、図28および図29に示すように、ベース部411の裏面411c(第4の面)に設けられたネジ穴436b(第3機械接続部436)に対して、面421a(第5の面)に設けられた固定ネジ436a(第3機械接続部436)が螺合することで、ベース部411と相対位置が略固定されるよう固定される。これにより、カメラ本体131およびレンズ鏡筒132に対して、相対位置が略固定されるよう接続される。
【0156】
側方部421は、ズームリング132aに対して、ベース部411側の駆動部127からの回転駆動力を伝えている。ベース部411内に配置された駆動部127のモータ115の回転駆動力は、減速機413を介して側方部421内に配置された回転ギア417に伝わり、さらに側方部421内に配置された駆動ギア112を経由して、レンズ鏡筒132に配置されたズームリング132aに伝わる。
【0157】
駆動ギア112は、ズームリング132aの回転軸方向、すなわちレンズ鏡筒132に含まれる光学要素であるレンズの光軸方向に回転軸を有し、図27に示すように、後述する第1調整として、回転ギア417の回転軸中心に回転移動可能(図中一点鎖線矢印A参照)、かつ固定も可能な状態で、側方部421内に配置されている。駆動ギア112は、回転ギア417から回転駆動力が伝達され、ズームリング132aに直接的または間接的に接触することで回転駆動力を伝達する。
【0158】
駆動ギア112は、レンズ鏡筒132に含まれるズームレンズの光学特性の一つである焦点距離を変化させるズームリング132aに直接的あるいは間接的に当接する位置に設けられている。駆動ギア112は、ズームリング132aに当接した状態で回転してズームリング132aを回転させる。
なお、駆動ギア112は、ズームリング132aに直接的に当接するのではなく、ズームリング132aに係合したリングギア25(上記実施形態で説明した図9A等参照)に当接させ、リングギア25を介してズームリング132aを間接的に当接した状態で回転させてもよい。
【0159】
また、駆動ギア112は、図28に示すように、後述する第2調整として、支持部材118に沿って光軸方向に前後に移動可能(図中実線矢印B参照)であって、図30および図31に示すように、レンズ鏡筒132の長さ等に応じて適切な位置に位置決めされた状態で回転駆動される。
駆動ギア112は、ズームリング132aの回転軸方向、または光軸方向と、略平行な支持部材118の軸に沿って移動および固定可能に配置されるガイド部材422に回転自在に保持されている。これにより、駆動ギア112は、レンズ鏡筒132の略光軸方向、またはズームリング132aの略回転軸方向、の前後方向にガイドされる。
【0160】
駆動ギア112は、第1調整部423を構成する部品であって、その調整時には、ズームリング132aの回転軸と略直交する方向、または光軸に略直交する方向、の位置が、ズームリング132aの回転軸と略平行な軸、または光軸と略平行な軸を中心に回転して移動する。
具体的には、第1調整部423は、回転ギア417の軸中心に支持部材118を回転させることで、駆動ギア112の位置を、ズームリング132aの回転軸と略直交する方向、または光軸に略直交する方向に移動させる。第1調整部423の第1調整により、図27に示す矢印Aに沿って、駆動ギア112は、ズームリング132aの回転軸と略直交する面上を、回転ギア417の軸中心に回転移動する。
【0161】
回転ギア417は、図30等に示すように、ベース部411の上面411aにカメラ130がセットされた状態で、その回転軸がレンズ鏡筒132のズームリング132aの回転軸方向、またはレンズ鏡筒に含まれる光学要素であるレンズの光軸に略平行な方向、または駆動ギア112の回転軸方向、と略平行な状態で、カメラ本体131、またはベース部411に対して相対位置が固定された状態で、側方部421内に配置されている。
【0162】
回転ギア417は、光軸方向の被写体側の一端を後述する保持部120の先端側、すなわち被写体側、において、L字形に屈曲した面の軸受部に回転可能に保持されている。回転ギア417は、回転ギア417の被写体とは反対側のもう一端(第1端)も保持部120のベース部411側、すなわち被写体とは反対側、のL字形に屈曲した面の軸受部に回転可能に保持されている。
【0163】
回転ギア417の軸417aは、ズームリング132aの回転軸方向の被写体とは反対側の一端(第1端)に、軸417aの正面から見て-(マイナス)形状であって、軸417aの側面から見ると凹形状である側方部421側の回転接続部417aaを有している。
回転ギア417の軸417aは、側方部421側の回転接続部417aa、および、それと脱着可能に接続されるベース部411側の回転接続部413aaを介して、ベース部411内の減速機最終ギアの軸413aと脱着可能な状態で接続される。これにより、ベース部411と側方部421とが脱着可能であってもモータ115からの回転駆動力の伝達が可能となる。
【0164】
回転ギア417は、減速機413を介して伝わった駆動源としてのモータ115からの回転駆動力を、駆動ギア112に伝達する。
回転ギア417は、回転軸417aを中心とする外周面に形成されたギア歯部417cを有している。
なお、後述する第2調整部424による第2調整により、駆動ギア112と回転ギア417との歯の噛み合いが外れないように、回転ギア417のギア歯部417cの歯幅、すなわち、歯すじ方向の歯の長さは、第2調整で必要となる駆動ギア112の軸方向移動量と同等か、それよりも一定量以上長い。言い換えると、回転ギア417は、回転軸方向、すなわちズームリング132aの回転軸と略平行な軸方向、または略光軸方向の所定の長さに渡って噛み合いが可能なギア歯部417cを有している。
【0165】
後述する第1調整部423による第1調整、および第2調整部424による第2調整は、回転ギア417がベース部411、またはカメラ本体131に対して固定された状態で行われる。言い換えると、第1調整および第2調整においては、ベース部411またはカメラ本体131に対する回転ギア417の相対位置は変化しない。
ギア歯部417cは、回転ギア417の外周面に形成された凹凸形状のギア歯の部分であって、減速機413を介して伝達されるモータ115の回転駆動力を駆動ギア112に伝達する。また、ギア歯部417cは、第2調整部424による第2調整によって、駆動ギア112がズームリング132aの略回転軸方向、すなわち略光軸方向に移動しても常に歯同士が噛み合うことができるように、略光軸方向における所定の範囲に渡って歯幅、または歯面が歯すじ方向に長く形成されている。
【0166】
支持部材118は、略光軸方向において所定の範囲内で駆動ギア112が移動可能な状態で、駆動ギア112の回転軸として駆動ギア112を軸方向に所定の長さに渡って回転自在に支持する棒状の部材である。支持部材118は、保持部120によって下方から支持されている。支持部材118は、プレート部材118aと、位置決めネジ(位置決め部材)118bとを有している。
【0167】
支持部材118は、後述するプレート部材(軸間固定部)118aに固定されており、後述する第1調整部423の構成部品となっている。支持部材118は、後述する第1調整部423による第1調整が行われる際に、プレート部材118aを回転ギア417の回転軸中心に回転させる(図27矢印A)。これにより、支持部材118は、回転ギア417の回転軸を中心に回転し、ズームリング132aの回転軸と略直交する方向に移動可能となる。この結果、図27に示すように、支持部材118を回転軸として回転自在に取付いている駆動ギア112の位置を、ズームリング132aの回転軸と略直交する方向に移動させることができる。言い換えると、第1調整部423の第1調整により、図27に示す矢印Aに沿って、駆動ギア112は、ズームリング132aの回転軸と略直交する面上を、回転ギア417の軸中心に回転移動する。
【0168】
支持部材118は、後述する第2調整部424の構成部品の1つであって、光軸方向において所定長さを有している。これにより、後述する第2調整が行われる際に、光軸方向に伸びた支持部材118の軸に沿って、ガイド部材422を移動させる(図28矢印B)。これにより、ガイド部材422は、ズームリング132aの回転軸方向、または光軸方向に移動可能となる。この結果、支持部材118の中心を回転軸としてガイド部材422に対して回転自在に取付いている駆動ギア112の位置を、ズームリング132aの回転軸方向、または光軸方向において移動させることができる。言い換えると、第2調整部424の第2調整により、図28に示す矢印Bに沿って、駆動ギア112は、ズームリング132aの回転軸と略平行な支持部材118に沿って移動する。
【0169】
プレート部材118aは、図28等に示すように、側方部421の光軸方向における被写体側の端部に設けられた板状の部材であって、第1端が保持部120に固定部材119で固定される。プレート部材118aの第2端側は、支持部材118が取り付けられている。プレート部材118aは、後述する第1調整部423の構成部品の1つであって、第1調整部423による第1調整時には、回転ギア417の回転軸を中心にして、光軸方向に対して垂直な方向に回転可能である。プレート部材118aは、第1調整完了後に、回転ギア417の回転軸と略同軸上に配置された固定部材119(回転方向位置決め部)によって固定される。
【0170】
第2位置決めネジ(軸方向位置決め部)118bは、後述するガイド部材422に設けられ、後述する第2調整部424の構成部品の1つであって、支持部材118の中心軸に沿って移動可能なガイド部材422とともに光軸方向において移動する。第2位置決めネジ118bは、ガイド部材422を支持部材118の軸の側面に対して固定する。第2位置決めネジ118bは、ねじ機構を有し、第2調整の際にねじ機構が緩んだ状態にされ、第2調整が完了後には、ねじ機構が締まった状態にされる。
【0171】
第2位置決めネジ118bの締め付けは、第2調整として、駆動ギア112とズームリング132aとが当接する位置にガイド部材422を移動させた後に行われる。駆動ギア112がズームリング132aの回転軸の側面または回転軸と略直交する方向から見た位置がズームリング132aと当接する位置に調整された後、第2位置決めネジ118bを締め付けることで、ガイド部材422は支持部材118に対して固定される。駆動ギア112は、光軸と略平行な支持部材118の軸心を回転中心として、ガイド部材422に回転可能な状態で保持されている。駆動ギア112は、支持部材118の軸方向、または光軸方向、は略固定された状態でガイド部材422に保持されている。これにより、ガイド部材422が支持部材118に対して固定されると、ガイド部材422に軸方向が略固定された駆動ギア112も支持部材118に対して回転自在な状態で軸方向が略固定される。
【0172】
すなわち、位置決めネジ118bは、支持部材118に沿って移動可能な駆動ギア112がレンズ鏡筒132のズームリング132aに対して当接する位置において、駆動ギア112を位置決めするために設けられている。
固定部材119(回転方向位置決め部)は、回転ギア417の回転中心軸の略延長線上に設けられている。固定部材119は、後述する第1調整部の構成部品の1つであって、回転ギア417の回転軸の回りに回転可能なプレート部材(軸間固定部)118aを保持部120の端面に対して固定する。固定部材119は、ねじ機構を有し、後述の第1調整の際にねじ機構が緩んだ状態にされ、第1調整が完了後には、ねじ機構が締まった状態にされる。固定部材119の締め付けは、第1調整として、駆動ギア112とズームリング132aとが当接する位置にプレート部材118aを回転させた後に行われる。駆動ギア112がズームリング132aの回転軸の正面、または回転軸方向から見た位置がズームリング132aと当接する位置に調整された後、固定部材119を締め付けることで、プレート部材(軸間固定部)118aは保持部120に対して固定される。
【0173】
保持部120は、レンズ鏡筒132の側方でズームリング132aの回転軸と略平行に配置された側方部421の構成部品の1つであって、ベース部411から光軸方向における被写体側へ突出する。保持部120の被写体側の略先端部と被写体側とは反対側の略後端部は屈曲しており、光軸と略直交する面を有する形状が設けられている。保持部120は、上述した回転ギア417、プレート部材118a、支持部材118、固定部材119等を下方から支持する。保持部120の被写体側の略先端部と被写体側とは反対側の略後端部の屈曲した面は、回転ギア417を回転保持する軸受部をそれぞれ有している。
【0174】
保持部120は、ベース部411を接続する面421a(第5の面)を有し、ベース部411に接続される。これにより、側方部421がレンズ鏡筒132の側方に配置される。面421aには、側方部421とベース部411とを脱着可能な状態で接続する第3機械接続部436が設けられている。
なお、保持部120の形状は、必ずしもL字形状を有していなくてもよい。保持部120の形状は、回転ギア417を回転保持する軸受部とベース部411を接続する面421aを有し、固定部材119によりプレート部材118aを固定できる機能を持った構造であれば、どんな形状でも構わない。保持部120は、1部品では無く、複数部品を結合することで上述と同じ機能を達成する構造であっても構わない。
【0175】
側方部421の面421a(第5の面)には、図29に示すように、ベース部411の裏面411c(第4の面)に設けられたネジ穴436b(第3機械接続部436)に螺合する固定ネジ436a(第3機械接続部436)が設けられている。
ガイド部材422は、駆動ギア112を回転軸方向が略固定し回転方向が回転可能に保持しながら、支持部材118の軸(光軸と略平行)に沿って移動および固定可能に配置されている。ガイド部材422は、駆動ギア112をレンズ鏡筒132の光軸方向の前後方向にガイドする。ガイド部材422は、後述する第2位置決めネジ(軸方向位置決め部)118bにより支持部材118に対して移動および固定が可能である。
【0176】
第2位置決めネジ(軸方向位置決め部)118bは、ガイド部材422に保持され、ガイド部材422と共に光軸方向を移動可能に配置される。第2位置決めネジ118bは、ねじ機構を有し、ねじ機構が緩んだ状態では、ガイド部材422が支持部材118に対して移動可能となり、ねじ機構が締まった状態では、ガイド部材422が支持部材118に対して固定可能となる。
【0177】
カメラ130は、レンズ交換式であるため、レンズ鏡筒132の外径、ズームリング132aの外径、リングギアの外径等が異なる複数のレンズに対してもズームリング駆動装置410は対応する必要がある。
ここで、ズームリング駆動装置410に異なる仕様の交換レンズを対応させるために、駆動ギア112は、レンズ鏡筒132の略径方向、すなわち光軸に略直交する方向に移動可能に配置され、適切な径方向位置、すなわちズームリング132aに対向し、ギアの歯同士が噛み合い可能な位置、またはリングギアに対向し、ギアの歯同士が噛み合い可能な位置に調整された後、固定されるように構成されている。言い換えると、駆動ギア112とズームリング132a、またはリングギアは、ギア同士が正しく噛み合える適切な軸間距離に調整される。
【0178】
ズームリング駆動装置(マニュアル操作リング駆動装置)410は、図33A1図33A2図33B1図33B2図33C1図33C2に示すように、カメラ本体131に装着された様々な大きさのレンズ鏡筒132に対応する必要があり、様々な大きさのズームリング132aを外部から回転させる必要がある。そのため、ズームリング駆動装置410は、異なる大きさ、例えば、異なる外径のズームリング132aと係合する必要がある。
【0179】
具体的には、複数種類の異なる外径を有するズームリング132aと駆動ギア112とが係合、または噛み合うように、ズームリング132aの回転軸と略直交する方向のズームリング132aに対する駆動ギア112の位置を、ズームリング132aの外径に合わせて変更するため、すなわち、ズームリング132aの回転軸と駆動ギア112の回転軸の軸間を変更するための、第1調整部423が必要となる。
【0180】
第1調整部423は、駆動ギア112と、支持部材118と、プレート部材(軸間固定部)118aと、固定部材119と、を備えている。
第1調整部423は、ズームリング132aの回転軸と略直交する方向の駆動ギア112の位置を、ズームリング132aの回転軸と略平行な軸を中心に回転させることで調整する。具体的には、支持部材118が固定されたプレート部材(軸間固定部)118aを回転ギア417の回転軸中心に回転させることで、支持部材118を回転中心としてガイド部材422に対して回転自在に取り付けられている駆動ギア112の位置を、ズームリング132aの回転軸と略直交する方向に移動させる。
【0181】
駆動ギア112の位置調整時には、図33A1図33B1図33C1に示すように、駆動ギア112の位置を回転ギア417の回転軸を中心に回転させることで移動させる。駆動ギア112が回転ギア417の回転軸まわりに回転することで位置調整される時には、駆動ギア112の回転軸と回転ギア417の回転軸は、略平行を保ったままの状態が維持される。
【0182】
このとき、第1調整部423によって、駆動ギア112と回転ギア417の歯の噛み合いが外れないように、駆動ギア112の回転軸の位置を回転ギア417の回転軸を中心に回転させることで調整が行われる。駆動ギア112の回転軸の位置を回転ギア417の回転軸を中心に回転させるため、駆動ギア112と回転ギア417の回転軸との距離、すなわち、軸間距離、は、第1調整が行われても略一定に保たれる。このため、駆動ギア112と回転ギア417とのギア同士が外れることを防止することができる。
【0183】
駆動ギア112と回転ギア417との軸間距離は略一定、すなわち軸間距離を略固定した状態、で互いの歯は係合した状態が保たれる。この結果、駆動ギア112の位置調整が行われても、駆動ギア112と回転ギア417とのギアの歯の噛み合いは同じ状態を維持される。すなわち、駆動ギア112は、回転する調整を行っても、回転ギア417との歯の噛み合いが外れることを防止することができる。
【0184】
図33A2図33B2図33C2に示すように、駆動ギア112のズームリング132aの回転軸方向から見た位置がズームリング132aと当接する位置に調整された後、固定部材119が締め付けられると、プレート部材(軸間固定部)118aが保持部120の端面に対して固定される。
これにより、ズームリング132aの回転軸と略直交する方向のズームリング132aに対する駆動ギア112の位置、すなわちズームリング132aの回転軸方向から見た位置を、ズームリング132aの外径に合わせて変更することができる。よって、様々な外径のズームリング132aと駆動ギア112の係合が可能、または噛み合いが可能となり、駆動源であるモータ115からの回転力が様々な外径のズームリング132aに伝達することができる。
【0185】
さらに、ズームリング駆動装置410は、カメラ本体131に装着された様々な大きさのレンズ鏡筒132に対応する必要があり、様々な大きさのズームリング132aを外部から回転させる必要がある。このため、ズームリング駆動装置410は、異なる大きさ、例えば、異なる長さ、または回転軸方向の異なる位置のズームリング132aと係合する必要がある。
【0186】
具体的には、様々な長さ、またはズームリング132aの回転軸方向の様々な位置のズームリング132aと駆動ギア112が係合、または噛み合うように、ズームリング132aの回転軸に沿った方向のズームリング132aに対する駆動ギア112の位置を、ズームリング132aの長さ、または光軸方向位置、に合わせて変更するため、すなわち、回転ギア417の軸方向に沿って駆動ギア112の位置を変更するための第2調整部424が必要となる。
【0187】
第2調整部424は、回転ギア417と、駆動ギア112と、支持部材118と、第2位置決めネジ(軸方向位置決め部)118bと、ガイド部材422と、を備えている。
第2調整部424は、ズームリング132aの回転軸方向の駆動ギア112の位置を、ズームリング132aの回転軸と略平行な軸に沿って移動させることで調整を行う。具体的には、第2調整部424は、ガイド部材422を支持部材118に沿って移動させることで、ガイド部材422に回転自在に保持された駆動ギア112の位置を支持部材118の軸方向に移動させることができる。
【0188】
駆動ギア112の位置調整時には、駆動ギア112の位置を回転ギア417の回転軸に沿って、すなわち平行に、移動させる。駆動ギア112が回転ギア417の回転軸に沿って移動することで位置調整される時には、駆動ギア112の回転中心である支持部材118と回転ギア417の回転軸が略平行であるので、駆動ギア112の回転軸と回転ギア417の回転軸は、略平行を保ったままの状態が維持される。
【0189】
このとき、第2調整部424によって、駆動ギア112と回転ギア417の歯の噛み合いが外れないように、どちらかの歯の歯幅、すなわち歯すじ方向の歯の長さ、は、第2調整で必要となる駆動ギア112の軸方向移動量と同等、または移動量よりも一定量以上長い。
本実施形態では、特に、回転ギア417の歯幅が長くなっている。そのため、駆動ギア112の光軸方向、またはギアの回転軸方向の位置調整を行なってもギア同士が外れることを防止することができる。駆動ギア112と回転ギア417との軸間距離は、互いの回転軸同士が略平行に保たれるため略一定、すなわち軸間を略固定した状態で互いの歯は係合した状態が保たれる。これにより、駆動ギア112の位置調整を行っても、駆動ギア112と回転ギア417のギアの歯の噛み合いは同じ状態を維持される。すなわち、駆動ギア112は、回転する調整を行っても、回転ギア417との歯の噛み合いが外れることを防止することができる。
【0190】
駆動ギア112のズームリング132aの回転軸と略直交する方向から見た位置がズームリング132aと当接する位置に調整された後、第2位置決めネジ118bが締め付けられると、ガイド部材422は支持部材118に対して固定される。駆動ギア112は、光軸と略平行な支持部材118の軸心を回転中心として、ガイド部材422に回転可能な状態で保持されている。駆動ギア112は、支持部材118の軸方向、または光軸方向、は略固定された状態でガイド部材422に保持されている。これにより、ガイド部材422が支持部材118に対して固定されると、ガイド部材422に軸方向が略固定された駆動ギア112も支持部材118に対して回転自在な状態で軸方向が略固定される。
【0191】
これにより、ズームリング132aの回転軸方向のズームリング132aに対する駆動ギア112の位置、すなわちズームリング132aの回転軸と略直交する方向から見た位置を、ズームリング132aの長さ、または光軸方向位置に合わせて変更することができる。よって、様々な長さ、またはズームリング132aの回転軸方向の様々な位置のズームリング132aと駆動ギア112の係合が可能、または噛み合いが可能となる。この結果、駆動源であるモータ115からの回転力が様々な長さ、またはズームリング132aの回転軸方向の様々な位置、のズームリング132aに伝達することができる。
【0192】
従来の構成では、ズームリングに対して駆動ギアの位置を調整する時に、駆動源であるモータ、またはモータの回転を制御するための回転数検出部、またはモータを制御する制御部、またはモータを制御するための記憶部、またはバッテリ(電源部)、等の電気接続が必要な電装部材は、駆動ギアとの相対位置は一定のままである。
言い換えると、電気接続が必要な電装部材の少なくとも一部は、調整時の駆動ギアの移動に連動して本体カメラ、またはレンズ鏡筒に対して動いてしまう。この場合には、電気接続が必要な電装部材とカメラ本体との間を電気的に接続する電気接続部材は、屈伸、または伸縮等の変形、または移動をしなければならず、電線、またはフレキシブル基板等の変形可能な部材を採用しなければならない。さらに、電気接続部材は、屈伸、または伸縮等の変形が必要となるため、断線や接続外れ等の電気導通不良、または調整の作業性劣化が発生してしまうおそれがある。
【0193】
本実施形態では、モータ115、または回転数検出部27、または第3制御部124、または第3記憶部428、または第2電源部116(第2電源部)、等の電気接続が必要な電装部材は、カメラ本体131、またはカメラ本体131と相対位置が固定されたベース部411に配置されている。このため、ズームリング132aに対する駆動ギア112の位置を調整しても、電気接続部材は変形する必要がない。従って、電気接続部材は、動くこと無く固定することができ、屈伸または伸縮等の変形はしないので、電線、またはフレキシブル基板等の変形可能な部材を採用する必要が無い。また、断線や接続外れ等の電気導通不良、または調整の作業性劣化が発生することを回避することができる。
【0194】
カメラ130にズームリング駆動装置410がセットされると、接点端子114を介してカメラ本体131の第1制御部31dとズームリング駆動装置410の第3制御部124との間で通信が行われる。これにより、カメラ本体131の第1制御部31dは、ズームリング駆動装置410が装着されたことを認識する。
その後、レンズ鏡筒132から伝達されたズームレンズに関する情報がカメラ本体131の第1制御部31dからズームリング駆動装置410の第3制御部124に伝達される。カメラ本体131の第1制御部31dおよびズームリング駆動装置410の第3制御部124は、伝達されたズームレンズに関する情報に基づいて、所定のズームリング駆動操作を実行する。
【0195】
ズームレンズに関する情報は、レンズ鏡筒132がカメラ本体131に装着されると、第1電気接続部(接点端子114,131f)を介して、カメラ本体131側のボディマウントとレンズ鏡筒132側のレンズマウント134を介して送信される。
ズームレンズに関する情報は、レンズ鏡筒132の記憶部32cにズームレンズに係わる固有の値として予め記憶されている。そして、ズーム時、すなわち焦点距離変化時に移動させる可動レンズの特徴に関する情報(例えば、焦点距離範囲、可動レンズの移動する範囲や可動域、焦点距離変化に対する制御単位変化率、可動レンズ移動量に対する焦点距離変化量等)が、レンズ鏡筒132の第2制御部32bからカメラ本体131の第1制御部31dに送信される。
【0196】
ズームレンズに関する情報は、上述の内容以外に、ズームリング132aが操作されている時の可動レンズの現在位置、現在速度等の情報がある。これらの情報については、定常通信により、レンズ鏡筒132の第2制御部32bからカメラ本体131の第1制御部31dに送信される。
ズームリング駆動装置410の第3制御部124は、送信されたズームレンズ情報に基づいて駆動部127のモータ115を回転させ、モータ115の回転駆動力を減速機413のギアを介して回転ギア417に伝達する。回転ギア417は、駆動ギア112を介してズームリング132aを回転させ、ズームリング132aを外部から操作制御することができる。
【0197】
本実施形態のズームリング駆動装置410は、以上のように、カメラ本体131が載置されるベース部411の内部に、モータ115、減速機413等を内蔵している。
これにより、ズームリング132aを外部から操作制御することが可能なズームリング駆動装置410を小型化することができる。
また、本実施形態のズームリング駆動装置410では、カメラ本体131とズームリング駆動装置410との間で行われる双方向の通信は、図32等に示すように、カメラ本体131側の接点端子131fを介して行われる。
【0198】
ここで、カメラ本体131とレンズ鏡筒132との間で行われる通信は、レンズ鏡筒132がカメラ本体131に対して装着された際に、レンズマウント134を介して行うことができる。なお、カメラ本体131とレンズ鏡筒132との間の通信は、無線通信を介して行われてもよい。
カメラ本体131側の接点端子131fは、図30および図31に示すように、カメラ本体131の底面に設けられている。接点端子131fと電気的に接続されるズームリング駆動装置410側の接点端子114は、図28等に示すように、カメラ本体131が設置される上面411aに設けられている。
【0199】
これにより、ズームリング駆動装置410にカメラ130がセットされると、カメラ本体131側から、ズームレンズに関する情報が、ズームリング駆動装置410側へ送信される。そして、ズームリング駆動装置410によってズームリング132aが回転操作されている際に駆動エラーが発生した場合には、発生した駆動エラー等の情報が、ズームリング駆動装置410側からカメラ本体131側へと送信される。
【0200】
また、カメラ本体131からズームリング駆動装置410に対する電力供給は、図32に示すように、カメラ本体131の底面に設けられた接点端子131fを介して行われる。
この場合には、ズームリング駆動装置410側の接点端子114と、カメラ本体131側の接点端子131fとが、互いに当接した状態で、カメラ本体131がズームリング駆動装置410に対して取り付けられることで、カメラ本体131からズームリング駆動装置410に対して給電を行うことができる。
【0201】
なお、カメラ本体131からレンズ鏡筒132に対する給電は、レンズ鏡筒132がカメラ本体131に対して装着された際に、レンズマウント134を介して行われる。
なお、カメラ本体131とズームリング駆動装置410との間の給電は、上記と逆方向で行われてもよい。すなわち、本実施形態のように、ズームリング駆動装置410がバッテリ等の電源を保持している場合には、ズームリング駆動装置410からカメラ本体131に対して給電を行うことも可能である。
【0202】
これにより、カメラ本体131は、すでに内蔵しているバッテリに加えて、ズームリング駆動装置410からも電力が供給されるため、例えば、長時間の動画撮影等に対応することができる。
<主な特徴4>
本実施形態のズームリング駆動装置410は、カメラ本体131に装着されたレンズ鏡筒132に含まれるズームレンズを光軸方向において前後に移動させる装置であって、駆動ギア112と、モータ115と、ベース部411と、を備えている。駆動ギア112は、レンズ鏡筒132に含まれるズームレンズの光学特性を変化させるズームリング132aに当接する位置に設けられており、ズームリング132aに当接した状態で回転してズームリング132aを回転させる。モータ115は、駆動ギア112を回転駆動させる。ベース部411は、カメラ本体131が載置される上面411aを有し、モータ115が配置される。
【0203】
これにより、カメラ本体131が載置される土台部分(ベース部411)の内部に、モータ115等が収納されているため、ズームリング132aを外部から回転操作するズームリング駆動装置410の小型化を図ることができる。
[他の実施形態]
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0204】
(A)
上記実施形態では、本開示のズームリング駆動装置(マニュアル操作リング駆動装置)10が駆動するマニュアル操作リングとして、ズームリング33が用いられている例を挙げて説明した。しかし、本開示はこれに限定されるものではない。
例えば、本開示のマニュアル操作リング駆動装置の駆動対象としては、ズームリングの代わりに、フォーカスリング等の他のリング部材であってもよい。
【0205】
(B)
上記実施形態では、ズームレンズ(可動レンズ)の特徴に関する情報として、ズームレンズの可動域、光軸方向における現在位置等の情報が、カメラ本体31を介して、ズームリング駆動装置10が受信する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0206】
例えば、ズームリング駆動装置が受信するレンズの特徴に関する特徴としては、ズームレンズの可動域や現在位置に関する情報以外に、レンズ鏡筒のWide端およびTele端における焦点距離の情報、絞りの状態の情報、設定可能なズーム速度の情報等の他の情報を受信する構成であってもよい。
(C)
上記実施形態では、レンズ鏡筒32のズームリング33の外周面に相対回転不能な状態で装着されたリングギア25を介して、間接的に、ズームリング33の回転操作を行う例を挙げて説明した。しかし、本開示はこれに限定されるものではない。
【0207】
例えば、マニュアル操作リング駆動装置側のギアと、レンズ鏡筒のマニュアル操作リング側のギアとが互いに噛み合う形状、大きさを有している場合には、リングギアを介すことなく、直接的に、ズームリング等を回転駆動する構成であってもよい。
(D)
上記実施形態1では、レンズ鏡筒32の外周面を3点で支持する例を挙げて説明した。しかし、本開示はこれに限定されるものではない。
【0208】
例えば、駆動対象となるマニュアル操作リングを含むレンズ鏡筒を、1点支持あるいは2点支持する構成であってもよいし、4点以上で支持する構成であってもよい。
(E)
上記実施形態では、レンズ鏡筒32の外周面を間接的に支持する1または複数のローラ20a,20b,20cが回転軸を中心に回転可能な状態で取り付けられている例を挙げて説明した。しかし、本開示はこれに限定されるものではない。
【0209】
例えば、各ローラの表面がテフロン(登録商標)等の摩擦抵抗の小さい材質によって形成されており、マニュアル操作リングの外周面との間の摩擦抵抗を小さくできる場合には、各ローラが全て回転可能である必要はなく、少なくとも一部のローラが回転不能であってもよい。
(F)
上記実施形態1では、レンズ鏡筒32を挟み込むように配置されたガイド部14,15が互いに近づく方向に付勢力を付与するバネ17が、ガイド部14,15の側面側に1つ設けられている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0210】
例えば、2つのガイド部に対して付勢力を付与するバネ部材は、ガイド部の両側の側面にそれぞれ設けられていてもよい。あるいは、2つのガイド部の底面側等、他の位置に設けられていてもよい。
(G)
上記実施形態では、2本のガイド軸12a,12bに沿って光軸方向においてガイド部11が移動する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0211】
例えば、第1ガイド部を案内するガイド軸として、1本のガイド軸が用いられてもよいし、3本以上のガイド軸が用いられてもよい。
(H)
上記実施形態では、ガイド部14とガイド部15とをレンズ鏡筒32を挟み込む方向に移動させる引っ張り力を付与する付勢部材として、バネ17を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0212】
例えば、バネの代わりに、磁力、空気圧、機構的な圧縮力(リードスクリューの回転による押し圧)等によって、付勢力を付与する部材が付勢部材として用いられていてもよい。
(I)
上記実施形態では、ガイド部11が、ガイド軸12b側を中心として、ガイド軸12aの側において長孔11bの範囲内で上下に揺動する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0213】
例えば、ガイド部(第1ガイド部)11は、ガイド軸12a側を中心として、ガイド軸12bの側において長孔11bの範囲内で上下に揺動する構成であってもよい。
(J)
上記実施形態では、本ズームリング駆動装置10が、例えば、動画撮影等を実施する際に利用される例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0214】
例えば、本マニュアル操作リング駆動装置は、動画撮影時に限らず、静止画の撮影、カメラの性能試験等において利用されてもよい。
(K)
上記実施形態では、カメラ本体31に対してレンズ鏡筒32が着脱可能なカメラ30を駆動対象とした例を挙げて説明した。しかし、本開示はこれに限定されるものではない。
【0215】
例えば、カメラ本体に対して着脱不能な状態で取り付けられたレンズ鏡筒を含むカメラを、駆動対象としてもよい。
(L)
上記実施形態2では、ズームリング駆動装置10が、充電可能な第2電源部116(第2電源部)を内蔵している例を挙げて説明した。しかし、本開示はこれに限定されるものではない。
【0216】
例えば、カメラ本体から電力供給を受ける構成が採用されている場合には、バッテリを持たないマニュアル操作リング駆動装置であってもよい。
なお、マニュアル操作リング駆動装置がバッテリを内蔵している構成は、カメラ本体から電力供給を受ける構成と組み合わせることで、長時間の動画撮影が可能となる等のメリットを得られることから、拡張性が向上するという観点で好ましい。
【0217】
(M)
上記実施形態では、ズームリング駆動装置10,110,410に対して、本開示の特徴を適用した例を挙げて説明した。しかし、本開示はこれに限定されるものではない。
例えば、ベース部に設けられており、カメラ本体に設けられたシャッターを操作するレリーズボタンをさらに備えたマニュアル操作リング駆動装置であってもよい。
【0218】
これにより、マニュアル操作リング駆動装置が、シャッターを操作する機能を有するバッテリグリップとして使用することができる。
(N)
上記実施形態2では、駆動ギア112が直接的にズームリング132aの外周面に当接した状態で回転することで、ズームリング132aの回転を制御する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0219】
例えば、上記実施形態1と同様に、リングギアを介して、ズームリング等のマニュアル操作リングを回転駆動する構成であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0220】
本開示のマニュアル操作リング駆動装置は、装着されるレンズ鏡筒に含まれる可動レンズの特徴に応じた駆動制御を行うことができるという効果を奏することから、ズームリング、フォーカスリング等の各種マニュアル操作リングを駆動する駆動装置に対して広く適用可能である。
【符号の説明】
【0221】
10 ズームリング駆動装置(マニュアル操作リング駆動装置)
11 ガイド部
11a 本体部
11b 長孔
11c 貫通孔
11d レール部
11e 固定ネジ
11f 固定部材
12a,12b ガイド軸
13 フロント部
14 ガイド部
14a 本体部
14b レール部
14c 被係止部
14d 固定ネジ
15 ガイド部
15a 本体部
15b レール部
15c 被係止部
15d 固定ネジ
16 ベース部
16a 本体部
16b 挿入穴
16c 接点端子
17 バネ
17a 係止部
18 固定ネジ
18a ネジ部
20a ローラ
20b ローラ
20c ローラ
21 駆動ギア
22 減速機
23 DCモータ(駆動部)
24 第3制御部
25 リングギア
25a 本体部
25b ギア部
25c 締結部
25d ボルト
25e ナット
26 受電部
27 回転数検出部
28 記憶部
30 カメラ
31 カメラ本体
31a ホットシュー
31b 入力部
31c 記憶部
31d 第1制御部
31e USB端子
31f 接点端子
31g 拡張ポート
32 レンズ鏡筒
32a レンズ位置検出部
32b 第2制御部
32c 記憶部
33 ズームリング(マニュアル操作リング)
34 レンズマウント
35a 第1機械・電気接続部(第1機械接続部、第1電気接続部、通信部)
35aa 第1機械接続部
35ab 第1電気接続部
35b 第2機械・電気接続部(第2機械接続部、第2電気接続部、通信部)
110 ズームリング駆動装置(マニュアル操作リング駆動装置)
111 ベース部
111a 面
112 駆動ギア
113 減速ギア
114 接点端子
115 モータ(駆動部)
116 第2電源部
117 ロングギア(回転ギア)
117a ギア歯部
118 支持部材(支持部)
118a プレート部材(軸間固定部)
118b 位置決めネジ(位置決め部材、軸方向位置決め部)
119 固定部材(回転方向位置決め部)
120 保持部
124 第3制御部
127 駆動部
130 カメラ
131 カメラ本体
131f 接点端子
132 レンズ鏡筒
132a ズームリング(マニュアル操作リング)
134 レンズマウント
410 ズームリング駆動装置(マニュアル操作リング駆動装置)
411 ベース部
411a 上面(第3の面)
411c 裏面(第4の面)
413 減速機
413a 減速機最終ギアの軸
413aa 回転接続部
417 回転ギア
417a 軸
417aa 回転接続部
417c ギア歯部
421 側方部
421a 面(第5の面)
422 ガイド部材
423 第1調整部(調整部)
424 第2調整部(調整部)
428 第3記憶部
431a 第1電源部
431b 入出力部
435ba 第2機械接続部
436 第3機械接続部
436a 固定ネジ
436b ネジ穴
1001 外部機器
A 第1調整
B 第2調整
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
図16
図17
図18A
図18B
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33A1
図33A2
図33B1
図33B2
図33C1
図33C2
図34